説明

分子酸素又は空気を使用した酸化のための触媒としての金属錯体化合物の使用

【課題】分子酸素又は空気を使用した酸化のための触媒としての金属錯体化合物の使用
【解決手段】式(1)

[LnMempZq (1)

{式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅を表し、
Xは、配位基又は架橋基を表し、
n及びmは、各々互いに独立して、1ないし8の整数であり、
pは、0ないし32の整数であり、
zは、金属錯体の電荷を表し、
Yは、対イオンを表し、
q=z/(電荷Y)であり、及び
Lは、式(2)
【化1】


[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N+141516;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N−R1415又は−N(R13)−N+141516(式中、R13は、上記で定義した通りであり、及びR14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、又はR14及びR15は、それらに結合する窒素原子と一緒になって、他のヘテロ原子を含み得る未置換の又は置換された5−、6−又は7員環を形成する。)を表す。]で表される配位子を表す。}
で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の、分子酸素及び/又は空気を使用した酸化反応のための触媒としての使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子酸素及び/又は空気を使用した酸化プロセスのための酸化触媒としてのターピリジン配位子を有する金属錯体化合物の使用に関し、及びまたそのような金属錯体化合物を含む配合物にも関する。
【背景技術】
【0002】
金属錯体化合物が、例えば織物材料のしみの処理において、同時に繊維及び染色物に対していかなる目に見える損傷も引き起こすことなく種々の物質を漂白するためにとりわけ使用されている。
従来、過酸化物含有の漂白剤が洗浄及び清浄プロセスにおいて使用されてきた。それらは、90℃及びそれ以上の液温において優れた作用を有するが、それらの性能は低温においては顕著に低下する。最近、過酸前駆体が、過酸化物含有の漂白剤を活性化させるために使用されている。テトラアセチルエチレンジアミンが、ヨーロッパの清浄系において活性剤として主に使用されている。他方、米国の系は、頻繁にノナノイルベンゾスルホン酸ナトリウム(Na−NOBS)に基づいている。活性剤系は一般的に効果的であるが、多くの不利を有する、とりわけ、活性剤は化学量論的量で使用されなければならない。それゆえ多量に要求され、及び漂白成分が洗浄剤中で非常に多くの体積を占める。さらに、最近慣用の活性剤の漂白作用は、特定であるが望ましい洗浄条件(例えば低温、短い洗浄サイクル)の下で頻繁に不十分である。
漂白活性剤の他に、幾つかの遷移金属錯体が過酸化水素を活性化し得、それゆえそして漂白プロセスを促進することが既知である。
効果的な漂白作用を有するH22活性化の面において、種々の配位子、とりわけ1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン及び所望により酸素含有の架橋配位子との単核及び多核マンガン錯体の変種が、現在ではとりわけ効果を有するとみなされている。そのような触媒は、実用条件下で十分な安定性を有し、環境的に許容し得る金属カチオンであるMnn+を含むが、それらの使用は、残念ながら染料及び繊維に対する相当の損傷と関連する。
もう1つの手段が、酸化プロセスのための遷移金属錯体による空気の分子酸素の活性化を追求している。
特許文献1は、大気中酸素を使用する漂白プロセスにおける、例えば洗濯物のしみの漂白における遷移金属錯体としてのエチレンジアミン誘導体を記載している。特許文献2は、大気中酸素を使用する漂白プロセスにおける、例えば洗濯物のしみの漂白における遷移金属錯体として、トリアゾシクロアルキル化合物、とりわけトリアザシクロノナン誘導体を記載している。
特許文献3において、特定の遷移金属錯体が、洗浄の間に又はしみ処理において使用されているが、それらの作用は、大部分はプロセス後まで明らかではない。
【特許文献1】国際公開第00/60043号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/16272号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6245115号明細書
【発明の開示】
【0003】
本発明において、選択されたターピリジン配位子との金属錯体が、種々の分野の使用における分子酸素及び/又は空気を使用する酸化プロセスにおいて触媒として作用し得ることが、驚くべきことに今や明らかとなった。それら化合物の利点は、使用において、それらが触媒作用を有し、そしてそれ故少量で使用され得ることである。さらに、活性剤成分も過酸化物成分も必要とされず、このことは環境性の面で有利である。
【0004】
本発明はしたがって、式(1)

[LnMempZq (1)

{式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅を表し、
Xは、配位基又は架橋基を表し、
n及びmは、各々互いに独立して、1ないし8の整数であり、
pは、0ないし32の整数であり、
zは、金属錯体の電荷を表し、
Yは、対イオンを表し、
q=z/(Yの電荷)であり、及び
Lは、式(2)
【化1】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、各々互いに独立して、水素原子;未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N+141516;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N−R1415又は−N(R13)−N+141516(式中、R13は、上記で定義した通りであり、及びR14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、又はR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒になって、他のヘテロ原子を含み得る未置換の又は置換された5−、6−又は7員環を形成する。)を表す。]で表される配位子を表す。}で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の、分子酸素及び/又は空気を使用した酸化反応のための触媒としての使用に関する。
【0005】
炭素原子数1ないし6のアルキレン部分は置換され得る。
アルキル及びアルキレン部分は直鎖状又は枝分れ状であり得る。
アルキル基、アリール基、アルキレン基又は5−、6−又は7−員環のための適切な置換基は、とりわけ炭素原子数1ないし4のアルキル基;炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;スルホ基;スルファト基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;アミノ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換され
たN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;N−フェニルアミノ基;N−ナフチルアミノ基;フェニル基;フェノキシ基又はナフチルオキシ基である。
一般的に、ハロゲン原子は好ましくは塩素原子、臭素原子又はフッ素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
【0006】
Meのための適切な金属イオンは例えば、酸化状態II−Vのマンガン、酸化状態III及びIVのチタン、酸化状態IないしIVの鉄、酸化状態IないしIIIのコバルト、酸化状態IないしIIIのニッケル及び酸化状態I価いしIIIの銅であり、特に好ましいのは、マンガン、とりわけ酸化状態IIないしIV、好ましくはIIのマンガンである。また興味あるのは、チタンIV、鉄II−IV、コバルトII−III、ニッケルII−III及び銅II−IIIであり、とりわけ鉄II−IVである。
【0007】
基Xとして、例えば、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R17COO-、R17-、LMeO-及びLMeOO-(式中、R17は、水素原子を表すか或いは未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表し、及び炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリール基、L及びMeは上述の及び下述の定義及び好ましい意味を有する。)が考慮される。R17は、とりわけ好ましくは水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表し、とりわけ水素原子を表す。
【0008】
対イオンYとして、例えば、R17COO-、ClO4-、BF4-、PF6-、R17SO3-、R17SO4-、SO42-、NO3-、F-、Cl-、Br-及びI-(式中、R17は、水素原子を表すか或いは未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。)が考慮される。炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基としてのR17は、上述の及び下述の定義及び好ましい意味を有する。R17は、とりわけ好ましくは水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表し、とりわけ水素原子を表す。対イオンYの電荷はしたがって、好ましくは1−又は2−であり、とりわけ1−である。
nは、好ましくは1ないし4の整数であり、好ましくは1又は2であり、及びとりわけ1である。
mは、好ましくは1又は2の整数であり、とりわけ1である。
pは、好ましくは0ないし4の整数であり、とりわけ2である。
zは、好ましくは8−ないし8+の整数であり、とりわけ4−ないし4+であり、及びとりわけ好ましくは0ないし4+である。zはよりとりわけには0である。
qは、好ましくは0ないし8の整数であり、とりわけ0ないし4であり、及びとりわけ好ましくは0である。
【0009】
言及された炭素原子数1ないし18のアルキル基は、一般的に、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、又は直鎖状の又は枝分かれ鎖のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基のような、直鎖状の又は枝分かれ鎖のアルキル基である。好ましいのは、炭素原子数1ないし12のアルキル基、とりわけ炭素原子数1ないし8のアルキル基であり、及び好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基である。言及されたアルキル基は、未置換であり得るか、又は例えば、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、スルホ基により、又はスルファト基により、とりわけヒドロキシ基により置換され得る。対応する未置換のアルキル基が好ましい。非常に特に好ましいのは、メチル基及びエチル基であり、とりわけメチル基である。
【0010】
一般的に考慮されるアリール基の例は、各々未置換の、又は炭素原子数1ないし4のア
ルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基により、又はナフチルオキシ基により置換されたフェニル基又はナフチル基である。好ましい置換基は、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、フェニル基及びヒドロキシ基である。特に好ましいのは、対応するフェニル基である。
【0011】
言及された炭素原子数1ないし6のアルキレン基は、一般的に、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基又はn−ブチレン基のような直鎖状の又は枝分かれ鎖のアルキレン基である。炭素原子数1ないし4のアルキレン基が好ましい。言及されたアルキレン基は、未置換であり得るか、又は例えば、ヒドロキシ基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により置換され得る。
【0012】
一般的に考慮されるカチオンの例は、リチウム、カリウム及びとりわけナトリウムのようなアルカリ金属カチオン、マグネシウム及びカルシウムのようなアルカリ土類金属カチオン、及びアンモニウムカチオンである。アルカリ金属カチオン、とりわけナトリウムが好ましい。
【0013】
12は、好ましくは、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上記したとおりに置換されたフェニル基である。R12は、とりわけ好ましくは、水素原子、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムカチオン、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基であり、よりとりわけには、水素原子又はアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムカチオンである。
【0014】
13は、好ましくは、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上記したとおりに置換されたフェニル基である。R13は、とりわけ好ましくは、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基であり、よりとりわけには、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、好ましくは水素原子である。
【0015】
言及され得る式−N(R13)−NR1415で表される基の例は、−N(CH3)−NH2であり、及びとりわけ−NH−NH2である。言及され得る式−OR13で表される基の例は、ヒドロキシ基及びメトキシ基及びとりわけエトキシ基のような炭素原子数1ないし4のアルコキシ基である。
14とR15が、それらを結合する窒素原子と一緒に5−、6−又は7−員環を形成する場合、該環は、好ましくは未置換の、又は炭素原子数1ないし4のアルキル置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環であり、ここで、アミノ基は四級化され得、その場合、好ましくは3つのピリジン環A、B又はCのうちの1つに直接に結合されない窒素原子が四級化される。
ピペラジン環は例えば、ピリジン環に結合されていない窒素原子において、1個又は2個の未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換され得る。さらに、R14、R15及びR16は、好ましくは水素原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述されたとおりに置換されたフェニル基である。特に好ましいのは、水素原子、各々未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基であり、とりわけ水素原子又は未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。
言及され得る式−NR1415の基の例は、−NH2、−NHCH2CH2OH、−N(C
2CH2OH)2、−N(CH3)CH2CH2OH、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環並びに4−メチル−ピペラジニ−1−イルである。
好ましいのは、R6が水素原子を表さないところの式(2)で表される配位子Lである。
【0016】
好ましいのは、同様に、式中、R6が、好ましくは炭素原子数1ないし12のアルキル基;未置換の、フェニル基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基により又はナフチルオキシ基により置換されたフェニル基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表す。);−N(R13)−NR1415(式中、R13は、上述したとおりに定義され、及びR14及びR15は、各々互いに独立して水素原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらに結合している窒素原子と一緒になって未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成する。);−NR1415又は−N+141516(式中、R14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらを結合している窒素原子と一緒になって未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成する。)を表すところの式(2)で表される配位子Lである。
【0017】
L中のR6は、とりわけ好ましくは、未置換の、又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;シアノ基;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は各々の場合において、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。);−N(CH3)−NH2又は−NH−NH2;アミノ基、未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;或いは未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環である。
【0018】
L中のR6は、非常にとりわけには、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換の、又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;ヒドラジン基;アミノ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;又は未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環である。
【0019】
とりわけ重要であるL中の基R6は、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;ヒドラジン基;アミノ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により
置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;又は未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環である。
【0020】
非常にとりわけ重要であるL中の基R6は、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;又は未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環である。これらのうち、ヒドロキシ基が特に興味深い。
6に対する上述の好ましい意味は、L中のR1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10及びR11に当てはまるが、それらの基は付加的に水素原子であり得る。
【0021】
本発明の1つの態様にしたがうと、L中のR1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10及びR11は水素原子であり、及びL中のR6は、上述された定義及び好ましい意味が当てはまる水素原子以外の基である。
本発明の他の態様にしたがうと、L中のR1、R2、R4、R5、R7、R8、R10及びR11は水素原子であり、及びL中のR3、R6及びR9は、各々R6に対して上述された定義及び好ましい意味が当てはまる水素原子以外の基である。
【0022】
好ましい配位子Lは、式(3)
【化2】

(式中、R’3及びR’9は、R3及びR9に対して上述された定義及び好ましい意味を有し、及びR’6は、R6に対して上述された定義及び好ましい意味を有する。)
で表されるものである。
【0023】
より好ましい配位子Lは、式(3)
【化3】

(式中、R’3、R’6及びR’9は、各々互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;ヒドラジン基;アミノ基;未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;又は未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を表す。)
で表されるものである。
【0024】
同様に好ましい本発明の態様は、分子酸素及び/又は空気を使用した酸化反応のための触媒としての、式(1’)

[L’nMempZq (1’)

