説明

再送信システム

【課題】 少ない占有周波数で、複数箇所の電源異常を報知する。
【解決手段】 ヘッドアンプ2では、受信した共同受信信号を増幅して光信号に変換して光ファイバー18dに供給する。再送信装置20は、光ファイバー18dを伝送された光信号を共同受信信号に変換して増幅し、再送信アンテナ42から無線送信する。ヘッドアンプ用電源部44に異常があるとき、ヘッドアンプ側警報信号をヘッドアンプ側FM警報装置48が光ファイバー18dに供給する。再送信装置用電源部46に異常があるとき再送信側FM警報装置70が再送信側警報信号を出力する。送信用アンテナ68は、ヘッドアンプ側警報信号と再送信側警報信号の合成されたものを送信する。ヘッドアンプ側及び再送信側警報信号は、同一周波数であり、時分割で送信用アンテナ68から送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビジョン放送信号を再送信する再送信システムに関し、特に、再送信システムが備える電源の異常を報知できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、再送信システムとしては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の技術では、放送電波を受信アンテナで受信して、放送信号を発生させる。この放送信号をヘッドエンドで増幅する。ヘッドエンドの出力信号は、中継増幅器を介在させた伝送線路で伝送される。伝送線路中には分岐器が設けられ、この分岐器によって分岐されたヘッドエンドの出力信号は、送信装置に供給され、送信装置が備える送信アンテナによって再送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−193586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような再送信システムにおいて、ヘッドエンドや送信装置を動作させるためにこれらには電源部が設けられている。これら電源部に異常が生じた場合、正常に再送信することができなくなるので、電源部の監視が必要である。電源部の監視としては、例えば大規模な再送信システムでは、送信装置にステータスモニタを設け、ステータスモニタでの監視結果をヘッドエンド側に伝送路を介して伝送し、ヘッドエンド側に駐在する監視員に報知することが考えられる。しかし、小規模な再送信システムであって、ヘッドエンド側に常駐監視員がいない場合には、この手法は使用できない。
【0005】
例えば、ヘッドエンド内に設けられたヘッドアンプの電源部及び送信装置の電源部に、それぞれ異常検出用のセンサを設け、そのセンサが異常を検出したとき、異常送信装置によって異常検出したことを表す信号を例えばFMラジオの周波数帯で送信すれば、FMラジオ放送を聴取している人によってヘッドアンプや送信装置の電源部に異常が生じていることを認識してもらうことができる。
【0006】
しかし、この手法では、ヘッドアンプの電源部の異常報知用と、送信装置の異常報知用とに、別々の周波数を使用しているので、FM放送帯の占有周波数が多くなる上に、異常報知がなされているか知りたい監視者は、2つの異なる周波数で聴取しなければならず、その負担が大きい。
【0007】
本発明は、少ない占有周波数で、複数箇所の電源異常を報知することができる再送信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の再送信システムでは、受信した共同受信信号、例えばテレビジョン放送信号や自主放送信号を処理手段が処理して、伝送路に供給する。処理手段の処理としては、増幅や、前記伝送路で伝送可能な周波数への変換や、伝送路が光伝送路の場合における光変換等がある。前記伝送路を伝送された処理済みの共同受信信号を再送信手段が再度処理して、再送信アンテナから無線送信する。なお、処理手段と再送信手段とは、離れた位置に配置されているものとすることができる。再送信手段での再処理としては、例えば増幅や、伝送路を伝送された処理済みの共同受信信号の元の周波数への再変換、伝送路が光伝送路の場合の電気信号への変換などがある。処理手段の電源手段に異常があるとき、前記伝送路に第1の警報信号を第1の警報手段が供給する。前記再送信手段の電源手段に異常があるとき第2の警報信号を第2の警報手段が出力する。前記第1及び第2の警報信号を合成して送信用アンテナが送信する。前記第1及び第2の警報信号は、同一周波数であり、例えば市販されている受信手段で受信可能な周波数であり、時分割で前記送信用アンテナから送信される。なお、前記第1及び第2の警報信号は、同一周波数の搬送波を、変調したものとすることができる。
