説明

制振材料

【課題】制振性フィラーのみの添加によって、該ベースポリマーの高減衰化を図ることができ、優れた制振性を有し、かつ電磁波吸収性および放熱性を併せ持つ制振材料の提案。
【解決手段】ベースポリマー中に膨張性黒鉛からなる制振性フィラーを配合する。ベースポリマーはゴム系ポリマーまたはゴム系ポリマーを含むポリマーアロイのいずれかによって構成されるもので、ベースポリマー100重量部に対して制振性フィラーを50〜250重量部の割合で配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた制振性を有する制振材料に関し、特には複合化することなく、単独で優れた制振性を有し、かつ電磁波吸収性及び放熱性といった性質を併せ持つ制振材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制振材料としては、例えばポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して雲母を100重量部以上添加したポリ塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。また、別の制振材料としては、熱可塑性樹脂(A)40〜97重量%、平均粒子径100〜1000μmの鱗片状黒鉛 (B)3〜60重量%、繊維状強化材(C)0〜57重量%からなる樹脂組成物で、かつ(B)+(C)が60重量%以下である制振性熱可塑性樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
これらの制振材料にあっては、制振性フィラーとなる鱗片状フィラーが有する局所的な層間すべりとポリマーに密着したフィラー間に存在するポリマーが持つ応力緩和機構が働くことによって振動減衰能が生ずるようになっていた。
【0004】
ところが、これら従来の制振材料において、上述の制振性フィラーの添加による制振メカニズムによって得られる制振性では十分ではなく、さらなる減衰性の向上が求められていた。
【0005】
そこで、このような要求に答えるべく、ベースポリマーに、制振性フィラーと共に第2級アミン、第3級アミン、含窒素複素環から選ばれた塩基を含む塩基性物質を配合することで、該ベースポリマーの高減衰化を図った制振材料が提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平6−155666号公報
【特許文献2】特開平8−2773号公報
【特許文献3】特開平11−257424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、ベースポリマーの高減衰化を図る上で制振性フィラーに着目し、該制振性フィラーのみの添加によっても、優れた制振性を得ることができる制振材料を提案すべく、鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったのである。
【0008】
すなわち本発明は、制振性フィラーのみの添加によっても、該ベースポリマーの高減衰化を図ることができ、優れた制振性を有する制振材料を提案することを目的とするものである。
【0009】
本発明の別の目的は、優れた制振性を有し、かつ電磁波吸収性及び放熱性といった性質を併せ持つ制振材料を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、ベースポリマー中に膨張性黒鉛からなる制振性フィラーが配合されたことを特徴とする制振材料をその要旨とした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の制振材料に使用するベースポリマーとしては、ゴム系ポリマーまたはゴム系ポリマーを含むポリマーアロイのいずれかによって構成されていることが望ましい。これらのベースポリマーは、膨張性黒鉛との親和性に優れ、該ベースポリマーにおける膨張性黒鉛の均一分散を効果的に促進し、均質、かつ高性能な制振性を導き出す。
【0012】
ゴム系ポリマーとしては、ポリブタジエン(PB)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、フッ素系ゴム、及びシリコンゴムから選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体を挙げることができる。
【0013】
また、上記ゴム系ポリマーを含むポリマーアロイとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、塩素化ポリエチレン(CPE)、及びエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれる1種若しくは2種以上を上記ゴム系ポリマーにブレンドしたものを挙げることができる。
【0014】
また、本発明の制振材料に使用するベースポリマーは、ゴム系ポリマーまたはゴム系ポリマーを含むポリマーアロイの他に、0〜25℃の温度領域にガラス転移温度を有する極性ポリマーにより構成された形態を採ることもできる。
【0015】
0〜25℃の温度領域にガラス転移温度を有する極性ポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PCV)、塩素化ポリエチレン(CPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、及びこれらのポリマーアロイなどを挙げることができる。
【0016】
尚、上記ベースポリマーの選択に際しては、後述する膨張性黒鉛やp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン等との相溶性のほか、当該制振材料の適用される材料(用途)や使用形態に応じて、取り扱い性、成形性、入手容易性、温度性能(耐熱性や耐寒性)、耐候性、価格なども考慮するのが望ましい。
【0017】
上記ベースポリマー中に制振性フィラーとして配合される膨張性黒鉛とは、天然鱗状黒鉛、熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の酸化剤とで処理することで、黒鉛の層間に前記酸をインターカーレーションし、膨張させた黒鉛層間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0018】
上記のように酸処理して得られた膨張性黒鉛をそのまま制振性フィラーとして用いることもできるが、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等での中和、洗浄工程を施すことで、pH値の中性及び粒子表面のクリーンさを確保したものを使用するのが好ましい。
