光電子回路基板
【課題】簡単な構成で光接続状態を容易に確認することができ、さらに、光信号を伝播させる光導波路のコアを選択できる光接続確認モジュールを搭載した光電子回路基板を提供する。
【解決手段】第1及び第2の光モジュール12A、12B、及び光導波路10Cを備えた光電子回路基板1に開口13を設け、その開口13に光接続確認モジュール3を挿入する。光接続確認モジュール3は、隣接する第1及び第2のコア33a、33bを有しており、スライド操作が行われることにより、光導波路10を伝播する光信号2を光路変換し、第1又は第2のコア33a、33bの何れかに光信号2を伝播させることができる。スライド操作に基づいて第1又は第2のコア33a、33bの何れかを選択することで、光導波路10Cの複数のコアのどのコアに光信号2を伝播させるかを選択することができる。
【解決手段】第1及び第2の光モジュール12A、12B、及び光導波路10Cを備えた光電子回路基板1に開口13を設け、その開口13に光接続確認モジュール3を挿入する。光接続確認モジュール3は、隣接する第1及び第2のコア33a、33bを有しており、スライド操作が行われることにより、光導波路10を伝播する光信号2を光路変換し、第1又は第2のコア33a、33bの何れかに光信号2を伝播させることができる。スライド操作に基づいて第1又は第2のコア33a、33bの何れかを選択することで、光導波路10Cの複数のコアのどのコアに光信号2を伝播させるかを選択することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、コネクタに接続された複数の光ファイバと、複数の光ファイバの他端に接続されたスライド切替式の光スイッチと、さらにスライド切替式の光スイッチの複数の光ファイバが接続された面に対向する面に、複数の光ファイバの半分の数の光ファイバが接続されている光ファイバ変換コードが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光ファイバ変換コードの接続状態の良否を判定するため、複数の光ファイバを接続した側の光ファイバの端面から信号光を入射させ、光スイッチのオン・オフ操作を行って他端における所定の光ファイバ端面からの信号光の出射光を光パワーメータで確認し、この操作を複数の光ファイバを接続した側の各光ファイバについて行なうことにより光ファイバの接続状態の良否を判定することができる。
【特許文献1】特開平8−31339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な構成で光接続状態を容易に確認することができ、さらに、光信号を伝播させる光導波路のコアを選択できる光接続確認モジュールを搭載した光電子回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の光電子回路基板を提供する。
【0006】
(1)対向する第1及び第2の面を貫通する第1の開口を有する主基板と、前記主基板の前記第2の面側に設けられ、前記第1の開口を通る光軸上に第1の光路変換面を有する光導波路と、前記光軸上において前記光導波路の前記第1の光路変換面に光信号を入力、又は前記第1の光路変換面からの前記光信号を出力する光素子と、前記主基板及び前記光導波路に設けられた第2の開口に挿入され、前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を変換する第2の光路変換面を有する光接続確認モジュールと、を備え、前記光接続確認モジュールは、前記光信号の光路に対して所定の角度を有して行われるスライド操作に基づいて前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換する光電子回路基板。
【0007】
(2)前記光接続確認モジュールは、前記所定の角度を90度とする前記(1)に記載の光電子回路基板。
【0008】
(3)前記光導波路は、前記光信号が伝播する少なくとも1つのコアを有し、前記光接続確認モジュールは、前記少なくとも1つのコアに基づいて前記少なくとも1つのコアを伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換し、光信号取出面から光信号を取り出す光信号取出部を有し、前記光信号取出部は、前記スライド操作に基づいて前記光信号を前記光信号取出面から取り出す前記(1)又は(2)に記載の光電子回路基板。
【0009】
(4)前記光接続確認モジュールの前記光信号取出部は、前記光導波路を伝播する前記光信号の一部の光路を変換する第3の光路変換面を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号の一部を取り出す前記(3)に記載の光電子回路基板。
【0010】
(5)前記光導波路は、前記光信号が前記光接続確認モジュールを介して伝播する複数のコアを有し、前記光接続確認モジュールは、入射した前記光信号を伝播させる第1及び第2の伝送路を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号を伝播させる前記第1又は第2の伝送路の選択が行われ、前記選択に基づいて前記複数のコアの少なくとも1つに前記光信号を伝播させる前記(1)に記載の光電子回路基板。
【0011】
(6)前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路に前記光信号取出部を有し、前記光信号取出部は、前記光信号の一部を取り出す第3の光路変換面を有する前記(3)又は(5)に記載の光電子回路基板。
【0012】
(7)前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路の間に第4の光路変換面が設けられる前記(5)又は(6)に記載の光電子回路基板。
【0013】
(8)前記光接続確認モジュールは、前記主基板及び前記光導波路に設けられた複数の開口に挿入される前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の光電子回路基板。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の光電子回路基板によれば、光接続確認モジュールのスライド操作に基づいて光導波路を伝播する光信号を基板外に取り出すことで、光導波路と光素子の接続状態を容易に確認することができる。
【0015】
請求項2に記載の光電子回路基板によれば、効率的にスライド操作を行うことができる。
【0016】
請求項3に記載の光電子回路基板によれば、光接続確認モジュールのスライド操作に基づいて光導波路を伝播する少なくとも1つの光信号を光信号取出部から基板外に取り出すことで、光導波路と光素子の光接続の確認、それらの異常の有無の確認、及び光接続のオン・オフを行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の光電子回路基板によれば、光導波路を伝播する光信号を遮断せずに、光信号の基板外への取り出し、光導波路と光素子の光接続の確認、それらの異常の有無の確認、及び光接続のオン・オフを行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の光電子回路基板によれば、光信号を伝播させるコアを選択することができる。
【0019】
請求項6に記載の光電子回路基板によれば、選択したコアに光信号が伝播したか否かを確認することができる。
【0020】
請求項7に記載の光電子回路基板によれば、効率的に第1及び第2の伝送路に光信号を導くことができる。
【0021】
請求項8に記載の光電子回路基板によれば、光信号の基板外への取り出し、光導波路と光素子の光接続の確認、それらの異常の有無の確認、光接続のオン・オフ、及び光信号を伝播させる光導波路のコアの選択、をより自由度を有して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
(光電子回路基板1の構成)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の斜視図であり、図1(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のA−A線における光電子回路基板の中央部分の断面図であり、図1(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のB−B線における光電子回路基板の断面図である。
【0023】
本実施形態に係る光電子回路基板1は、後述する光接続確認モジュール3と、図1(a)に示す主基板としての第1の基板10Aと第2の基板10Bとの間に光導波路10Cを挟んで形成される基板10と、光信号2が伝播する光導波路10Cの一方の側(送信側)において基板10の第1の面としての実装面130上に搭載される第1の光モジュール12Aと、光導波路10Cの他方の側(受信側)において基板10の実装面130上に搭載される第2の光モジュール12Bとを備える。また、基板10には、光接続確認モジュール3をスライド操作可能な後述する第2の開口としての開口13が設けられている。なお、開口13は、光接続確認モジュール3が、光信号2の光路に対して90度の角度をなしてスライド操作を行えるように、基板10に形成されるが、これに限定されない。
【0024】
本実施形態に係る光導波路10Cは、図1(c)に示すように、光信号2が伝播する第1〜第4のコア100a〜100dと、第1〜第4のコア100a〜100dの周囲に設けられ、第1〜第4のコア100a〜100dの屈折率よりも小さい屈折率を示すクラッド101を有する。第1〜第4のコア100a〜100dは、上面視にて略長方形に形成される。そして、第1〜第4のコア100a〜100dは、図1(c)に示すように、略正方形状の断面積を有するように形成されており、第1〜第4のコア100a〜100dの縦横寸法は、一例において、縦50μm×横50μmである。また、第1〜第4のコア100a〜100dは、例えば、250μm間隔で配置される。なお、光導波路10Cが有するコアの数は上記の例に限定されない。
【0025】
図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第1の光モジュール付近の断面図である。また、図2Bは、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第2の光モジュール付近の断面図である。
【0026】
本実施形態に係る第1の光モジュール12A及び第2の光モジュール12Bはそれぞれ、外部接続用の複数の端子120と基板10に予め形成された複数の端子110Aのそれぞれとを導電性ボールとしてのハンダボール121を介して接続するボールグリッドアレイ(BGA)型の光モジュールである。この場合において、複数の端子120はBGA用のパッドとなる。
【0027】
図2Aに示すように、第1の光モジュール12Aは、大規模集積回路(LSI)等の電子部品を実装可能な支持基板122と、支持基板122のハンダボール121が接合する側である裏面側に設けられる複数の端子120と、支持基板122上に予め形成された端子124とワイヤー123を介して電気的に接続される発光素子125とを有する。
【0028】
また、第1の光モジュール12Aは、発光素子125が固定されている面の反対側の支持基板122の面に固定されるLSI等の制御部126と、支持基板122を貫通して裏面側の少なくとも一部の端子124と電気的に接続する端子127と、制御部126と端子127とを電気的に接続するワイヤー123とを有する。そして、支持基板122の制御部126が固定される側の面において、制御部126、ワイヤー123、及び端子127は封止樹脂128で封止される。
【0029】
ここで、基板10の第1の基板10Aの上には複数の端子110Aが予め形成されており、第1の光モジュール12Aの複数の端子120は、複数の端子110Aにハンダボール121を介してそれぞれ接合される。
【0030】
本実施形態に係る第1の光モジュール12Aは、基板10の面方向に光信号2を発する発光素子125と、基板10内に形成された光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとが光結合するように位置決め固定される。
【0031】
一方、第2の光モジュール12Bにおいては、図2Bに示すように、第1〜第4のコア100a〜100dを伝播する光信号2の受信が可能な光路上の所定の位置に受光素子129が固定される。なお、第2の光モジュール12Bは、これらの構成以外については第1の光モジュール12Aと同一の構成を有するので、各構成についての詳細な説明は省略する。
【0032】
(発光素子125の構成)
第1の光モジュール12Aの発光素子125は、面発光型の発光ダイオード、又は面発光型半導体レーザ等の発光素子(面発光型光素子)である。第1の光モジュール12Aは、本実施の形態においては、4つの発光素子125を有する。例えば、4つの発光素子125は、所定の方向に沿ってアレイ状に配列されて形成される。なお、4つの発光素子125のそれぞれの間隔は、一例として250μmであるが、当該間隔は係る値に限定されるものではない。
【0033】
また、本実施形態においては、発光素子125として、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)を用いる。本実施形態に係る発光素子125としてのVCSELは、閾値電流が1mAであり、1.6Vから2.2Vの順電圧において、発光波長が840nmから860nmの範囲内、例えば、850nmである。すなわち、発光素子125は、近赤外領域(波長:700nmから1000nm)に発光波長を有する。また、発光素子125の応答速度は、2.5Gbpsである。なお、発光素子125として可視光(例えば、発光波長680nm)を発する発光ダイオードを用いても良い。
【0034】
さらに、本実施形態に係るVCSELは、III−V族化合物半導体積層構造を有する。例えば、VCSELは、n型GaAs基板の上に、n型下部反射鏡層としてのn型DBR(Distributed Bragg Reflector)層、活性層、電流狭窄層、p型上部反射鏡層としてのp型DBR層、p型コンタクト層が係る順に形成される。
【0035】
ここで、n型DBRは、例えば、n型のAlxGa1−xAs(0<x<1)を用いることができる。また、p型DBRは、例えば、p型のAlxGa1−xAs(0<x<1)を用いることができる。また、活性層は、i−GaAsのバルクの層、又は単一量子井戸層、若しくは多重量子井戸層から構成することができる。そして、電流狭窄層は、例えば、p型DBR層の所定の領域にプロトンを注入して高抵抗領域とすることにより形成できる。さらに、p型コンタクト層は、例えば、所定濃度のZnをドーピングしたGaAsから形成できる。
【0036】
n型GaAs基板のn型DBRが形成されている面の反対側にはn型電極が形成され、p型コンタクト層の上にはp型電極が形成される。ここで、p型電極は、活性層の発光領域の直上に開口を有する。開口は上面視にて略円状に形成され、5μmから10μmの直径を有する。当該開口から近赤外領域の光が出射される。なお、応答速度が10GbpsであるVCSELを発光素子125として用いてもよい。さらに、本実施形態の変形例においては、発光波長が1310nm又は1550nmであるVCSELを発光素子125として用いることもできる。
【0037】
(受光素子129の構成)
第2の光モジュール12Bの受光素子129は、例えば、面型のフォトダイオード等を受光素子129として用いる。本実施形態においては、高速応答性に優れたGaAs系のPINフォトダイオードを受光素子129として用いる。第2の光モジュール12Bは、上述した第1の光モジュール12Aの4つの発光素子125に対応した4つの受光素子129を有する。例えば、4つの受光素子129は、所定の方向に沿ってアレイ状に配列されて形成される。なお、4つの受光素子129のそれぞれの間隔は、一例として250μmであるが、当該間隔は係る値に限定されるものではない。
【0038】
