説明

制御装置

【課題】駐車スペースの形状を算出するための処理負担を軽減できる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、車両1を基準として、所定角度毎(5度毎)に放射状に延びる線上に位置すると共に駐車スペース200を区画する各壁200b〜200dまでの距離を距離センサ26aにより検出し、その検出結果から駐車スペース200の形状を算出するので、カメラにより入力される画像を1画素ずつ解析して駐車スペース200の形状を算出する場合に比べて、制御装置のCPUの処理負担を軽減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関し、特に、駐車スペースの形状を算出するための処理負担を軽減できる制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2008−44529号公報には、車両の前後左右の四方にカメラを取り付け、その4台のカメラにより取得される画像を解析すると共に、その解析結果から駐車スペースの俯瞰画像を作成し、その作成した俯瞰画像をタッチパネルに表示する自動車が開示されている。この自動車では、駐車スペースに駐車する場合の最適な経路をタッチパネルに表示して、運転者に対して駐車支援を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−44529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車には、駐車支援の1つとして、運転者が操作をしなくても、アクセル操作、ブレーキ操作および車輪の操舵を自動で行い駐車スペースに移動する自動駐車機能を有するものがある。この自動駐車機能を有する自動車において、特許文献1に記載される技術を適用すると、車両の四方に取り付けられたカメラにより取得される画像を解析すると共に、駐車スペースの形状を算出(俯瞰画像を作成)し、その算出された駐車スペースの形状から車両が移動するのに最適な経路を選択して自動駐車が行われる。
【0005】
しかしながら、カメラにより入力される画像の解析は、1画素ずつ全画素に対して解析を行うので、CPU等の演算処理装置の処理負担が増加してしまう。特に、駐車スペースの形状を正確に算出するために、複数のカメラを取り付けたり、解像度の高い(即ち、画素数の多い)カメラを取り付けると、CPUの処理負担が更に増加してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、駐車スペースの形状を算出するための処理負担を軽減できる制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために請求項1記載の制御装置は、所定の駐車スペース内に自動運転により移動可能な車両に搭載され、前記車両に取り付けられ、その車両を基準として、所定角度毎に放射状に延びる線上に位置する対象物までの距離を検出する距離検出手段と、その距離検出手段により所定角度毎に検出される前記対象物までの距離を、座標系の点として抽出する点抽出手段と、その点抽出手段により抽出される前記座標系の点に基づいて、前記駐車スペースを区画する仮想的な線分を生成する生成手段と、前記点抽出手段により抽出される前記座標系の点に基づいて、前記駐車スペースに対して前記車両が位置すると推定される推定位置を算出する位置算出手段とを備えている。
【0008】
請求項2記載の制御装置は、請求項1記載の制御装置において、前記生成手段は、前記点抽出手段により抽出される第1の点を基準とした場合に、その第1の点の1つ前または1つ後に抽出された第2の点との点間距離を算出し、その算出された点間距離が所定値以上である場合に、前記第1及び第2の点の少なくとも一方を無効とする点無効手段を備え、その点無効手段により無効とされた点以外の点を仮想的に結線することで、前記駐車スペースを区画する仮想的な線分を生成するものである。
【0009】
請求項3記載の制御装置は、請求項2記載の制御装置において、前記生成手段により仮想的に結線して生成された線分を、ほぼ直線となる部分毎に分割して分割線分を生成する分割手段と、その分割手段により分割された分割線分の端点のうち、前記車両との距離が最短になる点を有する分割線分を基準線分として抽出する線分抽出手段と、その線分抽出手段により抽出される基準線分に対して一定角度以上の傾きを有する分割線分、及び、前記基準線分に直交する直交線分に対して一定角度以上の傾きを有する分割線分を無効とする第1線分無効手段とを備えている。
【0010】
請求項4記載の制御装置は、請求項2又は3に記載の制御装置において、前記生成手段により仮想的に結線して生成された分割線分を、ほぼ直線となる部分毎に分割して分割線分を生成する分割手段と、その分割手段により分割された分割線分の長さを算出する線分長算出手段と、その線分長算出手段により算出された分割線分の長さが一定長さ以下である場合に、その分割線分を無効とする第2線分無効手段とを備えている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の制御装置によれば、車両を基準として、所定角度毎に放射状に延びる線上に位置する対象物までの距離が距離検出手段により検出され、その検出された対象物までの距離が座標系の点として点抽出手段により抽出され、その座標系の点に基づいて、駐車スペースを区画する仮想的な線分が生成手段により生成されると共に駐車スペースに対して車両が位置すると推定される推定位置が位置算出手段により算出される。そして、駐車スペースを区画する仮想的な線分から駐車スペースの形状を認識でき、車両の推定位置から駐車スペースに対する車両の位置が認識できるので、駐車スペース内に車両を自動運転により移動させることができる。この場合、本発明によれば、駐車スペースの形状は、距離検出手段によって検出される対象物までの距離の検出結果から仮想的な線分として算出できるので、カメラにより入力される画像を解析して駐車スペースの形状を算出する場合に比べて、制御装置の処理負担を軽減できるという効果がある。
【0012】
請求項2記載の制御装置によれば、請求項1記載の制御装置の奏する効果に加えて、次の効果を奏する。即ち、点抽出手段により抽出された第1の点と、その第1の点の1つ前または1つ後に抽出された第2の点との点間距離が算出され、その算出された点間距離が所定値以上であると第1及び第2の点の少なくとも一方が点無効手段により無効にされる。そして、点無効手段により無効にされた点以外の点が仮想的に結線されることで、駐車スペースを区画する仮想的な線分が生成される。よって、点抽出手段により抽出される複数点のうち、極端に離れて位置する点を無効にして仮想的な線分を生成できるので、例えば、車両から対象物までの距離がノイズ等の影響によりゼロ又は最大値となるように検出された異常な点や物体の影になる部分の線分を無効にできる。従って、駐車スペースを区画する仮想的な線分が、実際の駐車スペースの形状から極端に異なることを抑制できるので、駐車スペースの形状を正確に認識できるという効果がある。
【0013】
請求項3記載の制御装置によれば、請求項2記載の制御装置の奏する効果に加えて、分割手段によりほぼ直線となる部分毎に分割された分割線分の端点のうち、車両との距離が最短となる点を有する分割線分を基準線分とし、その基準線分に対して一定角度以上の傾きを有する分割線分、及び、基準線分に直交する直交線分に対して一定角度以上の傾きを有する分割線分が第1線分無効手段により無効にされるので、基準線分および直交線分に対して極端に傾きがズレた分割線分を除去できる。よって、例えば、駐車スペース内の人影や物などを距離検出手段が検出した場合に生成される分割線分、ノイズ等の影響により生成される分割線分を除去できるので、駐車スペースを区画する仮想的な線分が、実際の駐車スペースの形状から極端に異なることを抑制でき、駐車スペースの形状を正確に認識できるという効果がある。
