説明

分泌ホスホリパーゼA2(SPLA2)インヒビターまたはSPLA2インヒビター併用療法を用いる主要心臓有害イベントおよび急性冠症候群の治療

スタチンとの併用でのsPLA2インヒビターの投与は、兆候である急性冠症候群イベント(ACS)を最近経験した患者において、主要心臓有害イベント(MACE)、炎症性バイオマーカーレベルおよびLDL-Cレベルを、スタチン単独よりも有意に大きく減じることが見出されている。これらの結果は、スタチン単独が、このハイリスク集団においてMACEおよび炎症を満足のいくまで減じるには不十分でることを示しているこれまでの結果からは予期せぬものであった。したがって、本発明は、1種以上のsPLA2インヒビターを単独で、または1種以上のスタチンとの併用で投与することによって、以前にACSイベントを経験したことがある患者において、MACEを治療する方法、ACSを治療する方法、炎症を阻害する方法およびコレステロールレベルを減じる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年12月19日出願の米国仮特許出願番号61/139,400;2009年4月30日出願の米国仮特許出願番号61/174,423;および2009年9月4日出願の米国仮特許出願番号61/239,967の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
2004年に、75百万人のアメリカ人が1種以上の形態の心血管疾患(CVD)を有していると推定された。冠動脈性心疾患(CHD)および冠動脈疾患(CAD)が、最も一般的なタイプのCVDである。CHDおよびCADは、血管壁に沿ってプラークが蓄積することにより、心臓に血液を供給する冠動脈が硬化し、狭窄を来すときに起こる。この様式における血管壁の狭窄は、一般に、アテローム性動脈硬化の安定した臨床症状を伴う。
【0003】
CVDの急性兆候は、アテローム性動脈硬化プラークが崩壊するときに起こり、冠動脈内血栓の形成を導く。血栓形成から生じる冠動脈閉塞は、急性冠症候群(ACS)、不安定狭心症(UA)などの一連の虚血状態、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)およびST上昇型心筋梗塞(STEMI)をもたらす。UAおよびNSTEMIは、一般に、非閉塞性および部分閉塞性血栓形成を伴うが、STEMIは、より安定な閉塞性血栓から生じる。UAおよびNSTEMIは、密接に関連しており、非常によく似た臨床所見を有する。ACSイベントは、米国において、700,000の新たなイベント、500,000の再発イベントおよび175,000の無症状イベントとして、毎年およそ140万人の人々に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CHDおよびCADを治療するために現在利用可能な治療選択肢のほとんどは、コレステロールレベル、特にLDLレベルを減じることによって機能する。しかしながら、多くのCHDおよびCAD患者は、コレステロールレベルの上昇を示していない。たとえば、CHD患者である男性のうち、わずか34.1%が、高脂血症であり(Ridker 2005)、全ての心筋梗塞(MI)および脳卒中が、治療の閾値より下のLDLレベルを有する男性および女性に起こる(Ridker 2008)。さらに、CVDは、単純な脂質疾患ではないと見なされるのではなく、複合型の炎症性状態と見なされ始めている。炎症は、アテローム性動脈硬化プラークの形成に寄与し、また、このプラークの不安定化およびその後の血栓形成にも寄与する。血栓形成は、最近ACSイベントを経験したことがある患者などの不安定な患者において特別なリスクである。第一にコレステロールレベルを減じることによって機能する存在する療法は、これらの集団において、CHDおよびCADを完全に治療し、ACSに関連するイベントを予防するには不十分である。したがって、当業界では、不安定な集団において、CVDを治療し、主要心臓有害イベント(MACE)を予防する新たな方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者のMACEを治療する方法が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸(A-001)またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル(A-002)である。特定の実施態様において、患者は、以前にACSイベントを経験しており、これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、MACEは、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建に関連するリスクもしくは危険である。特定の実施態様において、MACEの治療は、MACEを予防し、MACEの発生の可能性を減じ、MACEの発生を遅らせ、および/またはMACEの重篤度を低減化させる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0006】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することによって、それを必要とする患者のMACEを治療する方法が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、患者は、以前にACSイベントを経験しており、これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬が挙げられる。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、1種以上のスタチン単独の投与よりも有効にMACEを治療する。特定の実施態様において、MACEは、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建に関連するリスクもしくは危険である。特定の実施態様において、MACEの治療は、MACEを予防し、MACEの発生の可能性を減じ、MACEの発生を遅らせ、および/またはMACEの重篤度を低減化させる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0007】
特定の実施態様において、以前にACSイベントを経験したことがある患者においてMACEを治療するためのスタチン投与への補助としての1種以上のsPLA2インヒビターの使用が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に、ACSイベントを経験するか、または診断された。特定の実施態様において、スタチンは、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬である。特定の実施態様において、MACEの治療は、MACEを予防し、MACEの発生の可能性を減じ、MACEの発生を遅らせ、および/またはMACEの重篤度を減じる。これらの実施態様のいくつかにおいて、スタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、MACEの予防において、スタチン単独の投与よりもより有効である。特定の実施態様において、予防されるMACEは、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建に関連するリスクもしくは危険である。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0008】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、それを必要とする患者のACSを治療する方法が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、患者は、以前にACSイベントを経験しており、これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0009】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することによって、それを必要とする患者のACSを治療する方法が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、患者は、以前にACSイベントを経験しており、これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬が挙げられる。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、1種以上のスタチン単独の投与よりも有効にACSを治療する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0010】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、以前にACSイベントを経験したことがある患者における炎症を阻害する方法が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、hs-CRP、sPLA2および/またはIL-6などの1種以上の炎症マーカーのレベルを減じる。したがって、特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、1種以上の炎症マーカーのレベルを減じる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、最初の投与から12時間、24時間、36時間、48時間、4日間、1週間、2週間、4週間、8週間または12週間以内に、炎症または1種以上の炎症マーカーレベルの低下をもたらす。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0011】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することによって、以前にACSイベントを経験したことがある患者における炎症を阻害する方法が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬が挙げられる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与は、hs-CRP、sPLA2および/またはIL-6などの1種以上の炎症マーカーのレベルを減じる。したがって、特定の実施態様において、1種以上のスタチンと併用で1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、1種以上の炎症マーカーのレベルを減じる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、1種以上のスタチン単独の投与よりも大きく炎症および/または1種以上の炎症マーカーのレベルを低下させる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与は、最初の投与から12時間、24時間、36時間、48時間、4日間、1週間、2週間、4週間、8週間または12週間以内に、炎症または1種以上の炎症マーカーレベルの低下をもたらす。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0012】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、以前にACSイベントを経験したことがある患者におけるコレステロールレベルを減じる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、コレステロールレベルの低下として、総コレステロール、非HDLコレステロールおよび/またはLDLコレステロールレベルの低下が挙げられる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、最初の投与から12時間、24時間、36時間、48時間、4日間、1週間、2週間、4週間、8週間または12週間以内に、コレステロールレベルの低下をもたらす。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0013】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することによって、以前にACSイベントを経験したことがある患者におけるコレステロールレベルを減じる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬が挙げられる。特定の実施態様において、コレステロールレベルの低下として、総コレステロール、非HDLコレステロールおよび/またはLDLコレステロールレベルの低下が挙げられる。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与後に観察されるコレステロールの低下は、1種以上のスタチン単独の投与後に観察される低下よりも大きい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与の投与は、最初の投与から12時間、24時間、36時間、48時間、4日間、1週間、2週間、4週間、8週間または12週間以内に、コレステロールレベルの低下をもたらす。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0014】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、MACEまたはACSの治療のための1種以上のスタチンの有効性を増加させる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、治療されるMACEは、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建に関連するリスクもしくは危険である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬が挙げられる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。
【0015】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、以前にACSイベントを経験したことがある患者におけるコレステロールレベルの減少および/または炎症の低下のための1種以上のスタチンの有効性を増加させる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬が挙げられる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、24週間あるいはそれ以下、20週間あるいはそれ以下、16週間あるいはそれ以下、12週間あるいはそれ以下、8週間あるいはそれ以下、4週間あるいはそれ以下、または2週間あるいはそれ以下の期間、一定の間隔をおいて投与される。特定の実施態様において、患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0016】
特定の実施態様において、患者におけるMACEまたはACSを治療するため、コレステロールレベルを減じるため、および/または炎症を低下させるための1種以上のsPLA2インヒビターを含む組成物が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。これらの実施態様のいくつかにおいて、組成物は、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬などの1種以上のスタチンも含む。特定の実施態様において、患者は、以前にACSイベントを経験しており、これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、治療されるMACEは、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建に関連するリスクもしくは危険である。特定の実施態様において、治療されている患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【0017】
特定の実施態様において、患者における、MACEまたはACSの治療、コレステロールレベルの低下および/または炎症の低下に用いるための医薬の製造のための1種以上のsPLA2インヒビターの使用が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられる。特定の実施態様において、A-001のプロドラッグは、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグであり、これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンは、医薬の製造においても利用される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のスタチンは、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチンおよび/またはスタチン複合薬である。特定の実施態様において、患者は、以前にACSイベントを経験しており、これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に起こったか、または診断された。特定の実施態様において、治療されるMACEは、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建に関連するリスクもしくは危険である。特定の実施態様において、患者は、糖尿病、メタボリックシンドローム、感染症または自己免疫疾患などの高い基準炎症レベルを伴う病気を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ITT集団の血清LDLレベルにおける2、4、8、16および24週間の時点でのA-002投与の効果。黒菱形=500 mg A-002+80 mg アトロバスタチン(「A-002」);黒四角=80 mg アトロバスタチンのみ(「プラセボ」)。
【図2】ITT集団の標的LDLレベルを達成することにおけるA-002投与の効果。「A-002」は、500 mg A-002および80 mg アトロバスタチンの毎日投与を意味し、「プラセボ」は、80 mg アトロバスタチンのみの毎日投与を意味する。A.は、標的LDLレベルである70 mg/dlあるいはそれ以下を達成する患者の%である。B.は、標的LDLレベルである70 mg/dlあるいはそれ以下を達成する患者の%である。
【図3】ITT集団の血清hs-CRPレベルにおける2、4、8、16および24週間の時点でのA-002投与の効果。黒菱形=500 mg A-002+80 mg アトロバスタチン(「A-002」);黒四角=80 mg アトロバスタチンのみ(「プラセボ」)。
【図4】糖尿病亜集団の血清hs-CRPレベルにおける2、4、8、16および24週間の時点でのA-002投与の効果。黒菱形=500 mg A-002+80 mg アトロバスタチン(「A-002」);黒四角=80 mg アトロバスタチンのみ(「プラセボ」)。
【図5】ITT集団の血清sPLA2レベルにおける2、4、8、16および24週間の時点でのA-002投与の効果。黒菱形=500 mg A-002+80 mg アトロバスタチン(「A-002」);黒四角=80 mg アトロバスタチンのみ(「プラセボ」)。
【図6】ITT集団の血清IL-6レベルにおける2、4、8、16および24週間の時点でのA-002投与の効果。黒菱形=500 mg A-002+80 mg アトロバスタチン(「A-002」);黒四角=80 mg アトロバスタチンのみ(「プラセボ」)。
【図7】糖尿病亜集団の血清IL-6レベルにおける2、4、8、16および24週間の時点でのA-002投与の効果。黒菱形=500 mg A-002+80 mg アトロバスタチン(「A-002」);黒四角=80 mg アトロバスタチンのみ(「プラセボ」)。
【図8】ITT集団の標的LDLおよびCRPレベルを達成することにおけるA-002投与の効果。「A-002」は、500 mg A-002および80 mg アトロバスタチンの毎日投与を意味し、「プラセボ」は、80 mg アトロバスタチンのみの毎日投与を意味する。A.は、標的LDLレベルである70 mg/dlあるいはそれ以下および標的hs-CRPレベルである3 mg/Lあるいはそれ以下を達成する患者の%である。B.は、標的LDLレベルである70 mg/dlあるいはそれ以下およびを標的hs-CRPレベルである1 mg/Lあるいはそれ以下達成する患者の%である。
【図9】A-002の最初の投与から150日以内にMACEを経験したことがあるITT集団における患者のパーセントを示すカプラン・マイヤー曲線である。「A-002」は、500 mg A-002および80 mg アトロバスタチンの毎日投与を意味し、「プラセボ」は、80 mg アトロバスタチンのみの毎日投与を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
本発明の以下の記載は、本発明のさまざまな実施態様を説明することのみを意図している。そのため、論議される特定の変更は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。ことは、さまざまな等価物、変更および修正が、本発明の範囲から逸脱することなくなし得ることが当業者には明らかであり、このような等価な実施態様は、本発明に包含されるべきであることが理解される。
【0020】
略語
ACS、急性冠症候群;BMI、肥満度指数;CAD、冠動脈疾患;CHD、冠動脈性心疾患;CK、心臓トロポニン;CVD、心血管疾患;ECG、心電図;hs-CRP、高感度C反応性タンパク質;LDLまたはLDL-C、低密度リポタンパク質;MACE、主要心臓有害イベント;MI、心筋梗塞;NSTEMI、非ST上昇型心筋梗塞;sPLA2、分泌ホスホリパーゼA2;STEMI、ST上昇型心筋梗塞;t1/2、終末相半減期;TG、トリグリセリド;UA、不安定狭心症;ULN、正常上限。
【0021】
本明細書で用いる用語「患者」は、いずれかの哺乳動物、好ましくはヒトを意味する。
「それを必要とする患者」は、現在、CVDであると診断されたか、または1種以上のCVDに関連する病気を示している患者;過去に、CVDであると診断されたか、または1種以上のCVDに関連する病気を示していた患者;または遺伝因子または環境因子により、将来、CVDまたは1種以上のCVDに関連する病気を発症するリスクがあると判断されている患者を意味する。特定の実施態様において、それを必要とする患者は、以前にACSイベントを経験したことがあるか、ACSイベントを経験するリスクがあると判断されているか、または1種以上のACSイベントに関連する症状を示している。
【0022】
本明細書で用いる「心血管疾患」または「CVD」として、たとえば、冠動脈アテローム性動脈硬化および頸動脈アテローム性動脈硬化などのアテローム性動脈硬化、CAD、CHD、CADおよびCHDに関連する病気、脳血管疾患および脳血管疾患に関連する病気、末梢血管疾患および末梢血管疾患に関連する病気、動脈瘤、血管炎、静脈血栓症、糖尿病およびメタボリックシンドロームが挙げられる。
【0023】
本明細書で用いる「CVDに関連する病気」として、たとえば、高脂血症(高脂質レベル)、高コレステロール血症(高コレステロールレベル)および高トリグリセリド血症(高TGレベル)などの脂質異常症、高血糖値、低HDL/LDL比、および高血圧が挙げられる。
【0024】
本明細書で用いる「CADおよびCHDに関連する病気」として、たとえば、ACSが挙げられる。
【0025】
本明細書で用いる「ACSイベント」または「インデックスACSイベント」は、UA、NSTEMIまたはSTEMIを意味する。
【0026】
本明細書で用いる「狭心症」は、一般に、心臓への血流不足およびそれに不随する酸素デリバリーの低下によって引き起こされる胸痛を意味する。安定または慢性狭心症は、労作時または緊張時のみに起こる。一方、UAは、原因がなく突然に起こりうる。狭心症の患者は、MIのリスクが増加している。
【0027】
本明細書で用いる「主要心臓有害イベント」または「MACE」として、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA、致死性または非致死性脳卒中、血行再建術の必要性、心不全、心停止蘇生および/または虚血の新たな客観的証拠、ならびに、これらのイベントのそれぞれの範囲に入るイベントのありとあらゆる下位範疇(たとえば、STEMIおよびNSTEMI、緊急入院を必要とする確認されたUAなど)が挙げられる。特定の実施態様において、MACEは、特に、心血管系死亡、非致死性MI、緊急入院を必要とするUA、非致死性脳卒中および/または血行再建術の必要性を意味する。
【0028】
本明細書で用いる「脳血管疾患に関連する病気」として、たとえば、一過性脳虚血発作(TIA)および脳卒中が挙げられる。
【0029】
