説明

冊子類の搬送装置及びこの冊子類の搬送装置を備えた製本ライン

【課題】搬送途中で冊子類を所定の向きに変更させることができる冊子類の搬送装置及びこの冊子類の搬送装置を備えた製本ラインを提供する。
【解決手段】搬送手段によって搬送される冊子類Wを搬送経路の途中で載置面24aと直交する軸回りに旋回させる旋回手段30を備え、旋回手段30は、冊子類Wを載置面24aから浮いた旋回用位置に保持するための保持部材31と、保持部材31の位置を冊子類Wを旋回用位置に保持するための保持位置と冊子類Wを解放して載置面24a上に載せるための解放位置とに切換えるための保持切換手段40と、保持部材31を保持位置で冊子類Wと共に旋回させる旋回駆動機構50と、冊子類Wを旋回用位置で旋回させてから載置面24a上に戻すように保持切換手段40及び旋回駆動機構50を制御する制御手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冊子類を所定の搬送経路に沿って搬送する冊子類の搬送装置、及びこの冊子類の搬送装置を備えた製本ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
冊子類を一方向に流しながら製本処理を行う製本ラインでは、前記冊子類の背に背貼りテープを貼り付ける綴じ工程や、背貼りされた冊子類に穿孔処理を行う穿孔工程等が順に行われる。
【0003】
これら各工程においては、実施される製本処理の内容に適した種々の装置が用いられている。例えば、前記綴じ工程においては、背貼り用テープロールが配置されたスライダーを冊子類載せ台に載置した冊子類の背に沿ってスライドさせ、背貼り用テープを引き出しながら冊子類の背に貼着する背貼り用テープ貼付装置(特許文献1参照)等が用いられている。
【特許文献1】特開2002−96575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製本ラインの各工程においては、上記のように各製本処理を行う装置が用いられることで自動化がなされている。しかし、前記製本ラインの上流側の装置で処理された冊子類を当該製本ラインの下流側の装置にセットする作業は作業者等によって手作業で行われていた。そのため、各工程内では自動化により作業効率を向上させることができたが、製本ライン全体としては各工程間において手作業が必要になるため作業効率向上に限界が生じていた。
【0005】
その対策として、装置間に搬送装置を用いることで、各工程間においても自動化を図り、製本ライン全体としての作業効率の向上を図ることが考えられた。
【0006】
しかし、前記製本ラインの各工程では、それぞれ用いられる装置が異なるため、一の工程から次の工程に冊子類を搬送する際に、当該冊子類の向きを変える必要がある。そのため、単に、一の工程から受け取った冊子類をそのままの姿勢で次の工程に搬送するような搬送装置を用いることは出来なかった。
【0007】
例えば、前記綴じ工程において、背貼り用テープ貼付装置から製本ラインの流れの方向に冊子類の背が沿うような方向で冊子類を受け取り、次の穿孔工程における冊子類に穿孔処理を行う冊子類穿孔装置には前記ラインの流れに冊子類の背が直交するような方向でセットしなければならない場合である。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、搬送途中で冊子類を所定の向きに変更させることができる冊子類の搬送装置及びこの冊子類の搬送装置を備えた製本ラインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係る冊子類の搬送装置は、製本ラインにおける第1処理ステーションとその下流側の第2ステーションとの間に設けられ、第1ステーションで処理された冊子類を所定の搬送経路に沿って搬送しながらその向きを変更して前記第2処理ステーションに供給するための冊子類の搬送装置であって、前記冊子類が載置される載置面を有し、この載置面に載置された冊子類を前記搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送される前記冊子類をその搬送経路の途中で前記載置面と直交する軸回りに旋回させる旋回手段とを備え、前記旋回手段は、前記冊子類を前記載置面から浮いた旋回用位置に保持するための保持部材と、この保持部材の位置を、前記冊子類を前記旋回用位置に保持するための保持位置と前記冊子類を解放して前記載置面上に載せるための解放位置とに切換えるための保持切換手段と、前記保持部材を前記保持位置で前記冊子類と共に旋回させる旋回駆動機構と、前記冊子類を前記載置面から浮いた前記旋回用位置で旋回させてから前記載置面上に戻すように前記保持切換手段及び前記旋回駆動機構を制御する制御手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、第1処理ステーションから第2処理ステーションへ適正な姿勢で冊子類を受け渡すことができる。即ち、冊子類を搬送手段で搬送中に当該冊子類を所定の向きに容易に旋回させることができる。
