説明

切替弁カートリッジ及び切替弁装置

【課題】ディスク弁やその関連部品を含む弁機構を一体的に組付けてカートリッジ化することにより、原水・浄水切替弁装置を含む各種の切替弁装置の本体ケース内に着脱自在に組付けて、ディスク弁等の弁機構を単体で簡単に交換することができるようにする。
【解決手段】切替弁カートリッジは、ハンドル50により可動ディスク131を回動して可動ディスク131の通水孔132a,132bを固定ディスク133の3対の通水孔134a,134b,135a,135b,136a,136bのいずれかの対と選択的に連通することにより、原水流入口からの流水が可動ディスク131の通水孔132a,132bから対応する固定ディスク133の通水孔を介して、当該固定ディスク131の通水孔に連通する通水路171a,171b,172a,172b,173a,173bに流入し、当該通水路を経て対応する水流出口24b,24c,32に流入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切替コック等の切替弁装置に内蔵されて複数段階の弁切換動作を行い、同切替弁装置内で複数の流路を形成して、同切替弁装置による流水の流路切替動作を可能とする切替弁カートリッジ、及び、同切替弁カートリッジを内蔵した切替弁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
切替弁装置としては、例えば、水栓の吐水口に着脱自在に装着されるもの切替弁(切替コックとも言う)がある。この切替弁は、例えば、ハンドルにより原水ストレート吐水用の原水ストレート位置と、原水シャワー吐水用の原水シャワー位置と、浄水吐水用の浄水位置との間で切替自在とされ、3方向の流路(原水ストレート用流路、原水シャワー用流路、浄水用流路)を選択的に切替自在な三方弁として具体化される。或いは、切替弁は、特許文献1(特開2004−346958号公報)に記載のように、4方向の流路(原水ストレート用流路、原水シャワー用流路、浄水ストレート用流路、浄水シャワー用流路)を選択的に切替自在な四方弁として具体化されたり、特許文献2(特開2007−309333号公報)に記載のように、5方向の流路を選択的に切替自在な五方弁として具体化されたり、逆に、特許文献3(特開2000−266199号公報)に記載のように、2方向の流路を選択的に切替自在な二方弁として具体化されたりする。即ち、切替弁は、2方向以上の流路を選択的に切替自在なものとして具体化することができる。更に、切替弁に接続する外部給水装置は、一般的には浄水器であるが、それ以外にも、食器洗浄機等の浄水器以外の装置とすることもできる。なお、一般に、これら切替弁の弁機構は、流路の数に対応して球状弁体と弁座とを設け、球状弁体を弁座から離間させたり弁座に着座させたりして流路の開閉を行ったり、流路の数に対応して円筒状弁体に複数の弁孔を設け、円筒状弁体を周方向に回動する対応する弁座の弁孔との連通及び連通遮断を行って、流路の切替を行っている。
【0003】
一方、従来、球状弁体等の代わりに、セラミックディスクを使用した弁機構も提案されている。例えば、特許文献4(特開平7−229572号公報)には、セラミック製ディスクを用いた三方弁が開示されている。この三方弁は、同文献の要約に記載のように、円柱状弁本体に、流入路と第1の流出路とを不連続状に設け、この第1の流出路に直交して第2の流出路を設け、この第2の流出路の奥を弁室にし、この弁室に固定、可動のセラミック製ディスク弁を設け、このディスク弁で流入路と第1または第2の流出路に連通して切換える三方弁としている。また、この三方弁は、前記ディスク弁の可動ディスクの外周に係止され、かつ、円柱状弁本体の外周で回転するハンドルを設け、このハンドルにより、前記切換えをすることにより、ディスクの通水口が大きくとれ、しかも軸方向にハンドルがないので、三方弁がコンパクトになると記載されている。
【特許文献1】特開2004−346958号公報
【特許文献2】特開2007−309333号公報
【特許文献3】特開2000−266199号公報
【特許文献4】特開平7−229572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、セラミックディスクを使用した弁機構を備える切替弁装置は、全体をコンパクトに設計できる等の利点を有するため好ましいものであるが、セラミックディスクからなる固定ディスク及び可動ディスクは、使用に伴う摺動摩擦により摺動面が磨耗するため、一定期間を経過すると所期の弁機能を発揮しなくなる。この場合、固定ディスクまたは可動ディスクの少なくとも一方に磨耗等による交換の必要が生じた場合でも、当該交換する必要のある固定ディスクまたは可動ディスクのみを交換することは非常に困難であり、切替弁装置全体を交換する必要がある。具体的には、特許文献4の三方切替弁の場合、その段落0008〜0013に記載のように、弁本体には、軸直交方向に、流入側ジョイント部と第1の流出側ジョイント部とが螺着すると共に、軸方向の片側には第2の流出側ジョイント部が螺着し、第1及び第2の流出側ジョイント部が互いに直交している。第2の流出側ジョイント部の奥側は、ディスク弁の弁室とされている。ディスク弁はセラミック製であって、固定ディスクと可動ディスクとがグリ−ス等を塗布して重合されている。固定ディスクの可動ディスクとの摺動面側には、固定ディスクの中心を点対称として対向するよう、扇形の流入側通水口及び扇形の流出側通水口が開口している。また、固定ディスクの反摺動面側には、カラーパッキンを収容するパッキン凹部と、2つのバネ受筒をそれぞれ収容する筒凹部とが、それぞれ凹設されている。パッキン凹部には、前記2つの通水口の一方が開口している。また、各バネ受筒には圧縮形コイルバネが収容されている。このコイルバネは、バネ受筒と、前記弁本体に凹設されたバネ受筒用凹部とをバネ受としている。可動ディスクは、その外輪側面ラインで軽く摺動するリブ壁板をもつ車輪状に構成され、仕切られた通水口が開口されている。即ち、可動ディスクの摺動面側には、前記固定ディスクの流入側通水口の開口部を囲む大きさの扇形状仕切壁が設けられ、この仕切壁内に、第2の流出部側ジョイント部と連通する1つの通水口が開口されている。そして、この仕切壁によって第1または第2の流出側ジョイント部への切換えをする。この可動ディスクの外周面の対向する位置には、軸方向に延びる2つの係合溝が設けられている。これらの係合溝には、2つ割りのツマミ型ハンドルの足が、弁本体に設けた切欠を介して挿入され、このツマミ型ハンドルを90度の範囲で回転させることにより、弁切換えを行う。
【0005】
このように、特許文献4の三方切替弁は、ディスク弁(固定ディスク及び可動ディスク)周辺の構造が精密であり、その組付けに精度を要するため、一旦製品として組み立てられた後は、再度各部品を分解して再組立することは非常に困難である。その結果、弁機構乃至流路の分岐構造を構成する固定ディスク若しくは可動ディスクまたはその関連部品が、三方切替弁の使用に伴って磨耗、劣化、破損等した場合でも、三方切替弁を分解して当該部品のみを交換することは非常に困難であり、三方切替弁自体を交換する必要がある。また、セラミックディスクの場合、固定ディスクと可動ディスクとの間の摺動面に水中のごみ等の小異物が挟持されることがあり、この場合、固定ディスクと可動ディスクとの間の摺動面での水密構造が崩れて、ディスク弁周辺への水漏れを生じたり、或いは、固定ディスクまたは可動ディスクの摺動面に傷が付き、やはりそれらの摺動面での水密構造が崩れて、ディスク弁周辺への水漏れを生じたりすることが考えられる。しかし、この場合でも、特許文献4の三方切替弁は、固定ディスクや可動ディスクを交換することが困難であり、はやり、三方切替弁全体を交換する必要がある。
【0006】
また、特許文献4の三方切替弁は、ディスク弁(固定ディスク及び可動ディスク)周辺の構造が精密であり、その組付けに精度を要するため、一旦製品として組み立てられた後は、再度各部品を分解して再組立することは非常に困難である。その結果、弁機構を構成する固定ディスク若しくは可動ディスクまたはその関連部品が、三方切替弁の使用に伴って磨耗、劣化、破損等した場合でも、三方切替弁を分解して当該部品のみを交換することは非常に困難であり、三方切替弁自体を交換する必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、ディスク弁やその関連部品を含む弁機構を一体的に組付けてカートリッジ化することにより、原水・浄水切替弁装置を含む各種の切替弁装置の本体ケース内に着脱自在に組付けて、ディスク弁等の弁機構を単体で簡単に交換することができる切替弁カートリッジ、及び、かかる切替弁カートリッジを組付けた切替弁装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る切替弁カートリッジは、ケース状の切替弁装置本体に、水流入口と、複数の水流出口と、装着口とを形成してなる切替弁装置用の切替弁カートリッジである。切替弁カートリッジは、前記切替弁装置本体の装着口から軸方向に挿入して内装され、前記装着口に水密に着脱自在とされたカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の内部に装着されるセラミックディスクからなる弁機構と、前記カートリッジ本体に装着されて、前記弁機構を外部から弁操作するハンドルとを備える。また、前記カートリッジ本体は、一端(上流端)を外部に開口した流入路と、前記流入路の下流側で当該流入路と連通する弁室と、前記弁室の下流側で当該弁室とそれぞれの一端(上流端)が連通すると共にそれぞれの他端(下流端)が外部に開口する複数の通水路とを有し、前記複数の通水路を前記切替弁装置本体の複数の水流出口の数に応じて形成している。更に、前記カートリッジ本体は、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記流入路の一端の開口を前記切替弁装置本体の水流入口と(Oリング等によるシールにより)水密に連通して当該水流入口からの流水を内部に導入して前記弁室に通水すると共に、前記複数の通水路の他端の開口を前記切替弁装置の水流出口の一端(上流端)の開口にそれぞれ水密に連通してそれぞれの水流出口へ通水自在である。また、前記弁機構は、前記カートリッジ本体の弁室に同軸上に装着される可動ディスク及び固定ディスクを有している。また、前記可動ディスクは、少なくとも1個の通水孔を貫通形成している。更に、前記固定ディスクは、少なくとも前記通水路の数と同一数の通水孔を周方向に所定角度を置いて貫通形成すると共に、当該複数の通水孔を前記カートリッジ本体の複数の通水路の一端の開口(上流端)と対向配置して(連通状態で)装着されている。また、前記ハンドルは前記可動ディスクに作動連結され、前記可動ディスクを回動自在である。そして、前記ハンドルにより前記可動ディスクを回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの複数の通水孔のいずれか1つと選択的に連通することにより、前記流入路からの流水が当該可動ディスクの通水孔から対応する当該固定ディスクの通水孔を介して、当該固定ディスクの通水孔に連通する前記通水路内に流入し、当該通水路を経て対応する前記水流出口に流入するようにしている。
【0009】
請求項2に係る切替弁カートリッジは、請求項1の構成において、切替弁装置本体に、1つの水流入口と、前記複数の水流出口としての第1の水流出口(原水吐水口等)及び第2の水流出口(浄水器用給水口等)とを有し、前記水流入口と前記第1の水流出口とを同軸上に配置すると共に、前記第2の水流出口を前記水流入口と第1の水流出口との間の空間と重ならない位置に配置した切替弁装置に適用することができる。この場合、好ましくは、切替弁装置本体の第2の水流出口は、第1の水流出口に対して前記切替弁カートリッジの挿入方向乃至軸方向に離間した位置に配置する。一方、切替弁カートリッジの前記カートリッジ本体は、前記第1の水流出口及び第2の水流出口と対応して、前記複数の通水路としての第1の通水路及び第2の通水路を有している。また、前記カートリッジ本体は、前記水流入口と前記第1の水流出口とを結ぶ軸(水流入口からの流水方向)と交差し(好ましくは直交し)、かつ、前記第2の水流出口の軸(第2の水流出口への流水方向)と交差するよう(好ましくは直交するよう)前記切替弁装置本体の内部に挿入して装着されている。更に、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から軸方向に所定距離を置いた位置(例えば、基端側の所定幅の部位)に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状(乃至リング溝状)の流路溝を有すると共に、前記第1の通水路の他端の開口を前記流路溝の底面で開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記流路溝の幅方向両側部(例えば、両側のOリング溝内のOリング)を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記流路溝を前記第1の水流出口と連通する(一部が対向配置される)。また、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における先端面で前記第2の通水路の他端の開口を開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第2の通水路の先端の開口を(装置本体の奥側の直交空間である通水路等を介して)前記第2の水流出口と連通する。また、前記固定ディスクは、前記カートリッジ本体の第1の通水路の一端の開口と対向配置される第1の通水孔と、前記カートリッジ本体の第2の通水路の一端の開口と対向配置される第2の通水孔とを有している。そして、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第1の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第1の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1の通水孔に連通する前記第1の通水路内に流入し、当該第1の通水路から前記流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにしている。また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第2の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第2の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2の通水孔に連通する前記第2の通水路内に流入し、当該第2の通水路を経て対応する前記第2の水流出口に流入するようにしている。この構成は、二方切替弁等の構成として好適である。
【0010】
