説明

円盤状部品の切出装置

【課題】簡単かつ迅速に、円盤状部品の表裏の向きの分別と表裏の向きの修正とを行うことができ、常に表向き状態の円盤状部品を被組付対象へ供給することができる円盤状部品の切出装置を提供すること。
【解決手段】円盤状部品81の切出装置1は、ストッカー2に保管された複数枚の円盤状部品81において、小径部811が上側を向く状態の円盤状部品81を表向き状態Aとし、小径部811が下側を向く状態の円盤状部品81を裏向き状態としたとき、表向き状態Aの円盤状部品81は、開始側滑降経路51を滑降した後、一対の滑降分別部材52の間を落下して、表向き状態Aを維持させ、一方、裏向き状態の円盤状部品81は、開始側滑降経路51を滑降した後、一対の滑降分別部材52を直進し、Uターン滑降経路53を滑降するときに表向き状態Aに反転させるよう構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の円盤状部品から1枚ずつ円盤状部品を切り出すよう構成した円盤状部品の切出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベアリング等の円盤状部品を被組付対象としてのワークに組み付ける際には、円盤状部品を複数枚積み重ねてストッカーに保管し、1枚ずつ円盤状部品を切り出して(取り出して)、作業者へ供給している。そして、作業者は、円盤状部品の表裏を確認してワークに組み付けている。また、円盤状部品を1枚ずつ切り出す際には、切出動作を行うためのエアシリンダー等のアクチュエータを用い、このアクチュエータを電気的に制御することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1のスナップリングの供給装置においては、マガジンによって多数のスナップリングを縦方向に積み重ねた状態で保持し、マガジンに対して切出板を往復動させて、マガジンから1枚ずつスナップリングを切り出すことを行っている。また、押出ウエイトによって多数のスナップリングを下方へ押し当て、仕切板による切出を行っていないときに、ショックウエイトによって押出ウエイトに荷重を加え、最下段のスナップリングが切出板に確実に対向するようにしている。
【0004】
例えば、特許文献2のスナップリング表裏判定治具においては、表裏のあるスナップリングを組付に用いる際に、このスナップリングの表裏の判別を行っている。そして、スナップリングの形状が、軸方向一方端面が垂直面であると共に軸方向他方端面にテーパ面部を有することを利用し、保持部に保持するスナップリングに対して表裏判定部をスライドさせたとき、スナップリングに対する表裏判定部の係合状態を判別して、スナップリングの表裏が正しいか否かを判定している。
【0005】
【特許文献1】特開平7−242336号公報
【特許文献2】特開2008−142863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の円盤状部品の切出装置においては、作業者が目視等によって円盤状部品の表裏を確認する必要があった。そのため、作業者の不注意によるミス等によって、円盤状部品が表裏逆向きでワークに組み付けられるおそれがあった。
また、特許文献1においては、表裏を有するスナップリングを切り出す場合には、その表裏を分別するための工夫はなされていない。
また、特許文献2においては、スナップリングの表裏を判定する方法の一つが開示されている。しかし、特許文献2に開示された治具は、作業者が治具上にスナップリングを載置することを前提としている。そのため、表裏のある円盤状部品を複数枚保管するストッカーから1枚ずつ円盤状部品を切り出す装置において、表裏の判定を行う技術については何ら示されていない。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単かつ迅速に、円盤状部品の表裏の向きの分別と表裏の向きの修正とを行うことができ、常に表向き状態の円盤状部品を被組付対象へ供給することができる円盤状部品の切出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一方面側に小径部を有すると共に他方面側に該小径部よりも厚みが小さいと共に直径が大きい大径部を有する円盤状部品を複数枚重ねて保管し、該複数枚の円盤状部品から1枚ずつ円盤状部品を切り出すよう構成した円盤状部品の切出装置であって、
該切出装置は、上記円盤状部品を複数枚積み重ねて保管するためのストッカーと、
該ストッカーから1枚ずつ円盤状部品を切り出すための切出手段と、
上記ストッカーから切り出された上記円盤状部品を滑降直進方向へ滑降させるための開始側滑降経路と、
該開始側滑降経路に対する下流側において、該開始側滑降経路を滑降する上記円盤状部品の左右両側に位置して、該円盤状部品を直進させるか落下させるかの分別をするための一対の滑降分別部材と、
該一対の滑降分別部材に対する滑降直進方向の下流側に位置し、該一対の滑降分別部材を直進した円盤状部品をUターンさせて、滑降後進方向へ滑降させるためのUターン滑降経路と、
該Uターン滑降経路から滑降する円盤状部品と、上記一対の滑降分別部材から落下した円盤状部品との両者を、滑降後進方向へ滑降させるための終了側滑降経路とを有しており、
上記一対の滑降分別部材は、互いに対向する対向面において、滑降直進方向に直交する横断面の上側部分に鍔部を有すると共に、上記横断面の下側部分に上記鍔部よりも窪んだ凹部を有しており、
上記鍔部は、上記対向面同士の間に上記小径部の直径よりも大きくかつ上記大径部の直径よりも小さな間隔を形成しており、上記凹部は、上記対向面同士の間に上記大径部の直径よりも大きな間隔を形成しており、
上記大径部の厚みをt1、上記小径部の厚みをt2とし、上記開始側滑降経路の滑降上面から上記鍔部の下面までの上記凹部高さをA1、上記開始側滑降経路の滑降上面から上記鍔部の上面までの鍔部高さをA2としたとき、t1<A1、t2>A2の関係を有しており、
上記ストッカーに保管された複数枚の円盤状部品において、上記小径部が上側を向く状態の円盤状部品を表向き状態とし、上記小径部が下側を向く状態の円盤状部品を裏向き状態としたとき、上記表向き状態の円盤状部品は、上記開始側滑降経路を滑降した後、上記一対の滑降分別部材の間を落下して、当該表向き状態を維持したまま上記終了側滑降経路へ滑降させ、一方、上記裏向き状態の円盤状部品は、上記開始側滑降経路を滑降した後、上記一対の滑降分別部材を直進し、上記Uターン滑降経路を滑降するときに上記表向き状態に反転した後、上記終了側滑降経路へ滑降させるよう構成したことを特徴とする円盤状部品の切出装置にある(請求項1)。
【0009】
本発明の円盤状部品の切出装置においては、表裏のある円盤状部品をストッカーから切り出す際に、この円盤状部品が常に表向き状態で被組付対象に供給されるための工夫を行っている。
具体的には、本発明においては、円盤状部品が一方面側に小径部を有すると共に他方面側に大径部を有することを利用して、ストッカーから切り出した円盤状部品を滑降させる際に、表向き状態の円盤状部品はその状態を維持して滑降させ、裏向き状態の円盤状部品はその状態を表向き状態に反転させて滑降させる工夫を行っている。
【0010】
