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光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び光記録媒体
説明

光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及び光記録媒体

【課題】耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性が良好な光記録媒体の光透過層に使用する硬化性組成物、光記録媒体を提供すること。
【解決手段】ラジカル重合性化合物と光重合開始剤を含み、ラジカル重合性化合物として1分子あたり7〜22個のプロピレンオキシドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物をラジカル重合性化合物の全量に対して20〜100質量%含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物層からなる光透過層を形成させることにより、耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性に優れる光記録媒体が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばブルーレイディスクとして用いられる再生専用光ディスク、記録型光ディスク等の光記録媒体に関する。また、光記録媒体の光透過層を形成するために用いることができる光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(以下場合により「硬化性組成物」とも呼ぶ)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報記録媒体の分野では高密度化に関して様々な研究が進められている。デジタルハイビジョン放送が広まるにつれ、大容量の光記録媒体への需要が高まっており、例えば、ブルーレイディスクのような大容量光ディスクが実用化され、普及期をむかえている。
ブルーレイディスクは、表面に情報記録面が形成された支持基体の情報記録面上に光透過層を有している。この光透過層の形成方法としては、液状の硬化性組成物をスピンコート法により塗布した後、活性エネルギー線の照射により硬化させて光透過層を形成する方法が開発されている。
また、光記録媒体に使用する為の各種の硬化性組成物が開発されている(例えば特許文献1〜2)。
しかしながら、特許文献1の実施例1に記載の単官能(メタ)アクリレートの少ない硬化性組成物の硬化物は、弾性率が大きく、また硬化物層上に異物が長時間押し込まれた場合、押し込み痕が残り、元の形状に復元せず、光記録媒体の記録・再生時にエラーが発生してしまう場合がある。例えば、不織布製ケースに入れて保管した場合に不織布の痕が光記録媒体の表面に付くことがある。特に夏場の自動車内などの高温環境下で保管したときにこのような押し込み痕が残りやすい。なお、本明細書においては、上述したような押し込み痕が残らずに元の形状に復元する性質を「耐圧痕性」と言う。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」又は「メタクリレート」を意味する。
特許文献2に記載の光記録媒体は、硬化性組成物の硬化物の弾性率を大きくすることで耐圧痕性を付与しているが、硬化時の収縮応力が大きくなり、光記録媒体の低反り性が不良である。なお、本明細書中においては、光記録媒体の反りが小さくなる性質を「低反り性」と言う。
また、特許文献2に記載の光記録媒体は、常温での耐圧痕性に優れるものの、高温環境下での耐圧痕性が不良であった。なお、本明細書においては、高温環境下における耐圧痕性を「耐高温圧痕性」と言う。
また、硬化性組成物の種類によっては、光記録媒体を高温高湿下にて保管した際に、劣化がおこり、変色する場合がある。本明細書では、高温高湿下において光記録媒体の耐久性が維持される性質を「耐高温高湿性」と言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−96146号公報
【特許文献2】特開2010−205347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性が良好な光記録媒体の光透過層に使用する硬化性組成物、光記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、1分子あたり7〜22個のプロピレンオキシドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物をラジカル重合性化合物に対して20〜100質量%含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物層からなる光透過層を形成させることにより、耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性に優れる光記録媒体が得られることを見出した。なお、光透過層とは、光記録媒体に対し、情報の読込み、および書込みをする際に、レーザー光が透過する層を指す。
第1の態様において本発明は、ラジカル重合性化合物と光重合開始剤を含み、ラジカル重合性化合物として1分子あたり7〜22個のプロピレンオキシドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物((A)成分)をラジカル重合性化合物の全量に対して20〜100質量%含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
第2の態様において本発明は、第1の態様における(A)成分が、1分子あたり8〜16個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートである活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
第3の態様において本発明は、第1の態様および第2の態様のいずれかに記載の光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層を有する光記録媒体樹脂組成物に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性が良好な光記録媒体用硬化性組成物、および耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性が良好な光記録媒体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[(A)成分]
