再構成可能な触覚センサ入力装置
再構成可能な触覚入力装置は、第1硬質電極101、圧縮可能な誘電体構造102、および第2軟質電極層103を含み、これらは共に適切な制御手段への電気的接続手段を伴い触覚センサを形成する。制御手段は混合信号ICを含むことができ、そのICはコンパクトなパッケージ中で入力装置に隣接して搭載され、リアルタイムで静電容量を計測可能できる。誘電体構造は、オプションとして大気へ通気され間に空隙を有する圧縮可能な幾何学的な要素のマトリクスを含み、装置全体を薄くし、携帯電話やその他の小さい携帯可能な電気製品への適用を促す。いくつかの実施の形態では、電極の押下によりユーザに触覚のフィードバックを提供する。オプションの軟質なディスプレイは、現在の設定をユーザに示すため、入力装置上に搭載されうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね再構成可能な入力装置に関連する。より詳細には、本発明の入力装置は、アプリケーションの特定の必要性に応じてその装置が機能を変化させられると同時に、触覚センサ技術を使用するものである。
【背景技術】
【0002】
ひとつの有益な実施形態では、触覚装置が、エラーのないコマンドプロセスを増加させるために、接点の場所と圧力を複数箇所同時に計測することができる。あるいは、その他の実施形態では、コマンド入力が成功裏に完了したことの確認を与えるセンサの抑圧により、触覚のフィードバックがユーザに提供される。本発明の装置の適用としては、携帯電話、PDA、携帯可能な音声、ビデオ再生機(例えばApple社の有名なiPod(登録商標)製品類)、およびその他の携帯可能な電子機器類などの消費者製品から産業、ロボット工学的使用に渡る。
【0003】
ディスプレイ上での接触箇所を計測できる、2次元(X,Y)の再構成可能な入力装置が一般に知られている。これら装置は接触マトリクスから構成され、それぞれのマトリクスのセル内の電気的信号の有無を検出する。典型的には、これらの入力装置は硬質出力ディスプレイを覆うよう、透明に作られる。この構成は、ディスプレイが入力装置と接触しているユーザの手により妨害されない大きなボタンを表示できる大画面用の使用には適している。
【0004】
しかし、例えば携帯電話やPDAなどの小さい、携帯用電子機器にとって、人間の指は、その小サイズのディスプレイと比較して大きすぎる。この問題のため、多くの機器は、タッチスクリーンを操作するために小さいスタイラスペンを提供するが、それは使用に時間をとり、扱いが難しく、また容易に紛失される。
【0005】
入力装置に使われるその他の機器の種類は、近接センサである。これらの装置は、入力装置付近の人間の指先に見いだされる様な、電気的伝導性質の存在を感知する。しかし、それらは環境の変化の影響を受け易く、グローブをはめている人の様な、伝導性でない物質とは機能しない。この種の装置は接触圧力を計測せず、ゆえに常にユーザの意図を解釈できるわけではない。したがって、ユーザとのこれらの装置の相互作用は限られている。
【0006】
静電容量センサが入力装置として使用されることは、Matzkeの米国特許4,736,191号に記述されているように、知られている。この特許は、コンピュータ用の再構成不可の入力機器としての使用のため、円形静電容量近接センサとして作られたタッチパッドを記述する。
【0007】
Boieによる米国特許5,463,388号は、コンピュータ用の入力装置として、人間の手のような伝導性があり湿気のある物体の近接効果による静電容量変化の計測に基づくマウスまたはキーボードの入力装置を記述する。
【0008】
Seelyの米国特許6,188,391号とMillerの米国特許5,648,642号は、誘電体物質の反対側の伝導性電極を含む近接センサとして作られた2層容量性タッチパッドのもうひとつの例を紹介している。関連した特許で、Millerによる米国特許5,841,078号には、圧力感知が議論されているが、示されているアプローチは、増加した圧力で増加する指先の接触面積に基づく圧力を決定する間接的方法である。
【0009】
Westermanによる米国特許6,888,536号は、近接センサの配列を使う複数の指と掌の接触を同時に追跡するためのセンサを記述する。この装置は、タイピング、カーソルの動き、身振りの認知といった複数機能を扱うために設計されている。公開されている発明は、センサ要素ごとに多くても4つの接続端子を必要とする近接センサを使用し、ピクセルレベルで相当する電気回路を配置する。Westermanは圧力と近接効果の両方を計測する能力を記述するが、2つの効果がどう分離され得るかを記述できてはいない。
【0010】
相互に交換可能なキーボードとビデオディスプレイに基づく再構成可能な入力装置もまた、技術的に知られている。例えば、Kaplowによる米国特許4,202,041号は、言語と機能の要求に応じてボタンの外観を劇的に変える入力キーボードを記述する。しかしながら、一つ一つのキーボタンは、従来の個別電気スイッチを使って製造するには高くつく。Kubesの米国特許6,035,180号および5,877,695号は、さまざまな警告、パターンおよび画像を表示するマトリックス配列を駆動する携帯電子機器に組み込まれた電子発光(EL)ドライバを記述する。これらの特許は、ELディスプレイ下にタッチ入力装置を配置することには言及するが、タッチセンサの詳細は特定しない。
【0011】
Bensonの米国特許6,888,537号は、異なるアプリケーションにてスイッチを操作可能とする印刷された設定シートと組合わせて、与えられた物理力(Z)に沿った接触位置(X、Y)を出力信号として送信する入力装置を記述する。この発明の記述は、規定に従って弾性誘電物質として働くよう設計された泡状の圧縮できる物質を紹介するが、実際はこの発泡体は、小さい携帯可能な電子機器内の入力装置としての使用のために十分に薄く作られることはできない。
【0012】
Wardの米国特許6,824,321号は、複数のモードでセンサを機能させることのできる複数層からなるELディスプレイと組み合わされた、一般的なX,Yタッチセンサを記述する。ELディスプレイはタッチセンサの背面に置かれ、本質的に透明であることを要する。しかしながら、タッチセンサは、複数点接触と混同され得るし、接触力情報を提供しない。
【0013】
最後に、Speeterの米国特許5,479,528号は、ユーザのサイズを識別し、よってキーボードとマウスの様な仮想入力装置を最適箇所に再配置するための、触覚センサとIC(Integrated Circuit)を使用することを記述する。
【0014】
故に、制御ユーザインターフェース(CUI)を設計する際、より良い柔軟性を提供するために、センサ表面全体にわたって同時に起こる位置および圧力情報を提供する、再構成可能な入力装置への要求が存在する。ユーザコマンドのエラーのない処理を向上するために、複数の位置で接触の別個の位置と圧力を検知することのできる入力機器への要求もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、複数箇所かつ同時に、接触の位置と圧力の両方を計測することを可能とする触覚センサ配列に基づく、新規な再構成可能な入力装置を提供することにより先行技術の欠点を克服することにある。
【0016】
もうひとつの本発明の目的は、再構成可能な入力装置として使用されうる電極層を分離するための、薄い圧縮可能な誘電体構造を組み入れる、独立した硬いまたは柔軟な触覚センサを提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、電極層を回路レイアウトに組み込むことで、現存する硬質、あるいは軟質回路基板へ一体化されうる触覚センサを提供することにある。
【0018】
本発明のもうひとつの目的は、例えば電子発光体あるいは有機LEDランプといった、柔軟な表示の形態で覆われた触覚センサを提供することにある。
【0019】
本発明の更なる目的は、マスタコントローラあるいはスレーブ末端機器のいずれかとして動作する混合信号ICにより制御される再構成可能な触覚センサ入力装置を提供することにある。
【0020】
本発明のもうひとつの目的は、静電容量センサの表面中に均一な剛性を持った独立した触覚センサ配列を提供することであり、該静電容量センサは、硬質基板に搭載され、例えばELディスプレイのような柔軟な表示手段によって覆われている。
【0021】
本発明の更なる目的は、混合信号ICを計測するコンデンサにより制御される、再構成可能な触覚センサ入力装置を提供することである。
【0022】
本発明のその上更なる目的は、再構成可能な入力装置としての使用に適合される静電容量センサ、つまり一つの電極層をもう一つのそれと分離するための薄い誘電体の層を組み込むセンサ、を提供することである。
【0023】
本発明のもう一つのさらなる目的は、入力コマンド完了を折り返しユーザに確認する触覚フィードバック特性を備えた再構成可能な入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、新規な設計の静電容量センサに基づくものである。家電市場のため現実的に価値あるものとするためには、入力装置が製造するのに安価であり、携帯電話のように小さく、携帯可能な電子機器にサイズが納まるようサイズ的に薄くなくてはならない。この目標を達成するために、誘電体分離層のための新規な設計が、1番目と2番目の電極層の間に使われる。この分離層は、圧縮可能なポリマー物質から構築される構造の網状組織からなり、連続的な空気のポケットを形状間に形成して、使用中構造が圧縮することを可能とする。それでこの圧縮可能な誘電体構造(CDS)が、電極層間に堆積される。その一番薄い形状からしても依然相対的に厚みのある従来の発泡体シートとは反対に、この新規なアプローチはCDSを、つまりセンサ全体を、構築後に非常に薄くすることを可能とするものである。いくつかの実施形態においては、圧縮可能な誘電体構造は、ある限界圧力下でユーザに触覚フィードバックを提供するよう、倒れるように作られる。
【0025】
従来の触覚センサを見据えたのもう一つの進展は、硬質基板上へのセンサの搭載である。従来の触覚センサが両面からの圧力に対して柔軟に感知できるよう作られる一方で、この発明のセンサは、一面のみを感知可能にすることができ、薄い触覚センサを硬質本体へ結合することで、あるいは電極層の一つを構成する硬質基板を使うことで、他面を硬質表面上にセットできる。そのような構造は、柔軟な触覚センサに要求される設計に依然融通性をもたせる一方で、入力装置としてはこの発明をはるかに効果的なものとする。この構造は又、標準的な印刷回路基板が硬質基板と電極を形成するのに使われうるので、触覚センサの回路への統合化を容易にするものである。
【0026】
更なる発明は、触覚センサに基づく入力装置の再構成可能な機能のためのコントローラとして使用される混合信号(アナログとデジタル)ICを適用していることである。薄い安価な触覚センサと共同で、静電容量を計測することのできる混合信号ICを使うことは、家電産業を含むいくつかの産業で非常に有益となりうる広範囲に渡る新規な機能(従来のX、Y位置情報に加えて第3の変数としての圧力計測を含むが、これに限られない。)を有する新規な、経済的に存続可能な入力装置の創造を可能とするものである。
【0027】
