説明

出来形管理システム及び出来形管理方法

【課題】より容易な出来形管理を可能にする出来形管理システム及び出来形管理方法を実現する。
【解決手段】出来形管理システム100において、地中に圧入された杭材P1の出来形が仮想図形(コンピュータグラフィックス)として表示部42に表示されるので、その表示部42に表示される杭材P1の仮想図形をユーザが視認することで、実際には地中に圧入されていて目視することができない杭材P1の根入部分を確認することができ、また、杭材P1の圧入完了とほぼ同時に、表示部42にその杭材P1(既設杭P)の出来形が表示されたり、その出来形に関する各種データ(基準高、変位量、根入長など)が数値化されて示されたりするので、ユーザは、施工後の杭材P1(既設杭P)に対する測量を行うことなく、その出来形管理を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に打設する鋼矢板等の出来形管理システム及び出来形管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に打設する鋼矢板の継手部に、傾斜計を収納した保護パイプを装着して、打設中あるいは打設完了後の鋼矢板の傾きを計測する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−245845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、鋼矢板などの杭材の傾きに関する管理は可能であるが、打設完了した杭材の出来形(例えば、基準高、変位量、根入長など)を管理するには、施工後に地表面に突出している杭材の上端部分を測量して算出しなければならず、出来形管理を行うための作業には労力や時間がかかるため、その出来形管理は煩わしいものであった。また、杭材が継手部を軸として回転した場合にはその判別はできなかった。
【0005】
本発明の目的は、より容易な出来形管理を可能にする出来形管理システム及び出来形管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、出来形管理システムであって、
地中に圧入される杭材に取り付けられる複数個の測標と、
前記杭材の圧入とともに変動する前記測標の位置を測定する3次元位置測定器と、
既設杭材の天端継手嵌合部の位置データと前記3次元位置測定器により測定された前記測標の位置データに基づき、前記杭材の姿勢に関する座標データを算出する座標算出制御部と、
前記座標算出制御部により算出された前記座標データに基づき、前記杭材の姿勢を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の出来形管理システムにおいて、
前記表示部は、前記杭材の姿勢に対応する表示図形を表示することで、前記杭材の移動軌跡および前記杭材が圧入完了した出来形を表示することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の出来形管理システムにおいて、
前記杭材を把持してチャック装置を上昇、下降させることを繰り返して、前記杭材を地中に圧入する杭圧入機による打設工程において、前記3次元位置測定器が前記測標のうち予め定めた第1測標の位置を測定し、所定のタイミングで前記位置データを受信するとともに、前記杭圧入機が前記杭材を離して前記チャック装置を上昇させる際に発信した所定のタイミング信号を受信する信号受信部を備え、
前記信号受信部が、前記タイミング信号を受信したことに伴い、前記3次元位置測定器が前記測標のうち予め定めた第2測標の位置を測定するとともに、前記位置データを前記信号受信部で受信することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の出来形管理システム
前記座標算出制御部により算出された前記座標データに基づき、前記杭材の姿勢が適正であるか否かを判断する判断制御部を備え、
前記判断制御部が、前記杭材の姿勢が適正でないと判断した場合、前記表示部に、前記杭材の異常を報知する警告を表示することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の出来形管理システムにおいて、
前記杭材を地中に圧入する杭圧入機に対して、その杭圧入機を遠隔操作するための指示信号を出力する信号出力部を備え、
前記判断制御部が、前記杭材の姿勢が適正でないと判断した場合、前記信号出力部から前記杭圧入機の操作部に前記杭材の異常を報知する警告報知指示信号を出力することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の出来形管理システムにおいて、
前記判断制御部が、前記杭材の姿勢が適正でないと判断した場合、前記信号出力部から前記杭圧入機を停止させる停止指示信号を出力することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、出来形管理方法であって、