{式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅を表し、
Xは、配位基又は架橋基を表し、
n及びmは、各々互いに独立して、1ないし8の整数であり、
pは、0ないし32の整数であり、
zは、金属錯体の電荷を表し、
Yは、対イオンを表し、
q=z/(Yの電荷)であり、及び
L’は、式(2’)
【化4】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、各々互いに独立して、水素原子;未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン又は未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N+141516;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N−R1415又は−N(R13)−N+141516(式中、R13は、上記で定義した通りであり、及びR14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、又はR14及びR15は、それらに結合する窒素原子と一緒になって、未置換の又は置換された、他のヘテロ原子を含み得る5−、6−又は7員環を形成する。)を表すが、但し、置換基R1ないしR11の内の少なくとも1つは、3つのピリジン環A、B又はCの1つに直接結合しない四級化された窒素原子を表す]で表される配位子を表す。}
で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の使用である。
【0025】
アルキル基、アリール基、アルキレン基又は5−、6−又は7−員環に対する適する置換基は、とりわけ炭素原子数1ないし4のアルキル基;炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;スルホ基;スルファト基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;カ
ルボキシ基;アミノ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたアルキルアミノ基;N−フェニルアミノ基;N−ナフチルアミノ基;フェニル基;フェノキシ基又はナフチルオキシ基である。
【0026】
式(1’)で表される化合物中のMeのための適する金属イオンは例えば、酸化状態II−Vのマンガン、酸化状態III及びIVのチタン、酸化状態IないしIVの鉄、酸化状態IないしIIIのコバルト、酸化状態IないしIIIのニッケル及び酸化状態I価いしIIIの銅であり、特に好ましいのは、マンガン、とりわけ酸化状態IIないしIV、好ましくはIIのマンガンである。また興味あるのは、チタンIV、鉄II−IV、コバルトII−III、ニッケルII−III及び銅II−IIIであり、とりわけ鉄II−IVである。
【0027】
式(1’)で表される化合物中の基Xとして、例えば、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R17COO-、R17-、LMeO-及びLMeOO-(式中、R17は、水素原子を表すか或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表し、及び炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリール基、L及びMeは上述の及び下述の定義及び好ましい意味を有する。)が考慮される。R17は、とりわけ好ましくは水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表し、とりわけ水素原子を表す。
【0028】
式(1’)で表される化合物中の対イオンYとして、例えば、R17COO-、ClO4-、BF4-、PF6-、R17SO3-、R17SO4-、SO42-、NO3-、F-、Cl-、Br-及びI-(式中、R17は、水素原子を表すか或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。)が考慮される。炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基としてのR17は、上述の及び下述の定義及び好ましい意味を有する。R17は、とりわけ好ましくは水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表し、とりわけ水素原子を表す。対イオンYの電荷はしたがって、好ましくは1−又は2−であり、とりわけ1−である。
式(1’)で表される化合物において、nは、好ましくは1ないし4の整数であり、好ましくは1又は2であり、及びとりわけ1である。
式(1’)で表される化合物において、mは、好ましくは1又は2の整数であり、とりわけ1である。
式(1’)で表される化合物において、pは、好ましくは0ないし4の整数であり、とりわけ2である。
式(1’)で表される化合物において、zは、好ましくは8−ないし8+の整数であり、とりわけ4−ないし4+であり、及びとりわけ好ましくは0ないし4+である。zはよりとりわけには0である。
式(1’)で表される化合物において、qは、好ましくは0ないし8の整数であり、とりわけ0ないし4であり、及びとりわけ好ましくは0である。
【0029】
式(2’)で表される化合物において言及された炭素原子数1ないし18のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、又は直鎖状の又は枝分かれ鎖のペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基のような、直鎖状の又は枝分かれ鎖のアルキル基である。好ましいのは、炭素原子数1ないし12のアルキル基、とりわけ炭素原子数1ないし8のアルキル基であり、及び好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基である。言及されたアルキル基は、未置換であり得るか、又は例えば、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、スルホ基により、又はスルファト基により、とりわけヒドロキシ基により置換され得る。対応する未置換のアルキル基が好ましい。非常に特に好まし
いのは、メチル基及びエチル基であり、とりわけメチル基である。
【0030】
式(2’)で表される化合物において考慮されるアリール基の例は、各々未置換の、又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基により、又はナフチルオキシ基により置換されたフェニル基又はナフチル基である。好ましい置換基は、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、フェニル基及びヒドロキシ基である。特に好ましいのは、対応するフェニル基である。
【0031】
式(2’)で表される化合物において言及された炭素原子数1ないし6のアルキレン基は、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基又はn−ブチレン基のような直鎖状の又は枝分かれ鎖のアルキレン基である。炭素原子数1ないし4のアルキレン基が好ましい。言及されたアルキレン基は、未置換であり得るか、又は例えば、ヒドロキシ基又は炭素原子数1ないし4のアルコキシ基により置換され得る。
【0032】
式(1’)及び(2’)で表される化合物のためのハロゲン原子は、好ましくは塩素原子、臭素原子又はフッ素原子であり、特に好ましいのは塩素原子である。
【0033】
式(1’)及び(2’)で表される化合物のために考慮されるカチオンの例は、リチウム、カリウム及びとりわけナトリウムのようなアルカリ金属カチオン、マグネシウム及びカルシウムのようなアルカリ土類金属カチオン、及びアンモニウムカチオンである。アルカリ金属カチオン、とりわけナトリウムが好ましい。
【0034】
式(2’)で表される化合物におけるR12は、好ましくは、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上記したとおりに置換されたフェニル基である。R12は、とりわけ好ましくは、水素原子、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムカチオン、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基であり、よりとりわけには、水素原子又はアルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン又はアンモニウムカチオンである。
【0035】
式(2’)で表される化合物におけるR13は、好ましくは、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上記したとおりに置換されたフェニル基である。R13は、とりわけ好ましくは、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基であり、よりとりわけには、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、好ましくは水素原子である。
言及され得る式−N(R13)−NR1415で表される基の例は、−N(CH3)−NH2であり、及びとりわけ−NH−NH2である。言及され得る式−OR13で表される基の例は、ヒドロキシ基及びメトキシ基及びとりわけエトキシ基のような炭素原子数1ないし4のアルコキシ基である。
14とR15が、それらを結合する窒素原子と一緒に5−、6−又は7−員環を形成する場合、該環は、好ましくは未置換の、又は炭素原子数1ないし4のアルキル置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環であり、ここで、アミノ基は四級化され得、その場合、好ましくは3つのピリジン環A、B又はCの1つに直接結合されない窒素原子が四級化される。
ピペラジン環は例えば、ピリジン環に結合されていない窒素原子において、1個又は2個の未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換され得る。さらに、R14、R15及びR16は、好ましくは水素
原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述されたとおりに置換されたフェニル基である。特に好ましいのは、水素原子、各々未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基であり、とりわけ水素原子又は未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。
言及され得る式−NR1415の基の例は、−NH2、−NHCH2CH2OH、−N(CH2CH2OH)2、−N(CH3)CH2CH2OH、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環並びに4−メチル−ピペラジニ−1−イルである。
【0036】
好ましいのは、式中、R6が、好ましくは未置換のフェニル基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;シアノ基;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。);−N(CH3)−NH2又は−NH−NH2;アミノ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基(式中、窒素原子、とりわけ3つのピリジン環A、B又はCの1つに直接に結合されない窒素原子は四級化され得る。);未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキル−N+141516(式中、R14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらに結合している窒素原子と一緒になって未置換の又は少なくとも1個の炭素原子数1ないし4のアルキル基により又は少なくとも1個の未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成し、窒素原子は四級化され得る。);未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキル−NR1415(式中、R14及びR15は上述の意味のいずれか1つを有し得る。)を表す。
【0037】
式(2’)のL’中のR6は、非常に特には炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換のフェニル基又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;ヒドラジン基;アミノ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基(式中、窒素原子、とりわけ3つのピリジン環A、B又はCのうちの1つには結合されない窒素原子は四級化され得る。);又は未置換の或いは1個又は2個の未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された、窒素原子が四級化され得るピロリジン、ピペリジン、モルホリン又はアゼパン環である。
【0038】
同様にR6に対して言及され得る非常にとりわけ好ましい基は、
【化5】

(式中、環及び2個のアルキル基は、所望により置換され得る。)
である。
式(2’)のL’中の基R6としてとりわけ重要なのは、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基(式中、窒素原子、とりわけ3つのピリジン環A、B又はCのうちの1つには結合されない窒素原子は四級化され得る。);又は未置換の或いは少なくとも1つの炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された、窒素原子が四級化され得るピロリジン、ピペリジン、モルホリン又はアゼパン環である。
【0039】
式(2’)のL’中の基R6の例として、−OH;
【化6】

が言及され得る。
これらの中で、ヒドロキシ基がとりわけ興味あるものである。
【0040】
式(2’)のL’中のR6として上述される好ましい意味はまた、式(2’)のL’中のR1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10及びR11にも当てはまるが、これらの基は付加的に水素原子であり得る。
【0041】
本発明の1つの態様にしたがうと、式(2’)のL’中のR1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10及びR11は水素原子であり、及び式(2’)のL’中のR6は上述の定義及び好ましい意味を有する水素原子以外の基である。
本発明の他の態様にしたがうと、式(2’)のL’中のR1、R2、R4、R5、R7、R8、R10及びR11は水素原子であり、及び式(2’)のL’中のR3、R6及びR9は、R6に対して上述された定義及び好ましい意味を有する水素原子以外の基である。
【0042】
式(1’)で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の本発明にしたがった同様に好ましい使用において、L’中の置換基R1ないしR11の少なくとも1つ、好ましくはR3、R6及び/又はR9は、以下の基:−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141
516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N+141516(式中、R13は上で定義されたとおりであり、及びR14、R15及びR16は各々互いに独立して水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、或いはR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒になって、未置換の又は置換された、他のヘテロ原子を含み得る5−、6−又は7員環を形成する。);又は−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−NR1415(式中、R13は上述された意味を有し、及びR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒に、未置換の又は少なくとも1つの未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換され及び他のヘテロ環を含み得る5−、6−又は7−員環を形成し、式中、ピリジン環A、B又はCの1つに結合されていない少なくとも1個の窒素原子は四級化されている。)の1つである。
【0043】
式(1’)で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の本発明にしたがった同様により好ましい使用において、L’中の置換基R1ないしR11の少なくとも1つ、好ましくはR3、R6及び/又はR9は、以下の基:−(炭素原子数1ないし4のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし4のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし4のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N+141516(式中、R13は水素原子、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基又はアリール基を表し、及びR14、R15及びR16は各々互いに独立して水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基又はアリール基を表すか、或いはR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒になって、未置換の又は少なくとも1つの未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換された、他のヘテロ原子を含み得る5−、6−又は7員環を形成する。);又は−NR1415;−(炭素原子数1ないし4のアルキレン)−NR1415;−N(R13)−(炭素原子数1ないし4のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし4のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−N−R1415(式中、R13及びR16は、各々互いに独立して水素原子、未置換の又は置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基又はアリール基を表し、及びR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒に、他のヘテロ環を含み得る未置換の又は置換された5−、6−又は7−員環を形成し、式中、ピリジン環A、B又はCの1つに結合されていない少なくとも1個の窒素原子は四級化されている。)の1つである。
【0044】
式(1’)で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の本発明にしたがった同様に重要な使用において、L’中の置換基R1ないしR11の少なくとも1つ、好ましくはR3、R6及び/又はR9は、基
【化7】

(式中、枝分れしていないか又は枝分れ鎖アルキレン基は、未置換であるか又は置換され得、及び式中、互いに独立して枝分れしていないか又は枝分れしたアルキル基は、未置換であるか又は置換され得る。)
である。
ピペラジン環もまた未置換であるか又は置換されていてもよい。
【0045】
式(1’)で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の本発明にしたがった同様にとりわけ重要な使用において、L’中の置換基R1ないしR11の少なくとも1つ、好ましくはR3、R6及び/又はR9は、基
【化8】

(式中、枝分れしていないか又は枝分れ鎖アルキレン基は、未置換であるか又は置換され得、及び式中、アルキル基は各々互いに独立して未置換であるか又は置換され得る。)
である。
ピペラジン環もまた未置換であるか又は置換されていてもよい。
【0046】
好ましい配位子L’は、式(3’)
【化9】

(式中、R’3、R’6及びR’9は、R6に対して上述された定義及び好ましい意味を有するが、R’3及びR’9は付加的に水素原子であり得る。)
で表されるものである。
【0047】
より好ましい配位子L’は、式(3’)
【化10】

[式中、R’3、R’6及びR’9は、R6に対して上述された定義及び好ましい意味を有するが、R’3及びR’9は付加的に水素原子であり得るが、但し、
(i)置換基R’3、R’6及びR’9の少なくとも1つは、基−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N+141516(式中、R13は上で定義されたとおりであり、及びR14、R15及びR16は各々互いに独立して水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、或いはR14及びR15は、それらに結合する窒素原子と一緒になって、未置換の又は置換された、他のヘテロ原子を含み得る5−、6−又は7員環を形成する。);又は−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン
)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−NR1415(式中、R13は上述された意味を有し、及びR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒に、未置換の又は少なくとも1つの未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換され得及び他のヘテロ環を含み得る5−、6−又は7−員環を形成し、式中、ピリジン環A、B又はCの1つに結合されていない少なくとも1個の窒素原子は四級化されている。)である。]
で表されるものである。
【0048】
さらにより好ましい配位子L’は、式(3’)
【化11】

[式中、R’3、R’6及びR’9は、R6に対して上述された定義及び好ましい意味を有するが、R’3及びR’9は付加的に水素原子であり得るが、但し、
(i)置換基R’3、R’6及びR’9の少なくとも1つは、基
【化12】

(式中、枝分れしていないか又は枝分れ鎖アルキレン基は、未置換であるか又は置換され得、及び式中、互いに独立して枝分れしているか又は枝分れしていないアルキル基は、未置換であるか又は置換され得、及び式中、ピペラジン環は未置換であるか又は置換され得る。)
の1つを表す。]で表されるものである。
【0049】
特に好ましい配位子L’は、式(3’)
【化13】

[式中、R’3、R’6及びR’9は、R6に対して上述された定義及び好ましい意味を有するが、R’3及びR’9は付加的に水素原子であり得るが、但し、
(i)置換基R’3、R’6及びR’9の少なくとも1つは、基
【化14】

(式中、枝分れしていないか又は枝分れ鎖アルキレン基は、未置換であるか又は置換され得、及び式中、互いに独立して枝分れしているか又は枝分れしていないアルキル基は、未置換であるか又は置換され得、及び式中、ピペラジン環は未置換であるか又は置換され得る。)
の1つを表す。]で表されるものである。
【0050】
式(2’)のL’中のR’3、R’6及び/又はR’9は、とりわけには基
【化15】

(式中、R15及びR16は、上述された定義を有し、及び環は未置換であるか置換され得る。)
であり得る。
L’中、R’3及びR’9は、同様に付加的に水素原子であり得る。
【0051】
式(2)及び(2’)のL’として好ましいのは、正確に1個の四級化された窒素原子が存在する化合物である。
式(2)及び(2’)のL’としてまた好ましいのは、2個又は3個の四級化された窒素原子が存在する化合物である。
式(2)及び(2’)のL’としてとりわけ好ましいのは、四級化された窒素原子のうちいずれもピリジン環A、B又はCの1つに直接結合していない化合物である。
【0052】
式(1)で表される金属錯体化合物は既知であるか、又は既知のプロセスと同様に得られ得る。それらは、それ自体既知の方法において、所望のモル比で、少なくとも1つの式(2)で表される配位子と金属化合物、特に、塩化物のような金属塩とを反応させて、相当する金属錯体を形成することによって得られる。反応は、例えば10ないし60℃の温度において、特に室温において、例えば水又はエタノールのような低級アルコールのような溶媒中で実施される。
【0053】
配位子L’を含む式(1’)で表される金属錯体化合物は、それ自体既知の方法にしたがって調製され得る。そのような方法は、K.T.ポッツ,D.コンワー,J.Org.Chem.2000,56,4815−4816,E.C.コンスターブル,M.D.ワード,J.Chem.Soc.Dalton Trans.1990,1405−1409,E.C.コンスターブル,A.M.W.カーギル トンプソン,New.J.Chem.1992,16,855−867,G.ロウ他,J.Med.Chem.,1999,42,999−1006,E.C.コンスタブル,P.ハーベソン,D.R.スミス,L.ワール,Polyhedron 1997,16,3615−3623,R.J.サンドバーグ,S.ジアング,Org.Prep.Proced.Int.1997,29
,117−122,T.サムマキア,T.B.ハーレイ,J.Org.Chem.2000,65,974−978及びJ.リンバーグ他,Science 1999,283,1524−1527に記載されている。
【0054】
ヒドロキシ基により置換された(2)、(2’)、(3)及び(3’)で表される配位子はまた、以下の図式(4’位においてヒドロキシ基により置換されたターピリジンの例を使用してここで図示される。)にしたがったピリドン構造を有する化合物:
【化16】