上記に簡潔に記述されたセンサは分離したディスプレイと共に入力装置としてそれ自体機能できる一方で、センサ上に搭載された安価で柔軟なディスプレイ形態とそのようなセンサの組み合わせは、携帯電話とPDAのような小サイズの家電市場の応用にとってより有益なものとする。例えば、記述されたセンサの上に搭載された電子発光(EL)、e−ink、または有機LEDディスプレイは、センサの入力モード設定に合った特徴ある制御オーバレイを表示することも可能であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
この先の段落では、別段特に述べられない限りは、用語「センサ」と「センサ配列」は、それぞれの検出要素の配列と、ひとつかひとつ以上の任意に位置づけされた検出要素の集合の両方を意味する。
【0029】
本発明とその様々な長所のより完全な認識は、添付の図面を参照しつつ、次の詳細な説明を通して得られる。
【0030】
本発明の詳細な説明は、添付図面を参照しつつなされ、図中同じ要素は同じ参照文字および数字によって示される。
【0031】
図1は、本発明のセンサ装置100のもっとも基本的な設定を示す。すべての静電容量センサは、圧縮可能な誘電体構造で分離された第1および第2電極層を持つ。この場合、第1電極層101は、別の硬質基板(表示されていない)で支持されてもよく、あるいは最初から硬く作られてもよい。第2柔軟電極組み立て部品103は、圧縮可能な誘電体構造102(両電極層への電気的接続形態は表示されていない)により第1電極層101から離れる方向からつるされる。その層のデザインは、通常知られている触覚センサに使われている従来の発泡体のような固体物質からできていない点で、新規である。発砲体は圧縮可能な空気のポケットを組み入れる一方で、発泡体の非常に薄いシートはその圧縮率を失う。更に、発泡体の薄いシートを製造するのは非常に困難である。市場で入手可能なもっとも薄い発泡体シートは、約0.031インチと、この発明の目的には厚過ぎる。
【0032】
携帯電話の様な小サイズな家電機器には、第1電極層と第2電極層を分離し、製造するのに信頼性がありかつ単純な形態があることが重要である。この発明によると、空隙とそれらの間を抜かして、一つの電極層全体に渡って反復するパターンで、ストライプ、カラム、正多角形、湾曲、ドットのような幾何学的要素の圧縮可能な誘電体構造を堆積することで達成される。図1に断面図で示される要素106は、接着剤転写テープか液体状粘着体の薄い膜で101に接着された、シリコン、ゴム、あるいは熱可塑性のエラストマーのような圧縮可能な誘電体物質からなる。重要なことは、センサが組み立てられた後は、分離構造の要素間の空隙105は、自然に空気で満たされることである。スタイラス104やその他のいかなる物質による第2電極層103の上面の圧縮により、表面103の降下が、空気の細孔105内へ柔軟な電極を変形することおよび/または分離構造102の固体部分を圧縮することのコンビネーションにより形成される。構造要素106は隣同士に近接しているが、圧縮可能な空隙105を形成するよう十分な空間を持って配置されている。空隙は大気に通気されているかあるいは密閉されているが、互い接続されていてもよい。そのような誘電体層の厚みは、通常発泡体層の厚みと比してはるかに薄く、0.005インチに達する。最適な構造では、厚みは約0.05mmから約0.5mmである。
【0033】
圧縮可能な誘電体構造の設計の更なる改良は、ユーザへ触覚フィードバックを示す能力である。この構造の要素は、センサの圧縮により「カチン」とか「カリッ」のような感覚をユーザに与えるために、倒れたりつぶれたりするよう作られることができる。その機能はボタン起動のプロセスの完了を触知的にユーザに確認させられる点で有益である。それは、後述のように、限定されたカラム強度か内蔵の倒れる手段を持つ圧縮可能な誘電体構造の幾何学的要素を提供することで達成される。
【0034】
ここで、触覚フィードバックを提供する圧縮可能な構造の倒れる設計の例を示す図8AからCに注目する。図8Aは、ストライプ構造が斜めに、幅より大きい高さをもって配置されている。これがそれらのカラム強度を限定し、閾圧力を超えるとそれらのつぶれを促す。ユーザによる表面上の圧縮により、ストライプは軽い荷重下では最初はつぶれることなく圧縮するが、より重い荷重下ではその後つぶれ、そして装置表面は所定の閾値を超えた状態で一方へ倒れる。その値はストライプの物性を変えたり容積を変えたりして、容易に調節可能である。つぶれると、構造は一方の表面を他方に近づける即時の動作を提供し、この動作によって、ユーザには、ボタンが充分に押されて、更なる圧縮が必要ではなく有用でもないという認識が提供される。
【0035】
代替案は図8Bおよび図8Cに示され、ここでは、つぶれの所定ポイントを提供するために、ストライプが片面または両面のへこみを有する。閾圧力値を超えると、ストライプはこのポイントでつぶれ、先と同様に、入力装置の圧縮が完了することをユーザへ示すため瞬間的な触覚フィードバックを提供する。
【0036】
圧縮可能な誘電体構造の要素の他のつぶれることができる設計も意図されており、この発明の範囲に含まれている。それらはカラム、ドット、ピラミッド等のような、様々な倒れる要素を含み、構造の要素と共に組み込まれているか、あるいは単独の要素として形成されてもよい。
【0037】
この倒れる構造の使用の最初の線形局面では、上表面の圧縮が始まり断続的に上昇するにつれ、圧縮可能構造がへこまされて静電容量計測値が入力値として使われるので、信号強度に線形の上昇がある。閾値に達すると、誘電体構造がつぶれ信号の非線形ステップワイズ(non-linear step-wise)の上昇が発現する時、2番目の非線形局面の効果が現れ始める。つぶれることができる誘電体構造を持つ、本発明の触覚センサのそのような二元的局面の使用は、この入力装置のまたもう一つの重要な新規な特徴である。
【0038】
上述のような誘電体構造は本発明のすべての実施形態へ応用可能である。
【0039】
本発明のもう一つの特徴は、選択的な絶縁層(図示せず)の使用であり、それは電極層の設計と組み合わせられてもよい。そのような絶縁層の目的は、触覚センサの表面全体にわたって均一な表面を提供することにある。
【0040】
図2Aおよび図2Bは、本発明の入力装置200の商業的に有用な設計の第1実施形態を図解する。それは第1電極層201が搭載されている、硬質基板215からなる。電極層201は、PCBエッチング、スパッタあるいは真空金属堆積、または伝導性インク印刷法を含む様々な標準製造方法のどの一つを使用しても、形成されうる。この場合、第1電極層は、センサ中に間隔をおいて位置された別個のボタンタイプの電極240を持った知覚層を有し、接続点241で電極に着けられている別個の電気的接続(図示せず)からなる電気的接続手段が供給される。
【0041】
スクロールやその他の似た機能の電気的結合を向上させるため、図7の例に見られるように、電極間に選択的な絡み合ったオーバーラップを実装させることができる。図7Aはオーバーラップなしの電極設計を示す。図7BからDは、電極間の入り組んだオーバーラップのいっそう上昇している度合を示す。
【0042】
圧縮可能な誘電体構造202は、上記に記述されているのと同様に、第1電極層上に堆積されていて、固体の圧縮可能な要素206とそれらの間の空隙205からなる。第2層を定義する固体の伝導性シート220が分離構造層202上に位置されており、保護誘電体膜230は第2導電層を環境から絶縁するために組立品全体を覆う。第1層がそうであるように、第2層は、適切な伝導性のある透明な物質をエッチング、堆積、印刷することで製造され得る。あるいは、電極層は、布状に織られ、所望の電極パターンを形成するようにカットされた微細な導電性繊維の連続のような柔軟な導電材料から形成される。上層230を押し込むことで、局所的なくぼみを第2電極層220に引き起こし、該くぼみ下に位置する対応する「ボタン電極」240の静電容量を変化する。
【0043】
そのような配置を制御するのに必要とされる伝導経路の総数は、第1層の「ボタン」電極の数に第2電極層用の一つの経路を加えた数である。
【0044】
再構成可能なキーパッド、リモートコントロール、MP3プレーヤコントロールなどは、アプリケーションの変更の際に、ボタン電極が再割り当てされ得るので、この実施形態のもっとも有益な使用である。
【0045】
重要なことに、センサの表面全体の圧縮率は均一であり、物理的に分離していてそれゆえ均一に圧縮可能でない従来技術の別個のボタンとは対極にある。これは、ユーザの指が常にボタン中心に完璧に位置付けられない状態にある、小サイズ化された応用には重要である。先行技術の装置においてボタン中心から離れて圧縮することは、従来の接触タイプのボタンでは電極間で必要とされる接触が不十分であるかもしれないので、圧縮のゆがみを引き起し、ユーザの意図の解釈を間違う。本発明は、電極層間の絶対的接触が正常に機能するのに必要とされていないことから、ユーザの意図をいっそう正確に認識でき、先行技術より優れている。
【0046】
先行技術に比しての本発明の更なる長所は、圧力と接触箇所の計測の組み合わせがユーザ入力のより良い認識を可能とすることである。もしユーザがボタンの中間を押したとすると、高い圧縮の度合のある領域に、低い圧縮の度合のある隣接のボタン電極よりも高い優先度が与えられてもよい。この場合、正確にボタンの中心ではなくボタンの一般領域を押下することは、ユーザの意図を認識するのに十分である。
【0047】
この利点は、接触箇所の補完を使うことで更に発展され得る。例えば、スタイラスペンを2つの別個のボタン上またはその間で動かすことは、スクロールのような異なるコマンドとしてソフトウエアを制御することで別々に認識されるかもしれない。そのような付加的な機能は、従来の接触ボタン電極では気づかれることなく、同じ物理的規模内での新しい機能の幅を可能とする。スタイラスペンを使って文字を書いている時のように、接触箇所が動く場合にも同じ理論が使用でき、したがって、動きの方向の認知がより高精度に認知され得る。
【0048】
本発明の入力装置の有益な第2の実施形態は、図3Aおよび図3Bに図示される。幾何学的要素306と空隙305から作られる圧縮可能な誘電体構造からなる第2層320から分離された検出電極301の第1層を、硬質基板315が収納する点で、最初の実施形態に一般的に類似する。第1電極層の「ボタン」型の電極340は、一般的に行341と相互に連結されている。上記実施形態に図示されるすべての検出電極ではなく、それぞれの「行」の端の電極だけが専属の電気的接続経路341を持っている。
【0049】
第2駆動電極層320もまた、第1電極層の電極箇所へ対応する位置に列で一般的に配列されている個々の独立した電極321を包含する。第2層のボタンは、それぞれの行に沿った相互に連結する電気的経路322を有する。付加的な誘電体膜層345は集合体全体を覆うように図示され、分離した絶縁層350は、センサ全体を絶縁するために誘電体膜上に堆積されている。第1検出電極層と第2駆動電極層の電極の「列」および「行」配列は、電気的接続の総数を減らすことを可能とする。図3に示されている例では、第1電極層用に5つ、第2層に3つと、したがって計8つの接続が、14個のボタン入力装置を制御するために必要とされる。この実施形態は擬似的にマトリックス状配置を示しているが、この発明はほぼどんな任意の配列にそれらが配置されることができる。
