説明

内燃機関の過給補助方法及び内燃機関

【課題】蓄ガス容器に溜め込んだガスを過給補助に用いる内燃機関において、蓄ガス容器の蓄圧されたガスを用いる過給補助の終了時期を的確に判定して、過給補助を効率よく制御することができる内燃機関の過給補助方法及び内燃機関を提供する。
【解決手段】蓄ガス容器27からの蓄圧されたガスCの放出量Wtから、吸気マニホールド11aと吸気マニホールド11aから流路切替装置30までの吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを引き算して、シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weを算出し、このガスCの供給量Weと燃料供給量Qinとから算出した空気過剰率λcが予め設定された終了限界空気過剰率λ2以下になったときは、過給補助の経過時間Tiが予め設定された終了時間Tsを経過する前であっても、過給補助を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の過渡状態のときに、蓄ガス容器に蓄圧されたガスをシリンダ内に供給してEGR率を高めることができる内燃機関の過給補助方法及び内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を低減するEGR(排気再循環)においては、過給システムを備えた内燃機関では、高圧EGR方式と低圧EGR方式とがある。この高圧EGR方式では、例えば、図9に示すように、高圧EGRシステムを備えた内燃機関1Xでは、ターボ式過給機14よりもエンジン本体11側にEGR通路17が設けられており、エンジン本体11の排気マニホールド11bから吸気マニホールド11aにEGR通路17経由でEGRガスGeを還流している。また、低圧EGR方式では、例えば、図10に示すように、低圧EGRシステムを備えた内燃機関1Yでは、ターボ式過給機14よりもエンジン本体11とは反対側にEGR通路17が設けられており、タービン14bの下流側からコンプレッサ14aの上流側にEGR通路17経由でEGRガスGeを還流している。
【0003】
これらのいずれのEGR方式でも、EGRガス量の制御には、MAF制御方式が一般的に使用されている。このMAF制御方式では、EGR無しでエンジンのシリンダ内に吸入される新気量(空気量)をMoとし、EGRを行うことでシリンダ内に吸入される新気量をMeとすると、還流されるEGRガス量のMegrがMegr=Mo−Meとなるので、これに基づいて、EGR弁21の弁開度により新気量Meを制御することで、EGRガス量Megrを制御している。
【0004】
つまり、エンジンの回転速度Neと燃料負荷Qをパラメータにして、各エンジンの運転状態に対する新気量Meを予め設定して作成した新気量Meのデータマップを基に、実際のエンジン運転時の回転速度Neと燃料負荷Qから目標の新気量Metを算出して、実際の新気量Meをこの目標の新気量Metになるように制御することで、EGRガス量Megrを制御している。
【0005】
しかしながら、ターボ式過給機を使用する場合には排気ガスのエネルギー(エンタルピ)を用いて過給を行うため、ターボ式過給機の応答遅れ(ターボラグ)を無くすことは不可能であり、このMAF制御方式では、このターボラグに起因する次のような問題がある。ターボラグにより負荷が急激に増加する過渡運転状態では、過給圧が定常運転時に設定した圧力まで上昇しないため、エンジンの吸入空気量が低下する。つまり、ターボ式過給機付きエンジンでも無過給エンジンと同程度の吸気量となってしまう。
【0006】
従って、定常運転条件で設定した目標のEGR量を達成することができず、図11に示すように、急激な過渡運転を行う際にNOxの排出量が増加する。また、煤の発生量を制限するために、過給圧があるレベルより上がらない場合には煤が増加しない領域内に燃料の投入量が抑えられるというスモークリミット制御が行われる。その結果、図12及び図13に示すように、燃料噴射量Qと空気量(Mo、Me)が共に点線で示されるように抑えられ、加速時のパワーが抑えられてしまうという問題がある。そのために、加速時等の負荷が急激に増加する過渡運転時には、NOx排出量の増加や燃費の悪化が発生する。
【0007】
一方、エンジンのクランクシャフト等によって、過給機を直接駆動して過給を行う機械式過給装置を使用する場合では、過給の応答遅れをなくす事ができるが、エンジンの回転速度が決まると燃料量の多少に関わらず、過給量が決まるために、また、駆動に要する仕事量が大きいために、燃費が悪化するという問題がある。
【0008】