本実施形態に係る受光素子129は、III−V族化合物半導体構造を有する。例えば、受光素子129は、GaAs基板上に、p型半導体層(p層)と、真性半導体層(i層)と、n型半導体層(n層)とが形成され、i層がp層とn層との間に形成されるPIN構造を有する。そして、受光素子129は、p層に接続されたp側電極と、n層に形成されたn側電極とをさらに備え、p側電極は、所定の領域に開口を有する。受光素子129は、当該開口の内側において光を受光する。すなわち、当該開口の内側が光を受光する受光部となる。ここで、PINフォトダイオードは、波長が850nmにおける感度が、例えば、0.2(A/W)であり、受光部の直径は約1mmである。
【0039】
本実施形態に係る発光素子125としてのVCSELを形成するIII−V族化合物半導体積層構造、及び受光素子129としてのPINフォトダイオードは、例えば、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、ハライド気相エピタキシー法(Halide Vapor Phase Epitaxy:HVPE)等によって形成される。
【0040】
(支持基板122の構成)
第1の光モジュール12A及び第2の光モジュール12Bの支持基板122は、ガラス繊維とエポキシ樹脂との複合材料、すなわち、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性材料から形成される。例えば、支持基板122は、Flame Retardant Type 4(FR−4)から形成される。そして、支持基板122は、外部回路への実装側となる裏面に銅、金、又はアルミニウム等の導電性材料から形成された複数の端子120を有する。
【0041】
また、支持基板122は、端子120と同様の材料から形成され、発光素子125又は受光素子129とワイヤー123を介して電気的に接続される複数の端子124を有する。さらに、支持基板122の制御部126が固定される表面には、端子120と同様の導電性材料から形成され、スルーホールを介して裏面の複数の端子124と電気的に接続する複数の端子127が設けられる。ここで、複数の端子127は、支持基板122の制御部126が固定される表面上に予め形成された電力供給用の配線パターンと電気的に接続されている。
【0042】
(制御部126の構成)
制御部126は、発光素子125を駆動する駆動回路と、受光素子129が受光した光に基づいて光電変換された電気信号を増幅する増幅回路とを有している。
【0043】
(封止樹脂128について)
封止樹脂128は、エポキシ樹脂等の熱硬化性成形材料から形成され、ワイヤー123、制御部126、および端子127を光・熱や湿度などの環境から保護する。なお、封止樹脂128は、主成分をエポキシ樹脂にしてシリカ等の充填材を加えて形成してもよい。
【0044】
(基板10の構成)
基板10の第1の基板10Aと第2の基板10Bとは、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性材料から形成される。そして、第1の基板10Aは、第1の光モジュール12A及び第2の光モジュール12Bを搭載する側の表面に、銅、金、アルミニウム等の導電性材料から形成される複数の端子110Aを有する。
【0045】
また、第1の基板10Aは、図2Aに示すように、第1の光モジュール12Aが設けられる位置に発光素子125と基板10に設けられる光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとを光結合させる開口としての開口部10aを有する。開口部10aは、第1の面としての実装面130と、光導波路10Cと接する第2の面とを貫通して設けられる。なお、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとの光結合が可能であれば、開口部10aには、発光素子125が発する光の波長に対して透明な光透過性材料を充填してもよい。
【0046】
また、第1の基板10Aは、図2Bに示すように、第2の光モジュール12Bが設けられる位置に受光素子129と基板10に設けられる光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとを光結合させる開口部10bを有する。なお、開口部10bについても開口部10aと同様に、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとの光結合が可能であれば、発光素子125が発する光の波長に対して透明な光透過性材料を充填してもよい。
【0047】
(光導波路10Cの構成)
光導波路10Cは、第1〜第4のコア100a〜100dと、第1〜第4のコア100a〜100dの周囲に形成されて第1〜第4のコア100a〜100dを覆うクラッド101とを有する。第1〜第4のコア100a〜100dは、第1の基板10Aの開口部10a、10bに対応する位置に、第1〜第4のコア100a〜100dに対して45度に傾斜して設けられる第1の光路変換面としてのミラー10Dを含む。当該ミラー10Dは、発光素子125、第1〜第4のコア100a〜100d、及び受光素子129の間の光軸上にそれぞれ設けられる。そして、ミラー10Dの周囲にはクラッド101と同等の屈折率を有する光透過性樹脂10Eが充填され、ミラー10Dの表面は光透過性樹脂10Eによって覆われる。
【0048】
本実施形態において、光導波路10Cは、第1〜第4のコア100a〜100dとクラッド101とを含む層の厚さが100〜200μmの範囲で形成される。なお、光導波路10Cは以下のように作成することができる。まず、第1〜第4のコア100a〜100dに対応する領域に第1〜第4のコア100a〜100dの形状のくぼみを有する鋳型を作成する。そして、作成した鋳型に、クラッド用フィルム基材を密着させる。続いて、鋳型のくぼみの領域に、第1〜第4のコア100a〜100dを形成する材料である硬化性樹脂を充填する。
【0049】
次に、くぼみ内の硬化性樹脂を硬化させて第1〜第4のコア100a〜100dを形成した後、鋳型を取り除く。これにより、クラッド101となるクラッド用フィルム基材上に第1〜第4のコア100a〜100dが残される。そして、クラッド用フィルム基材の第1〜第4のコア100a〜100dが形成された面側に、第1〜第4のコア100a〜100dを覆うクラッド101を設ける。これにより、光導波路10Cが作成される。なお、この光導波路10Cの作成方法は、鋳型を用いて光導波路層を形成する方法であるが、他にも、例えば耐熱性の光反応性の高分子材料を直接露光して光導波路を形成する方法なども用いることができる。本実施の形態では、このようにして形成された光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dにミラー10Dをさらに設ける。
【0050】
なお、本実施形態に係るミラー10Dは、第1の基板10Aの開口部10a、10bに対応する位置に、第1〜第4のコア100a〜100dに対して45度に傾斜して設けられているが、第1〜第4のコア100a〜100dに対するミラー10Dの角度は45度に限定されない。また、本実施形態に係る第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bとはそれぞれ、発光素子125のみ、又は受光素子129のみを有する一方向型の光モジュールであるが、第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bとはそれぞれ、発光素子125と受光素子129とを有する双方向型の光モジュールとして形成することもできる。
【0051】
(光接続確認モジュール3の構成)
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、図3(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のD−D線断面図であり、図3(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のE−E線断面図であり、図3(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、図3(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る図3(a)の矢印F方向から見た光接続確認モジュールの正面図である。なお、図4における光信号2は、図1(a)に示す第1〜第4のコア100a〜100dを伝播した光信号2を示している。
【0052】
光接続確認モジュール3は、例えば、クラッド101と同じ材料により形成された本体30と、図1(a)に示す光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dに対応した位置に設けられた貫通孔31と、貫通孔31に設けられた第1〜第4の光信号取出部32a〜32dと、を備えて概略構成されている。
【0053】
また、光接続確認モジュール3の第1の光モジュール12A側の側面には、図3(a)及び図4に示すように、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dの間隔の半分の間隔、例えば125μm間隔で貫通孔が設けられ、さらに、一例として、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dと同じ材料によって第1〜第8のコア33a〜33hが、その貫通孔に設けられている。光信号2は、光導波路10Cを伝播し、第1〜第8のコア33a〜33hの何れかを介して対応する光信号取出部、又は光導波路10Cに伝播する。
【0054】
さらに、本実施の形態において、第1、第4、第5及び第8のコア33a、33d、33e、33hは、図3(c)及び図4に示すように、光接続確認モジュール3の第1の光モジュール12A側の側面から入射した光信号2が、第2の光モジュール12B側の側面から光導波路10Cに伝播するよう構成されている。
【0055】
また、第2、第3、第6及び第7のコア33b、33c、33f、33gに入射した光信号2は、図3(b)及び図4に示すように、後述する第1〜第4の光信号取出部32a〜32dのミラー322によって光路変換され、コア323に伝播するよう構成されている。
【0056】
光接続確認モジュール3は、例えば、図4に示す矢印G方向の後述するスライド操作によって、光導波路10Cを伝播する光信号2の、光接続確認モジュール3を介した通過、又は、遮断を制御することができ、第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bと間の光信号2の送受信のオン・オフを行うスイッチ機能を有している。
【0057】
(第1〜第4の光信号取出部32a〜32dの構成)
第1〜第4の光信号取出部32a〜32dは、図3(d)に示すように、半円柱形状を有して設けられ、光信号2の光路に対して45度の角度を持って形成された凸部321を有する基部320と、金属材料の蒸着等の方法によって、凸部321上に45度の角度を持って設けられ、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dから入射した光信号2の光路を垂直方向に変換する第2の光路変換面としてのミラー322と、基部320の側面に形成され、ミラー322によって光路変換された光信号2を光信号取出面としての上面324から外部に出射させるコア323と、を備えて全体が円柱形状を有するように構成されている。なお、ミラー322の角度は、45度に限定されず、光信号2を取り出す方向に基づいて変更可能である。
【0058】
基部320は、例えば、コア323が有する屈折率よりも小さい屈折率を有する樹脂材料等から作製されるが、これに限定されず、クラッド101と同一の材料を用いて作製されても良い。コア323は、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dを伝播する光信号2を可視光として取り出すために本実施の形態で用いられる発光素子125の発光波長840nm〜860nmで励起される蛍光体を含有している。このような蛍光体として例えば、ユウロピウム(Eu)、ネオジウム(Nd)、イツテルビウム(Yb)、ツリウム(Tm)、プラセオジウム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)等の希土類元素を使用することができる。これらの混合物を発光中心として、その発光中心がフッ化物やリン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩等の酸化物が母体に含まれている無機化合物でも良い。無機の蛍光体であるコア323の上面324からは、このような蛍光体の励起に基づいて生じる可視光が出射される。
【0059】
(光接続確認モジュール3の作製方法)
図5A及びBは、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの作製工程を示した概略図である。以下に、図5A及び図5Bを参照しながら、一例として、第1の光信号取出部32aの作製方法について説明する。他の第2〜第4の光信号取出部32b〜32dについても同様に作製される。
【0060】
1 まず、図5A(a)に示すように、凸部321を設けた、半円柱形状を有する基部320を形成する。
2 次に、図5A(b)に示す凸部321に、金属材料による蒸着等によってミラー322を形成する。
4 図5A(c)に示すように、基部320の側部とミラー322にコア323を形成し、全体の形状を研磨し、第1の光信号取出部32aを作製する。
5 次に、図5B(d)に示す矩形状を有する本体30を用意する。
6 図5B(e)に示すように、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dの間隔に合わせて側面を貫通する8つの貫通孔を開ける。その貫通孔に矩形状の第1〜第8のコア100a〜100hを挿入、又は配置する。
7 図5B(f)に示すように、光接続確認モジュール3の上面から下面に向かって貫通する貫通孔31を第2、第3、第6及び第7のコア33b、33c、33d、33gの位置に合わせて4つ形成する。
8 図5B(g)に示すように、貫通孔31に、第1の光信号取出部32aを挿入する。次に、第2〜第4の光信号取出部32b〜32dを貫通孔に挿入し、光接続確認モジュール3は作製される。なお、光接続確認モジュール3の作製方法は、これに限定されず、また、貫通孔31が設けられる位置も用途に応じて変更可能である。
【0061】
(光電子回路基板1の動作)
以下に、第1の実施の形態における光電子回路基板の動作について、前述の図1から図5を参照し、図6及び図7を引用しながら説明する。
【0062】
(光信号2の送受信について)
一例として、光電子回路基板1の開口13に光接続確認モジュール3を挿入し、第1の光モジュール12Aから第2の光モジュール12Bへ画像信号を送信する場合について説明する。第1の光モジュール12Aの制御部126は、第2の光モジュール12Bに送信する画像信号に基づいて駆動回路に制御信号を出力する。駆動回路は、制御信号に応じて発光素子125への通電を制御する。発光素子125には、駆動回路の制御に基づいて、p型電極とn型電極との間に所定の電圧が印可される。これにより、画像信号は発光素子125が発する光信号2に変換され、発光素子125は、光信号2を波長850nmのレーザ光として出射する。
【0063】
そして、図2Aに示すように、発光素子125から発せられたレーザ光の光信号2は、開口部10aを介して光導波路10Cに入射する。
【0064】
光信号2は、第1〜第4のコア100a〜100dに設けられたミラー10Dで所定の方向へ反射される。すなわち、光信号2は、ミラー10Dにおいて光路を90度変換されて、第1〜第4のコア100a〜100d内を第2の光モジュール12Bの方向に向かって伝播する。光導波路10Cは、第1〜第4のコア100a〜100dにミラー10Dが設けられており、クラッド101には設けられていないので、開口部10aから入射した光信号2はクラッド101には入射しない。係る構成によって第2の光モジュール12Bは、光接続確認モジュール3を介して第1〜第4のコア100a〜100dを伝播する光信号2だけを受信する。
【0065】
