光通信装置
【課題】 RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供する。
【解決手段】 光通信装置100は、LDチップ11と、LDチップ11に信号を入力するための入力端子72と、LDチップ11を搭載する第1プレート61の外側に電極ポスト65,66が配置されたTEC60と、光出力側の側壁73および、これに対向し入力端子72が設けられる側の側壁71を有するパッケージ70とを備え、TEC60は、電極ポスト65,66が、第1プレート61と、入力端子72が設けられる側の側壁71との間の間隙部78に位置する関係でパッケージ70内に配置され、間隙部78の電極ポスト65,66を除く位置には、入力端子72とLDチップ11との間を電気的に接続する配線83が設けられた配線基板80を有する。
【解決手段】 光通信装置100は、LDチップ11と、LDチップ11に信号を入力するための入力端子72と、LDチップ11を搭載する第1プレート61の外側に電極ポスト65,66が配置されたTEC60と、光出力側の側壁73および、これに対向し入力端子72が設けられる側の側壁71を有するパッケージ70とを備え、TEC60は、電極ポスト65,66が、第1プレート61と、入力端子72が設けられる側の側壁71との間の間隙部78に位置する関係でパッケージ70内に配置され、間隙部78の電極ポスト65,66を除く位置には、入力端子72とLDチップ11との間を電気的に接続する配線83が設けられた配線基板80を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化を指向してきた光通信装置の分野では、通信装置がモジュール化され、光学部品等をケースに収納するモジュール(特許文献1参照)が知られている。光学部品として、発光素子を内部に備えた光送信部であるTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)や受光素子を内部に備えた光受信部であるROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)等が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−264508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TOSAには、変調器とLD(Laser Diode)チップが搭載されている。TOSAは、構造上、光出力側の側壁と対向する反対側の側壁に信号の入力端子が設けられている。この入力端子には、高周波(RF:Radio Frequency)信号が入力される。TOSA内部の半導体チップ(半導体レーザあるいは光変調素子)と入力端子の間は、良好なRF特性が求められる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる光通信装置は、光素子と、前記光素子に信号を入力するための入力端子と、前記光素子を搭載する素子搭載面の外側に電極ポストが配置された温度制御装置と、光出力側の側壁および、これに対向し前記入力端子が設けられる側の側壁を有するパッケージとを備え、前記温度制御装置は、前記電極ポストが、前記素子搭載面と、前記入力端子が設けられる側の側壁との間の間隙部に位置する関係で前記パッケージ内に配置され、前記間隙部の前記電極ポストを除く位置には、前記入力端子と前記光素子との間を電気的に接続する配線が設けられた配線基板を有することを特徴とする。本発明によると、RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供できる。
【0007】
前記配線基板は、前記電極ポストよりも前記光素子側へ突出していることが好ましい。
【0008】
前記配線は高周波伝送線路であることが好ましい。前記高周波伝送線路はシグナルライン及びグランドラインを形成していてもよい。
【0009】
前記電極ポストの両極が、前記パッケージの入力端子が設けられる側の側壁の両端のどちらか一方に偏って配置されている構成としてもよい。
【0010】
前記光素子は、半導体レーザおよび光変調器、半導体光増幅器が集積化されてなる構成としてもよい。前記配線は、前記光変調器と接続されていてもよい。
【0011】
前記高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路、またはコプレーナ線路としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1に係る光通信装置の全体構成を説明する模式図である。
【図2】パッケージの内部の拡大図である。
【図3】図2中のA−A断面図である。
【図4】TECの平面図(XY平面)である。
【図5】TECの側面図(YZ平面)である。
【図6】コプレーナ線路が形成された第2領域の模式図である。
【図7】マイクロストリップラインが形成された第2領域の模式図である。
【図8】比較例1のTECを搭載したパッケージの模式図である。
【図9】比較例2の光通信装置の一部を示した模式図である。
【図10】比較例3の光通信装置の一部を示した模式図である。
【図11】図10中のB−B断面図である。
【図12】実施例2の光通信装置の一部を示した模式図である。
【図13】変形例の光通信装置の一部を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本実施例に係る光通信装置100の全体構成を説明する模式図である。図1に示すように、光通信装置100は、LDチップ(光素子)11、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPD(Photo Diode)キャリア40、スペーサ50、TEC(Thermo Electric Cooler)60、パッケージ70を備えている。パッケージ70は、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40、スペーサ50、TEC60を覆う筐体である。
【0016】
パッケージ70の側壁71には入力端子72が設けられている。入力端子72の内側には配線基板80が設けられている。配線基板80には第1配線82、高周波信号を伝送するための高周波伝送線路(第2配線)83が形成されている。入力端子72から入力された電源電流は、第1配線82、ワイヤ、高周波信号を伝送するための高周波伝送線路15を介してLDチップ11に入力され、入力端子72から入力されたRF信号は、第2配線83を介してLDチップ11に入力されることでLDチップが制御される。さらに、パッケージ70の側壁71に対向する側壁73には、光ファイバ74が接続されるファイバホルダ75が設けられている。配線基板80は第1配線82が設けられた第1領域80aと第2配線83が設けられた第2領域80bを備えている。
光通信装置100におけるレーザ光の出力方向は、LDチップ11から光ファイバ74へ向かう方向である。以下、レーザ光の出力方向を正方向にY軸を設定する。さらに、Y軸に直交する方向を正方向にX軸を設定する。Y軸に直交し、TEC60からLDチップ11へ向かう方向を正方向にZ軸を設定する。
【0017】