【0011】
具体的には、搬送経路の途中で、保持部材が冊子類を載置面から浮いた旋回用位置で保持して旋回することで、旋回中に冊子類と載置面とが接触しない状態で旋回できる。そして、保持部材が旋回した後、当該保持部材が解放位置に切換えられることで冊子類が保持部材から解放され、所定の向きに変更された冊子が下流側に搬送される。
【0012】
そのため、製本ラインにおける第1処理ステーションから受け取る冊子類の姿勢と第2処理ステーションへ引き渡す冊子類の姿勢とが異なっていても、これら第1及び第2処理ステーション間に当該冊子類の搬送装置を用いることができ、作業の効率化が図られる。
【0013】
また、このように冊子類を搬送しながらその向きを変更できるため、当該冊子類の搬送装置が冊子類の製本ラインの工程間に用いられることで、冊子類の受け取り及び引渡しのときの冊子類の向きが同一である必要がなくなり、前記製本ラインの上流側及び下流側の各工程における装置等の選択の幅も広がる。
【0014】
本発明に係る冊子類の搬送装置においては、前記保持部材は、前記冊子類を上下から挟持するための上側回転挟持体及び下側回転挟持体と、前記上側回転挟持体を前記載置面上の冊子類よりも上側の位置で回転可能に支持すると共に前記下側回転挟持体を昇降可能且つ回転可能に支持する支持部材とを有し、前記保持切換手段は、前記下側回転挟持体を、前記載置面よりも下側の解放位置と、前記載置面よりも上側の位置で前記上側回転挟持体と共に前記冊子類を挟持するための保持位置との間で昇降させる昇降駆動機構を含む構成であってもよい。
【0015】
かかる構成によれば、上側回転挟持体と下側回転挟持対とで冊子類を上下から挟持することで、保持部材は、冊子類を確実に保持しつつ回転することができる。
【0016】
また、前記支持部材は、前記下側回転挟持体が前記保持位置まで上昇したときに前記上側回転挟持体が当該下側回転挟持体上の冊子類と当接することにより当該冊子類と共に上昇するように、当該上側回転挟持体が下側に付勢された状態で当該上側回転挟持体を昇降可能に支持してもよい。
【0017】
かかる構成によれば、下側回転挟持体が保持位置まで上昇して当該下側回転挟持体上の冊子類が旋回用位置まで持ち上げられた際、上側回転挟持体が下側に付勢された状態で支持部材によって支持されているため、冊子類が上下の回転挟持体によってより確実に挟持される。尚、前記付勢は、バネ等を用いて積極的に外力を加えてもよく、単に、上側回転挟持体等の自重を利用してもよい。
【0018】
さらに、搬送される冊子類の厚さが厚くなった場合、下側回転挟持体が保持位置まで上昇すると冊子類の上面がより上方に位置することになるが、上側回転挟持体が冊子類と当接することにより当該冊子類と共に上昇するように支持部材によって支持されているため、当該支持部材等に内部応力等による損傷が生じない。
【0019】
前記支持部材としては、例えば、前記搬送手段を支持する装置本体と、この装置本体に設けられ、前記上側回転挟持体を回転可能に支持する上側支持部材と、上下方向に延び、その上端に前記下側回転挟持体がつながる昇降軸と、前記装置本体に設けられ、前記昇降軸を昇降可能で且つその自軸回りに回転可能となるように支持する軸受とを含み、前記昇降駆動機構は、前記昇降軸を昇降させるように当該昇降軸に連結され、前記旋回駆動機構は前記昇降軸を回転させるように当該昇降軸に連結されたものが好ましい。
【0020】
このように、下側回転挟持体に昇降軸がつながれ、当該昇降軸が自軸回りの回転とその軸方向に沿う昇降とが可能に支持されることによって、複雑な旋回操作が実現できる。即ち、冊子類が下側回転挟持体の上昇によって載置面から旋回用位置まで持ち上げられ、上昇軸が回転させられることで上側及び下側回転挟持体によって挟持された状態で所定の向きに旋回させられ、下側回転挟持体の降下によって旋回後の向きのままで載置面に載置される。
【0021】
また、前記搬送手段は、前記冊子類の搬送方向と直交する水平方向に並設され、それぞれの上面が前記載置面を構成する一対の搬送ベルトと、これらの搬送ベルトを前記搬送方向に駆動するベルト駆動手段とを含み、前記下側挟持体は前記搬送ベルト同士の間で昇降するように配置されてもよい。
【0022】
このように、搬送ベルトが下側回転挟持体における搬送方向と直交する水平方向の両側に並設されていることで、搬送ベルトによる冊子類の搬送を行いながらも、これと干渉することなく前記冊子類を中央付近の安定した部位で下側回転挟持体上に支持できる。
【0023】
また、前記冊子類が前記保持部材により保持される位置よりも手前側の所定位置に到達したことを検知する冊子類検知手段を備え、前記制御手段は、前記冊子類検知手段により前記冊子類が検知されてから所定時間経過後に前記保持切換手段及び前記旋回駆動機構に冊子類の旋回操作を行わせてもよい。
【0024】
このように冊子類検知手段からの検知信号に基づいて所定時間経過後に制御手段が保持切換手段及び旋回駆動機構に旋回操作を行わせることで、保持部材が冊子類を保持する際の保持部材に対する冊子類の位置合わせが正確に行われる。