【0050】
電極の全体的な配置が、この発明の第3実施形態として図4に示されている。上記実施形態と同一の原理を使って、設計400は、別個のボタンを第1検出電極層の電極ストライプ440に置き換えたものである。これらのストライプは、それぞれ電気的接続点441を備える。もう一つの組の電極ストライプ421が、検出電極ストライプと垂直方向に第2層に配列されている。それぞれの上部電極ストライプもまた電気接続422を備えている。したがって、完全な電極マトリクスは、水平方向と垂直方向のストライプの総数となるマトリクスを制御するために必要とされるワイヤの総数を伴って配列されている。図4に示される例では、制御ワイヤの総数は、10×6のセンサ配列では、下端層に10個で、上層に6個の計16である。421と440の交差により形成されるこのマトリクスの高い空間解像力は、従来のTFTマトリクスディスプレイが多様な映像を表示できるのと同様の形態で、仮想的に制限ない数の入力装置の配列を提供する。「ボタン」、「スライダ」、その他の制御が、現在、別個の物理的な形態というよりは入力概念として存在し、制御ソフトウエアを通して容易にプログラムされ得る。
【0051】
本発明の入力装置の第4実施形態が図5に示されている。これは上述の型に比べて2つの更なる向上がある。センサ圧力値を計測するために適用され、かつセンサとして同じ基板515上に近くに選択的に搭載されたIC570と、基準センサに被さる柔軟な表示手段560である。
【0052】
センサと共に搭載された商業的に入手可能なICの使用は、安価でこの発明の入力装置の大量生産を可能とする。この発明の目的にもっとも有益であるためには、ICはアナログとデジタルの両方の入出力を可能とする混合信号であるべきで、もしボタン、スライダ、電極配列などであれば静電容量を電極全体にわたって計測できるべきである。専用または標準インターフェースを組み込むことで、ICはホストプロセッサへの末端装置としてセンサが動作できるようにする。このインターフェースは、I2C、SPI、cambus、RS−232、USBのような多くの標準デジタルシリアルプロトコルのどんな形式でも採用でき、または、パラレルインターフェースポートと介してメモリマップI/Oを提供できる。応用に特化された、専用プロトコルも同様に使用され得る。ICデバイスは、ユーザ入力を検知するのに十分に早いペースで反復的に静電容量計測も可能で、かつリアルタイムで適切に返信できる。好ましくは、全てのローカルアナログ信号プロセスと基本制御も、現在の相対的設定に適切なユーザのコマンドのみが出力信号として外部へ送出されるように、ICレベルでなされる。例えば、それぞれの要素での未加工の圧力レベルを提供するよりは、ICは正確な、それぞれの接触箇所での補完されたX、Y位置の圧力を特定できる。代わりに、より洗練されたプロセスは、「ゲームコントローラ:Fire」や「オーディオプレーヤ:SELECT」のような、より論理的なコマンドを可能とできる。さらに、内蔵マイクロコントローラを取り込んだ混合信号ICは、再構成可能な触覚入力装置からの入力プロセスやホストを必要としない全体的な装置機能性の制御の両者を統御する単一のチップを可能とする。カスタムASICも特定の応用のセンサにあわせるため、一部または全ての上記特徴を組み入れることで、発展させられる。
【0053】
商業的に入手可能な構成要素の例として、Cypress Semiconductor(San Jose, CA)は、上述のような静電容量感知とデジタルインターフェースを可能とする、商業的に入手可能なIC製品を製造する。この技術は、Cypressのプログラム可能なシステム・オン・チップ(Programmable System−on−Chip(PSoC))では”CapSense”の取引名で知られているが、約25mm2かそれ以上の面積の比較的大きな検出要素を備えた触知性センサには十分である。Analog Devices(Norwood, MA)もまた、小さいセンサで静電容量計測を可能とする商業的に入手可能なICを生産するが、これらの製品はスレーブ末端装置としてのみ機能し、同数のセンサを読み取ることはできない。
【0054】
図5において、センサ500は、部分的には、上述の様々な形態のどの一つを使っても可能とできる第1電極層501を支持する硬質基板515から成る。圧縮可能な誘電体構造502は、第2層の電極を支持し、また上述のどのスキームを使うようにも作られる。この相対配置設定では、圧縮可能な誘電体構造で図示されているが、電極間の誘電体層は、新規な特徴はセンサ設計にだけあるのではなく、オプションの誘電体膜545と絶縁保護550を含むセンサ要素上に位置される柔軟な表示手段560の使用にもあり、発泡体からまたはその他の従来の方法を使用して作られ得る。柔軟な表示手段560は、図6に示されるように、異なる機能モードを表示するように設定され、透明な保護層565で覆われてもよい。
【0055】
柔軟な表示手段560は、この発明の再配置可能な触知性のある入力装置の現在の相対的配置設定を示すために設計される。ある場合では、完全なオーバレイは必要とされず、ユーザに現在の機能を順に示すドット、十字線、矢印、または同様の印を示すセンサの一部のみを覆ってもよい。柔軟な表示手段として、この発明の目的に有利に使われ得る一つの有益な技術として、電子発光(EL)ディスプレイが知られている。ELディスプレイは、操作のモードに依存して相互配列設定を変化するよう設計され得るし、どのモードが現在運用されているのかのガイドをユーザに提供する。
【0056】
電子発光ディスプレイは、誘電体層と選択的に堆積された発光性の蛍光体とで分離される、2つの伝導性のある表面からなるコンデンサと、類似する。蛍光体は、電場にさらされると発光する。AC電圧は、一般的に、蛍光体と誘電体層の間の電場を作り出すために使われる。それぞれのサイクルで2回、電子が励起され、蛍光体が透明な前面電極を介して光を放つ。本発明に使われるように、ELディスプレイの長所は、少ない厚みと柔軟性であり、触知性機能を減ずることなくセンサを覆うことを可能とする。ELディスプレイはまた手軽に入手可能で、装置全体のコストに殊更重荷とならない。
【0057】
本発明の目的のために使用され得るELディスプレイの特定の例は、英国ケンブリッジ州のペリカン社で作られている。その他の柔軟なディスプレイ手段として、有機LEDディスプレイまたはマサチューセッツ州ケンブリッジのE−INKにより製造される「電子インク」や、カリフォルニア州フレモントのシピックスイメージングによって製造される「電子ペーパー」等も使用され得る。
【0058】
図6は複数に区分されたELディスプレイを使って作られ得るセンサ配列設定の様々な有用な例を図示する。図6Aから図6Dは、異なる操作モード中のディスプレイの発光される外観を示す。操作モードでは、センサがタッチパッドや書き込みメモ帳として使われる「フリーフォーム」モード6Aと、センサが標準キーパッドとして機能する「電話」モード6Bと、リストをスクロールする時やオーディオプレーを操作しているような時に使われる「ナビゲーション」モード6Cと、センサがほとんどの携帯可能なゲームシステム用に典型的な制御に提供する、「ゲーム」モード6Dとがある。
【0059】
典型的な配列では、ELディスプレイの底面電極層は、センサ用の上面絶縁層と選択的に組み合わせられ得る絶縁層となる。それから装置全体が、磨耗、湿気、その他の不意な環境状況から保護するための半透明で柔軟なカバーによって選択的に覆われる。
【0060】
図7Aから図7Dは、スライドするコントローラのように構成要素間の連結が要求される様々な電極配置設定を示す。RTIDは本質的に、電気的かつ機械的連結効果のため個別の誘電体電極間の連結を提供する。重心検知を必要とする操作のためには、ファインピッチ電極が使われ、構成要素間の更なる連結がセンサ設計により組み込まれうる。例えば、もし非常に厚く堅いオーバレイ物質が使われるなら、電極の中心をオペレータが押した場合、すべての電極からの応答は同じであろう。この機械的連結のアプローチには、増加するRTIDの厚みという短所がある。したがって、スライダやスクロールホイールとして動作する電極には、電極設計は互いに絡み合う指を組み入れることができる。電気的結合の程度はセンサのサイズと要求される操作上の動作によって調整され得る。
【0061】
図8Aから図8Cは、重い圧力下で倒れるように設計された様々な有電支持構造を示す。図8Aは、接触領域が負荷により倒れる、一つの好ましい実施形態を示す。スクロールやナビゲートモードでは、倒れが起こらないように軽い圧力が使われるが、触知性センサは接触位置と動きの方向を決定できる。オペレータが要望する位置へ到達した時、オペレータは選択を示すためにその位置でもっと強く押すことができる。このより強い押下により、支持構造が倒れたり、座屈したりする。電極間隔が近くなるので、静電容量計測値が高くなり、つぶされた構造によって指示される力が弱くなって、ユーザが所望の選択を押下または選択したという触知性感覚が、ユーザに提供される。
【0062】
本発明の再配列可能な入力装置は、従来技術の現存する入力装置に比べて次のような長所がある。
・センサ表面全体に同時に起こる位置および圧力情報を提供する。したがって、ユーザインターフェース設計で更なる柔軟性を提供する。
・圧力情報は、制御入力を有効化あるいは無効化するための更なる機械的スイッチを必要としうる現存するタッチセンサと比べた際(AppleコンピュータのiPod(登録商標)は、例えば、そのようなホールドスイッチを有する。)、不慮の制御調整を避ける事が容易にできる。
・本発明の触覚入力装置をもってすると、スクロール動作や所望の対象の選択のような異なる動作を示すために、同じ領域内において異なる圧力レベルを使えるので、別個のスイッチは必要ではない。
・タッチスクリーンに必要とされる様な位置キャリブレーションは必要ではないので、位置誤差ドリフトは最小化される。
・本発明は、一つ以上の接触位置を解像できる本質的な能力を持ち、単一接触出力装置と比べてよりしっかりとしたユーザの意図の理解を提供する。
・そして最後に、多数の伝導性または非伝導性物質同様、指を使って機能する。
【0063】
ここに本発明は特定の実施の形態に関連して記述されて来たが、これらの実施形態は本発明の原理と応用を単に具体例として示したに過ぎないと解される。それゆえ、多様な改変が具体的形態になされてもよく、そして添付の請求項によって定義されるように、本発明の思想と範囲から外れることなくその他のアレンジが発明されうると解される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】センサ上に圧力を与えるスタイラスペンを伴う、本発明の触覚センサの最も基本的な設計の一般的な図である。
【図2A】再構成可能なキーパッドとして使用される別個の電極を持った本発明のセンサの、最初の有益な実施形態の、立面図である。
【図2B】再構成可能なキーパッドとして使用される別個の電極を持った本発明のセンサの、最初の有益な実施形態の、部分拡大を伴う側面図である。
【図3A】相互に接続された個別の電極のマトリックスを組み込んだ、本発明の2つ目の有益な実施形態の、立面図である。
【図3B】相互に接続された個別の電極のマトリックスを組み込んだ、本発明の2つ目の有益な実施形態の、部分拡大を伴う側面図である。