図2は、パッケージ70内部の拡大図である。図3は図2中のA−A断面図である。A−A断面はYZ面に平行であり、第2領域80bを通る平面である。図1〜図3に示すように、LDキャリア10はLDチップ11を備えている。LDチップ11は、半導体レーザ12、変調器13、及び半導体光増幅器(SOA)14が集積化された構成を有する。LDチップ11は、半導体レーザ12、変調器13、SOA14の順序で集積化されている。半導体レーザ12、変調器13、SOA14は、それぞれ光結合されている。なお、本実施例においては、LDチップ11は、変調器を備えた外部変調器型レーザについて説明しているが、半導体レーザ自体を変調させることで変調信号を出力する直接変器型レーザであっても良い。変調器13は、半導体レーザ12から入力される出力光を変調する。SOA14は、変調器13から出力される変調信号光を光増幅して出力する。コリメートレンズ20、及びビームスプリッタ30はLDチップ11の出力光の経路上に位置する。コリメートレンズ20はLDチップ11のY軸正方向に位置し、ビームスプリッタ30はコリメートレンズ20のY軸正方向に位置する。モニタPDキャリア40はビームスプリッタ30のX軸負方向に位置する。モニタPDキャリア40は、受光部41をビームスプリッタ30に向けている。
【0018】
LDチップ11の出力光は、コリメートレンズ20を通過して平行光になり、ビームスプリッタ30へ入力される。ビームスプリッタ30は入力された光を2つに分光し、その一方の光はモニタPDキャリア40に入力する。他方の光はビームスプリッタ30を透過して光ファイバ74に入力される。モニタPDキャリア40は、受光した入射光を電流信号に変換し、制御部(図示しない)へ送る。また、LDキャリア10には受信する電気信号をLDチップ11へ送る高周波伝送線路15が設けられている。高周波伝送線路15および高周波伝送線路(第2配線)83は、例えば、コプレーナ線路で構成されている。コプレーナ線路は、両側に設けられ、LDチップ11のグランドに接続されているグランド線路と当該両側のグランド線路の間に設けられ、変調器13に接続されているシグナルラインを有している。
【0019】
TEC60は温度変換素子を備える温度制御装置である。TEC60は、電極ポスト65,66が設けられている。入力端子72から入力された電源電流は、第1配線82、第1配線82と電極ポスト65,66を接続するワイヤ86を介してTEC60に入力されることでTEC60が制御される。
【0020】
上記のLDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40は、スペーサ50上に実装されている。スペーサ50の材質は一例として、コバール(鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金)、CuW(銅タングステン)、SUS(鉄(Fe)-クロム(Cr)-ニッケル(Ni)合金)等の素材の中から選択できる。この中でも、溶接のしやすさ、耐熱性を考慮するとコバールが最適である。このスペーサ50はTEC60上に実装されている。したがって、LDチップ11はスペーサ50を介してTEC60に搭載されている。
【0021】
図4はTEC60の平面図(XY平面)、図5はTEC60の側面図(YZ平面)である。図4および図5に示すように、TEC60は、第1プレート(素子搭載面)61、第2プレート62、温度変換素子63、電極ポスト65,66を備えている。第1プレート61は、TEC60の上面に位置し、第2プレート62はTEC60の下面に位置する。第1プレート61、第2プレート62は矩形状の平板である。第1プレート61と第2プレート62のX軸方向の長さは等しい。第2プレート62は、電極ポスト65,66が設けられているため、第1プレート61よりもY軸方向の長さが大きい。ここで、第1プレート61及び第2プレート62のX軸方向の長さをL0、第1プレート61のY軸方向の長さをL1、第2プレート62のY軸方向の長さをL2とする。第1プレート61及び第2プレート62のY軸方向の長さはX軸方向の長さよりも大きい(L0<L1,L2)。プレートの縦横比の関係は、一例として、第1プレート61のY軸方向の長さはX軸方向の長さの2倍とすることができる(L1=2L0)。一例として、L0=4mm、L1=8mm、L2=9mmとすることができる(L0:L1:L2=1:2:2.25)。なお、TEC60の高さ(Z軸方向の長さ)はおよそ1mmである。また、上記で説明した、第1プレート61上に搭載されるスペーサ50は、第1プレート61と同一の形状をしている。上記の例の場合、スペーサ50のX軸方向長さは4mm、Y軸方向長さは8mmである(縦横比1:2)。なお、本実施例では、スペーサ50の上面にLDキャリア10が搭載されているが、第1プレート61の上にLDキャリア10が搭載されていても良い。
【0022】
温度変換素子63は、第1プレート61と第2プレート62との間に位置する。温度変換素子63は、p型半導体とn型半導体とが交互に組み合わされて構成されている。第1プレート61と第2プレート62とは、Y軸正方向に位置する辺67が合致するように接続されている。第2プレート62は第1プレート61よりもY軸方向長さが大きいため、第2プレート62の一部がY軸負方向に突き出て、電極ポスト搭載面68が露出している。電極ポスト65,66はこの電極ポスト搭載面68上に設けられている。すなわち、Z軸正方向からに見た際に、電極ポスト65,66は、第1プレート61の外側に配置されている。電極ポスト65,66は電流供給用の端子であって、リード線等が接続される。電極ポスト65,66間に電位差を与えると温度変換素子63に電流が流れ、第1プレート61から第2プレート62へ熱が移動し、第1プレート61が冷却される。この結果、第1プレート61上に実装されたLDチップ11などの各部品が冷却される。第1プレート61および第2プレート62の材料としては、例えば、アルミナ(AlO3)、窒化アルミニウム(AlN)からなる。
【0023】
図1に示すように、パッケージ70は、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40、スペーサ50、TEC60を覆う筐体である。光通信装置100は、XMD‐MSA(10Gbit/s Miniature Device Multi Source Agreement)に規定された仕様に基づき、コネクタインターフェイスが設計されている。したがって、パッケージ70はTOSA規格に準じて大きさが定められている。このようにパッケージ70のX軸方向の長さが制限されてしまうため、パッケージ70の内部に配置するTEC60のX軸方向の長さも制限される。一方、パッケージ70のY軸方向の長さは自由に定められるので、TEC60のY軸方向の長さは自由に設定できる。TEC60のY軸方向の長さは要求される冷却性能に基づき定められる。本実施例では、上記の説明の通り、Y軸方向の長さはX軸方向の長さの2倍である。さらに、図1に示すように、パッケージ70の配線基板80に設けられた第2領域80bは第1領域80aよりもY軸正方向へ向けて突出している。
【0024】
図2に示すように、TEC60は、LDチップ11よりも配線基板80側に、電極ポスト65,66が位置するようにパッケージ70に組みつけられる。LDチップ11が搭載された第1プレート61と入力端子72が設けられる側のパッケージ70の側壁71の間には、間隙部78がある。この間隙部78には、電極ポスト65,66が配置されている。TEC60上のLDチップ11は配線基板80よりもY軸正方向側に位置し、配線基板80の第2領域80bは第1領域80aよりもLDチップ11側に突出する。また、第2領域80bは間隙部78の電極ポスト65,66を除く位置にある。
【0025】
さらに、第1領域80aには第1配線82が形成されている。第1配線82は、LDチップ11の半導体レーザ12、SOA14にワイヤ85により接続されている。また、第1配線82は、電極ポスト65,66とワイヤ86により接続されている。第1配線82は電源、PD配線、またはグランドに接続される。