としても代表され得る。
ターピリジン群のうちで上述されたヒドロキシ−置換されたターピリジン化合物の特異的な位置は、それらの配位子が脱プロトン化され得、及びそれ故アニオン性配位子として機能し得るという事実に依る。
【0055】
一般的に、それ故、ヒドロキシ−置換されたターピリジンはまた、対応するピリドン構造を有するものを含むとして理解される。
(2)、(2’)、(3)及び(3’)で表される配位子は既知であるか、又はそれ自体既知の手法にて調製され得る。その目的のため、例えば、2部のピリジン−2−カルボキシレートと1部のアセトンが水素化ナトリウムと反応され得、及び水性処理後に得られる中間体である1,3,5−トリケトンが酢酸アンモニウムと反応されて中間のピリジン環を構築し得、それ故PCl5/POCl3のような塩素化剤と反応することにより塩素化合物へと転換され得る、対応するピリドン誘導体が得られる。それら化合物のアミンとの反応は、所望により、置換を促進するために、鉄又はルテニウムのような遷移金属の酸化還元的に活性な塩の過剰量の存在下で、アミン−置換されたターピリジンを生じる。そのような調製手順は、例えば、J.Chem.Soc.,ダルトン トランス.1990,1405−1409(E.C.コンスターブル他)及びNEW.J.Chem.1992,16,855−867に記載されている。
【0056】
ターピリジン構造におけるアミノ基によるハライドの置換を促進するため、例えば亜鉛(II)塩のような非遷移金属の触媒量を使用することがまた可能であり、このことは反応手順及び処理を実質的に簡単にするということが今や見出された。
好ましくは、式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物は、過酸化水素又はその前駆体の存在しない媒体中にて分子酸素及び/又は空気と一緒に使用される。その点において言及され得る例は、以下の使用:
a)洗浄プロセスにおける、又は汚れ除去剤の直接適用による、織物材料上の汚れ又はしみの漂白;
b)織物材料の洗浄の間の移行染料の再析出の防止;
c)例えば成形作業の結果として形成されるしみ(“成形しみ”)を除去するための、硬質表面、とりわけ台所表面、壁タイル又は床タイルの清浄;
d)抗菌作用を有する洗浄及び清浄溶液中での使用;
e)織物を漂白するための前処理剤として;
f)有機合成における選択的な酸化反応における触媒として;
g)廃水処理、
h)殺菌、及び
i)コンタクトレンズ消毒
を含む。
【0057】
他の使用は、製紙における漂白のための分子酸素及び/又は空気を使用した反応のための触媒としての式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物の使用に関する。このことは、慣用の手順にしたがって実施され得るセルロースの脱リグニン化、及びパルプの漂白にとりわけ関する。
また興味あるのは、古印刷紙の漂白のための分子酸素又は空気を使用した反応のための触媒としての式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物の使用である。
【0058】
好ましいのは、織物材料の汚れ又はしみの漂白、洗浄プロセスにおける移行染料の再析出の防止、又は硬質表面、とりわけ台所表面、壁タイル又は床タイルの清浄のための、分子酸素及び/又は空気を使用した反応のための触媒としての式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物の使用である。この場合、好ましい金属はマンガン及び/又は鉄である。
例えば、織物材料の漂白における金属錯体化合物の使用が、繊維及び染色物に対していかなる目に見える損傷も引き起こさないことが強調されるべきである。
【0059】
洗浄液中でしみを漂白する方法は大抵、洗浄液(過酸化物を含有しない洗浄剤を含む)中に式(1)及び/又は(1’)で表される1種又はそれ以上の金属錯体化合物を添加することにより実施される。択一的に、1種又は2種の金属錯体化合物をすでに含む洗浄剤を添加することが可能である。そのような用途において、並びに他の用途において、式(1)及び/又は(1’)で表される1種又はそれ以上の金属錯体化合物は、択一的にその場で形成され得、金属塩(例えば、塩化マンガン(II)のようなマンガン(II)塩、及び/又は塩化鉄(II)のような鉄(II)塩)及び配位子は望ましいモル比において添加されることが理解されるであろう。
【0060】
本発明はまた、洗浄、清浄、消毒又は漂白組成物であって、
I)0ないし50質量%、好ましくは0ないし30質量%のA)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び/又はB)非イオン性界面活性剤、
II)0ないし70質量%、好ましくは0ないし50質量%のC)少なくとも1種の結合剤、
III)液に該洗浄、清浄、消毒及び漂白組成物を0.5ないし20g/リットル添加した場合、前記液中に0.5ないし100mg/リットル、好ましくは1ないし50mg/リットルの濃度を与える量の、D)少なくとも1種の式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物、及び、
IV)100質量%までの水
を含む組成物にも関する。
【0061】
上述のパーセンテージは、各々の場合において組成物の総質量に基づいた質量%である。組成物は、好ましくは、0.005ないし2質量%の少なくとも1種の式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物を含み、とりわけ0.01ないし1質量%、及び好ましくは0.05ないし1質量%である。
【0062】
本発明に従った組成物が成分A)及び/又はB)を含む場合、その量は、好ましくは1ないし50質量%、特に1ないし30質量%である。
本発明に従った組成物が成分C)を含む場合、その量は、好ましくは1ないし70質量
%、とりわけ1ないし50質量%である。特に好ましいものは、5ないし50質量%の量であり、特に10ないし50質量%の量である。
【0063】
対応する洗浄、清浄、消毒又は漂白プロセスは大抵、液1リットルあたり0.1ないし200mgの1種又はそれ以上の式(1)及び/又は(1’)で表される化合物を含む水性液を使用することにより実施される。液は、該液1リットルあたり1種又はそれ以上の式(1)及び/又は(1’)で表される化合物を1ないし50mg含む。活性を高めるために、例えば空気及び/又は分子酸素が液に吹込まれ得る。
本発明に従った組成物は例えば、過酸化物を含有しない強力な洗浄剤又は分離漂白添加剤、又は直接に適用されるべきしみ除去剤であり得る。漂白添加剤は、被服が漂白なしの洗浄剤で洗浄される前に、分離液中で織物の着色したしみを除去するために使用される。漂白添加剤はまた、漂白なしの洗浄剤と共に液中で使用され得る。
しみ除去剤は、当該織物に対して直接的に適用され得、及びひどい局所的な汚れの場合において、とりわけ前処理のために使用される。しみ除去剤は、噴霧法により液体形態において、又は固形物の形態において適用され得る。
【0064】
顆粒を例えば、成分D)以外の上述に列挙したすべての成分を含む水性懸濁液を噴霧乾燥することにより初期粉体を最初に調製し、そしてその後乾燥した成分D)を添加し、そしてすべてを一緒に混合することにより調製され得る。成分D)を、成分A)、B)及びC)を含む水性懸濁液へ添加し、そしてその後噴霧乾燥を行うこともまた可能である。
成分A)及びC)を含むが、成分B)を含まないか又は少ししか含まない水性懸濁液を用いて開始することもできる。懸濁液は噴霧乾燥され、そしてその後、成分D)が成分B)と混合され、そして添加される。
乾燥状態においてすべての成分を一緒に混合することもまた可能である。
【0065】
アニオン性界面活性剤A)は例えば、スルフェート、スルホネート又はカルボキシレート界面活性剤又はそれらの混合物であり得る。好ましいのは、、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、オレフィンスルホネート、脂肪酸塩、アルキル及びアルケニルエーテルカルボキシレート又はα−スルホ脂肪酸塩、又はそれらのエステルである。
好ましいスルホネートは例えば、アルキル基において10ないし20個の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホネート、アルキル基において8ないし18個の炭素原子を有するアルキルスルフェート、アルキル基において8ないし18個の炭素原子を有するアルキルエーテルスルフェート、及びパーム油又は牛脂から誘導され、及びアルキル部分中に8ないし18個の炭素原子を有する脂肪酸塩である。アルキルエーテルスルフェートに添加されるエチレンオキシド単位の平均モル数は、1ないし20であり、好ましくは1ないし10である。アニオン性界面活性剤中のカチオンは好ましくは、アルカリ金属カチオン、とりわけナトリウム又はカリウムであり、よりとりわけにはナトリウムである。好ましいカルボキシレートは、式R19−CON(R20)CH2COOM1(式中、R19は、炭素原子数9ないし17のアルキル基又は炭素原子数9ないし17のアルケニル基を表し、R20は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、及びM1は、アルカリ金属、とりわけナトリウムを表す。)で表されるアルカリ金属サルコシネートである。
【0066】
非イオン性界面活性剤成分は、例えば、一級及び二級アルコールエトキシレート、とりわけ、アルコール基あたり平均1ないし20モルのエチレンオキシドにてエトキシ化された炭素原子数8ないし20の脂肪族アルコールである。好ましくは、アルコール基あたり平均1ないし10モルのエチレンオキシドにてエトキシ化された炭素原子数10ないし15の一級及び二級脂肪族アルコールである。非エトキシ化非イオン性界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド、グリセロールモノエーテル及びポリヒドロキシアミド(グルカミド)が同様に使用され得る。
アニオン性及び非イオン性界面活性剤の総量は、好ましくは、5ないし50質量%であり、好ましくは5ないし40質量%であり、及びよりとりわけには5ないし30質量%である。これら界面活性剤の非常により好ましい下限は10質量%である。
【0067】
結合剤C)として、例えば、アルカリ金属ホスフェート、とりわけトリポリホスフェート、カルボネート及び炭酸水素塩、とりわけそれらのナトリウム塩、シリケート、ケイ酸アルミニウム、ポリカルボキシレート、ポリカルボン酸、有機ホスホネート、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホネート)及びそのような化合物の混合物が考慮される。
【0068】
とりわけ適するシリケートは、式NaHSit2t+1・pH2O又はNa2Sit2t+1・pH2O(式中、tは1.9ないし4の数であり、及びpは0ないし20の数である。)で表わされる結晶性積層シリケートのナトリウム塩である。
【0069】
ケイ酸アルミニウムのうち、好ましいのは、ゼオライトA、B、X及びHSなる名称の下で商業上入手できるもの、及びまたそのような成分を2種又はそれ以上含む混合物である。ゼオライトAが特に好ましい。
【0070】
ポリカルボキシレートのうち、好ましいのは、ポリヒドロキシカルボキシレート、とりわけクエン酸塩、及びアクリレート、及びまた無水マレイン酸とのそれらのコポリマーである。好ましいポリカルボン酸は、ラセミ形態にあるか又は鏡像異性体的に純粋な(S,S)形態にあるニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸及びエチレンジアミン二コハク酸塩である。
【0071】
とりわけ適するホスホネート又はアミノアルキレンポリ(アルキレンホスホネート)は、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸のアルカリ金属塩、及びまたそれらの塩である。
【0072】
本組成物は、本発明に従った組合せの他に、例えば、ビス−トリアジニルアミノ−スチルベンジスルホン酸、ビス−トリアゾリル−スチルベンジスルホン酸、ビス−スチリル−ビフェニル又はビス−ベンゾフラニルビフェニル、ビス−ベンズオキサリル誘導体、ビス−ベンズイミダゾリル誘導体又はクマリン誘導体又はピラゾリン誘導体の群からの1種又はそれ以上の蛍光増白剤を含み得る。
本組成物はさらに、1種又はそれ以上の助剤を含み得る。そのような助剤は例えば、きょう雑物懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム;pH調整剤、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属シリケート;発泡調整剤、例えば、セッケン;噴霧乾燥及び顆粒特性を調節するための塩、例えば、硫酸ナトリウム;香料;及びまた、適当であれば、例えばスメクタイトのような帯電防止剤及び軟化剤;漂白剤;顔料;及び/又は遮光剤である。これらの成分は、とりわけ使用されるいかなる漂白剤に対して安定であるべきである。そのような助剤は、洗浄剤配合物の総質量に基づき、0.1ないし20質量%、好ましくは0.5ないし10質量%、とりわけ0.5ないし5質量%の総量で添加される。
【0073】
さらに、洗浄剤はまた、所望により酵素を含み得る。酵素はしみ除去の目的のために添加され得る。酵素は大抵、例えば血液、牛乳、草又はフルーツジュースのようなタンパク質又はデンプンにより引き起こされるしみに対する作用を改善する。好ましい酵素はセルラーゼ及びプロテアーゼであり、とりわけプロテアーゼである。セルラーゼは、セルロース及びその誘導体と反応し、そしてそれらを加水分解してグルコース、セロビオース及びセロオリゴサッカリドを形成する酵素である。セルラーゼはきょう雑物を除去し、及びさらに、生地の柔らかな手触りを高める効果を有する。慣用の酵素の例は、以下のものを含
むが、これらに制限されない:
米国特許第6242405号明細書、第14欄、第21行ないし第32行に記載されたようなプロテアーゼ;
米国特許第6242405号明細書、第14欄、第33ないし第46行に記載されたようなリパーゼ;
米国特許第6242405号明細書、第14欄、第47ないし第56行に示されたアミラーゼ;及び
米国特許第6242405号明細書、第14欄、第57ないし第64行に示されたセルラーゼ。
使用される場合、酵素は、洗浄剤配合物の総質量に基づき、0.01ないし5質量%、好ましくは0.05ないし5質量%、及びよりとりわけには0.1ないしないし4質量%の総量で存在し得る。
【0074】
漂白作用を高めるために、組成物はまた、本願において記載された触媒を含む他に、酸素原子の発生に基づいた作用の光触媒を含み得る。
本発明にしたがった組成物に対するさらに好ましい添加剤は、織物の洗浄の間、洗浄条件下に織物から放出された洗浄液中の染料により引き起こされるしみを防止する色止め剤及び/又はポリマーである。そのようなポリマーは好ましくは、アニオン性又はカチオン性置換基組込みにより修飾され得るポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール又はポリビニルピリジン−N−オキシドであり、とりわけ5000ないし60000、よりとりわけには10000ないし50000の範囲の分子量を有するものである。そのようなポリマーは、大抵、洗浄剤配合物の総質量に基づき、0.01ないし5質量%、とりわけ0.05ないし5質量%、よりとりわけには0.1ないし2質量%の総量で使用される。好ましいポリマーは、国際公開第02/02865号パンフレット(とりわけ第1頁、最終段落、及び第2頁、最初の段落を参照のこと。)に言及されるものである。
【0075】
洗浄剤組成物は、例えば粉体、顆粒、タブレット(タブ)及び液体のような種々の物理形態をとり得る。その例は、とりわけ、慣用の高性能洗浄剤粉体、超圧縮高性能洗浄剤粉体及びタブを含む。重要な物理形態の1つは、いわゆる、洗浄機へ添加される濃縮された顆粒形態である。
【0076】
重要なのはまた、いわゆる、圧縮又は超圧縮洗浄剤である。洗浄剤製造の分野において、最近、活性物質の増加量を含むような洗浄剤の製造に向かう傾向がある。洗浄プロセスの間のエネルギー消費を最小にするために、圧縮又は超圧縮洗浄剤は、低い洗浄温度にて、例えば40℃未満にて、又は室温(25℃)でさえ効果的に作用することが必要とされる。そのような洗浄剤は大抵、洗浄剤製造に要求される硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムのような充填材又は物質を極微量含む。そのような物質の総量は大抵、洗浄剤配合物に基づき、0ないし10質量%であり、とりわけ0ないし5質量%であり、よりとりわけには0ないし1質量%である。そのような(超)圧縮洗浄剤は大抵、650ないし1000g/L、とりわけ700ないし1000g/L、及びよりとりわけには750ないし1000g/Lの嵩密度を有する。
【0077】
前記洗浄剤はまた、タブレット(タブ)の形態でもあり得る。タブの利点は、計量分配の容易さ及び取扱いの便利さにある。タブは、固形洗浄剤の最も圧縮された形態であり、及び大抵、例えば0.9ないし1.3kg/リットルの嵩密度を有する。速い溶解を達成するため、そのようなタブは通常、特別な溶解助剤:
−発泡剤としてのカルボネート/炭酸水素塩/クエン酸;
−セルロース、カルボキシメチルセルロース又は架橋されたポリ(N−ビニルピロリドン)のような崩壊剤;
−酢酸ナトリウム(カリウム)、又はクエン酸ナトリウム(カリウム)のような急速に
溶解する材料;
−ジカルボン酸のような、急速に溶解する水溶性の硬質コーティング剤
を含む。
タブはまた、そのような溶解助剤の組合せも含み得る。
【0078】
洗浄剤配合物はまた、5ないし50質量%、好ましくは10ないし35質量%の水を含む水性液の形態で、又は5質量以下、好ましくは0ないし1質量%の水を含む非水性液の形態であり得る。非水性液洗浄剤配合物は、キャリヤーとして他の溶媒を含み得る。低分子量の一級又は二級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールがその目的のために適する。使用される界面活性剤は、好ましくは一価アルコールであるが、2ないし6個の炭素原子及び2ないし6個のヒドロキシ基を含むもののようなポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセロール及び1,2−プロパンジオール)がまた使用され得る。そのようなキャリヤーは大抵、洗浄剤配合物の総質量に基づき、5ないし90質量%、好ましくは10ないし50質量%の総量にて使用される。洗浄剤配合物はまた、いわゆる、“単位液体用量”の形態にて使用され得る。
【0079】
本発明はまた、本発明に従った触媒を含み、及び粉体形態の又は顆粒の洗浄、清浄又は漂白組成物への配合のために適した顆粒にも関する。そのような顆粒は好ましくは、
a)1ないし99質量%、好ましくは1ないし40質量%、とりわけ1ないし30質量%の少なくとも1種の式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物、
b)1ないし99質量%、好ましくは10ないし99質量%、とりわけ20ないし80質量%の少なくとも1種の結合剤、
c)0ないし20質量%、とりわけ1ないし20質量%の少なくとも1種のカプセル化材
d)0ないし20質量%の少なくとも1種の他の添加剤、及び
e)0ないし20質量%の水
を含む。
結合剤b)として、水溶性、分散性又は水−乳化性のアニオン性分散剤、非イオン性分散剤、ポリマー及びワックスが考慮される。
【0080】
使用されるアニオン性分散剤は、例えば、商業上入手可能な、染料、顔料等のための水溶性アニオン性分散剤である。
とりわけ以下の生成物:芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、芳香族スルホン酸と未置換の又は塩化ジフェニル又はジフェニルオキシド及び所望によりホルムアルデヒドとの縮合生成物、(モノ−/ジ−)アルキルナフタレンスルホネート、重合有機スルホン酸のナトリウム塩、重合アルキルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、重合アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートのナトリウム塩、ポリアルキル化多核アリールスルホネート、アリールスルホン酸とヒドロキシアリールスルホン酸とのメチレン架橋縮合生成物、ジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩、アルキルジグリコールエーテルスルフェートのナトリウム塩、ポリナフタレンメタンスルホネートのナトリウム塩、リグノスルホネート又はオキシリグノスルホネート又はヘテロ環ポリスルホン酸が考慮される。
とりわけ適するアニオン性分散剤は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、重合有機スルホン酸のナトリウム塩、(モノ−/ジ−)アルキルナフタレンスルホネート、ポリアルキル化多核アリールスルホネート、重合アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、リグノスルホネート、オキシリグノスルホネート及びナフタレンスルホン酸とポリクロロメチルジフェニルとの縮合生成物である。
【0081】
適する非イオン性分散剤はとりわけ、水に乳化性、分散性又は溶解性である、好ましく
は少なくとも35℃の融点を有する化合物、例えば以下の化合物:
1.8ないし22個の炭素原子を有する脂肪アルコール、特にセチルアルコール;
2.好ましくは、2ないし80モルのアルキレンオキシド、とりわけエチレンオキシド(ここで、エチレンオキシド単位の幾つかは、スチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのように、置換エポキシドにより置換され得る。)と、8ないし22個の炭素原子を有する高級不飽和又は飽和モノアルコール、脂肪酸、脂肪アミン又は脂肪アミドとの、又はベンジルアルコール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール又はアルキルフェノール(ここで、アルキル基は少なくとも4個の炭素原子を有する。)との付加生成物;
3.アルキレンオキシド、とりわけプロピレンオキシド、縮合生成物(ブロックポリマー);
4.ジアミン、とりわけエチレンジアミンとのエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物;
5.8ないし22個の炭素原子を有する脂肪酸と少なくとも1つのヒドロキシ低級アルキル基又は低級アルコキシ−低級アルキル基を有する一級又は二級アミンとの反応生成物、又はそのようなヒドロキシアルキル基含有の反応生成物のアルキレンオキシド付加生成物;
6.好ましくは長鎖エステル基を有するソルビタンエステル、又は4ないし10個のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート又は4ないし20個のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレンソルビタントリオレエートのようなエトキシ化ソルビタンエステル;
7.プロピレンオキシドと3ないし6個の炭素原子を有する3価ないし6価の脂肪族アルコールとの付加生成物、例えば、グリセロール又はペンタエリトリトール;及び
8.脂肪アルコールポリグリコール混合エーテル、とりわけ、3ないし30モルのエチレンオキシド及び3ないし30モルのプロピレンオキシドと8ないし22個の炭素原子を有する脂肪族モノアルコールとの付加生成物
である。
【0082】
とりわけ適する非イオン性分散剤は、式

