分配器の周縁開口部に導かれた四塩化ケイ素を用いてリアクター壁上のケイ素付着物を低減する方法
トリクロロシラン等の熱分解性を有したケイ素化合物から多結晶シリコンを生成する流動床リアクター・システムおよび分配器並びに方法が開示されている。この方法は、概して四ハロゲン化ケイ素を使用することによって、多結晶シリコンの生成の間リアクター壁上のケイ素付着物の低減を含んで成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動床リアクター・システムに関する。又、本発明は、例えばトリクロロシラン等の熱分解性を有した(又は熱的に分解可能な;thermally decomposable)ケイ素化合物からの多結晶シリコンの生成に関する。具体的には、本発明は、多結晶シリコンの生成の間にリアクター壁へのケイ素の付着物を低減することを含んで成る方法に関する。
【0002】
流動床リアクターは、多相反応させるために使用される。典型的な流動床リアクター・システムでは、流体が触媒又は成長生成粒子等の粒状原料を通過する。流体流れにより、粒状原料床がリアクター中で流動化される。
【0003】
多結晶シリコンは、集積回路や光電池(すなわち、太陽電池)等の多くの商業的製品を製造するために使用される必須の原料である。多結晶シリコンは、ケイ素化合物から熱分解させて得られるケイ素を流動床リアクター中のケイ素粒子にさせる化学蒸着機構によりしばしば生成される。種粒子が多結晶シリコン生成物(すなわち、「粒状」の多結晶シリコン)としてリアクターを出て行くまで種粒子が連続的に成長して大きくなる。適当な分解可能なケイ素化合物として、シランやトリクロロシラン等のハロシランが挙げられる。
【0004】
多くの流動床リアクター・システムでは、特に、多結晶シリコン生成システム等の流体相から原料を化学的に分解して固体原料を形成するシステムでは、固体はリアクター壁に付着(又は堆積又は蒸着;deposit)する。リアクター壁の付着物は、リアクター性能を低減する反応ジオメトリーを変える。更に、リアクター壁の付着物の一部は、リアクター壁から取れてリアクターの底部に落ちる。リアクター・システムはしばしば閉じられて、リアクター壁から取れた付着物が除去される。リアクターを素早く閉じて、リアクターの生産性が低減しないように、付着物を定期的にリアクター壁からエッチングして、リアクターを清掃する必要がある。エッチング操作により、ユニットの改修を要するリアクター壁の亀裂で生じるかもしれない熱膨張又は熱収縮での熱衝撃又は熱変異によりリアクター・システムにストレスを与える。これらの問題は、多結晶シリコンの生成で使用される流動床システムで特に深刻である。
【0005】
それ故、リアクター壁上の付着物の量を制限し、又は低減する多結晶シリコンを生成するリアクター・システムと方法が継続的に求められている。
【発明の概要】
【0006】
本発明のある態様では、反応チャンバーを含むリアクターで多結晶シリコン生成物を生成するための方法(又はプロセス;process)が導かれる。反応チャンバーは、少なくとも1つの反応チャンバー壁を有している。四塩化ケイ素は、反応チャンバー壁に導かれ、熱分解性を有したケイ素化合物は四塩化ケイ素の内側に導かれる。熱分解性を有した化合物はケイ素粒子と接触して、ケイ素はケイ素粒子に付着し、粒子径が大きくなる。
【0007】
別の態様では、多結晶シリコンを生成する方法は、ケイ素粒子を含む反応チャンバーにトリハロシランを導くことを含んで成る。トリハロシランは反応チャンバーで熱的に分解して、ケイ素粒子にケイ素が付着する。トリハロシランは四塩化ケイ素に置換される。四塩化ケイ素は反応チャンバーから排出される。排出された四塩化ケイ素の一部は、反応チャンバーに導かれる。
【0008】
本発明の更なる態様では、少なくとも1つの反応チャンバー壁を有する反応チャンバーに第1ガス、第2ガスおよび第3ガスを分配する分配器が導かれる。分配器は、少なくとも1つの周縁(又は末端;peripheral)口、少なくとも1つの内部口および少なくとも1つの中央口を含む複数の分配口を含んで成る。周縁口は、第2ガス源又は第3ガス源ではなく、第1ガス源と通ずる流体を供するために構成される。
【0009】
しかし、本発明の別の態様では、反応チャンバーと反応チャンバーにガスを分配するための分配器を含む流動床リアクター・システムが導かれる。反応チャンバーは、少なくとも1つの反応チャンバー壁を有する。分配器は、反応チャンバーと第1ガス源、第2ガス源および第3ガス源との間を通ずる流体を供する複数の分配口を有する。複数の分配口は、少なくとも1つの周縁口、少なくとも1つの内部口および少なくとも1つの中央口を含んで成る。周縁口は、第2ガス源又は第3ガス源ではなく、第1ガス源と通ずる流体を供するために構成される。
【0010】
本発明の上記態様に関して留意すべき特徴に様々な改良が行われる。又、更なる特徴が本発明の上記態様に取り入れられてもよい。これら改良点と追加の特徴は、各々又は組み合わされてもよい。例えば、本発明の例示態様に関する下記の様々な特徴が、各々又は組み合わせた本発明の上記態様に組み入れられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、流体が入出する流動床リアクター・システムの第1態様の概略図である。
【図2】図2は、ガス分配ユニットの第1態様の縦断面図である。
【図3】図3は、ガス分配ユニットの第2態様の縦断面図である。
【図4】図4は、ガス分配ユニットの分配器の底面図である。
【図5】図5は、ガス分配ユニットの分配器の上面図である。
【図6】図6は、ガス分配ユニットの縦断面斜視図である。
【図7】図7は、流体が入出する流動床リアクター・システムの第2態様の概略図である。
【図8】図8は、ガス分配ユニットの第2態様の縦断面図である。
【図9】図9は、ガス分配ユニットの第2縦断面図である。
【図10】図10は、ガス分配ユニットの分配器の底面図である。
【図11】図11は、ガス分配ユニットの分配器の上面図である。
【図12】図12は、ガス分配ユニットの縦断面斜視図である。
【図13】図13は、粒状多結晶シリコンのリアクター・システムで生じる反応メカニズムの概略図である。
【図14】図14は、ケイ素、塩素および水素ガスシステムの3軸モル平衡のグラフである。
【図15】図15は、多結晶シリコンを生成するシステムでのフロー概略図である。 対応する引用符号は、図面の対応する部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で説明する流動床リアクター・システムおよびガス分配ユニットは、第1ガス、第2ガスおよび、ある態様では、第3ガスを流動床リアクターに分配し、これらガスの1つからの化合物が流動粒子の表面に付着するのに適当である。リアクター・システムおよび分配ユニットは、特にリアクター壁上の熱分解性を有した化合物の付着率(例えば、トリクロロシランからのシランの付着率)を低減するために特に適当である。リアクター・システムの分配器は、リアクター壁に原料(例えば、ケイ素)が付着しないように、熱分解性を有した化合物をリアクターの内部部分に、リアクター壁から離して導くように構成されている。ある態様では、分配器は、分配器から離れ、リアクターの底部にある熱分解性を有した化合物に熱を伝えることができるように、リアクター中の異なるポイントでの熱分解性を有した化合物に対して温度を上昇させてもよい第3ガス(水素)を導くように構成されている。このシステムを使用して、「多結晶シリコンを生成するための方法」のタイトル以下で説明するように、熱分解性を有したケイ素化合物から多結晶シリコンを生成してもよい。
【0013】
<流動床システム>
図1のとおり、本発明の実施態様に従い構成されている流動床リアクターは概して符号1で示される。リアクター・システム1は反応チャンバー10とガス分配ユニット2とを含んで成る。第1ガス源5と第2ガス源7とをガス分配ユニット2に導いて、反応チャンバー10の入口ブロックに各ガスを均一に分配する。分配ユニット2は、反応チャンバー10中の至るところに反応ガスを均一に分配し易くして、反応チャンバー10中で流体と流動化する粒子との間の接触を最大限にする。
【0014】
本明細書で使用する「第1ガス」とは、「第2ガス」と組成が異なるガスである。その逆も同じである。第1ガス中の少なくとも1つの化合物の質量組成又はモル組成が第2ガス中の少なくとも1つの化合物の組成と異なる場合、第1ガスと第2ガスとは、複数のガス状の化合物から成る。
【0015】
生成物抜き出し管12は、ガス分配ユニット2を通じて延在している。生成粒子は管12から引き抜かれ、生成物ストレージ15に移送される。使用済みガス16は、反応チャンバー10から出て行き、処理ユニット18に更に導かれ得る。
【0016】
ガス分配ユニット2は、図2により詳細に示されている。ガス分配ユニット2は、第1ガスと第2ガスとを流動床リアクターに分配するために適当であり、特に、キャリアガスと熱分解性を有したガスとを流動床リアクターに分配するために適当である。
【0017】
ガス分配ユニット2は、入口ブロック21、分配器25およびテーパーライナー28を含んで成る。外側リング37と同心内側リング39とは、入口ブロック21と分配器25との間に設けられる。第1ガスのプレナム32は、外側リング37と内側リング39との間に規定される。生成物回収管12は外側リング37と内側リング39の同心円状にある。管12は、入口ブロック21の下方まで延在する。第2ガスのプレナム34は、内側リング39と管12との間に規定される。
【0018】
テーパーライナー28はライナーチャンバー45を規定する。ライナーチャンバー45は反応チャンバーの円筒断面部が開口しており(図示せず)、分配器25から反応チャンバーの円筒断面部まで径で外側に向かって細くなっている。粒子と流入ガスとは、ライナーチャンバー45で接触し、又システム反応の多くはライナーチャンバー45で生じるので、ライナーチャンバー45は反応チャンバーの一部であると考えられる。このため、本明細書で使用される「反応チャンバー」はライナーチャンバー45を含んで成る。
【0019】
一連の周縁の分配開口部42と内側の分配開口部44とは分配器25内に設けられている。本明細書で使用する際、「周縁分配開口部」又は「周縁開口部」とは、概して内側の開口部に対して反応チャンバーの外壁近くにある分配器の開口部を指す。「内側分配開口部」又は「内側開口部」とは、概して周縁開口部の内側にある分配器の開口部を指す。周縁開口部42は、第1ガスのプレナム32と反応チャンバー10とを流体連通(又は流体接続)している。内側開口部44は、第2ガスのプレナム34と反応チャンバー10とを流体連通している。一般的に、周縁開口部は第2ガスと流体連通されておらず、内側開口部は第1ガスと流体連通されていない。
【0020】
原料が粒子上に付着することに第1ガスが寄与していない(又は第2ガスよりも寄与していない)際(例えば、第1ガスが水素又は希ガス等の不活性ガスである際)、第1ガスと流体連通する周縁開口部を構成することで、内部空間と比べて反応チャンバー壁にある第1ガスの濃度が高くなる。これにより、第1ガスと第2ガスとが分配器25を介して均一に分配される構造と比べて、反応壁に第2ガスからの原料が付着しにくくなる。ある態様では、(多結晶シリコンの生成等で、四塩化ケイ素が下記で説明するようにエッチングガスとして使用される際、)第1ガスはリアクター壁上にある付着物をエッチング処理する原料を含んでもよい。
【0021】
ある態様では、周縁開口部の一部は第2ガスと流体連通し、内側開口部の一部は第1ガスと流体連通する。これらの態様では、第1ガスと流体連通する周縁開口部の割合は、第1ガスと流体連通する内側開口部の割合よりも多い。又、この構造により、反応チャンバーの内部空間と比べて、反応チャンバー壁にある第1ガス(例えば、水素等のキャリアガス、不活性ガス又は四塩化ケイ素等のエッチングガス)の濃度が高くなる。内側開口部44と周縁開口部42とは、チャネル部60、スロットル部62およびフレア・アウト部64を含んで成る。フレア・アウト部64はコーン66に開口している。スロットル部62は流れ抵抗を供し、各開口部42、44を通じて反応チャンバー10の注入口に均一にガスを分分配することができる。コーン66により、開口部42、44からガスが反応チャンバー10に分配される。コーン66は(図5に示すように)概して六角形状である。
【0022】
ガス分配ユニット2の別の縦断面図は、ユニットの他のいくつかの特徴と共に図3に示される。第1ガス入口管50は、入口ブロック21を通じて延在し、第1ガスのプレナム32と第1ガス源(図示せず)と流体連通されている。第2ガス入口管52は、入口ブロック21を通じて延在し、第2ガスのプレナム34と第2ガス源(図示せず)と流体連通されている。
【0023】
冷却チャネル55は分配器25中に設けられている。流体(エアー又は冷却液体)が冷却チャネル55を通じて循環して、原料が第1ガス又は第2ガスから熱的に分解する温度下まで分配器が冷却される。冷却チャネル55は原料を内側分配開口部44に付着しにくくする。任意には、分配器25は(図2の)周縁分配開口部42付近に冷却チャネル(図示せず)を含んでいてもよい。これに関して、図示するように又本明細書にて説明する他の冷却チャネルの配置は、制限されることなく使用されてもよく、ある態様では、冷却チャネルは分配器25に形成されない。
【0024】
分配器25の底面図25は図4に示され、分配器25の上面図は図5に示される。図4に示すように、周縁開口部42は分配器25の底部において内側開口部44から隔てられている。周縁開口部42は分配器25の底部から頂部まで内側開口部44に対して曲がっている。図5に示すように、周縁開口部42は、分配器25の頂部で内側開口部44に近接している。
【0025】
流動床リアクターと分配器との第2態様は図7〜12に示される。図7〜12に示されるリアクターの分配ユニット102では、処理と流動床操作とをよりし易くする第3ガスを反応チャンバーに導くことができる。これに関して、図1〜6に示されるリアクター・システム1および分配ユニット2の部品又は特徴と類似する図7〜12に示されるリアクターおよび分配ユニットの部品又は特徴は、(例えば、部品2が部品102になるように)図1〜6の対応する引用符号に100を加えた引用符号で示される。全ての関連目的および一致目的のため、図7〜12中の対応する部分が独立して下記に説明されない際、引用符号は上記図1〜6に示されるリアクター・システム1および分配ユニット2の説明に用いたものである。更に、図1〜6の反応システムが「2つのガス」システムとして本明細書に記載され、図7〜12の反応システムが「3つのガス」システムとして本明細書に記載されてもよい場合、用語「2つのガス」と「3つのガス」とは、化合物を区別するよりはむしろガス混合物を区別するために示される(例えば、2つのガスシステムは2つの明らかに異なるガスの使用を含み、2つ以上のガス混合物が使用されてもよい)。
【0026】
図7では、第3ガス源109は、第1ガス源105と第2ガス源107と共に分配ユニット102に導かれる。第1ガスの少なくとも1つの化合物の質量組成又はモル組成が第2ガスおよび第3ガス中の少なくとも1つの化合物の組成と異なる場合、および第2ガスの少なくとも1つの化合物の質量組成又はモル組成が第1ガスおよび第3ガスの少なくとも1つの化合物の組成と異なる場合、一般的に、「第3ガス」とは「第1ガス」および「第2ガス」とは異なる組成を有するガスであり、その逆もある。
【0027】
図8では、外側リング137、同心内側リング139および同心中央リング127は、入口ブロック121と分配器125との間に位置する。第1ガスのプレナム132は、外側リング137と内側リング139との間に規定され、第2ガスのプレナム134は、内側リング139と中央リング127との間に規定される。第3ガスのプレナム122は、中央リング127と入口ブロック121下方にまで延在する同心状生成物回収管112との間に規定される。
【0028】
一連の周縁分配開口部142、内側分配開口部144および中央分配開口部146は分配器125内に設けられている。本明細書で使用する際、「中央分配開口部」又は「中央開口部」とは、概して内側開口部に対して内側にある分配器の開口部を指す。周縁開口部142は、第1ガスのプレナム132と反応チャンバー110とに流体連通している。内側開口部144は、第2ガスのプレナム134と反応チャンバー110とに流体連通している。中央開口部146は、第3ガスのプレナム122と反応チャンバー110とに流体連通している。一般的に、周縁開口部142は第2ガス又は第3ガスに流体連通されておらず、内側開口部144は第1ガス又は第3ガスに流体連通されておらず、中央開口部は第1ガス又は第2ガスに流体連通されていない。
【0029】
第1ガス又は第2ガスが第3ガスと反応する態様では、第3ガスと流体連通する中央開口部を構成することで、典型的に分配器125とライナーチャンバー145の下流にある第1ガス又は第2ガスと第3ガスがよく混合されるまで反応を遅らすことができる。これにより、分配器125又はテーパーライナー128に原料(例えば、ケイ素)が付着することを効果的に制限してもよい。又、この構造により、第1ガス、第2ガス又は第3ガスの少なくとも1つを他のガスとは異なる温度で反応チャンバー110に導いて、更に処理し易くすることができる。例えば、下記に説明する多結晶シリコン処理では、第2ガス(例えば、トリクロロシラン)は第1ガス(例えば、四塩化ケイ素)と第3ガス(例えば、水素)よりも低い温度で導かれてもよい。この構造により、第2ガスが分配器125およびライナーチャンバー145から反応チャンバー110まで下流に流れるまで、第2ガスが付着する温度まで到達することを遅らせる。他の反応ガスよりも高い温度まで1つ又はそれよりも多いガスを加熱することで、反応チャンバー壁に用いられる外部熱の適用を最小限にし、又は取り除くことができる。
