説明

光開始剤を配合した放射線硬化性マイケル付加樹脂

本発明の液状の未架橋UV硬化性マイケル付加樹脂および混合物は、これらを非常に有効な被覆物質にする性能特性を示し、これらの特性は、組成物に応じて大きく変性することができる。マイケル供与体および受容体は、I型および/またはII型光開始剤から構築することができ、並外れた光反応性および特性を有するUV硬化性被覆をつくるために開示された被覆組成物に含有させることができる。金属、プラスチック、木、紙およびガラスに対する優れた接着性を示す樹脂を製造することができる。これらは、広範囲の硬度、強靭性、可撓性、引張り強度、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐衝撃性、耐溶剤性などを示す。ほとんどいかなる所望の被覆性能パラメータも原材料の構成単位の適正な選択によって達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリレートモノマーおよびオリゴマー(マイケル受容体)および、例えばβ-ケトエステル、β-ジケトン、β-ケトアミド等のマイケル付加反応に加わることのできるものなどのβ-ジカルボニル化合物(マイケル供与体)から形成される多官能性アクリレートオリゴマー(マイケル付加樹脂)に関するものである。特に、本発明は、例えば光開始剤および/または感光剤のような追加の光活性部分を含むように変性された、さらに優れた硬化感応性を有する改良マイケル付加樹脂に関するものである。前記改良マイケル付加樹脂は、マイケル付加反応から直接的に生じた多数の光活性基およびペンダントI型光活性部分(例えば置換ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノンまたはアシルホスフィンオキシドなど)またはII型光活性部分(例えば置換ベンゾフェノン、チオキサントン、カンファキノンまたはビスイミダゾールなど)を有している。
【背景技術】
【0002】
多官能性アクリレートおよびメタクリレートは、架橋されたフィルム、接着剤、鋳物砂バインダー、複合材料などの製造に一般に利用されており、米国特許第5,945,489号および米国特許第6,025,410号(両方共にアシュランド社)は、β-ジカルボニル化合物と多官能性アクリレートとのマイケル付加反応を経て製造される液状の未架橋樹脂を開示している。本発明は、ペンダントI型(例えば置換ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノンまたはアシルホスフィンオキシドなど)またはII型(例えば置換ベンゾフェノン、チオキサントン、カンファキノンまたはビスイミダゾールなど)の光活性部分を含有するように変性されたβ-ジカルボニルマイケル供与体および/またはアクリレート受容体を利用して製造される液状の未架橋UV硬化性マイケル付加樹脂を含む。したがって、得られたオリゴマーは、UV光に露光したときにアクリル基の付加重合を促進するI型およびII型の光活性多官能基のいずれか一方または両方を有している。この構造的な変化は、マイケル反応中に形成される光活性置換ケトンに加えてフリーラジカル重合の開始のための補足的な発色団を与える。
【0003】
本明細書で開示される発明は、これらの未架橋樹脂単独のまたは追加の物質との反応/混合によって変性されたこれらの未架橋樹脂の、さまざまな基材上の被覆用途における有益な使用を実証する。これらの追加の物質は、さまざまなアクリル系およびビニル系のモノマーおよびオリゴマー、第1級アミンおよび第2級アミン、有機ニトロ化合物、酸-官能性物質、シロキサン、エラストマー、ワックスおよびその他の物質を含んで被覆性能を変性し、且つ改良する。
【0004】
前記のオリゴマーは、アクリル物質を架橋するために典型的に使用される全ての方法によって、ただし最も有益にはUV放射線への露光によって硬化することができる。硬化、すなわち架橋は、フリーラジカル鎖機構を通して通常達成され、それは、加熱によって、または周囲の温度でアミンおよび遷移金属促進剤の存在下にて、分解してラジカルを形成する、例えばパーオキシド、ハイドロパーオキシド、レドックス(REDOX)錯体などの多くのフリーラジカル生成種のいずれかを必要とする。電子線(EB)の放射線も、アクリル部分の反応を開始するために好適なもう1つのエネルギー源である。
【特許文献1】米国特許第5,945,489号
【特許文献2】米国特許第6,025,410号
【特許文献3】米国特許第6,706,414号