本発明においては、ストッカーにおいて、小径部が上側を向く状態の円盤状部品を表向き状態、これとは反対に、小径部が下側を向く状態の円盤状部品を裏向き状態とする。そして、本発明の切出装置は、特に、表向き状態の円盤状部品は落下させることができる一方、裏向き状態の円盤状部品は直進させることができる一対の滑降分別部材と、裏向き状態の円盤状部品を表向き状態に反転させることができるUターン滑降経路とを有している。これにより、円盤状部品の表裏判別後、常に表向き状態で円盤状部品を終了側滑降経路へ滑降させることができる。
【0011】
円盤状部品の表向き状態と裏向き状態とを分別するために、一対の滑降分別部材は、互いに対向する対向面において滑降直進方向に直交する横断面の上側部分に上記鍔部を有し、上記横断面の下側部分に上記凹部を有している。また、一対の滑降分別部材は、その凹部高さ及び全体の厚みが、円盤状部品における小径部及び大径部の寸法に対応した寸法に形成してある。
すなわち、大径部の厚みt1は、凹部高さをA1よりも大きく、小径部の厚みt2は、滑降分別部材の厚みA2よりも大きくしてある。また、大径部の厚みt1は、小径部の厚みt2よりも小さくなっている。そして、この寸法関係を有することにより、一対の滑降分別部材は、表向き状態の円盤状部品を落下させることができる一方、裏向き状態の円盤状部品を直進させることができる。
【0012】
次に、本発明の切出装置において、円盤状部品を1枚ずつ切り出す方法について説明する。
切出手段の操作によって、ストッカーから開始側滑降経路へ1枚の円盤状部品が切り出されたとき、この円盤状部品は開始側滑降経路を滑降すると共に、一対の滑降分別部材へと滑降する。そして、円盤状部品が表向き状態である場合には、その大径部が一対の滑降分別部材における凹部内に挿入され、開始側滑降経路を通過したときに、一対の滑降分別部材同士の間を落下する。そして、この円盤状部品は、表向き状態を維持したまま終了側滑降経路へ滑降する。なお、切出手段の操作は作業者によって行うことができる。
【0013】
一方、円盤状部品が裏向き状態である場合には、その大径部が一対の滑降分別部材における鍔部の上面に掛止され、開始側滑降経路を通過したときには、一対の滑降分別部材に支持された状態で直進する。そして、この円盤状部品は、Uターン滑降経路を滑降するときに表向き状態に反転し、この状態を維持して終了側滑降経路へ滑降する。
このように、本発明においては、ストッカーに裏向き状態で円盤状部品が保管されている場合であっても、この円盤状部品を簡単かつ迅速に表向き状態に反転させることができる。つまり、本発明によれば、簡単かつ迅速に、円盤状部品の表裏の向きの分別と表裏の向きの修正とを行うことができる。
【0014】
また、終了側滑降経路へと滑降させた表向き状態の円盤状部品は、常に表向き状態を維持したまま取り出すことができる。そして、常に表向き状態の円盤状部品を、その組付を行う被組付対象へ供給することができる。
また、上記装置の構成により、ストッカーには、表裏を確認せずに複数枚の円盤状部品を保管することができる。そのため、作業者がストッカーへ複数枚の円盤状部品をセットすることが容易である。
【0015】
それ故、本発明の円盤状部品の切出装置によれば、簡単かつ迅速に、円盤状部品の表裏の向きの分別と表裏の向きの修正とを行うことができ、常に表向き状態の円盤状部品を被組付対象へ供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記開始側滑降経路は、滑降直進方向に向けて下方傾斜して配設した開始側板状部材によって構成してあり、上記一対の滑降分別部材は、上記開始側板状部材と平行に配設してあり、上記Uターン滑降経路は、上記円盤状部品における上記大径部を当接させてガイドするための円弧状の外周レール部材と、該外周レール部材の内周側に位置し、上記円盤状部品における上記小径部を当接させてガイドするための円弧状の内周レール部材とから構成してあり、上記終了側滑降経路は、滑降後進方向に向けて下方傾斜して配設した終了側板状部材によって構成してあり、上記一対の滑降分別部材の下方であって上記終了側板状部材の上方には、滑降後進方向に向けて下方傾斜して配設した落下受け板状部材が配設してあり、上記開始側板状部材の上を滑降し、上記一対の滑降分別部材の間を落下する上記表向き状態の円盤状部品は、上記落下受け板状部材の上に落下させ、該落下受け板状部材の上を滑降させて上記終了側板状部材の上へ導き、一方、上記開始側板状部材の上を滑降し、上記一対の滑降分別部材の上を直進して滑降する上記裏向き状態の円盤状部品は、上記外周レール部材と上記内周レール部材とによってガイドして上記表向き状態に反転させた後、上記終了側板状部材の上へ導くよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、開始側滑降経路、一対の滑降分別部材、Uターン滑降経路及び終了側滑降経路の構造が簡単であり、上記円盤状部品の切出装置を簡単な構成で形成することができる。
【0017】
また、上記切出装置は、上記円盤状部品を組み付けるための被組付対象を保持するための保持台を有しており、上記切出手段は、作業者によって回動操作するための操作ハンドルと、該操作ハンドルの回動操作を受けて上記ストッカーから1枚の円盤状部品を切り出す切出アームとを用いて構成してあり、上記終了側滑降経路における滑降末端部には、該終了側滑降経路を滑降した円盤状部品を保持するための保持状態と、当該円盤状部品を上記操作ハンドルの回動操作を受けて上記保持台における被組付対象へ供給するための供給状態とを形成可能な部品保持供給部が配設してあり、上記円盤状部品の切出装置は、上記操作ハンドルのみの回動操作によって、上記部品保持供給部を上記保持状態から上記供給状態に変化させ、当該部品保持供給部に保持する円盤状部品を表向き状態で上記保持台における被組付対象へ供給するよう構成することが好ましい(請求項3)。
【0018】
この場合には、作業者が操作ハンドルを回動操作することによって、ストッカーから1枚の円盤状部品を切り出すと共に、終了側滑降経路における滑降末端部まで滑降させた表向き状態の円盤状部品を、この状態を維持して保持台に保持する被組付対象へ供給することができる。そのため、切出装置の構成が極めて簡単になり、電気又は空気圧等の制御を行うことなく、作業者の手動操作のみによって、表裏の向きの修正を行って円盤状部品を被組付対象へ供給することができる。
【0019】
また、上記ストッカーは、上記円盤状部品を複数枚積み重ねて保管する第1ストッカーと、上記被組付対象へ組み付ける際に上記円盤状部品に対向配置する円盤状補助部品を複数枚積み重ねて保管する第2ストッカーとからなり、上記円盤状補助部品は、表裏対称の形状を有していると共に、その厚みt3が上記凹部高さA1よりも小さくなっており、上記切出アームは、上記操作ハンドルを一方側へ回動させると、上記第1ストッカーから1枚の円盤状部品を上記開始側滑降経路へ切り出し、上記操作ハンドルを他方側へ回動させると、上記第2ストッカーから1枚の円盤状補助部品を上記開始側滑降経路へ切り出すよう構成してあり、上記円盤状部品の切出装置は、上記操作ハンドルを一方側へ回動させ、上記第1ストッカーから切り出した円盤状部品を、上記終了側滑降経路における滑降末端部まで滑降させて上記部品保持供給部に保持した後、上記操作ハンドルを他方側へ回動させ、上記第2ストッカーから切り出した円盤状補助部品を、上記一対の滑降分別部材の間を落下させ、上記終了側滑降経路における滑降末端部まで滑降させて、上記部品保持供給部における上記表向き状態の円盤状部品の上に積み重ねて保持するよう構成することが好ましい(請求項4)。