【0014】
請求項4記載の制御装置によれば、請求項2又は3に記載の制御装置の奏する効果に加えて、分割手段によりほぼ直線となる部分毎に分割された分割線分の長さが線分長算出手段により算出され、その算出された分割線分の長さが所定長さ以下である場合に、その分割線分を第2線分無効手段により無効にできるので、極端に短い分割線分を除去できる。よって、例えば、駐車スペース内の人影や物などを距離検出手段が検出した場合に生成される分割線分、ノイズ等の影響により生成される分割線分を除去できるので、駐車スペースを区画する仮想的な線分が、実際の駐車スペースの形状から極端に異なることを抑制でき、駐車スペースの形状を正確に認識できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態における車両の上面視を模式的に示した模式図である。
【図2】制御装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】車両のCPUで実行される自動駐車処理を示したフローチャートである。
【図4】自動駐車処理内で実行されるフィルタリング処理を示したフローチャートである。
【図5】(a)は、車両が駐車される駐車スペースを示した斜視図であり、(b)は、駐車スペースと認識位置との位置関係を模式的に示した模式図である。
【図6】(a)は、距離センサが対象物までの距離を検出可能な検出範囲を示し図であり、(b)は、距離センサによる検出結果を示した図である。
【図7】(a)は、距離センサによる検出結果から線分を抽出した状態を示した図であり、(b)は、距離センサによる検出結果から抽出した線分を分割した状態を示した図である。
【図8】(a)は、基準線分の検索方法を示した図であり、(b)は、長さフィルタ及び傾きフィルタの算出方向を示した図である。
【図9】傾きフィルタの条件を示した図である。
【図10】基準線分に対して直交する直交線分を抽出する方法を示した図である。
【図11】基準線分と直交線分との交点を抽出する方法を示した図である。
【図12】駐車スペースに対する車両のアプローチ方向、及び、駐車スペースに対する車両の位置に応じて場合分けされる駐車スペースの形状の算出方法を示した図である。
【図13】駐車スペースに対する車両のアプローチ方向、及び、駐車スペースに対する車両の位置に応じて場合分けされる駐車スペースの形状の算出方法を示した図である。
【図14】駐車スペースに対する車両のアプローチ方向、及び、駐車スペースに対する車両の位置に応じて場合分けされる駐車スペースの形状の算出方法を示した図である。
【図15】駐車スペースに対する車両のアプローチ方向、及び、駐車スペースに対する車両の位置に応じて場合分けされる駐車スペースの形状の算出方法を示した図である。
【図16】駐車スペースに対する車両のアプローチ方向、及び、駐車スペースに対する車両の位置に応じて場合分けされる駐車スペースの形状の算出方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における車両1の上面視を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印U−D,L−R,F−Bは、車両1の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
【0017】
まず、図1を参照して、車両1の概略構成について説明する。図1に示すように、車両1は、車体フレームBFと、その車体フレームBFに支持される複数(本実施の形態では4輪)の車輪2と、それら複数の車輪2の内の一部(本実施形態では、左右の前輪2FL,2FR)を回転駆動する車輪駆動装置3と、各車輪2を車体フレームBFに懸架する懸架装置4と、複数の車輪2の内の一部(本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FR)を操舵するステアリング装置6と、そのステアリング装置6と同様に車輪2(左右の前輪2FL,2FR)を操舵する操舵駆動装置5とを主に備え、周辺環境監視装置26(図2参照)の距離センサ26aの検出結果に基づいて駐車スペース200(図5(a)参照)の形状を算出し、その算出された駐車スペース200に自動駐車できるように構成されている。
【0018】
次いで、各部の詳細構成について説明する。車体フレームBFは、車両1の骨格をなすものであり、懸架装置4を支持すると共に、その懸架装置4を介して車輪2を支持している。懸架装置4は、いわゆるサスペンションとして機能する装置であり、図1に示すように、各車輪2に独立して設けられている。
【0019】
車輪2は、図1に示すように、車体フレームBFの前方側(矢印F側)に配置される左右の前輪2FL,2FRと、車体フレームBFの後方側(矢印B側)に配置される左右の後輪2RL,2RRとの4輪を備えている。また、左右の前輪2FL,2FRは、車輪駆動装置3によって回転駆動される駆動輪として構成される一方、左右の後輪2RL,2RRは、車両1の走行に伴って従動する従動輪として構成されている。
【0020】
車輪駆動装置3は、左右の前輪2FL,2FRを回転駆動するための装置であり、それら左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力を付与するモータ3aを備えて構成されている。なお、モータ3aは、図1に示すように、ディファレンシャルギヤ(図示せず)及び一対のドライブシャフト31を介して左右の前輪2FL,2FRに接続されている。
【0021】
例えば、運転者がアクセルペダル11を操作した場合には、モータ3aから左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力が付与され、それら左右の前輪2FL,2FRがアクセルペダル11の踏み込み状態に応じた速度で回転駆動される。なお、左右の前輪2FL,2FRの回転差は、ディファレンシャルギヤにより吸収される。
【0022】
ステアリング装置6は、上述したように、左右の前輪2FL,2FRを操舵するための装置であり、図1に示すように、ステアリングシャフト61と、フックジョイント62と、ステアリングギヤ63と、タイロッド64と、ナックルアーム65とを主に備えて構成されている。なお、ステアリング装置6は、ステアリングギヤ63がピニオン63aとラック63bとを備えたラックアンドピニオン機構によって構成されている。
【0023】
例えば、運転者がステアリング13を操作した場合には、ステアリング13の操作がステアリングシャフト61を介してフックジョイント62に伝達されると共にフックジョイント62によって角度を変えられ、ステアリングギヤ63のピニオン63aに回転運動として伝達される。そして、ピニオン63aに伝達された回転運動がラック63bの直線運動に変換され、ラック63bが直線運動することで、ラック63bの両端に接続されたタイロッド64が移動し、ナックルアーム65を介して車輪2が操舵される。
【0024】
操舵駆動装置5は、ステアリング装置6と同様に、左右の前輪2FL,2FRを操舵するための装置であり、ステアリングシャフト61に回転駆動力を付与するモータ5aを備えて構成されている。即ち、モータ5aが駆動されてステアリングシャフト61が回転すると、運転者がステアリング13を操作した場合と同様に車輪2が操舵される。
