説明

内燃機関装置

【課題】本発明は、内燃機関の最適な運転状態を保ちつつ、過給機への負担を小さくすることができる内燃機関装置を提供する。
【解決手段】内燃機関装置10のエンジンECU60は、吸気通路31においてコンプレッサホイール52とスロットルバルブ34aとの間の部分に作用する負圧が限界負圧値Pより大きくならないスロットルバルブ34aの制限開度θthrlmtを検出する。また、エンジンECU60は、スロットルバルブ34aの制限開度θthrlmtと、ディーゼルエンジン20の状態に応じて決定されるスロットルバルブ34aの最適開度θsuitとを比較し、最適開度θsuitaが制限開度θthrlmt以上であるとスロットルバルブ34aの目標開度θtargetを最適開度θsuitaとし、最適開度θsuitが制限開度θthrlmt未満であると、制限開度θthrlmtを目標開度θtargetとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気通路に過給気が設けられる内燃機関装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸気通路において過給機の上流に燃焼室に供給される吸気の量を調整するスロットルバルブが配置され、かつ、スロットルバルブと過給機との間に排気を戻すEGR装置の通路が連結される内燃機関装置では、過給機の上流の圧力が過度に低下することを防ぐ技術が提案されている。
【0003】
この技術の一例として、吸入空気量に基づいて、EGR装置によって吸気通路に戻される排気の量を調整するEGRバルブやスロットルバルブの最低開度や駆動のディレー時間を設定している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−133787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、吸入空気量に基づいてEGR装置によって吸気通路に戻される排気の量を調整するEGRバルブやスロットルバルブの最低開度や駆動のディレー時間が設定されており、吸気通路において過給機とスロットルバルブとの間の部分に作用する負圧に直接的に基づくものではない。
【0006】
引用文献1の技術では、吸気通路において過給機の上流に作用する負圧の推定値に直接的に基づかないため、EGRバルブやスロットルバルブ開度が過大となり、吸気通路へ戻される排気の流量が不足する。この結果、過給機への負担が大きくなる。
【0007】
本発明は、内燃機関の最適な運転状態を保ちつつ、過給機への負担を小さくすることができる内燃機関装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明の内燃機関装置は、内燃機関と、前記内燃機関に連結される吸気通路と、前記吸気通路に設けられる過給機と、前記吸気通路において前記過給機の上流に設けられるスロットルバルブと、制限開度算出手段と、目標開度算出手段と、バルブ駆動手段とを備えている。
【0009】
前記制限開度算出手段は、前記吸気通路において前記過給機と前記スロットルバルブとの間の部分に作用する圧力が所定値となる前記スロットルバルブの制限開度を算出する。
【0010】
前記目標開度算出手段は、前記制限開度算出手段が算出した前記スロットルバルブの制限開度と、前記内燃機関の状態に応じて決定される前記スロットルバルブの最適開度とを比較し、前記最適開度が前記制限開度以上であると、前記スロットルバルブの開度の目標値である目標開度を前記最適開度とし、前記最適開度が前記制限開度未満であると、前記目標開度を前記制限開度とする。前記バルブ駆動手段は、前記目標開度算出手段の検出結果に基づいて前記スロットルバルブを開閉する。
【0011】
請求項2に記載の発明の内燃機関装置では、請求項1の記載において、前記制限開度算出手段は、前記吸気通路において前記過給機と前記スロットルバルブとの間の部分に作用する圧力の前記所定値と、前記吸気通路において前記スロットルバルブの上流の圧力と、前記吸気通路において前記スロットルバルブの上流を流動する空気の温度と、吸入空気量とを検出し、これらの値に基づいて前記制限開度を求める。
【0012】
請求項3に記載の発明の内燃機関装置では、請求項1又は2の記載において、前記過給機と前記スロットルバルブとの間の部分に作用する圧力の前記所定値は、前記内燃機関の回転数と、該内燃機関の負荷に基づいて求められる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内燃機関の最適な運転状態を保ちつつ、過給機への負担を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の本実施形態に係る内燃機関装置を備える自動車を示す概略図。
【図2】図1に示された内燃機関装置において低圧EGR用スロットルバルブ装置の近傍を示す概略図。
【図3】図1に示されたエンジンECUの動作を示すフローチャート。
【図4】図1に示されたエンジンECUの動作を示すフローチャート。
【図5】図2中に示されるF5−F5線に沿って示す吸気通路の断面図。
【図6】図1に示される低圧EGR用スロットルバルブ装置のスロットルバルブの制限開度に対応する、限界開口面積を示すマップ。
【図7】図1に示す低圧EGR用スロットルバルブ装置の最適開度を示すグラフ。
【図8】図7に示される最適開度を目標開度とした場合の、吸気通路においてスロットルバルブと第1の部分との間に作用する負圧値を示すグラフ。