そして、図2Bに示すように、第1〜第4のコア100a〜100dを伝播した光信号2は、第1〜第4のコア100a〜100dの光出射位置側に設けられるミラー10Dに入射する。ミラー10Dは、第1〜第4のコア100a〜100dを伝播した光信号2を第2の光モジュール12Bに搭載された受光素子129の方向に反射する。そして、ミラー10Dにおいて光路を90度変換された光信号2は、開口部10bより出射して第2の光モジュール12Bの受光素子129に入射する。
【0066】
そして、受光素子129は、入射した光信号2の光強度に応じてp側電極とn側電極との間に生じた電圧に対応する電流を、制御部126に出力する。制御部126は、受光素子129から出力される電流を増幅回路で増幅した後に、所定の信号処理を実行する。なお、以下の説明において、光信号2の送受信は、上記に述べた過程を簡略化し、単に「光信号2を受信」及び「光信号2を送信」等と表現するものとする。
【0067】
(光接続確認操作とセレクト操作について)
図6(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、図6(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。図7(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、図7(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。図7(a)及び(b)における光接続確認モジュール3の光取出部に付された黒丸は、光信号2が可視化され、上面324から出射している様子を表している。例えば、赤外光を可視化するには、赤外光が照射されると可視光を発光する蛍光材料からなる赤外線センサを用いる。以下に、ユーザが行う光接続確認操作とセレクト操作について説明するが、工場出荷時における検査等に用いることができる。
【0068】
一例として、第1の光モジュール12Aから送信され、光導波路10Cの第1のコア100aを伝播する光信号2は、図6(a)に示すように、第1のコア100aから光接続確認モジュール3の第1の光モジュール12A側に設けられた第1のコア33aを介して、光接続確認モジュール3の第2の光モジュール12B側の側面から、再び、光導波路10Cの第1のコア100aに伝播する。
【0069】
また、第3のコア100cを伝播する光信号2も同様に、図4に示す第5のコア33eを介して第2の光モジュール12B側の側面から第3のコア100cに伝播し、第2の光モジュール12Bによって受信される。
【0070】
また、第1の光モジュール12Aから送信され、第2及び第4のコア100b、100dを伝播する光信号2は、図4に示すように、光接続確認モジュール3の第3及び第7のコア33c、33gを介して、第2及び第4の光信号取出部32b、32dに入射し、図4及び図6(b)に示すように、ミラー322によって光路変換され、コア323を介して上面324から出射し、可視化されて出射した光信号2をユーザが目視することによって、ユーザは、第2及び第4のコア100b、100dが正常に第1の光モジュール12Aと光接続されていることを確認することができる。
【0071】
続いて、ユーザが、光接続確認モジュール3に対して、図7(a)に示す矢印C方向にスライド操作を行うと、光接続確認モジュール3は、光導波路10Cのコアとコアの半分の間隔だけ矢印C方向に移動し、例えば、図4に示す光接続モジュール3の第1のコア33aに入射していた光導波路10Cの第1のコア100aを伝播する光信号2が、隣接する第2のコア33bに入射する。
【0072】
また、第3のコア3cに入射していた第2のコア100bを伝播する光信号2は、第4のコア33dに入射し、第5のコア33eに入射していた第3のコア100cを伝播する光信号2は、第6のコア33fに入射する。さらに、第7のコア33gに入射していた第4のコア100dを伝播する光信号2は、第8のコア33hに入射する。
【0073】
このとき、第1及び第3の光信号取出部32a、32cに光信号2が入射するので、図7(b)に示すように、第1及び第3の光信号取出部32a、32cの上面324から光信号2が可視光化されて出射し、ユーザは、その可視化された光信号2を目視することによって、ユーザは、第1及び第3のコア100a、100cが正常に第1の光モジュール12Aと光接続されていることを確認することができる。
【0074】
また、図7(a)に示す状態のとき、光導波路10Cの第2及び第4のコア100b、100dを伝播する光信号2は、オフされ、図7(b)に示す状態のとき、光導波路10Cの第1及び第3のコア100a、100cを伝播する光信号2は、オフされるので、光接続確認モジュール3は、スイッチ機能も有している。なお、光信号取出部を光接続確認モジュール3のどのコアに対応させて設置するかによって、同時に光信号2をオン・オフさせる光導波路10Cのコアを選択することができる。
【0075】
(第1の実施の形態の変形例)
図8A(a)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図であり、図8A(b)及び(c)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光接続確認モジュールの概略図であり、図8B(d)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。なお、以下の記述において、第1の実施の形態と同一の構成及び機能を有する部分については、第1の実施の形態と同じ符号を付している。
【0076】
(光電子回路基板1の構成)
図8A及びBにおける光電子回路基板1は、第1の実施の形態の変形例であり、第1及び第2の開口13A、13Bが、第1及び第2の光モジュール12A、12Bを結ぶ直線上で、かつ、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの近傍に設けられ、第1及び第2の開口13A、13Bには、第1及び第2の光接続確認モジュール3A、3Bが、光信号2の光路に対して90度の角度をなしてスライド操作を行えるように挿入されている。
【0077】
光導波路10Cは、図8A(a)及び図8B(d)に示すように、第1〜第8のコア100a〜100hを有し、それに合わせて、第1の光接続確認モジュール3Aは、図8A(b)に示す第1〜第8の光信号取出部32A〜32Hを有し、第1の光接続確認モジュール3Bは、図8A(c)に示す第9〜第16の光信号取出部32I〜32Pを有して概略構成されている。また、第1の実施の形態と同様に、光導波路10Cのコアに対応した図示しないコアが、光導波路10Cのコアとコアの半分の間隔で光接続確認モジュール3A及び3Bの側面に、図4に示すコアの倍の数、設けられている。
【0078】
(光接続確認操作及び選択操作について)
本変形例における光接続確認操作及び選択操作は、上記した第1の実施の形態と同様に、ユーザが、所定の方向に第1又は第2の光接続確認モジュール3A、3Bに対するスライド操作を行うことによって行われる。
【0079】
図8A(a)に示す光電子回路基板1は、第1の光接続確認モジュール3Aによって、第1、第2、第5及び第6のコア100a、100b、100e、100fの光信号2がオフされている。このときユーザは、図8B(d)において黒丸で示す、第1、第2、第5及び第6の光信号取出部32A、32B、32E、32Fの上面324から出射した可視化された光信号2を目視することによって、第1、第2、第5及び第6のコア100a、100b、100e、100fと第1の光モジュール12Aとが、正常に光接続されていることが分かる。
【0080】
また、ユーザが、図8B(d)に示す矢印H方向に第1の光接続確認モジュール3Aに対してスライド操作を行い、例えば、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hと第1の光モジュール12Aが正常に光接続されているとき、ユーザは、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hに対応した、第1の光接続確認モジュール3Aの第3、第4、第7及び第8の光信号取出部32C、32D、32G、32Hの上面324から出射した可視光化された光信号2を目視することによって、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hと第1の光モジュール12Aとが、正常に光接続されていることが分かる。
【0081】
さらに、図8A(a)に示す状態のとき、光導波路10Cの第1、第2、第5及び第6のコア100a、100b、100e、100fを伝播する光信号2は、オフされており、ユーザが、図8B(d)に示す矢印H方向に第1の光接続確認モジュール3Aに対してスライド操作を行うとき、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hを伝播する光信号2をオフすることができるので、光信号2を伝播させるコアを選択することができる。
【0082】
第2の光接続確認モジュール3Bは、図8A(a)の状態のとき、第1の光モジュール12A及び第1の光接続確認モジュール3Aを介して光導波路10Cの第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hを伝播する光信号2を、図示しないコアを介して第2の光モジュール12Bに伝播させるよう構成されている。
【0083】
ユーザは、図8A(a)に示す矢印I方向に第2の光接続確認モジュール3Bに対してスライド操作を行うとき、図8A(a)に示す、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hを伝播する光信号2が、第11、第12、第15及び第16の光信号取出部32K、32L、32O、32Pに入射し、ユーザは、第11、第12、第15及び第16の光信号取出部32K、32L、32O、32Pの上面324から可視光化された光信号2を目視することで、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hが正常であることが分かる。さらに、第2の光モジュール12Bが受信する光信号2に基づいて光導波路10Cと第2の光モジュール12Bの光接続、又は、第2の光モジュール12Bが正常か否かを判断することができる。
【0084】
[第2の実施の形態]
(光電子回路基板の構成)
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図であり、図10(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、図10(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のJ−J線断面図であり、図10(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のK−K線断面図であり、図10(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、図10(e)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【0085】
本実施の形態における光電子回路基板1は、第1の実施の形態と同様に、第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bとの間に開口13を有し、開口13には、光接続確認モジュール3Cが挿入されている。
【0086】
(光接続確認モジュール3Cの構成)
光接続確認モジュール3Cは、本体30と、本体30の上面に設けられた4つの貫通孔31と、側面に設けられた第1〜第8のコア33a〜33hと、貫通孔31に挿入された第1〜第4の光信号取出部34a〜34dと、を備えて概略構成されている。
【0087】
(第1〜第4の光信号取出部34a〜34dの構成)
第2の実施の形態に係る第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、図10(b)に示すように、第2、第3、第6及び第7のコア33b、33c、33f、33gを介して入射する光信号2の一部を反射してコア323に入射させるハーフミラー322Aを設けた構成を有する。よって、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続をオフしなくても、光接続確認操作を行うことができる。
【0088】
(第1〜第4の光信号取出部34a〜34dの作製方法)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の作製工程を示した概略図である。以下に、図11を参照しながら、一例として、第1の光信号取出部34aの作製方法について説明する。他の第2〜第4の光信号取出部34b〜34dについても同様に作製される。
【0089】
1 まず、図11(a)に示す円柱形状を有するコア325を用意する。
2 次に、図11(b)に示すように、光信号2に対して45度の角度を有するように傾斜面を形成する。
3 次に、図11(c)に示すように、傾斜面に金属材料による蒸着等によってハーフミラー322Aを形成する。
4 次に、図11(d)に示すように、コア325の上に半円柱形状を有する基部320を形成する。
5 次に、図11(e)に示すように、基部320の側部とハーフミラー322Aにコア323を形成し、全体の形状を円柱形状となるよう研磨し、第1の光信号取出部32aを作製する。
6 上記1〜5の工程を経て作製された第1〜第4の光信号取出部34a〜34dを第1の実施の形態と同様の工程を経て作製された光接続確認モジュール3Cの本体30に設けられた貫通孔31に挿入して、光接続確認モジュール3Cは作製される。なお、第1〜第4の光信号取出部32a〜32dの作製方法は、これに限定されず、また、貫通孔31が設けられる位置も用途に応じて変更可能である。
【0090】
(光接続確認操作と選択操作について)
図12(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、図12(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。図13(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、図13(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。図13(a)及び(b)における光接続確認モジュール3Cの光取出部に付された黒丸は、光信号2が可視化され、上面324から出射している様子を表している。
【0091】
第1の実施の形態においては、光信号取出部の上面324から光信号2が出射するとき、光信号2が出射した光信号取出部に対応した光導波路10Cのコアに伝播していた光信号2は、光路変換されて取り出されてしまうので、第2の光モジュール12Bに受信されることはなかった。しかし、本実施の形態においては、第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、ハーフミラー322Aを有しているので、光信号2の一部が上面324から出射している、図13(a)における第2及び第4の光信号取出部34b、34d、及び、図13(b)における第1及び第3の光信号取出部34a、34cは、図12(b)に示すように、光導波路10Cを伝播する光信号2の一部を上面324に向けて反射することにより光路変換し、他の一部は、ハーフミラー322A、コア325を介して光導波路10Cに伝播するので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続を遮断、すなわちオフすることなく、ユーザは、光接続等の確認を行うことができる。
【0092】
また、ユーザは、図13(a)に示す矢印C方向に光接続確認モジュール3Cに対してスライド操作を行うことによって、図13(a)において確認できなかった、第1及び第3のコア100a、100bの光接続の確認を、光接続をオフすることなく、行うことができる。なお、本実施の形態においては、第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、ハーフミラー322Aを有しているので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続のオン・オフを行うことはできない。
【0093】