地中に圧入される杭材に取り付けられた複数個の測標の位置を3次元位置測定器で測定し、
次いで、既設杭材の天端継手嵌合部の位置データと 前記3次元位置測定器により測定された前記測標の位置データに基づき、前記杭材の姿勢に関する座標データを算出し、その座標データに基づき前記杭材の姿勢に対応する表示図形を所定の表示部に表示することで、前記杭材の移動軌跡および前記杭材が圧入完了した出来形を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、地中に圧入された杭材の姿勢を、例えば、仮想の表示図形として表示部に表示することができるので、ユーザは、その表示部に表示される杭材の表示図形を視認することで、実際には地中に圧入されていて目視することができない杭材の根入部分も確認することが可能になる。
特に、圧入される杭材の姿勢に対応する移動軌跡および出来形が自動的に表示部に表示されるので、施工後の杭材に対する測量を行うことなく、より容易に杭材の出来形管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る出来形管理システムの概念を示す説明図である。
【図2】新たに圧入する杭材を既設の杭材の継手部に嵌合させた状態を示す説明図である。
【図3】チャック装置を上昇・下降させて杭材を地中に打設する圧入工程の状態を示す説明図である。
【図4】出来形管理システムにおける出来形管理装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図であり、圧入開始時の杭材(a)、圧入中の杭材(b)、圧入完了後の杭材(c)を示している。
【図5】出来形管理システムにおける出来形管理装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図であり、杭列の出来形を示している。
【図6】本発明に係る出来形管理方法の処理工程を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る出来形管理方法の割り込み処理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る出来形管理システム及び出来形管理方法の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
出来形管理システム100は、図1に示すように、杭圧入機10によって地盤Gに圧入される杭材P1に複数個取り付けられる測標20と 、測標20の位置を測定する3次元位置測定器30と、3次元位置測定器30によって測定された測標20の位置データに対して所定の処理を施し、杭材P1の配置や姿勢、出来形に関する情報を取得する出来形管理装置40と、により構成されている。
【0017】
杭圧入機10は、 矢板などの杭材P1を地中に圧入する圧入機であり、既に地盤Gに圧入された既設杭Pの上端側を掴んで支持する複数(例えば、3つ)のクランプ装置11…を備えたサドル12と、サドル12に対して前後動可能なスライドベース13と、スライドベース13上で左右に旋回可能なリーダマスト14と、リーダマスト14の前面に昇降可能に取り付けられるチャック装置15と、リーダマスト14に対してチャック装置15を昇降駆動するメイン油圧シリンダ16と、オペレータにより操作がなされる圧入機操作部17等を備えている。また杭材P1は、鋼矢板、鋼管矢板、コンクリート矢板、PC壁体などであって前記圧入機で圧入する杭材である。
【0018】
クランプ装置11は、先に圧入された既設杭Pの上端側を掴むことによって、杭圧入機10を既設杭Pの上端部に支持させる。
特に、クランプ装置11は、掴んで支持した既設杭Pから反力を取って、杭圧入機10が新たな杭材P1を既設杭Pに並べて圧入することができるように、杭圧入機10を既設杭Pの上端部に設置するようになっている。
なお、クランプ装置11…は、例えば、先頭の基準となるクランプ装置11を除いて、サドル12に対して左右や前後に移動可能となっており、これにより円弧等の湾曲した線に沿って並んで圧入された複数の既設杭P(杭列)の上端側を複数のクランプ装置11でそれぞれ掴むことが可能となっているとともに、その杭列の各杭の間隔が多少異なることがあっても対応できるようになっている。
【0019】
スライドベース13は、サドル12に対し前方に移動してチャック装置15を水平に前側に移動させることにより、サドル12を移動することなく、先頭のクランプ装置11が支持している既設杭Pの先に、二本の杭を前後方向に並べて順次圧入可能となっている。
リーダマスト14は、スライドベース13に対し左右に旋回可能とされることにより、順次並んで圧入される杭の列の方向を直角に曲げたり、湾曲して曲げたりすることが可能となっている。
これらスライドベース13とリーダマスト14とにより、圧入機本体のクランプ装置11…を備えたサドル12に対してチャック装置15を水平方向に移動可能となっている。
【0020】
