説明

共用走行路を有する複合交通システム

【課題】限られた財源で建設、維持管理ができるとともに、低負荷で、かつ多種類の車両の利用が可能な共用走行路を有する複合交通システムを提供する。
【解決手段】共用走行路を有する複合交通システムにおいて、走行方向に対向して配置されるタイヤ走行路面7A,7Bが形成されるコンクリート基礎部5A,5Bと、このコンクリート基礎部5A,5B内に埋設され走行方向に対向して配置される大径の管路2A,2Bと、前記コンクリート基礎部5A,5B間にかけ渡されるように連結される小径の管路3(3A,3B,…)からなるラダー方式の組立体と、前記コンクリート基礎部5A,5Bの側部から立ち上げられる遮音壁部6A,6Bと、前記タイヤ走行路面7A,7Bの端部に形成される段部8A,8Bに敷設されるレール9A,9Bとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限られた財源で建設、維持管理ができるとともに、低負荷で、かつ多種類の車両の利用が可能な共用走行路を有する複合交通システムの構築に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、個々の交通システム、例えば、ガイドウェイバス、LRT(軽量軌道運行システム:Light Rail Transit)、都市鉄道、郊外非電化鉄道などは各地で展開されており、それなりの成果を果たしている。
【特許文献1】特許第3545316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記したような個々の交通システムを融合して、限られた財源で建設、維持管理ができるとともに、低負荷で、かつ多種類の交通システムの車両の利用が可能な複合交通システムの構築については、十分なる展開をみていないのが現状である。
【0004】
かかる現状に鑑みて、本願発明者らは、現状ではばらばらに存在している各交通機関を一部地域に集約し、相互乗り入れや同一ホームでの発着及び乗り換えを可能にして利便性を高めるとともに、相互乗り入れにより路線用地確保を容易にする複合交通システムとして、懸垂式モノレールと路面電車とを組み合わせた方式を上記特許文献1として提案した。
【0005】
本発明は、上記したかかる複合交通システムを更に発展させて、限られた財源で建設、維持管理ができるとともに、低負荷で、かつ多種類の車両の利用が可能な共用走行路を有する複合交通システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕共用走行路を有する複合交通システムにおいて、走行方向に対向して配置されるタイヤ走行路面7A,7Bが形成されるコンクリート基礎部5A,5Bと、このコンクリート基礎部5A,5B内に埋設され走行方向に対向して配置される大径の管路2A,2Bと、前記コンクリート基礎部5A,5B間にかけ渡されるように連結される小径の管路3A,3B,…からなるラダー方式の組立体4と、前記コンクリート基礎部2A,2Bの側部から立ち上げられる遮音壁部6A,6Bと、前記タイヤ走行路面7A,7Bの端部に形成される段部8A,8Bに敷設されるレール9A,9Bとを具備することを特徴とする。
【0007】
〔2〕上記〔1〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記小径の管路間には空間を設定し、前記タイヤ走行路面からの排除物を排出可能にすることを特徴とする。
【0008】
〔3〕上記〔1〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記レールに案内される走行ガイド輪をゴムタイヤシステムの車両に具備することを特徴とする。
【0009】
〔4〕上記〔1〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、ゴムタイヤシステムの車両の下部の両側面に前記遮音壁部の下部に接触する走行ガイド輪を具備することを特徴とする。
【0010】
〔5〕上記〔1〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記大径の管路内に温水を通じる装置を具備することを特徴とする。
【0011】
〔6〕上記〔5〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記大径の管路から細管を分岐し、前記タイヤ走行路面に流水する流水装置を具備することを特徴とする。
【0012】
〔7〕上記〔1〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記共用走行路を高架にし、この高架下に矩形筒状の空間を有するプレキャスト構造のブロックを等間隔に配置することを特徴とする。
【0013】
〔8〕上記〔7〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記ブロック内の矩形筒状の空間を自転車、原動機付き二輪車や軽自動車などの置場とすることを特徴とする。