23−O−(アルキレン−O)n−R24 (7)

(式中、
23は、炭素原子数8ないし22のアルキル基又は炭素原子数8ないし18のアルケニル基を表し;
24は、水素原子;炭素原子数1ないし4のアルキル基;少なくとも6個の炭素原子を有する脂環式基;又はベンジル基を表し;
“アルキレン”は、2ないし4個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、及び
nは1ないし60の数を表す。)
で表される界面活性剤である。
式(7)中の置換基R23及びR24は、有利には、各々不飽和の炭化水素基であるか又は好ましくは8ないし22個の炭素原子を有する飽和脂肪族モノアルコールである。炭化水素基は直鎖状又は枝分かれ鎖であり得る。R23及びR24は、好ましくは各々互いに独立して、9ないし14個の炭素原子を有するアルキル基である。
考慮される脂肪族飽和モノアルコールは、天然アルコール、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール又はステアリルアルコール、及びまた、合成アルコール、例えば、2−エチルヘキサノール、1,1,3,3−テトラメチルブタノール、オクタノ−2−オール、イソノニルアルコール、トリメチルヘキサノール、トリメチルノニルアルコール、デカノール、炭素原子数9ないし11のオキソアルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコール及び8ないし22個の炭素原子を有する線状第一アルコール(アルフォール(Alfol))を含む。そのようなアルフォールの幾
つかの例は、アルフォール(8−10)、アルフォール(9−11)、アルフォール(10−14)、アルフォール(12−13)及びアルフォール(16−18)である(“アルフォール(Alfol)”は、サゾール社(Sasol Limited)の登録商標である。)。
不飽和脂肪族モノアルコールは、例えば、ドデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール及びオレイルアルコールである。
アルコール基は、単独で、或いは2つ又はそれ以上の成分の混合物、例えば、大豆脂肪酸、パーム核脂肪酸又は牛脂由来のアルキル基及び/又はアルケニル基の混合物の形態で存在し得る。
(アルキレン−O)鎖は、好ましくは、式
【化17】

で表される二価基である。
脂環式基の例は、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及び好ましくはシクロヘキシル基である。
【0083】
非イオン性分散剤として、好ましくは、式
【化18】

(式中、
25は、炭素原子数8ないし22のアルキル基を表し;
26は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
1、Y2、Y3及びY4は、各々互いに独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表し;
2は、0ないし8の数を表し;及び
3は、2ないし40の数を表す。)
で表される界面活性剤が考慮される。
他の重要な非イオン性分散剤は、式
【化19】

(式中、
27は、炭素原子数9ないし14のアルキル基を表し;
28は、炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し;
5、Y6、Y7及びY8は、各々互いに独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、基Y5、Y6の1つ及び基Y7、Y8の1つは、常に水素原子を表し;及び
4及びn5は、各々互いに独立して、4ないし8の整数を表す。)
に対応する。
式(7)ないし(9)で表される非イオン性分散剤は、混合物の形態で使用され得る。
例えば、界面活性剤混合物として、末端基で末端化されていない式(7)で表される脂肪アルコールエトキシレート、例えば、R23が炭素原子数8ないし22のアルキル基を表し、R24が水素原子を表し、及びアルキレン−O鎖が基−(CH2−CH2−O)−を表すところの式(7)で表される化合物、及びまた、末端基で末端化された式(9)で表される脂肪アルコールエトキシレートが考慮される。
式(7)、(8)及び(9)で表される非イオン性分散剤の例は、炭素原子数10ないし13の脂肪アルコールと、例えば炭素原子数13のオキソアルコールと3ないし10モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドとの反応生成物、及び1モルの炭素原子数13の脂肪アルコールと6モルのエチレンオキシド及び1モルのブチレンオキシドとの反応生成物を含み、付加生成物各々が、炭素原子数1ないし4のアルキル基、好ましくはメチル基又はブチル基により末端基で末端化されることが可能となる。
【0084】
そのような分散剤は、単独で或いは2種又はそれ以上の分散剤の混合物の形態で使用され得る。
アニオン性又は非イオン性分散剤の代わりに又はアニオン性又は非イオン性分散剤に加えて、本発明に従った顆粒は、結合剤として水溶性有機ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、単独で又は2つ以上のポリマーの混合物の形態で使用され得る。
【0085】
考慮される水溶性ポリマーは例えば、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、ゼラチン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジン−N−オキシド、ビニルピロリドンと長鎖α−オレフィンのコポリマー、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールのコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのコポリマー、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの四級化コポリマー、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマー、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル−トリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー、カプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマー、スチレンとアクリル酸コポリマー、ポリカルボン酸、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、加水分解されたポリ酢酸ビニル、エチルアクリレートとメタクリレート及びメタクリル酸のコポリマー、マレイン酸と不飽和炭化水素のコポリマー、及びまた、上述のポリマーの混合された重合生成物である。
これら有機ポリマーの内、とりわけ好ましいのは、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、加水分解されたポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、及びまた、ポリアクリレート、エチルアクリレートとメタクリレート及びメタクリル酸のコポリマー、及びポリメタクリレートである。
【0086】
適する水乳化性又は水分散性の結合剤はまた、パラフィンワックスをも含む。
【0087】
カプセル化材(c)はとりわけ、水溶性及び水分散性ポリマー及びワックスを含む。これらの材料の内、好ましいのは、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、加水分解されたポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、及びまた、ポリアクリレート、パラフィン、脂肪酸、エチルアクリレートとメタクリレート及びメタクリル酸のコポリマー及びポリメタクリレートである。
【0088】
考慮される他の添加剤(d)は例えば、湿潤剤、防塵剤、水不溶性又は水溶性染料又は顔料、及びまた、溶解促進剤、蛍光増白剤及び金属イオン封鎖剤である。
【0089】
本発明に従った顆粒の製造は例えば、
a)その後の乾燥/成形段階を伴う溶液又は懸濁液、又は
b)その後の成形及び固化を伴う、溶融物中の有効成分の懸濁液
から開始して行われる。
【0090】
a)まず最初に、アニオン性又は非イオン性分散剤及び/又はポリマー、及び所望により他の添加剤を水中に溶解し、そして均質な溶液が得られるまで、所望により加熱しながら攪拌する。本発明に従った触媒はその後、生じた水性溶液中に溶解されるか又は懸濁される。溶液の固形分含量は、溶液の総質量に基づき、好ましくは少なくとも30質量%、とりわけ40ないし50質量%であるべきである。溶液の粘度は、好ましくは200mPas未満である。
本発明に従った触媒を含む、そうして調製された水性溶液はその後、残量を除きすべての水が除去され、同時に固体粒子(顆粒)が形成される乾燥段階を受ける。既知の方法は、水性溶液から顆粒を調製するために適する。原則的に、連続式方法及び不連続式方法の両方が適する。連続式方法、とりわけ噴霧乾燥及び流動ベッド顆粒化プロセスが好ましい。
とりわけ適するのは、有効成分溶液が循環熱空気によりチャンバ中に噴霧される噴霧乾燥プロセスである。溶液の噴霧は、例えば1つ又は2つのノズルを使用して行われるか、又は急速回転ディスクの回転効果によって行われる。粒径を増加するために、噴霧乾燥プロセスは、チャンバの不可欠部分を形成する流動ベッド中の固体核を用いた液体粒子の付加的な凝集と組合せられ得る(いわゆる流動噴霧。)。慣用の噴霧乾燥プロセスにより得られる微細粒子(<100μm)は、必要ならば、活性成分の液滴の凝集のために、排気ガス流れから分離された後、更なる処理なしに直接に、噴霧乾燥機の噴霧器の噴霧コーンに核として供給され得る。
顆粒化段階の間、水は本発明にしたがった触媒、結合剤及び他の添加剤を含む溶液から急速に除去され得る。噴霧コーン中に形成している液滴の凝集又は固体粒子を有する液滴の凝集が起こることが特に意図される。
必要ならば、噴霧乾燥機中に形成された顆粒は、連続式方法において、例えば篩分け操作によって除去される。微細な及び過大な粒子は、プロセスへ直接に再循環されるか(再溶解なしに)、又は液体有効成分配合物中に溶解され、その後再び顆粒化される。
a)に従った他の調製方法は、ポリマーが水と混合され、その後、触媒がポリマー溶液中に溶解/懸濁され、こうして水相を形成し、本発明に従った該触媒が前記相中に均質に分布されるプロセスである。同時に又はその後、水相は、安定な分散液を形成するために、分散安定剤の存在下に水不混和性液体中に分散される。水はその後、蒸留によって分散液から除去され、実質的に乾燥粒子が形成される。これらの粒子において、触媒はポリマーマトリックス中に均質に分布されている。
本発明に従った顆粒は、耐摩耗性であり、粉塵が少なく、注入し得、及び容易に計量し得る。それらは、本発明に従った触媒の望ましい濃度で、洗浄配合物等の配合物に直接添加され得る。
洗浄剤中の顆粒の着色外観が抑制されるべき場合、これは、例えば、白っぽい溶解性物質(“水溶性ワックス”)の液滴中の顆粒を埋封することにより、又は顆粒配合物に白色顔料(例えばTiO2)を添加することにより、又は好ましくは、顆粒を、例えば欧州特許出願公開第0323407号明細書に記載されるような水溶性ワックスからなる溶融物中にカプセル化し、カプセルのマスキング効果を強化するために、溶融物に白色固体を添加することにより達成され得る。
【0091】
b)本発明に従った触媒は、溶融顆粒化に先立つ分離段階において乾燥され、及び必要
であれば、すべての固体粒子が<50μmの寸法となるように、ミル中で乾式粉砕される。乾燥は、その目的のための慣用の装置中で、例えば、パドルドライヤー、真空キャビネット又はフリーズドライヤー中で行われる。
微細な粒子状触媒は、溶融キャリヤー材中に懸濁され、そして均質化される。望ましい顆粒は、前記懸濁液から、溶融物の同時の固化を伴う成形段階中で製造される。適する顆粒化プロセスの選択は、顆粒の望ましい寸法に従って行われる。原則的に、0.1ないし4mmの粒径にある顆粒を製造するために使用され得るいかなるプロセスも適する。そのようなプロセスは、液滴プロセス(冷却ベルト上での、又は冷却空気中での自由落下の間の固化を伴う)、溶融小球化(冷却媒体ガス/液体)、及びその後の微粉砕段階を伴うフレーク形成であり、顆粒化化装置は連続的に又は不連続的に操作される。
溶融物から調製される顆粒の着色外観が、触媒の他に洗浄剤中で抑制されるべき場合、固化後に顆粒に望ましい着色外観を与える白色又は着色顔料(例えば二酸化チタン)を溶融物中で懸濁することもまた可能である。
所望により、顆粒は、カプセル化材により覆われ得るか、又はカプセル化材中にカプセル化され得る。そのようなカプセル化のために考慮される方法は、慣用の方法及びまた、例えば、欧州特許出願公開第0323407号明細書に記載されるような、例えば水溶性ワックスからなる溶融物による顆粒のカプセル化、コアセルベーション、複合コアセルベーション及び及び界面重合を含む。
カプセル化材(c)は、例えば、水溶性、水分散性又は水乳化性ポリマー及びワックスを含む。
他の添加剤(d)として例えば、湿潤剤、防塵剤、水不溶性又は水溶性染料又は顔料、及びまた、溶解促進剤、蛍光増白剤及び金属イオン封鎖剤が考慮される。
【0092】
驚くべきことに、式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物はまた、台所表面、壁タイル又は床タイル上で生じる着色しみに対する顕著に改善された漂白触媒作用を示す。
硬質表面のための、とりわけ台所表面、壁タイル又は床タイルのための清浄溶液中の触媒としての少なくとも1種の式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物はそれ故、特に興味ある。
式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物及び対応する配位子はまた、優れた殺菌作用を有する。殺菌のための又は細菌の攻撃に対して保護するためのその使用はそれ故、同様に興味ある。
式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物はまた、有機合成における選択的酸化、とりわけ有機分子の、例えばエポキシドを形成するためのオレフィンの酸化のために特に適する。そのような選択的転移反応は、加工化学中でとりわけ要求される。本発明はしたがってまた、有機合成における選択的酸化反応における、式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物の使用にも関する。
【0093】
以下の実施例は、本発明を例示することを補助するが、それによって本発明を制限するものではない。部及びパーセントは、指示がない限りは質量に関する。温度は、他に指示がない限りは摂氏温度である。
【実施例】
【0094】
実施例
4’−置換されたターピリジン及び4−ピリドンの合成
実施例1:1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(以下L1と呼ぶ。)
【化20】

a)段階1:
窒素雰囲気下、還流下に、乾燥テトラヒドロフラン100mL中のピリジン−2−カルボン酸エチルエステル20.2mL(22.7g,150mmol)及び乾燥アセトン3.6mL(50mmol)の溶液を、4時間かけて、乾燥テトラヒドロフラン100mL中の水素化ナトリウム6g(パラフィン油中のおよそ60%の分散液、約150mmol)の懸濁液に添加した。還流をさらに2時間続け、そしてその後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。氷水200mLの添加後、混合物を50%酢酸を用いて中和し、そして得られた黄色の1,5−ジ−ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオンを濾去した。IR(cm-1):2953(s);2923(vs);2854(m);1605(m);1560(s);1447(w);1433(w);1374(m);1280(w);786(w)。
b)段階2:
1,5−ジ−ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオン10g(37mmol)及び酢酸アンモニウム20g(260mmol)の混合物を、エタノール250mL中で8時間還流させた。そうして得られた混合物を、その体積のおよそ半分まで濃縮した。濾過後、1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを白色固体の形態で得た。
1H−NMR(360MHz,DMSO−d6):7.40−7.50(qm,2H);7.87(s,2H);7.92−8.0(tm,2H);8.57(d,2H,7.7Hz);8.68(d,2H、J=4.5Hz),10.9(s,1H)。
MS(EIpos.,70eV),m/z = 249(100,[M+]);221(40)。(調製については、K.T.Potts,D.Konwar,J.Org.Chem.2000,56,4815−4816及びE.C.Constable,M.D.Ward,J.Chem.Soc.Dalton Trans.1990,1405−1409をも参照のこと)。
【0095】
実施例2:4’−クロロ[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L2と呼ぶ。)
【化21】

