説明

処理システム、音声再生装置及びプログラム

【課題】専用のリモートコントローラを予め用意しなくても、処理実行装置の動作を制御する。
【解決手段】制御ファイルは、音声ファイルと同じファイル形式であり、制御部11によって音声ファイルと同じように再生され、音声信号として出力される。ただし、この制御ファイルの実体は、音声データではなく、自動演奏装置20に対して処理の対象や処理の内容を指示する指示情報である。よって、音声再生装置10が、この制御ファイルを再生することにより、自動演奏装置20に対する指示情報を音声信号して与えることができるようになっている。図5に例示したLTCは、MIDIファイル特定情報として何も記録されておらず、コマンドとして「play」が記録されている。これは、自動演奏装置20に対して、既に選択されているMIDIファイルを再生することを指示するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理を実行する処理実行装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式の楽曲データ(以下、MIDIデータという)に基づいて音源を駆動しつつ自動演奏を行う自動演奏装置が知られている。例えば特許文献1には、音声を表す音声データを再生するとともに、その再生に同期してMIDIデータに基づいた自動演奏を行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−271138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この自動演奏装置のように何らかの処理を実行する処理実行装置の動作を遠隔で制御するためには、専用のリモートコントローラが必要とされる。リモートコントローラは処理実行装置本体とは別売りされていることも多いため、ユーザはその本体とは別にリモートコントローラをわざわざ購入しなければならないといった煩わしさがある。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理実行装置の動作を制御する仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するため、本発明は、音声を再生する音声再生装置と、処理を実行する処理実行装置とを備える処理システムであって、前記音声再生装置は、音声ファイルの内容に基づいた音声信号を出力する再生手段と、前記処理実行装置に対して処理の内容を指示する指示情報を含む制御ファイルを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された制御ファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段によって記憶されている前記制御ファイルを読み出し、当該制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として出力させる制御手段とを備え、前記処理実行装置は、前記再生手段によって出力される音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段に入力される前記音声信号に基づいて、前記指示情報が表す処理の内容を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された内容の処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする処理システムを提供する。
【0005】
本発明の好ましい態様において、前記音声再生装置の前記記憶手段は、前記処理実行装置に対して処理の対象を指示する指示情報を含む制御ファイルを記憶し、前記処理実行装置の前記特定手段は、前記入力手段に入力される前記音声信号に基づいて、前記指示情報が表す処理の対象を特定し、前記処理実行装置の前記処理手段は、前記特定手段によって特定された処理の対象に対して、前記特定手段によって特定された内容の処理を実行する。
【0006】
本発明の別の好ましい態様において、前記音声再生装置の前記記憶手段は、前記処理実行装置に対してそれぞれ異なる処理を指示する指示情報を含む複数の制御ファイルを記憶しており、前記音声再生装置は、前記複数の制御ファイルのうちいずれかを指定する指定手段を備え、前記音声再生装置の前記制御手段は、前記指定手段によって指定された前記制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として出力させる。
【0007】
本発明の別の好ましい態様において、前記音声再生装置の前記取得手段は、前記制御ファイルを記憶する装置からネットワークを介して又は前記制御ファイルを記憶する記録媒体から読み出して、前記制御ファイルを取得する。
【0008】
