Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
免震システム
説明

免震システム

【課題】地震による免震装置の水平変形が大きい場合であっても建物に衝撃を与えることなく建物を保持することができる免震システムを提供する。
【解決手段】建物2の上部基礎12と下部基礎14との間に設けられる積層ゴム型免震装置20と、免震装置20の大変形時に上部基礎12を保持する機構とを備えた免震システム100であって、上部基礎12と下部基礎14との間に設けられ、長い平坦面からなる滑り版32上に設けられる滑り支承22を有し、免震装置20は、建物2の外周側に配置され、滑り支承22は、建物2の内側に配置されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層ゴム型免震装置の大変形時に建物を保持する機構を備えた免震システムに関し、特に原子力発電所建屋などの超重量建物に適した免震システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、積層ゴムを用いた積層ゴム型免震装置として、積層ゴムが万一破断した場合に受け材が建物荷重を支持するソフトランディング機構を備えた免震装置が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このソフトランディング機構は、積層ゴムの横側の上部基礎下面または下部基礎上面のいずれか一方にRC製の受け材を設けたものであり、非常に大きな地震によって積層ゴムが過大に水平変形して破断すると受け材がソフトランディングする。そして受け材が積層ゴムに代わって建物荷重を支持することでフェールセーフ機能を果たすようになっている。
【0003】
一方、近年の構造物の設計においては、検討地震のレベルとして、稀に起こるレベル1、極めて稀に起こるレベル2、さらに余裕度検討レベルと称してレベル3(レベル2の1.5倍)の3段階に対して安全性を確認するようにしている。また、設計に用いる地震動の予測精度も向上してきている。こうしたことにより、近年の構造物設計においては、免震システムにおける受け材は省略して設計される場合が多い。
【0004】
【特許文献1】特開平2−104834号公報
【特許文献2】特開平3−275873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、次世代の原子力発電所に配置される建物は、想定を超える地震動に対しても放射能を外部に漏らすような損傷の発生は許容されず、免震構造であることが前提となっている。この場合の免震構造に要求される安全性(余裕度)は、一般建築のそれよりもはるかに厳しくされている。
【0006】
こうした原子力発電所本館のような超重量建物に用いる免震システムとして、上記の従来のソフトランディング機構を備える免震システムの適用を考えた場合、次のような問題が生じる。
【0007】
上記の従来のソフトランディング機構は、免震システムの積層ゴム破断後の建物荷重を点で支えるものである。この場合、地震による水平変形が大きい場合を想定すれば、ソフトランディング機構は、柱位置の積層ゴムからかなり離れた位置に設けなければならない。ところが、例えば、原子炉建屋のように基礎平面が小さく重量が大きい建物の場合には積層ゴムの間隔が非常に密になる。このため、こうした建物に上記の従来のソフトランディング機構を備えた免震システムを適用することは困難である。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、地震による免震装置の水平変形が大きい場合であっても建物に衝撃を与えることなく建物を保持することができる免震システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る免震システムは、建物の上部基礎と下部基礎との間に設けられる積層ゴム型免震装置と、前記免震装置の大変形時に前記上部基礎を保持する機構とを備えた免震システムであって、前記上部基礎と前記下部基礎との間に設けられ、長い平坦面からなる滑り版上に設けられる滑り支承を有し、前記免震装置は、前記建物の外周側に配置され、前記滑り支承は、前記建物の内側に配置されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る免震システムは、上述した請求項1において、前記免震装置の周囲の前記上部基礎下面に設けられる上部滑り部材と、前記免震装置の周囲の前記下部基礎上面に設けられる下部滑り部材とを有し、前記下