説明

制御装置、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】画像形成装置の操作性を向上させる
【解決手段】操作画面制御部20は、撮像装置19によって撮像された画像データの中からユーザの顔領域を検出する顔領域検出部21と、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定する移動判定部22と、上記移動判定部22によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定された場合に、上記顔領域から顔の特徴を抽出する顔特徴抽出部23と、上記顔特徴抽出部23によって抽出された顔の特徴に基づき、ユーザの属性を検出する属性検出部24と、上記属性検出部24によって検出されたユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部14bに表示させる表示制御部25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に適用され、画像形成装置の操作性を向上させるための制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからの指示が操作パネルに入力されたとき、ユーザの年齢、性別などの属性を検出し、ユーザの属性に応じた操作情報などを操作パネルの表示部に表示させる画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置では、ユーザからの指示が操作パネルに入力されたとき、まず、CCDカメラでユーザの顔を撮像し、撮像された顔の画像データから、ユーザの属性を識別するのに必要な特徴量を抽出する。そして、抽出したユーザの特徴量と、予め登録されている標準辞書(顔の特徴量に対応する属性の対応テーブル)とを比較することによって、ユーザの属性が検出され、ユーザの属性に応じた操作情報などを操作パネルに表示させる。
【0004】
例えば、ユーザが男性であると判定された場合には、ユーザが原稿台に載置した原稿をコピーしている間に、男性向けの広告情報やニュース情報を操作パネルの表示部に表示させる。あるいは、ユーザが子供であると判定された場合には、子供用の文字データで表記された操作情報を読み出し、これを操作パネルの表示部に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−140603号公報(2002年5月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、ユーザからの指示が入力されてからユーザの属性検出を開始する構成では、ユーザが画像形成装置の前に立った時点では、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させることができない。それゆえ、ユーザは、画像形成装置の操作開始時点では、自己の属性に応じた操作画面を操作することができず、また、操作開始からユーザの属性に応じた操作画面を表示させるのに時間を要するため、画像形成装置の操作性を向上させるには不十分である。特に、ユーザが子供や高齢者である場合は、操作画面を読み取り難いため、画像形成装置を正確に操作することが困難であるという問題を有している。
【0007】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされてものであり、その目的は、ユーザが画像形成装置の前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることにより、ユーザが画像形成装置の操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することを可能にする制御装置、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る制御装置は、上記課題を解決するために、記録紙に画像を形成する画像形成手段を少なくとも備える画像形成装置を制御する制御装置であって、上記画像形成装置には、操作者であるユーザを撮像するための撮像装置が取り付けられており、上記撮像装置によって撮像された画像データの中からユーザの顔領域を検出する顔領域検出部と、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定する移動判定部と、上記移動判定部によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定された場合に、上記顔領域から顔の特徴を抽出する顔特徴抽出部と、上記顔特徴抽出部によって抽出された顔の特徴に基づき、ユーザの属性を検出する属性検出部と、上記属性検出部によって検出されたユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の画像形成装置の制御方法は、上記課題を解決するために、記録紙に画像を形成する画像形成手段を少なくとも備える画像形成装置を制御する制御方法であって、上記画像形成装置には、操作者であるユーザを撮像するための撮像装置が取り付けられており、上記撮像装置によって撮像された画像データの中からユーザの顔領域を検出する第1のステップと、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定する第2のステップと、上記第2のステップにてユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定された場合に、上記顔領域から顔の特徴を抽出する第3のステッップと、上記第3のステップにて抽出された顔の特徴に基づき、ユーザの属性を検出する第4ステップと、上記第4のステップにて検出されたユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させる第5のステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、ユーザは画像形成装置の周辺まで赴いたとき、移動判定部によってユーザが画像形成装置に近づいているか否かが判定される。そして、撮像装置によって撮像され、顔領域検出部によってユーザの顔領域が検出される。さらに、ユーザが画像形成装置に近づいていると判定されたとき、撮像された画像データから顔領域検出部によって検出された顔領域から顔の特徴が顔特徴抽出部により抽出され、属性検出部によってユーザの属性が検出される。そして、表示制御部は、属性検出部によって検出されたユーザの属性に応じた操作画面を、画像形成装置の表示部に表示させる。
【0011】
このように、上記の構成によれば、移動判定部によってユーザが画像形成装置に近づいていると判定されたときに、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させるための処理を開始させる。このため、ユーザが画像形成装置の前に到達した時点で、すでにユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることができる。
【0012】
ここで、ユーザの属性とは、例えば、ユーザの年齢、性別または人種などをいう。例えば、ユーザが高齢者であると判定された場合、表示制御部は、文字を大きく表示した操作画面を表示部に表示させる。また、ユーザが子供であると判定された場合、表示制御部は、ひらがな表記、あるいはアニメーションで表された操作画面を表示部に表示させる。このため、ユーザは、自己の属性に応じた操作画面を操作することが可能となり、画像形成装置を容易に操作することができる。
【0013】
以上のように、上記の構成によれば、ユーザは、画像形成装置の操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することが可能となるため、画像形成装置の操作性を向上させる制御装置を実現することができる。
【0014】
また、本発明に係る制御装置では、上記移動判定部は、上記顔領域検出部によって検出された上記顔領域の位置および大きさの時間変化に基づいて、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否を判定することが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、移動判定部は、顔領域検出部によって検出された顔領域の位置および大きさの時間変化に基づいて、ユーザが画像形成装置に近づいているか否を判定するため、ユーザとの距離を検知するための装置を別に設ける必要がない。
【0016】
これにより、画像形成装置の構成を簡略化させる制御装置を実現することができる。
【0017】
また、本発明に係る制御装置では、上記画像形成装置には、当該画像形成装置と当該画像形成装置から所定範囲内に存在する人体との距離を検知するための検知装置が取り付けられており、上記移動判定部は、上記検知装置によって検知された距離の時間変化に基づいて、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定することが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、ユーザは画像形成装置の周辺まで赴いたとき、検知装置によって検知される。そして、移動判定部は、検知装置によって検知された画像形成装置とユーザとの距離の時間変化に基づいて、ユーザが画像形成装置に近づいているか否かを判定する。このように、移動判定部は、検知装置によって検知された距離データに基づいて、ユーザが画像形成装置に近づいているか否かを判定するため、撮像装置を常に作動させておく必要がない。
【0019】
これにより、画像形成装置の消費電力を低減させる制御装置を実現することができる。
【0020】
また、上記の構成によれば、検知装置によってユーザが検知されるため、ユーザが画像形成装置に顔を向けずに近づいている場合であっても、移動判定部はユーザが画像形成装置に近づいているか否を判定することができる。これにより、顔領域を検出し難い状況下においても、ユーザの接近を確実に検知することが可能であるため、ユーザが画像形成装置に近づいているにもかかわらず、それを検知することができないなどの画像形成装置の誤検知を防止する制御装置を実現することができる。
【0021】