【0025】
アクセルペダル11、ブレーキペダル12、ステアリング13及び自動駐車スイッチ27は、いずれも運転者により操作される操作部材であり、各ペダル11,12の踏み込み状態(踏み込み量、踏み込み速度など)に応じて車両1の加速力や制動力が決定されると共に、ステアリング13の操作状態(操作量、操作方向)に応じて車両1の旋回半径や旋回方向が決定される。更に、自動駐車スイッチ27が運転者により操作されると、車両1を自律走行により駐車する自動駐車モードが設定される。
【0026】
制御装置100は、車両1の各部を制御するための装置であり、例えば、各ペダル11,12の踏み込み状態を検出し、その検出結果に応じて車輪駆動装置3を制御したり、或いは、ブレーキペダル12の踏み込み状態を検出し、その検出結果に応じてブレーキ装置(図示せず)を制御するものである。また、制御装置100は、車両1の右前(矢印F方向の端部で且つ矢印R方向の端部)に取り付けられる距離センサ26aからの入力に基づいて、駐車スペース200(図5(a)参照)の形状などを算出する制御を行うものである。
【0027】
ここで、図2を参照して、制御装置100の詳細構成について説明する。図2は、制御装置100の電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、制御装置100は、CPU91、ROM92、RAM93及びハードディスク(以下「HDD」と称す)96を備え、それらがバスライン94を介して入出力ポート95に接続されている。
【0028】
また、入出力ポート95には、車輪駆動装置3、操舵駆動装置5、アクセルペダルセンサ装置21、ブレーキペダルセンサ装置22、ステアリングセンサ装置23、車速情報取得装置24、車体姿勢センサ装置25、周辺環境監視装置26、自動駐車スイッチ27、液晶ディスプレイ(以下「LCD」と称す)97、GPS受信機98及びその他の入出力装置99などが接続されている。
【0029】
CPU91は、バスライン94によって接続された各部を制御する演算装置であり、ROM92は、CPU91によって実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶するための書き換え不能な不揮発性のメモリである。なお、後述する図3に示す自動駐車処理および図4に示すフィルタリング処理を実行するプログラムは、ROM92に格納されている。
【0030】
また、RAM93は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するメモリであり、端点フィルタリピートフラグ93aを有している。端点フィルタリピートフラグ93aは、後述するフィルタリング処理において端点フィルタをかける処理(図4のS204)が1回目であるか2回目であるかを判別するフラグであり、図4のS207の処理でオンされ、図3に示す自動駐車処理が実行される場合にオフ(図示せず)される。
【0031】
HDD96は、書き換え可能な不揮発性の大容量メモリであり、地図データベース(以下「地図DB」と称す)96aと、駐車場データベース(以下「駐車場DB」と称す)96bと、駐車位置記憶エリア96cと、経路記憶エリア96dとが設けられている。なお、本実施形態では、駐車場DB96b、駐車位置記憶エリア96c及び経路記憶エリア96dは、車両1の運転者が契約している駐車場(図示せず)に関する各種データが記憶されている。
【0032】
地図DB96aは、地図データを記憶するデータベースであり、例えば、非図示のデータ読込装置(例えば、DVD装置)によって地図データの記録された媒体(例えば、DVD)から読み取られたり、外部の情報センタ等から非図示の通信装置を介して受信された地図データが記憶されている。
【0033】
駐車場DB96bは、駐車場データを記憶するデータベースである。この駐車場DB96bに記憶されている駐車場データには、例えば、車両1の運転者が契約する駐車場の全体の形状や、駐車スペースの位置や大きさ、壁の位置、車路の幅などのデータが含まれている。
【0034】
駐車位置記憶エリア96cには、駐車場DB96bの駐車場データが示す駐車場において、車両1の運転者が契約した特定の駐車スペース200(図5(a)参照)を示す駐車位置データ(例えば、駐車スペース200の中心位置の座標データ等)が記憶されている。また、駐車位置記憶エリア96cには、駐車スペース200の近傍に位置し、車両1が駐車スペース200の形状を算出する場合に停車する停車位置201(図5(b)参照)の座標データ及び、その停車位置201を基準とした認識範囲201a(図5(b)参照)の領域を示すデータも記憶されている。
【0035】
経路記憶エリア96dには、駐車場DB96bの駐車場データが示す駐車場において、車両1が自律走行により特定の駐車スペース200(図5(a)参照)に自動駐車するまでの移動経路を示す経路データが記憶されている。つまり、車両1が自律走行を行う場合には、この経路データにより示される移動経路に沿って車両1が自動で移動することになる。
【0036】
車輪駆動装置3は、上述したように、左右の前輪2FL,2FR(図1参照)を回転駆動するための装置であり、左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力を付与する電動モータ3aと、その電動モータ3aをCPU91からの命令に基づいて制御する制御回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
【0037】
操舵駆動装置5は、上述したように、左右の前輪2FL,2FRを操舵するための装置であり、ステアリングシャフト61に回転駆動力を付与するモータ5aと、その電動モータ5aをCPU91からの命令に基づいて制御する制御回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
【0038】
アクセルペダルセンサ装置21は、アクセルペダル11の踏み込み状態を検出すると共に、その検出結果をCPU91に出力するための装置であり、アクセルペダル11の踏み込み量を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU91に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0039】
ブレーキペダルセンサ装置22は、ブレーキペダル12の踏み込み状態を検出すると共に、その検出結果をCPU91に出力するための装置であり、ブレーキペダル12の踏み込み量を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU91に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0040】
ステアリングセンサ装置23は、ステアリング13の操作状態を検出すると共に、その検出結果をCPU91に出力するための装置であり、ステアリング13の操作量を操作方向に対応付けて検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU91に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0041】
なお、本実施の形態では、各角度センサが電気抵抗を利用した接触型のポテンショメータとして構成されている。CPU91は、各センサ装置21,22,23から入力された各角度センサの検出結果によって各ペダル11,12の踏み込み量およびステアリング13の操作量を得ることができる。
【0042】