この対策として、近年では、図14に示すような蓄ガス供給システムを備えた内燃機関1Zが研究されており、この蓄ガス供給システムでは、内燃機関1Zから排出される排気ガスGの一部Gpを空気Aaと混合した混合ガスCを容積型コンプレッサ(排気圧縮器)25で圧縮して高圧化し、この高圧化した混合ガスCを蓄ガス容器(圧力容器)27内に溜め込み、過渡時に放出電磁弁36を開弁して混合ガスCを調圧弁29経由で吸気弁(吸気スロットル)35の下流の吸気通路12に放出し、これにより、内燃機関1Zのシリンダ内への吸気量を過給機付きエンジン並みに増加させると共に、EGRの効果によるNOxの低減を図り、ターボラグの問題を解消している過給制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
この蓄ガス供給システムを採用した場合は、過渡時に加圧された混合ガスCをエンジン1Zの吸気通路12内に放出することで過給圧を上げて、シリンダ内への空気量を増加させることができるので燃料量も増やすことができる。その結果、加速性能が向上し、煤の排出も抑えることができる。また、過給圧は排気マニホールド11bの内圧よりも高くなるので、内燃機関1Zのポンピング損失が低下し燃費の向上を図ることができる。
【0010】
しかしながら、この蓄ガス供給システムはエンジンの加速性能を向上させるために極めて有効な手段であるが、エンジンのシリンダ内に供給される吸気の供給量と蓄ガス容器からのガスの供給量の両方を計測できないという問題がある。
【0011】
つまり、蓄ガス容器から放出されるガスは、エンジンのシリンダ内に吸入されるだけでなく、吸気マニホールドの内圧(過給圧)を高めるためにも使用され、蓄ガス容器から放出されるガスの全量がシリンダ内に供給される量とはならない。
【0012】
このシリンダ内に吸入されるガスの供給量及び吸気の供給量を正しく計測できないと、排気ガスの総量と、排出が規制されるNOxやHCやCO等の排出量(質量単位)を精度よく推定できなくなるという問題や、また、シリンダ内に供給する燃料供給量を最適に制御して空気過剰率λを一定値に保つ制御ができなくなるという問題等が生じる。
【0013】
特に、蓄ガス供給システムを備えた内燃機関では、通常の吸気ラインと蓄ガス容器に接続する過給補助ラインとを切り替える際に、例えば、従来技術で配置されている吸気量センサ(MAFセンサ:マスエアフローセンサ)を流路切替装置の上流側の吸気通路(通常ライン上)に設けていると、蓄ガス容器からガスを供給する過給補助作動時には、蓄圧されたガスの放出量を計測できない。一方、吸気量センサを流路切替装置の下流側の吸気通路に設置した場合には、蓄ガス容器から吸気マニホールド側に放出されるガスの放出量は測定できるが、このガスの放出量にはシリンダ内に供給される分と吸気マニホールドの内圧を上げるために吸気マニホールドの内部に蓄積されるガスの通路内蓄積量を含むため、シリンダ内に吸入される供給量を正確に測定することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−21558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス圧縮装置を用いて、排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態におけるNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる内燃機関において、蓄ガス容器のガスを用いる過給補助の終了時期を的確に判定して、過給補助を効率よく制御することができる内燃機関の過給補助方法及び内燃機関を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の過給補助方法は、内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路を備えた内燃機関の過給補助方法において、吸気マニホールドの内部の前記ガスの温度と圧力から、前記吸気マニホールドと前記吸気マニホールドから前記流路切替装置までの前記吸気系通路内に蓄積される前記ガスの通路内蓄積量を算出し、前記流路切替装置を経由する前記蓄ガス容器からの前記ガスの放出量から、前記通路内蓄積量を引き算して、シリンダ内に供給される前記ガスの供給量を算出し、該供給量と燃料供給量とから空気過剰率を算出して、この算出された空気過剰率が予め設定された終了限界空気過剰率以下になったときは、過給補助の経過時間が予め設定された終了時間を経過する前であっても、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を終了することを特徴とする方法である。
【0017】
この方法によれば、過渡状態のときのシリンダ内に供給されるガスの供給量を精度よく把握して、過給補助停止の条件を空気量と燃料供給量との関係である空気過剰率で設定することができるので、蓄ガス容器からのガスによる過給補助システムにおける過給補助方法を最適化できる。
【0018】
つまり、エンジンのシリンダ内に供給される、過給補助の場合の蓄圧されたガスの供給量と通常制御の場合の吸気の供給量を精度よく把握でき、排気ガスの総量と、排出が規制されるNOxやHCやCO等の排出量を精度よく推定できる。また、シリンダ内に供給する燃料供給量を最適に制御して空気過剰率を一定値に保つ制御ができるようになる。
