説明

写真登録システム

【課題】インターネット上のフォトサーバ等への写真の登録に際して検索用のタグを自動的に付与することのできる写真登録システムを提供する。
【解決手段】ユーザの操作する携帯端末からユーザID、写真画像、位置情報、日時情報を含む写真情報を受信する写真情報受信手段と、上記写真情報に含まれるユーザIDおよび日時情報に基づいてカレンダDBから該当するカレンダ情報を参照するカレンダ情報参照手段と、上記写真情報に含まれる位置情報に基づいて位置DBから該当する位置情報を参照する位置情報参照手段と、カレンダDBから取得したカレンダ情報に含まれる予定および位置DBから取得した位置情報に含まれる場所を写真画像にタグとして付与する写真タグ付与手段と、写真画像をタグとともにフォトDBに登録する写真情報登録手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上のフォトサーバ等への写真の登録に際して検索用のタグ(キーワード)を自動的に付与することのできる写真登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上のポータルサイト(インターネットの入り口となる巨大なWebサイトであり、検索エンジンやリンク集を核として、ニュースや株価等の情報提供サービス、ブラウザから利用できるWebメールサービス、電子掲示板、チャット等、ユーザがインターネットで必要とする機能を無料で提供するサイト)では、フォトサービスと呼ばれる、デジタルカメラで撮影した写真画像をフォトサーバに登録し、友人等に公開することのできるサービスが提供されている。これらのサービスは、デスクトップ型のPC(Personal Computer)からのみではなく、デジタルカメラ機能を備えインターネットアクセスが可能な携帯電話等の携帯端末からも利用されることが多くなっている。
【0003】
また、この種のサービスでは、掲載された多数の写真画像の中から所望のものを効率的に探し出しやすくするため、各写真画像にはタグを複数設定できるようになっており、キーワードを指定して検索を行うことで所望の写真画像を閲覧することができる。
【0004】
一方、特許文献1には、デジタルカメラ部で撮影した画像、位置情報等を携帯端末から送信してデータベースに登録し、所定の条件のもとで他のユーザが閲覧できるようにした技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−41526号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のインターネット上のフォトサービスでは登録した写真画像の検索を容易にするために複数のタグを設定できるものであったが、写真画像の登録時や登録後にタグを編集(追加、削除等)するのは煩雑であり、その結果、適切なタグが設定されずに検索に支障を与えるという問題があった。
【0006】
一方、特許文献1に示される技術は撮影した画像に位置情報等を付加するものの、検索用のタグとして付与するものではなく、単に後に同じ場所を訪れた者に対して同じ場所に関連付けられたメッセージを提供するために用いられており、上記の問題点を解決できるものではない。
【0007】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、インターネット上のフォトサーバ等への写真の登録に際して検索用のタグを自動的に付与することのできる写真登録システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、ユーザの操作する携帯端末からユーザID、写真画像、位置情報、日時情報を含む写真情報を受信する写真情報受信手段と、上記写真情報に含まれるユーザIDおよび日時情報に基づいてカレンダDBから該当するカレンダ情報を参照するカレンダ情報参照手段と、上記写真情報に含まれる位置情報に基づいて位置DBから該当する位置情報を参照する位置情報参照手段と、カレンダDBから取得したカレンダ情報に含まれる予定および位置DBから取得した位置情報に含まれる場所を写真画像にタグとして付与する写真タグ付与手段と、写真画像をタグとともにフォトDBに登録する写真情報登録手段とを備える写真登録システムを要旨としている。
【0009】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載の写真登録システムにおいて、上記携帯端末から送信される写真情報に含まれる位置情報は、上記携帯端末がGPS衛星から受信したGPS信号を伴う位置データ要求を位置データ取得サーバに行って取得するようにすることができる。