請求項3に係る切替弁カートリッジは、請求項1の構成において、前記切替弁装置本体として、前記水流入口としての第1の水流入口(原水流入口等)と、前記複数の水流出口の一つとしての第1の水流出口(吐水口等)と、前記複数の水流出口の他の一つとしての外部給水装置(浄水器や活水器・整水器等の水処理装置、食器洗浄機等の水利用装置等)用の第2の水流出口(浄水器用の給水口等)とを有すると共に、更に、前記第2の水流出口から前記外部給水装置を経て還流した水(浄水等)を導入するための第2の水流入口を有したものに適用することができる。この場合、前記切替弁装置本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを同軸上に配置すると共に、前記第2の水流出口を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重ならない(連通しない)位置に配置し、更に、前記第2の水流入口を(好ましくは、前記第2の水流出口と隣接する位置で)前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重なる(連通する)位置に配置する。また、前記カートリッジ本体は、前記第1の水流出口及び第2の水流出口と対応して、前記複数の通水路としての第1の通水路及び第2の通水路をそれぞれ有している。更に、前記カートリッジ本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを結ぶ軸(水流入口からの流水方向)と交差し(好ましくは直交し)、かつ、前記第2の水流出口の軸(第2の水流出口への流水方向)と交差し(好ましくは直交し)、かつ、前記第2の水流入口の軸(第2の水流入口からの流水方向)と交差するよう(好ましくは直交するよう)前記切替弁装置本体の内部に挿入して装着されている。また、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から軸方向に所定距離を置いた位置(例えば、基端側の所定幅の部位)に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状(乃至リング溝状)の第1の流路溝を有すると共に、前記第1の通水路の他端の開口を前記第1の流路溝の底面で開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第1の流路溝の幅方向両側部(両側のOリング溝内のOリング等)を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第1の流路溝を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間(少なくともその一部)を介して前記第1の水流出口と連通している(少なくとも一部が対向配置される)。また、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から前記第1の流路溝よりも更に軸方向に所定距離を置いた位置(例えば、先端側の所定幅の部位)に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状(乃至リング溝状)の第2の流路溝を有すると共に、前記第2の通水路の他端の開口を前記第2の流路溝の底面で開口しており、前記第2の流路溝の幅方向両側部(両側のOリング溝内のOリング等)を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第2の流路溝を前記第2の水流出口と連通している。また、前記固定ディスクは、前記カートリッジ本体の第1の通水路の一端の開口と対向配置される第1の通水孔と、前記カートリッジ本体の第2の通水路の一端の開口と対向配置される第2の通水孔とを有している。そして、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第1の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第1の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1の通水孔に連通する前記第1の通水路内に流入し、当該第1の通水路から前記第1の流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにしている。また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第2の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第2の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2の通水孔に連通する前記第2の通水路内に流入し、当該第2の通水路から前記第2の流路溝を経て対応する前記第2の水流出口に流入した後、前記第2の水流出口から前記外部給水装置を経て前記第2の水流入口に還流し、前記第2の水流入口と対応する(前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間(少なくともその一部)を介して重なる位置にある)前記第1の流路溝を経て前記第1の水流出口から流出するようにしている。
【0011】
請求項4に係る切替弁カートリッジは、請求項1の構成において、前記切替弁装置本体として、前記水流入口としての第1の水流入口(原水流入口等)と、前記複数の水流出口の一つとしての第1の水流出口(ストレート吐水口等)と、前記複数の水流出口の他の一つとしての第2の水流出口(シャワー吐水口等)と、前記複数の水流出口の他の一つとしての外部給水装置(浄水器や活水器・整水器等の水処理装置、食器洗浄機等の水利用装置等)用の第3の水流出口(浄水器用の給水口等)とを有すると共に、更に、前記第3の水流出口から前記外部給水装置を経て還流した水(浄水等)を導入するための第2の水流入口を有するものに適用することができる。この場合、前記切替弁装置本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを同軸上に配置すると共に、前記第1の水流入口と前記第2の水流出口とを前記第1の水流出口に隣接して(例えば、第2の水流出口の周囲に)同軸上に配置し、更に、前記第3の水流出口を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重ならない位置に配置し、更に、前記第2の水流入口を(例えば、前記第3の水流出口と隣接する位置で)前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重なる位置に配置する。また、前記カートリッジ本体は、前記第1の水流出口、第2の水流出口及び第3の水流出口と対応して、前記複数の通水路としての第1の通水路、第2の通水路及び第3の通水路をそれぞれ有している。更に、前記カートリッジ本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを結ぶ軸と交差し、かつ、前記第2の水流出口の軸と交差し、かつ、前記第2の水流入口の軸と交差するよう、前記切替弁装置本体の内部に挿入して装着される。また、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第1の流路溝を有すると共に、前記第1の通水路の他端の開口を前記第1の流路溝の底面で開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第1の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第1の流路溝を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間を介して前記第1の水流出口と連通する。また、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から前記第1の流路溝よりも更に軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第2の流路溝を有すると共に、前記第2の通水路の他端の開口を前記第2の流路溝の底面で開口しており、前記第2の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第2の流路溝を前記第2の水流出口と連通する。また、前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から前記第2の流路溝よりも更に軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状(乃至リング溝状)の第3の流路溝を有すると共に、前記第3の通水路の他端の開口を前記第3の流路溝の底面で開口し、前記第3の流路溝の幅方向両側部(両側のOリング溝内のOリング等)を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第3の流路溝を前記第3の水流出口と連通し、または、その挿入方向における先端面で前記第3の通水路の他端の開口を開口し、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第3の通水路の先端の開口を(例えば、切替弁装置本体の奥側の直交空間等を介して)前記第3の水流出口と連通する。また、前記固定ディスクは、前記カートリッジ本体の第1の通水路の一端の開口と対向配置される第1の通水孔と、前記カートリッジ本体の第2の通水路の一端の開口と対向配置される第2の通水孔と、前記カートリッジ本体の第3の通水路の一端の開口と対向配置される第3の通水孔とを有している。そして、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第1の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第1の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1の通水孔に連通する前記第1の通水路内に流入し、当該第1の通水路から前記第1の流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにしている。また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第2の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第2の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2の通水孔に連通する前記第2の通水路内に流入し、当該第2の通水路から前記第2の流路溝を経て対応する前記第2の水流出口に流入するようにしている。また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第3の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第3の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第3の通水孔を介して、当該固定ディスクの第3の通水孔に連通する前記第3の通水路内に流入し、当該第3の通水路から対応する前記第2の水流出口に流入した後、前記第2の水流出口から前記外部給水装置を経て前記第2の水流入口に還流し、前記第2の水流入口と対応する前記第1の流路溝を経て前記第1の水流出口から流出するようにしている。
【0012】
請求項5に係る切替弁カートリッジは、請求項1の構成において、前記カートリッジ本体は、前記複数の通水路を内部に有する略円筒状(乃至蓮根状)をなすと共に、その周方向における一方の180度の角度範囲に、前記複数の通水路を一定角度間隔(180度をその数で除した角度間隔)で配置している(好ましくは、各通水路は軸方向に沿って互いに平行に延びる)。また、前記カートリッジ本体は、更に、その周方向における他方の180度の角度範囲に、(好ましくは、その中心に関して前記複数の通水路と点対称となるよう)前記複数の通水路と同数の追加の通水路を前記複数の通水路の一定角度間隔と同一の一定角度間隔で形成し、前記複数の通水路の各々と前記追加の複数の通水路の各々とが前記周方向に180度離間して(好ましくは点対称となって)互いに対をなすようにしている。更に、前記複数の追加の通水路は、(好ましくは、前記複数の通水路とそれぞれが点対称となるよう)前記弁室の下流側で当該弁室とそれぞれの一端(上流端)が連通すると共にそれぞれの他端(下流端)が外部に開口している。また、前記可動ディスクは、その周方向に180度離間した位置に(好ましくは、点対称となるよう)一対の通水孔を形成している。また、前記固定ディスクは、その周方向において前記カートリッジ本体の一方の180度の角度範囲と対応する一方の180度の角度範囲に、前記複数の通水路とそれぞれ対応する複数の通水孔を、前記複数の通水路と同一の一定角度間隔で形成している。また、前記固定ディスクは、更に、その周方向において前記カートリッジ本体の他方の180度の角度範囲と対応する他方の180度の角度範囲に、前記追加の複数の通水路とそれぞれ対応する同数の追加の通水孔を、前記複数の追加の通水路と同一の一定角度間隔で形成して、前記複数の通水孔の各々と前記追加の複数の通水孔の各々とが前記周方向に180度離間して(好ましくは、点対称となって)互いに対をなすようにしている。また、前記ハンドルは、前記可動ディスクを正逆方向にそれぞれ360度以上回動自在(無限に連続周回可能)である。そして、前記ハンドルにより前記可動ディスクを回動して当該可動ディスクの通水孔の一方を前記固定ディスクの複数の通水孔のいずれか1つと選択的に連通することにより、前記可動ディスクの他方の通水孔が前記固定ディスクの追加の通水孔のうち前記連通した通水孔と対をなす追加の通水孔とも連通するようにし、これにより、前記流入路からの流水が当該可動ディスクの一対の通水孔から対応する当該固定ディスクの対をなす通水孔及び追加の通水孔を介して、当該固定ディスクの対をなす通水孔及び追加の通水孔にそれぞれ連通する前記対をなす通水路内に流入(上流端の開口から内部に流入)し、当該対をなす通水路を経て(各通水路の下流端の開口から)対応する前記水流出口(上流端の開口)に流入するようにしている。
【0013】
請求項6に係る切替弁カートリッジは、請求項4の構成において、前記カートリッジ本体が、前記複数の通水路を内部に有する略円筒状をなすと共に、その周方向における一方の180度の角度範囲に、前記第1、第2及び第3の通水路を60度間隔で配置している。また、前記カートリッジ本体は、更に、その周方向における他方の180度の角度範囲に、前記第1、第2及び第3の通水路と点対称となるよう、前記第1、第2及び第3の通水路と同数の追加の通水路としての第4、第5及び第6の通水路を前記第1、第2及び第3の通水路の一定角度間隔と同一の60度間隔で形成し、前記第1の通水路と前記第4の通水路、前記第2の通水路と前記第5の通水路及び前記第3の通水路と前記第6の通水路の通水路が、それぞれ、前記周方向に180度離間して点対称となって互いに対をなすようにしている。また、前記カートリッジ本体は、更に、前記第4、第5及び第6の通水路をそれぞれの一端が前記弁室の下流側で当該弁室と連通するようにしいている。また、前記カートリッジ本体は、更に、前記第4の通水路の他端の開口を前記第1の流路溝において前記第1の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第1及び第4の通水路の先端の開口を前記第1の水流出口と連通するようにしている。また、前記カートリッジ本体は、更に、前記第5の通水路の他端の開口を前記第2の流路溝において前記第2の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第2及び第5の通水路の先端の開口を前記第2の水流出口と連通するようにしている。また、前記カートリッジ本体は、更に、前記第6の通水路の他端の開口が前記第3の流路溝において前記第1の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第3及び第6の通水路の先端の開口を前記第3の水流出口と連通するよう、または、その挿入方向における先端面で前記第6の通水路の他端の開口が前記第3の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第3及び第6の通水路の先端の開口を前記第3の水流出口と連通するようにしている。また、前記可動ディスクは、その周方向に180度離間した位置に点対称となるよう対をなす第1及び第2の通水孔を形成している。また、前記固定ディスクは、その周方向において前記カートリッジ本体の一方の180度の角度範囲と対応する一方の180度の角度範囲に、前記第1、第2及び第3の通水路とそれぞれ対応する第1、第2及び第3の通水孔を、前記第1、第2及び第3の通水路と同一の60度間隔で形成している。