【0019】
上記の内燃機関の過給補助方法において、前記吸気通路に配設された吸気量センサで計測された吸気量とEGR量と、燃料供給量とから算出された空気過剰率が予め設定された開始限界過剰率以下になったときに、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を開始すると、過給補助開始の条件を空気量と燃料供給量との関係である空気過剰率で設定することができるので、蓄ガス容器からの蓄圧されたガスによる過給補助における過給補助方法を最適化できる。
【0020】
そして、上記の目的を達成するための内燃機関は、上記の内燃機関の過給補助方法を実施できる内燃機関であり、内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路と、前記EGR通路の備えたEGR弁と前記流路切替装置を制御する制御装置を備えた内燃機関において、前記制御装置が、吸気マニホールドの内部の前記ガスの温度と圧力から、前記吸気マニホールドと前記吸気マニホールドから前記流路切替装置までの前記吸気系通路内に蓄積される前記ガスの通路内蓄積量を算出し、前記流路切替装置を経由する前記蓄ガス容器からの前記ガスの放出量から、前記通路内蓄積量を引き算して、シリンダ内に供給される前記ガスの供給量を算出し、該供給量と燃料供給量とから空気過剰率を算出して、この算出された空気過剰率が予め設定された終了限界空気過剰率以下になったときは、過給補助の経過時間が予め設定された終了時間を経過する前であっても、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を終了する制御をするように構成される。
【0021】
この構成によれば、過渡状態のときのシリンダ内に供給される蓄圧されたガスの供給量を精度よく把握して、過給補助停止の条件を空気量と燃料供給量との関係である空気過剰率で設定することができるので、蓄ガス容器からの蓄圧されたガスによる過給補助における過給補助方法を最適化できる。
【0022】
上記の内燃機関において、前記制御装置が、前記吸気通路に配設された吸気量センサで計測された吸気量とEGR量と、燃料供給量とから算出された空気過剰率が予め設定された開始限界過剰率以下になったときに、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を開始する制御をするように構成すると、過給補助開始の条件を空気量と燃料供給量との関係である空気過剰率で設定することができるので、蓄ガス容器からの蓄圧されたガスによる過給補助における過給補助方法を最適化できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る内燃機関の過給補助方法及び内燃機関によれば、ガス圧縮装置を用いて、排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態のNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる内燃機関において、蓄ガス容器からの蓄圧されたガスを吸気通路に供給する際に、時々刻々、この蓄圧されたガスの放出量と共に、吸気マニホールドの内部のガスの温度と圧力とから吸気マニホールド等の内部に蓄積されるガスの通路内蓄積量を算出し、蓄ガス容器から供給されるガスの供給量から通路内蓄積量を引き算して、シリンダ内に供給されるガスの供給量を算出して、蓄ガス容器の蓄圧されたガスを用いる過給補助の終了時期を的確に判断して過給補助を効率よく制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の内燃機関の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る第2の実施の形態の内燃機関の構成を示す図である。
【図3】流路切替装置を吸気マニホール直前に装着した構成を示す図1の部分拡大図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の内燃機関の過給補助方法のフローの一例を示す図である。
【図5】図4のステップS30の詳細を示す図である。
【図6】蓄ガス用のガス圧縮機の駆動を説明するための図である。
【図7】三方切替弁で構成された流路切替装置の構造を吸気ラインが連通された状態で示す図である。
【図8】三方切替弁で構成された流路切替装置の構造を蓄ガス供給ラインが連通された状態で示す図である。
【図9】従来技術の高圧EGR方式の内燃機関の構成を示す図である。
【図10】従来技術の低圧EGR方式の内燃機関の構成を示す図である。
【図11】車速の変化と瞬時NOx排出量の関係を示す図である。
【図12】全負荷における燃料噴射量の特性と過渡時の動きを示す図である。