さらに、上記の構成によれば、移動判定部によってユーザが画像形成装置に近づいていると判定されたとき、撮像装置による撮像が開始される。このように、撮像装置の撮像開始のタイミングを遅らせることにより、画像形成装置の手前にまで近づいたユーザが撮像され、その画像データが顔領域検出部に出力されることになる。ここで、人は、目的物に近づくにつれて、その目的物を必ず見る習性がある。このため、撮像装置の撮像開始のタイミングを遅らせることにより、画像形成装置を使用する目的で近づいてきたユーザの顔全体を、確実に撮像して、画像データに含めることができる。一方、検知装置によってユーザが検知されてから、撮像装置による撮像が開始されるまでの間に、ユーザが方向転換した場合、ユーザの顔全体は撮像されず、画像データに含まれない。このように、上記の構によれば、撮像装置の撮像開始のタイミングを遅らせることにより、画像形成装置の手前にまで近づいたユーザの画像データが顔領域検出部に出力される。これにより、ユーザが画像形成装置の前に居ないにもかかわらず、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させるなどの画像形成装置の誤作動を防止する制御装置を実現することができる。
【0022】
また、本発明に係る制御装置では、上記移動判定部によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定されたときに、記撮像装置を起動させることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、移動判定部によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定されたとき、すなわち、撮像装置によってユーザを撮像する必要が生じたときに、上記撮像装置を起動させる。
【0024】
これにより、画像形成装置の消費電力を低減させる制御装置を実現することができる。
【0025】
また、本発明に係る制御装置では、上記属性検出部によってユーザの属性が検出されたときに、上記画像形成手段を起動させることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、属性検出部によってユーザの属性が検出されたとき、画像形成手段を起動させる。すなわち、ユーザが画像形成装置の操作を開始する直前に、画像形成装置を省電力モードから通常モードへと復帰させる。
【0027】
これにより、画像形成装置の消費電力を低減させる制御装置を実現することができる。
【0028】
また、本発明に係る制御装置では、上記表示制御部は、ユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させた後、所定時間以内に当該ユーザから実行指示が入力されない場合に、当該ユーザの属性に応じた操作画面を、より操作性の高い操作画面に切り替えることが好ましい。
【0029】
ユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させた後、所定時間以内にユーザから実行指示が入力されない場合、ユーザが画像形成装置の操作に戸惑っている状況にあることが考えられる。上記の構成によれば、その時点で表示させているユーザの属性に応じた操作画面を、ユーザが画像形成装置の操作方法を理解し易いように、より操作性の高い操作画面に切り替える。
【0030】
これにより、画像形成装置の操作性をさらに向上させる制御装置を実現することができる。
【0031】
また、本発明に係る制御装置では、上記所定時間は、ユーザの属性に応じて設定されることが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、操作画面が切り替えられるまでの所定時間は、ユーザの年齢などの属性に応じて適切な時間がそれぞれ設定される。例えば、1つの処理を実行させるためにユーザが画像形成装置を操作する時間は、一般的に2〜3分程度あれば十分であると考えられる。しかしながら、この時間はユーザの年齢などの属性に応じて異なる。このため、例えば、大人の場合には2分、高齢者の場合には5分、子供の場合には3分というようにユーザの年齢に合わせて適切な所定時間を設定する。
【0033】
これにより、ユーザの属性に応じたタイミングで、操作画面を切り替える制御装置を実現することができる。
【0034】
本発明に係る画像形成装置は、上記課題を解決するために、記録紙に画像を形成する画像形成手段と、操作者であるユーザを撮像するための撮像装置と、上記制御装置とを備えることを特徴としている。
【0035】
これにより、ユーザが画像形成装置の前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることにより、ユーザが画像形成装置の操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することを可能にする画像形成装置を実現することができる。
【0036】
なお、上記制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより制御装置をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る制御装置は、以上のように、上記画像形成装置には、操作者であるユーザを撮像するための撮像装置が取り付けられており、上記撮像装置によって撮像された画像データの中からユーザの顔領域を検出する顔領域検出部と、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定する移動判定部と、上記移動判定部によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定された場合に、上記顔領域から顔の特徴を抽出する顔特徴抽出部と、上記顔特徴抽出部によって抽出された顔の特徴に基づき、ユーザの属性を検出する属性検出部と、上記属性検出部によって検出されたユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させる表示制御部とを備える構成である。
【0038】
それゆえ、ユーザが画像形成装置の前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることにより、ユーザは、画像形成装置の操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る制御装置が備える操作画面制御部の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る制御装置を備える複合機の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示される複合機の構成を示すブロック図である。
【図4】撮像装置によって撮像された画像データにおける、外接矩形領域と、その始点および終点とを示す図である。
【図5】撮像装置によって撮像された画像データにおける、顔位置の中心位置Cを示す図である。
【図6】標準的な操作画面の一例を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は、実施形態1に係る複合機の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図8】(a)および(b)は、実施形態1に係る複合機の表示部に表示される操作画面の他の一例を示す図である。
【図9】実施形態1に係る複合機の設置場所ごとに分類した操作画面表示テーブルの一例を示す図である。
【図10】実施形態1に係る複合機の表示部に表示される英語で表記された操作画面の一例を示す図である。
【図11】実施形態1に係る操作画面制御部における操作画面設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】実施形態1に係る操作画面制御部における操作画面設定処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【図13】実施形態1に係る操作画面制御部における操作画面の再設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】(a)は実施形態1に係る複合機の表示部に表示される標準的な印刷プレビュー画面の一例を示す図であり、(b)は分かり易い印刷プレビュー画面の一例を示す図である。
【図15】(a)は実施形態1に係る複合機の表示部に表示される標準的な印刷ジョブのリストの一例を示す図であり、(b)は高齢者用の印刷ジョブのリストの一例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る制御装置が適用される画像出力装置の一例を示す図である。
【図17】実施形態2に係る制御装置を備える複合機の外観を示す斜視図である。
【図18】図17に示される複合機の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の他の実施形態に係る制御装置が備える操作画面制御部の構成を示すブロック図である。
【図20】実施形態2に係る操作画面制御部における操作画面設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図21】実施形態2に係る操作画面制御部における操作画面設定処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【図22】実施形態2に係る複合機の表示部に表示される操作画面の表記に関するモードを選択する操作画面の一例を示す図である。
【図23】本発明の他の一実施形態に係る制御装置が適用される画像出力装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
本発明の制御装置に関する実施の一形態について図1から図16に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態に係る制御装置は、複合機やプリンタなどの画像形成装置の制御処理を行うものであり、当該画像形成装置に搭載される。本実施形態では、複合機を制御対象としており、以下では、当該複合機に搭載される制御装置について説明する。
【0041】
(複合機の構成)
まず、本実施形態に係る制御装置が適用される複合機1の概略について説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置を備える複合機1の外観を示す斜視図である。図2に示されるように、複合機1の操作部14には、撮像装置19が取り付けられている。また、複合機1には、オプション装置として、ソータ処理などを行う排紙装置6や、大容量給紙装置5が装着可能である。なお、撮像装置19についての詳細は後述する。