また、前記固定ディスクは、更に、その周方向において前記カートリッジ本体の他方の180度の角度範囲と対応する他方の180度の角度範囲に、前記第4、第5及び第6の通水路とそれぞれ対応する同数の追加の通水孔としての第4、第5及び第6の通水孔を、前記第4、第5及び第6の通水路と同一の60度間隔で形成して、前記第1の通水孔と前記第4の通水孔、前記第2の通水孔と前記第5の通水孔及び前記第3の通水孔と前記第6の通水孔が、それぞれ、前記周方向に180度離間して点対称となって互いに対をなすようにしている。また、前記ハンドルは、前記可動ディスクを正逆方向にそれぞれ60度間隔で無限に回動自在である。そして、前記ハンドルにより前記可動ディスクを60度間隔で回動して当該可動ディスクの第1の通水孔を前記固定ディスクの第1、第2または第3の通水孔のいずれかと選択的に連通することにより、前記可動ディスクの第2の通水孔が前記固定ディスクの第4、第5及び第6の通水孔うち前記連通した通水孔と対をなす通水孔とも連通して、当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔の対が前記固定ディスクの第1の通水孔と第4の通水孔、第2の通水孔と第5の通水孔または第3の通水孔と第6の通水孔のいずれかの対と選択的に連通するようにしている。また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔を前記固定ディスクの第1及び第4の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの第1及び第2の通水孔から前記固定ディスクの第1及び第4の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1及び第4の通水孔に連通する前記第1及び第4の通水路内に流入し、当該第1及び第4の通水路から前記第1の流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにしている。また、また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔を前記固定ディスクの第2及び第5の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの第1及び第2の通水孔から前記固定ディスクの第2及び第5の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2及び第5の通水孔に連通する前記第2及び第5の通水路内に流入し、当該第2及び第5の通水路から前記第2の流路溝を経て対応する前記第2の水流出口に流入するようにしている。また、また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第3の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔を前記固定ディスクの第3及び第6の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの第1及び第2の通水孔から前記固定ディスクの第3及び第6の通水孔を介して、当該固定ディスクの第3及び第6の通水孔に連通する前記第3及び第6の通水路内に流入し、当該第3及び第6の通水路から対応する前記第3の水流出口に流入した後、前記第3の水流出口から前記外部給水装置を経て前記第2の水流入口に還流し、前記第2の水流入口と対応する前記第1の流路溝を経て前記第1の水流出口から流出するようにしている。
【0014】
請求項7に係る切替弁カートリッジは、請求項1乃至6のいずれかの構成において、前記カートリッジ本体が、その軸方向の一端側(上流側)の略半部を構成する流入側本体と、その軸方向の他端側(下流側)の略半部を構成する流出側本体とからなる。また、前記流入側本体及び流出側本体は、それらの対向端に、凹部状の係合部及び凸部状の係止部をそれぞれ形成すると共に、前記係止部は前記係合部の凹部形状に応じて当該係合部内に弾性的に嵌合して着脱自在に係止される凸部状をなし、前記流入側本体と流出側本体とは前記係合部への前記係止部の係止によって互いに連結自在であり、その連結状態で前記弁室を内部に形成している。また、前記ハンドルには、更に、前記流入側本体の内部を軸方向に延びる栓棒が一体的に回動するよう固定されると共に、前記栓棒の先端には、略円盤状の操作盤が一体的に回動するよう固定されている。また、前記操作盤は、前記可動ディスクに対して軸方向に着脱自在に嵌合されて、前記可動ディスクの前記固定ディスクとの摺接面と反対側の面である非摺接面側で当該可動ディスクを周方向に係止して固定する可動ディスク用の係止部を有している。また、前記流出側本体は、前記固定ディスクを軸方向に着脱自在に嵌合して、前記固定ディスクの通水孔を対応する前記通水路に対向配置した状態で、当該固定ディスクをその一端に係止して(好ましくは、シール部材としての止水パッキンを介して水密に)周方向に固定する(軸方向には着脱自在とする)固定ディスク用の係止部を有している。そして、前記可動ディスクを前記操作盤に前記可動ディスク用の係止部を介して固定すると共に、前記固定ディスクを前記流入側本体の一端に前記固定ディスク用の係止部を介して係止した状態で、前記流入側本体と流出側本体とを互いに連結することにより、全体が一体化されてカートリッジ化され、前記可動ディスク及び前記固定ディスクからなる前記弁機構が前記流入側本体内の前記弁室に収容されるようにしている。これにより、可動セラミック及び固定セラミックが分解可能となり、カートリッジ本体に対して分解及び再組付可能となる。
【0015】
請求項8に係る切替弁カートリッジは、請求項4または6の構成において、前記カートリッジ本体が、その軸方向の一端側の略半部を構成する流入側本体と、その軸方向の他端側の略半部を構成する流出側本体とからなり。また、前記流入側本体及び流出側本体は、それらの対向端に、凹部状の係合部及び凸部状の係止部をそれぞれ形成すると共に、前記係止部は前記係合部の凹部形状に応じて当該係合部内に弾性的に嵌合して着脱自在に係止される凸部状をなし、前記流入側本体と流出側本体とは前記係合部への前記係止部の係止によって互いに連結自在であり、その連結状態で前記弁室を内部に形成している。また、前記ハンドルには、更に、前記流入側本体の内部を軸方向に延びる栓棒が一体的に回動するよう固定されると共に、前記栓棒の先端には、略円盤状の操作盤が一体的に回動するよう固定されている。また、前記操作盤は、前記可動ディスクに対して軸方向に着脱自在に嵌合されて、前記可動ディスクの前記固定ディスクとの摺接面と反対側の面である非摺接面側で当該可動ディスクを周方向に係止して固定する可動ディスク用の係止部を有している。また、前記流出側本体は、前記固定ディスクを軸方向に着脱自在に嵌合して、前記固定ディスクの通水孔を対応する前記通水路に対向配置した状態で、当該固定ディスクをその一端に係止して周方向に固定する固定ディスク用の係止部を有している。そして、前記可動ディスクを前記操作盤に前記可動ディスク用の係止部を介して固定すると共に、前記固定ディスクを前記流入側本体の一端に前記固定ディスク用の係止部を介して係止した状態で、前記流入側本体と流出側本体とを互いに連結することにより、全体が一体化されてカートリッジ化され、前記可動ディスク及び前記固定ディスクからなる前記弁機構が前記流入側本体内の前記弁室に収容されるようにしている。また、前記ハンドルには、更に、一体的に回動する(例えば歯車状の)環状部材が前記栓棒の基端側に同軸上となるよう固定されると共に、前記環状部材は、その外周面に、前記固定ディスクの通水孔の配置角度間隔と同一の一定角度間隔で前記通水孔の数と同一数の係合凹部を形成し、当該係合凹部をそれぞれ前記通水孔と同一角度位置に配置するよう前記ハンドルに固定されている。また、前記流入側本体は、前記環状部材の各係合凹部と弾性的に係合する球状部材を前記環状部材と当接状態で内装している。そして、前記ハンドルを正逆方向に回動することにより、前記固定ディスクの配置角度間隔ごとに前記球状部材が前記環状部材の各係合凹部と弾性的に当接して、前記可動ディスクを前記固定ディスクの配置角度間隔ごとにクリック感を付与しつつ位置決めするようにしている。
【0016】
請求項9に係る切替弁装置は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の切替弁カートリッジを前記切替弁装置本体に内装してなる切替弁装置である。前記切替弁装置本体は、前記水流入口と、前記第1の水流出口と、前記第2の水流出口と、前記装着口とを一体的に設けた本体基部と、前記本体基部と別体で形成され、前記第3の水流出口と前記第2の水流入口とを一体的に設けた外部用連結部材(浄水用連結部材等)とを有している。また、前記切替弁カートリッジは、その基端部の外周に雄螺子を形成している。また、前記基部本体は、前記切替弁カートリッジの雄螺子と螺合する雌螺子を前記装着口の内周面に形成して、前記切替弁カートリッジを螺入または螺退することにより前記装着口に対して装着及び取り外し自在としている。また、前記本体基部は、前記外部用連結部材の第3の水流出口と前記第2の水流入口に対向する位置に当該第3の水流出口及び前記第2の水流入口に対向する外部用開口を有している。そして、前記外部用連結部材は、前記基部本体の外部用開口に前記第3の水流出口及び第2の水流入口を対向配置した状態で、前記基部本体に螺着されて着脱自在に固定される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の切替弁カートリッジ及び切替弁装置によれば、ディスク弁やその関連部品を含む弁機構を一体的に組付けてカートリッジ化することにより、原水・浄水切替弁装置を含む各種の切替弁装置の本体ケース内に着脱自在に組付けて、ディスク弁等の弁機構を単体で簡単に交換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その重複する説明は省略する。
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係る切替弁装置について説明する。図1〜図7に示すように、本実施の形態の切替弁装置は、三方弁としての切替コックに具体化され、切替弁装置本体としてのコック本体10を備える。コック本体10は、例えばABS樹脂等の合成樹脂から左右方向に延びるケース状となるよう形成された本体基部11を有している。図7に示すように、本体基部11の上側面の略中央には、吐水パイプ(図示略)先端の吐水口を取付けるための短円筒状の流入部12が一体形成されている。流入部12の内部底面はフランジ状に内方に張り出し形成され、その内周縁により原水流入孔12aが形成されて、基部本体11の内部空間と連通している。なお、流入部12の内周面には雌螺子12xが形成されている。一方、本体基部11の下側面(底面)の略中央には、前記流入部12と同軸上となる短円筒状の流出部13が一体形成されている。図14に示すように、流出部13の内部は、小径の短円筒状の隔壁13cにより、中心部に形成される円柱状の第1の吐水空間13aと、第1の吐水空間13aの外周側に形成されるリング状の第2の吐水空間13bとに区画されている。なお、流出部13の外周面には雄螺子13xが形成されている。一方、図7に示すように、本体基部11の後側面(背面)には、左右に延びる長円形状または小判形状の取付部14が設けられている。取付部14の長さ方向の一方側(基部本体11の軸方向他端側)には、円形の浄水器用給水孔14aが形成されると共に、取付部14の長さ方向の他方側(基部本体11の軸方向一端側)には、円形の浄水流入孔14bが形成されて、それぞれ、基部本体11の内部空間と連通している。また、取付部14の長さ方向両端部及び中央部(浄水器用給水孔14aと浄水流入孔14bとの間)には、それぞれ、ねじ孔14xが形成されている。一方、本体基部11の右側面(基部本体11の軸方向一端側の側面)には、短円筒状の装着部15が一体形成されている。装着部15の内周面により装着口15aが形成されて、基部本体11の内部空間と連通している。装着部15の内周面には雌螺子15xが形成されている。
【0020】
前記流入部12の内部底面上には、ストレーナ21及びパッキン22が順に載置して収容されている。また、流入部12の雌螺子12xには、取付ナット23の内周側に形成した雄螺子(図示略)を螺合することにより、取付ナット23を介して流入部12に吐水パイプの吐水口を着脱自在に取付けるようになっている。なお、パッキン22の中心には通水孔22aが形成されると共に、取付ナット23の内周面により第1の水流入口としての原水流入口23aが形成され、図5にも示すように、取付ナット23の原水流入口23a、パッキン22の通水孔22a、ストレーナ21及び原水流入孔12aを介して、吐水パイプからの原水が本体基部11内に流入するようになっている。一方、前記流出部13の内部の隔壁13c上には、Oリング25及び泡沫内芯26が順に載置して収容されると共に、流出部13の雄螺子13xには、吐水口24が雌螺子24xを螺合して着脱自在に取り付けられるようになっている。図6にも示すように、吐水口24は、大径リング状の外周壁24aの下端と小径リング状の内周壁24bの下端とを円盤リング状の底壁24cにより連結したものである。底壁24cには全体にわたって均一な密度で多数の小孔24dが貫通形成されている。なお、内周壁24bの内部空間によりストレート吐水空間が形成されると共に、内周壁24bの下端の円形開口により第1の水流出口としてのストレート吐水口が形成されるが、このとき、内周壁24b内には泡沫内芯26が装着されており、ストレート吐水口(内周壁)24bからの吐水は泡沫内芯26による泡沫吐水となる。また、外周壁24aと内周壁24bとの間の内部空間により、シャワー吐水空間が形成されると共に、底壁24cにより第2の水流出口としてのシャワー吐水口が形成されている。
【0021】
一方、前記取付部14には、外部用連結部材としての浄水用連結部材30が着脱自在に取り付けられる。浄水用連結部材30は、図8にも示すように、前記取付部14と同一外形の長円形状乃至小判形状をなす支持部31を有している。支持部31の左右両端部及び中央部には、前記取付部14のねじ孔14xと整合する位置に、それぞれ、対応する小径の挿通孔31xが形成されている。また、支持部31の外側面の左右両側において前記取付部14の浄水器用給水孔14aと浄水流入孔14bと対応する位置には、それぞれ、プラグ筒状の浄水器用給水部32及び浄水流入部33が、浄水器用給水孔14aと浄水流入孔14bと同軸となるよう外方に突出して一体形成されている。なお、浄水器用給水部32及び浄水流入部33の基端側の外周面には、それぞれ、雄螺子32x及び雄螺子33xが形成されている。更に、支持部31の内側面の左右両側において取付部14の浄水器用給水孔14aと浄水流入孔14bと対応する位置には、それぞれ、短円筒状の給水孔挿着部34及び流入孔挿着部35が浄水器用給水孔14aと浄水流入孔14bと同軸となるよう内方に突出して一体形成されている。そして、給水孔挿着部34及び流入孔挿着部35を、それぞれ、取付部14の浄水器用給水孔14a及び浄水流入孔14bに嵌合することにより、浄水用連結部材30を取付部14に位置決めして装着し、ねじ38を浄水用連結部材30の挿通孔31xから取付部14のねじ孔14xに螺入することにより、浄水用連結部材30を取付部14に着脱自在に取り付けるようになっている。更にまた、浄水器用給水部32及び浄水流入部33の雄螺子32x及び雄螺子33xに、それぞれ、取付ナット36及び取付ナット37の内周側に形成した雌螺子を螺合することにより、取付ナット36及び取付ナット37を介して浄水器用給水部32及び浄水流入部33に浄水器用給水ホース及び浄水用ホース(共に図示略)を接続するようになっている。これにより、取付ナット36の円形開口及び取付ナット37の円形開口により、それぞれ、第3の水流出口としての浄水器用給水口36a及び第2の水流入口としての浄水流入口37aが形成され、当該浄水器用給水口36a及び浄水流入口37aが、浄水器用給水部32及び浄水流入部33の円形開口を介して、本体基部11の内部空間と連通する。
【0022】