【特許文献4】米国特許第6,673,851号
【非特許文献1】Witzeman、Nottingham、J. Org. Chem.、1991年、56巻、1713頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に記載された樹脂は、追加の光開始剤なしに、UV放射線への露光によれば硬化することができる点で、従来の多官能性アクリルモノマーおよびオリゴマーより有意義な利点を与える。従来の多官能性アクリレートおよび/またはオリゴマーは、光開始剤を、しばしば比較的高いレベルで被覆配合物に加えなければ、UV放射線に露光させても硬化しない。従来の光開始剤(例えばベンゾフェノン)は、不溶性、有毒、高価であり、フィルム着色の一因となり、これは白色および明色の基材の上への被覆の適用を限定することがある。さらに、いくつかの従来の光開始剤の分解は、健康面の面で懸念される分解生成物(例えばベンズアルデヒド)を生ずる。分解のフラグメントは、皮膚と接触する可能性がある硬化被覆の表面に「白い粉状物としてふき出してくる(bloom)」ことがある。本明細書に記載された発明は、熱硬化性被覆マトリックスにその最大のフラグメントを接着し(anchor)、または「連結させ(tether)」ながら、これらの従来の発色団部分の迅速な使用を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において開示される新規な樹脂および混合物は、これらを非常に有効な被覆物質にする性能特性を示す。これらの性質は、組成に応じて大きく変化しうる。金属、プラスチック、木、紙およびガラスに対して優れた接着性を示す樹脂を製造することができる。これらは、広範囲の硬度、強靭性、可撓性、引張り強度、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐衝撃性、耐溶剤性などを示す。ほとんどのいかなる所望の被覆性能パラメータも、原料物質の構成単位の適切な選択によって達成することができる。
【0007】
本明細書に詳述される発明は、アクリレートモノマーおよびオリゴマーと、β-ケトエステル(例えばアセトアセテートなど)、β-ジケトン(例えば2,4-ペンタンジオンなど)、β-ケトアミド(例えばアセトアセトアニリド、アセトアセトアミドなど)および/またはマイケル供与体としてマイケル付加反応に加わることができるその他のβ-ジカルボニル化合物との反応によって形成される一群の新規な多官能性アクリレートオリゴマー、ならびに被覆におけるこれらの樹脂の使用を含む。本発明のマイケル付加樹脂は、光開始剤として作用する光活性部分を含むように変性される。すなわち、得られたマイケルオリゴマーは、米国特許第5,945,489号および第6,025,410号において開示されているような、マイケル付加反応から直接的に生じた多元の光活性ケトン基ならびにペンダントI型光活性部分(例えば置換ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノンまたはアシルホスフィンオキシドなど)またはII型光活性部分(例えば置換ベンゾフェノン、チオキサントン、カンファキノンまたはビスイミダゾールなど)を有している。これは、以前に開示されているものより、β-ジカルボニルマイケル供与体のはるかに低い搭載を可能にし、減少した粘度およびより優れた硬化感応性を有するオリゴマーを生じる。
【0008】
前記の新規なオリゴマーは、標準のUV硬化条件下でUV放射線の低い用量で硬化する。被覆性能を高めるために反応性(従来のポリアクリレート)および非反応性(例えば溶剤など)の両方の他の物質もこの系に加えることができる。これらの添加剤は、多種多様のアクリル系およびビニル系モノマーおよびオリゴマー、とりわけ、第1級および第2級アミン、有機ニトロ化合物、酸-官能性モノマーおよびオリゴマー、有機および無機充填剤、シリコーン、ワックスおよびエラストマーを含む。この樹脂は、金属、プラスチック、木、紙およびガラスを含むさまざまな基材の被覆剤として使用される場合、優れた性能を示す。これらの被覆剤は、化学的手段により、熱的に、あるいはUVまたは電子線輻射への露光よって硬化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、I型および/またはII型の光活性部分を含むように変性された液状の未架橋UV硬化性マイケル付加樹脂に関するものである。本発明の目的のために、マイケル付加樹脂は、同等にマイケルポリアクリレート樹脂、マイケルオリゴマー、マイケル付加体、またはマイケル付加生成物と称される。本発明のマイケル付加樹脂は、触媒の存在下に製造することができる。この液状の未架橋型UV硬化性マイケル付加樹脂には、例えばアミン相乗剤、反応性希釈剤、シリコーン、ワックスなどの、当技術分野で知られるその他の成分を加えることができる。
