説明

円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法

【課題】十分な接合率および接合強度が得られ、スパッタリング中に熱の影響を受けても割れの発生を著しく低減できるスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材20の内周面に、または円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材の内周面と円筒形支持基材10の外周面の両方に、ニッケルまたは銅からなる第1の下地層30を形成し、その第1の下地層の上に、スズからなる第2の下地層40を形成し、次いで、そのターゲット材を円筒形支持基材の外側に配置し、両者を接合材で接合し、ターゲットを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置等に用いられる円筒形セラミックススパッタリングターゲットおよびその製造に関するものであり、少なくともスパッタリングターゲット材内周面に2層の金属下地層を設けたスパッタリングターゲットに関する。
【背景技術】
【0002】
マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置等に用いられるセラミックスターゲットの製造方法としては、別途作製したセラミックス焼結体からなる円筒形ターゲット材を円筒形支持基材に組み込み、低融点半田等の接合材を用いて接合する方法がある(特許文献1参照)。この形態の円筒形ターゲットは比較的低コストで作製でき、高密度のセラミックス焼結体を使用できることから高品位な成膜が可能であり、今後の普及が見込まれている。
【0003】
しかし、一方で、この形態の円筒形ターゲットは熱膨張率の異なる二つの円筒形状物を組み合わせ、その間隙を接合材で固定するため、高温となる接合時と冷却固化後では双方の体積収縮量の違いから内部応力が生じ、接合部に剥離等の不具合が発生しやすい。接合が不十分な状態のターゲットでスパッタリングを行なうと、ターゲット材の冷却効率が低下し、ターゲット材が割れる恐れがある。それゆえ、接合率および接合強度を高められる簡便な接合方法の開発が望まれている。
【0004】
元来、セラミックスと金属は接合しづらく、低融点半田等の接合材を溶融し、セラミックスに接触させ冷却固化しただけでは接合が難しい。一方、支持基材は金属製であっても、接合時に接合材の融点以上に加熱されるため表面の酸化が進行し、このため溶融した接合材との濡れ性が悪くなり、冷却固化後の接合材の密着力が低下する恐れがある。
【0005】
これらの問題を解決する手段として、予めアルミまたはアルミ合金等の金属またはスパッタリングターゲットの表面を酸処理した後、スパッタリングターゲット材の接合面または、スパッタリングターゲット材と支持基体の両接合表面に半田層を電気メッキにより形成した後、半田層を溶融させた状態で両接合面を密着させ、一体化した状態で冷却して固着する方法が知られている(特許文献2参照)。しかしこの方法では、スパッタリングターゲットの材料がセラミックスである場合、電気メッキにより形成した半田層はセラミックスへの密着力が弱く、十分な接合強度を得ることが困難である。
【0006】
一般に、セラミックスに金属をめっきする場合、密着性がよい金属は限られており、それらはニッケル(Ni)や銅(Cu)などである。ただし、NiやCuは接合時に表面酸化が進行し、接合材の低融点半田との濡れ性が低下するため、これらの金属だけで下地層を形成しても十分な接合強度を得ることはできない。
【0007】
また、接合強度の高いスパッタリングターゲットを得る接合方法として、チタン(Ti)またはチタン合金(Ti合金)のスパッタリングターゲット材およびCu、Cu合金、TiおよびTi合金などの支持基材両接合面にNiあるいはCuをメッキ処理した後、スパッタリングターゲット材および支持基材両面に接合する半田材の一部分を超音波メタライジング法により半田処理し、スパッタリングターゲットと支持基材とを強固に接合する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかしこの方法では、スパッタリングターゲットが平板構造である場合においては可能な手段であるが、たとえば円筒形ターゲットに関しては、円筒形ターゲット材の内径が小さい場合、あるいは円筒形ターゲット材の中心軸方向の長さが長い場合は、接合面に超音波メタライジング装置の超音波発信端が接触できない部分が生じ、接合面全体にくまなく超音波メタライジング処理を施すことが困難となる。
【0008】
また、平板構造のターゲットを接合する場合、ターゲット材と支持基材の間隙に溶融した接合材を満たし、ターゲット材と支持基材を互いに近づけるように押圧することで接合材の密着性を高めることも可能であるが、円筒形ターゲットでは構造上、そのような押圧操作が行えないということも接合が難しい要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3618005号公報
【特許文献2】特開平11−106904号公報
【特許文献3】特開平08−67978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材と円筒形支持基材の接合に際し、接合面に2層の金属下地層を形成することにより、接合の際に接合部を押圧しなくても冷却固化させるだけで十分な接合率および接合強度が得られ、スパッタリング中に熱の影響を受けても割れの発生を著しく低減できるスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)円筒形支持基材の外側に、円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材を接合材で接合した円筒形スパッタリングターゲットであって、ターゲット材の内周面に、またはターゲット材の内周面と円筒形支持基材の外周面の両方に、ニッケルまたは銅からなる第1の下地層を有し、その第1の下地層の上に、スズからなる第2の下地層を有することを特徴とする、円筒形スパッタリングターゲット。