【0030】
ある態様では、周縁開口部の一部は第2ガスおよび/又は第3ガスと流体連通されており、内側開口部の一部は第1ガスおよび/又は第3ガスと流体連通されており、および/又は中央開口部の一部は第1ガスおよび/又は第2ガスと流体連通されている。上記に説明する2つのガスシステムと同様に、これらの態様では、第1ガスと流体連通する周縁開口部の割合は、概して第1ガスと流体連通する内側開口部の割合および第1ガスと流体連通する中央開口部の割合よりも多い。同様に、第2ガスと流体連通する内側開口部の割合は、第2ガスと流体連通する周縁開口部および中央開口部の割合よりも多い。又、第3ガスと流体連通する中央開口部の割合は、第3ガスと流体連通する周縁開口部および内側開口部の割合よりも多い。
【0031】
図9では、第1ガス入口管150は入口ブロック121を通じて延在し、第1ガスのプレナム132と第1ガス源(図示せず)とを流体連通する。第2ガス入口管152は入口ブロック121を通じて延在し、第2ガスのプレナム134と第2ガス源(図示せず)とを流体連通する。第3ガス入口管157は入口ブロック121を通じて延在し、第3ガスのプレナム122と流体連通する。分配器125に冷却チャネル155、156を設けて、1つ又はそれよりも多い第1ガス、第2ガスおよび第3ガスが冷却されてもよい。第3ガスが中央分配開口部146を通過する際、中央冷却チャネル155を使用して、第3ガスのプレナム122に供給される第3ガスを冷却してもよい。又、第2ガスが内側分配開口部144を通過する際、内側冷却チャネル156を使用して、第2ガスのプレナム134に供給される第2ガスを冷却してもよい。1つ又はそれよりも多い態様では、反応チャンバーで生じる特定の反応に依存するチャネルを通じてホットガス又は液体を循環させることにより、中央冷却チャネル155および/又は内側冷却チャネル156は1つ又はそれよりも多い第2ガス又は第3ガスの加熱チャネルとして作用する。任意には、分配器125は、第1ガスが周縁分配開口部142を通過する際第1ガスを冷却するための冷却チャネル(図示せず)を更に含んでもよい(図8)。
【0032】
これに関して、図7〜12に示されるリアクターの分配ユニット102は、リアクターに3つのガスを分配する構造を採っている。分配ユニット102を改良して、追加のガスプレナムと分配開口部との使用によりリアクターへ3つ以上の異なるガスが供給されてもよい。そのような改良した分配ユニットは本発明の範囲内であると考える。
【0033】
<多結晶シリコンの生成方法>
本発明の態様に従い、多結晶シリコンが、流動床で1つ又はそれよりも多いケイ素含有化合物(同義的には「熱分解性を有したケイ素化合物」)の熱分解により生成されてもよい。本発明の方法は、リアクターに熱分解性を有したガス状のケイ素化合物を含む供給ガスを導くことを含んで成る。ケイ素化合物中の少なくともケイ素の一部が反応チャンバー中のケイ素粒子に化学蒸着により付着(又は蒸着;deposit)し、それによって、ケイ素粒子が粒状ポリシリコンと典型的に呼ばれる大きな粒子に成長するように、供給ガスが反応チャンバー中で加熱される。様々な反応が反応チャンバーで生じてもよい。トリクロロシラン流動床リアクター・システムで生じるとされている反応メカニズムは、概して図13に示される。これに関して、これらのメカニズムは、リアクター・システムで生じる全反応を構成しないので、本発明の態様を少しも制限しないことに留意する必要がある。
【0034】
図13に関して、トリハロシランシステムでは、特にトリクロロシランシステムでは、ケイ素は成長ケイ素粒子(1)に不均一に付着する。又、トリクロロシランは分解して、望ましくないケイ素ダスト(同義的には、ケイ素「微粉」又は「パウダー」という。)を形成する均一な核となり、成長ケイ素粒子(6)に付着することが可能なケイ素蒸気(3)が生成されてもよい。トリクロロシラン(2)又はケイ素蒸気(5)からのケイ素の付着によって、ケイ素微粉の大きさを成長させることができる。ケイ素微粉は結合して、大きな粒子(7)を形成することができる。ケイ素微粉は、成長ケイ素粒子と共に凝集させることができる。凝集は微粉と粒子との衝突により生じる。特定の学説に縛られることなく、一旦微粉が粒子と接触すると、適切な分子間力により微粉と粒子とが凝集すると考えられる。
【0035】
ハロシラン(例えば、トリクロロシラン)からのケイ素付着は、下記に示す1つ又はそれよりも多い反応(i)又は反応(ii)により生じると考えられる。
SiHX3 + H2 → Si + 3HX (i)
4SiHX3 → Si + 3SiX4 + 2H2 (ii)
Xは塩素等のハロゲンである。反応(ii)は熱分解性を有した反応であり、反応(i)は水素還元反応として特徴付けられてもよい。反応(i)および(ii)は概して本明細書でトリハロシランの「熱分解」と言及されてもよい。
【0036】
多結晶シリコンの粒状生成物を生成する流動床リアクター操作に従い、多結晶シリコン種粒子を反応チャンバーに加えて、ケイ素付着が開始されてよい。種粒子の粒径は約50μm〜約800μmであってよく、より典型的には約250μm〜約600μmである。2種類のケイ素種粒子を共通に使用して、ケイ素付着が開始される。リアクターから回収される生成粒子を粉砕又は破壊することで約250μm〜約350μmの典型的な粒径で供されるケイ素種粒子が使用されてもよい。又、又は更に、約500μm〜約600μmの粒径を有する粒状多結晶生成物で集められ、分離された小さな多結晶粒子が種粒子として使用されてもよい。
【0037】
<1つ又はそれよりも多い熱分解性を有したケイ素化合物を含む供給ガス>
多結晶シリコンを生成する方法を図1に示す流動床リアクター・システム1を参照に説明する。1つ又はそれよりも多い熱分解性を有した化合物7(例えば、トリハロシラン)を含むガスと四塩化ケイ素5を含むガスとは、リアクター・システム1に各々の源から供給される。熱分解性を有したケイ素化合物は、一般的にケイ素を生成するために熱分解性を有した化合物を含んで成る。熱分解性を有した化合物がポリシリコン粒状物を形成するポリシリコン粒子を成長させるためのケイ素源を供する場合、追加の生成物は本発明の範囲から逸脱することなく熱分解工程から生成されてもよい。熱分解性を有したケイ素化合物ガスは、(シランと一般的に呼ばれる)四水素化ケイ素、トリハロシランおよびジハロシラン等のケイ素を含む全ガスを含んで成る。ハロゲン化ケイ素等で使用されてもよい適当なハロゲンは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を含んで成る。ある態様では、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシランおよびトリヨードシランから選択される1つ又はそれよりも多いトリハロシランは、熱分解性を有したケイ素化合物として使用される。
【0038】
これに関して、本明細書で使用する際、四ハロゲン化ケイ素はリアクター壁上にあるケイ素付着物をエッチングするために反応チャンバーに導かれるので、「熱分解性を有したケイ素化合物」は四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素)を含んでいない。従って、四ハロゲン化ケイ素以外の熱分解性を有したケイ素化合物が、四ハロゲン化ケイ素の量に従いリアクターに供給される。ある態様では、トリハロシラン(例えば、トリクロロシラン)が熱分解性を有したケイ素化合物としてリアクターに導かれる。
【0039】
熱分解性を有した化合物は希釈されることなくリアクターに導かれてもよく、又はガスは水素、アルゴン、ヘリウム又はこれらの組み合わせ等のキャリアガスで希釈されてもよい。トリハロシラン化合物が熱分解性を有した化合物として使用される際、上記反応(i)で示されるように、水素ガスが熱分解反応でトリハロシランと反応するので、水素はキャリアガスとして使用されてもよい。本発明の様々な態様では、(例えば、分配器の内側開口部を通じて)リアクターに供給されるガス中の熱分解性を有した化合物の体積濃度(例えば、熱分解性を有した化合物としてトリハロシランが使用される際、トリハロシランの体積濃度)は、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約55%、少なくとも約70%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、又は約40%〜約100%、約55%〜約95%若しくは約70%〜約85%である。キャリアガス(例えば、水素)と熱分解性を有した化合物(例えば、熱分解性を有した化合物として使用されるトリハロシラン)とのモル比は、約1:1〜約7:1、約2:1〜約4:1又は約2:1〜約3:1であってよい。
【0040】
分配器又は分配開口部にケイ素が付着しないように熱分解性を有したケイ素化合物が分解する温度よりも低い温度で、熱分解性を有したケイ素化合物がリアクターに加えられてもよい。熱分解性を有したケイ素の温度は、リアクターに導かれる他のガスから利用可能な熱およびリアクター壁を通じて適用される外部熱量により変えてもよく、依存してもよい。一般的に、約1100℃以下、約1000℃以下、約900℃以下、約800℃以下、約600℃以下、約400℃以下、約200℃以下又はおおよそ室温(例えば20℃)〜約1100℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約800℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約600℃、おおよそ室温(例えば約20℃)〜約400℃若しくはおおよそ室温(例えば約20℃)〜約200℃の温度で、熱分解性を有した化合物(例えば、トリクロロシラン)がリアクターに加えられてもよい。トリクロロシランの場合、トリクロロシランは、おおよそ室温(例えば約20℃)〜約400℃又はおおよそ室温(例えば約20℃)〜約300℃の温度で加えられてよい。下記に説明するように、熱分解性を有した化合物は、反応チャンバーに加えられる際加熱されてよい。
【0041】
<反応チャンバーと反応状態>
本発明の方法は、単一層の流動床リアクターで反応させて行われてもよく、又は直列に又は並列に配置された1つ又はそれよりも多い流動床リアクターを合わせて行われてもよい。流動床リアクターは、本発明の範囲から逸脱することなく、原料と生成物とが連続的に導かれリアクターから引き出される連続操作又は回分操作されてもよい。
【0042】
反応チャンバーは、典型的にはケイ素粒子をリアクター中の流動ガスの上昇流により浮遊させる流動床である。流動床リアクターは、成長ケイ素粒子と成長ケイ素粒子へのケイ素の付着速度を高めるガス相との間のはやい物質移動速度と熱移動速度とを供する。流動床リアクターは概して垂直円筒容器である。しかしながら、流動床操作をし易い構造が採られてよいことは理解されよう。リアクターの特定の大きさは、本発明の範囲から逸脱することなく、所望のシステム生産物、熱移送効率、システム流体力学等のシステムにより異なるシステム設計のファクターに主として依存するであろう。
【0043】
外部熱源を反応チャンバーの壁に用いて、熱分解性を有したガスの温度をガス分解するポイントまで増やしてよい。加熱手段は、例えば、容量加熱、誘導コイルおよび電気抵抗エレメントを含んで成る。ある態様では、1つ又はそれよりも多い供給ガスを反応チャンバーに加える前に加熱する際、反応チャンバーに熱は用いられない。
【0044】
図3に関して、四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素)は、第1ガス入口管50を通じて供給され第1ガスのプレナム32に進む。第1ガスのプレナム32から、四ハロゲン化ケイ素が一続きの周縁分配開口部42を通り(図2)ライナーチャンバー45に移り、そして反応チャンバー10に入る(図1)。適当な四ハロゲン化ケイ素は、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素および四ヨウ化ケイ素を含んで成る。他のガスは、本発明の範囲から逸脱することなく、第1ガスプレナム32に四ハロゲン化ケイ素と共に供給されてよい。
【0045】
熱分解性を有した化合物(例えば、トリクロロシラン等のトリハロシラン)は第2ガス入口管52を通じて供給され、第2ガスのプレナム34に進む。熱分解性を有した化合物以外のガス(例えば、水素等のキャリアガス)は、本発明の範囲から逸脱することなく第2ガス入口管52を通じて熱分解性を有した化合物と共に供給されてよい。第2ガスのプレナム34から、熱分解性を有した化合物が一続きの内側分配開口部44を通り、ライナーチャンバー45に移り、反応チャンバー10に入る(図1)。四ハロゲン化ケイ素は反応チャンバー壁近くの反応チャンバー10に入るので、(そして、テーパーライナー28近くのライナーチャンバー45に入るので、)相対的に少量の熱分解性を有した化合物が反応チャンバー壁と接する。この構造はリアクター壁上の望ましくないケイ素の蓄積を防ぐ。
【0046】
更に、四塩化ケイ素等の四ハロゲン化ケイ素により、リアクター壁に既に形成されているケイ素付着物がエッチングされてよいことは理解できよう。四塩化ケイ素の場合、約1000℃よりも高い温度で、下記の反応(iii)に従い、四塩化ケイ素が主としてケイ素(例えば、リアクタ壁上のケイ素付着物)と反応することが考えられる。
6SiCl4+2Si → 4Si2Cl6 (iii)
【0047】
図14はケイ素、塩素および水素ガスの平衡3軸チャートである。四塩化ケイ素はリアクター壁に沿ってリアクターに加えられるので、四塩化ケイ素(および四塩化ケイ素のためのキャリアガス)はリアクター壁と接する主としてたった一つのガスであり、トリクロロシランと共に加える際でさえ水素はリアクター壁に存在しないと一般的に考えられている。これに関して、図14では、水素含有化合物は存在しないと考えてよい。図14から分かるように、リアクター温度が増えるにつれて、ケイ素付着物をエッチングすることができるようにケイ素と塩素の気相モル比を小さくすることが好ましい(すなわち、気相のケイ素量を高くすることが好ましい)。このように、四塩化ケイ素は、相対的に高い温度では付着ガスよりむしろエッチングガスとして作用してよい。
【0048】
これに関して、反応(iii)では他の反応が生じてもよく、反応(iii)が上記に示す以外の温度で生じてもよい。一般的に、水素が存在しない場合、約1000℃以上の温度でリアクター壁上のケイ素付着物をエッチングするために、四塩化ケイ素はエッチャントとして作用すると理解できよう。四塩化ケイ素が使用のため選択される1つ又はそれよりも多い態様では、少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃又は少なくとも約1400℃の温度で、四塩化ケイ素が反応チャンバーに入ってよい。一般的に、リアクター壁が過熱されない温度又は流動するケイ素を1414℃の溶融温度まで若しくは1414℃の溶融温度以上で加熱する温度で、四塩化ケイ素は導かれる。1つ又はそれよりも多い態様では、四塩化ケイ素が反応チャンバーに加えられる温度は、約1000℃〜約1600℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1400℃である。これに関して、上記に記載する温度範囲は、四塩化ケイ素以外の四ハロゲン化ケイ素に使用されてよい。
【0049】
周縁開口部を通じて反応チャンバーに導かれるガスは、四ハロゲン化ケイ素化合物以外のガス状の化合物を含んでよい。しかしながら、一般的に、水素はリアクター壁へのケイ素の付着を促進するので、四ハロゲン化ケイ素は、ほとんど水素を含んでいない又は水素を含んでいない。四ハロゲン化ケイ素と共に導かれる他の化合物は、熱分解性を有したケイ素化合物(例えば、トリクロロシラン)又は熱分解性を有したケイ素化合物および四ハロゲン化ケイ素に対して不活性であるアルゴンや窒素等の化合物を含んで成る。これらの1つ又はそれよりも多い態様では、周縁開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の体積濃度は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約1%〜約100%、約20%〜約100%若しくは約40%〜約100%である。周縁開口部を通じて供給されるガス中の(水素と接するケイ素に付着する四ハロゲン化ケイ素以外の)熱分解性を有したケイ素化合物の体積濃度は、約50%以下、約30%以下、約5%以下又は約1%〜約50%若しくは約5%〜約30%であってよい。ある態様では、分配器の周縁開口部を通じて供給されるガスは、四ハロゲン化ケイ素以外のガスを含んでおらず、又は(例えば、約1体積%以下又は約0.1体積%以下の)他のガスを少し含んで成る。