【0025】
また、前記制御手段は、前記冊子類検知手段により前記冊子類が検知されてから前記保持切換手段及び前記旋回駆動機構に冊子類の旋回操作を行わせる前に前記搬送手段の搬送動作を一時的に停止させ、当該旋回操作が終了した後に当該搬送動作を再開させる搬送制御部を含んでもよい。
【0026】
このような搬送制御部を搬送手段が含むことで、搬送手段が一時的に停止している状態で保持切換手段及び旋回駆動機構が冊子類の旋回操作に入ることができる。そのため、保持部材が冊子類を保持する際の当該保持部材に対する冊子類の位置合わせがより正確に行われる。
【0027】
また、上記課題を解消すべく、冊子類を製本処理するための製本ラインは、前記冊子類を第1の姿勢に維持しながら平行移動させつつ背貼り処理を行う第1処理ステーションと、前記背貼りをされた冊子類を前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢で受け取って当該冊子類に穿孔処理する第2処理ステーションと、前記第1処理ステーションと前記第2処理ステーションとの間に設置される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の冊子類の搬送装置とを備え、前記冊子類の搬送装置は、前記第1処理ステーションから前記第1の姿勢の冊子類を受け取り、この冊子類を前記第2の姿勢で前記第2処理ステーションに渡すように、当該冊子類の搬送及び旋回を行う。
【0028】
かかる構成によれば、当該製本ラインは、第1及び第2の各処理ステーション(各工程)で用いられる装置等の選択の幅が広がる。即ち、冊子類の搬送装置が冊子類を搬送経路の途中で第1の姿勢から第2に姿勢に変更できるため、当該冊子類の搬送装置の上流側の処理ステーションから受け取る冊子類の姿勢(第1の姿勢)と、下流側の処理ステーションが受け取ることができる冊子類の姿勢(第2の姿勢)と、が異なっていても、当該冊子類の搬送装置のみで前記処理ステーション間を搬送することができる。そのため、冊子類の受け取り及び引渡しの際の姿勢に規制されることなく、各ステーションを構成する装置等を選ぶことができる。
【発明の効果】
【0029】
以上より、本発明によれば、搬送途中で冊子類を所定の向きに変更させることができる冊子類の搬送装置及びこの冊子類の搬送装置を備えた製本ラインを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図1に示されるように、本実施形態に係る製本ラインPLは、第1処理ステーションS1と、第2処理ステーションS2と、第1処理ステーションS1と第2処理ステーションS2との間に設置される中間ステーションSmと、を備える。
【0032】
第1処理ステーションS1は、背貼り用テープ貼付装置等を備え、冊子類を第1の姿勢に維持しながら平行移動させつつ背貼り処理を行う処理ステーションである。
【0033】
第2処理ステーションS2は、穿孔装置等を備え、前記背貼りをされた冊子類を第1の姿勢とは異なる第2の姿勢で受け取って当該冊子類に穿孔処理を行う処理ステーションである。
【0034】
中間ステーションは、冊子類の搬送装置(以下、単に「搬送装置」とも称する。)により構成され、第1処理ステーションS1から前記第1の姿勢の冊子を受け取り、この冊子類を前記第2の姿勢で第2処理ステーションS2に引き渡すよう、当該冊子類の搬送及び旋回を行うステーションである。
【0035】
この搬送装置は、冊子類を第1処理ステーションS1から第2処理ステーションS2までの所定の搬送経路に沿って冊子類を搬送しながら、その搬送経路の途中でその向き(姿勢)を変更することができる装置である。具体的には、図2及び図3にも示されるように、搬送装置10は、搬送手段20と旋回手段30とを備える。これら搬送手段20と旋回手段30とは、装置本体11に設けられ、この装置本体11は、その下側に設けられたベース部12によって設置位置に支持されている。この装置本体11とベース部12とは搬送方向と直交する方向に沿って相対位置を変更することができる。詳細には、装置本体11の下部に設けられた調整ハンドル13を回転させることで、ベース部12に対して装置本体11が前記搬送方向と直交する方向(図2において紙面と直交する方向)に移動する。そのため、搬送装置10を設置位置に設置後、第1処理ステーションS1から受け取る冊子類Wの位置が搬送装置10の中心から搬送方向と直交する方向に僅かにずれている場合には、搬送装置10全体を移動させる必要がなく、装置本体11だけを動かすことで調節できる。
【0036】
搬送手段20は、ベルト搬送部21とベルト駆動手段22とを有する。ベルト搬送部21の上面は、冊子類Wが載置される載置面24aを構成する。そして、このベルト搬送部21がベルト駆動手段22により駆動されることで、載置面24aに載置された冊子類Wが前記搬送経路に沿って搬送される。
【0037】