【0009】
このように構成された再送信システムでは、第1及び第2の警報信号は同一周波数であって、両者は時分割で送信されているので、周波数の有効利用を図った上で、同時に異常が発生した場合でも、両方の異常を報知することができる。
【0010】
前記第1及び第2の警報信号のうち一方を、所定の間隔をあけて繰り返し、前記送信用アンテナから送信することができる。この場合、前記第1及び第2の警報信号の他方は、各前記所定の間隔で一方が送信されていない間隔に、前記送信用アンテナから送信される。このように構成しているので、離れた位置に設置されている前記第1及び第2の警報手段からの前記第1及び第2の警報信号の同期を特別に取ることなく、時分割送信することができ、時分割するための構成を簡略化することができる。
【0011】
更に、前記一方の警報信号を前記第1の警報信号とすることもできる。この場合、前記所定の間隔をあけて、前記伝送路に前記第1の警報手段から前記第1の警報信号が供給される。前記他方の警報信号を前記第2の警報信号とし、各前記所定の期間中に、前記第2の警報手段から前記第2の警報信号を前記送信用アンテナに供給する。このように構成しているので、受信した共同受信信号を処理する処理手段に対する電源手段に異常があることをいち早く知ることができる。
【0012】
さらに、前記伝送路を前記第1の警報信号が伝送されているか否かを制御手段が検出するようにすることもできる。この場合、前記制御手段は、前記第1の警報信号を非検出のとき、前記第2の警報手段に前記第2の警報信号を前記送信用アンテナに供給する。このように伝送路を前記第1の警報信号が伝送されていないときに、前記第2の警報信号を送信用アンテナに供給するように構成して時分割送信しているので、一方から他方に同期信号を送信するようなことをせずに、離れた位置にある前記第1及び第2の警報手段の同期を簡単にとることができる。
【0013】
更に、第1の警報手段は、前記所定の間隔中、非作動とすることができる。この場合、前記第2の警報手段は、前記制御手段が前記第1の警報信号を検出しているとき、非作動とする。このように構成することによって、不要なキャリア信号の発生を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、1つの周波数によって処理手段の電源手段と再送信手段の電源手段との異常を時分割で送信することができるので、占有周波数を少なくすることができる上に、警報信号を受信する側も、1つの周波数のみを受信すればよいので、受信に伴う負担を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の1実施形態の再送信システムのブロック図である。
【図2】図1の再送信システムで使用しているヘッドアンプ側FM警報装置のブロック図である。
【図3】図1の再送信システムで使用している再送信側FM警報装置のブロック図である。
【図4】図2及び図3のヘッドアンプ側FM警報装置及び再送信側FM警報装置の動作タイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の1実施形態の再送信システムは、共同受信システムを使用した再送信システムである。この再送信システムは、図1に示すように、処理手段、例えばヘッドアンプ2を有し、ヘッドアンプ2は受信アンテナ4を備えている。この受信アンテナ4は、共同受信信号、例えば送信所から送信された複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号を受信する。複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号のうち、特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号を除いた複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号は、ヘッドアンプ2中の増幅器6によって増幅され、電気−光変換器8によって複数チャンネルの光テレビジョン放送信号に変換される。また、特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号は、増幅器10によって増幅され、電気−光変換器12によって特定の1チャンネルの光テレビジョン放送信号に変換される。