【0050】
これに関して、中央分配開口部を通じて分配される熱分解性を有した化合物のキャリアガスとして水素を加えることが望ましいことは理解されよう。四ハロゲン化ケイ素が非常に高い温度でリアクターに導かれるならば、又リアクター壁にケイ素付着物がないならば、特にリアクターのライニングがケイ素(例えば、CVDケイ素)から成るならば、四ハロゲン化ケイ素はリアクターのライニングをエッチングしてもよい。水素の量が増えることで、四ハロゲン化ケイ素が付着ガスとしてより作用し、エッチングガスとして作用せず、それによって、リアクターのライナーが保護される。上記で述べたように、中央分配開口部を通じて供給されるガス中の水素量は、少なくとも約1体積%、少なくとも約5体積%、少なくとも約20体積%、少なくとも約40体積%、少なくとも約60体積%、少なくとも約80体積%又は約1体積%〜約90体積%、約20体積%〜約90体積%若しくは約40体積%〜約90体積%であってよい。
【0051】
本発明の様々な態様では、(分配器の内側開口部を通じて)リアクターに供給されるガス中の熱分解性を有した化合物(例えば、トリハロシランが熱分解性を有した化合物として使用される際のトリハロシラン)の体積濃度は、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約55%、少なくとも約70%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約40%〜約100%、約55%〜約95%若しくは約70%〜約85%である。更に、このガス(例えば、分配器の内側開口部を通じて供給されるガス)中のキャリアガス(例えば、水素)の体積濃度は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%又は約1%〜約90%、約20%〜約90%若しくは約40%〜約90%であってよい。キャリアガス(例えば、水素)と熱分解性を有した化合物(例えば、トリハロシランが熱分解性を有した化合物として使用される際のトリハロシラン)とのモル比は、約1:1〜約5:1又は約2:1〜約3:1であってよい。
【0052】
本発明の別の態様によれば、周縁分配開口部42を通じて供給される四ハロゲン化ケイ素5は熱分解性を有した化合物を含んでいてよく、および/又は内側分配開口部44を通じて供給される熱分解性を有したガスは四ハロゲン化ケイ素を含んでいてよい。これらの態様では、リアクター壁に付着しているケイ素量を低減するために、周縁開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の濃度は、内側開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の濃度よりも高い。
【0053】
図7〜12を見ると、様々な態様では、3つの異なるガス流れを反応チャンバーに導くことが可能な流動床リアクター・システムは、多結晶シリコンを生成するために使用されてよい。このデザインにより、熱分解性を有したケイ素化合物の内側の反応チャンバーに水素を導くことができる。図1〜6のリアクター・システムと同様に、1つ又はそれよりも多い四ハロゲン化ケイ素を含む第1ガスは、第1ガス入口管150を通じて供給され、第1ガスのプレナム132に進み、一連の周縁分配開口部142を通って、ライナーチャンバー145と反応チャンバー110に入る。熱分解性を有した化合物(例えば、トリクロロシラン等のトリハロシラン)を含む第2ガスは、第2ガス入口管152を通じて供給され、第2ガスのプレナム134に進み、一連の内側分配開口部144を通って、ライナーチャンバー145と反応チャンバー110に入る。水素を含む第3ガスは、第3ガス入口管157を通じて供給され、第3ガスのプレナム122に進み、一連の中央分配開口部146を通じて、ライナーチャンバー145と反応チャンバー110に入る。一般的に、中央開口部146は内側開口部144と周縁開口部142より分配器125の中心に近く、内側開口部144は一般的に周縁開口部142より分配器125の中心に近い。中央開口部146を通じて供給されるガス中の水素濃度は、一般的に内側開口部144を通じて供給されるガス中の水素濃度と周縁開口部142を通じて供給されるガス中の水素濃度よりも高い。
【0054】
中央分配開口部146を通じて導かれる水素ガスは、内側開口部144を通じて導かれる熱分解性を有したケイ素化合物よりも高い温度であってよい。これに関して、水素ガスが混合され反応チャンバーを垂直に通過する際、水素ガスを使用して熱分解性を有したケイ素化合物が加熱されてよく、又、反応チャンバーの壁を通じて用いられる外部熱源の量は、低減されてよく又は取り除かれてよい。
【0055】
1つ又はそれよりも多い態様では、少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1500℃の温度で、水素ガスが反応チャンバーに導かれてよい。更に又は又、四ハロゲン化ケイ素は、熱分解性を有したケイ素化合物よりも高い温度で加えられてよい。例えば、四ハロゲン化ケイ素は、上記に示す2つのガスシステムの温度範囲内で加えられてよい。熱分解性を有したガスを水素ガスおよび/又は四ハロゲン化ケイ素ガスよりも低い温度で導くことで、熱分解性を有したガスが分配器125とテーパーライナー128を通過する際、熱分解性を有した化合物は、化合物が分解する温度よりも低い温度で維持されてよい。例えば、約1100℃以下、約1000℃以下、約900℃以下、約800℃以下、約600℃以下、約400℃以下、約200℃以下又はおおよそ室温(例えば20℃)〜約1100℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約800℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約600℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約400℃若しくはおおよそ室温(20℃)〜約300℃の温度で、熱分解性を有した化合物を反応チャンバーに加えてよい。トリクロロシランの場合、トリクロロシランはおおよそ室温(例えば20℃)〜約400℃又はおおよそ室温(例えば20℃)〜約300℃で加えられてよい。
【0056】
分解の間、更にトリハロシラン供給ガスを発生させるために使用されてよい副産物であるハロゲン化水素酸(例えばHCl)が生成される。シランが熱分解性を有した化合物として使用される態様では、リアクター・システムの操作で熱分解性を有した供給ガスの量を追加するためのキャリアガスとして再使用されてよい水素が生成される。
【0057】
リアクター・システム(上記に示す2つのガスシステム又は3つのガスシステム)の操作の間、反応域を通るガス速度はケイ素粒子の最小流動速度よりも速く維持される。リアクターを通るガス速度は、一般的に流動床内の粒子を流動させるために必要な最小流動速度の約1倍から約8倍の速度に維持される。ある態様では、ガス速度は流動床内の粒子を流動させるために必要な最小流動速度の約2倍〜約5倍であり、又、少なくとも1つの態様では約4倍である。最小流動速度は、ガスと含有される粒子の特性に応じて異なる。最小流動速度は標準的な手段により決定されてよい(目的が全て関連しており又一致しているため、参考により本明細書に組み入れられているペリーの化学技術者のハンドブック(第7版)のP17−4を参照のこと)。
【0058】
最小流動状態はケイ素粒子が分配器ユニットの近くにあるという条件下で計算されてよい。リアクターの残りの部分より低い温度に設定することを含むこれら条件を用いると、全流動床での最小流動化を保つことができる。本発明は特定の最小流動速度に限定されないが、本発明に有益な最小流動速度は約0.7cm/sec〜約350cm/sec又は約6cm/sec〜約150cm/secの範囲であってよい。
【0059】
最小流動速度よりもガス速度を速くすることは、生産性を高めるためにしばしば望まれる。ガス速度が最小流動速度よりも増えると、過剰なガスが気泡を形成し流動床の空隙率が増える。流動床は、気泡とケイ素粒子と接するガスを含む「エマルジョン」から構成されると考え得る。エマルジョンの質は、最小流動化状態での流動床の質にかなり似ている。エマルジョンの局所的な空隙率は最小流動床の空隙率に近似している。それ故、気泡は最小流動化状態を得るために必要とされる以上に導かれるガスにより生じる。実際のガス速度を最小速度で除した際の割合が増えると、気泡形成が増す。この割合が非常に高い場合、流動床に大きなガススラグが形成される。流動床の空隙率が全ガス速度と共に増えると、固−気間の接触が有効ではなくなる。所定の体積を有した流動床の下では、反応ガスと接触する固体の表面積は、流動床の空隙率が増えると共に低減する。すなわち、所定の流動床の長さの下では、熱分解性を有したガス転化が低減する。又、反応チャンバーを通るガスの滞留時間が減ると、ガス転化が低減する。更に、微粉を生成する速度が速くなると、異なる望ましくない反応が生じる。
【0060】
ある態様では、外部熱源を反応チャンバーに加えて、リアクター中の温度が熱分解性を有した化合物の分解可能な温度範囲内およびケイ素の溶融ポイント温度内に維持される。リアクターの温度は、約200℃以上、約700℃以上、約900℃以上又は約1100℃以上(例えば、約200℃〜約1400℃、約900℃〜約1100℃又は約1000℃〜約1100℃)に維持される。これに関して、上記温度範囲はリアクターで使用するために選択されるハロゲンにとって適当であると理解できよう。しかしながら、臭素が使用される場合、リアクターの温度は低温(例えば約900℃以下の温度)であってもよく、ヨウ素が使用される場合、リアクターの温度は更に低温であってもよい。これらの温度で反応域を維持するために使用される熱は、リアクター容器壁の外部に配置される電気抵抗ヒーター等の標準的な加熱システムにより供される。ある態様では、リアクター中の圧力は、流動床の頂部で測定した際、約1.25atm〜約2.25atmである。
【0061】
<多結晶シリコン生成システム>
図1〜6の2つのガスの流動床リアクター・システム又は図7〜12の3つのガスシステムが、ケイ素源(例えば、冶金級ケイ素)から多結晶シリコンを生成するシステムに組み入れられてよい。典型的なシステムは図15に示される。このシステムが、標準的な方法で副産物である四ハロゲン化ケイ素をトリハロシランに転化することを必要としない場合、このシステムは四ハロゲン化ケイ素に対して実質的に閉鎖ループシステムであってよい。
【0062】
図15の処理図によれば、トリハロシラン(例えば、トリクロロシラン)が流動床リアクターの反応チャンバーに導かれて、成長ケイ素粒子にケイ素が付着する。四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素)が副産物として生成され、流動床リアクターから排出される。流動床リアクターから排出される四ハロゲン化ケイ素は反応チャンバー(例えば、上記に示すように分配器の周縁開口部に導くことにより反応チャンバー壁近く)に戻され、反応チャンバー中のケイ素付着物がエッチングされてよい。1つ又はそれよりも多い態様では、反応チャンバーから排出される四ハロゲン化ケイ素の全てが反応チャンバーに戻される。
【0063】
更に、又、又は図15に示すように、ケイ素源はハロゲン化水素(例えば、HCl)と反応して、トリハロシランが生成されてよく、副産物である四ハロゲン化ケイ素が生成される。又、この四ハロゲン化ケイ素(ある態様では、この四ハロゲン化ケイ素の全て)を流動床リアクターに加えて、反応チャンバー壁にあるケイ素付着物をエッチングしてもよい。これに関して、反応チャンバー中のトリハロシランから生成される四ハロゲン化ケイ素の量と、ケイ素とハロゲン化水素との反応の副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素の量とがケイ素との反応により反応チャンバーで消費されるトリハロシランケイ素の量と実質的に同じである場合、このシステムは四ハロゲン化ケイ素に対して実質的に閉鎖ループシステムであってよい。
【0064】
図15を見ると、ケイ素源209は酸蒸解装置220で酸211(例えば、典型的には無水塩酸等の塩酸)と反応させてよい。ケイ素源は、砂(すなわち、SiO2)、石英、フリント、珪藻岩、ケイ酸塩、冶金級ケイ素(すなわち、多結晶シリコン)、フューズド・シリカ、フルオロケイ酸塩およびこれらの混合物を含んで成る。他の原料(砂、石英、フリント、珪藻岩等)は炭素熱還元により冶金級ケイ素に転化され得る。反応生成物213はトリハロシランと四ハロゲン化ケイ素とを含んで成る。反応生成物213は典型的には室温で液体である。標準的な方法は、四ハロゲン化ケイ素からトリハロシランへの熱転換を含む(例えば、トリクロロシランの更なる生成で四ハロゲン化ケイ素からケイ素および水素への転化又は四ハロゲン化ケイ素および水素とケイ素源との反応によるトリハロシランの生成)。対して、本発明の態様では、トリハロシランと四ハロゲン化ケイ素とは、流動床リアクターに供給されてよい。任意的には、トリハロシランと四ハロゲン化ケイ素とは流動床リアクターに別々に供給されてよい。例えば、四ハロゲン化ケイ素は蒸留塔230でトリハロシランと分離されてよい。上記に示す周縁分配開口部を通じて四ハロゲン化ケイ素233を流動床リアクター240に供給することで、反応チャンバーの壁にあるケイ素付着物をエッチングしてもよい。トリハロシラン235は、上記で説明する2つのガスシステムで水素237と共に、又は上記で説明する3つのガスシステムでの中央開口部を通じて供給される水素と共に内側開口部を通じて供給されてよい。
【0065】
粒状多結晶シリコン249は流動床リアクター240から引き抜かれ、生成物ストレージ242に移されてよい。使用済みガス244はトリハロシランの分解工程での副産物として生成されるハロゲン化水素酸(例えば、HCl)、未反応の水素、未反応のトリハロシラン、四ハロゲン化ケイ素および少量の他の副産物のガスを含んでいてもよい。四ハロゲン化ケイ素は、エッチングガスとして流動床リアクターに導かれるがケイ素と反応しない四ハロゲン化ケイ素、および上記反応(ii)でのトリハロシランの熱分解での副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素を含んでよい。
【0066】
使用済みガス244は、リアクター外に運ばれるケイ素ダストの粒子を含んでいてよい。典型的には、ケイ素ダストの粒子径は約50μm以下であり、ある態様では約5μm以下である。対して、粒状多結晶生成物の粒径は、典型的には約600μm〜約2000μm、より典型的には約800μm〜約1200μm又は約900μm〜約1000μmである。ケイ素ダストは、バグフィルター、サイクロン分離装置又は液体スクラバー等の固−気分離装置250でリアクターから出ていく使用済みガス244から分離される。回収されたケイ素ダスト246は、(Cz方法により単結晶シリコンを引き抜くためのケイ素チャージなど)工業的に使用するために売られてもよく、又は流動床に戻されおよび/又はケイ素粒子により少なくとも部分的に除去される1つ又はそれよりも多い追加の流動床リアクターに供給されてもよい。
【0067】
ケイ素ダストのない使用済みガス245を冷却し、1つ又はそれよりも多いコンデンサー260で凝縮して、水素およびハロゲン化水素酸(まとめて符号「262」とする)を除去してよい。水素およびハロゲン化水素酸262は、湿式スクラバーに使用済みガスを導いてハロゲン化水素酸と水素ガスとに分離することを含んでよい処理285をしてよい。水素は流動床リアクターに戻されてよく、ハロゲン化水素酸は酸蒸解装置220でケイ素源と反応させてよい。
【0068】
残存する凝縮物265は、四ハロゲン化ケイ素273とトリハロシラン275とに分離する蒸留塔270に供給されてよく、四ハロゲン化ケイ素273とトリハロシラン275の両方が流動床リアクター240に戻されてよい。これは、四ハロゲン化ケイ素が熱的にトリハロシランに転化される標準的なシステムと異なる。
【0069】
すなわち、図15に示されるシステムは四ハロゲン化ケイ素に対して実質的には閉鎖ループシステムである。これに関して、トリハロシラン生成物の一部として生じる四ハロゲン化ケイ素と流動床リアクターでの副産物として生じる四ハロゲン化ケイ素とは共に流動床リアクターで消費されて、四ハロゲン化ケイ素をトリハロシランへ熱的に転化する必要がないようにしてよい。
【0070】
図15に示されるシステムは、本発明により考えられるシステムは、追加の流動床リアクター、蒸留塔およびコンデンサーを有するシステムを含むだけではなく、これらの装置を直列に又は並列に並べて使用するシステムも含むと理解されよう。追加の流動床リアクターは、本発明の範囲から逸脱することなく本発明に従い操作されてよく、又はより標準的な方法で操作されてよい。更に、当業者に容易に決定されてよい分離および/又は精製工程等の追加処理ステップが含まれていてよい。1つ又はそれよりも多い態様では、図15のシステムは、四ハロゲン化ケイ素とケイ素源および水素とを反応させることで四ハロゲン化ケイ素をトリハロシランに転化するための1つ又はそれよりも多いハロゲン化リアクターを含んでいてよく、構成ガス中の反応生成ガスを分離するための蒸留塔を更に含んでいてよい。