【0042】
図3は、図2に示される複合機1の構成を示すブロック図である。図3に示されるように、複合機1は、画像読み取り部11と、FAXモデム12と、通信部13と、操作部14と、管理部15と、画像形成部(画像形成手段)16と、ハードディスク17と、消去処理部18と、制御装置20とを備える。また、複合機1には、上述した撮像装置19が取り付けられており、撮像装置19は制御部20に接続されている。
【0043】
画像読み取り部11は、原稿載置台に置かれた原稿画像を読み取り、読み取った画像データを出力するものである。画像読み取り部11は、例えば、CCDなどの光学情報を電気信号に変換するデバイスを有するスキャナ11aを備え、当該スキャナ11aは、原稿からの反射光像を、RGBのアナログ信号として出力する。また、画像読み取り部11は、原稿の有無や大きさを検知するための原稿検知センサ11bを備えている。
【0044】
FAXモデム12は、電話線から印刷出力するべき印刷データを受信し、制御装置20に出力する。また、FAXモデム12は、画像読み取り部11によって読み取られた画像データを適切な形式に変換した出力信号を、電話回線網を介して外部のファクシミリ装置に出力する。
【0045】
通信部13は、LANなどのネットワークから印刷データを受信し、制御装置20に出力する。また、通信部13は、画像読み取り部11によって読み取られた画像データを適切な形式に変換した出力信号を、各ネットワークを介して端末に出力する。通信部13は、電子メールにより、画像データを送信してもよい。
【0046】
操作部14は、ユーザからの所望の操作や画質調整などの設定値を受け付ける入力部14aと、動作や設定値の状況および各種データをユーザに示す液晶表示装置などからなる表示部14bとを備えている。操作部14は、タッチパネルやキーボードなどにより構成される。操作部14は、入力部14aにて入力された情報を制御装置20に出力する。また、表示部14bは、制御装置20から受けた表示データに基づいて、操作画面などの各種画面を表示する。
【0047】
管理部15は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ装置で構成されており、各部の処理条件を示す各種設定値やユーザデータ、標準辞書(顔の特徴量に対応する属性の対応テーブル)を管理している。
【0048】
画像形成部16は、入力された画像データまたは印刷データに基づいて、記録紙上に画像を形成し、当該記録紙を排出するものである。画像形成部16は、第1画像処理部16aと印字部16bとを備えている。
【0049】
第1画像処理部16aは、画像読み取り部11によって読み取られた画像データに対して、A/D変換処理、シェーディング補正処理、入力階調補正処理、領域分離処理、色補正処理、黒生成下色除去処理、空間フィルタ処理、階調再現処理などの画像処理を行う。また、第1画像処理部16aは、FAXモデム12または通信部13によって受信された印刷データを、CMYKの各データに変換する処理を行う。さらに、第1画像処理部16aは、FAXデータやE−mailなど、各ネットワーク送信へ適したデータへ変換する処理も行う。第1画像処理部16aは、処理対象となる画像データまたは印刷データをハードディスク17に格納し、画像処理済みのデータを印字部16bや制御装置20に順次出力する。
【0050】
印字部16bは、第1画像処理部16aによって処理された画像データまたは印刷データに基づいて、C,M,Y,Kの各色トナーを用いて記録紙上に画像形成を行うものである。印字部16bは、大容量給紙装置5(図2参照)や内蔵する給紙トレイ16c・16dから記録紙を受け取り、当該記録紙上に画像形成を行った後に、当該記録紙を排紙する。なお、印字部16bには、感光体ドラム、帯電器、露光器、現像装置、定着装置などが含まれる。
【0051】
消去処理部18は、印刷処理(画像形成処理)または送信処理が完了したデータをハードディスク17から消去するものである。
【0052】
撮像装置19は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどであり、複合機1の周辺を連続的に撮像し、画像データを制御装置20に出力する。このため、ユーザが複合機1の周辺まで来たとき、撮像装置19は、当該ユーザを撮像することとなる。なお、撮像装置19が取り付けられる位置は特に限定されないが、複合機1を操作する平均的な体格を有するユーザの顔の中心が撮像範囲の中心になるように、複合機1の操作部14付近に、画角が上方向きになるように取り付けられることが好ましい。なお、撮像装置19によって撮像された画像データは、後述するように、制御装置20が備える操作画面制御部20aにおける操作画面設定処理に用いられる。
【0053】
制御装置20は、汎用的なCPUやメモリなどを備えており、上記各部の動作、およびデータ送受信や設定値の変更、判定処理などを行うものである。
【0054】
具体的には、制御装置20は、入力部14aに入力された指示に従って、画像読み取り部11、画像形成部16、FAXモデム12、通信部13などを制御する。例えば、コピー指示が入力された場合、制御装置20は、画像読み取り部11を動作させて原稿を読み取らせ、読み取られた画像データに基づいて画像形成するように画像形成部16を制御する。この際、入力部14aに入力された設定条件に従い、制御装置20は、管理部15が管理する各種設定値を変更する。
【0055】
また、制御装置20は、原稿検知センサ11bの検知結果に従い、記録紙のサイズを決定する。さらに、画像形成部16から印刷処理完了通知を受けたとき、および、FAXモデム12または通信部13から画像送信処理完了通知を受けたとき、制御装置20は、消去処理部18に対して、印刷処理が完了したデータを消去するように指示する。
【0056】
また、制御装置20は、FAX送信指示が入力された場合、画像読み取り部11を動作させて原稿を読み取らせ、読み取られた画像データをFAX送信に適したデータ形式に変換するように第1画像処理部16aに指示し、さらに、変換後の画像データをFAXモデム12を用いて送信させる。
【0057】
なお、このような制御装置20の処理は、従来の複合機における処理と同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0058】
また、制御装置20は、操作画面制御部20aを備えている。操作画面処理部20aは、撮像装置19から出力された画像データに基づいて、複合機1に近づいているユーザの属性に応じた操作画面を表示部14b表示させるまでの一連の処理を行う。
【0059】
(操作画面制御部の構成)
次に、制御装置20が備える操作画面制御部20aの内部構成について説明する。図1は、本実施形態に係る制御装置20が備える操作画面制御部20aの構成を示すブロック図である。図1に示されるように、操作画面制御部20aは、顔領域検出部21と、移動判定部22と、顔特徴抽出部23と、属性検出部24と、表示制御部25とを備えている。
【0060】
顔領域検出部21は、撮像装置19から出力された画像データを解析して、複合機1の周辺に居るユーザの顔領域の位置を検出するものである。顔領域検出部21は、画像データの中から、人の顔と推定される部分画像が存在するか否かを判断する。そして、そのような部分画像が存在する場合、顔領域検出部21は、当該部分画像の位置(以下、顔位置という)と大きさを示す特徴値、例えば、顔の輪郭に外接する矩形領域(以下、外接矩形領域という)の始点と終点との座標を求める。
【0061】
図4は、撮像装置19によって撮像された画像における、外接矩形領域(図中、点線で示す)と、その始点Psおよび終点Peとを示す図である。図4に示されるように、始点Psと終点Peとの座標を求める方法としては、例えば、外接矩形領域の1つの角を始点Psとし、その対角を終点Peとする。これにより、画像データにおける外接矩形領域の始点Ps(Xs,Ys)および終点Pe(Xe,Ye)の座標をそれぞれ求めることができる。
【0062】
人の顔と思われる部分画像が存在するか否かを判断する方法としては、例えば、肌の色に近い領域を抽出し、その領域内に目や眉、口といった人の顔の特徴的な形状を含むか否で判定する方法や、そのような領域中で所定の閾値以上の大きさのものが存在するか否かで判定する方法などを用いればよい。
【0063】
また、複数の人がいる場合は、時系列的に前後の画像データ中で、同じ人の顔位置が対応付けられるようにすればよい。フレームレートや画角にも依存するが、一般的な動画像では、1秒当たり数フレーム〜数十フレームの画像が入力されるため、元の検出位置の近傍のものが対応する顔位置であるとするなどの方法が考えられる。このような方法は、近年、デジタルカメラなどにおいて広く用いられている技術であり、これらの技術を転用することができる。
【0064】
移動判定部22は、複合機1と複合機1の近くにいるユーザとの距離に応じて変化する距離パラメータを算出し、当該距離パラメータの時間変化に基づいてユーザが複合機1に近づいているか否かを判定するものである。本実施形態では、移動判定部22は、顔領域検出部21で検出された顔位置およびその顔の大きさを示す特徴値を上記距離パラメータとして算出し、当該距離パラメータの時間変化の結果を用いて、撮像された画像データ中の人が、複合機1に近づいているか否かを判定する。
【0065】
例えば、顔位置およびその顔の大きさを示す特徴値が、上記のように外接矩形領域の始点Psおよび終点Peである場合には、次のようにして判定すればよい。移動判定部22は、顔領域検出部21で検出された外接矩形領域の中心位置C(始点Psおよび終点Peの各座標の中間値)と面積S(始点Psおよび終点Peの各座標差分値の積)といった情報を、連続する複数の静止画像から各々を求める。
【0066】
図5は、撮像装置19によって撮像された画像データにおける、顔位置の中心を示す図である。図5に示されるように、撮像装置19の撮像範囲が、複合機1を操作する平均的な体格を有するユーザの顔位置の中心が、画面の中心になるように設定されている。そして、移動判定部22は、中心位置が画面の中心方向に移動し、かつ、面積Sが増大している場合に、撮像されているユーザが複合機1に近づいていると判断する。なお、移動判定部22の判定方法は、これに限定されるものではない。
【0067】
顔特徴抽出部23は、顔領域検出部21によって検出された画像データの顔領域から、髪型、髭、白髪、顔の皺、唇の色など、ユーザの属性を検出するために必要な顔の特徴量を抽出する。なお、特徴量とは、顔の特徴を数値化した値をいう。