部基礎が所定水平距離だけ変位した際に前記上部滑り部材と前記下部滑り部材とが当接するように構成したフェールセーフ機構を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る免震システムは、上述した請求項2において、前記上部滑り部材と前記下部滑り部材は、前記免震装置の許容変形量を超える前に当接することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る免震システムは、上述した請求項2または請求項3において、前記上部滑り部材は、前記免震装置の周囲の前記上部基礎下面から下側に向かって突出形成されるドーナツ状のアゴ部の下面に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に係る免震システムは、上述した請求項4において、前記アゴ部は、着脱可能なPC部材を含んで構成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に係る免震システムは、上述した請求項2から請求項5のいずれか一つにおいて、前記免震装置は、前記上部基礎下面に設けられた凹部と、この凹部に対向するように前記下部基礎上面に設けられた凹部との間に介装されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に係る免震システムは、上述した請求項2から請求項6のいずれか一つにおいて、前記下部滑り部材は、前記免震装置の周囲近傍で水平に延びる平坦部と、前記免震装置から離れるに従い立ち上がるスロープとを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項8に係る免震システムは、上述した請求項7において、前記スロープの高さは、少なくとも地震の運動エネルギーに相当する位置エネルギーに対応した高さとされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、積層ゴム型免震装置は建物の外周側に配置される。一方、滑り支承は建物の内側に配置され、しかも長い平坦面からなる滑り版上に設けられる。このため、建物に想定を超えた水平変位が生じた場合、積層ゴム型免震装置は水平変形して免震機能を発揮する一方で、滑り支承は建物内側の長い滑り版の平坦面上を滑り、支承の基礎から落下することはない。したがって、地震による免震装置の水平変形が大きい場合であっても建物に衝撃を与えることなく建物を保持することができる。
【0018】
また、積層ゴムの周囲の上部基礎下面に設けられる上部滑り部材と、積層ゴムの周囲の下部基礎上面に設けられる下部滑り部材とを備え、下部基礎が所定水平距離だけ変位した際に上部滑り部材と下部滑り部材とが当接する。このため、積層ゴムの水平変形が大きくなっても積層ゴムの周囲に形成される当接部で上部基礎の荷重を支持することができる。したがって、積層ゴムから遠く離れた位置にソフトランディング機構を設けずともフェールセーフ機能を果たすことができる。
【0019】
また、積層ゴムを上部および下部基礎の凹部間に設置し、積層ゴムの周囲の上部基礎下面にドーナツ状のアゴ部を設けることにより、積層ゴム破断後に水平変形しても積層ゴムのフランジプレートが上部基礎のアゴ部に衝突することがない。このため、積層ゴム破断後における構造体の滑らかな動きを可能にする。とくに、下部基礎上面は、下部滑り部材の平坦部によりフラットにされていることから、想定を超えた水平変位であっても上部基礎としての建物が落下することによる衝撃は発生することはない。
【0020】
また、下部滑り部材が、積層ゴムから離れるに従い立ち上がるスロープを有することにより、過大な水平変形を抑制することができる。また、上部基礎を元の位置に戻そうとする復元力を付与することができる。
【0021】
さらに、ドーナツ状のアゴ部の一部を着脱可能なPC部材(プレキャストコンクリート部材)とすることにより、PC部材を取り外してアゴ部に囲まれている積層ゴムの点検や取り替え作業を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る免震システムの好適な実施の形態を原子力発電所建屋に適用する場合について詳細に説明する。なお、想定する地震動による変形量を特定することは困難であることから、以下においては、一般建築で想定される地震時の最大変位60cmの2倍以上の変形量を想定している。図1は、本発明に係る免震システムの概略断面図であり、図1(a)、(b)は変形前の平面断面図、正面断面図である。図1(c)、(d)は変形後の平面断面図、正面断面図である。