【0071】
更に、本発明の手法は粒状ポリシリコンを生成する流動床リアクターにおいて記載されているが、本発明の手法はシーメンス処理として当業者に既知の手法による化学蒸着によりポリシリコンのロッドが生成される処理システムでも適当であることは理解できよう。例えば、シーメンス手法の化学蒸着工程において、四ハロゲン化ケイ素が反応チャンバー壁に導かれてもよく、熱分解性を有したケイ素化合物は四ハロゲン化ケイ素の内側に導かれてよい。更に、本明細書に記載され、図1〜15の何れかに示されている分配器および/又はリアクター・システムの態様は、シーメンスプロセスで使用されてよく、特にシーメンス・リアクターの壁が絶縁されている態様で使用されてよい。
【0072】
本発明の要素又は態様を紹介する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は1つ又はそれよりも多い要素があることを意味している。用語「comprising」「including」および「having」は含んで成ることを指し、列挙した要素以外に追加要素があってよいことを意味している。
【0073】
以上の事から、本発明の様々な目的が達成され、他の利点が得られることが理解できよう。
【0074】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記手法に様々な変更をすることができるので、上記記載に含められ添付図面に示される全ての事項は、あくまでも例示であって限定的意味に解釈されるべきではないと理解できよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動床リアクター・システムに関する。又、本発明は、例えばトリクロロシラン等の熱分解性を有した(又は熱的に分解可能な;thermally decomposable)ケイ素化合物からの多結晶シリコンの生成に関する。具体的には、本発明は、多結晶シリコンの生成の間にリアクター壁へのケイ素の付着物を低減することを含んで成る方法に関する。
【0002】
流動床リアクターは、多相反応させるために使用される。典型的な流動床リアクター・システムでは、流体が触媒又は成長生成粒子等の粒状原料を通過する。流体流れにより、粒状原料床がリアクター中で流動化される。
【0003】
多結晶シリコンは、集積回路や光電池(すなわち、太陽電池)等の多くの商業的製品を製造するために使用される必須の原料である。多結晶シリコンは、ケイ素化合物から熱分解させて得られるケイ素を流動床リアクター中のケイ素粒子にさせる化学蒸着機構によりしばしば生成される。種粒子が多結晶シリコン生成物(すなわち、「粒状」の多結晶シリコン)としてリアクターを出て行くまで種粒子が連続的に成長して大きくなる。適当な分解可能なケイ素化合物として、シランやトリクロロシラン等のハロシランが挙げられる。
【0004】
多くの流動床リアクター・システムでは、特に、多結晶シリコン生成システム等の流体相から原料を化学的に分解して固体原料を形成するシステムでは、固体はリアクター壁に付着(又は堆積又は蒸着;deposit)する。リアクター壁の付着物は、リアクター性能を低減する反応ジオメトリーを変える。更に、リアクター壁の付着物の一部は、リアクター壁から取れてリアクターの底部に落ちる。リアクター・システムはしばしば閉じられて、リアクター壁から取れた付着物が除去される。リアクターを素早く閉じて、リアクターの生産性が低減しないように、付着物を定期的にリアクター壁からエッチングして、リアクターを清掃する必要がある。エッチング操作により、ユニットの改修を要するリアクター壁の亀裂で生じるかもしれない熱膨張又は熱収縮での熱衝撃又は熱変異によりリアクター・システムにストレスを与える。これらの問題は、多結晶シリコンの生成で使用される流動床システムで特に深刻である。
【0005】
それ故、リアクター壁上の付着物の量を制限し、又は低減する多結晶シリコンを生成するリアクター・システムと方法が継続的に求められている。
【発明の概要】
【0006】
本発明のある態様では、反応チャンバーを含むリアクターで多結晶シリコン生成物を生成するための方法(又はプロセス;process)が導かれる。反応チャンバーは、少なくとも1つの反応チャンバー壁を有している。四塩化ケイ素は、反応チャンバー壁に導かれ、熱分解性を有したケイ素化合物は四塩化ケイ素の内側に導かれる。熱分解性を有した化合物はケイ素粒子と接触して、ケイ素はケイ素粒子に付着し、粒子径が大きくなる。
【0007】
別の態様では、多結晶シリコンを生成する方法は、ケイ素粒子を含む反応チャンバーにトリハロシランを導くことを含んで成る。トリハロシランは反応チャンバーで熱的に分解して、ケイ素粒子にケイ素が付着する。トリハロシランは四塩化ケイ素に置換される。四塩化ケイ素は反応チャンバーから排出される。排出された四塩化ケイ素の一部は、反応チャンバーに導かれる。
【0008】
本発明の更なる態様では、少なくとも1つの反応チャンバー壁を有する反応チャンバーに第1ガス、第2ガスおよび第3ガスを分配する分配器が導かれる。分配器は、少なくとも1つの周縁(又は末端;peripheral)口、少なくとも1つの内部口および少なくとも1つの中央口を含む複数の分配口を含んで成る。周縁口は、第2ガス源又は第3ガス源ではなく、第1ガス源と通ずる流体を供するために構成される。
【0009】
しかし、本発明の別の態様では、反応チャンバーと反応チャンバーにガスを分配するための分配器を含む流動床リアクター・システムが導かれる。反応チャンバーは、少なくとも1つの反応チャンバー壁を有する。分配器は、反応チャンバーと第1ガス源、第2ガス源および第3ガス源との間を通ずる流体を供する複数の分配口を有する。複数の分配口は、少なくとも1つの周縁口、少なくとも1つの内部口および少なくとも1つの中央口を含んで成る。周縁口は、第2ガス源又は第3ガス源ではなく、第1ガス源と通ずる流体を供するために構成される。
【0010】
本発明の上記態様に関して留意すべき特徴に様々な改良が行われる。又、更なる特徴が本発明の上記態様に取り入れられてもよい。これら改良点と追加の特徴は、各々又は組み合わされてもよい。例えば、本発明の例示態様に関する下記の様々な特徴が、各々又は組み合わせた本発明の上記態様に組み入れられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、流体が入出する流動床リアクター・システムの第1態様の概略図である。
【図2】図2は、ガス分配ユニットの第1態様の縦断面図である。
【図3】図3は、ガス分配ユニットの第2態様の縦断面図である。
【図4】図4は、ガス分配ユニットの分配器の底面図である。
【図5】図5は、ガス分配ユニットの分配器の上面図である。
【図6】図6は、ガス分配ユニットの縦断面斜視図である。
【図7】図7は、流体が入出する流動床リアクター・システムの第2態様の概略図である。
【図8】図8は、ガス分配ユニットの第2態様の縦断面図である。
【図9】図9は、ガス分配ユニットの第2縦断面図である。
【図10】図10は、ガス分配ユニットの分配器の底面図である。
【図11】図11は、ガス分配ユニットの分配器の上面図である。
【図12】図12は、ガス分配ユニットの縦断面斜視図である。
【図13】図13は、粒状多結晶シリコンのリアクター・システムで生じる反応メカニズムの概略図である。
【図14】図14は、ケイ素、塩素および水素ガスシステムの3軸モル平衡のグラフである。
【図15】図15は、多結晶シリコンを生成するシステムでのフロー概略図である。 対応する引用符号は、図面の対応する部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で説明する流動床リアクター・システムおよびガス分配ユニットは、第1ガス、第2ガスおよび、ある態様では、第3ガスを流動床リアクターに分配し、これらガスの1つからの化合物が流動粒子の表面に付着するのに適当である。リアクター・システムおよび分配ユニットは、特にリアクター壁上の熱分解性を有した化合物の付着率(例えば、トリクロロシランからのシランの付着率)を低減するために特に適当である。リアクター・システムの分配器は、リアクター壁に原料(例えば、ケイ素)が付着しないように、熱分解性を有した化合物をリアクターの内部部分に、リアクター壁から離して導くように構成されている。ある態様では、分配器は、分配器から離れ、リアクターの底部にある熱分解性を有した化合物に熱を伝えることができるように、リアクター中の異なるポイントでの熱分解性を有した化合物に対して温度を上昇させてもよい第3ガス(水素)を導くように構成されている。このシステムを使用して、「多結晶シリコンを生成するための方法」のタイトル以下で説明するように、熱分解性を有したケイ素化合物から多結晶シリコンを生成してもよい。
【0013】
<流動床システム>
図1のとおり、本発明の実施態様に従い構成されている流動床リアクターは概して符号1で示される。リアクター・システム1は反応チャンバー10とガス分配ユニット2とを含んで成る。第1ガス源5と第2ガス源7とをガス分配ユニット2に導いて、反応チャンバー10の入口ブロックに各ガスを均一に分配する。分配ユニット2は、反応チャンバー10中の至るところに反応ガスを均一に分配し易くして、反応チャンバー10中で流体と流動化する粒子との間の接触を最大限にする。
【0014】
本明細書で使用する「第1ガス」とは、「第2ガス」と組成が異なるガスである。その逆も同じである。第1ガス中の少なくとも1つの化合物の質量組成又はモル組成が第2ガス中の少なくとも1つの化合物の組成と異なる場合、第1ガスと第2ガスとは、複数のガス状の化合物から成る。
【0015】
生成物抜き出し管12は、ガス分配ユニット2を通じて延在している。生成粒子は管12から引き抜かれ、生成物ストレージ15に移送される。使用済みガス16は、反応チャンバー10から出て行き、処理ユニット18に更に導かれ得る。
【0016】
ガス分配ユニット2は、図2により詳細に示されている。ガス分配ユニット2は、第1ガスと第2ガスとを流動床リアクターに分配するために適当であり、特に、キャリアガスと熱分解性を有したガスとを流動床リアクターに分配するために適当である。
【0017】
ガス分配ユニット2は、入口ブロック21、分配器25およびテーパーライナー28を含んで成る。外側リング37と同心内側リング39とは、入口ブロック21と分配器25との間に設けられる。第1ガスのプレナム32は、外側リング37と内側リング39との間に規定される。生成物回収管12は外側リング37と内側リング39の同心円状にある。管12は、入口ブロック21の下方まで延在する。第2ガスのプレナム34は、内側リング39と管12との間に規定される。
【0018】
テーパーライナー28はライナーチャンバー45を規定する。ライナーチャンバー45は反応チャンバーの円筒断面部が開口しており(図示せず)、分配器25から反応チャンバーの円筒断面部まで径で外側に向かって細くなっている。粒子と流入ガスとは、ライナーチャンバー45で接触し、又システム反応の多くはライナーチャンバー45で生じるので、ライナーチャンバー45は反応チャンバーの一部であると考えられる。このため、本明細書で使用される「反応チャンバー」はライナーチャンバー45を含んで成る。
【0019】
一連の周縁の分配開口部42と内側の分配開口部44とは分配器25内に設けられている。本明細書で使用する際、「周縁分配開口部」又は「周縁開口部」とは、概して内側の開口部に対して反応チャンバーの外壁近くにある分配器の開口部を指す。「内側分配開口部」又は「内側開口部」とは、概して周縁開口部の内側にある分配器の開口部を指す。周縁開口部42は、第1ガスのプレナム32と反応チャンバー10とを流体連通(又は流体接続)している。内側開口部44は、第2ガスのプレナム34と反応チャンバー10とを流体連通している。一般的に、周縁開口部は第2ガスと流体連通されておらず、内側開口部は第1ガスと流体連通されていない。
【0020】
原料が粒子上に付着することに第1ガスが寄与していない(又は第2ガスよりも寄与していない)際(例えば、第1ガスが水素又は希ガス等の不活性ガスである際)、第1ガスと流体連通する周縁開口部を構成することで、内部空間と比べて反応チャンバー壁にある第1ガスの濃度が高くなる。これにより、第1ガスと第2ガスとが分配器25を介して均一に分配される構造と比べて、反応壁に第2ガスからの原料が付着しにくくなる。ある態様では、(多結晶シリコンの生成等で、四塩化ケイ素が下記で説明するようにエッチングガスとして使用される際、)第1ガスはリアクター壁上にある付着物をエッチング処理する原料を含んでもよい。
【0021】
ある態様では、周縁開口部の一部は第2ガスと流体連通し、内側開口部の一部は第1ガスと流体連通する。これらの態様では、第1ガスと流体連通する周縁開口部の割合は、第1ガスと流体連通する内側開口部の割合よりも多い。又、この構造により、反応チャンバーの内部空間と比べて、反応チャンバー壁にある第1ガス(例えば、水素等のキャリアガス、不活性ガス又は四塩化ケイ素等のエッチングガス)の濃度が高くなる。内側開口部44と周縁開口部42とは、チャネル部60、スロットル部62およびフレア・アウト部64を含んで成る。フレア・アウト部64はコーン66に開口している。スロットル部62は流れ抵抗を供し、各開口部42、44を通じて反応チャンバー10の注入口に均一にガスを分分配することができる。コーン66により、開口部42、44からガスが反応チャンバー10に分配される。コーン66は(図5に示すように)概して六角形状である。
【0022】
ガス分配ユニット2の別の縦断面図は、ユニットの他のいくつかの特徴と共に図3に示される。第1ガス入口管50は、入口ブロック21を通じて延在し、第1ガスのプレナム32と第1ガス源(図示せず)と流体連通されている。第2ガス入口管52は、入口ブロック21を通じて延在し、第2ガスのプレナム34と第2ガス源(図示せず)と流体連通されている。
【0023】
冷却チャネル55は分配器25中に設けられている。流体(エアー又は冷却液体)が冷却チャネル55を通じて循環して、原料が第1ガス又は第2ガスから熱的に分解する温度下まで分配器が冷却される。冷却チャネル55は原料を内側分配開口部44に付着しにくくする。任意には、分配器25は(図2の)周縁分配開口部42付近に冷却チャネル(図示せず)を含んでいてもよい。これに関して、図示するように又本明細書にて説明する他の冷却チャネルの配置は、制限されることなく使用されてもよく、ある態様では、冷却チャネルは分配器25に形成されない。
【0024】
分配器25の底面図25は図4に示され、分配器25の上面図は図5に示される。図4に示すように、周縁開口部42は分配器25の底部において内側開口部44から隔てられている。周縁開口部42は分配器25の底部から頂部まで内側開口部44に対して曲がっている。図5に示すように、周縁開口部42は、分配器25の頂部で内側開口部44に近接している。
【0025】
流動床リアクターと分配器との第2態様は図7〜12に示される。図7〜12に示されるリアクターの分配ユニット102では、処理と流動床操作とをよりし易くする第3ガスを反応チャンバーに導くことができる。これに関して、図1〜6に示されるリアクター・システム1および分配ユニット2の部品又は特徴と類似する図7〜12に示されるリアクターおよび分配ユニットの部品又は特徴は、(例えば、部品2が部品102になるように)図1〜6の対応する引用符号に100を加えた引用符号で示される。全ての関連目的および一致目的のため、図7〜12中の対応する部分が独立して下記に説明されない際、引用符号は上記図1〜6に示されるリアクター・システム1および分配ユニット2の説明に用いたものである。更に、図1〜6の反応システムが「2つのガス」システムとして本明細書に記載され、図7〜12の反応システムが「3つのガス」システムとして本明細書に記載されてもよい場合、用語「2つのガス」と「3つのガス」とは、化合物を区別するよりはむしろガス混合物を区別するために示される(例えば、2つのガスシステムは2つの明らかに異なるガスの使用を含み、2つ以上のガス混合物が使用されてもよい)。
【0026】
図7では、第3ガス源109は、第1ガス源105と第2ガス源107と共に分配ユニット102に導かれる。第1ガスの少なくとも1つの化合物の質量組成又はモル組成が第2ガスおよび第3ガス中の少なくとも1つの化合物の組成と異なる場合、および第2ガスの少なくとも1つの化合物の質量組成又はモル組成が第1ガスおよび第3ガスの少なくとも1つの化合物の組成と異なる場合、一般的に、「第3ガス」とは「第1ガス」および「第2ガス」とは異なる組成を有するガスであり、その逆もある。
【0027】
図8では、外側リング137、同心内側リング139および同心中央リング127は、入口ブロック121と分配器125との間に位置する。第1ガスのプレナム132は、外側リング137と内側リング139との間に規定され、第2ガスのプレナム134は、内側リング139と中央リング127との間に規定される。第3ガスのプレナム122は、中央リング127と入口ブロック121下方にまで延在する同心状生成物回収管112との間に規定される。
【0028】