本発明の別の好ましい態様において、音声ファイルの内容に基づいた音声信号を出力する再生手段と、処理実行装置に対して処理の内容を指示する指示情報を含む制御ファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段によって記憶されている前記制御ファイルを読み出し、当該制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として出力させる制御手段とを備えることを特徴とする音声再生装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、音声再生装置から出力されてくる音声信号を入力する入力手段と、前記音声信号に基づいて、自装置が行う処理の内容を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする処理実行装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、コンピュータを、音声ファイルの内容に基づいた音声信号を出力する再生手段と、処理実行装置に対して処理の内容を指示する指示情報を含む制御ファイルを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された制御ファイルを記憶する記憶手段と、前記記憶手段によって記憶されている前記制御ファイルを読み出し、当該制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として出力させる制御手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0011】
また、本発明は、コンピュータを、音声再生装置から出力されてくる音声信号を入力する入力手段と、前記音声信号に基づいて、自装置が行う処理の内容を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された処理を実行する処理手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、処理実行装置の動作を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(1)実施形態の構成
(1−1)システム構成
図1は、本実施形態に係る楽音再生システム100の全体構成を示す図である。
この楽曲再生システム100は、音声再生装置10と、自動演奏装置20とを備えている。これらの音声再生装置10と自動演奏装置20とは、有線又は無線で接続可能に構成されている。音声再生装置10は、音声データを記憶しており、その音声データに基づいて音声または音声信号を出力する。この音声再生装置10は、例えば携帯型の音楽プレーヤやパーソナルコンピュータである。自動演奏装置20は、MIDIの規格に準拠した楽曲データであるMIDIデータを記憶しており、そのMIDIデータに基づいて自動演奏を行う楽音処理実行装置である。この自動演奏装置20は、例えば自動演奏ピアノである。図においては、音声再生装置10として携帯型音楽プレーヤを図示し、自動演奏装置20として自動演奏ピアノを図示している。
【0014】
音声再生装置10が記憶している音声データと、自動演奏装置20が記憶しているMIDIデータとは、それぞれ同一楽曲を表すものどうしで1対1に対応付けられている。音声データの再生形態には、音声再生装置10が単独で再生する「単独再生」と、自動演奏装置20によるMIDIデータに基づく自動演奏と同期をとりながら再生する「同期再生」とがある。なお、音声データ及びMIDIデータは、それぞれファイル形式のデータとして取り扱われるから、以下では、音声ファイルとMIDIファイルという。また、MIDIファイルに基づいて自動演奏を行うことを、以下では必要に応じて、MIDIファイルを再生する、という。
【0015】
(1−2)音声再生装置10の構成
次に、図2のブロック図を参照しながら、音声再生装置10の構成について説明する。
音声再生装置10は、制御部11と、通信部13と、記憶部14と、操作部15と、表示部16と、放音部17とを備えている。制御部11は、例えばCPUなどの演算装置とROMやRAMなどの各種メモリを備えている。演算装置がこれらのメモリや記憶部に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、音声再生装置10の各部を制御する。通信部13は、例えばUSBインタフェースや無線通信回路であり、有線又は無線を介して自動演奏装置20と通信を行う。操作部15はキーボードやマウスなどを備えており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部に供給する。表示部16は、例えば液晶ディスプレイ装置であり、制御部11から与えられるデータに基づいてユーザとの対話画面や各種の情報を表示する。
【0016】
記憶部14は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶手段である。この記憶部14には、音声再生プログラムと、複数の音声ファイルと、複数の制御ファイルとが記憶されている。音声ファイルは、例えば44.1(kHz)などの所定のサンプリング周波数を基準にしてサンプリングされた時系列の音声波形をデジタル化した音声データである。この音声ファイルは、制御部11により再生され、放音部17から音声として出力されるか又は通信部13から音声信号として出力される。
【0017】