車速情報取得装置24は、車両1の車速をCPU91に出力するための装置であり、ドライブシャフト31が所定角度回転する毎にパルスを出力する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果から所定時間内のパルス数に基づいて車両1の車速を算出してCPU91に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0043】
車体姿勢センサ装置25は、車両1の姿勢(進行方向)をCPU91に出力するための装置であり、地磁気を用いて車両1の姿勢を検出するジャイロセンサ(図示せず)と、そのジャイロセンサの検出結果から車両1の姿勢を算出してCPU91に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。
【0044】
周辺環境監視装置26は、車両1の周囲に存在する壁などの対象物までの距離データをCPU91に出力するための装置であり、車両1の周囲に存在する対象物までの距離を検出する距離センサ26aが接続され、その距離センサ26aにより入力される入力結果から対象物までの距離を算出してCPU91に出力する処理回路(図示せず)とを備えている。なお、本実施形態では、距離センサ26aは、車両1の右前に取り付けられ、赤外線レーザーを目標物に照射し、その反射の度合いで目標物までの距離を測定するレーザレンジファインダで構成されている。
【0045】
自動駐車スイッチ27は、特定の駐車スペース204(図3参照)に車両1を自律走行で自動駐車させる場合に操作されるスイッチであり、この自動駐車スイッチ27が操作されると、自動駐車モードに移行して、図3に示す自動駐車処理が実行されるように構成されている。
【0046】
LCD97は、地図データに基づく地図や、駐車場データに基づく駐車場の地図、CPU91により算出された駐車スペース200(図5(a)参照)の形状、その他の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。
【0047】
GPS受信機98は、非図示のGPS衛星から位置情報(例えば、緯度情報及び経度情報)をアンテナ98aを介して受信する装置であり、このGPS受信機98により位置情報が受信されると、その位置情報に基づいてCPU91により車両1の実際の位置が算出される。
【0048】
また、GPS受信機98による位置情報の受信が途絶えた場合には、車速情報取得装置24から入力される車両1の車速と、車体姿勢センサ装置25から入力される車両1の姿勢との情報に基づいて、CPU91において車両1の仮想的な位置が算出される。この車両1の仮想的な位置の算出を、以下、デッドレコニングと称す。
【0049】
他の入出力装置97としては、例えば、車両1のキーシリンダからの入力や、窓の開閉スイッチ、ライト、ランプ等の入出力装置が例示される。
【0050】
次に、図3〜図16を参照して、車両1が駐車スペース200に自動駐車される場合に実行される自動駐車処理について説明する。図3は、車両1のCPU91で実行される自動駐車処理を示したフローチャートであり、図4は、自動駐車処理内で実行されるフィルタリング処理を示したフローチャートである。なお、自動駐車処理は、車両1が駐車スペース200への自動駐車が行える範囲内(例えば、駐車場DB96bに記憶される駐車データにより示される駐車場内など)で、運転者が自動駐車スイッチ27を操作した場合に実行される。
【0051】
図3に示す自動駐車処理が実行されると、後述する駐車スペース200前方に位置する認識位置201への移動処理が実行される(S101)。この移動処理は、車輪駆動装置3及び操舵駆動装置5に指示を出力して車両1を自動運転により移動させる処理であり、GPS受信機98による位置情報を受信可能な状態であれば、GPS受信機98により受信した位置情報に基づいて車両1を自動運転し、GPS受信機98による位置情報の受信が不可能な状態であれば、デッドレコニングにより算出された車両1の仮想的な現在位置に基づいて車両1を自動運転する。
【0052】
ここで、図5を参照して、車両1が自動運転により駐車される駐車スペース200と、車両1が自動運転により移動する認識位置201について説明する。図5(a)は、車両1が駐車される駐車スペース200を示した斜視図であり、図5(b)は、駐車スペース200と認識位置201との位置関係を模式的に示した模式図である。なお、図5(b)では、車両1の中心点をPoで表すと共に、車両1の右前に取り付けられる距離センサ26aを強調して図示している。
【0053】
図5(a)に示すように、車両1が駐車される駐車スペース200は、車両1が駐車スペース200内に移動する場合の進入口となる入口200aを有しており、入口200aに対向する奥方に位置する奥壁200bと、両側方に位置する側壁200cとにより三辺が囲まれ、両側壁200cの入口200a側の端部からそれぞれ離反する方向へ延壁200dが立設されている。つまり、駐車スペース200は、各壁200b〜200dにより区画されている。
【0054】
図5(b)に示すように、駐車スペース200の入口200aの前方(図5(b)紙面垂直方向視左側)には、車両1を駐車スペース200に自動駐車する場合に、車両1が一旦停車する認識位置201が予め定められている。そして、認識位置201を中心とした半径X[m]までの範囲が認識範囲201aとなる。なお、本実施形態では、認識範囲201aは、認識位置201を中心とした半径1[m]としているが、この数値は、距離センサ26aの性能に応じて適宜変更可能である。
【0055】
図3に戻って説明する。S101の処理で、認識位置201への移動処理が実行されたら、車両1の中心点Poが認識範囲201a内にあるか否かを判別し(S102)、車両1の中心点Poが認識位置201の認識範囲201a内にあれば(S102:Yes)、S103の処理へ移行し、車両1の中心点Poが認識位置201の認識範囲201a外であれば(S102:No)、S101の処理へ戻り、車両1の中心点Poが認識範囲201a内となるまで、S101,S102の処理を繰り返し実行する。
【0056】
S103の処理では、車両1の中心点Poが認識位置201の認識範囲201a内に移動したことになるので、車輪駆動装置3及び操舵駆動装置5に停車指示を出力して、車両1を停車させ(S103)、その後、距離センサ26aにより車両1の周囲を測定し(S104)、その距離センサ26aの測定結果に基づいて駐車スペース200を形成する線分を抽出すると共に分割する(S105)。
【0057】
ここで、図6を参照して、S104の処理で行われる車両1の周囲の測定について説明する。図6(a)は、距離センサ26aが対象物までの距離を検出可能な検出範囲を示し図であり、図6(b)は、距離センサ26aによる検出結果を示した図である。なお、図6(b)には、破線により仮想的に車両1を図示している。
【0058】
図6(a)に示すように、車両1の右前に取り付けられている距離センサ26aは、車両1の後方から左側までの略270度の範囲(図6(a)の矢印Aで示す範囲)に位置する対象物との距離を検出可能に構成されている。また、距離センサ26aは、略270度の範囲内で、円周方向の0.5度毎(図6(b)の矢印Bで示す範囲毎)に放射状に延びる線上に位置する対象物までの距離を検出可能に構成されている。
【0059】
図6(b)に示すように、距離センサ26aによる検出結果は、円周方向の0.5度毎に検出された対象物までの距離が点として抽出され、その抽出された点は、距離センサ26aによる検出順に、x軸とy軸とからなる座標系に並べられる。
【0060】