チャック装置15は、その背面側がリーダマスト14の前面側に昇降可能に嵌合した状態とされるとともに、リーダマスト14とチャック装置15に接続されたメイン油圧シリンダ16により昇降駆動されるようになっている。
また、チャック装置15の内部には、所定の油圧シリンダの駆動により作動して、上下に貫通した状態の杭材P1を外側から押圧して把持する図示しない杭把持部が設けられている。
そして、チャック装置15の昇降範囲は限られているので、杭材P1を把持してチャック装置15を下降させることと、杭材P1を離してチャック装置15を上昇させることを繰り返すようになっている。これにより、1ストローク分ずつ杭材P1を圧入することが繰り返され、チャック装置15の昇降範囲より深く杭材P1を地中に圧入することが可能になっている。
【0021】
圧入機操作部17は、例えば、出来形管理装置40と無線通信を行うためのアンテナなどを有し各種信号の送受信を行う通信部17aと、各種画面を表示する表示部17bと、上記各部を統括制御する制御部17c等を備えている。
通信部17aは、杭圧入機10におけるチャック装置15が、杭材P1を離して上昇する際に、所定のタイミング信号を出来形管理装置40に向けて発信する。なお、チャック装置15が杭材P1を離して上昇する間、杭材P1は地盤Gに対して静止状態を維持しているので、このタイミング信号は、杭材P1が静止しているタイミングを出来形管理装置40に通知することを可能にする。
また、通信部17aは、出来形管理装置40から出力された無線信号を受信する。
表示部17bは、出来形管理装置40から出力された無線信号に基づく各種表示画面、例えば、警告報知指示信号に基づく警告報知画面を表示する。
制御部17cは、杭圧入機10の動作を検知して、例えば、チャック装置15が杭材P1を離して上昇するタイミングにあわせて所定のタイミング信号を通信部17aから発信させたり、通信部17aで受信した警告報知指示信号に基づく警告報知画面を表示部17bに表示させたりする。
また、制御部17cは、通信部17aで受信した無線信号である停止指示信号に基づいて、杭圧入機10の動作を停止させる。
このように、杭圧入機10は、出来形管理装置40との無線通信機能を有しており、出来形管理装置40からの遠隔操作信号を受信することで、リモートコントロールされるようになっている。
【0022】
なお、杭圧入機10は、順次杭材P1を圧入する際に、新たに圧入した既設杭Pに対してクランプ装置11を備えるサドル12を移動させるようにして、杭P一本分に対応して前進することができる。この杭圧入機10の杭列上の移動に関する動作や、杭材P1を連設して杭列を構築する動作は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
【0023】
測標20は、例えば、反射プリズムや反射シートであり、杭圧入機10によって地中に圧入される杭材P1の上端側の所定の基準位置に取り付けられる。特に、測標20は、地中に埋入してしまわない杭材部分(例えば、天端部)に、3次元位置測定器30による位置測定が可能な向きに取り付けられる。また、測標20は、複数個設けられているので杭材P1の回転や傾きが正確に判別できることとなって好適である。
【0024】
3次元位置測定器30は、例えば、自動視準機能および自動追尾機能を有する3次元トータルステーションであって、測標20に対してレーザー等のサーチ光を照射するとともに、測標20からの反射光を検出して、測標20の位置を測定する。また、3次元位置測定器30は、デジタルカメラのAF機能を用いて位置を検出するようにしてもよい。
この3次元位置測定器30は、予め定められた基準点または座標値が確定した点に設置されており、その基準点から測標20までの距離と角度を測定することで、基準点と測標20の位置関係を対応付けるようにして、測標20の位置を正確に測定することが可能になっている。
また、3次元位置測定器30は、出来形管理装置40との無線通信機能を有しており、測定した測標20の位置データを出来形管理装置40に送信したり、出来形管理装置40からの遠隔操作信号を受信したりする。
【0025】
出来形管理装置40は、例えば、操作部41、表示部42、通信部43、制御部44等を備えて構成される。
【0026】
操作部41は、例えば、キーボードやマウス、表示部42に重ねて配されるタッチパネルなどであって、3次元位置測定器30に測標20の位置測定を実行させたり、3次元位置測定器30が測標20の位置測定により検出した測標20の位置データを出来形管理装置40に向けて送信させたりする遠隔操作指示を、ユーザが入力するためのものである。
また、操作部41は、出来形管理装置40が3次元位置測定器30から取得した測標20の位置データに所定の処理を施す操作指示を入力するためのものである。
なお、杭材P1の出来形の管理を行うために必要な杭材P1に関するデータ(例えば、杭材P1の長さやサイズ、形状等)は、この操作部41を介して予め入力することができる。
【0027】
表示部42は、例えば、液晶ディスプレイであって、3次元位置測定器30から取得した測標20の位置データや、その位置データに基づく杭材P1の姿勢データを表示する。
