説明

再生装置、カメラおよび再生装置の音量制御方法

【課題】小さなタッチパネルでも出力音量を細かく調節でき、かつ、調節された出力音量を同時に表示可能な再生装置を提供する。
【解決手段】この発明の再生装置は、タッチパネル付画像表示装置を備えており、音楽のボリューム調整画面として、その表示部に複数個のスポット(点)が列をなしたバーが複数本放射状に配置されたオブジェクトを表示する。そして、このオブジェクトc1上で右回りに円を描くようなタッチパネル操作が行われると、ボリュームをアップさせ、左回りに円を描くようなタッチパネル操作が行われると、ボリュームをダウンさせる。また、これに伴い、スポットが高輝度表示されるバーを右回りに増加させ、または左回りに減少させることにより、ボリュームの状態を同時に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば音楽の再生音量を調節するためのタッチパネルを利用したユーザインタフェース技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の音声データの圧縮符号化技術の向上に伴い、様々なタイプの音楽再生装置が開発されている。この種の音楽再生装置では、専用のダイヤルを設け、このダイヤルを回転させてボリュームを調整することが一般的に行われている。
【0003】
また、最近では、情報の表示と入力操作とで兼用できるタッチパネルも種々の電子機器で広く用いられてきており、このタッチパネルを音楽再生時の選曲や条件設定に利用する装置も提案されている。代表的な方法としては、タッチパネル上にアップ用およびダウン用の2つの増減ボリューム釦を表示し、このボリューム釦の操作でボリューム調整を行う方法が挙げられる(例えば、特許文献1等参照)。しかしながら、この方法では、調整されたボリュームの状態を別途表示しなければならないという不便さが残る。
【0004】
これに対して、グラフィックイコライザにおいては、レベルの調整指示を行うための表示とその調整されたレベルを示すための表示とを各周波数毎にタッチパネル上に同時に行うことが実現されている(例えば、特許文献2等参照)。
【特許文献1】特開平10−143735号公報
【特許文献2】特開平11−112254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この特許文献2に記載されたような方法では、確かに、調整指示とその調整結果とを同時に行うことができるが、ボリュームを多段階で細かく調整する必要がある場合には、大きな面積のタッチパネルが必須となる。従って、例えばポータブルタイプの音楽再生装置のように、小さなタッチパネルしか設置できない場合には、この方法を採用することは不可能である。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、小さなタッチパネルでも出力音量を細かく調節でき、かつ、調節された出力音量を同時に表示可能な再生装置、カメラおよび再生装置の音量制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、この発明の再生装置は、音声出力手段と、表示手段と、前記表示手段上に設けられるタッチパネルと、その軌跡が円または弧を描く前記タッチパネル上での摺動動作を検出する検出手段と、前記検出手段により検出される前記摺動動作に基づき、前記音声出力手段の出力音量を調節する音量調節手段と、前記音量調節手段により調節された出力音量を前記摺動動作に対応させるべくその形状を変化させるオブジェクトで前記表示手段に表示する音量表示手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、この発明のカメラは、前記再生装置と、撮像手段とを具備し、前記再生装置の音量表示手段は、前記撮像手段により撮像された画像を前記表示手段に表示中に、前記オブジェクトを該画像に重畳させて表示することを特徴とする。
【0009】
また、この発明の再生装置の音量制御方法は、音声出力手段と、表示手段と、前記表示手段上に設けられるタッチパネルとを具備する再生装置の音量制御方法であって、その軌跡が円または弧を描く前記タッチパネル上での摺動動作を検出し前記検出された前記摺動動作に基づき、前記音声出力手段の出力音量を調節し、前記調節された出力音量を前記摺動動作に対応させるべくその形状を変化させるオブジェクトで前記表示手段に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、小さなタッチパネルでも出力音量を細かく調節でき、かつ、調節された出力音量を同時に表示可能な再生装置、カメラおよび再生装置の音量制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る再生装置の外観図である。この再生装置1は、カメラ付のオーディオプレーヤであり、その筐体正面には、図1(a)に示すように、被写体からの被写体光を取り込むための撮影窓101と、被写体に向けて補助光を照射するための照明窓102が設けられる。