制御ファイルは、上記音声ファイルと同じファイル形式であり、制御部11によって音声ファイルと同じように再生され、通信部13から音声信号として出力される。ただし、この制御ファイルの実体は、音声としての情報を意味するものではなく、自動演奏装置20に対して処理の対象や処理の内容を指示する指示情報である。よって、音声再生装置10が、この制御ファイルを再生することにより、自動演奏装置20に対する指示情報を音声信号として与えることができるようになっている。
【0018】
これらの制御ファイルや音声ファイルは、ネットワークに接続されて制御ファイルや音声ファイルを記憶するサーバ装置から、パーソナルコンピュータ等のホスト装置を経由するなどして、この音声再生装置10に提供される。より具体的には、通信部13にホスト装置が接続された状態で、制御部11が、ネットワークに接続されたサーバ装置に対して音声ファイル群や制御ファイル群のダウンロードを要求し、その要求に応じてサーバ装置から送信されてくる音声ファイル群や制御ファイル群を受信し、これらを記憶部14に書き込む。
【0019】
(1−3)ファイルの構造
ここで、音声ファイル及び制御ファイルの構造について説明する。
図3は、音声ファイルの構造を説明する図である。音声ファイルは、LチャンネルとRチャンネルの2チャンネルで構成されている。Lチャネルには、音声を表すデジタル波形データが記録されており、Rチャネルには、LTCと呼ばれるデジタル波形データが、例えば30(ms)間隔で記録されている。LTCは、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)に準拠したタイムコードである。このLTCは、音声ファイルの先頭(つまり音声ファイルの再生開始時点)からの経過時間を表す時間情報のほか、ユーザーズビットと呼ばれる32ビットの情報を含んでいる。
【0020】
ユーザーズビットの記録領域には、自動演奏装置20に対して処理の対象を指示する「MIDIファイル特定情報」が記録されるMIDIファイル特定情報記録領域と、自動演奏装置20に対して処理の内容を指示する「コマンド」が記録されるコマンド記録領域が含まれている。MIDIファイル特定情報は、MIDIファイルを識別する情報であり、例えばMIDIファイルのファイル名である。
【0021】
前述したように、音声再生装置10による音声ファイルの再生形態には、音声再生装置10が単独で再生する「単独再生」と、自動演奏装置20によるMIDIデータに基づく自動演奏と同期をとりながら再生する「同期再生」とがある。単独再生の場合は、図示せぬスピーカやアンプを備えた放音部17から、音声ファイルに基づいた音が出力される。一方、同期再生の場合には、音声ファイルに基づいて生成された音声信号(Lチャネル)とLTC(Rチャネル)が通信部13から自動演奏装置20へと出力される。自動演奏装置20は、受け取った音声信号(Lチャネル)に基づいた音をスピーカから出力する。このとき、自動演奏装置20は、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、再生すべきMIDIファイルを特定し、さらに、LTC内のタイムコードによる時間進行に基づいて、音声信号(Lチャネル)の再生と同期させてMIDIファイルを再生する。図3の例では、MIDIファイル特定情報が「pianofan001.mid」であるが、これは、自動演奏装置20がこの「pianofan001.mid」のMIDIファイルを用いて、音声再生装置10と同期再生することを意味している。なお、音声ファイルのコマンド記録領域には、何も記録されておらず、ブランクになっている。
【0022】
次に、図4は、制御ファイルの構造を説明する図である。
制御ファイルも、音声ファイルと同様に、2チャンネルで構成されているが、Lチャネルには何も記録されておらず、ブランクになっている。一方、Rチャネルには、音声ファイルと同様に、LTCが例えば30(ms)間隔で記録されている。ただし、LTCの時間情報が記録される領域には何も記録されておらず、ブランクになっている。図4に例示したLTCは、MIDIファイル特定情報として「pianofan001.mid」が記録されており、コマンドとして「select」が記録されている。これは、自動演奏装置20に対して、「pianofan001.mid」のMIDIファイルを「選択」することを指示するものである。これに対し、図5に例示したLTCは、MIDIファイル特定情報として何も記録されておらず、コマンドとして「play」が記録されている。これは、自動演奏装置20に対して、既に選択されているMIDIファイルを再生することを指示するものである。
【0023】
音声再生装置10によって制御ファイルが再生される場合には、制御部11は、制御ファイルに基づいて生成した無音の音声信号(Lチャネル)とLTC(Rチャネル)を自動演奏装置20に出力する。自動演奏装置20は、受け取った音声信号(Lチャネル)が無音であるため音を一切出力せずに、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、その内容に応じた処理を実行する。
【0024】
このため、音声再生装置10は、自動演奏装置20に対して指示する処理の種類及び処理の対象の数だけ、制御ファイルを記憶している。図6は、これら制御ファイルの種類の一例を示している。