【0017】
これら電気−光変換器8、12からの複数チャンネルの光テレビジョン放送信号と、特定の1チャンネルの光テレビジョン放送信号とは、使用する光信号の波長が異なるものである。これらは、光合成器14によって合成光信号に合成され、光分配器16によって、複数に分配され、例えば4分配され、それぞれ伝送路、例えば光ファイバー18a、18b、18c、18dを介して伝送される。この合成光信号は、光ファイバー18a乃至18d中のそれぞれ異なる位置に介在している複数の光端末装置(図示せず)において、元の複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号と特定の1波の地上デジタルテレビジョン放送信号にそれぞれ変換され、各家庭のテレビジョン受信機に供給される。
【0018】
例えば光ファイバー18d中には、再送信手段、例えば再送信装置20が介在している。再送信装置20は、ヘッドアンプ2とは離れた場所に位置している。再送信装置20では、光分岐手段、例えばカプラー22によって合成光信号が分岐され、複数チャンネル処理部24に供給される。複数チャンネル処理部24では、光−電気変換器28によって元の複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号に変換され、増幅器30によって増幅される。
【0019】
同様にカプラー22によって分岐された合成光信号が1チャンネル処理部32に供給され、光−電気変換器36によって元の特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号に変換され、増幅器38によって増幅される。
【0020】
増幅器30から出力された複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号と増幅器38から出力された特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号とは、合成手段、例えば合成器40によって合成された後、再送信アンテナ42から再送信される。
【0021】
ヘッドアンプ2の増幅器6、10、電気−光変換器8、12を動作させるために、電源手段、例えばヘッドアンプ用電源部44がヘッドアンプ2に設けられている。このヘッドアンプ用電源部44は、外部から供給された商用交流電力を直流電源に変換する交流−直流変換部と、無停電電源部とを備えている。この無停電電源部は、停電が生じたときでも、増幅器10と電気−光変換器12とを動作させるように構成されている。従って、特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号に基づく特定の1チャンネルの光テレビジョン放送信号は、停電が生じていても、光ファイバー18a乃至18dに伝送される。
【0022】
同様に、再送信装置20にも、光−電気変換器28、36、増幅器30、38を動作させるための電源手段、例えば再送信装置用電源部46が設けられている。再送信装置用電源部46も、交流−直流変換部と無停電電源部とを有している。無停電電源部は、停電が生じたときでも、光−電気変換器36と増幅器38とを動作させる。従って、停電が生じても、特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信が行われる。
【0023】
ヘッドアンプ用電源部44には、図示していないが、異常検出手段が設けられている。異常検出手段は、例えば、無停電電源部が備える内蔵バッテリーに異常が発生しているか否かを検出したり、無停電電源部が備える外付けバッテリーに異常が発生しているか否かを検出したり、これら内蔵バッテリー及び外付けバッテリーに充電するための充電回路に異常が発生しているか否かを検出したり、ヘッドアンプ2の設置場所において停電が発生しているか否かを検出したり、交流−直流変換部に異常が発生しているか否かを検出したりする。この異常検出手段は、上述したいずれかの異常を検出すると、その異常の内容を表す異常検出信号を、ヘッドアンプ2内に設置された第1の警報手段、例えばヘッドアンプ側FM警報装置48に供給する。
【0024】