【0013】
また、この再生装置1の筐体背面には、図1(b)に示すように、タッチパネル付画像表示装置15が配置される。再生装置1の動作モードが撮影モードにある場合、その表示面には被写体像がいわゆるスルー画として表示され、タッチパネルの任意の検出領域に触れる(摺接動作)と、その動作がいわゆるレリーズ指示として認識されて撮影処理が実行される。動作モードが画像再生モードにある場合には、その表示面には例えば1枚の撮影画像が表示され、タッチパネル上での所定の動作に応じて、表示対象の撮影画像を切り換え制御する。また、再生装置1の動作モードが音楽再生モードにある場合、このタッチパネル上の操作で音楽の出力音量を調節することができる。そして、本実施形態の再生装置1は、小さなタッチパネルでも出力音量を細かく調節でき、かつ、調節された出力音量を同時に表示できるようにしたものであり、この点は後に詳述する。
【0014】
さらに、この再生装置1の筐体上面には、図1(c)に示すように、電源をオン/オフするための電源ボタン103が設けられる。
【0015】
図2は、本実施形態の再生装置1の機器構成図である。
【0016】
この再生装置1は、CPU11によって装置全体の制御が司られており、その制御手順を記述した各種プログラムがROM12に格納されている。図1(a)に示した撮影窓101には、カメラ装置13のレンズ131が設けられ、このレンズ131を通過した被写体光は、撮像素子132に入射して、その撮像面上に被写体像を結像する。
【0017】
撮像素子132は、光電変換を行なう複数の画素を2次元のマトリクス状に配列して撮像面を構成し、さらに撮像面にカラーフィルタを配置したものであり、撮像面に結像された被写体像に対応した信号電荷を蓄積する。撮像素子132は、露光や読み出しなどの各種制御が撮像部133によって行われ、その出力は、撮像部133でデジタル信号に変換された後、システムバス経由で画像処理部14に画像信号として入力される。また、撮像部133は、ストロボ134の発光制御も行っており、ストロボ134で発光された補助光は、図1(a)に示した照明窓102を通過して被写体を照明する。
【0018】
カメラ装置13からの画像信号をシステムバス経由で受け取った画像処理部14は、その画像信号に対して、ISO感度設定、オートホワイトバランス、輝度/色信号生成、ガンマ処理等を施すことにより、所定フォーマットのカラー画像信号を生成する。このカラー画像信号は、表示出力に適した形態に変換されてタッチパネル付画像表示装置15に供給され、スルー画として画像表示部151にリアルタイムに表示されると共に、記録に適した形態に変換(圧縮符号化)されてシステムバス経由でハードディスク16に撮像画像として記録される。
【0019】
スルー画が画像表示部151にリアルタイム表示されるタッチパネル付画像表示装置15のタッチパネル152は、その状態が検出部17によって監視され、何らかのタッチパネル操作が行われると、タッチされた位置が検出部17で検出されてその位置情報がCPU11に通知される。例えば、前述のレリーズ操作に相当する任意の位置でのタッチを検出部17から通知されると、CPU11は、画像表示部151にスルー画として表示中の画像をハードディスク16に記録すべく装置全体を制御する。また、この検出部17からの通知のほか、CPU11は、図1(c)に示した電源ボタン103を含む操作部18からの制御信号に応じて、電源のオン/オフなどの装置全体の制御を実行する。
【0020】
以上のようにハードディスク16に記録された撮像画像は、画像再生モード時、画像処理部14によって読み出され、伸長復号化が施されてタッチパネル付画像表示装置15の画像表示部151に表示される。そして、この画像表示部151に表示させる撮像画像の切り換えは、検出部17からCPU11への通知、つまりタッチパネル付画像表示装置15のタッチパネル152上での操作によって実行される。
【0021】
また、この再生装置1は、クレードルなどと称されるスタンド装置2に取り外し自在に装着することができ、スタンド装置2に装着されると、筐体周壁に設けられたコネクタ104がスタンド装置2側のコネクタ201と嵌合し、双方が電気的に接続されるようになっている。このスタンド装置2には、USB端子202、ビデオ出力端子203、DC入力端子204が設けられ、USB端子202にはパーソナルコンピュータ(PC)3、ビデオ出力端子203にはテレビジョン装置(TV)4、DC入力端子204にはACアダプタ5をそれぞれ接続することができる。