図6(b)に示すように、抽出された点は、車両1の前方(y軸の矢印方向)に位置する延壁200dに対応するグループg1と、奥壁200bに対応するグループg2と、車両1の後方(y軸の反矢印方向)に位置する側壁200cに対応するグループg3と、車両1の後方に位置する延壁200dに対応するグループg4とで主に構成されている。なお、車両1の前方に位置する側壁200cは、距離センサ26aから死角になっているので、その側壁200cに対応する点は検出されていない。
【0061】
また、グループg1〜g4とは離れた位置に点が並べられる場合がある(図6(b)の右上の1つの点)。この点は、例えば、距離センサ26a、周辺環境監視装置26およびCPU91との間に発生するノイズ等の影響により、距離センサ26aによる検出結果が「最大値」や「0」として検出される場合である。なお、その他に、駐車スペース200内を人が通過したり、物が置かれている場合にも、その人や物が距離センサ26aにより検出され、グループg1〜g4に含まれない点が並べられることもある。
【0062】
次に、図7を参照して、S105の処理で行われる駐車スペース200の線分の抽出および分割について説明する。図7(a)は、距離センサ26aによる検出結果から線分を抽出した状態を示した図であり、図7(b)は、距離センサ26aによる検出結果から抽出した線分を分割した状態を示した図である。なお、図7(a)には、破線により仮想的に車両1を図示している。
【0063】
図7(a)に示すように、距離センサ26aによる検出結果から座標系に並べられた点を結線すると、x軸およびy軸に平行となる線分(図7(a)の実線の線分)と、x軸およびy軸に斜めとなる線分(図7(a)の点線で図示された線分)とが連続的に接続された線分PQ0が抽出される。
【0064】
ここで、上述したように、距離センサ26aは、駐車スペース200の形状を特定するために、各壁200b〜200dとの距離を検出するものなので、座標系に並べられた点間の距離が極端に広いものは、ノイズ等の影響や、駐車スペース内を横切った人や物を検出してしまった可能性があり、その点間が極端に広い点は無効とした方が好ましい。よって、本実施形態では、座標系に並べられた点の点間距離を算出し、その点間距離が所定距離以上となる場合に、極端に離れた位置に並べられた点を無効とするように構成されている(点無効手段)。つまり、図7(a)に示す点線で示された線分を構成する点の一方が無効とされ、その点線で示された線分が無効とされる。
【0065】
図7(b)に示す状態が、点間距離が極端に広くなる点を無効とした場合に抽出される線分を示したものであり、線分PQ0を分割した状態である。この線分PQの分割は、駐車スペース200を囲む各壁200b〜200dの境目に対応する部分を分割したものであり、具体的には、ほぼ直線となる部分毎で且つ方向が極端に変化した部分を分割している。図示するように、線分PQ0は、分割線分PQ1〜PQ4に分割されており、分割線分PQ1,PQ4は延壁200dに対応し、分割線分PQ2は奥壁200bに対応し、分割線分PQ3は側壁200cに対応している。
【0066】
よって、距離センサ26aの検出結果に応じて座標系に並べられた点の点間距離が極端に広いものを無効にできるので、ノイズやセンサで測定できない死角等の影響や、駐車スペース200内を横切った人や物を検出した場合の異常な点を無効にできる。従って、駐車スペース200を区画する分割線分PQ1〜PQ4が、実際の駐車スペース200の形状から極端に異なることを抑制できるので、駐車スペース200の形状を正確に認識できる。
【0067】
図3に戻って説明する。距離センサ26aによる周囲の測定(S104)が完了し、その測定結果に基づいて駐車スペース200を覆う各壁200b〜200dに対応する線分を抽出および分割すると(S105)、次に、他のノイズ等の影響が考えられる線分を除去するためのフィルタリング処理を実行する(S106)。
【0068】
ここで、図4を参照して、S106の処理で実行されるフィルタリング処理について説明する。フィルタリング処理が実行されると、まず、基準線分を検索し(S201)、分割線分の全てに長さフィルタをかける(S202)と共に傾きフィルタをかける(S203)。S201の処理で行われる基準線分の検索とは、S105の処理で分割された分割線分PQ1〜PQ4のうち、フィルタリング処理で基準として使用するための基準線分を設定する処理であり、S202,S203の処理で行われる長さフィルタ及び傾きフィルタをかけるとは、不要な分割線分を除去する処理である。このS201〜S203の処理を、図8,9を参照して説明する。
【0069】
図8(a)は、基準線分の検索方法を示した図であり、図8(b)は、長さフィルタ及び傾きフィルタの算出方向を示した図であり、図9は、傾きフィルタの条件を示した図である。なお、図8(b)に示す座標系のy軸は、基準線分に平行となるように配置されるものとする。
【0070】
図8(a)に示すように、S201の処理で行われる基準線分の検索は、車両1に対して、分割線分PQ1〜PQ4の端点との距離が最短となる端点P1を検索し、その端点P1を有する分割線分を基準線分として設定する処理である。図8(a)の状態では、実線矢印で示した分割線分PQ1の端点P1が最短となっている。よって、以下の説明では、分割線分PQ1を基準線分PQ1として説明する。
【0071】
図8(b)に示すように、S202の処理で行われる長さフィルタをかける処理は、S105の処理で抽出して分割された各分割線分PQ1〜PQ4の長さを算出し、その分割線分PQ1〜PQ4の長さが所定長さ以下である場合に、その線分を無効として除去する処理である。
【0072】
例えば、図8(b)の上側に位置する分割線分PQ5の端点の座標が(Xs1、Ys1)及び(Xe1、Ye1)であれば、x軸方向の距離の差(Xs1−Xe1)を2乗した値に、y軸方向の距離の差(Ys1−Ye1)を2乗した値を加算して平方根をとることで線分長Cを算出することができる。そして、最小線分長をCminとし最大線分長をCmaxとした場合に、Cmin≦C≦Cmaxの条件から外れる線分を無効とする。
【0073】
よって、分割線分のうち極端に短い分割線分などを無効にできるので、例えば、駐車スペース200内の人影や物などを距離センサ26aが検出した場合に生成される分割線分、ノイズ等の影響により生成される分割線分を除去できる。従って、駐車スペース200を区画する仮想的な分割線分が、実際の駐車スペース200の形状から極端に異なることを抑制でき、駐車スペース200の形状を正確に認識できる。
【0074】
次に、S203の処理で行われる傾きフィルタをかける処理は、S202の処理で長さフィルタをかけて残った分割線分の傾きθ(−90≦θ≦90)を算出し、その分割線分の傾きが基準線分PQ1に対して所定角度以上傾いていたり、基準線分PQ1に直交する直交線分に対して所定角度以上傾いていた場合に、その分割線分を無効として除去する処理である。
【0075】
例えば、図8(b)の上側に位置する分割線分PQ5の傾きθ1(0≦θ≦90)は、下記の(1)式で算出でき、図8(b)の下側に位置する分割線分PQ6の傾きθ2(−90≦θ≦0)は下記の(2)式で算出できる。なお、分割線分PQ6の端点の座標は(Xs2、Ys2)及び(Xe2、Ye2)とする。
θ1=tan−1((Ye1−Ys1)/(Xe1−Xs1))・・・(1)
θ2=tan−1((Ye2−Ys2)/(Xe2−Xs2))・・・(2)
図8(b)に示すように、傾きθ1,θ2は、分割線分PQ5,PQ6のxの値が小さい(図8(b)では左側の端点)方を基準として角度を算出しているので、傾きθ1は0≦θ1の関係が成り立ち、傾きθ2はθ2≦0の関係が成り立ち、−90≦θ≦90の関係が成り立っている。
