説明

全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体型ナビゲーションシステム

【課題】全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体型ナビゲーションシステムが提供される。
【解決手段】該システムは、移動体に結合され該移動体のGPSナビゲーション情報を定期的に生成するためのGPS受信機と、移動体に結合され移動体のDRナビゲーション情報を定期的に算出するためのDRシステムと、GPS受信機及びDRシステムに結合され移動体のナビゲーション情報を定期的に算出するためのフィルタと、を含む。フィルタは、GPSナビゲーション情報の加重値及びDRナビゲーション情報の加重値に従って、GPSナビゲーション情報及びDRナビゲーション情報を統合することによって観測情報を取得し、また、観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2008年7月2日に出願された全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体化ナビゲーションシステムという、米国仮出願第61/133,743号に対する優先権を主張するものであり、本明細書にその全体を引用・参照する。
【0002】
発明の分野
本発明は、ナビゲーションシステムに関し、特に、全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体型ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
全地球測位システム(GPS)は、地球全体を網羅し且つ比較的高い精度を有するという利点があることから、車両ナビゲーションに広く利用され、衛星信号に基づき車両の絶対位置を提供している。しかしながら、衛星信号が高層ビル、樹木、トンネルによって遮られたり、衛星信号が著しく妨害されたりする都市部では、GPSによる連続的ナビゲーションを実現するのは、不可能なことがある。
【0004】
定位センサ(例えば、ジャイロスコープ、マイルメータ等)で主に構成される推測航法(DR)ナビゲーションシステムは、自己完結型の自律的な高サンプリングレート・ナビゲーションシステムである。しかしながら、車両の現在の絶対位置は、DRナビゲーションシステムにおいて、現在算出された相対変位を以前の絶対測位点に加味することによって決定されるため、DRナビゲーションシステムの誤差は、時間と共に累積し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体型ナビゲーションシステムを提供する。GPS&DR一体型ナビゲーションシステムには、移動体に結合され前記移動体のGPSナビゲーション情報を定期的に生成するためのGPS受信機と、前記移動体に結合され前記移動体のDRナビゲーション情報を定期的に算出するためのDRシステムと、前記GPS受信機及び前記DRシステムに結合され前記移動体のナビゲーション情報を定期的に算出するためのフィルタと、が含まれる。前記フィルタは、前記GPSナビゲーション情報の加重値及び前記DRナビゲーション情報の加重値に従って、前記GPSナビゲーション情報及び前記DRナビゲーション情報を統合することによって観測情報を算出し、また、前記観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を算出する。
【0006】
他の実施形態において、本発明は、移動体のナビゲーション情報を提供するための方法を提供する。本方法には、GPS受信機によって前記移動体のGPSナビゲーション情報を生成する段階と、DRシステムによって前記移動体のDRナビゲーション情報を算出する段階と、フィルタにおいて、前記GPSナビゲーション情報の加重値及び前記DRナビゲーション情報の加重値に従って、前記GPSナビゲーション情報及び前記DRナビゲーション情報を統合することによって観測情報を算出する段階と、前記フィルタにおいて、前記観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を算出する段階と、が含まれる。
【0007】
請求対象主題の実施形態の特徴及び利点は、以下の詳細な説明の進行と共に、また、図面を参照すると、明らかになるが、図面では、同様な数字は、同様な要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体型ナビゲーションシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によりDRシステムの基準位置及び方位を更新するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態によりジャイロスコープのパラメータ値を推定するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によりマイルメータのパラメータ値を推定するフローチャートである。
【図5】GPS&DR一体型ナビゲーションシステムによって実施される動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について詳細に述べる。本発明は、実施形態と共に述べるが、本発明をこれらの実施形態に限定しようとするものでは無いことを理解されたい。反対に、本発明は、他の選択肢、変更点、及び等価物を網羅しようとするものであり、これらは、添付の請求項によって規定される本発明の精神及び範囲内に含み得る。
【0010】