【0020】
この場合には、円盤状部品の切出装置においては、円盤状部品及び円盤状補助部品を保管し、作業者の操作ハンドルの回動操作によって、円盤状部品及び円盤状補助部品を1枚ずつ切り出すことができる。そして、円盤状部品と円盤状補助部品とをセットにして、被組付対象へ組み付けることができる。
【0021】
また、上記部品保持供給部は、上記終了側滑降経路における滑降末端部に対向して該滑降末端部から上記円盤状部品及び上記円盤状補助部品を受け取る引込位置と、上記保持台に保持する被組付対象に対向して該被組付対象へ上記円盤状部品及び上記円盤状補助部品を供給する引出位置とにスライド可能であり、上記円盤状部品の切出装置は、上記操作ハンドルを一方側へ回動させたときには、上記切出アームによって上記第1ストッカーから1枚の円盤状部品を上記開始側滑降経路へ切り出すと共に、上記部品保持供給部を上記引出位置へスライドさせ、一方、上記操作ハンドルを他方側へ回動させたときには、上記部品保持供給部を上記引込位置へスライドさせると共に、上記切出アームによって上記第2ストッカーから1枚の円盤状補助部品を上記開始側滑降経路へ切り出すよう構成してあり、上記操作ハンドルを一方側へ回動させて、上記切出アームによって上記第1ストッカーから切り出した第1の円盤状部品を上記表向き状態で上記部品保持供給部に保持し、次いで、上記操作ハンドルを他方側へ回動させて、上記切出アームによって上記第2ストッカーから切り出した第2の円盤状補助部品を上記部品保持供給部における上記表向き状態の第1の円盤状部品の上に積み重ね、次いで、上記操作ハンドルを再び一方側へ回動させることにより、上記切出アームによって上記第1ストッカーから切り出した第2の円盤状部品を上記表向き状態にして上記滑降末端部まで滑降させると共に、上記表向き状態の第1の円盤状補助部品と上記第1の円盤状部品とを保持した上記部品保持供給部を上記引出位置へスライドさせた後、上記操作ハンドルをさらに継続して一方側へ回動させることにより、上記部品保持供給部を上記保持状態から上記供給状態へ変化させて、当該部品保持供給部に保持する上記表向き状態の第1の円盤状補助部品と上記第1の円盤状部品とを上記保持台に保持する被組付対象へ供給し、次いで、上記操作ハンドルを再び他方側へ回動させることにより、上記切出アームによって上記第2ストッカーから切り出した第2の円盤状補助部品を上記部品保持供給部における上記表向き状態の第2の円盤状部品の上に積み重ね、以降同様に、上記操作ハンドルを一方側及び他方側へ交互に回動させることにより、上記保持台に順次保持する被組付対象へ上記表向き状態の円盤状部品と上記円盤状補助部品とを繰り返し供給することができるよう構成することができる(請求項5)。
【0022】
この場合には、作業者の操作ハンドルの一方側及び他方側への回動操作を繰り返すだけで、保持台に順次保持する被組付対象へ表向き状態の円盤状部品と円盤状補助部品とを繰り返し供給することができる。これにより、被組付対象に対する表向き状態の円盤状部品と円盤状補助部品との供給を迅速かつ簡単に行うことができ、被組付対象への組付の生産性を向上させることができる。
【0023】
また、上記円盤状部品は、複数個のベアリングを保持してなるベアリング部材であり、上記円盤状補助部品は、上記ベアリング部材における複数個のベアリングと対向するレース部材であることが好ましい(請求項6)。
この場合には、ベアリング部材とレース材とを組み合わせて用いるベアリングを、表裏を誤ることなく迅速に被組付対象へ供給することができる。
【実施例】
【0024】
以下に、本発明の円盤状部品の切出装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の円盤状部品81の切出装置1は、図1〜図3、図19に示すごとく、一方面側801に小径部811を有すると共に他方面側802に小径部811よりも厚みが小さいと共に直径が大きい大径部812を有する円盤状部品81を複数枚重ねて保管し、複数枚の円盤状部品81から1枚ずつ円盤状部品81を切り出すよう構成してある。
切出装置1は、以下のストッカー2、切出手段3、開始側滑降経路51、一対の滑降分別部材52、Uターン滑降経路53及び終了側滑降経路54を有している。
【0025】
図1〜図3に示すごとく、ストッカー2は、円盤状部品81を複数枚積み重ねて保管するよう構成してある。切出手段3は、ストッカー2から1枚ずつ円盤状部品81を切り出すよう構成してある。開始側滑降経路51は、ストッカー2から切り出された円盤状部品81を滑降直進方向D1へ滑降させるよう構成してある。
図3、図6、図7に示すごとく、一対の滑降分別部材52は、開始側滑降経路51に対する下流側において、開始側滑降経路51を滑降する円盤状部品81の左右両側に位置して、円盤状部品81を直進させるか落下させるかの分別を行うよう構成してある。Uターン滑降経路53は、一対の滑降分別部材52に対する滑降直進方向D1の下流側に位置し、一対の滑降分別部材52を直進した円盤状部品81をUターンさせて、滑降後進方向D2へ滑降させるよう構成してある。終了側滑降経路54は、Uターン滑降経路53から滑降する円盤状部品81と、一対の滑降分別部材52から落下した円盤状部品81との両者を、滑降後進方向D2へ滑降させるよう構成してある。
【0026】
図16に示すごとく、一対の滑降分別部材52は、互いに対向する対向面521において、滑降直進方向D1に直交する横断面の上側部分に鍔部522を有すると共に、横断面の下側部分に鍔部522よりも窪んだ凹部523を有している。
鍔部522は、対向面521同士の間に円盤状部品81の小径部811の直径よりも大きくかつ大径部812の直径よりも小さな間隔を形成している。凹部523は、対向面521同士の間に円盤状部品81の大径部812の直径よりも大きな間隔を形成している。
【0027】
図16、図17に示すごとく、円盤状部品81の大径部812の厚みをt1、円盤状部品81の小径部811の厚みをt2とし、開始側滑降経路51の滑降上面512から鍔部522の下面524までの凹部523の高さをA1、開始側滑降経路51の滑降上面512から鍔部522の上面525までの鍔部522の高さをA2としたとき、円盤状部品81と一対の滑降分別部材52とは、t1<A1、t2>A2の関係を有している。
円盤状部品81の切出装置1は、ストッカー2に保管された複数枚の円盤状部品81において、小径部811が上側を向く状態の円盤状部品81を表向き状態Aとし、小径部811が下側を向く状態の円盤状部品81を裏向き状態Bとしたとき、図6に示すごとく、表向き状態Aの円盤状部品81は、開始側滑降経路51を滑降した後、一対の滑降分別部材52の間を落下して、表向き状態Aを維持したまま終了側滑降経路54へ滑降させ、一方、図7に示すごとく、裏向き状態Bの円盤状部品81は、開始側滑降経路51を滑降した後、一対の滑降分別部材52を直進し、Uターン滑降経路53を滑降するときに表向き状態Aに反転した後、終了側滑降経路54へ滑降させるよう構成してある。
【0028】
以下に、本例の円盤状部品81の切出装置1につき、図1〜図19を参照して詳説する。
本例の図1〜図18においては、滑降前進方向をD1、滑降後進方向をD2、左右方向をWで示す。
図19に示すごとく、本例の円盤状部品81の切出装置1は、被組付対象83としての自動変速機用ハウジングに、スラスト用軸受80を組み付ける際に、このスラスト用軸受80を構成する円盤状部品81及び円盤状補助部品82をセットにして被組付対象83に供給することができるものである。
