説明

制動制御装置、車両、および制動制御方法

【課題】サービスブレーキと補助ブレーキとを併用しつつブレーキ操作に違和感を与えないこと。
【解決手段】ブレーキペダル2の踏み込み量に応じて減速度が変化するサービスブレーキと制動が開始されると予め決められた所定の推移で減速度を発生する補助ブレーキとによる車両の制動を制御する制動制御装置1において、運転者のブレーキペダル2の踏み込み量に相応する要求減速度に対し、サービスブレーキによる減速度と補助ブレーキによる減速度とを配分する減速度配分計算部22を有し、減速度配分計算部22は、要求減速度が補助ブレーキの減速度を超えないときは補助ブレーキによる減速度のみを要求減速度に対して配分する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制動制御装置、車両、および制動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックなどの大型車は、運転者がブレーキペダルを踏み込んで操作するサービスブレーキの他に、様々な補助ブレーキを装備している(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
たとえばエンジン・リターダは、エンジンの圧縮上死点付近で排気弁を一旦開き再び閉じることによりエンジンブレーキ力を高める補助ブレーキである。また、ドライブライン・リターダは、プロペラシャフトの外周に取り付けられてプロペラシャフトの回転を抑制するようにして制動力を発生する補助ブレーキである。ドライブライン・リターダの1つの方式として永久磁石式リターダが広く利用されている。
【0004】
一方で、サービスブレーキは、ブレーキ摩擦材(ライニングまたはパット)を、車輪と共に回転するブレーキドラムあるいはディスクロータに押し付けることによって制動力を得ている。サービスブレーキのブレーキ摩擦材は、消耗すれば交換が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−279924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トラックなどの大型車両では、上述したように、サービスブレーキの他に補助ブレーキを装備している。そこで、サービスブレーキの制動力の一部または全部を補助ブレーキの制動力によって補えればブレーキ摩擦材の消耗を少なくすることができる。
【0007】
しかしながら補助ブレーキにはONになると直ちに所定の制動力を発生し、細かく制動力を調整できない方式がある。この方式の場合、サービスブレーキと補助ブレーキとを併用する際に、ブレーキペダルが踏み込まれると同時に補助ブレーキがONになるように制御すると、車両は急ブレーキがかかったような状態になる。これにより運転者は、自己のブレーキペダルの操作量と実際のブレーキの効き具合との差が大きいため、ブレーキ操作に違和感を覚えることになる。
【0008】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、サービスブレーキと補助ブレーキとを併用しつつブレーキ操作に違和感を与えることのない制動制御装置、車両、および制動制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの観点は、制動制御装置としての観点である。すなわち、本発明の制動制御装置は、ブレーキペダルの踏み込み量に応じて減速度が変化するサービスブレーキと制動が開始されると予め決められた所定の推移で減速度を発生する補助ブレーキとによる車両の制動を制御する制動制御装置において、運転者のブレーキペダルの踏み込み量に相応する要求減速度に対し、サービスブレーキによる減速度と補助ブレーキによる減速度とを配分する減速度配分手段を有し、減速度配分手段は、要求減速度が補助ブレーキの減速度を超えないときは補助ブレーキによる減速度のみを要求減速度に対して配分するものである。
【0010】
また、減速度配分手段は、要求減速度が補助ブレーキの減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときには、補助ブレーキによる減速度の要求減速度への配分を行わないようにすることができる。
【0011】
本発明の他の観点は、車両としての観点であり、本発明の車両は、本発明の制動制御装置を搭載するものである。
【0012】
本発明のさらに他の観点は、制動制御方法としての観点である。すなわち、本発明の制動制御方法は、ブレーキペダルの踏み込み量に応じて減速度が変化するサービスブレーキと制動が開始されると予め決められた所定の推移で減速度を発生する補助ブレーキとによる車両の制動を制御する制動制御装置が実行する制動制御方法において、運転者のブレーキペダルの踏み込み量に相応する要求減速度に対し、サービスブレーキによる減速度と補助ブレーキによる減速度とを配分する減速度配分ステップを有し、減速度配分ステップの処理は、要求減速度が補助ブレーキの減速度を超えないときは補助ブレーキによる減速度のみを要求減速度に対して配分するものである。
【0013】
