説明

入退室管理システム

【課題】外来者に貸与するカードの管理体系が簡単になる入退室管理システムを提供する。
【解決手段】入退室管理システム1は、カード情報Sを有する外来者カード2と、カード情報Sと対応付けされるカード識別情報D1が格納され、ゲート通行許可情報D2の「有効」・「無効」およびアクセスレベルが設定されるデータベース9と、ゲート通行許可情報D2に基づいて認証装置8によるカード情報Sの認証を有効または無効にするゲート制御部10と、カード貸出時に、カード識別情報D1に外来者の識別情報D3を関連付けて記憶するとともに、ゲート通行許可情報D2を「有効」に設定して当該ゲート通行許可情報をゲート制御部10に送信する貸出処理手段11と、カード返却時に、外来者の識別情報D3を消去するとともに、ゲート通行許可情報D2を「無効」に設定して当該ゲート通行許可情報をゲート制御部10に送信する返却処理手段12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退室管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
外来者に一時的にカードを貸与して入退室を管理するシステムの従来例として特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1の技術は、カードに個人識別データを書き込み、このカードに書き込んだ個人識別データと同一の個人識別データが入退室判定装置の記憶部に記憶されているとき、外来者の入退出を許可する。そして、記憶部は、個人識別データと関連させて職員または外来者のいずれかを区別するデータを記憶し、入退室判定装置は、退室と判断したときに職員または外来者のいずれかを判断し、外来者と判断したときに記憶部に記憶されている外来者の個人識別データを消去する。個人識別データが記憶部から消去されるので、そのカードでの再入室が不可となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−258777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1の技術によると、カードに個人識別データを書き込んでいるため、返却されたカードを再利用するにあたり、その都度カードから個人識別データを消去する必要があり、カードの管理体系に手間がかかりやすい。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために創作されたものであり、外来者に貸与するカードの管理体系が簡単になる入退室管理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、認証装置を備えたゲートに関する入退室管理システムにおいて、外来者に一時的に貸し出される前記認証装置の認証用カードであって、カードの個々を特定するカード情報を有する外来者カードと、前記カード情報と対応付けされるカード識別情報が格納されるとともに、外来者カード毎のゲート通行許可情報の「有効」・「無効」およびアクセスレベルが設定されるデータベースと、前記ゲート通行許可情報の「有効」・「無効」に基づいて前記認証装置による前記カード情報の認証を有効または無効にするゲート制御部と、カード貸出時に、貸し出した外来者カードに関しての前記データベースに格納されたカード識別情報に外来者の識別情報を関連付けて記憶するとともに、ゲート通行許可情報を「有効」に設定して当該ゲート通行許可情報を前記ゲート制御部に送信する貸出処理手段と、カード返却時に、前記貸出処理手段により関連付けされた外来者の識別情報を消去するとともに、ゲート通行許可情報を「無効」に設定して当該ゲート通行許可情報を前記ゲート制御部に送信する返却処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
当該入退室管理システムによれば、外来者の識別情報をデータベースのカード識別情報に一時的に関連付けて記憶し、カード返却時にこの関連付けた外来者の識別情報を削除する構成としたので、外来者カードには何らデータ消去等の作業を要することなく再利用できる。
【0008】