PLAYファイル、STOPファイル、PAUSEファイル、FFファイル、REWファイル及びRECファイルは、それぞれ単一の処理を指示するための制御ファイルである。PLAYファイルは、MIDIファイルの再生を指示する制御ファイルであり、図5に示したように、そのコマンド記録領域にはコマンド「play」が記録されている。STOPファイルはMIDIファイルの再生を指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「stop」が記録されている。PAUSEファイルはMIDIファイルの再生の一時停止を指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「pause」が記録されている。FFファイルはMIDIファイルの早送り再生を指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「ff」が記録されている。REWファイルはMIDIファイルの巻き戻し再生を指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「rew」が記録されている。RECファイルは、自動演奏装置20による録音を指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「rec」が記録されている。
【0025】
また、SILENTファイルやACOSTICファイルは、自動演奏装置20の再生モードの切り替え処理を指示するための制御ファイルである。SILENTファイルは、サイレントモードと呼ばれる再生モードに切り替えることを指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「silent」が記録されている。ACOSTICファイルは、アコースティックモードと呼ばれる再生モードに切り替えることを指示する制御ファイルであり、そのコマンド記録領域にはコマンド「acostic」が記録されている。
【0026】
また、pianofan001選択ファイルやpianofan002選択ファイルなどの制御ファイルは、処理の対象となるMIDIファイルを指示するための制御ファイルである。pianofan001選択ファイルは、MIDIファイル「pianofan001.mid」を処理の対象として指示する制御ファイルであり、図4に示したように、そのMIDIファイル特定情報記録領域にはファイル名「pianofan001.mid」が記録されている。同様に、pianofan002選択ファイルは、MIDIファイル「pianofan002.mid」を処理の対象として指示する制御ファイルであり、そのMIDIファイル特定情報記録領域にはファイル名「pianofan002.mid」が記録されている。
【0027】
(1−4)自動演奏装置20の構成
次に、図7のブロック図を参照しながら、自動演奏装置20の構成について説明する。
自動演奏装置20は、コントローラ21と、記憶部22と、通信部24と、操作部25と、演奏部26とを備えている。通信部24は、例えばUSBインタフェースや無線通信回路であり、音声再生装置10の通信部13と通信を行う。コントローラ21は、例えばCPUなどの演算装置とROMやRAMなどの各種メモリを備えており、CPUがROMや記憶部に格納されている各種プログラムを実行することで自動演奏装置20全体を制御する。このコントローラ21は、時間を計測する計時部21aを備えている。計時部21aは、水晶振動子とアンプにより構成された発振回路(いずれも図示略)を備えており、その発振回路から出力される発信信号を適宜分周してタイミング制御用のクロックを生成し、生成したクロックに基づいて時間を計測する。
【0028】
記憶部22は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶手段であり、制御プログラムや複数のMIDIファイルを記憶している。これらMIDIファイルは、図示せぬ記録媒体やネットワーク上のサーバ装置から、パーソナルコンピュータ等のホスト装置を経由してこの自動演奏装置20に提供される。
【0029】
ここで、図8は、MIDIファイルの構造を示す図である。
このMIDIファイルは、SMF(Standard MIDI File)とも呼ばれており、図8上段に示すように、ヘッダチャンクとトラックチャンクによって構成されている。ヘッダチャンクには、チャンクタイプ等のSMFの属性情報が含まれている。トラックチャンクには、実体となるMIDIデータが含まれている。トラックチャンクには、同図下段に示すように、演奏制御等を指示するイベントと、先行するイベントと後発のイベントとの発生時間間隔を示すデルタタイムとが含まれている。イベントには、発音又は消音すべき旨を示すノートオン・ノートオフ情報や、発音すべき音の高さを示すノートナンバ情報や、発音の強弱を示すベロシティ情報などが含まれている。
【0030】
コントローラ21は、記憶部22に記憶されているMIDIファイルを読み出し、そのファイルに含まれているイベントをタイミングを図って、順次、演奏部26に供給する。このとき、コントローラ21は、音声再生装置10から供給されるLTCの時間情報と、計時部21aによって計測される音声ファイルの再生開始からの経過時間とを常に同期させておく。そして、コントローラ21は、計時部21aによって特定される経過時間を基準として、演奏部26に或るイベントを供給すると、そのイベントに後続するデルタタイムによって示される時間だけ待機してから、その次のイベントを供給する、という動作を繰り返す。これにより、音声ファイルの再生とMIDIファイルの再生との同期を維持することができる。