【0010】
液状の未硬化マイケル付加樹脂は、多官能性アクリレートマイケル受容体およびβ-ジカルボニルマイケル供与体から形成されるポリアクリレートオリゴマーである。例えば、最終のマイケル付加体の接着性、強靭性または他の特性を高めるように生成物オリゴマーを変性するために多官能性アクリレートと共に少量の一官能性アクリレートを導入することができる。この技術は、参照によって全ての内容が組み込まれている米国特許第5,945,489号および第6,025,410号(共にアシュランド社に譲渡されている)に記載されている。
【0011】
β-ジカルボニルマイケル供与体は、β-ケトエステル、β-ジケトン、β-ケトアミドおよびβ-ケトアニリドから適切に選ばれる。多機能性アクリレートマイケル受容体は、モノアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレートおよび同様のものから適切に選ばれる。β-ジカルボニル供与体および一官能性または多官能性アクリレート受容体の範囲は、最終生成物の性質における大きな範囲の選択性を行使する機会を組成物の設計者に与える。
【0012】
モノアクリレートは、次のものに限定されないが、2-フェノキシエチルアクリレート(PEA)および/またはより高次にアルコキシル化された生成物、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFFA)、グリシジルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、アクリレート官能性ポリシロキサン、ペルフルオロアルキルエチルアクリレートエステルおよびこれらの混合物を含む。モノアクリレートが使用される場合、モノアクリレートは、マイケル付加樹脂の全重量に基づいて約20重量%以下、好ましくは10重量%以下の量で存在する。
【0013】
ジアクリレートは、次のものに限定されないが、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、レゾルシノールジグリシジルエーテルジアクリレート、1,3-プロパンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、シクロヘキサジメタノールジアクリレート、エトキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化シクロヘキサジメタノールジアクリレート、プロポキシル化シクロヘキサジメタノールジアクリレート、チオジグリコールジアクリレート、アクリレート官能性ポリシロキサン、エポキシジアクリレート、アリールウレタンジアクリレート、脂肪族ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレートおよびこれらの混合物を含む。
【0014】
トリアクリレートは、次のものに限定されないが、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシル化グリセロールトリアクリレート、プロポキシル化グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アリールウレタントリアクリレート、脂肪族ウレタントリアクリレート、メラミントリアクリレート、エポキシノボラックトリアクリレート、脂肪族エポキシトリアクリレート、ポリエステルトリアクリレートおよびこれらの混合物を含む。
【0015】
テトラアクリレートは、次のものに限定されないが、ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アリールウレタンテトラアクリレート、脂肪族ウレタンテトラアクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、メラミンテトラアクリレート、エポキシノボラックテトラアクリレート、アクリレート官能性ポリシロキサンおよびこれらの混合物を含む。
【0016】
本発明は、所望の樹脂品質に応じてβ-ケトエステル(例えばエチルアセトアセテートなど)、β-ケトアニリド(例えばアセトアセトアニリドなど)、β-ケトアミド(例えばアセトアセトアミド)またはマイケル供与体の混合物を使用して実施することができる。