また、本発明は、前記貸出処理手段は、許可ゲートを追加設定可能な追加ゲート設定手段を備え、前記返却処理手段は、前記追加ゲート設定手段の許可ゲートの追加設定を消去する追加ゲート消去手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、必ず使用する若しくは使用頻度の高い主要なゲートについてはアクセスレベルで設定しておき、他のゲートについては追加ゲート設定手段により追加設定することになり、オペレータにとって、貸出時の許可ゲートの設定作業が簡単になる。返却時においては追加ゲート消去手段により許可ゲートの追加設定が消去されるので、オペレータによる消去忘れのミスも生じない。
【発明の効果】
【0010】
本発明の入退室管理システムによれば、外来者の識別情報をデータベースのカード識別情報に一時的に関連付けて記憶し、カード返却時にこの関連付けた外来者の識別情報を削除する構成としたので、外来者カードには何らデータ消去等の作業を要することなく再利用でき、カードの管理体系が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る入退室管理システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る入退室管理システムのブロック図である。
【図3】カード識別情報の設定画面例である。
【図4】カード識別情報の設定画面例である。
【図5】カード識別情報の設定画面例である。
【図6】カードの貸出時に表示される画面例である。
【図7】カードの貸出時に表示される画面例である。
【図8】カードの貸出時に表示される画面例である。
【図9】カードの返却時に表示される画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る入退室管理システム1の主構成は、図1に示すように、複数の外来者カード2と、管理サーバ3と、管理サーバ3に接続される入力端末4、モニタ5と、管理サーバ3に接続される入退室制御装置6と、入退室制御装置6により施解錠制御されるゲート7と、ゲート7周りに設置される認証装置8と、からなる。
【0013】
外来者カード2は、外来者に一時的に貸し出される前記認証装置8の認証用カードであって、例えば守衛室や受付などで貸し出される。貸し出された外来者カード2が認証装置8により認証されるとゲート7が解錠され、外来者は入室することができる。ゲート7からの退室後、外来者カード2は元の守衛室や受付、もしくは専用のカード返却装置に返却される。外来者カード2はICカードや磁気カード等であるが、カード方式は特に限定されるものではない。
【0014】
管理サーバ3は、パソコン等のコンピュータからなり、入力端末4を利用しての入退室制御装置6や認証装置8の設定機能や、訪問中の外来者の検索機能、入退室履歴の検索機能等を備える。モニタ5には、各種の設定情報や検索情報、履歴情報が表示される。
【0015】
入退室制御装置6は、CPU、メモリ等から構成される。入退室制御装置6は、LANを介して管理サーバ3に接続するとともに、制御専用回線を介してゲート7の電気錠および認証装置8に接続する。図2に示すように、入退室制御装置6は、カードリーダ等からなる認証装置8により読み出された外来者カード2の認証情報を照合する認証照合部13と、ゲート7の電気錠の施解錠制御を行う施解錠制御部14とを備える。
【0016】
本発明の入退出管理システム1は、図2に示すように、前記外来者カード2にカードの個々を特定するカード情報Sを設ける構成としたうえで、カード情報Sと対応付けされたカード識別情報D1が格納されるとともに、外来者カード2毎のゲート通行許可情報D2の「有効」・「無効」およびアクセスレベルが設定されるデータベース9と、前記ゲート通行許可情報の「有効」・「無効」に基づいて認証装置8によるカード情報Sの認証を有効または無効にするゲート制御部10と、カード貸出時に、貸し出した外来者カード2に関してのデータベース9に格納されたカード識別情報D1に外来者の識別情報D3を関連付けて記憶するとともに、ゲート通行許可情報D2を「有効」に設定して、この「有効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する貸出処理手段11と、カード返却時に、貸出処理手段11により関連付けされた外来者の識別情報D3を消去するとともに、ゲート通行許可情報D2を「無効」に設定して、この「無効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する返却処理手段12と、を備えている。
【0017】