【図4】容量性触覚センサ配列を形成する電極の重ねあった帯を持つ本発明の3つ目の実施形態の、立面図および部分拡大図を伴う側面図である。
【図5】センサと近傍に搭載されたIC上の柔軟なディスプレイの形態を表示する、4つ目の発明の実施形態を表示する。
【図6A】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図6B】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図6C】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図6D】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図7】より良い電気的結合のために適応された重複した電極の様々な様式を示す。
【図8A】触覚フィードバックをユーザへ提供するために、所定の閾値を超えた圧力下で倒れるよう設計された、圧縮可能な誘電体構造の可能な様式を示す。
【図8B】触覚フィードバックをユーザへ提供するために、所定の閾値を超えた圧力下で倒れるよう設計された、圧縮可能な誘電体構造の可能な様式を示す。
【図8C】触覚フィードバックをユーザへ提供するために、所定の閾値を超えた圧力下で倒れるよう設計された、圧縮可能な誘電体構造の可能な様式を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね再構成可能な入力装置に関連する。より詳細には、本発明の入力装置は、アプリケーションの特定の必要性に応じてその装置が機能を変化させられると同時に、触覚センサ技術を使用するものである。
【背景技術】
【0002】
ひとつの有益な実施形態では、触覚装置が、エラーのないコマンドプロセスを増加させるために、接点の場所と圧力を複数箇所同時に計測することができる。あるいは、その他の実施形態では、コマンド入力が成功裏に完了したことの確認を与えるセンサの抑圧により、触覚のフィードバックがユーザに提供される。本発明の装置の適用としては、携帯電話、PDA、携帯可能な音声、ビデオ再生機(例えばApple社の有名なiPod(登録商標)製品類)、およびその他の携帯可能な電子機器類などの消費者製品から産業、ロボット工学的使用に渡る。
【0003】
ディスプレイ上での接触箇所を計測できる、2次元(X,Y)の再構成可能な入力装置が一般に知られている。これら装置は接触マトリクスから構成され、それぞれのマトリクスのセル内の電気的信号の有無を検出する。典型的には、これらの入力装置は硬質出力ディスプレイを覆うよう、透明に作られる。この構成は、ディスプレイが入力装置と接触しているユーザの手により妨害されない大きなボタンを表示できる大画面用の使用には適している。
【0004】
しかし、例えば携帯電話やPDAなどの小さい、携帯用電子機器にとって、人間の指は、その小サイズのディスプレイと比較して大きすぎる。この問題のため、多くの機器は、タッチスクリーンを操作するために小さいスタイラスペンを提供するが、それは使用に時間をとり、扱いが難しく、また容易に紛失される。
【0005】
入力装置に使われるその他の機器の種類は、近接センサである。これらの装置は、入力装置付近の人間の指先に見いだされる様な、電気的伝導性質の存在を感知する。しかし、それらは環境の変化の影響を受け易く、グローブをはめている人の様な、伝導性でない物質とは機能しない。この種の装置は接触圧力を計測せず、ゆえに常にユーザの意図を解釈できるわけではない。したがって、ユーザとのこれらの装置の相互作用は限られている。
【0006】
静電容量センサが入力装置として使用されることは、Matzkeの米国特許4,736,191号に記述されているように、知られている。この特許は、コンピュータ用の再構成不可の入力機器としての使用のため、円形静電容量近接センサとして作られたタッチパッドを記述する。
【0007】
Boieによる米国特許5,463,388号は、コンピュータ用の入力装置として、人間の手のような伝導性があり湿気のある物体の近接効果による静電容量変化の計測に基づくマウスまたはキーボードの入力装置を記述する。
【0008】
Seelyの米国特許6,188,391号とMillerの米国特許5,648,642号は、誘電体物質の反対側の伝導性電極を含む近接センサとして作られた2層容量性タッチパッドのもうひとつの例を紹介している。関連した特許で、Millerによる米国特許5,841,078号には、圧力感知が議論されているが、示されているアプローチは、増加した圧力で増加する指先の接触面積に基づく圧力を決定する間接的方法である。
【0009】
Westermanによる米国特許6,888,536号は、近接センサの配列を使う複数の指と掌の接触を同時に追跡するためのセンサを記述する。この装置は、タイピング、カーソルの動き、身振りの認知といった複数機能を扱うために設計されている。公開されている発明は、センサ要素ごとに多くても4つの接続端子を必要とする近接センサを使用し、ピクセルレベルで相当する電気回路を配置する。Westermanは圧力と近接効果の両方を計測する能力を記述するが、2つの効果がどう分離され得るかを記述できてはいない。
【0010】
相互に交換可能なキーボードとビデオディスプレイに基づく再構成可能な入力装置もまた、技術的に知られている。例えば、Kaplowによる米国特許4,202,041号は、言語と機能の要求に応じてボタンの外観を劇的に変える入力キーボードを記述する。しかしながら、一つ一つのキーボタンは、従来の個別電気スイッチを使って製造するには高くつく。Kubesの米国特許6,035,180号および5,877,695号は、さまざまな警告、パターンおよび画像を表示するマトリックス配列を駆動する携帯電子機器に組み込まれた電子発光(EL)ドライバを記述する。これらの特許は、ELディスプレイ下にタッチ入力装置を配置することには言及するが、タッチセンサの詳細は特定しない。
【0011】
Bensonの米国特許6,888,537号は、異なるアプリケーションにてスイッチを操作可能とする印刷された設定シートと組合わせて、与えられた物理力(Z)に沿った接触位置(X、Y)を出力信号として送信する入力装置を記述する。この発明の記述は、規定に従って弾性誘電物質として働くよう設計された泡状の圧縮できる物質を紹介するが、実際はこの発泡体は、小さい携帯可能な電子機器内の入力装置としての使用のために十分に薄く作られることはできない。
【0012】
Wardの米国特許6,824,321号は、複数のモードでセンサを機能させることのできる複数層からなるELディスプレイと組み合わされた、一般的なX,Yタッチセンサを記述する。ELディスプレイはタッチセンサの背面に置かれ、本質的に透明であることを要する。しかしながら、タッチセンサは、複数点接触と混同され得るし、接触力情報を提供しない。
【0013】
最後に、Speeterの米国特許5,479,528号は、ユーザのサイズを識別し、よってキーボードとマウスの様な仮想入力装置を最適箇所に再配置するための、触覚センサとIC(Integrated Circuit)を使用することを記述する。
【0014】
故に、制御ユーザインターフェース(CUI)を設計する際、より良い柔軟性を提供するために、センサ表面全体にわたって同時に起こる位置および圧力情報を提供する、再構成可能な入力装置への要求が存在する。ユーザコマンドのエラーのない処理を向上するために、複数の位置で接触の別個の位置と圧力を検知することのできる入力機器への要求もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、複数箇所かつ同時に、接触の位置と圧力の両方を計測することを可能とする触覚センサ配列に基づく、新規な再構成可能な入力装置を提供することにより先行技術の欠点を克服することにある。
【0016】
もうひとつの本発明の目的は、再構成可能な入力装置として使用されうる電極層を分離するための、薄い圧縮可能な誘電体構造を組み入れる、独立した硬いまたは柔軟な触覚センサを提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、電極層を回路レイアウトに組み込むことで、現存する硬質、あるいは軟質回路基板へ一体化されうる触覚センサを提供することにある。
【0018】
本発明のもうひとつの目的は、例えば電子発光体あるいは有機LEDランプといった、柔軟な表示の形態で覆われた触覚センサを提供することにある。
【0019】
本発明の更なる目的は、マスタコントローラあるいはスレーブ末端機器のいずれかとして動作する混合信号ICにより制御される再構成可能な触覚センサ入力装置を提供することにある。
【0020】
本発明のもうひとつの目的は、静電容量センサの表面中に均一な剛性を持った独立した触覚センサ配列を提供することであり、該静電容量センサは、硬質基板に搭載され、例えばELディスプレイのような柔軟な表示手段によって覆われている。
【0021】
本発明の更なる目的は、混合信号ICを計測するコンデンサにより制御される、再構成可能な触覚センサ入力装置を提供することである。
【0022】
本発明のその上更なる目的は、再構成可能な入力装置としての使用に適合される静電容量センサ、つまり一つの電極層をもう一つのそれと分離するための薄い誘電体の層を組み込むセンサ、を提供することである。
【0023】
本発明のもう一つのさらなる目的は、入力コマンド完了を折り返しユーザに確認する触覚フィードバック特性を備えた再構成可能な入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、新規な設計の静電容量センサに基づくものである。家電市場のため現実的に価値あるものとするためには、入力装置が製造するのに安価であり、携帯電話のように小さく、携帯可能な電子機器にサイズが納まるようサイズ的に薄くなくてはならない。この目標を達成するために、誘電体分離層のための新規な設計が、1番目と2番目の電極層の間に使われる。この分離層は、圧縮可能なポリマー物質から構築される構造の網状組織からなり、連続的な空気のポケットを形状間に形成して、使用中構造が圧縮することを可能とする。それでこの圧縮可能な誘電体構造(CDS)が、電極層間に堆積される。その一番薄い形状からしても依然相対的に厚みのある従来の発泡体シートとは反対に、この新規なアプローチはCDSを、つまりセンサ全体を、構築後に非常に薄くすることを可能とするものである。いくつかの実施形態においては、圧縮可能な誘電体構造は、ある限界圧力下でユーザに触覚フィードバックを提供するよう、倒れるように作られる。
【0025】
従来の触覚センサを見据えたのもう一つの進展は、硬質基板上へのセンサの搭載である。従来の触覚センサが両面からの圧力に対して柔軟に感知できるよう作られる一方で、この発明のセンサは、一面のみを感知可能にすることができ、薄い触覚センサを硬質本体へ結合することで、あるいは電極層の一つを構成する硬質基板を使うことで、他面を硬質表面上にセットできる。そのような構造は、柔軟な触覚センサに要求される設計に依然融通性をもたせる一方で、入力装置としてはこの発明をはるかに効果的なものとする。この構造は又、標準的な印刷回路基板が硬質基板と電極を形成するのに使われうるので、触覚センサの回路への統合化を容易にするものである。
【0026】