【図9】図7に示される自動車の運転状態での制限開度を示すグラフ。
【図10】図7に示される最適開度と図9に示される制限開度とを比較した結果得られた目標開度を示すグラフ。
【図11】図10に示す目標開度になるようにバルブ駆動部を制御したときの、吸気通路においてスロットルバルブと第1の部分の間の部分に作用する負圧値を示すグラフ。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る内燃機関装置の、限界負圧値を示すマップ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態に係る内燃機関装置を、図1〜11を用いて説明する。図1は、本実施形態の内燃機関装置10を備える自動車1を示す概略図である。図1中、内燃機関装置10は、概略的に示されている。図1に示すように、自動車1は、内燃機関装置10と、一対の前輪2と、一対の後輪3と、アクセルペダル4と、アクセルセンサ5と、メインECU6とを備えている。また、自動車1は、後述される内燃機関装置10が備えるディーゼルエンジン20が発生する駆動力を前輪2に伝達する図示しない伝達機構を備えている。自動車1は、ディーゼルエンジン20が発生する駆動力によって走行可能となる。
【0016】
アクセルペダル4は、運転者が車を走行する際に踏み込むペダルである。アクセルセンサ5は、アクセルペダル4の踏み込み量を検出する。アクセルセンサ5は、メインECU6に連結されている。アクセルセンサ5は、検出結果をメインECU6に送信する。
【0017】
メインECU6は、自動車1の様々な制御を行う。メインECU6は、アクセルセンサ5の検出結果に基づいて、後述されるエンジンECU60に出力の要求を送信する。
【0018】
図1に示すように、内燃機関装置10は、ディーゼルエンジン20と、吸気系30と、排気系40と、ターボチャージャ50と、エンジンECU60とを備えている。
【0019】
ディーゼルエンジン20は、本発明で言う内燃機関の一例である。ディーゼルエンジン20は、レシプロ式であり、4気筒を備えている。ディーゼルエンジン20の燃焼室21a,21b,21c,21dの各々には、燃料を噴射するインジェクタ22a,22b、22c,22dが設けられている。インジェクタ22a〜22dは、コモンレール23に接続されている。コモンレール23は、燃料を昇圧する。
【0020】
ターボチャージャ50は、本発明で言う過給機の一例である。ターボチャージャ50は、後述される吸気通路中に設けられる第1の部分51と、後述される排気通路中に設けられる第2の部分55とを備えている。
【0021】
吸気系30は、ディーゼルエンジン20に、空気A、または、空気Aと排気Hとの混合気Mとを導く。吸気系30は、吸気通路31と、エアクリーナ32と、エアフローセンサ33と、低圧EGR用スロットルバルブ装置34と、ターボチャージャ50の第1の部分51と、インタークーラ35と、高圧EGR用スロットルバルブ装置36と、ブーストセンサ37とを備えている。
【0022】
吸気通路31は、空気A、または、空気Aと排気Hとの混合気Mとが流動する。吸気通路31は、吸気通路本体31aと、吸気マニホールド31bとを備える。吸気マニホールド31bは、ディーゼルエンジン20の各燃焼室21a〜21dに連通している。吸気通路本体31aは、吸気マニホールド31bに連結されている。吸気通路本体31aは、吸気マニホールド31bに連通している。なお、ここで言う吸気通路本体31aとは、吸気通路31において吸気マニホールド31b以外の部分を示す。
【0023】
エアクリーナ32は、吸気通路31中に設けられている。エアクリーナ32は、外部から導かれる空気Aを濾過する。エアフローセンサ33は、吸気通路31においてエアクリーナ32の下流に設けられている。エアフローセンサ33は、吸気通路31を流れる吸入空気量を検出する。また、エアフローセンサ33は、空気Aの温度を検出する機能を有している。吸入空気量とは、単位時間当たり、つまり一秒間当たりに流れる空気の質量である。単位は、(kg/sec)である。
【0024】
低圧EGR用スロットルバルブ装置34は、吸気通路31においてエアフローセンサ33の下流に設けられている。低圧EGR用スロットルバルブ装置34は、吸気通路31中に配置されるスロットルバルブ34aと、スロットルバルブ34aを回転することによって吸気通路31内でのスロットルバルブ34aの姿勢を変化するバルブ駆動部34bとを備えている。スロットルバルブ34aは、一例として、バタフライバルブである。吸気通路31内でスロットルバルブ34aの姿勢が変化することによって、低圧EGR用スロットルバルブ装置34を通過する空気Aの量が調整される。
【0025】
ここで、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度について説明する。図2は、内燃機関装置10において低圧EGR用スロットルバルブ装置34の近傍を示している。図2では、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度が最小であるときのスロットルバルブ34aを実線で示しており、開度が最大であるときのスロットルバルブ34aを2点鎖線で示している。図2に示すように、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度が最小である状態は、吸気通路31がスロットルバルブ34aよって閉塞される状態である。このため、空気Aは、低圧EGR用スロットルバルブ装置34を通過しない。開度が最大である状態は、スロットルバルブ34aが流れの抵抗に最もならない姿勢であり、空気Aが低圧EGR用スロットルバルブ装置34を通過する方向に吸気通路31が最も開く状態である。
