説明

入れ墨の除去方法

入れ墨を除去する方法が開示される。一般に、この方法は、入れ墨領域にIRM化合物を投与することを含む。一部の場合において、この方法は、レーザービームなどの細胞破壊物で入れ墨領域を処置することも含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現代の入れ墨インクは一般に、粒径範囲約200ナノメートル〜約5マイクロメートルの有機顔料粒子を含む。それらは通常、高速で往復する針によって乳頭および表層真皮中に挿入される。注入後、入れ墨インクの顔料粒子は、真皮細胞間の間質空間に約24〜72時間存在するが、場合によっては、顔料粒子は間質空間に2週間まで存在し得る。やがて、真皮細胞(通常、線維芽細胞またはマクロファージ)が顔料粒子を貪食する。顔料粒子が貪食されたら、顔料粒子は通常、細胞質内に存在する。真皮細胞は通常、低い運動性を有し、それが大部分の入れ墨イメージの相対的永続性(relative permanence)の原因となる。
【0002】
最近、入れ墨はますます人気が高まっている。例えば、入れ墨産業は、様々な産業の成長率を推定する1996年の研究において第6位に位置付けられる(Brownら,J.School Health 70(9):355(2000))。永久的な入れ墨の実施が非常に広まっているため、西洋では3000万人もの人々が少なくとも1つの入れ墨をしている(Baumierら,Rasers in Surgery and Medicine 26:13−21(2000))。
【0003】
入れ墨することを選択した人の中には、後にその決断を後悔する人もいる。入れ墨を入れることを駆り立てる意気、動機づけ、および/または環境は次第に弱まる。場合によっては、ある生活の場で適切であった、または好ましかった入れ墨は、後に、適切でなくなる、または好ましくなくなる。入れ墨イメージの性質および程度に応じて、望ましくない入れ墨は、不快なもの、困惑の原因、または社会的烙印が押される原因となり得る。おそらく入れ墨の人気が増加した直接的な結果として、入れ墨除去に対する関心もまた高まっている。市場評価から、2000年に、410,000名もの人々が入れ墨除去処置を受けたと示唆されている。最近、入れ墨をした人口が年をとるに従って、入れ墨除去を求めている人の数が増加していると予想される。
【0004】
入れ墨除去の現在の治療選択肢としては、様々なレーザー、皮膚擦傷法、サルアブレーション(salabrasion)、外科的切除、および凍結療法が挙げられる。いくつかの治療は有効であるが、それらは高価であり、時間がかかり、痛い。場合によっては、かかる治療によって、美容的に望ましくない瘢痕が生じることもある。
【0005】
さらに有効な入れ墨除去治療のうちの1つは、レーザー外科技術であり、入れ墨領域に、高エネルギーのパルスレーザービームが照射される。入れ墨インク顔料は、レーザー放射の一部を吸収する。結果として、顔料粒子は、それらが小さな断片に分解するのに十分熱くなる(Ferguson,J.E.ら,British Journal of Dermatology 137:405−410(1997))。そのプロセスにおいて、周囲の真皮細胞の細胞完全性が破壊される。ヒト免疫系は顔料断片の一部を除去することができるため、1回のレーザー治療によって、入れ墨はいくらか退色する(Wheeland,Lasers in Surgery and Medicine 16:2−23(1995);Zelicksonら,Lasers in Surgery and Medicine 15:364−372(1994));しかしながら、大部分の顔料断片は、まだインタクトな真皮細胞によって再び貪食されるようになり、その結果、目に見える状態のままである(Fergusonら,British Journal of Dermatology 137:405−410(1997))。ほぼすべての場合において、患者は、最初のレーザー治療の結果には満足せず、患者は通常、更なる治療に戻る。
【0006】
入れ墨インク顔料を断片化するのに十分なエネルギーを入れ墨領域に照射すると、痛みのある火傷が皮膚上に形成する。したがって、レーザー治療は時として、皮膚に治癒する時間を与えるために、少なくとも1ヶ月間隔があけられる。しばしば、入れ墨を十分に退色させるために、9回ものかかる治療が必要であり、その結果、かなりの痛みが生じ、財政的負担がかかる。
【0007】
レーザー治療処置は、特定の色を除去するのに効果がない場合があり、イメージを除去する代わりに、いくつかの色を変換する。例えば、レーザー外科処置により除去するのが非常に難しい赤色の口紅の入れ墨を黒いシェードに変換する(Jimenezら,Dermatolog.Surg.28:177−179(2002))。
【0008】
免疫応答修飾因子(「IRM」)は、例えば、抗ウイルスおよび/または抗腫瘍活性などの強力な免疫調節活性を有する化合物である。特定のIRMは、サイトカインの産生および分泌を調節する。例えば、特定のIRM化合物は、例えば、I型インターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの産生および分泌を誘導する。他の例としては、特定のIRM化合物は、IL−4およびIL−5などの特定のTH2サイトカインの産生および分泌を示すことができる。さらに、いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われる(米国特許第6,518,265号明細書)。
【0009】