更なる発明は、触覚センサに基づく入力装置の再構成可能な機能のためのコントローラとして使用される混合信号(アナログとデジタル)ICを適用していることである。薄い安価な触覚センサと共同で、静電容量を計測することのできる混合信号ICを使うことは、家電産業を含むいくつかの産業で非常に有益となりうる広範囲に渡る新規な機能(従来のX、Y位置情報に加えて第3の変数としての圧力計測を含むが、これに限られない。)を有する新規な、経済的に存続可能な入力装置の創造を可能とするものである。
【0027】
上記に簡潔に記述されたセンサは分離したディスプレイと共に入力装置としてそれ自体機能できる一方で、センサ上に搭載された安価で柔軟なディスプレイ形態とそのようなセンサの組み合わせは、携帯電話とPDAのような小サイズの家電市場の応用にとってより有益なものとする。例えば、記述されたセンサの上に搭載された電子発光(EL)、e−ink、または有機LEDディスプレイは、センサの入力モード設定に合った特徴ある制御オーバレイを表示することも可能であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
この先の段落では、別段特に述べられない限りは、用語「センサ」と「センサ配列」は、それぞれの検出要素の配列と、ひとつかひとつ以上の任意に位置づけされた検出要素の集合の両方を意味する。
【0029】
本発明とその様々な長所のより完全な認識は、添付の図面を参照しつつ、次の詳細な説明を通して得られる。
【0030】
本発明の詳細な説明は、添付図面を参照しつつなされ、図中同じ要素は同じ参照文字および数字によって示される。
【0031】
図1は、本発明のセンサ装置100のもっとも基本的な設定を示す。すべての静電容量センサは、圧縮可能な誘電体構造で分離された第1および第2電極層を持つ。この場合、第1電極層101は、別の硬質基板(表示されていない)で支持されてもよく、あるいは最初から硬く作られてもよい。第2柔軟電極組み立て部品103は、圧縮可能な誘電体構造102(両電極層への電気的接続形態は表示されていない)により第1電極層101から離れる方向からつるされる。その層のデザインは、通常知られている触覚センサに使われている従来の発泡体のような固体物質からできていない点で、新規である。発砲体は圧縮可能な空気のポケットを組み入れる一方で、発泡体の非常に薄いシートはその圧縮率を失う。更に、発泡体の薄いシートを製造するのは非常に困難である。市場で入手可能なもっとも薄い発泡体シートは、約0.031インチと、この発明の目的には厚過ぎる。
【0032】
携帯電話の様な小サイズな家電機器には、第1電極層と第2電極層を分離し、製造するのに信頼性がありかつ単純な形態があることが重要である。この発明によると、空隙とそれらの間を抜かして、一つの電極層全体に渡って反復するパターンで、ストライプ、カラム、正多角形、湾曲、ドットのような幾何学的要素の圧縮可能な誘電体構造を堆積することで達成される。図1に断面図で示される要素106は、接着剤転写テープか液体状粘着体の薄い膜で101に接着された、シリコン、ゴム、あるいは熱可塑性のエラストマーのような圧縮可能な誘電体物質からなる。重要なことは、センサが組み立てられた後は、分離構造の要素間の空隙105は、自然に空気で満たされることである。スタイラス104やその他のいかなる物質による第2電極層103の上面の圧縮により、表面103の降下が、空気の細孔105内へ柔軟な電極を変形することおよび/または分離構造102の固体部分を圧縮することのコンビネーションにより形成される。構造要素106は隣同士に近接しているが、圧縮可能な空隙105を形成するよう十分な空間を持って配置されている。空隙は大気に通気されているかあるいは密閉されているが、互い接続されていてもよい。そのような誘電体層の厚みは、通常発泡体層の厚みと比してはるかに薄く、0.005インチに達する。最適な構造では、厚みは約0.05mmから約0.5mmである。
【0033】
圧縮可能な誘電体構造の設計の更なる改良は、ユーザへ触覚フィードバックを示す能力である。この構造の要素は、センサの圧縮により「カチン」とか「カリッ」のような感覚をユーザに与えるために、倒れたりつぶれたりするよう作られることができる。その機能はボタン起動のプロセスの完了を触知的にユーザに確認させられる点で有益である。それは、後述のように、限定されたカラム強度か内蔵の倒れる手段を持つ圧縮可能な誘電体構造の幾何学的要素を提供することで達成される。
【0034】
ここで、触覚フィードバックを提供する圧縮可能な構造の倒れる設計の例を示す図8AからCに注目する。図8Aは、ストライプ構造が斜めに、幅より大きい高さをもって配置されている。これがそれらのカラム強度を限定し、閾圧力を超えるとそれらのつぶれを促す。ユーザによる表面上の圧縮により、ストライプは軽い荷重下では最初はつぶれることなく圧縮するが、より重い荷重下ではその後つぶれ、そして装置表面は所定の閾値を超えた状態で一方へ倒れる。その値はストライプの物性を変えたり容積を変えたりして、容易に調節可能である。つぶれると、構造は一方の表面を他方に近づける即時の動作を提供し、この動作によって、ユーザには、ボタンが充分に押されて、更なる圧縮が必要ではなく有用でもないという認識が提供される。
【0035】
代替案は図8Bおよび図8Cに示され、ここでは、つぶれの所定ポイントを提供するために、ストライプが片面または両面のへこみを有する。閾圧力値を超えると、ストライプはこのポイントでつぶれ、先と同様に、入力装置の圧縮が完了することをユーザへ示すため瞬間的な触覚フィードバックを提供する。
【0036】
圧縮可能な誘電体構造の要素の他のつぶれることができる設計も意図されており、この発明の範囲に含まれている。それらはカラム、ドット、ピラミッド等のような、様々な倒れる要素を含み、構造の要素と共に組み込まれているか、あるいは単独の要素として形成されてもよい。
【0037】
この倒れる構造の使用の最初の線形局面では、上表面の圧縮が始まり断続的に上昇するにつれ、圧縮可能構造がへこまされて静電容量計測値が入力値として使われるので、信号強度に線形の上昇がある。閾値に達すると、誘電体構造がつぶれ信号の非線形ステップワイズ(non-linear step-wise)の上昇が発現する時、2番目の非線形局面の効果が現れ始める。つぶれることができる誘電体構造を持つ、本発明の触覚センサのそのような二元的局面の使用は、この入力装置のまたもう一つの重要な新規な特徴である。
【0038】
上述のような誘電体構造は本発明のすべての実施形態へ応用可能である。
【0039】
本発明のもう一つの特徴は、選択的な絶縁層(図示せず)の使用であり、それは電極層の設計と組み合わせられてもよい。そのような絶縁層の目的は、触覚センサの表面全体にわたって均一な表面を提供することにある。
【0040】
図2Aおよび図2Bは、本発明の入力装置200の商業的に有用な設計の第1実施形態を図解する。それは第1電極層201が搭載されている、硬質基板215からなる。電極層201は、PCBエッチング、スパッタあるいは真空金属堆積、または伝導性インク印刷法を含む様々な標準製造方法のどの一つを使用しても、形成されうる。この場合、第1電極層は、センサ中に間隔をおいて位置された別個のボタンタイプの電極240を持った知覚層を有し、接続点241で電極に着けられている別個の電気的接続(図示せず)からなる電気的接続手段が供給される。
【0041】
スクロールやその他の似た機能の電気的結合を向上させるため、図7の例に見られるように、電極間に選択的な絡み合ったオーバーラップを実装させることができる。図7Aはオーバーラップなしの電極設計を示す。図7BからDは、電極間の入り組んだオーバーラップのいっそう上昇している度合を示す。
【0042】
圧縮可能な誘電体構造202は、上記に記述されているのと同様に、第1電極層上に堆積されていて、固体の圧縮可能な要素206とそれらの間の空隙205からなる。第2層を定義する固体の伝導性シート220が分離構造層202上に位置されており、保護誘電体膜230は第2導電層を環境から絶縁するために組立品全体を覆う。第1層がそうであるように、第2層は、適切な伝導性のある透明な物質をエッチング、堆積、印刷することで製造され得る。あるいは、電極層は、布状に織られ、所望の電極パターンを形成するようにカットされた微細な導電性繊維の連続のような柔軟な導電材料から形成される。上層230を押し込むことで、局所的なくぼみを第2電極層220に引き起こし、該くぼみ下に位置する対応する「ボタン電極」240の静電容量を変化する。
【0043】
そのような配置を制御するのに必要とされる伝導経路の総数は、第1層の「ボタン」電極の数に第2電極層用の一つの経路を加えた数である。
【0044】
再構成可能なキーパッド、リモートコントロール、MP3プレーヤコントロールなどは、アプリケーションの変更の際に、ボタン電極が再割り当てされ得るので、この実施形態のもっとも有益な使用である。
【0045】
重要なことに、センサの表面全体の圧縮率は均一であり、物理的に分離していてそれゆえ均一に圧縮可能でない従来技術の別個のボタンとは対極にある。これは、ユーザの指が常にボタン中心に完璧に位置付けられない状態にある、小サイズ化された応用には重要である。先行技術の装置においてボタン中心から離れて圧縮することは、従来の接触タイプのボタンでは電極間で必要とされる接触が不十分であるかもしれないので、圧縮のゆがみを引き起し、ユーザの意図の解釈を間違う。本発明は、電極層間の絶対的接触が正常に機能するのに必要とされていないことから、ユーザの意図をいっそう正確に認識でき、先行技術より優れている。
【0046】
先行技術に比しての本発明の更なる長所は、圧力と接触箇所の計測の組み合わせがユーザ入力のより良い認識を可能とすることである。もしユーザがボタンの中間を押したとすると、高い圧縮の度合のある領域に、低い圧縮の度合のある隣接のボタン電極よりも高い優先度が与えられてもよい。この場合、正確にボタンの中心ではなくボタンの一般領域を押下することは、ユーザの意図を認識するのに十分である。
【0047】
この利点は、接触箇所の補完を使うことで更に発展され得る。例えば、スタイラスペンを2つの別個のボタン上またはその間で動かすことは、スクロールのような異なるコマンドとしてソフトウエアを制御することで別々に認識されるかもしれない。そのような付加的な機能は、従来の接触ボタン電極では気づかれることなく、同じ物理的規模内での新しい機能の幅を可能とする。スタイラスペンを使って文字を書いている時のように、接触箇所が動く場合にも同じ理論が使用でき、したがって、動きの方向の認知がより高精度に認知され得る。
【0048】
本発明の入力装置の有益な第2の実施形態は、図3Aおよび図3Bに図示される。幾何学的要素306と空隙305から作られる圧縮可能な誘電体構造からなる第2層320から分離された検出電極301の第1層を、硬質基板315が収納する点で、最初の実施形態に一般的に類似する。第1電極層の「ボタン」型の電極340は、一般的に行341と相互に連結されている。上記実施形態に図示されるすべての検出電極ではなく、それぞれの「行」の端の電極だけが専属の電気的接続経路341を持っている。
【0049】