更に、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な細目が記載されている。しかしながら、当業者は、これら特定の細目が無くとも、本発明を実践できると認識されるであろう。他の例では、公知の方法、手順、構成要素、及び回路については、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないために、詳細には記述していない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるGPS&DR(全地球測位システム&推測航法)一体型ナビゲーションシステム100のブロック図を示す。GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100は、単一のナビゲーションシステム、例えば、単一のGPSナビゲーションシステム又は単一のDRナビゲーションシステムよりも正確なナビゲーション能力を提供し得る。
【0012】
一実施形態において、GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100には、衛星信号を受信し、また衛星信号に従ってGPSナビゲーション情報116を生成するためのGPS受信機102を含み得る。各衛星信号は、対応するナビゲーション衛星から生成される。一実施形態において、GPSナビゲーション情報116には、移動体(例えば、車両)の位置、方位、線速度(VGPS)、及び角速度(WGPS)が含まれる。地球用の標準座標系において、車両の位置は、経度成分及び緯度成分を含む。
【0013】
GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100には、更に、車両の移動情報を測定し、また、車両の移動情報を車両の基準位置及び方位と統合することによって、車両のDRナビゲーション情報を提供するための推測航法(DR)システム108を含み得る。車両の移動情報には、車両の線速度及び角速度が含まれる。DRナビゲーション情報には、車両の位置、方位、及び移動情報が含まれる。DRシステム108における車両の基準位置及び方位は、受信した衛星信号が信頼できると判断されると、GPS受信機102から生成された位置及び方位で定期的に更新することが可能であり、また、受信した衛星信号が信頼できないと判断されると、DRシステム108によって算出され以前記憶された位置及び方位で定期的に更新することができる。
【0014】
DRシステム108には、車両の線速度VDR128を測定するためのマイルメータ110と、車両の角速度WDR130を測定するためのジャイロスコープ112と、車両の移動情報を車両の基準位置及び方位と統合することによって、車両の位置及び方位を算出するための推測航法(DR)モジュール114と、が含まれる。マイルメータ110及びジャイロスコープ112によってそれぞれ測定される線速度VDR128及び角速度WDR130は、実際の値に対してずれがあり得るため、マイルメータ110及びジャイロスコープ112は、それぞれ線速度VDR128及び角速度WDR130のずれを低減する必要がある。
【0015】
一実施形態において、マイルメータ110及びジャイロスコープ112のパラメータは、それぞれ線速度VDR128及び角速度WDR130のずれを低減するために用い得る。ジャイロスコープ112のパラメータには、これらに限定するものではないが、ジャイロスコープ112のゼロ点ドリフト及び目盛係数を含み得る。マイルメータ110のパラメータには、これらに限定するものではないが、車両のタイヤ1周当りのパルス数、タイヤのころがり半径、線速度で除したタイヤのころがり半径を表す比例係数、及びタイヤのころがり半径の静的誤差を含み得る。しかしながら、マイルメータ110及びジャイロスコープ112のパラメータは、時間と共に継続的に変動し得る。従って、マイルメータ110及びジャイロスコープ112には、各々、マイルメータ110及びジャイロスコープ112の現在のパラメータ値を定期的に推定するためのカルマンフィルタ140、142を含み得る。実際の値に関するずれを低減した後、線速度VDR128及び角速度WDR130は、DRモジュール114に出力され、その後の動作に供し得る。
【0016】
一実施形態において、角速度130は、マイルメータ110のパラメータ値を推定するための条件が満たされているかどうか判断するために、マイルメータ110に出力し得る。他の実施形態において、線速度128は、ジャイロスコープ112のパラメータ値を推定するための条件が満たされているかどうか判断するために、ジャイロスコープ112に出力し得る。
【0017】
他の選択肢としての一実施形態において、GPSナビゲーション情報116内の雑音を低減するために、追加のフィルタ(例えば、カルマンフィルタ)144をGPS受信機102とDRシステム108との間に結合し得る。更に、カルマンフィルタ144は、衛星信号の搬送波対雑音比(CN0)及びGPS受信機102から出力された車両の線速度VGPSに基づき、GPS受信機102において受信された衛星信号が、信頼できるかどうか判断し得る。所定のしきい値、例えば、30dB−Hzを超える搬送波対雑音比を有する衛星信号の数が、所定の値、例えば、3より大きく、また、線速度VGPSの平均値が、所定のしきい値、例えば、6m/sより大きいと、受信した衛星信号は、信頼できると判断し得る。そうでない場合、受信した衛星信号は、信頼できないと判断し得る。
【0018】