【0017】
好適な二官能性β-ジカルボニル供与体化合物は、次のものに限定されないが、エチルアセトアセテート、メチルアセトアセテート、2-エチルヘキシルアセトアセテート、ラウリルアセトアセテート、t-ブチルアセトアセテート、アセトアセトアニリド、N-アルキルアセトアセトアニリド、アセトアセトアミド、2-アセトアセトキシルエチルアクリレート、2-アセトアセトキシルエチルメタクリレート、アリルアセトアセテート、ベンジルアセトアセテート、2,4-ペンタンジオン、イソブチルアセトアセテートおよび2-メトキシエチルアセトアセテートを含む。
【0018】
好適な四官能性β-ジカルボニル供与体化合物は、次のものに限定されないが、1,4-ブタンジオールジアセトアセテート、1,6-ヘキサンジオールジアセトアセテート、ネオペンチルグリコールジアセトアセテート、シクロヘキサンジメタノールジアセトアセテートおよびエトキシル化ビスフェノールAジアセトアセテートを含む。
【0019】
好適な六官能性β-ジカルボニル供与体化合物は、次のものに限定されないが、トリメチロールプロパントリアセトアセテート、グリセリントリアセトアセテートおよびポリカプロラクトントリアセトアセテートを含む。
【0020】
マイケル付加反応は、強塩基よって促進される。そのような塩基の例は、ジアザビシクロウンデセン(DBU)であり、これは十分に強く、モノマー混合物中に容易に溶解する。その他の環状アミジン、例えばジアザビシクロノネン(DBN)おおびグアニジンもこの反応を促進するのに好適である。また、例えばカリウムt-ブトキシドなどのI族アルコキシド塩基は、これらが反応媒体中への十分な溶解牲を有していることを条件に、所望の反応を促進するために一般的に適当である。例えばテトラブチルアンモニウムハイドロオキシドまたはベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキシドのような4級化ハイドロオキシドおよびアルコキシドも、マイケル反応を促進するもう1つの群の強塩基を含む。最後に、強くて、有機親和性のアルコキシド塩基は、ハロゲン化物アニオン(例えば4級化ハライドなど)とエポキシド部分との反応からins situで生成させることができる。そのようなin situ触媒は、全ての内容が参照によって本明細書中に特別に組み込まれている米国特許第6,706,414号(アシュランド社へ譲渡されている)に開示されている。
【0021】
また、開示されたマイケル付加樹脂は、アミン相乗剤を添加することによって性能を高めるために変性することができる。そのような変性の例は、未硬化のマイケル付加樹脂中に第1級または第2級アミンを添加することを含む。この技法は、全ての内容が参照によって本明細書中に組み込まれる米国特許第6,673,851号に開示されている。典型的な第1級アミンは、エタノールアミン、メチル-1,6-ヘキサンジアミン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ジアミノプロパン、ベンジルアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミンおよびこれらの混合物を含む。典型的な第2級アミンは、ジメチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン(DEA)、ピペリジン、モルホリンおよびこれらの混合物を含む。液状のマイケル付加樹脂を、第1級または第2級のアミンで変性する場合、変性するアミンは、液状の未硬化のマイケル付加樹脂と簡単に反応する。
【0022】
本発明においては、β-ジカルボニルマイケル供与体および/またはマイケル受容体が、ペンダントI型(例えば置換ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノンまたはアシルホスフィンオキシドなど)またはII型(例えば置換ベンゾフェノン、チオキサントン、カンファキノンまたはビスイミダゾールなど)の光活性部分を含むように変性される。その結果、生じる液状の未架橋マイケル付加樹脂は、マイケル付加反応から生じる置換ケトンに加え、UV光への露光時にアクリル基の付加重合を促進するI型およびII型の光活性官能基の一方または両方を有する。変性されたマイケル供与体の例は、次の混合構造を有するI型光活性部分を含むマイケル供与体;
【0023】
【化1】