特定のIRMは、例えば、米国特許第4,689,338号明細書;同第4,929,624号明細書;同第4,988,815号明細書;同第5,037,986号明細書;同第5,175,296号明細書;同第5,238,944号明細書;同第5,266,575号明細書;同第5,268,376号明細書;同第5,346,905号明細書;同第5,352,784号明細書;同第5,367,076号明細書;同第5,389,640号明細書;同第5,395,937号明細書;同第5,446,153号明細書;同第5,482,936号明細書;同第5,693,811号明細書;同第5,741,908号明細書;同第5,756,747号明細書;同第5,939,090号明細書;同第6,039,969号明細書;同第6,083,505号明細書;同第6,110,929号明細書;同第6,194,425号明細書;同第6,245,776号明細書;同第6,331,539号明細書;同第6,376,669号明細書;同第6,451,810号明細書;同第6,525,064号明細書;同第6,541,485号明細書;同第6,545,016号明細書;同第6,545,017号明細書;同第6,558,951号明細書;同第6,573,273号明細書;同第6,656,938号明細書;同第6,660,735号明細書;同第6,660,747号明細書;同第6,664,260号明細書;同第6,664,264号明細書;同第6,664,265号明細書;同第6,667,312号明細書;同第6,670,372号明細書;同第6,677,347号明細書;同第6,677,348号明細書;同第6,677,349号明細書;同第6,683,088号明細書;欧州特許第0 394 026号明細書;米国特許出願公開第2002/0016332号明細書;同第2002/0055517号明細書;同第2002/0110840号明細書;同第2003/0133913号明細書;同第2003/0199538号明細書;および同第2004/0014779号明細書;および国際公開第01/74343号パンフレット;国際公開第02/46749号パンフレット;国際公開第02/102377号パンフレット;国際公開第03/020889号パンフレット;国際公開第03/043572号パンフレット;国際公開第03/045391号パンフレット;および国際公開第03/103584号パンフレットに開示されているような小さな有機分子(例えば、タンパク質、ペプチド等の大きな生体分子と対照的に、約1000ダルトン未満、好ましくは約500ダルトン未満の分子量)である。
【0010】
小分子IRMのその他の例としては、特定のプリン誘導体(米国特許第6,376,501号明細書、および同第6,028,076号明細書に記載の誘導体など)、特定のイミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号明細書に記載の誘導体など)、特定のイミダゾピリジン誘導体(米国特許第6,518,265号明細書に記載の誘導体など)、特定のベンズイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号明細書に記載の誘導体など)、5員窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンの特定の誘導体(米国特許第6,376,501号明細書;同第6,028,076号明細書および同第6,329,381号明細書;国際公開第02/08595号パンフレットに記載のアデニン誘導体など)、および特定の3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体(米国特許出願公開第2003/0199461号明細書に記載の誘導体など)が挙げられる。
【0011】
他のIRMとしては、オリゴヌクレオチド配列などの大きな生体分子が挙げられる。いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列はシトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、例えば米国特許第6,194,388号明細書;同第6,207,646号明細書;同第6,239,116号明細書;同第6,339,068号明細書;および同第6,406,705号明細書に記載されている。いくつかのCpG含有オリゴヌクレオチドは、例えば米国特許第6,426,334号明細書および同第6,476,000号明細書に記載のモチーフなど、合成免疫修飾物質構造モチーフを含み得る。他のIRMヌクレオチド配列はCpG配列を欠いており、例えば国際公開第00/75304号パンフレットに記載されている。
【0012】
他のIRMとしては、アミノアルキルグルコサミニドリン酸塩(AGP)などの生体分子が挙げられ、例えば米国特許第6,113,918号明細書;同第6,303,347号明細書;同第6,525,028号明細書;および同第6,649,172号明細書に記載されている。
【0013】
あるIRM化合物は、入れたばかりの入れ墨を除去するのに有効であることが示されている(Solisら,Dermatol Surg.28:83−87(2002))。Solisらは、一般に使用されている一組の入れ墨インクを用いて、1つの群のモルモットに入れ墨を入れた。アルダラ(ALDARA)(ミネソタ州セントポールの3Mファーマシューティカル社(3M Pharmaceuticals,St.Paul,MN))として市販されている5%イミキモッド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン)クリームでの入れ墨した領域の局所的治療を入れ墨を入れて6時間以内に開始し、7日間続けた。治療期間の終わりには、入れ墨領域にどの色の顔料も見えなかった。したがって、最近入れ墨した領域に適用されたIRM化合物は、入れ墨インク顔料を除去することが示されているが、それらはまだ、真皮の遊離細胞外(つまり、間質内)空間にある。しかしながら、成熟した入れ墨、つまり数時間だけでなく、入れて何日も経過している入れ墨イメージを除去する方法が依然として必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特定のIRM化合物が入れ墨を除去する方法において有用であり得ることが見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明は、細胞破壊物(cell disrupter)で入れ墨領域を治療すること、および有効量のIRM化合物を入れ墨領域に投与することを含む、入れ墨を除去する方法を提供する。