【0026】
第2領域80bには第2配線83が形成されている。第2配線83は第1配線82よりも長く形成されている。第2配線83は、シグナルライン及びグランドから形成された高周波信号を伝送するための高周波伝送線路である。LDキャリア10には、変調器13を制御する高周波信号線である高周波伝送線路15が設けられている。第2配線83は、ワイヤ84によりLDキャリア10上の高周波伝送線路15に接続されている。したがって、第2配線83は変調器13に接続されている。より詳しく説明すると、第2配線83のシグナルラインが高周波伝送線路15のシグナルラインと接続し、変調器13と接続している。これにより、入力端子72から入力されたRF信号が第2配線83を経由して変調器13へ送られ、変調器13が制御される。図2や図3に示すように、第2配線83は、TEC60上のスペーサ50に搭載されている高周波伝送線路15の近くまで延びている構成が好ましい。したがって、第2領域80bは、電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出している構成が好ましい。図3に示すように、第2領域80bは、電極ポスト65,66が搭載された電極ポスト搭載面68をまたぐようにLDチップ11側へ突出している構成が好ましい。
【0027】
次に、第2配線83の例を説明する。一例として、第2配線83はコプレーナ線路としてもよい。図6はコプレーナ線路83aが形成された第2領域80bの模式図である。図6に示すように、第2領域80bには2本のグランドライン83a1,83a2と、グランドライン83a1と83a2の間を通るシグナルライン83a3とが形成されている。また、他の例として、第2配線83はマイクロストリップラインとしてもよい。図7はマイクロストリップライン83bが形成された第2領域80bの模式図である。図7に示すように、第2領域80bの上面を覆うようにグランドライン83b1が形成されている。グランドライン83b1の上には絶縁層83b2が実装されており、絶縁層83b2の上にシグナルライン83b3が実装されている。
【0028】
次に、スペーサ50上に配置される各部品の位置について説明する。図1に示すように、LDチップ11が搭載されたLDキャリア10は変調信号のRF特性の劣化を抑制するため、スペーサ50上の入力端子72側(Y軸負方向側)に配置されている。また、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40は、互いの距離を近づけ、間隔を狭くしてスペーサ50上に配置されている。これにより、TEC60の熱膨張による各部品間の距離の変動を小さく抑えている。これにより、光軸精度の低下を抑制することができる。また、入力端子72に近いことから、各部品の端子間のワイヤ長を短くすることができる。
【0029】
次に、本発明の比較例を説明しつつ、実施例1の特徴について説明する。
(比較例1)
まず、比較例1にかかるTEC160について説明する。図8は、比較例1のTEC160を搭載したパッケージ70の模式図である。TEC160は、電極ポスト搭載面168がパッケージ70の側壁76に位置する。すなわち、TEC160の上面の第1プレート161のX軸方向の長さと下面の第2プレート162のX軸方向の長さとが異なっている。反対に、第1プレート161のY軸方向の長さと第2プレート162のY軸方向の長さとは同一である。電極ポスト165,166はY軸方向の両端に位置している。パッケージ70は実施例1と同様である。図8中では、実施例1と同様の構成について同一の番号を付している。
【0030】
実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1におけるTEC60の第1プレート61の面積が、比較例1におけるTEC160の第1プレート161の面積よりも大きい。このため、実施例1のTEC60は、比較例1のTEC160よりも温度変換素子を多く備えることができる。この結果、実施例1のTEC60は比較例1のTEC160に比べて、冷却性能が高い。言い換えると、実施例1のようなY軸方向をX軸方向よりも大きくした構成は、必要な冷却性能を備えるTECをなるべく狭い面積で実現できる構成である。このため、実施例1の構成により、パッケージ70のサイズを小型化できる。また、電極ポストと導線とを接続するワイヤ長は実施例1におけるTEC60の構成の方が比較例1のTEC160構成よりも短くできる。ワイヤ長の長さが短くなるほど、TEC駆動時の発熱量が低減される。また、TECは温度調整時に電流方向の向きが変わるため、RF信号ラインに影響を与える。そのワイヤ長が長いとその影響が大きくなため、ワイヤは出来る限り短いことが望まれる。ワイヤ長の長さが短くなるほど、高周波伝送線路を通るRF信号へのTEC駆動信号による悪影響を低減できる。このため、実施例1のTEC60の構成は比較例1のTEC160の構成に比べて、TECの発熱量を抑制し、RF信号の劣化を抑制する。
【0031】
実施例1と比較例1と比較した結果によると、光通信装置100は、TEC60の電極ポスト65,66を配線基板80側に設けたことにより、冷却性能の高いTECを搭載することができる。また、光通信装置100は、電極ポスト65,66が配線基板80に近いため、電極ポスト65,66と配線基板80上の配線とを接続するワイヤ長を短くできる。これにより、TEC駆動時の発熱量を低減することができる。また、TEC駆動信号によるRF信号の劣化を低減できる。
【0032】
(比較例2)
次に、比較例2について説明する。図9は比較例2の光通信装置200の一部を示した模式図である。比較例2の光通信装置200は、配線基板280を備えている。配線基板280は、第1領域80aよりもLDチップ11側に突出する第2領域80bが設けられていない点で、実施例1の配線基板80と相違する。配線基板280のY軸方向の長さは実施例1の配線基板80の第1領域80aと同じである。配線基板280上には、第2配線83が設けられていない代わりに、第1配線82とほぼ同じ長さの高周波信号を伝送するための高周波伝送線路283が設けられている。比較例2の光通信装置200では、LDチップ11と高周波伝送線路283間を接続するワイヤ284がTEC60の電極ポスト搭載面68をまたいでいる。高周波伝送線路283は、マイクロストリップラインであってもよいし、コプレーナ線路であってもよい。図9中では、実施例1と同様の構成について同一の番号を付している。
【0033】
実施例1と比較例2とを比較すると、実施例1は、RF信号を伝達する高周波伝送線路である第2配線83が長く、ワイヤ84が短い。一方、比較例2は、RF信号を伝達する高周波伝送線路283が短く、ワイヤ284が長い。実施例1の構成は、比較例2の構成と比べてワイヤ長が短いため、RF信号の劣化を抑制する。したがって、実施例1の光通信装置100は、RF信号を伝達する第2配線83の形成された配線基板80の第2領域80bがLDチップ11側へ突出しているため、ワイヤ長を短くしてRF信号の劣化を抑制することができる。
【0034】
(比較例3)