【0029】
本例の円盤状部品81は、複数個のベアリング(円筒状ころ等)を保持してなるベアリング部材であり、本例の円盤状補助部品82は、ベアリング部材における複数個のベアリングと対向するレース部材である。また、ベアリング部材及びレース部材は、中心部に中心貫通穴810、820を形成してなる円環形状を有している。スラスト用軸受80は、ベアリング部材における複数個のベアリングにレース部材を対向させて被組付対象83に組み付けられる。
図18に示すごとく、円盤状補助部品82は、表裏対称の形状を有していると共に、その厚みt3が滑降分別部材52の対向面521に形成した凹部523の高さA1よりも小さくなっている。
【0030】
図2に示すごとく、本例のストッカー2は、円盤状部品81を複数枚積み重ねて保管する第1ストッカー2Aと、円盤状補助部品82を複数枚積み重ねて保管する第2ストッカー2Bとからなる。図6に示すごとく、第1ストッカー2Aは、円盤状部品81を載置する平坦な載置面21と、この載置面21との間に所定の隙間23を形成して垂直に配設したロッド22とによって構成してある。円盤状部品81は、その中心貫通穴810にロッド22を通すことによって、第1ストッカー2Aに保管される。図8に示すごとく、第2ストッカー2Bは、円盤状補助部品82を載置する平坦な載置面21と、この載置面21との間に所定の隙間23を形成して垂直に配設したロッド22とによって構成してある。円盤状補助部品82は、その中心貫通穴820にロッド22を通すことによって、第2ストッカー2Bに保管される。
また、第1ストッカー2Aにおいて、載置面21とロッド22の下端面との間の隙間23には、円盤状部品81の厚みの1枚分以上2枚分未満の隙間23が形成されている。また、第2ストッカー2Bにおいて、載置面21とロッド22の下端面との間の隙間23には、円盤状補助部品82の厚みの1枚分以上2枚分未満の隙間23が形成されている。
【0031】
図1、図2に示すごとく、切出装置1は、被組付対象83を保持するための保持台15を有している。保持台15は、被組付対象83としての自動変速機用ハウジングに形成した組付穴831を、鉛直方向上方に向けて保持するよう構成してある。
図1〜図3に示すごとく、本例の切出手段3は、作業者によって回動操作するための操作ハンドル4と、操作ハンドル4を一方側T1へ回動させたときに、第1ストッカー2Aから1枚の円盤状部品81を開始側滑降経路51へ切り出す一方、操作ハンドル4を他方側T2へ回動させたときに、第2ストッカー2Bから1枚の円盤状補助部品82を開始側滑降経路51へ切り出す切出アーム31とを有している。
【0032】
図3に示すごとく、切出アーム31は、円盤状部品81に係合する第1切出用凹部311と、円盤状補助部品82に係合する第2切出用凹部312とを有している。そして、切出アーム31は、第1切出用凹部311によって第1ストッカー2Aにおける最下段の円盤状部品81を開始側滑降経路51へ切り出し、第2切出用凹部312によって第2ストッカー2Bにおける最下段の円盤状補助部品82を開始側滑降経路51へ切り出すよう構成してある。
【0033】
図1に示すごとく、本例の切出装置1は、操作ハンドル4の一方側T1と他方側T2とへの回動操作のみによって、円盤状部品81及び円盤状補助部品82を切り出し、上下に重ねた円盤状部品81及び円盤状補助部品82をセットにして、保持台15に保持する被組付対象83における組付穴831へ供給するよう構成してある。
操作ハンドル4は、左右一対の回動アーム部41と、回動アーム部41同士の間に掛け渡して作業者が把持するための把持部42とを有している。操作ハンドル4は、第1ストッカー2A及び第2ストッカー2Bを配設した架台10に対して、上下方向に回動可能に配設してある。
【0034】
切出装置1は、架台10に対して部品滑降部11及び切出操作部12を配設して構成されている。
図6、図7に示すごとく、部品滑降部11は、開始側滑降経路51、一対の滑降分別部材52、Uターン滑降経路53、終了側滑降経路54及び落下受け板状部材55を有して構成されている。
本例の開始側滑降経路51は、滑降直進方向D1に向けて下方傾斜して配設した開始側板状部材511によって構成してある。本例の一対の滑降分別部材52は、板状部材からなり、開始側板状部材511と平行に配設してある。本例のUターン滑降経路53は、円盤状部品81における大径部812を当接させてガイドするための円弧状の外周レール部材532と、外周レール部材532の内周側に位置し、円盤状部品81における小径部811を当接させてガイドするための円弧状の内周レール部材531とから構成してある。また、図3に示すごとく、開始側板状部材511の滑降前進側端部には、表向き状態Aの円盤状部品81及び円盤状補助部品82を落下させるための円弧状切欠部513が形成してある。
【0035】
本例の終了側滑降経路54は、滑降後進方向D2に向けて下方傾斜して配設した終了側板状部材541によって構成してある。落下受け板状部材55は、一対の滑降分別部材52の下方であって終了側板状部材541の上方において、滑降後進方向D2に向けて下方傾斜して配設してある。終了側滑降経路54の滑降末端部542には、円盤状部品81及び円盤状補助部品82の滑降位置を決定する位置決め凹部131と、円盤状部品81及び円盤状補助部品82を落下させて部品保持供給部7の上に載置するための部品落下口611が形成してある。
【0036】
図9〜図15に示すごとく、終了側滑降経路54における滑降末端部542には、終了側滑降経路54を滑降した円盤状部品81及び円盤状補助部品82を保持するための保持状態701と、円盤状部品81及び円盤状補助部品82を操作ハンドル4の回動操作を受けて保持台15における被組付対象83へ供給するための供給状態702とを形成可能な部品保持供給部7が配設してある。切出装置1は、操作ハンドル4のみの回動操作によって、部品保持供給部7を保持状態701から供給状態702に変化させ、部品保持供給部7に保持する円盤状部品81を表向き状態Aで保持台15に保持する被組付対象83へ供給するよう構成してある。
【0037】
また、本例の部品保持供給部7は、終了側滑降経路54における滑降末端部542に対向して滑降末端部542から円盤状部品81及び円盤状補助部品82を受け取る引込位置703と、保持台15に保持する被組付対象83に対向してこの被組付対象83へ円盤状部品81及び円盤状補助部品82を供給する引出位置704とにスライド可能である。
本例の部品保持供給部7は、上下方向に回動可能にした左右一対の回動保持アーム71によって構成してある。
【0038】
図6に示すごとく、本例の切出装置1の切出操作部12は、部品保持供給部7を引込位置703と引出位置704との間でスライドさせるよう架台10に配設したスライドベース61と、スライドベース61に配設したスライド架台部62と、スライド架台部62に対して上下に昇降可能な昇降部63と、昇降部63に対して下方に向けて配設し、被組付対象83における組付穴831(組付部位)に対する円盤状部品81及び円盤状補助部品82の落下位置決めを行って、この落下をガイドするための位置決めガイド631とを有している。この位置決めガイド631は、部品保持供給部7に保持する円盤状部品81及び円盤状補助部品82の中心貫通穴810、820内に挿入されるロッドによって構成してある。昇降部63は、スライドベース61に対して立設した昇降ガイドロッド612によって上下方向にガイドされて昇降可能である。