【0026】
開度は、スロットルバルブ34aの回転角度に対応して決定されている。ここで言う回転角度とは、開度が最小である状態を基準としたときの回転角度である。言い換えると、スロットルバルブ34aの姿勢である。回転角度が大きくなるにつれて、開度が大きくなる。バルブ駆動部34bは、開度が最小である状態を基準としたスロットルバルブ34aの回転角度を検出するセンサを備えている。なお、バルブ駆動部34bとは別に、スロットルバルブ34aの姿勢である回転角度を検出する手段が設けられてもよい。
【0027】
なお、後述されるエンジンECU60は、スロットルバルブ34aの回転角度に対応する低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を示す情報を予め備えている。
【0028】
ターボチャージャ50の第1の部分51は、吸気通路31において低圧EGR用スロットルバルブ装置34の下流に設けられている。第1の部分51は、コンプレッサホイール52と、コンプレッサホイール52を収容するとともに吸気通路31の一部を形成する第1のハウジング53とを備えている。コンプレッサホイール52には、シャフト54が固定されている。コンプレッサホイール52は、第1のハウジング53内にシャフト54回りに回転可能に支持されている。なお、第1のハウジング53内には、シャフト54を支持する、図示しない軸受け構造などが設けられている。
【0029】
インタークーラ35は、吸気通路31において第1の部分51の下流に設けられている。
【0030】
高圧EGR用スロットルバルブ装置36は、吸気通路31においてインタークーラ35の下流であって吸気マニホールド31bよりも上流に設けられている。高圧EGR用スロットルバルブ装置36の構造は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34と同様である。高圧EGR用スロットルバルブ装置36は、スロットルバルブ36aと、バルブ駆動部36bとを備える。スロットルバルブ36aとバルブ駆動部36bとは、低圧EGR用スロットルバルブ装置34のスロットルバルブ34aとバルブ駆動部34bと同様である。スロットルバルブ36aの開度についても、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度と同様である。
【0031】
ブーストセンサ37は、吸気マニホールド31b内の圧力を検出する。
【0032】
排気系40は、各燃焼室21a〜21dから排出される排気Hを外部へ導く。排気系40は、排気通路41と、ターボチャージャ50の第2の部分55と、触媒装置42と、低圧EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置70と、高圧EGR装置80とを備えている。
【0033】
排気通路41は、ディーゼルエンジン20の各燃焼室21a〜21dから排出される排気Hが流動する。排気通路41は、排気通路本体41aと、排気マニホールド41bとを備えている。排気マニホールド41bは、各燃焼室21a〜21dに連通している。排気通路本体41aは、排気マニホールド41bに連通している。排気通路本体41aは、排気通路41において排気マニホールド41b以外の部分を示す。
【0034】
ターボチャージャ50の第2の部分55は、排気通路本体41aに設けられている。第2の部分55は、タービンホイール56と、タービンホイール56を収容するとともに排気通路41の一部を形成する第2のハウジング57とを備えている。タービンホイール56は、シャフト54に固定されており、シャフト54回りに回転可能である。つまり、タービンホイール56とコンプレッサホイール52とは、一体に回転する。排気Hが流れることによってタービンホイール56が回転すると、コンプレッサホイール52も回転する。第2のハウジング57内には、シャフト54を支持する図示しない軸受け構造などが設けられている。
【0035】
触媒装置42は、排気通路41において第2の部分55の下流に設けられている。触媒装置42は、酸化触媒42aと、DPF(Diesel Particulate Filter)42bとを備えている。酸化触媒42aは、DPF42bよりも上流に位置している。
【0036】
低圧EGR装置70は、低圧EGR用通路71と、低圧EGR用クーラ72と、低圧EGR用バルブ73とを備えている。低圧EGR用通路71の一端74は、排気通路41において触媒装置42の下流に連通している。低圧EGR用通路71の他端75は、吸気通路31において第1の部分51とスロットルバルブ34aとの間に連通している。低圧EGR用通路71は、排気通路41と吸気通路31を連通している。低圧EGR用クーラ72は、低圧EGR用通路71中に設けられている。低圧EGR用バルブ73は、低圧EGR用通路71において低圧EGR用クーラ72の下流に設けられている。低圧EGR用バルブ73は、低圧EGR用通路71を開閉する。
【0037】
高圧EGR装置80は、高圧EGR用通路81と、高圧EGR用クーラ82と、高圧EGR用バルブ83とを備えている。高圧EGR用通路81の一端84は、排気通路41において、ターボチャージャ50の第2の部分55の上流に連通している。高圧EGR用通路81の他端85は、吸気通路31において、スロットルバルブ36aの下流に連通している。高圧EGR用通路81は、排気通路41と吸気通路31とを連通している。