【0031】
演奏部26は、MIDIファイルから抽出されたイベントに従って演奏音を出力するほか、ユーザによる押鍵操作に応じて打弦による演奏音を出力する。前者を「自動演奏」と呼び、後者を「手動演奏」という。演奏部26は、駆動機構26aと、キーセンサ26bと、ペダルセンサ26cと、ピアノ電子回路26dと、ピアノ音源26eと、ミキサ26fと、アンプ26gと、スピーカ26hとを有している。駆動機構26aは、複数の鍵や複数のペダルのほか、各鍵に対応して設けられた駆動ソレノイド群などを有している。キーセンサ26b及びペダルセンサ26cは、手動演奏を行うための構成であり、複数の鍵やペダルの各々に対応して設けられている。これらキーセンサ26b及びペダルセンサ26cは、鍵及びペダルを押したときの強さや深さなどを検出し、検出した鍵若しくはペダルを特定するキー番号若しくはペダル番号、ベロシティ情報(押鍵速度等に対応したデータ)等を含む検出結果をピアノ電子回路26dに供給する。
【0032】
ピアノ電子回路26dは、自動演奏を行う場合には、コントローラ21からイベントを受け取り、そのイベントをピアノ音源26eに供給する。ピアノ音源26eは、イベントによって指示された演奏音を出力するための音声信号を生成する。また、ピアノ電子回路26dは、コントローラ21から受け取ったイベントに従い、駆動機構26aが備える駆動ソレノイド群に対して通電制御を行う。具体的には、ピアノ電子回路26dは、ある演奏音についてノートオン(押鍵)のイベントをコントローラ21から受け取った場合には、その演奏音の鍵に対応したソレノイドに駆動電流を流し、鍵を押下させるのに必要な磁力をソレノイドにより発生させる。一方、ある演奏音についてノートオフ(離鍵)のイベントを受け取った場合、ピアノ電子回路26dは、その演奏音の鍵に対応したソレノイドに対する駆動電流の供給を停止することで、鍵を離鍵させる。
【0033】
また、ピアノ電子回路26dは、手動演奏を行う場合、キーセンサ26b及びペダルセンサ26cから供給される検出結果に基づいてイベントを生成する。例えば、「ドの音(ノートナンバ)を強さ10(ベロシティ)で発音(ノートオン)せよ」といった演奏制御を指示するイベントを生成し、そのイベントをピアノ音源26eに供給する。ピアノ音源26eは、このイベントに従って、指示された演奏音を出力するための音声信号を生成する。上記のようにしてピアノ音源26eにより生成された音声信号は、ミキサ26fへ出力される。ミキサ26fは、ピアノ音源26eから出力される音声信号を、必要に応じて他の音声信号と混合してアンプ26gに出力する。この信号はアンプ26gによって増幅され、スピーカ26hから演奏音として出力される。
【0034】
(2)実施形態の動作
(2−1)音声再生装置10による音声ファイルの単独再生動作
次に、音声再生装置10による音声ファイルの単独再生について説明する。
ユーザが音声再生装置10の操作部15を操作して、音声ファイルの再生を行いたい旨の指示を行うと、音声再生装置10の制御部11はその操作を受け付けて、記憶部14に記憶されている音声ファイルを参照して、音声ファイルの一覧画面を表示部16に表示する。この画面には、記憶部14に記憶された音声ファイルのタイトルの一覧が記されている。ユーザが操作部15を操作して、ある音声ファイルを選択して単独再生を指示すると、制御部11はその操作を受け付け、選択された音声ファイルを記憶部14から読み出して音声信号を生成し、順次、放音部17に供給する。放音部17は、音声信号に応じた再生音をスピーカから出力する。
このようにして、音声再生装置10によって音声ファイルが再生される。
【0035】
(2−2)自動演奏装置20によるMIDIファイルの単独再生動作
次に、図9のシーケンスを参照しながら、自動演奏装置20がMIDIファイルの単独再生を行う動作について説明する。この場合、音声再生装置10は、自動演奏装置20のリモートコントローラとして機能する。
図9において、ユーザは、音声再生装置10と自動演奏装置20とを、有線又は無線により通信可能に接続する(ステップS1)。ユーザが音声再生装置10の操作部15を用いて所定の操作を行うと、音声再生装置10の制御部11は、その操作を受け付け、図10に示すようなフォルダ選択画面を表示部16に表示する。ここで、ユーザが「フォルダ3」を選択すると、制御部11は、その選択操作を受け付け、図11に示すような制御ファイル選択画面を表示部16に表示する(ステップS2)。
【0036】
ここで、ユーザが項目「pianofan001」を選択すると、制御部11は、その選択操作を受け付け、選択された項目「pianofan001」に対応するpianofan001選択ファイルを再生する(ステップS3)。これにより、その制御ファイルに基づいて制御部11により生成された無音の音声信号(Lチャネル)とLTC(Rチャネル)が、通信部13から自動演奏装置20に出力される(ステップS4)。自動演奏装置20のコントローラ21は、通信部24によって受け取った音声信号(Lチャネル)が無音であるため、音を一切出力せずに、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、MIDIファイル特定情報「pianofan001.mid」とコマンド「select」を抽出する。そして、コントローラ21は、記憶部22において、抽出したMIDIファイル特定情報によって特定されるMIDIファイルを検索する(ステップS5)。これにより、自動演奏装置20において、MIDIファイル「pianofan001.mid」が選択されることになる。