一連の周縁分配開口部142、内側分配開口部144および中央分配開口部146は分配器125内に設けられている。本明細書で使用する際、「中央分配開口部」又は「中央開口部」とは、概して内側開口部に対して内側にある分配器の開口部を指す。周縁開口部142は、第1ガスのプレナム132と反応チャンバー110とに流体連通している。内側開口部144は、第2ガスのプレナム134と反応チャンバー110とに流体連通している。中央開口部146は、第3ガスのプレナム122と反応チャンバー110とに流体連通している。一般的に、周縁開口部142は第2ガス又は第3ガスに流体連通されておらず、内側開口部144は第1ガス又は第3ガスに流体連通されておらず、中央開口部は第1ガス又は第2ガスに流体連通されていない。
【0029】
第1ガス又は第2ガスが第3ガスと反応する態様では、第3ガスと流体連通する中央開口部を構成することで、典型的に分配器125とライナーチャンバー145の下流にある第1ガス又は第2ガスと第3ガスがよく混合されるまで反応を遅らすことができる。これにより、分配器125又はテーパーライナー128に原料(例えば、ケイ素)が付着することを効果的に制限してもよい。又、この構造により、第1ガス、第2ガス又は第3ガスの少なくとも1つを他のガスとは異なる温度で反応チャンバー110に導いて、更に処理し易くすることができる。例えば、下記に説明する多結晶シリコン処理では、第2ガス(例えば、トリクロロシラン)は第1ガス(例えば、四塩化ケイ素)と第3ガス(例えば、水素)よりも低い温度で導かれてもよい。この構造により、第2ガスが分配器125およびライナーチャンバー145から反応チャンバー110まで下流に流れるまで、第2ガスが付着する温度まで到達することを遅らせる。他の反応ガスよりも高い温度まで1つ又はそれよりも多いガスを加熱することで、反応チャンバー壁に用いられる外部熱の適用を最小限にし、又は取り除くことができる。
【0030】
ある態様では、周縁開口部の一部は第2ガスおよび/又は第3ガスと流体連通されており、内側開口部の一部は第1ガスおよび/又は第3ガスと流体連通されており、および/又は中央開口部の一部は第1ガスおよび/又は第2ガスと流体連通されている。上記に説明する2つのガスシステムと同様に、これらの態様では、第1ガスと流体連通する周縁開口部の割合は、概して第1ガスと流体連通する内側開口部の割合および第1ガスと流体連通する中央開口部の割合よりも多い。同様に、第2ガスと流体連通する内側開口部の割合は、第2ガスと流体連通する周縁開口部および中央開口部の割合よりも多い。又、第3ガスと流体連通する中央開口部の割合は、第3ガスと流体連通する周縁開口部および内側開口部の割合よりも多い。
【0031】
図9では、第1ガス入口管150は入口ブロック121を通じて延在し、第1ガスのプレナム132と第1ガス源(図示せず)とを流体連通する。第2ガス入口管152は入口ブロック121を通じて延在し、第2ガスのプレナム134と第2ガス源(図示せず)とを流体連通する。第3ガス入口管157は入口ブロック121を通じて延在し、第3ガスのプレナム122と流体連通する。分配器125に冷却チャネル155、156を設けて、1つ又はそれよりも多い第1ガス、第2ガスおよび第3ガスが冷却されてもよい。第3ガスが中央分配開口部146を通過する際、中央冷却チャネル155を使用して、第3ガスのプレナム122に供給される第3ガスを冷却してもよい。又、第2ガスが内側分配開口部144を通過する際、内側冷却チャネル156を使用して、第2ガスのプレナム134に供給される第2ガスを冷却してもよい。1つ又はそれよりも多い態様では、反応チャンバーで生じる特定の反応に依存するチャネルを通じてホットガス又は液体を循環させることにより、中央冷却チャネル155および/又は内側冷却チャネル156は1つ又はそれよりも多い第2ガス又は第3ガスの加熱チャネルとして作用する。任意には、分配器125は、第1ガスが周縁分配開口部142を通過する際第1ガスを冷却するための冷却チャネル(図示せず)を更に含んでもよい(図8)。
【0032】
これに関して、図7〜12に示されるリアクターの分配ユニット102は、リアクターに3つのガスを分配する構造を採っている。分配ユニット102を改良して、追加のガスプレナムと分配開口部との使用によりリアクターへ3つ以上の異なるガスが供給されてもよい。そのような改良した分配ユニットは本発明の範囲内であると考える。
【0033】
<多結晶シリコンの生成方法>
本発明の態様に従い、多結晶シリコンが、流動床で1つ又はそれよりも多いケイ素含有化合物(同義的には「熱分解性を有したケイ素化合物」)の熱分解により生成されてもよい。本発明の方法は、リアクターに熱分解性を有したガス状のケイ素化合物を含む供給ガスを導くことを含んで成る。ケイ素化合物中の少なくともケイ素の一部が反応チャンバー中のケイ素粒子に化学蒸着により付着(又は蒸着;deposit)し、それによって、ケイ素粒子が粒状ポリシリコンと典型的に呼ばれる大きな粒子に成長するように、供給ガスが反応チャンバー中で加熱される。様々な反応が反応チャンバーで生じてもよい。トリクロロシラン流動床リアクター・システムで生じるとされている反応メカニズムは、概して図13に示される。これに関して、これらのメカニズムは、リアクター・システムで生じる全反応を構成しないので、本発明の態様を少しも制限しないことに留意する必要がある。
【0034】
図13に関して、トリハロシランシステムでは、特にトリクロロシランシステムでは、ケイ素は成長ケイ素粒子(1)に不均一に付着する。又、トリクロロシランは分解して、望ましくないケイ素ダスト(同義的には、ケイ素「微粉」又は「パウダー」という。)を形成する均一な核となり、成長ケイ素粒子(6)に付着することが可能なケイ素蒸気(3)が生成されてもよい。トリクロロシラン(2)又はケイ素蒸気(5)からのケイ素の付着によって、ケイ素微粉の大きさを成長させることができる。ケイ素微粉は結合して、大きな粒子(7)を形成することができる。ケイ素微粉は、成長ケイ素粒子と共に凝集させることができる。凝集は微粉と粒子との衝突により生じる。特定の学説に縛られることなく、一旦微粉が粒子と接触すると、適切な分子間力により微粉と粒子とが凝集すると考えられる。
【0035】
ハロシラン(例えば、トリクロロシラン)からのケイ素付着は、下記に示す1つ又はそれよりも多い反応(i)又は反応(ii)により生じると考えられる。
SiHX3 + H2 → Si + 3HX (i)
4SiHX3 → Si + 3SiX4 + 2H2 (ii)
Xは塩素等のハロゲンである。反応(ii)は熱分解性を有した反応であり、反応(i)は水素還元反応として特徴付けられてもよい。反応(i)および(ii)は概して本明細書でトリハロシランの「熱分解」と言及されてもよい。
【0036】
多結晶シリコンの粒状生成物を生成する流動床リアクター操作に従い、多結晶シリコン種粒子を反応チャンバーに加えて、ケイ素付着が開始されてよい。種粒子の粒径は約50μm〜約800μmであってよく、より典型的には約250μm〜約600μmである。2種類のケイ素種粒子を共通に使用して、ケイ素付着が開始される。リアクターから回収される生成粒子を粉砕又は破壊することで約250μm〜約350μmの典型的な粒径で供されるケイ素種粒子が使用されてもよい。又、又は更に、約500μm〜約600μmの粒径を有する粒状多結晶生成物で集められ、分離された小さな多結晶粒子が種粒子として使用されてもよい。
【0037】
<1つ又はそれよりも多い熱分解性を有したケイ素化合物を含む供給ガス>
多結晶シリコンを生成する方法を図1に示す流動床リアクター・システム1を参照に説明する。1つ又はそれよりも多い熱分解性を有した化合物7(例えば、トリハロシラン)を含むガスと四塩化ケイ素5を含むガスとは、リアクター・システム1に各々の源から供給される。熱分解性を有したケイ素化合物は、一般的にケイ素を生成するために熱分解性を有した化合物を含んで成る。熱分解性を有した化合物がポリシリコン粒状物を形成するポリシリコン粒子を成長させるためのケイ素源を供する場合、追加の生成物は本発明の範囲から逸脱することなく熱分解工程から生成されてもよい。熱分解性を有したケイ素化合物ガスは、(シランと一般的に呼ばれる)四水素化ケイ素、トリハロシランおよびジハロシラン等のケイ素を含む全ガスを含んで成る。ハロゲン化ケイ素等で使用されてもよい適当なハロゲンは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を含んで成る。ある態様では、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシランおよびトリヨードシランから選択される1つ又はそれよりも多いトリハロシランは、熱分解性を有したケイ素化合物として使用される。
【0038】
これに関して、本明細書で使用する際、四ハロゲン化ケイ素はリアクター壁上にあるケイ素付着物をエッチングするために反応チャンバーに導かれるので、「熱分解性を有したケイ素化合物」は四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素)を含んでいない。従って、四ハロゲン化ケイ素以外の熱分解性を有したケイ素化合物が、四ハロゲン化ケイ素の量に従いリアクターに供給される。ある態様では、トリハロシラン(例えば、トリクロロシラン)が熱分解性を有したケイ素化合物としてリアクターに導かれる。
【0039】
熱分解性を有した化合物は希釈されることなくリアクターに導かれてもよく、又はガスは水素、アルゴン、ヘリウム又はこれらの組み合わせ等のキャリアガスで希釈されてもよい。トリハロシラン化合物が熱分解性を有した化合物として使用される際、上記反応(i)で示されるように、水素ガスが熱分解反応でトリハロシランと反応するので、水素はキャリアガスとして使用されてもよい。本発明の様々な態様では、(例えば、分配器の内側開口部を通じて)リアクターに供給されるガス中の熱分解性を有した化合物の体積濃度(例えば、熱分解性を有した化合物としてトリハロシランが使用される際、トリハロシランの体積濃度)は、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約55%、少なくとも約70%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、又は約40%〜約100%、約55%〜約95%若しくは約70%〜約85%である。キャリアガス(例えば、水素)と熱分解性を有した化合物(例えば、熱分解性を有した化合物として使用されるトリハロシラン)とのモル比は、約1:1〜約7:1、約2:1〜約4:1又は約2:1〜約3:1であってよい。
【0040】
分配器又は分配開口部にケイ素が付着しないように熱分解性を有したケイ素化合物が分解する温度よりも低い温度で、熱分解性を有したケイ素化合物がリアクターに加えられてもよい。熱分解性を有したケイ素の温度は、リアクターに導かれる他のガスから利用可能な熱およびリアクター壁を通じて適用される外部熱量により変えてもよく、依存してもよい。一般的に、約1100℃以下、約1000℃以下、約900℃以下、約800℃以下、約600℃以下、約400℃以下、約200℃以下又はおおよそ室温(例えば20℃)〜約1100℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約800℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約600℃、おおよそ室温(例えば約20℃)〜約400℃若しくはおおよそ室温(例えば約20℃)〜約200℃の温度で、熱分解性を有した化合物(例えば、トリクロロシラン)がリアクターに加えられてもよい。トリクロロシランの場合、トリクロロシランは、おおよそ室温(例えば約20℃)〜約400℃又はおおよそ室温(例えば約20℃)〜約300℃の温度で加えられてよい。下記に説明するように、熱分解性を有した化合物は、反応チャンバーに加えられる際加熱されてよい。
【0041】
<反応チャンバーと反応状態>
本発明の方法は、単一層の流動床リアクターで反応させて行われてもよく、又は直列に又は並列に配置された1つ又はそれよりも多い流動床リアクターを合わせて行われてもよい。流動床リアクターは、本発明の範囲から逸脱することなく、原料と生成物とが連続的に導かれリアクターから引き出される連続操作又は回分操作されてもよい。
【0042】
反応チャンバーは、典型的にはケイ素粒子をリアクター中の流動ガスの上昇流により浮遊させる流動床である。流動床リアクターは、成長ケイ素粒子と成長ケイ素粒子へのケイ素の付着速度を高めるガス相との間のはやい物質移動速度と熱移動速度とを供する。流動床リアクターは概して垂直円筒容器である。しかしながら、流動床操作をし易い構造が採られてよいことは理解されよう。リアクターの特定の大きさは、本発明の範囲から逸脱することなく、所望のシステム生産物、熱移送効率、システム流体力学等のシステムにより異なるシステム設計のファクターに主として依存するであろう。
【0043】
外部熱源を反応チャンバーの壁に用いて、熱分解性を有したガスの温度をガス分解するポイントまで増やしてよい。加熱手段は、例えば、容量加熱、誘導コイルおよび電気抵抗エレメントを含んで成る。ある態様では、1つ又はそれよりも多い供給ガスを反応チャンバーに加える前に加熱する際、反応チャンバーに熱は用いられない。
【0044】
図3に関して、四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素)は、第1ガス入口管50を通じて供給され第1ガスのプレナム32に進む。第1ガスのプレナム32から、四ハロゲン化ケイ素が一続きの周縁分配開口部42を通り(図2)ライナーチャンバー45に移り、そして反応チャンバー10に入る(図1)。適当な四ハロゲン化ケイ素は、例えば、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素および四ヨウ化ケイ素を含んで成る。他のガスは、本発明の範囲から逸脱することなく、第1ガスプレナム32に四ハロゲン化ケイ素と共に供給されてよい。
【0045】
熱分解性を有した化合物(例えば、トリクロロシラン等のトリハロシラン)は第2ガス入口管52を通じて供給され、第2ガスのプレナム34に進む。熱分解性を有した化合物以外のガス(例えば、水素等のキャリアガス)は、本発明の範囲から逸脱することなく第2ガス入口管52を通じて熱分解性を有した化合物と共に供給されてよい。第2ガスのプレナム34から、熱分解性を有した化合物が一続きの内側分配開口部44を通り、ライナーチャンバー45に移り、反応チャンバー10に入る(図1)。四ハロゲン化ケイ素は反応チャンバー壁近くの反応チャンバー10に入るので、(そして、テーパーライナー28近くのライナーチャンバー45に入るので、)相対的に少量の熱分解性を有した化合物が反応チャンバー壁と接する。この構造はリアクター壁上の望ましくないケイ素の蓄積を防ぐ。
【0046】
更に、四塩化ケイ素等の四ハロゲン化ケイ素により、リアクター壁に既に形成されているケイ素付着物がエッチングされてよいことは理解できよう。四塩化ケイ素の場合、約1000℃よりも高い温度で、下記の反応(iii)に従い、四塩化ケイ素が主としてケイ素(例えば、リアクタ壁上のケイ素付着物)と反応することが考えられる。
6SiCl4+2Si → 4Si2Cl6 (iii)
【0047】
図14はケイ素、塩素および水素ガスの平衡3軸チャートである。四塩化ケイ素はリアクター壁に沿ってリアクターに加えられるので、四塩化ケイ素(および四塩化ケイ素のためのキャリアガス)はリアクター壁と接する主としてたった一つのガスであり、トリクロロシランと共に加える際でさえ水素はリアクター壁に存在しないと一般的に考えられている。これに関して、図14では、水素含有化合物は存在しないと考えてよい。図14から分かるように、リアクター温度が増えるにつれて、ケイ素付着物をエッチングすることができるようにケイ素と塩素の気相モル比を小さくすることが好ましい(すなわち、気相のケイ素量を高くすることが好ましい)。このように、四塩化ケイ素は、相対的に高い温度では付着ガスよりむしろエッチングガスとして作用してよい。
【0048】
これに関して、反応(iii)では他の反応が生じてもよく、反応(iii)が上記に示す以外の温度で生じてもよい。一般的に、水素が存在しない場合、約1000℃以上の温度でリアクター壁上のケイ素付着物をエッチングするために、四塩化ケイ素はエッチャントとして作用すると理解できよう。四塩化ケイ素が使用のため選択される1つ又はそれよりも多い態様では、少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃又は少なくとも約1400℃の温度で、四塩化ケイ素が反応チャンバーに入ってよい。一般的に、リアクター壁が過熱されない温度又は流動するケイ素を1414℃の溶融温度まで若しくは1414℃の溶融温度以上で加熱する温度で、四塩化ケイ素は導かれる。1つ又はそれよりも多い態様では、四塩化ケイ素が反応チャンバーに加えられる温度は、約1000℃〜約1600℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1400℃である。これに関して、上記に記載する温度範囲は、四塩化ケイ素以外の四ハロゲン化ケイ素に使用されてよい。
【0049】