【0038】
高圧EGR用クーラ82は、高圧EGR用通路81に設けられている。高圧EGR用バルブ83は、高圧EGR用通路81において高圧EGR用クーラ82の下流に設けられている。高圧EGR用バルブ83は、高圧EGR用通路81を開閉する。
【0039】
エンジンECU60は、ブーストセンサ37と、エアフローセンサ33とに接続されている。ブーストセンサ37とエアフローセンサ33とは、検出結果をエンジンECU60に送信する。
【0040】
エンジンECU60は、メインECU6に接続されており、メインECU6から動作の指示を受ける。エンジンECU60は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34のバルブ駆動部34bと、高圧EGR用スロットルバルブ装置36のバルブ駆動部36bと、低圧EGR用バルブ73と、高圧EGR用バルブ83とに接続されており、これらバルブの開閉を制御する。また、エンジンECU60は、インジェクタ23a〜23dの動作を制御する。
【0041】
具体的に説明すると、メインECU6は、アクセルセンサ5の検出結果に基づいて、エンジンECU60に出力の要請を出す。エンジンECU60は、メインECU6からの指示に基づいて、または、ディーゼルエンジン20の運転状態に応じて、低圧EGR用スロットルバルブ装置34と、高圧EGR用スロットルバルブ装置36と、低圧EGR用バルブ73と、高圧EGR用バルブ83と、各インジェクタ23a〜23dの動作を制御する。エンジンECU60による低圧EGR用スロットルバルブ装置34の動作の制御については、後で具体的に説明する。
【0042】
なお、エンジンECU60は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34のスロットルバルブ34aの回転角度に対応する低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を示す情報を予め備えている。同様に、高圧EGR用スロットルバルブ装置36のスロットルバルブ36aの回転角度に対応するスロットルバルブ36aの開度を示す情報を備えている。
【0043】
なお、図1中では、各インジェクタ23a〜23dとエンジンECU60の接続を示す接続線は、一部省略して示している。
【0044】
つぎに、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を決定する動作を説明する。図3は、エンジンECU60の動作を示すフローチャートである。なお、エンジンECU60は、自動車1の電気系統がオン状態となると駆動する。言い換えると、メインECU6が動作を開始すると、動作を開始する。
【0045】
エンジンECU60は、ステップST1では、ディーゼルエンジン20が駆動しているか否かを判定する。ディーゼルエンジン20が駆動している状態とは、インジェクタ23a〜23dから燃料が噴射されている状態である。ディーゼルエンジン20の駆動開始の指示は、メインECU6からエンジンECU60に送信される。エンジンECU60は、メインECU6からディーゼルエンジン20の駆動開始の指示を受けていると、ステップST2に進む。
【0046】
ステップST2では、エンジンECU60は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の最適開度を検出する。ここで言う最適開度は、本発明で言う最適開度の一例である。最適開度は、自動車のドライバリティが向上するために、かつ、排気の成分の悪化を抑制するために、最適な開度である。エンジンECU60は、メインECU6からの情報や、ブーストセンサ37の検出結果などに基づいて、最適開度を検出する。最適開度が検出されると、ついで、ステップST3に進む。
【0047】
ステップST3では、エンジンECU60は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の制限開度を検出する。ここで言う制限開度は、本発明で言う制限開度の一例である。制限開度は、本発明で言う過給機において吸気通路に設けられる部分に不具合が生じない開度である。
【0048】
過給機において吸気通路に設けられる部分に生じる不具合について、具体的に説明する。なお、第1の部分51は、過給機において吸気通路に設けられる部分の一例である。第1の部分51の上流には、低圧EGR用スロットルバルブ装置34が設けられている。低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度によっては、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の圧力が、吸気通路31において第1の部分51の下流の圧力に対して負圧になることがある。負圧になると、この負圧が第1の部分51に作用する。
【0049】
より具体的に説明すると、吸気通路31内においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の圧力が、吸気通路31において第1の部分51の下流の圧力に対して負圧になると、コンプレッサホイール52とシャフト54とに負担がかかる。また、第1のハウジング53内に設けられるシャフト54を支持する軸受け機構を潤滑する潤滑油が吸い出されることがある。これらが、上記不具体の一例である。