次に、比較例3について説明する。図10は比較例3の光通信装置300の一部を示した模式図である。比較例3は、比較例2の構成に加えて、伝送路部品301を備えた構成をしている。図11は、図10中のB−B断面図である。B−B断面はYZ面に平行であり、伝送路部品301を通る平面である。伝送路部品301上には、高周波信号を伝送するための高周波伝送線路302が形成されている。図10または図11に示すように、伝送路部品301は、電極ポスト搭載面68をまたぐように、スペーサ50と配線基板280との間に架けられている。伝送路部品301は、固定剤、例えば、半田303,304でスペーサ50および配線基板280に接合されている。高周波伝送線路302の一端はワイヤ384により、LDキャリア10上の高周波伝送線路15に接続されて、LDチップ11に接続されている。一方、高周波伝送線路302の他端が、ワイヤ385により、配線基板280上の高周波伝送線路283に接続されている。高周波伝送線路302は、マイクロストリップラインであってもよいし、コプレーナ線路であってもよい。図10,11中では、比較例2と同様の構成について同一の番号を付している。
【0035】
実施例1と比較例3とを比較する。比較例3の光通信装置300には、伝送路部品301が設けられているので、RF信号が高周波伝送線路を通りLDチップ11の変調器13へ送られる。すなわち、比較例3の光通信装置300の構成も、ワイヤがTEC60の電極ポスト搭載面68をまたがないため、ワイヤの長さが短く、RF特性の劣化が抑制される。しかし、比較例3の構成では、伝送路部品は強度確保のため、配線基板280側だけでなく、TEC60上面のスペーサ50側も固定のために接合しなければならない。このため、スペーサ50への熱の伝導部が増加する。したがって、LDチップ11側への熱の伝導性を考慮すると、ワイヤ84以外にスペーサ50に接合されていない実施例1の光通信装置100は比較例3の光通信装置300より優れている。このように光通信装置100は、TECにかかる熱負荷による負担を軽減することも考慮に入れた構成となっている。
【0036】
以上説明した光通信装置100による効果をまとめる。第1に光通信装置100は、TEC60の電極ポスト65,66を配線基板80側に設けたことにより、冷却性能の高いTECを搭載することができる。また、光通信装置100は、電極ポスト65,66が配線基板80に近いため、電極ポスト65,66と配線基板80の第1配線82とを接続するワイヤ長を短くできる。これにより、TEC駆動時の発熱量を低減することができる。また、TEC駆動信号によるRF信号の劣化を低減できる。第2に、光通信装置100は、RF信号を伝達する第2配線83が形成された第2領域80bを第1領域80aよりも突出したことにより、ワイヤ長を短くし、TEC起動信号による影響を低減してRF信号の劣化を抑制できる。さらに、第2配線83が形成された配線基板80の第2領域80bが電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出していることにより、よりRF信号の劣化を抑制する効果が向上する。第3に、光通信装置100は、ワイヤ84以外にスペーサ50に接合されていないため、LDチップ11側への熱の伝導性を減らし、TECの熱負荷による負担を軽減できる。
【実施例2】
【0037】
次に実施例2の構成について説明する。図12は実施例2の光通信装置100Bの一部を示した模式図である。本実施例の光通信装置100Bの構成は、TEC60Bの電極ポスト65B,66Bの配置が異なる点で、実施例1の光通信装置100の構成と相違する。その他の構成は実施例1と同様なので詳細な説明は省略し、図12中において同一の番号を付す。図12の線aは、Y軸方向に平行でパッケージ70を二等分する中心線である。
【0038】
図12に示すように、光通信装置100Bにおいて、TEC60Bの電極ポスト65B,66Bは、パッケージ70の入力端子72が設けられる側の側壁71の両端のどちらか一方に偏って配置されている。本実施例では、例として、電極ポスト65B,66Bは、中心線aよりもX軸正方向の搭載領域77に配置されている。電極ポスト65B,66Bは、搭載領域77と中心線aに対称なX軸負方向の領域に配置してもよい。実施例1の構成では、電極ポスト65,66がパッケージ70内のX軸方向の両端に位置するため、X軸方向の両端において、TEC60の駆動信号の影響が生じてしまうことが考えられる。これに対して、実施例2の構成では、電極ポスト65B,66Bをパッケージ70内のX軸方向の一端に集めることにより、TEC60Bの駆動信号の影響を一部のみに限定することができる。これにより、TEC60Bの駆動信号により、種々の信号の精度が劣化することを抑制する。したがって、本実施例の光通信装置100Bは、上記実施例1の光通信装置100の効果に加えて、TEC60Bの駆動信号に起因する信号の劣化を抑制できる。
【0039】
(変形例)
また、上記実施例2の形態は電極ポスト65B,66Bの配置されていない側に配線基板80Cの第2領域80bCを拡大してもよい。図13は本変形例の形態の光通信装置100Cの一部を示した模式図である。この構成によると、第2領域80bCに、第2配線83と同じ長さの第1配線82Cを形成することができる。第1配線82Cには、例えば、サーミスタやPDを駆動するための信号や電流が通る。第1配線82Cは、TEC60Bの駆動信号の影響が小さいため、第1配線82Cに接続する部品へのTEC60Bの駆動信号による影響を低減できる。なお、図13中、実施例2と同様の構成について同一の番号を付している。
【0040】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本発明は、TOSAデバイスのインターフェイス規格を採用するモジュールに限られず、縦幅が横幅に比べて大きな温度制御装置を備える光通信装置としてもよい。また、上記実施例では、第2領域80bが電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出している構成を説明したが、本発明は、第2領域80bが電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出していない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
11 LDチップ(光素子)
12 半導体レーザ
13 変調器
14 半導体光増幅器
60 TEC(温度制御装置)
61 第1プレート(素子搭載面)
65,66 電極ポスト
70 パッケージ
72 入力端子
77 搭載領域
78 間隙部
80 配線基板
83 第2配線(配線)
83a マイクロストリップライン
83b コプレーナ線路
100 光通信装置
a 中心線
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化を指向してきた光通信装置の分野では、通信装置がモジュール化され、光学部品等をケースに収納するモジュール(特許文献1参照)が知られている。光学部品として、発光素子を内部に備えた光送信部であるTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)や受光素子を内部に備えた光受信部であるROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)等が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−264508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TOSAには、変調器とLD(Laser Diode)チップが搭載されている。TOSAは、構造上、光出力側の側壁と対向する反対側の側壁に信号の入力端子が設けられている。この入力端子には、高周波(RF:Radio Frequency)信号が入力される。TOSA内部の半導体チップ(半導体レーザあるいは光変調素子)と入力端子の間は、良好なRF特性が求められる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる光通信装置は、光素子と、前記光素子に信号を入力するための入力端子と、前記光素子を搭載する素子搭載面の外側に電極ポストが配置された温度制御装置と、光出力側の側壁および、これに対向し前記入力端子が設けられる側の側壁を有するパッケージとを備え、前記温度制御装置は、前記電極ポストが、前記素子搭載面と、前記入力端子が設けられる側の側壁との間の間隙部に位置する関係で前記パッケージ内に配置され、前記間隙部の前記電極ポストを除く位置には、前記入力端子と前記光素子との間を電気的に接続する配線が設けられた配線基板を有することを特徴とする。本発明によると、RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供できる。