一方、本体基部11の装着部15には、本実施の形態の切替弁カートリッジ100が、装着口15aから本体基部11の軸方向に挿入して内装され、装着口15aに水密に着脱自在とされる。即ち、切替弁カートリッジ100は、装着口15aから本体基部11の軸方向に挿入して内装自在な外形を有すると共に、全体として、略円筒状をなす。また、カートリッジ本体100は、流入側本体110と流出側本体としての切替部材150とからなる。詳細には、流入側本体110は、図9に示すように、基部111に略円筒状部113〜118を同軸状に一体形成した形状をなしている。即ち、基部111は、長円形状乃至小判形状のブロック状部分の厚さ方向一側面側(内側面側)を、当該ブロック状部分の長径と同一径で幅方向両側に薄い円盤状となるよう張り出した全体形状を有している。また、基部111のブロック状部分の幅方向両側面111aは、互いに平行な所定幅の平坦面からなり、スパナ状の工具により両側面111aを挟持して流入側本体111を回転自在となっている。また、基部111のブロック状部分の長さ方向両側の円弧面の中央には、それぞれ、その長径方向(略円筒状部113〜118の半径方向)に延びる円形の位置決め孔111bが貫通形成されている。位置決め孔111bの奥側(基部111の中心側)の略半部は挿通孔とされ、手前側(基部111の外周面側)の略半部はねじ孔とされている。更に、基部111の中央には、流入側本体110の軸方向に延びる円形の軸孔111cが貫通形成されている。なお、一対の位置決め孔111bは、図14に示すように、前記軸孔111cの周面で開口している。前記略円筒状部は、基部111の円盤状部分より若干小径の短円筒状部112、基部111の円盤状部分と同一径のリング状のフランジ部113、前記フランジ部113より若干小径(短円筒状部112より大径)の雄螺子部114、雄螺子部114より小径の円筒状部115、円筒状部115より若干大径(雄螺子部114より小径)のリング状のフランジ部116、フランジ部116より若干小径の短円筒状部118、前記フランジ部116と同一径のリング状のフランジ部117を軸方向に(同軸状となるよう)順に配置して一体成形してなるものである。
【0023】
より詳細には、基部111の円盤状部分とフランジ部113との間の短円筒状部112は大径のOリングO(図13及び図14参照)を装着するためのリング溝を形成し、フランジ部116とフランジ部117との間の短円筒状部118は若干小径のOリングO(図13及び図14参照)を装着するためのリング溝を形成している。また、雄螺子部114において基部111のブロック状部分の円弧面と対応する角度位置(角度範囲)、即ち、雄螺子部114の上部及び下部には、それぞれ、周方向に所定角度範囲(例えば、20〜30度)で延びるスリット溝状の水流入開口114aが貫通形成され、流入側本体110の内外の空間を互いに連通している。また、円筒状部115において前記一対の水流入用開口114aから90度の角度位置、即ち、円筒状部115の左右には、それぞれ、周方向に所定角度範囲(例えば、約60度)で延びる円弧スリット状の係合孔115aが貫通形成されている。係合孔115aは、流入側本体110のフランジ部117の端縁から軸方向に所定距離を置いた位置に配置されている。更に、流入側本体110の先端開口であるフランジ部117の円形開口117aの内周面において前記一対の係合孔115aと同一角度位置、即ち、その左右には、それぞれ、周方向に所定角度範囲(例えば、約60度、好ましくは、前記係合孔115aと同一の角度範囲)で延びる円弧溝状の係合凹部117bが形成されている。また、前記基部111の各位置決め孔111bには、位置決め孔111bより若干小径の球状体119a及びコイルばね119bが順に挿入して収容されて前記奥側の挿通孔部分に配置される。更に、各位置決め孔111bのねじ孔部分には、対応する止ねじ119cが螺入され、コイルばね119bを介して球状体111aを弾性的に付勢するようになっている。
【0024】
流入側本体110の内部には、弁操作部材120が収容配置される。弁操作部材120は、歯車状の環状部材121の一端に栓棒122を同軸状に一体形成すると共に、環状部材121の他端に円盤状の操作盤123を同軸となるよう一体的に固着したものである。詳細には、環状部材121の外周面には、軸方向に沿って延びる凹溝状の位置決め溝121aが、合計6個、周方向に等間隔(60度間隔)をおいて形成されている。環状部材121は栓棒122より若干大径となっている。また、栓棒122は、その先端側にスプライン溝を形成する共に、先端には軸方向に延びるねじ孔を形成している。更に、操作盤123は、EPDM等の合成ゴム製のすべりパッキンからなり、流入側本体110の内周面の直径と同一直径を有している。更に、操作盤123の一側面(環状部材121と反対側の側面)には、その周方向に180度の間隔を置いた部位に、それぞれ、浅い半円状乃至扇状の凹部状をなす通水凹部123a及び123bが対をなすよう形成されている。更にまた、操作盤123の一側面において前記一対の通水凹部123a及び123b間の部位の外周部には、その周方向に180度の間隔を置いた位置に、それぞれ、方形ブロック状の係止凸部124が対をなすよう一体形成され、弁操作部材120の軸方向に沿って突出している。一対の係止凸部124は、前記一対の通水凹部123a、123bに対して操作盤123の周方向に90度の間隔をおいた位置に配置される。操作盤123の一対の係止凸部124には、セラミックディスクからなる可動ディスク131が軸方向への着脱自在に装着され、操作盤123と一体的に回動するようになっている。詳細には、可動ディスク131は、操作盤123と同一直径を有する円盤状をなす。また、可動ディスク131の一側面(操作盤123と対向する面)には、操作盤123の係止凸部124をそれぞれ嵌合保持(好ましくは密嵌保持)自在なよう、係止凸部124の外形に対応する方形凹部状をなす一対の係合凹部131aが、その周方向に180度の間隔をおいて形成されている。更に、可動ディスク131には、前記係合凹部131aに対して周方向に90度の間隔を置いた位置に、一対の通水孔132a及び通水孔132bが軸方向に貫通して形成されている。通水孔132a及び132bは、それぞれ、可動ディスク131を周方向に6分割して得られる(中心角60度の)扇形状に対応する(若干小さい半径の)扇形状の断面を有する貫通孔であり、180度の間隔を置いて(可動ディスク131の中心に対して)点対称となるよう配置されている。
【0025】
弁操作部材120は、図13及び図14に示すように、環状部材121と操作盤123との間の軸基端部分の外周にOリングを装着(図示の例では2段のOリングを並設)し、栓棒122側を流入側本体110の円形開口117aから内部に挿入して、栓棒122及び環状部材121を順に基部111の軸孔111cに挿通して、栓棒122の先端側を外部に(軸方向に)突出させると共に、操作盤123の他側面を基部111の軸方向内端面に当接させることにより、流入側本体110の定位置に装着して配置される。このとき、環状部材121と操作盤123との間の軸基端部分の外周にOリングが、基部111の軸孔111cでの水密を維持する。また、このとき、環状部材121が基部111の一対の位置決め孔111bと対向する位置に配置される。そして、この状態で、基部111の各位置決め孔111bに、前記球状体119a及びコイルばね119bを順に挿入して収容し、最後に、止ねじ119cを位置決め孔111bに螺入してコイルばね119bを介して球状体119aを弾性的に付勢することにより、球状体119aが基部111の軸孔111c内の環状部材121の外周面に弾性的に押圧されて当接し、環状部材121の位置決め溝121aと対向したときに当該位置決め溝121a内に弾性的に押圧されてクリック間を付与しつつ位置決め動作を行うようになっている。また、このとき、操作盤123の外周面が、流入側本体110のフランジ部113の内面側にある段差部(軸孔111cから連続する段差部)の内周面に密接すると共に、他側面が基部111の軸方向内端面に密接して、それらの間での水密を維持した状態で、操作盤123が正逆方向に回動自在となる。更に、このとき、操作盤123の通水凹部123a,123bは、常に、少なくともその一部が流入側本体110の水流入開口114aと対向して連通している。そして、この状態で、操作盤123の係止凸部124に可動ディスク131の係合凹部131a,131bを嵌合して可動ディスク131を操作盤123に対して軸方向に装着すると、可動ディスク131が弁操作部材120と同軸上に配置され、かつ、操作盤123の通水凹部123a,123bと可動ディスク131の一側面との間に、前記流入側本体110の水流入開口114aと連通する一対の通水空間が形成される。このとき、可動ディスク131の一対の通水孔131a,131bは、それぞれ、これら一対の通水空間にそれぞれ連通している。
【0026】
可動ディスク131の他側面側には、セラミックディスクからなる固定ディスク133が密接して同軸状に配置される。固定ディスク133は、可動ディスク131と同一直径の円盤状をなす。固定ディスク133には、周方向に等角度間隔を置いて、合計6個の通水孔134a,135a,136a,134b,135b,136bが、それぞれ、軸方向に貫通して形成されている。通水孔134a,135a,136a,134b,135b,136bは、それぞれ、周方向に6分割して得られる(中心角60度の)扇形状に対応する(若干小さい半径の)扇形状の断面を有する貫通孔である。詳細には、図9に示すように、固定ディスク133は、前記通水孔を、第1の原水ストレート通水孔134aと第2の原水ストレート通水孔134bの対、第1の浄水通水孔135aと第2の浄水通水孔135bの対、及び第1の原水シャワー通水孔136aと第2の原水シャワー通水孔136bの対の、合計3対の通水孔として備えている。また、第1の原水ストレート通水孔134aと第2の原水ストレート通水孔134b、第1の浄水通水孔135aと第2の浄水通水孔135b、及び、第1の原水シャワー通水孔136aと第2の原水シャワー通水孔136bは、それぞれ、180度の間隔を置いて(固定ディスク133の中心に対して)点対称となるよう配置されている。固定ディスク133の各対の通水孔134a、134b,135a,135b,136a.136bは、可動ディスク131の一対の通水孔131a,131bと同一の扇状の外形を有し、可動ディスク131を固定ディスク133に対して相対回動することにより、可動ディスク131の一対の通水孔131a,131bが、固定ディスク133の各対の通水孔134a、134b,135a,135b,136a.136bと順に完全に整合して連通するようになっている。固定ディスク133の一側面(可動ディスク131と反対側の面)の外周面には、浅い円弧凹部状をなす一対の係合凹部133aが、その周方向に180度の間隔をおいて形成されている。両係合凹部133aは、それぞれ、前記第1の原水ストレート通水孔134aと第2の原水ストレート通水孔134bに対応する角度位置で対応する円弧の角度範囲(例えば、通水孔の60度と同一の60度の角度範囲で、前記流入側本体110の係合凹部117bと同一の角度範囲)に形成されている。また、係合凹部133aは、固定ディスク133の厚さ方向の一側面から他側面の若干手前の位置まで延設されている。
【0027】
固定ディスク133の一側面側には、止水パッキン141が密接して同軸状に配置される。止水パッキン141は、固定ディスク133と同一直径の円盤状をなす。止水パッキン141には、固定ディスク134の合計6個の通水孔134a,135a,136a,134b,135b,136bと完全に整合する角度位置及び角度範囲に、それぞれ、同一の(中心角60度の)扇状の外形を有する通水孔142a、143a,144a,142b,143b,144bが、軸方向に貫通して形成されている。また、止水パッキン141の外周面には、前記固定ディスク133の係合凹部133aと同一形状の浅い円弧凹部状をなす一対の係合凹部141aが、その周方向に180度の間隔をおいて形成されている。両係合凹部141aは、それぞれ、固定ディスク133の係合凹部133aと同一の角度位置及び角度範囲に形成され、前記通水孔142a及び通水孔142bに対応して配置されている。また、係合凹部141aは、止水パッキン141の厚さ方向全体に延設されている。なお、少なくとも可動ディスク131と固定ディスク133の摺接面(好ましくは全面)には、それぞれ、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングが施され、摺動摩擦抵抗(ハンドルトルク)を大幅に低減してグリースの塗布を不要とすると共に、耐久性を大幅に向上している。
【0028】
ここで、前記可動ディスク131は、図12の別例に示すような構成とすることもできる。図12に示すように、別例に係る可動ディスク131は、固定ディスクとの対向面(摺接面)において、一対の通水孔132a,132bの間に、それぞれ、同一の扇形状の断面形状を有する凹部132cを60度間隔で2個ずつ形成している。これにより、可動ディスク131の2個の通水孔132a,132b及び4個の凹部132cが、固定ディスク134の合計6個の通水孔134a,135a,136a,134b,135b,136bと完全に整合する角度位置及び角度範囲に、それぞれ、同一の(中心角60度の)扇状の外形を有して配置される。したがって、可動ディスク131を回動する際の固定ディスク133との摺接面積が凹部131cにより小さくなり、その分、摺動抵抗が低減して、可動ディスク131の回転がいっそう円滑になり、また、可動ディスク131と固定ディスク133の摺接面の磨耗が低減されて、より長寿命となる。
【0029】
一方、流出側本体としての切替部材150は、流入側本体110に対して同軸上に装着される。詳細には、切替部材150は、図10に示すように、前記流入側本体110の円形開口117aの内径と同一の外径を有するリング状のフランジ部151、フランジ部151より若干小径の短円筒状部153、フランジ部151と同一径のリング状をなすフランジ部154、短円筒状部153と同一径の短円筒状部155、フランジ部154より若干大径で流入側本体110のフランジ部117より若干小径のリング状をなすフランジ部156、フランジ部156より若干小径で短円筒状部155より若干大径の短円筒状部157、フランジ部156と同一径のリング状をなすフランジ部158、短円筒状部155と同一径の短円筒状部159、及びフランジ部158と同一径のリング部160を軸方向に(同軸状となるよう)順に配置して一体成形してなるものである。より詳細には、フランジ部151の外周面には、切替部材150の軸方向に沿って前記短円筒状部153と反対側に突出する一対の係止突起152が、その周方向に180度の間隔をおいて形成されている。係止突起152は、止水パッキン141の係合凹部141a及び固定ディスク133の係合凹部133aの長さ(円弧方向乃至周方向の長さ)と同一の周方向寸法(幅)を有する略矩形平板状をなし、その先端部には外側(フランジ部151の放射方向外方)に突出する爪部(断面三角形状部分)を一体形成したものである。なお、係止突起152は、フランジ部151の曲率に対応して幅方向に若干湾曲する円弧状となる。更に、切替部材150のフランジ部154には、その周方向に180度の角度を置いた位置に、それぞれ、その外周面から外側(フランジ部153の半径方向外方)に突出する小平板状乃至小片状の規制片154aが一体形成されている。ここで、係止突起152のフランジ部151からの突出長さ(切替部材150の軸方向における突出寸法)は、止水パッキン141の厚み(係合凹部141aの厚み)と固定ディスク133の係合凹部133aの厚みを合計した長さに設定される。また、係止突起152の突出長さは、前記本体側流入部110の基端面(フランジ部117の端面)から係合孔115aまでの長さと同一に設定されている。そして、切替部材150の先端部を本体側流入部110内に挿入したときに、前記一対の規制片154aの一側面(フランジ部151側の側面)が流入側本体110の基端面(フランジ部117の端面)に当接して、それ以上の挿入を規制するようになっている。また、このとき、係止突起152の先端部の爪部が本体側流入部110の係合孔115a内に装着されるようになっている。更に、両係止突起152は、それぞれ、前記止水パッキン141の一対の係合凹部141a及び固定ディスク133の一対の係合凹部133aと同一の角度位置及び角度範囲に形成され、前記流入側本体110の一対の係合凹部117bとも同一の角度位置及び角度範囲に形成されている。なお、前記流入側本体110の一対の係止孔115aも、前記一対の係止突起152、止水パッキン141の一対の係合凹部141a、固定ディスク133の一対の係合凹部133a及び流入側本体110の一対の係合凹部117bと同一の角度位置及び角度範囲に形成することが好ましく、こうすれば、係止突起152の幅を基端から先端まで同一幅として成形することができ、成形が容易になる。
