説明

再構成可能な逆熱ゲル化性ポリマー

ポリマー水溶液に容易に再構成され得る固体粉末または粉末ワックス組成物の形態であり得、昇温への暴露下で逆熱ゲル化特性を示し得る生分解性および生体吸収性のブロックコポリマーが提供される。これらのコポリマーを用いて作製する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー水溶液を容易に形成し、昇温への暴露の際、例えば、投与の直前または投与の際の体温への暴露の際に逆熱ゲル化特性を示すことができる、固体粉末または粉末ワックス形態の生分解性かつ生体吸収性のブロックコポリマーに関する。開示されるポリマーは、例えば、薬物の非経口投与において有利に用いられる。
【背景技術】
【0002】
逆熱ゲル化を示す生分解性ブロックコポリマーは、Rathiらに対する米国特許第6,201,072号;同第6,117,949号;および同第6,004,573号、ならびにChaらに対する同第5,702,717号に開示されている。これらのポリマー組成物は、低温で液状溶液として存在し、ひいては、生理学的に関連する温度でゲルを可逆的に形成し、良好な薬物放出特性を付与する。これらの組成物は、約2000〜4990の間の平均分子量を有する生分解性のABA−またはBAB型ブロックコポリマーを含み、約51〜83重量%の、生分解性ポリエステルを含む疎水性Aポリマーブロックと、約17〜49重量%の、ポリエチレングリコールから構成される親水性Bポリマーブロックとを含む。Piaoらに対する米国特許第7,018,645号および同第7,135,190号には、逆熱ゲル化特性を示すトリブロックコポリマーの混合物が開示されている。
【0003】
これらの高分子の薬物送達ポリマーは、逆熱ゲル化特性を示すが、水性薬物送達組成物を形成または再構成することが特に困難であることが見出されている。これらの組成物を再構成する際の問題は、製造設備において再構成工程を実施して水性薬物送達製品を製造することを余儀なくしている。再構成後、逆熱ゲル化を示すこれらの水性薬物送達製品は、凍結されたポリマー水溶液の形態で使用時まで典型的には貯蔵される。これらの逆熱ゲル化ポリマーのポリマー水溶液は、室温において、分解し始める。したがって、これらの水性薬物送達組成物は、冷蔵または凍結された状態で輸送および貯蔵される必要がある。以前に知られている逆熱ゲル化薬物送達組成物、例えば、Rathiらによって開示されている組成物は、凍結された形態で貯蔵および輸送されるとき良好な安定性を示す。薬物送達用途では、Rathiらによって開示されているポリマーは、注入する準備が整ったプレフィルドシリンジまたはバイアル構成(単一または二重バイアル)で貯蔵および輸送され得る。シリンジおよびバイアルは、注入の前に解凍され、これには24〜48時間を要する。
【0004】
他のABAトリブロックコポリマーは、カプロラクトンおよびグリコール酸を、単一の親水性ポリマーを含む疎水性ブロックに組み込む。中国特許出願公開第CN1958074A号を参照されたい。しかし、この文献に開示されている合成方法は、望ましい分子量およびポリマー特性を有するトリブロックコポリマー組成物を生成するには不十分である。例えば、この文献に開示されている合成方法は、見かけ分子量(すなわち、1540ダルトン)の市販のポリエチレングリコールモノマーの使用を頼りにする。1540以外の特定の見かけ分子量を有するポリエチレングリコールが利用可能であるが、単一の平均分子量を有する単一のポリエチレングリコール成分から作製されたトリブロックは、利用される薬物の範囲に関して、また、制御放出系に必須の指示書において、再構成、薬物放出、膨潤ならびに溶解特性の最も望ましい組み合わせを欠いていることが見出されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、薬物放出、分解、膨潤および溶解特性が、熱可逆性ブロックコポリマーの組成に有意に依存することを見出した。具体的には、親水性ポリマーの長さおよび疎水性ポリマーの組成の正確な制御が、望ましい再構成、薬物放出、膨潤および溶解特性を得るのに重要であることを見出した。逆熱ゲル化特性を示す従来技術のブロックコポリマーは、不十分な再構成、薬物放出、膨潤、および/または溶解特性を有することを見出した。したがって、室温で貯蔵され得、望ましい薬物放出、膨潤および溶解特性を有して最小の時間量で使用時に容易に形成または再構成され得る、逆熱ゲル化を示す水性生分解性ポリマーの薬物送達組成物が当該分野において必要とされている。
【0006】
再構成の際に熱的に可逆性のゲル化特性を有する、固体粉末または粉末ワックス形態の新規の再構成可能なブロックコポリマーが開発された。ポリマーの非水性固体粉末または粉末ワックス形態は、従来技術の組成物と比較して向上した安定性を付与し、凍結および/または冷蔵を必要としない。この安定性は、製造時から製品が使用されるまでの冷蔵の必要性を有利に排除する、室温での貯蔵を可能にする。本発明の再構成可能なポリマーは、改善された取り扱いおよび不安定で敏感な薬物との相溶性を付与する。
【0007】
再構成可能なポリマーは、使用時に水性形態で用意することができ、水性形態で用意するのに添加剤も60℃を超える熱の適用も必要としない。例えば、再構成可能なポリマーは、医師によって使用時に非経口または腫瘍内投与に好適な水性形態にすることができる。該ポリマーは、穏やかな加熱(すなわち、60℃未満)によって水または緩衝液と組み合わされて、振とうによって、例えば、撹拌および/またはボルテックスによって使用時に再構成され得る。所望される場合、薬物は、再構成の前、間または後に薬物送達組成物に組み込まれ得る。さらに、薬物は、乾燥粉末組成物の一部として組み込まれ得る。
【0008】
本明細書において開示されている特有の合成方法は、ポリマーの物理化学的特性、例えば、ゲル化温度の正確な制御を可能にする。例えば、再構成されたポリマーのゲル化温度は、26〜35℃の範囲内で正確に制御され得る。かかるポリマーは、望ましい膨潤および薬物放出特性を有するように構成されてよい。例えば、所望される場合、該ポリマーは、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示し得、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出し得る。従来技術の合成方法は、ブロックコポリマーの基礎的要素としての単一の市販の親水性ポリマーの使用に頼っていたが、本発明のある一定の実施形態は、新規の合成方法を用いて優れたポリマーを達成する。以下にさらに詳細に記載されているように、これらの新規の方法は、ブロックコポリマーの形成において2種以上の親水性ポリマーの使用を含む。本発明者らは、異なる平均分子量を有する2種の親水性ポリマー前駆体が反応において用いられるとき、優れた再構成、放出する、分解、膨潤および/または溶解特性が達成され得ることを発見した。例えば、1000ダルトンの見かけ分子量を有する第1ポリエチレングリコールポリマー組成物および1450ダルトンの見かけ分子量を有する第2ポリエチレングリコールポリマー組成物が、生分解性ポリエステル形成性ポリマーとの反応において種々の比で一緒に用いられ得る。親水性ポリマー前駆体の他の組み合わせも考慮される。添付の図面に示すように、かかる特有の合成方法は、室温で貯蔵され得、望ましい薬物放出、膨潤および溶解特性を有して最小の時間量で使用時に容易に形成または再構成され得る、逆熱ゲル化を示す水性生分解性ポリマー性薬物送達組成物を作製することが可能である。
【0009】
本発明の再構成可能なポリマーは、室温で注入され得、あらゆる病院、クリニックにおいて、または家庭での使用のために多目的使用を可能にする。再構成可能なポリマーは、分解またはフリーラジカル反応に由来する悪影響を伴わずにガンマ線滅菌に付され得る。製品はまた、用途に応じて2または3種のバイアル製品構成においても好都合に供給され得る。本発明の目的は、安定な固体形態で分散されて、さらに、生分解性の生体吸収性ポリマー溶液を室温で形成する低分子量ブロックコポリマー薬物送達系を提供することである。ポリマー溶液は、逆熱ゲル化挙動を示す、すなわち、低温で液状溶液として存在し、生理学的に関連する温度でゲルを可逆的に形成し、良好な薬物放出特性を付与する。本発明のポリマーは、ゲルが注入の際に形成されるように体温以下であるゲル温度有し得、または該ポリマーは、投与の前にゲルを形成するように適合され得る。
【0010】
本発明のさらなる目的は、親水性および疎水性薬物、ペプチドおよびタンパク質薬物、ホルモン、遺伝子/核酸、オリゴヌクレオチドならびに抗癌剤の非経口または腫瘍内投与のための薬物送達系を提供することである。抗癌剤のクラスとして、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、ホルモン剤、抗血管新生またはニトロスウレアが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらおよび他の目的は、AB−、ABA−またはBABブロックコポリマー組成物であって:第1疎水性Aブロックおよび第1親水性Bブロックを含む少なくとも1種の第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマー成分において、第1疎水性Aブロックが、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む生分解性ポリエステルであり、第1親水性Bブロックが、第1平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含む、上記成分と;第2疎水性Aブロックおよび第2親水性Bブロックを含む少なくとも1種の第2AB、ABAまたはBABブロックコポリマー成分において、第2疎水性Aブロックが、生分解性ポリエステルを含み、第2親水性Bブロックが、第1平均分子量と異なる第2平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含む、上記成分と;を含み、上記ブロックコポリマー組成物は、1500〜10,000ダルトンの合計重量平均分子量を有し、上記組成物の合計Aブロック含量は約60〜85重量%であり、上記組成物の合計Bブロック含量が約15%〜40重量%であり、Bブロックの合計重量平均分子量が300〜2000ダルトンであり、上記ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、上記ブロックコポリマー組成物によって達成される。
【0012】
本発明はまた、制御放出形態にある、温血動物に対する少なくとも1種の薬物の新規投与形態も含む。これらの新規の方法は、(1)室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、AB−、ABA−またはBABブロックコポリマー組成物を付与することと;(2)60℃を超える熱に暴露することなくコポリマーを水と合わせることによって上記粉末またはワックス組成物の水溶液を形成することと;(3)温血動物においてゲルデポーとして上記組成物を上記温血動物に投与することとを含む。
【0013】
本発明は、粉末またはワックスブロックコポリマー組成物を作製する方法をさらに含む。これらの方法は、(1)以下を含むABAブロックコポリマー組成物:i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、上記Aブロックが、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、上記Aブロック;ならびにii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、上記Bブロック;を付与することと、(2)上記ブロックコポリマーを凍結乾燥して、室温で固体であり、ポリマー水溶液として形成されるときに逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、粉末またはワックスブロックコポリマー組成物を形成することとを含む。
【0014】
これらおよび他の目的は、ABAブロックコポリマーであって:i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、上記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、上記Aブロックと;ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が1000〜1450ダルトンの間である、上記Bブロックと;を含み、上記ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、上記ブロックコポリマー組成物によって達成され得る。より好ましくは、ABAブロックコポリマーは、65〜80%の範囲のコポリマーのAブロック含量、および20〜35%の範囲のコポリマーのBブロック含量を有し、より好ましくは、67〜75%の範囲のAブロック含量、および25〜33%の範囲であるBブロック含量を有する。第2ポリエステルモノマーは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種の残基を好ましくは含み、より好ましくは、第2ポリエステルモノマーは、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含み、最も好ましくは、第2ポリエステルモノマーは、グリコリドからの残基を含む。好ましくは、Aブロックは、少なくとも85%のカプロラクトンを含み、より好ましくは、Aブロックの生分解性ポリエステルは、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含み、最も好ましくは、Aブロックの生分解性ポリエステルは、約90〜95%のカプロラクトンを含む。好ましくは、ABAブロックコポリマーは、800〜1800ダルトンの平均分子量のBブロックを有し、より好ましくは、Bブロックの平均分子量は、1000〜1600ダルトンであり、最も好ましくは、Bブロックの平均分子量は、1200〜1500ダルトンである。好ましくは、ブロックコポリマー組成物は、4000〜8000ダルトンの合計平均分子量、より好ましくは、5500〜7500ダルトンの合計平均分子量を有する。ABAブロックコポリマーは、好ましくは、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満でポリマー水溶液を形成し、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である粉末またはワックス組成物である。