GPS受信機102において受信された衛星信号が信頼できる場合、受信衛星信号により算出されたGPSナビゲーション情報は、信頼できると判断し得る。カルマンフィルタ144は、GPSナビゲーション情報116の雑音を低減することができ、また、DRモジュール114に記憶された基準位置及び方位を更新するために、修正済みGPSナビゲーション情報に示された車両の位置及び方位126をDRモジュール114に送ることができる。
【0019】
カルマンフィルタ144は、更に、GPSナビゲーション情報116に示された線速度VGPS及び角速度WGPSをマイルメータ110及びジャイロスコープ112へパラメータ推定のために出力し得る。
【0020】
DRモジュール114は、マイルメータ110から線速度128を、また、ジャイロスコープ112から角速度130を受信し得る。DRモジュール114は、線速度128及び角速度130をDRモジュール114に記憶された基準位置及び方位と統合することによって、車両の現在位置及び方位を算出し得る。上述したように、DRモジュール114に記憶された基準位置及び方位は、GPSナビゲーション情報116が信頼できる場合、GPSナビゲーション情報116に示された位置及び方位126によって更新し得る。
【0021】
一実施形態では、車両位置は、地球の標準座標系に基づき、経度成分及び緯度成分によって定義される。位置は、経度成分及び緯度成分を計算することによって得られる。経度成分及び緯度成分は、式(1)に従って、線速度VDR並びに基準位置の経度及び緯度成分に基づき、計算し得る。
【数1】

ここで、newLonは、現在位置の経度成分を表す。newLatは、現在位置の緯度成分を表す。oldLonは、基準位置の経度成分を表す。oldLatは、基準位置の緯度成分を表す。VDR_Eは、線速度VDRの東向きの成分を表す。VDR_Nは、線速度VDRの北向きの成分を表す。Tは、線速度の単位間隔、例えば、1sを表す。Rは、基準位置から地球の標準座標系の原点までの距離を表す。
【0022】
車両の方位は、式(2)により算出し得る。
newOri=oldOri+WDR*T・・・(2)
ここで、newOriは、現在の方位を表す。oldOriは、基準方位を表す。Tは、角速度の単位間隔、例えば、1sを表す。
【0023】
GPSナビゲーション情報を利用できない場合、基準位置及び方位は、算出した位置及び方位で更新し得る。そして、DRモジュール114は、更新した基準位置及び方位に基づき、次の位置及び方位を算出できる。
【0024】
更に、GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100には、GPS受信機102及びDRシステム108に結合されたフィルタ(例えば、カルマンフィルタ)106を含み得る。カルマンフィルタ106は、GPSナビゲーション情報116の加重値(略して、GPS加重値)及びDRナビゲーション情報132の加重値(略して、DR加重値)に従って、GPSナビゲーション情報116をDRナビゲーション情報132と統合することによって、観測情報を定期的に取得し得る。カルマンフィルタ106は、更に、前記観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を定期的に算出し得る。そして、車両のナビゲーション情報146は、表示装置画面148に表示し得る。
【0025】
一実施形態において、GPS加重値及びDR加重値は、加重モジュール104によって算出し得る。加重モジュール104は、衛星信号の位置精度劣化度(PDOP)及び衛星信号の搬送波対雑音比(CN0)をGPS受信機102から受け取り、PDOP及びCN0に従って、GPS加重値及びDR加重値を生成する。
【0026】
CN0>30db−hzの衛星信号の数が、所定値(例えば、3)より小さくなければ、GPS加重値及びDR加重値は、PDOPによって決定し得る。この条件において、GPS加重値及びDR加重値は、式(3)によって与えられる。
【数2】

ここで、βは、GPS加重値を表し、βは、DR加重値を表す。
【0027】
CN0>30dB−Hzの衛星信号の数が、所定値(例えば、3)より小さければ、GPS加重値及びDR加重値は、式(4)によって与えられる。
【数3】

【0028】
利点として、GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100は、DRシステム108の短期的安定性とGPS受信機102の長期的安定性とを、2つのシステムの統合を通して組み合わせる。GPS受信機102は、衛星信号をリアルタイムに受信可能であり、また、GPSナビゲーション情報の誤差は、時間と共に蓄積されないことから、受信した衛星信号が信頼できる場合、GPS受信機102によって決定された移動体(例えば、車両)の位置及び方位は、比較的高い精度を有し得る。従って、受信衛星信号が信頼できる場合、GPSナビゲーション情報116は、DRシステム108の基準位置及び方位を更新するために用い得る。その結果、DRシステム108の蓄積誤差は、基準位置及び方位を定期的に更新することによって、低減又は解消し得る。
【0029】
更に、GPS受信機102では、幾つかの不確定な条件の下では(例えば、車両が物体の前で停止した場合や衛星信号が信頼できない場合)、確率的誤差が起こり得る。DRシステム108によって連続的に推測される移動体(例えば、車両)の位置及び方位は、短期的に比較的高い精度を有することから、GPSナビゲーション情報116の確率的誤差は、相対的に小さいGPS加重値及び相対的に大きいDR加重値を設定して、GPSナビゲーション情報116及びDR測位情報132を統合することによって、補償できる。その結果、GPSナビゲーション情報116の確率的誤差を補償すると、GPSナビゲーション追跡プロセスを円滑化し得る。従って、GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100は、衛星信号の追跡/受信の精度を高め、信頼度を向上し、また能力を改善するという利点を提供し得る。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態によるDRシステムの基準位置及び方位(例えば、図1におけるDRシステム108の基準位置及び方位)を更新するフローチャート200を示す。図2について、図1と組み合わせて述べる。
