説明

出隅柱と出隅柱の面取り加工部へ塗装を施す塗装装置

【課題】頂角部3に凹凸を有する面取り加工部8sが形成された出隅柱Aの当該面取り加工部8sの塗装を多色塗りとする
【解決手段】塗布ロール40として、送り手段20で送られる出隅柱Aの面取り加工部8sの凹部8bに入り込むことのできる小径の塗布ロール40を用いる。塗布ロール40には、中間ロールとしてのグラビア印刷ロール50が接しており、グラビア印刷ロール50は、塗料溜まり48内の塗料49を引き上げてくる径の大きい塗料供給ロール36の周面に接している。塗料供給ロール36の塗料49は、柄模様パターンを形成するグラビア印刷ロール50を経て、十分に小径な塗布ロール40に引き移され、そこから面取り加工部8sに塗布される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出隅柱と出隅柱の面取り加工部へ塗装を施す塗装装置に関し、特に、頂角部の稜線に沿って凹凸面をなす面取り加工部が形成されている出隅柱の前記面取り加工部に塗装が施された出隅柱と、その塗装を施すための塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物の壁面の出隅部分に用いられる外装材として、図11に示すような出隅柱A1が知られている。出隅柱A1の製造には、通常、図12aに示すように、適宜の表面柄部5を持つ窯業建築板1が用いられ、それを適宜の幅に切断して板片1a、1aを作り、各板片の1つの側辺を斜め(45度の角度であることが多いが、これに限らない)に切断し(図12b)、切断面2、2同士を接着剤で接合して断面略L字形とする(図12c)。その際に、頂角部3にズレが生じたり、頂部から接着剤がはみ出すことがあるので、それを除去する等の目的で、テノーナー切削機のような機械的手段でもって、頂角部3に面取り加工4が施される(図12d)。従来の面取り加工では、切削加工面4は幅が10mm〜20mm程度の幅広な平坦面となり、面取りされた部分(切削加工面4)は板片1aの表面とは異なった色彩となるので、例えば、特許文献1、2に記載されるような装置を用いて、別途、後塗装が施される。
【0003】
【特許文献1】特許第3323126号公報
【特許文献2】特開2004−137707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面柄部として、図13aに上から見た斜視図を、図13bに側方から見た図を示すように、接合面に交差する方向に走る多数の凸条6と凹溝7からなるエンボス柄を有する板片1a、1aを接合して出隅柱A2を形成することもある。隣接する凸条6、6の頂部間の距離a(図13b)は平均して30mm程度以下であり、5mm〜20mm程度のものが多い。また、凹溝7の平均深さ(凸条6の頂部から凹溝7の底部までの距離)は10〜20mm程度であり、10〜15mm程度のものが多い。このような表面柄部を持つ出隅柱A2に昼間の光があたるとき、左右の板片1a、1aに形成される凸条6の一方面は陽光部Sとなり、他方面は陰影部Dとなって、立体感を醸し出す利点がある。
【0005】
この形状の出隅柱A2の場合でも、頂角部3には面取り加工を施す必要があり、それをテノーナー切削機のような機械的手段で行うと、図13に示すように、菱形をなす平坦面である面取り加工部8w・・が各凸条6の頂部ごとに形成される。この面取り加工部8wに対して、前記特許文献1、2に記載した形態の塗装装置でもって塗膜を形成することができる。しかし、頂部3には平坦面である菱形の面取り加工部8wが存在するために、適宜の塗装を施したとしても、その部分が大きな陽光領域Saとなり違和感を感じさせる。
【0006】
そこで、図13に示すように板片1aを用いた出隅柱において、左右の板片1a、1aの繋がり部に自然観を持たせるために、頂角部3の面取り加工をエアグラインダ等を用いて、手作業で行うことが行われる。この場合には、図1に示すように、出隅柱Aの頂角部3に形成される凹凸に沿ってエアグラインダを移動することができるので、面取り加工部に上記したような菱形をなす平坦面が形成されることはなく、頂角部3の凹凸に倣った面取り加工部とすることができる。さらに、頂角部3の不規則な凹凸を、板片1a、1aの表面柄部に形成される多数の凸条6と凹溝7にほぼ一致させることができるので、繋ぎ目の連続感も見た者に与えることができる。本発明者らは、前記した形状を備えた出隅柱およびその製造を手作業でではなく機械的に行いうるようにした製造装置を、特願2004−159640号、特願2004−286636号、等として既に出願している。
【0007】
このようにして面取り加工された面取り加工部にも、表面柄部と同じような塗装を施すことが望まれるが、前記したように10〜20mm程度の深さである凹部が存在するために、前記した特許文献1や2に記載した装置では、面取り加工部全体に均一な塗装を施すことはできない。そのために手作業で塗装を行うこととなるが、多くの作業量を伴う。
【0008】