【0024】
次の異性体を含む構造を有するII型光活性部分を含むマイケル供与体;
【0025】
【化2】

【0026】
(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立してハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
次の異性体を含む構造を有するII型光活性部分を含むマイケル供与体;
【0027】
【化3】

【0028】
(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立してハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
次の異性体を含む構造を有するII型光活性部分を含むマイケル供与体;
【0029】
【化4】

【0030】
(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立してハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基であり、Rは単純なアルキルまたはアリール基である)
次の異性体を含む構造を有するII型光活性部分を含むマイケル供与体;
【0031】
【化5】

【0032】
(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立してハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
次の異性体を含む構造を有するII型光活性部分を含むマイケル供与体
【0033】
【化6】

【0034】
(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立してハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
を含む。
【0035】
次の実施例に記載されている樹脂生成物は、基材へのスプレー適用のために通常の溶剤で希釈することができ、物品の形状および構造と矛盾しない手段によって固形分100%で適用することもできる。これらの実施例における基材への樹脂の適用は、他に注記されていなければ、厚さを変えたフィルムを生産する「ドローダウン」技法によって遂行された。硬化は、単一の600W溶融「H」電球に対して特定の用量で露光することによってなされた。耐薬品性評価は、リン酸塩で処理された鉄鋼板上で行われた。
【0036】
樹脂性能特性は、さまざまなテスト方法で測定された。当業者によく知られた手段によって特性を決める目的のために、次の試験方法が使用された。
【0037】
動粘度---一定剪断力の円錐および平板の測定に基づく定められた温度でのポイズ値。
【0038】
硬化感応性---500mJ/cm2の全照射の「ベンチマーク」用量に露光後の被覆の評価に基づいて1(湿っている;未硬化)、2(ねばねばする)、3(「ぬるぬるした表面」、容易に傷つけられる)、4(べとつきなし、綿棒で傷つけることができる)または5(べとつきなし/傷付きなし)の値の割り当て。
【0039】
べとつきなし/傷付きなしの硬化までの最小用量---前記のスケールでの5のランクを達成するまでの全用量(mJ/cm2)。
【0040】
MEK耐性---被覆を突き破るか、または著しく傷つけるのに必要なMEKの2回摩擦の回数。
【0041】
次の実施例は、この開示で詳述された新規な多官能性アクリレートオリゴマーの構成、適用、硬化および性能特性を例証するものである。
【0042】
物質の調製1:Irgacure 2959アセトアセテート
オーバーヘッド撹拌機、熱電対、コンデンサーおよび窒素導入口を備えた2リットルの3首の丸底フラスコの中でトルエン250mlにチバガイギー社製のI型光開始剤Irgacure 2959 224.25gを加えた。イーストマンケミカル社製のt-ブチルアセトアセテート158.2gを加え、反応器を均質になるまで室温で撹拌した。次に、反応器の内容物を110℃まで加熱し、反応器をその温度で30分間保持した。
【0043】
合計加熱時間1時間後に、反応器に蒸留ヘッドを取り付け、ポット温度が125℃に達するまで、適度の窒素流下にトルエン/tーブタノール共沸混合物を留去した。前記温度に達したときに、反応器内容物を1リットルの単一首の丸底フラスコに注ぎ入れ、回転式蒸発器の上でわずかな窒素スパージと共に70℃で2時間黄色液体を留出させた。粘着性の黄色液体309gを回収した。NMRによる分析は、第1級または第3級エステルの混合物として、Irgacure 2959のほぼ定量的な変換を示唆した。さらに取り扱い易くするために、活性なアセトアセテートが52重量%となるまで、樹脂をトリメチロールプロパン(エトキシ)トリアクリレート(TMPEOTA)で希釈した。
【0044】
物質の調製2:グリシジルアセトアセテート