【0007】
前記配線基板は、前記電極ポストよりも前記光素子側へ突出していることが好ましい。
【0008】
前記配線は高周波伝送線路であることが好ましい。前記高周波伝送線路はシグナルライン及びグランドラインを形成していてもよい。
【0009】
前記電極ポストの両極が、前記パッケージの入力端子が設けられる側の側壁の両端のどちらか一方に偏って配置されている構成としてもよい。
【0010】
前記光素子は、半導体レーザおよび光変調器、半導体光増幅器が集積化されてなる構成としてもよい。前記配線は、前記光変調器と接続されていてもよい。
【0011】
前記高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路、またはコプレーナ線路としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、RF特性の劣化を抑制する光通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1に係る光通信装置の全体構成を説明する模式図である。
【図2】パッケージの内部の拡大図である。
【図3】図2中のA−A断面図である。
【図4】TECの平面図(XY平面)である。
【図5】TECの側面図(YZ平面)である。
【図6】コプレーナ線路が形成された第2領域の模式図である。
【図7】マイクロストリップラインが形成された第2領域の模式図である。
【図8】比較例1のTECを搭載したパッケージの模式図である。
【図9】比較例2の光通信装置の一部を示した模式図である。
【図10】比較例3の光通信装置の一部を示した模式図である。
【図11】図10中のB−B断面図である。
【図12】実施例2の光通信装置の一部を示した模式図である。
【図13】変形例の光通信装置の一部を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本実施例に係る光通信装置100の全体構成を説明する模式図である。図1に示すように、光通信装置100は、LDチップ(光素子)11、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPD(Photo Diode)キャリア40、スペーサ50、TEC(Thermo Electric Cooler)60、パッケージ70を備えている。パッケージ70は、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40、スペーサ50、TEC60を覆う筐体である。
【0016】
パッケージ70の側壁71には入力端子72が設けられている。入力端子72の内側には配線基板80が設けられている。配線基板80には第1配線82、高周波信号を伝送するための高周波伝送線路(第2配線)83が形成されている。入力端子72から入力された電源電流は、第1配線82、ワイヤ、高周波信号を伝送するための高周波伝送線路15を介してLDチップ11に入力され、入力端子72から入力されたRF信号は、第2配線83を介してLDチップ11に入力されることでLDチップが制御される。さらに、パッケージ70の側壁71に対向する側壁73には、光ファイバ74が接続されるファイバホルダ75が設けられている。配線基板80は第1配線82が設けられた第1領域80aと第2配線83が設けられた第2領域80bを備えている。
光通信装置100におけるレーザ光の出力方向は、LDチップ11から光ファイバ74へ向かう方向である。以下、レーザ光の出力方向を正方向にY軸を設定する。さらに、Y軸に直交する方向を正方向にX軸を設定する。Y軸に直交し、TEC60からLDチップ11へ向かう方向を正方向にZ軸を設定する。
【0017】
図2は、パッケージ70内部の拡大図である。図3は図2中のA−A断面図である。A−A断面はYZ面に平行であり、第2領域80bを通る平面である。図1〜図3に示すように、LDキャリア10はLDチップ11を備えている。LDチップ11は、半導体レーザ12、変調器13、及び半導体光増幅器(SOA)14が集積化された構成を有する。LDチップ11は、半導体レーザ12、変調器13、SOA14の順序で集積化されている。半導体レーザ12、変調器13、SOA14は、それぞれ光結合されている。なお、本実施例においては、LDチップ11は、変調器を備えた外部変調器型レーザについて説明しているが、半導体レーザ自体を変調させることで変調信号を出力する直接変器型レーザであっても良い。変調器13は、半導体レーザ12から入力される出力光を変調する。SOA14は、変調器13から出力される変調信号光を光増幅して出力する。コリメートレンズ20、及びビームスプリッタ30はLDチップ11の出力光の経路上に位置する。コリメートレンズ20はLDチップ11のY軸正方向に位置し、ビームスプリッタ30はコリメートレンズ20のY軸正方向に位置する。モニタPDキャリア40はビームスプリッタ30のX軸負方向に位置する。モニタPDキャリア40は、受光部41をビームスプリッタ30に向けている。
【0018】
LDチップ11の出力光は、コリメートレンズ20を通過して平行光になり、ビームスプリッタ30へ入力される。ビームスプリッタ30は入力された光を2つに分光し、その一方の光はモニタPDキャリア40に入力する。他方の光はビームスプリッタ30を透過して光ファイバ74に入力される。モニタPDキャリア40は、受光した入射光を電流信号に変換し、制御部(図示しない)へ送る。また、LDキャリア10には受信する電気信号をLDチップ11へ送る高周波伝送線路15が設けられている。高周波伝送線路15および高周波伝送線路(第2配線)83は、例えば、コプレーナ線路で構成されている。コプレーナ線路は、両側に設けられ、LDチップ11のグランドに接続されているグランド線路と当該両側のグランド線路の間に設けられ、変調器13に接続されているシグナルラインを有している。
【0019】
TEC60は温度変換素子を備える温度制御装置である。TEC60は、電極ポスト65,66が設けられている。入力端子72から入力された電源電流は、第1配線82、第1配線82と電極ポスト65,66を接続するワイヤ86を介してTEC60に入力されることでTEC60が制御される。
【0020】
上記のLDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40は、スペーサ50上に実装されている。スペーサ50の材質は一例として、コバール(鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金)、CuW(銅タングステン)、SUS(鉄(Fe)-クロム(Cr)-ニッケル(Ni)合金)等の素材の中から選択できる。この中でも、溶接のしやすさ、耐熱性を考慮するとコバールが最適である。このスペーサ50はTEC60上に実装されている。したがって、LDチップ11はスペーサ50を介してTEC60に搭載されている。
【0021】