ベルト搬送部21は、冊子類Wの搬送方向と直交する方向に延び、前記搬送方向に沿って多数並設される搬送ローラ23,23,…及びこれら搬送ローラ23,23,…の下方に設けられた駆動ローラ23a等と、これら多数の搬送ローラ23,23,…及び駆動ローラ23a等の一群のローラに張架された一対の搬送ベルト24,24とを有する。一対の搬送ベルト24,24は、冊子類Wの搬送方向と直交する水平方向に並設され(図3参照)、上面が載置面24aを構成する。この搬送ベルト24は、無端回転する無端ベルトによって構成されている。
【0038】
ベルト駆動手段22は、ベルト駆動用モータ22aと、ベルト駆動用モータ22aの駆動軸からの回転動力をベルト搬送部21の駆動ローラ23aに伝達する駆動チェーン22bと、で構成されている。
【0039】
旋回手段30は、搬送手段20によって搬送される冊子類Wをその搬送経路の途中で載置面24aと直交(図2における上下方向)する軸回りに旋回させる手段である。具体的には、旋回手段30は、保持部材31と保持切換手段40と旋回駆動機構50と制御手段60とを含む。
【0040】
保持部材31は、冊子類Wを載置面24a(搬送ベルト24)から浮いた旋回用位置に保持するための部材である。詳細には、保持部材31は、冊子類Wを上下から挟持するための上側回転挟持体31a及び下側回転挟持体31bと、これら上下一対の回転挟持体31a,31bを支持する支持部材Aとを有する。上側回転挟持体31a及び下側回転挟持体31bは、共に同一径の円盤形状に形成され、互いに対向するように上下方向に配置されている。このように配置される下側回転挟持体31bの対向面には滑り止め部材が貼着されている。そのため、保持部材31が冊子類Wを保持した際に滑ることなく確実に挟持(保持)することができる。しかし、これに限定される必要はなく、上側回転挟持体31a及び下側回転挟持体31bの各対向面に、それぞれ滑り止め処理が施されてもよい。
【0041】
また、下側回転挟持体31bは、後述する保持位置と解放位置との間で昇降する際、一対の搬送ベルト24,24同士の間で昇降するように配置されている。このように配置されることで、搬送ベルト24,24による冊子類Wの搬送を行いながらも、これと干渉することなく冊子類Wを中央付近の安定した部位で下側回転挟持体31b上に支持できる。
【0042】
支持部材Aは、上側回転挟持体31aを載置面24a上の冊子類Wよりも上側の位置で回転可能に支持すると共に、下側回転挟持体31bを昇降可能且つ回転可能に支持する。具体的には、この支持部材Aは、搬送手段20を支持する装置本体11と、上側回転挟持体31aを支持する上側支持部材35と、下側回転挟持体31bを支持する昇降軸32と、この昇降軸32を支持する軸受33とを含む。
【0043】
上側支持部材35は、装置本体11の上部に設けられ、上側回転挟持体31aを回転可能に支持する。詳細には、上側支持部材35は、上側回転挟持体31aの上面中央に当該上側回転挟持体31aが接続された上下方向に延びる支持軸36を含み、この支持軸36を回転可能且つ所定位置よりも上方側で昇降可能に支持している。このように構成されることで、下側回転挟持体31bが保持位置まで上昇したときに上側回転挟持体31aが当該下側回転挟持体31b上の冊子類Wと当接することにより当該冊子類Wと共に上昇する。そのため、搬送される冊子類の厚さが厚くなった場合に下側回転挟持体31bが保持位置まで上昇すると冊子類Wの上面がより上方に位置することになるが、上側回転挟持体31aが冊子類Wと当接することにより当該冊子類Wと共に上昇するように上側支持部材35によって支持されているため、当該上側支持部材35等に内部応力等による損傷が生じない。
【0044】
しかも、上側回転挟持体31aは、前記所定位置(前記載置面24a上の冊子類Wよりも上側の位置)が下限となるように支持されている。また、上側支持部材35には、上側回転挟持体31aの前記下限位置を調節するためのストッパ(図示せず)が支持軸36との係合部位に設けられている。そのため、冊子類Wが保持部材31(上下一対の回転挟持体31a,31b)間に搬送ベルト24,24によって搬送される際に、上側回転挟持体31aが邪魔にならない。
【0045】
また、上側回転挟持体31aは、鋼材で形成されているため、大きな自重を有する。この自重が上側回転挟持体31aを下向きに付勢する付勢力として働き、このように付勢された状態で上側回転挟持体31aが上側支持部材35に支持される。そのため、下側回転挟持体31bが保持位置まで上昇して当該下側回転挟持体31b上の冊子類Wが旋回用位置まで持ち上げられた際に、冊子類Wが上下の回転挟持体31a,31bによって確実に挟持されることとなる。その結果、冊子類Wが旋回する際に旋回速度を大きくしても、冊子類Wは、上下一対の回転挟持体31a,31bからずれることがなく所定の角度に素早く的確に旋回することが可能となる。
【0046】
尚、本実施形態においては、上側回転挟持体31aは自重によって付勢されているが、バネ等の弾性体を用いた弾性力等によって積極的に外力を加えることで付勢してもよい。
【0047】
