説明

冷凍品の製造方法及びその製造方法に用いられる容器

【課題】製品の歩留まりが高く且つ製品価値を高めることができ、更に内容重量に対する信頼性が高い冷凍品の製造方法及びその製造方法に用いる容器を提供する。
【解決手段】冷凍品の製造方法は、パン11内に蓋を開いた容器17を配置する容器配置工程と、容器17内に被収納物を収納して容器17に蓋をする充填工程と、パン11を容器17と共に冷凍庫で冷凍する冷凍工程と、冷凍庫から取り出したパン11の底を上に向けてパン11に加熱及び振動の少なくとも一方の外力を付与することにより容器11をパンから落下させる容器分離工程と、パンから落下した容器を上下反転させる反転工程とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚等の被収納物を容器に詰めて冷凍する冷凍品の製造方法及びその製造方法に用いられる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パンに魚等の被収納物を入れて冷凍した後、パンの底を上にしてコンベアで搬送し、パンの底に温水をかけて、パンから被収納物を落下させて分離することが開示されている。
【0003】
この特許文献1には詳細な記載がないが、従来、パンに直接魚を収納した後パンに水を満たして冷凍庫で冷凍し、パン内に水と共に魚を凍らせてブロックとし、このブロックをパンから離脱して出荷していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−255761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の冷凍品の製造方法では、パン内で直接水と共に魚を凍らせた氷ブロックとしているので、歩留まりが低く且つ魚の価値が低下していた。このため、この氷ブロックは養殖魚の餌が主な用途であった。
また、水と共に魚を凍らせたブロックとしているのでブロック内に収納されている魚の重量(内容重量)に対する信頼性が低いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、在来の製造装置を用いて冷凍品を製造する方法であって、製品の歩留まりが高く且つ製品価値を高めることができ、更に内容重量に対する信頼性が高い冷凍品の製造方法及びその製造方法に用いる容器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、パン内に蓋を開いた容器を配置する容器配置工程と、容器内に被収納物を収納して容器に蓋をする充填工程と、パンを容器と共に冷凍庫で冷凍する冷凍工程と、冷凍庫から取り出したパンの底を上に向けてパンに加熱及び振動の少なくとも一方の外力を付与することにより容器をパンから落下させる容器分離工程と、パンから落下した容器を上下反転させる反転工程とを備えることを特徴とする冷凍品の製造方法である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷凍品の製造方法に用いられる容器であって、板紙表面に樹脂製フィルム層を形成して耐水処理を施してあり、容器本体と容器本体に対して開閉自在な蓋体とから構成されていることを特徴とする容器である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、容器本体は直方体形状を成し、底面部と、底面部から起立した正面壁と背面壁と左壁と右壁とを備え、左壁と正面壁との間には正面側左コーナ部が設けてあり、正面側左コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を正面壁又は左壁に接着してあり、右壁と正面壁との間には正面側右コーナ部が設けてあり、正面側右コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を正面壁又は右壁に接着してあり、左壁と背面壁との間には左背面側コーナ部が設けてあり、左背面側コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を左壁に接着してあり、右壁と背面壁との間には右背面側コーナ部が設けてあり、右背面側コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を右壁に接着してあり、蓋体は天面部と蓋正面壁と蓋左壁と蓋右壁とを備え、蓋正面壁の左側には蓋左コーナ部が設けてあり、蓋正面壁の右側には蓋右コーナ部が設けてあり、蓋左コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を蓋左壁に接着してあり、右蓋コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を蓋右壁に接着してあることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、蓋体の天面部と正面壁との折り目には係止孔が形成してあり、蓋左壁と蓋右壁の各々のコーナ側端には係止孔に係止する係止部が形成してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明では、従来技術のようにパンに被収納物を直接収納することなく、パン内に容器を配置して、被収納物を容器に収納して冷凍させ、容器ごとパンから分離しているので、被収納物の商品価値を高めることができると共に被収納物の包装工程を別に設けることなくそのまま出荷できる。
