分析物質の測定装置たる、フローセル及びそれに関連する方法
【課題】フローセル本体の形成と同時に光案内部材をフローセル本体内部に形成する。
【解決手段】フローセルのフローセル本体20は、二つの端部間に延びる光案内部材28と、二つの端部にそれぞれ近接して配置された二つの端部インターフェース40とを備える。光案内部材28は、流体を受ける貫通穴30を画成する。各端部インターフェース40は、光伝送部材(光ファイバ)および流体伝導部材(毛管)を有するインターフェースハウジング42を備える。二つの端部インターフェース40は、二つの端部クランプ止め部材12によって、フローセル本体20の二つの端部に締結される。各端部インターフェース40は各端部と整合する。流体伝導部材は貫通穴30と流体連通する。光伝送部材は貫通穴30と光連通する。
【解決手段】フローセルのフローセル本体20は、二つの端部間に延びる光案内部材28と、二つの端部にそれぞれ近接して配置された二つの端部インターフェース40とを備える。光案内部材28は、流体を受ける貫通穴30を画成する。各端部インターフェース40は、光伝送部材(光ファイバ)および流体伝導部材(毛管)を有するインターフェースハウジング42を備える。二つの端部インターフェース40は、二つの端部クランプ止め部材12によって、フローセル本体20の二つの端部に締結される。各端部インターフェース40は各端部と整合する。流体伝導部材は貫通穴30と流体連通する。光伝送部材は貫通穴30と光連通する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、溶液中の絶対的に少量の分析物質を分光分析するための測光装置及び設備に関し、より具体的には、フローセルを通る光に対して非結晶のフルオロポリマー材料を使用するフローセルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
高速液体クロマトグラフィ(「HPLC」)、毛管液体クロマトグラフィ(毛管LC又は「CLC」)、毛管電気泳動(CE)及び毛管電子クロマトグラフィ(「CEC」)用の光吸収検出器は、全体として、光源と、波長範囲を選択する手段と、フローセルと、及びフローセルを透過する光の量を測定する少なくとも1つの光センサという、4つの基本的な構成要素を備えている。この装置は、平行な光路が二重ビームとして利用される計器となるように構成することができる。フローセルは、典型的に、分析すべき試料及び光が通過する中空の管の形態をしている。また、これら4つの基本的な構成要素は、典型的に、互いに対して所定の構成の形態とされている。これらの型式の検出器の場合、分析すべき試料がフローセルを通るとき、フローセルを通じて透過する光の量は、ビアの法則(Beer‘s law)に従って減少することが公知である。
【0003】
従来のフローセルにおいて、光は、典型的に、中空の管の長軸線に沿って又は長軸線に対して垂直に、2つの方法の一方にてフローセルを通って進む。その何れの場合でも、すなわち、光が長軸線に対して平行に導入されるとき、又は長軸線に対して垂直に導入されるとき、検出器又は光センサの出力は、通常、試料の濃度及び光路に比例する吸収量にて表わされる。このように、光路が長ければ長い程、所定の試料濃度に対する検出器の出力信号はより大きくなる。しかし、従来のフローセルの場合、フローセルの横壁を打撃する光は、壁における吸収及び散乱により部分的に失われる。この失われた光は、フローセルの光エネルギの処理能力を低下させ、これにより、検出器の出力信号におけるノイズを増大させる。
【0004】
フローセルの横方向寸法又は直径は、横壁を打撃する光の量を少なくするように増すことができるが、このことは、フローセルの容積を増すことになる。しかし、多くの場合、試料の量は制限され、このため、最適なセルは、最小の容積を有するもの、すなわち、断面積又は直径が小さいものであることを意味する。更に、セルの大きい容積は、試料のピーク値を拡げ又は分散させると共に、クロマトグラフィの分解能を低下させる効果を有する。このうように、実際問題として、上記の効果は、従来のフローセルの経路長さ及び横方向寸法を制限することになる。
【0005】
例えば、水のような、一般的なクロマトグラフィ溶媒よりも小さい屈折率を有するポリマーにて被覆された流路を有するフローセルが米国特許第5,608,517号に記載されている。かかるフローセルの場合、フローセル内に導入される光は、内反射され又は流路長さに沿って下方に供給される。しかし、かかるフローセルの場合、フローセルに対するハウジングの内壁に十分均一に接着したポリマー層を得ることは困難である。このため、ポリマー層がハウジングの内壁から分離したり又はその内壁から層剥離することが生じる。この層剥離効果の結果、流体路は歪み、光路及びフローセル内の流体の流れを歪ませ、更に、流体がポリマーとハウジングとの間を流れる状態を形成する。
【0006】
また、本発明の譲受人が所有する米国特許第5,184,192号には、例えば、水のような、一般的なクロマトグラフィ溶媒の屈折率よりも小さい屈折率を有する非結晶のフルオロポリマーにて形成された内壁を有するフローセルが開示されている。本明細書に記載したフローセルは、長い経路長さを有するフローセルを生じさせることができるが、かかるフローセルを製造するのに必要な方法及び形成されるフローセルは、特定の用途には、適していない。
【0007】
更に、これらの基準化したフローセルの何れかを使用する装置又はシステムは、その装置又はシステムを構成するその他の構成要素に対してフローセルが正確に配置されるような構成としなければならない。すなわち、これらのフローセルは、光源と光センサ又は検出器との間の光路内に正確に配置しなければならない。既知のフローセルの位置が臨界的であることは、より大きい信頼性及びより大きい分析の再現性を提供する、連続的な最適の整合状態が必要とされるからである。更に、かかる装置又は設備の構造及び設計により必然的に制限される、例えば、クロマトグラフィカラムとフローセルとの間の流路長さを最小にすることが一般に好ましい。このため、上述したフローセルは、長い経路長さを実現することが可能であるにしても、これらのフローセルは、典型的に、従来のフローセルと同一の仕方にて検出装置又は設備の他の構成要素に対して配置され、このことは、全体として、クロマトグラフィの観点からして、最適な配置ではない。
【0008】
米国特許第4,867,559号に記載されたフローセルは、内部ボアを低屈折率のフッ素繊維にて被覆し得るように毛管を通るクラッディング液体を有している。このフッ素繊維は、フルオリナート(Fluorinert)(登録商標)又はクリトックス(Krytox)(登録商標)という商標名で一般に入手可能なフッ素油のような、粘性、不活性、混和不能な非浸潤化材料とて開示されている。しかし、この構成は、実際上すなわち使用するとき、極めて満足し得ないものである。この構成は、クラッディング液体を毛管ボアに供給し、また、ボアを被覆した後に、余剰な流体を回収するポンプ及び配管を含む、複雑な流体クラッディングの取扱い機構を必要とする。クラッディング液体による被覆の後に、ボアに供給しなければならない試料の供給を妨害しない一方にて、クラッディング流体をボアに供給することを許容する、インターフェース及びシールを具体化しなければならない。更に、余剰なクラッディング流体を供給し且つ引出すためには、流体の粘度及び毛管の小さいボアは、毛管上に不規則的な被覆を生じさせる可能性があるから、入念な流れの較正を必要とする。このことは、フローセルの複雑さ及び費用を著しく増すことになる。
【0009】
更に、クラッディング流体は、ボアの内面に接着してはならず、このため、クラッディング流体がボア内に沈着するのを防止するためには、分析物質を導入する直前に、その流体を導入しなければならない。更に、クラッディング流体は、ボアの内面を完全に被覆することはできず、クラッディングに空隙を残し、このことは、光信号の散乱及び信号の減衰を生じさせることになる。更に、生じる可能性のある別の問題点は、試料がクラッディング流体にて汚れることであり、このことは、試料の純粋な成分を集める可能性を妨げ、このことは、質量分光法のような、下流の分析技術を妨げる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
1.特開昭62−015439号公報
2.特開平09−170981号公報
3.特開平05−196565号公報
4.特開平10−058558号公報
5.特開平08−129003号公報
6.国際公開第97/28435号
7.ALTKORN R et al., Waveguide Capillary Cell for Low-Refractive-Index Liquids,
Appl Spectrosc, 1997年10月 Vol. 51, No. 10, Pages 1554-1558
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来技術が有する問題点の少なくとも一部を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、高光学的処理量、長い光路長さ及び小さい断面積を有するモジュラーフローセルを提供するものである。モジュラーフローセルの形態は、液体及び光の入力、液体及び光の出力に対する遠隔ポート又は接続部を有している。このため、モジュラーフローセルは、クロマトグラフィ装置又はシステム間にてクロマトグラフィ機能を果たすのに最適な位置で所要の形態とすることができる。フローセルの構成要素を形成し且つ例えば、モジュラーフローセルの構成要素を製造するとき、2つの材料又は物を共に接続するための新規な方法が記載されている。かかるフローセルは、搬送管の壁材料と独立的に、試料が充填された管又は毛管に沿って光を軸方向に案内することを可能にする。本発明のモジュラーフローセルは、測定装置又はシステムのシステム構成要素に対して最適に配置され且つ従来技術の装置と比較して容易に設置できる。
【0013】
本発明の1つの面によれば、フローセルは、各々がそれぞれの端部インターフェースが固着された2つの端部を有するフローセル本体を備えている。このフローセルは、モジュラーフローセルアセンブリの一部を形成する形態とされている。
【0014】
フローセル本体は、内面を有する貫通穴が形成された通路を備えている。例えば、一般的なクロマトグラフィ溶媒の屈折率よりも小さい屈折率を有する透明なフルオロポリマー材料のような光案内材料は、フローセル本体に光を案内する貫通穴を形成し得るように、通路に近接する位置に配置される。より具体的な実施の形態において、フローセル本体は、ハウジング内に含まれている。フローセル本体内で光を案内する材料は、例えば、通路の内面又は外面の上に付着されたテフロン(登録商標)AFか、又は通路と機械的に係合するテフロン(登録商標)AFの押出し成形管状部材の被覆かの1つである。何れの場合でも、光を案内する材料と通路の境界壁との間に液圧シールが確立され、このため、液体試料は、貫通穴をバイパスせずに、内面における光案内材料の外側に沿って流れる。この通路は、必要な機械的強度及び流体シールを提供することのできる多数の材料の1つにて形成され、より具体的には、フローセル本体と端部インターフェースの各々との間のインターフェースに流体シールを形成することのできる材料を含む。かかる材料は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0015】
端部インターフェースの各々は、光伝送通路と、該通路を貫通するように配置された流体流路とを有するインターフェースハウジングを備えている。該光伝送通路は、端部インターフェースハウジングの各々内に配置され、端部インターフェースは、フローセル本体に対して固着され、端部インターフェースの各々内の光伝送通路の一端がフローセル本体の貫通穴と光学的に連通するようにされている。フローセル本体の各端部は、また、端部インターフェースの各々の流体流路の一端をフローセル本体の貫通穴と結合する外方に伸びる流体路を有する形態とされている。
【0016】
端部インターフェースの各々は、光伝送通路として光ファイバを有し、また、流体流路として石英毛管のような毛管を有している。一例としての実施の形態におけるインターフェースハウジングはPEEKで出来ている。本発明のより具体的な局面において、インターフェースハウジングは、一体的な構造体を効果的に形成し得るように光ファイバ及び毛管が配置されるPEEKのオーバ成形品である。より具体的には、この成形方法は、PEEKが毛管及び光ファイバの外面に緊密に係合し(例えば、接着剤で接合し又は摩擦係合するように)、これにより、端部部材ハウジングと光ファイバの各々及び毛管との間に強力な機械的接続及び液圧シールを形成するような仕方にて行われる。更に、毛管及び/又は光ファイバは、ハウジングに対する機械的な接合を向上させる表面加工部分をオーバ成形品の内部に含めることができる。光ファイバ及び毛管の自由端は端部インターフェースから外方に伸びる形態とされている。