昇降軸32は、上下方向に延び、その上端に下側回転挟持体31bが接続されている。また、この昇降軸32は、当該昇降軸32が昇降可能且つその自軸回りに回転可能となるように、上方側と下方側との2箇所で軸受け33a,33bによって装置本体11に支持されている。このように。下側回転挟持体31bの下方に昇降軸32を設け、当該昇降軸32が前記軸受け33a,33bによって支持されることで、保持部材31の複雑な旋回操作が実現できる。尚、本実施形態において、昇降軸32の前記自軸に沿った昇降及びその軸回りの回転を可能とすべく、軸受け33a,33bには、ラジアル、スラストの両方向の荷重を受けることができる、いわゆるアンギュラ・コンタクト・ボールベアリングが用いられている。
【0048】
保持切換手段40は、保持部材31の位置を、冊子類Wを旋回用位置に保持するための保持位置と冊子類Wを解放して載置面24a上に載せるための解放位置とに切換えるための手段である。この保持切換手段40は、下側回転挟持体31bを載置面24aよりも下側の解放位置と、載置面24aよりも上側の位置で上側回転挟持体31aと共に冊子類Wを挟持するための保持位置との間で昇降させる昇降駆動機構40aを含む。この昇降駆動機構40aは、昇降軸32を昇降させるように当該昇降軸32に連結されている。
【0049】
詳細には、昇降駆動機構40aは、下端軸受け41と軸昇降ソレノイド42とを有する。下端軸受け41は、昇降軸32の下端を当該昇降軸32が自軸回りに回転可能に支持している。そして、一端が装置本体11につる巻きバネ43で吊下げられる(弾性体43によって上側に向けて付勢される)と共に他端が軸昇降ソレノイド42と連結部材44によって連結されることで支持されている。そのため、軸昇降ソレノイド42のシリンダ42aがソレノイド本体42bに出し入れされることで、連結部材44を介して連結された下端軸受け41の他端が昇降する。このとき、下端軸受け41の一端は、つる巻きバネ(弾性体)43によって上側に向かって弾性力が働くように吊下げられているため、他端の昇降に合わせて一緒に昇降する。従って、この下端軸受け41にその下端が支持されている昇降軸32は、当該下端軸受け41と共に昇降する。このように昇降軸32が昇降することで、下側回転挟持体31bは、解放位置と保持位置との間を昇降する。
【0050】
旋回駆動機構50は、保持部材31(上下一対の回転挟持体31a,31b)を保持位置で冊子類Wと共に旋回(回転)させる機構である。この旋回駆動機構50は、昇降軸32を回転させるように当該昇降軸32に連結されている。詳細には、旋回駆動機構50は、昇降軸回転モータ51と、昇降軸32に設けられたスプロケット52と、昇降軸回転モータ51の回転駆動軸の回転動力をスプロケット52に伝達するための駆動チェーン53と、で構成されている。
【0051】
これら昇降駆動機構40aと旋回駆動機構50とは、昇降軸32に連結し易いように全て載置面24aよりも下側の装置本体11に配置されている。そのため、載置面24aの上側に駆動機構40a,50を配置する必要がなく、装置上部の簡素化及び小型化による当該搬送装置10の低重心化を図ることができ、設置した際に搬送装置10が安定する。
【0052】
制御手段60は、冊子類Wを載置面24aから浮いた位置、即ち、前記旋回用位置で旋回させてから載置面24a上に戻すように保持切換手段40(詳細には昇降駆動機構40a)及び旋回駆動機構50を制御する。
【0053】
具体的には、制御手段60は、搬送制御部61と旋回制御部62とを含む。搬送制御部61には、搬送タイマー61aと搬送スピードコントローラー61bとが接続されている。搬送タイマー61aは、後述する冊子類検知手段Sで冊子類Wの位置を検知してから、搬送手段20の搬送動作を一時的に停止させるまでの時間を設定するタイマーである。また、搬送スピードコントローラー61bは、搬送手段20の搬送速度、即ち、搬送手段20のベルト駆動用モータ22aの回転速度を調節するためのコントローラーである。
【0054】
前記搬送タイマー61aによる設定時間及び前記搬送スピードコントローラー61bでの目標回転速度を変更することで、搬送される冊子類Wが保持部材31に保持される位置を自在に調節することができる。従って、搬送方向において、冊子類Wが保持部材31に中心付近の安定した部位を挟持されるように前記調節を行うことで、当該冊子類Wが安定して旋回することが可能になる。例えば、搬送される冊子類Wのサイズや第1処理ステーションS1からの冊子類Wの搬出速度が変更された場合でも前記安定した部位が保持部材31に挟持されるように搬送タイマー61a及び搬送スピードコントローラー61bによって冊子類Wの被挟持位置を調節することが可能である。
【0055】
また、旋回制御部62には、回転タイマー62aと回転スピードコントローラー62bとが接続されている。回転タイマー62aは、保持部材31で挟持した冊子類Wを旋回させる旋回時間を設定するタイマーである。また、回転スピードコントローラー62bは、保持部材31の上下一対の回転挟持体31a,31bの回転スピードを調節するためのコントローラーである。