特に、表示部42は、杭材P1の姿勢に対応する仮想の表示図形を表示することで、地中に圧入される杭材P1の移動軌跡や、その杭材P1が圧入完了されてなる既設杭Pとしての出来形を表示することが可能になっている。
【0028】
通信部43は、3次元位置測定器30や杭圧入機10と無線通信を行うためのアンテナなどを備え、各種信号の送受信を行うようになっている。
そして、通信部43は、3次元位置測定器30や杭圧入機10を遠隔操作するための操作信号を出力する信号出力部として機能する。
また、通信部43は、圧入機操作部17の通信部17aから発信された、所定のタイミング信号を受信する信号受信部として機能する。また、通信部43は、3次元位置測定器30から発信された測標20の位置データを受信する信号受信部として機能する。
特に、通信部43は、3次元位置測定器30から送信された、測標20の位置データを受信し、その位置データを制御部44に送出する。
【0029】
制御部44は、例えば、CPU(Central Processing Unit)44aと、RAM(Random Access Memory)44bと、記憶部44c等を備えて構成される。
【0030】
CPU44aは、例えば、記憶部44cに記憶された出来形管理装置40用の各種処理プログラムに従って各種の制御処理を行う。
【0031】
RAM44bは、例えば、CPU44aによって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0032】
記憶部44cは、例えば、出来形管理装置40で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU44aによって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。
例えば、処理プログラムとして、位置データ取得プログラム、座標算出制御プログラム、仮想図形作成プログラム、図形表示制御プログラム、判断制御プログラム、警告表示プログラム、警告報知プログラム、緊急停止プログラム等が、記憶部44cに格納されている。
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶されている。
【0033】
具体的に、制御部44は、CPU44aが位置データ取得プログラムを実行することにより、3次元位置測定器30を遠隔操作して杭材P1の圧入中に測標20を自動追尾させて位置測定を行わせ、測定された位置データを通信部43で受信してその位置データを取得するとともに、通信部43が、圧入機操作部17の通信部17aから発信された所定のタイミング信号を受信したことに伴い3次元位置測定器30を遠隔操作して、3次元位置測定器30に追尾していた測標20(第1測標)の 位置測定を行わせ、次いで他の測標20(第2測標)の位置測定を行わせ、測定された測標20の位置データを通信部43で受信して、その位置データを取得する位置データ取得制御部として機能する。
なお、通信部43が所定のタイミング信号を受信したタイミングは、杭圧入機10におけるチャック装置15が杭材P1を離して上昇するタイミングであって、杭材P1が静止している状態に対応しているので、その静止した状態の杭材P1に取り付けられている測標20の位置を3次元位置測定器30で測定することで、測標20の位置測定を精度よく行うことができる。また、前記タイミング信号の代わりに操作部41からの手入力信号としてもよい。
【0034】
また、制御部44は、CPU44aが座標算出制御プログラムを実行することにより、3次元位置測定器30により測定された測標20の位置データに基づき、その測標20が取り付けられている杭材P1の姿勢に関する座標データを算出する座標算出制御部として機能する。これら座標データを算出された順の時系列に沿って、所定の座標空間にプロットすることにより、杭材P1の経時的な姿勢変化を推定することができる。例えば、杭材P1が地中に圧入される方向や傾き、杭材P1が地中に圧入された程度(地中に埋入した杭材P1の長さ、地表面に残る杭材P1の長さ) など、地盤Gに対する杭材P1の姿勢を推定することができる。
なお、座標算出制御部としての制御部44は、先に圧入が完了して既設杭Pとなった杭材P1の座標データを指標として参照する回帰演算、補正演算を行うようにすることで、杭材P1の姿勢に関してより正確な座標データを算出することができる。
また、制御部44は、CPU44aが仮想図形作成プログラムを実行することにより、算出された座標データに基づき、杭材P1の姿勢に応じた仮想の表示図形データを作成する仮想図形作成制御部として機能する。なお、仮想図形作成制御部としての制御部44は、座標データと作成した表示図形データに基づき、杭材P1の姿勢や出来形に関する寸法データを作成する機能も有する。
また、制御部44は、CPU44aが図形表示制御プログラムを実行することにより、作成された仮想表示図形データに応じた表示図形を表示部42に表示させる図形表示制御部として機能する。なお、図形表示制御部としての制御部44は、表示図形に対応する座標データや寸法データを、その表示図形に合わせて表示する機能も有する。