【図13】過渡時のターボ式過給機の応答遅れとEGRの関係を示す図である。
【図14】先行技術の内燃機関の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関の過給補助方法及び内燃機関について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明に係る第1の実施の形態のエンジン(内燃機関)1は、エンジン本体11と吸気マニホールド11aに接続する吸気通路12と排気マニホールド11bに接続する排気通路13を有して構成される。この吸気マニホールド11aと吸気通路12とで吸気系通路を形成し、排気マニホールド11bと排気通路13とで排気系通路を形成する。
【0027】
吸気通路12には、ターボ式過給機14のコンプレッサ14aが設けられ、排気通路13には、ターボ式過給機14のタービン14bと、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)装置15とNOx吸蔵還元型触媒等で形成されるNOx浄化触媒16が設けられている。
【0028】
また、タービン14bの上流側の排気通路13からEGR通路17が分岐され、コンプレッサ14aの下流側の吸気通路12にEGR合流部18で合流している。このEGR通路17には上流側から、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)装置19とEGRクーラ20とEGR弁21が設けられている。
【0029】
更に、NOx浄化触媒16の下流側の排気通路13から分岐して、排気ガス導入通路22が設けられている。この排気ガス導入通路22にはEGRクーラ23と三方弁24が設けられ、この排気ガス導入通路22は機械式の容積型過給機(往復動式が望ましい)等で形成されるガス圧縮装置25に接続されている。このガス圧縮装置25は、圧縮ガス供給通路26により圧力容器等で形成される蓄ガス容器27に接続されている。また、この蓄ガス容器27は蓄ガス供給通路28により吸気通路12と接続されている。この排気ガス導入通路22と圧縮ガス供給通路26と蓄ガス供給通路28で蓄圧ガス系通路を形成する。
【0030】
図6に示すように、このガス圧縮装置25は、エンジン1を搭載した車両の車軸31から歯車32、33と、電磁クラッチ34を経由してガス圧縮装置25の駆動軸に動力を伝達する。この電磁クラッチ34をONにして接続することにより、ガス圧縮装置25を駆動して、排気ガス導入通路22からの排気ガスGの一部Gpと空気Aaとこれらの混合ガスのいずれかのガスCを、圧縮して高圧化して蓄ガス容器27に供給し、貯蔵する。なお、蓄ガス供給通路28には、調圧弁29が配置され、流路切替装置30に供給されるガスCの圧力を調整する。このとき、三方弁24で、排気ガスGの一部Gpの量と空気Aaの量を調整して、蓄ガス容器27で貯蔵されるガスCにおける酸素濃度を略一定に保つことが好ましく、これにより、EGRを行うときの制御を単純化することができる。
【0031】
そして、上記の機器類の制御を行うために、エンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれるエンジン1の運転の全般を制御する制御装置40を設け、この制御装置40で蓄ガス容器27内の圧力Ptやエンジン回転速度Neやアクセル開度Ac等を検出して、その結果に基づいて電磁クラッチ34や三方弁24を制御して、蓄ガス容器27内のガスCの量(圧力)と排気ガスGpと空気Aaの混合比率を調整制御する。
【0032】
なお、図1に示すように、この蓄ガス容器27の内部の最大圧を調整する調整弁27aを、蓄ガス容器27に設けて、ガス圧縮装置25を駆動している時には、常に仕事が発生するように調整弁27aを調整する。また、図1では、調整弁27aを蓄ガス容器27に設けているが、調整弁27aを蓄ガス容器27とガス圧縮装置25の間の圧縮ガス供給通路26に設けてもよい。
【0033】
つまり、エンジン1は、排気ガスGの一部Geをシリンダ内に再循環するためのEGR通路17と、エンジン1の排気ガスGの一部Gpと空気Aaとこれらの混合ガスのいずれかのガスCを圧縮するガス圧縮装置25と、このガス圧縮装置25で圧縮されたガスCを貯蓄する蓄ガス容器27と、この蓄ガス容器27と吸気通路12を接続する蓄ガス供給通路28を備えて構成される。
【0034】
そして、吸気通路12と蓄ガス供給通路28は流路切替装置30を介して接続される。図1に示すように、この流路切替装置30をEGR通路17と吸気通路12との合流部であるEGR合流部18よりも下流側に配置し、図3に示すように、吸気マニホールド11aの直前に設ける。また、流路切替装置30は吸気通路12の下流側の通路側を開放したまま、蓄ガス供給通路28側と吸気通路12の上流側の通路側とを切り替えるように構成される。この流路切替装置30は、図7及び図8に示すような三方切替弁で構成することができる。
