説明

円筒体の円周寸法測定装置および円周寸法測定方法

【課題】円筒体の円周寸法(外周長)を簡単な方法でかつ精度良く測定することができ、このような測定作業の効率を向上させることができる円筒体の円周寸法測定装置および円周寸法測定方法を提供する。
【解決手段】円筒体の円周寸法測定装置10は、印刷用ロール50の外周面にそれぞれ当接されるべき2つの平面14を有し、これらの2つの平面14が所定の角度θをなして配置される本体部12と、印刷用ロール50の軸方向に直交する平面において本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yを測定する距離測定部20と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒体の円周寸法(外周長)を測定するための円周寸法測定装置および円周寸法測定方法に関する。円筒体は、各種機械の駆動軸や、グラビア印刷機等の印刷機の版胴、圧胴、ガイドロール等の印刷用ロールに用いられている。
【背景技術】
【0002】
グラビア印刷機等の印刷機において、印刷物の品質を維持するために、版胴、圧胴、ガイドロール等の印刷用ロールの円周寸法(外周長)を精度良く測定することが必要である。従来から、このような印刷用ロールの円周寸法の測定を行うにあたりマイクロメーターが使用されていた。しかしながら、このようなマイクロメーターでは、測定分解能が低く、また、測定者の技量の個人差により測定誤差が発生するおそれがあった。より詳細には、マイクロメーターの測定分解能は10μmと比較的大きく、印刷用ロールの円周寸法(外周長)を精度良く測定することができないとう問題がある。また、印刷用ロールに対するマイクロメーターの当て方や目盛りの読み取り方法に習熟を要し、測定誤差が発生しやすいという問題がある。このため、マイクロメーターにより印刷用ロールの円周寸法を測定した場合、±60μm程度の測定のばらつきが生じてしまう。また、測定対象となる印刷用ロールの外周面が周方向において半周以上露出した状態でないとマイクロメーターにより印刷用ロールの円周寸法を測定することができないため、印刷用ロールを印刷機に組み付けた状態では印刷用ロールの円周寸法を測定できない場合がある。この場合には印刷用ロールを一度印刷機から取り外して測定を行う必要があり、余分な時間がかかってしまうという問題がある。
【0003】
また、印刷用ロールの円周寸法を測定するにあたり、特許文献1、2等に開示されるような専用の測定機を用い、3点法により印刷用ロールの円周寸法を測定する方法がある。このような方法では、測定分解能、測定ばらつき共に良好であるが、専用の測定機に印刷用ロールを組み付けた状態でしか印刷用ロールの円周寸法を測定することができず、また、測定時間も長いため、日常的に印刷用ロールの円周寸法を測定するのに不向きであるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4242519号
【特許文献2】特開2006−266910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、円筒体の円周寸法(外周長)を簡単な方法でかつ精度良く測定することができ、このような測定作業の効率を向上させることができる円筒体の円周寸法測定装置および円周寸法測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、円筒体の外周面にそれぞれ当接されるべき2つの平面を有し、これらの2つの平面が所定の角度をなして配置される本体部と、円筒体の軸方向に直交する平面において前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離を測定する距離測定部と、を備えたことを特徴とする円筒体の円周寸法測定装置である。
【0007】
このような円筒体の円周寸法測定装置によれば、本体部の2つの平面を円筒体に当接させるだけで円筒体の円周寸法を算出でき、しかも、本体部の2つの平面が円筒体に当接する箇所は当該円筒体の外周面の半周以下の領域となるので(すなわち、円筒体の外周面の周方向における半分以上の領域は本体部の平面に接触することはないので)、印刷機に取り付けられた印刷用ロール等の円筒体についてその外周面の一部しか露出していない場合でも、本発明の円周寸法測定装置により当該円筒体の円周寸法を測定することができるようになる。このため、印刷用ロール等の円筒体を印刷機から取り外す手間を省くことができ、測定作業の効率を向上させることができる。
【0008】
本発明の円筒体の円周寸法測定装置は、前記本体部の2つの平面の間の角度と、前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離とに基づいて、円筒体の半径を算出し、この円筒体の半径に基づいて円筒体の円周寸法を算出する演算部を更に備えていてもよい。
【0009】
本発明の円筒体の円周寸法測定装置においては、円筒体の軸方向に直交する平面において前記本体部の2つの平面はV字形状をなすよう配置されていてもよい。
【0010】
本発明の円筒体の円周寸法測定装置においては、前記距離測定部はマイクロゲージであってもよい。
【0011】
本発明は、上述のような円筒体の円周寸法測定装置を用いた円筒体の円周寸法測定方法であって、円周寸法が測定されるべき円筒体の外周面に、前記本体部の2つの平面をそれぞれ当接させる工程と、前記距離測定部により、円筒体の軸方向に直交する平面において前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離を測定する工程と、前記本体部の2つの平面の間の角度と、前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離とに基づいて、円筒体の半径を算出し、この円筒体の半径に基づいて円筒体の円周寸法を算出する工程と、を備えたことを特徴とする円筒体の円周寸法測定方法である。