また、建築板表面の加工技術およびそこに対する塗装技術が進化し、前記したような凸条6と凹溝7からなるエンボス柄を表面柄部に有する建築板の場合にも、その表面にさらに複数の異なった柄模様を形成し、かつ、その柄模様に対して下塗りの塗膜とは異なった色彩の塗装を施して、柄の多様性および色模様の多様性を備えた高い商品価値のある建築板が市場に出るようになってきている。そのような付加価値の高い建築板を用いて出隅柱を作った場合でも、面取り加工部に、表面柄部に形成される柄模様と同様な柄模様を形成することは容易でなく、まして同様な色彩を持つ柄模様を形成することはきわめて困難であり、結果として、左右の板片の表面柄部の模様の連続性を見る者に与えることができず、高い商品価値を備えた出隅柱としては、なお改良する余地が残っている。
【0009】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、表面柄部に多様な色彩を備えた柄模様が構成されている板材を用いて出隅柱を作った場合であっても、左右の板材の表面柄部が連続しているような感覚を見る者に与えることができる塗装を面取り加工部に施した出隅柱を提供することを目的とする。また、頂角部の稜線に沿って凹凸面をなす面取り加工部が形成されている出隅柱の前記面取り加工部にそのような塗装を施すことのできる出隅柱の面取り加工部塗装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による出隅柱は、2枚の板片を頂角部が形成されるように接合して形成される出隅柱であって、頂角部には頂角部の稜線の凹凸に沿って面取り加工を行うことにより凹凸面をなす面取り加工部が形成されており、該面取り加工部には凹凸面に沿うようにして後塗装による塗膜が形成されており、該塗膜の少なくとも一部の領域には、塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明による出隅柱では、頂角部の稜線に形成される凹凸面をなす面取り加工部に沿うようにしてその全面に形成されている塗膜の上に、前記塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成される。そのために、出隅柱を構成する板片の表面柄部が多色構成の柄模様を備える場合にも、それに相応した多色塗り構成の柄模様を面取り加工部に形成することが可能であり、出隅柱を見たものに、左右の表面柄部の連続性を感じさせることができる。それにより、出隅柱の商品価値は高いものとなる。
【0012】
また、本発明による出隅柱においては、頂角部の稜線に形成される凹凸に沿うようにして形成された面取り加工部に上記のような塗装が施してあるので、出隅柱に斜め方向から光を当てたときに、面取り加工部に、表面柄部を構成するエンボス柄に生じる陰影とほぼ同様な陰影を生じさせることができる。そのことからも、面取り加工部を目立たないものとし、出隅柱に高級感を与えることができる。
【0013】
面取り加工部は幅の狭いものであることが好ましく、面取り加工部をより目立たなくすることができる。好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm〜2mm程度、さらに好ましくは、5mm〜2mm程度である。しかし、これに限らない。
【0014】
本発明による出隅柱において、前記塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成された領域は、面取り加工部の凹凸面の全域にわたっていてもよく、凸部領域だけであってもよい。前者の場合は、凹凸面の全域に形成されている単一色で塗装した基調色である塗膜(通常は、表面柄部の基調色と同じ色の塗膜)の全面にわたって、塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成され、後者の場合には、凹凸面の凹部領域の部分には単一色で塗装した基調色の塗膜がそのまま残り、凸部領域における基調色の塗膜の上にのみ、塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成される。
【0015】
本発明による出隅柱において、面取り加工部に形成される柄模様が、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の少なくとも一部を含むこと、あるいは、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の色彩の少なくとも1つを含むこと、は好ましい態様である。このようにして柄模様を構成することにより、出隅柱を見る者は、面取り加工部の存在をほとんど意識することなく、表面柄部が連続した一枚の部材としてとらえるようになり、出隅柱の高級感が一層高くなる。もちろん、意識的に出隅柱の面取り加工部を目立つようにしたい場合には、異なる柄模様と異なる色彩を採用することもできる。
【0016】
なお、本発明による出隅柱において、前記柄模様を形成する前工程として、面取り加工部に単一色で塗装した基調色である塗膜を形成することは必要であり、好ましくは、シーラー処理や、中塗り等も行われる。
【0017】
本発明による出隅柱において、面取り加工部に形成される凹凸面の大きさや形状に特に制限はないが、隣接する凸部の頂部間の距離は5mm〜100mmの範囲であり、凹部の隣接する凸部間の頂部を結ぶ線からの深さは2mm〜20mmの範囲であるのが、実際的である。