第2駆動電極層320もまた、第1電極層の電極箇所へ対応する位置に列で一般的に配列されている個々の独立した電極321を包含する。第2層のボタンは、それぞれの行に沿った相互に連結する電気的経路322を有する。付加的な誘電体膜層345は集合体全体を覆うように図示され、分離した絶縁層350は、センサ全体を絶縁するために誘電体膜上に堆積されている。第1検出電極層と第2駆動電極層の電極の「列」および「行」配列は、電気的接続の総数を減らすことを可能とする。図3に示されている例では、第1電極層用に5つ、第2層に3つと、したがって計8つの接続が、14個のボタン入力装置を制御するために必要とされる。この実施形態は擬似的にマトリックス状配置を示しているが、この発明はほぼどんな任意の配列にそれらが配置されることができる。
【0050】
電極の全体的な配置が、この発明の第3実施形態として図4に示されている。上記実施形態と同一の原理を使って、設計400は、別個のボタンを第1検出電極層の電極ストライプ440に置き換えたものである。これらのストライプは、それぞれ電気的接続点441を備える。もう一つの組の電極ストライプ421が、検出電極ストライプと垂直方向に第2層に配列されている。それぞれの上部電極ストライプもまた電気接続422を備えている。したがって、完全な電極マトリクスは、水平方向と垂直方向のストライプの総数となるマトリクスを制御するために必要とされるワイヤの総数を伴って配列されている。図4に示される例では、制御ワイヤの総数は、10×6のセンサ配列では、下端層に10個で、上層に6個の計16である。421と440の交差により形成されるこのマトリクスの高い空間解像力は、従来のTFTマトリクスディスプレイが多様な映像を表示できるのと同様の形態で、仮想的に制限ない数の入力装置の配列を提供する。「ボタン」、「スライダ」、その他の制御が、現在、別個の物理的な形態というよりは入力概念として存在し、制御ソフトウエアを通して容易にプログラムされ得る。
【0051】
本発明の入力装置の第4実施形態が図5に示されている。これは上述の型に比べて2つの更なる向上がある。センサ圧力値を計測するために適用され、かつセンサとして同じ基板515上に近くに選択的に搭載されたIC570と、基準センサに被さる柔軟な表示手段560である。
【0052】
センサと共に搭載された商業的に入手可能なICの使用は、安価でこの発明の入力装置の大量生産を可能とする。この発明の目的にもっとも有益であるためには、ICはアナログとデジタルの両方の入出力を可能とする混合信号であるべきで、もしボタン、スライダ、電極配列などであれば静電容量を電極全体にわたって計測できるべきである。専用または標準インターフェースを組み込むことで、ICはホストプロセッサへの末端装置としてセンサが動作できるようにする。このインターフェースは、I2C、SPI、cambus、RS−232、USBのような多くの標準デジタルシリアルプロトコルのどんな形式でも採用でき、または、パラレルインターフェースポートと介してメモリマップI/Oを提供できる。応用に特化された、専用プロトコルも同様に使用され得る。ICデバイスは、ユーザ入力を検知するのに十分に早いペースで反復的に静電容量計測も可能で、かつリアルタイムで適切に返信できる。好ましくは、全てのローカルアナログ信号プロセスと基本制御も、現在の相対的設定に適切なユーザのコマンドのみが出力信号として外部へ送出されるように、ICレベルでなされる。例えば、それぞれの要素での未加工の圧力レベルを提供するよりは、ICは正確な、それぞれの接触箇所での補完されたX、Y位置の圧力を特定できる。代わりに、より洗練されたプロセスは、「ゲームコントローラ:Fire」や「オーディオプレーヤ:SELECT」のような、より論理的なコマンドを可能とできる。さらに、内蔵マイクロコントローラを取り込んだ混合信号ICは、再構成可能な触覚入力装置からの入力プロセスやホストを必要としない全体的な装置機能性の制御の両者を統御する単一のチップを可能とする。カスタムASICも特定の応用のセンサにあわせるため、一部または全ての上記特徴を組み入れることで、発展させられる。
【0053】
商業的に入手可能な構成要素の例として、Cypress Semiconductor(San Jose, CA)は、上述のような静電容量感知とデジタルインターフェースを可能とする、商業的に入手可能なIC製品を製造する。この技術は、Cypressのプログラム可能なシステム・オン・チップ(Programmable System−on−Chip(PSoC))では”CapSense”の取引名で知られているが、約25mm2かそれ以上の面積の比較的大きな検出要素を備えた触知性センサには十分である。Analog Devices(Norwood, MA)もまた、小さいセンサで静電容量計測を可能とする商業的に入手可能なICを生産するが、これらの製品はスレーブ末端装置としてのみ機能し、同数のセンサを読み取ることはできない。
【0054】
図5において、センサ500は、部分的には、上述の様々な形態のどの一つを使っても可能とできる第1電極層501を支持する硬質基板515から成る。圧縮可能な誘電体構造502は、第2層の電極を支持し、また上述のどのスキームを使うようにも作られる。この相対配置設定では、圧縮可能な誘電体構造で図示されているが、電極間の誘電体層は、新規な特徴はセンサ設計にだけあるのではなく、オプションの誘電体膜545と絶縁保護550を含むセンサ要素上に位置される柔軟な表示手段560の使用にもあり、発泡体からまたはその他の従来の方法を使用して作られ得る。柔軟な表示手段560は、図6に示されるように、異なる機能モードを表示するように設定され、透明な保護層565で覆われてもよい。
【0055】
柔軟な表示手段560は、この発明の再配置可能な触知性のある入力装置の現在の相対的配置設定を示すために設計される。ある場合では、完全なオーバレイは必要とされず、ユーザに現在の機能を順に示すドット、十字線、矢印、または同様の印を示すセンサの一部のみを覆ってもよい。柔軟な表示手段として、この発明の目的に有利に使われ得る一つの有益な技術として、電子発光(EL)ディスプレイが知られている。ELディスプレイは、操作のモードに依存して相互配列設定を変化するよう設計され得るし、どのモードが現在運用されているのかのガイドをユーザに提供する。
【0056】
電子発光ディスプレイは、誘電体層と選択的に堆積された発光性の蛍光体とで分離される、2つの伝導性のある表面からなるコンデンサと、類似する。蛍光体は、電場にさらされると発光する。AC電圧は、一般的に、蛍光体と誘電体層の間の電場を作り出すために使われる。それぞれのサイクルで2回、電子が励起され、蛍光体が透明な前面電極を介して光を放つ。本発明に使われるように、ELディスプレイの長所は、少ない厚みと柔軟性であり、触知性機能を減ずることなくセンサを覆うことを可能とする。ELディスプレイはまた手軽に入手可能で、装置全体のコストに殊更重荷とならない。
【0057】
本発明の目的のために使用され得るELディスプレイの特定の例は、英国ケンブリッジ州のペリカン社で作られている。その他の柔軟なディスプレイ手段として、有機LEDディスプレイまたはマサチューセッツ州ケンブリッジのE−INKにより製造される「電子インク」や、カリフォルニア州フレモントのシピックスイメージングによって製造される「電子ペーパー」等も使用され得る。
【0058】
図6は複数に区分されたELディスプレイを使って作られ得るセンサ配列設定の様々な有用な例を図示する。図6Aから図6Dは、異なる操作モード中のディスプレイの発光される外観を示す。操作モードでは、センサがタッチパッドや書き込みメモ帳として使われる「フリーフォーム」モード6Aと、センサが標準キーパッドとして機能する「電話」モード6Bと、リストをスクロールする時やオーディオプレーを操作しているような時に使われる「ナビゲーション」モード6Cと、センサがほとんどの携帯可能なゲームシステム用に典型的な制御に提供する、「ゲーム」モード6Dとがある。
【0059】
典型的な配列では、ELディスプレイの底面電極層は、センサ用の上面絶縁層と選択的に組み合わせられ得る絶縁層となる。それから装置全体が、磨耗、湿気、その他の不意な環境状況から保護するための半透明で柔軟なカバーによって選択的に覆われる。
【0060】
図7Aから図7Dは、スライドするコントローラのように構成要素間の連結が要求される様々な電極配置設定を示す。RTIDは本質的に、電気的かつ機械的連結効果のため個別の誘電体電極間の連結を提供する。重心検知を必要とする操作のためには、ファインピッチ電極が使われ、構成要素間の更なる連結がセンサ設計により組み込まれうる。例えば、もし非常に厚く堅いオーバレイ物質が使われるなら、電極の中心をオペレータが押した場合、すべての電極からの応答は同じであろう。この機械的連結のアプローチには、増加するRTIDの厚みという短所がある。したがって、スライダやスクロールホイールとして動作する電極には、電極設計は互いに絡み合う指を組み入れることができる。電気的結合の程度はセンサのサイズと要求される操作上の動作によって調整され得る。
【0061】
図8Aから図8Cは、重い圧力下で倒れるように設計された様々な有電支持構造を示す。図8Aは、接触領域が負荷により倒れる、一つの好ましい実施形態を示す。スクロールやナビゲートモードでは、倒れが起こらないように軽い圧力が使われるが、触知性センサは接触位置と動きの方向を決定できる。オペレータが要望する位置へ到達した時、オペレータは選択を示すためにその位置でもっと強く押すことができる。このより強い押下により、支持構造が倒れたり、座屈したりする。電極間隔が近くなるので、静電容量計測値が高くなり、つぶされた構造によって指示される力が弱くなって、ユーザが所望の選択を押下または選択したという触知性感覚が、ユーザに提供される。
【0062】
本発明の再配列可能な入力装置は、従来技術の現存する入力装置に比べて次のような長所がある。
・センサ表面全体に同時に起こる位置および圧力情報を提供する。したがって、ユーザインターフェース設計で更なる柔軟性を提供する。
・圧力情報は、制御入力を有効化あるいは無効化するための更なる機械的スイッチを必要としうる現存するタッチセンサと比べた際(AppleコンピュータのiPod(登録商標)は、例えば、そのようなホールドスイッチを有する。)、不慮の制御調整を避ける事が容易にできる。
・本発明の触覚入力装置をもってすると、スクロール動作や所望の対象の選択のような異なる動作を示すために、同じ領域内において異なる圧力レベルを使えるので、別個のスイッチは必要ではない。
・タッチスクリーンに必要とされる様な位置キャリブレーションは必要ではないので、位置誤差ドリフトは最小化される。
・本発明は、一つ以上の接触位置を解像できる本質的な能力を持ち、単一接触出力装置と比べてよりしっかりとしたユーザの意図の理解を提供する。
・そして最後に、多数の伝導性または非伝導性物質同様、指を使って機能する。
【0063】
ここに本発明は特定の実施の形態に関連して記述されて来たが、これらの実施形態は本発明の原理と応用を単に具体例として示したに過ぎないと解される。それゆえ、多様な改変が具体的形態になされてもよく、そして添付の請求項によって定義されるように、本発明の思想と範囲から外れることなくその他のアレンジが発明されうると解される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】センサ上に圧力を与えるスタイラスペンを伴う、本発明の触覚センサの最も基本的な設計の一般的な図である。