(第2の実施の形態の変形例)
図14A(a)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図であり、図14A(b)及び(c)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光接続確認モジュールの概略図であり、図14B(d)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。
【0094】
(光電子回路基板1の構成)
図14A及びBにおける光電子回路基板1は、第2の実施の形態の変形例であり、第1及び第2の開口13A、13Bが、第1及び第2の光モジュール12A、12Bを結ぶ直線上で、かつ、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの近傍に設けられ、第1及び第2の開口13A、13Bには、第1及び第2の光接続確認モジュール3D、3Eが、挿入されている。
【0095】
光導波路10Cは、図14A(a)及び図14B(d)に示すように、第1〜第8のコア100a〜100hを有し、それに合わせて、第1の光接続確認モジュール3Dは、図14A(b)に示す第1〜第8の光信号取出部34A〜34Hを有し、第2の光接続確認モジュール3Eは、図14A(c)に示す第9〜第16の光信号取出部34I〜34Pを有して概略構成されている。
【0096】
第2の実施の形態と同様に、光導波路10Cのコアに対応した図示しないコアが、光導波路10Cのコアとコアの半分の間隔で光接続確認モジュール3D及び3Eの側面に設けられている。また、第1〜第16の光信号取出部34A〜34Pは、第2の実施の形態と同様に、図10(b)に示すハーフミラー322Aを有している。
【0097】
(光接続確認操作及び選択操作について)
本変形例における光接続確認操作及び選択操作は、上記した第1の実施の形態の変形例と同様に、ユーザが、所定の方向に第1又は第2の光接続確認モジュール3D、3Eに対するスライド操作を行うことによって行われる。
【0098】
本変形例においては、第1〜第16の光信号取出部34A〜34Pがハーフミラー322Aを有しているので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続をオフすることなく、光接続の確認が行える点が、第1の実施の形態における変形例と異なっている。なお、本変形例においては、第2の実施の形態と同様に、第1〜第16の光信号取出部34A〜34Pは、ハーフミラー322Aを有しているので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続のオン・オフを行うことはできない。
【0099】
[第3の実施の形態]
(光電子回路基板の構成)
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図であり、図16(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、図16(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの上方図であり、図16(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【0100】
光電子回路基板1は、第1の光モジュール12Aから開口13までは、第1及び第2のコア100a、100bを光信号2が伝播し、開口13から第2の光モジュール12Bまでは、第3〜第6のコア100c〜100fを有して概略構成されている。
【0101】
(光接続確認モジュール3Fの構成)
光接続確認モジュール3Fは、図16(b)に示す矢印M方向から光信号2を入射し、本体30と、第2の実施の形態における光信号取出部と同様に、ハーフミラー322Aを有する第1〜第4の光信号取出部34a〜34dと、本体30に設けられた第1及び第2の伝送路としてのコア35a、35b及び35c、35dと、コア35aとコア35bの間に設けられた第4の光路変換面としてのミラー36aと、コア35cとコア35dの間に設けられた第4の光路変換面としてのミラー36bと、を備えて概略構成されている。
【0102】
コア35a及びコア35bの光信号2が入射する端面は、図16(a)に示すように、ミラー36aを挟んで隣接している。同様に、コア35c及び35dの光信号2が入射する端面は、図16(a)に示すように、ミラー36bを挟んで隣接している。
【0103】
これは、ユーザが、図15に示す矢印C方向に光接続確認モジュール3Fに対してスライド操作を行ったとき、光信号2を隣接するコアに導くためである。なお、本実施の形態におけるコアの間に設けられたミラー36a及び36bは、図16(b)に示すように、三角形状を有するが、このミラー36a及び36bを本体30と同じ材料で、本体30と共に作製し、コアに接する部分のみにミラーを設ける構成、又は、光信号2の入射のときの臨界角に応じて、ミラーを設けない構成としても良い。
【0104】
(第1〜第4の光信号取出部34a〜34dの構成)
第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、第2の実施の形態における光信号取出部と同様の構成及び機能を有し、図16(b)に示す光接続確認モジュール3Fの貫通孔31に設けられている。
【0105】
(セレクト操作について)
図17(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、図17(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【0106】
光電子回路基板1は、図17(a)に示す状態にあるとき、第1及び第2のコア100a、100bを伝播する光信号2は、光接続確認モジュール3Fのミラー36a、36bによって光路変換され、コア35a、35cを介して第3及び第5のコア100c、100eに伝播する。
【0107】
このとき、光信号2は、コア35aに設けられた第1の光信号取出部34aのハーフミラー322Aによって一部が光路変換され、第1の光信号取出部34aのコア323を介して可視光化されて上面324から出射する。ユーザは、この可視光化された光信号2を目視することによって、第1の光モジュール12Aと第1及び第2のコア100a、100bとの光接続の確認、及び、第1の光モジュール12A及び第1及び第2のコア100a、100bが正常であるか否かの確認を行うことができる。さらに、ユーザは、第3〜第5のコア100c〜100fのうち、どのコアに光信号2が伝播しているのかを知ることができる。
【0108】
ユーザが、図17(a)の状態から図17(b)の状態になるように、矢印C方向に光接続確認モジュール3Fに対してスライド操作を行うと、光信号2が入射していたコア35a、35cに隣接するコア35b、35dに光信号2が伝播し、ミラー36a、36bによって光路変換され、光信号2は、コア35b、35dを介して第4及び第6のコア100d、100fに伝播する。
【0109】
このとき、光信号2は、コア35b、35dに設けられた第2及び第4の光信号取出部34b、34dのハーフミラー322Aによって一部が光路変換され、第2及び第4の光信号取出部34b、34dのコア323を介して可視光化されて上面324から出射する。ユーザは、この可視光化された光信号2を目視することによって、第1の光モジュール12Aと第1及び第2のコア100a、100bとの光接続の確認、及び、第1の光モジュール12A及び第1及び第2のコア100a、100bが正常であるか否かの確認を行うことができる。さらに、ユーザは、第3〜第5のコア100c〜100fのうち、どのコアに光信号2が伝播しているのかを知ることができる。
【0110】
ユーザは、光接続確認モジュール3Fに対してスライド操作を行うことによって、第1のコア100aを伝播する光信号2を、第3及び第4のコア100c、100dの何れかを選択し、選択されたコアに光信号2を伝播させることができる。同様に、第2のコア100bを伝播する光信号2を、第5及び第6のコア100e、100fの何れかを選択し、選択されたコアに光信号2を伝播させることができる。なお、光導波路10Cのコアを増やし、光接続確認モジュールを複数設置することによって、第1の光モジュール12Aから送信された光信号2を、より多くの光導波路のコアに選択して伝播させることができる。
【0111】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の斜視図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のA−A線における光電子回路基板の中央部分の断面図であり、(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のB−B線における光電子回路基板の断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第1の光モジュール付近の断面図である。
【図2B】本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第2の光モジュール付近の断面図である。
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のD−D線断面図であり、(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のE−E線断面図であり、(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る図3(a)の矢印F方向から見た光接続確認モジュールの正面図である。
【図5A】本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの作製工程を示した概略図である。
【図5B】本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの作製工程を示した概略図である。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。
【図7】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【図8A】(a)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図であり、(b)及び(c)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光接続確認モジュールの概略図である。
【図8B】(d)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のJ−J線断面図であり、(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のK−K線断面図であり、(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、(e)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の作製工程を示した概略図である。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。
【図13】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【図14A】(a)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図である。
【図14B】(d)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図である。
【図16】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの上方図であり、(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【図17】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【符号の説明】
【0113】
1…光電子回路基板、2…光信号、3、3C、3F…光接続確認モジュール、3A、3B…第1及び第2の光接続確認モジュール、3D〜3E…第1及び第2の光接続確認モジュール、10…基板、10A…第1の基板、10B…第2の基板、10C…光導波路、10D…ミラー、10E…光透過性樹脂、10a…開口部、10b…開口部、12A…第1の光モジュール、12B…第2の光モジュール、13…開口、13A、13B…開口、30…本体、31…貫通孔、32a〜32d…第1〜第4の光信号取出部、32A〜32P…第1〜第16の光信号取出部、33a〜33h…第1〜第8のコア、34a〜34d…第1〜第4の光信号取出部、36a、36b…ミラー、100a〜100…第1〜第4のコア、101…クラッド、110A…端子、120…端子、121…ハンダボール、122…支持基板、123…ワイヤー、124…端子、125…発光素子、126…制御部、127…端子、128…封止樹脂、129…受光素子、130…実装面、320…基部、321…凸部、322…ミラー、322A…ハーフミラー、323…コア、324…上面、325…コア
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、コネクタに接続された複数の光ファイバと、複数の光ファイバの他端に接続されたスライド切替式の光スイッチと、さらにスライド切替式の光スイッチの複数の光ファイバが接続された面に対向する面に、複数の光ファイバの半分の数の光ファイバが接続されている光ファイバ変換コードが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光ファイバ変換コードの接続状態の良否を判定するため、複数の光ファイバを接続した側の光ファイバの端面から信号光を入射させ、光スイッチのオン・オフ操作を行って他端における所定の光ファイバ端面からの信号光の出射光を光パワーメータで確認し、この操作を複数の光ファイバを接続した側の各光ファイバについて行なうことにより光ファイバの接続状態の良否を判定することができる。
【特許文献1】特開平8−31339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単な構成で光接続状態を容易に確認することができ、さらに、光信号を伝播させる光導波路のコアを選択できる光接続確認モジュールを搭載した光電子回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の光電子回路基板を提供する。
【0006】
(1)対向する第1及び第2の面を貫通する第1の開口を有する主基板と、前記主基板の前記第2の面側に設けられ、前記第1の開口を通る光軸上に第1の光路変換面を有する光導波路と、前記光軸上において前記光導波路の前記第1の光路変換面に光信号を入力、又は前記第1の光路変換面からの前記光信号を出力する光素子と、前記主基板及び前記光導波路に設けられた第2の開口に挿入され、前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を変換する第2の光路変換面を有する光接続確認モジュールと、を備え、前記光接続確認モジュールは、前記光信号の光路に対して所定の角度を有して行われるスライド操作に基づいて前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換する光電子回路基板。
【0007】
(2)前記光接続確認モジュールは、前記所定の角度を90度とする前記(1)に記載の光電子回路基板。
【0008】
(3)前記光導波路は、前記光信号が伝播する少なくとも1つのコアを有し、前記光接続確認モジュールは、前記少なくとも1つのコアに基づいて前記少なくとも1つのコアを伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換し、光信号取出面から光信号を取り出す光信号取出部を有し、前記光信号取出部は、前記スライド操作に基づいて前記光信号を前記光信号取出面から取り出す前記(1)又は(2)に記載の光電子回路基板。
【0009】
