説明

内部にアセンブリが配置されるハウジング

本発明は、ポテンショメータ、スイッチ、調整偏心器、調整ねじなどの少なくとも1つのアクチュエータ(3)と、少なくとも1つのアクチュエータ(3)を作動させるための作動要素(5)とを備えるアセンブリ(2)が内部に配置されるハウジング(1)であって、アクチュエータ(3)がハウジング(1)の外壁(6)に隣接して配置され、作動要素(5)には、外壁(6)に面するその前方領域に作動工具のためのレセプタクル(15)が設けられ、該レセプタクルが、作動工具の作動経路を画定する外壁(6)の切り欠き(14)の領域内に位置するハウジング(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポテンショメータ、スイッチ、調整カム、調整ねじなどの少なくとも1つのアクチュエータと、少なくとも1つのアクチュエータを作動させるための作動要素とを備えるアセンブリが内部に配置されるハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
ポテンショメータ、すなわち可変抵抗器や、スイッチなどは、調節目的のために電子回路で使用され、これらのアクチュエータは、一般に、いわゆる回路基板上に半田付けされる。アクチュエータを作動させるために作動要素が使用され、作動要素を使用して設定位置を変化させることができる。
【0003】
高品質アクチュエータの場合、したがって比較的高価なアクチュエータの場合も、これらのアクチュエータは、それらの作動要素がアクチュエータ自体の構造全体に組み込まれるように設計される。
【0004】
また、簡単で費用効率の高い構造を有し、後で作動要素が設けられるアクチュエータが知られている。
【0005】
調整カムや調整ねじなどの純粋に機械的なアクチュエータも知られている。そのようなアクチュエータは、過負荷が損傷をもたらす場合がある実施形態で設けられる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、少なくとも1つの費用効率の高いアクチュエータが使用され、このアクチュエータには作動要素が設けられ、この作動要素が該作動要素の作動時の機械的な歪みをアクチュエータから大幅に遠ざけることができるようにハウジングに組み込まれる、といった類に係るタイプのハウジングを開示するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、アクチュエータがハウジングの外壁に隣接して配置され、作動要素の、外壁の方に向く前側の領域には作動工具のための受け部が設けられ、該受け部が、アクチュエータの作動行程を定める外壁の切欠きの領域内にあるという点において、本発明にしたがって達成される。
【0008】
したがって、少なくとも1つのアクチュエータのための作動要素は、アクチュエータ自体とハウジングの外壁との間に配置され、適切な工具を使用してハウジング壁の切欠きを通じてのみ作動させることができる。
【0009】
したがって、回転により作動され得る作動要素の場合と、移動により作動され得る作動要素の場合ではいずれも、調整行程が外壁の切欠きのサイズによって定められ、また、調整行程が完全に使い果たされると作動工具が切欠きの外縁に押し付けられるため、アクチュエータ自体の過度の機械的歪みがほぼ完全に排除され、それにより、調整手続き中のぎこちない作業の場合であっても、アクチュエータの損傷が回避される。
【0010】
本発明の改良は、外壁の内部の切欠きの周囲領域に位置する捕捉部が設けられ、該捕捉部には、作動要素に付設される捕捉突起が係合する。
【0011】
したがって、アクチュエータのロック設定を簡単な方法で行なうことができ、捕捉ステップ数は、切欠きの関連する周囲領域の構造にしたがって考えられ、及び/又は、多数の、或いは少数の捕捉突起を作動要素に付設することによって考えられる。
【0012】
作動要素(少なくとも捕捉突起の領域における作動領域)、及び/又は、捕捉部の領域における外壁が、弾力をもって構成されれば特に有益である。
【0013】
設計により弾力性を予め規定することができるため、特定の用途にしたがって個々の想定し得る捕捉位置の動きの容易性又は困難性を設計できる可能性が存在する。
【0014】
本発明の更なる特徴が更なる従属請求項の主題である。
【0015】
本発明の好ましい典型的な実施形態が添付図面に示されており、以下、この実施形態について更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るハウジングの部分斜視図を示している。