【0015】
これらおよび他の目的はまた、ABブロックコポリマーであって:i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、上記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、上記Aブロックと;ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、上記Bブロックと;を含み、上記ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、上記ブロックコポリマーによっても達成され得る。より好ましくは、ABブロックコポリマーは、65〜80%の範囲のコポリマーのAブロック含量、および20〜35%の範囲のコポリマーのBブロック含量を有し、最も好ましくは、67〜75%の範囲のAブロック含量、および25〜33%の範囲であるBブロック含量を有する。第2ポリエステルモノマーは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、v−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を好ましくは含み、より好ましくは、第2ポリエステルモノマーは、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含み、最も好ましくは、第2ポリエステルモノマーは、グリコリドからの残基を含む。好ましくは、Aブロックは、少なくとも85%のカプロラクトンを含み、より好ましくは、Aブロックの生分解性ポリエステルは、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含み、最も好ましくは、Aブロックの生分解性ポリエステルは、約90〜95%のカプロラクトンを含む。ABブロックコポリマーは、300〜800ダルトンの平均分子量のBブロックを好ましくは有し、より好ましくは、Bブロックの平均分子量は、500〜750ダルトンである。好ましくは、ブロックコポリマー組成物は、1500〜4500ダルトンの合計平均分子量、より好ましくは、2000〜4000ダルトンの合計平均分子量を有する。ABブロックコポリマーは、好ましくは、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満でポリマー水溶液を形成し、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である粉末またはワックス組成物である。
【0016】
これらおよび他の目的は、BABブロックコポリマーであって:i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、上記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、上記Aブロックと;ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、上記Bブロックと;を含み、上記ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、上記ブロックコポリマー組成物によって達成され得る。より好ましくは、BABブロックコポリマーは、65〜80%の範囲のコポリマーのAブロック含量、および20〜35%の範囲のコポリマーのBブロック含量を有し、最も好ましくは、67〜75%の範囲のAブロック含量、および25〜33%の範囲であるBブロック含量を有する。第2ポリエステルモノマーは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの好ましくは残基を含み、より好ましくは、第2ポリエステルモノマーは、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含み、最も好ましくは、第2ポリエステルモノマーは、グリコリドからの残基を含む。好ましくは、Aブロックは、少なくとも85%のカプロラクトンを含み、より好ましくは、Aブロックの生分解性ポリエステルは、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含み、最も好ましくは、Aブロックの生分解性ポリエステルは、約90〜95%のカプロラクトンを含む。BABコポリマーは、BABコポリマーにおいて各Bブロックについて300〜800ダルトンの平均分子量を好ましくは有し、より好ましくは、BAB−コポリマーにおいて各Bブロックについて500〜750ダルトンの平均分子量を有する。BABブロックコポリマー組成物は、好ましくは、4000〜8000ダルトンの合計平均分子量、より好ましくは、5500〜7500ダルトンの合計平均分子量を有する。BABブロックコポリマーは、好ましくは、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満でポリマー水溶液を形成し、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である粉末またはワックス組成物である。
【0017】
本発明の上記および他の目的、特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】種々の濃度および温度で研究された、ブロックコポリマーの水溶液のゲル化挙動に対するモノマー組成の影響を示す相図である。
【図2】種々の濃度および温度で検討された、ブロックコポリマーの水溶液のゲル化挙動に対するモノマーの疎水性の影響を示す相図である。
【図3】種々のブロックコポリマー組成物についての、数日にわたってのブロックコポリマーの熱ゲルの%膨潤を示すグラフである。
【図4】種々のブロックコポリマー組成物についての、約20日間のパクリタキセルの累積制御放出を示す、ブロックコポリマーの熱ゲル製剤からのパクリタキセルの放出プロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のさらなる目的および利点は、本発明の種々の実施形態の以下の概要および詳細な説明から明らかになるであろう。以下の用語は、本明細書において用いられるとき、指定した意味を有することとする:
【0020】
「非経口」は、筋肉内、腹腔内、腹部内、皮下、腫瘍内、頭蓋内(または切除された腫瘍腔内)、関節内、目、ならびに、実現可能な程度に、静脈内および動脈内を含むこととする。
【0021】
「ゲル化温度」は、生分解性ブロックコポリマーが逆熱ゲル化を経る温度、すなわち、ブロックコポリマーが水溶性であるよりも低い温度、および、ブロックコポリマーが相転移を経て粘度を増大させるまたは半固体ゲルを形成するよりも高い温度を意味する。
【0022】
用語「ゲル化温度」および「逆熱ゲル化温度」などは、ゲル化温度を称する際に互換的に用いられることとする。
【0023】
「ポリマー溶液」、「水溶液」などは、かかる溶液に含有される生分解性ブロックコポリマーを参照して用いられるとき、水系溶液であって、これに機能的濃度で溶解されるかかるブロックコポリマーを有し、ブロックコポリマーのゲル化温度より低い温度で維持される該溶液を意味することとする。
【0024】
ポリエチレングリコール(PEG)はまた、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)またはポリ(オキシエチレン)を称する場合もあり、該用語は、本発明の目的で互換的に用いられ得る。
【0025】
「逆熱ゲル化」は、ブロックコポリマーの温度がコポリマーのゲル化温度を超えて増大するにつれて、ブロックコポリマーの溶液の粘度が自発的に増大し、多くの場合において半固体ゲルに転換する現象である。本発明の目的で、用語「ゲル」は、半固体ゲル状態およびゲル化温度を超えて存在する高い粘度状態の両方を含む。ゲルは、ゲル化温度未満に冷却されたとき、自発的に元に戻って、より低い粘度の溶液を再形成する。この溶液とゲルとの間の循環は、限りなく繰り返されてよい、なぜなら、溶液/ゲル転移は、ポリマー系の化学組成のいずれの変化も含まないからである。ゲルを作り出す全ての相互作用は本質的に物理的なものであり、共有結合の形成も破壊も含まない。
【0026】
「薬物送達液体」または「逆熱ゲル化特性を有する薬物送達液体」は、温度がブロックコポリマーのゲル化温度までまたはこれを超えて上昇するとき、ゲル化された薬物デポーを形成する、温血動物への投与に好適な薬物(薬物自体は溶解されていてもコロイド状であってもいずれでもよい)を含有するポリマー溶液を意味することとする。
【0027】
「デポー」は、温血動物への投与の後に、ゲル化温度までまたはこれを超えて上昇した温度にてゲルを形成した薬物送達液体を意味する。
【0028】
「ゲル」は、「ポリマー溶液」または「薬物送達液体」の温度がブロックコポリマーのゲル化温度までまたはこれを超えて上昇するときに自発的に生じる半固体相を意味する。ある一定の状況において、形成されたゲルは、周囲環境から水を放つまたは吸収して、より小型になるまたは膨潤する場合があり、かかるゲルもまた、本発明の範囲内にある。
【0029】
「水性ポリマー組成物」は、薬物および生分解性ブロックコポリマーをその中に均一に含有した水相から構成される薬物送達液体またはゲルのいずれかを意味する。ゲル化温度未満の温度では、コポリマーは、水相に可溶性であってよく、組成物は、溶液である。ゲル化温度またはこれを超える温度では、コポリマーは、固化して水相とともにゲルを形成し、組成物はゲルまたは半固体である。
【0030】
「生分解性」は、ブロックコポリマーが体内で化学的に崩壊または分解して、非毒性成分を形成することができることを意味する。分解速度は、薬物放出の速度と同じであっても異なっていてもよい。
【0031】
「薬物」は、生物活性を有し、治療目的のために適合されまたは用いられるいずれの有機または無機の化合物または物質も意味することとする。タンパク質、ホルモン、抗癌剤、オリゴヌクレオチド、DNA、RNAおよび遺伝子治療が薬物の広範な定義に含まれる。
【0032】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」および「タンパク質」は、ペプチドまたはタンパク質薬物を称するとき互換的に用いられ、別途記述しない限り、いずれの特定の分子量、ペプチド配列または長さ、生物活性または治療用途の分野にも限定されないこととする。かかる治療用途として、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、ホルモン剤、抗血管新生またはニトロスウレアを挙げることができる。
【0033】
「ポリカプロラクトン−コ−(ラクチド−コ−グリコリド)」または「PCLGA」は、カプロン酸、乳酸およびグリコール酸の縮合共重合から、またはα−ヒドロキシ酸前駆体、例えば、カプロラクトン、ラクチドもしくはグリコリドの開環重合によって誘導されるコポリマーを意味することとする。「ポリカプロラクトン−コ−グリコリド」または「PCGA」は、カプロン酸およびグリコール酸の縮合重合から、または、α−ヒドロキシ酸前駆体、例えば、カプロラクトンまたはグリコリドの開環重合によって誘導されるコポリマーを意味することとする。用語「カプロラクトンおよびカプロン酸」は、互換的に用いられ、「ラクチド」および「ラクテートまたは乳酸」は、互換的に用いられ、用語「グリコリド」および「グリコレートまたはグリコール酸」は、互換的に用いられる。
【0034】
「ポリ(ラクチド)」または「PLA」は、乳酸の縮合から、または、ラクチドの開環重合によって誘導されるポリマーを意味することとする。用語「ラクチド」および「ラクテートまたは乳酸」は、互換的に用いられる。
【0035】
「生分解性ポリエステル」は、いずれの生分解性ポリエステルも称し、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種から好ましくは合成される。
【0036】
「再構成可能な」または「再構成」は、30分未満の時間枠で他の剤を添加する必要がなくポリマー水溶液に容易に変換され得る固体ポリマーを意味することとする。用語「再構成可能な」または「再構成」は、ポリマー組成物が、固体ポリマー形態で存在する前および後の両方で同じであることも、ポリマー組成物が、固体ポリマー形態で存在する前および後の両方で同じ特性を有することも含意していない。用語「再構成可能な」または「再構成」は、固体粉末がポリマー水溶液として以前に存在していなかった場合においても、固体粉末から最初に形成されたポリマー水溶液を含む。
【0037】