【0014】
〔9〕上記〔7〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記ブロック間の高架下の空間を歩行者や通行車の通路とすることを特徴とする。
【0015】
〔10〕上記〔1〕記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記小径の管路上にレーンマーカーを配置し、走行車両には磁気センサ及び制御装置を搭載することにより、走行車両の走行方向の案内制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0017】
(1)限られた財源で建設、維持管理ができるとともに、低負荷で、かつ多種類の車両の利用が可能である。
【0018】
また、既存の駅などの鉄道施設、あるいは共用走行路に設けた施設により、各交通システム間の相互乗り換えの利便性を向上させることもできる。
【0019】
(2)天候に合わせて車両の種類を選択して運行させることができる。
【0020】
(3)共用走行路を高架にすることにより、その高架下に設けたプレキャスト構造のブロック内は各種の自転車や二輪車、軽自動車などの置場となし、適当な間隔をあけて設けられたブロック間を歩行者や走行車の通路として利用することができる。
【0021】
(4)大径の管路内には温水を流してタイヤ走行路面の保温や整備を行い、または大径の管路から分岐される流水装置によってタイヤ走行路面の清浄化を行うことができる。
【0022】
(5)小径の管路上にレーンマーカーを配置し、走行車両には磁気センサ及び制御装置を搭載することにより、走行車両の走行方向の案内制御や前後の車両の間隔制御を行うことができる。
【0023】
(6)各種の車両の適切な運行ダイヤを組むことにより、本発明の共用走行路を用いて乗客をはじめ、荷物などの運送をも併せて行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
共用走行路を有する複合交通システムにおいて、両側に対向するタイヤ走行路面が形成されるコンクリート基礎部と、このコンクリート基礎部内に埋設し走行方向に対向して配置される大径の管路と、この大径の管路間にかけ渡されるように連結される小径の管路からなるラダー方式の組立体と、このコンクリート基礎部の側部から立ち上げられる遮音壁部と、前記タイヤ走行路面の内側隅部に形成される段部に敷設されるレールとを具備する。よって、限られた財源で建設、維持管理ができるとともに、低負荷で、かつ多種類の車両の利用が可能な共用走行路を有する複合交通システムを提供できる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の実施例を示す複合交通システムの共用走行路の断面模式図、図2はその共用走行路の骨格を作るラダー方式の組立体の模式図、図3はその共用走行路を走行する鉄道車両の模式図、図4はその共用走行路を走行するゴムタイヤシステムの車両(その1)の模式図であり、図4(a)はその正面図、図4(b)はそのゴムタイヤシステムの車両の斜視図である。図5はその共用走行路を走行するゴムタイヤシステムの車両(その2)の模式図、図6は高架に敷設した共用走行路の斜視模式図である。
【0027】
まず、共用走行路1は、走行方向に対向して配置される大径の管路(鋼管)2A,2Bと、この大径の管路2A,2B間にかけ渡されるように溶接によって連結される、大径の管路2A,2Bよりは径が小さい小径の管路(鋼管)3(3A,3B,…)からなるラダー方式の組立体4を設け、その大径の管路2A,2Bの部分にコンクリート基礎部5A,5Bとそのコンクリート基礎部5A,5Bから立ち上がる遮音壁部6A,6Bを構築し、コンクリート基礎部5A,5Bの上面にはゴムタイヤシステムの車両のタイヤ走行路面7A,7Bが形成されるとともに、そのタイヤ走行路面7A,7Bの端部に段部8A,8Bが形成され、その段部8A,8Bに、鉄道車両が走行するレール9A,9Bが敷設される。また、10はレーンマーカーであり、所定間隔で配置された小径の管路3(3A,3B,…)上に配置するようにしている。
【0028】
なお、本発明の共用走行路は、上記に限定されることなく、予め大径の管路(鋼管)2A,2Bが埋設されたコンクリート基礎部5A,5Bを設けておき、その管路(鋼管)2A,2Bを小径の管路(鋼管)3(3A,3B,…)で連結することなく、コンクリート基礎部5A,5Bとの間に小径の管路(鋼管)3(3A,3B,…)を配置したラダー方式の組立体を構築するようにしてもよい。
【0029】
そこで、図3に示すように、鉄道車両11の車輪12は共用走行路1に敷設されたレール9A,9B上を走行する。鉄道車両11の底部には磁気センサ13が配置され、その磁気センサ13でレーンマーカー10の情報を読み取って、磁気センサ13に接続される制御装置14で磁気的に走行車両の走行方向を案内制御したり、前後の車両の間隔を検出して間隔制御を行うようにしている。この制御により、無人運転も可能となる。また、その鉄道車両11の走行音は遮音壁部6A,6Bで有効に遮断される。