(4)前記光接続確認モジュールの前記光信号取出部は、前記光導波路を伝播する前記光信号の一部の光路を変換する第3の光路変換面を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号の一部を取り出す前記(3)に記載の光電子回路基板。
【0010】
(5)前記光導波路は、前記光信号が前記光接続確認モジュールを介して伝播する複数のコアを有し、前記光接続確認モジュールは、入射した前記光信号を伝播させる第1及び第2の伝送路を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号を伝播させる前記第1又は第2の伝送路の選択が行われ、前記選択に基づいて前記複数のコアの少なくとも1つに前記光信号を伝播させる前記(1)に記載の光電子回路基板。
【0011】
(6)前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路に前記光信号取出部を有し、前記光信号取出部は、前記光信号の一部を取り出す第3の光路変換面を有する前記(3)又は(5)に記載の光電子回路基板。
【0012】
(7)前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路の間に第4の光路変換面が設けられる前記(5)又は(6)に記載の光電子回路基板。
【0013】
(8)前記光接続確認モジュールは、前記主基板及び前記光導波路に設けられた複数の開口に挿入される前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の光電子回路基板。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の光電子回路基板によれば、光接続確認モジュールのスライド操作に基づいて光導波路を伝播する光信号を基板外に取り出すことで、光導波路と光素子の接続状態を容易に確認することができる。
【0015】
請求項2に記載の光電子回路基板によれば、効率的にスライド操作を行うことができる。
【0016】
請求項3に記載の光電子回路基板によれば、光接続確認モジュールのスライド操作に基づいて光導波路を伝播する少なくとも1つの光信号を光信号取出部から基板外に取り出すことで、光導波路と光素子の光接続の確認、それらの異常の有無の確認、及び光接続のオン・オフを行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の光電子回路基板によれば、光導波路を伝播する光信号を遮断せずに、光信号の基板外への取り出し、光導波路と光素子の光接続の確認、それらの異常の有無の確認、及び光接続のオン・オフを行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の光電子回路基板によれば、光信号を伝播させるコアを選択することができる。
【0019】
請求項6に記載の光電子回路基板によれば、選択したコアに光信号が伝播したか否かを確認することができる。
【0020】
請求項7に記載の光電子回路基板によれば、効率的に第1及び第2の伝送路に光信号を導くことができる。
【0021】
請求項8に記載の光電子回路基板によれば、光信号の基板外への取り出し、光導波路と光素子の光接続の確認、それらの異常の有無の確認、光接続のオン・オフ、及び光信号を伝播させる光導波路のコアの選択、をより自由度を有して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
(光電子回路基板1の構成)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の斜視図であり、図1(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のA−A線における光電子回路基板の中央部分の断面図であり、図1(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のB−B線における光電子回路基板の断面図である。
【0023】
本実施形態に係る光電子回路基板1は、後述する光接続確認モジュール3と、図1(a)に示す主基板としての第1の基板10Aと第2の基板10Bとの間に光導波路10Cを挟んで形成される基板10と、光信号2が伝播する光導波路10Cの一方の側(送信側)において基板10の第1の面としての実装面130上に搭載される第1の光モジュール12Aと、光導波路10Cの他方の側(受信側)において基板10の実装面130上に搭載される第2の光モジュール12Bとを備える。また、基板10には、光接続確認モジュール3をスライド操作可能な後述する第2の開口としての開口13が設けられている。なお、開口13は、光接続確認モジュール3が、光信号2の光路に対して90度の角度をなしてスライド操作を行えるように、基板10に形成されるが、これに限定されない。
【0024】
本実施形態に係る光導波路10Cは、図1(c)に示すように、光信号2が伝播する第1〜第4のコア100a〜100dと、第1〜第4のコア100a〜100dの周囲に設けられ、第1〜第4のコア100a〜100dの屈折率よりも小さい屈折率を示すクラッド101を有する。第1〜第4のコア100a〜100dは、上面視にて略長方形に形成される。そして、第1〜第4のコア100a〜100dは、図1(c)に示すように、略正方形状の断面積を有するように形成されており、第1〜第4のコア100a〜100dの縦横寸法は、一例において、縦50μm×横50μmである。また、第1〜第4のコア100a〜100dは、例えば、250μm間隔で配置される。なお、光導波路10Cが有するコアの数は上記の例に限定されない。
【0025】
図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第1の光モジュール付近の断面図である。また、図2Bは、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第2の光モジュール付近の断面図である。
【0026】
本実施形態に係る第1の光モジュール12A及び第2の光モジュール12Bはそれぞれ、外部接続用の複数の端子120と基板10に予め形成された複数の端子110Aのそれぞれとを導電性ボールとしてのハンダボール121を介して接続するボールグリッドアレイ(BGA)型の光モジュールである。この場合において、複数の端子120はBGA用のパッドとなる。
【0027】
図2Aに示すように、第1の光モジュール12Aは、大規模集積回路(LSI)等の電子部品を実装可能な支持基板122と、支持基板122のハンダボール121が接合する側である裏面側に設けられる複数の端子120と、支持基板122上に予め形成された端子124とワイヤー123を介して電気的に接続される発光素子125とを有する。
【0028】
また、第1の光モジュール12Aは、発光素子125が固定されている面の反対側の支持基板122の面に固定されるLSI等の制御部126と、支持基板122を貫通して裏面側の少なくとも一部の端子124と電気的に接続する端子127と、制御部126と端子127とを電気的に接続するワイヤー123とを有する。そして、支持基板122の制御部126が固定される側の面において、制御部126、ワイヤー123、及び端子127は封止樹脂128で封止される。
【0029】
ここで、基板10の第1の基板10Aの上には複数の端子110Aが予め形成されており、第1の光モジュール12Aの複数の端子120は、複数の端子110Aにハンダボール121を介してそれぞれ接合される。
【0030】
本実施形態に係る第1の光モジュール12Aは、基板10の面方向に光信号2を発する発光素子125と、基板10内に形成された光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとが光結合するように位置決め固定される。
【0031】
一方、第2の光モジュール12Bにおいては、図2Bに示すように、第1〜第4のコア100a〜100dを伝播する光信号2の受信が可能な光路上の所定の位置に受光素子129が固定される。なお、第2の光モジュール12Bは、これらの構成以外については第1の光モジュール12Aと同一の構成を有するので、各構成についての詳細な説明は省略する。
【0032】
(発光素子125の構成)
第1の光モジュール12Aの発光素子125は、面発光型の発光ダイオード、又は面発光型半導体レーザ等の発光素子(面発光型光素子)である。第1の光モジュール12Aは、本実施の形態においては、4つの発光素子125を有する。例えば、4つの発光素子125は、所定の方向に沿ってアレイ状に配列されて形成される。なお、4つの発光素子125のそれぞれの間隔は、一例として250μmであるが、当該間隔は係る値に限定されるものではない。
【0033】
また、本実施形態においては、発光素子125として、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)を用いる。本実施形態に係る発光素子125としてのVCSELは、閾値電流が1mAであり、1.6Vから2.2Vの順電圧において、発光波長が840nmから860nmの範囲内、例えば、850nmである。すなわち、発光素子125は、近赤外領域(波長:700nmから1000nm)に発光波長を有する。また、発光素子125の応答速度は、2.5Gbpsである。なお、発光素子125として可視光(例えば、発光波長680nm)を発する発光ダイオードを用いても良い。
【0034】
さらに、本実施形態に係るVCSELは、III−V族化合物半導体積層構造を有する。例えば、VCSELは、n型GaAs基板の上に、n型下部反射鏡層としてのn型DBR(Distributed Bragg Reflector)層、活性層、電流狭窄層、p型上部反射鏡層としてのp型DBR層、p型コンタクト層が係る順に形成される。
【0035】
ここで、n型DBRは、例えば、n型のAlxGa1−xAs(0<x<1)を用いることができる。また、p型DBRは、例えば、p型のAlxGa1−xAs(0<x<1)を用いることができる。また、活性層は、i−GaAsのバルクの層、又は単一量子井戸層、若しくは多重量子井戸層から構成することができる。そして、電流狭窄層は、例えば、p型DBR層の所定の領域にプロトンを注入して高抵抗領域とすることにより形成できる。さらに、p型コンタクト層は、例えば、所定濃度のZnをドーピングしたGaAsから形成できる。
【0036】
n型GaAs基板のn型DBRが形成されている面の反対側にはn型電極が形成され、p型コンタクト層の上にはp型電極が形成される。ここで、p型電極は、活性層の発光領域の直上に開口を有する。開口は上面視にて略円状に形成され、5μmから10μmの直径を有する。当該開口から近赤外領域の光が出射される。なお、応答速度が10GbpsであるVCSELを発光素子125として用いてもよい。さらに、本実施形態の変形例においては、発光波長が1310nm又は1550nmであるVCSELを発光素子125として用いることもできる。
【0037】
(受光素子129の構成)
第2の光モジュール12Bの受光素子129は、例えば、面型のフォトダイオード等を受光素子129として用いる。本実施形態においては、高速応答性に優れたGaAs系のPINフォトダイオードを受光素子129として用いる。第2の光モジュール12Bは、上述した第1の光モジュール12Aの4つの発光素子125に対応した4つの受光素子129を有する。例えば、4つの受光素子129は、所定の方向に沿ってアレイ状に配列されて形成される。なお、4つの受光素子129のそれぞれの間隔は、一例として250μmであるが、当該間隔は係る値に限定されるものではない。
【0038】
本実施形態に係る受光素子129は、III−V族化合物半導体構造を有する。例えば、受光素子129は、GaAs基板上に、p型半導体層(p層)と、真性半導体層(i層)と、n型半導体層(n層)とが形成され、i層がp層とn層との間に形成されるPIN構造を有する。そして、受光素子129は、p層に接続されたp側電極と、n層に形成されたn側電極とをさらに備え、p側電極は、所定の領域に開口を有する。受光素子129は、当該開口の内側において光を受光する。すなわち、当該開口の内側が光を受光する受光部となる。ここで、PINフォトダイオードは、波長が850nmにおける感度が、例えば、0.2(A/W)であり、受光部の直径は約1mmである。
【0039】
本実施形態に係る発光素子125としてのVCSELを形成するIII−V族化合物半導体積層構造、及び受光素子129としてのPINフォトダイオードは、例えば、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、ハライド気相エピタキシー法(Halide Vapor Phase Epitaxy:HVPE)等によって形成される。
【0040】
(支持基板122の構成)
第1の光モジュール12A及び第2の光モジュール12Bの支持基板122は、ガラス繊維とエポキシ樹脂との複合材料、すなわち、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性材料から形成される。例えば、支持基板122は、Flame Retardant Type 4(FR−4)から形成される。そして、支持基板122は、外部回路への実装側となる裏面に銅、金、又はアルミニウム等の導電性材料から形成された複数の端子120を有する。
【0041】
また、支持基板122は、端子120と同様の材料から形成され、発光素子125又は受光素子129とワイヤー123を介して電気的に接続される複数の端子124を有する。さらに、支持基板122の制御部126が固定される表面には、端子120と同様の導電性材料から形成され、スルーホールを介して裏面の複数の端子124と電気的に接続する複数の端子127が設けられる。ここで、複数の端子127は、支持基板122の制御部126が固定される表面上に予め形成された電力供給用の配線パターンと電気的に接続されている。
【0042】
(制御部126の構成)
制御部126は、発光素子125を駆動する駆動回路と、受光素子129が受光した光に基づいて光電変換された電気信号を増幅する増幅回路とを有している。
【0043】
(封止樹脂128について)
封止樹脂128は、エポキシ樹脂等の熱硬化性成形材料から形成され、ワイヤー123、制御部126、および端子127を光・熱や湿度などの環境から保護する。なお、封止樹脂128は、主成分をエポキシ樹脂にしてシリカ等の充填材を加えて形成してもよい。
【0044】
(基板10の構成)
基板10の第1の基板10Aと第2の基板10Bとは、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性材料から形成される。そして、第1の基板10Aは、第1の光モジュール12A及び第2の光モジュール12Bを搭載する側の表面に、銅、金、アルミニウム等の導電性材料から形成される複数の端子110Aを有する。
【0045】
また、第1の基板10Aは、図2Aに示すように、第1の光モジュール12Aが設けられる位置に発光素子125と基板10に設けられる光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとを光結合させる開口としての開口部10aを有する。開口部10aは、第1の面としての実装面130と、光導波路10Cと接する第2の面とを貫通して設けられる。なお、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとの光結合が可能であれば、開口部10aには、発光素子125が発する光の波長に対して透明な光透過性材料を充填してもよい。
【0046】
また、第1の基板10Aは、図2Bに示すように、第2の光モジュール12Bが設けられる位置に受光素子129と基板10に設けられる光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとを光結合させる開口部10bを有する。なお、開口部10bについても開口部10aと同様に、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dとの光結合が可能であれば、発光素子125が発する光の波長に対して透明な光透過性材料を充填してもよい。
【0047】
(光導波路10Cの構成)