【0076】
図9(a)〜図9(d)は、分割線分PQ5,PQ6の傾きθ1,θ2の許容範囲E1〜E3を示している。図9(a)は、基準線分PQ1がほぼY軸と重なった場合の許容範囲E1,E2を示している。図9(a)に示すように、分割線分PQ5,PQ6の傾きθ1,θ2が+側(0≦θ)となる許容範囲E1は、y軸を基準に−θminされた範囲内とされている。y軸を基準に+θminとなる範囲が許容範囲から除外れているのは、傾きθ1,θ2に対して−90≦θ≦90の関係が成り立っているからである。一方、分割線分PQ5,PQ6の傾きθ1,θ2が−側(θ≦0)となる許容範囲E2は、y軸を基準に+θminされた範囲内とされており、−90≦θ≦90の関係からy軸を基準に−θminとなる範囲が許容範囲から除外れている。また、図9(b)に示すように、基準線分PQ1に対して垂直方向の直交線分(図9(b)の薄線で示す線分)を基準に−θminから+θminの範囲内が許容範囲E3となる。
【0077】
図9(c)は、基準線分PQ1がy軸と重ならない場合の許容範囲E1,E2を示しており、図9(c)に示すように、許容範囲E1,E2は、基準線分PQ1を基準に−θminから+θminの範囲内とされている。また、図9(d)に示すように、基準線分PQ1に対して垂直方向の直交線分(図9(d)の薄線で示す線分)を基準に−θminから+θminの範囲内が許容範囲E3となる。なお、基準線分PQ1がy軸に重ならない場合にも−90≦θ≦90の関係は成り立ち、−90≦θ≦90から外れる場合にはその範囲が除外される。
【0078】
また、図9(c)及び図9(d)では、基準線分PQ1の傾きθが0≦θである場合を説明したが、基準線分PQ1の傾きθがθ≦0となる場合も同様に、許容範囲E1,E2が基準線分PQ1を基準に−θminから+θminの範囲内となり、許容範囲E3が基準線分PQ1に対して垂直方向の直交線分を基準に−θminから+θminの範囲内となる。
【0079】
よって、分割線分PQ5,PQ6の傾きθ1,θ2に許容範囲E1〜E3を設けることで、基準線分PQ1に対してほぼ平行となる分割線分および基準線分PQ1の垂直方向に対してほぼ平行となる分割線分以外、即ち、基準線分PQ1に対して極端に傾いた分割線分、及び基準線分PQ1の垂直方向に対して極端に傾いた分割線分を無効にできる。つまり、駐車スペース200内の人影や物などを距離センサ26aが検出した場合に生成される分割線分、ノイズ等の影響により生成される分割線分を除去できるので、駐車スペース200を区画する仮想的な分割線分が、実際の駐車スペース200の形状から極端に異なることを抑制でき、駐車スペース200の形状を正確に認識できる。
【0080】
図4に戻って説明する。S203の処理により傾きフィルタがかけられると、次に、基準線分PQ1に対して直交する方向に位置する直交線分を抽出するために、端点フィルタをかける(S204)。このS204の処理で行われる端点フィルタについて図10を参照して説明する。
【0081】
図10は、基準線分PQ1に対して直交する直交線分を抽出する方法を示した図である。図10に示すように、車両1から最短点とされた基準線分PQ1の端点P1を中心に所定範囲となる検索範囲P1a内に他の分割線分PQ2〜PQ4の端点があるか否かを検出する。この基準線分PQ1の端点P1を中心とする検索範囲P1aは、車両1の左右方向(図1に示す矢印L−R方向)の幅に、例えば、1m程度を加算(+α)した範囲とする(もし駐車場の入口の幅がわかっているときは、駐車場の入口幅+αにするのが望ましい)。つまり、各壁200b〜200dに対応する分割線分PQ2〜PQ4の端点を検出していることになる。図10では、分割線分PQ2〜PQ4の一方の端点が検索範囲P1a内に位置しているので、分割線分PQ2〜PQ4の全てが直交線分の候補となるが、基準線分PQ1に対して直交する分割線分は分割線分PQ3となるので、分割線分PQ3が直交線分として抽出される。なお、以下の説明では、分割線分PQ3を直交線分PQ3と称す。
【0082】
また、例えば、基準線分PQ1の端点P1を中心とする所定範囲P1a内に他の線分の端点が存在しない場合には、車両1の駐車スペース200に対する向き(アプローチ方向)が異なることが考えられるので、基準線分PQ1の他方の端点P2を中心とした検索範囲P2a内(図10の点線で示す円の範囲内)を検索する。この検索により、例えば、線分PQ7,PQ8の端点を検出できれば、基準線分PQ1に対して直交する直交線分PQ7を抽出することができる。
【0083】
図4に戻って説明する。S204の処理により基準線分PQ1の端点P1を中心する検索範囲P1a内に他の分割線分PQ2〜PQ4の端点があるかを検索する端点フィルタをかけると、端点フィルタリピートフラグ93aがオンであるか否かを判別し(S205)、端点フィルタリピートフラグ93aがオフであれば(S205:No)、端点フィルタにより抽出された直交線分が1個以上あるか否かを判別する(S206)。
【0084】
S206の処理で確認した結果、端点フィルタにより抽出された線分に直交線分が1個以上であれば(S206:Yes)、駐車スペース200の形状を特定できるので、そのまま本処理を終了し、直交線分が抽出できなければ(S206:No)、端点フィルタリピートフラグ93aをオンした後に(S207)、S204の処理へ戻り、再度、端点フィルタをかける。なお、この再度、端点フィルタをかける場合には、上述したように、基準線分PQ1の他方の端点P2を中心とした検索範囲P2a内を検索する処理が実行される。
【0085】
そして、S205の処理では、再度端点フィルタをかけた場合、端点フィルタリピートフラグ93aがオンされているので(S205:Yes)、S206の処理を実行することなく、本処理を終了する。なお、再度、端点フィルタをかけた場合にも直交線分が検索できなかった場合には、後述するS107の処理で駐車スペース200を認識できなくなり(S207:No)、自動駐車することなく自動駐車処理が終了する。よって、端点フィルタをかける処理を最大2回までとすることで、端点を検索する範囲が広くなり過ぎて、処理の精度および信頼性が低下することを抑制できるし、処理負担の軽減も図ることができる。なお、駐車スペース200を認識できない場合には、車両1のアプローチ方向などを変更して再度自動駐車処理を実行するように促す報知を行うようにしても良い。
【0086】
図3に戻って説明する。S106のフィルタリング処理が終わると、そのフィルタリング処理により不要な線分が除去された駐車スペース200を認識する(S107)。この駐車スペース200を認識する処理について、図11〜図16を参照して説明する。
【0087】
図11は、基準線分PQ1と直交線分PQ3との交点P3を抽出する方法を示した図である。図12〜図16は、駐車スペース200に対する車両1のアプローチ方向、及び、駐車スペース200に対する車両1の位置に応じて場合分けされる駐車スペース200の形状の算出方法を示した図である。
【0088】
図11に示すように、S205の処理で端点フィルタをかけて、基準線分PQ1に直交する直交線分PQ3を検索できたら、その基準線分PQ1の延長線上(基準線分PQ1から延びる点線)と、直交線分PQ3の延長線上(直交線分PQ3から延びる点線)が交わる点を交点P3として抽出する。この基準線分PQの端点P1と、抽出した交点P3との間が駐車スペース200の入口200aの幅として認識される。
【0089】