周縁開口部を通じて反応チャンバーに導かれるガスは、四ハロゲン化ケイ素化合物以外のガス状の化合物を含んでよい。しかしながら、一般的に、水素はリアクター壁へのケイ素の付着を促進するので、四ハロゲン化ケイ素は、ほとんど水素を含んでいない又は水素を含んでいない。四ハロゲン化ケイ素と共に導かれる他の化合物は、熱分解性を有したケイ素化合物(例えば、トリクロロシラン)又は熱分解性を有したケイ素化合物および四ハロゲン化ケイ素に対して不活性であるアルゴンや窒素等の化合物を含んで成る。これらの1つ又はそれよりも多い態様では、周縁開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の体積濃度は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約1%〜約100%、約20%〜約100%若しくは約40%〜約100%である。周縁開口部を通じて供給されるガス中の(水素と接するケイ素に付着する四ハロゲン化ケイ素以外の)熱分解性を有したケイ素化合物の体積濃度は、約50%以下、約30%以下、約5%以下又は約1%〜約50%若しくは約5%〜約30%であってよい。ある態様では、分配器の周縁開口部を通じて供給されるガスは、四ハロゲン化ケイ素以外のガスを含んでおらず、又は(例えば、約1体積%以下又は約0.1体積%以下の)他のガスを少し含んで成る。
【0050】
これに関して、中央分配開口部を通じて分配される熱分解性を有した化合物のキャリアガスとして水素を加えることが望ましいことは理解されよう。四ハロゲン化ケイ素が非常に高い温度でリアクターに導かれるならば、又リアクター壁にケイ素付着物がないならば、特にリアクターのライニングがケイ素(例えば、CVDケイ素)から成るならば、四ハロゲン化ケイ素はリアクターのライニングをエッチングしてもよい。水素の量が増えることで、四ハロゲン化ケイ素が付着ガスとしてより作用し、エッチングガスとして作用せず、それによって、リアクターのライナーが保護される。上記で述べたように、中央分配開口部を通じて供給されるガス中の水素量は、少なくとも約1体積%、少なくとも約5体積%、少なくとも約20体積%、少なくとも約40体積%、少なくとも約60体積%、少なくとも約80体積%又は約1体積%〜約90体積%、約20体積%〜約90体積%若しくは約40体積%〜約90体積%であってよい。
【0051】
本発明の様々な態様では、(分配器の内側開口部を通じて)リアクターに供給されるガス中の熱分解性を有した化合物(例えば、トリハロシランが熱分解性を有した化合物として使用される際のトリハロシラン)の体積濃度は、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約55%、少なくとも約70%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約40%〜約100%、約55%〜約95%若しくは約70%〜約85%である。更に、このガス(例えば、分配器の内側開口部を通じて供給されるガス)中のキャリアガス(例えば、水素)の体積濃度は、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%又は約1%〜約90%、約20%〜約90%若しくは約40%〜約90%であってよい。キャリアガス(例えば、水素)と熱分解性を有した化合物(例えば、トリハロシランが熱分解性を有した化合物として使用される際のトリハロシラン)とのモル比は、約1:1〜約5:1又は約2:1〜約3:1であってよい。
【0052】
本発明の別の態様によれば、周縁分配開口部42を通じて供給される四ハロゲン化ケイ素5は熱分解性を有した化合物を含んでいてよく、および/又は内側分配開口部44を通じて供給される熱分解性を有したガスは四ハロゲン化ケイ素を含んでいてよい。これらの態様では、リアクター壁に付着しているケイ素量を低減するために、周縁開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の濃度は、内側開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の濃度よりも高い。
【0053】
図7〜12を見ると、様々な態様では、3つの異なるガス流れを反応チャンバーに導くことが可能な流動床リアクター・システムは、多結晶シリコンを生成するために使用されてよい。このデザインにより、熱分解性を有したケイ素化合物の内側の反応チャンバーに水素を導くことができる。図1〜6のリアクター・システムと同様に、1つ又はそれよりも多い四ハロゲン化ケイ素を含む第1ガスは、第1ガス入口管150を通じて供給され、第1ガスのプレナム132に進み、一連の周縁分配開口部142を通って、ライナーチャンバー145と反応チャンバー110に入る。熱分解性を有した化合物(例えば、トリクロロシラン等のトリハロシラン)を含む第2ガスは、第2ガス入口管152を通じて供給され、第2ガスのプレナム134に進み、一連の内側分配開口部144を通って、ライナーチャンバー145と反応チャンバー110に入る。水素を含む第3ガスは、第3ガス入口管157を通じて供給され、第3ガスのプレナム122に進み、一連の中央分配開口部146を通じて、ライナーチャンバー145と反応チャンバー110に入る。一般的に、中央開口部146は内側開口部144と周縁開口部142より分配器125の中心に近く、内側開口部144は一般的に周縁開口部142より分配器125の中心に近い。中央開口部146を通じて供給されるガス中の水素濃度は、一般的に内側開口部144を通じて供給されるガス中の水素濃度と周縁開口部142を通じて供給されるガス中の水素濃度よりも高い。
【0054】
中央分配開口部146を通じて導かれる水素ガスは、内側開口部144を通じて導かれる熱分解性を有したケイ素化合物よりも高い温度であってよい。これに関して、水素ガスが混合され反応チャンバーを垂直に通過する際、水素ガスを使用して熱分解性を有したケイ素化合物が加熱されてよく、又、反応チャンバーの壁を通じて用いられる外部熱源の量は、低減されてよく又は取り除かれてよい。
【0055】
1つ又はそれよりも多い態様では、少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1500℃の温度で、水素ガスが反応チャンバーに導かれてよい。更に又は又、四ハロゲン化ケイ素は、熱分解性を有したケイ素化合物よりも高い温度で加えられてよい。例えば、四ハロゲン化ケイ素は、上記に示す2つのガスシステムの温度範囲内で加えられてよい。熱分解性を有したガスを水素ガスおよび/又は四ハロゲン化ケイ素ガスよりも低い温度で導くことで、熱分解性を有したガスが分配器125とテーパーライナー128を通過する際、熱分解性を有した化合物は、化合物が分解する温度よりも低い温度で維持されてよい。例えば、約1100℃以下、約1000℃以下、約900℃以下、約800℃以下、約600℃以下、約400℃以下、約200℃以下又はおおよそ室温(例えば20℃)〜約1100℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約800℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約600℃、おおよそ室温(例えば20℃)〜約400℃若しくはおおよそ室温(20℃)〜約300℃の温度で、熱分解性を有した化合物を反応チャンバーに加えてよい。トリクロロシランの場合、トリクロロシランはおおよそ室温(例えば20℃)〜約400℃又はおおよそ室温(例えば20℃)〜約300℃で加えられてよい。
【0056】
分解の間、更にトリハロシラン供給ガスを発生させるために使用されてよい副産物であるハロゲン化水素酸(例えばHCl)が生成される。シランが熱分解性を有した化合物として使用される態様では、リアクター・システムの操作で熱分解性を有した供給ガスの量を追加するためのキャリアガスとして再使用されてよい水素が生成される。
【0057】
リアクター・システム(上記に示す2つのガスシステム又は3つのガスシステム)の操作の間、反応域を通るガス速度はケイ素粒子の最小流動速度よりも速く維持される。リアクターを通るガス速度は、一般的に流動床内の粒子を流動させるために必要な最小流動速度の約1倍から約8倍の速度に維持される。ある態様では、ガス速度は流動床内の粒子を流動させるために必要な最小流動速度の約2倍〜約5倍であり、又、少なくとも1つの態様では約4倍である。最小流動速度は、ガスと含有される粒子の特性に応じて異なる。最小流動速度は標準的な手段により決定されてよい(目的が全て関連しており又一致しているため、参考により本明細書に組み入れられているペリーの化学技術者のハンドブック(第7版)のP17−4を参照のこと)。
【0058】
最小流動状態はケイ素粒子が分配器ユニットの近くにあるという条件下で計算されてよい。リアクターの残りの部分より低い温度に設定することを含むこれら条件を用いると、全流動床での最小流動化を保つことができる。本発明は特定の最小流動速度に限定されないが、本発明に有益な最小流動速度は約0.7cm/sec〜約350cm/sec又は約6cm/sec〜約150cm/secの範囲であってよい。
【0059】
最小流動速度よりもガス速度を速くすることは、生産性を高めるためにしばしば望まれる。ガス速度が最小流動速度よりも増えると、過剰なガスが気泡を形成し流動床の空隙率が増える。流動床は、気泡とケイ素粒子と接するガスを含む「エマルジョン」から構成されると考え得る。エマルジョンの質は、最小流動化状態での流動床の質にかなり似ている。エマルジョンの局所的な空隙率は最小流動床の空隙率に近似している。それ故、気泡は最小流動化状態を得るために必要とされる以上に導かれるガスにより生じる。実際のガス速度を最小速度で除した際の割合が増えると、気泡形成が増す。この割合が非常に高い場合、流動床に大きなガススラグが形成される。流動床の空隙率が全ガス速度と共に増えると、固−気間の接触が有効ではなくなる。所定の体積を有した流動床の下では、反応ガスと接触する固体の表面積は、流動床の空隙率が増えると共に低減する。すなわち、所定の流動床の長さの下では、熱分解性を有したガス転化が低減する。又、反応チャンバーを通るガスの滞留時間が減ると、ガス転化が低減する。更に、微粉を生成する速度が速くなると、異なる望ましくない反応が生じる。
【0060】
ある態様では、外部熱源を反応チャンバーに加えて、リアクター中の温度が熱分解性を有した化合物の分解可能な温度範囲内およびケイ素の溶融ポイント温度内に維持される。リアクターの温度は、約200℃以上、約700℃以上、約900℃以上又は約1100℃以上(例えば、約200℃〜約1400℃、約900℃〜約1100℃又は約1000℃〜約1100℃)に維持される。これに関して、上記温度範囲はリアクターで使用するために選択されるハロゲンにとって適当であると理解できよう。しかしながら、臭素が使用される場合、リアクターの温度は低温(例えば約900℃以下の温度)であってもよく、ヨウ素が使用される場合、リアクターの温度は更に低温であってもよい。これらの温度で反応域を維持するために使用される熱は、リアクター容器壁の外部に配置される電気抵抗ヒーター等の標準的な加熱システムにより供される。ある態様では、リアクター中の圧力は、流動床の頂部で測定した際、約1.25atm〜約2.25atmである。
【0061】
<多結晶シリコン生成システム>
図1〜6の2つのガスの流動床リアクター・システム又は図7〜12の3つのガスシステムが、ケイ素源(例えば、冶金級ケイ素)から多結晶シリコンを生成するシステムに組み入れられてよい。典型的なシステムは図15に示される。このシステムが、標準的な方法で副産物である四ハロゲン化ケイ素をトリハロシランに転化することを必要としない場合、このシステムは四ハロゲン化ケイ素に対して実質的に閉鎖ループシステムであってよい。
【0062】
図15の処理図によれば、トリハロシラン(例えば、トリクロロシラン)が流動床リアクターの反応チャンバーに導かれて、成長ケイ素粒子にケイ素が付着する。四ハロゲン化ケイ素(例えば、四塩化ケイ素)が副産物として生成され、流動床リアクターから排出される。流動床リアクターから排出される四ハロゲン化ケイ素は反応チャンバー(例えば、上記に示すように分配器の周縁開口部に導くことにより反応チャンバー壁近く)に戻され、反応チャンバー中のケイ素付着物がエッチングされてよい。1つ又はそれよりも多い態様では、反応チャンバーから排出される四ハロゲン化ケイ素の全てが反応チャンバーに戻される。
【0063】
更に、又、又は図15に示すように、ケイ素源はハロゲン化水素(例えば、HCl)と反応して、トリハロシランが生成されてよく、副産物である四ハロゲン化ケイ素が生成される。又、この四ハロゲン化ケイ素(ある態様では、この四ハロゲン化ケイ素の全て)を流動床リアクターに加えて、反応チャンバー壁にあるケイ素付着物をエッチングしてもよい。これに関して、反応チャンバー中のトリハロシランから生成される四ハロゲン化ケイ素の量と、ケイ素とハロゲン化水素との反応の副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素の量とがケイ素との反応により反応チャンバーで消費されるトリハロシランケイ素の量と実質的に同じである場合、このシステムは四ハロゲン化ケイ素に対して実質的に閉鎖ループシステムであってよい。
【0064】
図15を見ると、ケイ素源209は酸蒸解装置220で酸211(例えば、典型的には無水塩酸等の塩酸)と反応させてよい。ケイ素源は、砂(すなわち、SiO2)、石英、フリント、珪藻岩、ケイ酸塩、冶金級ケイ素(すなわち、多結晶シリコン)、フューズド・シリカ、フルオロケイ酸塩およびこれらの混合物を含んで成る。他の原料(砂、石英、フリント、珪藻岩等)は炭素熱還元により冶金級ケイ素に転化され得る。反応生成物213はトリハロシランと四ハロゲン化ケイ素とを含んで成る。反応生成物213は典型的には室温で液体である。標準的な方法は、四ハロゲン化ケイ素からトリハロシランへの熱転換を含む(例えば、トリクロロシランの更なる生成で四ハロゲン化ケイ素からケイ素および水素への転化又は四ハロゲン化ケイ素および水素とケイ素源との反応によるトリハロシランの生成)。対して、本発明の態様では、トリハロシランと四ハロゲン化ケイ素とは、流動床リアクターに供給されてよい。任意的には、トリハロシランと四ハロゲン化ケイ素とは流動床リアクターに別々に供給されてよい。例えば、四ハロゲン化ケイ素は蒸留塔230でトリハロシランと分離されてよい。上記に示す周縁分配開口部を通じて四ハロゲン化ケイ素233を流動床リアクター240に供給することで、反応チャンバーの壁にあるケイ素付着物をエッチングしてもよい。トリハロシラン235は、上記で説明する2つのガスシステムで水素237と共に、又は上記で説明する3つのガスシステムでの中央開口部を通じて供給される水素と共に内側開口部を通じて供給されてよい。
【0065】
粒状多結晶シリコン249は流動床リアクター240から引き抜かれ、生成物ストレージ242に移されてよい。使用済みガス244はトリハロシランの分解工程での副産物として生成されるハロゲン化水素酸(例えば、HCl)、未反応の水素、未反応のトリハロシラン、四ハロゲン化ケイ素および少量の他の副産物のガスを含んでいてもよい。四ハロゲン化ケイ素は、エッチングガスとして流動床リアクターに導かれるがケイ素と反応しない四ハロゲン化ケイ素、および上記反応(ii)でのトリハロシランの熱分解での副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素を含んでよい。
【0066】
使用済みガス244は、リアクター外に運ばれるケイ素ダストの粒子を含んでいてよい。典型的には、ケイ素ダストの粒子径は約50μm以下であり、ある態様では約5μm以下である。対して、粒状多結晶生成物の粒径は、典型的には約600μm〜約2000μm、より典型的には約800μm〜約1200μm又は約900μm〜約1000μmである。ケイ素ダストは、バグフィルター、サイクロン分離装置又は液体スクラバー等の固−気分離装置250でリアクターから出ていく使用済みガス244から分離される。回収されたケイ素ダスト246は、(Cz方法により単結晶シリコンを引き抜くためのケイ素チャージなど)工業的に使用するために売られてもよく、又は流動床に戻されおよび/又はケイ素粒子により少なくとも部分的に除去される1つ又はそれよりも多い追加の流動床リアクターに供給されてもよい。
【0067】
ケイ素ダストのない使用済みガス245を冷却し、1つ又はそれよりも多いコンデンサー260で凝縮して、水素およびハロゲン化水素酸(まとめて符号「262」とする)を除去してよい。水素およびハロゲン化水素酸262は、湿式スクラバーに使用済みガスを導いてハロゲン化水素酸と水素ガスとに分離することを含んでよい処理285をしてよい。水素は流動床リアクターに戻されてよく、ハロゲン化水素酸は酸蒸解装置220でケイ素源と反応させてよい。
【0068】
残存する凝縮物265は、四ハロゲン化ケイ素273とトリハロシラン275とに分離する蒸留塔270に供給されてよく、四ハロゲン化ケイ素273とトリハロシラン275の両方が流動床リアクター240に戻されてよい。これは、四ハロゲン化ケイ素が熱的にトリハロシランに転化される標準的なシステムと異なる。
【0069】
すなわち、図15に示されるシステムは四ハロゲン化ケイ素に対して実質的には閉鎖ループシステムである。これに関して、トリハロシラン生成物の一部として生じる四ハロゲン化ケイ素と流動床リアクターでの副産物として生じる四ハロゲン化ケイ素とは共に流動床リアクターで消費されて、四ハロゲン化ケイ素をトリハロシランへ熱的に転化する必要がないようにしてよい。