図2に示すように、ヘッドアンプ側FM警報装置48は、制御手段、例えばCPU50を有し、これに異常検出信号が供給される。CPU50には、音声信号発生手段、例えば音声ROM52が接続されている。音声ROM52には、上述した各異常を表す音声信号がそれぞれ記憶されている。CPU50は、異常検出信号が供給されたとき、供給された異常検出信号に対応する音声信号を音声ROM52から読み出して、送信手段、例えばFM変調IC54に供給する。FM変調IC54は、CPU50に接続されている周波数設定手段、例えば周波数選択スイッチ56によって設定された周波数、例えばFM受信機で受信可能な周波数であって未使用の周波数の搬送波を発生し、この搬送波を音声ROM52から読み出された音声信号で変調、例えばFM変調し、第1の警報信号、例えばヘッドアンプ側警報信号を生成する。
【0025】
このヘッドアンプ側警報信号は、図1に示すように、ヘッドアンプ2内の増幅器10と電気−光変換器12との間に介在する合成器58を介して電気−光変換器12に供給され、特定の1チャンネルの光テレビジョン放送信号と共に光ヘッドアンプ側警報信号に変換される。特定の1チャンネルの光テレビジョン放送信号と光ヘッドアンプ側警報信号とは、光合成器14によって電気−光変換器8からの複数チャンネルの光テレビジョン放送信号と合成され、光分配器16によって、4分配され、各光ファイバー18a乃至18dを介して伝送される。
【0026】
ヘッドアンプ側FM警報装置48のCPU50は、異常検出信号が供給されたときから、FM変調IC54を作動させ、図4(a)に示すように、所定の時間間隔Tをあけて繰り返し動作させる。但し、1回の動作期間中に、音声信号による変調は終了しており、場合によっては1回の動作期間中に音声信号による変調を複数回行うこともある。所定の時間間隔Tの間には、FM変調IC54は搬送波のみの出力も行わない。
【0027】
図1に示すように、光ファイバー18dを伝送された光ヘッドアンプ側警報信号は、カプラー22を介して1チャンネル処理部32に供給され、光−電気変換器36によって元のヘッドアンプ側警報信号に変換され、分波器63、1分岐器64、合成器66を介して送信用アンテナ68から送信される。
【0028】
再送信装置用電源部46も、ヘッドアンプ用電源部44と同様な異常検出手段を備え、ヘッドアンプ用電源部44に関連して説明したような異常のいずれかを検出すると、第2警報手段、例えば再送信側FM警報装置70に異常検出信号を供給する。図3に示すように、再送信側FM警報装置70は、ヘッドアンプ側FM警報装置48と同様に、CPU50a、音声ROM52a、FM変調IC54a、周波数選択スイッチ56aを有している。そして、異常信号がCPU50aに供給されたとき、その異常信号に対応する音声信号が音声ROM52aから読み出されて、FM変調IC54aに供給される。FM変調IC54aは、供給された音声信号で、周波数選択スイッチ56aによって選択された周波数の搬送波をFM変調して第2警報信号、例えば再送信装置側警報信号を生成する。この搬送波の周波数は、ヘッドアンプ側FM警報装置48の搬送波と同一の周波数である。この再送信装置側警報信号は、図1に示すように合成器66を介して送信用アンテナ68に供給され、この送信用アンテナ68から送信される。
【0029】
但し、上述したようにヘッドアンプ側FM警報装置48と再送信側FM警報装置70では、同一周波数の搬送波を使用しているので、ヘッドアンプ側警報信号と再送信装置側警報信号とが同時に発生すると、送信用アンテナ68から送信された上記搬送波の周波数をFM受信機で受信しても受信不能となる。そこで、この問題を改善するために、再送信側FM警報装置70に対して制御手段、例えば制御回路72が設けられている。
【0030】
図3に示すように、制御回路72は、1分岐器64の分岐出力が供給される抽出手段、例えばバンドパスフィルタ74を有している。このバンドパスフィルタ74は、ヘッドアンプ側FM警報装置48からのヘッドアンプ側警報信号を抽出するように通過帯域が定められている。このバンドパスフィルタ74の出力が、第1警報信号検出手段、例えばレベル検出回路76に供給されている。従って、ヘッドアンプ側警報信号がヘッドアンプ側FM警報装置48から出力されている場合には、レベル検出回路76には大きなレベルのレベル検出信号が生じ、出力されていない場合には、レベル検出回路76はノイズ等に基づくわずかなレベルのレベル検出信号しか生じない。このレベル検出回路76のレベル検出信号が比較手段、例えば比較器78において基準信号源80からの基準信号と比較される。基準信号は、ヘッドアンプ側警報信号が出力されているときのレベル検出回路76のレベル検出信号よりも小さな値に設定されている。比較器78は、レベル検出信号が基準信号よりも大きいときには、ヘッドアンプ側警報信号の検出信号を出力し、レベル検出信号が基準信号よりも小さいときには、ヘッドアンプ側警報信号の非検出信号を出力する。その結果、ヘッドアンプ側警報信号がヘッドアンプ側FM警報装置48から出力されていないとき、比較器78はヘッドアンプ側警報信号の非検出信号をCPU50aに供給する。