【0039】
図5に示すごとく、スライドベース61は、リニヤガイド14を介して架台10におけるベースプレート13に配設してある。リニヤガイド14は、レール141と、複数のベアリングによる転がり接触によりレール141に対してスライドするスライダー142とによって構成されている。
図6に示すごとく、終了側滑降経路54の滑降末端部542における位置決め凹部131は、架台10におけるベースプレート13に設けてあり、終了側滑降経路54の滑降末端部542における部品落下口611は、スライドベース61に設けてある。
【0040】
部品保持供給部7は、保持状態701においては、上下に重ねた円盤状部品81及び円盤状補助部品82を一対の回動保持アーム71によって保持し、供給状態702においては、一対の回動保持アーム71を互いに離れる開方向に回動させて、上下に重ねた円盤状部品81及び円盤状補助部品82を下方へ落下させるよう構成してある。
図13、図15に示すごとく、一対の回動保持アーム71は、バネ72によって、互いに接近する閉方向に付勢されている。一対の回動保持アーム71は、昇降部63が下降するときには、昇降部63の下降を受けてバネ72の付勢力に抗して開き(保持状態701から供給状態702に変化し)、昇降部63が上昇するときには、バネ72の付勢力を受けて閉じる(供給状態702から保持状態701に変化する)よう構成されている。
また、図4、図13に示すごとく、一対の回動保持アーム71が対向する部分には、これらが閉じた状態(保持状態701)において、昇降部63に配設した位置決めガイド631を挿通させることができる挿通穴711が形成される。
【0041】
図9、図10に示すごとく、操作ハンドル4は、スライド架台部62に設けた回動支点部411を中心に回動可能であり、操作ハンドル4の一対の回動アーム部41には、その長手方向に向けてアームガイド穴412が形成してある。スライド架台部62の左右両側には、スライド架台部62のスライド方向に向けて形成したスライド方向穴部622と、スライド方向穴部622の端部から連続して下方に向けて形成した下方穴部623とからなる架台ガイド穴621が形成してある。昇降部63の左右両側には、架台ガイド穴621とアームガイド穴412とに跨って配置するガイドローラ632が空転可能に設けてある。
【0042】
図2、図3、図9に示すごとく、スライド架台部62には、そのスライド方向に沿って、ストレート状に並ぶ複数の歯面を形成したラック625が配設してある。
切出アーム31は、架台10に対して回動可能に配設してあり、切出アーム31の回動中心を形成する回動軸32には、ラック625と噛合するためのピニオン33が設けてある。
そして、操作ハンドル4の一方側T1への操作を受けて、スライドベース61及びスライド架台部62が引出方向D2(滑降後進方向と同じ方向)にスライドするときには、これに伴ってラック625も引出方向D2へスライドし、ラック625によってピニオン33及び切出アーム31が一方向301へ回動して、第1ストッカー2Aに保管する円盤状部品81の1枚を開始側滑降経路51へ切り出すことができる。一方、操作ハンドル4の他方側T2への操作を受けて、スライドベース61及びスライド架台部62が引込方向D1(滑降前進方向と同じ方向)にスライドするときには、これに伴ってラック625も引込方向D1へスライドし、ラック625によってピニオン33及び切出アーム31が他方向302へ回動して、第2ストッカー2Bに保管する円盤状補助部品82の1枚を開始側滑降経路51へ切り出すことができる。
【0043】
本例の切出操作部12の主な動作は次のようになる。
図9に示すごとく、部品保持供給部7が引込位置703に位置する切出装置1の原位置においては、ガイドローラ632が、アームガイド穴412の回動支点側端部に位置すると共に、架台ガイド穴621のスライド方向穴部622の引込側端部に位置する。また、この状態においては、操作ハンドル4が斜め上方を向いている。そして、図10、図11に示すごとく、操作ハンドル4を一方側T1としての下方へ回動させると、ガイドローラ632がアームガイド穴412に沿って転がると共にスライド方向穴部622に沿って転がることにより、スライドベース61、スライド架台部62、昇降部63及び位置決めガイド631の全体が引出方向D2にスライドする。
【0044】
次いで、図10に示すごとく、ガイドローラ632がスライド方向穴部622の引出側端部まで移動したときには、操作ハンドル4をさらに一方側T1としての下方へ回動させると、ガイドローラ632が操作ハンドル4の回動アーム部41に押される。そして、図12に示すごとく、ガイドローラ632が架台ガイド穴621の下方穴部623の下方へ移動することによって、昇降部63が下降し、昇降部63に設けた位置決めガイド631が、保持台15に保持する被組付対象83の組付穴831へ下降する。
【0045】
次いで、図12、図13に示すごとく、さらに操作ハンドル4を一方側T1としての下方へ回動させると、昇降部63が部品保持供給部7における一対の回動保持アーム71における上側のアーム部に当接する。このとき、図14、図15に示すごとく、一対の回動保持アーム71がバネ72の付勢力に抗して開き(保持状態701から供給状態702に変化し)、一対の回動保持アーム71に保持した円盤状部品81及び円盤状補助部品82が、位置決めガイド631によって落下をガイドされた状態で、保持部に保持する被組付対象83の組付穴831に落下供給される。
【0046】
次に、本例の切出装置1において、円盤状部品81及び円盤状補助部品82を1枚ずつ切り出し、被組付対象83に供給する(組み付ける)方法について説明する。
被組付対象83への円盤状部品81及び円盤状補助部品82の供給を行うに当たっては、作業者は、図1に示すごとく、操作ハンドル4を一方側T1としての下方へ回動させる。このとき、スライドベース61、スライド架台部62、ラック625等のスライドを受けて、ピニオン33及び切出アーム31が一方向301へ回動し、切出アーム31の第1切出用凹部311によって第1ストッカー2Aから第1の円盤状部品81が開始側滑降経路51へ切り出される。
【0047】
このとき、第1の円盤状部品81は、開始側滑降経路51を滑降すると共に、一対の滑降分別部材52へと滑降する。そして、図6、図16に示すごとく、この第1の円盤状部品81が表向き状態Aである場合には、その大径部812が一対の滑降分別部材52における凹部523内に挿入され、開始側滑降経路51を通過したときに、一対の滑降分別部材52同士の間を落下する。そして、この第1の円盤状部品81は、落下受け板状部材55の上を滑降し、表向き状態Aを維持したまま落下受け板状部材55から終了側滑降経路54へ滑降する。
その後、この第1の円盤状部品81は、終了側滑降経路54における滑降末端部542において、位置決め凹部131によって滑降が停止され、スライドベース61における部品落下口611を介して部品保持供給部7における一対の回動保持アーム71の上に、表向き状態Aのままで落下し保持される。
【0048】