【0037】
一方、音声再生装置10においては、ユーザが所定の操作を行って、図11の表示画面から図10の表示画面に遷移させる。そして、ユーザが「フォルダ2」を選択すると、制御部11は、その選択操作を受け付け、図12に示すような制御ファイル選択画面を表示部16に表示する(ステップS6)。ここで、ユーザが制御ファイル「ACOSTIC」を選択すると、制御部11は、その選択操作を受け付け、選択された制御ファイル「ACOSTIC」を再生する(ステップS7)。これにより、その制御ファイルに基づいて生成された無音の音声信号(Lチャネル)とLTC(Rチャネル)が、通信部13から自動演奏装置20に出力される(ステップS8)。自動演奏装置20のコントローラ21は、通信部24によって受け取った音声信号(Lチャネル)が無音であるため、音を一切出力せずに、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、コマンド「acostic」を抽出する。そして、コントローラ21は、抽出したコマンドの内容に従って、自身の再生モードを「アコースティックモード」に設定する(ステップS9)。
【0038】
さらに、音声再生装置10においては、ユーザが所定の操作を行って、図12の画面から図10の画面に遷移させる。そして、ユーザが「フォルダ1」を選択すると、制御部11は、その選択操作を受け付け、図13に示すような制御ファイル選択画面を表示部16に表示する(ステップS10)。ここで、ユーザが制御ファイル「PLAY」を選択すると、制御部11は、その選択操作を受け付け、選択された制御ファイル「PLAY」を再生する(ステップS11)。これにより、その制御ファイルに基づいて生成された無音の音声信号(Lチャネル)とLTC(Rチャネル)が、通信部13から自動演奏装置20に出力される(ステップS12)。
【0039】
自動演奏装置20のコントローラ21は、通信部24によって受け取った音声信号(Lチャネル)が無音であるため、音を一切出力せずに、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、コマンド「play」を抽出する。そして、コントローラ21は、抽出したコマンドの内容に従って、ステップS5にて選択したMIDIファイル「pianofan001.mid」をの再生を開始する(ステップS13)。つまり、コントローラ21は、MIDIファイルを記憶部22から読み出し、そのファイルからイベントを抽出してピアノ電子回路26dに順次供給する。ピアノ電子回路26dはこのイベントをピアノ音源26eに転送し、ピアノ音源26eは、そのイベントにより指示された音をピアノの演奏音で表現した音声信号を生成する。この音声信号はミキサ26fへ出力され、ミキサ26fは、それをアンプ26gに出力する。アンプ26gはこれを増幅し、スピーカ26hから演奏音として出力させる。また、このとき、ピアノ電子回路26dは、コントローラ21から供給されるイベントに基づいて駆動機構に対して駆動信号を供給し、その駆動機構によって鍵やペダルを駆動させて自動演奏を行わせるようにしても良い。
【0040】
一方、音声再生装置10において、ユーザが図13の制御ファイル選択画面で制御ファイル「STOP」を選択したとする。制御部11は、その選択操作を受け付け、選択された制御ファイル「STOP」を再生する(ステップS14)。これにより、その制御ファイルに基づいて生成された無音の音声信号(Lチャネル)とLTC(Rチャネル)が、通信部13から自動演奏装置20に出力される(ステップS15)。自動演奏装置20のコントローラ21は、通信部24によって受け取った音声信号(Lチャネル)が無音であるため音を一切出力せずに、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、コマンド「stop」を抽出する。そして、コントローラ21は、抽出したコマンドの内容に従って、ステップS13にて再生を開始したMIDIファイル「pianofan001.mid」の再生を中止する(ステップS16)。
【0041】
(2−3)音声再生装置10及び自動演奏装置20による同期再生動作
次に、図14のシーケンスを参照しながら、音声再生装置10と自動演奏装置20とが同期再生を行う動作について説明する。
図14において、ユーザは、音声再生装置10と自動演奏装置20とを、有線又は無線により通信可能に接続する(ステップS21)。そして、ユーザは音声再生装置10の操作部15を操作して、例えばMIDIファイル「pianofan001.mid」に対応する音声ファイルを指定して再生を行いたい旨の指示を行うと、音声再生装置10の制御部11はその操作を受け付け(ステップS22)、再生を開始する(ステップS23)。つまり、音声再生装置10の制御部11は、音声ファイルを記憶部14から読み出し、読み出した音声ファイルに基づいた音声信号(Lチャネル)及びLTC(Rチャネル)を通信部13経由で自動演奏装置20に順次供給する(ステップS24)。この音声ファイルはMIDIファイル「pianofan001.mid」に対応しているため、通信部13から供給されるLTCには、MIDIファイル特定情報「pianofan001.mid」が記録されている。