【0035】
図7及び図8に示す流路切替装置30では、駆動用ガスApを入れてピストンの背面の空気Aeを抜くことで、駆動用高速シリンダ30aのロッド30bを移動させることにより、シャッター部30cを移動させて、図7に示すように、蓄ガス供給通路28側を閉じて、吸気通路12の上流側12aと下流側12bを連通させ、また、図8に示すように、吸気通路12の上流側12a側を閉じて、蓄ガス供給通路28と吸気通路12の下流側12bを連通させる。
【0036】
そして、本発明においては、図3に示すように、吸気マニホールド11aの内部のガスCの温度Tmと圧力Pmを測定するために、吸気マニホールド11aに温度センサ41と圧力センサ42を配置すると共に、図7及び図8に示すように、流路切替装置30に、蓄ガス容器27からのガスCの流量を測定するための流量測定部43を設ける。
【0037】
この流量測定部43は、流量測定用のラバルノズル43aと、このラバルノズル43aの入口側の圧力PHを測定するための第1圧力測定管43bとそのセンサ(図示しない)を配設し、このラバルノズル43aの最も狭い部分の圧力PLを測定するための第2圧力測定管43cとそのセンサ(図示しない)を配設する。更に、上流側の吸気通路12aには、吸気量センサ44が設けられ、蓄ガス供給通路28には、ガスCの温度を計測する温度センサ45がそれぞれ設けられる。これらのセンサ41〜45等の出力は制御装置40に入力する。
【0038】
そして、制御装置40では、蓄ガス容器27から蓄圧されたガスCを供給する際に、時々刻々、このガスCの流量Wtを流量測定部34で計測すると共に、吸気マニホールド11aの内部のガスCの温度Tmと圧力Pmを温度センサ41と圧力センサ42で測定して、吸気マニホールド11aと流路切替装置30から吸気マニホールド11aまでの通路内(以下、「吸気マニホールド側通路内」という)に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを算出し、シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weと蓄ガス容器27からのガスCの放出量Wtを把握して、蓄ガス容器27のガスCを用いる過給補助を的確に制御する。
【0039】
シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weは、計測されたガスCの放出量Wtから吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを引き算したもの(We=Wt−Wm)となる。また、過給補助を行わない場合の吸気量は吸気量センサ44で測定される。吸気の酸素濃度はEGR弁21の弁開度などからEGR率が算出され、燃料噴射量Qinなどから算出することができる。
【0040】
次に、本発明に係る第2の実施の形態のエンジン(内燃機関)1Aについて説明する。図2に示すように、この第2の実施の形態のエンジン1Aでは、EGR通路17がNOx浄化触媒16の下流側の排気通路13から分岐している点が、EGR通路17がターボ式過給機14のタービン14bの上流側の排気通路13から分岐している第1の実施の形態と異なっている。その他の点は、第1の実施の形態と同じである。
【0041】
つまり、EGR通路17に流入する排気ガスGeが、第1の実施の形態のエンジン1では、ターボ式過給機14のタービン14bを通過する前の排気ガスGの一部となっているのに対して、この第2の実施の形態のエンジン1Aでは、ターボ式過給機14のタービン14bを通過した後の排気ガスGの一部となっている。言い換えれば、第1の実施の形態のエンジン1では、高圧EGR方式が採用されており、第2の実施の形態のエンジン1Aでは低圧EGR方式が採用されている。
【0042】
次に、エンジン(内燃機関)1、1Aの制御装置40で行う、内燃機関の過給補助方法について説明する。この内燃機関の過給補助方法は、上記の構成のエンジン1、1Aで実施できる方法である。この内燃機関の過給補助方法は、エンジン1、1Aの排気通路(排気系通路)13の排気ガスGの一部Gpと空気Aaとこれらの混合ガスのいずれかのガスCを圧縮して貯蓄する。
【0043】
それと共に、過給補助方法では、エンジン1、1Aの運転状態が過渡状態でないときには、エンジン1、1Aの排気ガスGの一部Geを、EGR通路17を経由してシリンダ内に再循環し、エンジン1、1Aが過渡状態であるときには、ガスCを一時的に吸気通路(吸気系通路)12に供給する過給補助を行う。つまり、エンジン1、1Aが過渡状態であるときには、EGR通路17からのEGRガスGeと、吸気通路12からの新気Aとを流路切替装置30で遮断して、ガスCのみを、EGR通路17と吸気通路12との合流部であるEGR合流部18よりも下流側に供給する。
【0044】