【0023】
図1に示すように、本発明に係る免震システム100は、積層ゴム20と滑り支承22とフェールセーフ機構50とを備える。積層ゴム20は、原子力発電所建屋2外周の基礎10の上部基礎版12(上部基礎)と下部基礎版14(下部基礎)との間に介装されてある。一方、滑り支承22は、積層ゴム20から離れた建屋2内側の上部基礎版12の下面12aの凸部24下端に設けられてある。このように、滑り支承22を建屋2の内側に配置することで、想定を超えた水平変位であっても滑り支承22が下部基礎版14から落下することを回避している。このため、滑り支承22が落下することによる建屋2への衝撃は生じない。
【0024】
フェールセーフ機構50は、積層ゴム20の周囲の上部基礎版12の下面12aに配置される上部滑り部材としてのテフロン(登録商標)材30と、下部基礎版14の上面14aに配置される下部滑り部材としてのSUSプレート32とを備える。下部基礎版14の上面14aの全面は、略平坦な面にされてある。SUSプレート32は本発明の滑り支承22の滑り版として機能する。このようにすることで想定以上の水平変形が発生した場合でも滑り支承22はSUSプレート32上を滑り、滑り支承22の落下に伴う衝撃や上部基礎版12の落下に伴う衝撃の発生を回避することができる。
【0025】
図2は、原子力発電所本館建屋の配置平面図であり、図3は、免震システムの配置平面図である。図4は、免震システムを適用した原子力発電所建屋イメージを表す概略斜視図である。図5は、建屋基礎一体化の概念を説明する概略正面断面図である。
【0026】
免震システム100は、図2、図3および図4に示すように、原子力発電所本館である原子炉建屋(R/B)とタービン建屋(T/B)の両基礎10に配置される。積層ゴム20は、各建屋基礎10の外周側の複数箇所(例えば、両建屋合計60箇所)に互いに間隔をあけて配置される。滑り支承22は、各建屋基礎10の平面内側の複数箇所(例えば、両建屋合計140箇所)に互いに間隔をあけて配置される。滑り支承22としては、弾性または剛すべり支承を用いることができる。建屋重量は、例えばR/Bは約18万トン、T/Bは約20万トンであり、超重量建物とされている。
【0027】
両建屋間は、図5(a)に示すように、主蒸気配管などの重要度の比較的高い渡り配管60が設置されてあり、渡り配管60の地震に対する変位追従性能は例えば25cm程度と低いことから、図5(b)に示すように、渡り配管60の健全性確保のために両建屋基礎10は一体化されている。免震システム100は、重要度の比較的低い給水ピットや配管部70で免震境界の変位を吸収することで、渡り配管60が過大変位して破損するおそれを低減する。
【0028】
積層ゴム20は、図1に示すように、上部基礎版12、下部基礎版14の互いに対向する面をそれぞれ窪ませた凹部16間に介装される上下に延びた略円柱状の部材であり、不図示の鋼板とゴムとが交互に積層された鉛プラグ入りの構造とされてある。積層ゴム20は、円柱の上下各面に設けられたフランジプレート18を介して上部基礎版12、下部基礎版14に取り付けてある。
【0029】
テフロン材30は、積層ゴム20外周の上部基礎版下面12aにて下側に向かって突出形成されるドーナツ状のアゴ部40の下面に配置される。アゴ部40の一部は、着脱可能なPC部材42(プレキャストコンクリート部材)で構成され、ボルト止めされてある。積層ゴム20の点検や取り替え時には、建屋2外周の点検用通路4からこのPC部材42を取り外すことで積層ゴム20の点検や取り替え作業を容易にすることができる。
【0030】
テフロン材30およびSUSプレート32は、上下方向に所定クリアランスCを有して互いに対向離間している。このクリアランスCとしては、積層ゴム20が水平変形した際の積層ゴム20の沈み込み量を予め把握しておき、その沈み込み量に対応する長さとすることができる。
【0031】
上記のように構成することで、積層ゴム20がある程度水平変形したときに、荷重はテフロン材30とSUSプレート32の当接部34に移行して作用するようになる。一方、積層ゴム20に作用する荷重は減少するので、荷重作用状態におけるハードニング(大変形時に水平剛性が高くなる現象)が生じにくくなる。また、積層ゴム20が破断した後、大変形してもドーナツ状のアゴ部40の下面が下部基礎版14の上面14aに当接しているので、積層ゴム20のフランジプレート18と上部基礎版12のアゴ部40とは衝突することがなく、上部基礎版12はこの上面14aを滑らかに滑る。
【0032】