【0042】
一方、自動演奏装置20のコントローラ21は、受け取ったLTC(Rチャネル)を参照して、MIDIファイル特定情報「pianofan001.mid」を抽出する。そして、コントローラ21は、遅滞なく、そのMIDIファイル特定情報によって特定されるMIDIファイルを記憶部22から検索して(ステップS25)、MIDIファイルの再生を開始する(ステップS26)。つまり、コントローラ21は、検索によって特定したMIDIファイルを記憶部22から読み出し、そのファイルからイベントを抽出してピアノ電子回路26dに順次供給する。ピアノ電子回路26dはこのイベントをピアノ音源26eに転送し、ピアノ音源26eは、そのイベントにより指示された音をピアノの演奏音で表現した音声信号を生成する。この音声信号はミキサ26fへ出力され、ミキサ26fは、それをアンプ26gに出力する。アンプ26gはこれを増幅し、スピーカ26hから演奏音として出力させる。このとき、ピアノ電子回路26dは、コントローラ21から供給されるイベントに基づいて駆動機構に対して駆動信号を供給し、その駆動機構によって鍵やペダルを駆動させて自動演奏を行わせるようにしても良い。
【0043】
これと並行して、コントローラ21は、通信部24によって受信した音声信号をミキサ26fに供給する。ミキサ26fは、コントローラ21から供給される音声信号をアンプ26gに出力し、アンプ26gはこれを増幅してスピーカ26hから再生音として出力する。これにより、スピーカ26hからは、音声ファイルに基づく再生音と、MIDIファイルに基づく演奏音とが放音される。
これらの一連処理が、MIDIファイルの再生終了に至るまでの間、繰り返され、処理が終了する(ステップS27,28)。
【0044】
上述した実施形態によれば、音声再生装置10が、音声ファイルと同じような手順で制御ファイルを再生することで、自動演奏装置20に対して処理の内容や処理の対象を指示することができる。この制御ファイルは、ネットワークに接続されたサーバ装置からこの音声再生装置10に提供されるので、音声再生装置10に、自動演奏装置20のリモートコントローラとしての機能を持たせることは容易であるし、ユーザが行うべき作業や手続も簡単で済む。
また、音声ファイルとMIDIファイルを同期を保った状態で再生することができるので、ユーザにとっては、音声ファイルの再生を楽しみながらも、ライブ感のある楽曲の自動道演奏をも楽しむことができ、従来にない面白みを感じることができる。
【0045】
(3)変形例
上述した実施形態を次のように変形してもよい。
(3−1)変形例1
実施形態では、音声再生装置として携帯型プレーヤを例示したが、自動演奏装置20との間でデータの授受を行うための機能を搭載したものであれば、どのようなものであってもよく、例えば携帯電話、PHS(Personal Handyphone System:登録商標)、PDA(Personal Digital Assistance)のほか、パーソナルコンピュータであってもよい。
また、実施形態では、処理実行装置の例として自動演奏装置を挙げたが、これに限らず、処理を実行する装置であればよい。ただし、音声再生装置10から音声信号として指示情報が送信されてくるので、楽音を処理する機能を備えた処理実行装置であることが望ましい。このように、制御対象となる処理実行装置の種類を問わないので、1つの音声再生装置10に対し、各種の処理実行装置用の制御ファイルを記憶させることで、複数の処理実行装置を遠隔制御することが可能となる。
【0046】
(3−2)変形例2
制御ファイルや音声ファイルは、ネットワークに接続されたサーバ装置に限らず、記録媒体から音声再生装置10によって読み出されて記憶部に記憶されてもよい。つまり、音声ファイルや制御ファイルの取得形態はどのようなものであってもよい。
【0047】
(3−3)変形例3
音声ファイルに基づく再生とMIDIファイルに基づく自動演奏との同期の取り方は、実施形態に記載したものに限らず、どのようなものであってもよい。例えば特開2003−271138号公報に開示されているような方法を用いてもよい。前者の方法は、音声信号のピーク時期を検出し、そのピーク時期において時間管理用のイベントを生成し、そのイベントと計時手段による計時結果とに基づいて同期をとるというものである。
【0048】
(3−4)変形例4
また、上述した制御部11やコントローラ21が実行するプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。即ち、本発明をプログラムとして実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態における再生システムの構成を示す図である。
【図2】同実施形態における音声再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における音声ファイルの構造を説明する図である。
【図4】同実施形態における制御ファイルの構造を説明する図である。
【図5】同実施形態における制御ファイルの構造を説明する図である。