【0031】
ブロック202において、GPS受信機102は、衛星信号に従って、GPSナビゲーション情報116を生成する。ブロック204において、カルマンフィルタ144は、GPSナビゲーション情報116の雑音を低減する。ブロック206において、カルマンフィルタ144は、GPS受信機102によって測定された衛星信号の搬送波対雑音比(CN0)及び車両の線速度VGPSに従って、受信衛星信号の信頼性を求める。
【0032】
或る時間間隔、例えば、90秒間の線速度(VGPS)の平均値(VGPS_AVER)が、所定の値VPRE、例えば、6m/sより大きく、また、所定のしきい値、例えば、30dB−Hzより大きい搬送波対雑音比を有する衛星信号の数が、所定値、例えば、3より大きい場合、受信衛星信号は、信頼できると判断し得る。そして、DRシステム108の基準位置及び方位は、ブロック208において、カルマンフィルタ144によって修正されるGPSナビゲーション情報で更新し得る。
【0033】
その時間間隔における線速度(VGPS)の平均値(VGPS_AVER)が、所定の速度VPRE、例えば、6m/sより大きくないか、又は所定のしきい値、例えば、30dB−Hzより大きい搬送波対雑音比を有する衛星信号の数が、所定値NPRE、例えば、3以下の場合、受信衛星信号は、信頼できないと判断し得る。そして、DRシステム108の基準位置及び方位は、ブロック210において、先行サイクルからの先行DRナビゲーション情報で更新し得る。
【0034】
ブロック212において、DRシステム108は、複数の運動センサによって移動体の移動情報を測定可能であり、また、移動情報を基準位置及び方位と統合することによってDRナビゲーション情報を算出できる。
【0035】
図示するように、DRシステム108において推測航法中に時間と共に蓄積される誤差は、DRシステム108の基準位置及び方位を定期的に更新することによって、時宜矯正し得る。結果的に、衛星信号が信頼できないと判断された場合、車両位置は、最新の信頼できるGPSナビゲーション情報によって更新された基準位置及び方位に基づき、DRシステム108によって算出し得る。その結果、GPS受信機102とDRシステム108との間の円滑な切り替えを達成し得る。
【0036】
図3は、本発明の一実施形態によるジャイロスコープ(例えば、図1のDRシステム108におけるジャイロスコープ112)のパラメータ値を推定するためのフローチャート300を示す。上述したように、ジャイロスコープ112のパラメータは、ジャイロスコープ112によって測定される角速度のずれを低減するために用い得る。ジャイロスコープ112のパラメータには、これらに限定するものではないが、ジャイロスコープ112のゼロ点ドリフト及び目盛係数を含み得る。ジャイロスコープ112のパラメータは、例えば、線源偏光度(a source degree of polarization)の影響に起因して、時間と共に継続的に変動することから、ジャイロスコープ112の現在のパラメータ値は、ナビゲーションプロセス中に定期的に評価する必要がある。図3について、図1と組み合わせて述べる。
【0037】
GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100の電源を入れると、GPS受信機102は、動作を開始し得る。ブロック302において、初期ゼロ点ドリフトBGYRO_0及び初期目盛係数SGYRO_0を含むジャイロスコープ112の初期パラメータが、ジャイロスコープ112に含まれる記憶ユニット(図1には図示せず)から読み出される。他の実施形態において、記憶ユニットは、ジャイロスコープ112の外部に構成し得る。ブロック304において、ジャイロスコープ112は、GPS受信機102から線速度(VGPS)及び角速度(WGPS)を受信する。ブロック306において、車両等の移動体の角速度WGYROは、ジャイロスコープ112によって測定され、そして、角速度は、初期ゼロ点ドリフトBGYRO_0で式(5)により修正し得る。
GYRO=WGYRO+BGYRO_0・・・(5)
【0038】
ブロック308において、VGPSが所定のしきい値VPRE1より小さく、これが、車両が停止していることを示す場合、又はVGPSが所定のしきい値VPRE2より大きく、また、WGPSの絶対値が所定のしきい値WPREより小さく、これが、車両が直進していることを示す場合、ブロック306で修正された車両の角速度WGYROは、適格であると見なされ、今後の計算のために記憶ユニット(図1には図示せず)に記憶される。ブロック310において、記憶ユニットに記憶されている適格なWGYROの数が、所定のしきい値NPREより小さくない場合、ゼロ点ドリフトの一次オフセットは、ブロック312で記憶ユニットに記憶された適格なWGYROで計算される。ゼロ点ドリフトの一次オフセットは、式(6)によって与えられる。
deltaB1=−mean(WGYRO)・・・(6)