【0012】
このような円筒体の円周寸法測定方法によれば、本体部の2つの平面を円筒体に当接させるだけで円筒体の円周寸法を算出でき、しかも、本体部の2つの平面が円筒体に当接する箇所は当該円筒体の外周面の半周以下の領域となるので(すなわち、円筒体の外周面の周方向における半分以上の領域は本体部の平面に接触することはないので)、印刷機に取り付けられた印刷用ロール等の円筒体についてその外周面の一部しか露出していない場合でも、本発明の円周寸法測定方法により当該円筒体の円周寸法を測定することができるようになる。このため、印刷用ロール等の円筒体を印刷機から取り外す手間を省くことができ、測定作業の効率を向上させることができる。
【0013】
本発明の円筒体の円周寸法測定方法においては、円筒体の半径は、以下の式により算出されるようになっている。
X=(Y×cos(90°−θ/2))/(1−cos(90°−θ/2))
X:円筒体の半径
Y:前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの間の最短距離
θ:前記本体部の2つの平面の間の角度
【発明の効果】
【0014】
本発明の円筒体の円周寸法測定装置および円周寸法測定方法によれば、円筒体の円周寸法(外周長)を簡単な方法でかつ精度良く測定することができ、このような測定作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態による円周寸法測定装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す円周寸法測定装置を用いて印刷用ロール(円筒体)の円周寸法(外周長)を測定する方法を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は、本実施の形態に係る印刷用ロール(円筒体)の円周寸法測定装置および円周寸法測定方法を示す図である。より詳細には、図1は、本実施の形態による円周寸法測定装置の構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す円周寸法測定装置を用いて印刷用ロールの円周寸法(外周長)を測定する方法を説明するための概略構成図である。
【0017】
図1および図2に示すように、本実施の形態の円周寸法測定装置10は、逆V字形状の治具からなる本体部12と、本体部12に取り付けられた距離測定部20とを備えている。ここで、本体部12は、グラビア印刷機等の印刷機に用いられる版胴、圧胴、ガイドロール等の印刷用ロール50(図2参照)の外周面にそれぞれ当接されるべき2つの平面14を有している。図2に示すように、これらの2つの平面14は、所定の角度θをなして配置されている。このように、本体部12の2つの平面14は、印刷用ロール50の軸方向に直交する平面(すなわち、図2の紙面と平行な平面)においてV字形状をなすよう配置されている。
【0018】
本体部12は、印刷用ロール50の外周面を傷つけず、かつ印刷用ロール50の温度による変形等の影響を防ぐため、その材質はアルミニウムまたはセラミック素材となっており、本体部12の軽量化や熱膨張防止を図るようになっている。
【0019】
また、図1および図2に示すように、本体部12には例えばマイクロゲージからなる距離測定部20が取り付けられている。この距離測定部20には棒状の測定子22が設けられており、当該測定子22は距離測定部20から下方に延びるようになっている。この測定子22は上下方向に移動自在となっており、当該測定子22の先端部分は平面形状となっている。このことにより、マイクロゲージの軸ずれによる誤差を極小化することができるようになっている。このような測定子22を有するマイクロゲージからなる距離測定部20の測定分解能は例えば1μmとなっている。
【0020】
図2に示すように測定子22が印刷用ロール50の外周面に当接したときに、距離測定部20は本体部12の2つの平面14の交点Pから測定子22の先端部分までの距離Yを測定するようになっている。ここで、図2に示すように印刷用ロール50の外周面に本体部12の2つの平面14がそれぞれ当接したときに、本体部12の2つの平面14の交点Pから測定子22の先端部分までの距離Yは、この交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離と等しい大きさとなる。このようにして、距離測定部20は、印刷用ロール50の軸方向に直交する平面(すなわち、図2の紙面と平行な平面)において本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離を測定するようになっている。また、距離測定部20には表示部20aが設けられており、表示部20aには、後述する演算部30により算出される、印刷用ロール50の円周寸法が表示されるようになっている。
【0021】
図1および図2に示すように、距離測定部20には演算部30が設けられている。この演算部30は、本体部12の2つの平面14の間の角度θと、本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yとに基づいて、印刷用ロール50の半径Xを算出し、この印刷用ロール50の半径Xに基づいて印刷用ロールの円周寸法Zを算出するようになっている。演算部30による印刷用ロール50の半径Xおよび円周寸法Zの算出方法について以下に詳述する。
【0022】