【0031】
CPU50aは、この非検出信号が供給されているときであって、かつ異常検出信号が供給されているときに、FM変調IC54aを動作させる。その結果、図4(b)に示すように、ヘッドアンプ側警報信号が出力されていない間隔Tごとに、FM変調IC54aは、再送信装置側警報信号を出力する。即ち、ヘッドアンプ側警報信号が発生しているときには、ヘッドアンプ側警報信号と再送信装置側警報信号とは、時分割で出力されている。なお、再送信装置側警報信号では、上記間隔Tの間に、音声信号による変調は終了しており、場合によっては間隔T中に音声信号による変調を複数回行うこともある。
【0032】
また、ヘッドアンプ用電源部44において異常が検出されずに、ヘッドアンプ側警報信号が発生していないときであって、再送信装置用電源部46によって異常が検出された場合には、連続的に再送信側FM警報装置70から再送信装置側警報信号が出力される。或いは、ヘッドアンプ用電源部44において異常が検出されているが、再送信装置用電源部46によって異常が検出されていない場合には、ヘッドアンプ側警報信号のみが、間隔Tをおいて繰り返し出力される。
【0033】
従って、FM受信機によって上記搬送波の周波数さえ受信していれば、ヘッドアンプ用電源部44及び再送信装置用電源部46の双方に異常がある場合には、ヘッドアンプ用電源部44にどのような異常が生じているかを表す音声信号と、再送信装置用電源部46にどのような異常が生じているかを表す音声信号とが、交互に出力されるので、両電源部44、46に異常があることを知ることができる。また、ヘッドアンプ用電源部44のみに異常がある場合には、ヘッドアンプ用電源部44にどのような異常が生じているかを表す音声信号が時間間隔Tをおいて繰り返し出力されるので、ヘッドアンプ用電源部44に異常があることを知ることができる。また、再送信装置用電源部46のみに異常が生じている場合には、再送信装置用電源部46にどのような異常が生じているかを表す音声信号が連続的に出力されるので、再送信装置用電源部46に異常が生じていることを知ることができる。このように1つの周波数のみを受信すればよいので、いちいち異なる周波数を繰り返し、受信する必要が無く、監視者の負担が少ないし、異なる周波数をそれぞれ受信するように2台の受信機を準備する必要も無い。
【0034】
上記の実施形態では、共同受信システムを利用したが、共同受信システムを使用せずに、例えば光合成器14から直接に光ファイバー18dに光合成信号を供給するように構成することもできる。また、上記の実施形態では、光ファイバーを利用したが、例えば増幅器6、10及びヘッドアンプ側FM警報装置48の出力を合成器で合成し、同軸ケーブルのような高周波伝送線路に供給するように構成することもできる。この場合、再送信装置20では、光−電気変換器28、36は不要である。また、高周波伝送線路によって伝送する場合、その高周波伝送路の最高伝送周波数によっては、増幅器6、10の出力信号を高周波伝送路で伝送可能な周波数に周波数変換する周波数変換器を増幅器6、10の出力側に設けることもある。この場合、再送信装置20でも、増幅器30、38の入力側に、周波数変換器で周波数変換された増幅器6、10の出力を元の周波数に周波数変換するように周波数変換器を設ける。また、上記の実施形態では、複数チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号と、特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号とを別個に再送信し、停電しても、特定の1チャンネルの地上デジタルテレビジョン放送信号の再送信は継続できるように構成したが、これに限ったものではなく、全ての地上デジタルテレビジョン放送信号を纏めて再送信するように構成することもできる。また、受信アンテナ4によって地上デジタルテレビジョン放送信号を受信して、増幅器6、10に供給したが、他の共同受信システムから同軸ケーブルのような伝送線路を介して地上デジタルテレビジョン放送信号を伝送し、増幅器8、10に供給することもできる。また、地上デジタルテレビジョン放送信号に限らず、これに代えて、或いはこれに加えて地上アナログテレビジョン放送信号や衛星放送信号や衛星通信信号や自主放送信号を再送信することもできる。
