説明

円すいころ軸受

【課題】 適切な潤滑状態を維持し焼き付きが生じるのを抑制することができるデファレンシャル装置のピニオン軸用円すいころ軸受を提供する。
【解決手段】 本発明のピニオン軸用円すいころ軸受10は、外周面に内輪軌道面11aが形成されるとともにピニオン軸2の他端側に一体に固定される内輪11と、内周面12aに外輪軌道面12bが形成されるとともにハウジング5に固定される外輪12と、両軌道面11a,12b間に転動自在に介在する複数の円すいころ13とを備えている。内周面12aにおける軸方向他端側の端部には、潤滑油R´を留める環状の油溜め溝15が、外輪軌道面12bに隣接して凹入形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両等のデファレンシャル装置のピニオン軸を支持するために用いられるピニオン軸用円すいころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の後輪駆動に用いられるデファレンシャル装置は、エンジンの出力を伝達するためのプロペラシャフトに接続されて回転駆動されるピニオン軸と、このピニオン軸の一端側先端に設けられたピニオンギヤと噛合するリングギヤと、このリングギヤに一体回転可能に固定され左右一対の後輪を回転させる差動機構とを備えており、前記ピニオン軸の他端側に接続された前記プロペラシャフトを介して伝達されるエンジンの出力を前記一対の後輪に対して伝達する。
前記ピニオン軸の両端部には一対の円すいころ軸受が配置されており、前記ピニオン軸は、この一対の円すいころ軸受によって、デファレンシャル装置のハウジング内に回転自在に支持されている。
また、デファレンシャル装置のハウジングの内部には、潤滑油が貯留されており、前記リングギヤの回転によって貯留された潤滑油を跳ね上げることで当該潤滑油が前記ハウジング内部で循環するように構成されている。ハウジング内部に配置される差動機構や、リングギヤ、前記一対の円すいころ軸受は、貯留された潤滑油中への浸漬や、リングギヤによる跳ね上げによって循環する潤滑油の供給によって潤滑される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−148459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常の後輪駆動の自動車では、そのレイアウト上、駆動輪はエンジンよりも下方に位置するため、エンジンと、駆動輪側に配置されるデファレンシャル装置とを接続するプロペラシャフトは、エンジンからデファレンシャル装置に向かって下がるように傾斜させて配置される。このため、デファレンシャル装置は、プロペラシャフトの軸線に沿うようにピニオン軸を傾斜させた状態で車体に搭載される。つまり、前記ピニオン軸は、プロペラシャフトが接続される他端側(前側)からピニオンギヤを有する一端側(後側)に向かって下がるように傾斜させて配置される。従って、前記ピニオン軸を支持する一対の円すいころ軸受の内、他端側の円すいころ軸受は、一端側を支持する円すいころ軸受よりも上方に位置することとなる。
【0005】
このため、例えば、当該デファレンシャル装置が搭載された自動車が平坦路に位置する状態において、他端側の円すいころ軸受が浸漬する程度に潤滑油がハウジング内に貯留されていたとしても、自動車が坂路を走行する際には、水平を維持する潤滑油の油面に対してピニオン軸はさらに傾斜し、上方に位置する他端側の円すいころ軸受が貯留された潤滑油に浸漬されない状態になり易い。また、自動車が低速走行している場合には、リングギヤの跳ね上げによる潤滑油の供給も期待できない。このような場合、前記他端側の円すいころ軸受の潤滑が適切に行われず、焼き付きを生じるおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、適切な潤滑状態を維持し焼き付きが生じるのを抑制することができるデファレンシャル装置のピニオン軸用円すいころ軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、潤滑油が貯留されたデファレンシャル装置のハウジング内に配置され、一端側先端にピニオンギヤを有するピニオン軸の他端側を支持するピニオン軸用円すいころ軸受であって、外周面に内輪軌道面が形成されるとともに前記ピニオン軸の他端側に一体に固定される内輪と、内周面に外輪軌道面が形成されるとともに前記ハウジングに固定される外輪と、前記両軌道面間に転動自在に介在する複数の円すいころと、を備え、前記外輪内周面における軸方向他端側の端部には、前記潤滑油を留める環状の油溜め溝が、前記外輪軌道面に隣接して凹入形成されていることを特徴としている。