【0017】
本発明によるフローセルは、流体試料を分析する分析物質測定装置内に一体化されている。該装置は、感知装置と、光源と、本発明によるフローセルを有するフローセルアセンブリと、該フローセルアセンブリを光源及び感知装置の各々に光学的に相互に接続し且つフローセルを流体装置と流体的に相互に接続する相互接続部とを備えている。かかる装置において、フローセルアセンブリは、光源及び感知装置の各々と独立的に且つこれらから隔離可能に(例えば、電気的に隔離される)位置に配置することができる。このように、従来技術の装置と相違して、本発明のフローセルアセンブリは、1つの信号出力を確実に且つ再現可能に提供し得るよう所定の光学的形態を維持すべくその他の装置の光学的構成要素に近接する位置に正確に配置する必要はない。更に、フローセルアセンブリを物理的に且つ電気的に独立させることができるため、このフローセルは、現場で容易に交換し得るようにモジュラー式の形態とすることができる。
【0018】
モジュラー式のフローセルアセンブリは、上述したフローセルを備えており、該フローセルは光ファイバ相互接続部と毛管の相互接続部とを含むフレーム内に取り付けられる。光ファイバの相互接続部は端部インターフェースの各々から外方に伸びる光ファイバの自由端は光源及び感知装置の各々に設けられた光ポートに相互に接続する。端部インターフェースから外方に伸びる毛管の自由端を流体源及び流体吸収体にそれぞれ流体的に相互接続するため当該技術分野の当業者に公知の多数の技術の任意のものにより、毛管の相互接続が行われる。
【0019】
本発明によるフローセルを内蔵するアセンブリ内の光源は、幅の広いスペクトル範囲又は狭小な帯域に亙って所定の仕方にて出力を提供する電磁放射線源である。1つの一例としての実施の形態において、光源は約190nm乃至約800nmの範囲を包含するスペクトル放出分を有する重水素ランプを含む光源である。
【0020】
本発明によるアセンブリ内の感知装置は、分析される流体試料を通る光の伝送量を感知すると共に、その伝送量を表わす出力を提供する回折格子及びフォトダイオード列を備えている。
【0021】
使用時、試料源(例えば、クロマトグラフィカラム)からの流体試料は一端のインターフェースにて流路又は毛管を通って流れ、光案内材料の内面により形成されたフローセル本体の貫通穴内に入る。流体試料は貫通穴から流れ、第二の端部インターフェースの流路又は毛管から出て、排液集め手段その他の下流の工程に達する。このようにして、静止又は流れる流体試料が分析目的のため貫通穴内に配置される。一端のインターフェースから出る光伝送通路又は光ファイバの一端は、光源に光学的に相互に接続され、放射線又は光は光伝送通路を通って流れ、フローセル本体部材の貫通穴に達する。上述したように、この光は、本体の光案内材料により伝送され、光は貫通穴の長軸線に対して実質的に平行にセルを横断する。これに対応して、第二の端部インターフェースから外方に伸びる光伝送通路又は光ファイバの他端は、感知装置により光学的に相互に接続され、セルの出口を縦断した放射線又は光は、セル本体の貫通穴から出て且つ感知装置内へと進む。
【0022】
本発明の特徴は、光源及び感知装置のような装置の構成要素内でモジュールとして容易に取り付けられるモジュラー式フローセルを提供することを含む。フローセル及び該フローセルが配置される装置又はシステムは、光源及び光センサ又は検出器の何れかから短い距離にて離して配置することができ、更に、電気的に隔離することができる。本発明によるかかるフローセル及び測定装置は、従来技術の装置と比べて製造がより経済的で且つより容易である。更に、上述したフローセル及び関連する装置並びにシステムの製造その使用方法は著しく簡略化される。端部インターフェースは、経済的でしかも容易に操作可能なオーバ成形法により形成される。形成されるフローセルは丈夫で且つ耐久性のある構造となる。この製造方法は、異なる経路長さを有するフローセルを容易に製造することを可能にする。
【0023】
本発明の上記及びその他の特徴並びに利点は、幾つかの図面の全体を通じて相応する部品を同様の参照番号で表示する添付図面に関する、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるフローセル本体の側面図である。
【図2】図1の線2−2に沿ったフローセルの断面図である。
【図3】図1のフローセルの分解斜視図である。
【図4】図1のフローセルの一部分の断面図である。
【図5A】本発明による流体路(深さが誇張)の周りのフローセル本体の一部分の斜視図である。
【図5B】本発明によるフローセルの端部インターフェースの斜視図である。
【図6A】本発明によるフローセルの端部インターフェースの1つの代替的な実施の形態の断面図である。
【図6B】図3の線6B−6Bに沿った端部インターフェースの歪み除去手段の部分断面図である。
【図7】本発明によるモジュラー式フローセルを有する分析装置の検出器部分の分解図である。
【図8】本発明のフローセルの端部インターフェースを形成する金型/工具の断面側面図である。
【図9】図7の金型/工具の端面図である。
【図10】本発明による改良されたフローセルの1つの代替的な実施の形態の側面断面図である。
【図11】本発明による改良されたフローセルの更に別の代替的な実施の形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図1乃至図4を参照すると、本発明によるフローセル10は、フローセル本体20と、2つの端部インターフェース40と、該2つの端部インターフェース40をセル本体20と一定の機械的係合状態に保持する2つのクランプ止め部材又はフランジ12とを備えている。図4に最も明確に示すように、セル本体20は、この一例としての実施の形態において、ステンレス鋼で出来たハウジング24を備えている。第一の内側材料又は内側層26がハウジング内で通路25の内面に配置されている。内側の光案内材料28が第一の内側材料又は内側層26内に配置されている。ハウジング24、第一の内側層26及び内側の光案内材料28は、セル本体20の長軸線に沿って伸びる貫通穴30を形成し得る形態とされている。当該技術分野で既知であるように、作動時、分析すべき流動流体又は静止流体がフローセル10の貫通穴30内に配置される。
【0026】
一例としての実施の形態において、第一の内側材料又は内側層26は、第一の内側層がハウジングの通路の内面と固定状態に係合するようにハウジング24の通路25内に引込まれた管状のPEEK部材である。該PEEK管は、約1.575mm(約0.062インチ)(又はより大きい)外径と、約0.508mm(約0.020インチ)の内径とを有する。ハウジングの通路25の相応する内径は、固定状態の係合を容易にし得るようにPEEK管の外径よりも僅かに小さい。一例としてPEEKについて説明するが、過フッ化アミン(PFA)のような同様の密封性質を有する、化学的に不活性なその他の材料を使用することができる。
【0027】
この一例としての実施の形態における光案内材料28は、所望のスペクトル範囲(例えば、紫外線から可視光)に亙ってセル本体の貫通穴30内で液体試料から成る液体の屈折率以下の屈折率を有する。この一例としての実施の形態において、光案内材料28は、テフロン(登録商標)AF1600又は2400という名称で販売されているテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2、2−ジメチル−1、3−ジオキソール(dioxole)の非結晶共重合体のような非結晶フルオロポリマーである。ナトリウムDラインにおけるテフロン(登録商標)AF1600フルオロポリマーの屈折率は1.31であり、AF2400フルオロポリマーの屈折率は1.29である。比較例として、この波長における水の屈折率は1.333である。紫外線波長において、水及びフルオロポリマーの双方の屈折率は増大するが、水の屈折率はより大きい値を保つ。
【0028】
光案内材料28は、多数の技術の任意のものを使用して第一の内側層又はPEEK管26の内面の上に且つ該内面に沿って配置される。光案内材料28及びこれに相応してセル本体の貫通穴30の壁により形成された内壁又は内面は、その光学的性質を向上させ得るように平滑又は鏡状であることが好ましい。このようにして、貫通穴30の一端に向けられる光又は放射線は、貫通穴の下方に且つ該貫通穴の長さに沿って反射される、すなわち、換言すれば、その光は伝送される。かかる形態において、光は、光案内材料28を通じて光を顕著に損失することなく貫通穴30を通じて伝送する。
【0029】
1つの実施の形態において、光案内材料28は、第一の内側層26の内面と機械的に係合するように選ばれた外径を有する管状の押出し成形テフロン(登録商標)AFのような光案内材料から成る押出し成形管である。一例としての実施の形態において、上述したように、第一の内側層26は、内径約0.483mm(約0.019インチ)のPEEK管である。光案内材料28から成る押出し成形管は外径約0.508mm(約0.020インチ)であり、第一の内側層26から成るPEEK管の内径と摩擦可能に係合する。光案内材料28の厚さは、PEEK管の貫通穴を通じて内部に且つ下方に引出されるとき、顕著に変形しないように設定される。従って、内反射した光と関係した消散波の実質的に全てがフローセルハウジング20に達するのが防止される。例えば、光案内材料28から成る管状の押出し成形テフロン(登録商標)AF部材の肉厚は、約0.254mm(約0.010インチ)である。
【0030】
この一例としての実施の形態において、テフロン(登録商標)AF管はPEEKの第一の内側層26内に引込まれる。任意の余剰なテフロン(登録商標)AF管は、クリートを付け、最適には、セル本体構造体(ハウジング、PEEK管及びテフロン(登録商標)AF管)の面をラッピング加工して平滑な表面を提供するようにする。
【0031】
1つの代替的な実施の形態において、光案内材料28は、第一の内側層26の内面に1つ又は2つ以上の非結晶フルオロポリマーの層を被覆し又は堆積させることにより形成される。この一例としての実施の形態において、第一の内側層26は焼結フッ素繊維PTFEである。次に、内面上に溶液の膜を残し得るようにフルオリナート(Fluorinert)(登録商標)FC−71という商標名で販売されているフルオロシランのような溶媒中に非結晶フルオロポリマーの溶液を流動させることにより、テフロン(登録商標)AFフルオロポリマーを第一の内側層26の内面に被覆する。膜から成る溶液をゆっくりと蒸発させ、これは低い圧力で行うことができ、及び/又は処理を速めるため僅かに加熱することができる。溶液中のテフロン(登録商標)AFの濃度を保つことができる点で、また、蒸発時、何ら残留物を残さない点でフルオリナート(登録商標)溶媒のようなフルオロシラン溶媒が適当である。上記の被覆及び蒸発性堆積処理工程は、光案内材料28に対し所望の厚さを実現するのに必要なだけ多数回、繰り返す。所望の厚さに達した後、フローセル本体20は、非結晶フルオロポリマーのガラス遷移温度以上の温度((登録商標名)AF2400フルオロポリマーの場合240℃である)にて加熱する。この加熱により、フルオロポリマーは焼鈍され、第一の内側層26の内面に接合される平滑で且つ透明な膜を形成する。好ましくは、被覆処理工程により形成された光案内材料28の厚さは、伝送された光の幾つかの波長の少なくとも厚さに等しいものとする。このことは、内反射した光と関係した消散波の実質的な部分がフローセルハウジングに達し、そこで光が屈折、散乱又は吸収により失われることを防止する。
【0032】
第一の内側層26及び光案内材料28がハウジング24内で配置され且つ固着された後、両端面22は、端面22が互いに実質的に平行で且つ貫通穴30の長軸線に対して垂直となるようにラッピング加工される。更に、端面22は、各端部インターフェース40との境界部にて流体の圧力に対して密封することのできる合わさり面を画定し得るように研磨する。
【0033】
図5Aにより明確に図示するように、各端面22は、半径方向に伸びるへこみ部、すなわち、端部通路32を含むように第一の内側層26と光案内材料28との領域内で機械加工される。端部通路32は、半径方向に十分な距離だけ伸び、このため、各端部インターフェース40における毛管46の内側通路は、図4に一例として図示するように、本体部材の貫通穴30と流体的に連通している。更に、端部通路32の幅、深さ及び幾何学的配置は、流体が流動する目的のため十分な断面を提供し得るように確定される。流体通路32は、レーザ融除、機械加工等のような当該技術分野の当業者に既知の多数の技術の任意のものを使用して形成可能であることが理解されよう。一例としての実施の形態において、通路32の半径方向に伸びる部分は、幅約76.2μm(約0.003インチ)及び最小深さ約50.8μm(約0.002インチ)の垂直に伸びる側壁及び円弧状の底部を有するような形態とされるが、その他の代替的な形態も実現可能である。
【0034】