図4はTEC60の平面図(XY平面)、図5はTEC60の側面図(YZ平面)である。図4および図5に示すように、TEC60は、第1プレート(素子搭載面)61、第2プレート62、温度変換素子63、電極ポスト65,66を備えている。第1プレート61は、TEC60の上面に位置し、第2プレート62はTEC60の下面に位置する。第1プレート61、第2プレート62は矩形状の平板である。第1プレート61と第2プレート62のX軸方向の長さは等しい。第2プレート62は、電極ポスト65,66が設けられているため、第1プレート61よりもY軸方向の長さが大きい。ここで、第1プレート61及び第2プレート62のX軸方向の長さをL0、第1プレート61のY軸方向の長さをL1、第2プレート62のY軸方向の長さをL2とする。第1プレート61及び第2プレート62のY軸方向の長さはX軸方向の長さよりも大きい(L0<L1,L2)。プレートの縦横比の関係は、一例として、第1プレート61のY軸方向の長さはX軸方向の長さの2倍とすることができる(L1=2L0)。一例として、L0=4mm、L1=8mm、L2=9mmとすることができる(L0:L1:L2=1:2:2.25)。なお、TEC60の高さ(Z軸方向の長さ)はおよそ1mmである。また、上記で説明した、第1プレート61上に搭載されるスペーサ50は、第1プレート61と同一の形状をしている。上記の例の場合、スペーサ50のX軸方向長さは4mm、Y軸方向長さは8mmである(縦横比1:2)。なお、本実施例では、スペーサ50の上面にLDキャリア10が搭載されているが、第1プレート61の上にLDキャリア10が搭載されていても良い。
【0022】
温度変換素子63は、第1プレート61と第2プレート62との間に位置する。温度変換素子63は、p型半導体とn型半導体とが交互に組み合わされて構成されている。第1プレート61と第2プレート62とは、Y軸正方向に位置する辺67が合致するように接続されている。第2プレート62は第1プレート61よりもY軸方向長さが大きいため、第2プレート62の一部がY軸負方向に突き出て、電極ポスト搭載面68が露出している。電極ポスト65,66はこの電極ポスト搭載面68上に設けられている。すなわち、Z軸正方向からに見た際に、電極ポスト65,66は、第1プレート61の外側に配置されている。電極ポスト65,66は電流供給用の端子であって、リード線等が接続される。電極ポスト65,66間に電位差を与えると温度変換素子63に電流が流れ、第1プレート61から第2プレート62へ熱が移動し、第1プレート61が冷却される。この結果、第1プレート61上に実装されたLDチップ11などの各部品が冷却される。第1プレート61および第2プレート62の材料としては、例えば、アルミナ(AlO3)、窒化アルミニウム(AlN)からなる。
【0023】
図1に示すように、パッケージ70は、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40、スペーサ50、TEC60を覆う筐体である。光通信装置100は、XMD‐MSA(10Gbit/s Miniature Device Multi Source Agreement)に規定された仕様に基づき、コネクタインターフェイスが設計されている。したがって、パッケージ70はTOSA規格に準じて大きさが定められている。このようにパッケージ70のX軸方向の長さが制限されてしまうため、パッケージ70の内部に配置するTEC60のX軸方向の長さも制限される。一方、パッケージ70のY軸方向の長さは自由に定められるので、TEC60のY軸方向の長さは自由に設定できる。TEC60のY軸方向の長さは要求される冷却性能に基づき定められる。本実施例では、上記の説明の通り、Y軸方向の長さはX軸方向の長さの2倍である。さらに、図1に示すように、パッケージ70の配線基板80に設けられた第2領域80bは第1領域80aよりもY軸正方向へ向けて突出している。
【0024】
図2に示すように、TEC60は、LDチップ11よりも配線基板80側に、電極ポスト65,66が位置するようにパッケージ70に組みつけられる。LDチップ11が搭載された第1プレート61と入力端子72が設けられる側のパッケージ70の側壁71の間には、間隙部78がある。この間隙部78には、電極ポスト65,66が配置されている。TEC60上のLDチップ11は配線基板80よりもY軸正方向側に位置し、配線基板80の第2領域80bは第1領域80aよりもLDチップ11側に突出する。また、第2領域80bは間隙部78の電極ポスト65,66を除く位置にある。
【0025】
さらに、第1領域80aには第1配線82が形成されている。第1配線82は、LDチップ11の半導体レーザ12、SOA14にワイヤ85により接続されている。また、第1配線82は、電極ポスト65,66とワイヤ86により接続されている。第1配線82は電源、PD配線、またはグランドに接続される。
【0026】
第2領域80bには第2配線83が形成されている。第2配線83は第1配線82よりも長く形成されている。第2配線83は、シグナルライン及びグランドから形成された高周波信号を伝送するための高周波伝送線路である。LDキャリア10には、変調器13を制御する高周波信号線である高周波伝送線路15が設けられている。第2配線83は、ワイヤ84によりLDキャリア10上の高周波伝送線路15に接続されている。したがって、第2配線83は変調器13に接続されている。より詳しく説明すると、第2配線83のシグナルラインが高周波伝送線路15のシグナルラインと接続し、変調器13と接続している。これにより、入力端子72から入力されたRF信号が第2配線83を経由して変調器13へ送られ、変調器13が制御される。図2や図3に示すように、第2配線83は、TEC60上のスペーサ50に搭載されている高周波伝送線路15の近くまで延びている構成が好ましい。したがって、第2領域80bは、電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出している構成が好ましい。図3に示すように、第2領域80bは、電極ポスト65,66が搭載された電極ポスト搭載面68をまたぐようにLDチップ11側へ突出している構成が好ましい。
【0027】
次に、第2配線83の例を説明する。一例として、第2配線83はコプレーナ線路としてもよい。図6はコプレーナ線路83aが形成された第2領域80bの模式図である。図6に示すように、第2領域80bには2本のグランドライン83a1,83a2と、グランドライン83a1と83a2の間を通るシグナルライン83a3とが形成されている。また、他の例として、第2配線83はマイクロストリップラインとしてもよい。図7はマイクロストリップライン83bが形成された第2領域80bの模式図である。図7に示すように、第2領域80bの上面を覆うようにグランドライン83b1が形成されている。グランドライン83b1の上には絶縁層83b2が実装されており、絶縁層83b2の上にシグナルライン83b3が実装されている。
【0028】
次に、スペーサ50上に配置される各部品の位置について説明する。図1に示すように、LDチップ11が搭載されたLDキャリア10は変調信号のRF特性の劣化を抑制するため、スペーサ50上の入力端子72側(Y軸負方向側)に配置されている。また、LDキャリア10、コリメートレンズ20、ビームスプリッタ30、モニタPDキャリア40は、互いの距離を近づけ、間隔を狭くしてスペーサ50上に配置されている。これにより、TEC60の熱膨張による各部品間の距離の変動を小さく抑えている。これにより、光軸精度の低下を抑制することができる。また、入力端子72に近いことから、各部品の端子間のワイヤ長を短くすることができる。