【0010】
また、請求項3に記載されるように、請求項1に記載の写真登録システムにおいて、上記カレンダDBから取得したカレンダ情報に日時の誤りがある場合およびカレンダー予定の日時とユーザの行動日時が異なった場合に、所定範囲内のカレンダ情報から対応する可能性の高いカレンダ情報を取得する補正手段を備えるようにすることができる。
【0011】
また、請求項4に記載されるように、請求項3に記載の写真登録システムにおいて、上記補正手段は、上記携帯端末から送信される写真情報および日時情報に基づいて処理を行うようにすることができる。
【0012】
また、請求項5に記載されるように、ユーザの操作する携帯端末からユーザID、写真画像、位置情報、日時情報を含む写真情報を受信する工程と、上記写真情報に含まれるユーザIDおよび日時情報に基づいてカレンダDBから該当するカレンダ情報を参照する工程と、上記写真情報に含まれる位置情報に基づいて位置DBから該当する位置情報を参照する工程と、カレンダDBから取得したカレンダ情報に含まれる予定および位置DBから取得した位置情報に含まれる場所を写真画像にタグとして付与する工程と、写真画像をタグとともにフォトDBに登録する工程とを備える写真登録管理方法として構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の写真登録システムにあっては、インターネット上のフォトサーバ等への写真の登録に際し、広く利用されているカレンダ機能と連動させることにより検索用のタグを自動的に付与することができ、適切な検索に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態にかかる写真登録システムの構成例を示す図である。
【0016】
図1において、写真登録システムは、インターネット等のネットワーク4に接続され、個人もしくはグループの予定を登録して管理するカレンダサーバ1と、位置情報(緯度経度)と場所の対応関係を管理する位置サーバ2と、ネットワーク4に接続され、写真画像を登録して管理するフォトサーバ3とを備えている。フォトサーバ3は処理に際してカレンダサーバ1および位置サーバ2を参照する。
【0017】
また、ネットワーク4は携帯電話事業者等のネットワーク5と接続され、ネットワーク5には、ユーザUの所持する携帯端末(携帯電話)9との間で無線通信を行う基地局6と、ユーザUの携帯端末9で受信したGPS(Global Positioning System)衛星8の信号に基づいて携帯端末9の位置情報を提供する位置データ取得サーバ7とが接続されている。
【0018】
カレンダサーバ1にはカレンダ情報を保持するカレンダDB11が設けられ、位置サーバ2には位置情報を保持する位置DB21が設けられている。
【0019】
フォトサーバ3は、写真画像および関連情報を保持するフォトDB31と、主にコンピュータプログラムによって実現され、フォトDB31への写真の登録処理を行う写真登録部32とを備えている。写真登録部32は、携帯端末9から写真情報を受信する写真情報受信部321と、カレンダサーバ1からカレンダ情報を参照するカレンダ情報参照部322と、位置サーバ2から位置情報を参照する位置情報参照部323と、カレンダ情報の登録誤り等を補正する補正処理部324と、登録する写真にタグを付与する写真タグ付与部325と、写真情報をフォトDB31に登録する写真情報登録部326とを備えている。
【0020】
図2はカレンダDB11の例を示す図であり、ユーザを識別する「ユーザID」フィールドと、予定の対象日時を示す「日時」フィールドと、予定内容を示す「予定」フィールドとを含んでいる。
【0021】
図3は位置DB21の例を示す図であり、場所の名称を示す「場所」フィールドと、場所の位置(緯度経度)を示す「位置」フィールドとを含んでいる。
【0022】
図4はフォトDB31の例を示す図であり、ユーザを識別する「ユーザID」フィールドと、写真画像の収録されるアルバムを示す「アルバム」フィールドと、写真画像のファイル名を示す「ファイル」フィールドと、キーワード検索の対象となる「タグ」フィールドとを含んでいる。
【0023】
図5は携帯端末9の構成例を示す図であり、GPS衛星8(図1)からの信号を受信するGPS受信部91と、基地局6(図1)との間で音声および非音声のデータ送受信を行うセルラー送受信部92と、音声および非音声のデータ処理を行うデータ処理部93と、データ処理の過程で使用されるデータを保持する記憶部94と、デジタルカメラ機能を提供するカメラ部95と、現在日時情報を出力する時計部96と、取得したデータ内容および機器状態を表示する液晶パネル等よりなる表示部97と、テンキー等よりなる操作部98と、マイク、スピーカを含む通話部99とを備えている。