(2)第1の下地層と第2の下地層の合計の厚みが10〜200μmである、(1)に記載のターゲット。
(3)円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材の内周面に、または円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材の内周面と円筒形支持基材の外周面の両方に、ニッケルまたは銅からなる第1の下地層を形成し、その第1の下地層の上に、スズからなる第2の下地層を形成し、次いで、そのターゲット材を円筒形支持基材の外側に配置し、両者を接合材で接合することを特徴とする、(1)または(2)に記載のターゲットの製造方法。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明において、円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材は特に限定されるものではないが、例えば透明導電膜などに用いられる光学薄膜材料である、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、AZO(Aluminium Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、Ta、Nb、TiO等を挙げることができる。
【0015】
円筒形支持基材の材質としては、例えばステンレス(SUS)、チタン(Ti)、チタン合金(Ti合金)などである。
【0016】
接合材としては融点が約230℃よりも低い低融点半田などが用いられ、例えば鉛フリーのインジウム(融点157℃)やスズ―インジウム合金(117℃)が用いられる。
【0017】
第1の下地層には、接合材よりも融点が高くセラミックスターゲット材に対して密着性のよいNi(融点1455℃)またはCu(融点1084℃)が選ばれる。第1の下地層の上に第2の下地層を形成するが、第2の下地層は接合材より融点が高く、第1の下地層との密着性がよく、かつ接合材との濡れ性がよい金属であるスズ(Sn:融点232℃)を用いる。特にSnは接合時の高温においても表面酸化が進行しないため、接合材との濡れ性が低下しない。
第1および第2の下地層の形成法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、メッキ法などがあるが、セラミックスターゲット材に下地層を形成する方法としてはメッキ法が好ましい。メッキ法としては特に限定されるものではなく、電解メッキまたは無電解メッキのいずれであってもよい。
【0018】
第1および第2の下地層の厚みは密着性や作業時間を考慮し、それぞれ5〜100μmが好ましい。
【0019】
本発明においては、第1および第2の下地層は円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材の内周面だけでなく、円筒形支持基材の外周面にも形成することが好ましい。その形成方法には前述と同様の方法を用いることができ、これにより円筒形支持基材の濡れ性を改善することができる。
【0020】
上述のように第1および第2の下地層を形成した後、円筒形支持基材の外側に円筒形状のターゲット材を配置する。このとき、両者の中心軸が合うように配置してもよく、また複数の円筒形状のターゲット材を用いる場合は、それらの外周面ができるだけそろうように配置してもよい。その後、円筒形状のターゲット材および円筒形支持基材を接合材の融点以上に加熱し、両者の隙間に溶融した接合材を注入し、冷却固化させることにより接合する。
【0021】
このような方法においては、形成した下地層が接合作業中に溶融することを防ぐため、下地層を構成する金属は接合材よりも高融点であることが必要であるが、本発明の第1の下地層に用いられるNiやCu、および第2の下地層に用いられるSnは、いずれも前述のように融点が高いため問題はない。そしてこれらの金属で接合面に二層の下地層を形成することにより、接合率および接合強度が高い円筒形スパッタリングターゲットを得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、接合率および接合強度が高い円筒形セラミックスのターゲットを得ることができ、スパッタリング時の割れの発生が著しく抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の円筒形セラミックスターゲットの一例を示す図である。
【実施例】
【0024】
以下、本発明について実施例をもって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、放電試験はスパッタリングガスにアルゴンを使用し、スパッタリング圧力:0.3Pa、電力4500Wで行った。
【0025】
(実施例1)