【0016】
他の態様において、本発明は、有効量のIRM化合物を入れ墨領域に投与することを含む、成熟した入れ墨を除去する方法を提供する。
【0017】
特定の実施形態において、IRM化合物は組成物として投与される。特定の実施形態において、IRM化合物は、特定の実施形態において、クリーム、ゲル、スプレー、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、分散液、ペースト、粉末、またはオイルなどの局所適用賦形剤を介して投与される。他の実施形態において、IRM化合物は経皮パッチによって投与される。
【0018】
特定の実施形態において、細胞破壊物での治療は、IRM化合物の投与前に行われる。
【0019】
特定の実施形態において、細胞破壊物での治療は、IRM化合物の投与後に行われる。
【0020】
特定の実施形態において、細胞破壊物での治療は、IRM化合物の投与と同時に行われる。
【0021】
一部の実施形態において、IRM化合物は、例えばTLR4、TLR7、TLR8、またはTLR9などの少なくとも1つのToll様受容体(TLR)のアゴニストである。
【0022】
特定の実施形態において、細胞破壊物はレーザーである。例えば、一部の実施形態では、レーザーは、Q−スイッチNd:YAGレーザー(532ナノメートル)、Q−スイッチNd:YAGレーザー(1064ナノメートル)、Q−スイッチルビーレーザー(694ナノメートル)、Q−スイッチアレキサンドライトレーザー(755ナノメートル)、アルゴンレーザー、二酸化炭素レーザー、ER:YAGレーザー、またはその組み合わせである。一部の実施形態において、レーザーは、真皮細胞を破壊し、かつ顔料粒子を破壊するのに十分な条件下で入れ墨領域に接触する。特定の代替の実施形態において、レーザーは、真皮細胞を破壊するのに十分であるが、顔料粒子のすべてまたは多くを破壊するのに不適切である条件下で入れ墨領域に接触する。
【0023】
本発明の様々な他の特徴および利点は、以下の説明、実施例、特許請求の範囲および添付の図面を参照すれば、容易に理解されよう。明細書全体を通じていくつかの場所で、実施例のリストによって、ガイダンスが示されている。それぞれの場合において、記載のリストは代表的なグループとしての役割を果たすだけであり、排他的なリストとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、入れ墨を除去する方法を提供する。一般に、この方法は、入れ墨領域にIRM化合物を投与することを含む。本発明の一部の実施形態において、入れ墨領域は、細胞破壊物および有効量のIRM化合物で治療される。IRM化合物は、入れ墨領域を細胞破壊物で治療する前、治療した後、または治療すると同時に投与される。代替の実施形態において、細胞破壊物で治療することなく、成熟した入れ墨を含有する入れ墨領域にIRMが投与される。
【0025】
この方法が細胞破壊物の使用を含む場合、真皮細胞を破壊するのに、およびインク顔料粒子を断片化するのに十分な量で、入れ墨領域が細胞破壊物で処置される。代替方法としては、真皮細胞を破壊するのに十分な量であるが、インク顔料粒子を断片化するのに不十分な量で、入れ墨領域が細胞破壊物で処置される。
【0026】
本明細書において使用される、「入れ墨領域」およびその変形形態は一般に、入れ墨インクを含む皮膚の領域を意味する。入れ墨領域は、例えば入れ墨イメージ間の領域、入れ墨イメージ部分間の領域、およびイメージの縁を超える領域などの、入れ墨インクを含まない領域を含み得る。入れ墨領域は、複数の入れ墨を有する個体にある入れ墨イメージのいずれかの部分を含み得る。
【0027】
本発明を実施するのに適した細胞破壊物は、入れ墨領域の真皮細胞の細胞完全性が破壊されるように真皮細胞を治療する公知の手段である。細胞破壊物は、入れ墨領域の真皮細胞内に含有されるインク顔料粒子を断片化する場合もあるし、しない場合もある。細胞破壊物は、真皮細胞を破壊する機械的、化学的、および/または熱的手段を含み得る。細胞破壊物としては、例えば、液体窒素、化学的表皮剥離、表皮剥脱剤、および/または電磁放射が挙げられる。
【0028】
入れ墨の除去に使用されている細胞破壊物としては、緩酸の局所適用、サルアブレーション、冷凍外科、皮膚擦傷法、および熱的焼灼法、例えば電気凝固法および赤外線凝固法が挙げられる。例えば、Adrainら,Clinics in Plastic Surgery,27,181(2000)およびGoldsteinら,J.Dermatol.Surg.Oncol.5:901(1979)を参照のこと。入れ墨を除去するのに好ましい細胞破壊物は、高エネルギー、電磁放射のパルスビームである。例えば、Rosenberg and Gregory Clinics in Plastic Surgery,1996;23:2948;Anderson and Parrish,Science,1983;220:524−527;Wheeland,Lasers Surg.Med.,1995;16:2−23;Zelicksonら,Lasers Surg.Med.,1994;15:364−372;Aghassiら,Annals of Plastic Surgery,1999;43:560−569;Adrain and Griffin,Aesthetic Laser Surgery,2000;27:181−192;およびTaylorら,The Journal of Investigative Dermatology,1991;97:131−136を参照のこと。