また、減速度配分ステップの処理は、要求減速度が補助ブレーキの減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときには、補助ブレーキによる減速度の要求減速度への配分を行わないようにするステップを有することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サービスブレーキと補助ブレーキとを併用しつつブレーキ操作に違和感を与えることのないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態の制動制御装置を搭載した車両の要部構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の制動制御装置のブロック構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の制動制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】比較例を説明するための図であり、従来の制御の例を示す図である。
【図5】比較例を説明するための図であり、要求減速度が補助ブレーキの減速度よりも若干小さい場合の本発明の実施の形態における制御の例を示す図である。
【図6】比較例を説明するための図であり、要求減速度が補助ブレーキの減速度よりも若干大きい場合の本発明の実施の形態における制御の例を示す図である。
【図7】比較例を説明するための図であり、要求減速度が補助ブレーキの減速度よりも所定の範囲を超えて小さい場合の本発明の実施の形態における制御の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本発明の実施の形態の制動制御装置1について)
(概要)
制動制御装置1は、図1に示すように、ブレーキペダル2の踏み込み量に応じて減速度が変化するサービスブレーキ3と制動が開始されると予め決められた所定の推移で減速度を発生する補助ブレーキ4とによる車両の制動を制御する。その詳細は後述するが、制動制御装置1は、運転者のブレーキペダル2の踏み込み量に相応する要求減速度に対し、サービスブレーキ3による減速度と補助ブレーキ4による減速度とを配分する。またこのとき制動制御装置1は、要求減速度が補助ブレーキ4の減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときには、補助ブレーキ4による減速度の要求減速度への配分は行わないようにする。すなわちその場合、車両は、サービスブレーキ3のみにより制動される。
【0017】
(構成)
制動制御装置1は、図1に示すように、サービスブレーキ3および補助ブレーキ4を有する車両5に搭載されている。サービスブレーキ3は、ブレーキECU(Electric Control Unit)6によって駆動制御される。また、補助ブレーキ4は、補助ブレーキECU7によって駆動制御される。また、制動制御装置1とブレーキECU6および補助ブレーキECU7との間、ブレーキECU6とサービスブレーキ3の駆動制御部(不図示)との間は、それぞれCAN(Control Area Network)通信によって検出情報、制御情報などの各種情報の伝達が行われる。
【0018】
サービスブレーキ3は、前輪8Fおよび後輪8Rに取り付けられ、前輪8Fおよび後輪8Rの回転を抑制することによって制動力を発生する。また、補助ブレーキ4は、プロペラシャフト9に取り付けられ、プロペラシャフト9の回転を抑制することによって制動力を発生する。また、プロペラシャフト9は、エンジン10によって回転する。プロペラシャフト9は、不図示のディファレンシャルギヤに連結されており、後輪8Rがプロペラシャフト9およびディファレンシャルギヤを介してエンジン10によって駆動される。
【0019】
制動制御装置1の内部構成は、図2に示すように、要求減速度計算部20(請求項でいう減速度配分手段の一部)、補助ブレーキ減速度情報記憶部21(請求項でいう減速度配分手段の一部)、および減速度配分計算部22(請求項でいう減速度配分手段の一部)を有する。
【0020】
要求減速度計算部20は、運転者がブレーキペダル2を踏み込む際の踏み込み量を図示しないセンサなどによって検出し、運転者の要求減速度を計算する。
【0021】
補助ブレーキ減速度情報記憶部21は、補助ブレーキ4の制動力の情報を図示しないメモリに予め記憶している。すなわち、補助ブレーキ4の制動力は、上述したように、所定の制動力を発生するようになっており、細かく制動力を調整できるようにはなっていない。よって、補助ブレーキ減速度情報記憶部21には、予めわかっている補助ブレーキ4の所定の制動力の情報を記憶させておくことができる。
【0022】
減速度配分計算部22は、要求減速度計算部20から出力される要求減速度と補助ブレーキ減速度情報記憶部21から出力される補助ブレーキ減速度とを入力し、後述するアルゴリズムに基づいてサービスブレーキ3と補助ブレーキ4に配分する減速度を計算する。
【0023】
(動作)
次に、制動制御装置1の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。車両5のキースイッチがONになるなど、各ECUが立ち上がる条件が整うと制動制御装置1も立ち上がり、ステップS1の処理へ移行する。なお、図3のフローチャートにおける“START”から“END”までの処理は、制動制御装置1における1サイクル分の処理であり、1サイクル終了後(“END”後)に未だ“START”の条件が整っている場合には、図3のフローチャートの処理は繰り返し実行される。
【0024】
ステップS1:要求減速度計算部20は、ブレーキペダル2が踏まれたか否かを判断する。要求減速度計算部20は、ブレーキペダル2が踏まれた場合(ステップS2でYes)、ステップS2の処理へ移行する。一方、要求減速度計算部20は、ブレーキペダル2が踏まれない場合(ステップS2でNo)、ステップS1の処理を繰り返し実行する。
【0025】