円筒形ITOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、Ti製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形ITOターゲット材の内周面およびTi製円筒形基材の外周面に、第1の下地層としてNiを膜厚5μm、第1の下地層の上に第2の下地層としてSnを膜厚15μm、それぞれ電気メッキ法で形成した。Ti製円筒形基材を垂直に立て、その外側に円筒形ITOターゲット材を両者の中心軸が一致するように配置し固定した。この組み立て品をリボンヒーターを用いて180℃まで加熱し、円筒形ITOターゲット材の内周面とTi製円筒形基材の外周面の間に形成されるクリアランスに溶融させたIn半田を流し込み、その後、冷却固化させた。この方法によって作製した円筒形ITOスパッタリングターゲットを超音波探傷装置(日本クラウトクレーマー製)で測定したところ、接合率は97%であった。この円筒形ITOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、使用率80%においても割れは認められなかった。
【0026】
(比較例1)
円筒形ITOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、Ti製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形ITOターゲット材の内周面およびTi製円筒形基材の外周面に下地層としてNiを膜厚5μmで電気メッキ法にて形成した。実施例1と同様にして、円筒形ITOターゲット材とTi製円筒形基材をIn半田で接合し、円筒形ITOスパッタリングターゲットを作製した。この方法によって作製した円筒形ITOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、35%であった。この円筒形ITOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、放電中に割れが発生した。
【0027】
(比較例2)
実施例1と同様にして、但し円筒形ITOターゲット材およびTi製円筒形基材に下地層を形成せずにIn半田で接合を試みたが、濡れ性が悪く、両者は接合できなかった。.
(実施例2)
円筒形AZOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、SUS製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形AZOターゲット材の内周面に第1の下地層としてCuを膜厚5μm、第1の下地層の上に第2の下地層としてSnを膜厚15μm、それぞれ電気メッキ法で形成した。また、SUS製円筒形基材の外周面に第1の下地層としてNiを膜厚5μm、第1の下地層の上に第2の下地層としてSnを膜厚15μm、それぞれ電気メッキ法で形成した。SUS製円筒形基材を垂直に立て、その外側に円筒形AZOターゲット材を両者の中心軸が一致するように配置し固定した。この組み立て品をリボンヒーターを用いて180℃まで加熱し、円筒形AZOターゲット材の内周面とSUS製円筒形基材の外周面の間に形成されるクリアランスに溶融させたIn半田を流し込み、その後、冷却固化させた。この方法によって作製した円筒形AZOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、95%であった。この円筒形AZOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、使用率81%においても割れは認められなかった。
【0028】
(比較例3)
円筒形AZOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、SUS製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形AZOターゲット材の内周面に下地層としてCuを膜厚5μmで電気メッキ法にて形成し、SUS製円筒形基材の外周面には下地層としてNiを膜厚5μmで電気メッキ法にて形成した。実施例2と同様にして円筒形AZOターゲット材とSUS製円筒形基材をIn半田で接合し、円筒形AZOスパッタリングターゲットを作製した。この円筒形AZOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、29%であった。この円筒形AZOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、放電中に割れが発生した。
【0029】
(比較例4)
実施例2において、円筒形AZOターゲット材およびSUS製円筒形基材に下地層を形成せずにIn半田で接合を試みたが、濡れ性が悪く、接合できなかった。
【0030】
(実施例3)
円筒形IZOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、Ti製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形IZOターゲット材の内周面およびTi製円筒形基材の外周面に、第1の下地層としてNiを膜厚5μm、第1の下地層の上に第2の下地層としてSnを膜厚15μm、それぞれ電気メッキ法で形成した。Ti製円筒形基材を垂直に立て、その外側に円筒形IZOターゲット材を両者の中心軸が一致するように配置し固定した。この組み立て品をリボンヒーターを用いて180℃まで加熱し、円筒形IZOターゲット材の内周面とTi製円筒形基材の外周面の間に形成されるクリアランスに溶融させたIn半田を流し込み、その後、冷却固化させた。この方法によって作製した円筒形IZOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、96%であった。この円筒形IZOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、使用率80%においても割れは認められなかった。