【0068】
顔特徴抽出方法としては、一般的な顔認識方法の技術を転用することができる。実際のCCDカメラ(撮像素子)を用いた一般的な顔認識方法に関しては、赤松茂氏の”コンピュータによる顔の認識−サーベイ−,”(電子情報通信学会論文紙 A vol.J80-A, NO.8, pp.1215-1230, Aug.1997)に纏められているように、2次元正面図によるパターン認識が多く提案されている。
【0069】
なお、各種提案されている方法の違いは、顔パターンからの特徴量の抽出方法に違いがある場合がほとんどであり、上記文献でも、いくつかの実例が挙げられている。以下にその中の2つの方法を例として挙げる。
【0070】
・顔造作の幾何学的特徴の記述(造作ベース法)
顔画像から微分フィルタを用いて線画像(エッジ成分)を作成し、これを局所的に水平方向と垂直方向とに投影して、閾値処理をすることで、顔を構成する造作(目・鼻・口など)の位置やあごの輪郭線形状を数値的に表し、特徴ベクトルとする方法。
【0071】
・大局的な濃淡パターン分布特徴の記述(パターン製合法)
濃淡を持つ各画素の階調をそのまま活かして、特徴ベクトルとする方法。ただし、あまりにも次数が大きく演算時間が掛かったり、照合するべき登録データ容量がかさむため、画像をブロック化して特徴ベクトルの次数を減らすなどの工夫がなされている。また、濃淡値も照明環境などの違いによる変動によって、精度に影響がでやすいため、濃度の違いを吸収する正規化を行ったり、荒い階調に量子化するといった工夫がなされている。後者の方法は、前出の演算量の低減にも有用である。
【0072】
なお、「第98回月例発表会(2008年4月)顔認識技術」鍋藤克敏氏、上田祐一郎氏に纏められているように、幾何学的特徴を用いる方法の具体例としては、LFA(Local Feature Analysis)法が知られている。また、パターン分布特徴を用いる方法の具体例としては、Gabor Wavelet変換法が知られている。
【0073】
LFA法とは、目、鼻、口などの部位に対して、主成分分析を行って特徴量を抽出する方法である。以下に、LFA法の流れを示す。
【0074】
LFA法では、まず、1つの部位検出を行う。ここでは、登録されている目や鼻などの形の情報から、顔領域内でテンプレートマッチング法を用いることによって行う。なお、テンプレートマッチング法とは、テンプレート(顔パターン画像)を、画像上で比較しながら走査していく方法をいう。
【0075】
次に、全体の部位検出を行う。ここでは、目の上には眉があるなどの顔全体の構造に関する知識を利用して、各部位がありそうなところだけを探索して行う。
【0076】
次に、局所的特徴量抽出を行う。ここでは、検出された部位に対して、主成分分析を行うことで、各部品の位置関係などを表した特徴量を抽出する。
【0077】
最後に、幾何学的特徴量抽出を行う。ここでは、各部品同士の特徴的な位置関係を特徴量として表すことにより精度を上げることができる。
【0078】
なお、LFA法は、顔の局所的特徴のパターンを登録しているので、髪、メガネなどの装飾品、表情の変化にも強いという利点がある。
【0079】
一方、Gabor Wavelet変換法とは、パターン分布特徴を用いて、顔特徴を抽出する方法の一種である。画像を複数のフィルタリングにかけ(画像に複数のフィルタ処理を施し)、それぞれの画像を細分化して局所的に特徴量を算出することがGabor Wavelet変換法の特徴である。Gabor Wavelet変換法では、特徴量を局所的に数値化された複数の向きに対する濃淡の度合いとして扱う。細かい特徴点に対し、詳細に位置決めするので、計算量が膨大であるという欠点があるが、顔の向きの変化に対しても、非常に高い精度で認識することができる。
【0080】
なお、顔特徴抽出方法としては、上記の方法に限定されず、その他の方法を用いてもよい。
【0081】
属性検出部24は、顔特徴抽出部23によって抽出された顔の特徴量と、予め登録されている顔データのパターンである標準辞書(顔の特徴量に対応する属性の対応テーブル)とを比較し、ユーザの属性を検出する。
【0082】
標準辞書には、予め複数人の顔の画像データを分析することにより得られる一般的な特徴量が格納されており、これらは、ハードディスク17や外部メモリ(図示省略)などに記憶されている。例えば、60歳以上の人は、一般的に、60歳未満の人と比べて、髪の色が白に近く、顔の皺が多い。そこで、60歳以上の複数人の顔の画像データを分析することにより、60歳以上の人における平均的な、髪の色(白髪)を示す特徴量、皺の数や大きさなどを示す特徴量を予め算出しておき、標準辞書に登録しておく。そして、顔特徴抽出部23によって抽出された髪の色(白髪)を示す特徴量および皺の数や大きさなどを示す特徴量と、標準辞書内の当該特徴量との一致度を求め、当該一致度が所定の閾値より大きい場合には、60歳以上、あるいは高齢者という属性を与えればよい。なお、髪の色(白髪)を示す特徴量および皺の数や大きさなどを示す特徴量の両方の一致度が所定閾値以上の場合に60歳以上という属性を与えてもよいし、いずれか一方の一致度が所定閾値以上の場合に60歳以上という属性を与えてもよい。
【0083】
同様に、10歳以下の子供は、一般的に、顔を構成する造作(目、鼻、口など)の距離が短い。具体的には、大人の顔と比べて、目が大きく、目と眉の間隔が広く、鼻や口が小さく、顔の輪郭が丸くて小さいというような特徴がある。そこで、10歳以下の複数の子供の顔の画像データを分析することにより、10歳以下の子供における平均的な、顔の大きさに対する目の相対的な大きさを示す特徴量、目と眉の間隔を示す特徴量、顔の大きさに対する鼻や口の相対的な大きさを示す特徴量、顔の輪郭の丸さを示す特徴量、顔の大きさを示す特徴量などを予め算出しておき、標準辞書に登録しておく。そして、顔特徴抽出部23によって抽出されたこれらの特徴量と、標準辞書内の当該特徴量との一致度を求め、当該一致度が所定の閾値より大きい場合に、10歳以下、あるいは子供という属性を与えればよい。なお、これら全ての特徴量の一致度が所定閾値以上の場合に10歳以下という属性を与えてもよいし、これら特徴量の中の所定数の特徴量の一致度が所定閾値以上の場合に10歳以下という属性を与えてもよい。
【0084】
また、人種の推定処理は、特開2005−266981に開示されている方法を用いることができる。当該方法では、入力された顔画像から明るさ不変特徴量であるガボール特徴量に対して、Gabor Wavelet変換法などを適用することにより、各特徴点における濃淡特徴に基づいた特徴量を取得する。この特徴量をパターン認識の識別器に入力することにより、人種を推定している。当該方法により、例えば、モンゴロイド(アジア系)、コーカソイド(ヨーロッパ系)、あるいは、ネグロイド(アフリカ系)といった属性を検出することが可能である。本実施形態では、標準辞書には、モンゴロイドにおける平均的な濃淡特徴に基づいた特徴量を予め登録しておき、顔特徴抽出部23によって抽出された濃淡特徴を示す特徴量と、標準辞書内の当該特徴量との一致度を求め、一致度と所定閾値とを比較することで、ユーザの属性がモンゴロイドか否かを判定する。
【0085】
表示制御部25は、表示部14bに表示させる操作画面を制御するものである。表示制御部25は、ユーザの属性と操作画面とを対応付けた操作画面表示テーブルを予め記憶しておき、属性検出部24によって検出されたユーザの属性に基づいて、操作画面表示テーブルの中からユーザの属性に応じた操作画面(ユーザインタフェース)を特定し、表示部14bに表示させる。
【0086】
図6は、標準的な操作画面の一例を示す図である。従来の複合機では、通常、どのユーザに対しても、図6に示されるような標準的な操作画面が提供される。このため、例えば、コピーを行う場合でも、操作画面には種々の設定項目が表示されると共に、文字が小さいなどの理由により、ユーザによっては読み難く、複合機を正確に操作することが困難な場合がある。
【0087】
図7(a)〜(d)は、本実施形態に係る複合機1の表示部14bに表示される操作画面の一例を示す図である。本実施形態に係る複合機1では、表示制御部25は、属性検出部24によって検出された属性情報から、例えば、ユーザが高齢者であるという属性を受け取った場合、図7(a)に示されるように、大文字で基本的機能に特化した操作画面を設定する。また、コンビニエンスストアなどコピー機能が主に使用されるような環境に設置された場合には、図7(b)に示されるように、単にカラーコピーまたは白黒コピーの項目のみの操作画面を設定してもよい。あるいは、図7(c)および(d)に示されるように、コピーされる頻度が高い免許書や保険証の項目を簡単に選択できるような操作画面を設定してもよい。
【0088】
図8(a)および(b)は、本実施形態に係る複合機1の表示部14bに表示される操作画面の他の一例を示す図である。表示制御部25は、属性検出部24によって検出された属性情報から、ユーザが子供であるという属性を受け取った場合、図8(a)に示されるように、ひらがなで表記された操作画面を設定する。また、図8(b)に示されるように、カラーコピーおよび白黒コピーの項目をアニメーション(イラストなど)で表した操作画面を設定してもよい。すなわち、図8(b)では、矢印の先の右側に印刷物を示すアニメーションを表示し、当該印刷物を示すアニメーションをカラーまたは白黒で表示することにより、カラーコピーまたは白黒コピーの項目を表すことができる。
【0089】
図9は、本実施形態に係る複合機1の設置場所ごとに分類した操作画面表示テーブルの一例を示す図である。上述したとおり、複合機1の設置場所によって、使用される機能が大きく異なってくる。このため、操作画面の切り換えパターンを設置場所ごとに選択可能にすることが好ましい。例えば、図9に示されるように、設置場所によってデフォルト設定を準備しておく。具体的には、オフィスでは、コピー、FAX/イメージ送信、ファイリング機能を日常的に使用するため、これらの機能が選択し易い操作画面を設定し、子供が使用するシーンが無いため、子供用の操作画面は設定しない。また、コンビニエンスストアでは、コピー機能が選択し易い操作画面を設定する。
【0090】
このように、操作画面の切り換えパターンを、複合機1の設置場所に応じて選択可能にすることにより、複合機1の使用環境に合わせて、最適な操作画面を表示させることができる。なお、操作画面の切り換えパターンは、複合機1の設置後に、管理者によって適宜選択可能である。
【0091】