【0029】
適切な電磁放射は実質的に単色放射、または多色放射である。一部の場合には、電磁放射の波長は約200ナノメートル〜約1300ナノメートルの範囲であるが、本発明のいくつかの実施形態は、この範囲外の波長を有する電磁放射を使用して実施される。一部の場合には、電磁放射は、一連の短パルスとして入れ墨領域に送達される。一部の場合には、パルスの長さは1マイクロ秒未満であり、他の場合には100ナノ秒であり、さらに他の場合には、1ナノ秒未満である。
【0030】
電磁放射は、真皮細胞を破壊するのに十分な量のエネルギーを発生することができる従来の手法で生成される。一部の場合において、電磁放射はレーザーによって生成される。
【0031】
入れ墨の除去に使用されるレーザーとしては、限定されないが、アルゴンレーザー、二酸化炭素レーザー、Er:YAGレーザー、Q−スイッチルビーレーザー、Q−スイッチアレキサンドライトレーザー、およびQ−スイッチNd:YAGレーザー(Adrainら,Clinics in Plastic Surgery,27,181(2000))が挙げられる。入れ墨の除去に一般に使用されるレーザーとしては、Q−スイッチNd:YAGレーザー(532nmおよび/または1064nm);Q−スイッチルビーレーザー(694nm);およびQ−スイッチアレキサンドライトレーザー(755nm)(例えば、Solisら,Dermatol.Surg.28:83087(2002);およびRosenberg and Gregory,Clinics in Plastic Surgery 23(1):29−48(1996)参照)が挙げられる。特定の一実施形態において、Q−スイッチNd:YAGレーザー(532nm)が細胞破壊物として使用される。他の実施形態において、Q−スイッチNd:YAGレーザー(1064nm)が細胞破壊物として使用される。その他の実施形態では、Q−スイッチアレキサンドライト(755nm)レーザーが細胞破壊物として使用される。他の実施形態において、レーザーの組み合わせが用いられる。
【0032】
Taylorらによる研究(The Journal of Investigative Dermatology 97:131−136(1991))から、入れ墨除去の1回のレーザー外科処置によって、入れ墨インク顔料粒子に近接する真皮細胞のすべてが破壊され、その結果として、顔料粒子は真皮の遊離細胞外空間中に放出されることが示されている。これらの細胞外入れ墨インク顔料粒子の一部分は免疫系によって除去されるが、多くは再び、食細胞活動を受け、真皮中に固定化され、更なるレーザー治療にかけられない限り、かつ/または更なるレーザー治療にかけられるまで、顔料粒子はそのままである。
【0033】
本発明の方法は、成熟した入れ墨を除去するために行われる。成熟した入れ墨は、入れ墨インク顔料粒子の大部分が、例えばマクロファージおよび線維芽細胞などの真皮細胞によって貪食されており、真皮細胞の細胞質内にある、入れ墨として本明細書で定義される。
【0034】
代替方法としては、本発明の方法は、入れたばかりの、または未成熟の入れ墨を除去するために行われる。入れたばかりの、または未成熟の入れ墨とは、1週間未満前に、例えば24〜72時間前に入れられた入れ墨である。入れたばかりの、または未成熟の入れ墨において、入れ墨インク顔料粒子の大部分は、真皮細胞間の間質空間で遊離状態のままである。入れたばかりの入れ墨の組織学的分析(Patipaら,Ophthalmology,93(10):1361−1365(1986))から、入れ墨インク顔料粒子は、顔料粒子がマクロファージおよび/または線維芽細胞によって貧食される前、真皮細胞の遊離細胞外空間に数日間(約24〜72時間)とどまることが示されている。
【0035】
本発明で使用するのに適したIRM化合物としては、プリン誘導体、イミダゾキノリンアミド誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、アデニン誘導体、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート、および上述のオリゴヌクレオチド配列が挙げられる。さらに、本発明のいくつかの実施形態において、IRM化合物は、5員窒素含有複素環に縮合した2−アミノピリジン、または5員窒素含有複素環に縮合した4−アミノピリミジンを含む。
【0036】
一部の実施形態において、IRM化合物は、例えば、イミダゾキノリンアミン、限定されないが、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、および6−、7−、8−、もしくは9−アリールまたはヘテロアリール置換イミダゾキノリンアミンなど;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、限定されないが、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、およびチオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミンなど;イミダゾピリジンアミン、限定されないが、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾピリジンアミンなど;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミン;およびピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾダイマーが挙げられる。所望の場合には、IRMの様々な組み合わせを使用することができる。