【0031】
(比較例5)
円筒形IZOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、Ti製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形IZOターゲット材の内周面およびTi製円筒形基材の外周面に、下地層としてNiを膜厚5μmで電気メッキ法にて形成した。実施例3と同様にして円筒形IZOターゲット材とTi製円筒形基材をIn半田で接合し、円筒形IZOスパッタリングターゲットを作製した。この円筒形IZOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、27%であった。この円筒形IZOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、放電中に割れが発生した。
【0032】
(比較例6)
実施例3において、円筒形IZOターゲット材およびTi製円筒形基材に下地層を形成せずにIn半田で接合を試みたが、濡れ性が悪く、両者は接合できなかった。
【0033】
(実施例4)
円筒形ITOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、SUS製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形ITOターゲット材の内周面に、第1の下地層としてNiを膜厚5μm、第1の下地層の上に第2の下地層としてSnを膜厚15μm、それぞれ電気メッキ法で形成した。SUS製円筒形基材の外周面には超音波半田ごてを使用してIn半田を下塗りした。SUS製円筒形基材を垂直に立て、その外側に円筒形ITOターゲット材を両者の中心軸が一致するように配置し固定した。この組み立て品をリボンヒーターを用いて180℃まで加熱し、円筒形ITOターゲット材の内周面とSUS製円筒形基材の外周面の間に形成されるクリアランスに溶融させたIn半田を流し込み、その後、冷却固化させた。この方法によって作製した円筒形ITOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、95%であった。この円筒形ITOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、使用率81%においても割れは認められなかった。
【0034】
(実施例5)
円筒形AZOターゲット材(外径:150mmφ、内径:130mmφ、長さ:300mm)を1個、SUS製円筒形基材(外径:128mmφ、内径:122mmφ、長さ:400mm)を1個用意し、円筒形AZOターゲット材の内周面に、第1の下地層としてCuを膜厚5μm、第1の下地層の上に第2の下地層としてSnを膜厚15μm、それぞれ電気メッキ法で形成した。SUS製円筒形基材の外周面には超音波半田ごてを使用してIn半田を下塗りした。SUS製円筒形基材を垂直に立て、その外側に円筒形AZOターゲット材を両者の中心軸が一致するように配置し固定した。この組み立て品をリボンヒーターを用いて180℃まで加熱し、円筒形AZOターゲット材の内周面とSUS製円筒形基材の外周面の間に形成されるクリアランスに溶融させたIn半田を流し込み、その後、冷却固化させた。この方法によって作製した円筒形AZOスパッタリングターゲットの接合率を実施例1と同様にして測定したところ、96%であった。この円筒形AZOスパッタリングターゲットの放電試験を行なった結果、使用率80%においても割れは認められなかった。
【符号の説明】
【0035】
10:円筒形支持基材
20:円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材
30:第1の下地層
40:第2の下地層
50:クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形支持基材の外側に、円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材を接合材で接合した円筒形スパッタリングターゲットであって、ターゲット材の内周面に、またはターゲット材の内周面と円筒形支持基材の外周面の両方に、ニッケルまたは銅からなる第1の下地層を有し、その第1の下地層の上に、スズからなる第2の下地層を有することを特徴とする、円筒形スパッタリングターゲット。
【請求項2】
第1の下地層と第2の下地層の合計の厚みが10〜200μmである、請求項1に記載のターゲット。
【請求項3】
円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材の内周面に、または円筒形状のセラミックス焼結体からなるターゲット材の内周面と円筒形支持基材の外周面の両方に、ニッケルまたは銅からなる第1の下地層を形成し、その第1の下地層の上に、スズからなる第2の下地層を形成し、次いで、そのターゲット材を円筒形支持基材の外側に配置し、両者を接合材で接合することを特徴とする、請求項1または2に記載のターゲットの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−132065(P2012−132065A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285002(P2010−285002)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】