図10は、本実施形態に係る複合機1の表示部14bに表示される英語で表記された操作画面の一例を示す図である。属性検出部24によって、人種の推定処理を行い、例えば、ユーザがモンゴロイド(アジア系)であるという属性を受け取った場合、表示制御部25は、図6〜8に示されるような日本語の操作画面を設定する。一方、コーカソイド(ヨーロッパ系)、あるいは、ネグロイド(アフリカ系)であるという属性を受け取った場合、図10に示されるように、英語で表記された操作画面を設定してもよい。さらに、ユーザの年齢など属性に応じて、日本語と同様に、文字の大きさなどを変更してもよい。
【0092】
なお、これまでは操作開始時の操作画面において、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させる場合の一例ついて説明したが、操作開始以後の操作画面についても、同様にユーザの属性に応じた操作画面が表示されるものとする。
【0093】
(操作画面制御部における操作画面設定処理の流れ)
次に、操作画面制御部20aにおける操作画面設定処理の流れについて、図11に示されるフローチャートを参照しながら説明する。図11は、操作画面制御部20aにおける操作画面設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここで、操作画面設定処理とは、複合機1に近づいているユーザの認識から、当該ユーザの属性に応じた操作画面を表示させるまでの一連の処理をいう。
【0094】
まず、顔領域検出部21は、撮像装置19から出力された画像データを解析し、人の顔と推定される顔領域が存在するか否かを確認する(S1)。
【0095】
このような顔領域が存在する場合(S1でYES)、顔領域検出部21は、当該顔領域の位置(顔位置)と大きさとを示す特徴値を求める(S2)。特徴値の具体例としては、上述したように、顔の輪郭に外接する矩形領域の始点Psおよび終点Peの座標である。
【0096】
次に、移動判定部22は、顔領域検出部21によって求められた特徴値の時間変化に基づいて、撮像された人が複合機1に近づいているか否かを判定する(S3)。この判定方法の具体例については上述したので、ここでは、その説明を省略する。
【0097】
移動判定部22によって人が複合機1に近づいていないと判定された場合(S3でNO)、S1へ戻る。一方、人が複合機1に近づいていると判定された場合(S3でYES)、次のS4へ移行する。
【0098】
次に、顔特徴抽出部23は、移動判定部22によって複合機1に近づいていると判定されたユーザの顔領域の画像データを切り出し、特徴量の抽出を行う。この抽出方法の具体例については上述したので、ここでは、その説明を省略する(S4)。
【0099】
次に、属性検出部24は、顔特徴抽出部23によって抽出された特徴量と予め登録されている顔データのパターンである標準辞書(顔の特徴量に対応する属性の対応テーブル)とを比較し、ユーザの属性を検出する(S5)。この検出方法の具体例については上述したので、ここでは、その説明を省略する。
【0100】
次に、属性検出部24がユーザの属性を検出したとき、省電力制御部(図示省略)は、複合機1を省電力モードから通常モードへと復帰させ起動させる(S6)。これは、複合機1を休止状態から、データの出力などの活動状態へ遷移させるものである。具体的には、印刷出力のための定着装置が備えるヒーターランプの電源や、表示部14bの電源をオフからオンにする。なお、複合機1が既に通常モードである場合には、S6の処理はスキップされる。
【0101】
次に、表示制御部25は、属性検出部24によって検出されたユーザの属性に応じた操作画面を設定する。属性検出部24から受け取ったユーザの属性が、例えば、10歳以下であるか否かを判定する(S7)。そして、10歳以下である場合(S7でYES)、図8に示されるような子供用の操作画面を設定する(S8)。一方、10歳より上である場合(S7でNO)、S9へ移行する。
【0102】
次に、表示制御部25は、属性検出部24から受け取ったユーザの属性が、例えば、60歳以下であるか否かを判定する(S9)。そして、60歳以下である場合(S9でYES)、図6に示されるような標準的な操作画面を設定する(S10)。一方、60歳より上である場合(S9でNO)、図7(a)に示されるような高齢者用の操作画面を設定する(S11)。
【0103】
最後に、表示制御部25が、S8〜S11において設定したいずれかの操作画面を、表示部14bに表示させることにより、操作画面制御部20aにおける操作画面設定処理は終了する。
【0104】
なお、図11に示される処理では、ユーザの属性として年齢を検出する場合について説明したが、例えば、ユーザの属性として年齢および人種を検出し、それぞれの属性に応じた操作画面を表示させるとも可能である。
【0105】
図12は、操作画面制御部20aにおける操作画面設定処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。なお、S1〜S6については、図11に示される処理と同じ内容であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0106】
表示制御部25は、属性検出部24から受け取ったユーザの属性のうち、人種に関する属性がモンゴロイドであるか判定する(S6a)。そして、モンゴロイドである場合(S6aでYES)、S7へ移行し、上述したS7〜S11の処理を行う。これにより、表示制御部25は、ユーザの年齢に応じた日本語で表記された操作画面を設定し、表示部14bに表示させる。
【0107】
一方、モンゴロイドでない場合(S6aでYES)、S7aへ移行し、S7a〜S11aの処理を行う。これにより、表示制御部25は、ユーザの年齢に応じた英語で表記された操作画面を設定し、表示部14bに表示させる。なお、S7〜S11とS7a〜S11aとは、最終的に表示部14bに表示させる操作画面に用いる言語が異なるのみであり、処理内容は概ね同じである。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る複合機1によれば、ユーザが複合機1に近づいていると判定されたとき、ユーザの属性を検出するための処理を開始させる。このため、ユーザが複合機1の前に到達した時点で、すでにユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることができる。
【0109】
これにより、ユーザは、複合機1の操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することが可能となるため、複合機1の操作性を向上させることができる。
【0110】
(操作画面の再設定処理について)
次に、操作画面制御部20aにおける操作画面の再設定処理の流れについて説明する。本実施形態に係る複合機1では、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させた後、所定時間が経過してもユーザによってスタートボタンが押下されない場合、表示制御部25は、その時点で表示されているユーザの属性に応じた操作画面をより分かり易い(より操作性の高い)操作画面に再設定し、表示部14bに表示させる。これは、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させた後、所定時間が経過しても、ユーザから実行指示が入力なされない場合、すなわち、スタートボタンが押下されない場合には、ユーザが複合機1の操作に戸惑っている状況にあることが考えられる。このため、このような状況においては、その時点で表示されているユーザの属性に応じた操作画面を、ユーザが複合機1の操作方法を理解し易いように、より分かり易い操作画面を再設定し、表示部14bに表示させる。
【0111】
以下、操作画面制御部20aにおける操作画面の再設定処理の流れについて、図13に示されるフローチャートを参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係る操作画面制御部20aにおける操作画面の再設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、表示制御部25は、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させた後、ユーザが複合機1の前に居るかを撮像装置19によって監視する(S101)。ユーザが複合機1の前に居ない場合(S101でNO)、ユーザは複合機1の前を通り過ぎたか、あるいは既に作業を完了させたと考えられるため、複合機1を省電力モードへ移行させて操作画面の再設定処理を終了する。これにより、複合機1の消費電力を低減させることができる。一方、ユーザが複合機1の前に居る場合(S101でYES)、次のS102へ移行する。
【0112】
次に、表示制御部25は、属性検出部24によって検出されたユーザの年齢を確認する(S102およびS103)。例えば、ユーザの年齢が10歳以下の場合(S102でYES)にはS104へ、10歳より上で60歳以下の場合(S103でYES)にはS105へ、60歳より上の場合(S103でNO)にはS106へ、それぞれ移行する。
【0113】
次に、表示制御部25は、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させた後、所定時間が経過しているか否かを確認する(S104〜S106)。ここで、所定時間は、S102およびS103にて確認したユーザの年齢に合わせて、適切な時間を設定するものとする。1つの処理を実行させるためにユーザが複合機1を操作する時間は、一般的に2〜3分程度あれば十分であると考えられる。しかしながら、この時間はユーザの年齢などの属性に応じて異なる。このため、例えば、大人の場合には2分、高齢者の場合には5分、子供の場合には3分というようにユーザの年齢に合わせて適切な所定時間をそれぞれ設定する。従って、S104では3分(所定時間1)、S105では2分(所定時間2)、S106では5分(所定時間3)となるように、各所定時間を設定する。所定時間が経過している場合(S104〜S106でYES)、次のS107〜S109にそれぞれ移行する。
【0114】
次に、表示制御部25は、スタートボタンが押下されたか否かを確認する(S107〜S109)。ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させた後、所定時間内にスタートボタンが押下されている場合(S107〜S109でYES)、ユーザは既に作業を完了させているため、複合機1を省電力モードへ移行させて操作画面の再設定処理を終了する。一方、所定時間内に押下されていない場合(S107〜S109でNO)、次のS110〜S112にそれぞれ移行する。