本発明の硬化性組成物に使用される(A)成分は、1分子あたり7〜22個のプロピレンオキシドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物であり、硬化物の耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性を付与する成分である。より好ましくは8〜16個のプロピレンオキシドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物である。なお、多官能(メタ)アクリレート化合物とは、1分子あたり2個以上、好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3の(メタ)アクリロイル基を一分子中に有する化合物である。
【0008】
具体的には、1分子あたり8個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1分子あたり12個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1分子あたり16個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1分子あたり9個のプロピレンオキシドにより変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1分子あたり15個のプロピレンオキシドにより変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1分子あたり21個のプロピレンオキシドにより変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1分子あたり9個のプロピレンオキシドにより変性されたペンタエリスリトールトリアクリレート、1分子あたり15個のプロピレンオキシドにより変性されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1分子あたり21個のプロピレンオキシドにより変性されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0009】
中でも、(A)成分としては、1分子あたり7〜22個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが好ましく、低反り性の観点から、1分子あたり8〜16個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。このような(A)成分として具体的には、1分子あたり8個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1分子あたり12個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1分子あたり16個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの化合物は市販品として入手することができる。
【0010】
(A)成分が1分子あたり2個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の場合、1分子あたりのプロピレンオキサイドの変性量が8個以上であると、温度変化に伴う硬化物の弾性率の変化が小さくなり、耐高温圧痕性および低反り性が良くなる。1分子あたりのプロピレンオキサイドの変性量が16個以下であると硬化性組成物の硬化物から成る光透過層を有する光記録媒体の耐高温高湿性がより高くなり、1分子あたりのプロピレンオキサイドの変性量が12個以下であると耐高温高湿性がさらに高くなる。
【0011】
(A)成分が1分子あたり3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の場合、1分子あたりのプロピレンオキサイドの変性量が9個以上であると、硬化物の耐高温圧痕性がより高くなる。1分子あたりのプロピレンオキサイドの変性量が22個以下であると硬化性組成物の硬化物から成る光透過層を有する光記録媒体の硬化性組成物の耐高温高湿性が高くなり、1分子あたりのプロピレンオキサイドの変性量が15個以下であると耐高温高湿性がさらに高くなる。
【0012】
本発明において(A)成分の配合割合はラジカル重合性化合物中、20〜100質量%の範囲内である。(A)成分が30質量%以上であると耐高温圧痕性がより高くなり、50質量%以上であると耐高温圧痕性がさらに高くなる。(A)成分が90質量%以下であると硬化性組成物の硬化物から成る光透過層を有する光記録媒体の硬化性組成物の耐高温高湿性が高くなり、80質量%以下であると耐高温高湿性がさらに高くなる。
【0013】
[(B)成分]
硬化性組成物中には、ラジカル重合性化合物として(A)成分以外のラジカル重合性化合物((B)成分)を任意に含んでもよく、配合割合は樹脂成分中、0〜80質量%であり、より好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは20〜50質量%である。
(B)成分は、特に限定されず、例えば、「UV・EB硬化ハンドブック−原料編」(1985年、高分子刊行会)などに記載されているものが利用できるが、中でも(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
【0014】
中でも、耐高温圧痕性および低反り性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0015】
[光重合開始剤]
硬化性組成物中には重合開始剤を含む。光重合開始剤は、硬化性組成物を活性エネルギー照射により効率よく硬化させるための成分である。具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン及びメチルベンゾイルホルメートが挙げられる。
これらの中で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化性及び硬化物の難黄変性の観点から、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン及び1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンが好ましい。
【0016】
光重合開始剤の使用割合は、硬化性組成物の空気雰囲気中での硬化性の観点から、樹脂成分100質量部に対して1〜20質量部の範囲内が好ましい。光重合開始剤が3質量部以上であると硬化性がより良くなり、5質量部以上であると硬化性がさらに良くなる。光重合開始剤が15質量部以下であると、硬化物がより黄変しにくく、10質量部以下であるとさらに黄変しにくい。
【0017】
[その他の成分]
本発明の特性が損なわれない範囲で、硬化性組成物中に、例えば、(防汚剤、スリップ剤、密着付与剤、熱重合開始剤、酸化防止剤や光安定剤、光増感剤、熱可塑性樹脂、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機フィラー、有機フィラー及び表面有機化処理した無機フィラー等の公知の添加剤を適宜配合することができる。