【0030】
また、図4に示すように、ゴムタイヤシステムの車両21の場合は、その車両21の先頭部分のバンパー22の下部に昇降自在な支持部23が設けられ、その支持部23に軸受24を有する。その軸受24に支持される回転シャフト25の両端に前記したレール9A,9B上を回転する回転輪26A,26Bを有する走行ガイド輪27が配置される。
【0031】
このように、走行ガイド輪27によってゴムタイヤシステムの車両21の走行はガイドされるが、当然、ゴムタイヤシステムの車両21は電気又は内燃機関によって駆動されるゴムタイヤ28によって走行する。
【0032】
したがって、ゴムタイヤシステムの車両21は走行ガイド輪27によって案内されながら、車両21のタイヤ28によってタイヤ走行路面7A,7B上を安全に走行することができる。
【0033】
さらに、図5に示すように、走行ガイド輪27に代えてゴムタイヤシステムの車両31の下部の両側面に走行ガイド輪32A,32Bを設け、この走行ガイド輪32A,32Bを遮音壁部6A,6B側面で回転させながらガイドするようにしてもよい。
【0034】
また、図4,図5に示すように、ゴムタイヤシステムの車両21,31の底部にも磁気センサ29,33が配置され、その磁気センサ29,33でレーンマーカー10の情報を読み取って、制御装置30,34で走行車両の走行方向の案内制御や走行車両の間隔制御を行うようにしている。これにより、無人運転も可能となる。
【0035】
このように構成することにより、共用走行路1上には、鉄道車両11及びゴムタイヤシステムの車両21,31のいずれをも走行させることができる。
【0036】
図6に示すように、共用走行路1は、高架41上に敷設するようにする。そのために、共用走行路1の下部には矩形筒状の空間43を有するプレキャスト構造のブロック42を等間隔に配置する。それにより、そのブロック42の矩形筒状の空間43内を自転車や二輪車、軽自動車などの置場として利用することができる。また、そのブロック42に隣接するブロック45との間の空間44を歩行者や低負荷の移動体である自転車、二輪車や軽自動車の通行に供することができる。なお、空間44の上部には図示しないが保護網や保護板を配置して、空間44の通行に支障がないようにする。また、共用走行路1には所定間隔でアーチ状の支柱51が配置され、その支柱51の中央に給電用架線52が架設されて、走行する車両への電力の供給を可能にする。
【0037】
また、共用走行路1を構成するコンクリートとしては、流動性および強度特性に優れたSQC(スーパークオリティコンクリート)を活用し、構造物構築時の施工性を向上させ、安定して高品質な構造物が得られるようにするとともに、SQC構造物の利点を最大限に活かした、軽量かつ構造特性に優れたものとする。その際に、歩行者・自転車や乗用車の通り抜けを妨げることなく、沿線地域の分断の改善を図るために、共用走行路1を高架化することにより、その高架下スペースの有効活用が可能となる。
【0038】
さらに、この共用走行路1はその維持管理を適切に行うことができる構造となっている。すなわち、冬季において、タイヤ走行路面7A,7Bが凍りつくような場合には、大径の管路2A,2B内に温水を流すことにより、タイヤ走行路面7A,7Bの凍結を防ぐことができ、積雪した場合にも積雪を溶かすことができ、その際の流水や流雪はラダー方式の小径の管路3(3A,3B,…)の隣り合う空間部から下方へ流すことができる。また、大径の管路2A,2Bから細管2−1を分岐して細管口2−2から温水などを流す流水装置(図示なし)を設けることができる。
【0039】
また、極端な積雪によりゴムタイヤシステムによる車両がタイヤ走行路面7A,7Bを走行できないような場合には、ラッセル機能付きの鉄道車両を主とした運行ダイヤに変更することもできる。このように、共用走行路1を有することにより、鉄道車両とゴムタイヤシステムによる車両の運行の割合が適宜変更可能であるという利点を有する。
【0040】
さらに、この共用走行路にはレーンマーカーシステムが備えられているので、車両はこのレーンマーカー10の情報を読み取る磁気センサ13,29,33およびその情報に基づいて車両の制御を行う制御装置14,30,34を備えることにより、走行車両の走行方向の案内制御や自車の前後を走行する車両との間隔制御を自動化することができる。つまり、自動的に前後の車両との間隔をとりながら自動運転、さらには無人運転を行うことも可能である。
【0041】
このように、本発明の複合交通システムによって、FITS(ソフト連絡バスシステム)、ガイドウェイバス、LRT(軽量軌道運行システム)、都市鉄道、郊外非電化鉄道等を連結(走行路を共有)することにより、既存交通システムの活性化を図ることが可能となる。
【0042】