【0070】
図15に示されるシステムは、本発明により考えられるシステムは、追加の流動床リアクター、蒸留塔およびコンデンサーを有するシステムを含むだけではなく、これらの装置を直列に又は並列に並べて使用するシステムも含むと理解されよう。追加の流動床リアクターは、本発明の範囲から逸脱することなく本発明に従い操作されてよく、又はより標準的な方法で操作されてよい。更に、当業者に容易に決定されてよい分離および/又は精製工程等の追加処理ステップが含まれていてよい。1つ又はそれよりも多い態様では、図15のシステムは、四ハロゲン化ケイ素とケイ素源および水素とを反応させることで四ハロゲン化ケイ素をトリハロシランに転化するための1つ又はそれよりも多いハロゲン化リアクターを含んでいてよく、構成ガス中の反応生成ガスを分離するための蒸留塔を更に含んでいてよい。
【0071】
更に、本発明の手法は粒状ポリシリコンを生成する流動床リアクターにおいて記載されているが、本発明の手法はシーメンス処理として当業者に既知の手法による化学蒸着によりポリシリコンのロッドが生成される処理システムでも適当であることは理解できよう。例えば、シーメンス手法の化学蒸着工程において、四ハロゲン化ケイ素が反応チャンバー壁に導かれてもよく、熱分解性を有したケイ素化合物は四ハロゲン化ケイ素の内側に導かれてよい。更に、本明細書に記載され、図1〜15の何れかに示されている分配器および/又はリアクター・システムの態様は、シーメンスプロセスで使用されてよく、特にシーメンス・リアクターの壁が絶縁されている態様で使用されてよい。
【0072】
本発明の要素又は態様を紹介する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は1つ又はそれよりも多い要素があることを意味している。用語「comprising」「including」および「having」は含んで成ることを指し、列挙した要素以外に追加要素があってよいことを意味している。
【0073】
以上の事から、本発明の様々な目的が達成され、他の利点が得られることが理解できよう。
【0074】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記手法に様々な変更をすることができるので、上記記載に含められ添付図面に示される全ての事項は、あくまでも例示であって限定的意味に解釈されるべきではないと理解できよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの反応チャンバー壁を有する反応チャンバーを有して成るリアクターで多結晶シリコン生成物を生成する方法であって、
反応チャンバー壁に四ハロゲン化ケイ素を方向付けること、および四ハロゲン化ケイ素の内側に熱分解性を有したケイ素化合物を方向付けることを含んで成り、
熱分解性を有した化合物がケイ素粒子と接触して、ケイ素がケイ素粒子に付着し、ケイ素粒子サイズが大きくなる、多結晶シリコン生成物を生成する方法。
【請求項2】
リアクターが反応チャンバーにガスを均一に分配するための分配器を有して成り、
分配器が1つ又はそれよりも多いガス源と反応チャンバーとの間を流体連通する複数の分配開口部を有して成り、
複数の分配開口部が少なくとも1つの周縁開口部と少なくとも1つの内側開口部とを有して成り、
分配器の分配開口部を通じて1つ又はそれよりも多いガス源から反応チャンバー内に四ハロゲン化ケイ素と熱分解性を有したケイ素化合物とを供給することを含んで成り、
リアクター壁に付着するケイ素量を低減するために、周縁開口部を通じて供給される四ハロゲン化ケイ素の濃度が、内側開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の濃度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
熱分解性を有したケイ素化合物がトリハロシランである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
トリハロシランがトリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシランおよびトリヨードシランから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
トリハロシランがトリクロロシランである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
内側開口部を通じて供給されるガスが水素を含んで成る、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
内側開口部を通じて供給されるガスが四ハロゲン化ケイ素を含んで成る、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ケイ素粒子の大きさが公称径で約800μm〜約2000μmまで増える、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、約1000℃〜約1600℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1400℃の温度で、四ハロゲン化ケイ素が反応チャンバーに入る、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
周縁開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の体積濃度が、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約1%〜約100%、約20%〜約100%若しくは約40%〜約100%である、請求項2〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
周縁開口部を通じて供給されるガスが熱分解性を有したケイ素化合物を含んで成る、請求項2〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
周縁開口部を通じて供給されるガス中の熱分解性を有したケイ素化合物の体積濃度が、約50%以下、約30%以下、約5%以下又は約1%〜約50%若しくは約5%〜約30%である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
周縁開口部を通じて供給されるガスが実質的に四ハロゲン化ケイ素から構成される、請求項2〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
内側開口部を通じて供給されるガス中の熱分解性を有した化合物の体積濃度が、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約55%、少なくとも約70%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約40%〜約100%、約55%〜約95%若しくは約70%〜約85%である、請求項2〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
内側開口部を通じて供給されるガスが水素を含んで成る、請求項2〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
内側開口部を通じて供給されるガス中の水素の体積濃度が、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%又は約1%〜約90%、約20%〜約90%若しくは約40%〜約90%である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
内側開口部を通じて供給されるガス中の水素と熱分解性を有した化合物とのモル比が、約1:1〜約7:1、約2:1〜約4:1又は約2:1〜約3:1である、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
水素が熱分解性を有した化合物の内側に導かれる、請求項1〜17のいずれかに記載に方法。
【請求項19】
複数の分配開口部が少なくとも1つの中央開口部を有して成り、
分配器の分配開口部を通じるガス源から反応チャンバー内へと水素を供給することを含んで成り、
中央開口部を通じて供給される水素の濃度が、内側開口部を通じて供給されるガス中の水素の濃度よりも高く、周縁開口部を通じて供給される水素の濃度よりも高い、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1500℃の温度で、水素が反応チャンバーに入る、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
四ハロゲン化ケイ素が、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素および四ヨウ化ケイ素から成る群から選択される、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
四ハロゲン化ケイ素が四塩化ケイ素である、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
多結晶シリコンを生成する方法であって、
反応チャンバー壁を有し、ケイ素粒子を含んで成る反応チャンバーにトリハロシランを導き、トリハロシランを反応チャンバー中で熱的に分解させてケイ素粒子にケイ素を付着させ、トリハロシランを四ハロゲン化ケイ素に転化すること、
反応チャンバーから四ハロゲン化ケイ素を排出すること、および
反応チャンバー壁近くの反応チャンバーに排出された四ハロゲン化ケイ素の一部を導くことを含んで成る、方法。
【請求項24】
四ハロゲン化ケイ素が反応チャンバー壁上のケイ素付着物をエッチングする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
四ハロゲン化ケイ素をケイ素付着物と反応させて、ヘキサハロジシランを形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
反応チャンバーから排出された四ハロゲン化ケイ素の全部分を反応チャンバーに戻す、請求項23〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
ケイ素源とハロゲン化水素酸とを反応させてトリハロシランを生成し、副産物である四ハロゲン化ケイ素を生成すること、および
トリハロシランと、ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素とを反応チャンバーに導くことを含んで成る、請求項23〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素が、反応チャンバー壁上のケイ素付着物をエッチングする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素が、反応チャンバーに導かれる、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
反応チャンバーでトリハロシランから生成される四ハロゲン化ケイ素の量と、ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素の量とが、ケイ素との反応により反応チャンバーで消費されるトリハロシランケイ素の量と実質的に同じである、請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
ハロゲン化水素酸が塩酸である、請求項27〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
水素が反応チャンバー内に導かれる、請求項23〜31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
使用済みガスが反応チャンバーから排出され、
使用済みガスが四ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化水素酸、未反応のトリハロシランおよび未反応の水素を含んで成る、請求項23〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
ハロゲン化水素酸が使用済みガスから分離され、
反応チャンバーから排出された四ハロゲン化ケイ素、未反応のトリハロシランおよび未反応の水素が反応チャンバーに導かれる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
反応チャンバーが反応チャンバー壁を有して成り、反応チャンバーに導かれる四ハロゲン化ケイ素の一部が反応チャンバー壁に導かれる、請求項23〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
トリハロシランがトリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシランおよびトリヨードシランから成る群から選択される、請求項23〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
トリハロシランがトリクロロシランである、請求項23〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
四ハロゲン化ケイ素が、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素および四ヨウ化ケイ素から成る群から選択される、請求項23〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
四ハロゲン化ケイ素が四塩化ケイ素である、請求項23〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つの反応チャンバー壁を有して成る反応チャンバーに第1ガス、第2ガスおよび第3ガスを分配するための分配器であって、
分配器が少なくとも1つの周縁開口部、少なくとも1つの内側開口部および少なくとも1つの中央開口部を含む複数の分配開口部を有して成り、
周縁開口部が、第2ガス源又は第3ガス源ではなく第1ガス源と流体連通を供するために構成されている、分配器。
【請求項41】
中央開口部が、第1ガス源又は第2ガス源ではなく第3ガス源と流体連通を供するために構成されている、請求項40に記載の分配器。
【請求項42】
内側開口部が、第1ガス源又は第3ガス源ではなく第2ガス源と流体連通を供するために構成されている、請求項40又は41に記載の分配器。
【請求項43】
反応チャンバーと反応チャンバーにガスを分配するための請求項40〜42のいずれかに記載の分配器を有して成る流動床リアクター・システムであって、
反応チャンバーが少なくとも1つの反応チャンバー壁を有して成る、流動床リアクター・システム。
【請求項44】
少なくとも1つの反応チャンバー壁を有して成る反応チャンバー、および
反応チャンバーにガスを分配し、反応チャンバーと第1ガス源、第2ガス源および第3ガス源との間を流体連通する複数の分配開口部を有して成る分配器を有して成る流動床リアクター・システムであって、
複数の分配開口部が、少なくとも1つの周縁開口部、少なくとも1つの内側開口部および少なくとも1つの中央開口部を有して成り、
周縁開口部が第2ガス源又は第3ガス源ではなく、第1ガス源と流体連通を供するために構成されている、流動床リアクター・システム。
【請求項45】
中央開口部が第1ガス源又は第2ガス源ではなく第3ガス源と流体連通を供するために構成されている、請求項44に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項46】
内側開口部が第2ガス源と流体連通されており、第1ガス源又は第3ガス源と流体連通されていない、請求項44又は45に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項47】
第1ガス源および反応チャンバーと流体連通する第1ガスのプレナム、第2ガス源および反応チャンバーと流体連通する第2ガスのプレナムおよび第3ガス源および反応チャンバーと流体連通する第3ガスのプレナムを有して成る、請求項44〜46のいずれかに記載の流動床リアクター・システム。
【請求項48】
入口ブロック、外側リング、外側リングと同心円状の内側リング、外側リングおよび内側リングと同心円状の中央リングを更に有して成り、
第1ガスのプレナムが、分配器、入口ブロック、外側リングおよび内側リングの間の空間に規定され、第2ガスのプレナムが、分配器、入口ブロック、内側リングおよび中央リングの間の空間に規定される、請求項47に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項49】
分配器および入口ブロックを通じて延在し、外側リング、内側リングおよび中央リングと同心円状にある生成物抜き出し管を更に有して成り、