deltaB1は、ジャイロスコープ112のゼロ点ドリフトの一次オフセットを表す。関数mean()は、適格なWGYROの平均値を計算するために用いる。一実施形態において、NPREの値は、50であり得る。ゼロ点ドリフトの一次オフセットdeltaB1を計算した後、記憶ユニットは、適格なWGYROのうち最も初期の角速度WGYROを選択して、それを削除してよい。
【0039】
ブロック308において、VGPSが所定のしきい値VPRE1より小さくなく、且つ、所定のしきい値VPRE2より大きくなく、もしくはWGPSの絶対値が所定のしきい値WPREより小さくない場合、又は、ブロック310において、適格なWGYROの数が所定のしきい値NPREより小さくない場合、フローチャート300は、ブロック304に戻る。
【0040】
ブロック314において、ブロック306で修正された車両の角速度WGYROは、式(7)によりdeltaB1で2度目の修正を行い得る。
GYRO=WGYRO+deltaB1・・・(7)
【0041】
ブロック316において、GPS受信機102から出力された角速度WGPS、ブロック314で修正された角速度WGYRO、及び初期の目盛係数SGYRO0は、ジャイロスコープ112のパラメータ値を推定するために、ジャイロスコープ112のカルマンフィルタ142に送られる。一実施形態において、カルマンフィルタ142は、ゼロ点ドリフトの二次オフセット値deltaB2及び現在の目盛係数SGYROを推定し得る。
【0042】
ブロック318において、ジャイロスコープ112の現在のゼロ点ドリフトBGYROは、ゼロ点ドリフトの一次オフセットdeltaB1、ゼロ点ドリフトの二次オフセットdeltaB2、及び初期のゼロ点ドリフトBGYRO0により式(8)に従って算出し得る。
GYRO=BGYRO+deltaB1+deltaB2・・・(8)
【0043】
ブロック320において、車両の角速度WGYROは、ブロック316で推定された現在の目盛係数SGYRO、及びブロック318で算出されたBGYROに基づき、式(9)に従って3度目の修正を行い得る。
GYRO=SGYRO*WGYRO+BGYRO・・・(9)
【0044】
そして、一実施形態では、WGYROは、車両の測定角速度WDR130として、DRナビゲーション情報を算出するためにDRモジュール114に送られ、また、マイルメータ110のパラメータ推定を制御するためにマイルメータ110に送ることができる。
【0045】
更に、ブロック316で現在の目盛係数SGYROを推定し、また、ブロック318でジャイロスコープ112の現在のゼロ点ドリフトBGYROを計算した後、記憶ユニットに記憶された初期のゼロ点ドリフトBGYRO_0及び初期の目盛係数SGYRO_0を含むジャイロスコープ112の初期パラメータは、ブロック322において、所定の時間間隔、例えば、30分毎に、それぞれBGYRO及びSGYROで更新し得る。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態によるマイルメータ(例えば、図1のDRシステム108におけるマイルメータ110)のパラメータ値を推定するフローチャート400を示す。上述したように、マイルメータ110のパラメータは、マイルメータ110によって測定された線速度のずれを低減するために用い得る。マイルメータ110のパラメータには、これらに限定するものではないが、タイヤ1周当りのパルス数、タイヤのころがり半径、線速度で除したタイヤのころがり半径を表す比例係数、及びタイヤのころがり半径の静的誤差、を含み得る。マイルメータ110のパラメータは、例えば、車両走行中のタイヤの磨耗に起因して、時間と共に継続的に変動することから、マイルメータ110の現在のパラメータ値は、ナビゲーションプロセス中に定期的に評価する必要がある。図4について、図1と組み合わせて述べる。
【0047】
GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100の電源を入れると、GPS受信機102が、動作し始める。ブロック402において、マイルメータ110の初期パラメータ、例えば、タイヤ1周当りのパルス数KODO0、タイヤの初期のころがり半径RODO0、初期の比例係数CODO0、及びタイヤのころがり半径の初期の静的誤差deltaR0等が、マイルメータ110に含まれる記憶ユニット(図1には図示せず)から読み出される。一実施形態において、記憶ユニットは、マイルメータ110の外部に構成し得る。ブロック404において、マイルメータ110は、GPS受信機102から線速度(VGPS)及び角速度(WGPS)を受信し、また、ジャイロスコープ112から現在の角速度(WDR)130を受信する。ブロック406において、単位間隔当りのパルス数が、マイルメータ110によってカウントされ、そして、車両等の移動体の線速度を、単位間隔当りのカウントパルス数、タイヤ1周当りのパルス数KODO0、及びタイヤの初期のころがり半径RODO0に基づき、式(10)によって計算し得る。
ODO=KODO/KODO0*2π*RODO0・・・(10)
ODOは、マイルメータ110によって測定された現在の車両の線速度を表す。KODOは、単位間隔当りのカウントパルス総数を表す。
【0048】
ブロック408において、VGPSが所定のしきい値VPREより大きく、且つ、WDR130が所定のしきい値WPREより小さく、これが、車両が通常の条件下で走行していることを示す場合、VODOは、次のブロック410におけるマイルメータ110のパラメータ値の推定に対して信頼できる。ブロック408において、VGPSが所定のしきい値VPREより大きくなく、又はWDR130が所定のしきい値WPREより小さくなく、これが、車両が異常な条件下で走行していることを示す場合、フローチャート400は、ブロック404に戻る。