本実施形態において、データベース9は管理サーバ3の記憶部によって構成され、貸出処理手段11および返却処理手段12は管理サーバ3の演算部および記憶部によって構成され、ゲート制御部10は入退室制御装置6によって構成される。
【0018】
外来者カード2に設けられるカード情報Sは、カードの個々を特定でき、前記認証装置8により読み取り可能なデータであればいかなるものでもよく、例えば、データベース9に格納されるカード識別情報D1でもよいし、カード識別情報D1と異なるデータであってもよい。
【0019】
カード識別情報D1をカード情報Sに対応付ける方法としては、例えば管理サーバ3に接続したカードリーダ(図示せず)を用い、当該カードリーダで読み取った外来者カード2のカード情報Sと入力端末4により入力したカード識別情報D1とを対応付ける。
【0020】
カード識別情報D1は、運用前の準備段階に予めデータベース9に設定登録される情報である。図3はモニタ5に表示される情報設定画面を示し、カード識別情報D1として、オペレータは、「基本情報」タブの状態で「個人ID」情報B1、「カードフォーマットNo.」情報B2、「カードNo.」情報B3を入力するとともに、図4に示すように「管理」タブをクリックしたうえで管理種別として「外来者」情報B4の欄を「あり」に選択する。図3では「個人ID」情報B1として「ID000021」と入力し、「カードフォーマットNo.」情報B2として「0000001」と入力し、「カードNo.」情報B3として「100021」と入力した場合を示している。少なくとも「個人ID」情報B1および「カードNo.」情報B3は、カード毎に異なるデータである。また、前記したゲート通行許可情報D2の「無効」の設定として、「一時禁止」ボタンC1は「禁止」に設定される。
【0021】
次いで「本権限」タブをクリックすると、情報設定画面が図5のように切り替わり、オペレータはアクセスレベルを設定する。アクセスレベルとは、ゲート7が複数存在する場合において、ゲート7毎のアクセス権限(通行許可)の有無のパターンから構成される。そして、ゲート7毎にタイムコードNo.、タイムコード名称が設定される。タイムコードNo.、タイムコード名称は利用時間帯(通行許可時間帯)の違いのパターンから構成される。
【0022】
例えば、ゲート7が3つあってそれぞれのゲートNo.をゲートNo.1〜No.3とすると、アクセス権限の有無のパターンのみを考慮したアクセスレベルとしては、ゲートNo.1のみ通行許可するパターンとして「アクセスレベル1」が設定され、ゲートNo.1とゲートNo.2のみ通行許可するパターンとして「アクセスレベル2」が設定され、ゲートNo.1〜ゲートNo.3の全てを通行許可するパターンとして「アクセスレベル3」が設定される。つまり、ゲートNo.1を必ず使用するゲート7とした場合、「アクセスレベル1」が最低限のアクセスレベルとなる。
【0023】
ゲート7が多数あるときにはその組み合わせ数がかなり増えるが、一般にはその中で多用する幾つかのパターンのみをアクセスレベルとして設定する。
【0024】
アクセスレベルの設定は、全ての外来者カード2に同じアクセスレベルを設定することもできるし、異なるアクセスレベルを混在させることもできる。設定したアクセスレベルは、基本的に貸出時には追加や変更はしない。もし、追加や変更をするとカードの返却時に元に戻す操作が必要となる。貸出時に許可ゲートを追加する場合は、後記するように図8の「外来者登録−一時権限」画面で行う。
【0025】
以上のように、データベース9(管理サーバ3)にカード識別情報D1、アクセルレベル、ゲート通行許可情報D2(この場合、「無効」の情報)が設定されると、これらの情報はゲート制御部10(入退室制御装置6)に送信されて入退室制御装置6の記憶部(図示せず)に記憶される。
【0026】
「貸出時の手順、作用」
貸出時の手順の一例を説明すると、受付のオペレータは外来者の入室申請を受け、身分証明書等の提示を求めて本人確認を行う。次いで、ストックしている複数の外来者カード2の中から任意に一枚を取り出し、図6に示すモニタ5の外来者一覧画面でその取り出したカードを貸し出すカードとして選択する。一例として、外来者カード2の表面に「個人ID」の番号が付されている場合、オペレータは図6に示すモニタ5の外来者一覧画面の中で、その取り出したカードに付された「個人ID」番号と同じ「個人ID」番号のカード一覧情報B5を選択する。
【0027】