本発明者らは、ある一定のAB、ABA、およびBABブロックコポリマーが、本明細書において開示されている方法に従って調製されるとき、再構成可能であり、逆熱ゲル化特性を示すという特有の有利な特性を有することを見出した。従来技術の逆熱ゲル化ポリマー溶液は、添加剤の適用、過熱(>60℃)または長期の振とうを含む極端な条件下でのみ形成される。これらの特性は、従来技術の組成物を、使用時のポリマー溶液への再構成について、実現不可能にした。従来技術の組成物は、したがって、最終使用者による使用の前の分解を回避するために、冷蔵または凍結された形態で輸送された。本明細書に開示されているポリマーは、固体粉末または粉末ワックス形態の再構成可能なAB、ABAまたはBABブロックコポリマーを提供することによって、これらの欠陥の一部または全てを克服する。
【0038】
本明細書において開示されているブロックコポリマーは、疎水性または「A」ブロックセグメントおよび親水性または「B」ブロックセグメントを有する。一般に、ブロックコポリマーは、AB−、ABA−またはBAB型ブロックコポリマーである。しかし、ブロックコポリマーは、nが2〜5の整数であるA(BA)nまたはB(AB)nコポリマーを作製するための、BAまたはAB繰り返し単位を有するマルチブロックコポリマーであることもできる。
【0039】
固体粉末または粉末ワックスブロックコポリマーは、表1に要約された基準を満たすことが見出され、すなわち、示した範囲内の組成的構成を有している。分子量パラメータを開示する目的で、全ての報告されている分子量の値は、NMRまたはGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)分析技術による測定値をベースとする。報告されている重量平均分子量および数平均分子量は、それぞれ、GPCおよびNMRによって決定した。報告されているカプロラクトンおよびラクチド/グリコリド比は、NMRデータから算出した。GPC分析は、RI検出および溶離液としてテトラヒドロフランを用いて、PEG標準によって較正した、Phenogelの混床と、Phenogel 500 Angstromカラムとの組み合わせにおいて行った。NMRスペクトルは、Brukerの200MHzの機器においてCDCl中で採取した。
【0040】
【表1】

【0041】
AB、ABAおよびBAB型ブロックコポリマーは、参照により完全に本明細書に組み込まれる米国特許第5,702,717号;同第6,004,573号;同第6,117,949号および同第6,201,072号に開示されている一般の反応スキームに従って開環重合または縮合重合によって合成されてよい。例えば、B(PEG)ブロックは、エステルまたはウレタンの連結などによるAブロック(ポリエステル)にカップリングされ得る。縮合重合および開環重合手順は、イソシアネートなどのカップリング剤の存在下での、二官能性疎水性Aブロックのいずれかの端部への単官能性親水性Bブロックのカップリングであり得るときに、利用され得る。さらに、カップリング反応は、例えば、カルボニルジイミダゾール、無水コハク酸、N−ヒドロキシスクシンイミドおよびp−ニトロフェニルクロロホルメートなどの活性化剤による官能基の活性化に続くことができる。
【0042】
親水性Bブロックは、適切な分子量のPEGから形成される。PEGは、その特有の生体適合性、非毒性、親水性、可溶化特性、および患者の体からの迅速なクリアランスのために、親水性の水溶性ブロックとして選択された。好ましい実施形態において、PEG成分は、異なる平均分子量を有するPEGの混合物から選択され得る。本発明者らは、1種を超えるPEG分子量のポリマーの混合物を利用することによって、得られる組成物の特性のより良好な制御が達成され得ることを見出した。1種を超えるPEG分子量のポリマーの使用は可撓性を付与するが、用いることができる異なる分子量のPEGモノマーの数について限定されないことが認識されるべきである。例えば、本発明の利益は、3種以上の異なる分子量のPEGモノマーを用いて得られ得る。
【0043】
疎水性Aブロックは、生分解性、生体適合性、および可溶化特性であるために、利用される。これらの疎水性の生分解性ポリエステルのAブロックのインビトロおよびインビボ分解はよく理解されており、分解生成物は、天然であり(または天然の生成物に等しい特性を有し)、または患者の体によって容易に代謝および/または排除される生体適合性化合物である。
【0044】
ブロックコポリマーがゲル化温度未満の温度で可溶性である濃度は、機能的濃度とみなされてよい。一般的に言えば、低くて3重量%、最大で約50重量%のブロックコポリマー濃度が用いられ得、依然として機能的であり得る。しかし、約5〜40%の範囲の濃度が好ましく、約10〜30重量%の範囲の濃度が最も好ましい。コポリマーによる可視のゲル相転移を得るために、ある一定の最小濃度、例えば3重量%が必要とされる。より低い機能的濃度範囲では、形成されたゲルは、もろく、結果として相分離を生じ得る。ポリマー濃度がより高い場合には、より強いゲルネットワークが形成され得る。
【0045】
生分解性コポリマーおよびペプチド/タンパク質薬物、ならびに/または他の種の薬物の混合物は、ゲル化温度未満でコポリマーの水溶液として調製されて、薬物が部分的または完全のいずれで溶解されていてもよい薬物送達液体を形成することができる。薬物が部分的に溶解されているとき、または薬物が本質的に不溶性であるときには、薬物は、コロイド状態、例えば、懸濁液またはエマルションで存在する。開示されているポリマーは、非経口投与、例えば、筋肉内もしくは皮下、腫瘍内、頭蓋内(または切除された腫瘍腔内)、関節内、眼に、局所的、経皮、膣内、口腔、経粘膜、経肺、経尿道、直腸、経鼻、経口、または耳への投与において有利に用いられ、このとき、体温がゲル化温度を超えるため、ポリマーは可逆性の熱ゲル化を経る。
【0046】
この系は、膨潤が結果として周囲組織に損傷をもたらす生理学的領域における材料の生体適合性、ゲルの柔軟性および膨潤特性の正確な制御に起因して、最小限の毒性および最小限の機械的刺激を周囲組織に引き起こす。系におけるポリエステルブロックは、特定の時間間隔内でカプロン酸、乳酸、グリコール酸、および他の相当するモノマーに完全にさらに生分解される。ポリエチレングリコールブロックは、分泌によって体から除去される。薬物放出、ゲル強度、ゲル化温度および分解速度は、種々のコポリマーブロックの適正な設計および調製によって、すなわち、AブロックおよびBブロックの重量%、カプロラクトン、ラクテートおよびグリコレートのモル%、ならびにABA−またはBABブロックコポリマーの分子量および多分散性の変更を通して制御され得る。薬物放出はまた、薬物送達液体中のポリマーの濃度の調整を通しても制御可能である。
【0047】
溶解された薬物または懸濁液もしくはエマルションとしての薬物のいずれかを含有するブロックポリマーの溶液から構成される投薬形態が体に投与される。次いで、この製剤は、製剤の温度が体温まで上昇するにつれて、ブロックコポリマーの逆熱ゲル化特性に起因して自発的にゲル化して、薬物デポーを形成する。薬物が製剤にどのぐらい投入され得るかに関する唯一の制限は、1つの機能性である。すなわち、薬物投入量は、コポリマーの熱ゲル化特性が許容されない程度まで悪影響を受けるまで、薬物放出特性が悪影響を受けるまで、または製剤の投与を許容不可能に困難にする程度まで製剤の特性が悪影響を受けるまで、増大されてよい。一般的に言えば、大部分の場合において、薬物は、製剤の約0.01〜20重量%を構成し、かなり一般的には約0.01〜10%の間の範囲内であることが予想される。これらの薬物投入量の範囲は、本発明に限定していない。機能性が維持されるときには、これらの範囲内の薬物投入量は、本発明の範囲内にある。
【0048】
本明細書に記載されている組成物についての明確な利点は、ブロックコポリマーが多くの薬物物質の溶解度を増大させる能力にある。疎水性Aブロックおよび親水性Bブロックの組み合わせにより、ブロックコポリマーを、疎水性薬物を安定化および可溶化する明確な親水性および疎水性ドメインに両親媒性にする。この点において、該組み合わせは、親水性および疎水性の両方の特性を有して、石鹸または界面活性剤としてよく機能する。これは、疎水性または貧水溶性薬物、例えば、シクロスポリンおよびパクリタキセルの可溶化において特に有利である。驚くべきことは、ブロックコポリマーの主成分が疎水性Aブロック含量であるため、全部ではないが大部分の程度の薬物の薬物可溶化である。しかし、既に議論されているように、疎水性ポリマーブロックが主成分であっても、ブロックコポリマーは水溶性であり、ブロックコポリマーの水相において合わされるとき薬物溶解度がさらに増大することが見出された。
【0049】
本明細書に記載されている組成物についての別の明確な利点は、ブロックコポリマーが、多くの薬物物質、例えば、パクリタキセルの化学的安定性を増大させる能力にある。薬物の分解についての種々のメカニズムは、薬物の化学的不安定性をもたらし、薬物がブロックコポリマーの存在下にあるときには抑制されることが観察されている。例えば、パクリタキセルは、有機共溶媒の存在下で、本発明の水性ポリマー組成物において、これらの同薬物のある一定の水溶液と比べて実質的に安定化される。パクリタキセルに対するこの安定化効果は、多くの他の薬物物質によって達成され得る効果を示す。
【0050】
ある一定の状況において、薬物が投与されたポリマーは、溶液としてではなくゲル状態において投与されてよい。ゲル化は、投与の前にポリマーのゲル化温度を超えるまで薬物含有ポリマー溶液の温度を上昇させる結果となり得るか、投与の温度において飽和濃度を超えるまで溶液中のポリマー濃度を上昇させることによって引き起こされ得るか、ポリマー溶液をゲル化させる、該溶液への添加剤の添加によって引き起こされ得る。いずれの事象においても、こうして形成されたゲルは、薬物の非経口投与、例えば、筋肉内もしくは皮下、腫瘍内、頭蓋内(または切除された腫瘍腔内に)、関節内、眼に、局所的、経皮、膣内、口腔、経粘膜、経肺、経尿道、直腸、経鼻、経口、または耳への投与で投与されてよい。
【0051】
本発明は、核酸、ホルモン、抗癌剤を含めた生物活性剤および全ての薬物の種類に適用可能であり、ポリペプチドおよびタンパク質を送達するための非常に有効な方法を付与する。多くの不安定なペプチドおよびタンパク質薬物は、本発明のブロックコポリマー内への製剤化に受け入れられ、本明細書に記載されている逆熱ゲル化プロセスからの利益を享受し得る。以下に特に限定されないが、製薬的に有用なポリペプチドおよびタンパク質の例は、エリスロポエチン、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、プロラクチン、ルリベリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン(ヒト、ブタ、ウシなど)、成長ホルモン放出因子、インスリン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターロイキン−2(IL−2)、インターフェロン−α、β、またはγ、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、ヘパリナーゼ、骨形態形成タンパク質(BMP)、hANP、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、シクロスポリンまたはこれらの合成アナログ、変形体および薬理学的に活性なフラグメント、酵素、サイトカイン、抗体またはワクチンであってよい。
【0052】
利用され得るポリペプチドまたはタンパク質薬物に対する唯一の制限は、1つの機能性である。いくつかの場合において、ポリペプチドおよびタンパク質の機能性または物理的安定性はまた、固体形態にする前または後のいずれかに、種々の添加剤を固体粉末または粉末ワックスである本発明のAB、ABAまたはBABブロックコポリマーに添加することによって増大され得る。添加剤はまた、ポリペプチドまたはタンパク質薬物の水溶液または懸濁液にも添加され得る。添加剤、例えば、ポリオール(糖を含む)、アミノ酸、界面活性剤、ポリマー、他のタンパク質およびある一定の塩は、薬物送達組成物の特性を改変することなく、薬物自体を安定化させることと併せて用いられてよい。これらの添加剤は、逆熱ゲル化特性によって再構成可能のままであるブロックコポリマーに容易に組み込まれ得る。
【0053】
タンパク質工学における開発は、ペプチドまたはタンパク質の固有の安定性を増大させる可能性を提供し得る。こうして得られる合成または変性タンパク質は、本発明での使用について適合性を改変しない規制の意味において新規の実体としてみなされ得るが。変更の典型的な例の1つは、ポリペプチド薬物の安定性が、水溶性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコールをポリペプチドと共有結合させることによって有意に改善され得るPEG化である。別の例は、末端および/または内部の添加、欠失または置換による、1種以上の酸残基の同一性または配置の点でのアミノ酸配列の変更である。安定性のいずれの改善も、治療的に有効なポリペプチドまたはタンパク質が、患者への薬物送達液体の単一投与の後に長期間にわたって連続的に放出されることを可能にする。
【0054】