本明細書で用いる「末梢血管疾患に関連する病気」として、たとえば、跛行が挙げられる。
【0030】
本明細書で用いる用語「スタチン」は、HMG-CoAのメバロン酸塩への変換を触媒する酵素であるHMG-CoAレダクターゼを阻害するいずれかの化合物を意味する。
【0031】
本明細書で用いる用語「治療する」、「治療している」または「治療」は、一般に、病気またはイベントを予防すること、病気の発症または進行速度を減速することあるいはイベントの発生を遅延化すること、病気の進行またはイベントの経験のリスクを減じること、病気またはイベントに関連する症状の進行を予防または遅延化すること、病気またはイベントに関連する症状を低下または終結させること、病気の完全もしくは部分的退行を生み出すこと、病気またはイベントの重篤度を小さくすること、またはそれらのいくつかの組み合わせを意味する。
【0032】
特定のマーカーのレベルにおける「低下(reduction)」または「減少(decrease)」は、低下量対基準または低下量対プラセボのいずれかを意味する。たとえば、sPLA2インヒビターの投与は、先に(たとえば、sPLA2インヒビターの投与に先立つか、またはACSイベントに先立って)測定された基準レベルよりも下にLDL-Cレベルを減らすことによって、LDL-Cレベルを減じることができる。あるいは、sPLA2インヒビターの投与は、投与後の特定の時点(たとえば、最初の投与から1、2または4週間の時点)で、プラセボと比べてより大きな低下を引き起こすことによって、LDL-Cレベルを減じることができる、
【0033】
本明細書で用いる「コレステロールレベルの低下」は、総リポタンパク質レベルの低下および/または1種以上の特定のクラスのリポタンパク質レベルの低下を意味する。たとえば、本明細書で用いるコレステロールレベルの低下は、総コレステロール、LDL-C、VLDL、IDLおよび非-HDLコレステロールのうちの1種以上の低下を意味してもよい。同様に、LDL-Cレベルの低下は、総LDL-Cレベルの低下;および/またはLDL-C粒子;小LDL-C粒子;酸化LDL-CおよびApoBなどのLDL-Cのサブクラスのうちの1種以上のレベルの低下を意味してもよい。コレステロールレベルの低下は、通常、たとえば、血清、血液または血漿などのリポタンパク質を含むいずれの体液において観察されてもよい。
【0034】
MACEに関して、用語「治療する」、「治療している」または「治療」は、MACEまたはMACE再発を予防すること、MACEまたはMACE再発の可能性を減じること、MACEの発生を遅延化すること、MACEまたはMACEに伴う1種以上の症状の重篤度を減じること、および/またはMACEに伴う1種以上の症状の進行を予防、遅延化または減じることを意味する。それぞれに対して、MACEにおける効果は、一般的なMACEにおける効果(たとえば、すべてのタイプのMACEの発生の可能性の低下など)、1種以上の特定のタイプのMACEにおける効果(たとえば、死亡、非致死性MI、緊急入院を必要とするUA、非致死性脳卒中または血行再建術に関連する必要性もしくはリスクなどの可能性の低下)またはその組み合わせを意味する。治療が1種以上の特定のMACEにおける効果を意味する場合において、治療は、一般的なMACEにおける効果を示すことなく、1種以上のMACEのタイプの可能性または重篤度の低下をもたらす。たとえば、治療は、より重篤なMACEタイプ(たとえば、心血管系死亡、致死性MIまたは致死性脳卒中など)から、より重篤度の低いMACEタイプ(たとえば、非致死性MIまたは非致死性脳卒中など)への転換をもたらす。これらの状況において、より重篤度の低いタイプのMACEにおける付随的増加によって、より重篤なタイプのMACEの発生の可能性は、一般的なMACEにおいて減少することなく、減少する。
【0035】
ACSに関して、用語「治療する」、「治療している」または「治療」は、ACSの進行、発達または再発を予防すること、ACSの進行、発達または再発の可能性を減じること、ACSの進行、発達または再発を遅延化させること、ACSまたはACSに伴う1種以上の症状の重篤度を減じること、および/またはACSに伴う1種以上の症状の進行を予防、遅延化または減じることを意味する。特定の実施態様において、ACSの治療は、UA、NSTEMIおよび/またはSTEMIの可能性または重篤度の低下、あるいはUA、NSTEMIおよび/またはSTEMIに伴う1種以上の症状の数または重篤度の低下をもたらす。
【0036】
本明細書で用いる「治療有効量の」組成物は、標的状態を治療している患者に所望の治療効果を引き起こす組成物の量である。正確な治療有効量は、投与された患者における治療効力の観点から最も有効な結果が得られる組成物の量である。この量は、治療用組成物の特徴(たとえば、活性、薬物動態、薬力学およびバイオアベイラビリティなど)、患者の生理的状態(たとえば、年齢、体重、性別、疾患のタイプおよびステージ、病歴、全身的な身体状態、投与された用量への応答性および現行の他の投薬療法など)、組成物中の医薬的に許容しうる担体(1種またはそれ以上)の性質および投与経路などのさまざまな因子(これらに限定されるものではない)に応じて変化する。臨床および薬理業界における当業者は、ルーチン実験を通して、すなわち、組成物の投与に対する患者の応答をモニターし、それに応じて用量を調節することによって、治療有効量を決定することができるであろう。さらなる指針として、たとえば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition、Univ. of Sciences in Philadelphia(USIP)、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA、2005、and Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、11th Edition、McGraw-Hill、New York、NY、2006などを参照のこと。
【0037】
本明細書で用いる「医薬的に許容しうる担体」は、身体の1つの組織、臓器または部分から身体の別の組織、臓器または部分へ、興味のある化合物を運ぶこともしくは運搬することに関与する医薬的に許容しうる材料、組成物またはビヒクルを意味する。このような担体には、たとえば、液体、ゲル、固体もしくは半固体の増量剤、溶媒、界面活性剤、希釈剤、賦形剤、佐剤、結合剤、緩衝剤、溶解補助剤、溶媒、封入材料、金属イオン封鎖剤、分散剤、保存剤、滑沢剤、崩壊剤、増粘剤、乳化剤、抗菌剤、抗酸化剤、安定剤、着色剤、香味剤またはその組み合わせなどが含まれる。担体の各成分は、組成物に含まれる他の成分と適合しなければならず、それが直面する可能性がある身体のいずれかの組織、臓器または部分との接触に適さなければならない、という点において「医薬的に許容しうる」ものでなければならず、これは、どんな利益よりも非常に重要である、毒性、刺激、アレルギー反応、免疫源性またはいずれかの他の合併症のリスクがあってはならないことを意味する。本明細書において開示する医薬組成物に用いる医薬的に許容しうる担体の例として、微結晶セルロースまたはラクトース(たとえば、無水ラクトース、ラクトースfast flo)などの希釈剤、ゼラチン、ポリエチレングリコール、ロウ、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドンなどの合成ゴムまたはヒドロキシプロピルセルロース(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))などのセルロースポリマーなどの結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸または微結晶セルロースなどの滑沢剤、デンプン、架橋ポリマーまたはセルロース(たとえば、クロスカルメロースナトリウム(CCNa))などの崩壊剤、二酸化ケイ素、二酸化チタン、微結晶セルロースまたは粉末セルロースなどの増量剤、ポリソルベート(たとえば、ポリソルベート20、40、60もしくは80;スパン20、40、60、65もしくは80)などの界面活性剤または乳化剤、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピルまたはアスコルビン酸(その遊離酸もしくは塩のいずれか)などの抗酸化剤、リン酸またクエン酸緩衝剤などの緩衝剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)またはエデト酸2ナトリウムなどの金属イオン封鎖剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドンまたはポリビニルピロリドンなどの分散剤、炭酸カルシウムなどの溶解補助剤、およ水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノール、クエン酸、メタ重亜硫酸カルシウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸または酒石酸などの賦形剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
コレステロールレベル、特にLDL-Cレベルの低下は、CVDおよびそれに関連する状態を治療するための現在最も一般的なアプローチである。コレステロールレベル低下の目標は、アテローム性動脈硬化の発症および進行の遅延化また逆行である。安定している患者において、動脈硬化性プラーク形成による血管狭窄は、MIまたは脳卒中などの虚血イベントの第一要因である。これらの安定している患者におけるコレステロールレベルの低下は、さらなるプラークの蓄積を予防することによって、CADおよびCHDのリスクを減じ、発症を遅延化させる。
【0039】
コレステロールレベルと減じるための最もよく知られており、一般的に使用される化合物は、スタチンである。スタチンは、コレステロール生合成経路における律速段階である、メバロネートへのHMG-CoAの変換からHMG-CoAレダクターゼを阻害する。このように、スタチンは、コレステロール生合成を阻害し、動脈プラークの蓄積を予防する。スタチン投与が、LDL-CレベルおよびTGレベルの両方を減じることがわかっており、スタチンが、炎症マーカーであるhs-CRPの血中レベルも低下させることもわかっている。スタチンは、慢性高脂血症または確立したCVDを有する安定している患者に日常的に投与され、コレステロールレベルが高い、安定している集団において心臓血管イベントをある程度低下させることがわかっている。さらに、近年の研究から、高脂血症ではないが、高いhs-CRPレベルを示している健康な患者へのスタチン投与が、LDL-Cレベルおよびhs-CRPレベルを減じ、MACEのリスクを低下させることがわかっている(Ridker 2008)。しかしながら、スタチンは、心臓血管イベントにおいて常に有効というわけではない。たとえば、心臓血管イベントの60-70%は、スタチン療法にもかかわらず発生し続ける(Ridker 2005)。
【0040】
CHDおよびCADは、もはや単純に脂質疾患ではなくて、複合炎症状態とみなされている。炎症は、動脈硬化プラーク蓄積の一因となり、動脈硬化プラークを覆っている繊維性被膜中のコラーゲンの損失において重要な役割も演じる。コラーゲンの損失は、プラークの安定性を低下させ、次いで、多くのMACEの第一の近因である冠動脈血栓の可能性を増加させる。コレステロールレベルの低下では、プラーク不安定性を予防するには不十分なので、標準的コレステロール低下療法では、CHDまたはCADを治療するには必ずしも十分とはいえない。
【0041】
プラーク不安定性に伴う危険は、最近ACSイベントを経験したことがある患者(たとえば、1種以上のACSイベントを経験したことがある患者または過去96時間以内に1種以上のACSイベントを診断されている患者)といったような不安定な患者において特に高い。急性炎症反応が、ACSイベントの後に続いて起こり、それは、hs-CRP、sPLA2およびIL-6などの炎症マーカーのレベルにおける短期間の急上昇ならびにプラーク安定性の著しい低下によって反映される。sPLA2活性の実質的上昇は、一般にACSイベントから24時間以内に観察され、この活性の上昇は、該イベントの後12週間まで継続しうる。炎症マーカーレベルは、最終的には、ACSイベント前のベースラインレベルに戻るが、患者は、イベントの後の数か月間はMACEの非常に高いリスクにある。LDLレベルは、イベントの後わずかであるが急速に低下するのが一般的であるが、この後数週間において、イベント前のレベルまたはそれ以上に徐々にもどる。この期間中、理想的な治療アプローチは、コレステロールレベルを急速に下げるもの、続いてのコレステロールレベルの増加を予防もしくは遅延化させるもの、プラークの蓄積を予防するもの、および安定性を回復させるものである。スタチンは、不安定なACSイベント後の集団に日常的に投与されるが、スタチン療法では、これらの患者において低いLDL-Cレベルを維持し、MACEを予防するのには不十分である。患者を安定させることにおいて、スタチンでは、続いてのLDL-Cの増加を完全に予防するには不十分である。最近ACSイベントを経験し、スタチンで治療される患者の15%が、最初のイベントから4か月以内に死亡するか、またはMI、脳卒中もしくはUAを経験し、22%が、これらのMACEを経験するか、または2年以内に経皮冠動脈インターベンション(PCI)を必要とする(Schwartz 2005)。PROVE-IT TIMI-22研究からの同様の治療データは、2.5年で25%の再発イベントがあることを実証した(Cannon 2004;Ridker 2005)。したがって、不安定な患者におけるMACEを治療するための新たな治療アプローチが必要である。
【0042】
ホスホリパーゼA2は、グリセロリン脂質のsn-2脂肪酸アシル鎖を加水分解してリゾリン脂質を生成し、アラキドン酸、プロスタグランジンおよびロイコトリエンの下流生成をもたらすことによって炎症において役割を演じる酵素の1つのクラスである。ヒトのホスホリパーゼA2のクラスは、分泌ホスホリパーゼA2(sPLA2)のIB、IIA、IIC、IID、IIE、IIF、III、V、XおよびXII型、リポタンパク質関連ホスホリパーゼA2(Lp-PLA2、VII型のPLA2としても知られる)、細胞質型ホスホリパーゼ(cPLA2)およびカルシウム非依存性ホスホリパーゼA2(iPLA2)を包含する。IIA、IID、IIE、IIF、III、VおよびX型のsPLA2のレベルの上昇は、アテローム性動脈硬化の進行のすべてのステージにおいて観察されており、そのリン脂質分解能力に基づいてアテローム発生に関与している(Kimura-Matsumoto 2007)。IIA型のsPLA2が、ヒトの動脈硬化病変において血管平滑筋細胞および泡沫細胞において発現されることが見出されており、この発現は、動脈硬化の進行と相関している(Menschikowski 1995;Elinder 1997;Hurt-Camejo 1997)。ヒトのIIA型のsPLA2を高レベルで発現するトランスジェニックマウスは、LDL-Cレベルが増加し、LDL-CおよびHDL粒径が減少しており、動脈硬化病変を示し(Ivandic 1999;Tietge 2000)、高脂肪食を与えられた正常マウスと比べて高い比率で動脈硬化を発症する(Ivandic 1999)。sPLA2による処置は、細胞外マトリックスタンパク質に対して高い親和性をもつようにLDL-Cリポタンパク質を変更し(Camejo 1998;Sartipy 1999;Hakala 2001)、動脈壁におけるLDL-C粒子の滞留の増加をもたらす。sPLA2処置はまた、正常LDL-Cのリン脂質部分をおよそ50%減じ、プロテオグリカンおよびグリコサミノグリカンとの不溶性複合体を形成する可能性がより大きい、より小さくて高密度の粒子をもたらす(Sartipy 1999)。さらに、sPLA2がHDLを再構成し、HDL異化をもたらすことを示す幾つかの証拠がある(Pruzanski 1998)。V型のsPLA2は、マウスおよびヒトにおいて、平滑筋細胞に関連するアテローム性動脈硬化病変およびプラークの脂質コア領域における泡沫細胞に存在する(Rosengren 2006)。V型のsPLA2が、マウスの動脈硬化を増加させることが明らかにされているが、一方で、V型のsPLA2が、動脈硬化を減少させることが明らかにされている(Rosengren 2006;Bostrom 2007)。Lp-PLA2は、冠動脈病変の壊死性コアに高レベルで発現する(Serruys 2008)。
【0043】
sPLA2の発現は、CADの進行のリスクの増加にも相関している。sPLA2、特にIIA型のsPLA2の循環レベルが高いことが、コントロール患者よりも、確認されたCADを有する患者において観察されている(Kugiyama 1999;Liu 2003;Boekholdt 2005;Chait 2005;Hartford 2006)。さらに、sPLA2の循環レベルが高いことが、健康な個体において、CADの進行に対する正確な予後指標を提供することが見出された(Mallat 2007)。活性の測定は、ACSの患者における死亡およびMIの新規発生あるいは再発の独立した予測因子であることが明らかにされており、IIA型の濃度測定のみと比べて、より正確な予後予測を提供する(Mallat 2005)。sPLA2が、虚血イベント中に有害作用を有するかもしれないということも提案されている。このことは、梗塞を起こしたヒトの心筋の壊死中心におけるsPLA2沈着の発見に大きく基づいている(Nijmeijer 2002)。
【0044】
これまでの研究で、sPLA2インヒビターであるアミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル(A-002)の1日1回または2回の投与が、安定しているCVD集団ならびに糖尿病およびLDL-Cのベースラインが高い亜集団において、総コレステロール、LDL-C、総LDL-C粒子および小LDL-C粒子のレベルを減じることが確立されている(WO2008/137803)。さらに、これらの先の研究は、1種以上のスタチンとの併用でのA-002の投与が、安定しているCVD集団において、LDL-Cのベースラインが高い亜集団などのLDL-Cおよび小LDL-C粒子レベルの相乗的減少をもたらすことを確立した。この効果は、特定のスタチンに限定されないどころか、スタチンの全領域にわたることが観察された。これまでの研究はまた、A-002の投与が、安定している集団において、hs-CRPなどのさまざまな炎症マーカーおよびsPLA2のレベルを低下させることを確立している。
【0045】
これらの先の発見は、慢性的にコレステロールレベルが高い患者などの安定している集団においてレステロールレベルを変更し、CVDを治療するための、sPLA2インヒビター単独で、または他の心臓血管薬との併用での使用を裏付ける。しかしながら、安定している集団においてコレステロールレベルを減じ、CVDを治療する能力は、最近ACSイベントに苦しんだ集団などの不安定な集団において急速にコレステロールレベルを減じ、MACEを減少させる能力とは必ずしも相関しない。上述したように、ACSイベントの後の急性炎症反応は、これらの不安定な患者をMACEの非常に高いリスクに置く。この理由のために、安定している集団において成功裏にコレステロールレベルを減じ、MACEを減少させる治療薬は、不安定なACS集団において、より低い成功度しかないことがわかっている。たとえば、最近ACSイベントを経験した患者におけるアトロバスタチン80 mgの投与の効果を試験している1つの研究は、死亡、非致死性MI、蘇生をともなう心拍停止または症候性心筋虚血の悪化において、わずか2.6%の絶対的減少および16%の相対的減少を見出した。したがって、急性ACS後の集団において、MACE発生を予防し、コレステロールレベルを減じるための新たな療法が早急に必要である。
【0046】
本明細書に開示するように、最近ACSイベントを経験した不安定な集団へのA-002の投与は、炎症を有意に減じる(炎症マーカーであるhs-CRP、sPLA2およびIL-6の平均および中央値レベルの減少から明らかである)。炎症マーカーレベルにおけるこの改良が、最初の測定時点である2週間で早くも観察されたことが重要である。この臨床試験に参加するすべての患者は、ACS後の患者のための標準的療法であるスタチンを同時に受けていた。したがって、本明細書に開示する結果から、スタチンとの併用でのsPLA2インヒビターの投与が、ACSイベント後の急性炎症の期間を有意に短くすることが確立される。
【0047】
上述したように、hs-CRP、sPLA2およびIL-6レベルは、ACSイベントの後、直ちに急上昇し、次いで、イベント前のベースラインにゆっくりと戻る。この最初の急上昇は、MACEのリスクの大きな増加を伴うので、ACSイベント後にできるだけすばやく炎症を減じる能力が、MACE減少のために重要である。A-002/スタチン亜集団とスタチン亜集団との間の炎症マーカーレベルにおける差異は、より後の時点ではさほど著しくないが、A-002/スタチン併用を受けている患者は、スタチン単独を受けている患者よりも、炎症マーカーレベルにおいて、より大きい減少を持続して示した。したがって、sPLA2インヒビターとスタチンとの併用は、ACSイベント後数週間にわたって炎症の減少を持続させる。
【0048】
A-002の投与は、最近ACSイベントを経験した糖尿病亜集団における炎症マーカーレベルも有意に低下させた。スタチンとの併用でのA-002が、炎症レベルのベースラインが高いことから心血管疾患に特にかかりやすい集団における炎症を減少させる能力があるということを確立するので、このことは重要である。これらの結果は、A-002+スタチンが、メタボリックシンドロームの患者などの著しいレベルの炎症ベースラインをもつ他のACSイベント後の集団において炎症を低下させるであろうことを示唆する。
【0049】
本明細書に開示する結果から、最近ACSイベントを経験した不安定な集団へのA-002の投与は、LDL-Cレベルを有意に低下させることがさらに明らかである。炎症マーカーと同様に、LDL-Cにおける減少は、最初の測定時点である2週間で早くも観察された。A-002/スタチン亜集団とスタチン亜集団との間のとの間のコレステロールレベルにおける差異は、より後の時点ではさほど著しくないが、A-002/スタチン併用を受けている患者は、スタチン単独を受けている患者よりも、コレステロールにおいて、より大きい減少を持続して示した。したがって、sPLA2インヒビターとスタチンとの併用は、ACSイベント後数週間にわたって炎症の減少を持続させる。上述したように、LDLレベルは、ACSイベントの後、わずかに急速に減少し、次いで、その後数週間においてイベント前のレベルに徐々に戻る傾向がある。本明細書に開示する結果から、スタチンと併用でのsPLA2インヒビターの投与は、LDLレベルを、ACSイベントの直後の正常と比べて、より迅速に低下させるのみならず、数週間および数か月にわたって低いLDLレベルを維持するということが確立される。
【0050】
本明細書においてさらに開示するように、A-002およびスタチンの投与は、16週間にわたって、スタチン単独よりも大きくMACEを減少させた。ACSイベント後の集団において予想されたように、MACEの大部分は、指標ACSイベントの後の最初の90日間に起こり、最初の30日間が最も多かった。この重要な期間中、A-002は、MACEの数を有意に減少させた。A-002投与後のMACEの減少は、緊急入院を必要とするUA、MIおよび死亡などの広範なMACEの型にわたって観察された。ACSイベント後のMACEの数の減少に加えて、A-002の投与は、MACEの重篤度を減じることができる。
【0051】
本明細書に開示する結果に基づいて、最近ACSイベントを経験した患者またはACSイベントに苦しむリスクにあるとみなされている患者における、治療有効量の1種以上のPLA2インヒビター単独またはMACEまたはACSの治療に用いる1種以上の治療薬との併用での投与による、MACEの可能性の減少、ACSの治療、炎症の減少、hs-CRP、sPLA2またはIL-6などの1種以上の炎症マーカーの血中レベルの減少、および脂質異常症の治療(非HDLコレステロール、LDL-Cおよび/または総コレステロールレベルの低下など)などのMACEの治療方法を提供する。特定の実施態様において、1種以上のPLA2インヒビターは、sPLA2、Lp-PLA2およびcPLA2インヒビターから選ばれ、これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のPLA2インヒビターは、sPLA2インヒビターである。特定の実施態様において、MACEまたはACSの治療に用いられる1種以上の治療薬は、1種以上のスタチンなどである。本明細書は、さらに、1種以上のPLA2インヒビター単独またはMACEまたはACSの治療に用いる1種以上の治療薬との組み合わせを含む組成物、生成物および医薬製剤、ならび、医薬を製造するための1種以上のPLA2インヒビター単独または1種以上のMACEまたはACS治療薬との組み合わせでの、本明細書に開示する方法において使用するための使用を提供する。
【0052】
特定の実施態様において、本明細書に開示する方法および組成物において使用するためのsPLA2インヒビターは、インドールベース(構造式:

で示されるインドール核を含むことを意味する)のsPLA2インヒビターであってよい。
【0053】
さまざまなインドールベースのsPLA2インヒビターが当業者で公知である。たとえば、本発明に用いることができるインドールベースのsPLA2インヒビターとして、米国特許番号5,654,326(Bach);5,733,923(Bach);5,919,810(Bach);5,919,943(Bach);6,175,021(Bach);6,177,440(Bach);6,274,578(Denney);および6,433,001(Bach)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。インドールベースのsPLA2インヒビターの製造方法は、たとえば、米国特許番号5,986,106(Khau);6,265,591(Anderson);および6,380,397(Anderson)などに記載されている。本発明に用いるsPLA2インヒビターは、これらの合成法を用いて、あるいは当業界で公知の他のいずれかの合成法を用いて製造することができる。特定の実施態様において、本発明に用いるsPLA2インヒビターは、IIA型、V型および/またはX型sPLA2インヒビターであってもよい。インドールベースのsPLA2インヒビターのさまざまな例を以下に記載する。これらの例は、本明細書に開示する方法および組成物に関連して用いることができるインヒビターのタイプの説明として提供されるにすぎず、それらへの限定をいみするものではない。当業者であれば、さまざまな他のインドールベースのsPLA2インヒビターを用いてもよいことを認識するであろう。
【0054】
特定の実施態様において、本発明に用いるsPLA2インヒビターは、構造式:

[式中、
各Xは独立して、酸素またはイオウであり;
R1は、(a)、(b)および(c)から選ばれ、ここで:
(a)は、C7-C20アルキル、C7-C20アルケニル、C7-C20アルキニル、炭素環式基または複素環式基であり;
(b)は、独立して選ばれる1種以上の非妨害性置換基で置換された(a)のメンバーであり;および
(c)は、基:-(L)-R80であり、ここで、-(L)-は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる1〜12個の原子からなる二価の連結基であり、ここで、-(L)-における原子の組み合わせは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみから選ばれ;および、ここで、R80は、(a)または(b)から選ばれ;
R2は、水素、ハロ、C1-C3アルキル、C3-C4シクロアルキル、C3-C4シクロアルケニル、-O-(C1-C2アルキル)、-S-(C1-C2アルキル)、または水素以外の計1〜3個の原子を有する非妨害性置換基であり;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、長さ1〜4の酸リンカーであり;ただし、R4およびR5の少なくとも1つが-(La)-(酸性基)でなければならない;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素、非妨害性置換基、炭素環式基、非妨害性置換基で置換された炭素環式基、複素環式基および非妨害性置換基で置換された複素環式基から選ばれ;
ただし、R1、R6およびR7のいずれについても、炭素環式基は、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、ノルボルナニル、ビシクロヘプタジエニル、トルイル、キシレニル、インデニル、スチルベニル、テルフェニリル、ジフェニルエチレニル、フェニル-シクロヘキセニル、アセナフチレニルならびにアントラセニル、ビフェニル、ビベンジリルおよび式(bb):