第3ガスのプレナムが、分配器、入口ブロック、中央リングおよび生成物抜き出し管の間の空間に規定される、請求項48に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項50】
入口ブロックが、第1ガスのプレナムと流体連通する第1ガスチャネル、第2ガスのプレナムと流体連通する第2ガスチャネルおよび第3ガスのプレナムと流体連通する第3ガスチャネルを有して成る、請求項49に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項1】
少なくとも1つの反応チャンバー壁を有する反応チャンバーを有して成るリアクターで多結晶シリコン生成物を生成する方法であって、
反応チャンバー壁に四ハロゲン化ケイ素を方向付けること、および四ハロゲン化ケイ素の内側に熱分解性を有したケイ素化合物を方向付けることを含んで成り、
熱分解性を有した化合物がケイ素粒子と接触して、ケイ素がケイ素粒子に付着し、ケイ素粒子サイズが大きくなる、多結晶シリコン生成物を生成する方法。
【請求項2】
リアクターが反応チャンバーにガスを均一に分配するための分配器を有して成り、
分配器が1つ又はそれよりも多いガス源と反応チャンバーとの間を流体連通する複数の分配開口部を有して成り、
複数の分配開口部が少なくとも1つの周縁開口部と少なくとも1つの内側開口部とを有して成り、
分配器の分配開口部を通じて1つ又はそれよりも多いガス源から反応チャンバー内に四ハロゲン化ケイ素と熱分解性を有したケイ素化合物とを供給することを含んで成り、
リアクター壁に付着するケイ素量を低減するために、周縁開口部を通じて供給される四ハロゲン化ケイ素の濃度が、内側開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の濃度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
熱分解性を有したケイ素化合物がトリハロシランである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
トリハロシランがトリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシランおよびトリヨードシランから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
トリハロシランがトリクロロシランである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
内側開口部を通じて供給されるガスが水素を含んで成る、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
内側開口部を通じて供給されるガスが四ハロゲン化ケイ素を含んで成る、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ケイ素粒子の大きさが公称径で約800μm〜約2000μmまで増える、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、約1000℃〜約1600℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1400℃の温度で、四ハロゲン化ケイ素が反応チャンバーに入る、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
周縁開口部を通じて供給されるガス中の四ハロゲン化ケイ素の体積濃度が、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約1%〜約100%、約20%〜約100%若しくは約40%〜約100%である、請求項2〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
周縁開口部を通じて供給されるガスが熱分解性を有したケイ素化合物を含んで成る、請求項2〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
周縁開口部を通じて供給されるガス中の熱分解性を有したケイ素化合物の体積濃度が、約50%以下、約30%以下、約5%以下又は約1%〜約50%若しくは約5%〜約30%である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
周縁開口部を通じて供給されるガスが実質的に四ハロゲン化ケイ素から構成される、請求項2〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
内側開口部を通じて供給されるガス中の熱分解性を有した化合物の体積濃度が、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約55%、少なくとも約70%、少なくとも約95%、少なくとも約99%又は約40%〜約100%、約55%〜約95%若しくは約70%〜約85%である、請求項2〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
内側開口部を通じて供給されるガスが水素を含んで成る、請求項2〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
内側開口部を通じて供給されるガス中の水素の体積濃度が、少なくとも約1%、少なくとも約5%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約80%又は約1%〜約90%、約20%〜約90%若しくは約40%〜約90%である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
内側開口部を通じて供給されるガス中の水素と熱分解性を有した化合物とのモル比が、約1:1〜約7:1、約2:1〜約4:1又は約2:1〜約3:1である、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
水素が熱分解性を有した化合物の内側に導かれる、請求項1〜17のいずれかに記載に方法。
【請求項19】
複数の分配開口部が少なくとも1つの中央開口部を有して成り、
分配器の分配開口部を通じるガス源から反応チャンバー内へと水素を供給することを含んで成り、
中央開口部を通じて供給される水素の濃度が、内側開口部を通じて供給されるガス中の水素の濃度よりも高く、周縁開口部を通じて供給される水素の濃度よりも高い、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも約1000℃、少なくとも約1100℃、少なくとも約1200℃、少なくとも約1300℃、少なくとも約1400℃、約1000℃〜約1500℃、約1100℃〜約1500℃又は約1200℃〜約1500℃の温度で、水素が反応チャンバーに入る、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
四ハロゲン化ケイ素が、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素および四ヨウ化ケイ素から成る群から選択される、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
四ハロゲン化ケイ素が四塩化ケイ素である、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
多結晶シリコンを生成する方法であって、
反応チャンバー壁を有し、ケイ素粒子を含んで成る反応チャンバーにトリハロシランを導き、トリハロシランを反応チャンバー中で熱的に分解させてケイ素粒子にケイ素を付着させ、トリハロシランを四ハロゲン化ケイ素に転化すること、
反応チャンバーから四ハロゲン化ケイ素を排出すること、および
反応チャンバー壁近くの反応チャンバーに排出された四ハロゲン化ケイ素の一部を導くことを含んで成る、方法。
【請求項24】
四ハロゲン化ケイ素が反応チャンバー壁上のケイ素付着物をエッチングする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
四ハロゲン化ケイ素をケイ素付着物と反応させて、ヘキサハロジシランを形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
反応チャンバーから排出された四ハロゲン化ケイ素の全部分を反応チャンバーに戻す、請求項23〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
ケイ素源とハロゲン化水素酸とを反応させてトリハロシランを生成し、副産物である四ハロゲン化ケイ素を生成すること、および
トリハロシランと、ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素とを反応チャンバーに導くことを含んで成る、請求項23〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素が、反応チャンバー壁上のケイ素付着物をエッチングする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素が、反応チャンバーに導かれる、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
反応チャンバーでトリハロシランから生成される四ハロゲン化ケイ素の量と、ケイ素とハロゲン化水素酸との反応による副産物として生成される四ハロゲン化ケイ素の量とが、ケイ素との反応により反応チャンバーで消費されるトリハロシランケイ素の量と実質的に同じである、請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
ハロゲン化水素酸が塩酸である、請求項27〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
水素が反応チャンバー内に導かれる、請求項23〜31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
使用済みガスが反応チャンバーから排出され、
使用済みガスが四ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化水素酸、未反応のトリハロシランおよび未反応の水素を含んで成る、請求項23〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
ハロゲン化水素酸が使用済みガスから分離され、
反応チャンバーから排出された四ハロゲン化ケイ素、未反応のトリハロシランおよび未反応の水素が反応チャンバーに導かれる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
反応チャンバーが反応チャンバー壁を有して成り、反応チャンバーに導かれる四ハロゲン化ケイ素の一部が反応チャンバー壁に導かれる、請求項23〜34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
トリハロシランがトリクロロシラン、トリブロモシラン、トリフルオロシランおよびトリヨードシランから成る群から選択される、請求項23〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
トリハロシランがトリクロロシランである、請求項23〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
四ハロゲン化ケイ素が、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素および四ヨウ化ケイ素から成る群から選択される、請求項23〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
四ハロゲン化ケイ素が四塩化ケイ素である、請求項23〜37のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つの反応チャンバー壁を有して成る反応チャンバーに第1ガス、第2ガスおよび第3ガスを分配するための分配器であって、
分配器が少なくとも1つの周縁開口部、少なくとも1つの内側開口部および少なくとも1つの中央開口部を含む複数の分配開口部を有して成り、
周縁開口部が、第2ガス源又は第3ガス源ではなく第1ガス源と流体連通を供するために構成されている、分配器。
【請求項41】
中央開口部が、第1ガス源又は第2ガス源ではなく第3ガス源と流体連通を供するために構成されている、請求項40に記載の分配器。
【請求項42】
内側開口部が、第1ガス源又は第3ガス源ではなく第2ガス源と流体連通を供するために構成されている、請求項40又は41に記載の分配器。
【請求項43】
反応チャンバーと反応チャンバーにガスを分配するための請求項40〜42のいずれかに記載の分配器を有して成る流動床リアクター・システムであって、
反応チャンバーが少なくとも1つの反応チャンバー壁を有して成る、流動床リアクター・システム。
【請求項44】
少なくとも1つの反応チャンバー壁を有して成る反応チャンバー、および
反応チャンバーにガスを分配し、反応チャンバーと第1ガス源、第2ガス源および第3ガス源との間を流体連通する複数の分配開口部を有して成る分配器を有して成る流動床リアクター・システムであって、
複数の分配開口部が、少なくとも1つの周縁開口部、少なくとも1つの内側開口部および少なくとも1つの中央開口部を有して成り、
周縁開口部が第2ガス源又は第3ガス源ではなく、第1ガス源と流体連通を供するために構成されている、流動床リアクター・システム。
【請求項45】
中央開口部が第1ガス源又は第2ガス源ではなく第3ガス源と流体連通を供するために構成されている、請求項44に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項46】
内側開口部が第2ガス源と流体連通されており、第1ガス源又は第3ガス源と流体連通されていない、請求項44又は45に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項47】
第1ガス源および反応チャンバーと流体連通する第1ガスのプレナム、第2ガス源および反応チャンバーと流体連通する第2ガスのプレナムおよび第3ガス源および反応チャンバーと流体連通する第3ガスのプレナムを有して成る、請求項44〜46のいずれかに記載の流動床リアクター・システム。
【請求項48】
入口ブロック、外側リング、外側リングと同心円状の内側リング、外側リングおよび内側リングと同心円状の中央リングを更に有して成り、
第1ガスのプレナムが、分配器、入口ブロック、外側リングおよび内側リングの間の空間に規定され、第2ガスのプレナムが、分配器、入口ブロック、内側リングおよび中央リングの間の空間に規定される、請求項47に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項49】
分配器および入口ブロックを通じて延在し、外側リング、内側リングおよび中央リングと同心円状にある生成物抜き出し管を更に有して成り、
第3ガスのプレナムが、分配器、入口ブロック、中央リングおよび生成物抜き出し管の間の空間に規定される、請求項48に記載の流動床リアクター・システム。
【請求項50】
入口ブロックが、第1ガスのプレナムと流体連通する第1ガスチャネル、第2ガスのプレナムと流体連通する第2ガスチャネルおよび第3ガスのプレナムと流体連通する第3ガスチャネルを有して成る、請求項49に記載の流動床リアクター・システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2013−515673(P2013−515673A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547179(P2012−547179)
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/062088
【国際公開番号】WO2011/090689
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(392026316)エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド (74)
【氏名又は名称原語表記】MEMC ELECTRONIC MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/062088
【国際公開番号】WO2011/090689
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(392026316)エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド (74)
【氏名又は名称原語表記】MEMC ELECTRONIC MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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