一方、図7、図17に示すごとく、第1ストッカー2Aから開始側滑降経路51へ切り出された第1の円盤状部品81が裏向き状態Bである場合には、その大径部812が一対の滑降分別部材52における鍔部522の上面525に掛止され、開始側滑降経路51を通過したときには、一対の滑降分別部材52に支持された状態で直進する。そして、この第1の円盤状部品81は、Uターン滑降経路53(外周レール部材532と内周レール部材531との間)を滑降するときに表向き状態Aに反転し、この状態を維持して終了側滑降経路54へ滑降する。そして、この第1の円盤状部品81は、上記と同様に、部品保持供給部7における一対の回動保持アーム71の上に、表向き状態Aのままで落下し保持される。
【0049】
このように、本例の切出装置1においては、ストッカー2に裏向き状態Bで円盤状部品81が保管されている場合であっても、この円盤状部品81を簡単かつ迅速に表向き状態Aに反転させることができる。つまり、本例の切出装置1によれば、簡単かつ迅速に、円盤状部品81の表裏の向きの分別と表裏の向きの修正とを行うことができる。
【0050】
次いで、図1、図3に示すごとく、作業者は、操作ハンドル4を他方側T2としての上方へ回動させる。このとき、このとき、スライドベース61、スライド架台部62、ラック625等のスライドを受けて、ピニオン33及び切出アーム31が他方向302へ回動し、切出アーム31の第2切出用凹部312によって第2ストッカー2Bから第1の円盤状補助部品82が開始側滑降経路51へ切り出される。
【0051】
このとき、図8、図18に示すごとく、第1の円盤状補助部品82は、開始側滑降経路51を滑降すると共に、一対の滑降分別部材52へと滑降する。そして、この第1の円盤状補助部品82は、一対の滑降分別部材52における凹部523内に挿入され、開始側滑降経路51を通過したときに、一対の滑降分別部材52同士の間を落下する。そして、この第1の円盤状補助部品82は、落下受け板状部材55の上を滑降し、落下受け板状部材55から終了側滑降経路54へ滑降する。
そして、この第1の円盤状補助部品82は、終了側滑降経路54における滑降末端部542において、位置決め凹部131によって滑降が停止され、スライドベース61における部品落下口611内を落下し、部品保持供給部7における一対の回動保持アーム71の上における表向き状態Aの第1の円盤状部品81の上に積み重なる。
【0052】
なお、操作ハンドル4の一方側T1及び他方側T2への最初の回動操作においては、1セットの円盤状部品81及び円盤状補助部品82(第1の円盤状部品81及び第1の円盤状補助部品82として示した。)を部品保持供給部7に保持させることを目的とする。そのため、操作ハンドル4は、第1の円盤状部品81又は第1の円盤状補助部品82が切り出される一方側T1又は他方側T2の位置まで回動させる。
また、保持台15には被組付対象83を予め保持させておく。
【0053】
次いで、作業者は、操作ハンドル4を再び一方側T1としての下方へ回動させる。このとき、上記と同様にして、第1ストッカー2Aにおける最下段に位置する第2の円盤状部品81が開始側滑降経路51へと切り出される。そして、第1ストッカー2Aから切り出された第2の円盤状部品81は、表向き状態Aである場合には、その表向き状態Aを維持して、開始側滑降経路51、一対の滑降分別部材52、落下受け板状部材55を経由し、終了側滑降経路54の滑降末端部542まで滑降する。また、図10に示すごとく、スライドベース61が引出方向D2へスライドしたことにより、ベースプレート13における位置決め凹部131の下方には、部品落下口611ではなくスライドベース61の上面部613が位置する。これにより、第2の円盤状部品81は、表向き状態Aを維持して位置決め凹部131内に保持される。
一方、第1ストッカー2Aから切り出された第2の円盤状部品81は、裏向き状態Bである場合には、開始側滑降経路51、一対の滑降分別部材52、Uターン滑降経路53を経由する際に表向き状態Aに反転され、終了側滑降経路54の滑降末端部542まで滑降する。そして、上記と同様に、第2の円盤状部品81は、表向き状態Aを維持して位置決め凹部131内に保持される。
【0054】
また、図10、図11に示すごとく、作業者が操作ハンドル4を再び一方側T1としての下方へ回動させるときには、スライドベース61の引出方向D2へのスライドによって、第1の円盤状部品81及び第1の円盤状補助部品82を保持する部品保持供給部7が引出位置704まで引き出される。そして、部品保持供給部7の引出位置704においては、位置決めガイド631が保持台15に保持する被組付対象83における組付穴831の上方に対向する。
【0055】
そして、図12、図13に示すごとく、作業者が操作ハンドル4をさらに一方側T1としての下方へ回動させるときには、操作ハンドル4による回動操作を受けて、ガイドローラ632が下方穴部623の下方へ移動することにより、昇降部63及び位置決めガイド631が下降する。このとき、位置決めガイド631が、部品保持供給部7に保持する第1の円盤状部品81の中心貫通穴810内及び第1の円盤状補助部品82の中心貫通穴820内に挿入され、この状態で被組付対象83における組付穴831内に下降する。そして、第1の円盤状部品81及び第1の円盤状補助部品82が組付穴831内に供給されるための案内路が形成される。
【0056】
次いで、図14、図15に示すごとく、作業者が操作ハンドル4をさらに一方側T1としての下方へ回動させるときには、昇降部63が部品保持供給部7における一対の回動保持アーム71における上側アーム部712に当接する。そして、昇降部63の下降移動を受けて、一対の回動保持アーム71がバネ72の付勢力に抗して開き(保持状態701から供給状態702に変化し)、表向き状態Aの第1の円盤状部品81及び第1の円盤状補助部品82が、位置決めガイド631を通って被組付対象83における組付穴831に供給される。
こうして、本例の切出装置1によれば、円盤状部品81を常に表向き状態Aで被組付対象83へ供給すると共に、円盤状補助部品82も同時に供給することができる。
【0057】
次いで、作業者は、操作ハンドル4を再び他方側T2としての上方へ回動させる。このとき、バネ72の付勢力によって一対の回動保持アーム71が元の閉位置に戻り(供給状態702から保持状態701に変化し)、操作ハンドル4の回動操作を受けて昇降部63が上昇する。そして、昇降部63の上昇によって被組付対象83における組付穴831から位置決めガイド631が抜き出される。
そして、作業者が操作ハンドル4をさらに他方側T2としての上方へ回動させると、ガイドローラ632が下方穴部623の上端位置まで移動し、操作ハンドル4の回動を受けてスライドベース61が引込方向(戻り方向)D1へスライドする。
【0058】
そして、スライドベース61に配設した部品保持供給部7が引込位置703に近づくと、スライドベース61と共にスライドするスライド架台部62に配設したラック625が、切出アーム31における回動軸32に設けたピニオン33と噛合し、ピニオン33が他方向302へ回転する。これにより、切出アーム31が他方向302へ回動し、第2ストッカー2Bにおける最下段に位置する第2の円盤状補助部品82が開始側滑降経路51へと切り出される。
そして、上記と同様にして、第2ストッカー2Bから切り出された第2の円盤状補助部品82は、開始側滑降経路51、一対の滑降分別部材52、落下受け板状部材55を経由し、終了側滑降経路54の滑降末端部542まで滑降する。これにより、ベースプレート13における位置決め凹部131に保持された表向き状態Aの円盤状部品81の上に、円盤状補助部品82が積み重ねられる。