【0012】
また、従来技術と異なり凍りブロックの中に被収納物を凍らせていないので、被収納物の歩留まりが高く且つ内容重量に対する信頼性も高い。
【0013】
容器はパンの中に配置しているので、冷凍庫内ではパンを積み重ねて冷凍でき、冷凍庫内における積み重ねができる。また、パン内に容器を配置して冷凍することにより、容器の周囲を覆うパンを介して冷凍できるので、冷凍効率が良い。
【0014】
冷凍後はパンの底を上にしてパンの底を加温し又はパンを振動し、或いは加熱と振動の両方の外力をパンに付与することにより、パンから容器を分離しているので、従来の既存の設備をほとんど変更することなく利用することができる。尚、外力により容器をパンから分離するのは、冷凍庫内の水蒸気により容器はパンに固着しているので、本発明では、冷凍庫からパンを出したときに固着部分を外力により分離するのである。
【0015】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の作用効果を奏すると共に、容器として板紙に樹脂フィルムを貼着して耐水処理を施したものを使用しているので、容器は折り畳み可能であり、使用前には嵩張らずに移送でき、軽量で且つ取り扱い易い。
容器の表面には樹脂フィルムを貼着しているので、パンとの分離性が良く、従来よりも低い温度で加温したり、振動することにより容易に離脱することができる。
また、容器は板紙を用いているから、ダンボールと異なり断熱性が低い為、被収納物を冷凍し易い。
【0016】
容器には蓋が一体に設けてあるので、容器に被収納物の収納した後に容易に蓋ができると共に蓋をすることにより容器内への異物の混入を防止でき、被収納物に対する安全性を高めることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明では、容器を使用する前の移送では、容器を折りたたんで体積を小さくでき、使用するときには容器本体では、正面壁、背面壁、左右壁をそれぞれ起立させて広げ、蓋体では蓋正面壁、蓋左右壁を起立させて広げるようにして組み立てできるので、作業性に優れ、冷凍品の製造効率を高めることができる。
【0018】
容器は折り畳んで体積が小さい状態にできるので、スペースをとらないで使用前の容器の保管や搬送ができる。
また、展開した一枚の板紙で容器を作成できるから、容器の製造効率に優れる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の作用効果を奏すると共に、容器を折り畳んだ状態で蓋体の蓋部と正面壁との折り目に蓋左右壁のコーナ側端を係止することにより、容器の折畳み状態を維持でき、保管や移送時等に容器が広がるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に係る冷凍品の製造方法であって、被収納物を冷凍庫で冷凍するまでの工程を示す工程図である。
【図2】本実施の形態に係る冷凍品の製造方法であって、冷凍庫で冷凍後の被収納物を出荷するまでの工程を示す工程図である。
【図3】本実施の形態に係る冷凍品の製造方法に用いられる容器であって、容器の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す容器を組み立てる過程を示す斜視図である。
【図5】図3に示す容器の組み立てた状態を示す斜視図である。
【図6】図3に示す容器の蓋を閉める過程を示す斜視図である。
【図7】図3に示す容器の展開図である。
【図8】図3に示す容器であって、容器を組み立て後、蓋を閉じた状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の変形例に係る容器であって、容器を組み立てる過程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付図面を参照して、図7に展開図を示すように、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態にかかる冷凍品の製造方法は、さばやいわし等の魚(被収納物)を冷凍して容器内に収め、そのまま出荷できるようにしたものである。
【0022】
この冷凍品の製造装置1は、図1に示すように、被収納物13を容器17に充填する充填装置3と、冷凍庫5と、図2に示すように、容器17をパン11から分離する脱パン装置7とを備えている。