【0050】
ステップST3の説明に戻る。図4は、ステップST3の動作をより具体的に示すフローチャートである。図4に示すように、ステップST2の次に、ステップST31に進む。
【0051】
エンジンECU60は、ステップST31で、低圧EGR用スロットルバルブ装置34を通過する吸入空気Aの温度T1と、吸入空気量Gと、圧力P1とを検出する。吸入空気量Gと温度T1とは、エアフローセンサ33から送信されるので、得ることができる。
【0052】
圧力P1は、吸気通路31において低圧EGR用スロットルバルブ装置34のスロットルバルブ34aの上流の圧力である。吸気通路31においてスロットルバルブ34aの上流の圧力は、大気圧と同じである。このため、本実施形態では、吸気通路31においてスロットルバルブ34aの上流の圧力値として、大気圧の圧力値を利用する。大気圧は、自動車1が備える圧力センサ90によって検出される。圧力センサ90は、エンジンECU60に連結されている。圧力センサ90の検出結果は、エンジンECU60に送信される。
【0053】
エンジンECU60は、ステップST31では、圧力センサ90から送信される検出結果を、吸気通路31においてスロットルバルブ34aの上流の圧力値として用いる。
【0054】
なお、圧力センサ90に代えて、吸気通路31においてスロットルバルブ34aの上流の圧量を検出するセンサが用いられてもよい。
【0055】
温度T1と、吸入空気量Gと、圧力P1とが検出されると、ついで、ステップST32に進む。
【0056】
ステップST32では、エンジンECU60は、吸気通路31においてスロットルバルブ34aの上流の空気の密度ρ1を検出する。具体的には、エンジンECU60は、ステップST31で求められた、温度T1と、吸入空気量Gと、圧力P1とにも度づいて、密度ρ1を検出する。
【0057】
密度ρ1は、以下の式で求めることができる。
【数1】

【0058】
R1は、ガス定数である。ガス定数R1は、既知である。密度ρ1が求められると、ついで、ステップST33に進む。
【0059】
ステップST33では、エンジンECU60は、吸気通路31において低圧EGR用スロットルバルブ装置34とターボチャージャ50の第1の部分51との間の部分に作用する限界負圧値Pを求める。限界負圧値Pについて説明する。
【0060】
吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に負圧が作用すると、上記したように、第1の部分51に負担が加わる。限界負圧値Pは、第1の部分51が耐えられる範囲の圧力である。言い換えると、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間に作用する負圧が限界負圧値P以下であれば、第1の部分51は、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間に作用する負圧に起因して破損することはない。ここで言う限界負圧値以下とは、限界負圧値も含む概念である。限界負圧値Pは、例えば、実験などで予め得ることができる。限界負圧値Pは、本発明で言う所定値の一例である。
【0061】
負圧が大きくなるとは、吸気通路31において第1の部分51の下流の部分の圧力に対して、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の圧力が小さいとともに、その差が大きくなることを示す。負圧が小さくなるとは、吸気通路31において第1の部分51の下流の部分の圧力に対して、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の圧力が小さいとともに、その差が小さくなることを示す。
【0062】
本実施形態では、限界負圧値Pは、予め1つの値に決定されており、例えばエンジンECU60に記憶されている。このため、エンジンECU60は、限界圧力値Pを把握している。ついで、ステップST34に進む。
【0063】
ステップST34以降では、エンジンECU60は、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の範囲に作用する負圧が、限界負圧値Pより小さくならないための、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を求める。
【0064】
まず、上記開度を求めるために、ステップST34では、エンジンECU60は、ノズルの式を利用して、τlmt(P/P)を検出する。τlmt(P/P)は、以下の式で求めることができる。
【数2】

【0065】
kは、空気の比熱比である。τlmt(P/P)は上記(式2)を用いて都度演算してもよいし、簡単のためkを一定値と仮定してτlmt(P/P)と(P/P)との関係を予めマップ化しておき、当該マップを参照することで求めても良い。τlmt(P/P)が求まると、ついで、ステップST35に進む。
【0066】
エンジンECU60は、ステップST35では、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の圧力が限界負圧値Pとなる、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開口面積である限界開口面積Fthrlmtを求める。
【0067】