【0037】
特定の一実施形態において、IRM化合物は、例えば1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンまたは4−アミノ−α,α−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールなどのイミダゾキノリンアミンである。
【0038】
代替の実施形態において、IRM化合物は、例えば2−メチル−1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミンまたは1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−4−アミンなどのイミダゾナフチリジンアミンである。
【0039】
他の代替の実施形態において、IRM化合物は、例えばN−[4−(4−アミノ−2−エチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]メタンスルホンアミドなどのスルホンアミド置換イミダゾキノリンアミンである。
【0040】
他の代替の実施形態において、IRM化合物は、例えばN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}シクロヘキサンカルボキサミドなどのアミド置換イミダゾキノリンアミンである。
【0041】
他の代替の実施形態において、IRM化合物は、例えば2−ブチル−1−[2−(プロピルスルホニル)エチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンなどのチオエーテル置換イミダゾキノリンアミンである。
【0042】
その他の代替の実施形態において、IRM化合物は、例えばN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−6,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル]エチル}ベンズアミドなどのイミダゾピリジンアミンである。
【0043】
別段の指定がない限り、化合物についての記載は、異性体(例えば、ジアステレオマーまたは鏡像異性体)、塩、溶媒和化合物、多形等を含む、薬学的に許容されるいずれかの形態の化合物を含むことができる。特に、化合物が光学活性である場合には、化合物についての記載は、化合物の鏡像異性体のそれぞれ、ならびに鏡像異性体のラセミ混合物を含み得る。
【0044】
特定のIRMは、Toll様受容体(TLR)アゴニストとして機能する。つまり、それらの免疫調節作用は、TLR仲介細胞経路を通じて及ぼされる。例えば、いくつかの小分子IRMが、TLR受容体ファミリー、TLR2、TLR4、TLR6、TLR7、およびTLR8のうちの1つまたは複数のメンバーのアゴニストとして同定されており;特定のAGPが、TLR4のアゴニストとして同定されており;いくつかのCpGがTLR9のアゴニストとして同定されている。多くの場合では、TLR仲介経路を活性化することによって、活性化される特定のTLRにかかわらず、遺伝子の転写、またはサイトカインもしくは共刺激マーカーの発現が起こる。
【0045】
本発明の特定の実施形態において、IRMは、少なくとも1種類のTLRのアゴニストである。特定の実施形態において、IRM化合物は、TLR4、TLR7、TLR8、および/またはTLR9のアゴニストであり得る。特定の一実施形態において、IRMは、TLR8のアゴニストまたはTLR7およびTLR8両方のアゴニストである。代替の実施形態において、IRM化合物は、TLR4のアゴニストである。IRMは、限定されないが、I型インターフェロン、TNF−α、IL−10、およびIL−12などの1種または複数種のサイトカインの産生を誘導することができる。例えば、Gibsonら,Cell Immunol.218(1−2):74−86(2002)を参照のこと。IRMは、例えば、マクロファージ、樹状細胞、およびランゲルハンス細胞などの骨髄系細胞の成熟、活性化、および/または移動を生じさせ得る。
【0046】
細胞破壊物での入れ墨領域の治療前、治療後、および/または治療と同時に、IRM化合物が入れ墨領域に投与される。一部の実施形態では、IRM化合物は、細胞破壊物での治療の約20日以内に投与され、つまり、細胞破壊物で治療する約20日前から、細胞破壊物で治療して約20日後までにIRM化合物が少なくとも1回投与されるが、本発明は、この期間外に入れ墨領域にIRM化合物を投与することによって実施することができる。一部の実施形態において、IRM化合物は、細胞破壊物での治療の約10日以内、例えば細胞破壊物での治療の約5日以内、または細胞破壊物での治療の約3日以内に投与される。特定の一実施形態では、IRM化合物は、細胞破壊物での治療の約24時間以内に少なくとも1回投与される。他の特定の実施形態において、IRM化合物は、細胞破壊物での治療の約12時間以内に少なくとも1回投与される。代替方法としては、特定の実施形態において、細胞破壊物で処置することなく、IRM化合物が入れ墨領域に投与される。
【0047】