図12〜図16の場合分けは、距離センサ26aによる検出結果から座標系に並べられた複数点(図6(b)に示す点)までの距離や、その各点の距離センサ26aの円周方向における角度等に応じて、駐車スペース200に対する車両1のアプローチ方向と、駐車スペース200に対する車両1の位置とが算出され、その算出結果に基づいて行われる。
【0090】
図12及び図13は、図5(a)に示すように、車両1の右側に駐車スペース200が位置する状態で、車両1が認識位置201にアプローチした場合である。なお、図12(a)に示す駐車スペース200の縦幅parkDepth(以下「pD」と称す)及び横幅parkWidth(以下「pW」と称す)は、予めHDD96に記憶されているデータである。
【0091】
図12(a)に示す状態では、分割線分は、5つの分割線分PQ1〜PQ5が抽出される。この状態における駐車スペース200の形状を特定する四隅の頂点P11〜P14の算出方法について説明する。頂点P11は、上述した通り、基準線分PQ1と直交線分PQ3との交点P3であり、その座標を(Xp11,Yp11)と表した場合、頂点P12の座標(Xp12,Yp12)は下記の(3),(4)式で算出でき、頂点P13の座標(Xp13,Yp13)は下記の(5),(6)式で算出でき、頂点P14(端点P1)の座標(Xp14,Yp14)は下記の(7),(8)式で算出できる。
Xp12=Xp11−pD・cosθ・・・(3)
Yp12=Yp11+pD・sinθ・・・(4)
Xp13=Xp12+pW・sinθ・・・(5)
Yp13=Yp12+pW・cosθ・・・(6)
Xp14=Xp13+pD・cosθ・・・(7)
Yp14=Yp13−pD・sinθ・・・(8)
上記の(3)〜(8)式によって、頂点P12〜P14の座標が算出されると、薄線で示すような仮想的な駐車スペース200の形状を特定することができる。
【0092】
図12(b)に示す状態では、車両1が駐車スペース200に対して傾くことなく位置している。よって、角度θ=「0」となるので、上記(3)〜(8)において、sinθ=「1」及びcosθ=「0」として、頂点P12〜P14を算出できる。
【0093】
図13(a)に示す状態では、頂点P12〜P14は、下記の(9)〜(14)式により算出できる。
Xp12=Xp11+pD・cos(π/2+θ)・・・(9)
Yp12=Yp11+pD・sin(π/2+θ)・・・(10)
Xp13=Xp12+pW・sin(π/2+θ)・・・(11)
Yp13=Yp12−pW・cos(π/2+θ)・・・(12)
Xp14=Xp13−pD・cos(π/2+θ)・・・(13)
Yp14=Yp13−pD・sin(π/2+θ)・・・(14)
【0094】
図13(b)に示す状態では、頂点P12〜P14は、下記の(15)〜(20)式により算出できる。
Xp12=Xp11+pD・cos(π/2−θ)・・・(15)
Yp12=Yp11−pD・sin(π/2−θ)・・・(16)
Xp13=Xp12−pW・sin(π/2−θ)・・・(17)
Yp13=Yp12−pW・cos(π/2−θ)・・・(18)
Xp14=Xp13−pD・cos(π/2−θ)・・・(19)
Yp14=Yp13+pD・sin(π/2−θ)・・・(20)
【0095】
また、図14及び図15は、車両1の左側に駐車スペース200が位置する状態で、車両1が認識位置201にアプローチした場合である。
【0096】
図14(a)に示す状態では、頂点P12〜P14は、下記の(21)〜(26)式により算出できる。
Xp12=Xp11−pD・cos(π/2−θ)・・・(21)
Yp12=Yp11+pD・sin(π/2−θ)・・・(22)
Xp13=Xp12−pW・sin(π/2−θ)・・・(23)
Yp13=Yp12−pW・cos(π/2−θ)・・・(24)
Xp14=Xp13+pD・cos(π/2−θ)・・・(25)
Yp14=Yp13−pD・sin(π/2−θ)・・・(26)
【0097】
図14(b)に示す状態では、車両1が駐車スペース200に対して傾くことなく位置している。よって、角度θ=「0」となり、上記(21)〜(26)において、sin(π/2−θ)=「1」及びcos(π/2−θ)=「0」として、頂点P12〜P14を算出できる。
【0098】
図15(a)に示す状態では、頂点P12〜P14は、下記の(27)〜(32)式により算出できる。
Xp12=Xp11+pD・cos(π/2+θ)・・・(27)
Yp12=Yp11+pD・sin(π/2+θ)・・・(28)
Xp13=Xp12−pW・sin(π/2+θ)・・・(29)
Yp13=Yp12+pW・cos(π/2+θ)・・・(30)
Xp14=Xp13−pD・cos(π/2+θ)・・・(31)
Yp14=Yp13−pD・sin(π/2+θ)・・・(32)
【0099】
図15(b)に示す状態では、頂点P12〜P14は、下記の(33)〜(38)式により算出できる。
Xp12=Xp11+pD・cos(π/2−θ)・・・(33)
Yp12=Yp11−pD・sin(π/2−θ)・・・(34)
Xp13=Xp12+pW・sin(π/2−θ)・・・(35)
Yp13=Yp12+pW・cos(π/2−θ)・・・(36)
Xp14=Xp13−pD・cos(π/2−θ)・・・(37)
Yp14=Yp13+pD・sin(π/2−θ)・・・(38)
【0100】
図3に戻って説明する。S107の処理で、図12(a)〜図15(b)に示す状態のうち、車両1のアプローチ方向や位置に最適なものが選択され、頂点P11〜P14が算出されると共に駐車スペース200の仮想的な形状が算出されて、駐車スペース200が認識できたか否かを判別し(S108)、駐車スペース200が認識されていれば(S108:Yes)、駐車処理を実行し(S109)、駐車スペース200が認識されていなければ(S108:No)、そのまま、本処理を終了する。なお、S107の処理で駐車スペース200が認識できない場合とは、フィルタリング処理(S106)を実行した場合に、基準線分や直交線分が抽出できずに、駐車スペース200の形状を算出できなかった場合である。
【0101】
ここで、図16を参照して、S109の処理で実行される駐車処理について説明する。図16は、車両1の駐車スペース204への自動駐車を示した図であり、図16(a)は、車両1が駐車開始位置まで移動する状態を示しており、図16(b)は、車両1が旋回動作をして駐車スペース200に駐車する状態を示している。
【0102】
図8(a)に示すように、車両1が駐車スペース200に自動駐車する場合には、CPU91から車輪駆動装置3及び操舵駆動装置5に指示を出力し、駐車スペース200に対する現在位置から駐車開始位置P21へ車両1を自動で移動させる。そして、図8(b)に示すように、車両1が駐車開始位置P21に到達したら、旋回の中心点P22を基準として旋回動作を行い駐車スペース200への自動駐車が行われ、車両1の自律走行が完了する。
【0103】
以上説明したように、制御装置100は、車両1を基準として、所定角度毎(本実施形態では0.5度毎)に放射状に延びる線上に位置する各壁200b〜200dまでの距離を距離センサ26aにより検出し、その検出結果から駐車スペース200の形状を算出できるので、カメラにより入力される画像を1画素ずつ解析して駐車スペース200の形状を算出する場合に比べて、制御装置200のCPU91の処理負担を軽減できる。さらに、駐車スペース200の形状の算出は、上述した通り、通常の三角関数を用いたものであり、その算出自体も簡単になるので、CPU91の処理負担をより軽減できる。
【0104】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0105】