【図6】同実施形態における制御ファイルの種類を説明する図である。
【図7】同実施形態における自動演奏装置の構成を示すブロック図である。
【図8】同実施形態におけるMIDIファイルの構造を説明する図である。
【図9】同実施形態における動作例を説明するシーケンス図である。
【図10】同実施形態における音声再生装置に表示される画面例を示す図である。
【図11】同実施形態における音声再生装置に表示される画面例を示す図である。
【図12】同実施形態における音声再生装置に表示される画面例を示す図である。
【図13】同実施形態における音声再生装置に表示される画面例を示す図である。
【図14】同実施形態における動作例を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0050】
10・・・音声再生装置、11・・・制御部、13・・・通信部、14・・・記憶部、20・・・自動演奏装置、21・・・コントローラ、22・・・記憶部、24・・・通信部、25・・・操作部、26・・・演奏部、26d・・・ピアノ電子回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を再生する音声再生装置と、処理を実行する処理実行装置とを備える処理システムであって、
前記音声再生装置は、
音声ファイルの内容に基づいた音声信号を出力する再生手段と、
前記処理実行装置に対して処理の内容を指示する指示情報を含む制御ファイルを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された制御ファイルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶されている前記制御ファイルを読み出し、当該制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として出力させる制御手段とを備え、
前記処理実行装置は、
前記再生手段によって出力される音声信号を入力する入力手段と、
前記入力手段に入力される前記音声信号に基づいて、前記指示情報が表す処理の内容を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された内容の処理を実行する処理手段とを備える
ことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
前記音声再生装置の前記記憶手段は、前記処理実行装置に対して処理の対象を指示する指示情報を含む制御ファイルを記憶し、
前記処理実行装置の前記特定手段は、前記入力手段に入力される前記音声信号に基づいて、前記指示情報が表す処理の対象を特定し、
前記処理実行装置の前記処理手段は、前記特定手段によって特定された処理の対象に対して、前記特定手段によって特定された内容の処理を実行する
ことを特徴とする請求項1記載の処理システム。
【請求項3】
前記音声再生装置の前記記憶手段は、前記処理実行装置に対してそれぞれ異なる処理を指示する指示情報を含む複数の制御ファイルを記憶しており、
前記音声再生装置は、前記複数の制御ファイルのうちいずれかを指定する指定手段を備え、
前記音声再生装置の前記制御手段は、前記指定手段によって指定された前記制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として出力させる
ことを特徴とする請求項1記載の処理システム。
【請求項4】
前記音声再生装置の前記取得手段は、前記制御ファイルを記憶する装置からネットワークを介して又は前記制御ファイルを記憶する記録媒体から読み出して、前記制御ファイルを取得する
ことを特徴とする請求項1記載の処理システム。
【請求項5】
音声ファイルの内容に基づいた音声信号を出力する再生手段と、
処理実行装置に対して処理の内容を指示する指示情報を含む制御ファイルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶されている前記制御ファイルを読み出し、当該制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として前記処理実行装置へと出力させる制御手段と
を備えることを特徴とする音声再生装置。
【請求項6】
コンピュータを、
音声ファイルの内容に基づいた音声信号を出力する再生手段と、
処理実行装置に対して処理の内容を指示する指示情報を含む制御ファイルを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された制御ファイルを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶されている前記制御ファイルを読み出し、当該制御ファイルに含まれる指示情報を、前記再生手段から音声信号として前記処理実行装置へと出力させる制御手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−242200(P2008−242200A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84216(P2007−84216)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】