インフラの構築においては、上述のように有効にSQC(スーパークオリティコンクリート)を活用し、SQC構造物の利点を最大限に活かした、軽量かつ構造特性に優れた高架共用走行路とする。そのため、歩行者・乗用車の通り抜けを妨げることなく、沿線地域の分断の改善と高架下スペースの有効活用が可能となる。
【0043】
また、一方で、高架構造のクリアランスを抑制(低く設定)することで経済性を向上させるとともに、地震による倒壊の危険性を軽減し、共用走行路を特定のエリア周辺を囲むように構築することにより、大型車両の安易な侵入を防ぐバリア的な効果を持たせることも可能である。
【0044】
本発明の複合交通システムの最大の特徴は、各交通システムが共用して走行できる、共用走行路が構築されることである。複合交通システムが共用交通路を有する意義としては以下の項目が挙げられる。
【0045】
(1)多種交通システム間の乗換利便性向上と、多種交通システムの混在による移動方向の多様化(共用ホームの設置)
(2)多種交通システムの乗り入れによる公道としての機能と、建設・維持運営費への公的資金導入(道路財源の注入の可能性)
(3)多種交通システムの乗り入れによる、共用区間の融通性と運転頻度向上
(4)降雪時など、ゴムタイヤシステム運転不能時の鉄道車両による運転確保
(5)都市自動車交通乗入れ抑制に対する、パークアンドライド用公共輸送システムと施設の提供
(6)列車制御方法(衝突防止)等による各交通システムの統一的な制御
また、オプションとして、共用走行路に電化区間(共用電化区間)を設け、電気モーターを使用するFITS、ハイブリッドガイドウェイバス、LRTの電気運転化を測ることができ、騒音、排気ガスによる空気汚染等に対する沿線環境の改善を図ることも可能となる。
【0046】
以下、本発明で利用可能な各種の交通システムについて説明する。
(1)FITS(ソフト連絡バスシステム)
空港、レジャー地域、大学等の輸送変動の大きい拠点間の輸送は、収容力が可変で比較的大容量の輸送が可能なFITSを導入する。FITSについては、中間停留所は通過扱い(急行運転中心)として加速減速ロスを省き、他交通システムへの影響を排除する。また、バス構造の利便性を生かし、マニュアルバス運転により目的地の多様化にも対応させる。共用走行路運転不能時には、一般路を迂回走行可能にする。
(2)LRT(軽量軌道運行システム)
都市内の既存路面電車区間に直通可能で、バッテリ走行可能なLRT車両を用い、共用走行路の一端は都市部、もう一端側は非電化ローカル鉄道及び交流電化幹線等に乗り入れ、市街地直通列車の設定によりこれらの郊外鉄道線区の活性化を図る。
(3)ガイドウェイバス
ガイドウェイバスは、各所に設けた信号機によって縦横無尽に出入り自在な路線を設定可能とし、基本的に各駅停車運転として同一停留所で他システムとの乗換利便性を図る。また、共用走行路での事故や不具合の発生時等はFITS同様に一般路を迂回走行可能とする。そのため、簡易退出専用路も多く設置する。
【0047】
また、本発明の共用走行路は、各種の車両の適切な運行ダイヤを組むことにより、乗客をはじめ、荷物などの運送をも併せて行うことができる。
【0048】
更に、既存の駅などの鉄道施設、あるいは共用走行路に設けた施設により、各交通システム間の相互乗り換えの利便性を向上させることもできる。
【0049】
本発明の共用走行路は以下のような概念で構築する。
【0050】
(1)高架構造は簡便なプレキャスト構造(SQCの適用)とし、建設費の削減、工期短縮、景観の向上を図る。
【0051】
(2)下路桁構造、少数主桁構造との複合化を図る。
【0052】
(3)電化区間の設置による環境負荷の低減を図る。
【0053】
(4)融雪設備等を設け、安定した輸送力の確保を図る。
【0054】
(5)車輪転動音や環境騒音対策を図る。
【0055】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の共用走行路を有する複合交通システムは、社会的基盤をなす複合交通システムとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例を示す複合交通システムの共用走行路の断面模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す共用走行路の骨格を作るラダー方式の組立体の模式図である。
【図3】本発明の実施例を示す共用走行路を走行する鉄道車両の模式図である。
【図4】本発明の実施例を示す共用走行路を走行するゴムタイヤシステムの車両(その1)の模式図である。
【図5】本発明の実施例を示す共用走行路を走行するゴムタイヤシステムの車両(その2)の模式図である。
【図6】本発明の実施例を示す高架に敷設した共用走行路の斜視模式図である。
【符号の説明】
【0058】
1 共用走行路
2A,2B 大径の管路
2−1 細管
2−2 細管口
3(3A,3B,…) 小径の管路
4 ラダー方式の組み立て体