図1乃至図4及び図5Bを再度参照すると、上述したように、フローセル10は、各々がインターフェースハウジング42と、光伝送部材と、流体伝導部材又は搬送管とを有する2つの端部インターフェース40を含む。より具体的には、光伝送部材は、光ファイバ44であり、流体伝導部材は、例えば、石英毛管のような毛管46である。
【0035】
光ファイバ44及び毛管46の各々は、インターフェースハウジング42内に配置され且つ該インターフェースハウジングに固着されている。光ファイバ44及び毛管46は、これら構成要素とインターフェースハウジング42との間に液圧シール又は圧力境界を形成するような仕方にて配置され、このため、フローセル本体の貫通穴30内の流体試料が漏洩することはない。この光ファイバ44及び毛管46をインターフェースハウジング42に固着する方法に関する詳細に関しては以下に説明する。
【0036】
図4に最も明確に図示するように、光ファイバ44はインターフェースハウジング42内に配置され、このため、光ファイバ44の一端43は、端部インターフェース40をフローセル本体に固着したとき、フローセル本体の貫通穴30と光学的に相互に接続する。光ファイバ44は、セル本体の貫通穴30の少なくとも断面積を亙って伸びるような寸法とされている。これに相応して、毛管46は、端面インターフェース40をセル本体に固着したとき、毛管46の流体路がセル本体20内の端部通路32と連通するように端部インターフェースハウジング42内に配置される。図4には、セル本体20の各端面22内の端部通路32がセル本体と同一側に配置された状態で図示されているが、流体流路、すなわち、端部通路32の半径方向を同一にするということは必要とされない。
【0037】
使用時、一端インターフェース40の光ファイバ44は、放射線源又は光源に光学的に相互に接続され、他端のインターフェースの光ファイバ44は、感知装置に光学的に相互に接続される。同様に、一端インターフェースの毛管46は、試料供給源に流体的に相互に接続され、他端インターフェースの毛管は、排出管又はその他の下流の工程に流体的に相互に接続される。従って、図1乃至図3に図示するように、光ファイバ44及び毛管46の部分45は、端部インターフェースハウジング42から外方に伸び、これらの部分、及び自由端をそれぞれ上述した仕方にて光学的に且つ流体的に相互に接続することができる。上記の配置は図7に図示されており且つ以下により詳細に説明する。
【0038】
一例としての実施の形態において、端部インターフェースハウジング42はPEEKから成形される。成形処理工程を介して一体的な構造体を形成し得るよう選んだ長さの光ファイバ及び毛管を金型内に配置する。以下に説明するように、成形処理工程は、光ファイバ及び毛管の外面をPEEK内に捕捉し、機械的な相互接続部を形成し且つその間に液圧シールを形成し得るようにして行われる。
【0039】
図6Aを参照すると、端部インターフェース40が多数要素構造型式のハウジング42aを含むことが本発明の範囲に属する。この実施の形態の場合、多数要素ハウジング42aは、例えば、ステンレス鋼のような1つの材料から成る外側部材60aと、PEEKの内側部材60bとを備えている。光ファイバ44及び毛管46は、ハウジングの内側部材60b内に配置される。更に、この実施の形態において、ハウジングの内側部材60bから成るPEEKは、ハウジングの外側部材60a、光ファイバ44及び毛管46の各々に接合される。このように、これら構成要素は、互いに機械的に固着され且つ液圧シールを形成する。ハウジングの外側部材は、硬化可能な樹脂又は溶融加工可能な樹脂のような色々な材料の任意のものとすることが可能であることが理解されよう。
【0040】
インターフェースハウジング42の合わさり端部41は、図1乃至図4の一例としての実施の形態にて、上昇した面型式のフランジ付き面を有するものとして図示されており、フローセル本体20の相応する端部23は、平坦な面型式のフランジ付き面として図示されている。しかし、フローセル本体20の相応する端部23、41及び端部インターフェース40が上昇面又は平坦な面型の面の何れかを提供することは本発明の範囲に属するものである。
【0041】
図6Bに関する一例としての実施の形態において、端部インターフェース20の各々は、端部インターフェースハウジング42の外面にて又はその外面付近にて光ファイバ44及び毛管46が構造的に破断する可能性から保護し又はその可能性を最小にし得るように歪み除去手段70を備える形態とすることができる。歪み除去手段70は、PTFEシュリンク管スリーブ72と、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)外側スリーブ74と、内側ETFEスリーブ76とを備えている。これらのスリーブは、端部インターフェースハウジング42から伸びる光ファイバ44の一部分及び毛管46の周りにこの順序にて配置されている。更に、PTFEシュリンク管スリーブ72は、歪み除去手段70が所定の位置に固着されるように端部インターフェースハウジング42の外面に沿って伸びている。これと代替的に、歪み除去手段70は、PTFEシュリンク管スリーブ72の周りに配置されたコイルばねを備えるようにしてもよい。
【0042】
図1乃至図4を再度参照すると、上述したように、フローセル10は、端部インターフェース40をフローセル本体20に固着し、光ファイバ44及び毛管46が端部通路32及び貫通穴30に対して一定で且つ所定の関係となるようにする2つのクランプ止めリング12も備えている。クランプ止めリング12の各々は、穴14と、該穴の周りに中心があり、端部インターフェース40の周りに配置されたへこみ領域16とを含むディスク形状部材である。組み立てたとき、端部インターフェース40の外筒50を穴14に通し、端部インターフェース40のフェルール52の一部をへこみ領域16内に受け入れる。クランプ止めリングの各々は、ステンレス鋼、アルミニウム等のような材料を含む、所望の適用例の機械的負荷及び環境状態に適した材料にて製造する。穴14は、外筒50の周りにきちっと嵌まり締り嵌めし得る寸法とされている。図示しないが、端部インターフェース40とフローセル本体20とを光学的に且つ流体的に整合させるため、1つ又はより多数の止めピン又はその他の整合手段を使用することができる。
【0043】
一例としての実施の形態において、へこみ領域16は、端部インターフェースフェルール52の円形の幾何学的形状と相応するように垂直方向に伸びる円形の側壁と、平坦な底部とを有している。フランジ12の各々の端部インターフェースフェルール52及びへこみ領域16が直線状、多角形又は三角形のような多数の相補的な幾何学的形状の任意のものを備えることが本発明の範囲に属する。
【0044】
図3に図示するように、クランプ止めリング12及びセル本体の各々は、複数のねじ穴13、21を有している。ねじ穴13、21は、共通の軸線の周りでそれぞれリング12の各々及びセル本体内に配置され、端部インターフェース40がセル本体に固着されるとき、これらの穴が直線状となるようにする。一例としての実施の形態において、リング12は、端部インターフェース40をフローセル本体のねじ穴の雌ねじ(図示せず)によりセル本体20に且つ該セル本体20と整合状態に固着する。ねじは、リング12の各々に設けられた穴13、21を通って進み、クランプ止めリングをねじを介してフローセル本体20に取り付ける。しかし、その他の型式の金具(例えば、ナット及びボルト)を含む利用可能な多数の技術及びセル本体及び端部インターフェース40を共に固着する接着剤等を含む任意の技術を使用してインターフェース40の端部をセル本体20の端部22に固着することが本発明の範囲に属する。同様に、クランプ止めリングをフローセル本体に取り付けるとき、荷重を分配し得るよう波形座金等が使用可能であることを理解すべきである。
【0045】
本発明によるフローセル10は、多数の有利な利点を有する。1つの局面において、フローセル本体20は、収束光学素子を交換せずに、適用例の効果として、セル本体の長さを調節することにより、経路長さを長くし又は短くし得るように容易に形成することができる。フローセルは、放射線源及び感知装置から電気的に隔離され、幾つかの測定技術における高電圧の印加が容易に実現可能であるように配置することができる。
【0046】
図7に図示するように、液体クロマトグラフィ装置にて採用されるであろう分析物質の測定装置システム100は、感知装置110と、光源120と、本発明によるフローセル10を含むフローセルサブアセンブリ130とを備える形態とされている。フローセルアセンブリを光源及び感知装置の各々に光学的に相互に接続する手段がシース付き光ファイバ及び流体路の形態にて設けられている(図1乃至図6及び図7に詳細に図示しない全ての構成要素又は機能部分に対する関連する説明を参照すべきである)。一例としての実施の形態において、モジュラーフローセルサブアセンブリ130は、光ファイバ140により感知装置110及び光源のハウジング124内に設けられた光出力ポート122を介して光源120に光学的に相互に接続される。かかる装置において、フローセルサブアセンブリ130は、現場にて容易に交換可能であるモジュラー式フローセルサブアセンブリを提供する。
【0047】
フローセルサブアセンブリ130は、フレーム132内に取り付けられた上述したフローセルを備えている。該フレームは、光ファイバの結合手段と毛管の結合手段とを備えている。光ファイバの結合手段は、各端部インターフェース40の外方に伸びる光ファイバ44の自由端並びに光源及び感知装置それぞれに対する光学的相互接続部に結合し得る形態とされている。図7に図示した実施の形態において、一端のインターフェース40の光ファイバ44の自由端は、フェルール型継手134(当該技術分野で公知のSMAコネクタのような)に光学的に相互に接続され、他端のインターフェースの光ファイバの自由端は、第二のフェルール型継手136に光学的に相互に接続され、これら継手134、136の各々はフレーム132に固着されている。第一の継手134の一端133は、光源120に設けられた光ポート122と合わさる形態とされ、第二の継手136の一端137は、システムの光ファイバ140の一端142に設けられた光カプラーと合わさる形態とされている。システムの光ファイバ140の他端144は、感知装置のハウジング114に形成された光ポート112と合わさる形態とされている。同様に、各端部インターフェースから外方に伸びる毛管の自由端を試料源からの入口管及び廃物集め箇所への廃物管の一方に流体的に相互に接続するため、当該技術分野の当業者に既知の多数の継手の任意のものとするとこができる毛管流体継手が設けられる。
【0048】
一例としての装置における光源120は、流動流体又は静止流体の試料のスペクトル分析のため多数の光源の任意の1つである。例えば、光源120は、約190nm乃至約800nmの範囲を包含するスペクトル放出光を有する重水素ランプを含む光源とすることができる。
【0049】
同様に、感知装置110は、分析される流体試料を通る光の伝送を感知すべく当該技術分野で既知の多数の装置の任意の1つとすることができる。一例としての装置における感知装置110は、流体試料中の溶液中の分析物質により吸収される光の量を感知する形態とされた吸収型検出器とすることができる。かかる検出器は、典型的に、少なくとも光源120のスペクトル放出光を含む範囲における所定のスペクトル範囲の光を感知するウォータズ(Waters)996PDAのようなフォトダイオード列(PDA)を含む。
【0050】
上述したように、一例としての実施の形態における端部インターフェース40の各々は、オーバ成形したPEEKであり、この場合、PEEK材料は、端部インターフェースハウジング42を備え、光ファイバ44及び毛管46がその内部で固定状態に配置されている。また、上述したように、PEEKが光ファイバ44及び毛管46を捕捉し、これにより、その間に機械的な結合及び液圧シールを形成するように成形処理工程が行われる。
【0051】
次に、図8乃至図9を参照すると、本発明によるフローセルを形成するとき、PEEKを接着剤で接合する処理工程は、本発明による成形した端部インターフェース40を形成するため金型/工具800を使用する。例えば、長さ約30.48cm(約12インチ)乃至40.64cm(16インチ)の光ファイバ44及び毛管46を金型/工具800内に配置し、その一部分が金型/工具800の各端部に設けられた端部通路802、804から外方に伸びるようにする。
【0052】
PEEK材料は、射出成形が可能であるのに十分な温度まで加熱する。このように加熱されたとき、液体PEEKは、多くの材料の表面を小さい接触角度にて極めて良好に浸潤化する能力を更に特徴としている。かかる材料は、PEEKが極めて加熱される温度範囲内で固体である材料を含み、また、例えば、あらゆる型式の鋼、アルミニウム、チタンのような金属、石英、溶融二酸化ケイ素及びポリミド被覆石英ファイバのような非金属材料を含む。
【0053】