(bb)
(ここで、nは、1〜8の数である)
で示される関連ビベンジリル同族体から選ばれ;ただし、R1、R6およびR7のいずれについても、複素環式基は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、フェニルイミダゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、オキ
サゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、カルバゾリル、ノルハルマニル、アザインドリル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、チアナフテニル、ジベンゾチオフェニル、インダゾリル、イミダゾ(1.2-A)ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、アントラリニル、1,2-ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、ピリニジル、ジピリジリル、フェニルピリジニル、ベンジルピリジニル、ピリミジニル、フェニルピリミジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、キノリニル、フタラジニル、キナゾリニルおよびキニキサリニルから選ばれ;および
ただし、R1、R2、R4、R5、R6およびR7のいずれについても、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n -CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0055】
これらの実施態様のいくつかにおいて、-(L)-は、式:

[式中、R81およびR82はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれ;pは、1〜5の数であり;およびZは、結合、-(CH2)-、-O-、-N(C1-C10アルキル)-、-NH-および-S-から選ばれる]
である。
【0056】
R4が-(La)-(酸性基)である、これらの実施態様の特定の態様において、酸リンカー:-(La)-は、式:

[式中、Qは、-(CH2)-、-O-、-NH-および-S-から選ばれ;およびR83およびR84はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、ヒドロキシおよびハロから選ばれる]
で示される。
【0057】
R5が-(La)-(酸性基)である、これらの実施態様の特定の態様において、酸リンカー:-(La)-は、式:

[式中、rは、2〜7の数であり;sは、0または1であり;Qは、-(CH2)-、-O-、-NH-および-S-から選ばれ;およびR85およびR86はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる]
で示される。
【0058】
特定の実施態様において、本発明に用いる1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物は、((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;dl-2-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-3-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-4-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((2,6-ジクロロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-(4(-フルオロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-((1-ナフタレニル)メチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((3-クロロフェニル)メチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-プロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-シクロプロピル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-シクロプロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;および4-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-5-イル)オキシ)ブタン酸、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体から選ばれる。
【0059】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Xは両方とも酸素であり;
R1は、

および

(ここで、R10は、ハロ、C1-C10アルコキシ、-S-(C1-C10アルキル)およびC1-C10ハロアルキルから独立して選ばれる基であり、tは、0〜5の数である)
から選ばれ;
R2は、ハロ、シクロプロピル、メチル、エチルおよびプロピルから選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、酸リンカーであり;ただし、R4の酸リンカー-(La)-は、









および

から選ばれ;および
ただし、R5の酸リンカー-(La)-は、













および

(ここで、R84およびR85はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる)
から選ばれ;ただし、R4およびR5の少なくとも1つは、-(La)-(酸性基)でなければならず、R4またはR5の-(La)-(酸性基)における(酸性基)は、-CO2H、-SO3Hまたは-P(O)(OH)2から選ばれ;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素および非妨害性置換基から選ばれ、ここで、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n-CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0060】
特定の実施態様において、本発明に用いるための1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物は、((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;dl-2-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン酸;dl-2-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)プロパン酸 メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-3-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-3-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-4-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-4-イルメチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((2,6-ジクロロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((2,6-ジクロロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-(4(-フルオロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-(4(-フルオロフェニル)メチル)-2-メチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-((1-ナフタレニル)メチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-メチル-1-((1-ナフタレニル)メチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((3-クロロフェニル)メチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((3-クロロフェニル)メチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-エチル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-プロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-プロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-シクロプロピル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-シクロプロピル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-シクロプロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸;((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-1-((1,1'-ビフェニル)-2-イルメチル)-2-シクロプロピル-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸メチルエステル;4-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-5-イル)オキシ)ブタン酸;4-((3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-5-イル)オキシ)ブタン酸tert-ブチルエステル、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体から選ばれる。
【0061】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
各Xは独立して、酸素またはイオウであり;
R1は、(a)、(b)および(c)から選ばれ、ここで:
(a)は、C7-C20アルキル、C7-C20アルケニル、C7-C20アルキニル、炭素環式基または複素環式基であり;
(b)は、独立して選ばれる1種以上の非妨害性置換基で置換された(a)のメンバーであり;および
(c)は、基:-(L)-R80であり、ここで、-(L)-は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる1〜12個の原子からなる二価の連結基であり、ここで、-(L)-における原子の組み合わせは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみから選ばれ;および、ここで、R80は、(a)または(b)から選ばれ;
R2は、水素、ハロ、C1-C3アルキル、C3-C4シクロアルキル、C3-C4シクロアルケニル、-O-(C1-C2アルキル)、-S-(C1-C2アルキル)、および水素以外の計1〜3個の原子を有する非妨害性置換基から選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、長さ1〜4の酸リンカーであり;ただし、R4およびR5の少なくとも1つが-(La)-(酸性基)でなければならない;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素、非妨害性置換基、炭素環式基、非妨害性置換基で置換された炭素環式基、複素環式基および非妨害性置換基で置換された複素環式基から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0062】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Xは両方とも酸素であり;
R1は、

および

(ここで、R10は、ハロ、C1-C10アルキル、C1-C10アルコキシ、-S-(C1-C10アルキル)およびC1-C10ハロアルキルから独立して選ばれる基であり、tは、0〜5の数である)
から選ばれ;
R2は、ハロ、シクロプロピル、メチル、エチルおよびプロピルから選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、酸リンカーであり;ただし、R4の酸リンカー-(La)-は、









および

から選ばれ;および
ただし、R5の酸リンカー-(La)-は、













および

(ここで、R84およびR85はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる)
から選ばれ;ただし、R4およびR5の少なくとも1つは、-(La)-(酸性基)でなければならず、R4またはR5の-(La)-(酸性基)における(酸性基)は、-CO2H、-SO3Hまたは-P(O)(OH)2から選ばれ;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素および非妨害性置換基から選ばれ、ここで、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n-CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体のメチルエステルプロドラッグ誘導体である。
【0063】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Xは両方とも酸素であり;
R1は、

および

(ここで、R10は、ハロ、C1-C10アルキル、C1-C10アルコキシ、-S-(C1-C10アルキル)およびC1-C10ハロアルキルから独立して選ばれる基であり、tは、0〜5の数である)
から選ばれ;
R2は、ハロ、シクロプロピル、メチル、エチルおよびプロピルから選ばれ;
R4およびR5は独立して、水素、非妨害性置換基および-(La)-(酸性基)から選ばれ、ここで、-(La)-は、酸リンカーであり;ただし、R4の酸リンカー-(La)-は、









および

から選ばれ;および
ただし、R5の酸リンカー-(La)-は、













および

(ここで、R84およびR85はそれぞれ独立して、水素、C1-C10アルキル、アリール、C1-C10アルカリール、C1-C10アラルキル、カルボキシ、カルバルコキシおよびハロから選ばれる)
から選ばれ;ただし、R4およびR5の少なくとも1つは、-(La)-(酸性基)でなければならず、R4またはR5の-(La)-(酸性基)における(酸性基)は、-CO2H、-SO3Hまたは-P(O)(OH)2から選ばれ;
R6およびR7はそれぞれ独立して、水素および非妨害性置換基から選ばれ、ここで、非妨害性置換基は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C7-C12アラルキル、C7-C12アルカリール、C3-C8シクロアルキル、C3-C8シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C1-C6アルコキシ、C2-C6アルケニルオキシ、C2-C6アルキニルオキシ、C2-C12アルコキシアルキル、C2-C12アルコキシアルキルオキシ、C2-C12アルキルカルボニル、C2-C12アルキルカルボニルアミノ、C2-C12アルコキシアミノ、C2-C12アルコキシアミノカルボニル、C2-C12アルキルアミノ、C1-C6アルキルチオ、C2-C12アルキルチオカルボニル、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C2-C6ハロアルコキシ、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C2-C6ハロアルキル、C1-C6ヒドロキシアルキル、-C(O)O(C1-C6アルキル)、-(CH2)n-O-(C1-C6アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、-(CONHSO2R)、-CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルバルコキシ、-(CH2)n-CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、-SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびC1-C6カルボニル(ここで、nは、1〜8である)から選ばれる]
で示される1H-インドール-3-グリオキシルアミド化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体の(アシルオキシ)アルキルエステルプロドラッグ誘導体である。
【0064】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
R1は、-NHNH2および-NH2から選ばれ;
R2は、-OHおよび-O(CH2)mR5から選ばれ;ここで、R5は、H、-CO2H、-CO2(C1-C4アルキル)、-SO3H、-SO3(C1-C4アルキル)、テトラゾリル、-CN、-NH2、-NHSO2R15、-CONHSO2R15、フェニル、-CO2Hまたは-CO2(C1-C4)アルキルで置換されたフェニルおよび

(ここで、R6およびR7はそれぞれ独立して、-OH、-O(C1-C4)アルキルから選ばれ;R15は、-(C1-C6)アルキルおよび-CF3から選ばれ;およびmは、1-3である)
から選ばれ;
R3は、H、-O(C1-C4)アルキル、ハロ、-(C1-C6)アルキル、フェニル、-(C1-C4)アルキルフェニル、-(C1-C6)アルキル、ハロまたは-CF3で置換されたフェニル、-CH2OSi(C1-C6)アルキル、フリル、チオフェニル、-(C1-C6)ヒドロキシアルキルおよび-(CH2)nR8から選ばれ;ここで、R8は、H、-CONH2、-NR9R10、-CNおよびフェニルから選ばれ;ここで、R9およびR10はそれぞれ独立して、-(C1-C4)アルキルまたは-フェニル(C1-C4)アルキルであり;およびnは、1〜8であり;
R4は、H、-(C5-C14)アルキル、-(C3-C14)シクロアルキル、ピリジル、フェニルおよび-(C1-C6)アルキル、ハロ、-CF3、-OCF3、-(C1-C4)アルコキシ、-CN、-(C1-C4)アルキルチオ、フェニル(C1-C4)アルキル、-(C1-C4)アルキルフェニル、フェニル、フェノキシまたはナフチルで置換されたフェニルから選ばれ;
Aは、フェニルおよびピリジル(ここで、窒素は、5、6、7または8位にある)から選ばれ;
Zは、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル(ここで、窒素は、1、2または3位にある)および1、2または3位のイオウおよび酸素、および1、2、3または4位の窒素から選ばれる1つのヘテロ原子を有するか、または複素環式環上の1つの炭素が必要に応じて=Oで置換される6員の複素環式環から選ばれ;および、ここで、AまたはZの1つは、複素環式環である]
で示される置換三環式化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0065】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、式:

[式中、
Zは、シクロヘキセニルおよびフェニルから選ばれ;
R21は、非妨害性置換基であり;
R1は、-NHNH2または-NH2であり;
R2は、-OHおよび-O(CH2)mR5から選ばれ;ここで、R5は、H、-CO2H、-CONH2、-CO2(C1 -C4アルキル)、-SO3H,-SO3(C1-C4アルキル)、テトラゾリル、-CN、-NH2、-NHSO2R15、-CONHSO2R15、フェニル、-CO2Hまたは-CO2(C1-C4)アルキルで置換されたフェニルおよび