また、この内燃機関の過給補助方法において、EGRガスGeと新気Aとの遮断、及びガスCの供給を、図7と図8で示すような三方切替弁で構成した流路切替装置30で行う。
【0045】
これらの制御においては制御装置40で、エンジン回転速度Ne、エンジン空気量(Mo、Me)、エンジン燃料量(燃料噴射量)Q、蓄ガス容器27の内部のガスCの圧力Pt等の検出値等に基づいて、調圧弁29とEGR弁21と流路切替装置30を制御する。
【0046】
この過給補助方法では、蓄ガス容器27から蓄圧されたガスCを供給する際に、時々刻々、このガスCの放出量Wtを計測すると共に、吸気マニホールド11aの内部のガスCの温度Tmと圧力Pmを測定して、吸気マニホールド側通路内の容積V(=吸気マニホールド11aの容積Va+流路切替装置30から吸気マニホールド11aまでの通路容積Vb)に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを算出し、シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weと蓄ガス容器27から供給されるガスCの放出量Wtを把握して、蓄ガス容器27の蓄圧されたガスCを用いる過給補助を的確に制御する。
【0047】
このシリンダ内に供給されるガスCの供給量Weは、計測されたガスCの放出量Wtから吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを引き算したもの(We=Wt−Wm)となるが、このシリンダ内に供給されるガスCの供給量Weの算出について、図4に示す制御フローを参照しながら説明する。
【0048】
この図4の制御フローは、シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weを算出する必要があると判断された場合に上位の制御フローから呼ばれて実施され、実施後には、上位の制御フローに戻るものとして示してある。
【0049】
この図4の制御フローが上位の制御フローから呼ばれて、スタートとすると、ステップS11で、第1群のデータを入力する。この第1群の入力データとしては、ラバルノズル43aを設けた流量測定部43で計測される、蓄ガス容器27から放出されるガスCの温度Tt、第1圧力測定管43bの圧力PH、第2圧力測定管43cの圧力PLがある。
【0050】
次のステップS12では、ステップS11で、入力したデータTt、PH、PLから、ラバルノズル43aの形状に対応した計算式を用いて、ラバルノズル43aを通過するガスCの量、すなわち、蓄ガス容器27から放出されるガスCの放出量Wtを算出する。
【0051】
次のステップS13で、第2群のデータを入力する。この第2群の入力データとしては、吸気マニホールド11aに設けた温度センサ41と圧力センサ42で計測される、吸気マニホールド11aの内部のガスCの温度Tm、ガスCの圧力Pmがある。 次のステップS14では、ステップS13で、入力したデータTm、Pmと、吸気マニホールド側通路内の容積Vpを用いて、吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを算出する。
【0052】
次のステップS15で、蓄圧されたガスCの放出量Wtから吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを引き算して、シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weを算出し、リターンする。
【0053】
次に、過給補助方法について、図5に示す制御フローを参照しながら説明する。この図5の制御フローは、エンジン1、1Aの運転開始と共に、上位の制御フローから呼ばれて、スタートし、ステップS21〜ステップS27を繰り返し実施し、エンジン1、1Aの運転停止により、割り込みが発生して、フローの途中からリターンに行き、上位の制御フローに戻って、この制御フローの実施が停止するものとして示してある。
【0054】
この図5の制御フローは、スタートすると、ステップS21で、通常の吸気通路12が連通している状態での運転を所定の時間(ステップS22の空気過剰率λcの判定のインターバルに関係する予め設定された時間)の間行う。更に、通常ラインの吸気通路12に設けた吸気量センサ(MAFセンサ)44で吸気量MAFcを測定し、また、エンジン1、1Aのシリンダ内への燃料供給量Qinを測定する。これらの測定値MAFc、Qinから空気過剰率λcを算出する。
【0055】
ステップS22で、算出された空気過剰率λcが、過給補助を開始するための判定値である開始限界空気過剰率λ1以下であるか否かを判定する。この判定で、空気過剰率λcが、開始限界空気過剰率λ1より大きい(λc>λ1)場合には(NO)、ステップS21に戻り、開始限界空気過剰率λ1以下(λc≦λ1)の場合には(YES)、ステップS23に行く。この開始限界空気過剰率λ1は実験により設定される。
【0056】