【図2A】再構成可能なキーパッドとして使用される別個の電極を持った本発明のセンサの、最初の有益な実施形態の、立面図である。
【図2B】再構成可能なキーパッドとして使用される別個の電極を持った本発明のセンサの、最初の有益な実施形態の、部分拡大を伴う側面図である。
【図3A】相互に接続された個別の電極のマトリックスを組み込んだ、本発明の2つ目の有益な実施形態の、立面図である。
【図3B】相互に接続された個別の電極のマトリックスを組み込んだ、本発明の2つ目の有益な実施形態の、部分拡大を伴う側面図である。
【図4】容量性触覚センサ配列を形成する電極の重ねあった帯を持つ本発明の3つ目の実施形態の、立面図および部分拡大図を伴う側面図である。
【図5】センサと近傍に搭載されたIC上の柔軟なディスプレイの形態を表示する、4つ目の発明の実施形態を表示する。
【図6A】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図6B】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図6C】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図6D】再構成可能な入力装置用の様々な操作モードを示す複数分離域のある柔軟なディスプレイの形態の表面パターンの立面図を示す。
【図7】より良い電気的結合のために適応された重複した電極の様々な様式を示す。
【図8A】触覚フィードバックをユーザへ提供するために、所定の閾値を超えた圧力下で倒れるよう設計された、圧縮可能な誘電体構造の可能な様式を示す。
【図8B】触覚フィードバックをユーザへ提供するために、所定の閾値を超えた圧力下で倒れるよう設計された、圧縮可能な誘電体構造の可能な様式を示す。
【図8C】触覚フィードバックをユーザへ提供するために、所定の閾値を超えた圧力下で倒れるよう設計された、圧縮可能な誘電体構造の可能な様式を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気的接続手段を有する第1電極層と、
第2電気的接続手段を有する柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第2電極層から前記第1電極層を分離する圧縮可能な誘電体構造と
前記第1および第2電気的接続手段に接続され、前記第1および第2電極層の電極間でリアルタイムに静電容量を計測するように適応された制御手段と、
を有し、
少なくとも一つの前記電極に静電容量変化が検知されたとき、該静電容量変化は、前記制御手段によって計測され、入力装置上の接触位置の圧縮力に変換され、さらに、現在の入力装置配列設定に基づいて認知されるユーザ入力コマンド信号へと変換され、前記配列設定は前記制御手段を介して再構成可能となっている再構成可能な触覚入力装置。
【請求項2】
前記第1電極層は硬質である請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1電極層は、硬質基板に搭載されている請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1または第2電極層は、複数の別個の「ボタン」タイプ電極を含み、それぞれの前記電極は、独立した電気的接続点を供給される請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
隣接する前記「ボタン」タイプ電極は、間に相互に入り組んだオーバーラップを有する請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1電極層は、第1の複数の別個の「ボタン」タイプ電極を含み、前記第2電極層は、第2の複数の別個の「ボタン」タイプ電極を含む請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1の複数の「ボタン」タイプ電極は、相互に繋がっている電気経路の第1の連続を介して、一般的に行に配列されており、前記第2の複数の「ボタン」タイプ電極は、相互に入り組んだ電気経路の第2の連続を介して、一般的に列に配列されていて、前記行は、前記圧縮可能な誘電体構造上で前記列を覆う請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記第1電極層が、平行なストライプとして形成された個々の第1電極を含む前記第1電極層を含み、
前記第2電極層が、一般的に1番目の層と垂直に位置付けられた平行なストライプとして形成され、前記圧縮可能な誘電体構造上に覆い被さる個々の第2電極層を含むことによって、
電極のマトリクスを計測するコンデンサを形成する請求項1に記載の入力装置。
【請求項9】
上記電極は、
金属または伝導性有機金属から形成され、
エッチング、スパッタリング、蒸着、インク懸濁のアプリケーション、酸化インジウムスズからなる群から選択される方法を使うか、導電性繊維から形成される布体を所望の形状にカットすることによって生成される電極パターンを有する請求項1に記載の入力装置。
【請求項10】
上記電極間に位置する絶縁層からなり、それによって上記入力装置の表面圧縮可能性が全体に均一である請求項1に記載の入力装置。
【請求項11】
第1電気的接続手段を有する第1電極層と、
第2電気的接続手段を有する柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第2電極層から前記第1電極層を分離し、間に空隙を形成する圧縮可能な誘電材料を形成する複数の幾何学的要素を含む圧縮可能な誘電構造と、
前記第1および第2電気的接続手段に接続され、前記第1および第2電極層の電極間でリアルタイムに静電容量を計測するように構成される制御手段と、
を有する再構成可能な触覚入力装置。
【請求項12】
前記圧縮可能な誘電体構造は、少なくとも装置の一部上に均一な厚みを有する請求項11に記載の入力装置。
【請求項13】
上記厚みが約0.05mmから約0.5mmである請求項12に記載の入力装置。
【請求項14】
上記要素は、反復するパターンに配列されており、前記入力装置は該装置の少なくとも一部上において均一な圧縮率を有する請求項11に記載の入力装置。
【請求項15】
前記空隙は大気空間へ通気されている請求項11に記載の入力装置。
【請求項16】
前記空隙は、密閉され、互いに接続されている請求項11に記載の入力装置。
【請求項17】
前記圧縮可能な誘電体構造の前記幾何学的要素は、ストライプ、カラム、湾曲、正多角形およびドットからなる群から選択される請求項11に記載の入力装置。
【請求項18】
前記圧縮可能な誘電体構造は、弾性材料から形成されている請求項11に記載の入力装置。
【請求項19】
前記圧縮可能な誘電体物質は、シリコン、ゴムおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選択される請求項18に記載の入力装置。
【請求項20】
前記圧縮可能な誘電体構造の上前記何学的要素は、所定のカラム強度を有し、ユーザへ触覚フィードバックを提供するため、所定の閾値を超えて装置に圧力が与えられるとつぶれる請求項11に記載の入力装置。
【請求項21】
前記圧縮可能な誘電体構造の上記幾何学的要素は、一度圧力が所定の閾値を超えると、圧縮の第1の線形局面に続く圧縮の第2の非線形局面を示す請求項11に記載の入力装置。
【請求項22】
前記圧縮可能な構造体の前記幾何学的要素は、上記装置に与えられた圧縮が一度所定の閾値を超えると、つぶれる点を定義する圧痕を含む請求項11に記載の入力装置。
【請求項23】
第1電気的接続手段を有する第1電極層と、
第2電気的接続手段を有する柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第1電極層から前記第2電極層を分離する圧縮可能な誘電体構造と、
前記第1および第2電気的接続手段に接続され、前記電極層の近辺に搭載されたICを含む制御手段と、
を有する再構成可能な触覚入力装置。
【請求項24】
前記ICは、アナログおよびデジタルの混合信号タイプであり、前記第1および前記第2電極層の電極間にリアルタイムで静電容量を計測するように構成されている請求項23に記載の入力装置。
【請求項25】
前記ICは、デジタルインターフェースを有するスレーブ末端装置として機能するよう構成されている請求項24に記載の入力装置。
【請求項26】
前記ICは、さらに、当該入力装置用のプライマリコントローラとして、あるいはデジタルインターフェースを持つスレーブ末端装置として機能するように構成された再プログラム可能なマイクロコントローラを含む請求項24に記載の入力装置。
【請求項27】
前記ICは、混合信号タイプのASICで、前記第1および第2電極層の電極間でリアルタイムに静電容量を計測するように構成されている請求項26に記載の入力装置。
【請求項28】
前記ICは、さらに、信号プロセス機能を実行するように構成されている請求項27に記載の入力装置。
【請求項29】
前記信号プロセス機能は、接触の重心位置、力、および軌道の計算を含み、該機能は、さらに、ノイズ減少と誤った接触識別のためのデジタルフィルタリングを含む請求項28に記載の装置。
【請求項30】
第1電極層と、
柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第2電極層から前記第1電極層を分離する圧縮可能な誘電体構造と、
前記第2電極層の少なくとも一部上に設けられる柔軟なディスプレイと、
前記第1電極層、前記第2電極層および前記柔軟なディスプレイに接続され、入力装置の操作モード設定の変更に対応する前記柔軟なディスプレイの設定を変えるように構成されている制御手段と、
を有する再構成可能な触覚入力装置。
【請求項31】
前記柔軟なディスプレイの配列設定は、前記第1および前記第2電極層の電極の配列設定に対応する請求項30に記載の入力装置。
【請求項32】
前記柔軟なディスプレイの配列設定は、操作モードに対応し、電極の物理的なレイアウトには対応しない請求項30に記載の入力装置。
【請求項33】
前記柔軟なディスプレイは、電子発光ディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項34】
前記柔軟なディスプレイは、有機LEDである請求項30に記載の入力装置。
【請求項35】
前記柔軟なディスプレイは、「電子インク」ディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項36】
前記柔軟なディスプレイは、複数区分に分けられたディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項37】
前記柔軟なディスプレイは、アクティブマトリクスディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項38】
前記アクティブマトリクスディスプレイは、薄膜トランジスタTFTマトリクスディスプレイである請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記ディスプレイは、少なくとも2つの異なる操作モードを提供するように構成される請求項30に記載の入力装置。
【請求項40】