【図2】図1の矢印IIの方向におけるハウジングの図1に対して拡大された分解図を示している。
【図3】図1に係る視野方向での部分拡大図を示している。
【図4】図2に係る視野方向でのハウジングの部分拡大図を示している。
【図5】アクチュエータ及びアクチュエータのための作動要素の領域におけるハウジングの概略断面図を示している。
【図6】aは作動要素の図を示し、bは作動要素の図を示している。
【図7】アクチュエータの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜図4のそれぞれにはハウジングが参照符号1により示されており、このハウジング1内には、図5に示されるように、少なくとも1つのアクチェータ3を有するアセンブリ2(概略的にのみ示される)が位置している。
【0018】
概していうと、アセンブリ2は、例えば、前述した少なくとも1つのアクチュエータ3と回路基板4とを備える。
【0019】
具体的なケースにおいて、アクチュエータ3は、作動要素5を回転させることにより調整できるポテンショメータである。
【0020】
また、図5に明示されるように、アクチュエータ3は、ハウジング1の外壁6に隣接して位置している。
【0021】
作動要素5は、ドライバ機能を有する作動軸7を設けており、アクチュエータ3に係合している。作動軸7は回路基板4の貫通穴8を通過している。作動要素5の肩部9は、外壁6の方に向く回路基板4の面に支持される。作動要素5には、外壁6の方に直接に対向する前面に、設定ディスク10が設けられている。この設定ディスク10は、外壁6の内部又は外壁6の内側の凹部11の底部に押し付けられて、この凹部11の縁部領域で径方向に支持され、それにより、この領域内でかかる径方向の力を吸収できる。回路基板4と外壁6に対する設定ディスク10の接触面との間の距離は、設定ディスク10と外壁6との間に特定の付勢力が生じるように選択される。
【0022】
図2及び図4から明らかなように、凹部11の底部の外周には捕捉部12が設けられている。
【0023】
作動要素5には、外壁6の方に向く設定ディスク10の前面に、作動要素5の回転位置に応じて外壁6の捕捉部12に係合する捕捉突起13が設けられている。
【0024】
図示の典型的な実施形態では、外壁6に扇状の切欠き14が設けられている。
【0025】
設定ディスク10には、作動工具(図示せず)のための受け部15が設けられ、この受け部15は外壁6の切欠き14の領域内にある。これは、特に図3から明確に認識できる。
【0026】
設定ディスク10及び/又は外壁6の切欠き14の外周領域は、作動要素6の作動軸7の方向に弾力があるように構成されている。
【0027】
これは、例えば、ハウジング1及び作動要素5全体の両方が、対応のばね特性を有する適切なプラスチックから形成されるという簡単な方法で達成できる。前述したように、設定ディスク10は特定の付勢力を伴って外壁6の内側の切欠き14の周囲領域に押し付けられるため、捕捉突起13は、ばね付勢力により設定位置の固定を達成しつつ捕捉部12に係合される。
【0028】
設定ディスク10は、ねじ回しなどの作動工具を受け部15内に挿入した後に作動軸7を中心にして設定ディスク10を回転させることにより作動される。作動工具は切欠き14の領域でハウジング1の外壁6を貫通し、そのため、作動工具が切欠き14の特定の前部限界縁部にぶつかるまで設定ディスク10を回転させることしかできない。これが比較的高い力を加えて行なわれる場合であっても、作動アクチュエータ3はこの方法においては機械的な影響を受けず、これも最終的には軸線方向の付与力をもたらすものと思われる。それらの力の大部分が回路基板4に当接する作動要素5の肩部9によって吸収されるからである。
【0029】
捕捉部12と補足突起13とによる調整中に段階的な中間位置が設定されてもよく、これらの位置は、外壁6の外面に適用されるマーキング16によって視覚的に明確にされてもよい。
【0030】
図示の典型的な実施形態の代替案として、特にスイッチがこのようなアクチュエータ3として作動されるようになっている場合には、回転可能な作動要素5の代わりに移動可能な作動要素5を設けることもできる。この場合、工具が挿入される受け部を作動要素5に設けることもでき、工具を使用して外壁6の切欠き14内で作動要素5を移動させることができる。また、この手段の場合には、作動工具が移動行程の終端で切欠き14の前縁に押し付けられ、それにより、ここでは、アクチュエータ3自体の過負荷も防止される。