ステップS23では、流路切替装置30を図8に示すよう切り替えて、吸気通路12を遮断し、蓄ガス供給通路28を吸気通路12の下流側に連通させて、蓄ガス容器27の蓄圧されたガスCを用いての過給補助を開始する。それと共に、過給補助の経過時間Tiを計測するタイマーをスタートさせる。
【0057】
次のステップS24では、図4の「シリンダ内へのガスの供給量の算出の制御フロー」を呼び、シリンダ内へのガスCの供給量Weを算出する。また、エンジン1、1Aのシリンダ内に投入される燃料供給量Qinを測定し、空気過剰率λcを算出する。
【0058】
次のステップS25で、算出された空気過剰率λcが、過給補助を停止するための判定値である終了限界空気過剰率λ2より小さいか否かを判定する。この判定で算出された空気過剰率λcが終了限界空気過剰率λ2以上(λc≧λ2)のときには(NO)、ステップS26に行き、過給補助の経過時間Tiが過給補助設定時間Tsを経過したか否かを判定し、経過していない(Ti<Ts)場合は(NO)は、過給補助を継続するとして、ステップS24に戻る。経過している(Ti≧Ts)場合は(YES)は、過給補助を停止するとして、ステップS27に行く。
【0059】
また、ステップS25の判定で空気過剰率λcが終了限界空気過剰率λ2より小さい(λc<λ2)ときには(YES)、ステップS27に行く。このステップS27では、過給補助を停止し、過給補助の経過時間Tiのタイマーをリセット(Ti=0)して、ステップS21に戻り、吸気通路12の上流側と下流側が連通し、蓄ガス供給通路28が遮断された通常ラインの状態でエンジン1、1Aが運転される。
【0060】
ステップS21〜S27を繰り返し実施し、エンジン1、1Aが運転停止されると、割り込みが生じて、リターンし、上位の制御フローに戻り、上位の制御フローの終了と共に、図5の制御フローも終了する。
【0061】
上記の内燃機関の過給補助方法及びエンジン(内燃機関)1、1Aによれば、エンジン1、1Aを搭載した車両の急加速時や発進時等のエンジン1、1Aの過渡運転時において、ターボ式過給機14のターボラグに起因する加速性能の低下を最小限に防止し、排気ガスG中の粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)の低減を図ることができるガスCによる過給補助において、過給補助停止の条件、及び過給補助開始の条件を、ガスCの供給量Weと燃料供給量Qinとの関係である空気過剰率λcで設定することができるので、蓄ガス容器27からの蓄圧されたガスCによる過給補助における過給補助方法を最適化できる。
【0062】
つまり、エンジン1、1Aのシリンダ内に供給されるガスCの供給量Weを算出して、排気ガスGの総量と、排出が規制されるNOxやHCやCO等の排出量を精度よく推定できる。また、シリンダ内に供給する燃料供給量Qinを最適に制御して空気過剰率λcを一定値に保つ制御ができるようになる。
【0063】
蓄ガス容器27からの蓄圧されたガスCを吸気通路12に供給する際に、時々刻々、このガスCの放出量Wtと共に、吸気マニホールド11aの内部のガスCの温度Tmと圧力Pmとから吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを算出し、蓄ガス容器27から供給されるガスCの放出量Wtから吸気マニホールド側通路内に蓄積されるガスCの通路内蓄積量Wmを引き算して、シリンダ内に供給されるガスCの供給量Weを算出して、蓄ガス容器27の蓄圧されたガスCを用いる過給補助の終了時期を的確に判断して過給補助を効率よく制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の内燃機関の過給補助方法及び内燃機関は、ガス圧縮装置を用いて、排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態のNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる内燃機関において、蓄ガス容器の蓄圧されたガスを用いる過給補助の終了時期を的確に判定して、過給補助を効率よく制御することができる。
【0065】
従って、ガス圧縮装置を用いて、排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを蓄ガス容器に溜め込み、負荷が急激に増加する過渡状態のときに前記ガスをシリンダ内に一時的に供給して過渡状態のNOxの排出を抑制するとともに加速性能を向上させる、トラックやバスや乗用車等に搭載する内燃機関の過給補助方法及び内燃機関で利用できる。
【符号の説明】
【0066】
1、1A、1X、1Y、1Z エンジン(内燃機関)
11 エンジン本体
11a 吸気マニホールド(吸気系通路)
12 吸気通路(吸気系通路)
13 排気通路(排気系通路)
14 ターボ式過給機
17 EGR通路
21 EGR弁
22 排気ガス導入通路