開口面積について説明する。開口面積は、吸気通路31の延びる方向に沿ってスロットルバルブ34aを見たときに、吸気通路31の内面31cとスロットルバルブ34aとの間に形成される隙間の面積である。図5は、図2中に示されるF5−F5線に沿って示す吸気通路31の断面である。図5は、吸気通路31内を、矢印zに沿って見た状態を示している。矢印zが示す方向は、吸気通路31が延びる方向であり、かつ、空気Aが流れる方向である。
【0068】
なお、図5では、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度は、最小開度と最大開度との間の略中間開度である。図5において、矢印Xに沿って見た吸気通路31の内面31cとスロットルバルブ34aとの間に形成される隙間には、2点鎖線のハッチングを施している。開口面積は、ハッチングが施されている範囲の面積である。2点鎖線のハッチングは、断面を示すものではない。開口面積は、スロットルバルブ34aの姿勢によって変化する。また、開口面積は、開度が大きくなるにつれて、大きくなる。限界開口面積Fthrlmtは、以下の式で求められる。
【数3】

【0069】
thrlmtが求められると、ついで、ステップST36に進む。
【0070】
ステップST36では、エンジンECU60は、限界開口面積Fthrlmtに対応する、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度である制限開度を検出する。上記したように、エンジンECU60は、限界開口面積Fthrlmtに対応する低圧EGR用スロットルバルブ装置34の制限開度θthrlmtの情報を備えている。図6は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の制限開度θthrlmtに対応する、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の限界開口面積Fthrlmtを示すマップである。図6に示されるマップは、上記情報の一例である。
【0071】
図6では、横軸は、制限開度θthrlmtを示している。横軸は、矢印xに沿って進むにつれて制限開度θthrlmtが大きくなることを示す。縦軸は、限界開口面積Fthrlmtを示す。縦軸は、矢印yに沿って進むにつれて限界開口面積Fthrlmtが大きくなることを示す。
【0072】
図6に示すように、制限開度θthrlmtと、限界開口面積Fthrlmtとは、一対一の関係である。限界開口面積Fthrlmtに対応する制限開度θthrlmtが求められると、ついで、ステップST4に進む。
【0073】
図3に示すように、エンジンECU60は、ステップST4では、ステップST2で求めた最適開度θsuitとステップST3で求めた制限開度θthrlmtとを比較し、最適開度θsuitが制限開度θthrlmt以上であるか否かを判定する。最適開度θsuitが制限開度θthrlmt以上ということは、最適開度θsuit=制限開度θthrlmtも含む概念である。
【0074】
最適開度θsuitが制限開度θthrlmt以上である場合は、ステップST5に進む。ステップST5では、エンジンECU60は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を制御する際の目標開度θtargetに、最適開度θsuitを設定する。ここで言う目標開度とは、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を制御する際の目標値である。
【0075】
最適開度θsuitが制限開度θthrlmt以上であることによって、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の圧力は、限界負圧値Pより大きくとなることはない。このため、最適開度θsuitを目標開度θtargetに設定しても、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分の負圧は、限界負圧値Pより大きくとなることはない。ついで、ステップST7に進む。
【0076】
ステップST7では、エンジンECU60は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34のバルブ駆動部34bを制御して、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を、目標開度θtargetにする。なお、上記したように、エンジンECU60は、開度に対応するスロットルバルブ34aの回転角度の情報を有しているので、この情報に基づいて、スロットルバルブ34aを、最小開度を基準とした上記回転角度の位置に合わせる。
【0077】
ステップST4において、最適開度θsuitが限界開口面積Fthrlmt未満であると判定されると、ステップST4からステップST6に進む。ステップST6では、エンジンECU60は、制限開度θthrlmtを目標開度θtargetとする。最適開度θsuitが制限開度θthrlmt未満である場合、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を最適開度θsuitにすると、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に作用する負圧が、限界負圧値Pより大きくなる。
【0078】
最適開度θsuitが制限開度θthrlmt未満の場合、制限開度θthrlmtを目標開度θtargetにすることによって、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間に作用する負圧は、限界負圧値Pより大きくなることはない。