図2に示すように印刷用ロール50の軸(中心)を符号Oで表示するとともに印刷用ロール50の外周面と本体部12の平面14との接点を符号Qで表示すると、図2において直線OQと平面14とのなす角度は90°となるので、直角三角形OPQにおいて以下の式(1)が成り立つようになる。
(X+Y)×cosA=X ・・・式(1)
式(1)より、印刷用ロール50の半径Xについて以下の式(2)が導き出される。
X=(Y×cosA)/(1−cosA) ・・・式(2)
また、図2において直線OQと平面14とのなす角度が90°であるため、角度θと角度Aとの間には以下の式(3)が成り立つようになる。
A=90°−θ/2 ・・・式(3)
式(3)による角度Aを式(2)に代入すると、以下の式(4)が導き出される。
X=(Y×cos(90°−θ/2))/(1−cos(90°−θ/2)) ・・・式(4)
式(4)により、本体部12の2つの平面14の間の角度θと、本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yとに基づいて、印刷用ロール50の半径Xを算出することができることがわかる。また、印刷用ロール50の半径Xが算出されると、印刷用ロール50の円周寸法(外周長)Zは以下の式(5)により算出される。
Z=2×π×X ・・・式(5)
このようにして、演算部30は、本体部12の2つの平面14の間の角度θと、本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yとに基づいて、印刷用ロール50の半径Xを算出し、この印刷用ロール50の半径Xに基づいて印刷用ロール50の円周寸法Zを算出する。算出された印刷用ロール50の円周寸法Zは、距離測定部20の表示部20aに表示される。
【0023】
なお、本発明による印刷用ロールの円周寸法測定装置においては、上述のような演算部30の設置を省略することもできる。この場合には、距離測定部20の表示部20aには、当該距離測定部20により測定された、本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yが表示される。そして、操作者は、本体部12の2つの平面14の間の角度θと、本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yとに基づいて、上記式(4)を参照して手動で印刷用ロール50の半径Xを算出し、さらに上記式(5)を参照して手動で印刷用ロール50の円周寸法Zを算出する。
【0024】
次に、このような構成からなる円周寸法測定装置10の動作、具体的には印刷用ロール50の円周寸法測定方法について説明する。
【0025】
まず、図2に示すように、円周寸法が測定されるべき印刷用ロール50の外周面に、円周寸法測定装置10の本体部12の2つの平面14をそれぞれ当接させる。次に、マイクロゲージからなる距離測定部20により、印刷用ロール50の軸方向に直交する平面(すなわち、図2の紙面と平行な平面)において本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yを測定する。より具体的には、円周寸法測定装置10の本体部12の2つの平面14を印刷用ロール50にそれぞれ当接させた後、距離測定部20の測定子22を印刷用ロール50の外周面に当接するまで下方に伸ばし、測定子22が印刷用ロール50の外周面に当接したときに、この測定子22の先端部分と本体部12の2つの平面14の交点Pとの間の距離を最短距離Yとする。
【0026】
次に、本体部12の2つの平面14の間の角度θと、本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yとに基づいて、印刷用ロール50の半径Xを算出し、この印刷用ロール50の半径Xに基づいて印刷用ロール50の円周寸法Zを算出する。このような算出は、演算部30により行われてもよいし、あるいは操作者により手動で行われてもよい。
【0027】
以上のように本実施の形態の円筒体の円周寸法測定装置および円周寸法測定方法によれば、印刷用ロール50の軸方向に直交する平面(すなわち、図2の紙面と平行な平面)において本体部12の2つの平面14の交点Pから印刷用ロール50の外周面までの最短距離Yを測定し、この最短距離Yに基づいて印刷用ロール50の円周寸法Zを算出するようになっている。このように、円周寸法測定装置10の本体部12の2つの平面14を印刷用ロール50に当接させるだけで印刷用ロール50の円周寸法Zを算出でき、しかも、図2に示すように本体部12の2つの平面14が印刷用ロール50に当接する箇所は当該印刷用ロール50の外周面の半周以下の領域となるので(すなわち、図2において印刷用ロール50の下半分の外周面は本体部12の平面14に接触することがないので)、印刷機に取り付けられた印刷用ロール50についてその外周面の一部しか露出していない場合でも、本発明の円周寸法測定装置10および円周寸法測定方法により当該印刷用ロール50の円周寸法を測定することができるようになる。このため、印刷用ロール50を印刷機から取り外す手間を省くことができ、測定作業の効率を向上させることができる。
【0028】
また、距離測定部20としてマイクロゲージを用いた場合には、このようなマイクロゲージの測定分解能は例えば1μmであるため、従来のようなマイクロメーターを用いた場合と比較して、印刷用ロール50の円周寸法を精度良く測定することができるようになる。
【0029】
なお、本発明による円周寸法測定装置および円周寸法測定方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、距離測定部20として、マイクロゲージ以外の計測機器を用いてもよい。
【0030】