【0049】
ブロック410において、GPS受信機102によって測定された線速度VGPS、ブロック406でマイルメータ110によって測定された線速度VODO、初期の比例係数CODO0、及びタイヤのころがり半径の初期の静的誤差deltaR0は、マイルメータ110のパラメータ値を推定するために、マイルメータ110に含まれるカルマンフィルタ140に送られる。一実施形態において、カルマンフィルタ140は、現在の比例係数CODO及びタイヤのころがり半径の現在の静的誤差deltaRの値を推定し得る。
【0050】
ブロック412において、タイヤの現在のころがり半径は、式(11)によって計算し得る。
ODO=CODO*VODO+RODO0+deltaR・・・(11)
ODOは、タイヤの現在のころがり半径を表す。CODOは、現在の比例係数を表す。deltaRは、タイヤのころがり半径の現在の静的誤差を表す。VODOは、マイルメータ110によって測定された車両の線速度を表す。RODO0は、タイヤの初期のころがり半径を表す。
【0051】
ブロック414において、マイルメータ110によって算出された線速度は、タイヤの現在のころがり半径RODO、単位間隔当りのパルス数KODO、及びタイヤ1周当りのパルス数KODO0に基づき式(12)によって修正される。
ODO=2π*RODO*KODO/KODO0・・・(12)
次に、VODOは、車両の測定線速度VDR128として、推測航法のためにDRモジュール114に送ることができる。
【0052】
更に、ブロック410でCODO及びdeltaRの値を推定し、また、ブロック412でRODOを計算した後、初期パラメータ、例えば、記憶ユニットに記憶されたマイルメータ110のCODO0、deltaR0、及びRODO0は、ブロック416において、所定の時間間隔、例えば、30分毎に、それぞれCODO、deltaR、及びRODOで更新し得る。
【0053】
図5は、GPS&DR一体型ナビゲーションシステム(例えば、図1のGPS&DR一体型ナビゲーションシステム100)によって実施される動作のフローチャート500を示す。図5について、図1及び図2と組み合わせて述べる。
【0054】
GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100の電源を入れると、GPS受信機102は、ブロック502において、複数の衛星信号に従って、GPSナビゲーション情報116を生成し始める。ブロック504において、カルマンフィルタ144は、GPSナビゲーション情報116内の雑音を低減し得る。ブロック506において、カルマンフィルタ144は、GPS受信機102によって測定された衛星信号の搬送波対雑音比(CN0)及び車両の線速度VGPSに従って、受信衛星信号の信頼性を判断し得る。
【0055】
時間間隔、例えば、90秒間の線速度(VGPS)の平均値(VGPS_AVER)が、所定の速度VPRE、例えば、6m/sより大きく、また、所定のしきい値、例えば、30db−hzより大きい搬送波対雑音比を有する衛星信号の数が、所定の値、例えば、3より大きい場合、受信衛星信号は、信頼できると判断し得る。そして、ブロック508において、DRシステム108の基準位置及び方位は、カルマンフィルタ144によって修正されたGPSナビゲーション情報で更新し得る。
【0056】
時間間隔中の線速度(VGPS)の平均値(VGPS_AVER)が、所定の速度VPRE、例えば、6m/s以下であり、また、所定のしきい値、例えば、30db−hzより大きい搬送波対雑音比を有する衛星信号の数が、所定の値NPRE、例えば、3以下の場合、受信衛星信号は、信頼できないと判断し得る。そして、DRシステム108の基準位置及び方位は、ブロック510において、先行サイクルからの先行DRナビゲーション情報で更新し得る。
【0057】
ブロック512において、DRシステム108は、複数の運動センサによって移動体の移動情報を測定し、また、移動情報を基準位置及び方位と統合することによってDRナビゲーション情報132を算出し得る。
【0058】
ブロック514において、GPSナビゲーション情報116の加重値及びDRナビゲーション情報132の加重値は、加重モジュール104によって算出される。ブロック516において、カルマンフィルタ106は、GPSナビゲーション情報116の加重値及びDRナビゲーション情報132の加重値に従って、GPSナビゲーション情報116をDRナビゲーション情報132と統合することによって、観測情報を得ることができる。更にブロック518において、カルマンフィルタ106は、観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を算出し得る。
【0059】
従って、GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100には、複数の衛星信号によって移動体のGPSナビゲーション情報を生成するためのGPS受信機102と、移動体の移動情報を基準位置及び方位と統合することによって、移動体のDRナビゲーション情報を算出するためのDRシステム108と、が含まれる。DRシステム108の基準位置及び方位は、衛星信号が信頼できると判断された場合、GPSナビゲーション情報で更新することができ、また、衛星信号が信頼できないと判断された場合、先行サイクルからの先行DRナビゲーション情報で更新し得る。更に、移動体の移動情報は、複数の運動センサによって測定し得る。GPS受信機102によって生成される線速度及び角速度は、運動センサのパラメータを推定し、また、測定された移動情報をそれらのパラメータに基づき修正するために、DRシステム108に入力し得る。結果として、GPS信号が信頼できないと判断された場合、DRシステム108の最新のパラメータが、GPSナビゲーションシステムとDRナビゲーションシステムとの間の円滑な切り替えのために用いられる。