【0030】
切替部材150のフランジ部151とフランジ部153と短円筒状部152の外周面との間のリング状の空間は、OリングO(図16〜図18参照)を装着するためのリング溝を形成し、フランジ部155とフランジ部157と短円筒状部156の外周面との間のリング状の空間は、若干大径のOリングO(図16〜図18参照)を装着するためのリング溝を形成している。また、フランジ部154とフランジ部156と短円筒状部155の外周面との間のリング状の空間はリング溝状の第1の流路溝を形成し、フランジ部158とフランジ部160と短円筒状部159の外周面との間のリング状の空間はリング溝状の第2の流路溝を形成している。更に、切替部材150の基端面には、リング部160より小径のリング状をなすリング部161が、リング部160と同軸上となるよう軸方向に突出形成されている。これにより、切替部材150の基端面においてリング部160とリング部161との間にはリング状端面162が形成され、リング部161の内側には円形状端面163が形成されている。なお、リング部160とリング部161とリング状端面162との間のリング状の空間は、OリングO(図16〜図18参照)を装着するためのリング溝を形成している。
【0031】
切替部材150の内部には、前記固定ディスク133の6個の通水孔134a、134b、135a,135b,136a,136bに対応して、6個の通水路171,171b,172a,172b,173a,173bが、互いに干渉乃至重合しない位置で、軸方向に沿って延びるよう形成され、各通水路171,171b,172a,172b,173a,173bは、切替部材150の外周面または基端面で6個の開口156a,156b,158a,158b,163a,163bとして開口している。詳細には、図15の破線で示すように、切替部材150の先端面には、固定ディスク133の6個の通水孔134a,135a,136a,134b,135b,136b(及び止水パッキン141の6個の通水孔142a、143a,144a,142b,143b,144b)と完全に整合する角度位置及び角度範囲に、それぞれ、同一の(中心角60度の)扇状の外形を有する6個の通水路171,171b,172a,172b,173a,173bの開口が形成されている。切替部材150は、前記通水路を、第1の原水ストレート用通水路171aと第2の原水ストレート用通水路171bの対、第1の浄水用通水路172aと第2の浄水用通水路172bの対、及び第1の原水シャワー用通水路173aと第2の原水シャワー用通水路173bの対の、合計3対の通水路として備えている。切替部材150の先端面において、第1の原水ストレート用通水路171aと第2の原水ストレート用通水路171bの対の開口は、固定ディスク133の第1の原水ストレート通水孔134aと第2の原水ストレート通水孔134bの対とそれぞれ対向し、第1の浄水用通水路172aと第2の浄水用通水路172bの対の開口は、固定ディスク133の第1の浄水通水孔135aと第2の浄水通水孔135bの対とそれぞれ対向し、第1の原水シャワー用通水路173aと第2の原水シャワー用通水路173bの対の開口は、固定ディスク133の第1の原水シャワー通水孔136aと第2の原水シャワー通水孔136bの対とそれぞれ対向する。そして、第1の原水ストレート用通水路171aと第2の原水ストレート用通水路171bの対、第1の浄水用通水路172aと第2の浄水用通水路172bの対、及び第1の原水シャワー用通水路173aと第2の原水シャワー用通水路173bの対は、それぞれ、180度の間隔を置いて(切替部材150の中心に対して)点対称となるよう配置されている。
【0032】
一方、第1の原水ストレート用通水路171a及び第2の原水ストレート用通水路171bは、図17に示すように、切替部材150の内部を軸方向に沿ってフランジ部157まで(短円筒状部156の奥側の端縁まで)延設され、短円筒状部156の外周面に向かって半径方向に延びて当該短円筒状部156の外周面の対応する位置でスリット状乃至矩形状をなす第1の原水ストレート用開口156a及び第2の原水ストレート用開口156bとして開口している。また、第1の原水シャワー用通水路173a及び第2の原水シャワー用通水路173bは、図18に示すように、切替部材150の内部を軸方向に沿ってフランジ部159まで(短円筒状部158の奥側の端縁まで)延設され、短円筒状部158の外周面に向かって半径方向に延びて当該短円筒状部158の外周面の対応する位置でスリット状乃至矩形状をなす第1の原水シャワー用開口158a及び第2の原水シャワー用開口158bとして開口している。更に、第1の浄水用通水路172a及び第2の浄水用通水路172bは、図16に示すように、切替部材150の内部を軸方向に沿ってリング部160乃至リング部161まで延設され、リング部161内の前記円形状端面163の対応する位置で、第1の浄水用通水路172a及び第2の浄水用通水路172bの断面形状である扇形状をなす第1の浄水用開口163a及び第2の浄水用開口163bとして開口している。
【0033】
そして、本実施の形態の切替弁カートリッジは、弁操作部材120の操作盤123の係止凸部124に固定ディスク131の係合凹部131aを嵌合して装着すると共に、流入側本体110内に弁操作部材120を挿入して栓棒122を基部111の軸111cから外部に突出させる一方、切替部材150の係止突起152に止水パッキン141の係合凹部141a及び固定ディスク134の係合凹部133aを順に挿入して係止し、切替部材150に対して止水パッキン141及び固定ディスク133を装着した状態で、固定ディスク133を操作盤123上の可動ディスク131に当接させて流入側部材110の円形開口117aから内部に挿入すると共に、係止突起152の先端部の爪部を流入側本体の内周面により内側に弾性変形させて係止孔115aまで摺動することにより、係止突起152の先端部の爪部が流入側本体110の係止穴115a内に弾性復帰して装着される。これにより、図7、図13及び図14に示すように、流入側本体110に対して流出側本体としての切替部材150が同軸状となるよう一体化され、流入側本体110に切替部材150をワンタッチで装着して、カートリッジ本体110内に弁操作部材120及び弁機構(可動ディスク131、固定ディスク133、止水パッキン141)を収容・装着した状態で、切替弁カートリッジを簡単に組み立てることができる。このとき、流入側本体110内において短円筒状部155の内部空間に対応する空間(操作盤123の一側面と切替部材150の先端面との間の空間)が弁室を形成し、同弁室内に弁機構の可動ディスク131及び固定ディスク133が収容される。なお、同弁室内には、当接面で固定ディスク133と切替部材150との水密を維持する止水パッキン141も収容される。
【0034】
ここで、このように一体化した切替弁カートリッジにおいて、流入側本体110の基部111から突出する栓棒122の先端側のスプライン溝部分には、図7に示すように、止めナット54が軸方向に挿入されてスプライン嵌合される。止めナット54の底部中心には小径の円形孔54aが貫通形成され、栓棒122に外嵌して装着したときに円形孔54aが栓棒122のねじ孔と整合するようになっている。また、このように一体化した切替弁カートリッジをコック本体10の装着口15aから内部に装着した状態で、止めナット54の外側にはハンドル50が装着される。詳細には、切替弁カートリッジは、切替部材150側をコック本体10の装着口15aから内部へと軸方向に挿入し、流入側本体110の雄螺子114を装着部15の雌螺子15xに螺入することにより、コック本体10に固定される。また、ハンドル50は、基部51、収容部52及び操作部53を一体的に設けている。基部51は、コック本体10の装着部15の円形開口端である装着口15aに対応する直径の短円筒状乃至リング板状をなし、その一端外周縁がコック本体10の装着口15aに装着される。また、収容部52は、止めナット54を外側から覆う有底略円筒状をなし、その底部の中心部にねじ挿通孔52aが貫通形成されて、止めナット54に外嵌して装着したときに、ねじ挿通孔52aが止めナット54の円形孔54a及び栓棒122のねじ孔と整合するようになっている。更に、操作部53は、基部51の他端外周縁の180度間隔を置いた位置から、収容部52の外側を軸方向に延びて収容部の底部の中心部に向かって湾曲して延びる板状をなしている。そして、切替弁カートリッジをコック本体10の装着口15aから内部に装着した状態で、ハンドル50をコック本体10の装着口15に装着し、収容部52の挿通孔52aにねじ55を挿通して止めナット54の円形孔54aを介して栓棒122のねじ孔に螺入することにより、ハンドル50をコック本体10の装着口15aに装着することができる。これにより、ハンドル50が弁操作部材120に一体的に連結されて、ハンドル50により弁操作部材120を正逆方向に回動自在となる。なお、ハンドル50のねじ挿通孔52aにはキャップ56が着脱自在に装着され、ねじ55を外部から遮蔽するようになっている。また、図示は市内が、ハンドル50の基部51の外周面には、ハンドル50による弁操作状態を表す記号(原水ストレート吐出を表す記号、浄水吐出を表す記号及び原水シャワー吐出を表す記号)が60度間隔で表示されている。
【0035】
なお、前記コック本体10、浄水用連結部材30、流入側本体110、弁操作部材120及び流出側本体150は、ABS樹脂等の樹脂材料により成形することができ、また、各種OリングOや止水パッキンパッキン141等のパッキンは、EPDM等の合成ゴムにより形成することができる。更に、球状体191a、コイルばね191b及び止ねじ191cは、ステンレス鋼等により形成することができる。
【0036】
上記のように切替弁カートリッジをコック本体10に内装した状態では、図13及び図14に示すように、切替弁カートリッジは、短円筒状部112に装着したOリングOを介して装着口15aに水密に装着される。この状態で、ハンドル50はカートリッジ本体100に一体的に装着されているため、弁機構としての可動ディスク131を外部から弁操作可能である。即ち、ハンドル50を正逆いずれかの方向に所定角度回動すると、弁操作部材120の操作盤123を介して可動ディスク131が対応する方向に同一角度だけ回転する。このとき、カートリッジ本体100の弁室には可動ディスク131及び固定ディスク133が互いに対向面を密接させた状態で同軸上に装着されている。また、このとき、弁操作部材120の環状部材121には球状体191aが弾性押圧状態で当接している。したがって、ハンドル50を正逆いずれかの方向に回転すると、弁操作部材120が一体的に回転し、球状体191aが環状部材121の位置決め溝121aに嵌合したときに、クリック感が付与されると共にハンドル50が所定角度位置(原水ストレート位置、浄水位置、原水シャワー位置)に位置決めされる。即ち、ハンドル50は、60度回転するごとに、環状部材121のそれぞれの位置決め溝121aにより位置決めされ、これにより、1周回(360度)回転する間に6段階で位置決めされる。このとき、ハンドル50のそれぞれの位置決め角度位置では、可動ディスク131の第1及び第2の通水孔132a,132bが、固定ディスク133の第1及び第2の原水ストレート通水孔134a,134b、第1及び第2の浄水通水孔135a,135b、及び第1及び第2の原水シャワー通水孔136a,136bとそれぞれ整合して連通する。
【0037】
一方、図14に示すように、切替弁カートリッジの装着状態では、短円筒状部112上のOリングO及び短円筒状部118上のOリングOが、流入部12の原水流入孔12aの両側(流出部13の第1の吐水空間13aより吐出口15a側の部分及び装着部15の装着口15a部分の内周面)でコック本体10の基部11の内周面をその全周にわたってそれぞれ水密に封止するため、それらのOリングOの間に、原水流入孔12aにのみ連通する(流出部13の第1の吐水空間13a及び第2の吐水空間13b並びに浄水器用給水孔14aとの連通を遮断する)リング状の通水空間が形成されている。また、この状態で、流入側本体110の雄螺子部114に形成した一対の水流入開口114aのうち、一方の水流入開口114aは、コック本体10の流入部12の原水流入孔12aを介して原水流入口23bと対向する。更に、このとき、前記一対のOリングO間の通水空間において、前記流出部13に対向する位置には他方の水流入開口114aが配置されている。よって、他方の水流入開口114aも、当該通水空間から流入部12の原水流入孔12aを介して原水流入口23bと連通する。したがって、原水流入口23bからコック本体10に流入した原水は、当該通水空間を介して一対の水流入開口114aを経て流入側本体110内に流入することになる。このとき、流入側本体110内では、操作盤123の一対の通水凹部123a,123bが、前記一対の水流入開口114aと対向している。したがって、一対の水流入開口114aから流入した原水は、一対の通水凹部123a,123b上をそれぞれ案内されて、一対の通水凹部123a,123bと対向配置された可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bへと流入する。
【0038】
したがって、ハンドル50により弁操作部材120を正逆いずれかの方向に回転して、例えば、原水ストレート位置に位置決めすると、可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bが固定ディスク133の一対の原水ストレート通水孔134a,134bと連通し、可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bからの原水が、固定ディスクの一対の原水ストレート通水孔134a,134b及び止水パッキン141の一対の通水孔142a,142bをそれぞれ通過して、切替部材150の一対の原水ストレート用通水路171a,171b内にそれぞれ流入する。一対の原水ストレート用通水路171a,171b内にそれぞれ流入した原水は、図17に示すように、第1の流路溝としての短円筒状部155の外周面で開口する一対の原水ストレート用開口155a,155bから、それぞれ、切替部材150の外部へと流出する。このとき、図14に示すように、切替部材150の短円筒状部157上のOリングO及び流入側本体110の短円筒状部118上のOリングOが、流出部13の第1の吐水空間13aの両側でコック本体10の基部11の内周面をその全周にわたってそれぞれ水密に封止するため、それらのOリングOの間に、流出部13の第1の吐水空間13aにのみ連通する(流入部12の原水流入孔12a、流出部13の第2の吐水空間13b、及び浄水器用給水孔14aとの連通を遮断する)リング状の通水空間が形成されている。したがって、当該通水空間と対向する位置にある短円筒状部155に形成した一対の原水ストレート用開口155a,155bからの原水が、当該通水空間から第1の吐水空間13aを経て、吐水口24の内周壁24b内の泡沫内芯26へと流入して泡沫内芯26の吐水口(ストレート吐水口)から吐出される。即ち、上側の原水ストレート用開口155aからの原水は、短円筒状部155の外周面からなる第1の流路溝に沿って前記通水空間を周回して最終的に泡沫内芯26の吐出口から吐出される。一方、原水ストレート用開口155aと180度離れた位置にある下側の原水ストレート用開口155bからの原水は、内周壁24bのストレート吐水口及びその内部の泡沫内芯26と直接対向しているため、泡沫内芯26へと直接流れて泡沫内芯26の吐出口から吐出される。
【0039】