そして、この図形表示制御部としての制御部44によって、座標データに基づく仮想の表示図形(例えば、仮想空間に配された杭材のコンピュータグラフィックス)が表示部42に表示されることで、実際の杭材P1の姿勢に対応する図形が表示部42に表示されることとなり、地中に圧入される杭材P1の移動軌跡(圧入完了前の姿勢)や、その杭材P1が圧入完了した既設杭Pとしての出来形を視覚的に認識することが可能になる。
【0035】
次に、座標の算出について詳細に説明する。
図2は、新たに圧入する杭材P1を既設の杭材Pの継手部に嵌合させ、図1に示した杭圧入機10(但し、図2では省略。)のチャック装置15(但し、図2では省略。)に建て込んだ状態を示している。このとき、杭材P1の天端には測標(第1測標)20a及び測標(第2測標)20bが取り付けられている。また、杭材P1の建て込みに先立って、既設杭材Pの天端継手嵌合部に測標20を取付け、3次元位置測定器30で測標20の位置を測定し、出来形管理装置40はその位置データを取得しておく。測標20は、位置の測定が終われば撤去しておく。
次いで、杭材P1に取付けられた測標20a及び測標20bも同様に位置を測定し、位置データを取得する。このとき、杭材P1の形状寸法は分かっているので、外力による変形がないものと仮定すれば、位置座標が既知の既設杭材Pの天端継手嵌合部を通過点として延びる杭材P1の先端50及び他の先端aや 先端eの座標が容易に求められる。出来形管理装置40の制御部44は、この各点の座標データに基づいて杭材P1の姿勢に対応する表示図形を表示部42に表示する。
【0036】
図3は、図1に示すチャック装置15(但し、図3では省略。)を上昇・下降させて杭材P1を地中に打設する圧入工程の状態を示している。3次元位置測定器30で、例えば、予め設定された測標(第1測標)20aを自動追尾させて圧入を開始する。そして、圧入に伴って刻々と移動する測標20aの位置データを所定のタイミングで取得する。このとき測標20bの移動ベクトルは、測標20aの移動ベクトルと同一として、測標20a 、20bの座標が算出される。出来形管理装置40の制御部44は、前記同様に圧入開始時に算出した既設杭材Pの天端継手嵌合部を通過点として杭材P1の先端50及び他の点の座標を算出し、各点の座標データに基づいて杭材P1の姿勢に対する表示図形を表示部42に表示する。
次いで、出来形管理装置40の通信部43が、杭圧入機10が杭材P1を離してチャック装置15を上昇させる際に発信した所定のタイミング信号を受信したとき、すなわち、杭材P1が地盤Gに対して杭圧入機10からの作用を受けることなく静止状態を維持しているとき、3次元位置測定器30が自動追尾していた測標(第1測標)20aの位置データを取得し、次に他の測標(第2測標)20bを測定して位置データを取得する。そして、出来形管理装置40の制御部44は、前記同様に圧入開始時の杭材P1の先端50の位置(地盤(G)の位置に相当)を 通過点として杭材P1の先端50および他の点(先端a、先端e)の座標を算出し、各点の座標データに基づいて杭材P1の姿勢に対する表示図形を表示部42に表示する。この杭材が静止状態から次の静止状態に移動する間 の測標(第2測標)20bの座標データは、このタイミングで再計算し、各点の座標データを補正する。従って、杭材P1が既設杭材Pとの継手嵌合部を軸に 回転した場合などの挙動を的確に把握できる。
【0037】
以上の工程が終了すると再び3次元位置測定器30に杭材P1天端の測標(第1測標)20aを自動追尾させ、以下所定の深度まで前記の手順を繰り返す。所定の深度、すなわち打ち止め時は、測標(第1測標)20a及び測標(第2測標)20bの位置データと1ステップ前の杭材先端50を仮想通過点として杭材P1の各先端の座標を算出するので、精度よく不可視部分である地中杭材先端位置を推定できる。なお、打ち止め時の測標(第1測標)20aの位置データが、次に圧入する杭材に対する既設杭材の天端継手嵌合部の位置データとなるので、改めて測標20を設置して位置を測定する必要はない。
【0038】
そして、具体的には、図4、図5に示すように、地中に圧入された杭材P1の移動軌跡や出来形が、仮想図形として表示部42に表示される。例えば、図4(a)(b)(c)に示すように、杭材P1が地中(地盤G)に圧入されていく過程が、杭材の形状図形によって表示されるとともに杭材P1に関する要所の座標データが表示される。また、例えば、図5に示すように、杭材P1が連設されてなる杭列を示すコンピュータグラフィックスや寸法データが表示される。
この表示部42に表示される杭材P1の仮想図形をユーザが視認することで、実際に地中に圧入された杭材P1では視認できない根入部分を確認することができるメリットがある。
特に、杭材P1の圧入完了とほぼ同時に、表示部42にその杭材P1(既設杭P)の出来形が表示され、また、座標データや仮想表示図形データに基づき出来形に関する各種データ、例えば、杭材P1(既設杭P)の地上部分の基準高、杭列に対する杭材P1(既設杭P)のズレなどの変位量、地中に埋まった杭材P1(既設杭P)の根入長などが数値化されて示されるので、ユーザは、杭材P1の出来形を容易に把握することができる。