【0023】
図1に示すように、充填装置3は、コンベア9と、コンベア9に載置されるパン11と、パン11に被収納物13を供給するホッパ15とを備えており、パン11には容器17が収納されている。
パン11は亜鉛製の容器であり、蓋のない直方体形状を成している。
【0024】
容器17は、パン11よりも体積が小さい板紙製の箱であり、表面及び裏面には樹脂材がコーティングされている。容器17は、直方体形状を成し、図1に示すように、容器17の高さH1はパン11の高さH2と略同じがそれよりも低い高さとなっている。容器17の詳細については、後述する。
【0025】
ホッパ15は収納してある被収納物13を計量しつつ落下し、所定量の被収納物13を容器17毎に収納する。
【0026】
冷凍庫5内には、パン11を多段積みして冷凍しており、桟木(図示せず)とパン11とを交互に上に積み重ねてある。尚、棚を設けて棚にパン11を積み上げるものであっても良い。
【0027】
図2に示すように、脱パン装置7は、底を上にして載置されたパン11を移送するコンベア19と、コンベア19の上方に設けてパン11の底を吸着する吸着移送部21と、パンを加熱する加熱部23と、加熱によりパン11から離脱落下した容器17を上下反転させる反転移送部25とを備えている。
【0028】
吸着移送部21はマグネットベルトに設けたマグネットによりパン11を吸着しており、加熱部23の下流側には振動機構(図示せず)が設けてあり、振動によりパン11から容器17を離脱し易くしている。吸着移送部21において振動機構の下流側には、図示していないが、打撃部が設けてあり、打撃によりパン11をマグネットベルト21aから離脱して落下させている。
【0029】
反転移送部25は、傾斜部27と、傾斜部27を滑り降りてきた容器17を上下反転させて受ける反転部28とから構成されている。反転部28は傾斜部27の下側端で落下した容器17の底面を下にして受けて容器17を移送する。
【0030】
次に、容器17について説明する。容器17は板紙表面に樹脂製フィルム層を形成して耐水処理を施してあり、図7に展開図を示すように、展開した一枚の板紙を組み立てて形成されている。この容器17は、容器本体29と、蓋体30とを一体に備えている。尚、図7には展開した容器の内側を示している。
容器17において、板紙表面に形成する樹脂製フィルムは、例えば、ポリエチレン(PE)フィルムをラミネートするのみであり、その後のコロナ処理等の荒面化処理は行わないことが望ましい。尚、コロナ処理とは、フィルム表面に放電処理を行い、表面を荒面化する処理である。
【0031】
容器本体29は直方体形状を成し、底面部31と、底面部31から起立する正面壁33と背面壁35と左壁37と右壁39とを備えている。
左壁37と正面壁33とには正面側左コーナ部41が連続して設けてあり、右壁39と正面壁33とには正面側右コーナ部43が連続して設けてあり、左壁37と背面壁35とには左背面側コーナ部45が連続して設けてあり、右壁39と背面壁35とには右背面側コーナ部47が連続して設けてある。
【0032】
正面側左コーナ部41、正面側右コーナ部43、左背面側コーナ部45及び右背面側コーナ部47には、各々各コーナ部を二分する斜めの斜辺49が形成してあり、斜辺49は底面部31の角から外方に向けて延出している。この斜辺49は容器の組み立て時には谷折にして折られる。尚、図7に示す展開図では、実線は容器の外側に向けて山折する線であり、一点鎖線は容器の内側に向けて折る谷折を示している。
正面側左コーナ部41では、斜辺49よりも左壁37側の領域41a(図7において破線のハッチで示す)は左壁37の重なり領域37b(図7において破線のハッチで示す)に重ねて接着される。
【0033】
同様に、正面側右コーナ部43では、斜辺49よりも右壁39側の領域43aは右壁39の重なり領域39bに重ねて接着され、左背面側コーナ部45では、斜辺49よりも左壁37側の領域45aは左壁37の重なり領域37aに重ねて接着され、右背面側コーナ部47では、斜辺49よりも右壁39側の領域47aは右壁39の重なり領域39aに重ねて接着される。
【0034】
蓋体30は、天面部51と蓋正面壁53と蓋左壁55と蓋右壁57とを備え、蓋正面壁53の左側には左蓋コーナ部59が連続して設けてあり、蓋正面壁53の右側には右蓋コーナ部61が連続して設けてあり、左蓋コーナ部59を二分する平行な2つの斜辺49a、49bを各々谷折にして二分した蓋左壁55側の領域59aを蓋左壁55の重なり領域55aに接着してあり、右蓋コーナ部61を二分する平行な2つの斜辺49a、49bを谷折にして二分した蓋右壁57側の領域61aを蓋右壁57の重なり領域57aに接着してある。
【0035】