先に列挙したペプチドまたはタンパク質系物質の薬物に加えて、全ての治療的および医療的に有用なカテゴリーからの他の薬物が利用されてよい。これらの薬物は、Merck Index、Physicians Desk Reference、およびThe Pharmacological Basis of Therapeuticsのかかる周知の参照文献に記載されている。特定の剤の簡単な列挙が説明目的のみで提供されており、限定とされてはならない:抗癌剤、例えば、アクチノマイシンD、アナストロゾール、アザシチジン、ベバシズマブ、ビカルタミド、ブレオマイシン、BCNU、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、ダウノルビシン、ダサチニブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エルロチニブ、エキセメスタン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゴセレリン、イマチニブ、STI−571、イリノテカン、ラパチニブ、レトロゾール、ロイプロリド、メトトレキサート、マイトマイシン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、リツキシマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、タモキシフェン、タキソテレ、テガフール‐ウラシル、テモゾロマイド、トラスツズマブ、トリプトレリン、ビノレルビン;抗精神病薬、例えば、オランザピンおよびジプラシドン;抗菌剤、例えば、セフォキシチン;駆虫薬、例えば、イベルメクチン;抗ウイルス剤、例えば、アシクロビル;免疫抑制剤、例えば、シクロスポリンA(環状ポリペプチド型の剤)、ステロイド、およびプロスタグランジン。さらなる抗癌剤として、ポルカルバジン、ダカルバジン、アルトレタミン、ジスプラチン、メルカプトプリン、チオグアニン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、ペントスタチン、フルオロウラシル、シタラビン、アザシチジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、テニポシド、トポテカン、ダクチノマイシン、イダルビシン、プリカマイシン、フルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、アミノグルテチミド、アムサクリン、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ミトキサントロン、ミトタン、レチノイン酸誘導体、骨髄成長因子、アミホスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、抗VEGFなどが挙げられる。
【0055】
本発明の好ましい実施形態を示すために、60〜85重量%の疎水性Aブロック(ポリエステル)および15〜40重量%の親水性Bブロック(ポリエチレングリコール「PEG」)の種々の低分子量ABAブロックコポリマーの合成を完成させた。目的は、少なくとも60%のε−カプロラクトンおよび別のモノマーを含むAブロックならびにポリエチレングリコール(PEG)を含むBブロックを含む、約1500〜10,000の平均分子量を有するAB、ABA−またはBABブロックコポリマーの調製であり、ここで、Bブロックの分子量は、300〜2000ダルトンである。トリブロックコポリマーの場合には、ポリマーは、より好ましくは4000〜8000ダルトンの重量平均分子量、最も好ましくは5500〜7500の分子量を有する。ABジブロックポリマーの場合には、ポリマーは、より好ましくは1500〜4500、最も好ましくは2000〜4000の分子量範囲を有する。ブロックコポリマーは、水溶液が形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能である固体粉末または粉末ワックス組成物である。以下は、本発明の好ましい実施形態を説明する実施例であるが、代表例に過ぎないものであることが意図される。
【0056】
実施例1
開環重合によるPCLG−PEG−PCLGのABAトリブロックコポリマーの合成
1000の見かけ分子量を有する20gのポリ(エチレングリコール)を、遠心分離の分析において981である状態にし、これを真空下(<1mmHg)に120℃で3時間乾燥した。43.13gのε−カプロラクトンならびに4.87gのDL−ラクチドおよび/またはグリコリドを反応フラスコに添加した。反応混合物の温度が80℃に達したときに、27mgのオクタン酸スズを反応混合物に添加することによって重合を開始した。反応混合物を155℃でさらに8時間加熱した。未反応のモノマーを真空(<1mmHg)によって140℃において1時間で除去し、残りのポリマーを水に溶解させた。未反応のPEG、水溶性の低分子量ポリマーおよびモノマーを熱水浴(70℃)におけるポリマー溶液の沈澱により除去した。過剰の水を凍結乾燥によって除去し、白色固体粉末またはワックス粉末ポリマーを与えた。得られたブロックコポリマーの分子量および組成を、PEG標準およびNMRを用いてゲル透過クロマトグラフィによってそれぞれ決定した。
【0057】
実施例2
開環重合によるMPEG−PCGのジブロックポリマーの合成
実施例1に概説した一般的手順に従って、ジブロックコポリマーを、550および750の見かけ平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)−モノメチルエーテルの混合物を用い、該混合物をε−カプロラクトンおよびグリコリドと反応させてABブロックコポリマーを形成することによって合成した。ABブロックコポリマーは、ABブロックコポリマーを作製する際に用いたPEG550およびPEG750の重合平均分子量をベースにして590のPEG平均分子量を有した。
【0058】
実施例3
MPEG−PCG−PEGMのBABトリブロックコポリマーの合成
実施例2のジブロックコポリマー(25g;12.7mmol)を170mlの無水トルエンに添加した。ポリマーに吸収された残りの水を125mlの最終体積まで共沸蒸留によって除去した。HMDI(1.25g;6.35mmol)およびオクタン酸スズ(0.11g:0.27mmol)を溶液に添加し、60℃で10時間および130℃で6時間、乾燥窒素雰囲気下に撹拌した。溶液中のトルエンを70mlの最終体積まで蒸留によって除去した。反応混合物を300mlのジエチルエーテル中で2回沈澱させた。残りの溶媒を100℃で高真空下に乾燥によって除去し、結果としてBABトリブロックコポリマーを生じた。
【0059】
実施例4
実施例1〜3に概説した一般的手順に従って、他のAB、ABAおよびBAB型のブロックコポリマーを合成した。組成物番号2、4〜5、および11〜13を、異なる分子量のPEGを合わせることなく、550、1000、および1450の見かけ分子量のPEGを用いて合成した。組成物番号1、3および6〜10を、550、750、1000、および1450から選択される1種を超える分子量のPEGを用いて合成した。例えば、ポリマー1を、実施例1に記載されている反応と同様の反応を実施する前にPEG550をPEG750とを合わせることによって合成した。同様にして、組成物番号3および6〜10を、PEG1000およびPEG1450を種々の比で用いて合成した。ポリマー1、3および6〜10について以下の表IIに列挙したPEGのMwは、合成に利用したPEGポリマーの重量平均である。表IIはまた、ブロックコポリマーのそれぞれにおける種々のε−カプロラクトン、DL−ラクチドおよびグリコリドの含量も示す。表IIIに列挙した分子量の値は、見かけ分子量と、対応する遠心分離分析において報告されている分子量との間の見かけおよび予想される変動に起因するおおよその値である。
【0060】
【表2】

【0061】
実施例5
ポリマーの再構成
合成された全てのブロックコポリマーは再構成可能であり、可逆性の熱ゲル化特性を有した。1.15gの固体ポリマーおよび3.85gの水を20mlのバイアルにおいて秤量し、バイアルを60℃の水浴中に置いて約1分間、穏やかに混合した。バイアルを数秒間ボルテックスし、その後、4℃の冷却室において混合した。20分後、濁ったポリマー溶液は、透明の易流動性溶液に変化した。再構成されたポリマー(23%、w/w)のゲル化温度を表IIIに提示する。
【0062】
【表3】

【0063】
実施例6
相図
種々のブロックコポリマーの水溶液の熱ゲル化挙動を研究した。実施例5に概説した手順に従って、ポリマーの水溶液(10〜30%のw/w)を調製した。粘度の変化を10〜60℃の範囲の温度の関数として観測した。図1および2の結果は、熱ゲル化挙動に対する疎水性の組成の影響を明らかに実証した。
【0064】
実施例7
ポリマー膨潤挙動
ブロックコポリマー逆熱ゲル化系の膨潤の調節を、疎水性モノマーの含量および鎖長を変化させることによって達成した。23%(w/w)のブロックコポリマー水溶液7、8、9、および10を、実施例5に概説した手順に従って調製した。これらの4種のポリマー溶液の3mlのアリコートを20mlのシンチレーションバイアルに置いた。ゲルを形成した後(37℃、20分)、各バイアルに5mlの水に添加し(37℃)、インキュベータ−シェーカにおいて37℃でインキュベートした。周期的に、水層を除去し、ゲルの重量を得た。水層を新たな水と置き換え、ポリマーの%膨潤を算出した。結果を図3に提示する。同じPEG分子量を有するコポリマー(ポリマー8、9および10)の膨潤は、ポリマーの疎水性の組成に依存した。より高いε−カプロラクトン含量のポリマーは、より低いε−カプロラクトン含量のポリマーよりもはるかに低い膨潤を有した。PEG分子量とε−カプロラクトン含量とが同じであるとき、より長い疎水性鎖長を有するポリマーは、より短い疎水性鎖長のポリマーよりも低い膨潤を有した。図3に示すように、組成物番号10のブロックコポリマー組成物は、5日の水中暴露後に10%未満の膨潤、および30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である。
【0065】
実施例8
薬物の溶解度の向上
パクリタキセルは、高度に水不溶性である疎水性薬物である(溶解度は水中で約4μg/mlである)。しかし、該薬物は、(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)−PEG−(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)コポリマーの水溶液中で有意により高い溶解度を示した。23%w/wのコポリマー水溶液において、パクリタキセルは、最大で12mg/mlまで可溶である。可溶化速度は、以前に合成されたポリマー(Rathiら、先に議論された米国特許第6,004,573号を参照されたい)と比較してはるかに速かった。可溶化の研究において、算出された量のパクリタキセルをブロックポリマー水溶液(実施例5に従って調製)に添加し、室温または4℃で10〜20分間撹拌した。ポリマー−パクリタキセル懸濁液は20分で透明な溶液に変化して、0.2μmの細孔サイズのフィルタを通して濾過することができた。濾過されたポリマー溶液中のパクリタキセルの溶解度をHPLCアッセイによって確認した。この実験は、パクリタキセルの溶解度の約3000倍の増大を実証した。同様に、他の疎水性薬物の溶解度の増大が達成された。
【0066】
実施例9
薬物放出
本実施例は、(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)−PEG−(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)ポリマーゲルからのパクリタキセル(モデル薬物)の薬物放出プロファイルを実証する。パクリタキセル(30mg)を、実施例5に記載されているように、4.97gの23%(w/w)ポリマー水溶液に溶解した。溶解試験を、改変されたUSP−II溶解装置を用いて行った。138mMのNaCl、2.7mMのCl、0.2%(w/v)のNaN、および溶解媒体として10mMのリン酸緩衝液(pH7.4(4%(w/v)のCremophor ELおよび2.4%(w/v)のTween−80を含有する))を用いてパクリタキセルの放出を1.0gの薬物−ポリマーデポーから37℃において研究した。放出されたパクリタキセル含量をHPLCによって分析した。結果を図4に提示する。ポリマー中のε−カプロラクトン含量は、望ましい再構成特性を有しながら薬物放出に対する影響を明らかに実証した。具体的には、組成物番号10は、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出した。図4に示すように、本発明の再構成可能なポリマーは、再構成可能でない従来技術の薬物放出組成物、例えば、ReGel(すなわち、逆熱ゲル化を示す水性形態であるには添加剤の適用または延長された振とうを必要とする)と同様の放出特性を示すことが可能である。
【0067】
薬物の安定性の向上
パクリタキセルは、共溶媒水溶液(例えば、水/アセトニトリル溶液中)に高度に不安定である。23重量%の水性(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)−PEG−(ε−カプロラクトン−コ−グリコリド)トリブロックコポリマー溶液(すなわち、コポリマーのゲル化温度未満)またはゲル(すなわち、コポリマーのゲル化温度を超える)のいずれかに含有されるパクリタキセルは、貯蔵(2〜8℃および37℃)中30日後において90%超が損傷していなかったが、共溶媒溶液中のパクリタキセルは、50%超のパクリタキセルが37℃において1週間未満で分解した。
【0068】
上記は、当業者が、再構成の際に逆熱ゲル化特性を有する水溶液となる、固体粉末または粉末ワックス形態であるAB、ABA−またはBAB型ブロックコポリマーを作製すること、および薬物送達の分野において該コポリマーを利用することを可能にする。パクリタキセルの制御された送達が実施例において示されて、ブロックコポリマーの水溶液から形成されたヒドロゲルの機能性を示しているが、これらの記載は、生分解性ブロックコポリマーにおいて利用されかつこれに投入され得る全ての薬物の排他的記述であることを意図していない。確実には、種々のクラスの治療剤からの多数の他の薬物が、本明細書に記載されているブロックコポリマーの水性組成物からの送達にかなり好適である。調製され得、重要な逆熱ゲル化特性を実証する全てのブロックコポリマーが、具体的に記載されているわけではない。しかし、以下の特許請求の範囲およびそれらの機能的等価物によってのみ限定される本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更がなされ得ることが当業者には直ちに明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AB−、ABA−またはBABブロックコポリマー組成物であって:
第1疎水性Aブロックおよび第1親水性Bブロックを含む少なくとも1種の第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマー成分において、第1疎水性Aブロックが、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む生分解性ポリエステルであり、第1親水性Bブロックが、第1平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含む、前記成分と;
第2疎水性Aブロックおよび第2親水性Bブロックを含む少なくとも1種の第2AB、ABAまたはBABブロックコポリマー成分において、第2疎水性Aブロックが、生分解性ポリエステルを含み、第2親水性Bブロックが、第1平均分子量と異なる第2平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含む、前記成分と;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、1500〜10,000ダルトンの合計重量平均分子量を有し、前記組成物の合計Aブロック含量が約60〜85重量%であり、前記組成物の合計Bブロック含量が約15%〜40重量%であり、Bブロックの合計重量平均分子量が300〜2000ダルトンであり、
ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、ブロックコポリマー組成物。
【請求項2】
非経口投与に好適なポリマー水溶液である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項3】
合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項4】
合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項5】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D、L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種の残基を含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項6】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種の残基を含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項7】
第2ポリエステルモノマーが、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項8】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも85%のカプロラクトンを含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項9】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項10】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンを含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項11】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1000〜1600ダルトンである、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項12】
Bブロックの合計平均分子量が、1200〜1500ダルトンである、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項13】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1200〜1500ダルトンであり、第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンおよび5%のグリコリドを含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項14】
5日の水中暴露後に10%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項15】
30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項16】
さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項17】
さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項18】
薬物をさらに含む、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項19】
前記薬物が、ポリペプチドまたはタンパク質、核酸または遺伝子、ホルモン、抗癌剤または抗細胞増殖剤である、請求項18に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項20】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、プロラクチン、ルリベリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン(ヒト、ブタ、ウシなど)、成長ホルモン放出因子、インスリン、エリスロポエチン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターロイキン−2(IL−2)、インターフェロン−α、β、もしくはγ、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、ヘパリナーゼ、骨形態形成タンパク質(BMP)、hANP、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、シクロスポリンならびにこれらの合成アナログ、変形体および薬理学的に活性なフラグメントである、請求項19に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項21】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、酵素、サイトカイン、抗体またはワクチンである、請求項19に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項22】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、エリスロポエチン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、シクロスポリンならびにこれらの合成アナログ、変形体または薬理学的に活性なフラグメントである、請求項19に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項23】
前記薬物が、パクリタキセルである、請求項18に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項24】
前記薬物が、抗癌剤である、請求項18に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項25】
前記薬物が、アクチノマイシンD、アナストロゾール、アザシチジン、ベバシズマブ、ビカルタミド、ブレオマイシン、BCNU、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、ダウノルビシン、ダサチニブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、リポソーム製剤、エピルビシン、エルロチニブ、エキセメスタン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゴセレリン、イマチニブ、STI−571、イリノテカン、ラパチニブ、レトロゾール、ロイプロリド、メトトレキサート、マイトマイシン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、リツキシマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、タモキシフェン、タキソテレ、テガフール‐ウラシル、テモゾロマイド、トラスツズマブ、トリプトレリン、ビノレルビン、ポルカルバジン、ダカルバジン、アルトレタミン、ジスプラチン、メルカプトプリン、チオグアニン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、ペントスタチン、フルオロウラシル、シタラビン、アザシチジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、テニポシド、トポテカン、ダクチノマイシン、イダルビシン、プリカマイシン、フルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、アミノグルテチミド、アムサクリン、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ミトキサントロン、ミトタン、レチノイン酸誘導体、アミホスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、抗VEGFならびにこれらの合成アナログ、変形体または製薬的等価物を含む抗癌剤である、請求項18に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項26】
前記薬物が、マイトマイシン、ブレオマイシン、BCNU、カルボプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、メトトレキサート、パクリタキセル、タキソテレ、アクチノマイシンD、カンプトテシンならびにこれらの合成アナログ、変形体または製薬的等価物を含む抗癌剤である、請求項18に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項27】
薬物含量が、約0.01〜20重量%の間である、請求項18に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項28】
さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルを含む薬物および20日で約15〜20%の間の前記薬物を放出することが可能である、請求項27に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項29】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、ABAブロックコポリマーであり、前記ABAブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が1000〜1450ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項30】
ブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、4000〜8000ダルトンである、請求項29に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項31】
ブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、5500〜7500ダルトンである、請求項29に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項32】
合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項29に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項33】
合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項29に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項34】
さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項29に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項35】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、ABブロックコポリマーであり、前記ABブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜1450ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項36】
ブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、1500〜4500ダルトンである、請求項35に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項37】
ブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、2000〜4000ダルトンである、請求項35に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項38】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、BABブロックコポリマーであり、前記BABブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性モノマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が、300〜2000ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項39】
合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項38に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項40】
合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項38に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項41】
少なくとも1種の薬物を温血動物に制御放出形態で投与するための方法であって:
(1)以下を含むAB−、ABA−またはBABブロックコポリマー組成物:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロック;ならびに
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、前記Bブロック;
を付与することにおいて、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、前記付与することと;
(2)60℃を超える熱に暴露することなくコポリマーを水と合わせることによって前記粉末またはワックス組成物の水溶液を形成することと;
(3)前記組成物を前記温血動物に投与することと
を含む方法。
【請求項42】
ブロックコポリマー組成物が、非経口投与に好適なポリマー水溶液である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
第2ポリエステルモノマーが、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも85%のカプロラクトンを含む、請求項41に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項49】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項41に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項50】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンを含む、請求項41に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項51】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1000〜1600ダルトンである、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1200〜1500ダルトンである、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1200〜1500ダルトンであり、第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンおよび5%のグリコリドを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
ブロックコポリマー組成物が、5日の水中暴露後に10%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項55】
ブロックコポリマー組成物が、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項56】
ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項57】
固体粉末ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項58】
薬物をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項59】
前記薬物が、ポリペプチドまたはタンパク質、核酸または遺伝子、ホルモン、抗癌剤または抗細胞増殖剤である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、プロラクチン、ルリベリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン(ヒト、ブタ、ウシなど)、成長ホルモン放出因子、インスリン、エリスロポエチン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターロイキン−2(IL−2)、インターフェロン−α、β、もしくはγ、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、ヘパリナーゼ、骨形態形成タンパク質(BMP)、hANP、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、シクロスポリンならびにこれらの合成アナログ、変形体および薬理学的に活性なフラグメントである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、酵素、サイトカイン、抗体またはワクチンである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、エリスロポエチン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、シクロスポリンならびにこれらの合成アナログ、変形体および薬理学的に活性なフラグメントである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記薬物が、パクリタキセルである、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記薬物が、抗癌剤である、請求項58に記載の方法。
【請求項65】
前記薬物が、アクチノマイシンD、アナストロゾール、アザシチジン、ベバシズマブ、ビカルタミド、ブレオマイシン、BCNU、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、ダウノルビシン、ダサチニブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、リポソーム製剤、エピルビシン、エルロチニブ、エキセメスタン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゴセレリン、イマチニブ、STI−571、イリノテカン、ラパチニブ、レトロゾール、ロイプロリド、メトトレキサート、マイトマイシン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、リツキシマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、タモキシフェン、タキソテレ、テガフール‐ウラシル、テモゾロマイド、トラスツズマブ、トリプトレリン、ビノレルビン、ポルカルバジン、ダカルバジン、アルトレタミン、ジスプラチン、メルカプトプリン、チオグアニン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、ペントスタチン、フルオロウラシル、シタラビン、アザシチジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、テニポシド、トポテカン、ダクチノマイシン、イダルビシン、プリカマイシン、フルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、アミノグルテチミド、アムサクリン、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ミトキサントロン、ミトタン、レチノイン酸誘導体、アミホスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、抗VEGFおよびこれらの合成アナログ、変形体または製薬的等価物を含む抗癌剤である、請求項58に記載の方法。
【請求項66】
前記薬物が、マイトマイシン、ブレオマイシン、BCNU、カルボプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、メトトレキサート、パクリタキセル、タキソテレ、アクチノマイシンD、カンプトテシン、およびこれらの合成アナログ、変形体または製薬的等価物を含む抗癌剤である、請求項58に記載の方法。
【請求項67】
前記組成物の薬物含量が、約0.01〜20重量%の間である、請求項58に記載の方法。
【請求項68】
ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルを含む薬物および20日で約15〜20%の間の前記薬物を放出することが可能である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、ABAブロックコポリマーであり、前記ABAブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項70】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、4000〜8000ダルトンである、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、5500〜7500ダルトンである、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
組成物の合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
組成物の合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、ABブロックコポリマーであり、前記ABブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項76】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、1500〜4500ダルトンである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、2000〜4000ダルトンである、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、BABブロックコポリマーであり、前記BABブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性モノマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が、300〜1450ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項79】
組成物の合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
組成物の合計Aブロック含量が67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、第1疎水性Aブロックおよび第1親水性Bブロックを含む第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマー成分であり、ここで、第1疎水性Aブロックは、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性モノマーを含む生分解性ポリエステルであり、第1親水性Bブロックが第1平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含み;
第2疎水性Aブロックおよび第2親水性Bブロックを含む少なくとも1種の第2AB、ABAまたはBABブロックコポリマー成分、ここで、第2疎水性Aブロックが、生分解性ポリエステルを含み、第2親水性Bブロックが、第1平均分子量と異なる第2平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含み;
ブロックコポリマー組成物は、1500〜10,000ダルトンの合計重量平均分子量を有し、組成物の合計Aブロック含量は、約60〜85重量%であり、組成物の合計Bブロック含量は、約15%〜40重量%であり、組成物中のBブロックの合計重量平均分子量は、300〜2000ダルトンであり、
ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項41に記載の方法。
【請求項82】
粉末またはワックスブロックコポリマー組成物を作製する方法であって:
(1)以下を含むABAブロックコポリマー組成物:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロック;ならびに