上記原水ストレート位置から、ハンドル50により弁操作部材120を時計回り方向に60度回転して、原水シャワー位置に位置決めすると、可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bが固定ディスク133の一対の原水シャワー通水孔136a,136bと連通し、可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bからの原水が、固定ディスクの一対の原水シャワー通水孔136a,136b及び止水パッキン141の一対の通水孔144a,144bをそれぞれ通過して、切替部材150の一対の原水シャワー用通水路172a,172b内にそれぞれ流入する。一対の原水シャワー用通水路172a,172b内にそれぞれ流入した原水は、図18に示すように、第2の流路溝としての短円筒状部159の外周面で開口する一対の原水ストレート用開口155a,155bから、それぞれ、切替部材150の外部へと流出する。このとき、図14に示すように、切替部材150のリング溝162内のOリングO及び切替部材150の短円筒状部157上のOリングOが、流出部13の第2の吐水空間13bの両側に弾性的に密接し、流入部12の原水流入孔12aとの連通、流出部13の第1の吐水空間との連通及び通水路14aとの連通を全て遮蔽するよう、コック本体10の内周面をそれぞれ水密に封止するため、それらのOリングOの間に第2の吐水空間13bと連通する通水空間が形成されている。したがって、当該通水空間と対向する位置にある短円筒状部159に形成した一対の原水シャワー用開口159a,159bからの原水が、当該通水空間から第2の吐水空間13bを経て、吐水口24の外周壁24aと内周壁24bとの間の第2の吐水空間13b内に流入して、底壁24cからなるシャワー吐水口から吐出される。即ち、斜め上側の原水シャワー用開口159aからの原水と当該原水シャワー用開口159aから180度離れた位置にある斜め下側の原水シャワー用開口159bからの原水は、それぞれ、短円筒状部159の外周面からなる第2の流路溝に沿って前記通水空間を周回して最終的にシャワー吐水口から吐出される。
【0040】
また、上記原水ストレート位置から、ハンドル50により弁操作部材120を反時計回り方向に回転して、或いは、上記原水シャワー位置から、ハンドル50により弁操作部材120を時計回り方向に回転して、浄水位置に位置決めすると、可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bが固定ディスク133の一対の浄水通水孔143a,143bと連通し、可動ディスク131の一対の通水孔132a,132bからの原水が、固定ディスクの一対の浄水通水孔143a,143b及び止水パッキン141の一対の通水孔143a,143bをそれぞれ通過して、切替部材150の一対の浄水用通水路172a,172b内にそれぞれ流入する。一対の浄水用通水路172a,172b内にそれぞれ流入した原水は、図16に示すように、円形状端面163で開口する一対の浄水用開口163a,163bからそれぞれ切替部材150の外部へと流出する。このとき、図14に示すように、切替部材150のリング溝162内のOリングOが、切替コック10の装着口15aと反対側の端部の通水孔14aの周囲を水密に封止するため、当該OリングOの内部に、浄水器用給水孔14aとのみ連通する(流入部12の原水流入孔12a、流出部13の第1の吐水空間13a及び第2の吐水空間13bとの連通を遮断する)通水空間が形成されている。したがって、当該通水空間と対向する位置にある円形状端面163に形成した一対の浄水用開口163a,163bからの原水が、当該通水空間から浄水器用給水孔14aを経て、浄水用連結部材30の給水孔挿着部34から浄水器用給水部32へと流入し、その後、取付ナット36により取付けた浄水器用給水ホース内に流入して、浄水器内に給水される。その後、浄水器からの浄水は、浄水器用連結部材30の浄水流入部33に取付ナット37により取付けた浄水ホースから当該浄水流入部33に流入し、その後、流入孔装着部35を経てコック本体10の浄水流入孔14b内に流入する。このとき、浄水流入孔14bは、前記切替部材150の短円筒状部157上のOリングOと流入側本体110の短円筒状部118上のOリングOとの間に形成される通水空間にのみ連通している。したがって、コック本体10の浄水流入孔14bからの浄水は、前記原水ストレート吐出の場合と同様にして、当該通水空間から第1の吐水空間13aを経て、吐水口24の内周壁24b内の泡沫内芯26へと流入して泡沫内芯26の吐水口(ストレート吐水口)から吐出される。また、このとき、浄水が流れる第1の流路溝の短円筒状部155の外周面には原水ストレート用開口155a,155bが開口しているが、可動ディスク131の通水孔132a,132bは固定ディスク133の浄水通水孔134a,134bのみと連通して原水ストレート通水孔134a,134bとは通水が遮断されているため、浄水が原水ストレート用開口155a,155bからストレート通水路171a,171b内に逆流することはない。
【0041】
このようにして、ハンドル50を正逆いずれかの方向に回転することにより、順次、原水ストレート吐水(泡沫内心26からの吐水)、浄水吐水(泡沫内心26からの吐水)及び原水シャワー吐水の3種類の吐水状態に切り替えることができる。また、ハンドル50は正逆いずれの方向にも連続的に無限に回転可能であり、本実施の形態の切替コックは、上記切替弁カートリッジにより、180度の回転角度範囲内で原水ストレート吐水、浄水吐水、原水シャワー吐水の3段階の弁切替動作を行い、更に、次の180度の回転角度範囲内で2回目の原水ストレート吐水、浄水吐水、原水シャワー吐水の3段階の弁切替動作を行うことになる。即ち、本実施の形態の切替コックは、1周回(360度)回転する間に3段階の吐水状態の切替動作(弁切替動作)を2回行うことになり、また、連続的に回転することにより、かかる3段階の吐水状態の切替動作を連続的に無限に行うことができる。
【0042】
一方、本実施の形態の切替弁カートリッジでは、カートリッジ本体100は、内部の可動ディスク131や固定ディスク133やその関連部品が、磨耗、劣化、破損等により品質劣化した場合、或いは、可動ディスク131と固定ディスク133との間(摺接面)に水中のごみ等の小異物(狭雑物)が挟持され、固定ディスク133と可動ディスク131との間の摺接面での水密構造が崩れて周辺への水漏れを生じたり、或いは、固定ディスク133または可動ディスク131の摺接面に傷が付き、やはりそれらの摺接面での水密構造が崩れて周辺への水漏れを生じたりした場合でも、コック本体10から容易に取り外して交換することができる。即ち、カートリッジ本体100は、コック本体10に対して雄螺子114を螺入して水密に着脱自在となっているため、スパナ状の工具により基部111を挟持して螺退方向に回転することにより、切替弁カートリッジ全体を容易にコック本体10の装着口15aから取り外すことができる。また、本実施の形態の切替弁カートリッジは、上記のように、弁切替動作に必要な機構(弁操作部材120等)を全て内蔵し、かつ、コック本体10等の切替弁装置本体に内装したときに、その外周面が切替弁装置本体の内周面との間で流路数に対応した流路(流路溝等)を形成する構造となっているため、各種の切替弁装置本体に内装するだけで所望の切替弁装置を完成することができ、汎用性を有して切替弁装置自体のコストを大幅に低減することができる。
【0043】
更に、本実施の形態の切替弁カートリッジは、それ自体も、弁操作部材120を流入側本体110に容易に着脱自在とすると共に可動ディスク131を弁操作部材120に容易に着脱自在とし、かつ、固定ディスク133止水パッキン141を切替部材150に容易に着脱自在とすると共に、切替部材150を流入側本体110に容易に着脱自在としているため、容易に組立、分解、再組立等を行うこともでき、例えば、可動ディスク131や固定ディスク133のみを交換するといったことも可能となる。なお、切替部材150を流入側本体110から取り外すには、前記流入側本体の係合孔115aから露出する係止突起152の先端の爪部を内方に押圧して弾性変形させ、切替部材150を手前に引っ張って取り外す。
【0044】
ところで、本発明の切替弁カートリッジは、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の課題を達成できる限りにおいて各種の変更が可能である。即ち、切替弁カートリッジを内装する切替弁装置としては、上記実施の形態のように、第1及び第2の水流出口として原水ストレート吐水口及び原水シャワー吐水口を使用すると共に第3の水流出口として外部給水装置である浄水器に接続する浄水器用給水口を使用する三方弁としての切替コック以外にも、浄水器以外の外部給水装置(活水器、整水器、浄活水器等)を接続する切替コックに具体化してもよい。また、三方切替弁の場合における第1、第2及び第3の水流出口としての原水ストレート吐水口、原水シャワー吐水口、浄水器用給水口は、いずれも一実施例としての例示であり、これら以外にも、三方で流路の切替を行う三方切替弁に設けられる水流出口とする限りにおいて、任意のものに適用することができる。更に、上記実施の形態の切替コックは、外部給水装置として浄水器を接続し、その浄水を還流して内部に流入する構成としたため、原水流入口(第1の水流入口)に加えて、第3の水流出口に対応して浄水器からの環流水(浄水)を流入するための浄水流入口(第2の水流口)を設けて、第1の水流出口(原水ストレート吐水口)から吐水するようにしているが、第3の水流出口に食器洗浄機等の水を還流しないものを接続した場合、第2の水流入口は不要となる。なお、吐水パイプを設けたタイプの浄水器に接続する場合も、浄水の環流はないことから、第2の水流入口は不要となる。また、上記実施の形態の切替コックは、第1の水流入口からの水を切替弁カートリッジの軸方向一端側(流入側本体110)の外周面に設けた水流入開口から内部に流入し、第1の水流出口(原水ストレート吐水口)への水を切替弁カートリッジの軸方向他端側(切替部材150)の外周面の一方の開口から流出させて第1の流路溝により案内し、第2の水流出口(原水シャワー吐水口)への水を切替弁カートリッジの軸方向他端側(切替部材150)の外周面の他方の開口から流出させて第2の流路溝により案内し、第3の水流出口(浄水器用給水口)への水を切替弁カートリッジの軸方向他端面(切替部材150の端面)の開口から流出させてコック本体10の通水路(浄水器用給水孔14a)により案内しているが、これ以外にも、切替弁カートリッジの軸方向他端側(切替部材150)の外周面において更に前記他方の開口よりも奥側(切替部材150の端面側)の位置に第3の流路溝を設けて、第3の水流出口用の通水路を当該第3の流路溝に設けた開口から流出させ、第3の水流出口(浄水器用給水口)に導入してもよい。
【0045】
また、本発明の切替弁カートリッジは、三方切替弁以外にも、例えば、通水路原水ストレート及び原水シャワー等の2つの流路間で二方の弁切替を行う切替弁装置に具体化してもよい。この場合、例えば、コック本体10から前記第3の水流出口及び第2の水流入口を省略し(浄水用連結部材30部分を閉塞し)、切替部材150から前記第3の通水路172a,172b及び第3の開口163a,163bを省略して、第1の通水路171a,171b及び第2の通水路173a,173bを周方向に360の角度範囲に90度の間隔を置いて2個ずつ配置し、第1の通水路171a,171b及び第2の通水路173a,173bを、それぞれ、切替部材150の外周面の第1の流路溝及び第2の流路溝で開口するようにして構成することができる。なお、この場合、固定ディスク(及び止水パッキン)の通水孔は、通水路と同一数(4個)及び同一断面形状となって同一角度間隔(90度間隔)で配置され、可動ディスクの一対の通水孔は固定ディスクの通水孔と同一断面形状として180度間隔で配置する。加えて、環状部材122の位置決め溝122aも、通水孔と同一数(4個)として同一角度間隔(90度間隔)で配置する。また、本発明の切替弁カートリッジは、例えば、4つ以上の流路間で四方以上の弁切替を行う切替弁装置に具体化してもよい。この場合、例えば、コック本体10に(三方の流路に追加する流路の数に対応して)追加の水流出口(第4の水流出口・・・)を設け、(三方の流路に追加する流路の数に対応して)追加の流路溝を設けて、流路数に対応する数の通水路を周方向に360の角度範囲に等角度間隔(360度割る流路数の角度間隔)を置いて配置し、追加した通水路を、それぞれ、切替部材150の外周面の追加した流路溝で開口するようにして構成することができる。なお、この場合、固定ディスク(及び止水パッキン)の通水孔は、通水路と同一数及び同一断面形状となって同一角度間隔で配置され、可動ディスクの一対の通水孔は固定ディスクの通水孔と同一断面形状として180度間隔で配置する。加えて、環状部材122の位置決め溝122aも、通水孔と同一数として同一角度間隔で配置する。
【0046】
また、本発明の切替弁カートリッジは、弁機構として、可動ディスク131に一対の通水孔132a,132bを形成すると共に可動ディスク133に流路数に対応する数の2倍の通水孔(対応する対の数の通水孔)134a,134b,135a,135b,136a,136bを設けて、所定段数(三方弁の場合は三段)の弁切替動作を360度の範囲内で2回行う構成としたが、本発明の第1の課題は、セラミックディスクを使用した弁切替動作機構の全体をカートリッジ化して所期の効果を発揮することにあるため、弁機構として、可動ディスクに1個の通水孔を設け、固定ディスクに流路数と同一数の通水孔を設けた構成とすることもできる。この場合、通水路の数も通水孔と同一数とする。なお、この場合も含め、通水路用の開口の数は、通常、通水路の数と同一数(1個の通水路に対して1個の開口)とするが、通水路を途中で分岐して複数の位置で開口する構成(例えば、1個の通水路に対して2個の開口)とすることも可能である。しかし、上記実施の形態のように、流路の数の2倍の数の通水孔や通水路を設けた場合、所定段数の弁切替動作を360の範囲内で2回行うことができ、また、その弁切替動作を回転方向に連続して行うことができるため、操作が容易となり、使い勝手が向上するという特有の効果が得られる。
【0047】
また、本発明の切替弁カートリッジは、上記のように、切替部材の外周面の所定位置に装着したOリングを本体ケースの周面に水密に当接させて流路を形成するため、本体ケースがOリングの位置に当該Oリングを水密に当接自在な円形状の周面部分を有する限りにおいて、どのような構造の弁装置にも適用できる。また、切替部材は、構造が簡単であるため、プラスチック成形以外にも、金属鍛造等やダイカスト成形により簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外観を示す正面図である。
【図3】図3は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外観を示す背面図である。
【図4】図4は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外観を示す右側面図(ハンドル側から見た側面図)である。
【図5】図5は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外観を示す平面図である。
【図6】図6は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外観を示す底面図である。
【図7】図7は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の各部品を分解して示す分解斜視図である。
【図8】図8は本発明の一実施の形態に係る切替弁装置の外部用連結部材としての浄水器用ユニットを分解して示す分解斜視図である。
【図9】図9は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジを分解して示す分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの切替部を示す斜視図である。