【0007】
上記のように構成されたピニオン軸用円すいころ軸受によれば、外輪内周面の軸方向他端側の端部には、潤滑油を留める環状の油留め溝が外輪軌道面に隣接して凹入形成されているので、ハウジング内の潤滑油の油面が傾斜したとしても、適切な潤滑状態を維持することができる。つまり本発明によれば、例えば、デファレンシャル装置が傾斜することでハウジング内の潤滑油の油面が傾斜し、ピニオン軸の他端側を支持する当該ピニオン軸用円すいころ軸受がハウジング内に貯留された潤滑油に浸漬されない状態になることで、ハウジング内に貯留された潤滑油による潤滑が行われなくなったとしても、前記油留め溝に留められた潤滑油を外輪軌道面、及び当該外輪軌道面を介して内輪軌道面に供給することができる。
この結果、ハウジング内の潤滑油の油面が傾斜したとしても、適切な潤滑状態を維持することができ、当該ピニオン軸用円すいころ軸受に生じる焼き付きを抑制することができる。
【0008】
上記ピニオン軸用円すいころ軸受において、前記外輪内周面の軸方向他端側の端縁には、前記外輪内周面より径方向内側に向けて突出する環状壁部が形成されているものであることが好ましい。
この場合、環状壁部によって、当該ピニオン軸用円すいころ軸受が潤滑油に浸漬している状態から油面より露出した状態になるときに、軸受内の潤滑油が全て流れ出てしまうのを防ぎ、油留め溝に留められる潤滑油を効果的に確保することができる。
【0009】
また、前記環状壁部の先端部内周径は、前記複数の円すいころの外接円径よりも大径に設定されていることが好ましく、この場合、複数の円すいころを内輪軌道面に配置した状態の内輪が、環状壁部の内周側を通過することを妨げない。従って、当該ピニオン軸用円すいころ軸受を組み立てるべく、複数の円すいころ及び内輪を外輪の内周側に配置する際に、外輪に環状壁部を設けた状態で、当該ピニオン軸用円すいころ軸受を組み立てることができる。このため、外輪単体の状態で環状壁部を設けることができ、より容易に環状壁部を設けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のピニオン軸用円すいころ軸受によれば、適切な潤滑状態を維持し焼き付きが生じるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、本発明を自動車の後輪駆動用のデファレンシャル装置に適用した場合を例示して説明する。図1は、本発明を適用したデファレンシャル装置を示す断面図である。
図中、デファレンシャル装置1は、自動車のエンジン(図示せず)からの回転力を当該デファレンシャル装置1の(紙面直交方向における)両側にそれぞれ配置された駆動輪である後輪(図示せず)に伝達するためのものであり、エンジンの出力を伝達するためのプロペラシャフト(図示せず)に一体回転可能に接続されるピニオン軸2と、このピニオン軸2の一端側先端に設けられたピニオンギヤ2aと噛合するリングギヤ3と、リングギヤ3に一体回転可能に固定され後輪(図示せず)を回転させる差動機構4と、これらを収容するハウジング5とを備えている。
【0012】
また、デファレンシャル装置1は、さらに、ピニオン軸2の一端側(リングギヤ3側)を支持する第一のピニオン軸用円すいころ軸受6(以下、第一の円すいころ軸受6ともいう)と、ピニオン軸2の他端側(反リングギヤ3側)を支持する、本発明の一実施形態に係る第二のピニオン軸用円すいころ軸受10(以下、第二の円すいころ軸受10ともいう)とを備えている。