【0056】
前記回転タイマー62aによる設定旋回時間及び前記回転スピードコントローラー62bの目標回転速度を変更することで、冊子類Wの旋回する量、即ち、載置面24aと直交する軸回りに回転する角度及びスピードを調節することができる。
【0057】
制御手段60は、このように構成されることで、冊子類検知手段Sにより冊子類が検知されてから所定時間経過後に保持切換手段40及び旋回駆動機構50に冊子類Wの所定の旋回操作を行わせることができる。また、制御手段60は、搬送制御部61によって前記旋回操作の前に搬送手段20の搬送動作を一時的に停止させ、旋回制御部62による旋回操作が終了した後に、再度搬送制御部61によって当該搬送動作を再開させるように制御する。
【0058】
尚、冊子類検知手段Sは、センサーアーム37の先端に設けられた冊子類検知センサーSで構成されている。また、センサーアーム37は、上側支持部材35の上部に搬送方向上流側に向けて突設されている。この冊子類検知手段(冊子類検知センサー)Sは、冊子類Wが保持部材31により保持される位置よりも手前側(上流側)の所定位置に到達したことを検知するためのセンサーである。また、センサーアーム37は、搬送方向及び上下方向に冊子類検知手段Sを移動できるように、伸縮及び上下動するように構成されている。
【0059】
本実施形態に係る製本ラインPL及び搬送装置10は以上の構成からなり、次に作用について図4及び図5も参照しつつ説明する。
【0060】
まず、ベルト駆動手段22によって、ベルト搬送部21が駆動される。即ち、ベルト駆動用モータ22aによって、搬送ベルト24,24が回転駆動される。この状態で、上流側の第1処理ステーションS1から冊子類Wが搬送ベルト24,24の上面(載置面24a)に載置される。このとき、搬送ベルト24,24の移動速度(搬送速度)は、制御手段60の搬送スピードコントローラー61bによって、第1処理ステーションから送られてくる冊子類Wの搬出速度と等しくなるように調節されている。このように搬送速度を調節することで、第1処理ステーションから所定間隔をおいて順次受け取る冊子類Wに対して無理な力がかかることなく当該搬送装置10が受け取ることができる。このとき、冊子類Wは、一対の搬送ベルト24,24に架け渡されるようにその搬送方向に沿った両端側が載置される。尚、本実施形態においては、受け取る冊子類Wの向き(姿勢)は、背が搬送方向に沿った方向となるような向き(第1の姿勢)である。
【0061】
搬送ベルト24,24の駆動によって第1処理ステーションS1から第1の姿勢で受け取った冊子類Wは、下流側、即ち、第2処理ステーションS2の方向へ向けて搬送される。そして、冊子類Wの搬送方向先端が所定位置まで搬送されると、冊子類検知手段Sによってその位置が検知される。この検知によって冊子類検知手段Sから送られてくる検知信号に基づいて、制御手段60が保持切換手段40と旋回駆動機構50とに指令を出す。
【0062】
具体的には、冊子類Wの先端位置が冊子類検知手段Sに検出されてから所定時間経過後にベルト駆動用モータ22aが一時的に停止するように搬送制御部61がベルト駆動用モータ22aに指令する。この所定時間は、搬送タイマー61aによって設定された時間であり、冊子類Wの中心付近における安定して保持できる部位が上下一対の回転挟持体31a,31bに挟持されるような位置まで移動したときに(図4参照)搬送ベルト24,24が一時的に停止するように設定された時間である。
【0063】
このように、冊子類検知手段Sからの検知信号に基づいて制御手段60が保持切換手段40及び旋回駆動機構50に旋回操作を行うことで、保持部材31が冊子類Wを保持する際の保持部材31に対する冊子類Wの位置合わせが正確に行われる。
【0064】
搬送ベルト24,24が停止した後、制御手段60の指令によって昇降駆動機構40aが駆動する。即ち、軸昇降ソレノイド42のシリンダ42aがソレノイド本体42bに引込まれて下端軸受け41が上昇し、この下端軸受け41と共に昇降軸32が上昇する。この昇降軸32の上昇によって、保持位置に待機していた下側回転挟持体31bは、保持位置まで冊子類Wを上に載せた状態で上昇する。
【0065】
下側回転挟持体31bが保持位置、即ち、冊子類Wが載置面24aから浮いた旋回用位置に上昇する手前で、当該冊子類Wの上面が上側回転挟持体31aの下面に当接する。この状態で、さらに、冊子類Wが上昇することで、当該冊子類Wと共に上側回転挟持体31aも上昇する。このとき、上側回転挟持体31aの自重により、当該上側回転挟持体31aには下側に付勢されているため、冊子類Wは、上下一対の回転挟持体31a,31bに確実に挟持(保持)される(図5参照)。
【0066】
このように冊子類Wが上下一対の回転挟持体31a,31bに挟持された状態で、制御手段60の指令によって、旋回駆動機構50が昇降軸32を回転(旋回)駆動させる。即ち、旋回制御部62の回転タイマー62aと回転スピードコントローラー62bとで設定された旋回量(本実施形態においては、90°)及び旋回スピードで冊子類Wが旋回するように昇降軸回転モータ51が制御手段60によって制御される。