SUSプレート32は、積層ゴム20から水平方向所定距離だけ離れた位置に、積層ゴム20位置を中心として半径方向外方に行くに従い緩やかに立ち上がる同心円状のスロープ36を有する。このスロープ36によってSUSプレート32は略おわん形状とされている。なお、SUSプレート32は、滑り支承22に対向する下部基礎版14の上面14aにおいても同心円状のスロープ36を有する略おわん形状として設けられてある。そして、このスロープ36が地震の運動エネルギーを位置エネルギーに変換するように作用することで、上部基礎版12の水平変位を吸収する効果を期待することができる。
【0033】
より具体的には、大きな地震動によって積層ゴム20が破断すると、積層ゴム20内部の不図示の鉛プラグも破断するので減衰効果は減少する。しかし、SUSプレート32とテフロン材30の滑り動作に移行することによって新たに滑りによる減衰効果が効き始める。ところが、さらに大きな地震動が入力されるとどこまでも変位し続けることになることから、建屋2外周の配管60などが破損するおそれがある。そこで、この滑り動作による変位をある程度の変位量に抑えるために、SUSプレート32による滑り区間を完全な水平面ではなく、上記のようにスロープ36を有する構成としている。
【0034】
ここで、スロープ36の高さhは、想定する地震に応じて例えば次のように設定することができる。地震時の速度をv=100cm/sec(100kine)とすると、
運動エネルギーは、Ek=mv2/2
位置エネルギーは、Ep=mgh
Ek=Epとして、運動エネルギーを吸収するために必要なスロープ36の高さhは、
h=v2/2g=1.02/(2×9.8)=約0.05m
と、5cm程度のスロープ立ち上がり高さhで運動エネルギーを吸収することによって、それ以上、アゴ部40が水平変位しないように止めることが可能である。なお、アゴ部40はスロープ36を上がりながら水平変位した後、逆方向へ動いて最終的には元の位置に戻ることになる。
【0035】
次に、本発明の免震システム100を適用した場合において、荷重が積層ゴム20からフェールセーフ機構50へ移行する時の動作特性について図を参照しながら説明する。図6は、積層ゴムのせん断試験の状況写真である。積層ゴムが菱形に水平変形している状況が判る。図7は、このせん断試験による積層ゴムのせん断応力とせん断歪みの関係を示す水平変位特性図である。図8は、本発明の免震システムを適用した場合の積層ゴムの水平変位特性図であり、荷重が積層ゴムからフェールセーフ機構へ移行する時の特性を示す図である。
【0036】
図6および図7に示すように、せん断歪み250%までの変形を設計範囲とし、250%を超える場合をハードニング領域とすることができる。積層ゴム20は、せん断歪み400〜420%程度で座屈したり、470%程度で破断することが判る。
【0037】
一方、図8に示すように、本発明の免震システム100を適用した場合には、図中実線で示すように、水平変位(せん断歪み)470%程度を超えると積層ゴム20における作用荷重が減少することによって、ハードニング領域から滑り移行領域に移行することが判る。さらに水平変位700%程度に相当する位置に設けたスロープ36を滑り上がるように変位することが判る。なお、図中点線で示す積層ゴム20のみを用いてゴムにおける作用荷重を減少させないケースでは、水平変位470%程度で破断することが判る。また、図中一点鎖線で示す積層ゴム20のみを用いて荷重減少させたケースでは水平変位580%程度でゴムが破断することが判る。
【0038】
上記の実施形態において、滑り支承22は、破断することがないのでフェールセーフ機構は不要である。このため、破断・座屈の可能性がある建屋2の基礎10の外周側に配置される積層ゴム20のみに対してフェールセーフ機構50を設置すればよいことから、フェールセーフ機構50の設置に係るスペースが少なくて済むという利点がある。
【0039】
上記の実施形態において、本発明の免震システム100を、隣接2建屋の基礎を一体化した免震構造に適用する場合について説明したが、2建屋を個別の免震構造とした場合にも適用することができる。この場合、2建屋間のエキスパンション距離が非常に大きくなること以外は、本発明の免震システムに関する考え方は同じであり、いずれにしても本発明と同一の作用効果を奏することができる。
【0040】