【0018】
本発明は、さらに、上記したような柄模様を出隅柱の面取り加工部に形成するための塗装装置も開示する。すなわち、本発明による出隅柱の面取り加工部塗装装置は、頂角部の稜線に沿って凹凸面をなす面取り加工部が形成されている出隅柱の当該面取り加工部へ塗装を施す装置であって、出隅柱の送り手段と、塗料溜まりと、該塗料溜まり内の塗料を前記送り手段で送られる出隅柱の面取り加工部に供給する塗料供給手段とを少なくとも備えており、該塗料供給手段は、一部が前記塗料溜まり内の塗料に浸漬している塗料供給ロールと、該塗料供給ロールで運ばれる塗料を受け取る1つ以上の中間ロールと、該中間ロールで運ばれる塗料を受け取りそれを出隅柱の面取り加工部に塗布する塗布ロールとを有しており、前記中間ロールのうちの塗布ロールに接している中間ロールはグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールであり、かつ、前記塗布ロールの直径は面取り加工部の凹凸面における凹部内に入り込むことのできる大きさであることを特徴とする。
【0019】
上記の出隅柱の面取り加工部塗装装置では、塗装に当たり、塗料溜まり内の塗料は塗料供給ロールの回転により塗料供給ロールの少なくとも周面に密着した状態で上方に運ばれる。運ばれてくる塗料は、中間ロールに受け取られ(転写され)、さらにそこから、塗布ロールに受け取られて、塗布ロールが送られてくる出隅柱の面取り加工部に接触することにより、面取り加工部の塗装が進行する。塗布ロールは面取り加工部の凹凸面における凹部内に入り込むことのできる大きさであり、塗布ロールが凹凸面に沿って回転しながら移動することにより、後記するように、凹凸面に所要の柄模様が形成される。
【0020】
本発明による塗装装置において、1つ以上の中間ロールのうちの塗布ロールに接している中間ロールはグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールであり、塗料供給ロール(あるいは他の中間ロール)にべた塗りされている塗料の一部のみが、グラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロール側に、そのロール面凹凸(柄模様)に応じて転写され、それが、塗布ロールに転写されて、前記のように面取り加工部へ塗布される。それにより、面取り加工部には、中間ロールであるグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールに形成されたロール面凹凸に沿った柄模様を形成することができる。
【0021】
上記した塗料溜まり内の塗料を出隅柱の面取り加工部に供給する塗料供給手段を、出隅柱の送り方向に直列に複数個配置することにより、2種以上の柄模様を形成すること、およびまたは2種以上の色で柄模様を形成することが可能となり、出隅柱の板片に形成されている表面柄部の柄模様あるいは色彩にあわせた色彩の柄模様を、容易に面取り加工部に塗布形成することができる。
【0022】
塗料供給ロールの周面で運ばれてくる塗料の量を調整ブレード等を設けて適宜調整することにより、塗料供給ロールから塗布ロール側へ引き取られる(転写される)量を適量に設定することができる。また、中間ロールがグラビア印刷ロールの場合には、そこに調製ブレードを配置して余分な塗料を排除することにより、より鮮明な柄模様を形成することができる。
【0023】
本発明による出隅柱の面取り加工部塗装装置において、好ましくは、前記塗料供給手段は、送り手段で送られる出隅柱の頂角部に形成される凹凸面に追従して全体が上下方向に移動するようにされる。これにより、頂角部の凹凸面に沿って一層確実に柄模様を形成することができる。そのための具体的な構成の一例として、出隅柱の送り方向を水平方向とし、その下方に塗料供給手段を配置するとともに、塗料供給手段の全体をばねにより上方に付勢した状態で、その塗布ロールを出隅柱の面取り加工部に圧接させるような構成を挙げることができる。
【0024】
本発明による出隅柱の面取り加工部塗装装置において、塗布ロールの直径は、基本的に、塗装しようとする出隅柱の面取り加工部に形成されている凹凸面における、特に凹部の大きさに応じて選定される。図1に示すような接合面に交差する方向に走る多数の凸条6と凹溝7からなるエンボス柄を有する板片1a、1aを接合して形成される出隅柱Aの場合、頂部間の距離、すなわち互いに隣接する凸条の頂部間の距離は5mm〜20mm程度であり、凹部の深さが2mm〜15mm程度であるのが普通であることから、好ましい塗布ロールの直径はほぼ2mm〜10mmの範囲である。また、塗布ロールに接するグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールである中間ロールの直径は、塗料供給ロールの塗布量を調整して過剰にならないためと塗料供給ロールを面取り加工部の凸部に接触させないための理由から15mm〜40mm程度が好ましい。塗料供給ロールの直径に特に制限はないが、200mm前後のものが望ましい。この場合、塗布ロールの直径は塗料供給ロールの直径のほぼ1/100〜1/20程度であり、塗布ロールの直径は塗料供給ロールの直径よりも十分に小さい。
【0025】