成形後、各端部インターフェース40の合わさる端部41から伸びる光ファイバ44及び毛管46の余分な長さを合わさる端部の露出した面付近までクリートを付ける。例えば、管及びケーブルのこれらの端部は、薄い接着したダイアモンド切断ホイールにより、その切断ホイールの平面が端部部材の上昇した面の端部面に対して平行となるようにして切断する。次に、所望の合わさり特徴を有する合わさり面を提供するのに必要なように端部インターフェースの合わさり端部41を機械加工し、表面研磨し、ラッピング加工し且つ/又は研磨する。更に、光ファイバ44の露出した端部が所望の光学的透過度を有するように合わさり部分を研磨し且つ/又はラッピング加工する。
【0054】
上記の方法は、フローセル本体20に対し平滑な面を提供する完成したアセンブリを製造し、このため、1つの測定間隔から次の間隔へのキャリーオーバを生ずる分析材料の停滞の原因となる可能性のあるキャビティ又はフラッシングされない容積が何ら観察されない。更に、且つ上述したように、PEEK材料は、液圧シールを形成し、このため、フローセルは、組み立てたときに、顕著な作動圧力に耐えることができる。
【0055】
本発明による改良されたフローセルの1つの代替的な実施の形態が図10に図示されている。フローセル本体220は、流体がセルチャンバ224内に入り且つ該セルチャンバ224から出るための流体通路222を含むような形態とすることができることを理解すべきである。チャンバ224は、図1乃至図4の実施の形態に関して本明細書に記載したように光案内部材又は材料を含む。図10の実施の形態において、端部インターフェース226は、実質的に上述したように、端部インターフェース内に係合したそれぞれの光ファイバの形態による光伝送部材228を含むような形態とされている。セル本体220の両端に配置された内部の流体通路230は、流体通路222とチャンバ224のそれぞれの端部との間の流体的連通を促進する。
【0056】
図11に図示した更なる代替的な実施の形態において、代替的な光伝送部材240は、セル本体242の端部インターフェースにて具体化可能な形態とされている。この一例としての実施の形態において、流体通路244は、セル本体242と一体化されている。光伝送部材240は、上述したように、クランプ止め部材又はフランジを使用することを含む、色々な方法の任意の方法にてセル本体242に締結することができる石英窓部として具体化されている。流体通路246を交差接続することは、流体通路244とチャンバ248とを流体的に連通させることを可能にする。実施例において、光をセルに向けて且つセルから伝送するため、レンズ及び/又はミラーのような従来の光学的要素が使用されている。更なる代替的な実施例において、例えば、テフロン(登録商標)AFのような光案内部材又は材料が溶融二酸化ケイ素管250として具体化された通路の外側に配置されている。
【0057】
光伝送部材240は、図11の実施の形態において石英窓部として具体化されているが、対象とする波長範囲内で透過性がある、石英以外のその他の材料が窓部として採用可能であることを理解すべきである。
【0058】
上記の方法は、フィルタを備えないPEEKから端部部材を形成する場合を説明するものであるが、ガラスのようなフィラーをPEEKハウジング内に組み込むことも本発明の範囲に属する。特に、PEEKは、寸法上の安定性、収縮応力等に対処する有利な効果を有するフィラーを含むことができる。
【0059】
光ファイバと毛管との間に機械的な結合部を形成すると同時に、その両者の間に液圧シールを形成し、そのように形成された端部材が作動圧力に耐え得るようにするため、PEEKを使用するフローセルの端部インターフェースの形成方法について上記に説明したが、これは本発明を限定するものではない。光ファイバ及び/又は石英毛管と共に使用される多数の標準的なコネクタの任意のものを形成するため、ポリフェノールサルファイド(PPS)のような材料を含む、PEEK以外の材料を使用することも本発明の範囲に属することである。
【0060】
上述した方法の局面は、特別な成形品を別にしても、被覆し又は非被覆石英ファイバを含む多数の材料の任意のものにPEEKを接着させるために使用することができ、また、全体として、PEEKを使用して1つ又は2つ以上の物品間で機械的な結合及び/又は液圧シールを形成するために使用することができることを理解すべきである。
【0061】
本発明のフローセルは、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、毛管液体クロマトグラフィ(毛管LC)及び毛管電気泳動(CE)にて使用されるような液体吸収検出器装置内で使用する場合に関して説明したが、流動試料又は静止試料と共に、蛍光又はラーマン分光法又は測光法に使用すべく本明細書に記載したのと同一の基本的な構造を有するフローセルも本発明の範囲に属するものである。
【0062】
本明細書に記載した一例としての実施の形態は、ランプ、フローセル、光学素子(すなわち、回折格子)及び検出器をその順序にて含むが、本発明によるフローセルは、別の代替的な形態にて具体化することが可能であり、例えば、光源とフローセルとの間に回折格子を配置し又は回折格子を含めず、また、その他の光学素子(例えば、フィルタ)を使用して光を検出器の上に収束させることが可能であることも理解すべきである。
【0063】
同様に、この形態と共にフォトダイオード列又は単一のフォトダイオードを採用することができ且つ/又は回折格子又はフィルタのような光学素子を不要にする、指向された光源としてレーザを採用することもできることを理解すべきである。
【0064】
その一例としての実施の形態に関して本発明を図示し且つ説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、その形態及び細部の点で上記及びその他の色々な変更、省略及び追加が具体化可能であることも理解されよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、溶液中の絶対的に少量の分析物質を分光分析するための測光装置及び設備に関し、より具体的には、フローセルを通る光に対して非結晶のフルオロポリマー材料を使用するフローセルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
高速液体クロマトグラフィ(「HPLC」)、毛管液体クロマトグラフィ(毛管LC又は「CLC」)、毛管電気泳動(CE)及び毛管電子クロマトグラフィ(「CEC」)用の光吸収検出器は、全体として、光源と、波長範囲を選択する手段と、フローセルと、及びフローセルを透過する光の量を測定する少なくとも1つの光センサという、4つの基本的な構成要素を備えている。この装置は、平行な光路が二重ビームとして利用される計器となるように構成することができる。フローセルは、典型的に、分析すべき試料及び光が通過する中空の管の形態をしている。また、これら4つの基本的な構成要素は、典型的に、互いに対して所定の構成の形態とされている。これらの型式の検出器の場合、分析すべき試料がフローセルを通るとき、フローセルを通じて透過する光の量は、ビアの法則(Beer‘s law)に従って減少することが公知である。
【0003】
従来のフローセルにおいて、光は、典型的に、中空の管の長軸線に沿って又は長軸線に対して垂直に、2つの方法の一方にてフローセルを通って進む。その何れの場合でも、すなわち、光が長軸線に対して平行に導入されるとき、又は長軸線に対して垂直に導入されるとき、検出器又は光センサの出力は、通常、試料の濃度及び光路に比例する吸収量にて表わされる。このように、光路が長ければ長い程、所定の試料濃度に対する検出器の出力信号はより大きくなる。しかし、従来のフローセルの場合、フローセルの横壁を打撃する光は、壁における吸収及び散乱により部分的に失われる。この失われた光は、フローセルの光エネルギの処理能力を低下させ、これにより、検出器の出力信号におけるノイズを増大させる。
【0004】
フローセルの横方向寸法又は直径は、横壁を打撃する光の量を少なくするように増すことができるが、このことは、フローセルの容積を増すことになる。しかし、多くの場合、試料の量は制限され、このため、最適なセルは、最小の容積を有するもの、すなわち、断面積又は直径が小さいものであることを意味する。更に、セルの大きい容積は、試料のピーク値を拡げ又は分散させると共に、クロマトグラフィの分解能を低下させる効果を有する。このうように、実際問題として、上記の効果は、従来のフローセルの経路長さ及び横方向寸法を制限することになる。
【0005】
例えば、水のような、一般的なクロマトグラフィ溶媒よりも小さい屈折率を有するポリマーにて被覆された流路を有するフローセルが米国特許第5,608,517号に記載されている。かかるフローセルの場合、フローセル内に導入される光は、内反射され又は流路長さに沿って下方に供給される。しかし、かかるフローセルの場合、フローセルに対するハウジングの内壁に十分均一に接着したポリマー層を得ることは困難である。このため、ポリマー層がハウジングの内壁から分離したり又はその内壁から層剥離することが生じる。この層剥離効果の結果、流体路は歪み、光路及びフローセル内の流体の流れを歪ませ、更に、流体がポリマーとハウジングとの間を流れる状態を形成する。
【0006】
また、本発明の譲受人が所有する米国特許第5,184,192号には、例えば、水のような、一般的なクロマトグラフィ溶媒の屈折率よりも小さい屈折率を有する非結晶のフルオロポリマーにて形成された内壁を有するフローセルが開示されている。本明細書に記載したフローセルは、長い経路長さを有するフローセルを生じさせることができるが、かかるフローセルを製造するのに必要な方法及び形成されるフローセルは、特定の用途には、適していない。
【0007】
更に、これらの基準化したフローセルの何れかを使用する装置又はシステムは、その装置又はシステムを構成するその他の構成要素に対してフローセルが正確に配置されるような構成としなければならない。すなわち、これらのフローセルは、光源と光センサ又は検出器との間の光路内に正確に配置しなければならない。既知のフローセルの位置が臨界的であることは、より大きい信頼性及びより大きい分析の再現性を提供する、連続的な最適の整合状態が必要とされるからである。更に、かかる装置又は設備の構造及び設計により必然的に制限される、例えば、クロマトグラフィカラムとフローセルとの間の流路長さを最小にすることが一般に好ましい。このため、上述したフローセルは、長い経路長さを実現することが可能であるにしても、これらのフローセルは、典型的に、従来のフローセルと同一の仕方にて検出装置又は設備の他の構成要素に対して配置され、このことは、全体として、クロマトグラフィの観点からして、最適な配置ではない。
【0008】
米国特許第4,867,559号に記載されたフローセルは、内部ボアを低屈折率のフッ素繊維にて被覆し得るように毛管を通るクラッディング液体を有している。このフッ素繊維は、フルオリナート(Fluorinert)(登録商標)又はクリトックス(Krytox)(登録商標)という商標名で一般に入手可能なフッ素油のような、粘性、不活性、混和不能な非浸潤化材料とて開示されている。しかし、この構成は、実際上すなわち使用するとき、極めて満足し得ないものである。この構成は、クラッディング液体を毛管ボアに供給し、また、ボアを被覆した後に、余剰な流体を回収するポンプ及び配管を含む、複雑な流体クラッディングの取扱い機構を必要とする。クラッディング液体による被覆の後に、ボアに供給しなければならない試料の供給を妨害しない一方にて、クラッディング流体をボアに供給することを許容する、インターフェース及びシールを具体化しなければならない。更に、余剰なクラッディング流体を供給し且つ引出すためには、流体の粘度及び毛管の小さいボアは、毛管上に不規則的な被覆を生じさせる可能性があるから、入念な流れの較正を必要とする。このことは、フローセルの複雑さ及び費用を著しく増すことになる。
【0009】
更に、クラッディング流体は、ボアの内面に接着してはならず、このため、クラッディング流体がボア内に沈着するのを防止するためには、分析物質を導入する直前に、その流体を導入しなければならない。更に、クラッディング流体は、ボアの内面を完全に被覆することはできず、クラッディングに空隙を残し、このことは、光信号の散乱及び信号の減衰を生じさせることになる。更に、生じる可能性のある別の問題点は、試料がクラッディング流体にて汚れることであり、このことは、試料の純粋な成分を集める可能性を妨げ、このことは、質量分光法のような、下流の分析技術を妨げる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
1.特開昭62−015439号公報
2.特開平09−170981号公報
3.特開平05−196565号公報
4.特開平10−058558号公報
5.特開平08−129003号公報
6.国際公開第97/28435号