1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(L1)3.99g(16mmol)と五塩化リン8.0g(38mmol)との混合物を、オキシ塩化リン200mL中で16時間還流させた。混合物を冷却し、乾固するために濃縮した。氷水200mLをその後、残渣に注意深く添加し、そして溶液を水性水酸化カリウム水溶液を用いてpH9に調節した。クロロホルムを用いて抽出を3回行い、そして有機抽出液を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。エタノールからの再結晶後、4’−クロロ[2,2’;6’,2”]ターピリジンを白色針状形態で得た。
1H−NMR(CDCl3,360MHz):7.20−7.29(m,2H);7.70−7.79(tm,2H);8.37(s,2H);8.47(d,2H;7.6Hz);8.56−8.63(dm,2H)。
(調製については、E.C.Constable,M.D.Ward,J.Chem.Soc.Dalton Trans.1990,1405−1409をも参照のこと。)
【0096】
実施例3:4’−エトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下L3と呼ぶ。)
【化22】

窒素雰囲気下、4’−クロロ[2,2’;6’,2”]ターピリジン900mg(3.4mmol)を、0.7モル/リットルのエタノール性ナトリウムエタノレート溶液15mLに添加した。混合物を還流下に20時間加熱し、冷却した。水20mlを添加し、そして4’−エトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジンを白色固体の形態で濾去した。
1H−NMR(360MHz,DMSO−d6):1.40(t,3H,6.8Hz);4.28(q,2H,6.8Hz);7.42−7.53(m,2H);7.93(s,2H);7.95−8.02(m,2H);8.58(d,2H,J=8.1Hz);8.69(d,2H,J=4Hz)。
(調製については、E.C.Constable,A.M.W.Cargill Thompson,New.J.Chem.1992,16,855−867をも参照のこと。)
【0097】
実施例4:[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−ヒドラジン(以下L4と呼ぶ。)
【化23】

ヒドラジン4mL(126mmol)を、2−ブタノール12mL中の4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン600mg(2.2mmol)に添加した。混合物を還流下に17時間加熱し、冷却し、そして[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−ヒドラジンを白色固体の形態で濾去した。
1H−NMR(360MHz,DMSO−d6):4.38(s br,2H);7.38−7.45(m,2H);7.84(s,2H);7.88−7.97(m,3H);8.52−8.57(m,2H);8.64−8.76(m,2H)。
(調製についてはG.Lowe他.,J.Med.Chem.,1999,42,999−1006をも参照のこと。)
【0098】
実施例5:2−(メチル−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ)
−エタノール(以下L5と呼ぶ。)
【化24】

4’−クロロ−2,2’;6’,2”−ターピリジン1.61g(6mmol)のジクロロメタン溶液20mL及びN−メチルアミノエタノール20mLを順次、イソプロパノール100mL中の塩化鉄(II)四水和物1.35g(6.8mmol)の溶液に添加した。その後、還流を20時間行った。濃縮を行い、そしてメタノール10mL中のヘキサフルオロリン酸アンモニウム1.66gの溶液を添加した。生じた紫色の沈澱を各回にジエチルエーテル50mLを用いて4回、そして水50mLを用いて1回洗浄した。残渣を、酸素雰囲気下、水/アセトニトリル(1:1 v/v)300mL中の水酸化ナトリウム4gの溶液中で14時間攪拌した。ケイソウ土を通した濾過を行い、そして残渣を水50mL、アセトニトリル50mL及びジクロロメタン100mLを用いて洗浄した。濾液を濃縮した。ジクロロメタンを用いて4回抽出を行い;合せた有機抽出液を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。残渣をアセトン/石油エーテル及びアセトニトリルから再結晶した。2−(メチル−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ)−エタノールを白色固体の形態で得た。
MS(ESI pos.,KF),m/z=345(100,[M+K]+);307(35, [M+H]+)。
(調製に関してはG.Lowe他.,J.Med.Chem.,1999,42,999−1006をも参照のこと。)。
【0099】
実施例6:4’−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L6と呼ぶ。)
【化25】

塩化亜鉛(II)28mg(<5mmol%)及びピロリジン4.4g(61.5mmol)を、順次、2−メチル−2−ブタノール15mL中の4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]−ターピリジン1.1g(4.1mmol)の混合物に添加した。混合物を還流下に20時間加熱し、冷却し、そして濾過した。トルエンから再結晶後、純4’−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジンを白色固体の形態で得た。MS(EI,70eV):m/z=303(15);302(90,[M+]);273(100);233(25)。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):1.9−2.0(m,4H);3.39−3.49(m,4H);7.18(dd,2H,J=6.7,5.2Hz);7.51(s,2H);7.66−7.76(tm,2H);8.51(d,2H,J=7.7Hz);8.54−8.60(m,2H)。
【0100】
実施例7:2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ]−エタノール(以下、L7と呼ぶ。)
【化26】

塩化マンガン(II)四水和物3.41g(17.2mmol)及びジエタノールアミン98g(0.93mol)を、順次、メタノール200mL中の4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]−ターピリジン2.14g(8mmol)の混合物に添加した。混合物を還流下に14時間加熱し、冷却し、そして濃縮した。そうして得られた残渣を、空気中、アセトニトリル/水1:1(v/v,pH>12)中の水酸化ナトリウム溶液250mL中で20時間攪拌した。ロータリーエバポレーターを用いてアセトニトリルを除去し、そして水性部分をクロロホルムを用いて3回抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムにて濾過し、そして濃縮した。ジエチルエーテルを残渣に添加し、そして攪拌し濾過して、2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ]−エタノールを白色固体の形態で得た。
1H−NMR(360MHz、CD3OD):3.76(t,J=5.4Hz,4H);3.85(t,J=5.4Hz,4H);7.38−7.47(tm,2H);7.69(s,2H);7.94(dt,J=8.1,1.8Hz,2H);8.53(d,J=8.1Hz,2H);8.58−8.65(dm,2H)。
【0101】
実施例8:4’−(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L8と呼ぶ。)
【化27】

この化合物の調製は、実施例7の配位子L7の調製のために上述したと同様の手法にて行ったが、アミン成分として1−メチルピペラジンを用いた。白色固体である、4’−(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz、CDCl3):157.1(2signals,quat.);156.3(quat.);149.1(tert.);137.0(tert.);123.8(tert.);121.6(tert.);105.7(tert.);55.0(sec.);46.6(sec.);46.4(prim.)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=331(100,[M+]),261(95);233(40);70(40);50(43)。
【0102】
実施例8b:ヨウ化1,1−ジメチル−4−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−ピペラジニ−1−イウム(以下、L8bと呼ぶ。)
【化28】

配位子L8 211mg(0.64mmol)をアセトニトリル11mLに溶解し、そして室温にて、過剰のヨウ化メチル(2.1mL)を添加した。室温での撹拌を3時間行い、濃縮を行い、そしてジクロロメタン10mLを残渣に添加した。沈殿を濾去し、そして真空乾燥した。;ベージュ色固体である、ヨウ化1,1−ジメチル−4−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−ピペラジニ−1−イウム。
1H−NMR(360MHz,CD3OD):3.34(s,6H),3.62−3.80(m,4H);3.85−4.03(m,4H);7.39−7.52(m,2H);7.86−8.03(m,4H);8.57(d,J=7.7Hz,2H);8.63(d,J=4.5Hz,2H)。
【0103】
実施例9:4’−アゼパニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L9と呼ぶ。)
【化29】

この化合物の調製は、実施例7の配位子L7の調製のために上述したと同様の手法にて行ったが、アミン成分としてヘキサメチレンイミンを用いた。白色固体である、4’−アゼパニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):157.7(quat.);156.1(quat.);155.6(quat.);149.2(tert.);137.0(tert.);123.7(tert.);121.8(tert);103.7(tert.);49.4(sec.);27.9(sec.);27.4(sec.)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=330(100,[M+]);287(45);273(25);233(20)。
【0104】
実施例10:4’−ピペリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L10と呼ぶ。)
【化30】

この化合物の調製は、実施例7の配位子L7の調製のために上述したと同様の手法にて行ったが、アミン成分としてピペリジンを用いた。白色固体である、4’−ピペリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(CDCl3):157.4(quat.);157.3(quat.);156.2(quat.);149.2(tert.);137.1(tert.);123.8(tert.);121.8(tert);105.7(tert.);48.1(sec.);25.9(sec.);24.9(sec.)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=316(100,[M+]);287(35);261(25);233(70)。
【0105】
実施例11:4’−モルホリニ−4−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L11と呼ぶ。)
【化31】

この化合物の調製は、実施例7の配位子L7の調製のために上述したと同様の手法にて調製したが、アミン成分としてモルホリンを用いた。白色固体である、4’−モルホリニ−4−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(CDCl3):157.6(quat.);157.0(quat.);156.5(quat.);149.2(tert.);137.2(tert.);124.0(tert.);121.8(tert);105.7(tert.);67.0(sec.);47.0(sec.)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=318(100,[M+]);287(35);261(45);233(85)。
【0106】
実施例12:4’−(4−第三ブチル−フェニル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L12と呼ぶ。)
【化32】

4−第三ブチルベンズアルデヒド4.06g(25mmol)を、エタノール150mLに溶解した。水酸化ナトリウム溶液(水40mL中5.13g)を添加し、そしてその後、2−アセチルピリジン10.54g(87mmol)を10分間かけて滴下添加した。混合物をその後、室温で18時間攪拌した。そうして得られた淡桃色沈殿を吸引濾過し、そしてメタノール及び水を各々10mL用いて洗浄した。第2画分を、水を添加することにより母液から得た。そうして得られた残渣2.54gをその後、氷酢酸160mL中に取り入れ、酢酸アンモニウム32g(過剰)を添加し、そして還流下の加熱を3時間行った。混合物を冷却し、炭酸ナトリウム溶液を用いて中和し、そしてジクロロメタンを用いて2回抽出した。硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、そして有機抽出液の濃縮を行った。メタノールからの再結晶後、4’−(4−第三ブチル−フェニル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジンを白色固体の形態で得た。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):156.8(quat.);156.3(quat.);152.7(quat.);150.5(quat.);149.5(tert.);137.2(tert.);135.9(quat.);127.4(tert.);126.3(tert.);124.1(tert.);121.8(tert.);119.2(tert.);35.0(quat.);31.6(prim.)。
(調製については、E.C.Constable,P.Harveson,D.R.Smith,L.Whall,Polyhedron 1997,16,3615−3623をも参照のこと。)。
【0107】
実施例13:4’−(4−イソプロピル−フェニル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L13と呼ぶ。)
【化33】

この化合物の調製は、実施例12の配位子L12の調製のために上述したと同様の手法にて行ったが、カルボニル成分として4−イソプロピルベンズアルデヒドを用いた。白色固体である、4’−(4−イソプロピル−フェニル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):155.4(quat.);155.0(quat.);149.3(quat.);149.1(quat.);148.2(tert.);135.9(tert.);135.0(quat.);126.4(tert.);125.8(tert.);122.8(tert.);120.5(tert
.);117.6(tert.);30.0(tert.);23.0(prim.)。
【0108】
実施例14:4’−p−トリル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L14と呼ぶ。)
【化34】

この化合物の調製は、実施例12の配位子L12の調製のために上述したと同様の手法にて行ったが、カルボニル成分として4−メチルベンズアルデヒドを用いた。白色固体である、4’−p−トリル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):155.8(quat.);155.3(quat.);149.6(quat.);148.5(tert.);138.5(quat.);136.0(tert.);134.9(quat.);128.7(tert.);126.6(tert.);123.2(tert.);120.8(tert.);118.0(tert.);20.7(prim.)。
【0109】
実施例15:4’−ビフェニル−4−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L15と呼ぶ。)
【化35】

この化合物の調製は、実施例12の配位子L12の調製のために上述したと同様の手法にて行ったが、カルボニル成分として4−フェニルベンズアルデヒドを用いた。白色固体である、4’−ビフェニル−4−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):156.6(quat.);156.3(quat.);150.0(quat.);149.5(tert.);142.2(quat.);140.8(quat.);137.6(quat.);136.9(tert.);129.3(tert.);128.1(tert.);128.0(tert.);127.9(tert.);126.3(tert.);124.2(tert.);121.8(tert.);1119.1(tert.)。
【0110】
ピリドン型の多置換配位子のための構成ブロックの合成
実施例16:4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
a)段階1:
ピリジン−2−カルボン酸36.9g(0.3mol)を塩化チオニル105mLに溶解した。臭化ナトリウム3.1g(30mmol)の添加後、還流温度までの加熱を注意
深く行い、そして沸騰を24時間以上続け、生じた気体を、水酸化ナトリウム溶液で満たした洗浄瓶を通して除去した。反応が完了したとき、冷却、及びロータリーエバポレーターを用いて蒸発による濃縮を行った。
b)段階2:
メタノール300mLを、段階1で得た褐色残渣に、攪拌しながら0℃にて注意深く添加した。混合物を室温まで加温し、そして30分間以上攪拌して反応を完了した。濃縮を行い、5%の炭酸水素ナトリウム溶液750mLを添加し、そして酢酸エチルを用いて3回抽出を行った。有機抽出液を硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。そうして得られた粗生成物を、鎌状フラスコ中で蒸留した(およそ100ないし120℃、0.1mbar)。4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを白色固体の形態で得た。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):4.01(s,3H);7.44(dd,1H,J=5.4,1.8Hz);8.12(d,1H,J=1.8Hz);8.4(d,1H,J=5.4Hz)。
(調製についてはR.J.Sundberg,S.Jiang,Org.Prep.Proced.Int.1997,29,117−122をも参照のこと。)。
【0111】
実施例17:4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
【化36】