【0022】
USB端子202は、コネクタ201,104経由で再生装置1のインタフェース(IF)部19と繋がれ、再生装置1は、このIF部19の制御の下、PC3との間で通信を行うことが可能となる。例えば、ハードディスク16に記録された撮像画像をPC3に転送したり、PC3から圧縮符号化された音楽データを受信してハードディスク16に記録することができる。音楽再生モード時、再生装置1では、音声処理部20が、ハードディスク16から音楽データを読み出し、伸長復号化およびアナログ化を施して音声出力端子105に出力する。ユーザは、ヘッドフォン等を音声出力端子105に接続することにより、この音楽を視聴することができる。そして、この出力音量の調節は、検出部17からCPU11への通知、つまりタッチパネル付画像表示装置15のタッチパネル152上での操作によって実行され、かつ、その調節結果が当該タッチパネル付画像表示装置15の画像表示部151に同時に表示される。
【0023】
また、ビデオ出力端子203は、コネクタ201,104経由で再生装置1の画像処理部14と繋がれる。画像処理部14は、CPUからの通知に応じて、タッチパネル付画像表示装置15の画像表示部151に対するカラー画像信号の供給に代えて、TV4に対するカラー画像信号の供給を実行する。この際、画像処理部14は、カラー画像信号を、TV4での表示出力に適した形態(NTSC)に変換する。
【0024】
さらに、DC入力端子204は、コネクタ201,104経由で再生装置1の電源回路21と繋がれる。電源回路21は、スタンド装置2を介してACアダプタ5が接続されたことを検知すると、電源をバッテリ22からACアダプタ5に切り換えると共に、ACアダプタ5からの電力によってバッテリ22を充電制御する。
【0025】
図3は、この再生装置1が提示するメニューおよびこのメニューによって形成される再生装置1の主要な状態の階層関係を示す図である。
【0026】
図3に示すように、再生装置1は、まず、写真メニューa1、音楽メニューa2、リミックス(音楽画像)メニューa3の3つの項目を選択肢として提示する。なお、この再生装置1のCPU11は、電源ボタン103により電源がオフされた際の状態を保持すると共に、電源ボタン103により電源がオンされた際、その保持した状態を復元するいわゆるサスペンド/レジューム機能を有している。従って、電源オン時には、通常は、前回の電源オフ時の画面が提示されることになる。
【0027】
写真メニューa1は、画像の撮像、撮像画像の再生、撮像画像の整理を行う際に選択されるメニューである。音楽メニューa2は、音楽の再生、音楽の検索の際に選択されるメニューである。リミックス(音楽画像)メニューa3は、特殊な映像効果で再生される画像と共に音楽を再生したり、音楽、画像および映像効果の組み合わせを設定(リミックスの作成)する際に選択されるメニューである。なお、これらのメニューの選択は、タッチパネル付画像表示装置15の画像表示部151上での表示領域に触れるように各々に対応するタッチパネル152上の検出領域に触れることにより行われる。以下、出力音量を調節するためのタッチパネル操作に関わる音楽メニューa2が選択された場合について説明する。
【0028】
音楽メニューa2が選択されると、再生装置1は、今度は、音楽再生モードa21、音楽検索モードa22のいずれかに移行するためのメニューを提示する。音楽再生モードa21は、ハードディスク16に記録された音楽データを再生するためのモード、音楽検索モードa22は、ハードディスク16に記録された音楽データの中から再生させる目的の音楽データを検索して選択するためのモードである。そして、音楽再生モードa21が選択されると、再生装置1は、ハードディスク16に記録された音楽データの再生処理を実行する。
【0029】
図4は、音楽データの再生処理中におけるタッチパネル付画像表示装置15の画像表示部151の基本表示例を示す図である。図4に示すように、音楽データの再生中、表示画面上には、曲名、演奏者、演奏時間などの情報が一覧表示される。その下欄部には、早送りなどの各種操作を行うための操作釦群が表示され、その中の1つとして、ボリューム調整を行う画面に移行するためのボリューム切換釦b1が配置される。
【0030】