図6の画面においてオペレータが「貸出」ボタンC2をクリックすると、図7に示す「外来者登録−基本情報」画面に切り替わり、オペレータは必要に応じて「氏名」、「ふりがな」、「所属」、「開始日時」、「有効日時」、「用件」、「面会者」、「行き先」等の外来者の識別情報D3を入力する。デジタルカメラ、スキャナ等で保存した画像を顔写真として入力することも可能である。
また、他の例としては、オペレータが任意に取り出した外来者カード2のカード情報Sをカードリーダ(図示せす)により読み込ませると、予めカード情報Sに対応付けて入力してあるカード識別情報D1に基づいて、読み込んだ外来者カード2の図7の「外来者登録−基本情報」画面が自動で開くようにしてもよい。
【0028】
また、通行の許可ゲートを別途追加する場合には、図8に示す「外来者登録−一時権限」画面で追加する許可ゲートを入力する。当該追加した許可ゲートに関するデータはカード返却時に自動で削除される。そして、オペレータは図7の画面の「貸出」ボタンC3をクリックし、外来者に取り出した外来者カード2を貸し出す。「貸出」ボタンC3をクリックしたとき、ゲート通行許可情報D2(図2)は自動で「有効」に設定される。
【0029】
以上の貸出手順により、図2において貸出処理手段11は、貸し出した外来者カード2に関してのデータベース9に格納されたカード識別情報D1に外来者の識別情報D3を関連付けて記憶するとともに、貸し出した外来者カード2に関して「有効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する。ゲート制御部10は、この「有効」となったゲート通行許可情報D2に基づいて、認証装置8によるカード情報Sの認証を有効とする。これにより、外来者が認証装置8に外来者カード2をかざすとゲート7の電気錠が解錠され、外来者は入室可能となる。具体的には、外来者が認証装置8に外来者カード2をかざすと、入退室制御装置6の認証照合部13が、認証装置8により読み出された外来者カード2のカード情報Sと入退室制御装置6の記憶部に記憶したカード識別情報D1とを照合し、両者が一致したとき、「有効」となったゲート通行許可情報D2、アクセスレベル、外来者の識別情報D3に基づき、入退室制御装置6の施解錠制御部14がゲート7の電気錠を解錠する。モニタ5(図1)では貸出中の外来者カード2のカード識別情報D1や外来者の識別情報D3を検索表示できるようになっている。
【0030】
また、貸出処理手段11はその追加ゲート設定手段15により、図8の「外来者登録−一時権限」画面で許可ゲートの追加入力がなされた場合、その追加入力がなされた許可ゲートを追加設定する。これにより、外来者はアクセスレベルで設定した許可ゲートに加え、追加ゲート設定手段15で追加設定した許可ゲートも通行可能となる。
【0031】
「返却時の手順、作用」
返却時の手順の一例を説明すると、外来者から外来者カード2の返却を受けると、受付のオペレータは図9に示すモニタ5の外来者一覧画面で返却されたカードを選択する。一例として、外来者カード2の表面に「個人ID」の番号が付されている場合、オペレータは図9に示すモニタ5の外来者一覧画面の中で、返却されたカードに付された「個人ID」番号と同じ「個人ID」番号のカード一覧情報B6を選択する。
【0032】
図9の画面においてオペレータが「返却」ボタンC4をクリックすると、ゲート通行許可情報D2(図2)は自動で「無効」に設定される。図7の「外来者登録−基本情報」画面で入力した「氏名」、「ふりがな」、「所属」、「開始日時」、「有効日時」、「用件」、「面会者」、「行き先」等の外来者の識別情報D3は自動で削除される。図8の画面で追加入力した許可ゲートに関するデータも自動で削除される。そして、返却の履歴情報が管理サーバ3に記憶される。また、他の例としては、返却された外来者カード2のカード情報Sをカードリーダ(図示せす)により読み込ませると、予めカード情報Sに対応付けて入力してあるカード識別情報D1に基づいて、読み込んだ外来者カード2の図7の「外来者登録−基本情報」画面が自動で開くようにして、上記の返却処理をしてもよい。
【0033】