【0067】
このようにして下側回転挟持体31bが昇降軸32を介して伝達される昇降軸回転モータ51の回転動力によって回転する。このとき、上側回転挟持体31aは、支持軸36と共に上側支持部材35に回転可能に支持されているため、上側回転挟持体31aと冊子類Wとの摩擦力に起因して、下側回転挟持体31bと共に冊子類Wを挟持した状態で回転する。この回転の際に、上記のように冊子類Wが上下一対の回転挟持体31a,31bに確実に保持されているため、冊子類Wに遠心力等が作用しても、冊子類Wが上下一対の回転挟持体31a,31bからずれ難い。また、冊子類Wは安定して旋回することができる。
【0068】
このようにして上下一対の回転挟持体31a,31bが昇降軸32の軸回りに90°旋回した後、制御手段60の指令によって昇降軸32が降下するよう昇降駆動機構40aが駆動する。そうすると、この昇降軸32の降下に伴って下側回転挟持体31b及びその上に載った冊子類Wが共に降下する。下側回転挟持体31bが解放位置まで降下すると、冊子類Wは、第1処理ステーションS1から搬送されてきた第1の姿勢から昇降軸32の自軸回りに90°向きを変えた第2の姿勢となって、搬送ベルト24,24上に載置される。
【0069】
このとき、冊子類Wの上面及び下面が上側回転挟持体31a及び下側回転挟持体31bの両方と接することなく、冊子類Wは搬送ベルト24の載置面24aに載置された状態となる。
【0070】
その後、制御手段60の搬送制御部61は、搬送ベルト24,24を駆動させるためにベルト駆動用モータ22aに指令を送る。この指令によって、ベルト駆動用モータ22aが駆動を開始し、一時的に停止していた搬送ベルト24,24が駆動し始める。このようにして、冊子類Wが上下一対の回転挟持体31a,31b(保持部材31)から解放され、所定の向きに変更された冊子が下流側に搬送され、第2処理ステーションS2に引き渡される。
【0071】
以上のようにして、冊子類Wを搬送手段20で搬送中に当該冊子類Wを所定の向きに旋回(変更)させることで、第1処理ステーションS1から第2処理ステーションS2へ適正な姿勢で冊子類Wを受け渡すことができる。従って、各処理ステーションS1,S2間の冊子類Wの移動(搬送)も自動化することができ、製本ラインPLの作業効率の向上を図ることができる。
【0072】
また、当該搬送装置10が冊子類Wの製本ラインPLの工程間(第1処理ステーションS1と第2処理ステーションS2との間)に用いられることで、冊子類Wの受け取り及び引渡しのときの冊子類Wの向きが同一である必要がなくなり、前記製本ラインの上流側及び下流側の各工程における装置等の選択の幅が広がる。
【0073】
尚、本発明に係る製本ラインPL及び冊子類Wの搬送装置10は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0074】
例えば、本実施形態においては、第1処理ステーションS1が背貼り処理を行い、第2処理ステーションS2が穿孔処理を行う処理ステーションであるがこれに限定される必要はない。
【0075】
また、第1処理ステーションS1と第2処理ステーションS2との間には、当該搬送装置10以外に他の装置等が介在してもよい。例えば、当該搬送装置10において冊子類Wの姿勢を変更した後、他の装置によって所定冊数の冊子類W,W,…を積み重ねて次の処理ステーションに搬送(供給)するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本実施形態に係る冊子類の搬送装置を備えた製本ラインの構成ブロック図を示す。
【図2】同実施形態に係る冊子類の搬送装置における概略構成図を示す。
【図3】同実施形態に係る冊子類の搬送装置における部分拡大平面図を示す。
【図4】同実施形態に係る冊子類の搬送装置における解放状態の保持部材の拡大構成図を示す。
【図5】同実施形態に係る冊子類の搬送装置における保持状態の保持部材の拡大構成図を示す。
【符号の説明】
【0077】
10 搬送装置
20 搬送手段
24a 載置面
30 旋回手段
31 保持部材
40 保持切換手段
50 旋回駆動機構
60 制御手段
W 冊子類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製本ラインにおける第1処理ステーションとその下流側の第2ステーションとの間に設けられ、第1ステーションで処理された冊子類を所定の搬送経路に沿って搬送しながらその向きを変更して前記第2処理ステーションに供給するための冊子類の搬送装置であって、
前記冊子類が載置される載置面を有し、この載置面に載置された冊子類を前記搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
この搬送手段によって搬送される前記冊子類をその搬送経路の途中で前記載置面と直交する軸回りに旋回させる旋回手段とを備え、
前記旋回手段は、
前記冊子類を前記載置面から浮いた旋回用位置に保持するための保持部材と、