【0029】
次に、本発明の比較例を説明しつつ、実施例1の特徴について説明する。
(比較例1)
まず、比較例1にかかるTEC160について説明する。図8は、比較例1のTEC160を搭載したパッケージ70の模式図である。TEC160は、電極ポスト搭載面168がパッケージ70の側壁76に位置する。すなわち、TEC160の上面の第1プレート161のX軸方向の長さと下面の第2プレート162のX軸方向の長さとが異なっている。反対に、第1プレート161のY軸方向の長さと第2プレート162のY軸方向の長さとは同一である。電極ポスト165,166はY軸方向の両端に位置している。パッケージ70は実施例1と同様である。図8中では、実施例1と同様の構成について同一の番号を付している。
【0030】
実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1におけるTEC60の第1プレート61の面積が、比較例1におけるTEC160の第1プレート161の面積よりも大きい。このため、実施例1のTEC60は、比較例1のTEC160よりも温度変換素子を多く備えることができる。この結果、実施例1のTEC60は比較例1のTEC160に比べて、冷却性能が高い。言い換えると、実施例1のようなY軸方向をX軸方向よりも大きくした構成は、必要な冷却性能を備えるTECをなるべく狭い面積で実現できる構成である。このため、実施例1の構成により、パッケージ70のサイズを小型化できる。また、電極ポストと導線とを接続するワイヤ長は実施例1におけるTEC60の構成の方が比較例1のTEC160構成よりも短くできる。ワイヤ長の長さが短くなるほど、TEC駆動時の発熱量が低減される。また、TECは温度調整時に電流方向の向きが変わるため、RF信号ラインに影響を与える。そのワイヤ長が長いとその影響が大きくなため、ワイヤは出来る限り短いことが望まれる。ワイヤ長の長さが短くなるほど、高周波伝送線路を通るRF信号へのTEC駆動信号による悪影響を低減できる。このため、実施例1のTEC60の構成は比較例1のTEC160の構成に比べて、TECの発熱量を抑制し、RF信号の劣化を抑制する。
【0031】
実施例1と比較例1と比較した結果によると、光通信装置100は、TEC60の電極ポスト65,66を配線基板80側に設けたことにより、冷却性能の高いTECを搭載することができる。また、光通信装置100は、電極ポスト65,66が配線基板80に近いため、電極ポスト65,66と配線基板80上の配線とを接続するワイヤ長を短くできる。これにより、TEC駆動時の発熱量を低減することができる。また、TEC駆動信号によるRF信号の劣化を低減できる。
【0032】
(比較例2)
次に、比較例2について説明する。図9は比較例2の光通信装置200の一部を示した模式図である。比較例2の光通信装置200は、配線基板280を備えている。配線基板280は、第1領域80aよりもLDチップ11側に突出する第2領域80bが設けられていない点で、実施例1の配線基板80と相違する。配線基板280のY軸方向の長さは実施例1の配線基板80の第1領域80aと同じである。配線基板280上には、第2配線83が設けられていない代わりに、第1配線82とほぼ同じ長さの高周波信号を伝送するための高周波伝送線路283が設けられている。比較例2の光通信装置200では、LDチップ11と高周波伝送線路283間を接続するワイヤ284がTEC60の電極ポスト搭載面68をまたいでいる。高周波伝送線路283は、マイクロストリップラインであってもよいし、コプレーナ線路であってもよい。図9中では、実施例1と同様の構成について同一の番号を付している。
【0033】
実施例1と比較例2とを比較すると、実施例1は、RF信号を伝達する高周波伝送線路である第2配線83が長く、ワイヤ84が短い。一方、比較例2は、RF信号を伝達する高周波伝送線路283が短く、ワイヤ284が長い。実施例1の構成は、比較例2の構成と比べてワイヤ長が短いため、RF信号の劣化を抑制する。したがって、実施例1の光通信装置100は、RF信号を伝達する第2配線83の形成された配線基板80の第2領域80bがLDチップ11側へ突出しているため、ワイヤ長を短くしてRF信号の劣化を抑制することができる。
【0034】
(比較例3)
次に、比較例3について説明する。図10は比較例3の光通信装置300の一部を示した模式図である。比較例3は、比較例2の構成に加えて、伝送路部品301を備えた構成をしている。図11は、図10中のB−B断面図である。B−B断面はYZ面に平行であり、伝送路部品301を通る平面である。伝送路部品301上には、高周波信号を伝送するための高周波伝送線路302が形成されている。図10または図11に示すように、伝送路部品301は、電極ポスト搭載面68をまたぐように、スペーサ50と配線基板280との間に架けられている。伝送路部品301は、固定剤、例えば、半田303,304でスペーサ50および配線基板280に接合されている。高周波伝送線路302の一端はワイヤ384により、LDキャリア10上の高周波伝送線路15に接続されて、LDチップ11に接続されている。一方、高周波伝送線路302の他端が、ワイヤ385により、配線基板280上の高周波伝送線路283に接続されている。高周波伝送線路302は、マイクロストリップラインであってもよいし、コプレーナ線路であってもよい。図10,11中では、比較例2と同様の構成について同一の番号を付している。
【0035】
実施例1と比較例3とを比較する。比較例3の光通信装置300には、伝送路部品301が設けられているので、RF信号が高周波伝送線路を通りLDチップ11の変調器13へ送られる。すなわち、比較例3の光通信装置300の構成も、ワイヤがTEC60の電極ポスト搭載面68をまたがないため、ワイヤの長さが短く、RF特性の劣化が抑制される。しかし、比較例3の構成では、伝送路部品は強度確保のため、配線基板280側だけでなく、TEC60上面のスペーサ50側も固定のために接合しなければならない。このため、スペーサ50への熱の伝導部が増加する。したがって、LDチップ11側への熱の伝導性を考慮すると、ワイヤ84以外にスペーサ50に接合されていない実施例1の光通信装置100は比較例3の光通信装置300より優れている。このように光通信装置100は、TECにかかる熱負荷による負担を軽減することも考慮に入れた構成となっている。
【0036】
以上説明した光通信装置100による効果をまとめる。第1に光通信装置100は、TEC60の電極ポスト65,66を配線基板80側に設けたことにより、冷却性能の高いTECを搭載することができる。また、光通信装置100は、電極ポスト65,66が配線基板80に近いため、電極ポスト65,66と配線基板80の第1配線82とを接続するワイヤ長を短くできる。これにより、TEC駆動時の発熱量を低減することができる。また、TEC駆動信号によるRF信号の劣化を低減できる。第2に、光通信装置100は、RF信号を伝達する第2配線83が形成された第2領域80bを第1領域80aよりも突出したことにより、ワイヤ長を短くし、TEC起動信号による影響を低減してRF信号の劣化を抑制できる。さらに、第2配線83が形成された配線基板80の第2領域80bが電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出していることにより、よりRF信号の劣化を抑制する効果が向上する。第3に、光通信装置100は、ワイヤ84以外にスペーサ50に接合されていないため、LDチップ11側への熱の伝導性を減らし、TECの熱負荷による負担を軽減できる。
【実施例2】
【0037】