中間ロールは1つであってもよく、そのときは、その中間ロールがグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールとなる。塗料供給ロールとグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールである中間ロールとの間に、1つ以上の表面が平坦な中間ロールを配置してもよい。
【0026】
本発明による塗装装置において、前記したように、塗布ロールの直径は塗料供給ロールの直径に比べて十分に小さい。そのために、頂角部に形成されている凹凸面の特に凹部の深さが深いものであるときに、塗料供給ロールが近傍の凸部に衝接してしまい、塗布ロールが凹部の深いところまで入り込めないことが起こり得る。中間ロールを介在させることにより、それを解消することもできる。
【0027】
本発明による出隅柱の面取り加工部塗装装置において、塗布ロールは周面が平坦なものであってもよいが、周面にローレット加工による溝が形成されていてもよい。材質的には、芯部が硬く、表面は転写されやすい柔らかい材質の複合が望ましく、例えば、芯材に超硬金属系のもの、表面材は樹脂やゴム系の材料を用いることが望ましい。
【0028】
中間ロールの材質は、金属材料、樹脂材料、その複合した材料などであってよいが、金属材料が好ましい。金属ロールの表面を樹脂材料でコーティングしたものでもよい。グラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールである中間ロールにおいては、中間ロールの表面に、定法により、所要の凹模様あるいは凸模様が形成される。塗料供給ロールは通常の塗装ロールであってよく、ゴムロールが望ましい。
【発明の効果】
【0029】
さらに、本発明によれば、面取り加工部に多色塗りの柄模様を形成することにより、表面柄部が多様な模様あるいは多様な色彩で構成されている板材を用いて出隅柱を作った場合であっても、左右の板材の表面柄部が連続しているような感覚を見る者に与えることができる。それにより、より高級感のある出隅柱とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。図1は本発明による出隅柱の一例であって、面取り加工部に塗装を施す前の状態を上から見て示す斜視図であり、図2は面取り加工部を塗装した後の出隅柱を説明するための模式図である。図3は出隅柱の面取り加工部に本発明による塗装を施す方法を模式的に示す図であり、図4は本発明による出隅柱の他の形態を示す模式図である。また、図5は本発明で用いるグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロール(中間ロール)のロール表面に形成される柄模様の一例を模式的に示している。図6〜図10は、本発明による塗装装置の一例を説明するための図である。
【0031】
図1は、図12に基づき先に説明した板片1a、1aを用いて作った出隅柱に対して、その頂角部の面取り加工を、テノーナー切削機によってではなく、出隅柱Aの頂角部3に形成される凹凸に沿うようにして適宜の手段により面取り加工した状態を示している。この出隅柱Aでは、頂角部3が有している凸条6と凹溝7の繰り返し模様に応じた幅の狭い平坦でなく不規則な凹凸面(凸部8aと凹部8b)をなす面取り加工部8sが形成されている。面取り加工部8sは幅が狭いことから目立たなく、また、図13に示したもののように、大きな陽光領域Saが形成されることもない。
【0032】
このように頂角部3の稜線の凹凸に沿って凹凸面をなす面取り加工8sがなされている出隅柱Aの前記面取り加工8sに対して、本発明による塗装が施される。なお、本発明による出隅柱Aは、頂角部に凹凸面をなす面取り加工部を有することは必要であるが、左右の板片1a、1aの表面柄部およびその柄模様は任意であり、図1に示すものは一つの例示にすぎない。
【0033】
図2に模式図を示す出隅柱Aにおいて、左右の板片1a、1aの表面には、基調色である塗膜Pが全面に形成されており、その上に、星印で示した第1の柄模様Paが基調色とは異なる色Caで形成され、さらに、丸印で示した第2の柄模様Pbがやはり基調色とは異なる色Cbで形成されている。頂角部3に形成される面取り加工部8sは凹凸面をなしているが、図2では凹凸は省略している。
【0034】
この例において、面取り加工部8sには、板片1aの表面と同じように、基調色である塗膜Pが全面に形成されており、また、その下の層にはシーラー処理や中塗り等も行われている。塗膜Pの上には、第1の柄模様Paと同様な柄模様Pa1が色Caで形成され、また、第2の柄模様Pbと同様な柄模様Pb1がやはり色Cbで形成されている。
【0035】
出隅柱Aの面取り加工部8sは、上記のような塗装が施されているので、見る者は、左右の板片1a、1aに形成されている表面柄部の柄模様が、面取り加工部8sでとぎれることなく連続しているように感じることができる。さらに、この例において、図1に示すように、面取り加工部8sの幅は狭く、表面柄部に形成される凹凸模様に対応した凹凸面となっているので、面取り加工部8sに生じる陰影も左右の板材1a、1aに生じている陰影に連続しているように感じことができ、きわめて違和感がなく高級感のある出隅柱となる。