ウィッツマン(Witzman)およびノッティンガム(Nottingham)の方法(J. Org. Chem.、1991年、56巻、1713頁)に従ってグリシジルアセトアセテートを調製した。機械的な撹拌機、熱電対、コンデンサーおよび窒素導入口を備えた1リットルの反応器中で、グリシドール(デキシーケミカル社、パサディナ、テキサス州)296g、t-ブチルアセトアセテート632.8gおよびトルエン500mlを混合した。反応器内容物を110℃に加熱し、その温度で30分間維持した。次いで、反応器に蒸留ヘッドを取り付け、適度の窒素流下で2時間にわたってトルエン/tーブタノール共沸混合物を反応器から留去した。反応器中で到達したピーク温度は、120℃であった。合計時間4時間後に反応混合物を冷却し、回転蒸発器の上において70℃で2時間留出させた。黄色の液体生成物をプロトンNMRによって分析した。グリシドールのグリシジルアセトアセテートへの実質的に定量的な変換を確認した。
【0045】
物質の調製3:2959アクリレートエステル
オーバーヘッド撹拌機、熱電対、コンデンサーおよび窒素導入口を備えた2リットルの3首の丸底フラスコの中でエチルアセテートに対してIrgacure 2959I型光開始剤132gを加えた。冷たいアクリロイルクロライド(アルドリッヒケミカル社、ミルウォーキー、ウイスコンシン州)57.9gを加え、反応器を氷浴で<5℃に冷却した。トリエチルアミン65gを90分かけて滴下して加え、反応器温度を10℃以下に保持した。黄色「スラリー」を室温で2時間撹拌し、サンプルをFTIRによって分析した。ヒドロキシル官能基は、ほとんど認められず、反応は終結していると判断された。この生成物を室温で吸引濾過し、濾過ケーキをエチルアセテートで2回洗滌した。次いで、生成物の液体を500mlの単一首のフラスコに注ぎ入れ、ロータリーエバポレーター上で乾燥空気を軽く吹き込みながら40℃で2時間ストリッピングした。粘着性の黄色液体163gを回収した。NMRおよびFTIRによる分析は、Irgacure2959のほとんど定量的な変換(>97%)を示唆していた。さらに取り扱い易くするために、活性な2959アクリレートエステルが75重量%となるまで樹脂をヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)で希釈した。
【0046】
物質の調製4: 2959/HEA MDIジアクリレート
オーバーヘッド撹拌機、熱電対、コンデンサーおよび空気導入口を備えた2リットルの樹脂製ケトルの中でメチレンジフェニルジイソシアネート(モンダーML、バイエル社)528gおよびヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)605gを撹拌した。その撹拌混合物に、ジブチル錫ジラウレート(DABCO T-12、エアプロダクツ社)0.81gおよびIrgacure 2959 448.5gを加え、反応器を60℃に加熱した。次いで、2-HEA232.4gを30分かけてゆっくりと加え、65℃以下のピーク温度を保持した。その後の反応は、FTIRによってモニターした。成分を合計25時間加熱し、NMRおよびFTIRによって、この時間で反応は完結したと考えられた。追加のHDDA605gを加えて、モノマーにおいて50重量%の濃度の2959ウレタンアクリレートを創製した。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
「ベンチマークの例」:非組込み式I型またはII型光開始剤
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート126.6g、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)9.8g、XZ92551.00エポキシアクリレート(ダウケミカル社、ミッドランド、ミシガン州)29.6g、エチルアセトアセテート(EAA)21.4g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.96gおよびグリシジルメタクリレート3.8gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、13C NMRによって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。4時間後にジエタノールアミン7.9gを混合物に加え、反応生成物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0048】
最終生成物は、円錐および平板粘度231cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂生成物をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0049】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0050】
【表1】