(ここで、R6およびR7はそれぞれ独立して、-OH、-O(C1-C4)アルキルから選ばれ;R15は、-(C1-C6)アルキルおよび-CF3から選ばれ;およびmは、1-3である)
から選ばれ;
R3は、H、-O(C1-C4)アルキル、ハロ、-(C1-C6)アルキル、フェニル、-(C1-C4)アルキルフェニル、-(C1-C6)アルキル、ハロまたは-CF3で置換されたフェニル、-CH2OSi(C1-C6)アルキル、フリル、チオフェニル、-(C1-C6)ヒドロキシアルキルおよび-(CH2)nR8から選ばれ;ここで、R8は、H、-CONH2、-NR9R10、-CNおよびフェニルから選ばれ;R9およびR10はそれぞれ独立して、H、-CF3、フェニル、-(C1-C4)アルキル、-(C1-C4)アルキルフェニルおよび-フェニル(C1-C4)アルキルから選ばれ;およびnは、1〜8であり;
R4は、H、-(C5-C14)アルキル、-(C3-C14)シクロアルキル、ピリジル、フェニル、-(C1-C6)アルキルで置換されたフェニル、ハロ、-CF3、-OCF3、-(C1-C4)アルコキシ、-CN、-(C1-C4)アルキルチオ、-フェニル(C1-C4)アルキル、-(C1-C4)アルキルフェニル、フェニル、フェノキシおよびナフチルから選ばれる]
で示される置換三環式化合物およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体である。
【0066】
特定の実施態様において、本発明に用いるためのsPLA2インヒビターは、
{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;9-ベンジル-5,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボン酸ヒドラジド;9-ベンジル-5,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-7-メトキシカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;メチル [9-ベンジル-4-カルバモイル-7-メトキシカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル-メチル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチル-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;9-ベンジル-5-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-トリフルオロメタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-5-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-カルバゾール-5-カルボキサミド;[5-カルバモイル-2-ペンチル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(1-メチルエチル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-フェニル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(2-フリル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;{9-[(2-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ベンジルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(1-ナフチル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3,5-ジメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ヨードフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-クロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ビフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ビフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸メチルエステル;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;{9-[(2-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-メチルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[[(プロペン-3-イル)オキシ]メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(プロピルオキシ)メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((1H-テトラゾール-5-イル-メチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチル-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-メチルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(フェニル)メチル]-5-カルバモイル-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)-カルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;9-ベンジル-5-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-メタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-4-(2-トリフルオロメタンスルホンアミド)エチルオキシ-2-メトキシカルバゾール-5-カルボキサミド;9-ベンジル-5-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-7-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-4-メタンスルホンアミドイルメチルオキシ-カルバゾール-5-カルボキサミド;[5-カルバモイル-2-ペンチル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(1-メチルエチル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-フェニル-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(4-クロロフェニル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-2-(2-フリル)-9-(フェニルメチル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(トリ(-1-メチルエチル)シリル)オキシメチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;{9-[(3-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-クロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-フェノキシフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-フルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ベンジルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-トリフルオロメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(1-ナフチル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-シアノフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-メチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3,5-ジメチルフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ヨードフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-クロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジフルオロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-トリフルオロメトキシフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-ビフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(2-Biフェニル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸メチルエステル;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;{9-[(2-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;{9-[(3-ピリジル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル}オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-メチルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-フルオロカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;[9-ベンジル-5-カルバモイル-1-クロロカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-[(シクロヘキシル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[9-[(シクロペンチルル)メチル]-5-カルバモイルカルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-(2-チエニル)カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[[(プロペン-3-イル)オキシ]メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;[5-カルバモイル-9-(フェニルメチル)-2-[(プロピルオキシ)メチル]カルバゾール-4-イル]オキシ酢酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((1H-テトラゾール-5-イル-メチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;9-ベンジル-7-メトキシ-5-((カルボキサミドメチル)オキシ)-カルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;(R,S)-(9-ベンジル-4-カルバモイル-1-オキソ-3-チア-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル)オキシ酢酸;(R,S)-(9-ベンジル-4-カルバモイル-3-チア-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-5-イル)オキシ酢酸;2-(4-オキソ-5-カルボキサミド-9-ベンジル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル)酢酸クロリド;[N-ベンジル-1-カルバモイル-l-アザ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-8-イル]オキシ酢酸;4-メトキシ-6-メトキシカルボニル-10-フェニルメチル-6,7,8,9-テトラヒドロピリド[1,2-a]インドール;(4-カルボキサミド-9-フェニルメチル-4,5-ジヒドロチオピラノ[3,4-b]インドール-5-イル)オキシ酢酸;3,4-ジヒドロ-4-カルボキサミドl-5-メトキシ-9-フェニルメチルピラノ[3,4-b]インドール;2-[(2,9 ビス-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロ-ベータカルボリン-5-イル)オキシ]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-tert-ブチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキ
サミド-9-ペンタフルオロベンジル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-フルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-フルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,6-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,5-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,5-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3-ジフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(a-メチルナフチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(b-メチルナフチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,5-ジメチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4-ジメチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フェニルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-フェニルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-フェニルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-フルオレニルメチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フルオロ-3-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-ベンゾイルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-フェノキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-フェノキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-フェノキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-[2-(フルオロフェノキシ)ベンジル]]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-[4-(フルオロフェノキシ)ベンジル]]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3,6-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3,5-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4,5-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,4,6-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,3,4-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4,5-トリフルオロベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-(トリフルオロメトキシル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-(トリフルオロメトキシル)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-メトキシ(テトラフルオロ)ベンジル]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-メトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3-メトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-メトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-エチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-isoプロピルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4,5-triメトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,4-メチレンジオキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-メトキシ-3-メチルベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(3,5-ジメトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2,5-ジメトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(4-エトキシベンジル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(シクロヘキシルメチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(シクロペンチルメチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-エチル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-プロピル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-プロピル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-ブチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(2-ブチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-イソブチル-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[2-(1-フェニルエチル)]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[3-(1-フェニルプロピル)]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-[4-(1-フェニルブチル)]-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-ペンチル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;2-[4-オキソ-5-カルボキサミド-9-(1-hexイル)-9H-ピリド[3,4-b]インドールイル]酢酸;4-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]酪酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;2-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]メチル安息香酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-n-オクチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;4-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]酪酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;3-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]プロピルホスホン酸;(S)-(+)-4-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-7-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]酪酸;4-[9-ベンジル-4-カルバモイル-6-(2-シアノエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;4-[9-ベンジル-4-カルボキサミド-7-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;4-[9-ベンジル-4-カルボキサミドカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;メチル 2-[(9-ベンジル-4-カルバモイル-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル)オキシ]メチルベンゾエート;4-[9-ベンジル-4-カルバモイル-7-(2-シアノエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-6-イル]オキシ酪酸;9-ベンジル-7-メトキシ-5-シアノメチルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール-4-カルボキサミド;[9-ベンジル-4-カルバモイル-8-メチル-カルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;および[9-ベンジル-4-カルバモイル-カルバゾール-5-イル]オキシ酢酸;またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、プロドラッグ誘導体、ラセミ化合物、互変異性体または光学異性体から選ばれる。
【0067】
本明細書で提供される方法および組成物の特定の実施態様では、sPLA2インヒビターである3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸(A-001、当業界でS-5920またはLY315920とも称される)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを用いる。特定の実施態様では、A-001のナトリウム塩を用いる。A-001は、式:

で示される構造を有する。A-001は、sPLA2の競合的インヒビターである。
【0068】
本明細書で提供される方法および組成物の特定の実施態様では、A-001プロドラッグを用い、これらのの実施態様のいくつかにおいては、該プロドラッグは、A-001のC1-C6アルキルエステル、アシルオキシアルキルエステルまたはアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルである。これらの実施態様のいくつかにおいて、プロドラッグは、A-002(当業界でS-3013、LY333013またはバレスプラジブメチルとも称される)であり、A-002は、式:

で示される構造を有する。終末相半減期(t1/2)がおよそ10時間であるA-002は、迅速に吸収され、加水分解されて、活性A-001分子になる。当業界であれば、本明細書に開示される方法および組成物において、A-001の他のプロドラッグ体を用いてもよいことを認識するであろう。当業者であれば、代謝されて活性A-001分子になるプロドラッグのいずれもが、同様な治療的特性を有する可能性があるということを認識するであろうし、このような当業者は、最低限の実験によって、そのようなプロドラッグを同定することができる。
【0069】
スタチンを用いる本明細書に開示される組成物および方法のこのような実施態様において、使用してもよいスタチンの例として、アトロバスタチンまたはアトロバスタチンカルシウム(Lipitor(登録商標)またはTorvast(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,681,893または5,273,995を参照)およびアトロバスタチン複合薬(たとえば、アトロバスタチン+アムロジピン(Norvasc(登録商標)として市販されている)、Caduet(登録商標)として市販されている複合薬、たとえば、米国特許番号6,455,574を参照;アトロバスタチン+CP-529414(Torcetrapib(登録商標)として市販されている);アトロバスタチン+APA-01;アトロバスタチン+エゼチミブ)、セリバスタチン(Lipobay(登録商標)またはBaycol(登録商標)として市販されている)、フルバスタチン(Lescol(登録商標)として市販されている;米国特許番号4,739,073)、ロバスタチン(Mevacor(登録商標)またはAltocor(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,231,938)を参照、ロバスタチン複合薬(たとえば、ロバスタチン+Niaspan(登録商標)、Advicor(登録商標)複合薬として市販されている)、メバスタチン、ピタバスタチン(Livalo(登録商標)またはPitava(登録商標)として市販されている)、プラバスタチン(Pravachol(登録商標)、Mevalotin(登録商標)、Selektine(登録商標)またはLipostat(登録商標)として市販されている;たとえば、米国特許番号4,346,227を参照)、プラバスタチン複合薬(たとえば、プラバスタチン+フェノフィブレート)、ロスバスタチン(Crestor(登録商標)として市販されている)、ロスバスタチン複合薬(たとえば、ロスバスタチン+TriCor(登録商標))、シンバスタチン(Zocor(登録商標)またはLipex(登録商標として市販されている);たとえば、米国特許番号4,444,784;4,916,239;および4,820,850を参照)およびシンバスタチン複合薬(たとえば、シンバスタチン+エゼチミブ、Vytorin(登録商標)複合薬として市販されている、たとえば、米国特許番号7,229,982を参照;シンバスタチン+Niaspan(登録商標)、Simcor(登録商標)複合薬として市販されている;シンバスタチン+MK-0524A、MK-0524Bと呼ばれる複合薬)、ならびに上記化合物の様々な医薬的に許容しうる塩、溶媒和物、塩、立体異性体、プロドラッグ誘導体またはニトロ誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。たとえば、シンバスタチンなどの場合、該スタチンの活性型は、投与後に患者の体内で形成される代謝物である。他の場合、スタチンは、その活性型で投与される。特定の実施態様において、スタチンは、標準的推奨用量で投与されてもよいが、他の実施態様では、スタチンは、推奨用量よりも少ない量で投与されてもよい。
【0070】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを単独で、または1種以上のスタチンとの併用で投与することによって、それを必要とする患者の炎症を阻害する方法が提供される。特定の実施態様において、患者は、以前にACSであると診断されている。特定の実施態様において、患者は、不安定であると分類され、これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、以前にACSイベントを経験したことがある、および/または、ACSイベントに関連する1種以上の症状であると診断されている。これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントの発生は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近である。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントを経験したことがある。他の実施態様において、ACSイベントまたは随伴症状の診断は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近であった。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントであると診断されている。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、血中、血清および/または血漿中の、1種以上のhs-CRP、sPLA2および/またはIL-6などの炎症マーカーのレベルの減少をもたらす。特定の実施態様において、炎症マーカーレベルの減少は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与から、1-6日、1-2週間、2-4週間または4-6週間以内に観察される。特定の実施態様において、炎症マーカーレベルの減少は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与から、6-8週間、8-10週間、10-12週間、12-14週間または14-16週間以内などのそれより後の時点でも観察される。特定の実施態様において、炎症の阻害は、炎症の予防および/または減少をもたらす。1種以上のsPLA2インヒビターが1種以上のスタチンとの併用で投与される特定の実施態様において、炎症および/または炎症マーカーレベルにおいて得られる減少は、1種以上のスタチン単独での投与によって得られる減少よりも大きい。特定の実施態様において、sPLA2インヒビターおよび/またはスタチンは、1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはそのプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンが挙げられる。
【0071】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを単独で、または1種以上のスタチンとの併用で投与することによって、それを必要とする患者の脂質異常症を治療する方法が提供される。特定の実施態様において、患者は、以前にACSであると診断されている。特定の実施態様において、患者は、不安定であると分類され、これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、以前にACSイベントを経験したことがある、および/または、ACSイベントに関連する1種以上の症状であると診断されている。これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントの発生は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近である。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントを経験したことがある。他の実施態様において、ACSイベントまたは随伴症状の診断は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近であった。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントであると診断されている。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、血中、血清および/または血漿中の、LDL-C、非HDLコレステロールおよび/または総コレステロールなどのコレステロールレベルの減少をもたらす。これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントの96時間以内に開始する1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、LDL-Cレベルの減少をもたらす。特定の実施態様において、LDL-Cレベルなどのコレステロールレベルの減少は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与から、1-6日、1-2週間、2-4週間または4-6週間以内に最初に観察される。上述したように、一般に、LDLレベルは、ACSイベントに続いてわずかに急速に減少する。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、自然のLDL減少のこの期間中に通常観察されるものと比べて、より急速に、および/または、より大きくコレステロールレベルを減少させる。1種以上のsPLA2インヒビターを1種以上のスタチンとの併用で投与する実施態様において、この期間中のコレステロールレベルの減少は、1種以上のスタチン単独の投与によって得られる減少よりも大きい。特定の実施態様において、コレステロールレベルの減少は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与から、6-8週間、8-10週間、10-12週間、12-14週間または14-16週間以内などのそれより後の時点でも観察される。
これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、通常、最初のACSイベント後のLDL低下に続くLDLレベルの自然増加を予防、減少および/または遅延化する。1種以上のsPLA2インヒビターが1種以上のスタチンとの併用で投与される特定の実施態様において、この期間中にコレステロールレベルにおいて得られる減少は、1種以上のスタチン単独での投与によって得られる減少よりも大きい。特定の実施態様において、コレステロールレベルは、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の後の、1つ以上の時点において、特定の標的レベルまで減少する。たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、1週間、2週間、4週間、8週間または16週間後などの最初の投与後のさまざまな時点で、100 mg/dlあるいはそれ以下、90 mg/dlあるいはそれ以下、80 mg/dlあるいはそれ以下、70 mg/dlあるいはそれ以下、60 mg/dlあるいはそれ以下または50 mg/dlあるいはそれ以下などの特定の標的レベルまでLDL-Cレベルを減少させる。これらの実施態様のいくつかにおいて、LDL-Cレベルは、成人治療プログラムIII(ATP III)のLDL-Cのための標的レベルに対応する70 mg/dlあるいはそれ以下まで減少する。特定の実施態様において、sPLA2インヒビターおよび/またはスタチンは、1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはそのプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンが挙げられる。
【0072】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビター単独または1種以上のスタチンとの併用での投与によって、予め決定された標的レベルまでコレステロールおよび/または炎症マーカーレベルを減少させる方法が提供される。特定の実施態様において、患者は、以前にACSであると診断されている。特定の実施態様において、患者は、不安定であると分類され、これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、以前にACSイベントを経験したことがある、および/または、ACSイベントに関連する1種以上の症状であると診断されている。これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントの発生は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近である。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントを経験したことがある。他の実施態様において、ACSイベントまたは随伴症状の診断は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近であった。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントであると診断されている。特定の実施態様において、LDL-Cレベルは、100 mg/dlあるいはそれ以下、90 mg/dlあるいはそれ以下、80 mg/dlあるいはそれ以下、70 mg/dlあるいはそれ以下、60 mg/dlあるいはそれ以下または50 mg/dlあるいはそれ以下という標的レベルまで減少する。これらの実施態様のいくつかにおいて、LDL-Cレベルは、70 mg/dlあるいはそれ以下の標的レベルまで減少する。特定の実施態様において、hs-CRPレベルは、5 mg/Lあるいはそれ以下、3 mg/Lあるいはそれ以下または1 mg/Lあるいはそれ以下という標的レベルまで減少する。これらの実施態様のいくつかにおいて、hs-CRPレベルは、3 mg/Lあるいはそれ以下の標的レベルまで減少する。特定の実施態様においては、ただ1つのバイオマーカーの標的レベルが達成されるが、他の実施態様では、多数のバイオマーカーに対して標的レベルが設定され、達成される。たとえば、単独またはスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、LDL-C、hs-CRP、sPLA2、IL-6またはその組み合わせに対する標的レベルを達成するのに用いることができる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の後の、1-6日、1-2週間、2-4週間または4-6週間などの特定の期間内に、予め決定された標的レベルまでコレステロールおよび/または炎症マーカーレベルを減少させる。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、たとえば、sPLA2インヒビターの最初の投与の後の6-8週間、8-10週間、10-12週間、12-14週間または14-16週間などの標的レベルが最初に達成された後のある期間中、コレステロールおよび/または炎症マーカーレベルを標的レベル以下に保つ。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、1種以上のスタチン単独の投与よりも急速に、予め決定された標的レベルまでコレステロールおよび/または炎症マーカーレベルを減少させる。一方、あるいはこの効果に加えて、1種以上のスタチンとの併用での1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、コレステロールおよび/または炎症マーカーレベルを標的レベルに低下させた後、より長い期間、予め決定された標的レベル以下にコレステロールおよび/または炎症マーカーレベルを維持することができる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のスタチンの投与は、患者が特定の標的レベルに達すると、中止される。他の実施態様においては、標的レベルが達成された後でも投与を継続する。特定の実施態様において、sPLA2インヒビターおよび/またはスタチンは、1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはそのプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンが挙げられる。
【0073】
本明細書に開示する方法の特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、薬物投与の全課程にわたって、炎症、炎症マーカー(hs-CRP、sPLA2および/またはIL-6など)および/またはコレステロールレベル(LDL-C、非HDLコレステロールおよび/または総コレステロールなど)を減少させるが、これは、sPLA2インヒビターまたはsPLA2インヒビター/スタチン処置を受けている患者が、sPLA2インヒビターの最初の投与の後のすべてもしくはほとんどの時点において、処置を受けていないか、またはスタチン単独での処置を受けている患者よりも低い炎症、炎症マーカーおよび/またはコレステロールレベルを示すことを意味する。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、薬物投与の早期段階において、無処置またはスタチン単独での処置よりも大きく炎症および/またはコレステロールレベルを低下させ、A-002およびA-002/スタチン処置患者は、最終的に、コントロールまたはスタチン単独処置患者と同じか、または同じに近い炎症またはコレステロールレベルを示す。たとえば、A-002+スタチンを投与されている患者は、A-002の最初の投与の直後に、もしくは投与後まもなく、スタチン単独を投与されている患者よりも大きいhs-CRP、sPLA2、IL-6および/またはLDLレベルの減少を示すが、hs-CRP、sPLA2、IL-6および/またはLDL-Cの低下の相対的差異は、後半には、最終的に、横ばい状態になる。これらの実施態様において、A-002+スタチンは、A-002の最初お投与の後の1時間、12時間、24時間、2日間、1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、16週間、20週間、24週間または28週間などの、A-002の最初の投与の後の0〜28週間の中の1つ以上の時点で、スタチン単独と比べて、hs-CRP、sPLA2、IL-6および/またはLDL-Cレベルをより効果的に低下させる。ACSイベントを経験したことがある患者は、ACSイベントの直後に炎症(および炎症マーカーレベル)の著しい増加を示し、この増加は、MACE発生の増加を伴うので、A-002単独またはスタチンとの併用での、スタチン単独よりもよりすばやく炎症を低下させるA-002の能力は、MACEの治療に特に関連する。
【0074】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを単独で、または1種以上のスタチンとの併用で投与することによって、それを必要とする患者のMACEを治療する方法が提供される。特定の実施態様において、患者は、以前にACSであると診断されている。特定の実施態様において、患者は、不安定であると分類され、これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、以前にACSイベントを経験したことがある、および/または、ACSイベントに関連する1種以上の症状であると診断されている。これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントの発生は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近である。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントを経験したことがある。他の実施態様において、ACSイベントまたは随伴症状の診断は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近であった。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントであると診断されている。特定の実施態様において、sPLA2インヒビターおよび/またはスタチンは、1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはそのプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンが挙げられる。
【0075】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、特定の期間にわたって、1種以上のスタチン単独の投与と比べて、MACEの治療においてより有効である。たとえば、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、患者がACSイベントを経験し、ACSイベントを経験したことがあると診断され、および/またはsPLA2インヒビターの最初の投与を受けた後の2週間、4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、16週間、20週間、24週間または28週間の期間にわたって、MACEの治療において、1種以上のスタチンの投与よりも有効である。この有効性の増加は、MACE発生の予防、MACE発生の可能性の減少、MACE発生の重篤度の減少および/またはMACE発生の遅延化をもたらす。特定の実施態様において、MACE治療における改善は、MACEのすべての領域にわたって、あるいはMACEの明確な一組にわたって、観察される。他の実施態様において、MACE治療における改善は、1種以上の特定のタイプのMACE(たとえば、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、UA(緊急入院を必要とするUAを含む)、致死性または非致死性脳卒中および/または血行再建術の必要性)においてのみ観察される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、MACE発生の可能性を、重篤度が大きいタイプから小さいタイプへシフトさせる。たとえば、sPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、スタチン単独の投与に対する致死性MACEの数を減少させるが、MACEの総数においては効果はない。
【0076】
特定の実施態様において、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを単独で、または1種以上のスタチンとの併用で投与することによって、それを必要とする患者のACSを治療する方法が提供される。特定の実施態様において、患者は、以前にACSであると診断されている。特定の実施態様において、患者は、不安定であると分類され、これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、以前にACSイベントを経験したことがある、および/または、ACSイベントに関連する1種以上の症状であると診断されている。これらの実施態様のいくつかにおいて、ACSイベントの発生は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近である。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントを経験したことがある。他の実施態様において、ACSイベントまたは随伴症状の診断は、たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の、24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内などの最近であった。これらの実施態様のいくつかにおいて、患者は、1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与の前の96時間以内にACSイベントであると診断されている。特定の実施態様において、sPLA2インヒビターおよび/またはスタチンは、1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはそのプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、1種以上のスタチンとして、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンが挙げられる。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビター単独で、または1種以上のスタチンとの併用での投与は、ACSの治療において、1種以上のスタチン単独の投与よりも有効である。特定の実施態様において、この有効性の増加は、ACSイベント発生の低下、ACSイベント発生の可能性の減少、ACSイベント発生の重篤度の減少および/またはACSイベント発生の遅延化をもたらす。特定の実施態様において、ACS治療における改善は、ACSに関連する病気のすべての領域にわたって観察される。他の実施態様において、ACS治療における改善は、1種以上の特定のACSに関連する病気(たとえば、UA、STEMIおよび/またはNSTEMI)のみにおいて観察される。
【0077】