a)段階1:
N,N−ジメチルホルムアミド10.0mL(0.130mol)を、40℃にて撹拌しながら、塩化チオニル295mL(4.06mol)に滴下添加した。ピコリン酸100g(0.812モル)をその後、30分間かけて添加した。混合物を注意深く70℃まで加熱し、そしてその温度にて24時間撹拌し、形成した気体を、水酸化ナトリウム溶液で満たした洗浄瓶を通して除去した。各回にトルエン100mLを用いたさらなる3回の濃縮及び同時蒸発を行い、残渣を前記溶媒を用いて440mLとなるまで希釈し、そして溶液を無水エタノール120mLとトルエン120mLの混合物に導入した。混合物を、その容積のおよそ半分まで濃縮し、4℃まで冷却し、吸引濾過し、そしてトルエンを用いて洗浄した。4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩をベージュ色の吸湿性粉体の形態で得た。
b)段階2:
段階1で得た塩酸塩を、酢酸エチル300mL及び脱イオン水200mL中に取出し、4N水酸化ナトリウム溶液を用いて中和させた。相の分離後、各回において酢酸エチル200mLを用いて抽出を2回行った。有機相を合せ、硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過し、そして濃縮した。4−クロロピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを、所望により蒸発によって精製され得る褐色オイルの形態で得た。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):8.56(d,1H,J=5.0Hz);8.03(d,1H,J=1.8Hz);7.39(dd,1H,J=5.4,1.8Hz);4.39(q,2H,J=7.0Hz);1.35(t,3H,J=7.0Hz)。
【0112】
実施例18:4−エトキシ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
この化合物は、段階2においてメタノールの代りにエタノールを用い、混合物をアルコール添加後に混合物を24時間還流下に加熱した以外は、実施例16に記載されたと同様
の手法で得た。蒸留により粗生成物を精製した(100ないし105℃、0.08mbar)。4−エトキシ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを無色オイルの形態で得た。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):1.44(m,6H);4.15(q,2H,J=7.0Hz);4.47(q,2H,J=7.0Hz);6.94(dd,1H,J=5.1,2.7Hz);7.65(d,2H,J=2.7Hz);8.54(d,1H;J=5.7Hz)。
【0113】
実施例19:4−ピロリジニ−1−イル−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
a)段階1:
この段階は、実施例16の段階1に示されたと同様の手法にて行った。
b)段階2:
この段階は、T.Sammakia,T.B.Hurley,J.Org.Chem.2000,65,974−978:に記載されているように行い、ジクロロメタン中の生じた粗酸塩化物に、3倍過剰のピロリジン及び触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンのジクロロメタン溶液を0℃で滴下添加した。室温にてさらなる1時間撹拌を行い、続いて還流下に5時間加熱し、そしてロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。残渣をその後、ジエチルエーテルを用いて5回抽出した。エーテル抽出液を濃縮した。残渣をその後、6M塩酸中に取り入れ、そして6時間還流した。ロータリーエバポレーターを用いた濃縮後、純4−ピロリジニ−1−イル−ピリジン−2−カルボン酸を得た。4−ピロリジニ−1−イル−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの合成のため、カルボン酸を塩化チオニル中に取り入れ、そして30分間沸騰して加熱した。ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行い、そしてその後の手順は、用いたアルコールがエタノールであることを除き、実施例16の段階2に記載されたとおりである。
【0114】
実施例20:1,5−ビス(4−クロロピリジ−2−イル)−ペンタン−1,3,5−トリオン
【化37】

この化合物は、ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの代わりに実施例16からの4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを使用したことを除き、実施例1の段階1と同様の手法にて調製した。ベージュ色の固体粗生成物を、特別の精製段階なしにさらなる合成のために用いた。
IR(cm-1):1619(m);1564(s);1546(s);1440(m);1374(s);1156(m);822(w)。
【0115】
実施例21:1,5−ビス(4−エトキシ−ピリジ−2−イル)−ペンタン−1,3,5−トリオン
【化38】

この化合物は、ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの代わりに、実施例18からの4−エトキシ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを使用したことを除き、実施例1の段階1に記載されたと同様の手法により調製した。黄色を帯びた粗生成物を、特別の精製段階なしにさらなる合成のために用いた。
IR(cm-1):1557(vs);1469(w);1436(w);1300(m);1207(m);1186(m);1035(m);818(m)。
【0116】
実施例22:1,5−ビス(4−ピロリジニ−1−イル−ピリジ−2−イル)−ペンタン−1,3,5−トリオン
【化39】

この化合物は、ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルの代わりに、実施例19からの4−ピロリジニ−1−イル−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステルを使用したことを除き、実施例1の段階1に記載されたと同様の手法にて調製した。黄色−橙色の粗生成物を、特別の精製段階なしにさらなる合成のために用いた。
IR(cm-1):1548(s);1504(s);1453(s);1381(s);1349(m);1276(w);1243(m);1207(w);796(w)。
【0117】
実施例23:1−ピリジ−2−イル−ブタン−1,3−ジオン
アルゴン下、無水テトラヒドロフラン100mL中の乾燥アセトン8.71g(150mmol)の溶液を、無水テトラヒドロフラン300mL中のナトリウムエタノレート20.42g(300mmol)の溶液に添加した。無水テトラヒドロフラン100mL中のピリジン−2−カルボン酸エチルエステル22.68g(150mmol)の溶液をその後、20分間かけて滴下添加した。混合物を、室温にて15時間、及び沸騰温度にて4時間撹拌した。ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行い、水150mLを添加し、そして混合物を氷酢酸により中和させた。ジエチルエーテルを用いて抽出を2回行い、そして有機抽出液を合せ、そして乾燥し(硫酸ナトリウム)、ロータリーエバポレーターを用いた濃縮後に、1−ピリジ−2−イル−ブタン−1,3−ジオンを橙色のオイルの形態で得た。
エノール互変異性体に対する1H−NMR(360MHz,CDCl3):15.8−15.5(br s,OH);8.60−8.55(dm,1H);8.20−7.95(dm,1H);7.79−7.71(tm,1H);7.35−7.29(m,1H);6.74(s,1H);2.15(s,3H)。ケト互変異性体:4.20ppmにおけるCH2−基(エノール/ケト形成比=87:13)。
【0118】
実施例24:1−(4−クロロ−ピリジ−2−イル)−5−ピリジ−2−イル−ペンタン
−1,3,5−トリオン
【化40】

沸騰温度にて、無水テトラヒドロフラン100mL中の1−ピリジ−2−イル−ブタン−1,3−ジオン21.3g(131mmol)と4−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル36.3g(196mmol)の混合物を、2時間かけて無水テトラヒドロフラン200mL中の水酸化ナトリウム10.43g(261mmol、およそ60%分散液)に滴下添加した。混合物をその後、70℃にてさらなる2時間撹拌し、そしてロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、そしてその後、4℃にて水200mLを注意深く添加した。混合物を5N塩酸を用いて中和させ、そして1−(4−クロロ−ピリジ−2−イル)−5−ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオンを黄色を帯びた緑色の固体の形態で濾去した。乾燥した、溶解性に乏しい生成物を特別な精製段階なしにさらに加工した。
【0119】
多置換ターピリジン及びピリドンの合成
実施例25:4,4”−ジクロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(以下、L16と呼ぶ。)
【化41】

この化合物は、1,5−ジ−ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオンの代わりに、実施例20からのクロロ置換トリケトンを用いたことを除き、実施例1の段階2に記載されたと同様の手法により調製した。純4,4”−ジクロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを、トルエンからの再結晶により、白色結晶粉体の形態で得ることができた。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):165.6(quat.);156.5(quat.);154.9(quat.);150.2(tert.);143.6(quat.);123.7(tert.);120.2(tert.);108.5(tert.)。
【0120】
実施例26:4,4”−ジエトキシ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(以下、L17と呼ぶ。)
【化42】

この化合物は、1,5−ジ−ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオンの代わりに、実施例21からのエトキシ置換トリケトンを用いたことを除き、実施例1の段階2に記載されたと同様の手法にて調製した。純4,4”−ジエトキシ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを、シリカゲル(クロロホルム/メタノール9:1,0.1%NH4OH)上のクロマトグラフィーにより白色結晶粉体の形態で得ることができた。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):1.37(t,6H,7.2Hz);4.05(q,4H,7.2Hz);6.77(dd,2H,J=5.9,2.3Hz),6.99(br s,2H,7.30(br s,2H);8.42(d,2H,J=5.9Hz)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=337(75,[M+]);322(90);309(100);281(75);28(85)。
【0121】
実施例27:4,4”−ジ−ピロリジニ−1−イル−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(以下、L18と呼ぶ。)
【化43】

この化合物は、ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオンの代わりに、実施例22からのピロリジン置換トリケトンを用いたことを除き、実施例1の段階2に記載されたと同様の手法にて調製した。純4,4”−ジ−ピロリジニ−1−イル−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを、メタノールからの再結晶により、殆ど無色の固体の形態で得ることができた。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):1.81−2.05(m,8H);3.17−3.33(m,8H);6.32(dd,2H,J=5.7,2.3Hz);6.84(d,2H,J=2.3Hz);6.90(s,2H);8.19(d,2H,J=5.7Hz)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=387([M+]),359(100);358(85);330(20);28(60)。
この化合物はまた、所望により金属塩(例えば、実施例6を参照のこと。)の存在下、ピロリジンと4,4”−ジクロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを加熱することにより得られ得る。
【0122】
実施例28:4,4”−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(以下、L19と呼ぶ。)
【化44】

この化合物は、アミンとして2−(N−メチルアミノ)エタノールを用い、及び前駆体として実施例25からの4,4”−ジクロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを用いたことを除き、4’−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジンのための実施例6に記載されたと同様の手法にて調製した。
1H−NMR(360MHz,DMSO−d6):3.12(s,6H);3.20−4.00(m,8H);6.73−6.82(m,2H);7.70−7.95(m,4H);8.23(d,2H,5.9Hz)。
【0123】
実施例29:4,4”−ジエトキシ−4’−メトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L20と呼ぶ。)
【化45】

アルゴン雰囲気下、4,4”−ジエトキシ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(L17、実施例26)506mg(1.5mmol)を、0℃にて、無水N,N−ジメチルホルムアミド15mL中の水素化ナトリウム78mg(パラフィン油中のおよそ60%分散液、1.95mmol)の懸濁液に添加した。撹拌をその後、0℃、そして室温の各々の場合において15分間行った。再び冷却後、ヨウ化メチル0.12mL(1.95mmol)を添加した。撹拌を、室温にてさらに45分間行った。水15mLを添加し、そして濾過を行い、4,4”−ジエトキシ−4’−メトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジンをベージュ色の粉体の形態で得た。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):1.39(t,6H),J=7.2Hz);3.90(s,3H);4.12(q,4H,J=7.2Hz);6.73(dd,2H,J=5.6,2.5Hz);7.88(s,2H);8.01(d,2H,J=2.5Hz);8.39(d,2H,5.6Hz)。
MS(EI pos,70eV),m/z=351(90,[M+]);350(70);336(100);323(70);295(45)。
【0124】
実施例30:4’−メトキシ−4,4”−ジ−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L21と呼ぶ。)
【化46】

アルゴン下、水素化ナトリウム分散液(60%、0.65mmol)26mgを、無水N,N−ジメチルホルムアミド5mL中に懸濁し、そして0℃まで冷却した。4,4”−ジ−ピロリジニ−1−イル−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例27からのL18)193mg(0.5mmol)をその後添加した。黄色の懸濁液を0℃にて30分間攪拌し、そしてその後、室温まで15分間加温し、そして再冷却した。ヨウ化メチル40μL(0.65mmol)の溶液を添加した。その後撹拌をさらに45分間行い、そして形成した沈澱を濾去し、そしてメタノールから再結晶した。4’−メトキシ−4,4”−ジ−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジンを白色固体の形態で得た。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):168.1(quat.);157.9(quat.);156.6(quat.);152.9(quat.);149.5(tert.);107.4(tert.);107.1(tert.);105.0(tert.)55.9(prim.);47.3(sec.);25.8(sec.)。
MS(EI,70eV),m/z:401(50,[M+]);373(80);372(100);332(20);28(40)。
【0125】
実施例31:4,4’,4”−トリクロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L22と呼ぶ。)
【化47】

この化合物を、1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンの代わりに、実施例25からのジクロロ置換ピリドンL16を用いたことを除き、実施例2に記載されたと同様の手法により調製した。白色固体である、4,4’,4”−トリクロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
1H−NMR(90MHz,CDCl3): 7.24−7.31(m,2H),8.38(s,2H);8.45(d,2H,1.8Hz);8.48(d,2H,5.0Hz)。
【0126】
実施例32:4,4’,4”−トリエトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L23と呼ぶ。)
【化48】

実施例31からの4,4’,4”−トリクロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン53mg(0.15mmol)を、0.72モルのエタノール溶液2.5mLに添加した。混合物を還流のため2時間加熱し、冷却し、水2.5mLを添加し、そして4,4’,4”−トリエトキシ[2,2’;6’,2”]ターピリジンを、淡桃色の粉体の形態で濾去した。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):167.4(quat.);166.2(quat.);158.4(quat.);157.1(quat.);150.7(tert.);110.6(tert.);108.1(2signals,tert.);64.2(sec.);64.1(2signals,sec.);15.0(3signals,prim.)。
【0127】
実施例33:4,4’,4”−トリ−ピロリジニ−1−イル[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L24と呼ぶ。)
【化49】

この化合物は、4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジンの代わりに、実施例31からのトリクロロ置換ターピリジンL22を用い、及びアミン成分としてピロリジンを用いたことを除き、実施例7に記載されたと同様の手法により調製した。ベージュ色の粉体である、4,4’,4”−トリ−ピロリジニ−1−イル[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
MS(EI pos.,70eV),m/z=440(50,[M+]);412(80);411(100);371(20);220(20);28(15)。
IR(cm-1):2850(w);1608(vs);1537(s);1515(m);1480(m);1458(m);1019(m);799(m)。
【0128】
実施例34:2−({4’,4”−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)メチル−アミノ]−[2,2’;6’,2”]ターピリジニ−4−イル}−メチル−アミノ)−エタノール(以下、L25と呼ぶ。)
【化50】

この化合物は、4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジンの代わりに、実施例31からのトリクロロ置換ピリジンL22を用い、及びアミン成分として2−メチルアミノエタノールを用いたことを除き、実施例7に記載されたと同様の手法により調製した。白色固体である、2−({4’,4”−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)メチル−アミノ]−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4−イル}−メチル−アミノ)−エタノール。
13C−NMR(90MHz,DMSO−d6):156.4(quat.);155.7(quat.);155.3(quat.);154.4(quat.);149.2(tert.);106.7(tert.);103.4(tert.);103.1(tert.);58.4(2signals,sec.);58.2(sec.);53.6(sec.);53.5(2signals,sec.);38.6(prim.);38.3(2signals,prim.)。
【0129】
実施例35:4’−クロロ−4,4”−ジエトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L26と呼ぶ。)
【化51】

この化合物は、1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンの代わりに、実施例26からのジエトキシ置換ピリドンL17を用いたことを除き、実施例2に記載されたと同様の手法により調製した。白色固体である、4’−クロロ−4,4”−ジエトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,DMSO−d6):166.3(quat.);157.0(quat.);156.9(quat.);150.8(tert.);146.5(quat.);121.7(tert.);110.8(tert.);108.4(tert.);64.2(sec.);14.9(prim.)。
【0130】
実施例36:4,4”−ジエトキシ−4’−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン(以下、L27と呼ぶ。)
【化52】

この化合物は、4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジンの代わりに、実施例35からのクロロ置換ターピリジンL26を用い、及びアミン成分としてピロリジンを用いたことを除き、実施例7に記載されたと同様の手法により調製した。白色固体である、4,4”−ジエトキシ−4’−ピロリジニ−1−イル−[2,2’;6’,2”]ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):166.2(quat.);159.4(quat.);157.1(quat.);155.6(quat.);150.4(tert.);110.5(tert.);107.9(tert.);104.8(tert.);63.9(sec.);47.8(sec.);25.8(sec.);15.0(prim.)。
MS(EI pos.,70eV),m/z=390(100,[M+]);333(70);305(20);28(25)。
【0131】
実施例37:2−[(4,4”−ジエトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノール(以下、L28と呼ぶ。)
【化53】