【0059】
次いで、部品供給保持部が引込位置703に移動するまでスライドベース61が引込方向D1へスライドすると、位置決め凹部131の下方にスライドベース61の部品落下口611が位置する。これにより、表向き状態Aの第2の円盤状部品81と第2の円盤状補助部品82とが、部品落下口611内を通って、引込位置703まで戻った部品保持供給部7における一対の回動保持アーム71の上に落下し保持される。
こうして、以降同様に、作業者が操作ハンドル4を一方側T1及び他方側T2へ交互に回動させることにより、保持台15に順次保持する被組付対象83へ表向き状態Aの円盤状補助部品82と円盤状部品81とを繰り返し供給することができる。
【0060】
このように、本例の切出装置1においては、作業者によるハンドル操作のみによって、繰り返し円盤状部品81及び円盤状補助部品82を被組付対象83に組み付けることができる。そのため、電気制御、空気圧制御等を行うアクチュエータを用いることなく、簡単な機械的構成によって、円盤状部品81の表裏判別及び表裏の修正を行うことができる切出装置1を実現することができる。
また、本例の切出装置1によれば、例えば、円盤状部品81が裏向き状態Bで組み付けられたり、円盤状部品81と円盤状補助部品82の上下の位置関係が反対になったりする組付不良をなくすことができる。これにより、作業者は、円盤状部品81の表裏を意識することなく、多数の円盤状部品81を第1ストッカー2Aにセットする(配置する)ことができる。
【0061】
それ故、本例の円盤状部品81の切出装置1によれば、簡単かつ迅速に、円盤状部品81の表裏の向きの分別と表裏の向きの修正とを行うことができ、常に表向き状態Aの円盤状部品81を被組付対象83へ供給することができる。そして、円盤状部品81及び円盤状補助部品82の組付不良をなくし、その組付の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例における、円盤状部品の切出装置の全体を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図2】実施例における、円盤状部品の切出装置の全体を、正面から見た状態で示す断面説明図。
【図3】実施例における、切出手段及び開始側滑降経路の周辺を、上方から見た状態で示す断面説明図。
【図4】実施例における、部品保持供給部及び終了側滑降経路の周辺を、上方から見た状態で示す断面説明図。
【図5】実施例における、部品保持供給部及びスライドベースの周辺を、上方から見た状態で示す断面説明図。
【図6】実施例における、表向き状態の円盤状部品を滑降させる各滑降経路の周辺を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図7】実施例における、裏向き状態の円盤状部品を滑降させる各滑降経路の周辺を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図8】実施例における、円盤状補助部品を滑降させる各滑降経路の周辺を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図9】実施例における、部品保持供給部が引込位置にある状態の円盤状部品の切出装置を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図10】実施例における、部品保持供給部が引出位置にある状態の円盤状部品の切出装置を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図11】実施例における、部品保持供給部が引出位置にある状態の円盤状部品の切出装置を、上方から見た状態で示す説明図。
【図12】実施例における、位置決めガイドを被組付対象の組付穴に下降させた状態の円盤状部品の切出装置を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図13】実施例における、位置決めガイドを被組付対象の組付穴に下降させた状態の円盤状部品の切出装置を、正面から見た状態で示す断面説明図。
【図14】実施例における、円盤状部品及び円盤状補助部品を被組付対象の組付穴に供給した状態の円盤状部品の切出装置を、左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図15】実施例における、円盤状部品及び円盤状補助部品を被組付対象の組付穴に供給した状態の円盤状部品の切出装置を、正面から見た状態で示す断面説明図。
【図16】実施例における、表向き状態の円盤状部品を、開始側滑降経路から一対の滑降分別部材へ滑降させる状態を示す断面説明図。
【図17】実施例における、裏向き状態の円盤状部品を、開始側滑降経路から一対の滑降分別部材へ滑降させる状態を示す断面説明図。
【図18】実施例における、円盤状補助部品を、開始側滑降経路から一対の滑降分別部材へ滑降させる状態を示す断面説明図。
【図19】実施例における、円盤状部品及び円盤状補助部品を示す斜視説明図。
【符号の説明】
【0063】
1 切出装置
15 保持台
2A 第1ストッカー
2B 第2ストッカー
3 切出手段
31 切出アーム
32 回動軸
33 ピニオン
4 操作ハンドル
41 回動アーム部
42 把持部
51 開始側滑降経路
52 一対の滑降分別部材
522 鍔部
523 凹部
53 Uターン滑降経路
531 内周レール部材
532 外周レール部材
54 終了側滑降経路
542 滑降末端部
55 落下受け板状部材
7 部品保持供給部
71 回動保持アーム
80 スラスト用軸受
81 円盤状部品
811 小径部
812 大径部
82 円盤状補助部品
83 被組付対象
A 表向き状態
B 裏向き状態
D1 滑降直進方向
D2 滑降後進方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面側に小径部を有すると共に他方面側に該小径部よりも厚みが小さいと共に直径が大きい大径部を有する円盤状部品を複数枚重ねて保管し、該複数枚の円盤状部品から1枚ずつ円盤状部品を切り出すよう構成した円盤状部品の切出装置であって、
該切出装置は、上記円盤状部品を複数枚積み重ねて保管するためのストッカーと、
該ストッカーから1枚ずつ円盤状部品を切り出すための切出手段と、
上記ストッカーから切り出された上記円盤状部品を滑降直進方向へ滑降させるための開始側滑降経路と、
該開始側滑降経路に対する下流側において、該開始側滑降経路を滑降する上記円盤状部品の左右両側に位置して、該円盤状部品を直進させるか落下させるかの分別をするための一対の滑降分別部材と、
該一対の滑降分別部材に対する滑降直進方向の下流側に位置し、該一対の滑降分別部材を直進した円盤状部品をUターンさせて、滑降後進方向へ滑降させるためのUターン滑降経路と、
該Uターン滑降経路から滑降する円盤状部品と、上記一対の滑降分別部材から落下した円盤状部品との両者を、滑降後進方向へ滑降させるための終了側滑降経路とを有しており、
上記一対の滑降分別部材は、互いに対向する対向面において、滑降直進方向に直交する横断面の上側部分に鍔部を有すると共に、上記横断面の下側部分に上記鍔部よりも窪んだ凹部を有しており、
上記鍔部は、上記対向面同士の間に上記小径部の直径よりも大きくかつ上記大径部の直径よりも小さな間隔を形成しており、上記凹部は、上記対向面同士の間に上記大径部の直径よりも大きな間隔を形成しており、