【0051】
(実施例2)
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート113.8g、トリメチロールプロパントリアクリレート8.8g、XZ92551.00エポキシアクリレート26.6g、エチルアセトアセテート16.1g、物質の調製1からの50重量%溶液のIrgacure 2959ベースのアセトアセテート22.8g、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.96gおよびグリシジルメタクリレート3.9gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、13C NMRによって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。4時間後にジエタノールアミン7.1gを混合物に加え、反応生成物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0052】
最終生成物は、円錐および平板粘度320cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0053】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0054】
【表2】

【0055】
(実施例3)
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート129.3g、トリメチロールプロパントリアクリレート10.0g、XZ92551.00エポキシアクリレート30.2g、グリシジルアセトアセテート(GAA)17.7g、およびテトラブチルアンモニウムブロマイド0.96gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、屈折率測定によって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。2-(4-クロロベンゾイル)安息香酸(CBBA)14.6gを加え、この温度で約2時間保持した。その時間にCBBAの全てがエポキシ部分との反応によって消費された。合計処理時間6時間後にジエタノールアミン8.0gを加え、反応混合物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0056】
最終生成物は、円錐およびプレート粘度366cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂生成物をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0057】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0058】
【表3】

【0059】
(実施例4)
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート114.8g、アクチラン(Actilane)584(アクゾノーベル樹脂)31.7g、XZ92551.00エポキシアクリレート28.5g、グリシジルアセトアセテート(GAA)12.5gおよびテトラブチルアンモニウムブロマイド0.96gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、屈折率測定によって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。2-ベンゾイル安息香酸(BBA)10.3gを加え、この温度で約2時間保持した。その時間にBBAの全てがエポキシ部分との反応によって消費された。合計処理時間7時間後にジエタノールアミン7.60gを混合物に加え、反応生成物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0060】
最終生成物は、円錐およびプレート粘度230cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂生成物をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0061】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0062】
【表4】

【0063】
(実施例5)
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート192.3g、トリメチロールプロパン44.4g、エチルアセトアセテート35.8g、物質の調製3からのHDDA中の75重量%溶液のIrgacure 2959ベースアクリレートエステル9.3g、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.45gおよびグリシジルメタクリレート5.8gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、13C NMRによって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。合計反応時間3時間後にジエタノールアミン6.0gを混合物に加え、反応生成物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0064】
最終生成物は、円錐およびプレート粘度111cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂生成物をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0065】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0066】
【表5】

【0067】
(実施例6)
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート192.3g、トリメチロールプロパントリアクリレート44.4g、エチルアセトアセテート35.8g、物質の調製4からのものと類似するHDDA中の75重量%溶液のIrgacure 2959ベースアクリレートエステル19.7g、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.46gおよびグリシジルメタクリレート5.8gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、反射率によって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。合計反応時間4.5時間後にジエタノールアミン12.0gを混合物に加え、反応生成物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0068】
最終生成物は、円錐およびプレート粘度301cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂生成物をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0069】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0070】
【表6】

【0071】
(実施例7)
米国特許第6,706,414号に記載された方法に従って、ヘキサンジオールジアクリレート203.6g、XZ92551.00エポキシアクリレート45.0g、2,4-ペンタンジオン25.0g、エベクリル(Ebecryl) Pー36アクリルベンゾフェノンエステル14.5g、テトラブチルアンモニウムブロマイド1.48gおよびグリシジルメタクリレート5.9gを合わせた。反応器温度を95℃に設定し、反射率によって定義したマイケル供与体の100%二置換を達成するまでその温度に保持した。合計反応時間5.5時間後にジエタノールアミン4.0gを混合物に加え、反応生成物を撹拌しながら室温まで冷却した。
【0072】
最終生成物は、円錐およびプレート粘度180cPを有する低粘度の透明液体であった。樹脂生成物をリン酸処理鋼板に適用し、600W/in中圧水銀ランプ(溶融「H」電球)からのUV光で照射した。
【0073】
前記の調製樹脂に関して次の特性を表にした。
【0074】
【表7】