蓋左壁55の重なり領域55aは、蓋左壁55の正面側端55cから重なり領域55aと略同じ面積部分55bをあけている。同様に、蓋右壁57の重なり領域57aは、蓋右壁57の正面側端57cから重なり領域57aと略同じ面積部分57bをあけている。
尚、蓋体30には、天面部51と蓋正面壁53との境に切り欠いて形成された係止孔63が形成されている。また、蓋左壁55の正面側端55cと、蓋右壁57の正面側端57cには各々、係止孔63に係止する係止突起(係止部)65が形成されている。
【0036】
容器17の組み立て状態は図5に示しており、この組み立て状態から折り畳むときには、図4に示すように、容器本体29の左壁37と右壁39とを容器内方に押し倒し、蓋体30の蓋左壁55及び蓋右壁57を蓋内方に押し倒しつつ、正面壁33と蓋正面壁53を各々内方に押し倒すようにして、容器を潰す。これにより、図3に示すように、潰して平面状となった容器本体29と蓋体30を重ねて、係止孔63に係止突起65、65を係止する。
【0037】
組み立ては、上述した容器の折畳みから逆の手順で容器を組立て、図6に示すように、蓋をする場合には、容器本体29に対して蓋体30を回動させて容器本体29に蓋体30を被せる。
【0038】
次に、冷凍品の製造方法について説明する。図1において、容器配置工程(a)に示すように、コンベア9上に載置されたパン11に組み立てて蓋を開けた状態の容器17を収納する。次に、充填工程(b)に示すように、コンベア9によりパン11と共に容器17をホッパ15の下に配置にし、ホッパ15から計量した所定量の被収納物13を落下して容器17内に収め、工程(c)に示すように、容器17に蓋をする。本実施の形態では、容器17内には被収納物13のみを収納しており、従来技術のように水を注入することはない。
【0039】
冷凍工程(d)に示すように、蓋をした容器17は、パン11に収納したまま冷凍庫5内に入れて冷凍する。冷凍庫5内では容器を収納したパンを積み重ねて収納するが、パン11は桟を介して積み重ねる。冷凍工程では、パン11を伝わる冷熱にて容器17及び被収納物13が冷凍される。また、冷凍庫の湿気等によりパン11と容器17とが冷凍により接着される。
【0040】
冷凍後、図2に示すように、冷凍庫から取り出したパン11を、底を上にしてコンベア19に載せる。
コンベア19を移動するパン11は、吸着移送部21のマグネットベルトに吸着されつつ移送され、加熱部23において、温水シャワーがパン11の底面に向けて噴射され、パン11が加熱される。
【0041】
パン11が加熱されると、パン11と容器17との間の冷凍部分が溶解して、容器17がパン11から分離して、落下する。
パン11から落下した容器17は、反転移送部25において、傾斜部27をその傾斜に沿って滑走した後、上下を逆にして落下し容器の底面を下にして反転部28で反転して正立して移送される。
【0042】
本実施の形態によれば、従来技術のようにパン11に被収納物13を直接収納することなく、容器17内に収納して冷凍させ、容器17ごとパン11から分離しているので、被収納物13の商品価値を高めることができると共に被収納物13を包装する包装工程が必要なく、そのまま出荷できる。
【0043】
また、従来技術と異なり水を凍らせた凍りブロックの中に被収納物13を凍らせていないので、被収納物13の歩留まりが高く且つ内容重量に対する信頼性も高い。
容器17はパン11の中に配置しているので、冷凍庫内ではパン11を積み重ねて冷凍でき、冷凍庫5内における積み重ねができる。
【0044】
パン11を用いて冷凍すると共に、冷凍後はパン11を上下逆さにしてパン11の底を加温することにより、パン11から容器17を分離しているので、従来の既存の設備をほとんど変更することなく利用することができる。
【0045】
容器17として板紙に樹脂フィルムを貼着して耐水処理を施したものを使用しているので、容器17は折り畳み可能であり、使用前には嵩張らずに移送でき、軽量で且つ取り扱い易い。
また、容器17は板紙を用いているから、ダンボールと比較して断熱性が低い為、冷凍庫5において被収納物13を冷凍し易い。
【0046】
容器17には蓋体30が一体に設けてあるので、容器17に被収納物13の収納した後容易に蓋ができると共に蓋をすることにより容器17内への異物の混入を防止でき、被収納物13に対する安全性を高めることができる。
【0047】
容器17を使用する前の移送では、図3に示すように、容器17を折り畳んで体積を小さくでき、使用するときには容器本体29において、正面壁33、背面壁35、左右壁37、39をそれぞれ起立させて容器本体29を広げ、蓋体30では蓋正面壁53、蓋左右壁55、57を起立させて広げるようにして組み立てできるので、作業性に優れ、冷凍品の製造効率を高めることができる。
【0048】
容器17を折り畳んで体積が小さい状態にできるので、スペースをとらないで容器17の保管や搬送ができる。
また、図7に示すように、展開した一枚の板紙で容器17を作成できるから、容器17の製造効率に優れる。
【0049】