5A,5B コンクリート基礎部
6A,6B 遮音壁部
7A,7B タイヤ走行路面
8A,8B タイヤ走行路面の内側の端部に形成される段部
9A,9B レール
10 レーンマーカー
11 鉄道車両
12 車輪
13,29,33 磁気センサ
14,30,34 制御装置
21,31 ゴムタイヤシステムの車両
22 バンパー
23 支持部
24 軸受
25 回転シャフト
26A,26B 回転輪
27 走行ガイド輪
28 ゴムタイヤ
32A,32B 下部の両側面に走行ガイド輪
41 高架
42,45 プレキャスト構造のブロック
43 矩形筒状の空間
44 隣接するブロック間の空間
51 アーチ状の支柱
52 給電用架線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)走行方向に対向して配置されるタイヤ走行路面が形成されるコンクリート基礎部と、該コンクリート基礎部内に埋設され走行方向に対向して配置される大径の管路と、前記コンクリート基礎部間にかけ渡されるように連結される小径の管路からなるラダー方式の組立体と、
(b)前記コンクリート基礎部の側部から立ち上げられる遮音壁部と、
(c)前記タイヤ走行路面の端部に形成される段部に敷設されるレールとを具備することを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項2】
請求項1記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記小径の管路間には空間を設定し、前記タイヤ走行路面からの排除物を排出可能にすることを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項3】
請求項1記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記レールに案内される走行ガイド輪をゴムタイヤシステムの車両に具備することを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項4】
請求項1記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、ゴムタイヤシステムの車両の下部の両側面に前記遮音壁部の下部に接触する走行ガイド輪を具備することを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項5】
請求項1記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記大径の管路内に温水を通じる装置を具備することを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項6】
請求項5記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記大径の管路から細管を分岐し、前記タイヤ走行路面に流水する流水装置を具備することを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項7】
請求項1記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記共用走行路を高架にし、該高架下に矩形筒状の空間を有するプレキャスト構造のブロックを等間隔に配置することを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項8】
請求項7記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記ブロック内の矩形筒状の空間を自転車、原動機付き二輪車や軽自動車などの置場とすることを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項9】
請求項7記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記ブロック間の高架下の空間を歩行者や自転車、軽自動車の通路とすることを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。
【請求項10】
請求項1記載の共用走行路を有する複合交通システムにおいて、前記小径管路上にレーンマーカーを配置し、走行車両には磁気センサ及び制御装置を搭載することにより、走行車両の走行方向の案内制御を行うことを特徴とする共用走行路を有する複合交通システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−89968(P2006−89968A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274872(P2004−274872)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】