この化合物は、4’−クロロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジンの代わりに、アミン成分として実施例35からのクロロ置換ターピリジンL26を用いたことを除き、実施例7に記載されたと同様の手法により調製した。メタノールから再結晶は、2−[(4,4”−ジエトキシ−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル)−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エタノールを白色固体の形態でもたらした。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):165.5(quat.);158.0(quat.);155.0(quat.);154.6(quat.);150.6(tert.);110.4(tert.);107.0(tert.);103.5(tert.);63.6(sec.);57.9(sec.);52.7(sec.);14.5(prim.)。
【0132】
実施例38:6,6”−ビス(2−メトキシフェニル)−2,2’;6’,2”−ターピリジン(以下、L29と呼ぶ。)
【化54】

水8mL中の炭酸セシウム7.6g(24mmol)の溶液を、ジメトキシエタン14mL中の6’6”−ジブロモ−2,2’;6’,2”−ターピリジン0.9g(2.3mmol)の溶液に添加した。μ−ブロモ(トリイソプロピルホスフィン)(η3−アリル)パラジウム(II)(国際公開第99/47474号パンフレットを参照のこと。)8.9mg(0.02mmol)及び2−メトキシフェニルボロン酸0.89g(5.88mmol)を添加した。その後、アルゴン下、還流下での加熱を10時間行った。混合物を冷却し、相を分離し、そして有機抽出物を酢酸エチルを用いて3回抽出した。有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。白色固体である、6,6”−ビス(2−メトキシフェニル)−2,2’;6’,2”−ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):157.7(quat.);155.7(quat.);155.3(quat.);138.2(tert.);137.1(tert.);131.9(tert.);130.5(tert.);129.3(quat.);125.6(tert.);121.6(tert.);121.5(tert.);119.5(tert.);112.0(tert.);56.1(prim.)。
【0133】
実施例39:6,6”−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’;6’,2”−ターピリジン(以下、L30と呼ぶ。)
【化55】

−75℃にて、ジクロロメタン5mL中に溶解された三臭化ホウ素1.12g(4.49mmol)を、ジクロロメタン15mL中の6,6”−ビス(2−メトキシフェニル)−2,2’;6’,2”−ターピリジン(L29、実施例38)200mg(0.448mmol)の溶液に滴下添加した。1時間後、冷却バスを除去し、そして溶液を室温にて10時間攪拌した。溶液を氷水中に注ぎ、そして炭酸水素ナトリウム溶液を用いて中和した。抽出を、ジクロロメタンを用いて2回行い、そして合せた有機抽出液を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール 20:1)。白色固体である、6,6”−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2’;6’,2”−ターピリジン。
13C−NMR(90MHz,CDCl3):160.2(quat.);157.7(quat.);154.5(quat.);153.1(quat.);139.4(tert.);139.2(tert.);132.1(tert.);130.2(quat.);126.9(tert.);121.9(tert.);121.6(tert
.);120.0(tert.);119.5(tert.);119.2(tert.);118.9(tert.)。
【0134】
実施例40:4−クロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン
(以下、L31と呼ぶ。)
【化56】

25%水酸化アンモニウム溶液110mLを、イソプロパノール100mL中の1−(4−クロロ−ピリジ−2−イル)−5−ピリジ−2−イル−ペンタン−1,3,5−トリオン(調製については実施例24を参照のこと。)に添加し、そして4.5時間還流した。室温にて、混合物を6N塩酸を用いてpH5まで調節し、そして濾過した。残渣をシリカゲルにより濾過し(溶離剤:クロロホルム/メタノール/水酸化アンモニウム溶液 4:1:0.1)、濾過し、そして濃縮した。アセトンからの再結晶後、特別な精製段階なしにさらに加工される4−クロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを、灰色の固体の形態で得た。
1H−NMR(360MHz,DMSO−d6):8.72−8.63(m,2H);8.62−8.53(m,2H);7.98(ddd,1H,J=7.7,7.7,1.8Hz);7.87(d,1H,J=2.2Hz);7.83(d,1H,J=2.2Hz);7.59(dd,1H,J=5.4,2.2Hz);7.43−7.51(m,1H);2.07(s,1H)。
【0135】
実施例41:4−(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン (以下、L32と呼ぶ。)
【化57】

2−メチル−2−ブタノール80mL中の4−クロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例40のL31)5.22g(18.4mmol)、1−メチル−ピペラジン18.36g(184mmol、20.4mL)及び塩化亜鉛(II)125mg(0.92mmol、0.05当量)の混合物を30分間還流し、そしてロータリーエバポレーターを用いて乾燥するまで濃縮した。水100mLを添加し、そして混合物を濃塩酸を用いて中和した。クロロホルムを用いて4回抽出し、並びに有機抽出液を合せ及び乾燥した(硫酸ナトリウム)後、粗生成物を得、それをその後、アセトニトリルから再結晶化した。4−(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを白色固体の形態で得た。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):8.69(d,1H,4.5Hz);8.32(d,1H,J=5.9Hz);7.92−7.74(m,2H);7.37−7.3
0(m,1H);7.20(d,1H,J=2.3Hz);7.01(s,1H);6.98(s,1H);6.71−6.63(m,1H);3.45−3.35(tm,4H);2.58−2,48(tm,4H);2.32(s,3H)。
【0136】
実施例42:1,1−ジメチル−4−(4’−オキソ−1’,4’−ジヒドロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4−イル)−ピペラジニ−1−イウムメトスルフェート (以下、L33と呼ぶ。)
【化58】

ジメチルスルフェート0.33mL(3.5mmol,442mg)を、アセトン60mL中の4−(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例41のL32)1.22g(3.5mmol)の懸濁液に滴下添加した。17時間後、濾過を行い、そして粗生成物を洗浄し(アセトン及びジクロロメタン)、そしてその後メタノールから再結晶化した。1,1−ジメチル−4−(4’−オキソ−1’,4’−ジヒドロ−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4−イル)−ピペラジニ−1−イウムメトスルフェートを白色固体の形態で得た。
222755*0.09H2O,475.17;計算値 C55.61 H5.77 N14.74 S6.75 H2O0.34;実測値 C55.56 H5.85 N14.63 S6.75 H2O0.33。
1H−NMR(360MHz,D2O):8.31(d,1H,J=4.1Hz);7.76(dd,1H,J=7.7);7.64(d,1H,J=7.7Hz);7.58(d,1H,J=5.4Hz);7.22(dd,1H,J=7.2,5.0Hz),6.71(s,1H;6.48(dm,1H);6.46−6.39(dm,1H);6.34(dm,1H);3.67(s,3H);3.48(br s,8H);3.19(s,6H)。
【0137】
実施例43:4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(以下、L34と呼ぶ。)
【化59】

2−メチル−2−ブタノール200mL中の4,4”−ジクロロ−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例25のL16)10.89g(34.2mmol)、1−メチル−ピペラジン68.6g(685mmol、76.1mL)及び塩化亜鉛(II)233mg(1.71mmol、0.05当量)の混合物を24時間還流し、そしてロータリーエバポレーターを用いて乾燥するまで濃縮した。粗生成物を酢酸エチル/メタノール33:1(v/v)から再結晶化し、水100mL中に取り入れ、
そして4N水酸化ナトリウムを用いてpH8ないし9に調節し、そして明ベージュ色の4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを濾去した。
1H−NMR(360MHz,CDCl3):8.32(d,2H,J=5.9Hz);7.18(dm,2H);6.93(s,2H);6.66(dd,2H;J=5.9,2.3Hz);3.41−3.32(tm,8H);2.55−2,44(tm,8H);2.29(s,6H)。
【0138】
実施例44:ヨウ化メチルを用いた4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンの二重四級化(以下、L35と呼ぶ。)
【化60】

ヨウ化メチル8.7mL(19.9g,140mmol)を、アセトニトリル150mL中の4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例43のL34)3.12g(7mmol)の懸濁液に滴下添加した。室温にて5時間撹拌し、そして濾過を行い、そして生じた、二重四級化されたやや白色の4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(C273727O)を洗浄した(アセトニトリル)。
1H−NMR(360MHz,D2O):7.73(d,2H,J=5.9Hz);6.88(s,2H);6.63−6.54(dm,2H);6.45(s,2H);3.69−3.43(dm,16H);3.20(s,12H)。
【0139】
実施例44a:ヨウ化メチルを用いた4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンの三重メチル化(以下、L35と呼ぶ。)
【化61】

4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例43のL34)156mg(0.35mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド3mL中の水素化ナトリウム合計およそ30mg(およそ0.75mmol、鉱油中60%)の懸濁液に4℃にて添加した。混合物を、その温度にて20分間撹拌し、室温にて1時間加熱し、そして再冷却した。ヨウ化メチル66μL(1.05mmol)をその後滴下添加し、そして混合物を冷却しながら20分間、及び室温にて30分間撹拌した。再冷却及び水2mLの添加後、白色の三重メチル化
された、式C2839Cl27Oで表される4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを濾去した。
13C−NMR(40MHz,DMSO−d6):167.2;156.8;155.6;154.7;149.8;109.4;106.4;105.6;59.9;55.5;50.4;40.0。
【0140】
実施例45:L35のアニオン交換(配位子L36)
【化62】

ヨウ化メチルを用いて二重四級化された4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン0.96g(1.32mmol)を、希HCl(pH=6)10mL中に溶解した。溶液をイオン交換カラム(DOWEX100g 1×8、200−400メッシュ、塩化物形態)を通して溶離し、そしてロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。
2737Cl27*1.8HCl*2H2O,計算値 C50.03 H6.66 N15.13 Cl20.78,実測値 C50.47 H6.67 N14.90 Cl20.4(ヨウ素含量<0.3)。
1H−NMR(400MHz,D2O):8.17(dm,2H,J=7Hz);7.59(s,2H);7.46(s,2H);7.15(dm,2H,J=7Hz);4.14(br s,8H);3.71(br s,8H);3.30(s,12H)。
【0141】
実施例46:ジメチルスルフェートを用いた4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンの二重四級化(以下、L37と呼ぶ。)
【化63】

ジメチルスルフェート2.66mL(27.92mmol)を、アセトン250mL中の4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オン(実施例43のL34)6.22g(13.96mmol)の懸濁液に滴下添加した。20時間後、二重四級化されたやや白色の4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを濾去し、そして洗浄した(アセトン)。
2943792*0.39H2O,704.86;計算値 C49.42 H6.26
N13.91 S9.10 H2O1.00;実測値 C49.30 H6.19 N13.85 S8.99 H2O1.00。
1H−NMR(360MHz,D2O):8.08(d,J=5.9Hz,2H);7.1
8(dm,2H);6.79(dd,J=5.9,2.3Hz);6.74(s,2H);3.77−3.68(m,8H);3.65(s,6H);3.59−3.50(m,8H)。
【0142】
ターピリジン配位子及び4−ピリドン配位子を有する金属錯体の合成
実施例47:ピリドン配位子を含有するマンガン(II)錯体:塩化{[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オール}マンガン(II)
【化64】

塩化マンガン(II)四水和物198mg(1mmol)を、エタノール10mLに溶解し、そして1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンL1 249mg(1mmol)を添加した。混合物を室温にて24時間攪拌し、そして濾過し、そして明黄色固体を真空乾燥させた。
1511Cl2MnN3O,375.12;計算値 C48.03 H2.96 N11.20 Mn14.65,実測値 C48.22 H3.14 N11.13 Mn14.6。
IR(cm-1):3082(br,vs),1613(s),1600(s),1558(s),1429(m),1224(s),1011(m),798(m)。
【0143】
実施例48:置換ターピリジン配位子を有するマンガン(II)錯体:塩化{2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ]−エタノール}マンガン(II)
【化65】

水5mLに溶解した2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン−4’−イル−アミノ]−エタノールL7 336mg(1mmol)を、塩化マンガン(II)四水和物198mg(1mmol)の水性溶液5mLに滴下添加した。混合物を室温にて20分間攪拌し、そして濾過し、そして明黄色固体を真空乾燥させた。
1920Cl2MnN42*,0.11H2O;計算値 C49.16 H4.39 N12.07 Mn11.83,実測値 C49.23 H4.38 N12.07 Mn12.1。
IR(cm-1):3512(w),3456(m),1609(vs),1569(w),1518(s),1532(w),1569(w),1473(w),1444(s),1055(s),1013(vs),789(vs)。
【0144】
実施例49:2つの置換ターピリジン配位子を有するマンガン(II)錯体:塩化ビス{2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ]−エタノール}マンガン(II)
【化66】