【0031】
作動要素5、特にここでは切欠き14の領域内に位置する作動要素の部位をLEDによってハウジング1の内部から照明することができ、それにより、作動要素5の凹部15又は外壁6の切欠き14の全領域が視覚的に明確に認識される。無論、任意の他の適した発光体が使用されてもよい。
【0032】
回路基板4及び少なくとも1つのアクチュエータ3は、引出し又は同等の家具部品の電気的な駆動を制御するために有利に使用されてもよい。
【0033】
いかなる場合でも、本発明は、機械的安定性を特別に考慮することなく比較的費用効率の高い方法で製造されるアクチュエータを使用できるという利点を与える。これは、アクチュエータの機械的損傷が前述した構成によって実質的に防止されるからである。
【0034】
これは、機械部品又は微細機械部品だけがアクチュエータ3として設けられる場合にも当てはまる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポテンショメータ、スイッチ、調整カム、調整ねじなどの少なくとも1つのアクチュエータ(3)と、前記少なくとも1つのアクチュエータ(3)を作動させるための作動要素(5)とを備えるアセンブリ(2)が内部に配置されるハウジング(1)において、
前記アクチュエータ(3)が前記ハウジング(1)の外壁(6)に隣接して配置され、前記作動要素(5)には、前記外壁(6)の方に向く前側の領域に、作動工具のための受け部(15)が設けられ、前記受け部が、前記アクチュエータの作動行程を定める前記外壁(6)の切欠き(14)の領域内に位置することを特徴とする、ハウジング。
【請求項2】
前記外壁(6)の内部における前記切欠き(14)の周囲領域に位置する捕捉部(12)が設けられ、前記捕捉部には、前記作動要素(5)に付設される捕捉突起(13)が係合することを特徴とする、請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記捕捉突起(13)が弾力のある態様で前記捕捉部(12)に係合することを特徴とする、請求項2に記載のハウジング。
【請求項4】
前記作動要素(5)及び/又は前記外壁(6)が、前記切欠き(14)の周囲領域において、前記作動要素(5)の軸線方向に弾力があるように構成されることを特徴とする、請求項3に記載のハウジング。
【請求項5】
前記アクチュエータ(3)が回路基板(4)上に位置するポテンショメータであり、前記ポテンショメータにはドライバ機能を有する作動軸(7)が係合することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項6】
前記作動軸(7)が前記回路基板(4)の貫通穴(8)を通過し、前記作動要素(5)には、前記外壁(6)の方に向く面に、肩部(9)が設けられ、該肩部が前記回路基板(4)に支持され、設定ディスク(10)が前記外壁(6)に押し付けられることを特徴とする、請求項5に記載のハウジング。
【請求項7】
前記ハウジング(1)及び前記作動要素(5)がプラスチックから形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項8】
前記切欠き(14)の領域をLEDなどの前記ハウジング(1)内に設置される少なくとも1つの発光体によって照明できることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項9】
引出し又は同等の家具部品の電気的駆動を制御するために前記回路基板(4)及び前記少なくとも1つのアクチュエータ(3)が設けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハウジング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−507117(P2011−507117A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538520(P2010−538520)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065246
【国際公開番号】WO2009/080402
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(504467554)ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー (62)
【Fターム(参考)】