【0036】
このような塗装は、図3に示すような塗装装置を用いて行うことができる。図3において、36は図3には示されない塗料溜まり内の塗料Cbに浸漬している塗料供給ロールであり、塗料供給ロール36の回転により、塗料Cbはロール面に沿って引き上げられる。塗料供給ロール36には中間ロールとしてのグラビア印刷ロール50が接しており、引き上げられた塗料Cbはグラビア印刷ロール50のロール表面およびその表面に特定パターンを描いて形成されている多数の凹所51内に受け取られる。グラビア印刷ロール50のロール表面には調整ブレード60が衝接しており、ロール表面に付着した塗料Cbは回転の途中で落とされ、凹所51内の塗料Cbのみがさらに運ばれる。グラビア印刷ロール50には塗布ロール40が接しており、特定パターンPb1を形成している多数の凹所51内の塗料Cbは、そのパターンPb1のままで塗布ロール40の表面に転写される。
【0037】
一方、出隅柱Aは、面取り加工部8sを下に向けた状態で矢印方向に移送される。塗布ロール40を含む前記塗料供給手段は、移送される出隅柱Aの面取り加工部8sの凹凸面に塗布ロール40が接した状態を維持しながら、全体が面取り加工部8sの凹凸面に沿うように上下動できるようにされている。また、塗布ロール40はその移送に同期して回転できるようになっている。
【0038】
そのために、グラビア印刷ロール50に形成されたパターンPb1で塗布ロール40に転写された塗料Cbは、同じパターンを維持したままで、出隅材Aの面取り加工面8sに形成された凹凸面の上に転写される。
【0039】
図3に示した例では、出隅柱Aの面取り加工面8sには、すでに板片1aの表面柄部の基調色である塗膜Pが全面に塗布されており、さらに、同じ形態の塗布装置を用いて、塗膜Pの上に、板片1aの表面柄部に形成されている第1の柄模様Paと同様な柄模様Pa1が色Caで塗布されている(なお、図3では、黒丸で柄模様Pa1を示している)。グラビア印刷ロール50の表面には、板片1aの表面柄部に形成されている前記第2の柄模様Pbと同様な柄模様Pb1がパターンとして形成されており、塗料には色Cbのものを用いている。従って、出隅柱Aが塗布ロール40を通過することにより、面取り加工部8sの表面には、さらに、色Cbである柄模様Pb1が追加される(なお、図3では、白丸で柄模様Pb1を示している)。そのようにして塗装された後の出隅柱Aが、図2に模式図として示されている。
【0040】
なお、図示しないが、グラビア印刷ロール50に変えて、フレキソ印刷ロールを用いる場合には、フレキソ印刷ロールの凸部に塗料供給ロール36の塗料が転写され、それが塗布ロール40を経由して出隅柱Aの面取り加工部8sに塗布されることにより、面取り加工部8sに、グラビア印刷ロール50の場合と同じようにして柄模様が形成される。この場合、フレキソ印刷ロールの凸部に適量の塗料が塗料供給ロール36から転写されるように、塗料供給ロール36の周面に塗膜厚調整ブレードを取り付けることが推奨される。
【0041】
図4に模式図を示す出隅柱Aでは、柄模様Pa1、Pb1は、面取り加工部8sの凸部領域8aにのみ形成され、凹部8bの底面近傍には形成されていない。このように、凹部8bの底部近傍が基調色のままに残してあると、見る者は凸部により深みを感じることができる。図4に示すような出隅柱は、塗布ロール40の上下方向の移動量を制御する(すなわち、塗布ロール40が面取り加工部8sの凹部8bの底部にまで到達しないようにする)ことにより、製造することができる。
【0042】
なお、上記では、板片1a、1aに形成される柄模様と色に一致する、あるいはほぼ一致する柄模様Pa1、Pb1を面取り加工部8sに形成するようにしたが、任意のパターン、任意の色調の柄模様を形成してもよい。例えば、図5a〜eに示すような、横線模様(図5a)、球形模様(図5b)、縦線模様(図5c)、波線模様(図5d)、それらを複合した抽象模様(図5e)などであってもよい。同じ柄模様に対して、異なった色の塗料を選択するようにしてもよい。
【0043】
次ぎに、上記のようにして出隅柱Aの面取り加工部8sに塗装を施すための塗装装置の具体的な一例を、図6〜図10を参照して説明する。図6は本発明による出隅柱の面取り加工部塗装装置の一実施の形態を示す正面図、図7は右側面図である。図8は塗装装置の要部を拡大して示す一部破断による斜視図であり、図9はその正面図、図10はその右側面図である。
【0044】
装置10は、機枠11を有し、機枠11の下端面には、自在車輪12と、スタンドとして機能するアジャストボルト13が取り付けてある。機枠11の上下方向のほぼ中央には、出隅柱の送り手段20が取り付けられる。出隅柱の送り手段20は、面取り加工された頂角部3を下側として移送される出隅柱Aを下面から支持する支持ロール21と、出隅柱Aに上面から接触して摩擦力により出隅柱Aを送り出す送りロール24と、送りロール24のための駆動モータ28とを備える。
【0045】