ステップS2:要求減速度計算部20は、要求減速度を計算してステップS3の処理へ移行する。
【0026】
ステップS3:減速度配分計算部22は、要求減速度計算部20が計算した要求減速度が補助ブレーキ4の減速度よりも所定の範囲を超えて小さくないか否かを判断する。減速度配分計算部22は、要求減速度計算部20が計算した要求減速度が補助ブレーキ4の減速度よりも所定の範囲を超えて小さくない場合(ステップS3でYes)、ステップS4の処理へ移行する。一方、減速度配分計算部22は、要求減速度計算部20が計算した要求減速度が補助ブレーキ4の減速度よりも所定の範囲を超えて小さい場合(ステップS3でNo)、ステップS6の処理へ移行する。
【0027】
ここで「所定の範囲」とは、たとえば要求減速度が補助ブレーキ減速度より多少小さくても運転者がそのことに気付くことはない。一方、要求減速度が補助ブレーキ減速度の半分または3分の1であるなどの場合、運転者は、自己が要求した減速度と実際の車両5の減速度とに大きな差が生じていると感じる。よって、「所定の範囲」は、要求減速度が補助ブレーキ減速度より小さくても運転者が違和感を覚えない程度の範囲である。なお、このような違和感の感じ方には個人差がある。よって、テスト走行の段階で、予め多数の運転者に対してアンケート調査するなどの方法で適切な「所定の範囲」を設定することが好ましい。
【0028】
ステップS4:減速度配分計算部22は、減速度配分計算を行ってステップS5の処理へ移行する。すなわち、減速度配分計算部22は、要求減速度から補助ブレーキ4の減速度を減算した結果、減速度が不足している場合には、その不足している分の減速度をサービスブレーキ3の減速度によって補う。
【0029】
ステップS5:減速度配分計算部22は、ブレーキECU6に対してサービスブレーキ制御情報を出力し、補助ブレーキECU7に対して補助ブレーキ制御情報を出力して処理を終了する(END)。このときに、減速度配分計算部22は、要求減速度から補助ブレーキ4の減速度を減算した結果、減速度が不足していない場合には、サービスブレーキ制御情報として「減速度=0」、すなわちサービスブレーキ3は不使用とする指示をブレーキECU6に対して行う。
【0030】
ステップS6:減速度配分計算部22は、サービスブレーキ3による減速度を計算してステップS7の処理へ移行する。
【0031】
ステップS7:減速度配分計算部22は、ブレーキECU6に対してサービスブレーキ制御情報を出力して処理を終了する(END)。
【0032】
(比較例)
次に、従来制御と制動制御装置1の制御との比較例を図4から図7を参照して説明する。図4は従来の制御の例である。従来の制御では、図4に示すように、ブレーキペダル2の踏み込みが開始されると、サービスブレーキ減速度(破線)と補助ブレーキ減速度(二点鎖線)とが双方ともに発生する。これにより実減速度(一点鎖線)は、各時刻におけるサービスブレーキ減速度と補助ブレーキ減速度の総和となることから、要求減速度(実線)を大きく超過する。特に、ブレーキペダル2の踏み込み開始当初においては実減速度が要求減速度を超過する度合が大きい。
【0033】
これに対し、図5は制動制御装置1の制御の例であり、要求減速度が補助ブレーキ減速度よりも若干小さい場合の制御の例である。この場合、図5に示すように、ブレーキペダル2の踏み込みが開始されると、サービスブレーキ減速度(破線)は発生せず、補助ブレーキ減速度(二点鎖線)のみが発生する。これにより実減速度と要求減速度とはほぼ一致する。図5の例では、ブレーキペダル2の踏み込み開始当初は、補助ブレーキ減速度が要求減速度よりも僅かに大きいがこの程度の減速度の差は運転者が気付かない範囲である。その後、要求減速度が補助ブレーキ減速度を超えるまでサービスブレーキ減速度は発生しない。これにより、ブレーキペダル2の踏み込みが開始されてからサービスブレーキ減速度が発生するまでにはタイムラグが生じている。
【0034】
また、図6は制動制御装置1の制御の例であり、要求減速度が補助ブレーキ減速度よりも若干大きい場合の制御の例である。この場合、図6に示すように、ブレーキペダル2の踏み込みが開始されると、僅かにサービスブレーキ減速度(破線)が発生し、補助ブレーキ減速度(二点鎖線)の不足分を補っている。このように、サービスブレーキ減速度は、補助ブレーキ減速度の不足分を補うように適用される。
【0035】
また、図7は制動制御装置1の制御の例であり、要求減速度が補助ブレーキ減速度よりも所定の範囲を超えて小さい場合の制御の例である。この場合、図7に示すように、補助ブレーキ減速度は使用せず、要求減速度の全てをサービスブレーキ減速度によって発生させている。
【0036】
(効果)
以上説明したように、制動制御装置1は、要求減速度が補助ブレーキの減速度を超えないときは補助ブレーキの減速度のみを要求減速度に対して配分するので、サービスブレーキ3と補助ブレーキ4とを併用しつつ運転者はブレーキ操作に違和感を覚えることがない。
【0037】
また、要求減速度が補助ブレーキの減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときには、補助ブレーキ4による減速度の要求減速度への配分を行わないようにするので、要求減速度が補助ブレーキ4の減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときにも運転者はブレーキ操作に違和感を覚えることがない。
【0038】
これにより、サービスブレーキ3と補助ブレーキ4とを併用してサービスブレーキ3のブレーキ摩擦材の消耗を軽減しつつ運転者にブレーキ操作の違和感を与えないようにできる。