【0115】
次に、表示制御部25は、その時点で表示されているユーザの属性に応じた操作画面を、より分かり易い操作画面に再設定する(S110〜S112)。S110では、例えば、図8(a)に示される、ひらがなで表記された操作画面から、図8(b)に示される、アニメーション(イラストなど)で表した操作画面に再設定してもよい。また、S111では、例えば、図6に示される標準的な操作画面から、図7(a)に示される高齢者用の操作画面、あるいは、図8(a)および(b)に示される子供用の操作画面に再設定してもよい。同様に、S112においても、高齢者用の操作画面から、ユーザが複合機1の操作方法を理解し易いように、より分かり易い操作画面に再設定する。なお、図9に示す操作画面表示テーブルでは最初に表示する操作画面のみを示しているが、表示制御部25は、図9に示す操作画面表示テーブルに加えて、再設定後に表示される操作画面とユーザの属性とを対応付けて再設定後画面テーブルも記憶しており、当該再設定後画面テーブルに基づいて、ユーザの属性に応じた再設定後の操作画面を決定する。例えば、表示制御部25は、操作画面表示テーブルとして図9に示すテーブルを記憶している場合、再設定後画面テーブルとして、設置場所「スーパー」およびユーザの属性「子供」に対して、再設定後の操作画面として図8(b)を対応付けてテーブルを記憶しておく。これにより、スーパーに設置された複合機の表示制御部25は、ユーザの属性が「子供」と判定された場合、最初に図8(a)に示す操作画面を表示し、再設定後に図8(b)に示す操作画面を表示することとなる。
【0116】
最後に、表示制御部25が、S110〜S112において再設定したいずれかの操作画面を、表示部14bに表示させることにより、操作画面制御部20aにおける操作画面の再設定処理は終了する。
【0117】
以上のように、本実施形態に係る複合機1によれば、ユーザの属性に応じた操作画面を複合機1の表示部14bに表示させた後、所定時間以内にユーザから実行指示が入力されない場合に、より分かり易い操作画面を再設定し、表示部14bに表示させる。また、操作画面が再設定されるまでの所定時間は、ユーザの年齢などの属性に応じて適切な時間が設定される。このため、例えば、高齢者がゆっくり操作する場合であっても、あるいは、大人が適度な速度で操作する場合であっても、それぞれの属性に応じたタイミングで、当該属性に応じた操作画面の再設定が可能となる。これにより、複合機1の操作性をさらに向上させることができる。
【0118】
(変形例1)
本発明は、ユーザの属性に応じた操作画面として、印刷プレビュー画面にも適用することができる。印刷プレビュー画面とは、複合機1のプリンタ機能を使用する際に表示されるものである。すなわち、ユーザが複合機1と通信可能なコンピュータ装置を操作して、複合機1に印刷処理の実行開始指示(プリント指示)を入力し、その後にユーザが複合機1の前にきたときに、当該実行開始指示が入力された印刷処理を実行したときの印刷物の画像(印刷プレビュー画面)を事前に表示させる機能である。そして、印刷プレビュー画面を確認して問題ないことを認識したユーザがその旨を複合機1に入力することで、印刷処理が実行される。これにより、印刷ミスを防止することができる。
【0119】
そこで、印刷プレビュー画面を表示させる場合であっても、図11および図12に示されるフローチャートに示す操作画面設定処理を適用することによって、ユーザの属性に応じた印刷プレビュー画面を設定し、表示部14bに表示させることが可能である。
【0120】
本変形例の場合、表示制御部25は、図9に示す操作画面表示テーブルに加えて、設置場所およびユーザの属性と、当該設置場所およびユーザの属性に適したプレビュー用の操作画面である印刷プレビュー画面とを対応付けたプレビュー画面表示テーブルを予め記憶している。そして、表示制御部25は、複合機1の外部のコンピュータ装置からプリント指示を受信している場合には、プレビュー画面表示テーブルを用いて表示する画面を決定し、プリント指示を受信していない場合には、操作画面表示テーブルを用いて表示する画面を決定すればよい。以下の説明では、複合機1の外部のコンピュータ装置からプリント指示を受信している場合について説明する。
【0121】
図14(a)は、本実施形態に係る複合機1の表示部14bに表示される標準的な印刷プレビュー画面の一例を示す図であり、(b)は、分かり易い印刷プレビュー画面の一例を示す図である。例えば、パーソナルコンピュータなどの端末から複合機1に印刷を指示したユーザが複合機1に赴いたとき、撮像装置19によってユーザが撮像され、ユーザの属性が検出される。そして、例えば、属性検出部24によって「大人」であるという属性が検出された場合、表示制御部25は、図14(a)に示される、標準的な印刷プレビュー画面を表示する。一方、属性検出部24によって「高齢者」であるという属性が検出された場合、表示制御部25は、図14(b)に示される、文字が大きく、機能表示がシンプルな印刷プレビュー画面を表示する。すなわち、表示制御部25は、プレビュー画面表示テーブルとして、属性「大人」と図14(a)に示すプレビュー画面とが対応付けられ、属性「高齢者」と図14(b)に示すプレビュー画面とが対応付けられたがテーブルを記憶しておき、当該テーブルを用いて、ユーザの属性に応じてプレビュー画面に切り替える。
【0122】
このとき、印刷ジョブが1つの場合、ユーザの属性に応じて、その印刷ジョブの各ページのサムネイル一覧を表示させる。または、図14(a)および(b)に示されるように、最初のページを表示部14bに表示させてもよい。これにより、ユーザは、自己の属性に応じた印刷プレビュー画面により印刷結果の仕上がりなどを確認することができ、確認後に、プリント開始ボタンを選択することによって、所望の印刷を開始することができる。
【0123】
一方、印刷ジョブが複数ある場合、ユーザの属性に応じて、印刷ジョブのリストを表示させる。図15(a)は、本実施形態に係る複合機1の表示部14bに表示される標準的な印刷ジョブのリストの一例を示す図であり、(b)は、高齢者用の印刷ジョブのリストの一例を示す図である。大人であるというユーザの属性が検出された場合、表示制御部25は、図15(a)に示されるような、標準的な印刷ジョブのリストを表示部14bに表示させる。そして、ユーザが自身のジョブを選択することにより、図14(a)に示されるような印刷プレビュー画面が表示される。
【0124】
また、高齢者であるというユーザの属性が検出された場合、表示制御部25は、図15(b)に示されるような、各印刷ジョブの1ページ目のサムネイルを表示した、高齢者用の印刷ジョブのリストを表示部14bに表示させる。そして、ユーザが自身のサムネイルを選択することにより、図14(b)に示されるような印刷プレビュー画面が表示される。このように、印刷ジョブの数に関わらず、ユーザが複合機1の前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた印刷プレビュー画面の表示が完了されているため、複合機1の操作性を向上させることができる。
【0125】
(変形例2)
上述した説明では、制御装置20の制御対象装置が複合機1として説明した。しかしながら、上述したように、制御対象装置は、複合機1に限定されるものではなく、プリンタのような画像出力装置であってもよい。
【0126】
図16は、上記の制御装置20を備える画像出力装置1aを示す図である。図16に示されるように、画像出力装置1aは、画像読取部11およびFAXモデム12を備えておらず、プリンタ機能のみを有する。
【0127】
このため、第2画像処理部16eは、プリンタ機能に必要な処理を行う。具体的には、第2画像処理部16eは、処理対象となる画像データまたは印刷データをハードディスク17に格納し、画像処理済みのデータを印字部16bや制御装置20に順次出力する。また、第2画像処理部16eは、通信部13によって受信された印刷データを、CMYKの各データに変換する処理を行う。
【0128】
このような画像出力装置(画像形成装置)1aであっても、ユーザが画像出力装置1aの前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることができる。これにより、ユーザは、画像出力装置1aの操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することが可能となる。
【0129】
(変形例3)
また、上述した説明では、属性検出部24によってユーザの属性が検出されたタイミングで、複合機1を省電力モードから通常モードに移行させるものとした。
【0130】
しかしながら、複合機1を省電力モードから通常モードに移行させるタイミングは、これに限定されない。例えば、移動判定部22によってユーザが複合機1に近づいていると判定されたタイミングで、複合機1を省電力モードから通常モードに移行させてもよい。
〔実施形態2〕
本発明に係る制御装置に関する他の実施形態について図17から図23に基づいて説明すれば以下のとおりである。本実施形態に係る制御装置は、実施形態1と同様に、複合機を制御対象としている。しかしながら、本実施形態に係る制御装置を備える複合機には、ユーザとの距離を検知するセンサが取り付けられており、当該センサによって検知された距離データに基づいて、ユーザの接近を判定する点が実施形態1と異なっている。
【0131】
なお、説明の便宜上、上述した実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0132】
(複合機の構成)
まず、本実施形態に係る制御装置が適用される複合機101の概略について説明する。図17は、本実施形態に係る制御装置を備える複合機101の外観を示す斜視図である。図17に示されるように、複合機101の操作部14には、撮像装置19と共に、センサ(検知装置)119が取り付けられている。なお、センサ119が取り付けられる位置は、複合機101の前方周辺を検知することができる位置であれば、特に限定されない。
【0133】
図18は、図17に示される複合機101の構成を示すブロック図である。図18に示されるように、複合機101は、画像読み取り部11と、FAXモデム12と、通信部13と、操作部14と、管理部15と、画像形成部16と、ハードディスク17と、消去処理部18と、制御装置120とを備える。また、複合機101には、上述したように、撮像装置19と共に、センサ119が取り付けられている。
【0134】