7.ALTKORN R et al., Waveguide Capillary Cell for Low-Refractive-Index Liquids,
Appl Spectrosc, 1997年10月 Vol. 51, No. 10, Pages 1554-1558
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来技術が有する問題点の少なくとも一部を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、高光学的処理量、長い光路長さ及び小さい断面積を有するモジュラーフローセルを提供するものである。モジュラーフローセルの形態は、液体及び光の入力、液体及び光の出力に対する遠隔ポート又は接続部を有している。このため、モジュラーフローセルは、クロマトグラフィ装置又はシステム間にてクロマトグラフィ機能を果たすのに最適な位置で所要の形態とすることができる。フローセルの構成要素を形成し且つ例えば、モジュラーフローセルの構成要素を製造するとき、2つの材料又は物を共に接続するための新規な方法が記載されている。かかるフローセルは、搬送管の壁材料と独立的に、試料が充填された管又は毛管に沿って光を軸方向に案内することを可能にする。本発明のモジュラーフローセルは、測定装置又はシステムのシステム構成要素に対して最適に配置され且つ従来技術の装置と比較して容易に設置できる。
【0013】
本発明の1つの面によれば、フローセルは、各々がそれぞれの端部インターフェースが固着された2つの端部を有するフローセル本体を備えている。このフローセルは、モジュラーフローセルアセンブリの一部を形成する形態とされている。
【0014】
フローセル本体は、内面を有する貫通穴が形成された通路を備えている。例えば、一般的なクロマトグラフィ溶媒の屈折率よりも小さい屈折率を有する透明なフルオロポリマー材料のような光案内材料は、フローセル本体に光を案内する貫通穴を形成し得るように、通路に近接する位置に配置される。より具体的な実施の形態において、フローセル本体は、ハウジング内に含まれている。フローセル本体内で光を案内する材料は、例えば、通路の内面又は外面の上に付着されたテフロン(登録商標)AFか、又は通路と機械的に係合するテフロン(登録商標)AFの押出し成形管状部材の被覆かの1つである。何れの場合でも、光を案内する材料と通路の境界壁との間に液圧シールが確立され、このため、液体試料は、貫通穴をバイパスせずに、内面における光案内材料の外側に沿って流れる。この通路は、必要な機械的強度及び流体シールを提供することのできる多数の材料の1つにて形成され、より具体的には、フローセル本体と端部インターフェースの各々との間のインターフェースに流体シールを形成することのできる材料を含む。かかる材料は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0015】
端部インターフェースの各々は、光伝送通路と、該通路を貫通するように配置された流体流路とを有するインターフェースハウジングを備えている。該光伝送通路は、端部インターフェースハウジングの各々内に配置され、端部インターフェースは、フローセル本体に対して固着され、端部インターフェースの各々内の光伝送通路の一端がフローセル本体の貫通穴と光学的に連通するようにされている。フローセル本体の各端部は、また、端部インターフェースの各々の流体流路の一端をフローセル本体の貫通穴と結合する外方に伸びる流体路を有する形態とされている。
【0016】
端部インターフェースの各々は、光伝送通路として光ファイバを有し、また、流体流路として石英毛管のような毛管を有している。一例としての実施の形態におけるインターフェースハウジングはPEEKで出来ている。本発明のより具体的な局面において、インターフェースハウジングは、一体的な構造体を効果的に形成し得るように光ファイバ及び毛管が配置されるPEEKのオーバ成形品である。より具体的には、この成形方法は、PEEKが毛管及び光ファイバの外面に緊密に係合し(例えば、接着剤で接合し又は摩擦係合するように)、これにより、端部部材ハウジングと光ファイバの各々及び毛管との間に強力な機械的接続及び液圧シールを形成するような仕方にて行われる。更に、毛管及び/又は光ファイバは、ハウジングに対する機械的な接合を向上させる表面加工部分をオーバ成形品の内部に含めることができる。光ファイバ及び毛管の自由端は端部インターフェースから外方に伸びる形態とされている。
【0017】
本発明によるフローセルは、流体試料を分析する分析物質測定装置内に一体化されている。該装置は、感知装置と、光源と、本発明によるフローセルを有するフローセルアセンブリと、該フローセルアセンブリを光源及び感知装置の各々に光学的に相互に接続し且つフローセルを流体装置と流体的に相互に接続する相互接続部とを備えている。かかる装置において、フローセルアセンブリは、光源及び感知装置の各々と独立的に且つこれらから隔離可能に(例えば、電気的に隔離される)位置に配置することができる。このように、従来技術の装置と相違して、本発明のフローセルアセンブリは、1つの信号出力を確実に且つ再現可能に提供し得るよう所定の光学的形態を維持すべくその他の装置の光学的構成要素に近接する位置に正確に配置する必要はない。更に、フローセルアセンブリを物理的に且つ電気的に独立させることができるため、このフローセルは、現場で容易に交換し得るようにモジュラー式の形態とすることができる。
【0018】
モジュラー式のフローセルアセンブリは、上述したフローセルを備えており、該フローセルは光ファイバ相互接続部と毛管の相互接続部とを含むフレーム内に取り付けられる。光ファイバの相互接続部は端部インターフェースの各々から外方に伸びる光ファイバの自由端は光源及び感知装置の各々に設けられた光ポートに相互に接続する。端部インターフェースから外方に伸びる毛管の自由端を流体源及び流体吸収体にそれぞれ流体的に相互接続するため当該技術分野の当業者に公知の多数の技術の任意のものにより、毛管の相互接続が行われる。
【0019】
本発明によるフローセルを内蔵するアセンブリ内の光源は、幅の広いスペクトル範囲又は狭小な帯域に亙って所定の仕方にて出力を提供する電磁放射線源である。1つの一例としての実施の形態において、光源は約190nm乃至約800nmの範囲を包含するスペクトル放出分を有する重水素ランプを含む光源である。
【0020】
本発明によるアセンブリ内の感知装置は、分析される流体試料を通る光の伝送量を感知すると共に、その伝送量を表わす出力を提供する回折格子及びフォトダイオード列を備えている。
【0021】
使用時、試料源(例えば、クロマトグラフィカラム)からの流体試料は一端のインターフェースにて流路又は毛管を通って流れ、光案内材料の内面により形成されたフローセル本体の貫通穴内に入る。流体試料は貫通穴から流れ、第二の端部インターフェースの流路又は毛管から出て、排液集め手段その他の下流の工程に達する。このようにして、静止又は流れる流体試料が分析目的のため貫通穴内に配置される。一端のインターフェースから出る光伝送通路又は光ファイバの一端は、光源に光学的に相互に接続され、放射線又は光は光伝送通路を通って流れ、フローセル本体部材の貫通穴に達する。上述したように、この光は、本体の光案内材料により伝送され、光は貫通穴の長軸線に対して実質的に平行にセルを横断する。これに対応して、第二の端部インターフェースから外方に伸びる光伝送通路又は光ファイバの他端は、感知装置により光学的に相互に接続され、セルの出口を縦断した放射線又は光は、セル本体の貫通穴から出て且つ感知装置内へと進む。
【0022】
本発明の特徴は、光源及び感知装置のような装置の構成要素内でモジュールとして容易に取り付けられるモジュラー式フローセルを提供することを含む。フローセル及び該フローセルが配置される装置又はシステムは、光源及び光センサ又は検出器の何れかから短い距離にて離して配置することができ、更に、電気的に隔離することができる。本発明によるかかるフローセル及び測定装置は、従来技術の装置と比べて製造がより経済的で且つより容易である。更に、上述したフローセル及び関連する装置並びにシステムの製造その使用方法は著しく簡略化される。端部インターフェースは、経済的でしかも容易に操作可能なオーバ成形法により形成される。形成されるフローセルは丈夫で且つ耐久性のある構造となる。この製造方法は、異なる経路長さを有するフローセルを容易に製造することを可能にする。
【0023】
本発明の上記及びその他の特徴並びに利点は、幾つかの図面の全体を通じて相応する部品を同様の参照番号で表示する添付図面に関する、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるフローセル本体の側面図である。
【図2】図1の線2−2に沿ったフローセルの断面図である。
【図3】図1のフローセルの分解斜視図である。
【図4】図1のフローセルの一部分の断面図である。
【図5A】本発明による流体路(深さが誇張)の周りのフローセル本体の一部分の斜視図である。
【図5B】本発明によるフローセルの端部インターフェースの斜視図である。
【図6A】本発明によるフローセルの端部インターフェースの1つの代替的な実施の形態の断面図である。
【図6B】図3の線6B−6Bに沿った端部インターフェースの歪み除去手段の部分断面図である。
【図7】本発明によるモジュラー式フローセルを有する分析装置の検出器部分の分解図である。
【図8】本発明のフローセルの端部インターフェースを形成する金型/工具の断面側面図である。
【図9】図7の金型/工具の端面図である。
【図10】本発明による改良されたフローセルの1つの代替的な実施の形態の側面断面図である。
【図11】本発明による改良されたフローセルの更に別の代替的な実施の形態の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図1乃至図4を参照すると、本発明によるフローセル10は、フローセル本体20と、2つの端部インターフェース40と、該2つの端部インターフェース40をセル本体20と一定の機械的係合状態に保持する2つのクランプ止め部材又はフランジ12とを備えている。図4に最も明確に示すように、セル本体20は、この一例としての実施の形態において、ステンレス鋼で出来たハウジング24を備えている。第一の内側材料又は内側層26がハウジング内で通路25の内面に配置されている。内側の光案内材料28が第一の内側材料又は内側層26内に配置されている。ハウジング24、第一の内側層26及び内側の光案内材料28は、セル本体20の長軸線に沿って伸びる貫通穴30を形成し得る形態とされている。当該技術分野で既知であるように、作動時、分析すべき流動流体又は静止流体がフローセル10の貫通穴30内に配置される。
【0026】
一例としての実施の形態において、第一の内側材料又は内側層26は、第一の内側層がハウジングの通路の内面と固定状態に係合するようにハウジング24の通路25内に引込まれた管状のPEEK部材である。該PEEK管は、約1.575mm(約0.062インチ)(又はより大きい)外径と、約0.508mm(約0.020インチ)の内径とを有する。ハウジングの通路25の相応する内径は、固定状態の係合を容易にし得るようにPEEK管の外径よりも僅かに小さい。一例としてPEEKについて説明するが、過フッ化アミン(PFA)のような同様の密封性質を有する、化学的に不活性なその他の材料を使用することができる。
【0027】
この一例としての実施の形態における光案内材料28は、所望のスペクトル範囲(例えば、紫外線から可視光)に亙ってセル本体の貫通穴30内で液体試料から成る液体の屈折率以下の屈折率を有する。この一例としての実施の形態において、光案内材料28は、テフロン(登録商標)AF1600又は2400という名称で販売されているテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2、2−ジメチル−1、3−ジオキソール(dioxole)の非結晶共重合体のような非結晶フルオロポリマーである。ナトリウムDラインにおけるテフロン(登録商標)AF1600フルオロポリマーの屈折率は1.31であり、AF2400フルオロポリマーの屈折率は1.29である。比較例として、この波長における水の屈折率は1.333である。紫外線波長において、水及びフルオロポリマーの双方の屈折率は増大するが、水の屈折率はより大きい値を保つ。
【0028】
光案内材料28は、多数の技術の任意のものを使用して第一の内側層又はPEEK管26の内面の上に且つ該内面に沿って配置される。光案内材料28及びこれに相応してセル本体の貫通穴30の壁により形成された内壁又は内面は、その光学的性質を向上させ得るように平滑又は鏡状であることが好ましい。このようにして、貫通穴30の一端に向けられる光又は放射線は、貫通穴の下方に且つ該貫通穴の長さに沿って反射される、すなわち、換言すれば、その光は伝送される。かかる形態において、光は、光案内材料28を通じて光を顕著に損失することなく貫通穴30を通じて伝送する。
【0029】