光導波路10Cは、第1〜第4のコア100a〜100dと、第1〜第4のコア100a〜100dの周囲に形成されて第1〜第4のコア100a〜100dを覆うクラッド101とを有する。第1〜第4のコア100a〜100dは、第1の基板10Aの開口部10a、10bに対応する位置に、第1〜第4のコア100a〜100dに対して45度に傾斜して設けられる第1の光路変換面としてのミラー10Dを含む。当該ミラー10Dは、発光素子125、第1〜第4のコア100a〜100d、及び受光素子129の間の光軸上にそれぞれ設けられる。そして、ミラー10Dの周囲にはクラッド101と同等の屈折率を有する光透過性樹脂10Eが充填され、ミラー10Dの表面は光透過性樹脂10Eによって覆われる。
【0048】
本実施形態において、光導波路10Cは、第1〜第4のコア100a〜100dとクラッド101とを含む層の厚さが100〜200μmの範囲で形成される。なお、光導波路10Cは以下のように作成することができる。まず、第1〜第4のコア100a〜100dに対応する領域に第1〜第4のコア100a〜100dの形状のくぼみを有する鋳型を作成する。そして、作成した鋳型に、クラッド用フィルム基材を密着させる。続いて、鋳型のくぼみの領域に、第1〜第4のコア100a〜100dを形成する材料である硬化性樹脂を充填する。
【0049】
次に、くぼみ内の硬化性樹脂を硬化させて第1〜第4のコア100a〜100dを形成した後、鋳型を取り除く。これにより、クラッド101となるクラッド用フィルム基材上に第1〜第4のコア100a〜100dが残される。そして、クラッド用フィルム基材の第1〜第4のコア100a〜100dが形成された面側に、第1〜第4のコア100a〜100dを覆うクラッド101を設ける。これにより、光導波路10Cが作成される。なお、この光導波路10Cの作成方法は、鋳型を用いて光導波路層を形成する方法であるが、他にも、例えば耐熱性の光反応性の高分子材料を直接露光して光導波路を形成する方法なども用いることができる。本実施の形態では、このようにして形成された光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dにミラー10Dをさらに設ける。
【0050】
なお、本実施形態に係るミラー10Dは、第1の基板10Aの開口部10a、10bに対応する位置に、第1〜第4のコア100a〜100dに対して45度に傾斜して設けられているが、第1〜第4のコア100a〜100dに対するミラー10Dの角度は45度に限定されない。また、本実施形態に係る第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bとはそれぞれ、発光素子125のみ、又は受光素子129のみを有する一方向型の光モジュールであるが、第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bとはそれぞれ、発光素子125と受光素子129とを有する双方向型の光モジュールとして形成することもできる。
【0051】
(光接続確認モジュール3の構成)
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、図3(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のD−D線断面図であり、図3(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のE−E線断面図であり、図3(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、図3(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る図3(a)の矢印F方向から見た光接続確認モジュールの正面図である。なお、図4における光信号2は、図1(a)に示す第1〜第4のコア100a〜100dを伝播した光信号2を示している。
【0052】
光接続確認モジュール3は、例えば、クラッド101と同じ材料により形成された本体30と、図1(a)に示す光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dに対応した位置に設けられた貫通孔31と、貫通孔31に設けられた第1〜第4の光信号取出部32a〜32dと、を備えて概略構成されている。
【0053】
また、光接続確認モジュール3の第1の光モジュール12A側の側面には、図3(a)及び図4に示すように、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dの間隔の半分の間隔、例えば125μm間隔で貫通孔が設けられ、さらに、一例として、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dと同じ材料によって第1〜第8のコア33a〜33hが、その貫通孔に設けられている。光信号2は、光導波路10Cを伝播し、第1〜第8のコア33a〜33hの何れかを介して対応する光信号取出部、又は光導波路10Cに伝播する。
【0054】
さらに、本実施の形態において、第1、第4、第5及び第8のコア33a、33d、33e、33hは、図3(c)及び図4に示すように、光接続確認モジュール3の第1の光モジュール12A側の側面から入射した光信号2が、第2の光モジュール12B側の側面から光導波路10Cに伝播するよう構成されている。
【0055】
また、第2、第3、第6及び第7のコア33b、33c、33f、33gに入射した光信号2は、図3(b)及び図4に示すように、後述する第1〜第4の光信号取出部32a〜32dのミラー322によって光路変換され、コア323に伝播するよう構成されている。
【0056】
光接続確認モジュール3は、例えば、図4に示す矢印G方向の後述するスライド操作によって、光導波路10Cを伝播する光信号2の、光接続確認モジュール3を介した通過、又は、遮断を制御することができ、第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bと間の光信号2の送受信のオン・オフを行うスイッチ機能を有している。
【0057】
(第1〜第4の光信号取出部32a〜32dの構成)
第1〜第4の光信号取出部32a〜32dは、図3(d)に示すように、半円柱形状を有して設けられ、光信号2の光路に対して45度の角度を持って形成された凸部321を有する基部320と、金属材料の蒸着等の方法によって、凸部321上に45度の角度を持って設けられ、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dから入射した光信号2の光路を垂直方向に変換する第2の光路変換面としてのミラー322と、基部320の側面に形成され、ミラー322によって光路変換された光信号2を光信号取出面としての上面324から外部に出射させるコア323と、を備えて全体が円柱形状を有するように構成されている。なお、ミラー322の角度は、45度に限定されず、光信号2を取り出す方向に基づいて変更可能である。
【0058】
基部320は、例えば、コア323が有する屈折率よりも小さい屈折率を有する樹脂材料等から作製されるが、これに限定されず、クラッド101と同一の材料を用いて作製されても良い。コア323は、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dを伝播する光信号2を可視光として取り出すために本実施の形態で用いられる発光素子125の発光波長840nm〜860nmで励起される蛍光体を含有している。このような蛍光体として例えば、ユウロピウム(Eu)、ネオジウム(Nd)、イツテルビウム(Yb)、ツリウム(Tm)、プラセオジウム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)等の希土類元素を使用することができる。これらの混合物を発光中心として、その発光中心がフッ化物やリン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩等の酸化物が母体に含まれている無機化合物でも良い。無機の蛍光体であるコア323の上面324からは、このような蛍光体の励起に基づいて生じる可視光が出射される。
【0059】
(光接続確認モジュール3の作製方法)
図5A及びBは、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの作製工程を示した概略図である。以下に、図5A及び図5Bを参照しながら、一例として、第1の光信号取出部32aの作製方法について説明する。他の第2〜第4の光信号取出部32b〜32dについても同様に作製される。
【0060】
1 まず、図5A(a)に示すように、凸部321を設けた、半円柱形状を有する基部320を形成する。
2 次に、図5A(b)に示す凸部321に、金属材料による蒸着等によってミラー322を形成する。
4 図5A(c)に示すように、基部320の側部とミラー322にコア323を形成し、全体の形状を研磨し、第1の光信号取出部32aを作製する。
5 次に、図5B(d)に示す矩形状を有する本体30を用意する。
6 図5B(e)に示すように、光導波路10Cの第1〜第4のコア100a〜100dの間隔に合わせて側面を貫通する8つの貫通孔を開ける。その貫通孔に矩形状の第1〜第8のコア100a〜100hを挿入、又は配置する。
7 図5B(f)に示すように、光接続確認モジュール3の上面から下面に向かって貫通する貫通孔31を第2、第3、第6及び第7のコア33b、33c、33d、33gの位置に合わせて4つ形成する。
8 図5B(g)に示すように、貫通孔31に、第1の光信号取出部32aを挿入する。次に、第2〜第4の光信号取出部32b〜32dを貫通孔に挿入し、光接続確認モジュール3は作製される。なお、光接続確認モジュール3の作製方法は、これに限定されず、また、貫通孔31が設けられる位置も用途に応じて変更可能である。
【0061】
(光電子回路基板1の動作)
以下に、第1の実施の形態における光電子回路基板の動作について、前述の図1から図5を参照し、図6及び図7を引用しながら説明する。
【0062】
(光信号2の送受信について)
一例として、光電子回路基板1の開口13に光接続確認モジュール3を挿入し、第1の光モジュール12Aから第2の光モジュール12Bへ画像信号を送信する場合について説明する。第1の光モジュール12Aの制御部126は、第2の光モジュール12Bに送信する画像信号に基づいて駆動回路に制御信号を出力する。駆動回路は、制御信号に応じて発光素子125への通電を制御する。発光素子125には、駆動回路の制御に基づいて、p型電極とn型電極との間に所定の電圧が印可される。これにより、画像信号は発光素子125が発する光信号2に変換され、発光素子125は、光信号2を波長850nmのレーザ光として出射する。
【0063】
そして、図2Aに示すように、発光素子125から発せられたレーザ光の光信号2は、開口部10aを介して光導波路10Cに入射する。
【0064】
光信号2は、第1〜第4のコア100a〜100dに設けられたミラー10Dで所定の方向へ反射される。すなわち、光信号2は、ミラー10Dにおいて光路を90度変換されて、第1〜第4のコア100a〜100d内を第2の光モジュール12Bの方向に向かって伝播する。光導波路10Cは、第1〜第4のコア100a〜100dにミラー10Dが設けられており、クラッド101には設けられていないので、開口部10aから入射した光信号2はクラッド101には入射しない。係る構成によって第2の光モジュール12Bは、光接続確認モジュール3を介して第1〜第4のコア100a〜100dを伝播する光信号2だけを受信する。
【0065】
そして、図2Bに示すように、第1〜第4のコア100a〜100dを伝播した光信号2は、第1〜第4のコア100a〜100dの光出射位置側に設けられるミラー10Dに入射する。ミラー10Dは、第1〜第4のコア100a〜100dを伝播した光信号2を第2の光モジュール12Bに搭載された受光素子129の方向に反射する。そして、ミラー10Dにおいて光路を90度変換された光信号2は、開口部10bより出射して第2の光モジュール12Bの受光素子129に入射する。
【0066】
そして、受光素子129は、入射した光信号2の光強度に応じてp側電極とn側電極との間に生じた電圧に対応する電流を、制御部126に出力する。制御部126は、受光素子129から出力される電流を増幅回路で増幅した後に、所定の信号処理を実行する。なお、以下の説明において、光信号2の送受信は、上記に述べた過程を簡略化し、単に「光信号2を受信」及び「光信号2を送信」等と表現するものとする。
【0067】
(光接続確認操作とセレクト操作について)
図6(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、図6(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。図7(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、図7(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。図7(a)及び(b)における光接続確認モジュール3の光取出部に付された黒丸は、光信号2が可視化され、上面324から出射している様子を表している。例えば、赤外光を可視化するには、赤外光が照射されると可視光を発光する蛍光材料からなる赤外線センサを用いる。以下に、ユーザが行う光接続確認操作とセレクト操作について説明するが、工場出荷時における検査等に用いることができる。
【0068】
一例として、第1の光モジュール12Aから送信され、光導波路10Cの第1のコア100aを伝播する光信号2は、図6(a)に示すように、第1のコア100aから光接続確認モジュール3の第1の光モジュール12A側に設けられた第1のコア33aを介して、光接続確認モジュール3の第2の光モジュール12B側の側面から、再び、光導波路10Cの第1のコア100aに伝播する。
【0069】
また、第3のコア100cを伝播する光信号2も同様に、図4に示す第5のコア33eを介して第2の光モジュール12B側の側面から第3のコア100cに伝播し、第2の光モジュール12Bによって受信される。
【0070】
また、第1の光モジュール12Aから送信され、第2及び第4のコア100b、100dを伝播する光信号2は、図4に示すように、光接続確認モジュール3の第3及び第7のコア33c、33gを介して、第2及び第4の光信号取出部32b、32dに入射し、図4及び図6(b)に示すように、ミラー322によって光路変換され、コア323を介して上面324から出射し、可視化されて出射した光信号2をユーザが目視することによって、ユーザは、第2及び第4のコア100b、100dが正常に第1の光モジュール12Aと光接続されていることを確認することができる。
【0071】
続いて、ユーザが、光接続確認モジュール3に対して、図7(a)に示す矢印C方向にスライド操作を行うと、光接続確認モジュール3は、光導波路10Cのコアとコアの半分の間隔だけ矢印C方向に移動し、例えば、図4に示す光接続モジュール3の第1のコア33aに入射していた光導波路10Cの第1のコア100aを伝播する光信号2が、隣接する第2のコア33bに入射する。
【0072】
また、第3のコア3cに入射していた第2のコア100bを伝播する光信号2は、第4のコア33dに入射し、第5のコア33eに入射していた第3のコア100cを伝播する光信号2は、第6のコア33fに入射する。さらに、第7のコア33gに入射していた第4のコア100dを伝播する光信号2は、第8のコア33hに入射する。
【0073】
このとき、第1及び第3の光信号取出部32a、32cに光信号2が入射するので、図7(b)に示すように、第1及び第3の光信号取出部32a、32cの上面324から光信号2が可視光化されて出射し、ユーザは、その可視化された光信号2を目視することによって、ユーザは、第1及び第3のコア100a、100cが正常に第1の光モジュール12Aと光接続されていることを確認することができる。
【0074】
また、図7(a)に示す状態のとき、光導波路10Cの第2及び第4のコア100b、100dを伝播する光信号2は、オフされ、図7(b)に示す状態のとき、光導波路10Cの第1及び第3のコア100a、100cを伝播する光信号2は、オフされるので、光接続確認モジュール3は、スイッチ機能も有している。なお、光信号取出部を光接続確認モジュール3のどのコアに対応させて設置するかによって、同時に光信号2をオン・オフさせる光導波路10Cのコアを選択することができる。