【0024】
図6は図1に示した実施形態の処理例を示すフローチャートである。なお、予めユーザUの予定がカレンダサーバ1に登録されているものとする。
【0025】
図6において、ユーザUが携帯端末9のデジタルカメラ機能(図5のカメラ部95)により写真撮影を行うと(ステップS101)、携帯端末9はGPS衛星8からのGPS信号を受信し(ステップS102)、このGPS信号を伴う位置データ要求を基地局6、ネットワーク5を介して位置データ取得サーバ7に行い(ステップS103)、位置データ取得サーバ7から現在の位置情報(緯度経度)を受信する(ステップS104)。なお、位置データ取得サーバ7に要求して位置情報を取得しているのは、GPS衛星8のGPS信号から位置情報の算出および補正等を行う処理負荷が高く、携帯端末9側で単独で行うのが困難なためである。ただし、携帯端末9の高機能化によりGPS衛星8のGPS信号から独立して位置情報を取得できる場合には、位置データ取得サーバ7を介在させる必要はない。
【0026】
次いで、携帯端末9は、ユーザID、写真画像、位置情報、日時情報等を含む写真情報をフォトサーバ3に対して送信する(ステップS105)。なお、写真撮影毎に写真情報の送信を行わず、後にまとめて送信することもできる。
【0027】
フォトサーバ3では写真登録部32の写真情報受信部321が携帯端末9からの写真情報を受信すると(ステップS106)、カレンダ情報参照部322は写真情報に含まれるユーザIDおよび日時情報に基づいてカレンダサーバ1のカレンダDB11から該当するカレンダ情報を参照する(ステップS107)。例えば、図2のカレンダDB11において、ユーザIDが「AAA」で現在日時が「2006/5/5」である場合は、予定「登山」のカレンダ情報が参照される。
【0028】
図6に戻り、写真登録部32の位置情報参照部323は写真情報に含まれる位置情報に基づいて位置サーバ2の位置DB21から該当する位置情報を参照する(ステップS108)。例えば、図3の位置DB21において、位置情報が「135、50」である場合は、場所「富士山」が参照される。
【0029】
図6に戻り、写真登録部32の補正処理部324はカレンダ情報に登録誤りがある場合に補正処理(詳細は後述)を行う(ステップS109)。
【0030】
次いで、写真登録部32の写真タグ付与部325は、カレンダサーバ1から取得した予定および位置サーバ2から取得した場所をタグとして付与する(ステップS110)。上述した例では、「登山」「富士山」をタグとして付与する。
【0031】
そして、写真登録部32の写真情報登録部326はフォトDB31に写真画像をタグとともに登録する(ステップS111)。図7は登録される写真画像およびタグの例を示す図であり、富士山の写真画像とともに、タグとして「富士山」「登山」が登録された状態を示している。
【0032】
図8は写真登録部32の補正処理部324による補正処理(図6のステップS109)の例を示すフローチャートである。
【0033】
図8において、写真登録部32の補正処理部324は、カレンダサーバ1のカレンダDB11から取得した撮影日時の予定と位置サーバ2の位置DB21から取得した場所との類似度をシソーラスDB(図示せず)等を用いて算出する(ステップS201)。例えば、図2のカレンダDB11において撮影日時が「2006/5/6」である場合は予定「伊豆温泉」が取得され、図3の位置DB21において位置情報が「135、50」である場合は場所「富士山」が参照され、両者の類似度はあまり高くない値(例えば、30%)となる。
【0034】
図8に戻り、写真登録部32の補正処理部324は算出した類似度が所定の閾値(例えば、70%)以上であるか否か判断し(ステップS202)、閾値以上である場合(ステップS202のYes)は何もせずに処理を終了する。
【0035】
閾値以上でない場合(ステップS202のNo)は、所定の範囲内(例えば、予定日時の前後数日)の予定との類似度を算出する(ステップS203)。上述した例の予定「伊豆温泉」と場所「富士山」の類似度は閾値以下となるため、図2におけるその前後の予定「登山」「歓迎会」と場所「富士山」との類似度を算出し、予定「登山」と場所「富士山」の類似度は高く(例えば、100%)、予定「歓迎会」と場所「富士山」の類似度は低く(例えば、10%)なる。
【0036】