【図11】図11は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの固定ディスクを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。
【図12】図12は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの可動ディスクを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図、(d)は(a)のC−C線断面図、(e)は(a)のD−D線断面図、(f)は(a)のE−E線断面図、(g)は(a)のF−F線断面図である。
【図13】図13は図2のA−A線断面図であり、一実施の形態に係る切替弁装置の浄水通水時を示す。
【図14】図14は図5のB−B線断面図であり、一実施の形態に係る切替弁装置の浄水通水時を示す。
【図15】図15は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの切替部の構造を概略的に示す正面図である。
【図16】図16は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの切替部の浄水用通水構造を概略的に示す正面図である。
【図17】図17は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの切替部の原水ストレート用通水構造を概略的に示す正面図である。
【図18】図18は本発明の一実施の形態に係る切替弁カートリッジの切替部の原水シャワー用通水構造を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
【0049】
10:コック本体(切替弁装置本体)、11:本体基部、15a:装着口
23b:原水流入口(水流入口、第1の水流入口)
24:吐水口(第1の水流出口、第2の水流出口)
24b:ストレート吐水口(第1の水流出口)
24b:シャワー吐水口(第2の水流出口)、24c:シャワー吐水口
36a:浄水器用給水口(第2の水流出口、第3の水流出口)
37a:浄水流入口(第2の水流入口)
134a:第1の原水ストレート通水孔、134b:第2の原水ストレート通水孔
135a:第1の浄水通水孔、135b:第2の浄水通水孔
136a:第1の原水シャワー通水孔、136b:第1の原水シャワー通水孔
155a:第1の原水ストレート用開口、155b:第2の原水ストレート用開口
159a:第1の原水シャワー用開口、159b:第2の原水シャワー用開口
163a:第1の浄水用開口、163b:第2の浄水用開口
171a:第1の原水ストレート用通水路、171b:第2の原水ストレート用通水路
172a:第1の浄水用通水路、172b:第2の浄水用通水路
173a:第1の原水シャワー用通水路、173b:第2の原水シャワー用通水路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース状の切替弁装置本体に、水流入口と、複数の水流出口と、装着口とを形成してなる切替弁装置用の切替弁カートリッジであって、
前記切替弁装置本体の装着口から軸方向に挿入して内装され、前記装着口に水密に着脱自在とされたカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体の内部に装着されるセラミックディスクからなる弁機構と、
前記カートリッジ本体に装着されて、前記弁機構を外部から弁操作するハンドルとを備え、
前記カートリッジ本体は、一端を外部に開口した流入路と、前記流入路の下流側で当該流入路と連通する弁室と、前記弁室の下流側で当該弁室とそれぞれの一端が連通すると共にそれぞれの他端が外部に開口する複数の通水路とを有し、前記複数の通水路を前記切替弁装置本体の複数の水流出口の数に応じて形成し、
前記カートリッジ本体は、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記流入路の一端の開口を前記切替弁装置本体の水流入口と水密に連通して当該水流入口からの流水を内部に導入して前記弁室に通水すると共に、前記複数の通水路の他端の開口を前記切替弁装置の水流出口の一端の開口にそれぞれ水密に連通してそれぞれの水流出口へ通水自在であり、
前記弁機構は、前記カートリッジ本体の弁室に同軸上に装着される可動ディスク及び固定ディスクを有し、
前記可動ディスクは、少なくとも1個の通水孔を貫通形成し、
前記固定ディスクは、少なくとも前記通水路の数と同一数の通水孔を周方向に所定角度を置いて貫通形成すると共に、当該複数の通水孔を前記カートリッジ本体の複数の通水路の一端の開口と対向配置して装着され、
前記ハンドルは前記可動ディスクに作動連結され、前記可動ディスクを回動自在であり、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの複数の通水孔のいずれか1つと選択的に連通することにより、前記流入路からの流水が当該可動ディスクの通水孔から対応する当該固定ディスクの通水孔を介して、当該固定ディスクの通水孔に連通する前記通水路内に流入し、当該通水路を経て対応する前記水流出口に流入するようにしたことを特徴とする切替弁カートリッジ。
【請求項2】
前記切替弁装置本体は、1つの水流入口と、前記複数の水流出口としての第1の水流出口及び第2の水流出口とを有し、前記水流入口と前記第1の水流出口とを同軸上に配置すると共に、前記第2の水流出口を前記水流入口と第1の水流出口との間の空間と重ならない位置に配置し、
前記カートリッジ本体は、前記第1の水流出口及び第2の水流出口と対応して、前記複数の通水路としての第1の通水路及び第2の通水路を有し、
前記カートリッジ本体は、前記水流入口と前記第1の水流出口とを結ぶ軸と交差し、かつ、前記第2の水流出口の軸と交差するよう前記切替弁装置本体の内部に挿入して装着され、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の流路溝を有すると共に、前記第1の通水路の他端の開口を前記流路溝の底面で開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記流路溝を前記第1の水流出口と連通し、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における先端面で前記第2の通水路の他端の開口を開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第2の通水路の先端の開口を前記第2の水流出口と連通し、
前記固定ディスクは、前記カートリッジ本体の第1の通水路の一端の開口と対向配置される第1の通水孔と、前記カートリッジ本体の第2の通水路の一端の開口と対向配置される第2の通水孔とを有し、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第1の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第1の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1の通水孔に連通する前記第1の通水路内に流入し、当該第1の通水路から前記流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにし、
また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第2の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第2の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2の通水孔に連通する前記第2の通水路内に流入し、当該第2の通水路を経て対応する前記第2の水流出口に流入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の切替弁カートリッジ。
【請求項3】
前記切替弁装置本体は、前記水流入口としての第1の水流入口と、前記複数の水流出口の一つとしての第1の水流出口と、前記複数の水流出口の他の一つとしての外部給水装置用の第2の水流出口とを有すると共に、更に、前記第2の水流出口から前記外部給水装置を経て還流した水を導入するための第2の水流入口を有し、
前記切替弁装置本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを同軸上に配置すると共に、前記第2の水流出口を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重ならない位置に配置し、更に、前記第2の水流入口を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重なる位置に配置し、
前記カートリッジ本体は、前記第1の水流出口及び第2の水流出口と対応して、前記複数の通水路としての第1の通水路及び第2の通水路をそれぞれ有し、
前記カートリッジ本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを結ぶ軸と交差し、かつ、前記第2の水流出口の軸と交差し、かつ、前記第2の水流入口の軸と交差するよう前記切替弁装置本体の内部に挿入して装着され、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第1の流路溝を有すると共に、前記第1の通水路の他端の開口を前記第1の流路溝の底面で開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第1の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第1の流路溝を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間を介して前記第1の水流出口と連通し、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から前記第1の流路溝よりも更に軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第2の流路溝を有すると共に、前記第2の通水路の他端の開口を前記第2の流路溝の底面で開口しており、前記第2の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第2の流路溝を前記第2の水流出口と連通し、
前記固定ディスクは、前記カートリッジ本体の第1の通水路の一端の開口と対向配置される第1の通水孔と、前記カートリッジ本体の第2の通水路の一端の開口と対向配置される第2の通水孔とを有し、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第1の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第1の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1の通水孔に連通する前記第1の通水路内に流入し、当該第1の通水路から前記第1の流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにし、
また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第2の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第2の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2の通水孔に連通する前記第2の通水路内に流入し、当該第2の通水路から前記第2の流路溝を経て対応する前記第2の水流出口に流入した後、前記第2の水流出口から前記外部給水装置を経て前記第2の水流入口に還流し、前記第2の水流入口と対応する前記第1の流路溝を経て前記第1の水流出口から流出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の切替弁カートリッジ。
【請求項4】
前記切替弁装置本体は、前記水流入口としての第1の水流入口と、前記複数の水流出口の一つとしての第1の水流出口と、前記複数の水流出口の他の一つとしての第2の水流出口と、前記複数の水流出口の他の一つとしての外部給水装置用の第3の水流出口とを有すると共に、更に、前記第3の水流出口から前記外部給水装置を経て還流した水を導入するための第2の水流入口を有し、
前記切替弁装置本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを同軸上に配置すると共に、前記第1の水流入口と前記第2の水流出口とを前記第1の水流出口に隣接して同軸上に配置し、更に、前記第3の水流出口を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重ならない位置に配置し、更に、前記第2の水流入口を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間と重なる位置に配置し、
前記カートリッジ本体は、前記第1の水流出口、第2の水流出口及び第3の水流出口と対応して、前記複数の通水路としての第1の通水路、第2の通水路及び第3の通水路をそれぞれ有し、
前記カートリッジ本体は、前記第1の水流入口と前記第1の水流出口とを結ぶ軸と交差し、かつ、前記第2の水流出口の軸と交差し、かつ、前記第2の水流入口の軸と交差するよう前記切替弁装置本体の内部に挿入して装着され、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第1の流路溝を有すると共に、前記第1の通水路の他端の開口を前記第1の流路溝の底面で開口しており、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第1の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第1の流路溝を前記第1の水流入口と第1の水流出口との間の空間を介して前記第1の水流出口と連通し、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から前記第1の流路溝よりも更に軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第2の流路溝を有すると共に、前記第2の通水路の他端の開口を前記第2の流路溝の底面で開口しており、前記第2の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第2の流路溝を前記第2の水流出口と連通し、
前記カートリッジ本体は、更に、その挿入方向における基端から前記第2の流路溝よりも更に軸方向に所定距離を置いた位置に、その外周面の周方向全長を延びる凹溝状の第3の流路溝を有すると共に、前記第3の通水路の他端の開口を前記第3の流路溝の底面で開口し、前記第3の流路溝の幅方向両側部を前記切替弁装置本体の内面に水密に密接して封止することにより、前記第3の流路溝を前記第3の水流出口と連通し、または、その挿入方向における先端面で前記第3の通水路の他端の開口を開口し、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第3の通水路の先端の開口を前記第3の水流出口と連通し、
前記固定ディスクは、前記カートリッジ本体の第1の通水路の一端の開口と対向配置される第1の通水孔と、前記カートリッジ本体の第2の通水路の一端の開口と対向配置される第2の通水孔と、前記カートリッジ本体の第3の通水路の一端の開口と対向配置される第3の通水孔とを有し、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第1の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第1の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1の通水孔に連通する前記第1の通水路内に流入し、当該第1の通水路から前記第1の流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにし、