また、本体部12が2つの板状部分に分離されており、分離された2つの板状部分が接続部により接続されるようになっていてもよい。この場合、分離された2つの板状部分の各々の表面が印刷用ロール50の外周面に当接するようになる。また、この際に、分離された2つの板状部分のなす角度を調整することができるようになっていてもよい。このときには、印刷用ロール50の外周面に当接する2つの板状部分の平面の間の角度を変更することができるようになる。
【実施例】
【0031】
実施例において、2つの平面14が所定の角度をなして配置される本体部12と、マイクロゲージからなる距離測定部20とを備えた円周寸法測定装置10を製作した。このような円周寸法測定装置10の全高は220mmであり、重量は1100gであり、印刷用ロール50の円周寸法の測定可能範囲は200〜500mmであり、測定分解能は1μmであった。また、測定子22の測定誤差は±1.5μm(マイクロゲージのスペック)であり、印刷用ロール50の半径の測定誤差は±4.9μm(理論値)であり、印刷用ロール50の円周寸法の測定誤差は±30.9μm(理論値)であった。
【0032】
このような円周寸法測定装置10を用いて印刷用ロール50の円周寸法を測定したところ、測定時間は4秒であった。また、このような円周寸法測定装置10を用いて印刷用ロール50の円周寸法を測定するにあたり、印刷機から印刷用ロール50を取り外す必要がない場合が多かった。
【0033】
次に、比較例として、マイクロメーターを用いて印刷用ロール50の円周寸法を測定した場合について説明する。マイクロメーターの測定分解能は10μmであり、実施例において用いられるマイクロゲージと比較して測定分解能は非常に大きいといえる。また、マイクロメーターを用いた場合の印刷用ロール50の円周寸法の測定誤差は±63μmとなり、実施例と比較して測定誤差が大きくなった。また、マイクロメーターを用いて印刷用ロール50の円周寸法を測定したところ、測定時間は20秒であり、実施例と比較して測定時間が長くなった。さらに、マイクロメーターを用いて印刷用ロール50の円周寸法を測定するにあたり、印刷機における印刷用ロール50の配置箇所によっては印刷機から印刷用ロール50を取り外す必要が生じてしまい、この場合、測定時間は10分以上かかってしまった。
【0034】
以上のように、上述のような実施例および比較例によれば、本発明による円周寸法測定装置10および円周寸法測定方法を用いることにより、印刷用ロール50の円周寸法の測定における測定ばらつきが低減するとともに、印刷用ロール50の円周寸法の測定作業の効率が十分に向上することがわかった。
【符号の説明】
【0035】
10 円周寸法測定装置
12 本体部
14 平面
20 距離測定部
20a 表示部
22 測定子
30 演算部
50 印刷用ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒体の外周面にそれぞれ当接されるべき2つの平面を有し、これらの2つの平面が所定の角度をなして配置される本体部と、
円筒体の軸方向に直交する平面において前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離を測定する距離測定部と、
を備えたことを特徴とする円筒体の円周寸法測定装置。
【請求項2】
前記本体部の2つの平面の間の角度と、前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離とに基づいて、円筒体の半径を算出し、この円筒体の半径に基づいて円筒体の円周寸法を算出する演算部を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の円筒体の円周寸法測定装置。
【請求項3】
円筒体の軸方向に直交する平面において前記本体部の2つの平面はV字形状をなすよう配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の円筒体の円周寸法測定装置。
【請求項4】
前記距離測定部はマイクロゲージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の円筒体の円周寸法測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の円筒体の円周寸法測定装置を用いた円筒体の円周寸法測定方法であって、
円周寸法が測定されるべき円筒体の外周面に、前記本体部の2つの平面をそれぞれ当接させる工程と、
前記距離測定部により、円筒体の軸方向に直交する平面において前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離を測定する工程と、
前記本体部の2つの平面の間の角度と、前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの最短距離とに基づいて、円筒体の半径を算出し、この円筒体の半径に基づいて円筒体の円周寸法を算出する工程と、
を備えたことを特徴とする円筒体の円周寸法測定方法。
【請求項6】
円筒体の半径は、以下の式により算出されることを特徴とする請求項5記載の円筒体の円周寸法測定方法。
X=(Y×cos(90°−θ/2))/(1−cos(90°−θ/2))
X:円筒体の半径
Y:前記本体部の2つの平面の交点から円筒体の外周面までの間の最短距離
θ:前記本体部の2つの平面の間の角度

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−93129(P2012−93129A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238813(P2010−238813)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】