【0018】
硬化性組成物中にダストやゲル物等の異物が存在すると、光情報媒体の読み取り又は書き込みエラーが発生することがあるので、硬化性組成物は、5μm以上、好ましくは1μm以上の異物を除去できるろ過フィルターを用いてろ過することが好ましい。
ろ過フィルターの素材としては、例えば、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン及びナイロンが挙げられる。
【0019】
光記録媒体は支持基体上に情報記録面を有し、この情報記録面上に光透過層を有する構造を具備することができる。また、この光透過層を通して記録光又は再生光が入射して、情報記録面に情報を記録したり、情報記録面の情報を読み出したりできる。
【0020】
光記録媒体に使用される支持基体としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック及びこれらの複合材料が挙げられる。特に、従来の光ディスク製造プロセスを利用できる点で、メチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が好適である。
【0021】
情報記録面の材料としては特に限定されず、読み取り専用型媒体、相変化型記録媒体、ピット形成タイプ記録媒体、光磁気記録媒体等に適用可能な材料を必要に応じて使用することができる。例えば、金、銀、銀・Pd・Cu合金、銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、アルミニウム、Al・Ti合金、Ge・Sb・Te合金、Ge・Sn・Sb・Te合金、Sb・Te合金、Tb・Fe・Co合金及び色素が使用可能である。
【0022】
情報記録面の少なくとも一方の側に、情報記録面の保護やレーザー光の反射率を変化させるといった光学的効果を目的として、SiN、ZnS、SiO2等の誘電体層を設けることができる。
【0023】
光透過層は前述の硬化性組成物の硬化物からなることができる。光透過層の厚みは0.5〜300μmが好ましい。光透過層の厚みは1〜200μmがより好ましく、1.5〜150μmがさらに好ましい。また、情報記録面上への記録及び再生のために400nm程度のレーザー光に対する透明性を有していることが好ましい。光透過層に気泡が存在しても読み取り又は書き込みエラーの原因となるため、硬化性組成物は予め真空、超音波振動若しくは遠心回転条件下、又はその組み合わせの条件下において、脱気を行うことが好ましい。
【0024】
本発明の硬化性組成物は活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。
活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、紫外線及び可視光線が挙げられる。作業性および硬化性の観点から紫外線が特に好ましい。紫外線を照射する光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンフラッシュランプ、LEDランプなどが挙げられる。
【0025】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、支持基体上に形成された情報記録面の上に、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ブラシコート法等の公知の塗工方法で塗工される。この塗膜の厚みとしては、硬化後に10〜300μmの厚みになるようにすることが好ましい。また、50〜150μmの厚みにすることがより好ましい。
上記で得られた塗膜は、活性エネルギー線により硬化され、情報記録面上に硬化性組成物の硬化物からなる光透過層が形成され、光記録媒体が得られる。
上記の塗膜に活性エネルギー線を照射する雰囲気としては、空気中又は窒素、アルゴン等の不活性ガス中のいずれでもよいが、製造コストの点で空気中が好ましい。
耐摩耗性および防汚性を付与する目的で、本発明の硬化性組成物の硬化物からなる光透過層上にハードコート層を設けても良い。
【実施例】
【0026】
実施例における評価項目及びその評価方法を以下に示す。
(1)耐高温圧痕性
評価用光ディスクを60℃の乾燥機中に入れ、30分間加温した後、60℃の乾燥機中で、光透過層の面に、CD保管用不織布シートを載せ、さらに重り100g(単位面積あたり25g/cm2)を載せ、5分間荷重を与え続けた。その後、荷重を与え続けたまま、23℃50%RHの環境で、10分間静置した後、荷重および不織布シートを取り外し、さらに10分後の外観を顕微鏡にて観察した。判定は、押し込み痕が確認されるか否かを基準に行った。
「◎」:不織布の痕が確認されない。
「○」:不織布の痕がわずかに確認される。
「×」:不織布の痕がはっきりと確認される。
【0027】
(2)低反り性
IOPC blu Tilt−scanner(商品名。dr.schwab InspectionTechnology GmbH製)を用い、23℃、相対湿度50%環境下にて測定した反り角(以下「初期反り角」と呼ぶ)を測定した。尚、反り角とは、光記録媒体の中心から48mm位置におけるRadial Tiltを意味する。初期反り性の判定基準は以下の通りである。
○:初期反り角の絶対値が0.50°以内。
×:初期反り角の絶対値が0.50°を超える。
【0028】
(3)耐高温高湿性
評価用光ディスクを、80℃85%RH環境下に静置し、100時間後及び250時間後に、評価用光ディスクの純銀膜の腐食(変色)の有無を目視にて確認した。耐高温高湿性の判定基準は以下の通りである。
◎:100時間後及び250時間後のいずれも腐食(変色)が確認されなかった。
○:100時間では腐食(変色)が確認されなかったが、250時間で腐食(変色)が確認された。
×:100時間後で腐食(変色)が確認された。
【0029】
[合成例1](ウレタンアクリレートUA1の製造)
(1)攪拌機、温度調節器、温度計および凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、イソシアネート化合物としてイソホロンジイソシアネート1112g(10モル当量)、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスで内温が70℃になるように加熱した。