また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第2の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第2の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2の通水孔に連通する前記第2の通水路内に流入し、当該第2の通水路から前記第2の流路溝を経て対応する前記第2の水流出口に流入するようにし、
また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第3の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの通水孔を前記固定ディスクの第3の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの通水孔から前記固定ディスクの第3の通水孔を介して、当該固定ディスクの第3の通水孔に連通する前記第3の通水路内に流入し、当該第3の通水路から対応する前記第2の水流出口に流入した後、前記第2の水流出口から前記外部給水装置を経て前記第2の水流入口に還流し、前記第2の水流入口と対応する前記第1の流路溝を経て前記第1の水流出口から流出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の切替弁カートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ本体は、前記複数の通水路を内部に有する略円筒状をなすと共に、その周方向における一方の180度の角度範囲に、前記複数の通水路を一定角度間隔で配置し、
前記カートリッジ本体は、更に、その周方向における他方の180度の角度範囲に、前記複数の通水路と同数の追加の通水路を前記複数の通水路の一定角度間隔と同一の一定角度間隔で形成し、前記複数の通水路の各々と前記追加の複数の通水路の各々とが前記周方向に180度離間して互いに対をなすようにし、
前記複数の追加の通水路は、前記弁室の下流側で当該弁室とそれぞれの一端が連通すると共にそれぞれの他端が外部に開口し、
前記可動ディスクは、その周方向に180度離間した位置に一対の通水孔を形成し、
前記固定ディスクは、その周方向において前記カートリッジ本体の一方の180度の角度範囲と対応する一方の180度の角度範囲に、前記複数の通水路とそれぞれ対応する複数の通水孔を、前記複数の通水路と同一の一定角度間隔で形成し、
前記固定ディスクは、更に、その周方向において前記カートリッジ本体の他方の180度の角度範囲と対応する他方の180度の角度範囲に、前記追加の複数の通水路とそれぞれ対応する同数の追加の通水孔を、前記複数の追加の通水路と同一の一定角度間隔で形成して、前記複数の通水孔の各々と前記追加の複数の通水孔の各々とが前記周方向に180度離間して互いに対をなすようにし、
前記ハンドルは、前記可動ディスクを正逆方向にそれぞれ360度以上回動自在であり、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを回動して当該可動ディスクの通水孔の一方を前記固定ディスクの複数の通水孔のいずれか1つと選択的に連通することにより、前記可動ディスクの他方の通水孔が前記固定ディスクの追加の通水孔のうち前記連通した通水孔と対をなす追加の通水孔とも連通するようにし、これにより、前記流入路からの流水が当該可動ディスクの一対の通水孔から対応する当該固定ディスクの対をなす通水孔及び追加の通水孔を介して、当該固定ディスクの対をなす通水孔及び追加の通水孔にそれぞれ連通する前記対をなす通水路内に流入し、当該対をなす通水路を経て対応する前記水流出口に流入するようにしたことを特徴とする請求項1記載の切替弁カートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジ本体は、前記複数の通水路を内部に有する略円筒状をなすと共に、その周方向における一方の180度の角度範囲に、前記第1、第2及び第3の通水路を60度間隔で配置し、
前記カートリッジ本体は、更に、その周方向における他方の180度の角度範囲に、前記第1、第2及び第3の通水路と点対称となるよう、前記第1、第2及び第3の通水路と同数の追加の通水路としての第4、第5及び第6の通水路を前記第1、第2及び第3の通水路の一定角度間隔と同一の60度間隔で形成し、前記第1の通水路と前記第4の通水路、前記第2の通水路と前記第5の通水路及び前記第3の通水路と前記第6の通水路の通水路が、それぞれ、前記周方向に180度離間して点対称となって互いに対をなすようにし、
前記カートリッジ本体は、更に、前記第4、第5及び第6の通水路をそれぞれの一端(上流端)が前記弁室の下流側で当該弁室と連通するようにし
前記カートリッジ本体は、更に、前記第4の通水路の他端の開口を前記第1の流路溝において前記第1の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第1及び第4の通水路の先端の開口を前記第1の水流出口と連通するようにし、
前記カートリッジ本体は、更に、前記第5の通水路の他端の開口を前記第2の流路溝において前記第2の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第2及び第5の通水路の先端の開口を前記第2の水流出口と連通するようにし、
前記カートリッジ本体は、更に、前記第6の通水路の他端の開口が前記第3の流路溝において前記第1の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第3及び第6の通水路の先端の開口を前記第3の水流出口と連通するよう、または、その挿入方向における先端面で前記第6の通水路の他端の開口が前記第3の通水路の開口と180度離間して点対称となる位置で開口して、前記切替弁装置本体に装着された状態で、前記第3及び第6の通水路の先端の開口を前記第3の水流出口と連通するようにし、
前記可動ディスクは、その周方向に180度離間した位置に点対称となるよう対をなす第1及び第2の通水孔を形成し、
前記固定ディスクは、その周方向において前記カートリッジ本体の一方の180度の角度範囲と対応する一方の180度の角度範囲に、前記第1、第2及び第3の通水路とそれぞれ対応する第1、第2及び第3の通水孔を、前記第1、第2及び第3の通水路と同一の60度間隔で形成し、
前記固定ディスクは、更に、その周方向において前記カートリッジ本体の他方の180度の角度範囲と対応する他方の180度の角度範囲に、前記第4、第5及び第6の通水路とそれぞれ対応する同数の追加の通水孔としての第4、第5及び第6の通水孔を、前記第4、第5及び第6の通水路と同一の60度間隔で形成して、前記第1の通水孔と前記第4の通水孔、前記第2の通水孔と前記第5の通水孔及び前記第3の通水孔と前記第6の通水孔が、それぞれ、前記周方向に180度離間して点対称となって互いに対をなすようにし、
前記ハンドルは、前記可動ディスクを正逆方向にそれぞれ60度間隔で無限に回動自在であり、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを60度間隔で回動して当該可動ディスクの第1の通水孔を前記固定ディスクの第1、第2または第3の通水孔のいずれかと選択的に連通することにより、前記可動ディスクの第2の通水孔が前記固定ディスクの第4、第5及び第6の通水孔うち前記連通した通水孔と対をなす通水孔とも連通して、当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔の対が前記固定ディスクの第1の通水孔と第4の通水孔、第2の通水孔と第5の通水孔または第3の通水孔と第6の通水孔のいずれかの対と選択的に連通するようにし、
前記ハンドルにより前記可動ディスクを第1の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔を前記固定ディスクの第1及び第4の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの第1及び第2の通水孔から前記固定ディスクの第1及び第4の通水孔を介して、当該固定ディスクの第1及び第4の通水孔に連通する前記第1及び第4の通水路内に流入し、当該第1及び第4の通水路から前記第1の流路溝を経て対応する前記第1の水流出口に流入するようにし、
また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第2の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔を前記固定ディスクの第2及び第5の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの第1及び第2の通水孔から前記固定ディスクの第2及び第5の通水孔を介して、当該固定ディスクの第2及び第5の通水孔に連通する前記第2及び第5の通水路内に流入し、当該第2及び第5の通水路から前記第2の流路溝を経て対応する前記第2の水流出口に流入するようにし、
また、前記ハンドルにより前記可動ディスクを第3の回動角度位置に回動して当該可動ディスクの第1及び第2の通水孔を前記固定ディスクの第3及び第6の通水孔と連通することにより、前記流入路からの流水が前記可動ディスクの第1及び第2の通水孔から前記固定ディスクの第3及び第6の通水孔を介して、当該固定ディスクの第3及び第6の通水孔に連通する前記第3及び第6の通水路内に流入し、当該第3及び第6の通水路から対応する前記第3の水流出口に流入した後、前記第3の水流出口から前記外部給水装置を経て前記第2の水流入口に還流し、前記第2の水流入口と対応する前記第1の流路溝を経て前記第1の水流出口から流出するようにしたことを特徴とする請求項4記載の切替弁カートリッジ。
【請求項7】
前記カートリッジ本体は、その軸方向の一端側の略半部を構成する流入側本体と、その軸方向の他端側の略半部を構成する流出側本体とからなり、
前記流入側本体及び流出側本体は、それらの対向端に、凹部状の係合部及び凸部状の係止部をそれぞれ形成すると共に、前記係止部は前記係合部の凹部形状に応じて当該係合部内に弾性的に嵌合して着脱自在に係止される凸部状をなし、前記流入側本体と流出側本体とは前記係合部への前記係止部の係止によって互いに連結自在であり、その連結状態で前記弁室を内部に形成し、
前記ハンドルには、更に、前記流入側本体の内部を軸方向に延びる栓棒が一体的に回動するよう固定されると共に、前記栓棒の先端には、略円盤状の操作盤が一体的に回動するよう固定され、
前記操作盤は、前記可動ディスクに対して軸方向に着脱自在に嵌合されて、前記可動ディスクの前記固定ディスクとの摺接面と反対側の面である非摺接面側で当該可動ディスクを周方向に係止して固定する可動ディスク用の係止部を有し、
前記流出側本体は、前記固定ディスクを軸方向に着脱自在に嵌合して、前記固定ディスクの通水孔を対応する前記通水路に対向配置した状態で、当該固定ディスクをその一端に係止して周方向に固定する固定ディスク用の係止部を有し、
前記可動ディスクを前記操作盤に前記可動ディスク用の係止部を介して固定すると共に、前記固定ディスクを前記流入側本体の一端に前記固定ディスク用の係止部を介して係止した状態で、前記流入側本体と流出側本体とを互いに連結することにより、全体が一体化されてカートリッジ化され、前記可動ディスク及び前記固定ディスクからなる前記弁機構が前記流入側本体内の前記弁室に収容されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の切替弁カートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジ本体は、その軸方向の一端側の略半部を構成する流入側本体と、その軸方向の他端側の略半部を構成する流出側本体とからなり、
前記流入側本体及び流出側本体は、それらの対向端に、凹部状の係合部及び凸部状の係止部をそれぞれ形成すると共に、前記係止部は前記係合部の凹部形状に応じて当該係合部内に弾性的に嵌合して着脱自在に係止される凸部状をなし、前記流入側本体と流出側本体とは前記係合部への前記係止部の係止によって互いに連結自在であり、その連結状態で前記弁室を内部に形成し、
前記ハンドルには、更に、前記流入側本体の内部を軸方向に延びる栓棒が一体的に回動するよう固定されると共に、前記栓棒の先端には、略円盤状の操作盤が一体的に回動するよう固定され、
前記操作盤は、前記可動ディスクに対して軸方向に着脱自在に嵌合されて、前記可動ディスクの前記固定ディスクとの摺接面と反対側の面である非摺接面側で当該可動ディスクを周方向に係止して固定する可動ディスク用の係止部を有し、
前記流出側本体は、前記固定ディスクを軸方向に着脱自在に嵌合して、前記固定ディスクの通水孔を対応する前記通水路に対向配置した状態で、当該固定ディスクをその一端に係止して周方向に固定する固定ディスク用の係止部を有し、
前記可動ディスクを前記操作盤に前記可動ディスク用の係止部を介して固定すると共に、前記固定ディスクを前記流入側本体の一端に前記固定ディスク用の係止部を介して係止した状態で、前記流入側本体と流出側本体とを互いに連結することにより、全体が一体化されてカートリッジ化され、前記可動ディスク及び前記固定ディスクからなる前記弁機構が前記流入側本体内の前記弁室に収容されるようにし、
前記ハンドルには、更に、一体的に回動する環状部材が前記栓棒の基端側に同軸上となるよう固定されると共に、前記環状部材は、その外周面に、前記固定ディスクの通水孔の配置角度間隔と同一の一定角度間隔で前記通水孔の数と同一数の係合凹部を形成し、当該係合凹部をそれぞれ前記通水孔と同一角度位置に配置するよう前記ハンドルに固定され、
前記流入側本体は、前記環状部材の各係合凹部と弾性的に係合する球状部材を前記環状部材と当接状態で内装し、
前記ハンドルを正逆方向に回動することにより、前記固定ディスクの配置角度間隔ごとに前記球状部材が前記環状部材の各係合凹部と弾性的に当接して、前記前記可動ディスクを前記固定ディスクの配置角度間隔ごとにクリック感を付与しつつ位置決めするようにしたことを特徴とする請求項4または6記載の切替弁カートリッジ。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項記載の切替弁カートリッジを前記切替弁装置本体に内装してなる切替弁装置であって、
前記切替弁装置本体は、前記水流入口と、前記第1の水流出口と、前記第2の水流出口と、前記装着口とを一体的に設けた本体基部と、前記本体基部と別体で形成され、前記第3の水流出口と前記第2の水流入口とを一体的に設けた外部用連結部材とを有し、
前記切替弁カートリッジは、その基端部の外周に雄螺子を形成し、
前記基部本体は、前記切替弁カートリッジの雄螺子と螺合する雌螺子を前記装着口の内周面に形成して、前記切替弁カートリッジを螺入または螺退することにより前記装着口に対して装着及び取り外し自在とし、
前記本体基部は、前記外部用連結部材の第3の水流出口と前記第2の水流入口に対向する位置に当該第3の水流出口及び前記第2の水流入口に対向する外部用開口を有し、
前記外部用連結部材は、前記基部本体の外部用開口に前記第3の水流出口及び第2の水流入口を対向配置した状態で、前記基部本体に螺着されて着脱自在に固定されることを特徴とする切替弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−31923(P2010−31923A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192930(P2008−192930)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(590006309)株式会社早川バルブ製作所 (18)
【Fターム(参考)】