2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジ−4’−イル−アミノ]−エタノールL7 336mg(1mmol)をエタノール/水5mL中に懸濁させ、そして塩化マンガン(II)四水和物99mg(0.5mmol)のエタノール溶液を添加した。混合物をその後室温にて90分間攪拌し、そして橙色がかった黄色固体を濾去し、そして乾燥させた。
3840Cl2MnN84*2O,計算値 C55.89 H5.18 N13.72 Mn6.73,実測値 C56.08 H5.44 N13.58 Mn6.66。
IR(cm-1):3240(br),1598(vs),1570(w),1510(m),1473(w),1442(s),1046(w),1011(vs),792(w)。
【0145】
マンガン結合した置換ターピリジン型配位子の変性、直接錯体合成:(実施例50)
実施例50:塩化ビス{4,4”−ビス[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オール}マンガン(II)
メタノール25mL中のL16 318mg(1mmol)を、塩化マンガン(II)四水和物426mg(2.2mmol)及びN−メチルアミノエタノール8.8g(117mmol)と共に、アルゴン下、還流下に18時間加熱した。濃縮を行い、そして残渣をシリカゲル(ジクロロメタン/メタノール4:1)上でクロマトグラフィーに付した。C4250Cl2MnN106,黄色固体。
IR(cm-1):3238(br,m),1603(vs),1511(s),1536(m),1484(m),1450(m),1356(w),1010(s)。
【0146】
実施例51:1,1−ジメチル−4−(4’−オキソ−1’,4’−ジヒドロ− [2,2’;6’,2”]ターピリジ−4−イル)−ピペラジニ−1−イウムメトスルフェートを有するマンガン(II)錯体
メタノール4mL中の塩化マンガン(II)四水和物37.6mg(0.19mmol)の溶液を、メタノール4mL中の1,1−ジメチル−4−(4’−オキソ−1’,4’−ジヒドロ− [2,2’;6’,2”]ターピリジ−4−イル)−ピペラジニ−1−イウムメトスルフェート(実施例42のL33)の懸濁液に添加した。その後ロータリーエバポレーター(30℃、20mbar最終圧)を用いた濃縮を行った。式C2227Cl2MnN55*0.38H2O(Fw=606.24)で表されるマンガン錯体を黄色の粉体の形態で得た;計算値 C43.59 H4.62 N11.55 S5.29 Cl11.70 Mn9.06 H2O1.13;実測値 C43.54 H4.50 N11.73 S5.07 Cl11.69 Mn9.06 H2O1.14。
【0147】
実施例52:4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを有するマンガン錯体
配位子L34(実施例43)塩酸塩1当量を、水100mL中の塩化マンガン(II)四水和物2.33g(11.8mmol)の溶液に添加した。溶液をその後凍結乾燥した。式C2531Cl2MnN7*3.73H2*2.31HClで表されるマンガン錯体を黄色の固体の形態で得た;計算値 C46.06 H6.30 N15.04 Cl12.56 Mn8.43 H2O10.31;実測値 C46.02 H5.84 N14.99 Cl12.54 Mn8.17 H2O10.52。
【0148】
実施例53:2重四級化4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを有するマンガン錯体
配位子L37(実施例46)1当量を、水350mL中の塩化マンガン(II)四水和物2.64g(13.33mmol)の溶液に添加した。溶液をその後凍結乾燥した。式C2943Cl2MnN792*3.62H2Oで表されるマンガン錯体を黄色の固体の形態で得た。計算値 C39.19 H5.70 N11.03 Cl7.98 Mn6.18 H2O7.34;実測値 C38.68 H5.65 N10.73 Cl7.77
Mn5.97 H2O7.33。
【0149】
実施例53a:2重四級化4,4”−ビス(4−メチル−ピペラジニ−1−イル)−1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンを有するマンガン(II)錯体
メタノール11mL中の塩化マンガン(II)四水和物119mg(0.6mmol)の溶液を、配位子C2943792(実施例46のL37)419mg(0.6mmol)の懸濁液に添加した。その後ロータリーエバポレーター(30℃、20mbar最終圧)を用いた濃縮を行った。式C2943Cl2MnN792*2.22H2O(Fw863.67)で表されるマンガン錯体を黄色の粉体の形態で得た;計算値 C40.33 H5.54 N11.35 S7.43 Cl8.21 Mn6.36 H2O4.63;実測値 C41.10 H5.35 N11.77 S7.18 Cl8.36 Mn5.91 H2O4.64。
【0150】
ターピリジン型の置換配位子を有する高原子価のマンガン錯体の合成(実施例54ないし57)[ターピリジンのためのJ.Limburg他.,Science 1999,283,1524−1527による方法を参照のこと。]
実施例54:1’H−[2,2’;6’,2”]ターピリジノ−4’−オンL1 1.78g(7.14mmol)を、水35mL中の酢酸マンガン(II)四水和物1.75g(7.14mmol)の溶液に添加した。その後、水20mL中のペルオキソモノ硫酸カリウム3.28g(KHSO5の形態での活性酸素9.93mmol)の溶液を滴下添加した。その後、混合物を室温にて2時間攪拌し、その後吸引濾過し、そして水25mLを用いて洗浄した。真空下、50℃にて12時間乾燥を行って、オリーブグリーン色の粉体2.05gを得た。
IR(cm-1):3068(m),1613(m),1602(m),1587(s),1480(m),1099(vs),1053(w),1028(s),1011(s),788(m)。
【0151】
実施例55:酢酸マンガン(II)四水和物1.23g(5mmol)を、2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジニ−4’−イル−アミノ]エタノールL7 1.68g(5mmol)の懸濁液に添加した。その後、水30mL中のペルオキソモノ硫酸カリウム1.44g(KHSO5の形態での活性酸素4.37mmol)の溶液を滴下添加した。今の赤色の溶液に、1Mヘキサフルオロリン酸アンモニウム溶液を合計25mL滴下添加した。沈殿を濾去し、そして各回に水10mLを用いて2回洗浄した。赤色の固体をその後、アセトニトリル30mL中に取り入れ、濾紙を通して
濾過し、そして濃縮した。残った残渣を、ジクロロメタンを用いてソクスレー(Soxhlet)装置中で16時間抽出し、そしてその後真空下で50℃にて乾燥した。ワインレッド色の粉体2.15gを得た。
IR(cm-1):2981(s),2923(s),2866(m),2844(m),1621(s),1571(w),1537(w),1475(s),1356(m),1055(s),1032(vs),1011(s),829(vs),784(s),740(w)。
【0152】
実施例56:塩化マンガン(II)四水和物99mg(0.5mmol)を、2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−[2,2’;6’,2”]ターピリジン−4’−イル−アミノ]エタノールL7 168mg(0.5mmol)の懸濁液に添加した。その後、水3mL中のペルオキソモノ硫酸カリウム144mg(KHSO5の形態での活性酸素0.44mmol)の溶液を滴下添加した。ほぼ黒色の固体を濾去し、そして真空下に50℃にて乾燥した。
IR(cm-1):3324(br,m),3076(br),1614(s),1523(w),1476(m),1154(w),1055(w),1025(vs),925(w),647(s)。
【0153】
応用例
応用例1:(溶液中のモリンの漂白)
10μM触媒溶液(水又はメタノール中の当該配位子との塩化マンガン(II)四水和物の1:1錯体を、時間t=0にて、pH10の10mMカルボネート緩衝液中の160μMモリンの溶液に添加した。溶液を、40℃のマグネティックスターラー付きのサーモスタット制御の容器に入れた。溶液の吸光度を、410nmにて50分間の期間以上測定した。5分間の試験時間後における脱色値をパーセンテージとして示す:
【表1】

本発明にしたがった物質の漂白作用は、参照例(触媒なしの系)及び10mM過酸化水素単独の漂白作用よりも優れていることが見られ得る。
【0154】
応用例2:(洗浄剤中の漂白作用)
白色の綿織物7.5g及び茶しみの付いた(BC01,CFT)綿織物2.5gを、洗浄液80mL中で処理した。液は、7.5g/Lの濃度の標準洗浄剤(IEC60456A*)を含んでいた。触媒濃度(水性溶液中で調製した配位子L19との塩化マンガン(II)四水和物の1:1錯体)は、20、50及び100μmol/Lであった。洗浄手続は、リニテスト(LINITEST)装置中のスチールビーカー中で、40℃にて60分間行った。漂白結果を評価するため、処理により生じたしみの明度ΔYの増加(CIEにしたがった明度の差異)を、触媒の添加なしに得られた数値と比較して反射率測定により決定した。以下の明度の増加が判った:
20μM触媒:ΔY=0.9
50μM触媒:ΔY=1.1
100μM触媒:ΔY=2.4
【0155】
応用例3:(メラミンパネル上の茶しみの漂白)
茶しみの付いたメラミンパネルを、硬質表面、とりわけ台所表面を漂白するためのターピリジン錯体の本発明にしたがった活性を示すために使用した。カルボネート緩衝剤中の触媒(配位子L19との塩化マンガン(II)四水和物の1:1錯体)100ppmを含む溶液を、室温にて茶のしみに添加し、そして一晩放置した。漂白結果を評価するために、処理により生じたしみの明度ΔYの増加(CIEにしたがった明度の差異)を、触媒の添加なしに得られた数値と比較して反射率測定により決定した。この場合、触媒の添加は明度1.1の増加を生じた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

[LnMempZq (1)

{式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅を表し、
Xは、配位基又は架橋基を表し、
n及びmは、各々互いに独立して、1ないし8の整数であり、
pは、0ないし32の整数であり、
zは、金属錯体の電荷を表し、
Yは、対イオンを表し、
q=z/(Yの電荷)であり、及び
Lは、式(2)
【化1】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、各々互いに独立して、水素原子;未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N+141516;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N−R1415又は−N(R13)−N+141516(式中、R13は、上記で定義した通りであり、及びR14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、又はR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒になって、他のヘテロ原子を含み得る未置換の又は置換された5−、6−又は7員環を形成する。)を表す。]で表される配位子を表す。}で表される少なくとも1種の金属錯体化合物の、分子酸素及び/又は空気を使用した酸化反応のための触媒としての使用。
【請求項2】
前記Meは、酸化状態II、III、IV又はVであるマンガンである請求項1記載の使用。
【請求項3】
式中、Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R17COO-、R17-、LMeO-又はLMeOO-(式中、R17は水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表し、及びL及びMeは請求項1で定義されたとおりである。)を表す請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式中、Yは、R17COO-、ClO4-、BF4-、PF6-、R17SO3-、R17SO4-、SO42-、NO3-、F-、Cl-、Br-又はI-(式中、R17は水素原子或いは未置換の又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項5】
式中、nは、1ないし4、とりわけ1又は2の整数である請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項6】
式中、mは、1又は2、とりわけ1の整数である請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
式中、pは、0ないし4、とりわけ2の整数である請求項1ないし6のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項8】
式中、zは、8−ないし8+の整数である請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項9】
前記アリール基は、各々未置換の、或いは炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基により又はナフチルオキシ基により置換されたフェニル基又はナフチル基である請求項1ないし8のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
式中、R14及びR15によりそれらを結合する窒素原子と一緒になって形成される5−、6−又は7員環は、未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を表す請求項1ないし9のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項11】
式中、R6は、好ましくは炭素原子数1ないし12のアルキル基;未置換の又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基により又はナフチルオキシ基により置換されたフェニル基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表す。);−N(R13)−NR1415(式中、R13は、上述した定義のとおりであり、及びR14及びR15は、各々互いに独立して水素原子、未置換であるか又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換であるかフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらに結合している窒素原子と一緒になって未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成する。);−NR1415又は−N+141516(式中、R14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらを結合している窒素原子と一緒になって未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成する。)を表し;及びR1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10及びR11は、上述した定義のとおりであるか又は水素原子を表すところの、請求項1ないし10のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項12】
前記配位子Lは、式(3)
【化2】

(式中、R’3、R’6及びR’9は、請求項11においてR6に与えられた意味を有する。)
で表される化合物である請求項11記載の使用。
【請求項13】
式中、R’3、R’6及びR’9は、各々互いに独立して、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基;ヒドロキシ基;未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;ヒドラジン基;アミノ基;未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基;或いは未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル−置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を表す、請求項12記載の使用。
【請求項14】
式中、R6は、ヒドロキシ基を表す請求項13記載の使用。
【請求項15】
式(1’)

[L’nMempZq (1’)

{式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケル又は銅を表し、
Xは、配位基又は架橋基を表し、
n及びmは、各々互いに独立して、1ないし8の整数であり、
pは、0ないし32の整数であり、
zは、金属錯体の電荷を表し、
Yは、対イオンを表し、
q=z/(Yの電荷)であり、及び
L’は、式(2’)
【化3】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、各々互いに独立して、水素原子;未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン又は未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子或いは未置換であるか又
は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表す。);−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N+141516;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR14152;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N[(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+1415162;−N(R13)−N−R1415又は−N(R13)−N+141516(式中、R13は、上記で定義した通りであり、及びR14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子或いは未置換であるか又は置換された炭素原子数1ないし18のアルキル基又はアリール基を表すか、又はR14及びR15は、それらを結合する窒素原子と一緒になって、他のヘテロ原子を含み得る未置換であるか又は置換された5−、6−又は7員環を形成する。)を表すが、但し、置換基R1ないしR11の内の少なくとも1つは、3つのピリジン環A、B又はCの内の1つに直接結合しない四級化された窒素原子を表す。]で表される配位子を表す。}
で表される少なくとも1種の金属錯体化合物を使用するところの、請求項1ないし10のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項16】
式中、R6は、炭素原子数12のアルキル基;未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基、アミノ基、未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基、フェニル基、フェノキシ基により又はナフチルオキシ基により置換されたフェニル基;シアノ基;ハロゲン原子;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表す。);−NR1415;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N+141516;−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−NR1415;−N(R13)−(炭素原子数1ないし6のアルキレン)−N+141516;−N(R13)−N−R1415又は−N(R13)−N+141516(式中、R13は、上述の意味のいずれか1つを有し得、及びR14、R15及びR16は、各々互いに独立して水素原子、未置換であるか又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上述したとおりに置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらを結合している窒素原子と一緒になって、未置換であるか或いは少なくとも1つの未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成する。)を表し、ここで窒素原子は四級化され得、そしてR1、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10及びR11は、請求項1に定義されるとおりであり得るか又は水素原子を表すところの、請求項15記載の使用。
【請求項17】
式中、配位子L’は、式(3’)
【化4】

(式中、R’3、R’6及びR’9は、請求項15又は請求項16におけるR6に与えられた意味を有するが、R’3及びR’9は、付加的に水素原子であり得る。)
で表される化合物である請求項15又は16記載の使用。
【請求項18】
式中、R’3、R’6及びR’9は、各々互いに独立して、未置換であるか又は炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基により又はヒドロキシ基により置換されたフェニル基;シアノ基;ニトロ基;−COOR12又は−SO312(式中、R12は、各々の場合において、水素原子、カチオン、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。);−SR13、−SO213又は−OR13(式中、R13は、各々の場合において、水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基又はフェニル基を表す。);−N(CH3)−NH2又は−NH−NH2;アミノ基;未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基(式中、窒素原子、とりわけ、3つのピリジン環A、B又はCの1つに結合していない窒素原子は、四級化され得る。);未置換であるか又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキル−N+141516(式中、R14、R15及びR16は、各々互いに独立して、水素原子、未置換の又はヒドロキシ置換された炭素原子数1ないし12のアルキル基、未置換のフェニル基又は上記のとおり置換されたフェニル基を表すか、又はR14及びR15は、それらに結合する窒素原子と一緒になって、未置換の、又は少なくとも1つの炭素原子数1ないし4のアルキル基により又は少なくとも1つの未置換の炭素原子数1ないし4のアルキル基及び/又は置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されたピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン又はアゼパン環を形成し、式中、窒素原子は四級化され得る。);未置換の又はアルキル部分においてヒドロキシ基により置換されたN−モノ−又はN,N−ジ−炭素原子数1ないし4のアルキル−NR1415(式中、R14及びR15は、上記で定義されたとおりであり得);又は基
【化5】

(式中、R15及びR16は、上記に与えられた意味を有し、好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、及び環は未置換であるか又は置換されている。)を表し、ここで、R’3及びR’9は同様に付加的に水素原子であり得るところの、請求項17記載の使用。
【請求項19】
式中、R6はヒドロキシ基を表す請求項17又は18記載の使用。
【請求項20】
置換基R1ないしR11のうちの少なくとも1つ、好ましくは置換基R3、R’3、R6、R’6、R9及び/又はR’9のうちの1つは、基
【化6】

又は
【化7】

(式中、枝分れしていないか又は枝分れしたアルキレン基は、未置換であり得るか又は置換され得、及び式中、互いに独立して枝分れしていないか又は枝分れしたアルキル基は、未置換であり得るか又は各々互いに独立して置換され得、並びに式中、ピペラジン環は未置換であり得るか又は置換され得る。)の1つを表す請求項15ないし19のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項21】
置換基R1ないしR11のうちの少なくとも1つ、好ましくは置換基R3、R’3、R6、R’6、R9及び/又はR’9のうちの1つは、基
【化8】

又は
【化9】

(式中、枝分れしていないか又は枝分れしたアルキレン基は、未置換であり得るか又は置換され得、及び式中、アルキル基は、各々互いに独立して未置換であり得るか又は置換され得、並びに式中、ピペラジン環は未置換であり得るか又は置換され得る。)の1つを表す請求項15ないし20のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項22】
織物材料の汚れ又はしみの漂白のための、又は過酸化水素を含まない洗浄プロセスに関連した移行染料の再析出の防止のための、或いは硬質表面の清浄のための、請求項1ないし21のうちいずれか1項記載の使用。
【請求項23】
前記式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物が、製紙に関連した漂白のための分子酸素及び/又は空気を使用する反応のための触媒として使用される請求項1ないし21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項24】
前記式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物が、有機合成に関連した選択的酸化反応に使用される請求項1ないし21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
前記式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物が、洗浄、清浄、消毒又は漂白組成物中で使用される請求項1ないし21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
前記式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物が、洗浄、清浄、消毒又は漂白組成物中でその場で形成される請求項25記載の使用。
【請求項27】
洗浄、清浄、消毒又は漂白組成物であって、
I)0ないし50質量%のA)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤及び/又はB)1種の非イオン性界面活性剤、
II)0ないし70質量%のC)少なくとも1種の結合剤、
III)液に該洗浄、清浄、消毒及び漂白組成物を0.5ないし20g/リットル添加した場合、前記液中に0.5ないし100mg/リットル、好ましくは1ないし50mg/リットルの濃度を与える量の請求項1ないし26のいずれか1項において定義されたD)少なくとも1種の式(1)及び/又は(1’)で表される金属錯体化合物、及び
IV)100質量%までの水
を含み、各々の場合において、パーセンテージは、該組成物の総質量に基づいた質量%であるところの組成物。
【請求項28】
a)1ないし99質量%の請求項1ないし21のいずれか1項に定義されたとおりの少なくとも1種の金属錯体化合物、
b)1ないし99質量%の少なくとも1種の結合剤、
c)0ないし20質量%の少なくとも1種のカプセル化材
d)0ないし20質量%の少なくとも1種の他の添加剤、及びまた、
e)0ないし20質量%の水
を含む固体配合物。
【請求項29】
顆粒の形態にある請求項28記載の固体配合物。


【公表番号】特表2006−504516(P2006−504516A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547538(P2004−547538)
【出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011635
【国際公開番号】WO2004/039933
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】