つまり、この出来形管理システム100を利用することで、施工後の杭材P1(既設杭P)に対する測量を行う手間を省くことができるので、より容易な出来形管理が可能になる。
【0039】
また、制御部44は、CPU44aが判断制御プログラムを実行することにより、座標算出制御部としての制御部44により算出された座標データに基づき、杭材P1の姿勢が適正であるか否かを判断する判断制御部として機能する。
なお、判断制御部としての制御部44は、算出された座標データが座標データに関する許容範囲を超えたとの判定や、座標データのプロットにより得られる杭材P1の傾きが鉛直性に関する閾値を超えたとの判定に応じて、杭材P1の姿勢が適正でないと判断するようになっている。つまり、予定された地点からずれて杭材P1が圧入されてしまった場合や、規定の鉛直性が得られずに杭材P1が傾いてしまった場合などに、杭材P1の姿勢が適正でないと判断される。
また、制御部44は、判断制御部(44)によって、杭材P1の姿勢が適正でないと判断された場合に、CPU44aが警告表示プログラムを実行することにより、杭材P1の異常を報知する警告を表示部42に表示させる警告表示制御部として機能する。同様に、制御部44は、判断制御部(44)によって、杭材P1の姿勢が適正でないと判断された場合に、CPU44aが警告報知プログラムを実行することにより、信号出力部としての通信部43から杭圧入機10(圧入機操作部17)に向けて警告報知指示信号を出力し、杭材P1の異常を報知する警告報知画面を圧入機操作部17の表示部17bに表示させる警告報知指示制御部として機能する。
そして、この警告表示制御部としての制御部44によって、所定の警告が表示部42に表示されることや、警告報知指示制御部としての制御部44によって、圧入機操作部17の表示部17bに所定の警告が表示されることで、杭材P1に何らかの異常が生じたことを、ユーザや杭圧入機10のオペレータが認識することができるので、杭材P1の状態を確認したり、杭圧入機10を停止させたりするなど対処することが可能になる。
【0040】
また、制御部44は、判断制御部(44)によって、杭材P1の姿勢が適正でないと判断された場合に、CPU44aが緊急停止プログラムを実行することにより、信号出力部としての通信部43から杭圧入機10を停止させる停止指示信号を出力する緊急停止制御部として機能する。
そして、この緊急停止制御部としての制御部44によって、杭圧入機10(圧入機操作部17)が遠隔操作されて停止されることで、異常な状態のまま、杭材P1が圧入されてしまうことを防ぐことができる。
【0041】
次に、杭圧入機10によって地中に圧入される杭材P1の出来形を、この出来形管理システム100によって管理する出来形管理方法について、図6、7に示すフローチャートに基づき説明する。
【0042】
まず、ユーザは、杭圧入機10と3次元位置測定器30を起動させ、出来形管理装置40の操作部41を操作することにより、出来形管理システム100を起動させる(ステップS1)。なお、杭圧入機10が地中に圧入することとなる杭材P1には、予め設定された複数の所定位置に各々測標20が取り付けられている。
起動した3次元位置測定器30は、自動視準機能および自動追尾機能によって、杭圧入機10により地中に圧入される杭材P1に取り付けられている測標(第1測標)20を追尾する側標として設定し(ステップS2)、この測標20の位置を所定のタイミングで測定し、その測標20の位置データを取得する(ステップS3)。
そして、3次元位置測定器30は、取得した位置データを出来形管理装置40に向けて送信し、出来形管理装置40は、その送信された位置データを受信する(ステップS4)。
【0043】
次いで、出来形管理装置40の制御部44は、通信部43を介して受信した測標20の位置データに基づき、その測標20が取り付けられている杭材P1の姿勢に関する座標データを算出し、更に、制御部44は、その座標データに基づき、杭材P1の姿勢に応じた仮想の杭材の図形データを作成して、座標データに基づく仮想の杭材図形データに応じた表示図形を仮想空間に配するように表示部42に表示する(ステップS5)。
こうして、実際の杭材P1の姿勢に応じた座標データに基づき、その杭材P1の姿勢のモデルとなる仮想杭材のコンピュータグラフィックスを表示部42に表示することで(図4、図5参照)、ユーザは、そのコンピュータグラフィックスを実際の杭材P1に対応させて、杭材P1の配置や姿勢、出来形を認識することができる。
【0044】
次いで、出来形管理装置40の制御部44は、圧入中の杭材P1に関する座標データが許容範囲外のデータであるか否か、または、座標データに基づく仮想杭材の傾きが鉛直性に関する閾値を超えているか否かを判断する(ステップS6)。