【0039】
(プログラムを用いた実施の形態について)
また、制動制御装置1の各部(要求減速度計算部20、補助ブレーキ減速度記憶部21の制御機能、減速度配分計算部22)は、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、制動制御装置1の各部の機能が実現される。なお、上述したCPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などを用いてもよい。
【0040】
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、制動制御装置1の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、制動制御装置1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、制動制御装置1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。制動制御装置1の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0041】
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【0042】
このように、汎用の情報処理装置とプログラムによって制動制御装置1の機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
【0043】
(その他の実施の形態について)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り様々に変更が可能である。たとえば制動制御装置1をブレーキECU6または補助ブレーキECU7とは別の装置として説明したが、ブレーキECU6または補助ブレーキECU7あるいは不図示の他のECUなどに制動制御装置1の機能が組み込まれてもよい。
【0044】
上述の実施の形態では、補助ブレーキ4として永久磁石式リターダのようなドライブライン・リターダを例示したが、圧縮開放式リターダのようなエンジン・リターダにも制動制御装置1は適用できる。すなわち、ONされるとほぼ一定の減速度を発生する補助ブレーキであればどのような方式の補助ブレーキであっても制動制御装置1を適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1…制動制御装置、2…ブレーキペダル、3…サービスブレーキ、4…補助ブレーキ、5…車両、20…要求減速度計算部(減速度配分手段の一部)、21…補助ブレーキ減速度情報記憶部(減速度配分手段の一部)、22…減速度配分計算部(減速度配分手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキペダルの踏み込み量に応じて減速度が変化するサービスブレーキと制動が開始されると予め決められた所定の推移で減速度を発生する補助ブレーキとによる車両の制動を制御する制動制御装置において、
運転者のブレーキペダルの踏み込み量に相応する要求減速度に対し、上記サービスブレーキによる減速度と上記補助ブレーキによる減速度とを配分する減速度配分手段を有し、
上記減速度配分手段は、上記要求減速度が上記補助ブレーキの減速度を超えないときは上記補助ブレーキによる減速度のみを上記要求減速度に対して配分する、
ことを特徴とする制動制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の制動制御装置であって、
上記減速度配分手段は、上記要求減速度が上記補助ブレーキの減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときには、上記補助ブレーキによる減速度の上記要求減速度への配分を行わないようにする、
ことを特徴とする制動制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の制動制御装置を搭載することを特徴とする車両。
【請求項4】
ブレーキペダルの踏み込み量に応じて減速度が変化するサービスブレーキと制動が開始されると予め決められた所定の推移で減速度を発生する補助ブレーキとによる車両の制動を制御する制動制御装置が実行する制動制御方法において、
運転者のブレーキペダルの踏み込み量に相応する要求減速度に対し、上記サービスブレーキによる減速度と上記補助ブレーキによる減速度とを配分する減速度配分ステップを有し、
上記減速度配分ステップの処理は、上記要求減速度が上記補助ブレーキの減速度を超えないときは上記補助ブレーキによる減速度のみを上記要求減速度に対して配分する、
ことを特徴とする制動制御方法。
【請求項5】
請求項4記載の制動制御方法であって、
上記減速度配分ステップの処理は、上記要求減速度が上記補助ブレーキの減速度よりも所定の範囲を超えて小さいときには、上記補助ブレーキによる減速度の上記要求減速度への配分を行わないようにするステップを有する、
ことを特徴とする制動制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−219015(P2011−219015A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92094(P2010−92094)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】