1つの実施の形態において、光案内材料28は、第一の内側層26の内面と機械的に係合するように選ばれた外径を有する管状の押出し成形テフロン(登録商標)AFのような光案内材料から成る押出し成形管である。一例としての実施の形態において、上述したように、第一の内側層26は、内径約0.483mm(約0.019インチ)のPEEK管である。光案内材料28から成る押出し成形管は外径約0.508mm(約0.020インチ)であり、第一の内側層26から成るPEEK管の内径と摩擦可能に係合する。光案内材料28の厚さは、PEEK管の貫通穴を通じて内部に且つ下方に引出されるとき、顕著に変形しないように設定される。従って、内反射した光と関係した消散波の実質的に全てがフローセルハウジング20に達するのが防止される。例えば、光案内材料28から成る管状の押出し成形テフロン(登録商標)AF部材の肉厚は、約0.254mm(約0.010インチ)である。
【0030】
この一例としての実施の形態において、テフロン(登録商標)AF管はPEEKの第一の内側層26内に引込まれる。任意の余剰なテフロン(登録商標)AF管は、クリートを付け、最適には、セル本体構造体(ハウジング、PEEK管及びテフロン(登録商標)AF管)の面をラッピング加工して平滑な表面を提供するようにする。
【0031】
1つの代替的な実施の形態において、光案内材料28は、第一の内側層26の内面に1つ又は2つ以上の非結晶フルオロポリマーの層を被覆し又は堆積させることにより形成される。この一例としての実施の形態において、第一の内側層26は焼結フッ素繊維PTFEである。次に、内面上に溶液の膜を残し得るようにフルオリナート(Fluorinert)(登録商標)FC−71という商標名で販売されているフルオロシランのような溶媒中に非結晶フルオロポリマーの溶液を流動させることにより、テフロン(登録商標)AFフルオロポリマーを第一の内側層26の内面に被覆する。膜から成る溶液をゆっくりと蒸発させ、これは低い圧力で行うことができ、及び/又は処理を速めるため僅かに加熱することができる。溶液中のテフロン(登録商標)AFの濃度を保つことができる点で、また、蒸発時、何ら残留物を残さない点でフルオリナート(登録商標)溶媒のようなフルオロシラン溶媒が適当である。上記の被覆及び蒸発性堆積処理工程は、光案内材料28に対し所望の厚さを実現するのに必要なだけ多数回、繰り返す。所望の厚さに達した後、フローセル本体20は、非結晶フルオロポリマーのガラス遷移温度以上の温度((登録商標名)AF2400フルオロポリマーの場合240℃である)にて加熱する。この加熱により、フルオロポリマーは焼鈍され、第一の内側層26の内面に接合される平滑で且つ透明な膜を形成する。好ましくは、被覆処理工程により形成された光案内材料28の厚さは、伝送された光の幾つかの波長の少なくとも厚さに等しいものとする。このことは、内反射した光と関係した消散波の実質的な部分がフローセルハウジングに達し、そこで光が屈折、散乱又は吸収により失われることを防止する。
【0032】
第一の内側層26及び光案内材料28がハウジング24内で配置され且つ固着された後、両端面22は、端面22が互いに実質的に平行で且つ貫通穴30の長軸線に対して垂直となるようにラッピング加工される。更に、端面22は、各端部インターフェース40との境界部にて流体の圧力に対して密封することのできる合わさり面を画定し得るように研磨する。
【0033】
図5Aにより明確に図示するように、各端面22は、半径方向に伸びるへこみ部、すなわち、端部通路32を含むように第一の内側層26と光案内材料28との領域内で機械加工される。端部通路32は、半径方向に十分な距離だけ伸び、このため、各端部インターフェース40における毛管46の内側通路は、図4に一例として図示するように、本体部材の貫通穴30と流体的に連通している。更に、端部通路32の幅、深さ及び幾何学的配置は、流体が流動する目的のため十分な断面を提供し得るように確定される。流体通路32は、レーザ融除、機械加工等のような当該技術分野の当業者に既知の多数の技術の任意のものを使用して形成可能であることが理解されよう。一例としての実施の形態において、通路32の半径方向に伸びる部分は、幅約76.2μm(約0.003インチ)及び最小深さ約50.8μm(約0.002インチ)の垂直に伸びる側壁及び円弧状の底部を有するような形態とされるが、その他の代替的な形態も実現可能である。
【0034】
図1乃至図4及び図5Bを再度参照すると、上述したように、フローセル10は、各々がインターフェースハウジング42と、光伝送部材と、流体伝導部材又は搬送管とを有する2つの端部インターフェース40を含む。より具体的には、光伝送部材は、光ファイバ44であり、流体伝導部材は、例えば、石英毛管のような毛管46である。
【0035】
光ファイバ44及び毛管46の各々は、インターフェースハウジング42内に配置され且つ該インターフェースハウジングに固着されている。光ファイバ44及び毛管46は、これら構成要素とインターフェースハウジング42との間に液圧シール又は圧力境界を形成するような仕方にて配置され、このため、フローセル本体の貫通穴30内の流体試料が漏洩することはない。この光ファイバ44及び毛管46をインターフェースハウジング42に固着する方法に関する詳細に関しては以下に説明する。
【0036】
図4に最も明確に図示するように、光ファイバ44はインターフェースハウジング42内に配置され、このため、光ファイバ44の一端43は、端部インターフェース40をフローセル本体に固着したとき、フローセル本体の貫通穴30と光学的に相互に接続する。光ファイバ44は、セル本体の貫通穴30の少なくとも断面積を亙って伸びるような寸法とされている。これに相応して、毛管46は、端面インターフェース40をセル本体に固着したとき、毛管46の流体路がセル本体20内の端部通路32と連通するように端部インターフェースハウジング42内に配置される。図4には、セル本体20の各端面22内の端部通路32がセル本体と同一側に配置された状態で図示されているが、流体流路、すなわち、端部通路32の半径方向を同一にするということは必要とされない。
【0037】
使用時、一端インターフェース40の光ファイバ44は、放射線源又は光源に光学的に相互に接続され、他端のインターフェースの光ファイバ44は、感知装置に光学的に相互に接続される。同様に、一端インターフェースの毛管46は、試料供給源に流体的に相互に接続され、他端インターフェースの毛管は、排出管又はその他の下流の工程に流体的に相互に接続される。従って、図1乃至図3に図示するように、光ファイバ44及び毛管46の部分45は、端部インターフェースハウジング42から外方に伸び、これらの部分、及び自由端をそれぞれ上述した仕方にて光学的に且つ流体的に相互に接続することができる。上記の配置は図7に図示されており且つ以下により詳細に説明する。
【0038】
一例としての実施の形態において、端部インターフェースハウジング42はPEEKから成形される。成形処理工程を介して一体的な構造体を形成し得るよう選んだ長さの光ファイバ及び毛管を金型内に配置する。以下に説明するように、成形処理工程は、光ファイバ及び毛管の外面をPEEK内に捕捉し、機械的な相互接続部を形成し且つその間に液圧シールを形成し得るようにして行われる。
【0039】
図6Aを参照すると、端部インターフェース40が多数要素構造型式のハウジング42aを含むことが本発明の範囲に属する。この実施の形態の場合、多数要素ハウジング42aは、例えば、ステンレス鋼のような1つの材料から成る外側部材60aと、PEEKの内側部材60bとを備えている。光ファイバ44及び毛管46は、ハウジングの内側部材60b内に配置される。更に、この実施の形態において、ハウジングの内側部材60bから成るPEEKは、ハウジングの外側部材60a、光ファイバ44及び毛管46の各々に接合される。このように、これら構成要素は、互いに機械的に固着され且つ液圧シールを形成する。ハウジングの外側部材は、硬化可能な樹脂又は溶融加工可能な樹脂のような色々な材料の任意のものとすることが可能であることが理解されよう。
【0040】
インターフェースハウジング42の合わさり端部41は、図1乃至図4の一例としての実施の形態にて、上昇した面型式のフランジ付き面を有するものとして図示されており、フローセル本体20の相応する端部23は、平坦な面型式のフランジ付き面として図示されている。しかし、フローセル本体20の相応する端部23、41及び端部インターフェース40が上昇面又は平坦な面型の面の何れかを提供することは本発明の範囲に属するものである。
【0041】
図6Bに関する一例としての実施の形態において、端部インターフェース20の各々は、端部インターフェースハウジング42の外面にて又はその外面付近にて光ファイバ44及び毛管46が構造的に破断する可能性から保護し又はその可能性を最小にし得るように歪み除去手段70を備える形態とすることができる。歪み除去手段70は、PTFEシュリンク管スリーブ72と、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)外側スリーブ74と、内側ETFEスリーブ76とを備えている。これらのスリーブは、端部インターフェースハウジング42から伸びる光ファイバ44の一部分及び毛管46の周りにこの順序にて配置されている。更に、PTFEシュリンク管スリーブ72は、歪み除去手段70が所定の位置に固着されるように端部インターフェースハウジング42の外面に沿って伸びている。これと代替的に、歪み除去手段70は、PTFEシュリンク管スリーブ72の周りに配置されたコイルばねを備えるようにしてもよい。
【0042】
図1乃至図4を再度参照すると、上述したように、フローセル10は、端部インターフェース40をフローセル本体20に固着し、光ファイバ44及び毛管46が端部通路32及び貫通穴30に対して一定で且つ所定の関係となるようにする2つのクランプ止めリング12も備えている。クランプ止めリング12の各々は、穴14と、該穴の周りに中心があり、端部インターフェース40の周りに配置されたへこみ領域16とを含むディスク形状部材である。組み立てたとき、端部インターフェース40の外筒50を穴14に通し、端部インターフェース40のフェルール52の一部をへこみ領域16内に受け入れる。クランプ止めリングの各々は、ステンレス鋼、アルミニウム等のような材料を含む、所望の適用例の機械的負荷及び環境状態に適した材料にて製造する。穴14は、外筒50の周りにきちっと嵌まり締り嵌めし得る寸法とされている。図示しないが、端部インターフェース40とフローセル本体20とを光学的に且つ流体的に整合させるため、1つ又はより多数の止めピン又はその他の整合手段を使用することができる。
【0043】
一例としての実施の形態において、へこみ領域16は、端部インターフェースフェルール52の円形の幾何学的形状と相応するように垂直方向に伸びる円形の側壁と、平坦な底部とを有している。フランジ12の各々の端部インターフェースフェルール52及びへこみ領域16が直線状、多角形又は三角形のような多数の相補的な幾何学的形状の任意のものを備えることが本発明の範囲に属する。
【0044】
図3に図示するように、クランプ止めリング12及びセル本体の各々は、複数のねじ穴13、21を有している。ねじ穴13、21は、共通の軸線の周りでそれぞれリング12の各々及びセル本体内に配置され、端部インターフェース40がセル本体に固着されるとき、これらの穴が直線状となるようにする。一例としての実施の形態において、リング12は、端部インターフェース40をフローセル本体のねじ穴の雌ねじ(図示せず)によりセル本体20に且つ該セル本体20と整合状態に固着する。ねじは、リング12の各々に設けられた穴13、21を通って進み、クランプ止めリングをねじを介してフローセル本体20に取り付ける。しかし、その他の型式の金具(例えば、ナット及びボルト)を含む利用可能な多数の技術及びセル本体及び端部インターフェース40を共に固着する接着剤等を含む任意の技術を使用してインターフェース40の端部をセル本体20の端部22に固着することが本発明の範囲に属する。同様に、クランプ止めリングをフローセル本体に取り付けるとき、荷重を分配し得るよう波形座金等が使用可能であることを理解すべきである。
【0045】
本発明によるフローセル10は、多数の有利な利点を有する。1つの局面において、フローセル本体20は、収束光学素子を交換せずに、適用例の効果として、セル本体の長さを調節することにより、経路長さを長くし又は短くし得るように容易に形成することができる。フローセルは、放射線源及び感知装置から電気的に隔離され、幾つかの測定技術における高電圧の印加が容易に実現可能であるように配置することができる。
【0046】