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である、前記Bブロック;
を付与することと;
(2)前記ブロックコポリマーを凍結乾燥して、粉末またはワックスブロックコポリマー組成物を形成することと
を含み、粉末またはワックスブロックコポリマー組成物は、室温で固体であり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、方法。
【請求項83】
ブロックコポリマー組成物が、非経口投与に好適なポリマー水溶液である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項87】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも85%のカプロラクトンを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項89】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項90】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項91】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項92】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1000〜1600ダルトンである、請求項82に記載の方法。
【請求項93】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1200〜1500ダルトンである、請求項82に記載の方法。
【請求項94】
Bブロックの合計重量平均分子量が、1200〜1500ダルトンであり、第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンおよび5%のグリコリドを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項95】
ブロックコポリマー組成物が、5日の水中暴露後に10%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項82に記載の方法。
【請求項96】
ブロックコポリマー組成物が、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項82に記載の方法。
【請求項97】
ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能である、請求項82に記載の方法。
【請求項98】
固体粉末ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルを含む薬物および20日で約15〜20%の間の前記薬物を放出することが可能である、請求項82に記載の方法。
【請求項99】
薬物をさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項100】
前記薬物が、ポリペプチドまたはタンパク質、核酸または遺伝子、ホルモン、抗癌剤または抗細胞増殖剤である、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、プロラクチン、ルリベリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン(ヒト、ブタ、ウシなど)、成長ホルモン放出因子、インスリン、エリスロポエチン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターロイキン−2(IL−2)、インターフェロン−α、β、もしくはγ、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンギオテンシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、ヘパリナーゼ、骨形態形成タンパク質(BMP)、hANP、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、シクロスポリンならびにこれらの合成アナログ、変形体および薬理学的に活性なフラグメントである、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、酵素、サイトカイン、抗体またはワクチンである、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記ポリペプチドまたはタンパク質が、エリスロポエチン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、シクロスポリンならびにこれらの合成アナログ、変形体および薬理学的に活性なフラグメントである、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
前記薬物が、パクリタキセルである、請求項99に記載の方法。
【請求項105】
前記薬物が、抗癌剤である、請求項99に記載の方法。
【請求項106】
前記薬物が、アクチノマイシンD、アナストロゾール、アザシチジン、ベバシズマブ、ビカルタミド、ブレオマイシン、BCNU、ボルテゾミブ、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、ダウノルビシン、ダサチニブ、ドセタキセル、ドキソルビシン、リポソーム製剤、エピルビシン、エルロチニブ、エキセメスタン、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゴセレリン、イマチニブ、STI−571、イリノテカン、ラパチニブ、レトロゾール、ロイプロリド、メトトレキサート、マイトマイシン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、リツキシマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、タモキシフェン、タキソテレ、テガフール‐ウラシル、テモゾロマイド、トラスツズマブ、トリプトレリン、ビノレルビン、ポルカルバジン、ダカルバジン、アルトレタミン、ジスプラチン、メルカプトプリン、チオグアニン、リン酸フルダラビン、クラドリビン、ペントスタチン、フルオロウラシル、シタラビン、アザシチジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、テニポシド、トポテカン、ダクチノマイシン、イダルビシン、プリカマイシン、フルタミド、ロイプロリド、ゴセレリン、アミノグルテチミド、アムサクリン、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ミトキサントロン、ミトタン、レチノイン酸誘導体、アミホスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、抗VEGFおよびこれらの合成アナログ、変形体または製薬的等価物を含む抗癌剤である、請求項99に記載の方法。
【請求項107】
前記薬物が、マイトマイシン、ブレオマイシン、BCNU、カルボプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、メトトレキサート、パクリタキセル、タキソテレ、アクチノマイシンD、カンプトテシン、およびこれらの合成アナログ、変形体または製薬的等価物を含む抗癌剤である、請求項99に記載の方法。
【請求項108】
前記組成物の薬物含量が、約0.01〜20重量%の間である、請求項99に記載の方法。
【請求項109】
ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルを含む薬物および20日で約15〜20%の間の前記薬物を放出することが可能である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
第1AB、ABAまたはBABブロックコポリマーが、ABAブロックコポリマーであり、前記ABAブロックコポリマーは:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、前記Aブロックが、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む、前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が1000〜1450ダルトンの間である、前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項82に記載の方法。
【請求項111】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、4000〜8000ダルトンである、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、5500〜7500ダルトンである、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
合計Aブロック含量が65〜80%の範囲であり、合計Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
合計Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、合計Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項110に記載の方法。
【請求項115】
ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項110に記載の方法。
【請求項116】
(a)ブロックコポリマーを水溶液に溶解する工程と、(b)ブロックコポリマーを水溶液から沈澱させる工程とを含み、これらが工程(2)の前に行われる、請求項110に記載の方法。
【請求項117】
(a)ブロックコポリマーを水溶液に溶解する工程と、(b)薬物を、溶解されたブロックコポリマーに添加する工程と、(c)ブロックコポリマーを水溶液から沈澱させる工程とを含み、これらが工程(2)の前に行われる、請求項110に記載の方法。
【請求項118】
(a)ブロックコポリマーを水溶液に溶解してポリマー水溶液を形成する工程と、(b)薬物を、溶解されたブロックコポリマーに添加する工程とを含み、これらが工程(2)の前に行われる、請求項110に記載の方法。
【請求項119】
ブロックコポリマー組成物が溶解されて、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成する、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
(a)薬物を、粉末またはワックスブロックコポリマーに添加する工程と、(b)ブロックコポリマーを水溶液に溶解してポリマー水溶液を形成する工程とを含み、これらが工程(2)の前に行われる、請求項110に記載の方法。
【請求項121】
ブロックコポリマー組成物が溶解されて、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成する、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
ABAブロックコポリマーが、第1疎水性Aブロックおよび第1親水性Bブロックを含む第1ABAブロックコポリマー成分であり、ここで、第1疎水性Aブロックが、少なくとも60%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む生分解性ポリエステルであり、第1親水性Bブロックが、第1平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含み;
第2疎水性Aブロックおよび第2親水性Bブロックを含む少なくとも1種の第2ABAブロックコポリマー成分、ここで、第2疎水性Aブロックが、生分解性ポリエステルを含み、第2親水性Bブロックが、第1平均分子量と異なる第2平均分子量を有し、ポリエチレングリコールを含み;
ブロックコポリマー組成物は、1500〜10,000ダルトンの合計重量平均分子量を有し、組成物の合計Aブロック含量は、約60〜85重量%であり、組成物の合計Bブロック含量は、約15%〜40重量%であり、組成物中のBブロックの合計重量平均分子量は、300〜2000ダルトンであり、
ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、請求項82に記載の方法。
【請求項123】
ABAブロックコポリマーであって:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が1000〜1450ダルトンの間である前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、ブロックコポリマー。
【請求項124】
Aブロック含量が、65〜80%の範囲であり、Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項125】
Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項126】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項127】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項128】