支持ロール21は、送られる出隅柱Aの左右の板片1a、1aの表面柄部に接するように配置された左右の支持ロール群で構成されており、図示の例では、金属ロールの表面にウレタンシートを貼り付けた2つの群の支持ロール21・・が、機枠11に固定した固定枠22、22に対して、90度の角度をなすようにして、かつ支軸23、23を介して回転自在な態様で装着されている。なお、後記する塗料供給手段30が配置される部位では、固定枠22、22の一部は切除されており、塗料供給手段30による出隅柱Aの面取り加工部8sへの塗装が行いうるようにされている。
【0046】
送りロール24は、前記支持ロール21によって表面柄部側が支持された姿勢にある出隅柱Aに上方から接するようにされており、この例では、図示のように円錐形をなす2枚の送りロール24、24が1つの対をなし、それぞれの円錐面25、25が左右の板片1a、1aの裏面にそれぞれ接するようにされている。送りロール24も表面にウレタン被膜を備えることが好ましい。
【0047】
複数個の送りロール対が、機枠11に対して上下動できるように装着された移動支持枠26に取り付けてあり(図6)、ハンドル27の操作により移動支持枠26が下降すると、各送りロール24は出隅柱Aに接触し、移動支持枠26が上昇すると、各送りロール24も上昇して、その下方に広い作業スペースが確保される。また、機枠11には駆動モータ28が取り付けてあり、該駆動モータ28の回転力は、チェーンやベルト等の伝達系29を介して各送りロール24に伝えられる。
【0048】
ハンドル27を操作して移動支持枠26と送りロール24を上方に移動させ、形成された開放スペースを利用して、送り方向上流側の支持ロール21の上に、例えば図1に示すような、適宜の手段によって頂角部3の凹凸に沿って面取り加工が施され、頂角部3に凹凸面を有する面取り加工部8sが形成されている出隅柱Aを、その面取り加工部8sが下側となるようにして載置する。次に、ハンドル27を操作して移動支持枠26と送りロール24を下方に移動し、送りロール24を出隅柱Aの板片1a、1aの裏面に接触した状態とする。その状態で駆動モータ28を駆動すると、その回転力はチェーン等である伝達系29を介して各送りロール24に伝えられ、出隅柱Aは支持ロール21上を下流側に送られる。
【0049】
前記した支持ロール21を回転可能に支承する固定枠22の下方には、塗料供給手段30が位置している。図示の例では、出隅柱Aの送り方向に同じ構造である2個の塗料供給手段30が取り付けてあるが、1個であってもよく、3個以上であってもよい。塗料供給手段30は、一端部近傍が機枠11に対して支軸31を中心として揺動自在に支承されているフレーム32を備える。フレーム32は好ましくは鋼板で作られる。フレーム32は出隅柱Aの送り方向に平行に延在しており、前記支軸31は該送り方向に対して直交している。フレーム32は、支軸31による支承部よりも送り方向上流側の点33(図9)で、ばね34によって下方に幾分引かれるようにして支持されており、結果として、フレーム32の支軸31による支承部よりも送り方向下流側の部分は、上方に向けて付勢された状態となっている。図示しない適宜の手段により、ばね34による付勢力を可変とすることもできる。
【0050】
フレーム32の前記支承部よりも送り方向下流側には、支持ロール21、21の上に載った状態で送られてくる出隅柱Aの頂角部3(面取り加工部8s)の直下に位置するようにして、送り方向に直交する回転軸35を持つ直径が200mm程度の径の大きい塗料供給ロール36が適宜の軸受け37を介して取り付けてある。
【0051】
フレーム32の前記軸受け37に対向する上面側には第2の軸受け38が取り付けてあり、第2の軸受け38には、前記塗料供給ロール36の回転軸35と同じ方向に、上下に2本の回転軸39と55が軸支されている。下方の回転軸55の先端には、図3に基づき説明した中間ロールとしてのグラビア印刷ロール50が塗料供給ロール36の周面に接するようにして取り付けてあり、上方の回転軸39には、グラビア印刷ロール50の周面に接するようにして塗布ロール40が取り付けてある。グラビア印刷ロール50の直径は、約15mm〜30mm程度であり、塗布ロール40の直径は、塗装しようとする出隅柱Aの面取り加工部8sの形状にも左右されるが、約2mm〜10mm程度である。
【0052】
機枠11には第2の駆動モータ42が備えられ、該第2の駆動モータ42の回転はプーリ43、ベルト44を介して、塗料供給ロール36の回転軸35に取り付けたプーリ45に伝えられる。また、機枠11には、塗料溜まりとして上方を開放した塗料槽48が取り付けてあり、塗料供給ロール36の一部は、常時、塗料槽48内に貯留してある塗料49に入り込んでいる。さらに、図9で、61は塗料供給ロール36の周面に面するようにして調整ブレードであり、図示しない機構により、塗料供給ロール36の周面との隙間(距離)を変えることができるようにして、機枠11に取り付けてある。また、60は、図3に基づき説明したグラビア印刷ロール50に接するブレードである。
【0053】