センサ119は、例えば、測距センサなどの赤外線センサなどであり、複合機101の周辺に居る人の接近を連続的に検知する。また、センサ119は、検知した距離データを制御装置120に出力する。
【0135】
制御装置120は、操作画面制御部120aを備えている。操作画面処理部120aは、センサ119から出力された距離データに基づいて複合機101に近づいているユーザの認識し、撮像装置19から出力された画像データに基づいて当該ユーザの属性に応じた操作画面を表示部14b表示させるまでの一連の処理を行う。
【0136】
なお、その他の部材については、実施形態1で説明した内容と概ね同一であるため、以下では、その説明を省略する。
【0137】
(操作画面制御部の構成)
次に、制御装置120が備える操作画面制御部120aについて説明する。図19は、本実施形態に係る制御装置120が備える操作画面制御部120aの構成を示すブロック図である。図19に示されるように、操作画面制御部120aは、移動判定部122と、顔領域検出部21と、顔特徴抽出部23と、属性検出部24と、表示制御部25とを備えている。なお、移動判定部122以外の部材のついては、実施形態1で説明した内容と概ね同一であるため、以下では、その説明を省略する。
【0138】
移動判定部122は、センサ119から出力された距離データを解析して、人が複合機101に近づいているか否かを判定する。例えば、センサ119として小型長距離測距センサを用いる場合、人とセンサ119との距離を示す距離データを検知することができる。この場合、センサ119は、ヒトとセンサ119との距離を、出力電圧の時間変化に基づいて検知する。すなわち、人がセンサ119に近づくにつれて、センサ119の出力電圧が時間経過と共に高くなるため、このようなセンサ119の出力電圧の時間変化を距離データとして移動判定部122に出力する。移動判定部122は、センサ119から出力された当該距離データを解析することにより、人とセンサ119との距離が短くなっているか否かを判定する。そして、人とセンサ119との距離が短くなっているとき、移動判定部122は、ユーザが複合機101に近づいていると判定する。移動判定部122は、人が複合機101に近づいていると判定した場合、撮像装置19を起動させ、これにより、撮像装置19によって撮像された画像データが顔領域検出部21に出力される。そして、当該画像データに基づいて、ユーザの属性が検出され、ユーザの属性に応じた操作画面を、表示部14bに表示させる。
【0139】
一方、人が複合機101の前を横切る場合には、センサ119の出力電圧は一定時間(一瞬)だけ高くなるが、すぐに元の出力電圧に戻る。このような距離データが出力された場合、移動判定部122は、ユーザが複合機101に近づいていないと判定する。
【0140】
このように、複合機101では、人との距離を検知するセンサ119を備え、当該センサ119によってユーザが複合機101に近づいているか否かを判定する構成である。
【0141】
(操作画面制御部における操作画面設定処理の流れ)
次に、操作画面制御部120aにおける操作画面設定処理の流れについて、図20に示されるフローチャートを参照しながら説明する。図20は、操作画面制御部120aにおける操作画面設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図20に示されるS107〜S114は、実施形態1の図11におけるS4〜S11と同一の内容であるため、以下では、その説明を省略する。
【0142】
まず、移動判定部122は、センサ119から出力された距離データを解析し、ユーザが複合機101に近づいているか否かを判定する(S101)。例えば、センサ119として小型長距離測距センサを用いた場合、複合機101から約1.5メートル以内にユーザが接近したときに検知が開始され、ユーザとセンサ119との距離の変化を検知することができるため、ユーザが複合機101に近づいているか否かの判定を容易に行うことができる。
【0143】
このように、複合機101によれば、センサ119によってユーザの接近が検知されるため、ユーザが複合機101に顔を向けずに近づいている場合であっても、移動判定部122はユーザが複合機101に近づいているか否かを判定することができる。このため、例えば、ユーザが書面を読みながら(うつむき気味)、あるいは脇見をしながら複合機101に近づいているような、顔領域を検出し難い状況下においても、ユーザが複合機101に近づいているか否かを確実に判定することが可能である。これにより、ユーザが複合機101に近づいているにもかかわらず、それを検知することができないなどの複合機101の誤検知を防止することができる。
【0144】
なお、センサ119によって検知する範囲は、複合機101の設置条件などに応じて、適宜最適な範囲を設定するものとする。
【0145】
移動判定部122によってユーザが複合機101に近づいていないと判定された場合(S101でNO)、S101に戻り、ユーザの接近を継続して検知する。一方、ユーザが複合機101に近づいていると判定された場合(S101でYES)、次のS102へ移行する。
【0146】
移動判定部122は、ユーザが複合機101に近づいていると判定したとき、撮像装置19を起動させる(S102)。このように、複合機101では、センサ119から出力された距離データに基づいて、ユーザが複合機101に近づいていると移動判定部122によって判定されたタイミングで、撮像装置19が起動される。このため、撮像装置19を常に起動させておく必要がなく、これにより、実施形態1の複合機1と比べて、消費電力を低減させることができる。
【0147】
また、移動判定部122は、ユーザが複合機101に近づいていると判定したとき、撮像装置19を起動させることにより、撮像装置19の撮像開始のタイミングを遅らせることができる。これにより、複合機101の手前にまで近づいたユーザが撮像され、その画像データが顔領域検出部21に出力されることになる。人は、目的物に近づくにつれて、その目的物を必ず見る習性があるため、撮像装置19の撮像開始のタイミングを遅らせることにより、複合機101を使用する目的で近づいてきたユーザの顔全体を確実に撮像して、画像データに含めることができる。一方、撮像装置19による撮像が開始されたときに、ユーザが方向転換していた場合、ユーザの顔全体が、画像データに含まれることはない。
【0148】
次に、撮像装置19は、移動判定部122によって複合機101に近づいていると判定されたユーザを撮像する(S103)。そして、撮像装置19は、撮像した画像データを顔領域検出部21に出力する。
【0149】
なお、当該ユーザの撮像が完了した後、撮像装置19を停止させることが好ましい(S104)。これにより、複合機101の消費電力を低減させることができる。
【0150】
次に、顔領域検出部21は、撮像装置19から出力された画像データを解析し、ユーザの顔と推定される顔領域を検出する(S105)。なお、顔領域の検出方法については、実施形態1で説明した内容と同一であるので、ここでは、その説明を省略する。
【0151】
次に、顔領域検出部21は、S105にて顔領域を検出したか否かを判定する(S106)。顔領域を検出していない場合(S106でNO)、顔領域検出部21は、操作画面設定処理を終了させる。ここで、顔領域を検出していない場合とは、画像データにおいて、ユーザが顔を複合機101の方向に向けていないため、顔領域の検出に必要な目や眉、口といった人の顔の特徴的な形状を顔領域検出部21が検出できない場合をいう。例えば、ユーザが複合機101に近づいていると移動判定部122よって判定されたが、撮像装置19による撮像が開始されるまでの間に方向転換したなどの理由により、ユーザの顔全体が、画像データに含まれていない場合などが想定される。顔領域を検出していない場合には、ユーザは、複合機101の前に立ち止まらない可能性が高いと考えられるため、このような場合には、複合機101を省電力モードから復帰させることなく、操作画面設定処理を終了させる。また、センサ119が人以外を検知した場合にも顔領域は検出されないため、同様に操作画面設定処理を終了させる。これにより、複合機101の誤作動を防止し、不要な電力消費を防止することができる。
【0152】
一方、顔領域を検出している場合(S106でYES)、S107へ移行し、必要な処理(S108〜S114)を経ることになる。そして、最終的に、表示制御部25がユーザの属性に応じた操作画面を、表示部14bに表示させることにより、操作画面制御部120aにおける操作画面設定処理は終了する。
【0153】
以上のように、本実施形態に係る複合機101によっても、ユーザが複合機101に近づいていると判定されたとき、ユーザの属性認識のための処理を開始する。このため、ユーザが複合機101の前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることができる。これにより、ユーザは、複合機101の操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することが可能となるため、複合機101の操作性を向上させることができる。
【0154】
また、複合機101によれば、センサ119からの距離データを解析してユーザが複合機101に近づいているか否かを判定するため、撮像装置19を常に起動させておく必要がない。これにより、複合機101の消費電力を低減させることができる。また、顔領域を検出し難い状況下においても、複合機101がユーザの接近を確実に検知することを可能であるため、ユーザが画像形成装置に近づいているにもかかわらず、それを検知することができないなどの画像形成装置の誤検知を防止することができる。
【0155】
さらに、複合機101によれば、撮像装置19の撮像開始のタイミングを遅らせることにより、複合機101の手前にまで近づいたユーザの画像データを撮像し、顔領域検出部21に出力することができる。このため、顔領域検出部21は、安定して画像データにおける顔領域を検出することができ、これにより、これにより、ユーザが複合機101の前に居ないにもかかわらず、ユーザの属性に応じた操作画面を表示させるなどの複合機101の誤作動を防止することができる。
【0156】
このように、複合機101によれば、センサ119と撮像装置19とを備え、2つを組み合わせてユーザの接近を判定する。これにより、消費電力、並びに、誤検知及び誤作動の少ない複合機101を実現することができる。
【0157】
(変形例1)
上述した説明では、撮像装置19によって撮像された画像データから、ユーザの顔領域を検出できなかった場合に、処理を終了する処理について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