(2)ポリオール化合物として N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシプロピルアミド175g(2.4モル当量)とポリブチレングリコール(n=12;重量平均分子量:850)1102g(2.6モル当量)を均一に混合溶解させた液を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(1)のフラスコ中の内容物を撹拌しつつ、フラスコ内温を65〜75℃に保ちながら4時間等速滴下により滴下した後、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2-ヒドロキシエチルアクリレート633g(5.5モル当量)と重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液をフラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間等速滴下により滴下した後、フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレート(UA1)を製造した。反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により、1%未満であることを確認し、ウレタンアクリレートUA1を得た。
【0030】
[実施例1]
表1に示す配合割合(質量部)で各原料を配合し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製した。
スパッタリング法により形成させた純銀膜を備えたポリカーボネート樹脂製光ディスク基板(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)の純銀膜上に、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、空気中、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下、スピンコート法により、硬化物の平均膜厚が100μmとなるように塗工した。さらに、塗工面の上方より、高圧水銀灯を用いて、積算光量1500mJ/cm2のエネルギー量(UV光量計、UV−351SN型、(株)オーク製作所製にて測定)で紫外線を照射、塗膜を硬化させて、平均膜厚が100μmの硬化物層を有する評価用試料(光ディスク)を得た。評価結果を表1に示す。
【0031】
[実施例2〜6及び比較例1〜3]
表1に示す配合割合(質量部)で各原料を配合し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価用試料を作製した。評価結果を表1に示す。
比較例1に記載の組成物は、(A)成分の代わりにプロピレンオキサイドによる変性量が少ないビスフェノールAジアクリレートを含むため、耐高温圧痕性および低反り性が不良であった。
比較例2記載の組成物は、(A)成分の代わりにエチレンオキサイドにより変性されたビスフェノールAジアクリレートもしくはエチレンオキサイドにより変性されたトリメチロールプロパントリアクリレートを含むため、耐高温高湿性が不良であった。
比較例3記載の組成物は、(A)成分を含まないため、耐高温圧痕性が不良であった。
一方、7〜22個のプロピレンオキサイドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物((A)成分)を用いた実施例1〜6の組成物は、耐高温圧痕性、低反り性、耐高温高湿性のいずれにおいても良好な結果を示した。
【0032】
【表1】


【0033】
表1中の略号は、以下の化合物を示す。
・(A)成分
BPP8DA:1分子あたり8個のプロピレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジアクリレート(商品名:ファンクリルFA−P328A、日立化成工業(株)製)
BPP12DA:1分子あたり12個のプロピレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジアクリレート(商品名:ファンクリルFA−P3212A、日立化成工業(株)製)
BPP16DA:1分子あたり16個のプロピレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジアクリレート(商品名:ファンクリルFA−P3216A、日立化成工業(株)製)
TMP9POTA:1分子あたり9個のプロピレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ファンクリルTMP9POTA、日立化成工業(株)製)
TMP21POTA:1分子あたり21個のプロピレンオキサイドで変性されたトリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ファンクリルTMP21POTA、日立化成工業(株)製)
・その他の成分
UA1:合成例1で得たウレタンアクリレートUA1
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(商品名:アロニックスM−315、東亞合成(株)製)
BPP6DA:1分子あたり6個のプロピレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジアクリレート(商品名:ファンクリルFA−P326A、日立化成工業(株)製)
BPE10DA:1分子あたり10個のエチレンオキサイドで変性されたビスフェノールAジアクリレート(商品名:ファンクリルFA−321A、日立化成工業(株)製)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(商品名:ビスコート#150、大阪有機化学工業(株)製)
Irg.184:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア184、BASFジャパン(株)製)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジカル重合性化合物と光重合開始剤を含み、ラジカル重合性化合物として1分子あたり7〜22個のプロピレンオキシドにより変性された多官能(メタ)アクリレート化合物((A)成分)をラジカル重合性化合物の全量に対して20〜100質量%含む光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項2】
(A)成分が1分子あたり8〜16個のプロピレンオキシドにより変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレートである請求項1に記載の光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1および2のいずれかに記載の光記録媒体用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物からなる層を有する光記録媒体。

【公開番号】特開2013−109800(P2013−109800A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253590(P2011−253590)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】