第2ポリエステルモノマーが、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含む、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項129】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも85%のカプロラクトンを含む、請求項123に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項130】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項123に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項131】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンを含む、請求項123に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項132】
Bブロックの平均分子量が、1000〜1600ダルトンである、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項133】
Bブロックの平均分子量が、1200〜1500ダルトンである、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項134】
Bブロックの平均分子量が、1200〜1500ダルトンであり、Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンおよび5%のグリコリドを含む、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項135】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、5日の水中暴露後に10%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項136】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項137】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項138】
固体粉末ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項139】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、4000〜8000ダルトンである、請求項123に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項140】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、5500〜7500ダルトンである、請求項123に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項141】
ABブロックコポリマーであって:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性ポリマーを含む前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、ブロックコポリマー。
【請求項142】
Aブロック含量が、65〜80%の範囲であり、Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項143】
Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項144】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項145】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項146】
第2ポリエステルモノマーが、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含む、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項147】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも85%のカプロラクトンを含む、請求項141に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項148】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項141に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項149】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンを含む、請求項141に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項150】
Bブロックの平均分子量が、300〜800ダルトンである、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項151】
Bブロックの平均分子量が、500〜750ダルトンである、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項152】
Bブロックの平均分子量が、500〜750ダルトンであり、Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンおよび5%のグリコリドを含む、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項153】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、5日の水中暴露後に10%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項154】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項155】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項156】
固体粉末ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項157】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、1500〜4500ダルトンである、請求項141に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項158】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、2000〜4000ダルトンである、請求項141に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項159】
BABブロックコポリマーであって:
i)約60〜85重量%の、生分解性ポリエステルを含む生分解性の疎水性Aブロックにおいて、少なくとも85%のカプロラクトンおよび少なくとも1種の第2ポリエステル形成性モノマーを含む前記Aブロックと;
ii)約15〜40重量%の、ポリエチレングリコールを含む生分解性の親水性Bブロックにおいて、分子量が300〜2000ダルトンの間である前記Bブロックと;
を含み、ブロックコポリマー組成物は、室温で粉末またはワックスであり、ポリマー水溶液として形成されるとき、逆熱ゲル化を示すことが可能であり、添加剤の使用も60℃を超える加熱も伴わずに振とうによって30分未満でポリマー水溶液に変換することが可能である、ブロックコポリマー。
【請求項160】
Aブロック含量が、65〜80%の範囲であり、Bブロック含量が、20〜35%の範囲である、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項161】
Aブロック含量が、67〜75%の範囲であり、Bブロック含量が、25〜33%の範囲である、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項162】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項163】
第2ポリエステルモノマーが、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−ヒドロキシヘキサン酸、またはこれらのコポリマーの少なくとも1種からの残基を含む、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項164】
第2ポリエステルモノマーが、ラクチドもしくはグリコリドまたはこれらのコポリマーからの残基を含む、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項165】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも85%のカプロラクトンを含む、請求項159に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項166】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、少なくとも90モル%のカプロラクトンを含む、請求項159に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項167】
第1Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンを含む、請求項159に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項168】
Bブロックの平均分子量が、300〜800ダルトンである、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項169】
Bブロックの平均分子量が、500〜750ダルトンである、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項170】
Bブロックの平均分子量が、500〜750ダルトンであり、Aブロックの生分解性ポリエステルが、約90〜95%のカプロラクトンおよび5%のグリコリドを含む、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項171】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、5日の水中暴露後に10%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項172】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能である、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項173】
ポリマー水溶液として形成されるときのブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能である、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項174】
固体粉末ブロックコポリマー組成物が、さらなる剤または60℃を超える温度に暴露することなく30分未満で前記ポリマー水溶液を形成することが可能であり、30日の水中暴露後に5%未満の膨潤を示すことが可能であり、5日で約10〜15%の間のパクリタキセルおよび20日で約15〜20%の間のパクリタキセルを放出することが可能である、請求項159に記載のブロックコポリマー。
【請求項175】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、4000〜8000ダルトンである、請求項159に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項176】
組成物中のブロックコポリマーの合計重量平均分子量が、5500〜7500ダルトンである、請求項159に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項177】
ブロックコポリマーの数平均分子量が、3500〜5000ダルトンの範囲である、請求項1に記載のブロックコポリマー組成物。
【請求項178】
数平均分子量が、3500〜5000ダルトンの範囲である、請求項123に記載のブロックコポリマー。
【請求項179】
数平均分子量が、3500〜5000ダルトンの範囲である、請求項141に記載のブロックコポリマー。
【請求項180】
数平均分子量が、3500〜5000ダルトンの範囲である、請求項159に記載のブロックコポリマー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−505336(P2013−505336A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529966(P2012−529966)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/049526
【国際公開番号】WO2011/035261
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512088578)プロセリクス メディスンズ ディベロプメント リミテッド (2)
【Fターム(参考)】