【0035】
上記の実施形態では、ヘッドアンプ側警報信号を再送信装置20側に伝送して、送信用アンテナ68から送信するように構成したが、光ファイバー18dを介して双方向送受信可能に構成し、ヘッドアンプ側FM警報装置48側に送信用アンテナ68と合成器66と制御回路72とを設け、ヘッドアンプ側FM警報装置48は、再送信側FM警報装置70から再送信装置側警報信号が検出されていないときに、ヘッドアンプ側警報信号を合成器66に供給するように構成することもできる。この場合、再送信側FM警報装置70は、図4(a)に示すように時間間隔Tをおいて繰り返し、再送信側警報信号を出力するように構成する。
【0036】
上記の実施形態では、制御回路72は、レベル検出回路76によってヘッドアンプ側警報信号のレベルを検出したが、これに限ったものではなく、例えばヘッドアンプ側警報信号の搬送波を検出することもできるし、ヘッドアンプ側警報信号を復調し、その復調信号のレベルを検出することもできる。また、上記の実施形態ではヘッドアンプ側警報信号及び再送信側警報信号はFM変調されたものを使用したが、これに限ったものではなく、例えばAM変調することもできる。但し、この場合、AM変調された信号が受信可能な周波数帯の周波数を搬送波の周波数とする必要がある。
【符号の説明】
【0037】
2 ヘッドアンプ
6 10 増幅器(処理手段)
8 12 電気−光変換器(処理手段)
20 再送信装置
28 36 光−電気変換器(再送信手段)
30 38 増幅器(再送信手段)
48 ヘッドアンプ側FM警報装置(第1の警報手段)
70 再送信側FM警報装置(第2の警報手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した共同受信信号を処理して、伝送路に供給する処理手段と、前記伝送路を伝送された処理済みの共同受信信号を再度処理して、再送信アンテナから無線送信する再送信手段とを、備える再送信システムにおいて、
前記処理手段の電源手段に異常があるとき、前記伝送路に第1の警報信号を供給する第1の警報手段と、
前記再送信手段の電源手段に異常があるとき第2の警報信号を出力する第2の警報手段と、
前記第1及び第2の警報信号を合成して送信する送信用アンテナとを、
具備し、前記第1及び第2の警報信号は、同一周波数であり、時分割で前記送信用アンテナから送信されることを特徴とする再送信システム。
【請求項2】
請求項1記載の再送信システムにおいて、前記第1及び第2の警報信号のうち一方は、所定の間隔をあけて繰り返し、前記送信用アンテナから送信され、前記第1及び第2の警報信号のうち他方は、各前記所定の間隔で一方が送信されていない間隔中に、前記送信用アンテナから送信される再送信システム。
【請求項3】
請求項2記載の再送信システムにおいて、前記一方の警報信号が前記第1の警報信号であり、前記所定の間隔をあけて、前記伝送路に前記第1の警報手段から供給され、前記他方の警報信号が前記第2の警報信号であり、各前記所定の間隔中に、前記第2の警報手段から前記送信用送信アンテナに供給される再送信システム。
【請求項4】
請求項3記載の再送信システムにおいて、前記伝送路を前記第1の警報信号が伝送されているか否かを制御手段が検出し、前記制御手段は、前記第1の警報信号を非検出のとき、前記第2の警報手段に前記第2の警報信号を前記送信用アンテナに供給する再送信ステム。
【請求項5】
請求項4記載の再送信システムにおいて、前記第1の警報手段は、前記所定の間隔中、非作動であり、前記第2の警報手段は、前記制御手段が前記第1の警報信号を検出しているとき、非作動である再送信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−114437(P2011−114437A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267155(P2009−267155)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】