25 ガス圧縮装置
26 圧縮ガス供給通路
27 蓄ガス容器
28 蓄ガス供給通路
30 流路切替装置
40 制御装置
41 吸気マニホールドに設けた温度センサ
42 吸気マニホールドに設けた圧力センサ
43 流量測定部
43a ラバルノズル
43b 第1圧力測定管
43c 第2圧力測定管
44 吸気量センサ(MAFセンサ)
45 蓄ガス供給通路に設けた温度センサ
A 新気
Aa 空気
C ガス
G 排気ガス
Ge EGRガス
Gp 排気ガスの一部
MAFc 吸気量
PH 第1圧力測定管の圧力
PL 第2圧力測定管の圧力
Pm 吸気マニホールドの内部のガスの圧力
Qin 燃料供給量
Qt 供給目標燃料量
Ti 過給補助の継続時間
Tm 吸気マニホールドの内部のガスの温度
Ts 過給補助設定時間
Tt 蓄ガス容器から放出されるガスの温度
Wt 蓄ガス容器からのガスの流量
Wm 吸気マニホールド等の内部に蓄積されるガスの量
We シリンダ内に供給されるガスの量
V 吸気マニホールド側の容積V
λc 空気過剰率
λ1 開始限界空気過剰率
λ2 終了限界空気過剰率

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、
内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、
該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、
該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路を備えた内燃機関の過給補助方法において、
吸気マニホールドの内部の前記ガスの温度と圧力から、前記吸気マニホールドと前記吸気マニホールドから前記流路切替装置までの前記吸気系通路内に蓄積される前記ガスの通路内蓄積量を算出し、
前記流路切替装置を経由する前記蓄ガス容器からの前記ガスの放出量から、前記通路内蓄積量を引き算して、シリンダ内に供給される前記ガスの供給量を算出し、
該供給量と燃料供給量とから空気過剰率を算出して、
この算出された空気過剰率が予め設定された終了限界空気過剰率以下になったときは、過給補助の経過時間が予め設定された終了時間を経過する前であっても、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を終了することを特徴とする内燃機関の過給補助方法。
【請求項2】
前記吸気通路に配設された吸気量センサで計測された吸気量とEGR量と、燃料供給量とから算出された空気過剰率が予め設定された開始限界過剰率以下になったときに、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を開始することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の過給補助方法。
【請求項3】
内燃機関の排気ガスの一部をシリンダ内に再循環するためのEGR通路と、
内燃機関の排気ガスの一部と空気とこれらの混合ガスのいずれかのガスを圧縮するガス圧縮装置と、
該ガス圧縮装置で圧縮された前記ガスを貯蓄する蓄ガス容器と、
該蓄ガス容器と吸気系通路を流路切替装置を介して接続する蓄ガス供給通路と、
前記EGR通路の備えたEGR弁と前記流路切替装置を制御する制御装置を備えた内燃機関において、
前記制御装置が、
吸気マニホールドの内部の前記ガスの温度と圧力から、前記吸気マニホールドと前記吸気マニホールドから前記流路切替装置までの前記吸気系通路内に蓄積される前記ガスの通路内蓄積量を算出し、
前記流路切替装置を経由する前記蓄ガス容器からの前記ガスの放出量から、前記通路内蓄積量を引き算して、シリンダ内に供給される前記ガスの供給量を算出し、
該供給量と燃料供給量とから空気過剰率を算出して、
この算出された空気過剰率が予め設定された終了限界空気過剰率以下になったときは、過給補助の経過時間が予め設定された終了時間を経過する前であっても、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を終了する制御をすることを特徴とする内燃機関。
【請求項4】
前記制御装置が、
前記吸気通路に配設された吸気量センサで計測された吸気量とEGR量と、燃料供給量とから算出された空気過剰率が予め設定された開始限界過剰率以下になったときに、前記蓄ガス容器からの前記ガスを用いた過給補助を開始する制御をすることを特徴とする請求項3記載の内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−251484(P2012−251484A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124884(P2011−124884)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】