【0158】
図21は、操作画面制御部120aにおける操作画面設定処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。図21に示されるように、顔領域を検出していない場合(S106でNO)、操作画面設定処理を終了させずに、複合機101を省電力モードから復帰させてもよい(S115)。これにより、ユーザが複合機101の前に居るにもかかわらず、複合機101が省電力モードから復帰していないといった誤検知を防止することができる。
【0159】
また、この場合には、操作画面のモード選択が可能な画面を設定し、表示部14bに表示させてもよい(S116)。
【0160】
図22は、操作画面のモードを選択する画面の一例を示す図である。図22に示されるように、簡単モードまたは通常モードといったモードを表示させることにより、ユーザは、自己の属性に応じた操作画面のモードを選択することができる。例えば、ユーザが子供または高齢者の場合には、簡単モードを選択し、ユーザが大人の場合には、標準モードを選択すればよい。
【0161】
(変形例2)
上述した説明では、制御装置120の制御対象装置が複合機101として説明した。しかしながら、上述したように、制御対象装置は、複合機101に限定されるものではなく、プリンタのような画像出力装置であってもよい。
【0162】
図23は、上記の制御装置120を備える画像出力装置101aを示す図である。このような画像出力装置(画像形成装置)101aであっても、ユーザが画像出力装置101aの前に到達した時点で、ユーザの属性に応じた操作画面の表示を完了させることができる。これにより、ユーザは、画像出力装置101aの操作開始から自己の属性に応じた操作画面を操作することが可能となる。
【0163】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0164】
最後に、制御装置20および120の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0165】
すなわち、制御装置20および120は、コンピュータに実行させるためのプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記の操作画面設定処理を記録することも可能である。
【0166】
この結果、上記の操作画面設定処理を行うプログラムコードを記録した記憶媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0167】
なお、上述した実施形態では、記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるためにメモリ、例えば、ROMそのものがプログラムメディアであってもよい。また、外部記憶装置として、プログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0168】
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードは、マイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよい。また、プログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは、予め、本体装置に格納されているものとする。
【0169】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクや、CD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいは、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコード担持する媒体であってもよい。
【0170】
また、上述した実施形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように、流動的にプログラムコードを担持する媒体であってもよい。なお、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは、予め本体装置に格納しておくか、あるいは、別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
【0171】
上記記録媒体は、コンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られ、デジタル複合機やプリンタにインストールされることで、上述した画像処理方法が実行される。なお、制御装置20および120は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0172】
コンピュータシステムは、所定のプログラムがロードされることにより、様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置、およびコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタにより構成される。さらには、ネットワークを介して、サーバーなどに接続するための通信手段としてのネットワークカードやモデムなどが備えられる。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明は、プリンタ、複合機、コピー機などの画像形成装置を制御する制御装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0174】
1 複合機(画像形成装置)
1a 画像出力装置(画像形成装置)
14 操作部
14a 入力部(入力装置)
14b 表示部
16 画像形成部(画像形成手段)
19 撮像装置
20 制御装置
20a 操作画面制御部
21 顔領域検出部
22 移動判定部
23 顔特徴抽出部
24 属性検出部
25 表示制御部
101 複合機(画像形成装置)
101a 画像出力装置(画像形成装置)
119 センサ(検知装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に画像を形成する画像形成手段を少なくとも備える画像形成装置を制御する制御装置であって、
上記画像形成装置には、操作者であるユーザを撮像するための撮像装置が取り付けられており、
上記撮像装置によって撮像された画像データの中からユーザの顔領域を検出する顔領域検出部と、
ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否を判定する移動判定部と、
上記移動判定部によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定された場合に、上記顔領域から顔の特徴を抽出する顔特徴抽出部と、
上記顔特徴抽出部によって抽出された顔の特徴に基づき、ユーザの属性を検出する属性検出部と、
上記属性検出部によって検出されたユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
上記移動判定部は、上記顔領域検出部によって検出された上記顔領域の位置および大きさの時間変化に基づいて、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否を判定することを特徴とする請求項1に記載の移動判定部制御装置。
【請求項3】
上記画像形成装置には、当該画像形成装置と当該画像形成装置から所定範囲内に存在する人体との距離を検知するための検知装置が取り付けられており、
上記移動判定部は、上記検知装置によって検知された距離の時間変化に基づいて、ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
上記移動判定部によってユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定されたときに、上記撮像装置を起動させることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
上記属性検出部によってユーザの属性が検出されたときに、上記画像形成手段を起動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
上記表示制御部は、ユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させた後、所定時間以内に当該ユーザから実行指示が入力なされない場合に、当該ユーザの属性に応じた操作画面を、より操作性の高い操作画面に切り替えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
上記所定時間は、ユーザの属性に応じて設定されることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
記録紙に画像を形成する画像形成手段と、
操作者であるユーザを撮像するための撮像装置と、
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
記録紙に画像を形成する画像形成手段を少なくとも備える画像形成装置を制御する制御方法であって、
上記画像形成装置には、操作者であるユーザを撮像するための撮像装置が取り付けられており、
上記撮像装置によって撮像された画像データの中からユーザの顔領域を検出する第1のステップと、
ユーザが上記画像形成装置に近づいているか否かを判定する第2のステップと、
上記第2のステップにてユーザが上記画像形成装置に近づいていると判定された場合に、上記顔領域から顔の特徴を抽出する第3のステッップと、
上記第3のステップにて抽出された顔の特徴に基づき、ユーザの属性を検出する第4ステップと、
上記第4のステップにて検出されたユーザの属性に応じた操作画面を上記画像形成装置の表示部に表示させる第5のステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置の上記の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−59194(P2011−59194A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206170(P2009−206170)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】