ピニオン軸2は、両円すいころ軸受6,10によって、他端側の端部がハウジング5の外部へ突出した状態で、当該ハウジング5に対して回転可能に支持されている。ピニオン軸2の他端側の端部には、プロペラシャフトが接続され、ピニオン軸2は、エンジンの回転力によって回転駆動され、その回転力をピニオンギヤ2aと噛合するリングギヤ3に伝達する。
【0013】
デファレンシャル装置1は、ピニオン軸2の軸線Lと、自動車の車体水平方向を示す基準線Sとが、角度θとなるように、ピニオン軸2の軸線Lが傾斜するように車体に搭載されている。これは、上述したように、通常の後輪駆動の自動車においては、そのレイアウト上、後輪はエンジンよりも下方に位置するため、エンジンと駆動輪側に配置されるデファレンシャル装置1とを接続するプロペラシャフトは、エンジンからデファレンシャル装置1に向かって下がるように傾斜させて配置される。このため、デファレンシャル装置1は、プロペラシャフトによって回転駆動されるピニオン軸2の軸線Lをプロペラシャフトの傾斜に沿うように傾斜させた状態で車体に搭載される。このため、第二の円すいころ軸受10は、自動車の車体が水平な状態にあるときには、第一の円すいころ軸受6よりも僅かに上方に位置することとなる。
【0014】
ハウジング5の内部には、差動機構4や、リングギヤ3、両円すいころ軸受6,10等を潤滑するための潤滑油Rが貯留されている。この潤滑油Rの油量は、リングギヤ3が1/3程度浸漬する程度の高さ位置に油面R1が位置するように設定されている。
また、上述のように、デファレンシャル装置1は、ピニオン軸2の軸線Lと、車体水平方向を示す基準線Sとが角度θとなるように搭載されるので、自動車の車体が水平な状態にあるときには、油面R1は、図1のように、基準線Sに平行となる。
また、この潤滑油Rは、リングギヤ3の回転によって図中矢印Tの方向に跳ね上げられ、再度ハウジング5の下方に流入し貯留される。このように、デファレンシャル装置1は、潤滑油Rがハウジング5内部で循環するように構成されている。
ハウジング5内部に収容されている各部は、貯留された潤滑油Rへの浸漬や、リングギヤ3の跳ね上げによる潤滑油Rの循環供給によって潤滑される。
【0015】
図2は、第二の円すいころ軸受10の一部を示す断面図である。なお、図2では、自動車が上りの坂路に位置することでデファレンシャル装置1を含む車体全体が前後方向に坂路の傾斜角度γだけ傾斜している状態を示している。
このピニオン軸2の他端側を支持する第二の円すいころ軸受10は、ピニオン軸2の他端側に一体回転可能に固定された内輪11と、ハウジング5に固定された外輪12と、内外輪11,12間に転動自在に介在する複数の円すいころ13と、複数の円すいころ13を内外輪11,12の周方向に沿って等間隔に保持するための保持器14とを備えている。
【0016】
内輪11は、例えば、軸受鋼等を用いて形成された円筒状の部材であり、その外周面には円すいころ13が接触し転動する内輪軌道面11aが形成されている。
外輪12は、例えば、軸受鋼等を用いて形成された円筒状の部材であり、内輪11の外周側に同心に配置されている。外輪12の内周面12aには、円すいころ13が接触し転動する外輪軌道面12bが形成されている。
複数の円すいころ13は、軸受用鋼等からなり、その外周面が両軌道面11a,12bに対して転動接触する転動面13aとされており、内輪11と外輪12との間の環状空間に配置されている。これら円すいころ13は、両軌道面11a,12b間に転動自在に介在しており、内外輪11,12は、相対回転自在である。
【0017】
外輪12の内周面12aの軸方向他端側の端部には、潤滑油Rを留めるための環状の油留め溝15が外輪軌道面12bに隣接して凹入形成されている。この油留め溝15は、外輪12の周方向に沿って径方向外側に凹むように断面矩形とされ、内周面12a全周に亘って形成されている。
【0018】
また、外輪12の軸方向他端側の端部12cには、断面L字型の環状部材16が固定されている。この環状部材16は、例えば、ゴム等の弾性材料によって形成されており、外輪12の外周側を覆うように固定された筒部16aと、筒部16aの端部から径方向内側に延びる環部16bとを有しており、外輪12の端部12cを覆うように固定されている。環状部材16は、例えば、加硫成形によって外輪12に接着固定されている。