図7に図示するように、液体クロマトグラフィ装置にて採用されるであろう分析物質の測定装置システム100は、感知装置110と、光源120と、本発明によるフローセル10を含むフローセルサブアセンブリ130とを備える形態とされている。フローセルアセンブリを光源及び感知装置の各々に光学的に相互に接続する手段がシース付き光ファイバ及び流体路の形態にて設けられている(図1乃至図6及び図7に詳細に図示しない全ての構成要素又は機能部分に対する関連する説明を参照すべきである)。一例としての実施の形態において、モジュラーフローセルサブアセンブリ130は、光ファイバ140により感知装置110及び光源のハウジング124内に設けられた光出力ポート122を介して光源120に光学的に相互に接続される。かかる装置において、フローセルサブアセンブリ130は、現場にて容易に交換可能であるモジュラー式フローセルサブアセンブリを提供する。
【0047】
フローセルサブアセンブリ130は、フレーム132内に取り付けられた上述したフローセルを備えている。該フレームは、光ファイバの結合手段と毛管の結合手段とを備えている。光ファイバの結合手段は、各端部インターフェース40の外方に伸びる光ファイバ44の自由端並びに光源及び感知装置それぞれに対する光学的相互接続部に結合し得る形態とされている。図7に図示した実施の形態において、一端のインターフェース40の光ファイバ44の自由端は、フェルール型継手134(当該技術分野で公知のSMAコネクタのような)に光学的に相互に接続され、他端のインターフェースの光ファイバの自由端は、第二のフェルール型継手136に光学的に相互に接続され、これら継手134、136の各々はフレーム132に固着されている。第一の継手134の一端133は、光源120に設けられた光ポート122と合わさる形態とされ、第二の継手136の一端137は、システムの光ファイバ140の一端142に設けられた光カプラーと合わさる形態とされている。システムの光ファイバ140の他端144は、感知装置のハウジング114に形成された光ポート112と合わさる形態とされている。同様に、各端部インターフェースから外方に伸びる毛管の自由端を試料源からの入口管及び廃物集め箇所への廃物管の一方に流体的に相互に接続するため、当該技術分野の当業者に既知の多数の継手の任意のものとするとこができる毛管流体継手が設けられる。
【0048】
一例としての装置における光源120は、流動流体又は静止流体の試料のスペクトル分析のため多数の光源の任意の1つである。例えば、光源120は、約190nm乃至約800nmの範囲を包含するスペクトル放出光を有する重水素ランプを含む光源とすることができる。
【0049】
同様に、感知装置110は、分析される流体試料を通る光の伝送を感知すべく当該技術分野で既知の多数の装置の任意の1つとすることができる。一例としての装置における感知装置110は、流体試料中の溶液中の分析物質により吸収される光の量を感知する形態とされた吸収型検出器とすることができる。かかる検出器は、典型的に、少なくとも光源120のスペクトル放出光を含む範囲における所定のスペクトル範囲の光を感知するウォータズ(Waters)996PDAのようなフォトダイオード列(PDA)を含む。
【0050】
上述したように、一例としての実施の形態における端部インターフェース40の各々は、オーバ成形したPEEKであり、この場合、PEEK材料は、端部インターフェースハウジング42を備え、光ファイバ44及び毛管46がその内部で固定状態に配置されている。また、上述したように、PEEKが光ファイバ44及び毛管46を捕捉し、これにより、その間に機械的な結合及び液圧シールを形成するように成形処理工程が行われる。
【0051】
次に、図8乃至図9を参照すると、本発明によるフローセルを形成するとき、PEEKを接着剤で接合する処理工程は、本発明による成形した端部インターフェース40を形成するため金型/工具800を使用する。例えば、長さ約30.48cm(約12インチ)乃至40.64cm(16インチ)の光ファイバ44及び毛管46を金型/工具800内に配置し、その一部分が金型/工具800の各端部に設けられた端部通路802、804から外方に伸びるようにする。
【0052】
PEEK材料は、射出成形が可能であるのに十分な温度まで加熱する。このように加熱されたとき、液体PEEKは、多くの材料の表面を小さい接触角度にて極めて良好に浸潤化する能力を更に特徴としている。かかる材料は、PEEKが極めて加熱される温度範囲内で固体である材料を含み、また、例えば、あらゆる型式の鋼、アルミニウム、チタンのような金属、石英、溶融二酸化ケイ素及びポリミド被覆石英ファイバのような非金属材料を含む。
【0053】
成形後、各端部インターフェース40の合わさる端部41から伸びる光ファイバ44及び毛管46の余分な長さを合わさる端部の露出した面付近までクリートを付ける。例えば、管及びケーブルのこれらの端部は、薄い接着したダイアモンド切断ホイールにより、その切断ホイールの平面が端部部材の上昇した面の端部面に対して平行となるようにして切断する。次に、所望の合わさり特徴を有する合わさり面を提供するのに必要なように端部インターフェースの合わさり端部41を機械加工し、表面研磨し、ラッピング加工し且つ/又は研磨する。更に、光ファイバ44の露出した端部が所望の光学的透過度を有するように合わさり部分を研磨し且つ/又はラッピング加工する。
【0054】
上記の方法は、フローセル本体20に対し平滑な面を提供する完成したアセンブリを製造し、このため、1つの測定間隔から次の間隔へのキャリーオーバを生ずる分析材料の停滞の原因となる可能性のあるキャビティ又はフラッシングされない容積が何ら観察されない。更に、且つ上述したように、PEEK材料は、液圧シールを形成し、このため、フローセルは、組み立てたときに、顕著な作動圧力に耐えることができる。
【0055】
本発明による改良されたフローセルの1つの代替的な実施の形態が図10に図示されている。フローセル本体220は、流体がセルチャンバ224内に入り且つ該セルチャンバ224から出るための流体通路222を含むような形態とすることができることを理解すべきである。チャンバ224は、図1乃至図4の実施の形態に関して本明細書に記載したように光案内部材又は材料を含む。図10の実施の形態において、端部インターフェース226は、実質的に上述したように、端部インターフェース内に係合したそれぞれの光ファイバの形態による光伝送部材228を含むような形態とされている。セル本体220の両端に配置された内部の流体通路230は、流体通路222とチャンバ224のそれぞれの端部との間の流体的連通を促進する。
【0056】
図11に図示した更なる代替的な実施の形態において、代替的な光伝送部材240は、セル本体242の端部インターフェースにて具体化可能な形態とされている。この一例としての実施の形態において、流体通路244は、セル本体242と一体化されている。光伝送部材240は、上述したように、クランプ止め部材又はフランジを使用することを含む、色々な方法の任意の方法にてセル本体242に締結することができる石英窓部として具体化されている。流体通路246を交差接続することは、流体通路244とチャンバ248とを流体的に連通させることを可能にする。実施例において、光をセルに向けて且つセルから伝送するため、レンズ及び/又はミラーのような従来の光学的要素が使用されている。更なる代替的な実施例において、例えば、テフロン(登録商標)AFのような光案内部材又は材料が溶融二酸化ケイ素管250として具体化された通路の外側に配置されている。
【0057】
光伝送部材240は、図11の実施の形態において石英窓部として具体化されているが、対象とする波長範囲内で透過性がある、石英以外のその他の材料が窓部として採用可能であることを理解すべきである。
【0058】
上記の方法は、フィルタを備えないPEEKから端部部材を形成する場合を説明するものであるが、ガラスのようなフィラーをPEEKハウジング内に組み込むことも本発明の範囲に属する。特に、PEEKは、寸法上の安定性、収縮応力等に対処する有利な効果を有するフィラーを含むことができる。
【0059】
光ファイバと毛管との間に機械的な結合部を形成すると同時に、その両者の間に液圧シールを形成し、そのように形成された端部材が作動圧力に耐え得るようにするため、PEEKを使用するフローセルの端部インターフェースの形成方法について上記に説明したが、これは本発明を限定するものではない。光ファイバ及び/又は石英毛管と共に使用される多数の標準的なコネクタの任意のものを形成するため、ポリフェノールサルファイド(PPS)のような材料を含む、PEEK以外の材料を使用することも本発明の範囲に属することである。
【0060】
上述した方法の局面は、特別な成形品を別にしても、被覆し又は非被覆石英ファイバを含む多数の材料の任意のものにPEEKを接着させるために使用することができ、また、全体として、PEEKを使用して1つ又は2つ以上の物品間で機械的な結合及び/又は液圧シールを形成するために使用することができることを理解すべきである。
【0061】
本発明のフローセルは、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、毛管液体クロマトグラフィ(毛管LC)及び毛管電気泳動(CE)にて使用されるような液体吸収検出器装置内で使用する場合に関して説明したが、流動試料又は静止試料と共に、蛍光又はラーマン分光法又は測光法に使用すべく本明細書に記載したのと同一の基本的な構造を有するフローセルも本発明の範囲に属するものである。
【0062】
本明細書に記載した一例としての実施の形態は、ランプ、フローセル、光学素子(すなわち、回折格子)及び検出器をその順序にて含むが、本発明によるフローセルは、別の代替的な形態にて具体化することが可能であり、例えば、光源とフローセルとの間に回折格子を配置し又は回折格子を含めず、また、その他の光学素子(例えば、フィルタ)を使用して光を検出器の上に収束させることが可能であることも理解すべきである。
【0063】
同様に、この形態と共にフォトダイオード列又は単一のフォトダイオードを採用することができ且つ/又は回折格子又はフィルタのような光学素子を不要にする、指向された光源としてレーザを採用することもできることを理解すべきである。
【0064】
その一例としての実施の形態に関して本発明を図示し且つ説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、その形態及び細部の点で上記及びその他の色々な変更、省略及び追加が具体化可能であることも理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料を収容すると共に、分析のため流体試料を光線で照射するフローセルにおいて、
内面を有する穴と、第一の端部と、第二の端部とを有する貫通穴が形成された通路を含むフローセル本体と、
該フローセル本体の前記通路に近接して配置された光案内部材と、
前記フローセル本体の前記第一の端部に近接して配置された第一の端部インターフェース及び前記フローセル本体の前記第二の端部に近接して配置された第二の端部インターフェースであって、その各々が光伝送部材を備える、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースと、
前記フローセル本体又は前記第一又は第二の端部インターフェースの1つに配置された入口及び出口の流体伝導部材と、を備える、フローセル。
【請求項2】
請求項1のフローセルにおいて、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースにそれぞれ相応する第一の端部クランプ止め部材及び第二の端部クランプ止め部材であって、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースの各々を前記フローセル本体の第一の端部及び第二の端部にかつ該端部と整合するようにそれぞれ締結する前記第一の端部クランプ止め部材及び第二の端部クランプ止め部材とを更に備える、フローセル。
【請求項3】
請求項2のフローセルにおいて、前記第一の端部クランプ止め部材及び前記第二の端部クランプ止め部材の各々が、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースを前記フローセル本体に機械的に締結する締結具を受け入れる穴を有する、フローセル。
【請求項4】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材が、前記流体試料の屈折率よりも小さい屈折率を有する非結晶フルオロポリマーで出来ている、フローセル。
【請求項5】
請求項1のフローセルにおいて、前記通路を前記入口及び出口流体伝導部材のそれぞれ1つと流体的に連通させる形態とされた少なくとも1つの内側流体通路を更に備える、フローセル。
【請求項6】
請求項1のフローセルにおいて、前記フローセル本体がポリエーテルエーテルケトンで出来ている、フローセル。
【請求項7】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材がテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体で出来た管状部材である、フローセル。