次に実施例2の構成について説明する。図12は実施例2の光通信装置100Bの一部を示した模式図である。本実施例の光通信装置100Bの構成は、TEC60Bの電極ポスト65B,66Bの配置が異なる点で、実施例1の光通信装置100の構成と相違する。その他の構成は実施例1と同様なので詳細な説明は省略し、図12中において同一の番号を付す。図12の線aは、Y軸方向に平行でパッケージ70を二等分する中心線である。
【0038】
図12に示すように、光通信装置100Bにおいて、TEC60Bの電極ポスト65B,66Bは、パッケージ70の入力端子72が設けられる側の側壁71の両端のどちらか一方に偏って配置されている。本実施例では、例として、電極ポスト65B,66Bは、中心線aよりもX軸正方向の搭載領域77に配置されている。電極ポスト65B,66Bは、搭載領域77と中心線aに対称なX軸負方向の領域に配置してもよい。実施例1の構成では、電極ポスト65,66がパッケージ70内のX軸方向の両端に位置するため、X軸方向の両端において、TEC60の駆動信号の影響が生じてしまうことが考えられる。これに対して、実施例2の構成では、電極ポスト65B,66Bをパッケージ70内のX軸方向の一端に集めることにより、TEC60Bの駆動信号の影響を一部のみに限定することができる。これにより、TEC60Bの駆動信号により、種々の信号の精度が劣化することを抑制する。したがって、本実施例の光通信装置100Bは、上記実施例1の光通信装置100の効果に加えて、TEC60Bの駆動信号に起因する信号の劣化を抑制できる。
【0039】
(変形例)
また、上記実施例2の形態は電極ポスト65B,66Bの配置されていない側に配線基板80Cの第2領域80bCを拡大してもよい。図13は本変形例の形態の光通信装置100Cの一部を示した模式図である。この構成によると、第2領域80bCに、第2配線83と同じ長さの第1配線82Cを形成することができる。第1配線82Cには、例えば、サーミスタやPDを駆動するための信号や電流が通る。第1配線82Cは、TEC60Bの駆動信号の影響が小さいため、第1配線82Cに接続する部品へのTEC60Bの駆動信号による影響を低減できる。なお、図13中、実施例2と同様の構成について同一の番号を付している。
【0040】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本発明は、TOSAデバイスのインターフェイス規格を採用するモジュールに限られず、縦幅が横幅に比べて大きな温度制御装置を備える光通信装置としてもよい。また、上記実施例では、第2領域80bが電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出している構成を説明したが、本発明は、第2領域80bが電極ポスト65,66よりもLDチップ11側へ突出していない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
11 LDチップ(光素子)
12 半導体レーザ
13 変調器
14 半導体光増幅器
60 TEC(温度制御装置)
61 第1プレート(素子搭載面)
65,66 電極ポスト
70 パッケージ
72 入力端子
77 搭載領域
78 間隙部
80 配線基板
83 第2配線(配線)
83a マイクロストリップライン
83b コプレーナ線路
100 光通信装置
a 中心線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子と、
前記光素子に信号を入力するための入力端子と、
前記光素子を搭載する素子搭載面の外側に電極ポストが配置された温度制御装置と、
光出力側の側壁および、これに対向し前記入力端子が設けられる側の側壁を有するパッケージとを備え、
前記温度制御装置は、前記電極ポストが、前記素子搭載面と、前記入力端子が設けられる側の側壁との間の間隙部に位置する関係で前記パッケージ内に配置され、
前記間隙部の前記電極ポストを除く位置には、前記入力端子と前記光素子との間を電気的に接続する配線が設けられた配線基板を有することを特徴とする光通信装置。
【請求項2】
前記配線基板は、前記電極ポストよりも前記光素子側へ突出していることを特徴とする請求項1記載の光通信装置。
【請求項3】
前記配線は高周波伝送線路であることを特徴とする請求項1または2記載の光通信装置。
【請求項4】
前記高周波伝送線路はシグナルライン及びグランドラインを形成していることを特徴とする請求項3記載の光通信装置。
【請求項5】
前記電極ポストの両極が、前記パッケージの入力端子が設けられる側の側壁の両端のどちらか一方に偏って配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の光通信装置。
【請求項6】
前記光素子は、半導体レーザおよび光変調器、半導体光増幅器が集積化されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の光通信装置。
【請求項7】
前記配線は、前記光変調器と接続されていることを特徴とする請求項6記載の光通信装置。
【請求項8】
前記高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路、またはコプレーナ線路であることを特徴とする請求項3記載の光通信装置。
【請求項1】
光素子と、
前記光素子に信号を入力するための入力端子と、
前記光素子を搭載する素子搭載面の外側に電極ポストが配置された温度制御装置と、
光出力側の側壁および、これに対向し前記入力端子が設けられる側の側壁を有するパッケージとを備え、
前記温度制御装置は、前記電極ポストが、前記素子搭載面と、前記入力端子が設けられる側の側壁との間の間隙部に位置する関係で前記パッケージ内に配置され、
前記間隙部の前記電極ポストを除く位置には、前記入力端子と前記光素子との間を電気的に接続する配線が設けられた配線基板を有することを特徴とする光通信装置。
【請求項2】
前記配線基板は、前記電極ポストよりも前記光素子側へ突出していることを特徴とする請求項1記載の光通信装置。
【請求項3】
前記配線は高周波伝送線路であることを特徴とする請求項1または2記載の光通信装置。
【請求項4】
前記高周波伝送線路はシグナルライン及びグランドラインを形成していることを特徴とする請求項3記載の光通信装置。
【請求項5】
前記電極ポストの両極が、前記パッケージの入力端子が設けられる側の側壁の両端のどちらか一方に偏って配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の光通信装置。
【請求項6】
前記光素子は、半導体レーザおよび光変調器、半導体光増幅器が集積化されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の光通信装置。
【請求項7】
前記配線は、前記光変調器と接続されていることを特徴とする請求項6記載の光通信装置。
【請求項8】
前記高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路、またはコプレーナ線路であることを特徴とする請求項3記載の光通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−89903(P2013−89903A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231706(P2011−231706)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】
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