【0079】
図7は、自動車1のある運転状態にあるときの、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の最適開度θsuitを示すグラフである。図7の横軸は、時間を示している。横軸は、矢印pに沿って進むにつれて時間が経過することを示す。図7の縦軸は、最適開度θsuitを示している。縦軸は、矢印qに沿って進むにつれて、最適開度θsuitが大きくなることを示す。
【0080】
図8は、エンジンECU60が制限開度を求めず図7に示される最適開度θsuitを目標開度としてバルブ駆動部34bを制御した場合の、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間に作用する負圧値を示している。図8の横軸は、図7と同じ時間を示している。図8の縦軸は、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間に作用する負圧値を示している。図8の縦軸は、矢印rに沿って進むにつれて、負圧値が大きくなることを示している。
【0081】
図8に示すように、時間t1,t2,t3のときに、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間に作用する負圧が限界負圧値Pよりも大きくなっている。
【0082】
図9は、図7に示される自動車1の運転状態での、制限開度θthrlmtを示している。図9の横軸は、図7と同じ時間を示している。図9の縦軸は、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の制限開度θthrlmtを示している。縦軸は、矢印sに沿って進むにつれて制限開度θthrlmtが大きくなることを示す。
【0083】
図10は、図7に示される最適開度θsuitと図9に示される制限開度θthrlmtとをステップST4で比較した結果得られた目標開度θtargetを示している。図10の横軸は、図7と同じであり、時間を示している。縦軸は、目標開度θtargetを示している。縦軸は、矢印uに沿って進むにつれて目標開度θtargetが大きくなることを示している。
【0084】
図3に示されるフローチャートでは、図10に示す時間t1,t2,t3のときに、ステップST4において、目標開度θtargetとして制限開度θthrlmtが採用される。
【0085】
図11は、エンジンECU60が、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度が図10に示す目標開度θtargetになるようにバルブ駆動部34bを制御したときの、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に作用する負圧値を示している。図11の横軸は、図7と同じ時間を示している。図11の縦軸は、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に作用する負圧を示している。縦軸は、矢印vにそって進むにつれて負圧が大きくなることを示す。
【0086】
図11に示すように、時間t1,t2,t3で目標開度θtargetとして制限開度θthrlmtが採用されたため、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に作用する負圧は、限界負圧値Pより大きくならない。
【0087】
エンジンECU60は、ステップST7で、低圧EGR用スロットルバルブ装置34の開度を目標開度θtargetにするべくバルブ駆動部34bを制御すると、ステップST1に戻る。ディーゼルエンジン20の駆動が停止されるまでは、エンジンECU60は、ステップST1〜ST7の動作を繰り返す。
【0088】
ディーゼルエンジン20の駆動が停止されると、エンジンECU60の動作が停止される。
【0089】
また、エンジンECU60は、ディーゼルエンジン20の運転状態に応じて燃焼室21a〜21dに排気Hを導くときは、低圧EGR用バルブ73と高圧EGR用バルブ83とを開き、吸気通路31に排気Hを導く。
【0090】
このように構成される内燃機関装置10では、制限開度θthrlmtが最適開度θsuit以上となるときには、制限開度θthrlmtを目標開度θtargetとする。このことによって、ディーゼルエンジン20の最適に運転される状態を保ちつつ、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に作用する負圧が限界負圧値より大きくなることがない。
【0091】
また、制限開度θthrlmtを検出するために、低圧EGR用スロットルバルブ装置34を通過する空気の温度T1と、吸入空気量Gと、圧力P1と検出を用いるので、制限開度θthrlmtを容易に検出することができる。
【0092】
つぎに、本発明の第2の実施形態に係る内燃機関装置を、図12を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、限界負圧値Pの求め方のみが第1の実施形態と異なる。他は、第1の実施形態と同じである。このため、内燃機関装置の構造は、第1の実施形態と同じであるので、符号10を付す。また、内燃機関装置10の限界負圧値Pの求める動作以外の動作は、第1の実施形態と同じである。
【0093】