このボリューム切換釦b1の表示領域に触れる、つまり対応するタッチパネル152上の検出領域に触れると、画像表示部151の表示は、図5に示すボリューム調整画面に切り換わる。図5に示すように、ボリューム調整画面では、複数個のスポット(点)が列をなしたバーが複数本(本例では、16本)放射状に配置されたオブジェクトc1が中央部に表示される。このオブジェクトc1は、ボリューム調整操作を誘導するガイド表示であると同時に、調整されたボリュームの状態表示である。図5は、ボリューム0の状態を示しており、この状態の場合、オブジェクトc1を構成する各スポットは低輝度表示される。以下では、低輝度表示されたスポットを白丸で示し、高輝度表示されたスポットを黒丸で示す。上部の矢印と対応する+,−の表示は、ボリュームの増減に対応する操作方向を示す。
【0031】
このボリューム0の状態からボリュームをアップさせる場合、ユーザは、図6に示すように、オブジェクトc1上の任意の領域に触れ、そこから右回りに円または弧を描くようなタッチパネル操作を行う(摺動動作:図中の破線矢印)。図6は、ボリューム小の状態を示しており、開始点となるバーからボリューム小に該当するバーまでのスポットの一部(中心に近いスポット部分)が、このタッチパネル操作に応じて螺旋状の図形を形成すべく高輝度表示される。また、図7に示すように、右回りに円または弧を描くようなタッチパネル操作がさらに行われると、これに伴ってボリュームがアップされると共に、スポットが高輝度表示されるバーが右回りに増えていく。図7は、ボリューム中の状態を示している。つまり、このオブジェクトc1は、第1に、その一部またはすべてのスポットが高輝度表示された複数本のバーで形成される扇状の図形の中心角部分、つまり各バーの要部分の角度でボリュームの状態を表現する。なお、左回りに円または弧を描くようなタッチパネル操作が行われた場合には、これに伴ってボリュームがダウンされ、スポットが高輝度表示されるバーが左回りに減っていく。
【0032】
図7に示すように、ボリューム中の状態までは、高輝度のスポットが螺旋状の図形を構成するようにその表示が行われるが、このボリューム中の状態に至ると、16本のすべてのバーのスポットのいずれかが高輝度表示されている。そして、これ以降、図8および図9に示すように、右回りに円または弧を描くようなタッチパネル操作がさらに行われると、これに伴ってボリュームがアップされると共に、その円または弧の描画分だけ該当するバーのすべてのスポットを高輝度表示する方向へ進む。なお、図8は、ボリューム大の状態を示しており、図9は、すべてのバーのすべてのスポットが高輝度表示されたボリュームマックスの状態を示している。つまり、このオブジェクトc1は、第2に、各バーの(高輝度表示されたスポット部分の)径の長さでもボリュームの状態を表現する。具体的に説明すると、ボリューム大(図8)からボリュームマックス(図9)に至る際にスポットが高輝度表示されるバーは、ボリューム中(図6)の状態で既にその一部が高輝度表示されているが(360°高輝度表示済み)、残りの部分のスポットをさらに高輝度表示することで、その識別を図っている。
【0033】
そして、このようなボリューム状態の表示制御を行うことにより、本実施形態の再生装置1は、小さなタッチパネルでも出力音量を細かく調節でき、かつ、調節された出力音量を同時に表示可能とすることを実現する。図10は、各バーのスポット表示と音声出力レベルとの関係を示す図である。本図は、これまでに説明した表示例について、音声出力レベルの増加に応じて、スポットの高輝度部分が中心部から外周部へ延びていく様子を示したものである。
【0034】
もし、バーのスポットを一端から他端に向けて順番に高輝度表示させていくだけの表示制御を行うと、図5に示したボリューム0の状態から図7に示したボリューム中の状態までの区別しかつけることができず、図8や図9に示したボリューム大やボリュームマックスの状態を表現しようとすると、スポットを増設する必要がある。これに対して、本実施形態の表示制御によれば、同数のスポット数でより多くの状態を表現することが可能となる。また、右回りに円を描いてボリュームをアップさせ、左回りに円を描いてボリュームをダウンさせるタッチパネル操作は、従来のダイヤルの操作と感覚的に類似するので、ユーザにもなじみやすい操作方法であるといえる。
【0035】
なお、図5乃至図9に示した例では、円を描くようなタッチパネル操作に対応してボリュームの状態が表示される様子を分かり易く示すために、操作位置と表示位置とをほぼ一致させたが、これらの間に何ら関連性はない。図11に示すように、オブジェクトc1上の任意の位置から弧を描くと、描かれた弧に対応する中心角、つまりその描画量に対応するボリューム調整および表示制御が行われる。即ち、操作位置と表示位置とは完全に独立したものである。そして、この中心角に比例する描画量に応じてボリューム調整を行うことにより、例えばタッチした位置でボリューム調整を行う一般的な手法と比較して、タッチパネル152に誤って触れてしまった等、意図しない誤動作を防止するという利点も生み出すことができる。
【0036】