一実施形態において、IRMは、成熟した入れ墨を含有する入れ墨領域、つまり少なくとも7日前に入れられた入れ墨に投与される。例えば、成熟した入れ墨は、1週間を超える期間経過した(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間または少なくとも6週間経過した)、1ヶ月以上経過した(例えば、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも16ヶ月または少なくとも18ヶ月経過した)、または1年以上経過した(例えば、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも10年、または少なくとも25年経過した)入れ墨である。特定の一実施形態において、IRM化合物は、少なくとも6ヶ月経過した入れ墨を含む入れ墨領域に投与される。
【0048】
一部の実施形態において、IRM化合物は、入れたばかりの、または未成熟の入れ墨、つまり7日未満経過した入れ墨を含有する入れ墨領域に投与される。例えば、入れたばかりの入れ墨は、例えば約48時間未満前または約24時間未満前など、約72時間未満前に入れられた入れ墨である。特定の実施形態において、未成熟の入れ墨は、約1日〜約7日前、例えば約1日前、約2日前、約3日前、約4日前、約5日前、約6日前、および約7日前に入れられた入れ墨である。
【0049】
この化合物は、対象に投与するのに適した製剤で提供することができる。適切な種類の製剤が、例えば、米国特許第5,736,553号明細書;米国特許第5,238,944号明細書;米国特許第5,939,090号明細書;米国特許第6,365,166号明細書;米国特許第6,245,776号明細書;米国特許第6,486,186号明細書;欧州特許EP 0 394 026号明細書;および米国特許出願公開第2003/0199538号明細書に記載されている。限定されないが、懸濁液、エマルジョン、またはいずれかの混合物の形態を含む、適切な形態で化合物を提供することができる。化合物は、薬学的に許容される賦形剤、担体、またはビヒクルを用いた製剤で送達することができる。例えば、その製剤は、例えばクリーム、軟膏、エアロゾル製剤、非エアロゾルスプレー、ゲル、フォーム、溶液、懸濁液、分散液、懸濁剤、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ペースト、粉末、固形スティック(例えば、ワックスもしくは石油ベースのスティック)、拭き取り(wipe)、オイル、ローション等の従来の局所剤形で送達することができる。特定の一実施形態において、IRM化合物は、局所投与に適したクリーム製剤で提供される。
【0050】
本発明を実施するのに適した製剤は、例えば他のIRM化合物、抗生物質、鎮痛剤、皮膚浸透エンハンサー、または局所麻酔薬などの、1種または複数種の更なる活性成分を含むことができる。一部の実施形態において、IRM化合物は、例えば日焼け止め、化粧水、皮膚の保湿剤、または他の化粧品に組み込まれる。代替方法としては、IRM化合物は、皮内または経皮送達に適したいずれかの賦形剤中に組み込むことができる。
【0051】
適切な製剤の組成は、限定されないが、IRM化合物の物理的および化学的性質;担体の性質;投与計画;対象の免疫系の状態(例えば、抑制された、損なわれた、刺激された状態);IRM化合物を投与する方法;および入れ墨の経過時間;入れ墨内に含まれる顔料の種類;入れ墨を施した人の技術および/または経験;提供される場合には、細胞破壊物の有効性;入れ墨全体のサイズ;および所望の結果(つまり、低減または完全な除去)を含む、当技術分野で公知の多くの因子に少なくとも一部依存する。したがって、可能性のあるすべての用途に対して、入れ墨の除去に適した単一の製剤を一般的に述べるのは実際的ではない。しかしながら、当業者であれば、かかる因子を十分に考慮すれば、適切な製剤を容易に決定することができる。
【0052】
適切な製剤は、活性なIRM化合物を、例えば約0.001%、約0.002%、約0.005%、約0.01%、約0.015%、約0.02%、約0.025%、約0.05%、約0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約2.5%、約5%、約7.5%、約10%、約25%、または約50%含有し得る。特定の一実施形態において、組成物はIRM化合物を約5%含有する。
【0053】
投与計画は、限定されないが、IRM化合物の物理的および化学的性質;担体の性質;投与されるIRMの量;対象の免疫系の状態(例えば、抑制された、損なわれた、刺激された状態);IRM化合物を投与する方法;および入れ墨の経過時間;入れ墨内に含まれる顔料の種類;入れ墨を施した人の技術および/または経験;提供される場合には、細胞破壊物の有効性;入れ墨全体のサイズ;および所望の結果(つまり、低減または完全な除去)を含む、当技術分野で公知の多くの因子に少なくとも一部依存する。したがって、可能性のあるすべての用途に対して、入れ墨の除去に有効な投与計画を一般的に述べるのは実際的ではない。しかしながら、当業者であれば、かかる因子を十分に考慮すれば、適切な投与計画を容易に決定することができる。
【0054】
本発明の一部の実施形態において、例えば、単回投与から、1日に複数回投与される複数回投与でIRM化合物が投与される。特定の実施形態では、IRM化合物は、1週間に約1回〜1日約1回で投与される。特定の一実施形態において、IRM化合物は、1日1回投与される。代替の実施形態において、IRM化合物は、1日おきに1回投与される。
【0055】
IRM化合物を入れ墨領域に投与した後、入れ墨領域は包帯で覆ってもよいし、覆わなくてもよい。例えば、レーザー治療が施された場合、処置後の手当ては、例えばRosenbergおよびGregory(Clinics in Plastic Surgery 23(1):29−48(1996))によって記述されるとおりであるか、またはそうでなければ医療専門家により指示されるとおりである。