上記のようであり、送りロール24の駆動力で送られる出隅柱Aは、送りにつれて、その頂角部3に形成された面取り加工部8sが前記塗布ロール40の位置に達する。塗布ロール40はフレーム32とともにばね34により上方に向けて付勢された状態に維持されており、出隅柱Aがさらに送られるときに、塗布ロール40は、フレーム32とともに、出隅柱Aの面取り加工部8sの凹凸に沿って上下方向に移動することができる。前記のように、塗布ロール40の直径は、面取り加工部8sの凹凸における凹部8b内に入り込み得る大きさとされており、出隅柱Aは、塗布ロール40の周面が面取り加工部8sの凹凸に常時接触した状態で、下流側に送り出される。その間に、塗布ロール40は、図3に基づき説明したように、グラビア印刷ロール50の周面に接触しており、さらに、グラビア印刷ロール50は塗料供給ロール36の周面に接触しており、摩擦接触により塗布ロール40とグラビア印刷ロール50は、同期して回転する。
【0054】
塗装に際し、塗料槽48に適宜の塗料49(図3の例に従えば、色Cbの塗料)を入れ、第2の駆動モータ42を駆動する。それにより塗料供給ロール36が回転し、塗料49は塗料供給ロール36の少なくとも周面に密着した状態で上方に運ばれる。その後、色Cbの塗料49が、グラビア印刷ロール50と塗布ロール40を介して、出隅柱Aの面取り加工部8sに転写されて、柄模様Pb1が形成されることは説明したとおりである。
【0055】
図6、7に示す装置10のように、2つの塗料供給手段30が配置されている装置では、それぞれの塗料槽48に異なった塗料49(図3の例では、色Caの塗料と色Cbの塗料)を入れておき、また、それぞれのグラビア印刷ロール50の周面に異なった柄模様(図3の例では、柄模様Pa1、Pb1)を形成しておくことにより、一回の送りで、2つの柄模様を仮想塗膜Pの上に形成することができる。また、面取り加工部8sに基調色である塗膜Pを形成するには、図6、7に示す装置10からグラビア印刷ロール50を取り除き、塗料供給ロール36と塗布ロール40が直接接するようにするか、グラビア印刷ロール50に変えて表面が平坦な中間ロールを配置するようにして、塗装を行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による出隅柱の一例であって、面取り加工部に塗装を施す前の状態を上から見て示す斜視図。
【図2】面取り加工部を塗装した後の出隅柱を説明するための模式図。
【図3】出隅柱の面取り加工部に本発明による塗装を施す装置と方法を模式的に示す図。
【図4】本発明による出隅柱の他の形態を示す模式図。
【図5】本発明で用いるグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロール(中間ロール)のロール表面に形成される柄模様の一例を模式的に示す図。
【図6】本発明による出隅柱の面取り加工部塗装装置の一実施の形態を示す正面図。
【図7】図6に示す装置の右側面図。
【図8】要部を拡大して示す一部破断による斜視図。
【図9】図8に示す部分の正面図。
【図10】図8に示す部分の右側面図。
【図11】従来の出隅柱を説明する図。
【図12】従来の出隅柱の製造過程を説明するための図。
【図13】出隅柱の他の例を説明するための上から見た斜視図(図13a)と側面図(図13b)。
【符号の説明】
【0057】
A…出隅柱、S…陽光部、D…陰影部、P…塗膜、Pa、Pb、Pa1、Pb1…柄模様、Ca、Cb…塗料の色、1…窯業建築板、1a、1a…板片、3…頂角部、6…表面柄部の凸条、7…表面柄部の凹溝、8s…頂角部に形成される幅の狭い平坦でなく不規則な凹凸を有する面取り加工部、8a…面取り加工部の突部、8b…面取り加工部の凹部、10…出隅柱の面取り加工部塗装装置、11…機枠、20…出隅柱の送り手段、21…支持ロール、24…送りロール、30…塗料供給手段、32…フレーム、34…ばね、36…塗料供給ロール、39…回転軸、40…塗布ロール、48…塗料槽、50…中間ロールとしてのグラビア印刷ロール、55…回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の板片を頂角部が形成されるように接合して形成される出隅柱であって、
頂角部には頂角部の稜線の凹凸に沿って面取り加工を行うことにより凹凸面をなす面取り加工部が形成されており、
該面取り加工部には凹凸面に沿うようにして後塗装による塗膜が形成されており、該塗膜の少なくとも一部の領域には、塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成されていることを特徴とする出隅柱。
【請求項2】
塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成された領域は、面取り加工部の凹凸面における凸部領域を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の出隅柱。
【請求項3】
面取り加工部に形成される柄模様は、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の出隅柱。
【請求項4】
面取り加工部に形成される柄模様の色彩は、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の色彩の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の出隅柱。
【請求項5】
頂角部の稜線に沿って凹凸面をなす面取り加工部が形成されている出隅柱の当該面取り加工部へ塗装を施す装置であって、