図8に戻り、写真登録部32の補正処理部324は類似度が所定の閾値以上のものがあるか否か判断し(ステップS204)、ない場合(ステップS204のNo)は何もせずに処理を終了する。類似度が所定の閾値以上のものがある場合(ステップS204のYes)は該当する予定をタグに決定する(ステップS205)。上述した例では、場所「富士山」とともに、この場所「富士山」との類似度の高い予定「登山」がタグに選ばれ、カレンダDB11に登録された日時との誤差(登録の誤り、予定変更等に起因)が補正される。なお、このようにして決定したタグにつきユーザUに確認を求めてから最終決定するようにしてもよい。
【0037】
このように、フォトサーバ3への写真の登録に際し、広く利用されているカレンダサーバ1のカレンダ機能と連動させることにより検索用のタグを自動的に付与することができ、適切な検索に寄与することができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態にかかる写真登録システムの構成例を示す図である。
【図2】カレンダDBの例を示す図である。
【図3】位置DBの例を示す図である。
【図4】フォトDBの例を示す図である。
【図5】携帯端末の構成例を示す図である。
【図6】実施形態の処理例を示すフローチャートである。
【図7】登録される写真画像およびタグの例を示す図である。
【図8】補正処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 カレンダサーバ
11 カレンダDB
2 位置サーバ
21 位置DB
3 フォトサーバ
31 フォトDB
32 写真登録部
321 写真情報受信部
322 カレンダ情報参照部
323 位置情報参照部
324 補正処理部
325 写真タグ付与部
326 写真情報登録部
4、5 ネットワーク
6 基地局
7 位置データ取得サーバ
8 GPS衛星
9 携帯端末
91 GPS受信部
92 セルラー送受信部
93 データ処理部
94 記憶部
95 カメラ部
96 時計部
97 表示部
98 操作部
99 通話部
U ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作する携帯端末からユーザID、写真画像、位置情報、日時情報を含む写真情報を受信する写真情報受信手段と、
上記写真情報に含まれるユーザIDおよび日時情報に基づいてカレンダDBから該当するカレンダ情報を参照するカレンダ情報参照手段と、
上記写真情報に含まれる位置情報に基づいて位置DBから該当する位置情報を参照する位置情報参照手段と、
カレンダDBから取得したカレンダ情報に含まれる予定および位置DBから取得した位置情報に含まれる場所を写真画像にタグとして付与する写真タグ付与手段と、
写真画像をタグとともにフォトDBに登録する写真情報登録手段とを備えたことを特徴とする写真登録システム。
【請求項2】
請求項1に記載の写真登録システムにおいて、
上記携帯端末から送信される写真情報に含まれる位置情報は、上記携帯端末がGPS衛星から受信したGPS信号を伴う位置データ要求を位置データ取得サーバに行って取得することを特徴とする写真登録システム。
【請求項3】
請求項1に記載の写真登録システムにおいて、
上記カレンダDBから取得したカレンダ情報に日時の誤りがある場合およびカレンダー予定の日時とユーザの行動日時が異なった場合に、所定範囲内のカレンダ情報から対応する可能性の高いカレンダ情報を取得する補正手段を備えたことを特徴とする写真登録システム。
【請求項4】
請求項3に記載の写真登録システムにおいて、
上記補正手段は、上記携帯端末から送信される写真情報および日時情報に基づいて処理を行うことを特徴とする写真登録システム。
【請求項5】
ユーザの操作する携帯端末からユーザID、写真画像、位置情報、日時情報を含む写真情報を受信する工程と、
上記写真情報に含まれるユーザIDおよび日時情報に基づいてカレンダDBから該当するカレンダ情報を参照する工程と、
上記写真情報に含まれる位置情報に基づいて位置DBから該当する位置情報を参照する工程と、
カレンダDBから取得したカレンダ情報に含まれる予定および位置DBから取得した位置情報に含まれる場所を写真画像にタグとして付与する工程と、
写真画像をタグとともにフォトDBに登録する工程とを備えたことを特徴とする写真登録管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−334712(P2007−334712A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166900(P2006−166900)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】