ここで、図12のフローチャートを参照して、この再生装置1のボリューム調整の動作原理について説明する。
【0037】
CPU11は、まず、円または弧を描くようなタッチパネル操作が行われたかどうかを検出部17からの通知により判定する(ステップA1)。もし、このタッチパネル操作が行われていたら(ステップA1のYES)、CPU11は、続いて、その描画量と方向とを検出する(ステップA2)。
【0038】
右方向であれば(ステップA3のYES)、CPU11は、その描画量に応じてボリュームをアップさせるべく音声処理部20に指示を出し(ステップA4)、一方、左方向であれば(ステップA3のNO)、その描画量に応じてボリュームをダウンさせるべく音声処理部20に指示を出す(ステップA5)。
【0039】
そして、CPU11は、調整後のボリューム状態に対応するオブジェクトc1の表示データをROM12から読み出し(ステップA6)、画像表示部151上のオブジェクトc1の表示をこの読み出した表示データに変更させるべく画像処理部14に指示を出す(ステップA7)。
【0040】
このように、本実施形態の再生装置1では、小さなタッチパネルでも出力音量を細かく調節でき、かつ、調節された出力音量を同時に表示できる。
【0041】
なお、前述した実施形態では、ボリューム調整用のオブジェクトを専用のボリューム調整画面上に表示する例を示したが、カメラ付のオーディオプレーヤの場合、撮像画像を見ながら音楽も楽しむといった利用も考えられるので、例えば図13に示すように、表示画像上に重畳させて表示させるように変形することも有効である。
【0042】
つまり、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施形態に係る再生装置の外観図
【図2】同実施形態の再生装置の機器構成図
【図3】同実施形態の再生装置が提示するメニューおよびこのメニューによって形成される再生装置の主要な状態の階層関係を示す図
【図4】同実施形態の再生装置の音楽データの再生処理中におけるタッチパネル付画像表示装置の画像表示部の基本表示例を示す図
【図5】同実施形態の再生装置が表示するボリューム調整画面を示す第1(ボリューム0の状態)の図
【図6】同実施形態の再生装置が表示するボリューム調整画面を示す第2(ボリューム小の状態)の図
【図7】同実施形態の再生装置が表示するボリューム調整画面を示す第3(ボリューム中の状態)の図
【図8】同実施形態の再生装置が表示するボリューム調整画面を示す第4(ボリューム大の状態)の図
【図9】同実施形態の再生装置が表示するボリューム調整画面を示す第5(ボリュームマックスの状態)の図
【図10】同実施形態の再生装置における各バーの表示レベルと音声出力レベルとの関係を示す図
【図11】同実施形態の再生装置が表示するボリューム調整用のオブジェクト上での操作位置と表示位置との独立性を説明するための図
【図12】同実施形態の再生装置のボリューム調整の流れを示すフローチャート
【図13】同実施形態の再生装置におけるボリューム調整画面の表示方法の変形例を示す図
【符号の説明】
【0044】
1…再生装置、2…スタンド装置、3…パーソナルコンピュータ(PC)、4…テレビジョン装置(TV)、5…ACアダプタ、11…CPU、12…ROM、13…カメラ装置、14…画像処理部、15…タッチパネル付画像表示装置、16…ハードディスク、17…検出部、18…操作部、19…インタフェース(IF)部、20…音声処理部、21…電源回路、22…バッテリ、101…撮影窓、102…照明窓、103…電源ボタン、104…コネクタ、105…音声出力端子、131…レンズ、132…撮像素子、133…撮像部、134…ストロボ、151…画像表示部、152…タッチパネル、201…コネクタ、202…USB端子、203…ビデオ出力端子、204…DC入力端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声出力手段と、
表示手段と、
前記表示手段上に設けられるタッチパネルと、
その軌跡が円または弧を描く前記タッチパネル上での摺動動作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出される前記摺動動作に基づき、前記音声出力手段の出力音量を調節する音量調節手段と、
前記音量調節手段により調節された出力音量を前記摺動動作に対応させるべくその形状を変化させるオブジェクトで前記表示手段に表示する音量表示手段と
を具備することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記音量調節手段は、前記円または弧の描画方向が第1の方向であった場合、前記出力音量を大きくし、前記第1の方向と逆の第2の方向であった場合、前記出力音量を小さくするように調整を行い、