制御部44が、座標データが許容範囲外のデータである、座標データに基づく仮想杭材の傾きが鉛直性に関する閾値を超えている、と判断すると(ステップS6;Yes)、制御部44は、表示部42と圧入機操作部17の表示部17bに杭材P1の姿勢に異常がある旨の警告表示を行い(ステップS7)、ステップS9へ進む。
一方、制御部44が、座標データは許容範囲内のデータである、座標データに基づく仮想杭材の傾きは鉛直性に関する閾値を超えていない、と判断すると(ステップS6;No)、ステップS8へ進む。
【0045】
ステップS8において、制御部44は、杭圧入機10による杭材P1の圧入が継続しているか否か(例えば、施工予定数として、予め設定入力された数の杭材P1の圧入を全て終えたか否か)を判断する(ステップS8)。
制御部44が、圧入継続中であると判断すると(ステップS8;Yes)、ステップS3に戻り、姿勢が変わった杭材P1に応じた位置データを得て、出来形管理処理を継続する。
一方、制御部44が、圧入作業完了と判断すると(ステップS8;No)、ステップS9へ進む。
【0046】
ステップS9において、制御部44は、出来形管理システム100を停止して(ステップS9)、杭圧入機10と3次元位置測定器30を停止させて出来形管理処理を終了する。
【0047】
また、杭圧入中に、圧入機10のチャック装置15が杭材P1を離して上昇するタイミング、より詳細には、出来形管理装置40の通信部43が、圧入機操作部17の通信部17aから発信された所定のタイミング信号を受信したタイミングであって、杭材P1が静止しているタイミングに、出来形管理装置40の制御部44は割り込みルーチンを処理して、その杭材P1に取り付けられている測標20の位置を3次元位置測定器30で測定することで、精度よく測標20の位置データを取得することができる。
具体的には、図7に示すように、制御部44は、所定のタイミング信号を受信すると、割り込み処理をスタートさせ、3次元位置測定器30に追尾中の測標(第1測標)20aの位置データを取得させる(ステップS11)。
【0048】
次いで、制御部44は、3次元位置測定器30に、取得した位置データを出来形管理装置40に向けて送信させ、出来形管理装置40の通信部43は、その送信された位置データを受信する(ステップS12)。
次いで、制御部44は、3次元位置測定器30に、他の測標(第2測標)20の位置測定を行わせ(ステップS13)、通信部43は、測定された測標(第2測標20)の位置データを受信して(ステップS14)、その位置データを取得する。
【0049】
次いで、制御部44は、取得した測標(第1測標)20aの位置データ及び他の測標(第2測標)20の位置データに基づいて、例えば、図3の杭材P1の先端50および他の点(先端a、先端e)の座標を算出し、各点の座標データに基づいて杭材P1の姿勢に対する表示図形を表示部42に表示する(ステップS15)。
次いで、制御部44は、再び3次元位置測定器30に杭材P1天端の測標(第1測標)20aを自動追尾させるように設定を行い、本割り込み処理を終了する。
【0050】
以上のように、本発明に係る出来形管理システム100によれば、地中に圧入された杭材P1の出来形が、仮想図形として表示部42に表示されるので、その表示部42に表示される杭材P1の仮想図形(コンピュータグラフィックス)をユーザが視認することで、実際には地中に圧入されていて目視することができない杭材P1の根入部分も確認することができるので、品質確保に寄与する。
特に、杭材P1の圧入完了とほぼ同時に、表示部42にその杭材P1(既設杭P)の出来形が表示されたり、その出来形に関する各種データ(基準高、変位量、根入長など)が数値化されて示されたりするので、ユーザは、杭材P1の出来形を容易に把握することができる。
つまり、この出来形管理システム100による杭材P1の出来形管理であれば、施工後の杭材P1(既設杭P)に対する測量を行う手間を省くことができるので、より容易に出来形管理を行うことができるので、現地確認検査を簡素化することも可能となる。
【0051】
また、この出来形管理システム100によれば、圧入中の杭材P1に関する座標データから、その杭材P1の姿勢が適正でない、例えば、異常な傾きが生じていることが判断されると、異常警告が行われたり、杭圧入作業が緊急停止されたりするので、異常な状態のまま、杭材P1が圧入されてしまうことを防ぐことができる。
【0052】
なお、以上の実施の形態においては、3次元位置測定器30と出来形管理装置40は無線通信可能な構成であるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ケーブルを介する有線通信可能な構成であってもよく、また、3次元位置測定器30と出来形管理装置40が一体となった構成であってもよい。
【0053】
また、以上の実施形態において、杭材P1(既設杭P)の出来形を表示部42に表示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、杭材の座標データに応じたCADデータ、GISデータに基づき、設計図書(CAD図、地図)に反映させ、印刷出力するようにしてもよい。また、出来形に関するデータを記録媒体に記録することで、システムから出力するようにしてもよい。