特定の実施態様において、MACEのリスクを低下させるためのACSイベント後のスタチンへの補助療法としての1種以上のsPLA2インヒビターの使用が提供される。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはそのプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、スタチンは、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよび/またはシンバスタチンである。特定の実施態様において、ACSイベント後のスタチンへの補助療法としての1種以上のsPLA2インヒビターの投与は、心血管系死亡、致死性または非致死性MI、緊急入院を必要とするUAなどのUA、致死性または非致死性脳卒中および血行再建術などのMACEのリスクを低下させる。特定の実施態様において、sPLA2インヒビターの最初の投与は、ACSイベントの発生または診断から24時間、24〜48時間、48〜96時間、96時間〜1週間、1〜2週間、2〜6週間または6〜12週間以内に行われる。これらの実施態様のいくつかにおいて、sPLA2インヒビターの最初の投与は、ACSイベントの発生または診断から96時間以内に行われる。特定の実施態様において、いずれかの用量のスタチンとの併用でのA-002の使用が提供され、ここで、A-002は、ACSイベントから96時間以内に投与され、そして、16週間後まで投与され、投与は、心血管系死亡、非致死性MI、非致死性脳卒中または緊急入院を必要とするUAの予防をもたらす。他の実施態様において、いずれかの用量のアトロバスタチンまたはロスバスタチンとの併用でのA-002の使用が提供され、ここで、A-002は、ACSイベントから96時間以内に投与され、そして、90日後まで投与され、投与は、全死因死亡率、非致死性MI、非致死性脳卒中または緊急入院を必要とするUAの予防をもたらす。
【0078】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターを投与することによって、CVD、MACEまたはACSの治療において用いる1種以上の治療薬の有効性を増加させる方法が提供される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、CVD、MACEまたはACSの治療に用いる他の治療薬は、スタチン、アスピリン、ACEインヒビター、ベータ遮断薬、抗血小板薬および/または抗凝固薬である。本明細書で用いるCVD、MACEまたはACSの治療に用いるもう1つのの治療薬の有効性の増加は、治療薬の治療効果の増加、特定のレベルの治療効果を得るために必要な治療薬の用量の減少、またはその組み合わせを意味する。
【0079】
本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、CVD、MACEまたはACSの治療に用いる1つ以上のさらなる治療薬は、1種以上のsPLA2インヒビター、または1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンとの併用で、患者に投与される。たとえば、sPLA2インヒビターおよびスタチンは、アスピリン、ACEインヒビター、ベータ遮断薬、抗血小板薬および/または抗凝固薬の1種以上との併用で投与される。
【0080】
本明細書において開示するように、スタチンとの併用でのA-002は、最近ACSイベントを経験した糖尿病患者の炎症マーカーレベルを有意に減少させた。このことは、A-002+スタチンが、以前に炎症状態であると診断されたACS後の患者において抗炎症作用を有することを確立する。したがって、本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、治療される患者は、炎症または高炎症マーカーレベルであると診断されたか、あるいは、たとえば糖尿病、メタボリックシンドローム、関節炎、血管炎、慢性腎疾患、肥満、乾癬などの自己免疫疾患、慢性閉塞肺疾患(COPD)または感染症などの炎症または高炎症マーカーレベルに関連する病気の症状を示していた。特定の実施態様において、患者は、ACSイベントの発生前にこれらの病気であると診断されるか、または該病気の1種以上の症状を示していた。他の実施態様において、最初の診断または症状の発現は、ACSイベント後に起こる。特定の実施態様において、治療される患者は、喫煙者である。
【0081】
本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、治療の過程にわたって、異なる時点で、異なる経路および/または異なる形態で投与される。たとえば、特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、ACSイベント後すぐに、数時間および数日間の点滴などの非経口経路を介して投与され、その後、より遅い時点で、異なる経路を介して投与される。これらの実施態様は、ACSイベント後すぐの数時間および/または数日間のsPLA2インヒビターの迅速な投与を可能にする。さらに、これらの実施態様は、能力を奪われるか、または部分的に能力を奪われている患者への該化合物のより早い投与を可能にする。薬物の形態は、用いる投与経路に応じて変わる。たとえば、特定の実施態様において、A-001は、ACSイベント後の早い時点で非経口経路を介して投与される。より遅い時点で、非経口投与を徐々に減らし、A-002またはA-001のもう1つのプロドラッグ形態の投与と置き換える。非経口から経口投与への置き換えは、段階的に行い、非経口投与を一連の時点にわたって減しながら、経口投与を同時に増加させる。別法として、非経口投与をすべて一度に打ち切り、薬物の全経口投与に患者を迅速に切り替えてもよい。他の実施態様において、患者は、治療の全課程を通して、異なる形態および/または異なる投与経路で、sPLA2インヒビターを投与されてもよい。ACSイベント後すぐの期間における非経口経路でのsPLA2インヒビターの投与は、薬物の治療的血中レベルがより迅速に得られるのを可能にするので、特定の実施態様において有利である。さらに、該投与は、より一定のレベルにおいて薬物の血中レベルが維持されるのを可能にする。
【0082】
1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンが患者に投与される本明細書において提供される方法の特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンは、別々に、すなわち、別の組成物において投与される。これらの実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンは、同時または連続的に投与される。さらに、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンは、異なる時点で投与され、1つの化合物がもう1つの化合物よりもより頻繁に投与されてもよい。種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンが複数回投与で投与される特定の実施態様において、一方または両方が、1日1回以上から毎週1回、毎月1回または数か月毎に1回の範囲で投与されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のスタチンは、1日1回、1日2回または1日3回投与される。別法として、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンは、たとえば、静脈内点滴などによって、連続的または半連続的に投与されてもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与は、同時に開始されてもよい。これらの実施態様において、sPLA2インヒビターおよびスタチンの投与は、たとえば、96時間以内などのACSイベントまたはACSイベントの診断の後の特定の期間内に開始される。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与は、異なる時点で開始されてもよい。これらの実施態様において、いずれかの化合物が最初に投与される。たとえば、1種以上のsPLA2インヒビターが、たとえば、ACSイベントから96時間以内などのACSイベントまたはACSイベントの診断の後の特定の期間内に最初に投与され、より遅い時点でスタチンの投与が開始される。別法として、1種以上のスタチンの投与が、1種以上のsPLA2インヒビターの投与の前に開始されてもよい。これらの実施態様において、患者は、ACSイベントの前にスタチンを投与されている。患者がACSイベントの前にすでにスタチンを投与された場合、ACSイベント後のスタチン投与は、ACSイベント前と同じ用量および投与間隔で継続されてもよい。別法として、スタチンの用量および/または投与間隔は、ACSイベントの後に調節されてもよい。さらに、投与されている特定のスタチンをACSイベントの後で変更してもよい。たとえば、ACSイベントの前にロバスタチンを投与されていた患者が、ACSイベントの後でアトロバスタチンに切り替えてもよく、あるいは逆でもよい。
【0083】
他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンは、単一の組成物の一部として投与されてもよい。特定の実施態様において、本発明は、このような組成物ならびにこれらの組成物を含むキットおよびこれらの組成物の製造における1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの使用を提供する。1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンが単一の組成物として患者に投与される実施態様において、組成物は、一度で、または複数回に分けて投与されてもよい。組成物が複数回投与で投与される実施態様において、組成物は、1日1回以上から、1週間に1回または数か月に1回の範囲で投与されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、組成物は、1日1回、1日2回または1日3回投与されてもよい。別法として、組成物は、たとえば、非経口投与などによって連続的または半連続的に投与されてもよい。特定の実施態様において、組成物は、たとえば、アスピリン、ACEインヒビター、βアドレナリン遮断薬および/または抗血小板療法などの1種以上のさらなるCVD治療薬を含んでもよい。
【0084】
1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のスタチンまたは1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンを含む組成物は、一度で、連続的に、または特定の期間にわたって規定の間隔で、投与されてもよい。特定の期間にわたって化合物が投与される実施態様において、期間は、予め決定されてもよく、数週間または数日間単位で測定されてもよい。たとえば、特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、2週間、4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、24週間または28週間にわたって規定の間隔で投与されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、16週間まで投与される。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、70日間まで、80日間まで、90日間まで、100日間まで、110日間まで、112日間まで、115日間まで、または120日間まで投与されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、1種以上のsPLA2インヒビターは、112日間まで投与される。別法として、投与の期間は、特定の治療基準の達成に基づいてもよい。たとえば、特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、炎症が特定の程度まで減少するまで、規定の間隔で投与されてもよい。特定の実施態様において、炎症における特定の減少は、hs-CRP、sPLA2および/またはIL-6などの1種以上の炎症マーカーのレベルによって測定されてもよい。たとえば、炎症における特定の減少は、hs-CRP、sPLA2および/またはIL-6レベルが、最初のsPLA2インヒビター投与の直前に観察されたレベルから0%、40%、60%または80%まで下がる場合に生じる。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターは、コントロールレベルが特定の程度まで減少するまで、規定の感覚で投与されてもよい。別の態様として、あるいはこれらの実施態様に加えて、1種以上のsPLA2インヒビターは、ACSまたはMACEのリスクに関連する1種以上の症状が減少または消失するまで投与されてもよい。
【0085】
特定の実施態様において、最大16週間、一定の間隔で、A-001またはその塩、溶媒和物またはプロドラッグおよびいずれかのスタチンを投与することによる、過去96時間以内にACSイベントを経験したことがある患者において心血管系死亡、非致死性MI、非致死性脳卒中および/または緊急入院を必要とするUAを予防するための方法が提供される。これらの実施態様の1つにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、A-001またはその塩、溶媒和物またはプロドラッグを投与する間隔は、1日1回、2回または3回である。特定の実施態様において、A-001またはその塩、溶媒和物またはプロドラッグは、連続的または半連続的に投与される。
【0086】
1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のスタチンを含む組成物は、経口、エアロゾル、腸内、経鼻、点眼、非経口または経皮(たとえば、局所用クリーム剤または軟膏、パッチ)などの当業界で公知のいずれの投与経路によって投与されてもよいが、これらに限定されるものではない。「非経口」は、一般に、たとえば、ボーラス注入または持続的もしくは半持続的注入などの注入に関連する投与の経路を意味する。非経口投与は、眼窩下、点滴、動脈内、関節内、心腔内、皮内、筋肉内、腹腔内、肺内、髄腔内、大槽内、髄腔内、子宮内、静脈内、くも膜下、被膜下、皮下、経粘膜または経気管などのさまざまな経路によって達成されてもよい。本明細書に記載の1種以上のsPLA2インヒビター、1種以上のスタチンまたは複合sPLA2インヒビター/スタチン組成物は、たとえば、固体、溶液、懸濁液、乳液、分散液、ミセルまたはリポソームなどのいずれの医薬的に許容しうる形態で投与されてもよい。注入用製剤として、注射用滅菌溶液、皮下注射用錠剤(hypodermic tablets)を含む、使用直前に溶媒と合わせることができる凍結乾燥粉末、注射用滅菌懸濁液、使用直前にビヒクルと合わせることができる滅菌乾燥不溶性製品および滅菌乳液などの滅菌乾燥可溶性製品が挙げられる。溶液は、水性または非水性であってよい。特定の実施態様において、組成物は、1種以上の医薬的に許容しうる担体を含んでもよく、あるいは1種以上の医薬的に許容しうる担体とともに投与されてもよい。
【0087】
特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターまたは1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンを含む医薬組成物は、たとえば、錠剤、丸剤またはカプセル剤などの経口投与単位に成形されてもよい。このような経口投与単位は、有効成分(たとえば、A-002およびアトロバスタチン)および1種以上の医薬的に許容しうる担体を含んでもよい。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のスタチンを含む医薬組成物は、たとえば、持続放出経口投与単位などの持続放出デリバリービヒクルを介して投与されてもよい。本明細書で用いる「持続放出」ビヒクルは、投与直後よりはむしろ、投与後のある時点で、あるいは投与後の期間にわたって、有効成分(たとえば、A-002およびアトロバスタチン)を放出するデリバリービヒクルのいずれをも意味する。持続放出は、投与後の規定の時間枠にわたって溶解するビヒクル上のコーティングによって得られてもよい。特定の実施態様において、持続放出ビヒクルは、各層のコーティングが、溶解するにつれて一定の量の有効成分を放出するように、多層の有効成分と交互に存在する多層のコーティングを含んでもよい。他の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のスタチンは、速放性デリバリービヒクルを介して投与されてもよい。
【0088】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび/または1種以上のスタチンは、化合物毎に独立して決定されてもよい。たとえば、スタチンは、コレステロールレベルを減少させることが当業界で公知の用量で、投与されるかまたは医薬組成物に含まれてもよい。これらの実施態様において、スタチンは、特定のスタチンのための使用説明書にしたがって投与されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、特定のスタチンは、約5 mg〜約80 mgの範囲の用量で投与されてもよい。たとえば、スタチンがアトロバスタチン、シンバスタチンまたはロスバスタチンである実施態様において、スタチンは、約5、10、20、40、60または80 mgの用量で投与されてもよい。当業者であれば、1種以上のスタチンを1種以上のsPLA2インヒビターと単一の組成物中で合わせる実施態様において、治療有効量を構成するスタチンの量が、たとえば、スタチンとsPLA2インヒビターとの間の相互作用などにより、スタチン単独で投与される場合の治療有効量を構成するスタチンの量とは異なることを理解するであろう。たとえば、併用療法での使用のためのスタチンの有効用量は、単独で投与される場合の有効用量よりも低い。同様に、治療有効量のsPLA2インヒビターは、sPLA2インヒビター単独で投与される場合よりもスタチンと併用で投与される場合の方が低い。これらの状況において、当業者は、当業界で公知の方法を用いて、併用物の治療有効量を容易に決定することができる。特定の実施態様において、単独または1種以上のスタチンとの併用で用いるための治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターは、約25〜約5,000 mg/投与であり、これらの実施態様のいくつかにおいて、治療有効量は、約50 to 約1,000 mg/投与である。治療有効量のsPLA2インヒビターまたはスタチンは、投与の過程にわたって変化してもよい。たとえば、用量は、治療応答、副作用および/または他の因子に基づいて、ACSイベントに続く数週間において必要に応じて増加または減少してもよい。
【0089】
特定の実施態様において、炎症および/または炎症マーカーレベルを低下させるため、脂質異常症を治療する(たとえば、総コレステロールまたはLDL-Cを低下させる)ため、および/またはMACEまたはACSを治療するための、1種以上のsPLA2インヒビターを含むキットが提供される。特定の実施態様において、これらのキットはさらに、1種以上のスタチンを含む。特定の実施態様において、1種以上のsPLA2インヒビターとして、A-001またはその塩、溶媒和物またはプロドラッグが挙げられ、これらの実施態様のいくつかにおいて、そのプロドラッグは、A-002である。特定の実施態様において、本明細書において提供されるキットはさらに、用量または投薬指示といったような使用のための説明書を含む。
【0090】
本発明をより詳しく説明するために以下の実施例を提供するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。特定の材料が言及される範囲において、それは単に説明を目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。当業者であれば、発明的限界を行使することなく、そして、本発明の範囲から逸脱することなく、等価の手段または反応物を開発することができる。当然のことながら、本明細書に記載する手順において、本発明の範囲内にありながら、多くの変化を作成することができる。このような変化が本発明の範囲内に包含されることが、本発明者らの意図である。
(実施例)
【実施例1】
【0091】
ヒトACS 患者の主要心臓有害イベントおよび血清脂質レベルにおけるA-002+スタチンの効果:
最近、指標ACSイベント(UA、NSTEMIまたはSTEMI)を経験したことがある625人の成人(18歳以上)の不安定なヒト患者に、二重盲検様式で、経口投与で1日1回、500 mgのプラセボまたはA-002を無作為に投与した。A-002は、2つの250 mg錠の形態でデリバリーされた。さらに、すべての患者は、1日1回、単一の錠剤の経口投与で80 mgのアトロバスタチンを投与された。指標ACSイベントのサブタイプは、A-002/アトロバスタチングループとアトロバスタチンのみグループとの間では同様の分布であった。
【0092】
指標ACSイベントのための入院から96時間以内、あるいはすでに入院しているならば指標ACSイベント診断の96時間以内に、患者を無作為化した。無作為化の前に、関連する病歴について患者をスクリーニングし、LDLおよびhs-CRPのベースラインレベルを測定した。ベースラインsPLA2レベルもまた、患者の無作為サブセットにおいて測定した。無作為化の前に、特定の患者に対して必要であるか、または予定されているならば、経皮的血行再建術を行った。
【0093】
指標ACSイベントに加えて、すべての患者は、1種以上の以下の症状を示した:糖尿病;25 kg/m2以上のBMI;もしNSTEMIまたはSTEMIであると診断されているならば2 mg/L以上の血清hs-CRPレベル、あるいはもしUAであると診断されているならば3 mg/L以上の血清hs-CRPレベル;または少なくとも3つのメタボリックシンドロームの特徴(102 cm(弾性)または88 cm(女性)以上の胴囲、、150 mg/dL(1.7 mmol/L)以上の血清TGレベル、40 mg/dL(1.0 mmol/L)(男性)または50 mg/dL(1.3 mmol/L)(女性)以下のHDLレベル、130/85 mm Hg以上の血圧または110 mg/dL(6.1 mmol/L)以上の血漿グルコース)。指標ACSイベントの時点で、最大推奨または最大耐性投与量(すなわち、アトロバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチンもしくはシンバスタチンについては40-80 mg QD、またはロスバスタチンについては20-40 mg QD)でスタチン療法を受けている患者は除外された。試験中、患者は、80 mgのアトロバスタチンおよび/またはA-002以外のいずれの脂質低下療法も禁じられた。
【0094】
本研究のために、患者は、もし、以下の状態を示しているならばUAを有すると定義された:1)安静時または極めて軽度の労作で起こり、10分間以上持続し、入院前の24時間以内の心筋虚血と一致する胸痛または狭心症;2)1 mm以上の新規または動的STまたはT波変化、少なくとも2つの隣接する誘導において以前は存在しなかった水平または下行傾斜型ST下降、または新規壁運動または可逆的灌流障害によるECG読み取り;および3)0.1 ng/ml以上であるが正常の上限(ULN)以下の心臓トロポニンIレベルまたは0.2 ng/ml以上の心臓トロポニンTレベル。
【0095】
患者は、もし、以下の状態を示しているならばNSTEMIを有すると定義された:1)ECG変化、ST下降またはT波変化なし(すなわち、連続心電図における新規なQ波なし);および2)MIの定義のための局所限界より大きい心臓トロポニンの増加またはULNより大きいCK-MBアイソザイムの増加。
【0096】
患者は、もし、以下の状態を示しているならばNSTEMIを有すると定義された:1)持続性のSTまたはT波変化、または2つの隣接する誘導における、15分間以上持続する少なくとも2 mmのST上昇;および2)MIの定義のための局所限界以上の心臓トロポニンの増加またはULNより大きいCK-MBの増加。
【0097】
個々の患者は、すべての患者が最低24週間処置されるまで、またはMACEが発生するまで処置を受けた。本研究のために、MACEには、全死因死亡率、非致死性MI、緊急入院を必要とする確認されたUA、最初の指標ACSイベントから60日間以上後に起こる血行再建および非致死性脳卒中を含めた。無作為化から2、4、8、12、16、20および24週間後およびその後は月1回研究が完了するまで患者を評価した。各評価には、血清LDLレベルの測定および先の評価後に起こるいずれかのMACEまたはより重篤度の低い有害事象の記録を含めた。さらに、特定の評価期間には、1種以上のhs-CRP、sPLA2、IL-6および/または他のバイオマーカーレベル、バイタルサイン、体重および/または胴囲の測定を含めた。すべての元気な患者(すなわち、MACEを経験しなかったかまたは早期に処置を止めた患者)は、処置が終了した時点で最終評価を受けた。この最終評価には、すなわち、少なくとも完全な身体検査、12-誘導ECG読み取り、 LDL、hs-CRP、sPLA2およびIL-6レベルの測定、ならびに研究期間中のいずれかのMACEの記録を含めた。
【0098】
無作為化後のITT集団は、A-002+アトロバスタチンを受けている313人の患者およびアトロバスタチンのみを受けている311人の患者を含んだ。これらの各グループにおける糖尿病患者の数は、それぞれ84人(26.8%)および87人(28.0%)であった。結果を以下の表に示す。
【0099】
第1表:ITT集団の血清LDLレベルにおけるA-002投与の効果
【表1】