【0060】
GPS&DR一体型ナビゲーションシステム100には、更に、GPSナビゲーション情報の加重値及びDRナビゲーション情報の加重値に従って、GPSナビゲーション情報とDRナビゲーション情報とを統合することによって、移動体のナビゲーション情報を算出するためのカルマンフィルタ106が含まれる。加重モジュール104は、衛星信号の位置精度劣化度及び搬送波対雑音比に基づき、GPSナビゲーション情報の加重値及びDRナビゲーション情報の加重値を算出し得る。
【0061】
上記説明及び図面は、本発明の実施形態を表すが、これらにおいて、添付の請求項に規定された本発明の原理の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な追加、修正及び置換を行い得ることを理解されたい。当業者は、本発明が、形状、構造、配置、大きさ、材質、元素、及び成分の多くの変更と共に用いられ、また、別の状況では、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合した本発明の実践に用い得ることを認識されたい。従って、ここに開示した実施形態は、全ての点において例示的であって限定的でないと見なすべきものであり、本発明の範囲は、添付の請求項及びそれらの正当な等価物によって示され、上記説明に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
102 GPS受信機
104 加重モジュール
106 カルマンフィルタ
110 マイルメータ
112 ジャイロスコープ
114 推測航法モジュール
116 GPSナビゲーション情報
126 位置及び方位
132 DRナビゲーション情報
140 カルマンフィルタ
142 カルマンフィルタ
144 カルマンフィルタ
148 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全地球測位システム及び推測航法(GPS&DR)一体型ナビゲーションシステムであって、
移動体に結合され、衛星信号に従って前記移動体のGPSナビゲーション情報を定期的に算出するためのGPS受信機と、
前記移動体に結合されたDRシステムであって、前記移動体の移動情報を前記DRシステムからの基準位置及び方位と統合することによって、前記移動体のDRナビゲーション情報を定期的に算出するための前記DRシステムと、
前記GPS受信機及び前記DRシステムに結合され、前記移動体のナビゲーション情報を定期的に算出するためのフィルタと、が含まれ、
前記フィルタは、前記GPSナビゲーション情報の加重値及び前記DRナビゲーション情報の加重値に従って、前記GPSナビゲーション情報及び前記DRナビゲーション情報を統合することによって観測情報を取得し、また、前記フィルタは、前記観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を算出するシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、更に、
前記GPS受信機に結合された加重モジュールであって、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値及び前記DRナビゲーション情報の前記加重値を前記GPSナビゲーション情報に従って算出するための前記加重モジュールが含まれるシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、
前記加重モジュールは、所定の第1しきい値より大きい搬送波対雑音比を有する前記衛星信号の数が、所定の第2しきい値より大きい場合、前記衛星信号の位置精度劣化度に従って、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値及び前記DRナビゲーション情報の前記加重値を算出するシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、
前記加重モジュールは、所定の第1しきい値より大きい搬送波対雑音比を有する前記衛星信号の数が、所定の第2しきい値より小さい場合、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値に第1所定値を設定し、また、前記DRナビゲーション情報の前記加重値に第2所定値を設定するシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、更に、前記GPS受信機に結合され前記GPSナビゲーション情報内の雑音を低減するためのフィルタが含まれるシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、
前記GPS受信機によって測定された前記移動体の線速度の平均値が、所定の第1しきい値より大きく、また、所定の第2しきい値より大きい搬送波対雑音比を有する前記衛星信号の数が、所定の第3しきい値より大きい場合、前記基準位置及び方位は、前記GPSナビゲーション情報に従い更新されるシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、更に、
前記移動体に結合され前記移動体の角速度を測定するためのジャイロスコープと、