上記大径部の厚みをt1、上記小径部の厚みをt2とし、上記開始側滑降経路の滑降上面から上記鍔部の下面までの上記凹部高さをA1、上記開始側滑降経路の滑降上面から上記鍔部の上面までの鍔部高さをA2としたとき、t1<A1、t2>A2の関係を有しており、
上記ストッカーに保管された複数枚の円盤状部品において、上記小径部が上側を向く状態の円盤状部品を表向き状態とし、上記小径部が下側を向く状態の円盤状部品を裏向き状態としたとき、上記表向き状態の円盤状部品は、上記開始側滑降経路を滑降した後、上記一対の滑降分別部材の間を落下して、当該表向き状態を維持したまま上記終了側滑降経路へ滑降させ、一方、上記裏向き状態の円盤状部品は、上記開始側滑降経路を滑降した後、上記一対の滑降分別部材を直進し、上記Uターン滑降経路を滑降するときに上記表向き状態に反転した後、上記終了側滑降経路へ滑降させるよう構成したことを特徴とする円盤状部品の切出装置。
【請求項2】
請求項1において、上記開始側滑降経路は、滑降直進方向に向けて下方傾斜して配設した開始側板状部材によって構成してあり、
上記一対の滑降分別部材は、上記開始側板状部材と平行に配設してあり、
上記Uターン滑降経路は、上記円盤状部品における上記大径部を当接させてガイドするための円弧状の外周レール部材と、該外周レール部材の内周側に位置し、上記円盤状部品における上記小径部を当接させてガイドするための円弧状の内周レール部材とから構成してあり、
上記終了側滑降経路は、滑降後進方向に向けて下方傾斜して配設した終了側板状部材によって構成してあり、
上記一対の滑降分別部材の下方であって上記終了側板状部材の上方には、滑降後進方向に向けて下方傾斜して配設した落下受け板状部材が配設してあり、
上記開始側板状部材の上を滑降し、上記一対の滑降分別部材の間を落下する上記表向き状態の円盤状部品は、上記落下受け板状部材の上に落下させ、該落下受け板状部材の上を滑降させて上記終了側板状部材の上へ導き、一方、上記開始側板状部材の上を滑降し、上記一対の滑降分別部材の上を直進して滑降する上記裏向き状態の円盤状部品は、上記外周レール部材と上記内周レール部材とによってガイドして上記表向き状態に反転させた後、上記終了側板状部材の上へ導くよう構成したことを特徴とする円盤状部品の切出装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記切出装置は、上記円盤状部品を組み付けるための被組付対象を保持するための保持台を有しており、
上記切出手段は、作業者によって回動操作するための操作ハンドルと、該操作ハンドルの回動操作を受けて上記ストッカーから1枚の円盤状部品を切り出す切出アームとを用いて構成してあり、
上記終了側滑降経路における滑降末端部には、該終了側滑降経路を滑降した円盤状部品を保持するための保持状態と、当該円盤状部品を上記操作ハンドルの回動操作を受けて上記保持台における被組付対象へ供給するための供給状態とを形成可能な部品保持供給部が配設してあり、
上記操作ハンドルのみの回動操作によって、上記部品保持供給部を上記保持状態から上記供給状態に変化させ、当該部品保持供給部に保持する円盤状部品を表向き状態で上記保持台における被組付対象へ供給するよう構成したことを特徴とする円盤状部品の切出装置。
【請求項4】
請求項3において、上記ストッカーは、上記円盤状部品を複数枚積み重ねて保管する第1ストッカーと、上記被組付対象へ組み付ける際に上記円盤状部品に対向配置する円盤状補助部品を複数枚積み重ねて保管する第2ストッカーとからなり、
上記円盤状補助部品は、表裏対称の形状を有していると共に、その厚みt3が上記凹部高さA1よりも小さくなっており、
上記切出アームは、上記操作ハンドルを一方側へ回動させると、上記第1ストッカーから1枚の円盤状部品を上記開始側滑降経路へ切り出し、上記操作ハンドルを他方側へ回動させると、上記第2ストッカーから1枚の円盤状補助部品を上記開始側滑降経路へ切り出すよう構成してあり、
上記操作ハンドルを一方側へ回動させ、上記第1ストッカーから切り出した円盤状部品を、上記終了側滑降経路における滑降末端部まで滑降させて上記部品保持供給部に保持した後、上記操作ハンドルを他方側へ回動させ、上記第2ストッカーから切り出した円盤状補助部品を、上記一対の滑降分別部材の間を落下させ、上記終了側滑降経路における滑降末端部まで滑降させて、上記部品保持供給部における上記表向き状態の円盤状部品の上に積み重ねて保持するよう構成したことを特徴とする円盤状部品の切出装置。
【請求項5】
請求項4において、上記部品保持供給部は、上記終了側滑降経路における滑降末端部に対向して該滑降末端部から上記円盤状部品及び上記円盤状補助部品を受け取る引込位置と、上記保持台に保持する被組付対象に対向して該被組付対象へ上記円盤状部品及び上記円盤状補助部品を供給する引出位置とにスライド可能であり、
上記操作ハンドルを一方側へ回動させたときには、上記切出アームによって上記第1ストッカーから1枚の円盤状部品を上記開始側滑降経路へ切り出すと共に、上記部品保持供給部を上記引出位置へスライドさせ、一方、上記操作ハンドルを他方側へ回動させたときには、上記部品保持供給部を上記引込位置へスライドさせると共に、上記切出アームによって上記第2ストッカーから1枚の円盤状補助部品を上記開始側滑降経路へ切り出すよう構成してあり、
上記操作ハンドルを一方側へ回動させて、上記切出アームによって上記第1ストッカーから切り出した第1の円盤状部品を上記表向き状態で上記部品保持供給部に保持し、次いで、上記操作ハンドルを他方側へ回動させて、上記切出アームによって上記第2ストッカーから切り出した第2の円盤状補助部品を上記部品保持供給部における上記表向き状態の第1の円盤状部品の上に積み重ね、
次いで、上記操作ハンドルを再び一方側へ回動させることにより、上記切出アームによって上記第1ストッカーから切り出した第2の円盤状部品を上記表向き状態にして上記滑降末端部まで滑降させると共に、上記表向き状態の第1の円盤状補助部品と上記第1の円盤状部品とを保持した上記部品保持供給部を上記引出位置へスライドさせた後、上記操作ハンドルをさらに継続して一方側へ回動させることにより、上記部品保持供給部を上記保持状態から上記供給状態へ変化させて、当該部品保持供給部に保持する上記表向き状態の第1の円盤状補助部品と上記第1の円盤状部品とを上記保持台に保持する被組付対象へ供給し、
次いで、上記操作ハンドルを再び他方側へ回動させることにより、上記切出アームによって上記第2ストッカーから切り出した第2の円盤状補助部品を上記部品保持供給部における上記表向き状態の第2の円盤状部品の上に積み重ね、
以降同様に、上記操作ハンドルを一方側及び他方側へ交互に回動させることにより、上記保持台に順次保持する被組付対象へ上記表向き状態の円盤状補助部品と上記円盤状部品とを繰り返し供給することができるよう構成したことを特徴とする円盤状部品の切出装置。
【請求項6】
請求項4又は5において、上記円盤状部品は、複数個のベアリングを保持してなるベアリング部材であり、
上記円盤状補助部品は、上記ベアリング部材における複数個のベアリングと対向するレース部材であることを特徴とする円盤状部品の切出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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