説明

分離可能なタオル

【課題】 従来の浴用タオル、特に販売促進用タオルは、薄手、小さめのものが多く、家庭でのタオルとしての利用価値が低かった。そのため、使い捨て同様に扱われたり、使用されることなく家庭で保管されたりすることも多く、これでは、販売促進、及びサービスの意義さえなくしつつある。うすでのタオルは、フキン、オシボリ等の利用に最適であるが、切り離すとほつれ、縫うのは手間である。
【解決手段】本発明に係る分離可能なタオルは、あらかじめパイル4を形成しない部分の適宜位置において、幅方向に平行に近接する2本のステッチ2、2を施しておき、このステッチ2、2間を切断部3とすることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に使用されているタオルを切断して分離することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタオルは、連続したパイル織布である。
【0003】
一般に布は、裁断したままではほつれるが、タオルはパイル(ループ)を形成する経糸を持つため、裁断等した場合ほつれやすい。
【0004】
四周辺にほつれ止めを施した布地を縦方向に数多縦糸のみで接続し、裁断可能とするものがある。(特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】 特開昭62−28439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のタオル、特に販売促進用タオルは、薄手、小さめのものが多く、家庭でのタオルとしての利用価値が低かった。そのため、使い捨て同様に扱われたり、使用されることなく家庭で保管されたりすることも多い。これでは、販売促進およびサービスの意義さえなくしつつある。薄手のタオルはフキン、オシボリ等の利用に最適であるが、切り離すとほつれ、縫うのは手間である。
【0007】
また、販促用以外のタオルでも、使用を重ね汚れが目立ってきても、他に用途が見出せないために、そのまま継続して使用される場合が多い。
【0008】
不要なタオルは雑巾としての利用が考えられるが、一般家庭ではそうたくさんの雑巾は必要としない。
【0009】
つまり、他に用途を見出せないまま保管されていたり、適切に使用されずにあるタオルは、一般家庭で多い。
【0010】
しかし、これらの問題を解決するために、タオル本来の強度、特性を損なうことは適切でない。
【0011】
本発明は、このような従来のタオルの問題点を解決して、簡単に切断できる、分離可能なタオルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る分離可能なタオルは、あらかじめパイルを形成しない部分の適宜位置において、幅方向に平行し近接する2本のステッチを施しておき、このステッチ間を切断部とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、タオルは容易に分離可能となるが、タオル本来の強度を損なうことが無い。
【0014】
タオルをハサミで切り離すだけで、フキン、オシボリ等としての再利用が可能になる。
【0015】
さらに、分離可能な部分を折れ線として使用した場合、タオルの使い勝手もよくなる。
【0016】
特に、タオルとしての利用価値が低かった販促用タオルは、簡単に分離可能にすることで、利用者に第二の利用法(再利用法)を提案でき、利用価値をあげることができる。
利用者に、より便利な利用法の提案を付加できることで、サービスの向上にもつながり、販売促進としての価値もあげられる。
【0017】
また、この発明は、タオル地を織り上げる際、新たな折り目パターンを必要としないため、従来のものとの製造にかかる費用の差は最小限に止められる。
【0018】
このようにしてタオルに第二の利用法を提案することで、家庭内でのタオルの回転が早くなり、タオル全体としての需要を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図1〜2に基づいて説明する。
【0020】
浴用タオル1の中心線に、幅35mm程度、パイル4形成のない部分を作り織る。ここは、5mm平織り6、10mm綾織り7、5mm平織り6、10mm綾織り7、5mm平織り6とする。2本の平行する綾織り7の内側辺8に合わせて、2本のステッチ2、2(裁ち目かがり、縁かがりの縫い方が最適)を施す。
【0021】
こうすることで、平行する2本のステッチ2、2の間を切断部3として、ここをハサミ等で裁断した場合、ステッチ2より先はほつれることがない。
【0022】
またこの中心部は、パイル4を形成していないだけで、緯糸、経糸ともに削除されることはない。従って、タオル1としての強度を損なうことが無い。
【0023】
さらに、中心部にパイル4による厚みの無い部分を設けることで、二つ折りにした場合、タオル1の中心がずれにくいため扱いやすい。
【0024】
またこれらの方法は、さらに大きいサイズのタオルにも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る分離可能なタオルを示す平面図。
【図2】同じく、切断部付近の拡大図である。
【符号の説明】
【0026】
1 タオル
2 ステッチ
3 切断部
4 パイル
5 折り返し部分
6 平織り
7 綾織り
8 内側辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめパイルを形成しない部分の適宜位置において、幅方向に平行し近接する2本のステッチを施しておき、このステッチ間を切断部とすることで分離可能にしたタオル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−263412(P2006−263412A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121541(P2005−121541)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(505145714)
【Fターム(参考)】