前記操作モードは、「自由形式」モード、「電話」モード、「ナビゲート」モード、および「ゲーム」モードからなる群から選択される請求項39に記載の入力装置。
【請求項41】
前記柔軟なディスプレイ上に設けられる圧縮可能な透明保護層をさらに有する請求項30に記載の入力装置。
【請求項42】
柔軟なディスプレイの配列設定を変え、センサ入力を読み取る別個の制御手段をさらに含む請求項30に記載の入力装置。
【請求項1】
第1電気的接続手段を有する第1電極層と、
第2電気的接続手段を有する柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第2電極層から前記第1電極層を分離する圧縮可能な誘電体構造と
前記第1および第2電気的接続手段に接続され、前記第1および第2電極層の電極間でリアルタイムに静電容量を計測するように適応された制御手段と、
を有し、
少なくとも一つの前記電極に静電容量変化が検知されたとき、該静電容量変化は、前記制御手段によって計測され、入力装置上の接触位置の圧縮力に変換され、さらに、現在の入力装置配列設定に基づいて認知されるユーザ入力コマンド信号へと変換され、前記配列設定は前記制御手段を介して再構成可能となっている再構成可能な触覚入力装置。
【請求項2】
前記第1電極層は硬質である請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1電極層は、硬質基板に搭載されている請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1または第2電極層は、複数の別個の「ボタン」タイプ電極を含み、それぞれの前記電極は、独立した電気的接続点を供給される請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
隣接する前記「ボタン」タイプ電極は、間に相互に入り組んだオーバーラップを有する請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1電極層は、第1の複数の別個の「ボタン」タイプ電極を含み、前記第2電極層は、第2の複数の別個の「ボタン」タイプ電極を含む請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1の複数の「ボタン」タイプ電極は、相互に繋がっている電気経路の第1の連続を介して、一般的に行に配列されており、前記第2の複数の「ボタン」タイプ電極は、相互に入り組んだ電気経路の第2の連続を介して、一般的に列に配列されていて、前記行は、前記圧縮可能な誘電体構造上で前記列を覆う請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記第1電極層が、平行なストライプとして形成された個々の第1電極を含む前記第1電極層を含み、
前記第2電極層が、一般的に1番目の層と垂直に位置付けられた平行なストライプとして形成され、前記圧縮可能な誘電体構造上に覆い被さる個々の第2電極層を含むことによって、
電極のマトリクスを計測するコンデンサを形成する請求項1に記載の入力装置。
【請求項9】
上記電極は、
金属または伝導性有機金属から形成され、
エッチング、スパッタリング、蒸着、インク懸濁のアプリケーション、酸化インジウムスズからなる群から選択される方法を使うか、導電性繊維から形成される布体を所望の形状にカットすることによって生成される電極パターンを有する請求項1に記載の入力装置。
【請求項10】
上記電極間に位置する絶縁層からなり、それによって上記入力装置の表面圧縮可能性が全体に均一である請求項1に記載の入力装置。
【請求項11】
第1電気的接続手段を有する第1電極層と、
第2電気的接続手段を有する柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第2電極層から前記第1電極層を分離し、間に空隙を形成する圧縮可能な誘電材料を形成する複数の幾何学的要素を含む圧縮可能な誘電構造と、
前記第1および第2電気的接続手段に接続され、前記第1および第2電極層の電極間でリアルタイムに静電容量を計測するように構成される制御手段と、
を有する再構成可能な触覚入力装置。
【請求項12】
前記圧縮可能な誘電体構造は、少なくとも装置の一部上に均一な厚みを有する請求項11に記載の入力装置。
【請求項13】
上記厚みが約0.05mmから約0.5mmである請求項12に記載の入力装置。
【請求項14】
上記要素は、反復するパターンに配列されており、前記入力装置は該装置の少なくとも一部上において均一な圧縮率を有する請求項11に記載の入力装置。
【請求項15】
前記空隙は大気空間へ通気されている請求項11に記載の入力装置。
【請求項16】
前記空隙は、密閉され、互いに接続されている請求項11に記載の入力装置。
【請求項17】
前記圧縮可能な誘電体構造の前記幾何学的要素は、ストライプ、カラム、湾曲、正多角形およびドットからなる群から選択される請求項11に記載の入力装置。
【請求項18】
前記圧縮可能な誘電体構造は、弾性材料から形成されている請求項11に記載の入力装置。
【請求項19】
前記圧縮可能な誘電体物質は、シリコン、ゴムおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選択される請求項18に記載の入力装置。
【請求項20】
前記圧縮可能な誘電体構造の上前記何学的要素は、所定のカラム強度を有し、ユーザへ触覚フィードバックを提供するため、所定の閾値を超えて装置に圧力が与えられるとつぶれる請求項11に記載の入力装置。
【請求項21】
前記圧縮可能な誘電体構造の上記幾何学的要素は、一度圧力が所定の閾値を超えると、圧縮の第1の線形局面に続く圧縮の第2の非線形局面を示す請求項11に記載の入力装置。
【請求項22】
前記圧縮可能な構造体の前記幾何学的要素は、上記装置に与えられた圧縮が一度所定の閾値を超えると、つぶれる点を定義する圧痕を含む請求項11に記載の入力装置。
【請求項23】
第1電気的接続手段を有する第1電極層と、
第2電気的接続手段を有する柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第1電極層から前記第2電極層を分離する圧縮可能な誘電体構造と、
前記第1および第2電気的接続手段に接続され、前記電極層の近辺に搭載されたICを含む制御手段と、
を有する再構成可能な触覚入力装置。
【請求項24】
前記ICは、アナログおよびデジタルの混合信号タイプであり、前記第1および前記第2電極層の電極間にリアルタイムで静電容量を計測するように構成されている請求項23に記載の入力装置。
【請求項25】
前記ICは、デジタルインターフェースを有するスレーブ末端装置として機能するよう構成されている請求項24に記載の入力装置。
【請求項26】
前記ICは、さらに、当該入力装置用のプライマリコントローラとして、あるいはデジタルインターフェースを持つスレーブ末端装置として機能するように構成された再プログラム可能なマイクロコントローラを含む請求項24に記載の入力装置。
【請求項27】
前記ICは、混合信号タイプのASICで、前記第1および第2電極層の電極間でリアルタイムに静電容量を計測するように構成されている請求項26に記載の入力装置。
【請求項28】
前記ICは、さらに、信号プロセス機能を実行するように構成されている請求項27に記載の入力装置。
【請求項29】
前記信号プロセス機能は、接触の重心位置、力、および軌道の計算を含み、該機能は、さらに、ノイズ減少と誤った接触識別のためのデジタルフィルタリングを含む請求項28に記載の装置。
【請求項30】
第1電極層と、
柔軟な第2電極層と、
少なくとも第1電極層または第2電極層の一方に含まれる一つ以上の電極と、
前記第2電極層から前記第1電極層を分離する圧縮可能な誘電体構造と、
前記第2電極層の少なくとも一部上に設けられる柔軟なディスプレイと、
前記第1電極層、前記第2電極層および前記柔軟なディスプレイに接続され、入力装置の操作モード設定の変更に対応する前記柔軟なディスプレイの設定を変えるように構成されている制御手段と、
を有する再構成可能な触覚入力装置。
【請求項31】
前記柔軟なディスプレイの配列設定は、前記第1および前記第2電極層の電極の配列設定に対応する請求項30に記載の入力装置。
【請求項32】
前記柔軟なディスプレイの配列設定は、操作モードに対応し、電極の物理的なレイアウトには対応しない請求項30に記載の入力装置。
【請求項33】
前記柔軟なディスプレイは、電子発光ディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項34】
前記柔軟なディスプレイは、有機LEDである請求項30に記載の入力装置。
【請求項35】
前記柔軟なディスプレイは、「電子インク」ディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項36】
前記柔軟なディスプレイは、複数区分に分けられたディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項37】
前記柔軟なディスプレイは、アクティブマトリクスディスプレイである請求項30に記載の入力装置。
【請求項38】
前記アクティブマトリクスディスプレイは、薄膜トランジスタTFTマトリクスディスプレイである請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記ディスプレイは、少なくとも2つの異なる操作モードを提供するように構成される請求項30に記載の入力装置。
【請求項40】
前記操作モードは、「自由形式」モード、「電話」モード、「ナビゲート」モード、および「ゲーム」モードからなる群から選択される請求項39に記載の入力装置。
【請求項41】
前記柔軟なディスプレイ上に設けられる圧縮可能な透明保護層をさらに有する請求項30に記載の入力装置。
【請求項42】
柔軟なディスプレイの配列設定を変え、センサ入力を読み取る別個の制御手段をさらに含む請求項30に記載の入力装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【公表番号】特表2009−534757(P2009−534757A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506762(P2009−506762)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/066912
【国際公開番号】WO2007/124333
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(504162257)プレッシャー プロファイル システムズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/066912
【国際公開番号】WO2007/124333
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(504162257)プレッシャー プロファイル システムズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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