以上の返却手順により、図2において返却処理手段12は、貸出処理手段11により関連付けされた外来者の識別情報D3を消去するとともに、返却された外来者カード2に関してゲート通行許可情報D2を「無効」に設定し、この「無効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する。ゲート制御部10は、この「無効」となったゲート通行許可情報D2に基づいて、認証装置8によるカード情報Sの認証を無効とする。これにより、返却された外来者カード2を認証装置8にかざしてもゲート7の電気錠は解錠されず、入室が不可能となる。具体的には、外来者が認証装置8に外来者カード2をかざすと、入退室制御装置6の認証照合部13が、認証装置8により読み出された外来者カード2のカード情報Sと入退室制御装置6の記憶部に記憶したカード識別情報D1とを照合し、このときたとえ両者が一致しても、「無効」となったゲート通行許可情報D2に基づき、入退室制御装置6の施解錠制御部14がゲート7の電気錠を施錠したままとする。
【0034】
また、貸出処理手段11の追加ゲート設定手段15により許可ゲートが追加設定されていた場合、返却処理手段12はその追加ゲート消去手段16により許可ゲートの追加設定を消去する。これにより、返却される外来者カード2は全て、同じアクセスレベルで許可されている許可ゲートのみ通行可能な状態に戻る。
【0035】
以上のように、カードの個々を特定するカード情報Sを有する外来者カード2と、カード情報Sと対応付けされるカード識別情報D1が格納されるとともに、外来者カード2毎のゲート通行許可情報D2の「有効」・「無効」およびアクセスレベルが設定されるデータベース9と、ゲート通行許可情報D2の「有効」・「無効」に基づいて認証装置8によるカード情報Sの認証を有効または無効にするゲート制御部10と、カード貸出時に、貸し出した外来者カード2に関してのデータベース9に格納されたカード識別情報D1に外来者の識別情報D3を関連付けて記憶するとともに、ゲート通行許可情報D2を「有効」に設定して、この「有効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する貸出処理手段11と、カード返却時に、貸出処理手段11により関連付けされた外来者の識別情報D3を消去するとともに、ゲート通行許可情報D2を「無効」に設定して、この「無効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する返却処理手段12と、を備える入退室管理システム1によれば、次のような効果が奏される。
特許文献1の技術は、個人識別データ(外来者の識別情報)をカードに書き込む技術であることから、カードを再利用するにあたりカードから個人識別データを削除する必要があるのに対し、本発明の入退室管理システム1では、外来者の識別情報D3をデータベース9のカード識別情報D1に一時的に関連付けて記憶し、カード返却時にこの関連付けた外来者の識別情報D3を消去する構成としたので、外来者カード2には何らデータ消去等の作業を要することなく再利用できる。
【0036】
また、貸出処理手段11は、許可ゲートを追加設定可能な追加ゲート設定手段15を備え、返却処理手段12は、追加ゲート設定手段15の許可ゲートの追加設定を消去する追加ゲート消去手段16を備える構成とすれば、必ず使用する若しくは使用頻度の高い主要なゲート7についてはアクセスレベルで設定しておき、他のゲート7については追加ゲート設定手段15により追加設定することになり、オペレータにとって、貸出時の許可ゲートの設定作業が簡単になる。返却時においては追加ゲート消去手段16により許可ゲートの追加設定が消去されるので、オペレータによる消去忘れのミスもない。
【0037】
本実施形態の入退室管理システム1では、管理サーバ3に、カードの貸出履歴、返却履歴、入室履歴、退室履歴、エラー情報履歴が記憶され、これらの履歴は入力端末4の操作によりモニタ5で表示可能である。各履歴は、少なくとも、発生日時と、貸し出した外来者カード2を特定する情報(カード識別情報D1)と、外来者を特定する情報(例えば少なくとも氏名を含む外来者の識別情報D3)とから構成される。また、入力端末4の操作により、貸出中の外来者カード2の検索や貸出前の外来者カード2の検索も可能である。さらに、外来者カード2に貸し出してからの有効日時が設定されている場合には、有効日時を過ぎた未返却の外来者カード2を検索することも可能である。
【0038】