【0100】
患者のすべてのグループは、測定したすべての時点において平均血清LDLレベルの減少を示し、ACSイベントの直後に通常見られるLDLレベルの低下に一致する。A-002+アトロバスタチンを投与されている患者は、アトロバスタチンのみを投与されている患者と比べて、測定した最初の時点(2週間後)において平均LDLレベルのより大きい減少パーセントを示し、該併用患者は、その後のすべての時点においてLDLレベルのより大きい減少を継続して示した。図1にさらに要約されるこれらの結果から、スタチンと併用でのA-002は、不安定なACSイベント後集団において、スタチンのみと比べて、より迅速に、より大きくLDLレベルを低下させることが明らかである。
【0101】
第2表:ITT集団の標的LDLレベル達成におけるA-002投与の効果
【表2】

【表3】

標的LDL-Cレベルである100 mg/dlあるいはそれ以下、70 mg/dlあるいはそれ以下または50 mg/dlあるいはそれ以下を達成している患者のパーセンテージは、すべての時点において、アトロバスタチンのみのグループよりもA-002/アトロバスタチングループの方が大きかった。アトロバスタチンのみは、LDLレベルを100 mg/dl以下にするのに極めて有効であったので、この標的レベルでは2つのグループの間の差異は、相対的に小さかった。しかし、A-002+アトロバスタチンは、アトロバスタチンのみよりも、LDLレベルを70 mg/dlあるいはそれ以下または50 mg/dlあるいはそれ以下の標的レベルまで低下させるのに有意により有効であった。標的LDL-Cレベルが低いほど、A-002/アトロバスタチングループとプラセボグループの間の有効性の差異は大きい。図2にさらに要約されるこれらの結果から、A-002とアトロバスタチンの併用が、アトロバスタチンのみよりも、患者が特定のLDL-Cのゴールを達成するのを補佐することにおいてより有効であることが明らかである。A-002/アトロバスタチン併用療法を受けている患者は、標的LDL-Cレベルを、従来のアトロバスタチン療法を受けている患者と比べて、より迅速に達成し、このような減少したLDLレベルをより長く維持する。最終的な研究の行く先において、A-002/アトロバスタチングループにおける70 mg/dlあるいはそれ以下という標的LDLレベルを達成している患者のパーセンテージは、アトロバスタチンのみグループが42.8%であるのに対し、54.9%であった。同様に、アトロバスタチンのみグループが16.0%であるのに対し、A-002/アトロバスタチングループにおける患者の24.8%が、50 mg/dlあるいはそれ以下という標的LDLレベルを達成した。
【0102】
第3表:ITT集団の血清hs-CRPレベルにおけるA-002投与の効果
【表4】

すべてのグループにおいて、測定したすべての時点で、中央値hs-CRPレベルがベースラインから減少した。A-002+アトロバスタチンを投与されているITT集団の患者は、すべての時点において、アトロバスタチンのみを投与されている患者と比べて、中央値hs-CRPレベルがより大きい減少パーセントを示し、このことは、A-002+スタチンが、スタチンのみよりも大きい程度で、ACSイベント後の炎症反応を低下させることを示している。この差異は、第2週に特に大きく、このことは、A-002+スタチンが、ACSイベントの直後の危険な期間に、迅速に炎症を低下させるように作用することを示している。図3にさらに要約されるこれらの結果は、A-002+スタチンが、非常に高レベルの炎症を有する集団においてACSイベント直後に迅速に炎症を低下させる能力があることを示す。
【0103】
第4表:糖尿病亜集団の血清hs-CRPレベルにおけるA-002投与の効果
【表5】

糖尿病亜集団のすべてのグループにおいて、測定したすべての時点で、中央値hs-CRPレベルがベースラインから減少した。A-002+アトロバスタチンを投与されている患者は、すべての時点において、アトロバスタチンのみを投与されている患者と比べて、中央値hs-CRPレベルがより大きい減少パーセントを示した。図4にさらに要約されるこれらの結果は、A-002+スタチンが、糖尿病またはメタボリックシンドロームを有する集団などの非常に高レベルの炎症を有する集団においてACSイベント直後に迅速に炎症を低下させる能力があることを示す。
【0104】
第5表:ITT集団の血清sPLA2レベルにおけるA-002投与の効果
【表6】

アトロバスタチンのみを投与されている患者は、第2週において中央値sPLA2レベルの増加を示し、他のすべての時点において減少を示したが、A-002+アトロバスタチンを投与されている患者は、すべての時点において中央値sPLA2レベルの減少を示した。中央値sPLA2レベルの減少パーセントは、すべての時点において、アトロバスタチンのみを投与されている患者と比べて、A-002+アトロバスタチンを投与されている患者の方が有意に大きかった。A-002/アトロバスタチングループとアトロバスタチングループとの間の最大の差異は、第2週に起こった。図5にさらに要約されるこれらの結果は、A-002+スタチンが、スタチンのみよりも、より迅速かつ効果的にACSイベント後の炎症を低下させるというさらなる確認を提供する。
【0105】
第6表:ITT集団の血清IL-6レベルにおけるA-002投与の効果
【表7】

すべてのグループは、測定したすべての時点において、中央値IL-6レベルがベースラインから減少した。A-002+アトロバスタチンを投与されているITT集団の患者は、すべての時点において、アトロバスタチンのみを投与されている患者と比べて、中央値IL-6レベルにおいて、より大きい減少パーセントを示した。この差異は、第2週において特に大きかった。図5にさらに要約されるこれらの結果は、A-002+スタチンが、特にリスクが最も高いACSイベント後の最初の4週間の間に、スタチンのみよりも大きい程度で、ACSイベント後の炎症反応を低下させることをさらに確認する。
【0106】
第7表:糖尿病亜集団の血清IL-6レベルにおけるA-002投与の効果
【表8】

アトロバスタチンのみを投与されている糖尿病患者は、第2週において中央値IL-6レベルの増加を示し、第4〜8週において減少を示した。A-002+アトロバスタチンを投与されている患者は、すべての時点において中央値IL-6レベルのベースラインからの減少を示した。A-002+アトロバスタチンを投与されている患者とアトロバスタチンのみを投与されている患者との間の最大の差異は、第2〜4週において見られた。図7にさらに要約されるこれらの結果は、A-002+スタチンが、糖尿病またはメタボリックシンドロームを有する集団などの非常に高レベルの炎症を有する集団においてACSイベント直後に迅速に炎症を低下させる能力があることを確認する。
【0107】
第8表:ITT集団の標的LDLおよびCRPレベル達成におけるA-002投与の効果
【表9】

【表10】

複合標的レベルである70 mg/dl以下のLDLおよび3 mg/L以下のhs-CRP、または70 mg/dl以下のLDLおよび1 mg/L以下のhs-CRPを達成している患者のパーセンテージは、すべての時点において、アトロバスタチンのみのグループよりもA-002/アトロバスタチングループの方が大きかった。図8にさらに要約されるこれらの結果は、ACSイベント直後の期間に、LDLレベルおよび炎症を低下させることにおいて、A-002+アトロバスタチンが、スタチンのみよりも有効であることをさらに確認する。
【0108】
ACSイベント後の期間に、アトロバスタチンのみよりも大きい程度まで、LDLレベルおよび炎症を減少させるA-002+アトロバスタチンの能力を考えると、A-002 とアトロバスタチンの共投与が、1種以上のMACEの出現を減少させるであろうことが予期された。A-002とアトロバスタチンの投与の効果を以下の表に要約する。
【0109】
第9表:様々な時間間隔での特定のMACEサブタイプにおけるA-002投与の効果
【表11】

【0110】
第10表:様々な時間間隔での特定のMACEサブタイプにおけるA-002投与の累積効果
【表12】

第11表:16週間でのMACEにおけるA-002投与の累積効果
【表13】

A-002+アトロバスタチンを投与されている患者は、0〜30日、30〜60日、60〜90日および90〜112日の間の各期間において、アトロバスタチンを投与されている患者と比べて、より少ないMACEを経験した。第16週において、アトロバスタチンのみの集団において311人の患者のうち19人(6.1%)がMACEを経験したのに対して、A-002+アトロバスタチンを投与されている313人の患者のうち13人(4.2%)が、MACEを経験した。これらの結果は、A-002+アトロバスタチンの投与が、指標ACSイベント後の112日間(16週間)中に、MACEを経験する可能性を低下させることを明らかにする。
【0111】
プラセボグループと比べてのA-002/アトロバスタチングループにおけるMACE発生の減少は、16週間中、UAおよびMIの両方において減少が観察されたので、1つのMACEのタイプに限定されない。死亡の減少もまた、ACSイベント後の最初の60日間中に観察された。いずれかのグループから1人の患者のみが、試験期間中に脳卒中を経験したが、意味のある統計分析にとって不十分なデータしか得られなかった。最近ACSイベントを経験したことがある安定な集団に予想されるように、試験期間中、大部分のMACEは、初期の時点で起こった。A-002+アトロバスタチンは、アトロバスタチンのみと比べてより大きい程度まで、この危険な期間中のMACEを減少させた。0〜30日において、アトロバスタチンのみのグループの311人の患者のうち12人(3.9%)がMACEを経験したのに対し、A-002/アトロバスタチングループの313人の患者では10人(3.2%)が、MACEを経験した。0〜60日において、アトロバスタチンのみのグループの311人の患者のうち14人(4.5%)がMACEを経験したのに対し、A-002/アトロバスタチングループの313人の患者では11人(3.5%)が、MACEを経験した。0〜90日において、アトロバスタチンのみのグループの311人の患者のうち17人(5.5%)がMACEを経験したのに対し、A-002/アトロバスタチングループの313人の患者では13人(4.2%)が、MACEを経験した。指標ACSイベント後の最初の16週間において効果は特に大きかったが、A-002+アトロバスタチンを投与されている患者では、アトロバスタチンのみを投与されている患者よりも、試験の終了時まで継続して(150日間)、MACEの発生が減少した(図9)。
【0112】
上記で述べたように、上述したものは、本発明の様々な実施態様をせつめいすることを意図するにすぎない。上記で議論した特定の変更は、本発明の範囲を制限するものであるとみなすべきではない。当業者には当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な等価物、変更および修正が可能であり、そのような等価の実施態様が、本発明に包含されることが理解されよう。
【0113】
参考文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者に、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することを含む、該患者における主要心臓有害イベント(MACE)の可能性を減少させる方法。
【請求項2】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与が、ACSイベントの発生または診断から96時間以内に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1種以上のsPLA2インヒビターの投与を最大16週間にわたって1日1回以上行う、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1種以上のスタチンが、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチンおよびピタバスタチンならびにスタチン複合薬から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
MACEが、心血管系死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中または緊急入院を必要とする不安定狭心症の1種以上から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者に、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することを含む、該患者における炎症を阻害する方法。
【請求項10】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与が、ACSイベントの発生または診断から96時間以内に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1種以上のsPLA2インヒビターの投与を最大16週間にわたって1日1回以上行う、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1種以上のスタチンが、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチンおよびピタバスタチンならびにスタチン複合薬から選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与が、sPLA2、hs-CRPおよびIL-6から選ばれる1種以上の炎症マーカーの減少をもたらす、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者に、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することを含む、該患者における非HDLコレステロールレベルを低下させる方法。
【請求項18】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1種以上のsPLA2インヒビターの最初の投与が、ACSイベントの発生または診断から96時間以内に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
1種以上のsPLA2インヒビターの投与を最大16週間にわたって1日1回以上行う、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1種以上のスタチンが、アトロバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、メバスタチンおよびピタバスタチンならびにスタチン複合薬から選ばれる、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
1種以上のsPLA2インヒビターおよび1種以上のスタチンの投与が、LDLレベルの減少をもたらす、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
LDLレベルが、100 mg/dlあるいはそれ以下、70 mg/dlあるいはそれ以下および50 mg/dlあるいはそれ以下から選ばれる標的レベルまで減少する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することを含む、以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者における主要心臓有害イベント(MACE)の治療方法。
【請求項27】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することを含む、それを必要とする患者における急性冠症候群(ACS)の治療方法。
【請求項31】
患者が、以前にACSイベントを経験したことがある、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することを含む、以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者における主要心臓有害イベント(MACE)の治療方法。
【請求項36】
MACEの治療が、MACE発生の可能性の減少をもたらす、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することを含む、それを必要とする患者における急性冠症候群(ACS)の治療方法。
【請求項41】
患者が、以前にACSイベントを経験したことがある、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者に、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することを含む、該患者における炎症を阻害する方法。
【請求項46】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
以前に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したことがある患者に、治療有効量の1種以上のsPLA2インヒビターを投与することを含む、該患者における非HDLコレステロールレベルを低下させる方法。
【請求項50】
1種以上のsPLA2インヒビターが、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
プロドラッグが、C1-C6アルキルエステルプロドラッグ、アシルオキシアルキルエステルプロドラッグおよびアルキルオキシカルボニルオキシアルキルエステルプロドラッグから選ばれる、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
C1-C6アルキルエステルが、[[3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル]オキシ]酢酸メチルエステルである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
治療有効量の 3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグおよび治療有効量の1種以上のスタチンを投与することを含む、過去96時間以内に急性冠症候群(ACS)イベントを経験したか、または急性冠症候群(ACS)イベントであると診断された患者における死亡、心筋梗塞、脳卒中および緊急入院を必要とする不安定狭心症から選ばれる主要心臓有害イベント(MACE)のリスクを低下させる方法であって、3-(2-アミノ-1,2-ジオキソエチル)-2-エチル-1-(フェニルメチル)-1H-インドール-4-イル)オキシ)酢酸またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが、最大16週間にわたって、1日1回または2回投与される方法。。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−512908(P2012−512908A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542516(P2011−542516)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068869
【国際公開番号】WO2010/071854
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(509305136)アンセラ・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ANTHERA PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】