例えば、上記実施形態では、距離センサ26aをレーザレンジファインダで構成するものとしたが、超音波を発信する超音波センサや、ミリ波を発信するミリ波センサなどで構成するものとしても良い。超音波センサやミリ波センサであっても、カメラにより入力される画像を解析して駐車スペース200の形状を算出する場合に比べて、制御装置200のCPU91の処理負担を軽減できる。
【0106】
また、上記実施形態では、駐車スペース200が壁200b〜200dにより区画されるものとしたが、金網によって区画されるものであっても良いし、地面から若干突起した仕切部材などで区画されるものであっても良いし、逆に、地面に設けられた凹みにより区画されるものであっても良い。即ち、距離センサ26aにより検出可能な対象物であれば、駐車スペース200を区画する部材は如何なるものであっても良い。なお、駐車スペース200が金網により区画されている場合には、距離センサ26aにより所定角度毎に放射状に延びる線上に金網が位置しないこともあるが、本実施形態では、座標係に並べられた点の点間距離が極端に広いものを無効にできるので、距離センサ26aにより金網の形状に対応した全ての点を抽出できない場合でも、駐車スペース200の形状を正確に算出することができる。
【0107】
また、上記実施形態では、駐車スペース200が壁200b〜200dにより1台分の駐車領域で区画されるように構成したが、車両1の2台分の駐車領域で区画されるように構成しても良い。これは、車両1の2台分の駐車領域であれば、距離センサ26aにより壁までの距離を検出可能となるからである。この構成では、既に車両1が1台駐車されている場合には、その駐車済みの車両1を壁として算出することもできるので、自動運転により駐車する場合に、駐車済みの車両1に衝突するなどの弊害の発生も防止できる。
【0108】
また、上記実施形態では、壁200b〜200dにより区画された駐車スペース200の形状を算出するものとしたが、両側に車両が駐車されている間の駐車スペースの形状を算出するように構成しても良い。この構成では、例えば、公共の駐車場のうち1の駐車スペースに自動運転により車両を駐車する場合にも応用可能になるので、自動運転による駐車機能を有効に利用できる。
【0109】
また、上記実施形態では、距離センサ26aを車両1の右前に取り付けるものとしたが、車両1の左前、右後または左後に取り付けても良いし、車両1の前側の左右2箇所や、車両1の後側左右2箇所、車両1の4隅の4箇所などに取り付けても良い。即ち、距離センサ26aの数や取り付け位置は如何なる数や場所であっても良い。
【0110】
また、上記実施形態では、車両1の認識位置201への移動を自動運転により行うものとしたが、運転者が駐車スペース200近傍まで運転して移動させるように構成しても良い。この構成では、車両1が認識位置201の許容範囲201a内に達したら、音声や映像で車両1を停車することを促すように構成しても良い。
【0111】
また、上記実施形態では、駐車場200の駐車場データや、車両1が駐車可能な駐車スペース200の位置データなどを予めHDD96に記憶するものとしたが、駐車場の入り口で、外部装置から無線通信により受信し、RAM95に記憶するように構成しても良い。この構成では、予め必要なデータをHDD96に記憶する必要がなくなるので、HDD96の記憶領域を有効に利用できるし、他の駐車場での自動運転による駐車も簡単に行うことができる。
【0112】
また、上記実施形態では、フィルタリング処理内で、長さフィルタをかけた後に傾きフィルタをかける処理順序としたが、傾きフィルタをかけた後に長さフィルタをかける処理順序としても良い。処理順序が異なったとしても、駐車スペース200内の人影や物などを距離センサ26aが検出した場合に生成される分割線分、ノイズ等の影響により生成される分割線分を除去できるので、駐車スペース200を区画する仮想的な分割線分が、実際の駐車スペース200の形状から極端に異なることを抑制でき、駐車スペース200の形状を正確に認識できる。また、長さフィルタ及び傾きフィルタのうち、一方のフィルタをかけるように構成しても良い。
【0113】
また、上記実施形態では、車両1はバック駐車としたが、前駐車としても良く、駐車スペース204の位置や周辺環境に応じて、駐車方法は適宜変更可能に構成しても良い。
【符号の説明】
【0114】
1 車両
26 周辺環境監視装置(距離検出手段の一部)
26a 距離センサ(距離検出手段の一部)
100 制御装置
200 駐車スペース
200b〜200d 壁(対象物)
S104 点抽出手段
S105 生成手段の一部、点無効手段、分割手段
S107 生成手段の一部、位置算出手段
S201 線分抽出手段
S202 第2線分無効手段
S203 線分長算出手段、第1線分無効手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の駐車スペース内に自動運転により移動可能な車両に搭載される制御装置において、
前記車両に取り付けられ、その車両を基準として、所定角度毎に放射状に延びる線上に位置する対象物までの距離を検出する距離検出手段と、
その距離検出手段により所定角度毎に検出される前記対象物までの距離を、座標系の点として抽出する点抽出手段と、
その点抽出手段により抽出される前記座標系の点に基づいて、前記駐車スペースを区画する仮想的な線分を生成する生成手段と、
前記点抽出手段により抽出される前記座標系の点に基づいて、前記駐車スペースに対して前記車両が位置すると推定される推定位置を算出する位置算出手段とを備えていることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記生成手段は、
前記点抽出手段により抽出される第1の点を基準とした場合に、その第1の点の1つ前または1つ後に抽出された第2の点との点間距離を算出し、その算出された点間距離が所定値以上である場合に、前記第1及び第2の点の少なくとも一方を無効とする点無効手段を備え、
その点無効手段により無効とされた点以外の点を仮想的に結線することで、前記駐車スペースを区画する仮想的な線分を生成するものであることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記生成手段により仮想的に結線して生成された線分を、ほぼ直線となる部分毎に分割して分割線分を生成する分割手段と、
その分割手段により分割された分割線分の端点のうち、前記車両との距離が最短になる点を有する分割線分を基準線分として抽出する線分抽出手段と、
その線分抽出手段により抽出される基準線分に対して一定角度以上の傾きを有する分割線分、及び、前記基準線分に直交する直交線分に対して一定角度以上の傾きを有する分割線分を無効とする第1線分無効手段とを備えていることを特徴とする請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記生成手段により仮想的に結線して生成された分割線分を、ほぼ直線となる部分毎に分割して分割線分を生成する分割手段と、
その分割手段により分割された分割線分の長さを算出する線分長算出手段と、
その線分長算出手段により算出された分割線分の長さが一定長さ以下である場合に、その分割線分を無効とする第2線分無効手段とを備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−164349(P2010−164349A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5216(P2009−5216)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】