環部16bは、その先端部16cが外輪12の内周面12aよりも径方向内側に向けて突出しており、この環部16bの内周面12aよりも径方向内側に突出している突出部16dは、外輪12の内周面12aの軸方向他端側の端縁12dにおいて、内周面12aよりも径方向内側に向けて突出する環状壁部を構成している。
【0019】
また、環部16bは、突出部16dの内周径Aが、周方向に配置されている複数の円すいころ13の大端面における外接円径B(ころ大端面位置の外輪軌道径に相当)よりも大径となるように形成されている。この場合、複数の円すいころ13を内輪軌道面11aに配置した状態の内輪11が、突出部16dの内周側を通過することを妨げない。従って、第二の円すいころ軸受10を組み立てるべく、複数の円すいころ13及び内輪11を外輪12の内周側に配置する際に、外輪12に環状部材16を固定した状態で、当該第二の円すいころ軸受10を組み立てることができる。このため、外輪12単体の状態で環状部材16の固定をより容易にすることができる。
【0020】
ここで、図2においては、上述のように、自動車が上りの坂路に位置することでデファレンシャル装置1を含む車体全体が前後方向に傾斜している状態を示しており、基準線Sが、水平な状態を維持している油面R1に対して坂路の角度γ分だけ傾斜することで、外輪12の内周面12aが、ハウジング5に貯留される潤滑油Rの油面R1より露出する位置となる状態を示している。
【0021】
上述したように、デファレンシャル装置1は、車体に対して傾斜させた状態で搭載されているので、第二の円すいころ軸受10は、自動車の車体が水平な状態にあるときには、第一の円すいころ軸受6よりも僅かに上方に位置することとなる。このため、自動車が上りの坂路に位置することで、デファレンシャル装置1の水平方向に対する傾斜がさらに大きくなると、図2に示すように、第二の円すいころ軸受10の外輪内周面12aが潤滑油Rより露出し、貯留された潤滑油に浸漬されない状態になり易い。
このような場合、第二の円すいころ軸受10は、ハウジング5内に貯留された潤滑油Rに浸漬されていないので、ハウジング5内に貯留された潤滑油Rによる潤滑を受けることができない。さらに、自動車が低速で走行している場合には、リングギヤ3による潤滑油Rの循環供給も期待できない。
【0022】
その一方、第二の円すいころ軸受10は、その内周面12aが潤滑油Rに浸漬した状態から、油面R1より露出した状態となるときに、流れ出てしまう潤滑油Rを、図2に示すように油留め溝15の下方に留めることができる。このようにして油留め溝15に留められた潤滑油R´は、油面R1より露出した外輪軌道面12aに序々に流れていくことで、外輪軌道面12aを潤滑する。
また、環状部材16の突出部16dは、内周面12aが潤滑油Rに浸漬した状態から、油面R1より露出した状態となるときに、軸受内の潤滑油Rが全て流れ出てしまうのを防ぎ、油留め溝15に留められる潤滑油R´を効果的に確保することができる。
さらに、油留め溝15は、内周面12a全周に亘って形成されているので、内周面12aが潤滑油Rに浸漬した状態から、油面R1より露出した状態となるときに、この油留め溝15が樋のような役目を果たして油留め溝15の下方側に導くので、より効率よく潤滑油R´を留めることができる。
【0023】
すなわち、上記のように構成された本実施形態の第二の円すいころ軸受10によれば、外輪12の内周面12aの軸方向他端側の端部には、潤滑油Rを留める環状の油留め溝15が外輪軌道面12bに隣接して凹入形成されているので、ハウジング5内の潤滑油Rの油面R1が傾斜したとしても、適切な潤滑状態を維持することができる。つまり本実施形態によれば、例えば、デファレンシャル装置1が傾斜することでハウジング5内の潤滑油Rの油面R1が傾斜し、第二の円すいころ軸受10がハウジング5内に貯留された潤滑油Rに浸漬されない状態になることで、ハウジング5内に貯留された潤滑油Rによる潤滑が行われなくなったとしても、油留め溝15に留められた潤滑油R´を外輪軌道面12b、及び当該外輪軌道面12b、及び円すいころ13を介して内輪軌道面11aに供給することができる。