前記音量表示手段は、始点から前記第1の方向の順に点灯されていき、終点から前記第2の方向の順に消灯されていく放射状に配置された複数本のバーで前記出力音量を表すオブジェクトを表示する
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項3】
前記音量表示手段は、前記複数本のバーの要部分の角度で前記出力音量を表すオブジェクトを表示することを特徴とする請求項2記載の再生装置。
【請求項4】
前記音量表示手段は、前記角度に加えて、さらに前記バーの径の長さで前記出力音量を表すオブジェクトを表示することを特徴とする請求項3記載の再生装置。
【請求項5】
前記音量調節手段は、前記描画された円または円弧の中心角に応じて前記出力音量を調節することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項6】
前記音量表示手段は、前記描画された円または円弧の中心角分とほぼ同じ角度分だけ前記オブジェクトの形状を変化させることを特徴とする請求項2、3または4記載の再生装置。
【請求項7】
前記音量表示手段は、前記摺動動作を誘導するためのガイド表示上に前記出力音量を示す情報が重畳されるように前記オブジェクトを表示することを特徴とする請求項2、3、4、5または6記載の表示装置。
【請求項8】
音声記録手段と、
前記音声記録手段に記録された音声を再生する音声再生手段と
を備えたことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7記載の再生装置。
【請求項9】
前記音声再生手段により再生中の音声に関連する画像を前記表示手段に表示する関連画像表示手段を具備し、
前記音量表示手段は、前記関連画像表示手段により表示中の画像に重畳させて前記オブジェクトを表示することを特徴とする請求項8記載の再生装置。
【請求項10】
請求項8または9記載の再生装置と、
撮像手段と
を具備し、
前記再生装置の音量表示手段は、前記撮像手段により撮像された画像を前記表示手段に表示中に、前記オブジェクトを該画像に重畳させて表示することを特徴とするカメラ。
【請求項11】
撮像手段と、
音声出力手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段と、
前記表示手段上に設けられるタッチパネルと、
その軌跡が円または弧を描く前記タッチパネル上での摺動動作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出される前記摺動動作に基づき、前記音声出力手段の出力音量を調節する音量調節手段と、
表示中の撮像画像に重畳させて、前記音量調節手段により調節された出力音量を前記摺動動作に対応させるべく形状を変化させるオブジェクトで前記表示手段に表示する音量表示手段と
を具備することを特徴とするカメラ。
【請求項12】
音声出力手段と、表示手段と、前記表示手段上に設けられるタッチパネルとを具備する再生装置の音量制御方法であって、
その軌跡が円または弧を描く前記タッチパネル上での摺動動作を検出し
前記検出された前記摺動動作に基づき、前記音声出力手段の出力音量を調節し、
前記調節された出力音量を前記摺動動作に対応させるべくその形状を変化させるオブジェクトで前記表示手段に表示する
ことを特徴とする再生装置の音量制御方法。
【請求項13】
前記音量調節は、前記円または弧の描画方向が第1の方向であった場合、前記出力音量を大きくし、前記第1の方向と逆の第2の方向であった場合、前記出力音量を小さくするように調整を行うものであり、
前記音量表示は、始点から前記第1の方向の順に点灯されていき、終点から前記第2の方向の順に消灯されていく放射状に配置された複数本のバーで前記出力音量を表すオブジェクトを表示するものである
ことを特徴とする請求項12記載の再生装置の音量制御方法。
【請求項14】
前記音量表示は、前記複数本のバーの要部分の角度で前記出力音量を表すオブジェクトを表示するものであることを特徴とする請求項13記載の再生装置の音量制御方法。
【請求項15】
前記音量表示は、前記角度に加えて、さらに前記バーの径の長さで前記出力音量を表すオブジェクトを表示するものであることを特徴とする請求項14記載の再生装置の音量制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−42170(P2006−42170A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221966(P2004−221966)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】