出隅柱の送り手段と、塗料溜まりと、該塗料溜まり内の塗料を前記送り手段で送られる出隅柱の面取り加工部に供給する塗料供給手段とを少なくとも備えており、
該塗料供給手段は、一部が前記塗料溜まり内の塗料に浸漬している塗料供給ロールと、該塗料供給ロールで運ばれる塗料を受け取る1つ以上の中間ロールと、該中間ロールで運ばれる塗料を受け取りそれを出隅柱の面取り加工部に塗布する塗布ロールと、を有しており、
前記中間ロールのうちの塗布ロールに接している中間ロールはグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールであり、かつ、
前記塗布ロールの直径は面取り加工部の凹凸面における凹部内に入り込むことのできる大きさであることを特徴とする出隅柱の面取り加工部塗装装置。
【請求項6】
前記グラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールである中間ロールのロール面には、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の少なくとも一部に類似する柄模様およびまたは色模様が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の出隅柱の面取り加工部塗装装置。
【請求項7】
塗布ロールの直径はほぼ2mm〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項5または6に記載の出隅柱の面取り加工部塗装装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の板片を頂角部が形成されるように接合して形成される出隅柱であって、
頂角部には頂角部の稜線の凹凸に沿って面取り加工を行うことにより幅が10mm以下である幅の狭い凹凸面をなす面取り加工部が形成されており、
該面取り加工部には凹凸面に沿うようにして後塗装による塗膜が形成されており、該塗膜の少なくとも一部の領域には、塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成されていることを特徴とする出隅柱。
【請求項2】
塗膜とは異なる色彩の柄模様が形成された領域は、面取り加工部の凹凸面における凸部領域を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の出隅柱。
【請求項3】
面取り加工部に形成される柄模様は、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の出隅柱。
【請求項4】
面取り加工部に形成される柄模様の色彩は、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の色彩の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の出隅柱。
【請求項5】
頂角部の稜線に沿って幅が10mm以下である幅の狭い凹凸面をなす面取り加工部が形成されている出隅柱の当該面取り加工部へ塗装を施す装置であって、
出隅柱の送り手段と、塗料溜まりと、該塗料溜まり内の塗料を前記送り手段で送られる出隅柱の面取り加工部に供給する塗料供給手段とを少なくとも備えており、
前記塗料供給手段は、送り手段で送られる出隅柱の頂角部に形成される凹凸面に追従して全体が上下方向に移動するようにされており、
該塗料供給手段は、一部が前記塗料溜まり内の塗料に浸漬している塗料供給ロールと、該塗料供給ロールで運ばれる塗料を受け取る1つ以上の中間ロールと、該中間ロールで運ばれる塗料を受け取りそれを出隅柱の面取り加工部に塗布する塗布ロールと、を有しており、
前記中間ロールのうちの塗布ロールに接している中間ロールはグラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールであり、かつ、
前記塗布ロールの直径は面取り加工部の凹凸面における凹部内に入り込むことのできる大きさであることを特徴とする出隅柱の面取り加工部塗装装置。
【請求項6】
前記グラビア印刷ロールまたはフレキソ印刷ロールである中間ロールのロール面には、出隅柱を構成する板片の表面柄部に含まれる柄模様の少なくとも一部に類似する柄模様およびまたは色模様が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の出隅柱の面取り加工部塗装装置。
【請求項7】
塗布ロールの直径はほぼ2mm〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項5または6に記載の出隅柱の面取り加工部塗装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−348648(P2006−348648A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−177724(P2005−177724)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000110860)ニチハ株式会社 (182)
【Fターム(参考)】