この結果、ハウジング5内の潤滑油Rの油面R1が傾斜したとしても、適切な潤滑状態を維持することができ、当該第二の円すいころ軸受10に生じる焼き付きを抑制することができる。
【0024】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、油留め溝15の形状を断面矩形としたものを例示したが、例えば、図3に示すように、油留め溝15を構成する、円すいころ13側に位置する壁面15aを、内周面12aから油留め溝15の底部15bに向かって拡径するテーパ面としてもよい。この場合、油留め溝15に留められた潤滑油R´が外輪軌道面12b側へ適度に流れ易くすることができ、より効果的に各軌道面11a,12bの潤滑を行うことができる。
【0025】
また、上記実施形態では、環状部材16を加硫成形によって外輪12に接着固定したが、例えば、ゴム等の弾性材料を用いて予め所定形状に形成された環状部材16を接着剤等によって外輪12に接着固定することもできる。
さらに、上記実施形態では、環状部材16は、その全体を弾性材料によって形成したが、例えば、図3に示すように、外輪12の外周面に固定される金属からなる環状の芯金部材16eと、弾性材料からなる先端部材16fとを有して構成してもよい。先端部材16fは、径方向外側に折り曲げられた芯金部材16eの折曲部16e1先端に固定されており、内周面12aより突出した環状壁部を構成している。この場合、芯金部材16eは、外輪12に対して、嵌合や、接着剤等による接着、レーザ等による溶接等で固定することができる。このように、芯金部材16eを備えて構成された環状部材16によれば、多様な方法の内から、好適な固定方法を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のピニオン軸用円すいころ軸受を適用したデファレンシャル装置を示す断面図である。
【図2】第二の円すいころ軸受の一部を示す断面図である。
【図3】他の実施形態に係るピニオン軸用円すいころ軸受の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 デファレンシャル装置
2 ピニオン軸
2a ピニオンギヤ
5 ハウジング
10 第二のピニオン軸用円すいころ軸受
11 内輪
11a 内輪軌道面
12 外輪
12a 内周面
12b 外輪軌道面
13 円すいころ
15 油留め溝
16d 突出部(環状壁部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油が貯留されたデファレンシャル装置のハウジング内に配置され、一端側先端にピニオンギヤを有するピニオン軸の他端側を支持するピニオン軸用円すいころ軸受であって、
外周面に内輪軌道面が形成されるとともに前記ピニオン軸の他端側に一体に固定される内輪と、
内周面に外輪軌道面が形成されるとともに前記ハウジングに固定される外輪と、
前記両軌道面間に転動自在に介在する複数の円すいころと、を備え、
前記外輪内周面における軸方向他端側の端部には、前記潤滑油を留める環状の油溜め溝が、前記外輪軌道面に隣接して凹入形成されていることを特徴とするピニオン軸用円すいころ軸受。
【請求項2】
前記外輪内周面の軸方向他端側の端縁には、前記外輪内周面より径方向内側に向けて突出する環状壁部が形成されている請求項1に記載のピニオン軸用円すいころ軸受。
【請求項3】
前記環状壁部の先端部内周径は、前記複数の円すいころの外接円径よりも大径に設定されている請求項2に記載のピニオン軸用円すいころ軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−191986(P2009−191986A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34347(P2008−34347)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】