この保持部材の位置を、前記冊子類を前記旋回用位置に保持するための保持位置と前記冊子類を解放して前記載置面上に載せるための解放位置とに切換えるための保持切換手段と、
前記保持部材を前記保持位置で前記冊子類と共に旋回させる旋回駆動機構と、
前記冊子類を前記載置面から浮いた前記旋回用位置で旋回させてから前記載置面上に戻すように前記保持切換手段及び前記旋回駆動機構を制御する制御手段とを含むことを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の冊子類の搬送装置において、
前記保持部材は、前記冊子類を上下から挟持するための上側回転挟持体及び下側回転挟持体と、前記上側回転挟持体を前記載置面上の冊子類よりも上側の位置で回転可能に支持すると共に前記下側回転挟持体を昇降可能且つ回転可能に支持する支持部材とを有し、
前記保持切換手段は、前記下側回転挟持体を、前記載置面よりも下側の解放位置と、前記載置面よりも上側の位置で前記上側回転挟持体と共に前記冊子類を挟持するための保持位置との間で昇降させる昇降駆動機構を含むことを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項3】
請求項2記載の冊子類の搬送装置において、
前記支持部材は、前記下側回転挟持体が前記保持位置まで上昇したときに前記上側回転挟持体が当該下側回転挟持体上の冊子類と当接することにより当該冊子類と共に上昇するように、当該上側回転挟持体が下側に付勢された状態で当該上側回転挟持体を昇降可能に支持することを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の冊子類の搬送装置において、
前記支持部材は、前記搬送手段を支持する装置本体と、この装置本体に設けられ、前記上側回転挟持体を回転可能に支持する上側支持部材と、上下方向に延び、その上端に前記下側回転挟持体がつながる昇降軸と、前記装置本体に設けられ、前記昇降軸を昇降可能で且つその自軸回りに回転可能となるように支持する軸受とを含み、
前記昇降駆動機構は、前記昇降軸を昇降させるように当該昇降軸に連結され、前記旋回駆動機構は前記昇降軸を回転させるように当該昇降軸に連結されることを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の冊子類の搬送装置において、
前記搬送手段は、前記冊子類の搬送方向と直交する水平方向に並設され、それぞれの上面が前記載置面を構成する一対の搬送ベルトと、これらの搬送ベルトを前記搬送方向に駆動するベルト駆動手段とを含み、
前記下側挟持体は前記搬送ベルト同士の間で昇降するように配置されることを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の冊子類の搬送装置において、
前記冊子類が前記保持部材により保持される位置よりも手前側の所定位置に到達したことを検知する冊子類検知手段を備え、
前記制御手段は、前記冊子類検知手段により前記冊子類が検知されてから所定時間経過後に前記保持切換手段及び前記旋回駆動機構に冊子類の旋回操作を行わせることを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項7】
請求項6記載の冊子類の搬送装置において、
前記制御手段は、前記冊子類検知手段により前記冊子類が検知されてから前記保持切換手段及び前記旋回駆動機構に冊子類の旋回操作を行わせる前に前記搬送手段の搬送動作を一時的に停止させ、当該旋回操作が終了した後に当該搬送動作を再開させる搬送制御部を含むことを特徴とする冊子類の搬送装置。
【請求項8】
冊子類を製本処理するための製本ラインであって、
前記冊子類を第1の姿勢に維持しながら平行移動させつつ背貼り処理を行う第1処理ステーションと、
前記背貼りをされた冊子類を前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢で受け取って当該冊子類に穿孔処理する第2処理ステーションと、
前記第1処理ステーションと前記第2処理ステーションとの間に設置される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の冊子類の搬送装置とを備え、
前記冊子類の搬送装置は、前記第1処理ステーションから前記第1の姿勢の冊子類を受け取り、この冊子類を前記第2の姿勢で前記第2処理ステーションに渡すように、当該冊子類の搬送及び旋回を行うことを特徴とする製本ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−73615(P2009−73615A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243691(P2007−243691)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(390029263)株式会社此花 (1)
【Fターム(参考)】