【0054】
また、以上の実施形態において、杭材P1に何らかの異常が生じたことに関する警告を表示部42と圧入機操作部17の表示部17bに表示させて報知するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、アラームなどの鳴動により警報音を発することで、異常の警告を報知するようにしてもよい。
【0055】
また、以上の実施例において、1台の3次元位置測定器で複数個の位置測標を測定したが、複数台の3次元位置測定器で複数個の測標を位置測定することも自在である。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
10 杭圧入機
17 圧入機操作部
20 測標
20a 第1測標
20b 第2測標
30 3次元位置測定器
40 出来形管理装置
41 操作部
42 表示部
43 通信部(信号受信部、信号出力部)
44 制御部(座標算出制御部、判断制御部)
100 出来形管理システム
P1 杭材
P 既設杭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に圧入される杭材に取り付けられる複数個の測標と、
前記杭材の圧入とともに変動する前記測標の位置を測定する3次元位置測定器と、
既設杭材の天端継手嵌合部の位置データと前記3次元位置測定器により測定された前記測標の位置データに基づき、前記杭材の姿勢に関する座標データを算出する座標算出制御部と、
前記座標算出制御部により算出された前記座標データに基づき、前記杭材の姿勢を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする出来形管理システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記杭材の姿勢に対応する表示図形を表示することで、前記杭材の移動軌跡および前記杭材が圧入完了した出来形を表示することを特徴とする請求項1に記載の出来形管理システム。
【請求項3】
前記杭材を把持してチャック装置を上昇、下降させることを繰り返して、前記杭材を地中に圧入する杭圧入機による 打設工程において、前記3次元位置測定器が前記測標のうち予め定められた第1測標の位置データを測定し、所定のタイミングで前記位置データを受信するとともに、前記杭圧入機が前記杭材を離して前記チャック装置を上昇させる際に発信した所定のタイミング信号を受信する信号受信部を備え、
前記信号受信部が、前記タイミング信号を受信したことに伴い、前記3次元位置測定器が前記測標のうち予め定められた第2測標の位置を測定するとともに、前記位置データを前記信号受信部で受信することを特徴とする請求項1又は2に記載の出来形管理システム。
【請求項4】
前記座標算出制御部により算出された前記座標データに基づき、前記杭材の姿勢が適正であるか否かを判断する判断制御部を備え、
前記判断制御部が、前記杭材の姿勢が適正でないと判断した場合、前記表示部に、前記杭材の異常を報知する警告を表示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の出来形管理システム。
【請求項5】
前記杭材を地中に圧入する杭圧入機に対して、その杭圧入機を遠隔操作するための指示信号を出力する信号出力部を備え、
前記判断制御部が、前記杭材の姿勢が適正でないと判断した場合、前記信号出力部から前記杭圧入機の操作部に前記杭材の異常を報知する警告報知指示信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の出来形管理システム。
【請求項6】
前記判断制御部が、前記杭材の姿勢が適正でないと判断した場合、前記信号出力部から前記杭圧入機を停止させる停止指示信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の出来形管理システム。
【請求項7】
地中に圧入される杭材に取り付けられた複数個の測標の位置を3次元位置測定器で測定し、
次いで、既設杭材の天端継手嵌合部の位置データと前記3次元位置測定器により測定された前記測標の位置データに基づき、前記杭材の姿勢に関する座標データを算出し、その座標データに基づき前記杭材の姿勢に対応する表示図形を所定の表示部に表示することで、前記杭材の移動軌跡および前記杭材が圧入完了した出来形を表示することを特徴とする出来形管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−261298(P2010−261298A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80528(P2010−80528)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000141521)株式会社技研製作所 (83)
【Fターム(参考)】