【0056】
本明細書において使用される、「有効量の」IRM化合物は、入れ墨イメージの排除を促進する量である(つまり、イメージを退色させる、かつ/または消失を速める等)。特定の実施形態において、有効量のIRM化合物は、治療された入れ墨イメージの完全な排除(つまり、完全な除去、消失)を促進する。他の実施形態において、有効量のIRM化合物は、治療された入れ墨イメージの退色を促進することのみ必要である。
【0057】
有効量を構成する、特定の量のIRM化合物は、1つまたは複数の因子に少なくとも一部依存する。かかる因子としては、限定されないが、投与される特定のIRM化合物、対象の免疫系の状態(例えば、抑制された、損なわれた、刺激された状態);IRM化合物を投与する経路;入れ墨の経過時間;入れ墨内に含まれる顔料の種類;入れ墨を施した人の技術および/または経験;細胞破壊物の有効性;入れ墨全体のサイズ;および所望の結果(つまり、低減または完全な除去)が挙げられる。したがって、IRM化合物の有効量を構成する量を一般的に述べるのは実際的ではない。しかしながら、当業者であれば、かかる因子を十分に考慮すれば、適切な量を容易に決定することができる。
【0058】
一部の実施形態において、本発明の方法は、例えば約100ng/kg〜約50mg/kgの投与量を対象に提供するのに十分なIRM化合物を投与することを含むが、一部の実施形態では、その方法は、この範囲外の投与量でIRM化合物を投与することによって行われる。これらの実施形態のいくつかにおいて、その方法は、約10μg/kg〜約5mg/kg、例えば約100μg/kg〜約1mg/kgの投与量を提供するのに十分なIRM化合物を投与することを含む。
【0059】
本発明の方法は、いずれかの適切な対象に対して行われる。適切な対象とは、限定されないが、動物、限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、または雌ウシなどが挙げられる。
【実施例】
【0060】
入れ墨の除去治療を求めているボランティア20名を研究に登録した。すべての対象が2つの入れ墨の除去を求めており、それぞれの入れ墨は施してから少なくとも6ヶ月経過しており、もう一方の入れ墨の古さは10年以内であり、もう一方の入れ墨と同様な顔料色スペクトル、強度、および鮮鋭度である。所定の入れ墨の治療領域は、1インチ2〜2インチ2(2.5cm2〜5cm2)の範囲であった。
【0061】
レーザー治療は、最大6回のレーザー治療の間、または入れ墨が完全に消えるまで、4〜6週間ごとに行った。1064nmで設定されたAQ−スイッチNd:YAGレーザーを使用して、青色および黒色顔料を処置した。532nmで設定された周波数2倍のNd:YAGレーザーを使用して、赤色顔料を処置した。Q−スイッチアレキサンドライト755nmレーザーを使用して、淡緑青色および緑色顔料を処置した。
【0062】
レーザー治療と組み合わせて、それぞれの対象の入れ墨のうち1つをランダムに選択して、局所投与により5%イミキモッドクリーム(アルダラ(ALDARA),ミネソタ州セントポールの3Mファーマシューティカル社(3M Pharmaceuticals,St.Paul,MN))で処置した。もう一方の入れ墨は、生物活性物質を含有しないプラシーボクリームの局所適用を受けた。イミキモッドおよびプラシーボクリームの各用量を個々に包装した。最初のレーザー治療セッションの1週間前に始めて、局所治療(イミキモッドおよびプラシーボ)を1日1回行った。処置した入れ墨領域の検査のための最初のレーザー治療セッションから2週間後に、すべての対象が経過観察診断を終えた。
【0063】
各入れ墨領域のデジタル写真(ニコン5000,ニューヨーク州メルビルのニコンUSA(Nikon5000,NikonUSA,Inc.,Melville,NY))を最初の診断で、レーザー治療前のすべてのレーザー治療セッションで、最後のレーザー治療から4週間後に撮影した。同一のライト設定の下で写真を撮影し、電子的に保存した。
【0064】
図1A−Dは、最初の診断(図1Aおよび1C)で、および3回のレーザー治療から1ヵ月後(図1Bおよび1D)に−最高回数のレーザー治療の半分の後に、対象から撮影したデジタル写真である。図1Aおよび1Bで示される入れ墨は、5%イミキモッドでの治療を1日1回受けた。図1Cおよび1Dに示される入れ墨は、プラシーボクリームでの治療を1日1回受けた。
【0065】
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明に様々な修正および変更を加えることができることは、当業者には明らかであるだろう。例示的な実施形態および実施例は、単に例として提供されており、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の範囲は、冒頭に記載の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1A−D】図1A〜Dは、レーザー治療および1日1回のプラシーボ投与で治療された第2の入れ墨(図1Cおよび1D)と比較した、レーザー治療および1日1回のIRM投与で1つの入れ墨の治療を受けた対象からの写真(図1Aおよび1B)である。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)入れ墨領域の少なくとも一部を細胞破壊物で処置するステップと;
ii)入れ墨領域の少なくとも一部に有効量のIRM化合物を投与するステップと;
を含む、入れ墨を除去する方法。
【請求項2】