前記移動体に結合され前記移動体の線速度を測定するためのマイルメータと、
が含まれ、
前記移動体の前記移動情報には、前記角速度及び前記線速度が含まれるシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、前記ジャイロスコープには、
前記ジャイロスコープによって測定された前記角速度及び前記GPS受信機によって測定された角速度に従って、前記ジャイロスコープのパラメータ値を推定するためのフィルタが含まれ、
前記ジャイロスコープは、前記パラメータの前記推定値に従って前記角速度のずれを低減するシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、前記マイルメータには、
前記マイルメータによって測定された前記線速度及び前記GPS受信機によって測定された線速度に従って、前記マイルメータのパラメータ値を推定するためのフィルタが含まれ、
前記マイルメータは、前記パラメータの前記推定値に従って前記線速度のずれを低減するシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のGPS&DR一体型ナビゲーションシステムであって、更に、前記フィルタからの前記移動体の前記ナビゲーション情報を表示するための表示画面が含まれるシステム。
【請求項11】
移動体のナビゲーション情報を提供するための方法であって、
GPS受信機において、衛星信号に従って前記移動体のGPSナビゲーション情報を算出する段階と、
DRシステムにおいて、前記移動体の移動情報を基準位置及び方位と統合することによって、前記移動体のDRナビゲーション情報を算出する段階と、
フィルタにおいて、前記GPSナビゲーション情報の加重値及び前記DRナビゲーション情報の加重値に従って、前記GPSナビゲーション情報及び前記DRナビゲーション情報を統合することによって観測情報を得る段階と、
前記フィルタにおいて、前記観測情報を複数の先行サイクルからの先行ナビゲーション情報と統合することによって、現在のナビゲーション情報を算出する段階と、
が含まれる方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、更に、
加重モジュールによって、前記GPSナビゲーション情報に従って、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値及び前記DRナビゲーション情報の前記加重値を算出する段階が含まれる方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記GPSナビゲーション情報に従って、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値及び前記DRナビゲーション情報の前記加重値を算出する段階には、更に、
所定のしきい値より大きい搬送波対雑音比を有する前記衛星信号の数が、所定の値より大きい場合、前記衛星信号の位置精度劣化度に従って、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値及び前記DRナビゲーション情報の前記加重値を算出する段階と、
前記所定のしきい値より大きい前記搬送波対雑音比を有する前記衛星信号の数が、前記所定の値より小さい場合、前記GPSナビゲーション情報の前記加重値に第1所定値を設定し、また、前記DRナビゲーション情報の前記加重値に第2所定値を設定する段階と、
が含まれる方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、更に、フィルタによって前記GPSナビゲーション情報内の雑音を低減する段階が含まれる方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、更に、
前記GPS受信機によって測定された前記移動体の線速度の平均値が、所定の第1しきい値より大きく、また、所定の第2しきい値より大きい搬送波対雑音比を有する前記衛星信号の数が、所定の値より大きい場合、前記GPSナビゲーション情報に従って、前記基準位置及び方位を更新する段階が含まれる方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、更に、
ジャイロスコープによって前記移動体の角速度を測定する段階と、
マイルメータによって前記移動体の線速度を測定する段階と、が含まれ、
前記移動体の前記移動情報には、前記角速度及び前記線速度が含まれる方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、更に、
前記ジャイロスコープによって測定された前記角速度及び前記GPSナビゲーション情報に示された角速度に従って、前記ジャイロスコープのパラメータ値を推定する段階と、
前記推定されたパラメータに従って、前記角速度のずれを低減する段階と、
が含まれる方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、更に、
前記マイルメータによって測定された前記線速度及び前記GPSナビゲーション情報に示された線速度に従って、前記マイルメータのパラメータ値を推定する段階と、
前記推定されたパラメータに従って、前記線速度のずれを低減する段階と、
が含まれる方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、更に、前記移動体の前記ナビゲーション情報を表示画面に表示する段階が含まれる方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate