内部間隔を有する非平面状ソーラーユニットの組立品
共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された非平面状ソーラーユニットを有する太陽電池組立品を備える太陽電池配列を提供する。複数の太陽電池ユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニット間に直射日光を通すことができる。複数のソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月30日に出願した米国特許出願第11/396,069号の優先権を主張するものである。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、ソーラーユニットの配列に関するものである。より具体的には、本発明は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を最適化するために太陽電池パネル又は太陽電池アレイ内に非平面状ソーラーユニットを空間的に配列するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.発明の背景)
今日、電力会社が直面している問題の1つは、昼間のピーク時とオフピーク時とで、送電網に対する総エネルギー需要が大きく変動することである。このことは、電力業界について特にいえる。いわゆるピーク需要期間若しくは負荷制限間隔とは、送電網への適切なサービスを維持するために負荷制限が必要になる可能性のある発電機器に対する非常に高い需要のある期間のことである。これらは、例えば、暑い夏の日に、空調装置が同時に広範囲にわたって使用されると発生する。典型的には、負荷制限間隔は、何時間も続くことがあり、通常は、正午から午後6時までの時間帯などの日中の最も暑いときに発生する。ピークは、電熱装置の使用があたりまえである地域の冬の最も寒い数ヶ月間にも発生し得る。実際、所要電力は、意図された目標を達成しようと試みているエネルギー消費者のエネルギー需要の変動だけでなく、電気エネルギーの価格に関係する環境規制及び市場要因によっても変化する可能性がある。以前には、非常に高いピーク需要に応えるために、業界は、発電力及び発電機器の増大への投資、又はそのような投資を行った他の電力会社からのいわゆる「ピーク」電力の購入への投資に膨大な資金の投入を強いられた。
【0004】
変動するエネルギー需要に対応するために、エネルギー生産者は、生産し、出力しているエネルギーを個別に調節し、及び/又は互いに連携して、出力エネルギーをまとめて調節することができる。電力会社のインフラに対する需要を緩和する一方法は、太陽電池などの代替え発電源を使用することである。しかし、太陽電池の発電能力は、日射に曝された期間に制限される。当該技術分野における既存の太陽電池システムは、入射日射が比較的小さな入射角を有している正午頃にピーク能力に到達する。一般に、太陽電池システムのピーク効率は、ピーク電力需要の前に発生する。図1B及び1Cに例示されているように、ピーク電力需要は、地理的な配置及び季節の変化に関して日中の数時間の間に変化する。例えば、図1Cに例示されているように、電力需要は、California(カリフォルニア)州では12月の午後6時及び午後7時頃の夕方時間帯にピークに達する。2006年3月28日、Canada(カナダ)Ontario(オンタリオ)州では、電力需要が、午前9時頃に1回、午後9時頃にもう1回と、ほとんど2回ピークに達した。図1Bは、1998年のCalifornia(カリフォルニア)州の電力需要の大規模な変化を示している。全体として、California(カリフォルニア)州の1998年の電力需要は、午後4時頃にピークに達した。図1Bは、さらに、ピーク時間帯が夕方時間帯にずれ込むのが、もっぱら住宅での電力使用によるものであることを示している。したがって、独立系電力系統運用者(Independent Electricity System Operator)(IESO)及びAlberta(アルバータ)州電力系統運用者(Alberta Electricity System Operator)(AESO)などの電力網管理者は、時間とともに変化する電力需要及び使用度を追跡する高度なシステムを開発した。時間の経過とともに変化する電力網要件に関する補足情報は、独立系電力系統運用者(Independent Electricity System Operator)(IESO)、Alberta(アルバータ)州電力系統運用者(Alberta Electricity System Operator)(AESO)によって運営されているウェブサイト、さらにはAC Propulsion Inc.社から入手可能である。
【0005】
太陽電池は、典型的には、4〜6cm2以上のオーダーの光収集表面積を持つ独立した物理的実体として加工される。このような理由から、発電用途では、その光収集面が単一の大きな光収集面に近似するように個々の太陽電池を支持基板又はパネル上に平面アレイとして実装することが標準的技法となっている。また、それぞれの太陽電池自体が発生する電力量はごくわずかであるため、必要な電圧及び/又は電流は、直列及び/又は並列のマトリックスの形でアレイの太陽電池を相互接続することにより実現される。
【0006】
従来技術の太陽電池構造は、図1Aに示されている。異なる層の厚さは広い範囲にわたるため、層は略図で示されている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池と「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように大幅に略した図である。一般に、光を吸収するために間接バンドギャップ材料を使用する太陽電池は、典型的には、「厚膜」太陽電池として構成されるが、それは、十分な量の光を吸収するためには吸収体層の厚膜が必要だからである。光を吸収するために直接バンドギャップ材料を使用する太陽電池は、典型的には、「薄膜」太陽電池として構成されるが、それは、十分な量の光を吸収するためには直接バンドギャップ材料の薄い層のみがあればよいからである。
【0007】
図1Aの一番上にある矢印は、太陽電池上の直射日光照射源を示している。層102は、基板である。ガラス又は金属が、よく使われる基板である。薄膜太陽電池では、基板102は、ポリマーベースのバッキング、金属、又はガラスとしてよい。場合によっては、基板102を被覆する封止層(図に示されていない)がある。層104は、太陽電池用のバック電気接点である。
【0008】
層106は、半導体の吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーミック接触をする。すべてではないが多くの場合、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を十分吸収するだけの厚さを有する。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池によく見られるタイプの接合である。p-n接合ベースの太陽電池では、半導体吸収体層106が、p型ドープ材料である場合、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106が、n型ドープ材料である場合、接合パートナー108は、p型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりもかなり薄い。例えば、場合によっては、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、日射に対し非常に透過的である。接合パートナー108は、光を下にある吸収体層106に通すので窓層とも呼ばれる。
【0009】
典型的な厚膜太陽電池では、吸収体層106及び窓層108は、同じ半導体材料から作ることができるが、異なるキャリアタイプ(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を持ち、2つの層に相異なるp型及びn型の特性を付与する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(copper-indium-gallium-diselenide)(CIGS)が吸収体層106である薄膜太陽電池では、CdSを使用して接合パートナー108を形成した結果、高効率の太陽電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料は、限定はしないが、SnO2、ZnO、ZrO2、及びドープZnOを含む。
【0010】
層110は、対向電極であり、それで機能太陽電池が完成する。接合部から電流を引き込むために対向電極110が使用されるが、それは、接合パートナー108は一般に抵抗が高すぎてこの機能を発揮できないからである。したがって、対向電極110は、高い導電性と、光透過性を有しているべきである。対向電極110は、実際には、離散層を形成するよりはむしろ、層108上に印刷された金属の櫛型構造とすることができる。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(indium-tin-oxide)(ITO)、酸化錫(tin oxide)(SnO2)、又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明導電酸化物(transparent conductive oxide)(TCO)である。しかし、TCO層が存在しているとしても、母線ネットワーク114は、典型的には、電流を引き出すために従来の太陽電池において必要であるが、それというのも、TCOの抵抗が高すぎて、大きな太陽電池ではこの機能を効率よく発揮できないからである。ネットワーク114は、金属接点に到達するためにTCO層内で電荷キャリアが移動しなければならない距離を短縮し、これにより、抵抗損失が減る。金属母線は、格子線とも呼ばれ、例えば銀、鋼、又はアルミニウムなどの十分に導電性の高い金属で作ることができる。ネットワーク114の設計では、導電性は高いが、光が比較的通りにくい、太い格子線と、導電性は低いが、光が比較的通りやすい細い格子線との間に設計上のトレードオフの関係がある。金属バーは、好ましくは、光線を層110に通せる櫛形配列で構成される。母線ネットワーク層114及び層110は、組み合わされることで、単一の金属ユニットとして働き、機能的には第1のオーミック接触部とインターフェイスし、収電回路を形成する。参照により本明細書に組み込まれている、Sverdrupらの米国特許第6,548,751号では、組み合わせた銀製母線ネットワーク及びインジウム-錫酸化物層が、単一の透明なITO/Ag層として機能するものとしている。
【0011】
層112は、太陽電池内にかなりの量の余分な光を入れることができる反射防止膜となっている。太陽電池の意図された用途によっては、この層は、図1Aに例示されているように一番上の導体に直接堆積させることも可能である。それとは別に、又はそれに加えて、反射防止膜112を、上部電極110に重なる別のカバーガラス上に堆積させた。理想的には、反射防止膜は、太陽電池の反射を光電吸収が生じるスペクトル領域上でゼロに極めて近くなるまで低減し、それと同時に、他のスペクトル領域の反射を高めて、発熱を減らす。参照により本明細書に組み込まれている、Aguileraらの米国特許第6,107,564号では、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜を説明している。場合によっては、反射防止膜112は、例えばプラズマ励起化学蒸着により堆積されたSiNxからなる。場合によっては、反射防止膜112は、例えば化学蒸着により堆積されたTiOxからなる。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上ある。例えば、空気から半導体接合層への屈折率が増える、λ/4設計の二重層膜を使用することができる。このような設計の1つは、蒸着SZn及びMgF2を使用する。
【0012】
太陽電池は、典型的には、ごくわずかの電圧を発生するだけである。例えば、シリコンベースの太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を発生する。したがって、より大きな電圧を得るためには、太陽電池を直列又は並列に相互接続する。直列に接続した場合、個々の太陽電池の電圧は、電流が同じままで、足し合わされる。したがって、太陽電池を直列に配列した場合、並列に配列された同様の太陽電池と比較して、それぞれの太陽電池内を流れる電流の量が減少し、それにより効率が高められる。図1Aに例示されているように、太陽電池の直列の配列は、相互接続部116を使用してなされる。一般に、相互接続部116は、一方の太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気的に連絡させるものである。
【0013】
上記のように、また図1Aに例示されているように、従来の太陽電池は、典型的には、板構造の形態をとる。このような太陽電池は、小さいときには非常に効率的であるけれども、大きな平面状太陽電池だと、効率が低下する。これは、このような太陽電池内の接合を形成する半導体膜を均一にするのが難しいためである。さらに、平面状太陽電池が大型化すると、ピンホール及び類似の欠陥の発生が増える。これらの特徴により、接合部にシャントが生じ得る。円筒状太陽電池は、平面状太陽電池のこれらの欠点の一部を免れる。円筒状太陽電池の加工技術では、例えば、ピンホール及び類似の欠陥の発生率を減らすことができる。円筒状太陽電池の例は、例えば、Asiaらの米国特許第6,762,359B2号、Mlavskyの米国特許第3,976,508号、Weinstein及びLeeの米国特許第3,990,914号、さらには凸版印刷株式会社の日本特許出願第S59-125670号に見られる。
【0014】
従来技術に見られる太陽電池は、大いに役立つ。これらは、電力会社が直面している問題点のうちのいくつかを解消するために使用され得る。さらに、これは、石炭火力発電、ダム水力発電、又は原子力発電の資源を低減する可能性を有するクリーンな代替えエネルギー源となる。実際、太陽電池は、広い場所に配列され、この形で、既存の電力系統に寄与し得る。さらに、太陽電池は、従来のユーティリティコストを削減するために個別の世帯主及びビル所有者側で使用することができる。しかし、従来技術に見られる円筒状太陽電池には、電力会社及びエネルギー消費者が直面している問題を完全には解消しない欠点がある。第1に、日射の収集時に、円筒状太陽電池は熱を発生して高温になる。これは、冷却要件として知られている。第2に、平面アレイで配列された場合、円筒状太陽電池は、隣接する太陽電池に影を投げかけ、その結果、直達日射に曝される太陽電池表面積が減少することが多い。これは、シャドウイング効果として知られている。第3に、多くの場合、このような太陽電池に、太陽電池が必ず一日中太陽の方を向いているようにする精巧な追跡機構を装備する必要がある。これは、追跡要件として知られている。
【0015】
図1Dを参照すると、シャドウイング効果が詳しく説明されている。円筒状太陽電池1は、基板4上に互いに隣接する形で配置される。早朝又は夕方近くに、入射日射5が小さな入射角で太陽電池表面に当たる。その結果、複数の太陽電池が、隣接する太陽電池に大きな影を投げかける。図1Dに示されているように、隣接する太陽電池間の陰影領域3は、直達日射のない、影の中にある。シャドウイング効果は、知られている太陽電池システムに対する昼過ぎの出力ピークに大きく関わっている。しかし、多くの地域共同体におけるピーク電力需要は、人々が帰宅して、調理したり、暖房したり、冷房したりする必要がある午後かなり遅くなってから、また建物の屋根が長い間日光に曝されて建物の温度を上げ始め、これにより空調の負荷が上昇したときに発生する。太陽電池ピーク出力とピーク電力需要とが食い違っているため、従来の円筒状太陽電池が利用しにくいものとなっている。そこで、当該技術分野で必要なのは、隣接する太陽電池又は太陽電池が設置されている周辺に置かれている他の物体によるシャドウイング効果を低減するか、又はなくすことである。
【0016】
多くの従来の円筒状太陽電池システムに関連する追跡要件は、不利なものとなっている。当該技術分野では、太陽電池システムの効率を高めるために、追跡デバイスが使用される。追跡デバイスは、太陽に追随するため時間とともに太陽電池を移動する。太陽の移動を追跡するために、このシステムの光軸は、1日及び1年を通して、太陽に向くように連続的に、又は定期的に機械により調節される。いくつかの実施態様では、追跡デバイスは、2つ以上の軸で移動される。従来の追跡デバイスは、太陽電池の電力出力を高める。しかし、このような追跡デバイスに関連する定期的な機械的調節は、比較的複雑な、ときには精巧な、そして多くの場合、費用のかかる構造を必要とする。それに加えて、追跡デバイスを調節するために電力が必要であり、そのため、システムの全体的な効率が低下する。
【0017】
上記の欠点はそれぞれ、円筒状太陽電池の性能及び/又は円筒状太陽電池を製造するコストに悪影響を及ぼす。シャドウイング効果の欠点を有する例示的な太陽電池は、Asiaらの米国特許第6,762,359B2号、Mlavskyの米国特許第3,976,508号、Weinstein及びLeeの米国特許第3,990,914号、及び凸版印刷株式会社の日本特許出願第S59-125670号で開示されているような円筒状及び非円筒状の両方の太陽電池を含む。
【0018】
冷媒を太陽電池内の管に通す、又は太陽電池をそれ自体冷却される基板上に配置するなどの太陽電池を冷却する方法が、当該技術分野において開示されている。例えば、Asiaらの米国特許第6,762,359B2号、及び1995年5月24日に公開されたTwin Solar-Technik Entwicklungs-GmbHのドイツ無審査特許出願第DE 43 39 547 A1号(これ以降「Twin Solar」と呼ぶ)を参照のこと。しかし、これらの参考文献において開示されているシステムは、コストが高いという点で不満足なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記の背景を考慮すると、当該技術分野で必要なのは、特にピーク電力需要時に、円筒状太陽電池を冷却し、隣接する円筒状太陽電池同士が及ぼし合うシャドウイング効果を低減する費用効果の高い方法及びシステムである。好ましくは、このようなシステム及び方法は、追跡要件が最低限であることである。
本明細書でなされている参照の説明又は引用は、そのような参照が本出願の従来技術のものであることを認めたと解釈されない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(3.要旨)
本出願の一態様は、第1の複数の隣接する非平面状ソーラーユニット対を形成するように共通平面内に互いに平行又はほぼ平行に配列された第1の複数の非平面状ソーラーユニットを有する第1の太陽電池組立品を備える太陽電池配列を提供する。本明細書で使用されているように、ソーラーユニット対という用語は、単に、太陽電池配列内で互いに隣接する2つのソーラーユニットを意味することを意図している。ソーラーユニットは、例えば、太陽電池、複数の太陽電池を備えるモノリシック集積化されたソーラーモジュール、又は複数の太陽電池を備える非モノリシック集積化されたソーラーモジュールとすることができる。第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の多数の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、それぞれスペーサー距離で互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通すことができる。第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れている。いくつかの実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも大きい。他の実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも小さい。
【0021】
いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、さらに、第2の複数の隣接する非平面状ソーラーユニット対を形成するように共通平面内に互いに平行又はほぼ平行に配列された第2の複数の非平面状ソーラーユニットを有する第2の太陽電池組立品を備える。第2の複数の非平面状ソーラーユニット内の多数の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1及び第2のソーラーユニットは、それぞれスペーサー距離で互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通すことができる。第2の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れている。さらに、第1のソーラーユニット組立品及び第2のソーラーユニット組立品は、通路距離だけ互いから隔てられている。いくつかの実施態様では、この分離距離は、通路距離よりも大きい。
【0022】
いくつかの実施態様では、太陽電池配列内に20個以上、100個以上、或いは500個以上の非平面状ソーラーユニットがある。いくつかの実施態様では、複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットは、2センチメートルから6センチメートルまでの範囲の直径、5センチメートル以上の直径、或いは10センチメートル以上の直径を有する。いくつかの実施態様では、スペーサー距離は、0.1センチメートル以上、1センチメートル以上、5センチメートル以上、或いは10センチメートル未満である。いくつかの実施態様では、スペーサー距離は、第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径に少なくとも等しいか、又は大きい。いくつかの実施態様では、スペーサー距離は、第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径の2倍に少なくとも等しいか、又は大きい。いくつかの実施態様では、第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の第1の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1のソーラーユニットと第2のソーラーユニットとの間のスペーサー距離は、第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の第2の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる。いくつかの実施態様では、第1の複数の非平面状ソーラーユニット内のそれぞれの隣接する非平面状ソーラーユニット対におけるそれぞれの第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離は同じである。
【0023】
いくつかの実施態様では、設置面は、アルベド面と重なる。いくつかの実施態様では、アルベド面は、少なくとも60パーセントのアルベドを有する。いくつかの実施態様では、アルベド面は、ランベルト面又は拡散反射面である。いくつかの実施態様では、アルベド面は、自己洗浄層で覆われている。いくつかの実施態様では、分離距離は、25センチメートル以上、或いは2メートル以上である。
【0024】
いくつかの実施態様では、第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットは、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状のいずれかである基板、基板に円周方向に配置された背面電極、背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を備える。いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、さらに、非平面状ソーラーユニット上に円周方向にシールされた透明管状ケースを備える。場合によっては、透明管状ケースは、プラスチック又はガラス製である。場合によっては、基板は、プラスチック、ガラス、金属、又は金属合金を含む。場合によっては、基板は、管状であり、流体が、基板内を通過する。場合によっては、半導体接合部は、吸収体層及び接合パートナー層を備え、接合パートナー層は、吸収体層に円周方向に配置される。このようないくつかの実施態様では、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである。
【0025】
本出願のさらに他の実施態様は、複数の内部反射器を備える。複数の内部反射器における各内部反射器は、それぞれの内部反射器から反射された太陽光の一部が、対応する第1の非平面状ソーラーユニット上に反射されるように複数の非平面状ソーラーユニットにおける対応する第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間に構成される。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器は中空のコアを有する。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器はプラスチックケースを備え、プラスチックケース上には反射性材料の層が堆積される。いくつかの実施態様では、反射性材料の層は、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼である。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器は、反射性材料(例えば、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼)から作られた一体成形物である。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器は、金属箔テープ(例えば、アルミニウム箔テープ)が層として重ねられているプラスチックケースを備える。
【0026】
本出願のさらに他の態様は、複数の隣接する非平面状ソーラーユニット対を形成するように共通平面内に互いに平行又はほぼ平行に配列された複数の非平面状ソーラーユニットを有する太陽電池組立品を備える太陽電池配列を提供する。この太陽電池配列は、さらに、底部を有する箱形ケース及び複数の透明サイドパネルを備える。箱形ケースは、太陽電池組立品を収納する。第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の多数の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、それぞれスペーサー距離で互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通し、箱形ケースの底部に当てることができる。複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、底部から少なくとも分離距離だけ離れている。さらに、いくつかの実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも大きい。他の実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも小さい。いくつかの実施態様では、箱形ケースは、さらに、箱形ケースをシールし、かつ直達日射から複数の非平面状ソーラーユニットを遮蔽する最上層を備える。いくつかの実施態様では、最上位層の第1の側面は、反射防止膜でコーティングされ、最上層の第2の側面は、反射膜でコーティングされ、これにより、第1の側面は、箱形ケースから外側へ面し、第2の側面は、複数の非平面状ソーラーユニットの方へ箱形ケース内に面する。いくつかの実施態様では、複数の透明サイドパネルは、透明プラスチック又はガラスを含む。いくつかの実施態様では、複数の透明サイドパネルは、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラス(cereated glass)を使用する。いくつかの実施態様では、複数の透明サイドパネルは、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体、ポリウレタン/ウレタン、透明ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はこれらの組合せを使用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(5.詳細な説明)
本明細書で開示されるのは、いくつかの実施態様による新規な太陽電池配列の一部をなす非平面状ソーラーユニット内の要素の例示的な構造である。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニットは、以下で図2Aに関して説明されているような太陽電池であるか、又は以下で図2Bに関して説明されているようなソーラーモジュールとすることができる。いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、単一の太陽電池パネルを備える。いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、複数の太陽電池パネルを備える。
【0028】
(5.1 基本構造)
図2Aは、太陽電池200である非平面状ソーラーユニットの例示的な実施態様の断面を示している。いくつかの実施態様では、非平面状基板は、(i)管状であるか、又は(ii)硬質の中実物である。いくつかの実施態様では、非平面状基板は、柔軟な管、硬質管、硬質の中実物、又は柔軟な中実物である。図2Aに例示されているように、太陽電池200は、基板102、背面電極104、半導体接合部206、随意の真性層215、透明導電層110、随意の電極帯220、随意の充填剤層230、及び随意の透明管状ケース210を備える。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット200は、さらに、日射の吸収をさらに高める随意の蛍光膜及び/又は反射防止膜を備える。
【0029】
非平面状基板102。非平面状基板102は、太陽電池200の基板として使用される。いくつかの実施態様では、基板102のすべて又は一部は、非平面状の閉じた形状である。例えば、いくつかの実施態様では、基板102のすべて又は一部は、硬質管又は硬質中実棒である。いくつかの実施態様では、基板102のすべて又は一部は、中実、又は中空の円筒形状である。いくつかの実施態様では、基板102は、プラスチック、金属、又はガラス製の硬質管である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット200の全体的外形は、基板102と同じ形状である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット200の全体的外形は、基板102の形状と異なる。いくつかの実施態様では、基板102は、非繊維状である。
【0030】
いくつかの実施態様では、基板102は、硬質である。材料の硬質性は、限定はしないが、ヤング率を含む複数の異なる計量を使用して測定することができる。固体力学では、ヤング率(E)(ヤング率、弾性率、弾性係数、弾性率又は引張係数とも呼ばれる)は、与えられた材料の剛性の尺度である。これは、歪みが加わったときの応力の変化率の、小さな歪みに対する、比として定義される。これは、材料の試料に対し行われた引張試験のときに作成される応力歪み曲線の勾配から実験的に求めることができる。さまざまな材料に対するヤング率を以下の表にまとめた。
【表1】
【0031】
本出願のいくつかの実施態様では、材料(例えば、基板102)は、ヤング率が20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上、又は70GPa以上の材料から作られた場合に硬質であるとみなされる。本出願のいくつかの実施態様では、材料(例えば、基板102)は、その材料に対するヤング率が一定範囲の歪みに対し定数である場合に硬質であるとみなされる。そのような材料は、線形であると呼ばれ、フックの法則に従うといわれる。いくつかの実施態様では、基板102は、フックの法則に従う線形材料から作られる。線形材料の例は、限定はしないが、鋼、カーボンファイバー、及びガラスを含む。ゴム及び土(非常に低い歪みの場合を除く)は、非線形材料である。
【0032】
本出願は、硬質円筒形状を有するか、又は中実棒である基板に限定されない。基板102のすべて又は一部は、図2Aに示されている円形以外の多くの形状のうちのどれか1つを境界とする断面により特徴付けることができる。この境界形状は、円形、卵形、又は1つ以上の滑らかな曲面、若しくは滑らかな曲面の継ぎ合わせにより特徴付けられる形状のうちの1つとすることができる。境界形状は、nを3、又は5以上とするn角形としてよい。境界形状は、さらに、本質的に直線的形状としてもよく、例えば、三角形、矩形、五角形、六角形、又は任意の数の直線セグメント分割面などがある。或いは、断面は、直線的面、アーチ形面、又は曲面の任意の組合せを境界とすることもできる。本明細書で説明されているように、単に説明をしやすくするために、全面的な円形断面で、光電池デバイスの非平面状実施態様を表す。しかし、実際に非平面状である光電池デバイス10では、どのような断面の幾何学的形状でも使用できることに留意されたい。
【0033】
いくつかの実施態様では、基板102の第1の部分は、第1の断面形状により特徴付けられ、基板102の第2の部分は、第2の断面形状により特徴付けられ、第1及び第2の断面形状は、同じであるか、又は異なる。いくつかの実施態様では、基板102の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は全てが、第1の断面形状により特徴付けられる。いくつかの実施態様では、第1の断面形状は、平面状であり(例えば、アーチ形の側面を持たない)、第2の断面形状は、少なくとも1つのアーチ形の側面を有する。
【0034】
いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、(i)管状形状であるか、又は(ii)硬質の中実物である。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、柔軟な管、硬質管、硬質の中実物、又は柔軟な中実物である。例えば、いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、中空の柔軟なファイバーである。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、プラスチック、金属、又はガラス製の硬質管である。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、プラスチック、金属、金属合金、又はガラス製である。いくつかの実施態様では、基板102は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル、又はポリプロピレンから作られる。いくつかの実施態様では、基板102は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス、又はセリーテドガラス(cereated glass)で作られる。
【0035】
いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Boedeker Plastics, Inc.(Texas(テキサス)州Shiner(シャイナー)所在)から入手可能なCelazole(登録商標))などの材料で作られる。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリイミド(例えば、DuPont(商標) Vespel(登録商標)又はDuPont(商標) Kaptone(登録商標)、Delaware(デラウエア)州Wilmington(ウィルミントン))などの材料で作られる。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られ、それぞれBoedeker Plastics, Inc.から入手可能である。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリアミド-イミド(例えば、Georgia(ジョージア)州Alpharetta(アルファレッタ)所在のSolvay Advanced Polymers社のTorlon(登録商標)PAI)で作られる。
【0036】
いくつかの実施態様では、基板102は、ガラス系フェノールで作られる。フェノール性積層体は、合成熱硬化性樹脂を含浸させた紙、キャンバス、リネン、又はガラスクロスの複数の層に熱と圧力を加えることにより作られる。熱及び圧力がこれらの層に加えられると、化学反応(重合化)が生じて別々の層を、再び軟化することができない「凝固」形状をとる単一の積層材に転換する。したがって、これらの材料は、「熱硬化性」であると呼ばれる。さまざまな樹脂タイプ及び布材料を使用して、ある範囲の機械的、熱的、及び電気的特性を持つ熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様では、基板102は、NEMAグレードがG-3、G-5、G-7、G-9、G-10、又はG-11であるフェノール性積層体である。例示的なフェノール性積層体は、Boedeker Plastics, Inc.社から入手可能である。
【0037】
いくつかの実施態様では、基板102は、ポリスチレンから作られる。ポリスチレンの例は、汎用ポリスチレン及び高衝撃ポリスチレンを含み、これは、参照により本明細書に組み込まれている、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」(第9版, 1987, McGraw-Hill, Inc., p.6-174)において説明されている。さらなる他の実施態様では、基板102は、架橋ポリスチレンから作られる。架橋ポリスチレンの一例は、レキソライト(Rexolite)(登録商標)(California(カリフォルニア)州National City(ナショナルシティー)所在のSan Diego Plastics Inc.社から入手可能)である。レキソライトは、熱硬化性樹脂、特に、ジビニルベンゼンとポリスチレンとを架橋させることにより生成される硬質半透明プラスチックである。
【0038】
さらに他の実施態様では、基板102は、ポリカーボネートから作られる。このようなポリカーボネートは、材料の引張強さ、剛性、圧縮強度、さらには熱膨張係数を調節するために、さまざまな量のガラス繊維(例えば、10%、20%、30%、又は40%)を有することができる。例示的なポリカーボネートは、Zelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wであり、これらはBoedeker Plastics, Inc.社から入手可能である。
【0039】
いくつかの実施態様では、基板102は、ポリエチレンから作られる。いくつかの実施態様では、基板102は、低密度ポリエチレン(low density polyethylene)(LDPE)、高密度ポリエチレン(high density polyethylene)(HDPE)、又は超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene)(UHMW PE)から作られる。HDPEの化学的特性は、参照により本明細書に組み込まれている、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」(第9版, 1987, McGraw-Hill, Inc., p.6-173)において説明されている。いくつかの実施態様では、基板102は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシガラス)、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル、又はポリプロピレンから作られる。これらの材料の化学的特性は、参照により本明細書に組み込まれている、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」(第9版, 1987, McGraw-Hill, Inc., p.6-172 through 6-175)において説明されている。
【0040】
基板102を形成するために使用できる追加の例示的な材料は、参照により本明細書に組み込まれている、「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」(McGraw-Hill; Reinhold Plastics Applications Series)、Reinhold Roff「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres, Plastics and Rubbers)」(Butterworth)、Lee及びNeville「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」(McGraw-Hill)、Bilmetyer「高分子化学の手引き(Textbook of Polymer Science)」(Interscience)、Schmidt及びMarlies「高重合体理論の原理と技法(Principles of high polymer theory and practice)」(McGraw-Hill)、Beadle (ed.)「プラスチック(Plastics)」(Morgan-Grampiand, Ltd., 2 vols. 1970)、Tobolsky及びMark (eds.)「高分子化学と材料(Polymer Science and Materials)」(Wiley, 1971)、Glanville「プラスチック技術者のデータブック(The Plastics's Engineer's Data Book)」(Industrial Press, 1971)、Mohr(編集者兼第1著者)、Oleesky、Shook、及びMeyers「強化プラスチック複合材料の技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」(Van Nostrand Reinhold, 1973)に見られる。
【0041】
いくつかの実施態様では、基板102の断面は、円周を持ち、その外径は、3mmから100mmまで、4mmから75mmまで、5mmから50mmまで、10mmから40mm、又は14mmから17mmまでである。いくつかの実施態様では、基板102の断面は、円周を持ち、外径は、1mmから1000mmまでである。
【0042】
いくつかの実施態様では、基板102は、中空内側部分を持つ管である。このような実施態様では、基板102の断面は、中空内部を定める内半径と外半径により特徴付けられる。内半径と外半径との差は、基板102の厚さである。いくつかの実施態様では、基板102の厚さは、0.1mmから20mmまで、0.3mmから10mmまで、0.5mmから5mmまで、又は1mmから2 mmまでである。いくつかの実施態様では、内半径は、1mmから100mmまで、3mmから50mmまで、又は5mmから10mmまでである。
図2Bを参照すると、いくつかの実施態様では、基板102は、5mmから10,000mmまで、50mmから5,000mmまで、100mmから3000mmまで、又は500mmから1500mmまでの長さlを有する。一実施態様では、基板102は、15mmの外径と1.2mmの厚さ、及び1040mmの長さを有する中空管である。
【0043】
背面電極104。背面電極104は、基板102に円周方向に配置される。背面電極104は、第1の電極として使用される。一般に、背面電極104は、抵抗損失が無視できる非平面状太陽電池200により生成される光起電電流に対応できる材料から作られる。いくつかの実施態様では、背面電極104は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオブ、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、これらの合金、又はこれらの任意の組合せなどの導体材料で構成される。いくつかの実施態様では、背面電極104は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超電導カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス、又は導電性プラスチックなどの導体材料で構成される。本明細書で定義されているように、導電性プラスチックとは、配合技術を通じて、導電性を後にプラスチックに与える導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様では、導電性プラスチックを使用して、抵抗損失が無視できる非平面状太陽電池200により生成される光起電電流に対応できる、プラスチックマトリックスを通る十分な導電性を有する通電経路を形成する充填材を含む背面電極104を形成する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には、絶縁体であるが、製造される複合材料は、充填材の導電性を示す。
【0044】
半導体接合部206。半導体接合部206は、背面電極104の周りに形成される。半導体接合部206は、光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合、又は直接バンドギャップ吸収体(例えば、結晶シリコン)又は間接バンドギャップ吸収体(例えば、非晶質シリコン)である吸収体層106を有するタンデム接合部である。このような接合部は、参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれている、Bube「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第1章、さらにLugue及びHegedus、2003「光電池科学工学ハンドブック(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」(John Wiley & Sons, Ltd., West Sussex, England)において説明されている。
【0045】
いくつかの実施態様では、半導体接合部は、吸収体層106及び接合パートナー層108を備え、接合パートナー層108は、吸収体層106に円周方向に配置される。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層108は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである。いくつかの実施態様では、吸収体層108は、0.5μmから2.0μmまでの厚さを有する。いくつかの実施態様では、吸収体層108内のCu/(In+Ga)の構成比は、0.7から0.95までである。いくつかの実施態様では、吸収体層108内のGa/(In+Ga)の構成比は、0.2から0.4までである。いくつかの実施態様では、吸収体層108は、結晶方位<110>、結晶方位<112>を有するCIGS、又はランダムに方向付けられているCIGSを含む。
【0046】
半導体接合部206の例示的な種類の詳細については、以下の5.4節で開示される。以下の5.4節で開示されている例示的な接合部に加えて、接合部206は、光が、好ましくは問題なく小さなバンドギャップを有する複数の接合を通じて接合部206のコア内に横断する形で入るマルチ接合としてよい。
随意の真性層215。適宜、薄い真性層(i-層)215は、半導体接合部206に円周方向に配置されている。i-層215は、限定はしないが、酸化亜鉛、金属酸化物、又は絶縁性の高い透明材料を含む、非ドープ透明酸化物を使用して形成され得る。いくつかの実施態様では、i-層215は、高純度の酸化亜鉛である。
【0047】
透明導電層110。透明導電層110は、半導体接合層206に円周方向に配置され、これにより、太陽電池200の回路が完成する。上記のように、いくつかの実施態様では、薄いi-層215は、半導体接合部206に円周方向に配置される。このような実施態様では、透明導電層110は、i-層215に円周方向に配置される。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、カーボンナノチューブ、酸化錫SnOx(フッ素ドーピングのあるものとないもの)、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム亜鉛酸化物、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、又はこれらの任意の組合せから作られる。カーボンナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin(フランクリン)所在)から市販されており、また参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号で説明されている。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、p型ドープ又はn型ドープされている。例えば、接合部206の外側半導体層がp型ドープされている実施態様では、透明導電層110は、p型ドープされ得る。同様に、接合部206の外側半導体層がn型ドープされている実施態様では、透明導電層110は、n型ドープされ得る。一般に、透明導電層110は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば、90%を超える透過率)、並びに半導体接合部206の下層及び/又は随意のi-層215を損傷しない堆積温度を有する材料から作られる。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えば、Bayrton)、又は前記の物質の誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、複数の層 酸化錫SnOx(フッ素ドーピングがあるものとないもの)、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、又はこれらの組合せを含む第1の層、及び導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えば、Bayrton)、又は前記の物質の誘導体を含む第2の層を含む、2つ以上の層を備える。透明導電層110を形成するために使用され得る追加の好適な材料は、参照により本明細書に組み込まれている、Pichlerの米国特許出願公開第2004/0187917A1号で開示されている。
【0048】
随意の電極帯220。いくつかの実施態様では、対向電極帯又はリード220は、電流を流れやすくするため、透明導電層110上に配置される。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、細長い太陽電池の長軸にそって長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様では、随意の電極帯は、透明導電層110の表面上に間隔をあけて位置決めされている。例えば、図2Aでは、対向電極帯220は、互いに平行に延び、太陽電池の長軸にそって90度の間隔で間をあけて並ぶ。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度、又は180度の間隔をあけて、透明導電層110の表面上に並べられる。いくつかの実施態様では、透明導電層110の表面上に単一の対向電極帯220がある。いくつかの実施態様では、透明導電層110の表面上に対向電極帯220がない。いくつかの実施態様では、透明導電層110上に2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、15個以上、又は30個以上の対向電極帯があり、すべて太陽電池の長軸を下ってそれぞれに対し平行、又はほぼ平行に引かれている。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、例えば、図2Aに例示されているように、透明導電層110の円周に等間隔で並べられる。代替え実施態様では、対向電極帯220は、透明導電層110の円周に等間隔で並べられていない。いくつかの実施態様では、対向電極220は、非平面状太陽電池200の片面にのみ置かれている。いくつかの実施態様では、図2Aの要素102、104、206、215(随意)、及び110は、全体として、図2Aの太陽電池200を構成する。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤、又は導電性プラスチックから作られる。
【0049】
いくつかの実施態様では、非平面状太陽電池200の長軸にそって延びる対向電極がある。これらの対向電極帯は、格子線により互いに相互接続される。これらの格子線は、対向電極帯に比べて太いか、細いか、又は同じ幅である。これらの格子線は、対向電極帯220と同じ、又は異なる電気材料から作ることができる。
【0050】
随意の充填剤層230。いくつかの実施態様では、図2Aに例示されているように、空気を遮断するために、酢酸エチルビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フロオロポリマー、及び/又はウレタンなどの封止剤の充填剤層230が導電層110に円周方向に配置される。
【0051】
いくつかの実施態様では、充填剤層230は、Q型シリコーン、シルセスキオキサン、D型シリコン、又はM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様では、随意の充填剤層230は、1つ以上の電極帯220が存在していても不要である。随意の充填剤層に適している他の材料については、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月18日に出願された、同時係属米国特許出願第11/378,847号、整理番号11653-008-999、表題「管状ケース内の細長い太陽光電池(Elongated Photovoltaic Solar Cells in Tubular Casings)」において説明されている。
【0052】
いくつかの実施態様では、随意の充填剤層230は、参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月13日に出願された、番号がまだ決定されておらず、整理番号11653-032-888を付けられている、「ラミネート層を有する光電池装置及びその製造方法(A Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という表題の米国仮特許出願において開示されているようなラミネート層である。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、500×10-6/℃を超えるか、又は1000×10-6/℃を超える熱膨張係数を有する。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、エポリジメチルシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、50重量%未満の誘電体ゲル又は誘電体ゲルを形成する成分、及び少なくとも30重量%の透明シリコン油を含み、透明シリコン油は誘電体ゲル又は誘電体ゲルを形成する成分の開始粘度の半分以下の開始粘度を有する。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、500×10-6/℃を超える熱膨張係数を有し、50重量%未満の誘電体ゲル又は誘電体ゲルを形成する成分、及び少なくとも30重量%の透明シリコン油を含む。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、誘電体ゲルと混合されたシリコン油から形成される。いくつかの実施態様では、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電体ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーの混合物である。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、ポリジメチルシロキサンポリマー液X重量%、第1のシリコーンエラストマーY重量%、及び第2のシリコーンエラストマーZ重量%から形成され、X、Y、及びZは、足し合わせると100になる。いくつかの実施態様では、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100,000センチストークまでの範囲内に収まる平均体積粘性率を有するように選択された整数の範囲内にある。いくつかの実施態様では、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量%のジメチルビニル終端ジメチルシロキサン及び3から7重量パーセントの珪酸塩を含む。いくつかの実施態様では、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量%のジメチルビニル終端ジメチルシロキサン、(ii)10から30重量%の水素終端ジメチルシロキサン、及び(iii)3から7重量%のトリメチル化シリカを含む。いくつかの実施態様では、Xは、30から90までの範囲内にあり、Yは、2から20までの範囲内にあり、Zは、2から20までの範囲内にある。
【0053】
随意の透明非平面状ケース210。随意の充填剤層230を有しないいくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、透明導電層110に円周方向に配置される。随意の充填剤層230を有するいくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、随意の充填剤層230に円周方向に配置される。いくつかの実施態様では、管状ケース210は、プラスチック又はガラス製である。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、透明非平面状ケース210内にシールされる。図2Aに示されているように、透明非平面状ケース210は、いくつかの実施態様における太陽電池200の一番外側の層を形成する。熱収縮、射出成形、又は真空ローディングなどの方法は、システムから酸素及び水を排除するとともに、太陽電池200の下層に対し補完的取り付けを行うように透明非平面状ケース210を製作するのに使用できる。
【0054】
いくつかの実施態様では、随意の透明非平面状ケース210は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスで作られる。いくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド、ポリオレフィンから作られる。
【0055】
いくつかの実施態様では、随意の透明非平面状ケース210は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フロオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレンとテトラフルオロエチレンとの重合から誘導されるETFE(登録商標):(TEFLON(登録商標)モノマー))、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)、又はこれらの任意の組合せ若しくは変化形態から作られる。随意の透明非平面状ケース210に適している他の材料については、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月18日に出願された、同時係属米国特許出願第11/378,847号、整理番号11653-008-999、表題「管状ケース内の細長い光電池(Elongated Photovoltaic Cells in Tubular Casing)」において開示されている。
【0056】
いくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、複数の透明非平面状ケース層を含む。いくつかの実施態様では、それぞれの透明非平面状ケース層は、異なる材料からなる。例えば、いくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、第1の透明非平面状ケース層及び第2の透明非平面状ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明非平面状ケース層は、透明導電層110、随意の充填剤層230、又は耐水層上に配置される。第2の透明非平面状ケース層は、第1の透明非平面状ケース層上に配置される。
【0057】
いくつかの実施態様では、それぞれの透明非平面状ケース層は、異なる特性を有する。一例では、外側透明非平面状ケース層は、紫外線遮蔽特性を有するが、内側透明非平面状ケース層は、耐水特性を有する。さらに、複数の透明非平面状ケース層を使用することで、コスト削減を行い、及び/又は透明非平面状ケース210の全体的特性を改善することができる。例えば、1つの透明管状ケース層は、所望の物理的特性を有する高価な材料から作ることができる。1つ以上の追加の透明非平面状ケース層を使用することにより、高価な透明非平面状ケース層の厚さを減らし、これにより、材料コストを節約することができる。他の例では、1つの透明非平面状ケース層は、光学的特性(例えば、屈折率など)については優れているが、かなり重い場合がある。1つ以上の追加の透明非平面状ケース層を使用することにより、重い透明管状ケース層の厚さを減らし、これにより、透明非平面状ケース210の全体的重量を低減することができる。
【0058】
随意の耐水層。いくつかの実施態様では、1つ以上の耐水層が太陽電池200上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、このような耐水層は、随意の充填剤層230を堆積し、適宜太陽電池200を透明非平面状ケース310に入れる前に透明導電層110上に配置される。いくつかの実施態様では、このような耐水層は、適宜太陽電池を透明管状ケース210内に入れる前に随意の充填剤層230上に配置される。いくつかの実施態様では、このような耐水層は、透明非平面状ケース210それ自体の上に配置され、これにより、太陽電池200を形成する。水が太陽電池の内層に入り込まないようにシールする耐水層が備えられた実施態様では、耐水層の光学的特性は、太陽電池200による入射日射の吸収に干渉する特性であるべきでないことに留意されたい。いくつかの実施態様では、この耐水層は、透明シリコーンから作られる。例えば、いくつかの実施態様では、耐水層は、Q型シリコーン、シルセスキオキサン、D型シリコン、又はM型シリコンから作られる。いくつかの実施態様では、耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx、又はAl2O3から作られるが、ただし、x及びyは整数である。
【0059】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様では、太陽電池は、太陽電池の効率を最大にするために1つ以上の反射防止膜層を備える。いくつかの実施態様では、耐水層と反射防止膜の両方がある。いくつかの実施態様では、単一の層が、耐水層と反射防止膜の二重の目的に使用される。いくつかの実施態様では、反射防止膜は、MgF2、シリコーン硝酸塩、硝酸チタン、一酸化ケイ素、又は酸化シリコーン亜硝酸塩から作られる。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上ある。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上あり、それぞれの層は、同じ材料から作られている。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上あり、それぞれの層は、異なる材料から作られている。いくつかの実施態様では、反射防止膜は、層110、層230、及び/又は層210上に配置される。
【0060】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様では、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)は、太陽電池200の層の表面上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、透明非平面状ケース210を備え、蛍光材料は、透明非平面状ケース210の発光面及び/又は外面にコーティングされる。いくつかの実施態様では、蛍光材料は、透明導電層の外面にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、透明非平面状ケース210及び随意の充填剤層230を備え、蛍光材料は、随意の充填剤層上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、耐水層を備え、蛍光材料は、耐水層上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200の2つ以上の表面が、随意の蛍光材料でコーティングされる。いくつかの実施態様では、蛍光材料は、青色光及び/又は紫外線を吸収し、一部の半導体接合部206は、電力への変換にこれを使用せず、また蛍光材料は、いくつかの例示的な太陽電池200における発電に有用な可視光及び/又は赤外線の光を放射する。
【0061】
蛍光、発光、又はリン光材料は、青色又はUV範囲の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料、又はリン光体は、通常、好適なホスト材料及び活性体材料を含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素、又はさまざまな希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物、又は珪酸塩である。活性体が加えられ、これにより放射時間を長くする。
【0062】
いくつかの実施態様では、リン光材料を使用して、太陽電池200による光吸収を増強する。いくつかの実施態様では、リン光材料は、随意の透明管状ケース210を作るために使用される材料に直接加えられる。いくつかの実施態様では、リン光材料は、結合剤と混合され、上述のように、それぞれの太陽電池200のさまざまな外層又は内層をコーティングするために透明塗料として使用される。
【0063】
例示的なリン光体は、限定はしないが、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)を含む。他の例示的なリン光材料は、限定はしないが、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユウロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム-アルミニウム賦活ストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr, Al)、硫化カルシウム-硫化ストロンチウム/ビスマス系((Ca,Sr)S:Bi)、銅-マグネシウム賦活硫化亜鉛(ZnS:Cu,Mg)、又はこれらの任意の組合せを含む。
【0064】
リン光体材料を作成する方法は、当該技術分野で知られている。例えば、ZnS:Cu又は他の関係するリン光材料の製造方法は、Butlerらの米国特許第2,807,587号、Morrison らの米国特許第3,031,415号、Morrisonらの米国特許第3,031,416号、Strockの米国特許第3,152,995号、Payneの米国特許第3,154,712号、Lagosらの米国特許第3,222,214号、Possの米国特許第3,657,142号、Reillyらの米国特許第4,859,361号、及びKaramらの米国特許第5,269,966において説明されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。ZnS:Ag又は関係するリン光材料の製造方法は、Parkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの米国特許第6,025,675号、Takaharaらの米国特許第4,804,882号、Matsudaらの米国特許第4,512,912号において説明されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。一般に、リン光体の持続性は、波長が小さくなるほど長くなる。いくつかの実施態様では、CdSe又は類似のリン光材料の量子ドットを使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Dabbousiら、1995「CdSe 量子ドット/高分子複合材料からの電界発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」(Applied Physics Letters 66 (11): 1316-1318)、Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル型量子ドット:一連のサイズの高発光性ナノ微結晶の合成及び特徴付け((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots: Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」(J. Phys. Chem. B, 101: 9463-9475)、Ebensteinら、2002「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡により調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」(Applied Physics Letters 80: 4033-4035)、及びPengら、2000「CdSeナノ結晶の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」(Nature 404: 59-61)を参照のこと。
【0065】
いくつかの実施態様では、随意の蛍光層内で増白剤を使用することができる。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤ともいう)は、電磁スペクトルの紫外及び紫領域の光を吸収し、青領域の光を再放射する染料である。このような化合物は、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエテン)を含む。随意の蛍光層で使用され得る他の例示的な増白剤は、ウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)であり、さらにスペクトルのUV部分のエネルギーを吸収する。次いで、このエネルギーは、可視スペクトルの青色部分において再放射される。増白剤の詳細は、Dean、1963「天然由来の酸素環式化合物(Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds)」(Butterworths, London)、Joule及びMills、2000「複素環化学(Heterocyclic Chemistry)」(4th edition, Blackwell Science, Oxford, United Kingdom)、及びBarton、1999「総合天然物化学(Comprehensive Natural Products Chemistry)」(2:677, Nakanishi and Meth-Cohn eds., Elsevier, Oxford, United Kingdom, 1999)にあり、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。
【0066】
円周方向に配置する。本出願では、何らかの材料の複数層が、非平面状基板上に次々に円周方向に配置され、太陽電池を形成する。本明細書で使用されているように、円周方向に配置するという用語は、材料のそれぞれのそのような層が、必ず、下層上に堆積されるか、又は光電池の形状が、円筒状であることを意味することを意図されている。実際、本出願では、そのような層を下層に成形するか、又は何らかの形に形成する方法を教示している。さらに、基板102の説明に関連して上で説明されているように、基板及び下層は、複数の異なる非平面形状を有していてもよい。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上層と下層との間に空間(例えば、環状の間隙)がないように上層が下層上に配置されることを意味する。さらに、本明細書で使用されているように、円周方向に配置するという用語は、上層が下層の周の少なくとも50パーセント上に配置されることを意味する。さらに、本明細書で使用されているように、円周方向に配置するという用語は、上層が下層の長さの少なくとも半分の部分にそって配置されることを意味する。
【0067】
円周方向にシールする。本明細書で使用されているように、円周方向にシールするという用語は、上層又は上構造が、必ず、下層又は下構造上に堆積されることを意味することを意図されている。実際、そのような層又は構造(例えば、透明管状ケース210)は、下層又は下構造上に成形、又は他の何らかの方法で形成することができる。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上層又は上構造と下層又は下構造との間に環状の間隙がないように上層又は上構造が下層又は下構造上に配置されることを意味する。さらに、本明細書で使用されているように、円周方向にシールするという用語は、上層が下層の全周上に配置されることを意味する。典型的な実施態様では、層又は構造は、所定の太陽電池内の下層又は下構造の全周の周りに、また下層又は下構造の全長にそって円周方向に配置される場合に下層又は下構造を円周方向にシールする。しかし、円周方向にシールする層又は構造が、所定の太陽電池内で下層又は下構造の全長にそって延びていない実施態様も考えられる。
【0068】
いくつかの実施態様では、ソーラーユニットは、ソーラーモジュールである。本明細書で使用されているように、ソーラーモジュールという用語は、非平面状基板上で互いに電気的に連絡している複数の太陽電池を意味する。この複数の太陽電池は、モノリシック集積化されてもよいし、モノリシック集積化されないなくてもよい。
【0069】
図2Bを参照すると、いくつかの実施態様では、ソーラーユニットは、モノリシック集積化されたソーラーモジュール270であり、次いで、これは、モノリシック集積化方式で非平面状基板120上に直線的に又は非直線的に配列された複数の太陽電池200を備えている。図2Bを参照すると、ソーラーモジュール270は、複数の非平面状光電池200に共通の基板102を備えている。基板102は、第1の端部と第2の端部を有する。複数の非平面状太陽電池200は、図2Bに例示されているように基板102上に直線的又は非直線的に配列されている。複数の太陽電池は、第1及び第2の非平面状太陽電池200を備える。複数の非平面状太陽電池200内の各非平面状太陽電池200は、共通の非平面状基板102に円周方向に配置された背面電極104及び背面電極104に円周方向に配置された半導体接合部206を備える。図2Bの場合、半導体接合部206は、吸収体106及び窓層108を備える。複数の非平面状太陽電池200内の各非平面状太陽電池200は、さらに、半導体接合部206に円周方向に配置された透明導電層110を備える。図2Bの場合、第1の非平面状太陽電池200の透明導電層110は、バイア280を通じて複数の太陽電池内の第2の光電池の背面電極と直接に電気的に連絡している。そのようなものとして、第1及び第2の非平面状太陽電池200は、直列に接続される。いくつかの実施態様では、それぞれのバイア280は、太陽電池の全周に広がる。いくつかの実施態様では、それぞれのバイア280は、太陽電池の全周に広がらない。実際、いくつかの実施態様では、それぞれのバイアは、太陽電池の外周のわずかな割合の部分にしか広がらない。いくつかの実施態様では、それぞれの非平面状太陽電池200は、非平面状太陽電池200の導電層110を隣接する非平面状光電池199の背面電極104と直列電気接続する1個、2個、3個、4個以上、10個以上、又は100個以上のバイア280を備えることができる。図2Bは、1つのソーラーモジュール270の構成を表しているだけである。追加のソーラーモジュール構成270は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/378,835号において開示されている。
【0070】
(5.2 空間的に分離されている太陽電池システム)
日射の吸収を最適化するために、非平面状ソーラーユニットを使用して、太陽電池組立品を形成する。そのような組立品の日射吸収特性をさらに改善するために、本明細書で開示されている太陽電池組立品内の非平面状ソーラーユニットは、それらが互いに空間的に分離されるように配列される。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニットは、上の図2Bに関して説明されているモノリシック集積化ソーラーモジュール270である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニットは、モノリシック集積化されない。このような実施態様では、ソーラーユニットは、ソーラーユニットの長軸の長さのすべて又は一部にそって上の図2Aに関して説明されている構造を有する。基板上に単一の太陽電池1つしかない図2Aに関して説明されているようにソーラーユニットは、太陽電池200とすることができるか、又はソーラーユニットは、実際、ソーラーモジュール内のそれぞれのそのような太陽電池が図2Aに関して上で説明されている太陽電池200の層を有する、基板の長軸の長さにそって複数の太陽電池があるソーラーモジュール270とすることができることは理解されるであろう。いくつかの組立品内には、太陽電池200(非モノリシック)とソーラーモジュール270(モノリシック)の混合体がある。以下の図においてソーラーユニットを識別するために、ソーラーユニットに、「ソーラーユニット1000」というラベルが付けられる。そのようなソーラーユニット1000は、ソーラーモジュール270(例えば、図2Bのようなモノリシック若しくは他のモノリシック構成)又は個別の太陽電池200(図2Aのような非モノリシック若しくは他の非モノリシック構成)であるか、或いは他の何らかの形態の非平面状ソーラーモジュールであることも可能であることを、当業者であれば理解するであろう。
【0071】
(5.2.1 ケースに封入されないスペーサー分離ソーラー組立品)
いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000は、隣接する平行ソーラーユニット1000が、互いに空間的に分離されるように配列される。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000はそれぞれ、5.1節で説明されている構成のどれかを備える。非平面状ソーラーユニット1000は、さまざまな構成で設置され得る複数の組立品内に配列される。
【0072】
図3Aは、一実施態様による太陽電池組立品300を例示している。それぞれの太陽電池組立品300は、同一平面上で互いに平行に配列されている非平面状(例えば、円筒状)ソーラーユニット1000を備える。ソーラーユニットの隣接する対の間には電池スペーサーの距離306がある。次いで、ソーラー組立品300は、随意の通路距離312だけ互いに隔てられている。ソーラー組立品300は、分離距離314でアルベド面316の上に置かれるように設置される。1つの太陽電池組立品に対する分離距離314は、所定の太陽電池配列における他の太陽電池組立品に対する分離距離314と同じか、又は異なっていてもよい。
【0073】
太陽電池組立品300を形成するために使用され得る非平面状ソーラーユニット1000の数には制限はない。いくつかの実施態様では、ソーラー組立品300は、5個以上、10個以上、20個以上、50個以上、100個以上、200個以上、又は500個以上非平面状ソーラーユニット1000を備える。
【0074】
(5.2.1.1 ソーラーユニットの特性)
いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300は、太陽電池パネル及び/又は周辺装置並びに太陽電池パネルを支持し、太陽電池の効率を維持するシステムを備える。
ソーラーユニットの寸法302。図3Aから3Cを参照すると、いくつかの実施態様では、それぞれの非平面状ソーラーユニット1000は、断面直径302(ソーラーユニット1000が図2Aに例示されているような非モノリシック太陽電池200であろうと、図2Bに例示されているようなモノリシック集積化ソーラーモジュール270であろうと関係なく)又は他の何らかの構成を有する円筒状である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット200は、円筒状であり、寸法302は、円筒形状のソーラーユニット200の直径である。例えば、いくつかの実施態様では、寸法302は、非平面状ソーラーユニット1000の外半径(例えば、図2Bのr0)の値の2倍である。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000の寸法302は、2cmから6cmまでの範囲である。しかし、非平面状ソーラーユニット1000の直径には制限はない。いくつかの実施態様では、寸法302は、0.5cm以上、1cm以上、2cm以上、5cm以上、又は10cm以上である。
【0075】
スペーサー距離306。隣接する平行な非平面状ソーラーユニット1000は、スペーサー距離306だけ隔てられている。非平面状ソーラーユニットの1つのエッジから隣接する非平面状ソーラーユニット1000までの距離は、距離304である。いくつかの実施態様では、距離304は、図3Bに例示されているように、ソーラーユニット1000の寸法302とスペーサー距離306の和である。同様に、スペーサー距離306には制限はない。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306は、0.1cm以上、0.5cm以上、1cm以上、2cm以上、5cm以上、10cm以上、又は20cm以上である。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306は、少なくとも非平面状ソーラーユニット1000の寸法302以上の大きさである。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306は、非平面状ソーラーユニット1000の寸法302の1倍、1.5倍、2倍、又は2.5倍である。いくつかの実施態様では、組立品300内のソーラーユニット1000のそれぞれの隣接する対の間のスペーサー距離306は、同じである。いくつかの実施態様では、組立品300内のソーラーユニット1000の1つ以上の隣接する対の間のスペーサー距離306は、異なる。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000のそれぞれの隣接する対の間のスペーサー距離306は、製造閾値の範囲内である。例えば、いくつかの実施態様では、組立品300内のソーラーユニット1000のそれぞれの隣接する対の間のスペーサー距離306は、定数値の10パーセント以内、5パーセント以内、1パーセント以内、又は0.5パーセント以内である。
【0076】
(5.2.1.2 ソーラーユニット組立品周辺装置の特性)
設置面380。図3Aを参照すると、太陽電池組立品300が設置されている表面380は、2つのサブタイプ、つまり、覆われている表面領域と覆われていない表面領域に分けることができる。覆われている表面領域は、非平面状ソーラーユニット1000の影の中に入っており、したがって、直達日射を欠いている。覆われている表面積は、非平面状ソーラーユニット1000の寸法302に比例し、スペーサー距離306の長さに反比例する。覆われていない表面領域は、直達日射に曝される。表面380の覆われていない表面領域に到達する日射の量は、非平面状ソーラーユニット1000の表面に直接接触し得ないエネルギーの量を表す。太陽電池組立品300による太陽光吸収を高める方法の1つは、日射を覆われていない領域から非平面状ソーラーユニット1000に向けて送り返すことである。図3Cを参照すると、太陽電池組立品300の境界内側において、覆われている領域と覆われていない領域の考え方は、以下の例により例示され得る。非平面状ソーラーユニット1000が長さlを有すると仮定すると、スペーサー距離306 (dl)と電池寸法302 (al)の和はclであるが、ただし、cl=al+dlであり、太陽電池組立品300内にn個のソーラーユニットがある。nが十分に大きく、日光が太陽電池組立品300に直接当たる場合、表面380上の覆われている表面積は、積l×al×nであり、覆われていない面積は、積l×dl×nであるが、ただし、dlは、一様であると仮定する。覆われている表面380の割合は、al及びdlの値を変化させることにより調節され得る。
【0077】
通路312。隣接する太陽電池組立品300は、通路312により互いに隔てられている。図3に例示されているように、2つの太陽電池組立品300は、設置面380の上に設置される。太陽電池組立品300は、同一平面上にあるか、又はほぼ同一平面上にある。太陽電池組立品300により定義される平面又は近似的平面は、表面380により定義される平面に平行である。同一平面構成では、図3Cに例示されているように、隣接する太陽電池組立品300は、ソーラーユニットの長軸が互いに平行になるように隣同士に配列される。いくつかの実施態様では、2つの隣接する太陽電池組立品300のソーラーユニット1000の端部にそって直線(例えば、図3Cの305)を引くことができる。図3B及び3Cに示されているように、隣接する隣り合わせに並ぶ太陽電池組立品300を隔てる空間が、通路312である。通路312の寸法は、太陽電池組立品300の効率にも関わる。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306と同様に、通路312が存在することで、太陽電池組立品300の効率が高まる。いくつかの実施態様では、通路312は、図3Bの距離314以下の長さである。
【0078】
アルベド層316。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300が設置されている表面380上に高アルベド材料(例えば、白色塗料)が堆積され、これにより、アルベド層316が形成される。いくつかの実施態様では、図3Aから3Cに例示されているように、アルベド層316は、太陽電池組立品300により定められた平面に平行である。アルベドは、表面又は物体の反射率の尺度である。これは、反射された電磁放射線(EM放射線)とそれへの入射量との比である。この率は、0から100までの範囲のパーセンテージとして通常は表される。アルベド層316を実装する目的は、覆われていない表面領域に当たる日射を組立品300の非平面状ソーラーユニット1000に向けて送り返すことである。
【0079】
いくつかの実施態様では、太陽電池組立品の付近の表面は、そのような表面を反射白色に塗装することにより高アルベドを有するように用意される。いくつかの実施態様では、高アルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、そのようなソーラーユニットの周りのいくつかの材料のアルベドは、70、80、又は90パーセントに近づくか、又はそれを超える。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Boer, 1977「太陽エネルギー(Solar Energy)」(19, 525)を参照のこと。しかし、何らかの大きさのアルベド(例えば、50パーセント以上、60パーセント以上、70パーセント以上)を有する表面が考えられる。一実施態様では、太陽電池組立品は、グラベル面の上に行の形で配列され、グラベルは、グラベルの反射特性を改善するように白色に塗装されている。一般に、高アルベド面を得るために、ランベルト又は拡散反射面を使用することができる。併せて使用できるアルベド面の詳細は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/315,523号において開示されている。いくつかの実施態様では、自己洗浄層が、アルベド面316上にコーティングされる。そのような自己洗浄層の詳細は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/315,523号において説明されている。
【0080】
分離距離314。図3Aから3Cを参照すると、いくつかの実施態様において、ソーラーユニット1000は、設置面380よりも少なくとも分離距離314だけ高いところに設置される。これは、(i)組立品内のソーラーユニット1000の一部と設置面との間の最も近い点が、少なくともある有限な分離距離314であることを意味する。分離距離314は、0よりも大きい。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000は、設置面に関してある角度で設置される。そのような実施態様では、ソーラーユニット1000の大きな部分は、設置面380からある距離だけ離れており、これは最小分離距離314よりもかなり大きい。しかし、そのような実施態様では、ソーラーユニット1000のすべての部分は、設置面380から、分離距離314以上の距離にある。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品内のソーラーユニット1000のいくつかのユニットのすべて又は一部は、最小分離距離314よりも小さい。しかし、このような実施態様は、好ましくない。
【0081】
いくつかの実施態様では、設置面380は、高アルベド材料(例えば、白色塗料)を堆積され、高アルベド面316を形成する。いくつかの実施態様では、分離距離314は、スペーサー距離306よりも大きい。いくつかの実施態様では、分離距離314は、通路312の幅よりも大きい。いくつかの実施態様では、分離距離314は、スペーサー距離306の長さよりも大きく、分離距離314は、通路312の幅よりも大きい。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300により定められた平面又は近似的平面は、高アルベド面316から25センチメートル以上離れているか(例えば、距離314は25センチメートル以上である)、及び/又は設置面380から25センチメートル以上離れている。いくつかの実施態様では、例えば、太陽電池組立品300により定義される平面は、表面316から2メートル以上離れている。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300により定義される平面は、設置面380に関してある角度をなす。いくつかの実施態様では、高アルベド面316は、高層ビルの屋根、大きな製造物の屋根、又は娯楽施設の屋根である。いくつかの実施態様では、高アルベド面316と太陽電池組立品300により定められた平面との間にパイプ又は他の物体がある。このような実施態様では、そのような障害物は、それ自体、アルベド材料でコーティングされ、これにより、太陽電池組立品300により定められた平面よりも下にアルベド環境を形成することができる。
【0082】
太陽電池組立品をさらに特徴付けることが可能である。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Durischら、1997「広面積光電池ラミネートの特徴(Characterization of a large area photovoltaic laminate)」(Bulletin SEV/VSE 10: 35-38)、Durischら、2000「太陽電池発電器の特徴(Characterization of photovoltaic generators)」(Applied Energy 65: 273-284)、及びDurischら、1996「実際の動作条件の下での太陽電池及びソーラーモジュールの特徴(Characterization of Solar Cells and Modules under Actual Operating Conditions)」(Proceedings of the World Renewable Energy Congress 1: 359-366)を参照のこと。
【0083】
(5.2.2 ケースに封入されたスペーサー分離太陽電池組立品)
ケース402。図4Aを参照すると、いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000は、例えば、箱形ケース402に入れられ、太陽電池組立品400を形成している。図4Aから4Cを参照すると、ケース402は、随意の最上層404、底部406、及び複数の透明サイドパネル408を備えている。図に示されていないけれども、ケース402は、面取りされたコーナーを有し、実際、3つの寸法を有する形状をとりうる。いくつかの実施態様では、上面404は、太陽電池組立品内のソーラーユニット1000をシールする透明層である。いくつかの実施態様では、上面404には透明層はなく、非平面状ソーラーユニット1000は、直達日射に曝されている。
【0084】
いくつかの実施態様では、随意の上面404が、ケースに入れられた太陽電池組立品400内に存在する場合に、上面404は、非平面状ソーラーユニット1000による太陽光吸収を助長するように修正できる。いくつかの実施態様では、上面404は、ガラス層、好ましくは、太陽輻射の吸収を低減する低イオンガラスで作られたガラス層である。いくつかの実施態様では、上面404は、織り目加工されたガラス面である。ぎらつき効果をなくすため、ガラス面に模様を付けるとよい。いくつかの実施態様では、上面404は、ポリマー材料、好ましくは、UV放射線で安定している材料で作られる。いくつかの実施態様では、上面404を形成するために他の好適な透明材料も使用できる。いくつかの実施態様では、上面404は、片側に反射防止膜を施される。
【0085】
上面404と同様に、いくつかの実施態様では、サイドパネル408は、透明であり、非平面状ソーラーユニット1000に対するシャドウ効果を低減又は排除するために、例えば、プラスチック又はガラス製とすることができる。いくつかの実施態様では、随意の上カバー層404も、透明なプラスチック又はガラス材料で作られる。このような実施態様では、透明カバー層404及び透明サイドパネル408は、非平面状ソーラーユニット1000を環境からシールする。都合のよいことに、シールされた上面404を有するケースに入れられた太陽電池組立品400は、清掃、保守、及び運搬が比較的容易である。サイドパネル408は、上面404を作るために使用される材料で作ることができる。さらに、サイドパネル408は、反射防止膜をコーティングできる。
【0086】
透明上カバー層404及び透明サイドパネル408は、透明管状ケース210を製造するのに使用されたのと同じ材料で構成できる。いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び透明サイドパネル408は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスから作られる。いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又はサイドパネル408は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド、ポリオレフィンから作られる。
【0087】
いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フロオロポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレンとテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)モノマー)との重合から得られる誘導体であるETFE(登録商標))、ポリウレタン/ウレタン、透明ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)、又はこれらの任意の組合せ若しくは変化形態から作られる。
【0088】
いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、複数の透明ケース層を備える。例えば、いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、反射防止膜層及び/又は耐水層をコーティングされる。いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、優れた紫外線遮蔽特性を有する。さらに、複数の透明上カバー層404及び透明サイドパネル408を使用することで、コスト削減を行い、及び/又は透明上カバー層404及び透明サイドパネル408の全体的特性を改善することができる。例えば、上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408の1つの層は、所望の物理的特性を有する高価な材料から作ることができる。1つ以上の追加の層を使用することにより、高価な層の厚さを減らし、それにより、材料コストを節約することができる。他の例では、上カバー層404及び/透明サイドパネル408の1つの透明層は、所望の光学的特性(例えば、屈折率など)を有するが、非常に高密度である場合がある。1つ以上の追加の透明層を使用することにより、高密度の層の厚さを減らし、これにより、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408の全体的重量を低減することができる。透明カバー層404及び透明サイドパネル408を製造するための追加の材料は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第11/378,847号において説明されている。
【0089】
しかし、上カバー層404が存在することも、また、日射により発生する熱が、ケースに封入された太陽電池組立品400から放出されるのを妨げ得る。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品400と外部環境との間の空気循環を高めるために、透明サイドパネル408、底面406、又は上面404にさえも開口部が形成されている。いくつかの実施態様では、開口部は、直径が1mm以上、2mm以上、5mm以上の小さな孔とすることができる。いくつかの実施態様では、開口部は、円形であっても円形でなくもよく、全開口面積は0.1mm2から10,000mm2までの範囲にある。いくつかの実施態様では、これらの孔を網で覆い、異物が組立品400内に入り込まないようにする。いくつかの実施態様では、このような網は、透明プラスチックから作られる。
【0090】
太陽電池組立品400内では、非平面状ソーラーユニット1000は、さらに、寸法302により定められ、スペーサー距離306により互いに隔てられる。また、太陽電池組立品300の場合のように、いくつかの実施態様では、距離304は、スペーサー距離306と寸法302との和として定義される。随意の上カバー層404、透明サイドパネル408、及び底面406は、一緒になって、非平面状ソーラーユニット1000の周囲の空気循環に影響を及ぼす。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品400には随意の上カバー層404がない。このような実施態様では、日射から発生する熱は、太陽電池組立品400からより効率的に放散される。いくつかの実施態様では、特に随意の上カバー層404が存在しない場合に、排出システム(例えば、底面406内の1つ以上の孔)を太陽電池組立品400内に実装し、これにより沈殿物を排出することができる。
【0091】
ケースに入れられているそれぞれの太陽電池組立品内で、非平面状ソーラーユニット1000は、底部406から一定距離314のところに位置する。図4Dを参照すると、非平面状ソーラーユニット1000は、スペーサー距離306だけ隔てられ、これにより、隣接する非平面状ソーラーユニット1000からのシャドウイング効果を低減又は排除する。
【0092】
いくつかの実施態様では、直射日光は、スペーサー距離306を通過し、底面406及び/又は層316に当たる。底面406は、透明サイドパネル408又は随意の上面404と、底面406が透明である必要ないという意味で異なる。むしろ、底面406は、いくつかの実施態様では非常に反射性が高い。いくつかの実施態様では、底面406は、日射を反射して(非平面状ソーラーユニット1000により吸収される太陽エネルギーと対照的に)非平面状ソーラーユニット1000内に返し、円筒状ソーラーユニットによる日射吸収を高めることができる。いくつかの実施態様では、底面406は、日射吸収を高めるために日射を反射して非平面状ソーラーユニット1000上に返す鏡面である。いくつかの実施態様では、高アルベド層316が、底部406の表面に堆積され、これにより、日射をソーラーユニット1000上に反射する。いくつかの実施態様による底面406及び設置面380の反射特性に関する補足情報は、以下の5.2.3節で示されている。いくつかの実施態様では、アルベド面316は、太陽電池組立品内の非平面状ソーラーユニット1000により定められた平面状表面に平行である。アルベド面316及び非平面状ソーラーユニット1000により定められた平面状表面は、一定の距離314だけ互いに隔てられる。さらに、いくつかの実施態様では、ケースに入れられた太陽電池組立品400は、通路312により互いに隔てられている。
【0093】
いくつかの実施態様では、図4Fに例示されているように、太陽電池組立品480は、底部406に平行に設置される。平行な構成では、沈殿物が非平面状ソーラーユニット1000の間に集まり得る。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000は、太陽電池組立品480の排水をしやすくするために、ユニットの長軸が図5A及び6Aに例示されているように底部308に関してある角度をなすように設置される。いくつかの実施態様では、最終太陽電池組立品にはケース402がない。例えば、非平面状ソーラーユニット1000及びインボリュート形の内部反射器420が、接続デバイス310に直接組み付けられる。
【0094】
(5.2.3 集光器及び反射器)
いくつかの実施態様では、底面406(図4)及び/又は設置面380は、日射が、非平面状ソーラーユニット1000の方へより効果的に反射されるように設計されている。いくつかの実施態様では、集光器(例えば、図4Eの集光器410)及び/又は反射面は、日射を反射してソーラーユニット1000へ返し、太陽電池組立品の性能を高めるように底面406及び/又は設置面380内に設計で作り込むことができる。例示的な一実施態様における静的集光器の使用は、図4Eに例示されており、そこでは、静的集光器410は、太陽電池組立品の効率を高めるために底面406上に配置される。静的集光器410は、太陽電池組立品300(例えば、図3に示されているようなもの)、ケースに入れられた太陽電池組立品400(例えば、図4に示されているようなもの)、又は追加の実施態様と併用することができる。静的集光器410などの反射デバイスが、箱形ケースがない太陽電池組立品(例えば、図3の太陽電池組立品300)とともに使用する場合、静的集光器410を設置面380の上にかぶせるように置くとよい。
【0095】
静的集光器410は、例えば、単純な適切に曲げられるか、若しくは成形されたアルミニウムシート、又はポリウレタン上の反射膜などの当該技術分野で知られている静的集光器材料から形成され得る。反射器410の形状は、日射を非平面状ソーラーユニット1000の方へ反射するように設計されている。いくつかの実施態様では、反射器は、図4Eに例示されているような放物面トラフ形反射鏡である。いくつかの実施態様では、集光器410は、低集光比の非結像複合放物面集光(compound parabolic concentrator)(CPC)型集光器である。つまり、(CPC)型集光器は、太陽電池組立品と併用することができる。(CPC)型集光器の詳細については、参照により本明細書に組み込まれている、Pereira及びGordon、1989「太陽エネルギー工学ジャーナル(Journal of Solar Energy Engineering)」(111, pp.111-116)を参照のこと。
【0096】
いくつかの実施態様では、図4Gに例示されているような静的集光器410が使用される。ここでもまた、静的集光器410は、太陽電池組立品300(例えば、図3に例示されているようなもの)、ケースに入れられた太陽電池組立品400(例えば、図4に例示されているようなもの)、又は本明細書で開示されている追加の実施態様と併用することができる。図4Gの静的集光器410は、入射光を捕捉し、ソーラーユニット1000へ反射するように設計されているミリメートル未満のv字型溝を備える。このような集光器の詳細は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Uematsuら、2001「太陽エネルギー材料と太陽電池(Solar Energy Materials & Solar Cell)」(67, 425-434)及びUematsuら、2001「太陽エネルギー材料と太陽電池(Solar Energy Materials & Solar Cell)」(67, 441-448)において見られる。
【0097】
いくつかの実施態様では、集光器は、参照により本明細書に組み込まれている、「光電池科学工学ハンドブック(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」(2003, Luque and Hegedus (eds.), Wiley & Sons, West Sussex, England,第11章)において説明されているような任意のタイプの集光器である。このような集光器は、限定はしないが、放物面集光器、複合放物面集光器、Vトラフ型集光器、屈折レンズ、集光器と二次光学素子(例えば、vトラフ、屈折型CPC、屈折サイロなど)の併用、静的集光器(例えば、全反射に依存する誘電体プリズム)、RXI集光器、誘電体単一鏡二段(dielectric-single mirror two stage)(D-SMTS)トラフ型集光器などを含む。他の集光器については、参照により本明細書に組み込まれている、Luque、「光電池集光用の太陽電池及び光学系(Solar Cells and Optics for Photovoltaic Concentration)」(Adam Hilger, Bristol, Philadelphia (1989))で説明されている。いくつかの実施態様では、単純な反射面が使用される。
【0098】
使用できるさらに他の集光器は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Uematsuら、1999「第11回国際光電池科学工学会議の議事録(Proceedings of the 11th International Photovoltaic Science and Engineering Conference)」(Sapporo, Japan, pp.957-958)、Uematsuら、1998「光電池太陽エネルギー変換に関する第2回世界会議の議事録(Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion)」(Vienna, Austria, pp.1570-1573)、Warabisakoら、1998「光電池太陽エネルギー変換に関する第2回世界会議の議事録(Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion)」(Vienna, Austria, pp.1226-1231)、Eamesら、1998「光電池太陽エネルギー変換に関する第2回世界会議の議事録(Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion)」(Vienna Austria, pp.2206-2209)、Bowdenら、1993「第23回IEEE光電池専門家会議の議事録(Proceedings of the 23rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference)」(pp.1068-1072)、及びParadaら、1991「第10回EC光電池太陽エネルギー会議の議事録(Proceedings of the 10th EC Photovoltaic Solar Energy Conference)」(pp.975-978)において開示されている。
【0099】
いくつかの実施態様では、内部反射器が、ソーラーユニット1000の間に追加され、これにより、日射の吸収を高める。本明細書で使用されているように、内部反射器という用語は、ソーラーユニット1000の間に置かれている任意のタイプの反射デバイスを指し、一般的には、ソーラーユニットの組立品内のソーラーユニット1000と同じ平面内にある。内部反射器は、隣接するソーラーユニット1000の日射への露出を高める一般的特性を有する。しかし、内部反射器では、開示されている装置の主たる利点の1つ、シャドウイング効果の低減が、ある程度、なくなる。したがって、いくつかの実施態様では、内部反射器は使用されない。いくつかの実施態様では、内部反射器は使用されるが、シャドウイングを最小にするように設計されている。
【0100】
例えば、図4Fを参照すると、インボリュート形内部反射器420が、非平面状ソーラーユニット1000のいずれかの側に取り付けられ、日射をソーラーユニットに向けるようになっている。それぞれのインボリュート形反射器の形状は、対応する非平面状ソーラーユニット1000の形状を補完するものである。隣接する非平面状ソーラーユニット1000上のインボリュート形内部反射器は、スペーサー距離306だけ隔てられている。いくつかの実施態様では、図4Fに例示されているように、非平面状ソーラーユニット1000とインボリュート形反射器420(例えば、図4Fの太陽電池組立品480)の組み立てられたアレイは、表面406及び/又は設置面380から一定の距離314のところにある。いくつかの実施態様では、高アルベド層316は、表面406及び/又は設置面380上に堆積される。いくつかの実施態様では、底部406及び/又は設置面380は、アルベド材料で作られる。このような実施態様では、アルベド層316は、必要ない。
【0101】
反射材料は、例えば、真空蒸着技術を使用して、反射面380、406、410、及び/又は420上に堆積され得る。いくつかの実施態様では、保護アルミナ被覆を施した反射面380、406、410、及び/又は420上に第1の反射膜(例えば、表面銀鏡)をコーティングするロールコーティングプロセスが開発されている。いくつかの実施態様では、真空蒸着プロセスにより基板表面(例えば、反射面380、406、410、及び/又は420)上に堆積された金属層上に反射層がコーティングされる。いくつかの実施態様では、保護アルミナ被膜は、イオンビーム支援蒸着により堆積される。
【0102】
いくつかの実施態様では、反射面380、406、410、及び/又は420上の反射膜の厚さは、0.5ミクロンを超えるか、又は1ミクロン以上であるか、又は2ミクロン以上であるか、又は5ミクロン以上である。いくつかの実施態様では、反射面380、406、410、及び/又は420上で少なくとも10年間90パーセントを超える正反射率を維持できる。
【0103】
(5.2.4 太陽電池組立品の設置)
ケースを有する、又はケースを有しない太陽電池組立品(例えば、図3及び5の太陽電池組立品300又は図5及び6の太陽電池組立品400)は、設置面380及び/又は底部406に平行に、或いは設置面380及び/又は底部406に対しある傾斜角で設置することができる。例えば、図5Aを参照すると、太陽電池組立品300は、ある傾斜角(例えば、図5Aにおいてθ又は506)で設置され得ることがわかる。傾斜角506は、太陽電池組立品300内のソーラーユニットの長軸により形成される平面状表面と太陽電池組立品が設置される表面との間の角度である。いくつかの実施態様では、図5Cに例示されているように、傾斜角506は、太陽電池組立品300の平面状表面とアルベドコーティング面316との間の角度である。傾斜角506は、日射に対するソーラーユニット1000の露出が最大になるように調節することができる。いくつかの実施態様では、傾斜角506は、太陽電池組立品の地理的配置に関して変化する。例えば、太陽電池組立品300の傾斜角506は、太陽電池組立品が赤道の近くに設置された場合には0に近い値となるが、California(カリフォルニア)州Sacramento(サクラメント)で設置された太陽電池組立品300の傾斜角506は、0よりもかなり大きくなる可能性がある。いくつかの実施態様では、傾斜角506は、0から2度、2から5度、2度以上、10度以上、20度以上、30度以上、又は50度以上としてよい。
【0104】
日射の入射角は毎日変化する。太陽電池組立品(例えば、太陽電池組立品300又は400)による日射吸収を最大にするために、日射の季節的変動を利用することができる。いくつかの実施態様では、設置された太陽電池組立品の傾斜角506は、季節に応じて調節することができる。
【0105】
太陽電池組立品300を傾斜角506で設置するには、支持材508(例えば、図5Aに示されているフレーム形の支持材)を使用するとよい。いくつかの実施態様では、フレーム形の支持材は、単一の作り付けの機構を備えることができ、これにより、太陽電池組立品(例えば、図5の太陽電池組立品300又は図6の太陽電池組立品400)を2つ以上の傾斜角で設置することができる。例えば、フレーム形支持材506は、太陽電池接続デバイス310を接続できる1つ以上のセッティング(例えば、多数の作り付けの溝の1つ)を備えることができる。
【0106】
いくつかの実施態様では、図5Cに例示されているように、太陽電池組立品300とアルベド面316との間の分離距離314は、ソーラーユニット1000の一部とアルベド面316との間の最小距離である。
いくつかの実施態様では、ケースに入れられた太陽電池組立品400は、さらに、ある傾斜角となるように設置することもできる。ソーラー組立品の傾斜は、傾斜角504と異なる(図5に示されている)。太陽電池組立品400の傾斜角は、太陽電池組立品400の平面状表面と設置面380との間の角度である。ケースに入れられた太陽電池組立品400のいくつかの実施態様では、高アルベド層316は、ケース402の底面406上に堆積される。これらの実施態様では、ソーラーユニットと底部アルベド層316との間の距離は、それぞれの非平面状ソーラーユニット1000の長軸にそってほぼ同じである。太陽電池組立品400の傾斜角は、したがって、透過した日射がどのように反射されてソーラーユニット1000に戻るかということに影響を及ぼさない。しかし、太陽電池組立品400の傾斜角は、吸収された日射から発生した熱が太陽電池組立品400からどのように放出されるかということに影響を及ぼす。一般に、太陽電池組立品400の傾斜角が大きいほど、太陽電池組立品400からの放熱を促進する効果が高まる。太陽電池組立品400が、屋根に設置された場合、ソーラーユニットによる日射吸収は、多くの場合、大量の熱を発生し、次いで、屋根をかなり熱することになる。例えば、図6に例示されているように、太陽電池組立品400が、傾斜角604で設置された場合、太陽電池組立品400の背後と支持フレーム508との間の空き領域により生じる流動空気の循環で、非平面状太陽電池200が効果的に冷却され得る。温度が低いと、非平面状ソーラーユニット1000が屋根に向かって放射する熱の量は減る。
【0107】
図5Bは、前後に並ぶ形の構成で配列された2つの太陽電池組立品300の相対的位置を例示している。前後に並ぶ形の構成は、図4Cの隣り合って並ぶ形の構成と異なる。図5Aから5Cに示されているように、前後に並ぶ形の構成の隣接する太陽電池組立品は、一列に配列される。前後に並ぶ形の構成における隣接するソーラーユニットは、距離504で互いに隔てられる。距離504は、傾斜角506とともに変化する。傾斜角506が0になると(つまり、太陽電池組立品300が、設置面380及び高アルベド面316に平行である)、隣接する非平面状ソーラーユニット1000は、端と端をつなぐ形で配列され(例えば、504がゼロである)、設置面380の被覆範囲が最大になる。また、設置面380の被覆を最大にするには、スペーサー距離306を0に減らす、つまり、非平面状ソーラーユニットを互いのすぐ隣に配列する。
【0108】
(5.3 太陽電池組立品の利点)
都合のよいことに、空間的に隔てられているソーラーユニット1000により形成される、太陽電池組立品300及び400は、入射日射を効率よく吸収し、悪天候によく耐え、周囲に及ぼすマイナスの影響(例えば、建物の屋根などの取り付け面の過熱)が少ない。
シャドウイング効果を最小限の抑えることにより集光効率を高める。隣接する非平面状ソーラーユニット1000からのシャドウイング効果は、表面に当たる日射の位置に依存する。例えば、日射が特定の角度で非平面状ソーラーユニット1000の上部に当たると(例えば、図3Dに示されているように、入射角が0の場合)、隣接する太陽電池からのシャドウイング効果はない。実際、この日射位置では、それぞれの非平面状ソーラーユニット1000の表面の半分が、直射日光に曝される。しかし、このような直達日射が生じるのは、1日のうちのごく限られた時間、例えば、正午頃にすぎない。1日のほとんどの時間、日射は非平面状ソーラーユニット1000の上部に垂直でない角度で非平面状ソーラーユニット1000と接触する。これらの状況の下で、与えられた非平面状ソーラーユニット1000について、入射日射の一部は、隣接するユニット1000が互いに近づきすぎる場合に隣接する非平面状ソーラーユニット100により遮られる。事実上、隣接するソーラーユニット1000によりもたらされる影の中に入る光電池表面は、直達日射を欠く。その結果、日射の吸収は、減衰される。
【0109】
都合のよいことに、スペーサー距離306が存在することで、日射に対する非平面状ソーラーユニット1000の露出を最大にすることができ、増大した太陽光吸収を通じて効率が向上する。図3Eを参照すると、2つの非平面状ソーラーユニット1000は、スペーサー距離306だけ隔てられている。入射日射の角度が与えられると、シャドウイング効果は、スペーサー距離306により決定される。ソーラーユニット1000により定められる平面に関する入射角が、大きくなると、隣接する非平面状ソーラーユニット1000は、隣接するソーラーユニット1000に大きな影領域をもたらす。図3Eに示されているように、非平面状ソーラーユニット1000の間隔を広げることで、影領域が縮小される。いくつかの実施態様では、その場合、隣接する非平面状ソーラーユニット1000からのシャドウイング効果が1日の実質的な時間について最小になるようにスペーサー距離306が調節される。
【0110】
また都合のよいことに、スペーサー距離306が存在することで、ソーラーユニットを日射により長く曝すことができ、したがって、本明細書で開示されている太陽電池組立品は、午後4若しくは5時、又は夕方早い時間であっても高い効率を維持する。太陽電気エネルギーを完全に利用するためには、光電池ピーク効率は、ピーク電気負荷と競り合える必要がある。ピーク電気負荷は、地理的配置、地域産業、及び人口分布に依存する。例えば、Arizona(アリゾナ)の暑い夏日では、ピーク電気負荷は、大半の人々が家庭又は職場で空調のスイッチを入れたときに発生し得る。ある種の状況下では、ピーク電気負荷は、夕方、大半の人々が帰宅するときに発生する。しかし、夜間に日光はない。ほとんどの従来型の太陽電池システムでは、光電池効率ピークは、日射の最大量がソーラーユニット1000に直接投げかけられる正午頃に出現する。したがって、夕方のピーク電力負荷は、天然ガス又は他の資源による発電に依存することになる。集光効率は、参照により本明細書に組み込まれている、Durischら、「ヨルダンの日当たりの良い敷地における選択された光電池モジュールの効率及び年間収率(Efficiency of Selected Photovoltaic Modules and Annual Yield at a Sunny Site in Jordan)」(Proceedings of the World Renewable Energy Congress VIII (WREC 2004): 1-10)により提案されている方法を使用して計算できる。
【0111】
非平面状ソーラーユニットの発熱を減らすことによる集光効率増大。太陽電池組立品(例えば、図3及び5の太陽電池組立品又は図4及び6の太陽電池組立品400)内のソーラーユニット1000が日射を吸収すると、組立品の温度は上昇する。大半のソーラーユニット1000の電気変換効率は、太陽電池パネルの温度上昇の悪影響を受ける。高温に関わる効率減少は、ほとんどの太陽電池システムにおいて観察されており、例えば、CIGS及び結晶シリコンに基づく半導体システムを用いる太陽電池システムの効率は、太陽電池組立品の温度が1度上昇する毎に約0.5パーセント低下し得る。太陽電池の性能及び効率に関する追加の情報は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Burgess及びPritchard、1978「能動冷却を使用する1キロワット集光器光電池アレイの性能(Performance of a One Kilowatt Concentrator Photovoltaic Array Utilizing Active Cooling)」(IEEE photovoltaic specialists conference, Washington, DCCONF-780619-5)並びにYoshidaら、1981「高効率大面積AlGaAs/GaAs集光器太陽電池(High efficiency large area AlGaAs/GaAs concentrator solar cells)」(Photovoltaic Solar Energy Conference, Proceedings of the Third International Conference A82-24101 10-44: 970-974)に記載されている。
【0112】
都合のよいことに、スペーサー距離306、通路312、及び高さ314が存在することで、太陽電池組立品300内の空気循環が促進される。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000の効果的冷却は、高さ314が少なくともスペーサー距離306又は通路312よりも大きい場合になされる。図3Fは、スペーサー距離306、通路312、及び高さ314が熱せられた太陽電池組立品を冷却しやすくする可能な機構を例示している。スペーサー距離306、通路312、及び分離距離314が存在するため、非平面状ソーラーユニット1000の周辺の空気は、外気と流動的に連絡する。非平面状ソーラーユニット1000から出る熱は、多くの空気流内に、例えば、図3Fに例示されているような空気流320、330、及び340内に放出される。さらに、風などの自然対流が、熱せられた非平面状ソーラーユニット1000からの放熱をいっそう促す。国内の対流及び熱伝達に関する一般文献としては、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Lin及びChurchill、1978「垂直等温板からの無乱流対流(Turbulent Free Convection From a Vertical Isothermal Plate)」(Numerical Heat Transfer 1: 129-145)、Siebersら、1985「垂直の広い平坦な表面からの実験的可変特性自然対流(Experimental, Variable Properties Natural Convection From a Large, Vertical, Flat Surface)」(ASME J. Heat Transfer 107: 124-132)、並びにWarner及びArpaci、1968「垂直加熱平板内の乱流自然対流の実験的調査(An Experimental Investigation of Turbulent Natural Convection in Air along a Vertical Heated Flat Plate)」(Intl. J. Heat & Mass Transfer 11: 397-406)がある。太陽電池システムに関係するより具体的な参考文献としては、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、M.J. O'Neill「シリコン低集光、線焦点、地上モジュール(Silicon Low-Concentration, Line-Focus, Terrestrial Modules)」(Solar Cells and their Applicationsの第10章, John Wiley & Sons, New York, 1995)、並びにSandberg及びMoshfegh、2002「光電池前面における浮力誘発空気流-太陽電池モジュールの空隙及び配置の幾何学的形状の効果(Buoyancy-Induced Air Flow In Photovoltaic Facades-Effect Of Geometry of the Air Gap and Location of Solar Cell Modules)」(Building and Environment 37: 211-218(8))がある。
【0113】
風力荷重効果を低減することによる構造的完全性の向上。太陽電池パネルの構造的完全性は、デバイスの寿命に関して重要なものである。強い風は、ソーラーユニット1000の温度を下げるのに役立つけれども、多くの場合、太陽電池パネルの構造的な損傷を引き起こす可能性がある。都合のよいことに、本明細書で開示されている太陽電池組立品(例えば、太陽電池組立品300)は、空間的に隔てられているソーラーユニット1000により形成される。したがって、これらは、悪天候、例えば、強い風を伴う雪又は風雨によく耐える。図3Fに例示されているように、スペーサー距離306、高さ314、及び通路312が存在することで、太陽電池組立品300の総風力荷重が効果的に低減される。光電池モジュールの風力荷重及び信頼性及び性能に関する追加文献については、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、Munzerら、1999「薄膜単結晶シリコン太陽電池(Thin monocrystalline silicon solar cells)」(IEEE Transactions on Electron Devices 46 (10): 2055-2061)、Hirasawaら、1994「光電池アレイ構造の設計及び製図支援システム(Design and drawing support system for photovoltaic array structure)」(Photovoltaic Energy Conversion, Conference Record of the Twenty Fourth IEEE Photovoltaic Specialists Conference 1: 1127-1130)、Dhereら、「現場配置光電池モジュールの劣化の側面に関する調査(Investigation of Degradation Aspects of Field Deployed Photovoltaic Modules)」(NCPV and Solar Program Review Meeting 2003 NREL/CD-520-33586: 958)、Wohlgemuth、1994「PVモジュールの信頼性試験(Reliability Testing of PV Modules)」(IEEE First World Conference on Photovoltaic Energy Conversion : 889 892)、並びにWohlgemuthら、2000「光電池モジュールの信頼性及び性能試験(Reliability and performance testing of photovoltaic modules)」(Photovoltaic Specialists Conference, Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE: 1483-1486)を参照のこと。
【0114】
周囲に対するマイナスの影響の低減。入射日射を吸収した後、太陽電池モジュールは、熱を発生して高温になる。このような高温が生じると、太陽電池モジュールの周囲に悪影響を引き起こす可能性がある。例えば、高温の太陽電池モジュールは、建物の屋根を過熱させ、ときには火災の危険がある。図3Fに例示されているように、スペーサー距離306、通路312、及び高さ314は、太陽電池モジュールの温度を下げるのを助け、したがって、屋根の加熱効果も下げる。いくつかの実施態様では、このような低減は、太陽電池組立品300内に追加の特徴を実装することにより促進される。例えば、太陽電池組立品を支持フレーム508上に設置することにより、反射アルベド層を加え、及び/又は太陽電池組立品を持ち上げて設置面380から離す。
【0115】
追跡。開示されている装置は、さらに、自己追跡の利点をさらに有する。つまり、日光に面するようにソーラーユニット1000の組立品の位置を決めるために追跡デバイスを使用する必要がないということである。上記のように、太陽電池の効率を高めるために、当該技術分野では追跡デバイスが使用される。追跡デバイスは、太陽に追随するため時間とともに移動する。むしろ、ソーラーユニット1000の間に間隔があり、またソーラーユニット1000により定められた平面と設置面380及び/又は底部406との間に間隔があるため、ソーラーユニット1000は、1日の実質的な時間の間、日光を当てる同じ大きさの光電池表面積をもたらす。
【0116】
(5.4 例示的な半導体接合部)
図7Aを参照すると、一実施態様では、半導体接合部206は、背面電極104上に堆積された、吸収体層106と吸収体層106上に堆積された、接合パートナー層108との間のヘテロ接合である。層106及び108は、異なるバンドギャップ及び電子親和力を持つ異なる半導体からなり、接合パートナー層106は、吸収体層108に比べて大きなバンドギャップを有する。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、p型ドープされ、接合パートナー層108は、n型ドープされている。このような実施態様では、透明導電層110(図に示されていない)は、n+型ドープされている。代替え実施態様では、吸収体層106は、n型ドープされ、透明導電層110は、p型ドープされている。このような実施態様では、透明導電層110は、p+型ドープされている。いくつかの実施態様では、参照により本明細書に組み込まれている、Pandey「半導体電着ハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」(Marcel Dekker Inc., 1996, Appendix 5)に挙げられている半導体を使用して、半導体接合部206を形成する。
【0117】
(5.4.1 銅インジウム二セレン化物及び他のI-III-VI族材料に基づく薄膜半導体接合部)
続けて図7Aを参照すると、いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅インジウム二セレン化物(CuInSe2、CISともいう)などのI-III-VI2族化合物である。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2、又はCuGaS2からなる群から選択されたI-III-Vl2族三元化合物であるが、ただし、このような化合物が存在することが知られている場合である。
【0118】
いくつかの実施態様では、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。一実施態様では、吸収体層106は、p型CISであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。このような半導体接合部406は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第6章で説明されている。
【0119】
いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(copper-indium-gallium-diselenide)(CIGS)である。このような層は、Cu(InGa)Se2とも呼ばれる。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(copper-indium-gallium-diselenide)(CIGS)であり、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。一実施態様では、吸収体層106は、p型CIGSであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。このような半導体接合部406は、参照により本明細書に組み込まれている、「光電池科学工学ハンドブック(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」(2003, Luque and Hegedus (eds.), Wiley & Sons, West Sussex, England,第12章)の第13章において説明されている。いくつかの実施態様では、層106は、0.5μmから2.0μmまでの厚さを有する。いくつかの実施態様では、層502内のCu/(In+Ga)の構成比は、0.7から0.95までである。いくつかの実施態様では、層106内のGa/(In+Ga)の構成比は、0.2から0.4までである。いくつかの実施態様では、CIGS吸収体は、<110>結晶方位を有する。いくつかの実施態様では、CIGS吸収体は、<112>結晶方位を有する。いくつかの実施態様では、CIGS吸収体は、ランダムに配向される。
【0120】
(5.4.2 非晶質シリコン又は多結晶シリコンに基づく半導体接合部)
いくつかの実施態様では、図7Bを参照すると、半導体接合部206は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様では、これは、n/n型ヘテロ接合である。例えば、いくつかの実施態様では、層714は、SnO2(Sb)を含み、層712は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層710は、n+型ドープ非晶質シリコンを含む。
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様では、層714は、p+型ドープ非晶質シリコンであり、層712は、非ドープ非晶質シリコンであり、層710は、n+型非晶質シリコンである。このような半導体接合部206は、参照により本明細書に組み込まれている、Bube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第3章で説明されている。
【0121】
いくつかの実施態様では、半導体接合部406は、薄膜多結晶に基づく。図7Bを参照すると、そのような実施態様による一例において、層710は、p型ドープ多結晶シリコンであり、層712は、空乏型多結晶シリコンであり、層714は、n型ドープ多結晶シリコンである。このような半導体接合部は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Green、「シリコン太陽電池:高度な原理と技法(Silicon Solar Cells: Advanced Principles & Practice)」(Centre for Photovoltaic Devices and Systems, University of New South Wales, Sydney, 1995)、及びBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London, pp.57-66)において説明されている
【0122】
いくつかの実施態様では、非晶質Si:H 太陽電池内のp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hに基づく半導体接合部406が使用される。このような半導体接合部は、参照により本明細書に組み込まれている、Bube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London, pp.66-67)、及びそこに引用されている参考文献において説明されている。
【0123】
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、タンデム接合である。タンデム接合は、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Kimら、1989「宇宙用途の軽量(AIGaAs)GaAs/CulnSe2タンデム接合太陽電池(Lightweight (AIGaAs)GaAs/CulnSe2 tandem junction solar cells for space applications)」(Aerospace and Electronic Systems Magazine, IEEE Volume 4, Issue 11, Nov. 1989 Page(s):23-32)、Deng、2005「a-SiGeベースの3接合、タンデム接合、及び単一接合太陽電池の最適化(Optimization of a-SiGe based triple, tandem and single junction solar cells)」(Photovoltaic Specialists Conference, 2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3-7 Jan. 2005 Page(s):1365-1370)、Aryaら、2000「非晶質シリコンベースのタンデム接合薄膜技術:製造の観点から(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology: a manufacturing perspective)」(Photovoltaic Specialists Conference, 2000, Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15-22 Sept. 2000 Page(s):1433-1436)、Hart、1988「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」(Photovoltaic Specialists Conference, 1988, Conference Record of the Twentieth IEEE 26-30 Sept. 1988 Page(s):764-765 vol.1)、Kim、1988「高効率GaAs/CuInSe2タンデム接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」(Photovoltaic Specialists Conference, 1988., Conference Record of the Twentieth IEEE 26-30 Sept. 1988 pp.457-461, vol.1)、Mitchell、1988「単一及びタンデム接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」(Photovoltaic Specialists Conference, 1988, Conference Record of the Twentieth IEEE 26-30 Sept. 1988 Page(s): 1384-1389 vol.2)、及びKim、1989「宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2タンデム接合太陽電池(High specific power (AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」(Energy Conversion Engineering Conference, 1989, IECEC-89, Proceedings of the 240i Intersociety 6-11 Aug. 1989 Page(s):779-784 vol.2)において説明されている。
【0124】
(5.4.3 ガリウムヒ素及び他のタイプのIII-V族材料に基づく半導体接合部)
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、ガリウムヒ素(GaAs)又はInP、AISb、及びCdTeなどの他のIII-V族材料に基づく。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM 1放射線の97%を吸収することができる。半導体接合部として使用され得る好適なタイプのIII-V族の接合部は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第4章で説明されている。
【0125】
さらに、いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988「第20回IEEE光電池専門家会議(20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference)」(IEEE Publishing, New York, p.754)で説明されているGaAs/Si機械的積層多接合、Stanberyら「第19回IEEE光電池専門家会議(19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference)」(IEEE Publishing, New York, p.280)、及びKimら、「第20回IEEE光電池専門家会議(20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference)」(IEEE Publishing, New York, p.1487)において説明されているGaAs薄膜上側太陽電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜底側太陽電池からなるGaAs/CulnSe2 MSMJ 4端子デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池であり、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。多のハイブリッド多接合太陽電池は、参照により本明細書に組み込まれている、Bube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London, pp.131-132)において説明されている。
【0126】
(5.4.4 テルル化カドミウム及び他のタイプのII-VI族材料に基づく半導体接合部)
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、n型又はp型のいずれかで作成され得るII-VI族化合物に基づく。したがって、いくつかの実施態様では、図7Cを参照すると、半導体接合部206は、層720及び740が以下の表に記載されている任意の組合せ又はその合金であるp-nヘテロ接合である。
【表2】
【0127】
半導体接合部206の製造方法は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第4章で説明されているII-VI族化合物に基づく。
【0128】
(5.4.5 結晶シリコンに基づく半導体接合部)
薄膜半導体膜から作られる半導体接合部206は好ましいが、他の接合部を使用することができる。例えば、いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、結晶シリコンに基づく。例えば、図7Dを参照すると、いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、n型結晶シリコン740の層及びn型結晶シリコン750の層を備える。結晶シリコン半導体接合部206の製造方法は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第2章で説明されている。
【0129】
(5.5 寸法例)
図2Bに例示されているように、ソーラーモジュール270は、断面の幅よりも大きな長さlを有する。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270は、10ミリメートル(mm)から100,000mmまでの長さl及び3mmから10,000mmまでの幅wを有する。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュールは、10mmから5,000mmまでの長さl及び10mmから1,000mmまでの幅dを有する。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270は、40mmから15000mmまでの長さl及び10mmから50mmまでの幅dを有する。
【0130】
いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270は、図2Bに例示されているように細長くできる。図2Bに例示されているように、細長いソーラーモジュール270は、縦寸法l及び幅寸法wを有することを特徴とするモジュールである。細長いソーラーモジュール270のいくつかの実施態様では、縦寸法lは、幅寸法wの少なくとも4倍、少なくとも5倍、又は少なくとも6倍を超える。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270の縦寸法lは、10センチメートル以上、20センチメートル以上、又は100センチメートル以上である。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270の幅w(例えば、太陽電池が円筒状である場合の直径)は、5ミリメートル以上、10ミリメートル以上、50ミリメートル以上、100ミリメートル以上、500ミリメートル以上、1000ミリメートル以上、又は2000ミリメートル以上である。
【実施例】
【0131】
(6. 実施例)
非平面状ソーラーユニット1000は、空間的分離あり、及び空間的分離なしで、互いに平行に、又はほぼ平行に配列される。コンピュータシミュレーション分析を使用して、ソーラーユニット1000の異なる空間的配列における日射の吸収レベルを比較した。このようなモデリングが可能であるのは、太陽電池に関連する光学原理が知られているからである。つまり、非平面状ソーラーユニット1000の与えられた幾何学的配列について、太陽光の吸収、反射、回折、並びに反射面、拡散面、及びアルベド面からの後方反射を正確に計算することができる。さらに、日射の特性は、十分に研究されている。所定の任意の時点において、天体空間内の太陽の位置を緯度と方位角とで正確に定めることができる。また、太陽電池組立品の特性もきちんと定義することができる(例えば、太陽電池の寸法、スペーサー距離のサイズ、及び太陽電池組立品と設置面との間の分離距離)。したがって、ソーラー組立品について集められた太陽エネルギーの輻射レベル、入射角、及び量を計算することが可能である。スペーサー距離306及び分離距離314を有するソーラーユニット1000の組立品が、電池スペーサー距離306をほとんど又は全く有せず、基板上に据え付けられている、したがって分離距離314を有しないコンパクトに詰められた太陽電池組立品に比べてより効果的に日射を集光することを示すために、コンピュータによりシミュレートして得られたデータをこの節に掲載する。
【0132】
(6.1 太陽電池組立品の空間的分離)
非平面状ソーラーユニット1000の異なる空間的配列が、図8Aから8Cに示されているように定められる。これらの異なる配列内の非平面状ソーラーユニット1000により集められた太陽エネルギーを計算し、互いに突き合わせて比較する。図8Aでは、非平面状ソーラーユニット1000は、長軸が南北方向にそって揃えられるように配列されている。非平面状ソーラーユニット1000の寸法は、a1であり円筒状ソーラーユニットと隣接する円筒状ソーラーユニットとの間の距離は、c1と定義される。c1は、これら2つのソーラーユニット1000の間のスペーサー距離306を含むので、設置面の被覆率は、c1に対するa1の比、例えば、a1/c1とおおざっぱに表すことができる。所定のタイプの太陽電池配列について、太陽電池組立品のソーラーユニット1000被覆率a1/c1は、材料コストと比例的に相関する。ソーラーユニット被覆率a1/c1は、ソーラーユニットの間のスペーサー距離が本質的に0になると1に到達する。ソーラーユニット被覆率a1/c1が0.5であると、ソーラーユニットは、ソーラーユニット1000の幅に等しいスペーサー距離306で隔てられていることが示される。
【0133】
図8Bでは、非平面状ソーラーユニット1000は、それぞれのソーラーユニット1000の長軸が、図8Aのソーラーユニット1000の向きに垂直な、東西方向に揃えられるように配列される。図8Aの場合と同様に、図8Bの設置面の被覆率は、c1に対するa1の比、例えば、a1/c1とおおざっぱに表すことができる。図8Aと8Bの両方において、非平面状ソーラーユニット1000は、隣接するソーラーユニット1000の間に空間(スペーサー距離306)を入れて組み立てられている。このような配列は、水平グリッド配列とも呼ばれる。
【0134】
図8Cにおいて、非平面状ソーラーユニット1000は、隣接する非平面状ソーラーユニット1000の間のスペーサー距離306が最小になるようにくっつき合うようにして詰め込まれている。図8Cは、ソーラーユニット1000の標準的な従来技術による構成を表している。本質的に、非平面状ソーラーユニット1000は、2面パネルを形成する。図8Cでは、スペーサー距離306が無視できるので、図8A及び8Bに示されている構成について定義された被覆率の概念を捉えるために新しい被覆定義をモデリング研究に導入した。図8Cに示されているように、太陽電池組立品のサイズは、幅a2と長さlにより定義することができる。太陽電池組立品の設置面積は、そのパネル分離距離c2と電池長さlとにより定義され得る。その結果、図8Cに示されているように、2面パネルに対する管被覆も、a2/c2と推定することができる。
【0135】
図8に示されている2面パネル実施態様について定義された設置面積に対するこれらの定義を使用することで、異なる傾斜角に関して集められた太陽エネルギーの量を分析する(図8Cに示されているように)。より具体的には、2つの傾斜角、38.3度と10度で集められた太陽エネルギーを3つの構成のそれぞれについて分析した(図8A、8B、及び8C)。異なる太陽電池配列を使用して集められた、シミュレート年間太陽エネルギーを比較研究した。この分析の結果について以下で説明する。
【0136】
(6.2 空間的分離ソーラーユニットは、太陽エネルギーを集めるうえでより効果的である)
コンピュータシミュレーションによる実験を実施して、前の節で定義されたそれぞれの太陽電池配列により年間太陽エネルギーを推定した。図10は、シミュレーション研究の結果の要約及び比較である。それぞれの太陽電池配列で集められた総年間太陽エネルギーが、それぞれのタイプの太陽電池配列について管被覆率値の関数としてプロットされている。図10は、図8A及び8Bに示されているような空間的に分離された太陽電池配列が、図8Cに示されているパネル型の従来技術による太陽電池配列と比べて、太陽エネルギーをより効果的に集めることを示している。図10は、同じ空間的に分離された太陽電池組立品が与えられた場合に、太陽電池組立品の向きが、太陽エネルギー収集に影響を及ぼさないことも示している。南北方向の管に対するエネルギー収集曲線は、東西方向の管に対するエネルギー収集曲線とほとんど同じである(例えば、図10の曲線I及びIIに示されているように)。図10は、さらに、非平面状太陽電池により形成される太陽電池パネルが、傾斜角に依存する太陽光吸収プロファイルを有しないことも示している。例えば、図8Cに示されている太陽電池パネルは、38.3度又は10度に傾けたときに集められる太陽エネルギーにかなりの差のあることを示していない(例えば、図10の曲線III及びIVに示されている)。
【0137】
(6.3 年間日射の変動及び構成)
図9Aから9Cにおいて、日射の自然変動を分析した。図9Aから9Cに示されているように、太陽電池により集められた総日射を、直接輻射と拡散輻射の2つの構成要素に分けた。全輻射は、太陽電池組立品により吸収される日射の総量である。直接輻射は、直接入射光の形で吸収される全エネルギーの部分である。拡散輻射は、大気中の汚れ及び他の小粒子により散乱される太陽光からのエネルギーを表すが、ただし、地面は反射率がゼロであると仮定する。
【0138】
図9Aは、38.3度の緯度における正午の日射の年間変動を示している。エネルギー曲線に示されているように、全輻射、直接輻射、及び拡散輻射からのエネルギーは、すべて、175日目当たりでピークになる、つまり、日射への太陽電池露出が北半球で最長となるときの夏至の頃にピークになる。3種類の形態のエネルギーすべてが、冬至の頃に最小になったとしても驚くにはあたらない。
【0139】
同様に、日射は、さらに、1日の間の異なる時刻に関して変動する。例えば、図9Bに示されているように、緯度38.3度の150日目に、3種類のエネルギー形態はすべて、正午頃にピークになる。図9Bでは、x軸上の時刻は、入射日射に対する入射角の太陽時として定義される。例えば、太陽が水平線上にある場合、入射角は90度である、つまり、1/2π又は1.57である。正午に、入射角は0になり、したがって、太陽時は、0π又は0となる。そこで、図9Bは、日の出から日没までの日射の変動を示している。
図9Cは、太陽電池組立品により集められた全エネルギーの相対的構成を示している。直達日射からのエネルギーは、支配的なエネルギー形態であるが、拡散日射からのエネルギーは、副次的形態のエネルギーである。
【0140】
(6.4 異なる配列により吸収されるエネルギーの構成)
直接及び拡散輻射に加えて、アルベド層の追加により、ソーラーユニット1000も吸収する新しい形態のエネルギー、アルベド副次的形態のエネルギーが導入される。アルベド副次的形態のエネルギーは、地面又は他の表面が日射を反射してソーラーユニット1000へ返す場合に存在する。シミュレーション研究では、80パーセントのアルベド値を使用して、アルベド反射を通じて集められたエネルギーを計算した。
【0141】
図11Aから11Dでは、図10に示されている4つの全エネルギー吸収曲線は、さらに、直接、拡散、及びアルベドの3つの副次的形態に分割されている。図11Aから11Dに示されているように、直達日射からのエネルギーは、依然として、4つの異なる配列すべてにおいてソーラーユニット1000により吸収される支配的形態のエネルギーである。すべてのタイプの配列において、エネルギー吸収は、管被覆率の増大に比例して増大する。
【0142】
興味深いことに、アルベド層は吸収されるエネルギーの総量に大きく関わっていることが確認されている。4つの異なる配列すべてにおいて、設置面のかなりの部分が露出されている場合(設置面が、高アルベド材料により覆われている場合)、高アルベド層により吸収されるエネルギー量は、拡散日射により吸収されるエネルギー量に比べて大きい。例えば、被覆率0.3では、つまり、設置面のおおよそ1/3の部分のみが覆われている場合、高アルベド層により吸収されるエネルギー量は、拡散日射により吸収されるエネルギー量に比べて大きい。アルベドにより吸収されるエネルギーの量は、管被覆率が増大すると減少する。アルベドエネルギーが依然としてソーラーユニット1000により吸収されるエネルギーの総量のうちのわずかを占めるだけだとしても、アルベドからの寄与分は、ソーラーユニット1000が考慮された場合に評価されるべきである。管被覆率が0.6を超えて増大した場合、ソーラーユニット1000の生産は、著しくコスト高となり、そのような高い管被覆率を持つ配列は、本質的に実用的なものといえない。
【0143】
図12A及び12Bは、2つの異なる地理的配置、Newark(ニューアーク)とChurchill(チャーチル)で集められたシミュレートされたエネルギーを比較したものである。Newark(ニューアーク)とChurchill(チャーチル)は、両方とも、北半球にあり、緯度の値がそれぞれ40.7及び58.4である。上の6.1節で説明されている太陽電池配列に加えて、一般的な単一面ソーラーパネルにより集められる太陽エネルギーは、さらに、シミュレーション研究に対照として含まれる。両方の配置において、それぞれの太陽電池配列による日射吸収がシミュレートされる。さらに、配列毎に、4つの異なる管被覆レベル、0.2、0.3、0.4、及び0.5でシミュレーションが実行される。研究された異なる太陽電池配列は、アルベド層を有する水平グリッド配列(例えば、図12A及び12Bの1202)、アルベド層を有しない水平グリッド配列(例えば、図12A及び12Bの1204)、傾斜角20度の単一面及び2面平面形状パネル配列(例えば、図12Aの1206及び1208)、傾斜角40度の単一面及び2面平面形状配列(例えば、図12Bの1212及び1214)、並びにアルベドのない水平位置平面形状配列(例えば、図12A及び12Bの1210)を含む。
【0144】
図12Cでは、コンピュータシミュレーションにより拡散日射を集める際の太陽電池配列の容量が分析された。図12Cは、水平グリッド太陽電池配列の高い効率が、主に、拡散日射を集める際の効率によるものであることを示している。上記のシミュレーションデータは、異なる配置では、アルベドを有する水平グリッド配列は、日射を集めるうえで最も効果的な配列形態であることを示している。このような高い効率は、管被覆率と無関係である。
【0145】
(6.5 結論)
組立品内のそれぞれのソーラーユニット1000が、隣接するソーラーユニット1000までのかなりのスペーサー距離306のところに配列されるように、平面形状又はほぼ平面形状の組立品内で互いに平行に配列された非平面状ユニット1000のアレイは、太陽エネルギーを非常に効果的に集める。非平面状ソーラーユニット1000により形成された太陽電池組立品は、組立品と設置面との間の傾斜角の影響を受けない。非平面状ソーラーユニット1000が、ソーラーユニット間の空間的分離を施して配列された場合、これらのユニットは、すべてのソーラーユニット1000がくっつき合うように詰め込まれている比較可能な配列に比べて効果的に太陽エネルギーを集める。
【0146】
(7.引用文献)
本明細書で引用されているすべての参考文献は、またそれぞれの個別の刊行物又は特許若しくは特許出願が、すべての目的に関して参照によりその全てにおいて組み込まれることを明確かつ個別に示された場合と同じ程度にそれらの全体において参照により、すべての目的に関して、本明細書に組み込まれる。
【0147】
開示されている装置及び方法の多くの修正並びに変更は、当業者には明らかなように、本明細書の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書で説明されている特定の実施態様は、例としてのみ示されており、本発明は、付属の請求項の表現によってのみ、そのような請求項が関係する等価物の全範囲ともに、制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0148】
いくつかの図面全体を通して類似の参照番号は、対応する部分を指す。寸法は、縮尺通りでない。
【図1A】従来技術による相互接続された太陽電池を示す図である。
【図1B】従来技術による、1998年のCalifornia(カリフォルニア)州の電力需要の大規模な変化を示す図である。
【図1C】従来技術による、12月のCalifornia(カリフォルニア)州の午後6時及び午後7時頃の夕方時間帯における電力需要ピークを示す図である。
【図1D】従来技術の太陽電池に関連するシャドウイング効果を示す図である。
【0149】
【図2A】本明細書の一実施態様による、非平面状太陽電池の断面図である。
【図2B】本明細書の一実施態様による、ソーラーモジュールの斜視図及び断面図である。
【0150】
【図3A】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の斜視図である。
【図3B】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の断面図である。
【図3C】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の上面図である。
【図3D】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の部分断面図である。
【図3E】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の部分断面図である。
【図3F】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の部分断面図である。
【0151】
【図4A】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の斜視図である。
【図4B】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の断面図である。
【図4C】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の上面図である。
【図4D】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の部分断面図である。
【図4E】本明細書の一実施態様による、後部反射器を備えるケースに入れられた太陽電池組立品の断面図である。
【図4F】本明細書の一実施態様による、内部反射器を備えるケースに入れられた太陽電池組立品の断面図である。
【図4G】本明細書の一実施態様による、静的集光器の使用を示す図である。
【0152】
【図5A】本明細書の一実施態様による、斜面上の太陽電池組立品の斜視図である。
【図5B】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の上面図である。
【図5C】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の側面図である。
【図6】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の側面図である。
【0153】
【図7A】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【図7B】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【図7C】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【図7D】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【0154】
【図8A】本明細書の実施態様による、例示的な太陽電池配列を示す図である。
【図8B】本明細書の実施態様による、例示的な太陽電池配列を示す図である。
【図8C】本明細書の実施態様による、例示的な太陽電池配列を示す図である。
【0155】
【図9A】本明細書のいくつかの実施態様による、日射の特性を示す図である。
【図9B】本明細書のいくつかの実施態様による、日射の特性を示す図である。
【図9C】本明細書のいくつかの実施態様による、日射の特性を示す図である。
【図10】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の太陽光吸収プロファイルを示す図である。
【0156】
【図11A】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【図11B】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【図11C】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【図11D】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【0157】
【図12A】従来技術の実施態様と本明細書による、実施態様との年間エネルギー吸収を比較する図である。
【図12B】従来技術の実施態様と本明細書による、実施態様との年間エネルギー吸収を比較する図である。
【図12C】従来技術の実施態様と本明細書による、実施態様との年間エネルギー吸収を比較する図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月30日に出願した米国特許出願第11/396,069号の優先権を主張するものである。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、ソーラーユニットの配列に関するものである。より具体的には、本発明は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を最適化するために太陽電池パネル又は太陽電池アレイ内に非平面状ソーラーユニットを空間的に配列するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.発明の背景)
今日、電力会社が直面している問題の1つは、昼間のピーク時とオフピーク時とで、送電網に対する総エネルギー需要が大きく変動することである。このことは、電力業界について特にいえる。いわゆるピーク需要期間若しくは負荷制限間隔とは、送電網への適切なサービスを維持するために負荷制限が必要になる可能性のある発電機器に対する非常に高い需要のある期間のことである。これらは、例えば、暑い夏の日に、空調装置が同時に広範囲にわたって使用されると発生する。典型的には、負荷制限間隔は、何時間も続くことがあり、通常は、正午から午後6時までの時間帯などの日中の最も暑いときに発生する。ピークは、電熱装置の使用があたりまえである地域の冬の最も寒い数ヶ月間にも発生し得る。実際、所要電力は、意図された目標を達成しようと試みているエネルギー消費者のエネルギー需要の変動だけでなく、電気エネルギーの価格に関係する環境規制及び市場要因によっても変化する可能性がある。以前には、非常に高いピーク需要に応えるために、業界は、発電力及び発電機器の増大への投資、又はそのような投資を行った他の電力会社からのいわゆる「ピーク」電力の購入への投資に膨大な資金の投入を強いられた。
【0004】
変動するエネルギー需要に対応するために、エネルギー生産者は、生産し、出力しているエネルギーを個別に調節し、及び/又は互いに連携して、出力エネルギーをまとめて調節することができる。電力会社のインフラに対する需要を緩和する一方法は、太陽電池などの代替え発電源を使用することである。しかし、太陽電池の発電能力は、日射に曝された期間に制限される。当該技術分野における既存の太陽電池システムは、入射日射が比較的小さな入射角を有している正午頃にピーク能力に到達する。一般に、太陽電池システムのピーク効率は、ピーク電力需要の前に発生する。図1B及び1Cに例示されているように、ピーク電力需要は、地理的な配置及び季節の変化に関して日中の数時間の間に変化する。例えば、図1Cに例示されているように、電力需要は、California(カリフォルニア)州では12月の午後6時及び午後7時頃の夕方時間帯にピークに達する。2006年3月28日、Canada(カナダ)Ontario(オンタリオ)州では、電力需要が、午前9時頃に1回、午後9時頃にもう1回と、ほとんど2回ピークに達した。図1Bは、1998年のCalifornia(カリフォルニア)州の電力需要の大規模な変化を示している。全体として、California(カリフォルニア)州の1998年の電力需要は、午後4時頃にピークに達した。図1Bは、さらに、ピーク時間帯が夕方時間帯にずれ込むのが、もっぱら住宅での電力使用によるものであることを示している。したがって、独立系電力系統運用者(Independent Electricity System Operator)(IESO)及びAlberta(アルバータ)州電力系統運用者(Alberta Electricity System Operator)(AESO)などの電力網管理者は、時間とともに変化する電力需要及び使用度を追跡する高度なシステムを開発した。時間の経過とともに変化する電力網要件に関する補足情報は、独立系電力系統運用者(Independent Electricity System Operator)(IESO)、Alberta(アルバータ)州電力系統運用者(Alberta Electricity System Operator)(AESO)によって運営されているウェブサイト、さらにはAC Propulsion Inc.社から入手可能である。
【0005】
太陽電池は、典型的には、4〜6cm2以上のオーダーの光収集表面積を持つ独立した物理的実体として加工される。このような理由から、発電用途では、その光収集面が単一の大きな光収集面に近似するように個々の太陽電池を支持基板又はパネル上に平面アレイとして実装することが標準的技法となっている。また、それぞれの太陽電池自体が発生する電力量はごくわずかであるため、必要な電圧及び/又は電流は、直列及び/又は並列のマトリックスの形でアレイの太陽電池を相互接続することにより実現される。
【0006】
従来技術の太陽電池構造は、図1Aに示されている。異なる層の厚さは広い範囲にわたるため、層は略図で示されている。さらに、図1は、「厚膜」太陽電池と「薄膜」太陽電池の両方の特徴を表すように大幅に略した図である。一般に、光を吸収するために間接バンドギャップ材料を使用する太陽電池は、典型的には、「厚膜」太陽電池として構成されるが、それは、十分な量の光を吸収するためには吸収体層の厚膜が必要だからである。光を吸収するために直接バンドギャップ材料を使用する太陽電池は、典型的には、「薄膜」太陽電池として構成されるが、それは、十分な量の光を吸収するためには直接バンドギャップ材料の薄い層のみがあればよいからである。
【0007】
図1Aの一番上にある矢印は、太陽電池上の直射日光照射源を示している。層102は、基板である。ガラス又は金属が、よく使われる基板である。薄膜太陽電池では、基板102は、ポリマーベースのバッキング、金属、又はガラスとしてよい。場合によっては、基板102を被覆する封止層(図に示されていない)がある。層104は、太陽電池用のバック電気接点である。
【0008】
層106は、半導体の吸収体層である。バック電気接点104は、吸収体層106とオーミック接触をする。すべてではないが多くの場合、吸収体層106は、p型半導体である。吸収体層106は、光を十分吸収するだけの厚さを有する。層108は、半導体吸収体層106と一緒になって、p-n接合の形成を完成する半導体接合パートナーである。p-n接合は、太陽電池によく見られるタイプの接合である。p-n接合ベースの太陽電池では、半導体吸収体層106が、p型ドープ材料である場合、接合パートナー108は、n型ドープ材料である。逆に、半導体吸収体層106が、n型ドープ材料である場合、接合パートナー108は、p型ドープ材料である。一般に、接合パートナー108は、吸収体層106よりもかなり薄い。例えば、場合によっては、接合パートナー108は、約0.05ミクロンの厚さを有する。接合パートナー108は、日射に対し非常に透過的である。接合パートナー108は、光を下にある吸収体層106に通すので窓層とも呼ばれる。
【0009】
典型的な厚膜太陽電池では、吸収体層106及び窓層108は、同じ半導体材料から作ることができるが、異なるキャリアタイプ(ドーパント)及び/又はキャリア濃度を持ち、2つの層に相異なるp型及びn型の特性を付与する。銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(copper-indium-gallium-diselenide)(CIGS)が吸収体層106である薄膜太陽電池では、CdSを使用して接合パートナー108を形成した結果、高効率の太陽電池が得られた。接合パートナー108に使用できる他の材料は、限定はしないが、SnO2、ZnO、ZrO2、及びドープZnOを含む。
【0010】
層110は、対向電極であり、それで機能太陽電池が完成する。接合部から電流を引き込むために対向電極110が使用されるが、それは、接合パートナー108は一般に抵抗が高すぎてこの機能を発揮できないからである。したがって、対向電極110は、高い導電性と、光透過性を有しているべきである。対向電極110は、実際には、離散層を形成するよりはむしろ、層108上に印刷された金属の櫛型構造とすることができる。対向電極110は、典型的には、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム-錫酸化物(indium-tin-oxide)(ITO)、酸化錫(tin oxide)(SnO2)、又はインジウム-亜鉛酸化物などの透明導電酸化物(transparent conductive oxide)(TCO)である。しかし、TCO層が存在しているとしても、母線ネットワーク114は、典型的には、電流を引き出すために従来の太陽電池において必要であるが、それというのも、TCOの抵抗が高すぎて、大きな太陽電池ではこの機能を効率よく発揮できないからである。ネットワーク114は、金属接点に到達するためにTCO層内で電荷キャリアが移動しなければならない距離を短縮し、これにより、抵抗損失が減る。金属母線は、格子線とも呼ばれ、例えば銀、鋼、又はアルミニウムなどの十分に導電性の高い金属で作ることができる。ネットワーク114の設計では、導電性は高いが、光が比較的通りにくい、太い格子線と、導電性は低いが、光が比較的通りやすい細い格子線との間に設計上のトレードオフの関係がある。金属バーは、好ましくは、光線を層110に通せる櫛形配列で構成される。母線ネットワーク層114及び層110は、組み合わされることで、単一の金属ユニットとして働き、機能的には第1のオーミック接触部とインターフェイスし、収電回路を形成する。参照により本明細書に組み込まれている、Sverdrupらの米国特許第6,548,751号では、組み合わせた銀製母線ネットワーク及びインジウム-錫酸化物層が、単一の透明なITO/Ag層として機能するものとしている。
【0011】
層112は、太陽電池内にかなりの量の余分な光を入れることができる反射防止膜となっている。太陽電池の意図された用途によっては、この層は、図1Aに例示されているように一番上の導体に直接堆積させることも可能である。それとは別に、又はそれに加えて、反射防止膜112を、上部電極110に重なる別のカバーガラス上に堆積させた。理想的には、反射防止膜は、太陽電池の反射を光電吸収が生じるスペクトル領域上でゼロに極めて近くなるまで低減し、それと同時に、他のスペクトル領域の反射を高めて、発熱を減らす。参照により本明細書に組み込まれている、Aguileraらの米国特許第6,107,564号では、当該技術分野で知られている代表的な反射防止膜を説明している。場合によっては、反射防止膜112は、例えばプラズマ励起化学蒸着により堆積されたSiNxからなる。場合によっては、反射防止膜112は、例えば化学蒸着により堆積されたTiOxからなる。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上ある。例えば、空気から半導体接合層への屈折率が増える、λ/4設計の二重層膜を使用することができる。このような設計の1つは、蒸着SZn及びMgF2を使用する。
【0012】
太陽電池は、典型的には、ごくわずかの電圧を発生するだけである。例えば、シリコンベースの太陽電池は、約0.6ボルト(V)の電圧を発生する。したがって、より大きな電圧を得るためには、太陽電池を直列又は並列に相互接続する。直列に接続した場合、個々の太陽電池の電圧は、電流が同じままで、足し合わされる。したがって、太陽電池を直列に配列した場合、並列に配列された同様の太陽電池と比較して、それぞれの太陽電池内を流れる電流の量が減少し、それにより効率が高められる。図1Aに例示されているように、太陽電池の直列の配列は、相互接続部116を使用してなされる。一般に、相互接続部116は、一方の太陽電池の第1の電極を隣接する太陽電池の対向電極と電気的に連絡させるものである。
【0013】
上記のように、また図1Aに例示されているように、従来の太陽電池は、典型的には、板構造の形態をとる。このような太陽電池は、小さいときには非常に効率的であるけれども、大きな平面状太陽電池だと、効率が低下する。これは、このような太陽電池内の接合を形成する半導体膜を均一にするのが難しいためである。さらに、平面状太陽電池が大型化すると、ピンホール及び類似の欠陥の発生が増える。これらの特徴により、接合部にシャントが生じ得る。円筒状太陽電池は、平面状太陽電池のこれらの欠点の一部を免れる。円筒状太陽電池の加工技術では、例えば、ピンホール及び類似の欠陥の発生率を減らすことができる。円筒状太陽電池の例は、例えば、Asiaらの米国特許第6,762,359B2号、Mlavskyの米国特許第3,976,508号、Weinstein及びLeeの米国特許第3,990,914号、さらには凸版印刷株式会社の日本特許出願第S59-125670号に見られる。
【0014】
従来技術に見られる太陽電池は、大いに役立つ。これらは、電力会社が直面している問題点のうちのいくつかを解消するために使用され得る。さらに、これは、石炭火力発電、ダム水力発電、又は原子力発電の資源を低減する可能性を有するクリーンな代替えエネルギー源となる。実際、太陽電池は、広い場所に配列され、この形で、既存の電力系統に寄与し得る。さらに、太陽電池は、従来のユーティリティコストを削減するために個別の世帯主及びビル所有者側で使用することができる。しかし、従来技術に見られる円筒状太陽電池には、電力会社及びエネルギー消費者が直面している問題を完全には解消しない欠点がある。第1に、日射の収集時に、円筒状太陽電池は熱を発生して高温になる。これは、冷却要件として知られている。第2に、平面アレイで配列された場合、円筒状太陽電池は、隣接する太陽電池に影を投げかけ、その結果、直達日射に曝される太陽電池表面積が減少することが多い。これは、シャドウイング効果として知られている。第3に、多くの場合、このような太陽電池に、太陽電池が必ず一日中太陽の方を向いているようにする精巧な追跡機構を装備する必要がある。これは、追跡要件として知られている。
【0015】
図1Dを参照すると、シャドウイング効果が詳しく説明されている。円筒状太陽電池1は、基板4上に互いに隣接する形で配置される。早朝又は夕方近くに、入射日射5が小さな入射角で太陽電池表面に当たる。その結果、複数の太陽電池が、隣接する太陽電池に大きな影を投げかける。図1Dに示されているように、隣接する太陽電池間の陰影領域3は、直達日射のない、影の中にある。シャドウイング効果は、知られている太陽電池システムに対する昼過ぎの出力ピークに大きく関わっている。しかし、多くの地域共同体におけるピーク電力需要は、人々が帰宅して、調理したり、暖房したり、冷房したりする必要がある午後かなり遅くなってから、また建物の屋根が長い間日光に曝されて建物の温度を上げ始め、これにより空調の負荷が上昇したときに発生する。太陽電池ピーク出力とピーク電力需要とが食い違っているため、従来の円筒状太陽電池が利用しにくいものとなっている。そこで、当該技術分野で必要なのは、隣接する太陽電池又は太陽電池が設置されている周辺に置かれている他の物体によるシャドウイング効果を低減するか、又はなくすことである。
【0016】
多くの従来の円筒状太陽電池システムに関連する追跡要件は、不利なものとなっている。当該技術分野では、太陽電池システムの効率を高めるために、追跡デバイスが使用される。追跡デバイスは、太陽に追随するため時間とともに太陽電池を移動する。太陽の移動を追跡するために、このシステムの光軸は、1日及び1年を通して、太陽に向くように連続的に、又は定期的に機械により調節される。いくつかの実施態様では、追跡デバイスは、2つ以上の軸で移動される。従来の追跡デバイスは、太陽電池の電力出力を高める。しかし、このような追跡デバイスに関連する定期的な機械的調節は、比較的複雑な、ときには精巧な、そして多くの場合、費用のかかる構造を必要とする。それに加えて、追跡デバイスを調節するために電力が必要であり、そのため、システムの全体的な効率が低下する。
【0017】
上記の欠点はそれぞれ、円筒状太陽電池の性能及び/又は円筒状太陽電池を製造するコストに悪影響を及ぼす。シャドウイング効果の欠点を有する例示的な太陽電池は、Asiaらの米国特許第6,762,359B2号、Mlavskyの米国特許第3,976,508号、Weinstein及びLeeの米国特許第3,990,914号、及び凸版印刷株式会社の日本特許出願第S59-125670号で開示されているような円筒状及び非円筒状の両方の太陽電池を含む。
【0018】
冷媒を太陽電池内の管に通す、又は太陽電池をそれ自体冷却される基板上に配置するなどの太陽電池を冷却する方法が、当該技術分野において開示されている。例えば、Asiaらの米国特許第6,762,359B2号、及び1995年5月24日に公開されたTwin Solar-Technik Entwicklungs-GmbHのドイツ無審査特許出願第DE 43 39 547 A1号(これ以降「Twin Solar」と呼ぶ)を参照のこと。しかし、これらの参考文献において開示されているシステムは、コストが高いという点で不満足なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上記の背景を考慮すると、当該技術分野で必要なのは、特にピーク電力需要時に、円筒状太陽電池を冷却し、隣接する円筒状太陽電池同士が及ぼし合うシャドウイング効果を低減する費用効果の高い方法及びシステムである。好ましくは、このようなシステム及び方法は、追跡要件が最低限であることである。
本明細書でなされている参照の説明又は引用は、そのような参照が本出願の従来技術のものであることを認めたと解釈されない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(3.要旨)
本出願の一態様は、第1の複数の隣接する非平面状ソーラーユニット対を形成するように共通平面内に互いに平行又はほぼ平行に配列された第1の複数の非平面状ソーラーユニットを有する第1の太陽電池組立品を備える太陽電池配列を提供する。本明細書で使用されているように、ソーラーユニット対という用語は、単に、太陽電池配列内で互いに隣接する2つのソーラーユニットを意味することを意図している。ソーラーユニットは、例えば、太陽電池、複数の太陽電池を備えるモノリシック集積化されたソーラーモジュール、又は複数の太陽電池を備える非モノリシック集積化されたソーラーモジュールとすることができる。第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の多数の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、それぞれスペーサー距離で互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通すことができる。第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れている。いくつかの実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも大きい。他の実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも小さい。
【0021】
いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、さらに、第2の複数の隣接する非平面状ソーラーユニット対を形成するように共通平面内に互いに平行又はほぼ平行に配列された第2の複数の非平面状ソーラーユニットを有する第2の太陽電池組立品を備える。第2の複数の非平面状ソーラーユニット内の多数の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1及び第2のソーラーユニットは、それぞれスペーサー距離で互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通すことができる。第2の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れている。さらに、第1のソーラーユニット組立品及び第2のソーラーユニット組立品は、通路距離だけ互いから隔てられている。いくつかの実施態様では、この分離距離は、通路距離よりも大きい。
【0022】
いくつかの実施態様では、太陽電池配列内に20個以上、100個以上、或いは500個以上の非平面状ソーラーユニットがある。いくつかの実施態様では、複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットは、2センチメートルから6センチメートルまでの範囲の直径、5センチメートル以上の直径、或いは10センチメートル以上の直径を有する。いくつかの実施態様では、スペーサー距離は、0.1センチメートル以上、1センチメートル以上、5センチメートル以上、或いは10センチメートル未満である。いくつかの実施態様では、スペーサー距離は、第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径に少なくとも等しいか、又は大きい。いくつかの実施態様では、スペーサー距離は、第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径の2倍に少なくとも等しいか、又は大きい。いくつかの実施態様では、第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の第1の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1のソーラーユニットと第2のソーラーユニットとの間のスペーサー距離は、第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の第2の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる。いくつかの実施態様では、第1の複数の非平面状ソーラーユニット内のそれぞれの隣接する非平面状ソーラーユニット対におけるそれぞれの第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離は同じである。
【0023】
いくつかの実施態様では、設置面は、アルベド面と重なる。いくつかの実施態様では、アルベド面は、少なくとも60パーセントのアルベドを有する。いくつかの実施態様では、アルベド面は、ランベルト面又は拡散反射面である。いくつかの実施態様では、アルベド面は、自己洗浄層で覆われている。いくつかの実施態様では、分離距離は、25センチメートル以上、或いは2メートル以上である。
【0024】
いくつかの実施態様では、第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットは、(i)管状又は(ii)硬質中実棒状のいずれかである基板、基板に円周方向に配置された背面電極、背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を備える。いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、さらに、非平面状ソーラーユニット上に円周方向にシールされた透明管状ケースを備える。場合によっては、透明管状ケースは、プラスチック又はガラス製である。場合によっては、基板は、プラスチック、ガラス、金属、又は金属合金を含む。場合によっては、基板は、管状であり、流体が、基板内を通過する。場合によっては、半導体接合部は、吸収体層及び接合パートナー層を備え、接合パートナー層は、吸収体層に円周方向に配置される。このようないくつかの実施態様では、吸収体層は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、接合パートナー層は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである。
【0025】
本出願のさらに他の実施態様は、複数の内部反射器を備える。複数の内部反射器における各内部反射器は、それぞれの内部反射器から反射された太陽光の一部が、対応する第1の非平面状ソーラーユニット上に反射されるように複数の非平面状ソーラーユニットにおける対応する第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間に構成される。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器は中空のコアを有する。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器はプラスチックケースを備え、プラスチックケース上には反射性材料の層が堆積される。いくつかの実施態様では、反射性材料の層は、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼である。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器は、反射性材料(例えば、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼)から作られた一体成形物である。いくつかの実施態様では、複数の内部反射器における内部反射器は、金属箔テープ(例えば、アルミニウム箔テープ)が層として重ねられているプラスチックケースを備える。
【0026】
本出願のさらに他の態様は、複数の隣接する非平面状ソーラーユニット対を形成するように共通平面内に互いに平行又はほぼ平行に配列された複数の非平面状ソーラーユニットを有する太陽電池組立品を備える太陽電池配列を提供する。この太陽電池配列は、さらに、底部を有する箱形ケース及び複数の透明サイドパネルを備える。箱形ケースは、太陽電池組立品を収納する。第1の複数の非平面状ソーラーユニット内の多数の隣接する非平面状ソーラーユニット対における第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、それぞれスペーサー距離で互いから隔てられ、これにより、非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通し、箱形ケースの底部に当てることができる。複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、底部から少なくとも分離距離だけ離れている。さらに、いくつかの実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも大きい。他の実施態様では、この分離距離は、スペーサー距離よりも小さい。いくつかの実施態様では、箱形ケースは、さらに、箱形ケースをシールし、かつ直達日射から複数の非平面状ソーラーユニットを遮蔽する最上層を備える。いくつかの実施態様では、最上位層の第1の側面は、反射防止膜でコーティングされ、最上層の第2の側面は、反射膜でコーティングされ、これにより、第1の側面は、箱形ケースから外側へ面し、第2の側面は、複数の非平面状ソーラーユニットの方へ箱形ケース内に面する。いくつかの実施態様では、複数の透明サイドパネルは、透明プラスチック又はガラスを含む。いくつかの実施態様では、複数の透明サイドパネルは、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラス(cereated glass)を使用する。いくつかの実施態様では、複数の透明サイドパネルは、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体、ポリウレタン/ウレタン、透明ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はこれらの組合せを使用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(5.詳細な説明)
本明細書で開示されるのは、いくつかの実施態様による新規な太陽電池配列の一部をなす非平面状ソーラーユニット内の要素の例示的な構造である。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニットは、以下で図2Aに関して説明されているような太陽電池であるか、又は以下で図2Bに関して説明されているようなソーラーモジュールとすることができる。いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、単一の太陽電池パネルを備える。いくつかの実施態様では、太陽電池配列は、複数の太陽電池パネルを備える。
【0028】
(5.1 基本構造)
図2Aは、太陽電池200である非平面状ソーラーユニットの例示的な実施態様の断面を示している。いくつかの実施態様では、非平面状基板は、(i)管状であるか、又は(ii)硬質の中実物である。いくつかの実施態様では、非平面状基板は、柔軟な管、硬質管、硬質の中実物、又は柔軟な中実物である。図2Aに例示されているように、太陽電池200は、基板102、背面電極104、半導体接合部206、随意の真性層215、透明導電層110、随意の電極帯220、随意の充填剤層230、及び随意の透明管状ケース210を備える。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット200は、さらに、日射の吸収をさらに高める随意の蛍光膜及び/又は反射防止膜を備える。
【0029】
非平面状基板102。非平面状基板102は、太陽電池200の基板として使用される。いくつかの実施態様では、基板102のすべて又は一部は、非平面状の閉じた形状である。例えば、いくつかの実施態様では、基板102のすべて又は一部は、硬質管又は硬質中実棒である。いくつかの実施態様では、基板102のすべて又は一部は、中実、又は中空の円筒形状である。いくつかの実施態様では、基板102は、プラスチック、金属、又はガラス製の硬質管である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット200の全体的外形は、基板102と同じ形状である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット200の全体的外形は、基板102の形状と異なる。いくつかの実施態様では、基板102は、非繊維状である。
【0030】
いくつかの実施態様では、基板102は、硬質である。材料の硬質性は、限定はしないが、ヤング率を含む複数の異なる計量を使用して測定することができる。固体力学では、ヤング率(E)(ヤング率、弾性率、弾性係数、弾性率又は引張係数とも呼ばれる)は、与えられた材料の剛性の尺度である。これは、歪みが加わったときの応力の変化率の、小さな歪みに対する、比として定義される。これは、材料の試料に対し行われた引張試験のときに作成される応力歪み曲線の勾配から実験的に求めることができる。さまざまな材料に対するヤング率を以下の表にまとめた。
【表1】
【0031】
本出願のいくつかの実施態様では、材料(例えば、基板102)は、ヤング率が20GPa以上、30GPa以上、40GPa以上、50GPa以上、60GPa以上、又は70GPa以上の材料から作られた場合に硬質であるとみなされる。本出願のいくつかの実施態様では、材料(例えば、基板102)は、その材料に対するヤング率が一定範囲の歪みに対し定数である場合に硬質であるとみなされる。そのような材料は、線形であると呼ばれ、フックの法則に従うといわれる。いくつかの実施態様では、基板102は、フックの法則に従う線形材料から作られる。線形材料の例は、限定はしないが、鋼、カーボンファイバー、及びガラスを含む。ゴム及び土(非常に低い歪みの場合を除く)は、非線形材料である。
【0032】
本出願は、硬質円筒形状を有するか、又は中実棒である基板に限定されない。基板102のすべて又は一部は、図2Aに示されている円形以外の多くの形状のうちのどれか1つを境界とする断面により特徴付けることができる。この境界形状は、円形、卵形、又は1つ以上の滑らかな曲面、若しくは滑らかな曲面の継ぎ合わせにより特徴付けられる形状のうちの1つとすることができる。境界形状は、nを3、又は5以上とするn角形としてよい。境界形状は、さらに、本質的に直線的形状としてもよく、例えば、三角形、矩形、五角形、六角形、又は任意の数の直線セグメント分割面などがある。或いは、断面は、直線的面、アーチ形面、又は曲面の任意の組合せを境界とすることもできる。本明細書で説明されているように、単に説明をしやすくするために、全面的な円形断面で、光電池デバイスの非平面状実施態様を表す。しかし、実際に非平面状である光電池デバイス10では、どのような断面の幾何学的形状でも使用できることに留意されたい。
【0033】
いくつかの実施態様では、基板102の第1の部分は、第1の断面形状により特徴付けられ、基板102の第2の部分は、第2の断面形状により特徴付けられ、第1及び第2の断面形状は、同じであるか、又は異なる。いくつかの実施態様では、基板102の長さの少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、又は全てが、第1の断面形状により特徴付けられる。いくつかの実施態様では、第1の断面形状は、平面状であり(例えば、アーチ形の側面を持たない)、第2の断面形状は、少なくとも1つのアーチ形の側面を有する。
【0034】
いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、(i)管状形状であるか、又は(ii)硬質の中実物である。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、柔軟な管、硬質管、硬質の中実物、又は柔軟な中実物である。例えば、いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、中空の柔軟なファイバーである。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、プラスチック、金属、又はガラス製の硬質管である。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、プラスチック、金属、金属合金、又はガラス製である。いくつかの実施態様では、基板102は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル、又はポリプロピレンから作られる。いくつかの実施態様では、基板102は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、ガラス系フェノール、フリントガラス、又はセリーテドガラス(cereated glass)で作られる。
【0035】
いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリベンズアミダゾール(例えば、Boedeker Plastics, Inc.(Texas(テキサス)州Shiner(シャイナー)所在)から入手可能なCelazole(登録商標))などの材料で作られる。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリイミド(例えば、DuPont(商標) Vespel(登録商標)又はDuPont(商標) Kaptone(登録商標)、Delaware(デラウエア)州Wilmington(ウィルミントン))などの材料で作られる。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から作られ、それぞれBoedeker Plastics, Inc.から入手可能である。いくつかの実施態様では、非平面状基板102は、ポリアミド-イミド(例えば、Georgia(ジョージア)州Alpharetta(アルファレッタ)所在のSolvay Advanced Polymers社のTorlon(登録商標)PAI)で作られる。
【0036】
いくつかの実施態様では、基板102は、ガラス系フェノールで作られる。フェノール性積層体は、合成熱硬化性樹脂を含浸させた紙、キャンバス、リネン、又はガラスクロスの複数の層に熱と圧力を加えることにより作られる。熱及び圧力がこれらの層に加えられると、化学反応(重合化)が生じて別々の層を、再び軟化することができない「凝固」形状をとる単一の積層材に転換する。したがって、これらの材料は、「熱硬化性」であると呼ばれる。さまざまな樹脂タイプ及び布材料を使用して、ある範囲の機械的、熱的、及び電気的特性を持つ熱硬化性積層体を製造することができる。いくつかの実施態様では、基板102は、NEMAグレードがG-3、G-5、G-7、G-9、G-10、又はG-11であるフェノール性積層体である。例示的なフェノール性積層体は、Boedeker Plastics, Inc.社から入手可能である。
【0037】
いくつかの実施態様では、基板102は、ポリスチレンから作られる。ポリスチレンの例は、汎用ポリスチレン及び高衝撃ポリスチレンを含み、これは、参照により本明細書に組み込まれている、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」(第9版, 1987, McGraw-Hill, Inc., p.6-174)において説明されている。さらなる他の実施態様では、基板102は、架橋ポリスチレンから作られる。架橋ポリスチレンの一例は、レキソライト(Rexolite)(登録商標)(California(カリフォルニア)州National City(ナショナルシティー)所在のSan Diego Plastics Inc.社から入手可能)である。レキソライトは、熱硬化性樹脂、特に、ジビニルベンゼンとポリスチレンとを架橋させることにより生成される硬質半透明プラスチックである。
【0038】
さらに他の実施態様では、基板102は、ポリカーボネートから作られる。このようなポリカーボネートは、材料の引張強さ、剛性、圧縮強度、さらには熱膨張係数を調節するために、さまざまな量のガラス繊維(例えば、10%、20%、30%、又は40%)を有することができる。例示的なポリカーボネートは、Zelux(登録商標)M及びZelux(登録商標)Wであり、これらはBoedeker Plastics, Inc.社から入手可能である。
【0039】
いくつかの実施態様では、基板102は、ポリエチレンから作られる。いくつかの実施態様では、基板102は、低密度ポリエチレン(low density polyethylene)(LDPE)、高密度ポリエチレン(high density polyethylene)(HDPE)、又は超高分子量ポリエチレン(ultra high molecular weight polyethylene)(UHMW PE)から作られる。HDPEの化学的特性は、参照により本明細書に組み込まれている、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」(第9版, 1987, McGraw-Hill, Inc., p.6-173)において説明されている。いくつかの実施態様では、基板102は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン(Teflon)、ポリメタクリレート(ルーサイト又はプレキシガラス)、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル、又はポリプロピレンから作られる。これらの材料の化学的特性は、参照により本明細書に組み込まれている、Marksの「機械技術者のための標準ハンドブック(Standard Handbook for Mechanical Engineers)」(第9版, 1987, McGraw-Hill, Inc., p.6-172 through 6-175)において説明されている。
【0040】
基板102を形成するために使用できる追加の例示的な材料は、参照により本明細書に組み込まれている、「現代プラスチック百科事典(Modern Plastics Encyclopedia)」(McGraw-Hill; Reinhold Plastics Applications Series)、Reinhold Roff「繊維、プラスチック、ゴム(Fibres, Plastics and Rubbers)」(Butterworth)、Lee及びNeville「エポキシ樹脂(Epoxy Resins)」(McGraw-Hill)、Bilmetyer「高分子化学の手引き(Textbook of Polymer Science)」(Interscience)、Schmidt及びMarlies「高重合体理論の原理と技法(Principles of high polymer theory and practice)」(McGraw-Hill)、Beadle (ed.)「プラスチック(Plastics)」(Morgan-Grampiand, Ltd., 2 vols. 1970)、Tobolsky及びMark (eds.)「高分子化学と材料(Polymer Science and Materials)」(Wiley, 1971)、Glanville「プラスチック技術者のデータブック(The Plastics's Engineer's Data Book)」(Industrial Press, 1971)、Mohr(編集者兼第1著者)、Oleesky、Shook、及びMeyers「強化プラスチック複合材料の技術工学のSPIハンドブック(SPI Handbook of Technology and Engineering of Reinforced Plastics Composites)」(Van Nostrand Reinhold, 1973)に見られる。
【0041】
いくつかの実施態様では、基板102の断面は、円周を持ち、その外径は、3mmから100mmまで、4mmから75mmまで、5mmから50mmまで、10mmから40mm、又は14mmから17mmまでである。いくつかの実施態様では、基板102の断面は、円周を持ち、外径は、1mmから1000mmまでである。
【0042】
いくつかの実施態様では、基板102は、中空内側部分を持つ管である。このような実施態様では、基板102の断面は、中空内部を定める内半径と外半径により特徴付けられる。内半径と外半径との差は、基板102の厚さである。いくつかの実施態様では、基板102の厚さは、0.1mmから20mmまで、0.3mmから10mmまで、0.5mmから5mmまで、又は1mmから2 mmまでである。いくつかの実施態様では、内半径は、1mmから100mmまで、3mmから50mmまで、又は5mmから10mmまでである。
図2Bを参照すると、いくつかの実施態様では、基板102は、5mmから10,000mmまで、50mmから5,000mmまで、100mmから3000mmまで、又は500mmから1500mmまでの長さlを有する。一実施態様では、基板102は、15mmの外径と1.2mmの厚さ、及び1040mmの長さを有する中空管である。
【0043】
背面電極104。背面電極104は、基板102に円周方向に配置される。背面電極104は、第1の電極として使用される。一般に、背面電極104は、抵抗損失が無視できる非平面状太陽電池200により生成される光起電電流に対応できる材料から作られる。いくつかの実施態様では、背面電極104は、アルミニウム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ロジウム、ニオブ、クロム、タンタル、チタン、鋼、ニッケル、白金、銀、金、これらの合金、又はこれらの任意の組合せなどの導体材料で構成される。いくつかの実施態様では、背面電極104は、インジウム錫酸化物、窒化チタン、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛インジウム亜鉛酸化物、金属-カーボンブラック充填酸化物、グラファイト-カーボンブラック充填酸化物、カーボンブラック-カーボンブラック充填酸化物、超電導カーボンブラック充填酸化物、エポキシ、導電性ガラス、又は導電性プラスチックなどの導体材料で構成される。本明細書で定義されているように、導電性プラスチックとは、配合技術を通じて、導電性を後にプラスチックに与える導電性充填剤を含むプラスチックである。いくつかの実施態様では、導電性プラスチックを使用して、抵抗損失が無視できる非平面状太陽電池200により生成される光起電電流に対応できる、プラスチックマトリックスを通る十分な導電性を有する通電経路を形成する充填材を含む背面電極104を形成する。導電性プラスチックのプラスチックマトリックスは、典型的には、絶縁体であるが、製造される複合材料は、充填材の導電性を示す。
【0044】
半導体接合部206。半導体接合部206は、背面電極104の周りに形成される。半導体接合部206は、光起電ホモ接合、ヘテロ接合、ヘテロ面接合、埋め込みホモ接合、p-i-n接合、又は直接バンドギャップ吸収体(例えば、結晶シリコン)又は間接バンドギャップ吸収体(例えば、非晶質シリコン)である吸収体層106を有するタンデム接合部である。このような接合部は、参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれている、Bube「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第1章、さらにLugue及びHegedus、2003「光電池科学工学ハンドブック(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」(John Wiley & Sons, Ltd., West Sussex, England)において説明されている。
【0045】
いくつかの実施態様では、半導体接合部は、吸収体層106及び接合パートナー層108を備え、接合パートナー層108は、吸収体層106に円周方向に配置される。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(CIGS)であり、接合パートナー層108は、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである。いくつかの実施態様では、吸収体層108は、0.5μmから2.0μmまでの厚さを有する。いくつかの実施態様では、吸収体層108内のCu/(In+Ga)の構成比は、0.7から0.95までである。いくつかの実施態様では、吸収体層108内のGa/(In+Ga)の構成比は、0.2から0.4までである。いくつかの実施態様では、吸収体層108は、結晶方位<110>、結晶方位<112>を有するCIGS、又はランダムに方向付けられているCIGSを含む。
【0046】
半導体接合部206の例示的な種類の詳細については、以下の5.4節で開示される。以下の5.4節で開示されている例示的な接合部に加えて、接合部206は、光が、好ましくは問題なく小さなバンドギャップを有する複数の接合を通じて接合部206のコア内に横断する形で入るマルチ接合としてよい。
随意の真性層215。適宜、薄い真性層(i-層)215は、半導体接合部206に円周方向に配置されている。i-層215は、限定はしないが、酸化亜鉛、金属酸化物、又は絶縁性の高い透明材料を含む、非ドープ透明酸化物を使用して形成され得る。いくつかの実施態様では、i-層215は、高純度の酸化亜鉛である。
【0047】
透明導電層110。透明導電層110は、半導体接合層206に円周方向に配置され、これにより、太陽電池200の回路が完成する。上記のように、いくつかの実施態様では、薄いi-層215は、半導体接合部206に円周方向に配置される。このような実施態様では、透明導電層110は、i-層215に円周方向に配置される。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、カーボンナノチューブ、酸化錫SnOx(フッ素ドーピングのあるものとないもの)、インジウム錫酸化物(ITO)、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、インジウム亜鉛酸化物、ドープ酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、ホウ素ドープ酸化亜鉛、又はこれらの任意の組合せから作られる。カーボンナノチューブは、例えば、Eikos(Massachusetts(マサチューセッツ)州Franklin(フランクリン)所在)から市販されており、また参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,988,925号で説明されている。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、p型ドープ又はn型ドープされている。例えば、接合部206の外側半導体層がp型ドープされている実施態様では、透明導電層110は、p型ドープされ得る。同様に、接合部206の外側半導体層がn型ドープされている実施態様では、透明導電層110は、n型ドープされ得る。一般に、透明導電層110は、好ましくは、非常に低い抵抗、好適な光透過特性(例えば、90%を超える透過率)、並びに半導体接合部206の下層及び/又は随意のi-層215を損傷しない堆積温度を有する材料から作られる。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えば、Bayrton)、又は前記の物質の誘導体などの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施態様では、透明導電層110は、複数の層 酸化錫SnOx(フッ素ドーピングがあるものとないもの)、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、ドープ酸化亜鉛(例えば、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、又はこれらの組合せを含む第1の層、及び導電性ポリチオフェン、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、PSSドープPEDOT(例えば、Bayrton)、又は前記の物質の誘導体を含む第2の層を含む、2つ以上の層を備える。透明導電層110を形成するために使用され得る追加の好適な材料は、参照により本明細書に組み込まれている、Pichlerの米国特許出願公開第2004/0187917A1号で開示されている。
【0048】
随意の電極帯220。いくつかの実施態様では、対向電極帯又はリード220は、電流を流れやすくするため、透明導電層110上に配置される。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、細長い太陽電池の長軸にそって長さ方向に延びる導電性材料の細い帯である。いくつかの実施態様では、随意の電極帯は、透明導電層110の表面上に間隔をあけて位置決めされている。例えば、図2Aでは、対向電極帯220は、互いに平行に延び、太陽電池の長軸にそって90度の間隔で間をあけて並ぶ。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、90度、又は180度の間隔をあけて、透明導電層110の表面上に並べられる。いくつかの実施態様では、透明導電層110の表面上に単一の対向電極帯220がある。いくつかの実施態様では、透明導電層110の表面上に対向電極帯220がない。いくつかの実施態様では、透明導電層110上に2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、15個以上、又は30個以上の対向電極帯があり、すべて太陽電池の長軸を下ってそれぞれに対し平行、又はほぼ平行に引かれている。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、例えば、図2Aに例示されているように、透明導電層110の円周に等間隔で並べられる。代替え実施態様では、対向電極帯220は、透明導電層110の円周に等間隔で並べられていない。いくつかの実施態様では、対向電極220は、非平面状太陽電池200の片面にのみ置かれている。いくつかの実施態様では、図2Aの要素102、104、206、215(随意)、及び110は、全体として、図2Aの太陽電池200を構成する。いくつかの実施態様では、対向電極帯220は、導電性エポキシ、導電性インク、銅若しくはその合金、アルミニウム若しくはその合金、ニッケル若しくはその合金、銀若しくはその合金、金若しくはその合金、導電性接着剤、又は導電性プラスチックから作られる。
【0049】
いくつかの実施態様では、非平面状太陽電池200の長軸にそって延びる対向電極がある。これらの対向電極帯は、格子線により互いに相互接続される。これらの格子線は、対向電極帯に比べて太いか、細いか、又は同じ幅である。これらの格子線は、対向電極帯220と同じ、又は異なる電気材料から作ることができる。
【0050】
随意の充填剤層230。いくつかの実施態様では、図2Aに例示されているように、空気を遮断するために、酢酸エチルビニル(EVA)、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、RTVシリコーンゴム、ポリビニルブチラール(PVB)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリカーボネート、アクリル、フロオロポリマー、及び/又はウレタンなどの封止剤の充填剤層230が導電層110に円周方向に配置される。
【0051】
いくつかの実施態様では、充填剤層230は、Q型シリコーン、シルセスキオキサン、D型シリコン、又はM型シリコンである。しかし、いくつかの実施態様では、随意の充填剤層230は、1つ以上の電極帯220が存在していても不要である。随意の充填剤層に適している他の材料については、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月18日に出願された、同時係属米国特許出願第11/378,847号、整理番号11653-008-999、表題「管状ケース内の細長い太陽光電池(Elongated Photovoltaic Solar Cells in Tubular Casings)」において説明されている。
【0052】
いくつかの実施態様では、随意の充填剤層230は、参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月13日に出願された、番号がまだ決定されておらず、整理番号11653-032-888を付けられている、「ラミネート層を有する光電池装置及びその製造方法(A Photovoltaic Apparatus Having a Laminate Layer and Method for Making the Same)」という表題の米国仮特許出願において開示されているようなラミネート層である。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、1×106cP未満の粘度を有する。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、500×10-6/℃を超えるか、又は1000×10-6/℃を超える熱膨張係数を有する。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、エポリジメチルシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、50重量%未満の誘電体ゲル又は誘電体ゲルを形成する成分、及び少なくとも30重量%の透明シリコン油を含み、透明シリコン油は誘電体ゲル又は誘電体ゲルを形成する成分の開始粘度の半分以下の開始粘度を有する。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、500×10-6/℃を超える熱膨張係数を有し、50重量%未満の誘電体ゲル又は誘電体ゲルを形成する成分、及び少なくとも30重量%の透明シリコン油を含む。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、誘電体ゲルと混合されたシリコン油から形成される。いくつかの実施態様では、シリコン油は、ポリジメチルシロキサンポリマー液であり、誘電体ゲルは、第1のシリコーンエラストマーと第2のシリコーンエラストマーの混合物である。いくつかの実施態様では、充填剤層230は、ポリジメチルシロキサンポリマー液X重量%、第1のシリコーンエラストマーY重量%、及び第2のシリコーンエラストマーZ重量%から形成され、X、Y、及びZは、足し合わせると100になる。いくつかの実施態様では、ポリジメチルシロキサンポリマー液は、化学式(CH3)3SiO[SiO(CH3)2]nSi(CH3)3を有し、nは、ポリマー液が50センチストークから100,000センチストークまでの範囲内に収まる平均体積粘性率を有するように選択された整数の範囲内にある。いくつかの実施態様では、第1のシリコーンエラストマーは、少なくとも60重量%のジメチルビニル終端ジメチルシロキサン及び3から7重量パーセントの珪酸塩を含む。いくつかの実施態様では、第2のシリコーンエラストマーは、(i)少なくとも60重量%のジメチルビニル終端ジメチルシロキサン、(ii)10から30重量%の水素終端ジメチルシロキサン、及び(iii)3から7重量%のトリメチル化シリカを含む。いくつかの実施態様では、Xは、30から90までの範囲内にあり、Yは、2から20までの範囲内にあり、Zは、2から20までの範囲内にある。
【0053】
随意の透明非平面状ケース210。随意の充填剤層230を有しないいくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、透明導電層110に円周方向に配置される。随意の充填剤層230を有するいくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、随意の充填剤層230に円周方向に配置される。いくつかの実施態様では、管状ケース210は、プラスチック又はガラス製である。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、透明非平面状ケース210内にシールされる。図2Aに示されているように、透明非平面状ケース210は、いくつかの実施態様における太陽電池200の一番外側の層を形成する。熱収縮、射出成形、又は真空ローディングなどの方法は、システムから酸素及び水を排除するとともに、太陽電池200の下層に対し補完的取り付けを行うように透明非平面状ケース210を製作するのに使用できる。
【0054】
いくつかの実施態様では、随意の透明非平面状ケース210は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスで作られる。いくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド、ポリオレフィンから作られる。
【0055】
いくつかの実施態様では、随意の透明非平面状ケース210は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フロオロポリマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンゲル、エポキシ、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレンとテトラフルオロエチレンとの重合から誘導されるETFE(登録商標):(TEFLON(登録商標)モノマー))、ポリウレタン/ウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)、又はこれらの任意の組合せ若しくは変化形態から作られる。随意の透明非平面状ケース210に適している他の材料については、参照により本明細書に組み込まれている、2006年3月18日に出願された、同時係属米国特許出願第11/378,847号、整理番号11653-008-999、表題「管状ケース内の細長い光電池(Elongated Photovoltaic Cells in Tubular Casing)」において開示されている。
【0056】
いくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、複数の透明非平面状ケース層を含む。いくつかの実施態様では、それぞれの透明非平面状ケース層は、異なる材料からなる。例えば、いくつかの実施態様では、透明非平面状ケース210は、第1の透明非平面状ケース層及び第2の透明非平面状ケース層を含む。太陽電池の正確な構成に応じて、第1の透明非平面状ケース層は、透明導電層110、随意の充填剤層230、又は耐水層上に配置される。第2の透明非平面状ケース層は、第1の透明非平面状ケース層上に配置される。
【0057】
いくつかの実施態様では、それぞれの透明非平面状ケース層は、異なる特性を有する。一例では、外側透明非平面状ケース層は、紫外線遮蔽特性を有するが、内側透明非平面状ケース層は、耐水特性を有する。さらに、複数の透明非平面状ケース層を使用することで、コスト削減を行い、及び/又は透明非平面状ケース210の全体的特性を改善することができる。例えば、1つの透明管状ケース層は、所望の物理的特性を有する高価な材料から作ることができる。1つ以上の追加の透明非平面状ケース層を使用することにより、高価な透明非平面状ケース層の厚さを減らし、これにより、材料コストを節約することができる。他の例では、1つの透明非平面状ケース層は、光学的特性(例えば、屈折率など)については優れているが、かなり重い場合がある。1つ以上の追加の透明非平面状ケース層を使用することにより、重い透明管状ケース層の厚さを減らし、これにより、透明非平面状ケース210の全体的重量を低減することができる。
【0058】
随意の耐水層。いくつかの実施態様では、1つ以上の耐水層が太陽電池200上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、このような耐水層は、随意の充填剤層230を堆積し、適宜太陽電池200を透明非平面状ケース310に入れる前に透明導電層110上に配置される。いくつかの実施態様では、このような耐水層は、適宜太陽電池を透明管状ケース210内に入れる前に随意の充填剤層230上に配置される。いくつかの実施態様では、このような耐水層は、透明非平面状ケース210それ自体の上に配置され、これにより、太陽電池200を形成する。水が太陽電池の内層に入り込まないようにシールする耐水層が備えられた実施態様では、耐水層の光学的特性は、太陽電池200による入射日射の吸収に干渉する特性であるべきでないことに留意されたい。いくつかの実施態様では、この耐水層は、透明シリコーンから作られる。例えば、いくつかの実施態様では、耐水層は、Q型シリコーン、シルセスキオキサン、D型シリコン、又はM型シリコンから作られる。いくつかの実施態様では、耐水層は、透明シリコーン、SiN、SiOxNy、SiOx、又はAl2O3から作られるが、ただし、x及びyは整数である。
【0059】
随意の反射防止膜。いくつかの実施態様では、太陽電池は、太陽電池の効率を最大にするために1つ以上の反射防止膜層を備える。いくつかの実施態様では、耐水層と反射防止膜の両方がある。いくつかの実施態様では、単一の層が、耐水層と反射防止膜の二重の目的に使用される。いくつかの実施態様では、反射防止膜は、MgF2、シリコーン硝酸塩、硝酸チタン、一酸化ケイ素、又は酸化シリコーン亜硝酸塩から作られる。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上ある。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上あり、それぞれの層は、同じ材料から作られている。いくつかの実施態様では、反射防止膜の層は2つ以上あり、それぞれの層は、異なる材料から作られている。いくつかの実施態様では、反射防止膜は、層110、層230、及び/又は層210上に配置される。
【0060】
随意の蛍光材料。いくつかの実施態様では、蛍光材料(例えば、発光材料、リン光材料)は、太陽電池200の層の表面上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、透明非平面状ケース210を備え、蛍光材料は、透明非平面状ケース210の発光面及び/又は外面にコーティングされる。いくつかの実施態様では、蛍光材料は、透明導電層の外面にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、透明非平面状ケース210及び随意の充填剤層230を備え、蛍光材料は、随意の充填剤層上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200は、耐水層を備え、蛍光材料は、耐水層上にコーティングされる。いくつかの実施態様では、太陽電池200の2つ以上の表面が、随意の蛍光材料でコーティングされる。いくつかの実施態様では、蛍光材料は、青色光及び/又は紫外線を吸収し、一部の半導体接合部206は、電力への変換にこれを使用せず、また蛍光材料は、いくつかの例示的な太陽電池200における発電に有用な可視光及び/又は赤外線の光を放射する。
【0061】
蛍光、発光、又はリン光材料は、青色又はUV範囲の光を吸収し、可視光を放射することができる。リン光材料、又はリン光体は、通常、好適なホスト材料及び活性体材料を含む。ホスト材料は、典型的には、亜鉛、カドミウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素、又はさまざまな希土類金属の酸化物、硫化物、セレン化物、ハロゲン化物、又は珪酸塩である。活性体が加えられ、これにより放射時間を長くする。
【0062】
いくつかの実施態様では、リン光材料を使用して、太陽電池200による光吸収を増強する。いくつかの実施態様では、リン光材料は、随意の透明管状ケース210を作るために使用される材料に直接加えられる。いくつかの実施態様では、リン光材料は、結合剤と混合され、上述のように、それぞれの太陽電池200のさまざまな外層又は内層をコーティングするために透明塗料として使用される。
【0063】
例示的なリン光体は、限定はしないが、銅活性化硫化亜鉛(ZnS:Cu)及び銀活性化硫化亜鉛(ZnS:Ag)を含む。他の例示的なリン光材料は、限定はしないが、硫化亜鉛及び硫化カドミウム(ZnS:CdS)、ユウロピウム賦活アルミン酸ストロンチウム(SrAlO3:Eu)、プラセオジム-アルミニウム賦活ストロンチウムチタン(SrTiO3:Pr, Al)、硫化カルシウム-硫化ストロンチウム/ビスマス系((Ca,Sr)S:Bi)、銅-マグネシウム賦活硫化亜鉛(ZnS:Cu,Mg)、又はこれらの任意の組合せを含む。
【0064】
リン光体材料を作成する方法は、当該技術分野で知られている。例えば、ZnS:Cu又は他の関係するリン光材料の製造方法は、Butlerらの米国特許第2,807,587号、Morrison らの米国特許第3,031,415号、Morrisonらの米国特許第3,031,416号、Strockの米国特許第3,152,995号、Payneの米国特許第3,154,712号、Lagosらの米国特許第3,222,214号、Possの米国特許第3,657,142号、Reillyらの米国特許第4,859,361号、及びKaramらの米国特許第5,269,966において説明されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。ZnS:Ag又は関係するリン光材料の製造方法は、Parkらの米国特許第6,200,497号、Iharaらの米国特許第6,025,675号、Takaharaらの米国特許第4,804,882号、Matsudaらの米国特許第4,512,912号において説明されており、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。一般に、リン光体の持続性は、波長が小さくなるほど長くなる。いくつかの実施態様では、CdSe又は類似のリン光材料の量子ドットを使用して、同じ効果を得ることができる。それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Dabbousiら、1995「CdSe 量子ドット/高分子複合材料からの電界発光(Electroluminescence from CdSe quantum-dot/polymer composites)」(Applied Physics Letters 66 (11): 1316-1318)、Dabbousiら、1997「(CdSe)ZnSコア-シェル型量子ドット:一連のサイズの高発光性ナノ微結晶の合成及び特徴付け((CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots: Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites)」(J. Phys. Chem. B, 101: 9463-9475)、Ebensteinら、2002「相関原子間力及び単一粒子蛍光顕微鏡により調査されたCdSe:ZnSナノ結晶の蛍光量子収率(Fluorescence quantum yield of CdSe:ZnS nanocrystals investigated by correlated atomic-force and single-particle fluorescence microscopy)」(Applied Physics Letters 80: 4033-4035)、及びPengら、2000「CdSeナノ結晶の形状制御(Shape control of CdSe nanocrystals)」(Nature 404: 59-61)を参照のこと。
【0065】
いくつかの実施態様では、随意の蛍光層内で増白剤を使用することができる。増白剤(光学増白剤、蛍光増白剤又は蛍光白色剤ともいう)は、電磁スペクトルの紫外及び紫領域の光を吸収し、青領域の光を再放射する染料である。このような化合物は、スチルベン(例えば、トランス-1,2-ジフェニルエチレン又は(E)-1,2-ジフェニルエテン)を含む。随意の蛍光層で使用され得る他の例示的な増白剤は、ウンベリフェロン(7-ヒドロキシクマリン)であり、さらにスペクトルのUV部分のエネルギーを吸収する。次いで、このエネルギーは、可視スペクトルの青色部分において再放射される。増白剤の詳細は、Dean、1963「天然由来の酸素環式化合物(Naturally Occurring Oxygen Ring Compounds)」(Butterworths, London)、Joule及びMills、2000「複素環化学(Heterocyclic Chemistry)」(4th edition, Blackwell Science, Oxford, United Kingdom)、及びBarton、1999「総合天然物化学(Comprehensive Natural Products Chemistry)」(2:677, Nakanishi and Meth-Cohn eds., Elsevier, Oxford, United Kingdom, 1999)にあり、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。
【0066】
円周方向に配置する。本出願では、何らかの材料の複数層が、非平面状基板上に次々に円周方向に配置され、太陽電池を形成する。本明細書で使用されているように、円周方向に配置するという用語は、材料のそれぞれのそのような層が、必ず、下層上に堆積されるか、又は光電池の形状が、円筒状であることを意味することを意図されている。実際、本出願では、そのような層を下層に成形するか、又は何らかの形に形成する方法を教示している。さらに、基板102の説明に関連して上で説明されているように、基板及び下層は、複数の異なる非平面形状を有していてもよい。しかしながら、円周方向に配置するという用語は、上層と下層との間に空間(例えば、環状の間隙)がないように上層が下層上に配置されることを意味する。さらに、本明細書で使用されているように、円周方向に配置するという用語は、上層が下層の周の少なくとも50パーセント上に配置されることを意味する。さらに、本明細書で使用されているように、円周方向に配置するという用語は、上層が下層の長さの少なくとも半分の部分にそって配置されることを意味する。
【0067】
円周方向にシールする。本明細書で使用されているように、円周方向にシールするという用語は、上層又は上構造が、必ず、下層又は下構造上に堆積されることを意味することを意図されている。実際、そのような層又は構造(例えば、透明管状ケース210)は、下層又は下構造上に成形、又は他の何らかの方法で形成することができる。しかしながら、円周方向にシールするという用語は、上層又は上構造と下層又は下構造との間に環状の間隙がないように上層又は上構造が下層又は下構造上に配置されることを意味する。さらに、本明細書で使用されているように、円周方向にシールするという用語は、上層が下層の全周上に配置されることを意味する。典型的な実施態様では、層又は構造は、所定の太陽電池内の下層又は下構造の全周の周りに、また下層又は下構造の全長にそって円周方向に配置される場合に下層又は下構造を円周方向にシールする。しかし、円周方向にシールする層又は構造が、所定の太陽電池内で下層又は下構造の全長にそって延びていない実施態様も考えられる。
【0068】
いくつかの実施態様では、ソーラーユニットは、ソーラーモジュールである。本明細書で使用されているように、ソーラーモジュールという用語は、非平面状基板上で互いに電気的に連絡している複数の太陽電池を意味する。この複数の太陽電池は、モノリシック集積化されてもよいし、モノリシック集積化されないなくてもよい。
【0069】
図2Bを参照すると、いくつかの実施態様では、ソーラーユニットは、モノリシック集積化されたソーラーモジュール270であり、次いで、これは、モノリシック集積化方式で非平面状基板120上に直線的に又は非直線的に配列された複数の太陽電池200を備えている。図2Bを参照すると、ソーラーモジュール270は、複数の非平面状光電池200に共通の基板102を備えている。基板102は、第1の端部と第2の端部を有する。複数の非平面状太陽電池200は、図2Bに例示されているように基板102上に直線的又は非直線的に配列されている。複数の太陽電池は、第1及び第2の非平面状太陽電池200を備える。複数の非平面状太陽電池200内の各非平面状太陽電池200は、共通の非平面状基板102に円周方向に配置された背面電極104及び背面電極104に円周方向に配置された半導体接合部206を備える。図2Bの場合、半導体接合部206は、吸収体106及び窓層108を備える。複数の非平面状太陽電池200内の各非平面状太陽電池200は、さらに、半導体接合部206に円周方向に配置された透明導電層110を備える。図2Bの場合、第1の非平面状太陽電池200の透明導電層110は、バイア280を通じて複数の太陽電池内の第2の光電池の背面電極と直接に電気的に連絡している。そのようなものとして、第1及び第2の非平面状太陽電池200は、直列に接続される。いくつかの実施態様では、それぞれのバイア280は、太陽電池の全周に広がる。いくつかの実施態様では、それぞれのバイア280は、太陽電池の全周に広がらない。実際、いくつかの実施態様では、それぞれのバイアは、太陽電池の外周のわずかな割合の部分にしか広がらない。いくつかの実施態様では、それぞれの非平面状太陽電池200は、非平面状太陽電池200の導電層110を隣接する非平面状光電池199の背面電極104と直列電気接続する1個、2個、3個、4個以上、10個以上、又は100個以上のバイア280を備えることができる。図2Bは、1つのソーラーモジュール270の構成を表しているだけである。追加のソーラーモジュール構成270は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/378,835号において開示されている。
【0070】
(5.2 空間的に分離されている太陽電池システム)
日射の吸収を最適化するために、非平面状ソーラーユニットを使用して、太陽電池組立品を形成する。そのような組立品の日射吸収特性をさらに改善するために、本明細書で開示されている太陽電池組立品内の非平面状ソーラーユニットは、それらが互いに空間的に分離されるように配列される。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニットは、上の図2Bに関して説明されているモノリシック集積化ソーラーモジュール270である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニットは、モノリシック集積化されない。このような実施態様では、ソーラーユニットは、ソーラーユニットの長軸の長さのすべて又は一部にそって上の図2Aに関して説明されている構造を有する。基板上に単一の太陽電池1つしかない図2Aに関して説明されているようにソーラーユニットは、太陽電池200とすることができるか、又はソーラーユニットは、実際、ソーラーモジュール内のそれぞれのそのような太陽電池が図2Aに関して上で説明されている太陽電池200の層を有する、基板の長軸の長さにそって複数の太陽電池があるソーラーモジュール270とすることができることは理解されるであろう。いくつかの組立品内には、太陽電池200(非モノリシック)とソーラーモジュール270(モノリシック)の混合体がある。以下の図においてソーラーユニットを識別するために、ソーラーユニットに、「ソーラーユニット1000」というラベルが付けられる。そのようなソーラーユニット1000は、ソーラーモジュール270(例えば、図2Bのようなモノリシック若しくは他のモノリシック構成)又は個別の太陽電池200(図2Aのような非モノリシック若しくは他の非モノリシック構成)であるか、或いは他の何らかの形態の非平面状ソーラーモジュールであることも可能であることを、当業者であれば理解するであろう。
【0071】
(5.2.1 ケースに封入されないスペーサー分離ソーラー組立品)
いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000は、隣接する平行ソーラーユニット1000が、互いに空間的に分離されるように配列される。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000はそれぞれ、5.1節で説明されている構成のどれかを備える。非平面状ソーラーユニット1000は、さまざまな構成で設置され得る複数の組立品内に配列される。
【0072】
図3Aは、一実施態様による太陽電池組立品300を例示している。それぞれの太陽電池組立品300は、同一平面上で互いに平行に配列されている非平面状(例えば、円筒状)ソーラーユニット1000を備える。ソーラーユニットの隣接する対の間には電池スペーサーの距離306がある。次いで、ソーラー組立品300は、随意の通路距離312だけ互いに隔てられている。ソーラー組立品300は、分離距離314でアルベド面316の上に置かれるように設置される。1つの太陽電池組立品に対する分離距離314は、所定の太陽電池配列における他の太陽電池組立品に対する分離距離314と同じか、又は異なっていてもよい。
【0073】
太陽電池組立品300を形成するために使用され得る非平面状ソーラーユニット1000の数には制限はない。いくつかの実施態様では、ソーラー組立品300は、5個以上、10個以上、20個以上、50個以上、100個以上、200個以上、又は500個以上非平面状ソーラーユニット1000を備える。
【0074】
(5.2.1.1 ソーラーユニットの特性)
いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300は、太陽電池パネル及び/又は周辺装置並びに太陽電池パネルを支持し、太陽電池の効率を維持するシステムを備える。
ソーラーユニットの寸法302。図3Aから3Cを参照すると、いくつかの実施態様では、それぞれの非平面状ソーラーユニット1000は、断面直径302(ソーラーユニット1000が図2Aに例示されているような非モノリシック太陽電池200であろうと、図2Bに例示されているようなモノリシック集積化ソーラーモジュール270であろうと関係なく)又は他の何らかの構成を有する円筒状である。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット200は、円筒状であり、寸法302は、円筒形状のソーラーユニット200の直径である。例えば、いくつかの実施態様では、寸法302は、非平面状ソーラーユニット1000の外半径(例えば、図2Bのr0)の値の2倍である。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000の寸法302は、2cmから6cmまでの範囲である。しかし、非平面状ソーラーユニット1000の直径には制限はない。いくつかの実施態様では、寸法302は、0.5cm以上、1cm以上、2cm以上、5cm以上、又は10cm以上である。
【0075】
スペーサー距離306。隣接する平行な非平面状ソーラーユニット1000は、スペーサー距離306だけ隔てられている。非平面状ソーラーユニットの1つのエッジから隣接する非平面状ソーラーユニット1000までの距離は、距離304である。いくつかの実施態様では、距離304は、図3Bに例示されているように、ソーラーユニット1000の寸法302とスペーサー距離306の和である。同様に、スペーサー距離306には制限はない。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306は、0.1cm以上、0.5cm以上、1cm以上、2cm以上、5cm以上、10cm以上、又は20cm以上である。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306は、少なくとも非平面状ソーラーユニット1000の寸法302以上の大きさである。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306は、非平面状ソーラーユニット1000の寸法302の1倍、1.5倍、2倍、又は2.5倍である。いくつかの実施態様では、組立品300内のソーラーユニット1000のそれぞれの隣接する対の間のスペーサー距離306は、同じである。いくつかの実施態様では、組立品300内のソーラーユニット1000の1つ以上の隣接する対の間のスペーサー距離306は、異なる。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000のそれぞれの隣接する対の間のスペーサー距離306は、製造閾値の範囲内である。例えば、いくつかの実施態様では、組立品300内のソーラーユニット1000のそれぞれの隣接する対の間のスペーサー距離306は、定数値の10パーセント以内、5パーセント以内、1パーセント以内、又は0.5パーセント以内である。
【0076】
(5.2.1.2 ソーラーユニット組立品周辺装置の特性)
設置面380。図3Aを参照すると、太陽電池組立品300が設置されている表面380は、2つのサブタイプ、つまり、覆われている表面領域と覆われていない表面領域に分けることができる。覆われている表面領域は、非平面状ソーラーユニット1000の影の中に入っており、したがって、直達日射を欠いている。覆われている表面積は、非平面状ソーラーユニット1000の寸法302に比例し、スペーサー距離306の長さに反比例する。覆われていない表面領域は、直達日射に曝される。表面380の覆われていない表面領域に到達する日射の量は、非平面状ソーラーユニット1000の表面に直接接触し得ないエネルギーの量を表す。太陽電池組立品300による太陽光吸収を高める方法の1つは、日射を覆われていない領域から非平面状ソーラーユニット1000に向けて送り返すことである。図3Cを参照すると、太陽電池組立品300の境界内側において、覆われている領域と覆われていない領域の考え方は、以下の例により例示され得る。非平面状ソーラーユニット1000が長さlを有すると仮定すると、スペーサー距離306 (dl)と電池寸法302 (al)の和はclであるが、ただし、cl=al+dlであり、太陽電池組立品300内にn個のソーラーユニットがある。nが十分に大きく、日光が太陽電池組立品300に直接当たる場合、表面380上の覆われている表面積は、積l×al×nであり、覆われていない面積は、積l×dl×nであるが、ただし、dlは、一様であると仮定する。覆われている表面380の割合は、al及びdlの値を変化させることにより調節され得る。
【0077】
通路312。隣接する太陽電池組立品300は、通路312により互いに隔てられている。図3に例示されているように、2つの太陽電池組立品300は、設置面380の上に設置される。太陽電池組立品300は、同一平面上にあるか、又はほぼ同一平面上にある。太陽電池組立品300により定義される平面又は近似的平面は、表面380により定義される平面に平行である。同一平面構成では、図3Cに例示されているように、隣接する太陽電池組立品300は、ソーラーユニットの長軸が互いに平行になるように隣同士に配列される。いくつかの実施態様では、2つの隣接する太陽電池組立品300のソーラーユニット1000の端部にそって直線(例えば、図3Cの305)を引くことができる。図3B及び3Cに示されているように、隣接する隣り合わせに並ぶ太陽電池組立品300を隔てる空間が、通路312である。通路312の寸法は、太陽電池組立品300の効率にも関わる。いくつかの実施態様では、スペーサー距離306と同様に、通路312が存在することで、太陽電池組立品300の効率が高まる。いくつかの実施態様では、通路312は、図3Bの距離314以下の長さである。
【0078】
アルベド層316。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300が設置されている表面380上に高アルベド材料(例えば、白色塗料)が堆積され、これにより、アルベド層316が形成される。いくつかの実施態様では、図3Aから3Cに例示されているように、アルベド層316は、太陽電池組立品300により定められた平面に平行である。アルベドは、表面又は物体の反射率の尺度である。これは、反射された電磁放射線(EM放射線)とそれへの入射量との比である。この率は、0から100までの範囲のパーセンテージとして通常は表される。アルベド層316を実装する目的は、覆われていない表面領域に当たる日射を組立品300の非平面状ソーラーユニット1000に向けて送り返すことである。
【0079】
いくつかの実施態様では、太陽電池組立品の付近の表面は、そのような表面を反射白色に塗装することにより高アルベドを有するように用意される。いくつかの実施態様では、高アルベドを有する他の材料を使用することができる。例えば、そのようなソーラーユニットの周りのいくつかの材料のアルベドは、70、80、又は90パーセントに近づくか、又はそれを超える。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Boer, 1977「太陽エネルギー(Solar Energy)」(19, 525)を参照のこと。しかし、何らかの大きさのアルベド(例えば、50パーセント以上、60パーセント以上、70パーセント以上)を有する表面が考えられる。一実施態様では、太陽電池組立品は、グラベル面の上に行の形で配列され、グラベルは、グラベルの反射特性を改善するように白色に塗装されている。一般に、高アルベド面を得るために、ランベルト又は拡散反射面を使用することができる。併せて使用できるアルベド面の詳細は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/315,523号において開示されている。いくつかの実施態様では、自己洗浄層が、アルベド面316上にコーティングされる。そのような自己洗浄層の詳細は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第11/315,523号において説明されている。
【0080】
分離距離314。図3Aから3Cを参照すると、いくつかの実施態様において、ソーラーユニット1000は、設置面380よりも少なくとも分離距離314だけ高いところに設置される。これは、(i)組立品内のソーラーユニット1000の一部と設置面との間の最も近い点が、少なくともある有限な分離距離314であることを意味する。分離距離314は、0よりも大きい。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000は、設置面に関してある角度で設置される。そのような実施態様では、ソーラーユニット1000の大きな部分は、設置面380からある距離だけ離れており、これは最小分離距離314よりもかなり大きい。しかし、そのような実施態様では、ソーラーユニット1000のすべての部分は、設置面380から、分離距離314以上の距離にある。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品内のソーラーユニット1000のいくつかのユニットのすべて又は一部は、最小分離距離314よりも小さい。しかし、このような実施態様は、好ましくない。
【0081】
いくつかの実施態様では、設置面380は、高アルベド材料(例えば、白色塗料)を堆積され、高アルベド面316を形成する。いくつかの実施態様では、分離距離314は、スペーサー距離306よりも大きい。いくつかの実施態様では、分離距離314は、通路312の幅よりも大きい。いくつかの実施態様では、分離距離314は、スペーサー距離306の長さよりも大きく、分離距離314は、通路312の幅よりも大きい。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300により定められた平面又は近似的平面は、高アルベド面316から25センチメートル以上離れているか(例えば、距離314は25センチメートル以上である)、及び/又は設置面380から25センチメートル以上離れている。いくつかの実施態様では、例えば、太陽電池組立品300により定義される平面は、表面316から2メートル以上離れている。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品300により定義される平面は、設置面380に関してある角度をなす。いくつかの実施態様では、高アルベド面316は、高層ビルの屋根、大きな製造物の屋根、又は娯楽施設の屋根である。いくつかの実施態様では、高アルベド面316と太陽電池組立品300により定められた平面との間にパイプ又は他の物体がある。このような実施態様では、そのような障害物は、それ自体、アルベド材料でコーティングされ、これにより、太陽電池組立品300により定められた平面よりも下にアルベド環境を形成することができる。
【0082】
太陽電池組立品をさらに特徴付けることが可能である。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、Durischら、1997「広面積光電池ラミネートの特徴(Characterization of a large area photovoltaic laminate)」(Bulletin SEV/VSE 10: 35-38)、Durischら、2000「太陽電池発電器の特徴(Characterization of photovoltaic generators)」(Applied Energy 65: 273-284)、及びDurischら、1996「実際の動作条件の下での太陽電池及びソーラーモジュールの特徴(Characterization of Solar Cells and Modules under Actual Operating Conditions)」(Proceedings of the World Renewable Energy Congress 1: 359-366)を参照のこと。
【0083】
(5.2.2 ケースに封入されたスペーサー分離太陽電池組立品)
ケース402。図4Aを参照すると、いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000は、例えば、箱形ケース402に入れられ、太陽電池組立品400を形成している。図4Aから4Cを参照すると、ケース402は、随意の最上層404、底部406、及び複数の透明サイドパネル408を備えている。図に示されていないけれども、ケース402は、面取りされたコーナーを有し、実際、3つの寸法を有する形状をとりうる。いくつかの実施態様では、上面404は、太陽電池組立品内のソーラーユニット1000をシールする透明層である。いくつかの実施態様では、上面404には透明層はなく、非平面状ソーラーユニット1000は、直達日射に曝されている。
【0084】
いくつかの実施態様では、随意の上面404が、ケースに入れられた太陽電池組立品400内に存在する場合に、上面404は、非平面状ソーラーユニット1000による太陽光吸収を助長するように修正できる。いくつかの実施態様では、上面404は、ガラス層、好ましくは、太陽輻射の吸収を低減する低イオンガラスで作られたガラス層である。いくつかの実施態様では、上面404は、織り目加工されたガラス面である。ぎらつき効果をなくすため、ガラス面に模様を付けるとよい。いくつかの実施態様では、上面404は、ポリマー材料、好ましくは、UV放射線で安定している材料で作られる。いくつかの実施態様では、上面404を形成するために他の好適な透明材料も使用できる。いくつかの実施態様では、上面404は、片側に反射防止膜を施される。
【0085】
上面404と同様に、いくつかの実施態様では、サイドパネル408は、透明であり、非平面状ソーラーユニット1000に対するシャドウ効果を低減又は排除するために、例えば、プラスチック又はガラス製とすることができる。いくつかの実施態様では、随意の上カバー層404も、透明なプラスチック又はガラス材料で作られる。このような実施態様では、透明カバー層404及び透明サイドパネル408は、非平面状ソーラーユニット1000を環境からシールする。都合のよいことに、シールされた上面404を有するケースに入れられた太陽電池組立品400は、清掃、保守、及び運搬が比較的容易である。サイドパネル408は、上面404を作るために使用される材料で作ることができる。さらに、サイドパネル408は、反射防止膜をコーティングできる。
【0086】
透明上カバー層404及び透明サイドパネル408は、透明管状ケース210を製造するのに使用されたのと同じ材料で構成できる。いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び透明サイドパネル408は、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスから作られる。いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又はサイドパネル408は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、シリコーン、シリコーンゲル、エポキシ、ポリアミド、ポリオレフィンから作られる。
【0087】
いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、フロオロポリマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリオレフィン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体(例えば、エチレンとテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)モノマー)との重合から得られる誘導体であるETFE(登録商標))、ポリウレタン/ウレタン、透明ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、Tygon(登録商標)、ビニル、Viton(登録商標)、又はこれらの任意の組合せ若しくは変化形態から作られる。
【0088】
いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、複数の透明ケース層を備える。例えば、いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、反射防止膜層及び/又は耐水層をコーティングされる。いくつかの実施態様では、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408は、優れた紫外線遮蔽特性を有する。さらに、複数の透明上カバー層404及び透明サイドパネル408を使用することで、コスト削減を行い、及び/又は透明上カバー層404及び透明サイドパネル408の全体的特性を改善することができる。例えば、上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408の1つの層は、所望の物理的特性を有する高価な材料から作ることができる。1つ以上の追加の層を使用することにより、高価な層の厚さを減らし、それにより、材料コストを節約することができる。他の例では、上カバー層404及び/透明サイドパネル408の1つの透明層は、所望の光学的特性(例えば、屈折率など)を有するが、非常に高密度である場合がある。1つ以上の追加の透明層を使用することにより、高密度の層の厚さを減らし、これにより、透明上カバー層404及び/又は透明サイドパネル408の全体的重量を低減することができる。透明カバー層404及び透明サイドパネル408を製造するための追加の材料は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第11/378,847号において説明されている。
【0089】
しかし、上カバー層404が存在することも、また、日射により発生する熱が、ケースに封入された太陽電池組立品400から放出されるのを妨げ得る。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品400と外部環境との間の空気循環を高めるために、透明サイドパネル408、底面406、又は上面404にさえも開口部が形成されている。いくつかの実施態様では、開口部は、直径が1mm以上、2mm以上、5mm以上の小さな孔とすることができる。いくつかの実施態様では、開口部は、円形であっても円形でなくもよく、全開口面積は0.1mm2から10,000mm2までの範囲にある。いくつかの実施態様では、これらの孔を網で覆い、異物が組立品400内に入り込まないようにする。いくつかの実施態様では、このような網は、透明プラスチックから作られる。
【0090】
太陽電池組立品400内では、非平面状ソーラーユニット1000は、さらに、寸法302により定められ、スペーサー距離306により互いに隔てられる。また、太陽電池組立品300の場合のように、いくつかの実施態様では、距離304は、スペーサー距離306と寸法302との和として定義される。随意の上カバー層404、透明サイドパネル408、及び底面406は、一緒になって、非平面状ソーラーユニット1000の周囲の空気循環に影響を及ぼす。いくつかの実施態様では、太陽電池組立品400には随意の上カバー層404がない。このような実施態様では、日射から発生する熱は、太陽電池組立品400からより効率的に放散される。いくつかの実施態様では、特に随意の上カバー層404が存在しない場合に、排出システム(例えば、底面406内の1つ以上の孔)を太陽電池組立品400内に実装し、これにより沈殿物を排出することができる。
【0091】
ケースに入れられているそれぞれの太陽電池組立品内で、非平面状ソーラーユニット1000は、底部406から一定距離314のところに位置する。図4Dを参照すると、非平面状ソーラーユニット1000は、スペーサー距離306だけ隔てられ、これにより、隣接する非平面状ソーラーユニット1000からのシャドウイング効果を低減又は排除する。
【0092】
いくつかの実施態様では、直射日光は、スペーサー距離306を通過し、底面406及び/又は層316に当たる。底面406は、透明サイドパネル408又は随意の上面404と、底面406が透明である必要ないという意味で異なる。むしろ、底面406は、いくつかの実施態様では非常に反射性が高い。いくつかの実施態様では、底面406は、日射を反射して(非平面状ソーラーユニット1000により吸収される太陽エネルギーと対照的に)非平面状ソーラーユニット1000内に返し、円筒状ソーラーユニットによる日射吸収を高めることができる。いくつかの実施態様では、底面406は、日射吸収を高めるために日射を反射して非平面状ソーラーユニット1000上に返す鏡面である。いくつかの実施態様では、高アルベド層316が、底部406の表面に堆積され、これにより、日射をソーラーユニット1000上に反射する。いくつかの実施態様による底面406及び設置面380の反射特性に関する補足情報は、以下の5.2.3節で示されている。いくつかの実施態様では、アルベド面316は、太陽電池組立品内の非平面状ソーラーユニット1000により定められた平面状表面に平行である。アルベド面316及び非平面状ソーラーユニット1000により定められた平面状表面は、一定の距離314だけ互いに隔てられる。さらに、いくつかの実施態様では、ケースに入れられた太陽電池組立品400は、通路312により互いに隔てられている。
【0093】
いくつかの実施態様では、図4Fに例示されているように、太陽電池組立品480は、底部406に平行に設置される。平行な構成では、沈殿物が非平面状ソーラーユニット1000の間に集まり得る。いくつかの実施態様では、非平面状ソーラーユニット1000は、太陽電池組立品480の排水をしやすくするために、ユニットの長軸が図5A及び6Aに例示されているように底部308に関してある角度をなすように設置される。いくつかの実施態様では、最終太陽電池組立品にはケース402がない。例えば、非平面状ソーラーユニット1000及びインボリュート形の内部反射器420が、接続デバイス310に直接組み付けられる。
【0094】
(5.2.3 集光器及び反射器)
いくつかの実施態様では、底面406(図4)及び/又は設置面380は、日射が、非平面状ソーラーユニット1000の方へより効果的に反射されるように設計されている。いくつかの実施態様では、集光器(例えば、図4Eの集光器410)及び/又は反射面は、日射を反射してソーラーユニット1000へ返し、太陽電池組立品の性能を高めるように底面406及び/又は設置面380内に設計で作り込むことができる。例示的な一実施態様における静的集光器の使用は、図4Eに例示されており、そこでは、静的集光器410は、太陽電池組立品の効率を高めるために底面406上に配置される。静的集光器410は、太陽電池組立品300(例えば、図3に示されているようなもの)、ケースに入れられた太陽電池組立品400(例えば、図4に示されているようなもの)、又は追加の実施態様と併用することができる。静的集光器410などの反射デバイスが、箱形ケースがない太陽電池組立品(例えば、図3の太陽電池組立品300)とともに使用する場合、静的集光器410を設置面380の上にかぶせるように置くとよい。
【0095】
静的集光器410は、例えば、単純な適切に曲げられるか、若しくは成形されたアルミニウムシート、又はポリウレタン上の反射膜などの当該技術分野で知られている静的集光器材料から形成され得る。反射器410の形状は、日射を非平面状ソーラーユニット1000の方へ反射するように設計されている。いくつかの実施態様では、反射器は、図4Eに例示されているような放物面トラフ形反射鏡である。いくつかの実施態様では、集光器410は、低集光比の非結像複合放物面集光(compound parabolic concentrator)(CPC)型集光器である。つまり、(CPC)型集光器は、太陽電池組立品と併用することができる。(CPC)型集光器の詳細については、参照により本明細書に組み込まれている、Pereira及びGordon、1989「太陽エネルギー工学ジャーナル(Journal of Solar Energy Engineering)」(111, pp.111-116)を参照のこと。
【0096】
いくつかの実施態様では、図4Gに例示されているような静的集光器410が使用される。ここでもまた、静的集光器410は、太陽電池組立品300(例えば、図3に例示されているようなもの)、ケースに入れられた太陽電池組立品400(例えば、図4に例示されているようなもの)、又は本明細書で開示されている追加の実施態様と併用することができる。図4Gの静的集光器410は、入射光を捕捉し、ソーラーユニット1000へ反射するように設計されているミリメートル未満のv字型溝を備える。このような集光器の詳細は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Uematsuら、2001「太陽エネルギー材料と太陽電池(Solar Energy Materials & Solar Cell)」(67, 425-434)及びUematsuら、2001「太陽エネルギー材料と太陽電池(Solar Energy Materials & Solar Cell)」(67, 441-448)において見られる。
【0097】
いくつかの実施態様では、集光器は、参照により本明細書に組み込まれている、「光電池科学工学ハンドブック(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」(2003, Luque and Hegedus (eds.), Wiley & Sons, West Sussex, England,第11章)において説明されているような任意のタイプの集光器である。このような集光器は、限定はしないが、放物面集光器、複合放物面集光器、Vトラフ型集光器、屈折レンズ、集光器と二次光学素子(例えば、vトラフ、屈折型CPC、屈折サイロなど)の併用、静的集光器(例えば、全反射に依存する誘電体プリズム)、RXI集光器、誘電体単一鏡二段(dielectric-single mirror two stage)(D-SMTS)トラフ型集光器などを含む。他の集光器については、参照により本明細書に組み込まれている、Luque、「光電池集光用の太陽電池及び光学系(Solar Cells and Optics for Photovoltaic Concentration)」(Adam Hilger, Bristol, Philadelphia (1989))で説明されている。いくつかの実施態様では、単純な反射面が使用される。
【0098】
使用できるさらに他の集光器は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Uematsuら、1999「第11回国際光電池科学工学会議の議事録(Proceedings of the 11th International Photovoltaic Science and Engineering Conference)」(Sapporo, Japan, pp.957-958)、Uematsuら、1998「光電池太陽エネルギー変換に関する第2回世界会議の議事録(Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion)」(Vienna, Austria, pp.1570-1573)、Warabisakoら、1998「光電池太陽エネルギー変換に関する第2回世界会議の議事録(Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion)」(Vienna, Austria, pp.1226-1231)、Eamesら、1998「光電池太陽エネルギー変換に関する第2回世界会議の議事録(Proceedings of the Second World Conference on Photovoltaic Solar Energy Conversion)」(Vienna Austria, pp.2206-2209)、Bowdenら、1993「第23回IEEE光電池専門家会議の議事録(Proceedings of the 23rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference)」(pp.1068-1072)、及びParadaら、1991「第10回EC光電池太陽エネルギー会議の議事録(Proceedings of the 10th EC Photovoltaic Solar Energy Conference)」(pp.975-978)において開示されている。
【0099】
いくつかの実施態様では、内部反射器が、ソーラーユニット1000の間に追加され、これにより、日射の吸収を高める。本明細書で使用されているように、内部反射器という用語は、ソーラーユニット1000の間に置かれている任意のタイプの反射デバイスを指し、一般的には、ソーラーユニットの組立品内のソーラーユニット1000と同じ平面内にある。内部反射器は、隣接するソーラーユニット1000の日射への露出を高める一般的特性を有する。しかし、内部反射器では、開示されている装置の主たる利点の1つ、シャドウイング効果の低減が、ある程度、なくなる。したがって、いくつかの実施態様では、内部反射器は使用されない。いくつかの実施態様では、内部反射器は使用されるが、シャドウイングを最小にするように設計されている。
【0100】
例えば、図4Fを参照すると、インボリュート形内部反射器420が、非平面状ソーラーユニット1000のいずれかの側に取り付けられ、日射をソーラーユニットに向けるようになっている。それぞれのインボリュート形反射器の形状は、対応する非平面状ソーラーユニット1000の形状を補完するものである。隣接する非平面状ソーラーユニット1000上のインボリュート形内部反射器は、スペーサー距離306だけ隔てられている。いくつかの実施態様では、図4Fに例示されているように、非平面状ソーラーユニット1000とインボリュート形反射器420(例えば、図4Fの太陽電池組立品480)の組み立てられたアレイは、表面406及び/又は設置面380から一定の距離314のところにある。いくつかの実施態様では、高アルベド層316は、表面406及び/又は設置面380上に堆積される。いくつかの実施態様では、底部406及び/又は設置面380は、アルベド材料で作られる。このような実施態様では、アルベド層316は、必要ない。
【0101】
反射材料は、例えば、真空蒸着技術を使用して、反射面380、406、410、及び/又は420上に堆積され得る。いくつかの実施態様では、保護アルミナ被覆を施した反射面380、406、410、及び/又は420上に第1の反射膜(例えば、表面銀鏡)をコーティングするロールコーティングプロセスが開発されている。いくつかの実施態様では、真空蒸着プロセスにより基板表面(例えば、反射面380、406、410、及び/又は420)上に堆積された金属層上に反射層がコーティングされる。いくつかの実施態様では、保護アルミナ被膜は、イオンビーム支援蒸着により堆積される。
【0102】
いくつかの実施態様では、反射面380、406、410、及び/又は420上の反射膜の厚さは、0.5ミクロンを超えるか、又は1ミクロン以上であるか、又は2ミクロン以上であるか、又は5ミクロン以上である。いくつかの実施態様では、反射面380、406、410、及び/又は420上で少なくとも10年間90パーセントを超える正反射率を維持できる。
【0103】
(5.2.4 太陽電池組立品の設置)
ケースを有する、又はケースを有しない太陽電池組立品(例えば、図3及び5の太陽電池組立品300又は図5及び6の太陽電池組立品400)は、設置面380及び/又は底部406に平行に、或いは設置面380及び/又は底部406に対しある傾斜角で設置することができる。例えば、図5Aを参照すると、太陽電池組立品300は、ある傾斜角(例えば、図5Aにおいてθ又は506)で設置され得ることがわかる。傾斜角506は、太陽電池組立品300内のソーラーユニットの長軸により形成される平面状表面と太陽電池組立品が設置される表面との間の角度である。いくつかの実施態様では、図5Cに例示されているように、傾斜角506は、太陽電池組立品300の平面状表面とアルベドコーティング面316との間の角度である。傾斜角506は、日射に対するソーラーユニット1000の露出が最大になるように調節することができる。いくつかの実施態様では、傾斜角506は、太陽電池組立品の地理的配置に関して変化する。例えば、太陽電池組立品300の傾斜角506は、太陽電池組立品が赤道の近くに設置された場合には0に近い値となるが、California(カリフォルニア)州Sacramento(サクラメント)で設置された太陽電池組立品300の傾斜角506は、0よりもかなり大きくなる可能性がある。いくつかの実施態様では、傾斜角506は、0から2度、2から5度、2度以上、10度以上、20度以上、30度以上、又は50度以上としてよい。
【0104】
日射の入射角は毎日変化する。太陽電池組立品(例えば、太陽電池組立品300又は400)による日射吸収を最大にするために、日射の季節的変動を利用することができる。いくつかの実施態様では、設置された太陽電池組立品の傾斜角506は、季節に応じて調節することができる。
【0105】
太陽電池組立品300を傾斜角506で設置するには、支持材508(例えば、図5Aに示されているフレーム形の支持材)を使用するとよい。いくつかの実施態様では、フレーム形の支持材は、単一の作り付けの機構を備えることができ、これにより、太陽電池組立品(例えば、図5の太陽電池組立品300又は図6の太陽電池組立品400)を2つ以上の傾斜角で設置することができる。例えば、フレーム形支持材506は、太陽電池接続デバイス310を接続できる1つ以上のセッティング(例えば、多数の作り付けの溝の1つ)を備えることができる。
【0106】
いくつかの実施態様では、図5Cに例示されているように、太陽電池組立品300とアルベド面316との間の分離距離314は、ソーラーユニット1000の一部とアルベド面316との間の最小距離である。
いくつかの実施態様では、ケースに入れられた太陽電池組立品400は、さらに、ある傾斜角となるように設置することもできる。ソーラー組立品の傾斜は、傾斜角504と異なる(図5に示されている)。太陽電池組立品400の傾斜角は、太陽電池組立品400の平面状表面と設置面380との間の角度である。ケースに入れられた太陽電池組立品400のいくつかの実施態様では、高アルベド層316は、ケース402の底面406上に堆積される。これらの実施態様では、ソーラーユニットと底部アルベド層316との間の距離は、それぞれの非平面状ソーラーユニット1000の長軸にそってほぼ同じである。太陽電池組立品400の傾斜角は、したがって、透過した日射がどのように反射されてソーラーユニット1000に戻るかということに影響を及ぼさない。しかし、太陽電池組立品400の傾斜角は、吸収された日射から発生した熱が太陽電池組立品400からどのように放出されるかということに影響を及ぼす。一般に、太陽電池組立品400の傾斜角が大きいほど、太陽電池組立品400からの放熱を促進する効果が高まる。太陽電池組立品400が、屋根に設置された場合、ソーラーユニットによる日射吸収は、多くの場合、大量の熱を発生し、次いで、屋根をかなり熱することになる。例えば、図6に例示されているように、太陽電池組立品400が、傾斜角604で設置された場合、太陽電池組立品400の背後と支持フレーム508との間の空き領域により生じる流動空気の循環で、非平面状太陽電池200が効果的に冷却され得る。温度が低いと、非平面状ソーラーユニット1000が屋根に向かって放射する熱の量は減る。
【0107】
図5Bは、前後に並ぶ形の構成で配列された2つの太陽電池組立品300の相対的位置を例示している。前後に並ぶ形の構成は、図4Cの隣り合って並ぶ形の構成と異なる。図5Aから5Cに示されているように、前後に並ぶ形の構成の隣接する太陽電池組立品は、一列に配列される。前後に並ぶ形の構成における隣接するソーラーユニットは、距離504で互いに隔てられる。距離504は、傾斜角506とともに変化する。傾斜角506が0になると(つまり、太陽電池組立品300が、設置面380及び高アルベド面316に平行である)、隣接する非平面状ソーラーユニット1000は、端と端をつなぐ形で配列され(例えば、504がゼロである)、設置面380の被覆範囲が最大になる。また、設置面380の被覆を最大にするには、スペーサー距離306を0に減らす、つまり、非平面状ソーラーユニットを互いのすぐ隣に配列する。
【0108】
(5.3 太陽電池組立品の利点)
都合のよいことに、空間的に隔てられているソーラーユニット1000により形成される、太陽電池組立品300及び400は、入射日射を効率よく吸収し、悪天候によく耐え、周囲に及ぼすマイナスの影響(例えば、建物の屋根などの取り付け面の過熱)が少ない。
シャドウイング効果を最小限の抑えることにより集光効率を高める。隣接する非平面状ソーラーユニット1000からのシャドウイング効果は、表面に当たる日射の位置に依存する。例えば、日射が特定の角度で非平面状ソーラーユニット1000の上部に当たると(例えば、図3Dに示されているように、入射角が0の場合)、隣接する太陽電池からのシャドウイング効果はない。実際、この日射位置では、それぞれの非平面状ソーラーユニット1000の表面の半分が、直射日光に曝される。しかし、このような直達日射が生じるのは、1日のうちのごく限られた時間、例えば、正午頃にすぎない。1日のほとんどの時間、日射は非平面状ソーラーユニット1000の上部に垂直でない角度で非平面状ソーラーユニット1000と接触する。これらの状況の下で、与えられた非平面状ソーラーユニット1000について、入射日射の一部は、隣接するユニット1000が互いに近づきすぎる場合に隣接する非平面状ソーラーユニット100により遮られる。事実上、隣接するソーラーユニット1000によりもたらされる影の中に入る光電池表面は、直達日射を欠く。その結果、日射の吸収は、減衰される。
【0109】
都合のよいことに、スペーサー距離306が存在することで、日射に対する非平面状ソーラーユニット1000の露出を最大にすることができ、増大した太陽光吸収を通じて効率が向上する。図3Eを参照すると、2つの非平面状ソーラーユニット1000は、スペーサー距離306だけ隔てられている。入射日射の角度が与えられると、シャドウイング効果は、スペーサー距離306により決定される。ソーラーユニット1000により定められる平面に関する入射角が、大きくなると、隣接する非平面状ソーラーユニット1000は、隣接するソーラーユニット1000に大きな影領域をもたらす。図3Eに示されているように、非平面状ソーラーユニット1000の間隔を広げることで、影領域が縮小される。いくつかの実施態様では、その場合、隣接する非平面状ソーラーユニット1000からのシャドウイング効果が1日の実質的な時間について最小になるようにスペーサー距離306が調節される。
【0110】
また都合のよいことに、スペーサー距離306が存在することで、ソーラーユニットを日射により長く曝すことができ、したがって、本明細書で開示されている太陽電池組立品は、午後4若しくは5時、又は夕方早い時間であっても高い効率を維持する。太陽電気エネルギーを完全に利用するためには、光電池ピーク効率は、ピーク電気負荷と競り合える必要がある。ピーク電気負荷は、地理的配置、地域産業、及び人口分布に依存する。例えば、Arizona(アリゾナ)の暑い夏日では、ピーク電気負荷は、大半の人々が家庭又は職場で空調のスイッチを入れたときに発生し得る。ある種の状況下では、ピーク電気負荷は、夕方、大半の人々が帰宅するときに発生する。しかし、夜間に日光はない。ほとんどの従来型の太陽電池システムでは、光電池効率ピークは、日射の最大量がソーラーユニット1000に直接投げかけられる正午頃に出現する。したがって、夕方のピーク電力負荷は、天然ガス又は他の資源による発電に依存することになる。集光効率は、参照により本明細書に組み込まれている、Durischら、「ヨルダンの日当たりの良い敷地における選択された光電池モジュールの効率及び年間収率(Efficiency of Selected Photovoltaic Modules and Annual Yield at a Sunny Site in Jordan)」(Proceedings of the World Renewable Energy Congress VIII (WREC 2004): 1-10)により提案されている方法を使用して計算できる。
【0111】
非平面状ソーラーユニットの発熱を減らすことによる集光効率増大。太陽電池組立品(例えば、図3及び5の太陽電池組立品又は図4及び6の太陽電池組立品400)内のソーラーユニット1000が日射を吸収すると、組立品の温度は上昇する。大半のソーラーユニット1000の電気変換効率は、太陽電池パネルの温度上昇の悪影響を受ける。高温に関わる効率減少は、ほとんどの太陽電池システムにおいて観察されており、例えば、CIGS及び結晶シリコンに基づく半導体システムを用いる太陽電池システムの効率は、太陽電池組立品の温度が1度上昇する毎に約0.5パーセント低下し得る。太陽電池の性能及び効率に関する追加の情報は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Burgess及びPritchard、1978「能動冷却を使用する1キロワット集光器光電池アレイの性能(Performance of a One Kilowatt Concentrator Photovoltaic Array Utilizing Active Cooling)」(IEEE photovoltaic specialists conference, Washington, DCCONF-780619-5)並びにYoshidaら、1981「高効率大面積AlGaAs/GaAs集光器太陽電池(High efficiency large area AlGaAs/GaAs concentrator solar cells)」(Photovoltaic Solar Energy Conference, Proceedings of the Third International Conference A82-24101 10-44: 970-974)に記載されている。
【0112】
都合のよいことに、スペーサー距離306、通路312、及び高さ314が存在することで、太陽電池組立品300内の空気循環が促進される。いくつかの実施態様では、ソーラーユニット1000の効果的冷却は、高さ314が少なくともスペーサー距離306又は通路312よりも大きい場合になされる。図3Fは、スペーサー距離306、通路312、及び高さ314が熱せられた太陽電池組立品を冷却しやすくする可能な機構を例示している。スペーサー距離306、通路312、及び分離距離314が存在するため、非平面状ソーラーユニット1000の周辺の空気は、外気と流動的に連絡する。非平面状ソーラーユニット1000から出る熱は、多くの空気流内に、例えば、図3Fに例示されているような空気流320、330、及び340内に放出される。さらに、風などの自然対流が、熱せられた非平面状ソーラーユニット1000からの放熱をいっそう促す。国内の対流及び熱伝達に関する一般文献としては、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Lin及びChurchill、1978「垂直等温板からの無乱流対流(Turbulent Free Convection From a Vertical Isothermal Plate)」(Numerical Heat Transfer 1: 129-145)、Siebersら、1985「垂直の広い平坦な表面からの実験的可変特性自然対流(Experimental, Variable Properties Natural Convection From a Large, Vertical, Flat Surface)」(ASME J. Heat Transfer 107: 124-132)、並びにWarner及びArpaci、1968「垂直加熱平板内の乱流自然対流の実験的調査(An Experimental Investigation of Turbulent Natural Convection in Air along a Vertical Heated Flat Plate)」(Intl. J. Heat & Mass Transfer 11: 397-406)がある。太陽電池システムに関係するより具体的な参考文献としては、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、M.J. O'Neill「シリコン低集光、線焦点、地上モジュール(Silicon Low-Concentration, Line-Focus, Terrestrial Modules)」(Solar Cells and their Applicationsの第10章, John Wiley & Sons, New York, 1995)、並びにSandberg及びMoshfegh、2002「光電池前面における浮力誘発空気流-太陽電池モジュールの空隙及び配置の幾何学的形状の効果(Buoyancy-Induced Air Flow In Photovoltaic Facades-Effect Of Geometry of the Air Gap and Location of Solar Cell Modules)」(Building and Environment 37: 211-218(8))がある。
【0113】
風力荷重効果を低減することによる構造的完全性の向上。太陽電池パネルの構造的完全性は、デバイスの寿命に関して重要なものである。強い風は、ソーラーユニット1000の温度を下げるのに役立つけれども、多くの場合、太陽電池パネルの構造的な損傷を引き起こす可能性がある。都合のよいことに、本明細書で開示されている太陽電池組立品(例えば、太陽電池組立品300)は、空間的に隔てられているソーラーユニット1000により形成される。したがって、これらは、悪天候、例えば、強い風を伴う雪又は風雨によく耐える。図3Fに例示されているように、スペーサー距離306、高さ314、及び通路312が存在することで、太陽電池組立品300の総風力荷重が効果的に低減される。光電池モジュールの風力荷重及び信頼性及び性能に関する追加文献については、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、Munzerら、1999「薄膜単結晶シリコン太陽電池(Thin monocrystalline silicon solar cells)」(IEEE Transactions on Electron Devices 46 (10): 2055-2061)、Hirasawaら、1994「光電池アレイ構造の設計及び製図支援システム(Design and drawing support system for photovoltaic array structure)」(Photovoltaic Energy Conversion, Conference Record of the Twenty Fourth IEEE Photovoltaic Specialists Conference 1: 1127-1130)、Dhereら、「現場配置光電池モジュールの劣化の側面に関する調査(Investigation of Degradation Aspects of Field Deployed Photovoltaic Modules)」(NCPV and Solar Program Review Meeting 2003 NREL/CD-520-33586: 958)、Wohlgemuth、1994「PVモジュールの信頼性試験(Reliability Testing of PV Modules)」(IEEE First World Conference on Photovoltaic Energy Conversion : 889 892)、並びにWohlgemuthら、2000「光電池モジュールの信頼性及び性能試験(Reliability and performance testing of photovoltaic modules)」(Photovoltaic Specialists Conference, Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE: 1483-1486)を参照のこと。
【0114】
周囲に対するマイナスの影響の低減。入射日射を吸収した後、太陽電池モジュールは、熱を発生して高温になる。このような高温が生じると、太陽電池モジュールの周囲に悪影響を引き起こす可能性がある。例えば、高温の太陽電池モジュールは、建物の屋根を過熱させ、ときには火災の危険がある。図3Fに例示されているように、スペーサー距離306、通路312、及び高さ314は、太陽電池モジュールの温度を下げるのを助け、したがって、屋根の加熱効果も下げる。いくつかの実施態様では、このような低減は、太陽電池組立品300内に追加の特徴を実装することにより促進される。例えば、太陽電池組立品を支持フレーム508上に設置することにより、反射アルベド層を加え、及び/又は太陽電池組立品を持ち上げて設置面380から離す。
【0115】
追跡。開示されている装置は、さらに、自己追跡の利点をさらに有する。つまり、日光に面するようにソーラーユニット1000の組立品の位置を決めるために追跡デバイスを使用する必要がないということである。上記のように、太陽電池の効率を高めるために、当該技術分野では追跡デバイスが使用される。追跡デバイスは、太陽に追随するため時間とともに移動する。むしろ、ソーラーユニット1000の間に間隔があり、またソーラーユニット1000により定められた平面と設置面380及び/又は底部406との間に間隔があるため、ソーラーユニット1000は、1日の実質的な時間の間、日光を当てる同じ大きさの光電池表面積をもたらす。
【0116】
(5.4 例示的な半導体接合部)
図7Aを参照すると、一実施態様では、半導体接合部206は、背面電極104上に堆積された、吸収体層106と吸収体層106上に堆積された、接合パートナー層108との間のヘテロ接合である。層106及び108は、異なるバンドギャップ及び電子親和力を持つ異なる半導体からなり、接合パートナー層106は、吸収体層108に比べて大きなバンドギャップを有する。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、p型ドープされ、接合パートナー層108は、n型ドープされている。このような実施態様では、透明導電層110(図に示されていない)は、n+型ドープされている。代替え実施態様では、吸収体層106は、n型ドープされ、透明導電層110は、p型ドープされている。このような実施態様では、透明導電層110は、p+型ドープされている。いくつかの実施態様では、参照により本明細書に組み込まれている、Pandey「半導体電着ハンドブック(Handbook of Semiconductor Electrodeposition)」(Marcel Dekker Inc., 1996, Appendix 5)に挙げられている半導体を使用して、半導体接合部206を形成する。
【0117】
(5.4.1 銅インジウム二セレン化物及び他のI-III-VI族材料に基づく薄膜半導体接合部)
続けて図7Aを参照すると、いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅インジウム二セレン化物(CuInSe2、CISともいう)などのI-III-VI2族化合物である。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、p型又はn型のCdGeAs2、ZnSnAs2、CuInTe2、AgInTe2、CuInSe2、CuGaTe2、ZnGeAs2、CdSnP2、AgInSe2、AgGaTe2、CuInS2、CdSiAs2、ZnSnP2、CdGeP2、ZnSnAs2、CuGaSe2、AgGaSe2、AgInS2、ZnGeP2、ZnSiAs2、ZnSiP2、CdSiP2、又はCuGaS2からなる群から選択されたI-III-Vl2族三元化合物であるが、ただし、このような化合物が存在することが知られている場合である。
【0118】
いくつかの実施態様では、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。一実施態様では、吸収体層106は、p型CISであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。このような半導体接合部406は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第6章で説明されている。
【0119】
いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(copper-indium-gallium-diselenide)(CIGS)である。このような層は、Cu(InGa)Se2とも呼ばれる。いくつかの実施態様では、吸収体層106は、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニド(copper-indium-gallium-diselenide)(CIGS)であり、接合パートナー層108は、CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。一実施態様では、吸収体層106は、p型CIGSであり、接合パートナー層108は、n型CdS、ZnS、ZnSe、又はCdZnSである。このような半導体接合部406は、参照により本明細書に組み込まれている、「光電池科学工学ハンドブック(Handbook of Photovoltaic Science and Engineering)」(2003, Luque and Hegedus (eds.), Wiley & Sons, West Sussex, England,第12章)の第13章において説明されている。いくつかの実施態様では、層106は、0.5μmから2.0μmまでの厚さを有する。いくつかの実施態様では、層502内のCu/(In+Ga)の構成比は、0.7から0.95までである。いくつかの実施態様では、層106内のGa/(In+Ga)の構成比は、0.2から0.4までである。いくつかの実施態様では、CIGS吸収体は、<110>結晶方位を有する。いくつかの実施態様では、CIGS吸収体は、<112>結晶方位を有する。いくつかの実施態様では、CIGS吸収体は、ランダムに配向される。
【0120】
(5.4.2 非晶質シリコン又は多結晶シリコンに基づく半導体接合部)
いくつかの実施態様では、図7Bを参照すると、半導体接合部206は、非晶質シリコンを含む。いくつかの実施態様では、これは、n/n型ヘテロ接合である。例えば、いくつかの実施態様では、層714は、SnO2(Sb)を含み、層712は、非ドープ非晶質シリコンを含み、層710は、n+型ドープ非晶質シリコンを含む。
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、p-i-n型接合である。例えば、いくつかの実施態様では、層714は、p+型ドープ非晶質シリコンであり、層712は、非ドープ非晶質シリコンであり、層710は、n+型非晶質シリコンである。このような半導体接合部206は、参照により本明細書に組み込まれている、Bube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第3章で説明されている。
【0121】
いくつかの実施態様では、半導体接合部406は、薄膜多結晶に基づく。図7Bを参照すると、そのような実施態様による一例において、層710は、p型ドープ多結晶シリコンであり、層712は、空乏型多結晶シリコンであり、層714は、n型ドープ多結晶シリコンである。このような半導体接合部は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Green、「シリコン太陽電池:高度な原理と技法(Silicon Solar Cells: Advanced Principles & Practice)」(Centre for Photovoltaic Devices and Systems, University of New South Wales, Sydney, 1995)、及びBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London, pp.57-66)において説明されている
【0122】
いくつかの実施態様では、非晶質Si:H 太陽電池内のp型微結晶Si:H及び微結晶Si:C:Hに基づく半導体接合部406が使用される。このような半導体接合部は、参照により本明細書に組み込まれている、Bube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London, pp.66-67)、及びそこに引用されている参考文献において説明されている。
【0123】
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、タンデム接合である。タンデム接合は、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、Kimら、1989「宇宙用途の軽量(AIGaAs)GaAs/CulnSe2タンデム接合太陽電池(Lightweight (AIGaAs)GaAs/CulnSe2 tandem junction solar cells for space applications)」(Aerospace and Electronic Systems Magazine, IEEE Volume 4, Issue 11, Nov. 1989 Page(s):23-32)、Deng、2005「a-SiGeベースの3接合、タンデム接合、及び単一接合太陽電池の最適化(Optimization of a-SiGe based triple, tandem and single junction solar cells)」(Photovoltaic Specialists Conference, 2005 Conference Record of the Thirty-first IEEE 3-7 Jan. 2005 Page(s):1365-1370)、Aryaら、2000「非晶質シリコンベースのタンデム接合薄膜技術:製造の観点から(Amorphous silicon based tandem junction thin-film technology: a manufacturing perspective)」(Photovoltaic Specialists Conference, 2000, Conference Record of the Twenty-Eighth IEEE 15-22 Sept. 2000 Page(s):1433-1436)、Hart、1988「GaAs/Ge太陽電池の高高度電流-電圧測定(High altitude current-voltage measurement of GaAs/Ge solar cells)」(Photovoltaic Specialists Conference, 1988, Conference Record of the Twentieth IEEE 26-30 Sept. 1988 Page(s):764-765 vol.1)、Kim、1988「高効率GaAs/CuInSe2タンデム接合太陽電池(High efficiency GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells)」(Photovoltaic Specialists Conference, 1988., Conference Record of the Twentieth IEEE 26-30 Sept. 1988 pp.457-461, vol.1)、Mitchell、1988「単一及びタンデム接合CuInSe2電池及びモジュール技術(Single and tandem junction CuInSe2 cell and module technology)」(Photovoltaic Specialists Conference, 1988, Conference Record of the Twentieth IEEE 26-30 Sept. 1988 Page(s): 1384-1389 vol.2)、及びKim、1989「宇宙用途の高比出力(AlGaAs)GaAs/CuInSe2タンデム接合太陽電池(High specific power (AlGaAs)GaAs/CuInSe2 tandem junction solar cells for space applications)」(Energy Conversion Engineering Conference, 1989, IECEC-89, Proceedings of the 240i Intersociety 6-11 Aug. 1989 Page(s):779-784 vol.2)において説明されている。
【0124】
(5.4.3 ガリウムヒ素及び他のタイプのIII-V族材料に基づく半導体接合部)
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、ガリウムヒ素(GaAs)又はInP、AISb、及びCdTeなどの他のIII-V族材料に基づく。GaAsは、1.43eVのバンドギャップを有する直接バンドギャップ材料であり、約2ミクロンの厚さでAM 1放射線の97%を吸収することができる。半導体接合部として使用され得る好適なタイプのIII-V族の接合部は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第4章で説明されている。
【0125】
さらに、いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、参照により本明細書に組み込まれているGee及びVirshup、1988「第20回IEEE光電池専門家会議(20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference)」(IEEE Publishing, New York, p.754)で説明されているGaAs/Si機械的積層多接合、Stanberyら「第19回IEEE光電池専門家会議(19th IEEE Photovoltaic Specialist Conference)」(IEEE Publishing, New York, p.280)、及びKimら、「第20回IEEE光電池専門家会議(20th IEEE Photovoltaic Specialist Conference)」(IEEE Publishing, New York, p.1487)において説明されているGaAs薄膜上側太陽電池及びZnCdS/CuInSe2薄膜底側太陽電池からなるGaAs/CulnSe2 MSMJ 4端子デバイスなどのハイブリッド多接合太陽電池であり、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている。多のハイブリッド多接合太陽電池は、参照により本明細書に組み込まれている、Bube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London, pp.131-132)において説明されている。
【0126】
(5.4.4 テルル化カドミウム及び他のタイプのII-VI族材料に基づく半導体接合部)
いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、n型又はp型のいずれかで作成され得るII-VI族化合物に基づく。したがって、いくつかの実施態様では、図7Cを参照すると、半導体接合部206は、層720及び740が以下の表に記載されている任意の組合せ又はその合金であるp-nヘテロ接合である。
【表2】
【0127】
半導体接合部206の製造方法は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第4章で説明されているII-VI族化合物に基づく。
【0128】
(5.4.5 結晶シリコンに基づく半導体接合部)
薄膜半導体膜から作られる半導体接合部206は好ましいが、他の接合部を使用することができる。例えば、いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、結晶シリコンに基づく。例えば、図7Dを参照すると、いくつかの実施態様では、半導体接合部206は、n型結晶シリコン740の層及びn型結晶シリコン750の層を備える。結晶シリコン半導体接合部206の製造方法は、参照により本明細書に組み込まれているBube、「光電池材料(Photovoltaic Materials)」(1998, Imperial College Press, London)の第2章で説明されている。
【0129】
(5.5 寸法例)
図2Bに例示されているように、ソーラーモジュール270は、断面の幅よりも大きな長さlを有する。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270は、10ミリメートル(mm)から100,000mmまでの長さl及び3mmから10,000mmまでの幅wを有する。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュールは、10mmから5,000mmまでの長さl及び10mmから1,000mmまでの幅dを有する。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270は、40mmから15000mmまでの長さl及び10mmから50mmまでの幅dを有する。
【0130】
いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270は、図2Bに例示されているように細長くできる。図2Bに例示されているように、細長いソーラーモジュール270は、縦寸法l及び幅寸法wを有することを特徴とするモジュールである。細長いソーラーモジュール270のいくつかの実施態様では、縦寸法lは、幅寸法wの少なくとも4倍、少なくとも5倍、又は少なくとも6倍を超える。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270の縦寸法lは、10センチメートル以上、20センチメートル以上、又は100センチメートル以上である。いくつかの実施態様では、ソーラーモジュール270の幅w(例えば、太陽電池が円筒状である場合の直径)は、5ミリメートル以上、10ミリメートル以上、50ミリメートル以上、100ミリメートル以上、500ミリメートル以上、1000ミリメートル以上、又は2000ミリメートル以上である。
【実施例】
【0131】
(6. 実施例)
非平面状ソーラーユニット1000は、空間的分離あり、及び空間的分離なしで、互いに平行に、又はほぼ平行に配列される。コンピュータシミュレーション分析を使用して、ソーラーユニット1000の異なる空間的配列における日射の吸収レベルを比較した。このようなモデリングが可能であるのは、太陽電池に関連する光学原理が知られているからである。つまり、非平面状ソーラーユニット1000の与えられた幾何学的配列について、太陽光の吸収、反射、回折、並びに反射面、拡散面、及びアルベド面からの後方反射を正確に計算することができる。さらに、日射の特性は、十分に研究されている。所定の任意の時点において、天体空間内の太陽の位置を緯度と方位角とで正確に定めることができる。また、太陽電池組立品の特性もきちんと定義することができる(例えば、太陽電池の寸法、スペーサー距離のサイズ、及び太陽電池組立品と設置面との間の分離距離)。したがって、ソーラー組立品について集められた太陽エネルギーの輻射レベル、入射角、及び量を計算することが可能である。スペーサー距離306及び分離距離314を有するソーラーユニット1000の組立品が、電池スペーサー距離306をほとんど又は全く有せず、基板上に据え付けられている、したがって分離距離314を有しないコンパクトに詰められた太陽電池組立品に比べてより効果的に日射を集光することを示すために、コンピュータによりシミュレートして得られたデータをこの節に掲載する。
【0132】
(6.1 太陽電池組立品の空間的分離)
非平面状ソーラーユニット1000の異なる空間的配列が、図8Aから8Cに示されているように定められる。これらの異なる配列内の非平面状ソーラーユニット1000により集められた太陽エネルギーを計算し、互いに突き合わせて比較する。図8Aでは、非平面状ソーラーユニット1000は、長軸が南北方向にそって揃えられるように配列されている。非平面状ソーラーユニット1000の寸法は、a1であり円筒状ソーラーユニットと隣接する円筒状ソーラーユニットとの間の距離は、c1と定義される。c1は、これら2つのソーラーユニット1000の間のスペーサー距離306を含むので、設置面の被覆率は、c1に対するa1の比、例えば、a1/c1とおおざっぱに表すことができる。所定のタイプの太陽電池配列について、太陽電池組立品のソーラーユニット1000被覆率a1/c1は、材料コストと比例的に相関する。ソーラーユニット被覆率a1/c1は、ソーラーユニットの間のスペーサー距離が本質的に0になると1に到達する。ソーラーユニット被覆率a1/c1が0.5であると、ソーラーユニットは、ソーラーユニット1000の幅に等しいスペーサー距離306で隔てられていることが示される。
【0133】
図8Bでは、非平面状ソーラーユニット1000は、それぞれのソーラーユニット1000の長軸が、図8Aのソーラーユニット1000の向きに垂直な、東西方向に揃えられるように配列される。図8Aの場合と同様に、図8Bの設置面の被覆率は、c1に対するa1の比、例えば、a1/c1とおおざっぱに表すことができる。図8Aと8Bの両方において、非平面状ソーラーユニット1000は、隣接するソーラーユニット1000の間に空間(スペーサー距離306)を入れて組み立てられている。このような配列は、水平グリッド配列とも呼ばれる。
【0134】
図8Cにおいて、非平面状ソーラーユニット1000は、隣接する非平面状ソーラーユニット1000の間のスペーサー距離306が最小になるようにくっつき合うようにして詰め込まれている。図8Cは、ソーラーユニット1000の標準的な従来技術による構成を表している。本質的に、非平面状ソーラーユニット1000は、2面パネルを形成する。図8Cでは、スペーサー距離306が無視できるので、図8A及び8Bに示されている構成について定義された被覆率の概念を捉えるために新しい被覆定義をモデリング研究に導入した。図8Cに示されているように、太陽電池組立品のサイズは、幅a2と長さlにより定義することができる。太陽電池組立品の設置面積は、そのパネル分離距離c2と電池長さlとにより定義され得る。その結果、図8Cに示されているように、2面パネルに対する管被覆も、a2/c2と推定することができる。
【0135】
図8に示されている2面パネル実施態様について定義された設置面積に対するこれらの定義を使用することで、異なる傾斜角に関して集められた太陽エネルギーの量を分析する(図8Cに示されているように)。より具体的には、2つの傾斜角、38.3度と10度で集められた太陽エネルギーを3つの構成のそれぞれについて分析した(図8A、8B、及び8C)。異なる太陽電池配列を使用して集められた、シミュレート年間太陽エネルギーを比較研究した。この分析の結果について以下で説明する。
【0136】
(6.2 空間的分離ソーラーユニットは、太陽エネルギーを集めるうえでより効果的である)
コンピュータシミュレーションによる実験を実施して、前の節で定義されたそれぞれの太陽電池配列により年間太陽エネルギーを推定した。図10は、シミュレーション研究の結果の要約及び比較である。それぞれの太陽電池配列で集められた総年間太陽エネルギーが、それぞれのタイプの太陽電池配列について管被覆率値の関数としてプロットされている。図10は、図8A及び8Bに示されているような空間的に分離された太陽電池配列が、図8Cに示されているパネル型の従来技術による太陽電池配列と比べて、太陽エネルギーをより効果的に集めることを示している。図10は、同じ空間的に分離された太陽電池組立品が与えられた場合に、太陽電池組立品の向きが、太陽エネルギー収集に影響を及ぼさないことも示している。南北方向の管に対するエネルギー収集曲線は、東西方向の管に対するエネルギー収集曲線とほとんど同じである(例えば、図10の曲線I及びIIに示されているように)。図10は、さらに、非平面状太陽電池により形成される太陽電池パネルが、傾斜角に依存する太陽光吸収プロファイルを有しないことも示している。例えば、図8Cに示されている太陽電池パネルは、38.3度又は10度に傾けたときに集められる太陽エネルギーにかなりの差のあることを示していない(例えば、図10の曲線III及びIVに示されている)。
【0137】
(6.3 年間日射の変動及び構成)
図9Aから9Cにおいて、日射の自然変動を分析した。図9Aから9Cに示されているように、太陽電池により集められた総日射を、直接輻射と拡散輻射の2つの構成要素に分けた。全輻射は、太陽電池組立品により吸収される日射の総量である。直接輻射は、直接入射光の形で吸収される全エネルギーの部分である。拡散輻射は、大気中の汚れ及び他の小粒子により散乱される太陽光からのエネルギーを表すが、ただし、地面は反射率がゼロであると仮定する。
【0138】
図9Aは、38.3度の緯度における正午の日射の年間変動を示している。エネルギー曲線に示されているように、全輻射、直接輻射、及び拡散輻射からのエネルギーは、すべて、175日目当たりでピークになる、つまり、日射への太陽電池露出が北半球で最長となるときの夏至の頃にピークになる。3種類の形態のエネルギーすべてが、冬至の頃に最小になったとしても驚くにはあたらない。
【0139】
同様に、日射は、さらに、1日の間の異なる時刻に関して変動する。例えば、図9Bに示されているように、緯度38.3度の150日目に、3種類のエネルギー形態はすべて、正午頃にピークになる。図9Bでは、x軸上の時刻は、入射日射に対する入射角の太陽時として定義される。例えば、太陽が水平線上にある場合、入射角は90度である、つまり、1/2π又は1.57である。正午に、入射角は0になり、したがって、太陽時は、0π又は0となる。そこで、図9Bは、日の出から日没までの日射の変動を示している。
図9Cは、太陽電池組立品により集められた全エネルギーの相対的構成を示している。直達日射からのエネルギーは、支配的なエネルギー形態であるが、拡散日射からのエネルギーは、副次的形態のエネルギーである。
【0140】
(6.4 異なる配列により吸収されるエネルギーの構成)
直接及び拡散輻射に加えて、アルベド層の追加により、ソーラーユニット1000も吸収する新しい形態のエネルギー、アルベド副次的形態のエネルギーが導入される。アルベド副次的形態のエネルギーは、地面又は他の表面が日射を反射してソーラーユニット1000へ返す場合に存在する。シミュレーション研究では、80パーセントのアルベド値を使用して、アルベド反射を通じて集められたエネルギーを計算した。
【0141】
図11Aから11Dでは、図10に示されている4つの全エネルギー吸収曲線は、さらに、直接、拡散、及びアルベドの3つの副次的形態に分割されている。図11Aから11Dに示されているように、直達日射からのエネルギーは、依然として、4つの異なる配列すべてにおいてソーラーユニット1000により吸収される支配的形態のエネルギーである。すべてのタイプの配列において、エネルギー吸収は、管被覆率の増大に比例して増大する。
【0142】
興味深いことに、アルベド層は吸収されるエネルギーの総量に大きく関わっていることが確認されている。4つの異なる配列すべてにおいて、設置面のかなりの部分が露出されている場合(設置面が、高アルベド材料により覆われている場合)、高アルベド層により吸収されるエネルギー量は、拡散日射により吸収されるエネルギー量に比べて大きい。例えば、被覆率0.3では、つまり、設置面のおおよそ1/3の部分のみが覆われている場合、高アルベド層により吸収されるエネルギー量は、拡散日射により吸収されるエネルギー量に比べて大きい。アルベドにより吸収されるエネルギーの量は、管被覆率が増大すると減少する。アルベドエネルギーが依然としてソーラーユニット1000により吸収されるエネルギーの総量のうちのわずかを占めるだけだとしても、アルベドからの寄与分は、ソーラーユニット1000が考慮された場合に評価されるべきである。管被覆率が0.6を超えて増大した場合、ソーラーユニット1000の生産は、著しくコスト高となり、そのような高い管被覆率を持つ配列は、本質的に実用的なものといえない。
【0143】
図12A及び12Bは、2つの異なる地理的配置、Newark(ニューアーク)とChurchill(チャーチル)で集められたシミュレートされたエネルギーを比較したものである。Newark(ニューアーク)とChurchill(チャーチル)は、両方とも、北半球にあり、緯度の値がそれぞれ40.7及び58.4である。上の6.1節で説明されている太陽電池配列に加えて、一般的な単一面ソーラーパネルにより集められる太陽エネルギーは、さらに、シミュレーション研究に対照として含まれる。両方の配置において、それぞれの太陽電池配列による日射吸収がシミュレートされる。さらに、配列毎に、4つの異なる管被覆レベル、0.2、0.3、0.4、及び0.5でシミュレーションが実行される。研究された異なる太陽電池配列は、アルベド層を有する水平グリッド配列(例えば、図12A及び12Bの1202)、アルベド層を有しない水平グリッド配列(例えば、図12A及び12Bの1204)、傾斜角20度の単一面及び2面平面形状パネル配列(例えば、図12Aの1206及び1208)、傾斜角40度の単一面及び2面平面形状配列(例えば、図12Bの1212及び1214)、並びにアルベドのない水平位置平面形状配列(例えば、図12A及び12Bの1210)を含む。
【0144】
図12Cでは、コンピュータシミュレーションにより拡散日射を集める際の太陽電池配列の容量が分析された。図12Cは、水平グリッド太陽電池配列の高い効率が、主に、拡散日射を集める際の効率によるものであることを示している。上記のシミュレーションデータは、異なる配置では、アルベドを有する水平グリッド配列は、日射を集めるうえで最も効果的な配列形態であることを示している。このような高い効率は、管被覆率と無関係である。
【0145】
(6.5 結論)
組立品内のそれぞれのソーラーユニット1000が、隣接するソーラーユニット1000までのかなりのスペーサー距離306のところに配列されるように、平面形状又はほぼ平面形状の組立品内で互いに平行に配列された非平面状ユニット1000のアレイは、太陽エネルギーを非常に効果的に集める。非平面状ソーラーユニット1000により形成された太陽電池組立品は、組立品と設置面との間の傾斜角の影響を受けない。非平面状ソーラーユニット1000が、ソーラーユニット間の空間的分離を施して配列された場合、これらのユニットは、すべてのソーラーユニット1000がくっつき合うように詰め込まれている比較可能な配列に比べて効果的に太陽エネルギーを集める。
【0146】
(7.引用文献)
本明細書で引用されているすべての参考文献は、またそれぞれの個別の刊行物又は特許若しくは特許出願が、すべての目的に関して参照によりその全てにおいて組み込まれることを明確かつ個別に示された場合と同じ程度にそれらの全体において参照により、すべての目的に関して、本明細書に組み込まれる。
【0147】
開示されている装置及び方法の多くの修正並びに変更は、当業者には明らかなように、本明細書の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書で説明されている特定の実施態様は、例としてのみ示されており、本発明は、付属の請求項の表現によってのみ、そのような請求項が関係する等価物の全範囲ともに、制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0148】
いくつかの図面全体を通して類似の参照番号は、対応する部分を指す。寸法は、縮尺通りでない。
【図1A】従来技術による相互接続された太陽電池を示す図である。
【図1B】従来技術による、1998年のCalifornia(カリフォルニア)州の電力需要の大規模な変化を示す図である。
【図1C】従来技術による、12月のCalifornia(カリフォルニア)州の午後6時及び午後7時頃の夕方時間帯における電力需要ピークを示す図である。
【図1D】従来技術の太陽電池に関連するシャドウイング効果を示す図である。
【0149】
【図2A】本明細書の一実施態様による、非平面状太陽電池の断面図である。
【図2B】本明細書の一実施態様による、ソーラーモジュールの斜視図及び断面図である。
【0150】
【図3A】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の斜視図である。
【図3B】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の断面図である。
【図3C】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の上面図である。
【図3D】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の部分断面図である。
【図3E】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の部分断面図である。
【図3F】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の部分断面図である。
【0151】
【図4A】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の斜視図である。
【図4B】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の断面図である。
【図4C】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の上面図である。
【図4D】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の部分断面図である。
【図4E】本明細書の一実施態様による、後部反射器を備えるケースに入れられた太陽電池組立品の断面図である。
【図4F】本明細書の一実施態様による、内部反射器を備えるケースに入れられた太陽電池組立品の断面図である。
【図4G】本明細書の一実施態様による、静的集光器の使用を示す図である。
【0152】
【図5A】本明細書の一実施態様による、斜面上の太陽電池組立品の斜視図である。
【図5B】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の上面図である。
【図5C】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の側面図である。
【図6】本明細書の一実施態様による、ケースに入れられた太陽電池組立品の側面図である。
【0153】
【図7A】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【図7B】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【図7C】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【図7D】本明細書の実施態様におけるさまざまなソーラーユニットで使用される半導体接合部を示す図である。
【0154】
【図8A】本明細書の実施態様による、例示的な太陽電池配列を示す図である。
【図8B】本明細書の実施態様による、例示的な太陽電池配列を示す図である。
【図8C】本明細書の実施態様による、例示的な太陽電池配列を示す図である。
【0155】
【図9A】本明細書のいくつかの実施態様による、日射の特性を示す図である。
【図9B】本明細書のいくつかの実施態様による、日射の特性を示す図である。
【図9C】本明細書のいくつかの実施態様による、日射の特性を示す図である。
【図10】本明細書の一実施態様による、太陽電池組立品の太陽光吸収プロファイルを示す図である。
【0156】
【図11A】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【図11B】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【図11C】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【図11D】本明細書の実施態様による、太陽電池組立品の太陽光収集プロファイルを示す図である。
【0157】
【図12A】従来技術の実施態様と本明細書による、実施態様との年間エネルギー吸収を比較する図である。
【図12B】従来技術の実施態様と本明細書による、実施態様との年間エネルギー吸収を比較する図である。
【図12C】従来技術の実施態様と本明細書による、実施態様との年間エネルギー吸収を比較する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された第1の複数の非平面状ソーラーユニットを備える第1の太陽電池組立品を具備し、
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れており、
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、前記第1及び第2の非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通し前記設置面に当てることができる、太陽電池配列。
【請求項2】
さらに、共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された第2の複数の非平面状ソーラーユニットを備える第2の太陽電池組立品を具備し、
前記第2の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3及び第4の非平面状ソーラーユニットが、前記スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、前記第3及び第4の非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通すことができ、
前記第2の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットが、設置面から少なくとも前記分離距離だけ離れており、
前記第1の太陽電池組立品及び前記第2の太陽電池組立品が、通路距離だけ互いから隔てられている、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項3】
前記分離距離が、前記通路距離よりも大きい、請求項2記載の太陽電池配列。
【請求項4】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットが、20個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項5】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットが、100個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項6】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットが、500個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項7】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの断面が円周状であり、その外径が1mmから1000mmまでである、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項8】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの断面が円周状であり、その外径が14 mmから17 mmまでである、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項9】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの断面が円周状であり、その外径が10センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項10】
前記スペーサー距離が、0.1センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項11】
前記スペーサー距離が、1センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項12】
前記スペーサー距離が、5センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項13】
前記スペーサー距離が、10センチメートル未満である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項14】
前記スペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径に少なくとも等しいか、又は大きい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項15】
前記スペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径の2倍に少なくとも等しいか、又は大きい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項16】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項17】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と同じである、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項18】
前記設置面が、アルベド面と重ね合わされる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項19】
前記アルベド面が、少なくとも60パーセントのアルベドを有する、請求項18記載の太陽電池配列。
【請求項20】
前記アルベド面が、ランベルト又は拡散反射面である、請求項18記載の太陽電池配列。
【請求項21】
前記アルベド面が、自己洗浄層と重ね合わされる、請求項18記載の太陽電池配列。
【請求項22】
前記分離距離が、25センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項23】
前記分離距離が、2メートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項24】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
少なくとも一部が硬質且つ非平面状である基板と、
前記基板に円周方向に配置された背面電極と、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層と、
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層とを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項25】
前記非平面状ソーラーユニットがさらに、前記非平面状ソーラーユニット上に円周方向にシールされた透明非平面状ケースを備える、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項26】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項25記載の太陽電池配列。
【請求項27】
前記基板が、プラスチック、ガラス、金属、又は金属合金を含む、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項28】
前記基板が、管形状であり、流体が、前記基板を通過する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項29】
前記半導体接合部が、吸収体層及び接合パートナー層を備え、前記接合パートナー層が、前記吸収体層に円周方向に配置される、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項30】
前記吸収体層が、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項29記載の太陽電池配列。
【請求項31】
前記基板が、20GPa以上のヤング率を有する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項32】
前記基板が、40GPa以上のヤング率を有する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項33】
前記基板が、70GPa以上のヤング率を有する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項34】
前記基板が、線形材料で構成される、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項35】
前記基板のすべて又は一部が、硬質管又は硬質中実棒である、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項36】
さらに、
複数の内部反射器であって、前記複数の内部反射器における各内部反射器が、前記各内部反射器から反射された太陽光の一部が、対応する第1の非平面状ソーラーユニット上に反射されるように、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける前記対応する第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間に構成される複数の内部反射器を備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項37】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、中空コアを有する、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項38】
前記複数の内部反射器における内部反射器がプラスチックケースを備え、前記プラスチックケース上には反射性材料の層が堆積される、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項39】
反射性材料の前記層が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼である、請求項38記載の太陽電池配列。
【請求項40】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、反射材料から作られた一体成形物である、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項41】
前記反射性材料が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼である、請求項40記載の太陽電池配列。
【請求項42】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、金属箔テープが層として重ねられているプラスチックケースを備える、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項43】
前記金属箔テープが、アルミ箔テープである、請求項42記載の太陽電池配列。
【請求項44】
前記複数のソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、直列電気接続している、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項45】
前記第1の複数のソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、並列電気接続している、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項46】
前記第1の複数のソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、互いに電気的に絶縁されている、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項47】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも大きい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項48】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも小さい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項49】
前記第1の複数のソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
(A)第1の端部と第2の端部とを有する非平面状基板と、
(B)前記基板上に直線配列された複数の太陽電池であって、第1の太陽電池及び第2の太陽電池を備え、前記複数の太陽電池内における各太陽電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を備える、前記複数の太陽電池とを具備し、
前記複数の太陽電池における前記第1の太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における前記第2の太陽電池の背面電極と直列電気接続する、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項50】
前記複数の太陽電池が、
前記非平面状基板の前記第1の端部にある第1の末端太陽電池と、
前記非平面状基板の前記第2の端部にある第2の末端太陽電池と、
前記第1の末端太陽電池と前記第2の太陽電池との間にある少なくとも1つ中間太陽電池とを備え、前記少なくとも1つの中間太陽電池における各中間太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における隣接する太陽電池の前記背面電極と直列電気接続している、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項51】
前記隣接する太陽電池が、前記第1の末端太陽電池又は前記第2の末端太陽電池である、請求項50記載の太陽電池配列。
【請求項52】
前記隣接する太陽電池が、別の中間太陽電池である、請求項50記載の太陽電池配列。
【請求項53】
前記複数の太陽電池が、3個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項54】
前記複数の太陽電池が、10個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項55】
前記複数の太陽電池が、50個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項56】
前記複数の太陽電池が、100個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項57】
さらに、前記複数の太陽電池における前記太陽電池のすべて又は一部の前記透明導電層上に円周方向にシールされている透明非平面状ケースを備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項58】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項57記載の太陽電池配列。
【請求項59】
前記透明非平面状ケースが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスを含む、請求項57記載の太陽電池配列。
【請求項60】
前記透明非平面状ケースが、フロオロポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む、請求項57記載の太陽電池配列。
【請求項61】
前記非平面状基板が、プラスチック、金属、又はガラスを含む、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項62】
前記非平面状基板が、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル、又はポリプロピレンを含む、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項63】
集光器又は反射器が、前記設置面上に重なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項64】
複合放物面集光器が、前記設置面上に重なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項65】
v字型溝反射器が、前記設置面上に重なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項66】
共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された複数の非平面状ソーラーユニットを備える太陽電池組立品と、
底部及び複数の透明サイドパネルを備えるケースとを備え、前記ケースは、前記太陽電池組立品を封じ込め、
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、前記第1及び第2の非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通し前記箱形ケースの前記底部に当てることができ、
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、前記ケースの前記底部から少なくとも分離距離だけ離れている、太陽電池配列。
【請求項67】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも大きい、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項68】
前記ケースがさらに、前記ケースをシールし、かつ直達日射から前記複数の非平面状ソーラーユニットを遮蔽する最上層を備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項69】
前記最上層の第1の側面が、反射防止膜でコーティングされ、前記第1の側面が、前記ケースから外に面している、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項70】
前記複数の透明サイドパネルが、透明プラスチック又はガラスを含む、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項71】
前記複数の透明サイドパネルが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスを含む、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項72】
前記複数の透明サイドパネルが、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体、ポリウレタン/ウレタン、透明ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はこれらの任意の組合せを含む、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項73】
前記複数の非平面状ソーラーユニットが、20個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項74】
前記複数の非平面状ソーラーユニットが、500個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項75】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、1ミリメートルから6センチメートルまでの直径を有する、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項76】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、5ミリメートル以上の直径を有する、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項77】
前記スペーサー距離が、0.1センチメートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項78】
前記スペーサー距離が、1センチメートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項79】
前記スペーサー距離が、10センチメートル未満である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項80】
前記スペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径に少なくとも等しいか、又は大きい、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項81】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間の前記スペーサー距離が、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項82】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離が、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項83】
前記底部が、アルベド面と重ね合わされる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項84】
前記アルベド面が、少なくとも60パーセントのアルベドを有する、請求項83記載の太陽電池配列。
【請求項85】
前記アルベド面が、ランベルト又は拡散反射面である、請求項83記載の太陽電池配列。
【請求項86】
前記アルベド面が、自己洗浄層と重ね合わされる、請求項83記載の太陽電池配列。
【請求項87】
前記底部が、アルベド面を備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項88】
前記アルベド面が、少なくとも60パーセントのアルベドを有する、請求項87記載の太陽電池配列。
【請求項89】
前記分離距離が、25センチメートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項90】
前記分離距離が、2メートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項91】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
少なくとも一部が硬質且つ非平面状である基板と、
前記基板に円周方向に配置された背面電極と、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層と、
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層とを備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項92】
前記非平面状ソーラーユニットがさらに、前記非平面形状ソーラーユニット上に円周方向にシールされた透明非平面状ケースを備える、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項93】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項92記載の太陽電池配列。
【請求項94】
前記基板が、プラスチック、ガラス、金属、又は金属合金を含む、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項95】
前記基板が、管形状であり、流体が、前記基板を通過する、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項96】
前記半導体接合部が、吸収体層及び接合パートナー層を備え、前記接合パートナー層が、前記吸収体層に円周方向に配置される、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項97】
前記吸収体層が、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項96記載の太陽電池配列。
【請求項98】
前記基板が、20GPa以上のヤング率を有する、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項99】
前記基板が、40GPa以上のヤング率を有する、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項100】
前記基板が、70GPa以上のヤング率を有する、請求項99記載の太陽電池ユニット。
【請求項101】
前記基板が、線形材料で構成される、請求項99記載の太陽電池ユニット。
【請求項102】
前記基板のすべて又は一部が、硬質管又は硬質中実棒である、請求項99記載の太陽電池ユニット。
【請求項103】
さらに、
複数の内部反射器であって、前記複数の内部反射器における各内部反射器が、前記各内部反射器から反射された太陽光の一部が、対応する第1の非平面状ソーラーユニット上に反射されるように、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける前記対応する第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間に構成される複数の内部反射器を備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項104】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、直列電気接続している、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項105】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、並列電気接続している、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項106】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、互いに電気的に絶縁されている、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項107】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも小さい、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項108】
前記複数のソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
(A)第1の端部と第2の端部とを有する非平面状基板と、
(B)前記基板上に直線配列された複数の太陽電池であって、第1の太陽電池及び第2の太陽電池を備え、前記複数の太陽電池内における各太陽電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を備える、前記複数の太陽電池とを具備し、
前記複数の太陽電池における前記第1の太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における前記第2の太陽電池の背面電極と直列電気接続する、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項109】
前記複数の太陽電池が、
前記非平面状基板の前記第1の端部にある第1の末端太陽電池と、
前記非平面状基板の前記第2の端部にある第2の末端太陽電池と、
前記第1の末端太陽電池と前記第2の太陽電池との間にある少なくとも1つ中間太陽電池とを備え、前記少なくとも1つの中間太陽電池における各中間太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における隣接する太陽電池の前記背面電極と直列電気接続している、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項110】
前記隣接する太陽電池が、前記第1の末端太陽電池又は前記第2の末端太陽電池である、請求項109記載の太陽電池配列。
【請求項111】
前記隣接する太陽電池が、別の中間太陽電池である、請求項109記載の太陽電池配列。
【請求項112】
前記複数の太陽電池が、3個以上の太陽電池を備える、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項113】
前記複数の太陽電池が、10個以上の太陽電池を備える、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項114】
さらに、前記複数の太陽電池における前記太陽電池のすべて又は一部の前記透明導電層上に円周方向にシールされている透明非平面状ケースを備える、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項115】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項114記載の太陽電池配列。
【請求項116】
静的集光器が、前記底部上に重なる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項117】
前記静的集光器が、複合放物面集光器である、請求項116記載の太陽電池配列。
【請求項118】
前記静的集光器が、v字型溝反射器である、請求項107記載の太陽電池配列。
【請求項1】
共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された第1の複数の非平面状ソーラーユニットを備える第1の太陽電池組立品を具備し、
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、設置面から少なくとも分離距離だけ離れており、
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、前記第1及び第2の非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通し前記設置面に当てることができる、太陽電池配列。
【請求項2】
さらに、共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された第2の複数の非平面状ソーラーユニットを備える第2の太陽電池組立品を具備し、
前記第2の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3及び第4の非平面状ソーラーユニットが、前記スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、前記第3及び第4の非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通すことができ、
前記第2の複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットが、設置面から少なくとも前記分離距離だけ離れており、
前記第1の太陽電池組立品及び前記第2の太陽電池組立品が、通路距離だけ互いから隔てられている、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項3】
前記分離距離が、前記通路距離よりも大きい、請求項2記載の太陽電池配列。
【請求項4】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットが、20個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項5】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットが、100個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項6】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットが、500個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項7】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの断面が円周状であり、その外径が1mmから1000mmまでである、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項8】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの断面が円周状であり、その外径が14 mmから17 mmまでである、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項9】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの断面が円周状であり、その外径が10センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項10】
前記スペーサー距離が、0.1センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項11】
前記スペーサー距離が、1センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項12】
前記スペーサー距離が、5センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項13】
前記スペーサー距離が、10センチメートル未満である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項14】
前記スペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径に少なくとも等しいか、又は大きい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項15】
前記スペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径の2倍に少なくとも等しいか、又は大きい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項16】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項17】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と同じである、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項18】
前記設置面が、アルベド面と重ね合わされる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項19】
前記アルベド面が、少なくとも60パーセントのアルベドを有する、請求項18記載の太陽電池配列。
【請求項20】
前記アルベド面が、ランベルト又は拡散反射面である、請求項18記載の太陽電池配列。
【請求項21】
前記アルベド面が、自己洗浄層と重ね合わされる、請求項18記載の太陽電池配列。
【請求項22】
前記分離距離が、25センチメートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項23】
前記分離距離が、2メートル以上である、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項24】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
少なくとも一部が硬質且つ非平面状である基板と、
前記基板に円周方向に配置された背面電極と、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層と、
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層とを備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項25】
前記非平面状ソーラーユニットがさらに、前記非平面状ソーラーユニット上に円周方向にシールされた透明非平面状ケースを備える、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項26】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項25記載の太陽電池配列。
【請求項27】
前記基板が、プラスチック、ガラス、金属、又は金属合金を含む、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項28】
前記基板が、管形状であり、流体が、前記基板を通過する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項29】
前記半導体接合部が、吸収体層及び接合パートナー層を備え、前記接合パートナー層が、前記吸収体層に円周方向に配置される、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項30】
前記吸収体層が、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項29記載の太陽電池配列。
【請求項31】
前記基板が、20GPa以上のヤング率を有する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項32】
前記基板が、40GPa以上のヤング率を有する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項33】
前記基板が、70GPa以上のヤング率を有する、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項34】
前記基板が、線形材料で構成される、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項35】
前記基板のすべて又は一部が、硬質管又は硬質中実棒である、請求項24記載の太陽電池配列。
【請求項36】
さらに、
複数の内部反射器であって、前記複数の内部反射器における各内部反射器が、前記各内部反射器から反射された太陽光の一部が、対応する第1の非平面状ソーラーユニット上に反射されるように、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける前記対応する第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間に構成される複数の内部反射器を備える、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項37】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、中空コアを有する、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項38】
前記複数の内部反射器における内部反射器がプラスチックケースを備え、前記プラスチックケース上には反射性材料の層が堆積される、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項39】
反射性材料の前記層が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼である、請求項38記載の太陽電池配列。
【請求項40】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、反射材料から作られた一体成形物である、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項41】
前記反射性材料が、研磨アルミニウム、アルミニウム合金、銀、ニッケル、又は鋼である、請求項40記載の太陽電池配列。
【請求項42】
前記複数の内部反射器における内部反射器が、金属箔テープが層として重ねられているプラスチックケースを備える、請求項36記載の太陽電池配列。
【請求項43】
前記金属箔テープが、アルミ箔テープである、請求項42記載の太陽電池配列。
【請求項44】
前記複数のソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、直列電気接続している、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項45】
前記第1の複数のソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、並列電気接続している、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項46】
前記第1の複数のソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、互いに電気的に絶縁されている、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項47】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも大きい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項48】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも小さい、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項49】
前記第1の複数のソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
(A)第1の端部と第2の端部とを有する非平面状基板と、
(B)前記基板上に直線配列された複数の太陽電池であって、第1の太陽電池及び第2の太陽電池を備え、前記複数の太陽電池内における各太陽電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を備える、前記複数の太陽電池とを具備し、
前記複数の太陽電池における前記第1の太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における前記第2の太陽電池の背面電極と直列電気接続する、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項50】
前記複数の太陽電池が、
前記非平面状基板の前記第1の端部にある第1の末端太陽電池と、
前記非平面状基板の前記第2の端部にある第2の末端太陽電池と、
前記第1の末端太陽電池と前記第2の太陽電池との間にある少なくとも1つ中間太陽電池とを備え、前記少なくとも1つの中間太陽電池における各中間太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における隣接する太陽電池の前記背面電極と直列電気接続している、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項51】
前記隣接する太陽電池が、前記第1の末端太陽電池又は前記第2の末端太陽電池である、請求項50記載の太陽電池配列。
【請求項52】
前記隣接する太陽電池が、別の中間太陽電池である、請求項50記載の太陽電池配列。
【請求項53】
前記複数の太陽電池が、3個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項54】
前記複数の太陽電池が、10個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項55】
前記複数の太陽電池が、50個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項56】
前記複数の太陽電池が、100個以上の太陽電池を備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項57】
さらに、前記複数の太陽電池における前記太陽電池のすべて又は一部の前記透明導電層上に円周方向にシールされている透明非平面状ケースを備える、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項58】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項57記載の太陽電池配列。
【請求項59】
前記透明非平面状ケースが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスを含む、請求項57記載の太陽電池配列。
【請求項60】
前記透明非平面状ケースが、フロオロポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含む、請求項57記載の太陽電池配列。
【請求項61】
前記非平面状基板が、プラスチック、金属、又はガラスを含む、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項62】
前記非平面状基板が、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリベンズアミダゾール、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ガラス系フェノール、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ポリメタクリレート、ナイロン6,6、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、硬質ビニル、可塑化ビニル、又はポリプロピレンを含む、請求項49記載の太陽電池配列。
【請求項63】
集光器又は反射器が、前記設置面上に重なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項64】
複合放物面集光器が、前記設置面上に重なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項65】
v字型溝反射器が、前記設置面上に重なる、請求項1記載の太陽電池配列。
【請求項66】
共通平面内で互いに平行に、又はほぼ平行に配列された複数の非平面状ソーラーユニットを備える太陽電池組立品と、
底部及び複数の透明サイドパネルを備えるケースとを備え、前記ケースは、前記太陽電池組立品を封じ込め、
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットは、スペーサー距離だけ互いから隔てられ、これにより、前記第1及び第2の非平面状ソーラーユニットの間に直射日光を通し前記箱形ケースの前記底部に当てることができ、
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける各非平面状ソーラーユニットは、前記ケースの前記底部から少なくとも分離距離だけ離れている、太陽電池配列。
【請求項67】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも大きい、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項68】
前記ケースがさらに、前記ケースをシールし、かつ直達日射から前記複数の非平面状ソーラーユニットを遮蔽する最上層を備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項69】
前記最上層の第1の側面が、反射防止膜でコーティングされ、前記第1の側面が、前記ケースから外に面している、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項70】
前記複数の透明サイドパネルが、透明プラスチック又はガラスを含む、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項71】
前記複数の透明サイドパネルが、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、ダイクロイックガラス、ゲルマニウム/半導体ガラス、ガラスセラミック、珪酸塩/溶融シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス、カルコゲニド/硫化物ガラス、フッ化物ガラス、フリントガラス、又はセリーテドガラスを含む、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項72】
前記複数の透明サイドパネルが、ウレタンポリマー、アクリルポリマー、フロオロポリマー、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、酢酸エチルビニル(EVA)、ペルフルオロアルコキシフルオロカーボン(PFA)、ナイロン/ポリアミド、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性共重合体、ポリウレタン/ウレタン、透明ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はこれらの任意の組合せを含む、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項73】
前記複数の非平面状ソーラーユニットが、20個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項74】
前記複数の非平面状ソーラーユニットが、500個以上の非平面状ソーラーユニットを備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項75】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、1ミリメートルから6センチメートルまでの直径を有する、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項76】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、5ミリメートル以上の直径を有する、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項77】
前記スペーサー距離が、0.1センチメートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項78】
前記スペーサー距離が、1センチメートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項79】
前記スペーサー距離が、10センチメートル未満である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項80】
前記スペーサー距離が、前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットの直径に少なくとも等しいか、又は大きい、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項81】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間の前記スペーサー距離が、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項82】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離が、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第3の非平面状ソーラーユニットと第4の非平面状ソーラーユニットとの間のスペーサー距離と異なる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項83】
前記底部が、アルベド面と重ね合わされる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項84】
前記アルベド面が、少なくとも60パーセントのアルベドを有する、請求項83記載の太陽電池配列。
【請求項85】
前記アルベド面が、ランベルト又は拡散反射面である、請求項83記載の太陽電池配列。
【請求項86】
前記アルベド面が、自己洗浄層と重ね合わされる、請求項83記載の太陽電池配列。
【請求項87】
前記底部が、アルベド面を備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項88】
前記アルベド面が、少なくとも60パーセントのアルベドを有する、請求項87記載の太陽電池配列。
【請求項89】
前記分離距離が、25センチメートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項90】
前記分離距離が、2メートル以上である、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項91】
前記第1の複数の非平面状ソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
少なくとも一部が硬質且つ非平面状である基板と、
前記基板に円周方向に配置された背面電極と、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層と、
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層とを備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項92】
前記非平面状ソーラーユニットがさらに、前記非平面形状ソーラーユニット上に円周方向にシールされた透明非平面状ケースを備える、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項93】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項92記載の太陽電池配列。
【請求項94】
前記基板が、プラスチック、ガラス、金属、又は金属合金を含む、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項95】
前記基板が、管形状であり、流体が、前記基板を通過する、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項96】
前記半導体接合部が、吸収体層及び接合パートナー層を備え、前記接合パートナー層が、前記吸収体層に円周方向に配置される、請求項91記載の太陽電池配列。
【請求項97】
前記吸収体層が、銅-インジウム-ガリウム-ジセレニドであり、前記接合パートナー層が、In2Se3、In2S3、ZnS、ZnSe、CdInS、CdZnS、ZnIn2Se4、Zn1-xMgxO、CdS、SnO2、ZnO、ZrO2、又はドープZnOである、請求項96記載の太陽電池配列。
【請求項98】
前記基板が、20GPa以上のヤング率を有する、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項99】
前記基板が、40GPa以上のヤング率を有する、請求項91記載の太陽電池ユニット。
【請求項100】
前記基板が、70GPa以上のヤング率を有する、請求項99記載の太陽電池ユニット。
【請求項101】
前記基板が、線形材料で構成される、請求項99記載の太陽電池ユニット。
【請求項102】
前記基板のすべて又は一部が、硬質管又は硬質中実棒である、請求項99記載の太陽電池ユニット。
【請求項103】
さらに、
複数の内部反射器であって、前記複数の内部反射器における各内部反射器が、前記各内部反射器から反射された太陽光の一部が、対応する第1の非平面状ソーラーユニット上に反射されるように、前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける前記対応する第1の非平面状ソーラーユニットと第2の非平面状ソーラーユニットとの間に構成される複数の内部反射器を備える、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項104】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、直列電気接続している、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項105】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、並列電気接続している、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項106】
前記複数の非平面状ソーラーユニットにおける第1及び第2の非平面状ソーラーユニットが、互いに電気的に絶縁されている、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項107】
前記分離距離が、前記スペーサー距離よりも小さい、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項108】
前記複数のソーラーユニットにおける非平面状ソーラーユニットが、
(A)第1の端部と第2の端部とを有する非平面状基板と、
(B)前記基板上に直線配列された複数の太陽電池であって、第1の太陽電池及び第2の太陽電池を備え、前記複数の太陽電池内における各太陽電池が、
前記基板に円周方向に配置された背面電極、
前記背面電極に円周方向に配置された半導体接合層、及び
前記半導体接合部に円周方向に配置された透明導電層を備える、前記複数の太陽電池とを具備し、
前記複数の太陽電池における前記第1の太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における前記第2の太陽電池の背面電極と直列電気接続する、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項109】
前記複数の太陽電池が、
前記非平面状基板の前記第1の端部にある第1の末端太陽電池と、
前記非平面状基板の前記第2の端部にある第2の末端太陽電池と、
前記第1の末端太陽電池と前記第2の太陽電池との間にある少なくとも1つ中間太陽電池とを備え、前記少なくとも1つの中間太陽電池における各中間太陽電池の前記透明導電層が、前記複数の太陽電池における隣接する太陽電池の前記背面電極と直列電気接続している、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項110】
前記隣接する太陽電池が、前記第1の末端太陽電池又は前記第2の末端太陽電池である、請求項109記載の太陽電池配列。
【請求項111】
前記隣接する太陽電池が、別の中間太陽電池である、請求項109記載の太陽電池配列。
【請求項112】
前記複数の太陽電池が、3個以上の太陽電池を備える、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項113】
前記複数の太陽電池が、10個以上の太陽電池を備える、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項114】
さらに、前記複数の太陽電池における前記太陽電池のすべて又は一部の前記透明導電層上に円周方向にシールされている透明非平面状ケースを備える、請求項108記載の太陽電池配列。
【請求項115】
前記透明非平面状ケースが、プラスチック又はガラス製である、請求項114記載の太陽電池配列。
【請求項116】
静的集光器が、前記底部上に重なる、請求項66記載の太陽電池配列。
【請求項117】
前記静的集光器が、複合放物面集光器である、請求項116記載の太陽電池配列。
【請求項118】
前記静的集光器が、v字型溝反射器である、請求項107記載の太陽電池配列。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【公表番号】特表2009−532870(P2009−532870A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503085(P2009−503085)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008272
【国際公開番号】WO2007/117442
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008272
【国際公開番号】WO2007/117442
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508280302)ソルインドラ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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