容器17を折り畳んだ状態で蓋体30の天面部51と蓋正面壁53との間の折り目62に蓋左右壁55、57のコーナ側端にある係止突起65を係止することにより、容器17の折畳み状態を維持でき、保管や移送時等に容器17が広がるのを防止できる。
【0050】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、被収納物13は魚に限らず、貝や果実等であっても良い。
容器17にはその蓋体30に孔を形成して、冷凍時における冷気を容器17内に通気し易くしても良い。
【0051】
図9に示すように、容器17の正面側左コーナ部41において、斜辺49を谷折にして斜辺49よりも正面側の領域41b(図7参照)を正面壁33に接着し、正面側右コーナ部43においても、斜辺49を谷折にして、斜辺49よりも正面側の領域43b(図7参照)を正面壁33に接着しても良い。
上述した実施の形態において、容器17をパン11から分離する容器分離工程では、パン11を加熱することなく、パン11に振動のみを付与して容器17を離脱させても良い。本実施の形態では、容器17の樹脂製フィルムの表面を荒面化していないので、パン11と容器17との分離性が良いからである。
【符号の説明】
【0052】
1 冷凍品の製造装置
3 充填装置
5 冷凍庫
7 分離装置
11 パン
13 被収納物
15 ホッパ
17 容器
23 加熱部
25 反転移送部
29 容器本体
30 蓋体
31 底面部
33 正面壁
35 背面壁
37 左壁
39 右壁
41 正面側左コーナ部
43 正面側右コーナ部
45 左背面側コーナ部
47 右背面側コーナ部
49 斜辺
51 天面部
53 蓋正面壁
55 蓋左壁
57 蓋右壁
59 蓋左コーナ部
61 蓋右コーナ部
63 係止孔
65 係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パン内に蓋を開いた容器を配置する容器配置工程と、容器内に被収納物を収納して容器に蓋をする充填工程と、パンを容器と共に冷凍庫で冷凍する冷凍工程と、冷凍庫から取り出したパンの底を上に向けてパンに加熱及び振動の少なくとも一方の外力を付与することにより容器をパンから落下させる容器分離工程と、パンから落下した容器を上下反転させる反転工程とを備えることを特徴とする冷凍品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の冷凍品の製造方法に用いられる容器であって、板紙表面に樹脂製フィルム層を形成して耐水処理を施してあり、容器本体と容器本体に対して開閉自在な蓋体とから構成されていることを特徴とする容器。
【請求項3】
容器本体は直方体形状を成し、底面部と、底面部から起立した正面壁と背面壁と左壁と右壁とを備え、左壁と正面壁との間には正面側左コーナ部が設けてあり、正面側左コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を正面壁又は左壁に接着してあり、右壁と正面壁との間には正面側右コーナ部が設けてあり、正面側右コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を正面壁又は右壁に接着してあり、左壁と背面壁との間には左背面側コーナ部が設けてあり、左背面側コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を左壁に接着してあり、右壁と背面壁との間には右背面側コーナ部が設けてあり、右背面側コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を右壁に接着してあり、蓋体は天面部と蓋正面壁と蓋左壁と蓋右壁とを備え、蓋正面壁の左側には蓋左コーナ部が設けてあり、蓋正面壁の右側には蓋右コーナ部が設けてあり、蓋左コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を蓋左壁に接着してあり、右蓋コーナ部を二分する斜辺を谷折にして二分した一方を蓋右壁に接着してあることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
蓋体の天面部と正面壁との折り目には係止孔が形成してあり、蓋左壁と蓋右壁の各々のコーナ側端には係止孔に係止する係止部が形成してあることを特徴とする請求項3に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−121653(P2012−121653A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272426(P2010−272426)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(510322672)
【出願人】(510322683)
【Fターム(参考)】