前記IRM化合物が、IRM化合物を含有する組成物として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
細胞破壊物での前記処置が、IRM化合物の投与前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
細胞破壊物での前記処置が、IRM化合物の投与後に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
細胞破壊物での前記処置が、IRM化合物の投与と同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記IRM化合物が、局所適用賦形剤を介して投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記局所適用賦形剤が、クリーム、ゲル、フォーム、スプレー、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、分散液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ペースト、粉末、またはオイルを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記IRM化合物が、経皮パッチによって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記IRM化合物が、少なくとも1つのTLRのアゴニストである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記IRM化合物が、TLR7、TLR8、およびTLR9のうちの1つまたは複数のアゴニストである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記IRM化合物が、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミン;またはピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾダイマーである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記細胞破壊物がレーザーである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザーが、Q−スイッチNd:YAGレーザー(532ナノメートル)、Q−スイッチNd:YAGレーザー(1064ナノメートル)、Q−スイッチルビーレーザー(694ナノメートル)、Q−スイッチアレキサンドライトレーザー(755ナノメートル)、アルゴンレーザー、二酸化炭素レーザー、Er:YAGレーザー、およびその組み合わせである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記レーザーが、真皮細胞を破壊するのに十分であり、かつ顔料粒子を破壊するのに十分な条件下で入れ墨領域に接触する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザーが、真皮細胞を破壊するのに十分であるが、顔料粒子のすべてまたは多くを破壊するのに不適切である条件下で入れ墨領域に接触する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
有効量のIRM化合物を入れ墨領域の少なくとも一部に投与することを含む、成熟した入れ墨を除去する方法。
【請求項17】
前記IRM化合物が、IRM化合物を含有する組成物として投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記IRM化合物が、局所適用賦形剤を介して投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記局所適用賦形剤が、クリーム、ゲル、フォーム、スプレー、軟膏、ローション、溶液、懸濁液、分散液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ペースト、粉末、またはオイルを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記IRM化合物が、経皮パッチによって投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記IRM化合物が、TLR7、TLR8、およびTLR9のうちの1つまたは複数のアゴニストである、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記IRM化合物が、イミダゾキノリンアミン;テトラヒドロイミダゾキノリンアミン;イミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミン;またはピリジンアミン、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンに縮合した1H−イミダゾダイマーである、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2006−520245(P2006−520245A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507223(P2006−507223)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/007944
【国際公開番号】WO2004/080292
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】