本実施形態では、限界負圧値Pは、第1の実施形態のように予め決定される1つの値ではなく、ディーゼルエンジン20の運転状態に基づいて決定される。エンジンECU60は、ディーゼルエンジン20の運転状態に応じて決定される限界負圧値Pの情報を予め備えている。この情報は、例えば実験などによって求められている。
【0094】
本実施形態では、ディーゼルエンジン20の運転状態の一例として、ディーゼルエンジン20と回転数(rpm)の情報と、ディーゼルエンジン20の作用するエンジン負荷の情報とが用いられる。エンジンECU60は、ディーゼルエンジン20と回転数(rpm)と、ディーゼルエンジン20の作用する負荷とに応じて決定される限界負圧値Pを示す情報を予め記憶している。ディーゼルエンジン20の回転数と、ディーゼルエンジン20に作用する負荷とに応じて決定される限界負圧値Pは、予め実験によって求められている。
【0095】
図12は、ディーゼルエンジン20の回転数(rpm)と、ディーゼルエンジン20に作用する負荷とに応じて決定される、吸気通路31においてスロットルバルブ34aと第1の部分51との間の部分に作用する限界負圧値Pを示すマップである。このマップは、上記情報の一例である。
【0096】
図12の横軸は、ディーゼルエンジン20の回転数を示す。横軸は、矢印aに沿って進むにつれて、回転数が大きくなることを示す。図12の縦軸は、ディーゼルエンジン20に作用するエンジン負荷を示している。縦軸は、矢印bに沿って進むにつれて、エンジン負荷が大きくなることを示す。
【0097】
本実施形態では、エンジンECU60は、図4に示すステップST33では、図示しない手段によってエンジン負荷と回転数とを検出するとともに、これら検出結果と図12に示すマップとに基づいて、限界負圧値Pを求める。
【0098】
本実施形態では、第1の実施形態と同様の作用と効果とを得ることできる。さらに、限界負圧値Pが、ディーゼルエンジン20の運転状態に応じて求められることによって、限界負圧値Pを、より適切な値にすることができる。
【0099】
なお、第1,2の実施形態では、本発明で言うエンジンの一例として、ディーゼルエンジンが用いられたが、これに限定されない。例えば、ガソリンエンジンが用いられてもよい。
【0100】
また、第1,2の実施形態では、低圧EGR装置70と、高圧EGR装置80とが用いられている。しかしながら、低圧EGR装置70と、高圧EGR装置80とを備えていなくてもよい。本発明は、第1,2の実施形態のように、吸気通路31において過給機の上流に燃焼室に供給される吸気の量を調整するバルブを備える内燃機関装置に用いられることによって、同様の作用と効果とが得られる。
【0101】
また、第1,2の実施形態では、エンジンECU60は、本発明で言う、制限開度算出手段の一例であり、目標開度算出手段の一例であり、バルブ駆動手段の一例である。
【0102】
また、第1,2の実施形態では、本発明で言う過給機の一例として、ターボチャージャ50が用いられた。しかしながら、これに限定されない。例えば、スーパーチャージャが用いられてもよい。
【0103】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0104】
10…内燃機関装置、20…ディーゼルエンジン(内燃機関)、31…吸気通路、34a…スロットルバルブ、50…ターボチャージャ(過給機)、60…エンジンECU(制限開度算出手段、目標開度算出手段、バルブ駆動手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関に連結される吸気通路と、
前記吸気通路に設けられる過給機と、
前記吸気通路において前記過給機の上流に設けられるスロットルバルブと、
前記吸気通路において前記過給機と前記スロットルバルブとの間の部分に作用する圧力が所定値となる前記スロットルバルブの制限開度を算出する制限開度算出手段と、
前記制限開度算出手段が算出した前記スロットルバルブの制限開度と、前記内燃機関の状態に応じて決定される前記スロットルバルブの最適開度とを比較し、前記最適開度が前記制限開度以上であると、前記スロットルバルブの開度の目標値である目標開度を前記最適開度とし、前記最適開度が前記制限開度未満であると、前記目標開度を前記制限開度とする目標開度算出手段と、
前記目標開度算出手段の検出結果に基づいて前記スロットルバルブを開閉するバルブ駆動手段と
を具備することを特徴とする内燃機関装置。
【請求項2】
前記制限開度算出手段は、前記吸気通路において前記過給機と前記スロットルバルブとの間の部分に作用する圧力の前記所定値と、前記吸気通路において前記スロットルバルブの上流の圧力と、前記吸気通路において前記スロットルバルブの上流を流動する空気の温度と、吸入空気量とを検出し、これらの値に基づいて前記制限開度を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関装置。
【請求項3】
前記過給機と前記スロットルバルブとの間の部分に作用する圧力の前記所定値は、前記内燃機関の回転数と、該内燃機関の負荷に基づいて求められる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−172659(P2012−172659A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38736(P2011−38736)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】