【0075】
本明細書に開示された新規な樹脂およびブレンドは、これらを非常に効果的な被覆物質にする性能特性を示し、これらの特性は、組成物に応じて大きく変性することができる。金属、プラスチック、木、紙およびガラスに優れた接着性を示す樹脂を製造することができる。これらは、広い範囲の硬度、強度、可撓性、引張り強度、汚染耐性、耐スクラッチ性、耐衝撃性、耐溶剤性などを示す。原料物質構成ブロックの適切な選択によって、ほとんどいかなる所望の被覆性能パラメータも達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ-7-エン(DBU)の存在下にトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)をエチルアセトアセテート(EAA)と、モル比2:1で反応させる反応スキームを示す図である。得られたポリアクリレートオリゴマーは、2元の官能基を有する。それは、アクリル官能性(四官能)およびUV光に露光したときにオリゴマーのフリーラジカル重合を開始するために解離することができる置換ケトン基の両方を有する。
【図2】図2は、TMPTAをベンゾフェノンと合わせている。重合の効率を改良するためメチルジエタノールアミンを相乗剤として加える。この混合物は、UV放射線へ露光すると非常にもろい高度架橋フィルムへ硬化する。
【図3】図3は、従来のベンジルケタール群の光開始剤(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-ヒドロキシ-2-プロピルケトン)を官能基化試薬と反応させて、示されるような生成物分子を生成させる反応スキームを示す図である。生成物分子は、アセトアセトキシ官能性(A)またはアクリル官能性(B、C)であり、次いで、図4に詳述される反応スキームにおいて利用される。
【図4】図4は、I型のα-開裂アセトアセテートのマイケル供与体およびTMPTAからの新規な「ハイブリッド発色団」マイケル付加体の創製を示す図である。
【図5】図5は、従来のI型のα-開裂光開始剤、マイケル付加体自己開始オリコマーおよびハイブリッド発色団(I型光活性部分+マイケル生成物置換ケトン)からなる発色団の対比を例示する図である。円で囲まれた領域は、開始するラジカル種を生成する等方性結合開裂のポイントを示す。
【図6】図6は、II型水素引き抜き光開始剤(ヒドロキシベンゾフェノン)、グリシジルアセトアセテートマイケル供与体およびTMPTAからの新規な「ハイブリッド発色団」マイケル付加体の創製を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.I型および/またはII型光開始剤で変性されたマイケル供与体とマイケル受容体、
B.I型および/またはII型光開始剤で変性されたマイケル受容体とマイケル供与体、あるいは
C.マイケル供与体とマイケル受容体とI型および/またはII型光開始剤
の反応生成物を含む液状の未架橋UV硬化性マイケル付加樹脂。
【請求項2】
I型光開始剤が、置換ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン、アシルホスフィンオキシドまたはこれらの混合物である請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項3】
II型光開始剤が、置換ベンゾフェノン、チオキサントン、カンファキノン、ビスイミダゾールまたはこれらの混合物である請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項4】
マイケル供与体が、β-ケトエステル、β-ケトアミド、β-ケトアニリドまたはこれらの混合物である請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項5】
マイケル受容体が、多官能性アクリレートである請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項6】
マイケル受容体が、多官能性アクリレートと一官能性アクリレートの混合物である請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項7】
マイケル受容体が、モノアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレートである請求項5に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項8】
マイケル供与体が、2個、4個、6個の官能価またはこれらの混合状態を有する請求項4に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項9】
アミン相乗剤をさらに含む請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項10】
触媒をさらに含む請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項11】
反応性希釈剤をさらに含む請求項1に記載のマイケル付加樹脂。
【請求項12】
I型および/またはII型光活性部分を含む変性マイケル供与体または受容体。
【請求項13】
I型光活性部分が、置換ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン、アシルホスフィンオキシドまたはこれらの混合物である請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項14】
II型光活性部分が、置換ベンゾフェノン、チオキサントン、カンファキノン、ビスイミダゾールまたはこれらの混合物である請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項15】
マイケル供与体が、次の混合構造:
【化1】

を有するI型光活性部分を含む請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項16】
マイケル供与体が、次の異性体:
【化2】

(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立して、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
を含む構造を有するII型光活性部分を含む請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項17】
マイケル供与体が、次の異性体:
【化3】

(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立して、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
を含む構造を有するII型光活性部分を含む請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項18】
マイケル供与体が、次の異性体:
【化4】

(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立して、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基であり、Rは単純なアルキルまたはアリール基である)
を含む構造を有するII型光活性部分を含む請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項19】
マイケル供与体が、次の異性体:
【化5】

(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立して、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)
を含む構造を有するII型光活性部分を含む請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項20】
マイケル供与体が、次の異性体:
【化6】

(式中、W、X、Yおよび/またはZは、互いに独立して、ハロゲン、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アミノ、アルキルアミノ、ニトリル、ニトロ、スルホまたはホスホ基である)を含む構造を有するII型光活性部分を含む請求項12に記載の変性マイケル供与体または受容体。
【請求項21】
請求項1に記載のマイケル付加生成物の硬化、架橋された残基を含む被覆。
【請求項22】
マイケル付加生成物が、化学線への露光によって硬化される請求項21に記載の被覆。
【請求項23】
A.基材、および
B.請求項1に記載のマイケル付加生成物の硬化、架橋された残基
を含む物品。
【請求項24】
基材が、金属、プラスチック、木、紙またはガラスである請求項23に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−534800(P2007−534800A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509548(P2007−509548)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/013196
【国際公開番号】WO2005/108452
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(505301103)アシュランド・ライセンシング・アンド・インテレクチュアル・プロパティー・エルエルシー (40)
【Fターム(参考)】