【0075】
(第1の実施の形態の変形例)
図8A(a)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図であり、図8A(b)及び(c)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光接続確認モジュールの概略図であり、図8B(d)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。なお、以下の記述において、第1の実施の形態と同一の構成及び機能を有する部分については、第1の実施の形態と同じ符号を付している。
【0076】
(光電子回路基板1の構成)
図8A及びBにおける光電子回路基板1は、第1の実施の形態の変形例であり、第1及び第2の開口13A、13Bが、第1及び第2の光モジュール12A、12Bを結ぶ直線上で、かつ、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの近傍に設けられ、第1及び第2の開口13A、13Bには、第1及び第2の光接続確認モジュール3A、3Bが、光信号2の光路に対して90度の角度をなしてスライド操作を行えるように挿入されている。
【0077】
光導波路10Cは、図8A(a)及び図8B(d)に示すように、第1〜第8のコア100a〜100hを有し、それに合わせて、第1の光接続確認モジュール3Aは、図8A(b)に示す第1〜第8の光信号取出部32A〜32Hを有し、第1の光接続確認モジュール3Bは、図8A(c)に示す第9〜第16の光信号取出部32I〜32Pを有して概略構成されている。また、第1の実施の形態と同様に、光導波路10Cのコアに対応した図示しないコアが、光導波路10Cのコアとコアの半分の間隔で光接続確認モジュール3A及び3Bの側面に、図4に示すコアの倍の数、設けられている。
【0078】
(光接続確認操作及び選択操作について)
本変形例における光接続確認操作及び選択操作は、上記した第1の実施の形態と同様に、ユーザが、所定の方向に第1又は第2の光接続確認モジュール3A、3Bに対するスライド操作を行うことによって行われる。
【0079】
図8A(a)に示す光電子回路基板1は、第1の光接続確認モジュール3Aによって、第1、第2、第5及び第6のコア100a、100b、100e、100fの光信号2がオフされている。このときユーザは、図8B(d)において黒丸で示す、第1、第2、第5及び第6の光信号取出部32A、32B、32E、32Fの上面324から出射した可視化された光信号2を目視することによって、第1、第2、第5及び第6のコア100a、100b、100e、100fと第1の光モジュール12Aとが、正常に光接続されていることが分かる。
【0080】
また、ユーザが、図8B(d)に示す矢印H方向に第1の光接続確認モジュール3Aに対してスライド操作を行い、例えば、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hと第1の光モジュール12Aが正常に光接続されているとき、ユーザは、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hに対応した、第1の光接続確認モジュール3Aの第3、第4、第7及び第8の光信号取出部32C、32D、32G、32Hの上面324から出射した可視光化された光信号2を目視することによって、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hと第1の光モジュール12Aとが、正常に光接続されていることが分かる。
【0081】
さらに、図8A(a)に示す状態のとき、光導波路10Cの第1、第2、第5及び第6のコア100a、100b、100e、100fを伝播する光信号2は、オフされており、ユーザが、図8B(d)に示す矢印H方向に第1の光接続確認モジュール3Aに対してスライド操作を行うとき、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hを伝播する光信号2をオフすることができるので、光信号2を伝播させるコアを選択することができる。
【0082】
第2の光接続確認モジュール3Bは、図8A(a)の状態のとき、第1の光モジュール12A及び第1の光接続確認モジュール3Aを介して光導波路10Cの第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hを伝播する光信号2を、図示しないコアを介して第2の光モジュール12Bに伝播させるよう構成されている。
【0083】
ユーザは、図8A(a)に示す矢印I方向に第2の光接続確認モジュール3Bに対してスライド操作を行うとき、図8A(a)に示す、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hを伝播する光信号2が、第11、第12、第15及び第16の光信号取出部32K、32L、32O、32Pに入射し、ユーザは、第11、第12、第15及び第16の光信号取出部32K、32L、32O、32Pの上面324から可視光化された光信号2を目視することで、第3、第4、第7及び第8のコア100c、100d、100g、100hが正常であることが分かる。さらに、第2の光モジュール12Bが受信する光信号2に基づいて光導波路10Cと第2の光モジュール12Bの光接続、又は、第2の光モジュール12Bが正常か否かを判断することができる。
【0084】
[第2の実施の形態]
(光電子回路基板の構成)
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図であり、図10(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、図10(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のJ−J線断面図であり、図10(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のK−K線断面図であり、図10(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、図10(e)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【0085】
本実施の形態における光電子回路基板1は、第1の実施の形態と同様に、第1の光モジュール12Aと第2の光モジュール12Bとの間に開口13を有し、開口13には、光接続確認モジュール3Cが挿入されている。
【0086】
(光接続確認モジュール3Cの構成)
光接続確認モジュール3Cは、本体30と、本体30の上面に設けられた4つの貫通孔31と、側面に設けられた第1〜第8のコア33a〜33hと、貫通孔31に挿入された第1〜第4の光信号取出部34a〜34dと、を備えて概略構成されている。
【0087】
(第1〜第4の光信号取出部34a〜34dの構成)
第2の実施の形態に係る第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、図10(b)に示すように、第2、第3、第6及び第7のコア33b、33c、33f、33gを介して入射する光信号2の一部を反射してコア323に入射させるハーフミラー322Aを設けた構成を有する。よって、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続をオフしなくても、光接続確認操作を行うことができる。
【0088】
(第1〜第4の光信号取出部34a〜34dの作製方法)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の作製工程を示した概略図である。以下に、図11を参照しながら、一例として、第1の光信号取出部34aの作製方法について説明する。他の第2〜第4の光信号取出部34b〜34dについても同様に作製される。
【0089】
1 まず、図11(a)に示す円柱形状を有するコア325を用意する。
2 次に、図11(b)に示すように、光信号2に対して45度の角度を有するように傾斜面を形成する。
3 次に、図11(c)に示すように、傾斜面に金属材料による蒸着等によってハーフミラー322Aを形成する。
4 次に、図11(d)に示すように、コア325の上に半円柱形状を有する基部320を形成する。
5 次に、図11(e)に示すように、基部320の側部とハーフミラー322Aにコア323を形成し、全体の形状を円柱形状となるよう研磨し、第1の光信号取出部32aを作製する。
6 上記1〜5の工程を経て作製された第1〜第4の光信号取出部34a〜34dを第1の実施の形態と同様の工程を経て作製された光接続確認モジュール3Cの本体30に設けられた貫通孔31に挿入して、光接続確認モジュール3Cは作製される。なお、第1〜第4の光信号取出部32a〜32dの作製方法は、これに限定されず、また、貫通孔31が設けられる位置も用途に応じて変更可能である。
【0090】
(光接続確認操作と選択操作について)
図12(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、図12(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。図13(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、図13(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。図13(a)及び(b)における光接続確認モジュール3Cの光取出部に付された黒丸は、光信号2が可視化され、上面324から出射している様子を表している。
【0091】
第1の実施の形態においては、光信号取出部の上面324から光信号2が出射するとき、光信号2が出射した光信号取出部に対応した光導波路10Cのコアに伝播していた光信号2は、光路変換されて取り出されてしまうので、第2の光モジュール12Bに受信されることはなかった。しかし、本実施の形態においては、第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、ハーフミラー322Aを有しているので、光信号2の一部が上面324から出射している、図13(a)における第2及び第4の光信号取出部34b、34d、及び、図13(b)における第1及び第3の光信号取出部34a、34cは、図12(b)に示すように、光導波路10Cを伝播する光信号2の一部を上面324に向けて反射することにより光路変換し、他の一部は、ハーフミラー322A、コア325を介して光導波路10Cに伝播するので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続を遮断、すなわちオフすることなく、ユーザは、光接続等の確認を行うことができる。
【0092】
また、ユーザは、図13(a)に示す矢印C方向に光接続確認モジュール3Cに対してスライド操作を行うことによって、図13(a)において確認できなかった、第1及び第3のコア100a、100bの光接続の確認を、光接続をオフすることなく、行うことができる。なお、本実施の形態においては、第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、ハーフミラー322Aを有しているので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続のオン・オフを行うことはできない。
【0093】
(第2の実施の形態の変形例)
図14A(a)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図であり、図14A(b)及び(c)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光接続確認モジュールの概略図であり、図14B(d)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。
【0094】
(光電子回路基板1の構成)
図14A及びBにおける光電子回路基板1は、第2の実施の形態の変形例であり、第1及び第2の開口13A、13Bが、第1及び第2の光モジュール12A、12Bを結ぶ直線上で、かつ、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの近傍に設けられ、第1及び第2の開口13A、13Bには、第1及び第2の光接続確認モジュール3D、3Eが、挿入されている。
【0095】
光導波路10Cは、図14A(a)及び図14B(d)に示すように、第1〜第8のコア100a〜100hを有し、それに合わせて、第1の光接続確認モジュール3Dは、図14A(b)に示す第1〜第8の光信号取出部34A〜34Hを有し、第2の光接続確認モジュール3Eは、図14A(c)に示す第9〜第16の光信号取出部34I〜34Pを有して概略構成されている。
【0096】
第2の実施の形態と同様に、光導波路10Cのコアに対応した図示しないコアが、光導波路10Cのコアとコアの半分の間隔で光接続確認モジュール3D及び3Eの側面に設けられている。また、第1〜第16の光信号取出部34A〜34Pは、第2の実施の形態と同様に、図10(b)に示すハーフミラー322Aを有している。
【0097】
(光接続確認操作及び選択操作について)
本変形例における光接続確認操作及び選択操作は、上記した第1の実施の形態の変形例と同様に、ユーザが、所定の方向に第1又は第2の光接続確認モジュール3D、3Eに対するスライド操作を行うことによって行われる。
【0098】
本変形例においては、第1〜第16の光信号取出部34A〜34Pがハーフミラー322Aを有しているので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続をオフすることなく、光接続の確認が行える点が、第1の実施の形態における変形例と異なっている。なお、本変形例においては、第2の実施の形態と同様に、第1〜第16の光信号取出部34A〜34Pは、ハーフミラー322Aを有しているので、第1及び第2の光モジュール12A、12Bの光接続のオン・オフを行うことはできない。
【0099】
[第3の実施の形態]
(光電子回路基板の構成)
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図であり、図16(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、図16(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの上方図であり、図16(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【0100】
光電子回路基板1は、第1の光モジュール12Aから開口13までは、第1及び第2のコア100a、100bを光信号2が伝播し、開口13から第2の光モジュール12Bまでは、第3〜第6のコア100c〜100fを有して概略構成されている。
【0101】
(光接続確認モジュール3Fの構成)
光接続確認モジュール3Fは、図16(b)に示す矢印M方向から光信号2を入射し、本体30と、第2の実施の形態における光信号取出部と同様に、ハーフミラー322Aを有する第1〜第4の光信号取出部34a〜34dと、本体30に設けられた第1及び第2の伝送路としてのコア35a、35b及び35c、35dと、コア35aとコア35bの間に設けられた第4の光路変換面としてのミラー36aと、コア35cとコア35dの間に設けられた第4の光路変換面としてのミラー36bと、を備えて概略構成されている。
【0102】
コア35a及びコア35bの光信号2が入射する端面は、図16(a)に示すように、ミラー36aを挟んで隣接している。同様に、コア35c及び35dの光信号2が入射する端面は、図16(a)に示すように、ミラー36bを挟んで隣接している。
【0103】