また、カードの返却態様として、外来者カード2を受付に返却させるのではなく、図1に示すようなカード回収ボックス21に返却させることも可能である。カード回収ボックス21は、外来者カード2の差込返却口21aを有しており、内部にはカード情報Sを読み取り可能なカードリーダが内蔵されている。このカード回収ボックス21に外来者カード2が返却されると、内蔵のカードリーダがカード情報Sを読み取り、その読み取り情報は管理サーバ3に送信される。管理サーバ3では、図2に示す返却処理手段12が自動で外来者の識別情報D3を消去するとともに、返却された外来者カード2に関してゲート通行許可情報D2を「無効」に設定し、この「無効」となったゲート通行許可情報D2をゲート制御部10に送信する。
【0039】
さらに、入退室管理システム1では、図1に示すように管理サーバ3に外来者の予約サーバ22を接続することも可能である。この場合、外来者は事前に予約サーバ22により氏名等の外来者の識別情報D3を入力しておく。予約サーバ22により入力された外来者の識別情報D3は、例えば管理者によって確認されたうえで管理サーバ3に送信される。管理サーバ3内では、図6に示した外来者一覧画面が自動的に作成され、図7に示した「外来者登録−基本情報」画面では外来者識別情報D3が自動的に入力処理される。カード識別情報D1は、運用前の準備段階に予めデータベース9に設定登録されている。
【0040】
予約サーバ22により予約した外来者が受付で入室申請すると、受付のオペレータは身分証明書等の提示を求めて本人確認を行い、その本人確認に基づいて図6に示した外来者一覧画面で該当する一覧情報B5を確認し、「貸出」ボタンC2をクリックする。図7に示す「外来者登録−基本情報」画面に切り替わると、前記したように外来者の識別情報D3は既に入力処理されているので、オペレータによる入力が不要となる。次いで、オペレータは、ストックしている複数の外来者カード2の中から任意に一枚を取り出し、その外来者カード2の表面に付された「個人ID」の番号を入力する。外来者カード2のカード情報Sをカードリーダ(図示せす)により読み込ませる態様でもよい。そして、「貸出」ボタンC3をクリックし、外来者カード2を貸し出す。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 入退室管理システム
2 外来者カード
3 管理サーバ
6 入退室制御装置
7 ゲート
8 認証装置
9 データベース
10 ゲート制御部
11 貸出処理手段
12 返却処理手段
15 追加ゲート設定手段
16 追加ゲート消去手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証装置を備えたゲートに関する入退室管理システムにおいて、
外来者に一時的に貸し出される前記認証装置の認証用カードであって、カードの個々を特定するカード情報を有する外来者カードと、
前記カード情報と対応付けされるカード識別情報が格納されるとともに、外来者カード毎のゲート通行許可情報の「有効」・「無効」およびアクセスレベルが設定されるデータベースと、
前記ゲート通行許可情報の「有効」・「無効」に基づいて前記認証装置による前記カード情報の認証を有効または無効にするゲート制御部と、
カード貸出時に、貸し出した外来者カードに関しての前記データベースに格納されたカード識別情報に外来者の識別情報を関連付けて記憶するとともに、ゲート通行許可情報を「有効」に設定して当該ゲート通行許可情報を前記ゲート制御部に送信する貸出処理手段と、
カード返却時に、前記貸出処理手段により関連付けされた外来者の識別情報を消去するとともに、ゲート通行許可情報を「無効」に設定して当該ゲート通行許可情報を前記ゲート制御部に送信する返却処理手段と、
を備えることを特徴とする入退室管理システム。
【請求項2】
前記貸出処理手段は、許可ゲートを追加設定可能な追加ゲート設定手段を備え、
前記返却処理手段は、前記追加ゲート設定手段の許可ゲートの追加設定を消去する追加ゲート消去手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の入退室管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−184856(P2011−184856A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47909(P2010−47909)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(307011510)株式会社熊平製作所 (12)
【Fターム(参考)】