以上説明したように、本発明によれば、積層ゴム型免震装置は建物の外周側に配置される。一方、滑り支承は建物の内側に配置され、しかも長い平坦面からなる滑り版上に設けられる。このため、建物に想定を超えた水平変位が生じた場合、積層ゴム型免震装置は水平変形して免震機能を発揮する一方で、滑り支承は建物内側の長い滑り版の平坦面上を滑り、支承の基礎から落下することはない。したがって、地震による免震装置の水平変形が大きい場合であっても建物に衝撃を与えることなく建物を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る免震システムの一例を示す変形前後の概略断面図である。
【図2】原子力発電所本館建屋の配置の一例を示す概略平面図である。
【図3】本発明に係る免震システムの一例を示す概略平面図である。
【図4】本発明に係る免震システムを適用した原子力発電所建屋の一例を示す概略斜視図である。
【図5】建屋基礎一体化の概念を説明する概略正面断面図である。
【図6】積層ゴムのせん断試験の状況写真を示す図である。
【図7】積層ゴムのせん断試験によるせん断応力とせん断歪みの関係の一例を示す水平変位特性図である。
【図8】本発明に係る免震システムを適用した場合の積層ゴムの水平変位特性図であり、荷重が積層ゴムからフェールセーフ機構へ移行する時の特性を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
2 原子力発電所建屋
4 点検用通路
10 基礎
12 上部基礎版(上部基礎)
12a 下面
14 下部基礎版(下部基礎)
14a 上面
16 凹部
18 フランジプレート
20 積層ゴム
22 滑り支承
24 凸部
30 テフロン材(上部滑り部材)
32 SUSプレート(下部滑り部材、滑り版)
34 当接部
36 スロープ
40 アゴ部
42 PC部材
50 フェールセーフ機構
60 渡り配管
70 給水ピットおよび配管部
100 免震システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の上部基礎と下部基礎との間に設けられる積層ゴム型免震装置と、前記免震装置の大変形時に前記上部基礎を保持する機構とを備えた免震システムであって、
前記上部基礎と前記下部基礎との間に設けられ、長い平坦面からなる滑り版上に設けられる滑り支承を有し、
前記免震装置は、前記建物の外周側に配置され、
前記滑り支承は、前記建物の内側に配置されることを特徴とする免震システム。
【請求項2】
前記免震装置の周囲の前記上部基礎下面に設けられる上部滑り部材と、
前記免震装置の周囲の前記下部基礎上面に設けられる下部滑り部材とを有し、
前記下部基礎が所定水平距離だけ変位した際に前記上部滑り部材と前記下部滑り部材とが当接するように構成したフェールセーフ機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の免震システム。
【請求項3】
前記上部滑り部材と前記下部滑り部材は、前記免震装置の許容変形量を超える前に当接することを特徴とする請求項2に記載の免震システム。
【請求項4】
前記上部滑り部材は、前記免震装置の周囲の前記上部基礎下面から下側に向かって突出形成されるドーナツ状のアゴ部の下面に設けられることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の免震システム。
【請求項5】
前記アゴ部は、着脱可能なPC部材を含んで構成されることを特徴とする請求項4に記載の免震システム。
【請求項6】
前記免震装置は、前記上部基礎下面に設けられた凹部と、この凹部に対向するように前記下部基礎上面に設けられた凹部との間に介装されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一つに記載の免震システム。
【請求項7】
前記下部滑り部材は、前記免震装置の周囲近傍で水平に延びる平坦部と、前記免震装置から離れるに従い立ち上がるスロープとを有することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一つに記載の免震システム。
【請求項8】
前記スロープの高さは、少なくとも地震の運動エネルギーに相当する位置エネルギーに対応した高さとされることを特徴とする請求項7に記載の免震システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−270253(P2009−270253A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118593(P2008−118593)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】