これは、ユーザが、図15に示す矢印C方向に光接続確認モジュール3Fに対してスライド操作を行ったとき、光信号2を隣接するコアに導くためである。なお、本実施の形態におけるコアの間に設けられたミラー36a及び36bは、図16(b)に示すように、三角形状を有するが、このミラー36a及び36bを本体30と同じ材料で、本体30と共に作製し、コアに接する部分のみにミラーを設ける構成、又は、光信号2の入射のときの臨界角に応じて、ミラーを設けない構成としても良い。
【0104】
(第1〜第4の光信号取出部34a〜34dの構成)
第1〜第4の光信号取出部34a〜34dは、第2の実施の形態における光信号取出部と同様の構成及び機能を有し、図16(b)に示す光接続確認モジュール3Fの貫通孔31に設けられている。
【0105】
(セレクト操作について)
図17(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、図17(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【0106】
光電子回路基板1は、図17(a)に示す状態にあるとき、第1及び第2のコア100a、100bを伝播する光信号2は、光接続確認モジュール3Fのミラー36a、36bによって光路変換され、コア35a、35cを介して第3及び第5のコア100c、100eに伝播する。
【0107】
このとき、光信号2は、コア35aに設けられた第1の光信号取出部34aのハーフミラー322Aによって一部が光路変換され、第1の光信号取出部34aのコア323を介して可視光化されて上面324から出射する。ユーザは、この可視光化された光信号2を目視することによって、第1の光モジュール12Aと第1及び第2のコア100a、100bとの光接続の確認、及び、第1の光モジュール12A及び第1及び第2のコア100a、100bが正常であるか否かの確認を行うことができる。さらに、ユーザは、第3〜第5のコア100c〜100fのうち、どのコアに光信号2が伝播しているのかを知ることができる。
【0108】
ユーザが、図17(a)の状態から図17(b)の状態になるように、矢印C方向に光接続確認モジュール3Fに対してスライド操作を行うと、光信号2が入射していたコア35a、35cに隣接するコア35b、35dに光信号2が伝播し、ミラー36a、36bによって光路変換され、光信号2は、コア35b、35dを介して第4及び第6のコア100d、100fに伝播する。
【0109】
このとき、光信号2は、コア35b、35dに設けられた第2及び第4の光信号取出部34b、34dのハーフミラー322Aによって一部が光路変換され、第2及び第4の光信号取出部34b、34dのコア323を介して可視光化されて上面324から出射する。ユーザは、この可視光化された光信号2を目視することによって、第1の光モジュール12Aと第1及び第2のコア100a、100bとの光接続の確認、及び、第1の光モジュール12A及び第1及び第2のコア100a、100bが正常であるか否かの確認を行うことができる。さらに、ユーザは、第3〜第5のコア100c〜100fのうち、どのコアに光信号2が伝播しているのかを知ることができる。
【0110】
ユーザは、光接続確認モジュール3Fに対してスライド操作を行うことによって、第1のコア100aを伝播する光信号2を、第3及び第4のコア100c、100dの何れかを選択し、選択されたコアに光信号2を伝播させることができる。同様に、第2のコア100bを伝播する光信号2を、第5及び第6のコア100e、100fの何れかを選択し、選択されたコアに光信号2を伝播させることができる。なお、光導波路10Cのコアを増やし、光接続確認モジュールを複数設置することによって、第1の光モジュール12Aから送信された光信号2を、より多くの光導波路のコアに選択して伝播させることができる。
【0111】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の斜視図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のA−A線における光電子回路基板の中央部分の断面図であり、(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る図1(a)のB−B線における光電子回路基板の断面図である。
【図2A】本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第1の光モジュール付近の断面図である。
【図2B】本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の図1(a)のA−A線の第2の光モジュール付近の断面図である。
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のD−D線断面図であり、(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図3(a)のE−E線断面図であり、(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、(e)は、本発明の第1の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る図3(a)の矢印F方向から見た光接続確認モジュールの正面図である。
【図5A】本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの作製工程を示した概略図である。
【図5B】本発明の第1の実施の形態に係る光接続確認モジュールの作製工程を示した概略図である。
【図6】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。
【図7】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【図8A】(a)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図であり、(b)及び(c)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光接続確認モジュールの概略図である。
【図8B】(d)は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図である。
【図10】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のJ−J線断面図であり、(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続確認モジュールの図10(a)のK−K線断面図であり、(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の斜視図であり、(e)は、本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る光信号取出部の作製工程を示した概略図である。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第1のコア付近の断面図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る光電子回路基板の第2のコア付近の断面図である。
【図13】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【図14A】(a)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の概略図である。
【図14B】(d)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光電子回路基板の第1の光モジュール付近の拡大図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る光電子回路基板の概略図である。
【図16】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの斜視図であり、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続確認モジュールの上方図であり、(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る光信号取出部の断面図である。
【図17】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作前の光電子回路基板の概略図であり、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係るスライド操作後の光電子回路基板の概略図である。
【符号の説明】
【0113】
1…光電子回路基板、2…光信号、3、3C、3F…光接続確認モジュール、3A、3B…第1及び第2の光接続確認モジュール、3D〜3E…第1及び第2の光接続確認モジュール、10…基板、10A…第1の基板、10B…第2の基板、10C…光導波路、10D…ミラー、10E…光透過性樹脂、10a…開口部、10b…開口部、12A…第1の光モジュール、12B…第2の光モジュール、13…開口、13A、13B…開口、30…本体、31…貫通孔、32a〜32d…第1〜第4の光信号取出部、32A〜32P…第1〜第16の光信号取出部、33a〜33h…第1〜第8のコア、34a〜34d…第1〜第4の光信号取出部、36a、36b…ミラー、100a〜100…第1〜第4のコア、101…クラッド、110A…端子、120…端子、121…ハンダボール、122…支持基板、123…ワイヤー、124…端子、125…発光素子、126…制御部、127…端子、128…封止樹脂、129…受光素子、130…実装面、320…基部、321…凸部、322…ミラー、322A…ハーフミラー、323…コア、324…上面、325…コア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1及び第2の面を貫通する第1の開口を有する主基板と、
前記主基板の前記第2の面側に設けられ、前記第1の開口を通る光軸上に第1の光路変換面を有する光導波路と、
前記光軸上において前記光導波路の前記第1の光路変換面に光信号を入力、又は前記第1の光路変換面からの前記光信号を出力する光素子と、
前記主基板及び前記光導波路に設けられた第2の開口に挿入され、前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を変換する第2の光路変換面を有する光接続確認モジュールと、
を備え、
前記光接続確認モジュールは、前記光信号の光路に対して所定の角度を有して行われるスライド操作に基づいて前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換する光電子回路基板。
【請求項2】
前記光接続確認モジュールは、前記所定の角度を90度とする請求項1に記載の光電子回路基板。
【請求項3】
前記光導波路は、前記光信号が伝播する少なくとも1つのコアを有し、
前記光接続確認モジュールは、前記少なくとも1つのコアに基づいて前記少なくとも1つのコアを伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換し、光信号取出面から光信号を取り出す光信号取出部を有し、
前記光信号取出部は、前記スライド操作に基づいて前記光信号を前記光信号取出面から取り出す請求項1又は2に記載の光電子回路基板。
【請求項4】
前記光接続確認モジュールの前記光信号取出部は、前記光導波路を伝播する前記光信号の一部の光路を変換する第3の光路変換面を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号の一部を取り出す請求項3に記載の光電子回路基板。
【請求項5】
前記光導波路は、前記光信号が前記光接続確認モジュールを介して伝播する複数のコアを有し、
前記光接続確認モジュールは、入射した前記光信号を伝播させる第1及び第2の伝送路を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号を伝播させる前記第1又は第2の伝送路の選択が行われ、前記選択に基づいて前記複数のコアの少なくとも1つに前記光信号を伝播させる請求項1に記載の光電子回路基板。
【請求項6】
前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路に前記光信号取出部を有し、
前記光信号取出部は、前記光信号の一部を取り出す第3の光路変換面を有する請求項3又は5に記載の光電子回路基板。
【請求項7】
前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路の間に第4の光路変換面が設けられる請求項5又は6に記載の光電子回路基板。
【請求項8】
前記光接続確認モジュールは、前記主基板及び前記光導波路に設けられた複数の開口に挿入される請求項1から7のいずれか1項に記載の光電子回路基板。
【請求項1】
対向する第1及び第2の面を貫通する第1の開口を有する主基板と、
前記主基板の前記第2の面側に設けられ、前記第1の開口を通る光軸上に第1の光路変換面を有する光導波路と、
前記光軸上において前記光導波路の前記第1の光路変換面に光信号を入力、又は前記第1の光路変換面からの前記光信号を出力する光素子と、
前記主基板及び前記光導波路に設けられた第2の開口に挿入され、前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を変換する第2の光路変換面を有する光接続確認モジュールと、
を備え、
前記光接続確認モジュールは、前記光信号の光路に対して所定の角度を有して行われるスライド操作に基づいて前記光導波路を伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換する光電子回路基板。
【請求項2】
前記光接続確認モジュールは、前記所定の角度を90度とする請求項1に記載の光電子回路基板。
【請求項3】
前記光導波路は、前記光信号が伝播する少なくとも1つのコアを有し、
前記光接続確認モジュールは、前記少なくとも1つのコアに基づいて前記少なくとも1つのコアを伝播する前記光信号の光路を前記第2の光路変換面によって変換し、光信号取出面から光信号を取り出す光信号取出部を有し、
前記光信号取出部は、前記スライド操作に基づいて前記光信号を前記光信号取出面から取り出す請求項1又は2に記載の光電子回路基板。
【請求項4】
前記光接続確認モジュールの前記光信号取出部は、前記光導波路を伝播する前記光信号の一部の光路を変換する第3の光路変換面を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号の一部を取り出す請求項3に記載の光電子回路基板。
【請求項5】
前記光導波路は、前記光信号が前記光接続確認モジュールを介して伝播する複数のコアを有し、
前記光接続確認モジュールは、入射した前記光信号を伝播させる第1及び第2の伝送路を有し、前記スライド操作に基づいて前記光信号を伝播させる前記第1又は第2の伝送路の選択が行われ、前記選択に基づいて前記複数のコアの少なくとも1つに前記光信号を伝播させる請求項1に記載の光電子回路基板。
【請求項6】
前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路に前記光信号取出部を有し、
前記光信号取出部は、前記光信号の一部を取り出す第3の光路変換面を有する請求項3又は5に記載の光電子回路基板。
【請求項7】
前記光接続確認モジュールは、前記第1及び第2の伝送路の間に第4の光路変換面が設けられる請求項5又は6に記載の光電子回路基板。
【請求項8】
前記光接続確認モジュールは、前記主基板及び前記光導波路に設けられた複数の開口に挿入される請求項1から7のいずれか1項に記載の光電子回路基板。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−86526(P2009−86526A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258790(P2007−258790)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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