【請求項8】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材が近接するように配置された前記フローセル本体がハウジング内に配置される、フローセル。
【請求項9】
請求項1のフローセルにおいて、前記光伝送部材が光ファイバである、フローセル。
【請求項10】
請求項1のフローセルにおいて、前記流体伝導部材が毛管である、フローセル。
【請求項11】
請求項1のフローセルにおいて、前記インターフェースハウジングが、前記光伝送部材及び前記流体伝送部材を捕捉するポリエーテルエーテルケトンのオーバ成形品である、フローセル。
【請求項12】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材が、前記通路の前記内面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、フローセル。
【請求項13】
請求項1のフローセルにおいて、前記光伝送部材が透明な窓部である、フローセル。
【請求項14】
請求項1のフローセルにおいて、前記通路が溶融二酸化ケイ素管にて形成され、前記光案内部材が前記通路の外面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、フローセル。
【請求項15】
フローセルの製造方法において、
各々が光伝送部材と、流体伝導部材と、前記光伝送部材及び前記流体伝導部材の各々を捕捉するインターフェースハウジングとを有する第一及び第二の端部インターフェースを形成するステップと、
内面を有する貫通穴を含む通路を形成することと、
前記フローセル本体の前記通路に近接して光案内部材を配置することと、によりフローセル本体を形成するステップと、
前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースを前記フローセル本体に固着するステップと、を備える、製造方法。
【請求項16】
請求項15の方法において、前記第一及び前記第二の端部インターフェースを形成する前記ステップが、
前記ポリエーテルエーテルケトンを射出成形可能な温度までポリエーテルエーテルケトンを加熱することと、
前記光伝送部材及び前記流体伝導部材をフローセルの端部インターフェース成形工具内に配置することと、
前記加熱したポリエーテルエーテルケトンを前記フローセルの端部インターフェース成形工具内に射出することと、
前記射出成形したポリエーテルエーテルケトンを冷却することと、を備える、方法。
【請求項17】
請求項16の方法において、前記光伝送部材が光ファイバを備え、前記流体伝導部材が毛管を備える、方法。
【請求項18】
請求項16の方法において、前記光案内部材がテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体で出来た管状部材である、方法。
【請求項19】
請求項16の方法において、前記フローセル本体がポリエーテルエーテルケトンで出来ている、方法。
【請求項20】
請求項16の方法において、前記通路が溶融二酸化ケイ素管にて形成され、前記光案内部材が前記通路の外面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、方法。
【請求項21】
請求項16の方法において、前記光案内部材が、前記通路の前記内面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、方法。
【請求項22】
流体試料を分析する装置において、
光源と、
光線を感知する感知装置と、
分析のため流体試料を前記光源からの光線で照射すべく流体試料を収容するフローセルを含むフローセルアセンブリと、を備え、
前記フローセルが、
内面を有する貫通穴が形成された通路を含むフローセル本体と、
前記フローセル本体の前記通路に近接して配置された光案内部材と、
各々が光伝送部材を備える第一の端部インターフェース及び第二の端部インターフェースと、
前記フローセル本体又は前記第一又は第二の端部インターフェースの一方に配置された入口及び出口流体伝導部材と、を備える、装置。
【請求項23】
請求項22の流体試料を分析する装置において、前記光案内部材がテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体から成る管状部材である、装置。
【請求項24】
請求項22の流体試料を分析する装置において、前記フローセル本体がポリエーテルエーテルケトンで出来ている、装置。
【請求項1】
流体試料を収容すると共に、分析のため流体試料を光線で照射するフローセルにおいて、
内面を有する穴と、第一の端部と、第二の端部とを有する貫通穴が形成された通路を含むフローセル本体と、
該フローセル本体の前記通路に近接して配置された光案内部材と、
前記フローセル本体の前記第一の端部に近接して配置された第一の端部インターフェース及び前記フローセル本体の前記第二の端部に近接して配置された第二の端部インターフェースであって、その各々が光伝送部材を備える、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースと、
前記フローセル本体又は前記第一又は第二の端部インターフェースの1つに配置された入口及び出口の流体伝導部材と、を備える、フローセル。
【請求項2】
請求項1のフローセルにおいて、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースにそれぞれ相応する第一の端部クランプ止め部材及び第二の端部クランプ止め部材であって、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースの各々を前記フローセル本体の第一の端部及び第二の端部にかつ該端部と整合するようにそれぞれ締結する前記第一の端部クランプ止め部材及び第二の端部クランプ止め部材とを更に備える、フローセル。
【請求項3】
請求項2のフローセルにおいて、前記第一の端部クランプ止め部材及び前記第二の端部クランプ止め部材の各々が、前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースを前記フローセル本体に機械的に締結する締結具を受け入れる穴を有する、フローセル。
【請求項4】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材が、前記流体試料の屈折率よりも小さい屈折率を有する非結晶フルオロポリマーで出来ている、フローセル。
【請求項5】
請求項1のフローセルにおいて、前記通路を前記入口及び出口流体伝導部材のそれぞれ1つと流体的に連通させる形態とされた少なくとも1つの内側流体通路を更に備える、フローセル。
【請求項6】
請求項1のフローセルにおいて、前記フローセル本体がポリエーテルエーテルケトンで出来ている、フローセル。
【請求項7】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材がテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体で出来た管状部材である、フローセル。
【請求項8】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材が近接するように配置された前記フローセル本体がハウジング内に配置される、フローセル。
【請求項9】
請求項1のフローセルにおいて、前記光伝送部材が光ファイバである、フローセル。
【請求項10】
請求項1のフローセルにおいて、前記流体伝導部材が毛管である、フローセル。
【請求項11】
請求項1のフローセルにおいて、前記インターフェースハウジングが、前記光伝送部材及び前記流体伝送部材を捕捉するポリエーテルエーテルケトンのオーバ成形品である、フローセル。
【請求項12】
請求項1のフローセルにおいて、前記光案内部材が、前記通路の前記内面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、フローセル。
【請求項13】
請求項1のフローセルにおいて、前記光伝送部材が透明な窓部である、フローセル。
【請求項14】
請求項1のフローセルにおいて、前記通路が溶融二酸化ケイ素管にて形成され、前記光案内部材が前記通路の外面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、フローセル。
【請求項15】
フローセルの製造方法において、
各々が光伝送部材と、流体伝導部材と、前記光伝送部材及び前記流体伝導部材の各々を捕捉するインターフェースハウジングとを有する第一及び第二の端部インターフェースを形成するステップと、
内面を有する貫通穴を含む通路を形成することと、
前記フローセル本体の前記通路に近接して光案内部材を配置することと、によりフローセル本体を形成するステップと、
前記第一の端部インターフェース及び前記第二の端部インターフェースを前記フローセル本体に固着するステップと、を備える、製造方法。
【請求項16】
請求項15の方法において、前記第一及び前記第二の端部インターフェースを形成する前記ステップが、
前記ポリエーテルエーテルケトンを射出成形可能な温度までポリエーテルエーテルケトンを加熱することと、
前記光伝送部材及び前記流体伝導部材をフローセルの端部インターフェース成形工具内に配置することと、
前記加熱したポリエーテルエーテルケトンを前記フローセルの端部インターフェース成形工具内に射出することと、
前記射出成形したポリエーテルエーテルケトンを冷却することと、を備える、方法。
【請求項17】
請求項16の方法において、前記光伝送部材が光ファイバを備え、前記流体伝導部材が毛管を備える、方法。
【請求項18】
請求項16の方法において、前記光案内部材がテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体で出来た管状部材である、方法。
【請求項19】
請求項16の方法において、前記フローセル本体がポリエーテルエーテルケトンで出来ている、方法。
【請求項20】
請求項16の方法において、前記通路が溶融二酸化ケイ素管にて形成され、前記光案内部材が前記通路の外面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、方法。
【請求項21】
請求項16の方法において、前記光案内部材が、前記通路の前記内面に配置されたテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体の被覆である、方法。
【請求項22】
流体試料を分析する装置において、
光源と、
光線を感知する感知装置と、
分析のため流体試料を前記光源からの光線で照射すべく流体試料を収容するフローセルを含むフローセルアセンブリと、を備え、
前記フローセルが、
内面を有する貫通穴が形成された通路を含むフローセル本体と、
前記フローセル本体の前記通路に近接して配置された光案内部材と、
各々が光伝送部材を備える第一の端部インターフェース及び第二の端部インターフェースと、
前記フローセル本体又は前記第一又は第二の端部インターフェースの一方に配置された入口及び出口流体伝導部材と、を備える、装置。
【請求項23】
請求項22の流体試料を分析する装置において、前記光案内部材がテトラフルオロエチレンを有する過フッ素−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールの非結晶共重合体から成る管状部材である、装置。
【請求項24】
請求項22の流体試料を分析する装置において、前記フローセル本体がポリエーテルエーテルケトンで出来ている、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−169904(P2011−169904A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−60870(P2011−60870)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【分割の表示】特願2000−598879(P2000−598879)の分割
【原出願日】平成12年2月10日(2000.2.10)
【出願人】(511012927)ウォーターズ・テクノロジーズ・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60870(P2011−60870)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【分割の表示】特願2000−598879(P2000−598879)の分割
【原出願日】平成12年2月10日(2000.2.10)
【出願人】(511012927)ウォーターズ・テクノロジーズ・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]