【0019】
上記脂肪族低級アミンとしては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0020】
制振性フィラーとして配合される膨張性黒鉛は、局所的な層間すべりとポリマーに密着したフィラー間に存在するポリマーが持つ応力緩和機構とが働き、優れた制振性を発揮する。また膨張性黒鉛は、圧縮成形時に層化しにくく、前述したゴム系ポリマーやゴム系ポリマーを含むポリマーアロイからなるベースポリマーとの親和性に優れ、該ベースポリマーにおける分散性に優れており、均質な制振性及びゴム弾性を発揮することができる。また膨張性黒鉛は、熱伝導性が高く、放熱性に優れるという利点もある。
【0021】
さらに膨張性黒鉛は、電磁波吸収性に優れていることから、該膨張性黒鉛をベースポリマーに配合した制振材料は、例えば携帯電話のケーシングなど、上述の制振性や放熱性と合わせて幅広い用途への使用が可能となる。
【0022】
このような作用効果を奏する膨張性黒鉛としては、(フィラーの長径/フィラーの厚さ)で規定されるアスペクト比が5〜35であり、粒子径が3〜30μmのものが好ましく、より好ましくはアスペクト比が5〜20であり、粒子径が10〜20μmであり、最適にはアスペクト比が7〜10であり、粒子径が12〜18μmである。アスペクト比が5〜35であり、粒子径が3〜30μmの数値範囲内の膨張性黒鉛を用いた場合、該膨張性黒鉛はベースポリマーにおいて優れた制振性、放熱性及び電磁波吸収性を発揮することになり、上記範囲外の場合には、十分制振性、放熱性及び電磁波吸収性を得られないばかりか、粘度が高くなり、加工性が悪くなる。また、膨張性黒鉛のBET比表面積としては、27〜30m/gの範囲が好ましい。上記範囲外の場合には、十分制振性、放熱性及び電磁波吸収性を得られない恐れがある。
【0023】
本発明の制振材料において制振性フィラーとして配合される膨張性黒鉛は、ベースポリマー100重量部に対して50〜250重量部の割合で配合されていることが好ましく、より好ましくは100〜200重量部である。膨張性黒鉛の配合量が50重量部を下回る場合、上述の制振性、放熱性、電磁波吸収性といった十分な性能が得られず、膨張性黒鉛の配合量が250重量部を上回る場合には、上回った分だけの性能向上が期待できないばかりか、粘度が高くなり、加工性が悪くなる。
【0024】
本発明の制振材料は、膨張性黒鉛の他にさらに石油系炭化水素樹脂を含む形態を採ることができる。石油系炭化水素樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂のいずれかを用いることができるが、特に脂環族飽和炭化水素樹脂は、相溶性の面で好ましく、これを添加することにより、該制振材料の流動性、柔軟性、制振性が良好になる。尚、その配合量は、ベースポリマー100重量部に対し10〜100重量部が好ましく、より好ましくは20〜70重量部である。石油系炭化水素樹脂の配合量が10重量部を下回ると、十分な流動性、柔軟性、制振性を得ることができず、100重量部を超えると、材料の粘着性が高くなり、加工性が低下するからである。
【0025】
本発明の制振材料は、膨張性黒鉛の他に、さらにp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物(以下、減衰性促進剤という)を含む形態を採ることができる。
【0026】
減衰性促進剤は、上記ベースポリマー中に分散相を形成し、当該制振材料に加わった振動や電磁波といったエネルギーを効果的に減衰する働きを持つ。この分散相は、減衰性促進剤がミクロ相分離した分散相として、或いは完全相溶した分散相としてベースポリマー中に存在している。またこの分散相は、上記マトリックス相中に平均1ミクロン以下、より好ましくは平均0.1ミクロン以下の大きさで存在していることが、上記エネルギー減衰効果をより効果的に発揮させる上で望ましい。
【0027】
この分散相を構成する減衰性促進剤は、ベースポリマー100重量部に対し1〜40重量部の割合で含まれていることが好ましく、より好ましくは10〜300重量部である。
減衰性促進剤の含有量が1重量部を下回る場合、十分なエネルギー減衰性を得ることができず、また、減衰性促進剤の含有量が40重量部を上回る場合には、範囲を超える分だけの減衰性が得られず不経済となるからである。
【0028】
本発明の制振材料では、上記成分のほかに、一般に使用される充填剤、難燃剤、着色剤、耐光剤、抗菌剤、帯電防止剤等も、本発明の趣旨に反しない限り、添加することができる。
【0029】
本発明の制振材料は、シート状やフィルム状などの形態とする場合には、上記ベースポリマーに膨張性黒鉛を所定割合で配合し、これを単軸押出し機や二軸押出し機等の連続式混練機およびニーダーやバンバリーミキサー等のバッチ式混練機などを用いて混練し、さらにカレンダー法や押し出し法などにより、用途、目的に応じた形状に成形する。
【0030】
本発明の制振材料をシート状やフィルム状などの形態とする場合、当該材料は発泡構造を採ることもできる。発泡レベルとしては特に限定されないが、制振性を求める用途には連続気泡構造とするのが望ましく、防振性や衝撃吸収性を求める用途には独立気泡構造とするのが望ましい。
【0031】
また、本発明の制振材料をシート状やフィルム状などの形態とした場合、その両面又は一方面に拘束層を設けることもできる。拘束層を設けることにより、当該制振材料に振動が加わったとき、その振動によって当該材料と拘束層との間にズレが生じ、そのズレによって振動のエネルギーの損失が生じ、振動が減衰することになる。このために、当該制振材料よりも剛性の高い材質によって拘束層を構成し、当該拘束層によって制振材料を拘束するのが望ましい。拘束層の具体例としては、金属、ポリマー、ゴム、ガラス、及び不織布から選ばれる1種若しくは2種以上を素材とするシート、フィルム、網、板或いはこれらの複合体を挙げることができる。
【0032】
本発明の制振材料は、実に広範な用途に適用することができる。具体的な用途としては、例えば制振シート、制振フィルム、制振紙、制振塗料、制振性粉体塗料、制振ワニス、制振性接着剤、拘束型制振材、制振鋼板などの制振材料、電磁波吸収シールドなどに使用される電磁波吸収材料、防振ゴムや防振ゲルなどに使用される防振材料などを挙げることができる。
【0033】
また本発明の制振材料は、複合化することなく、単独で制振性や電磁波吸収性といった性質を併せ持つため、複数の性能が同時に要求される用途にも使用することができる。例えば自動車や住居の窓に使用される合わせガラスの場合、制振性や電磁波吸収性といった複数の性能が同時に要求される。本発明の制振材料は、単独で優れた制振性及び電磁波吸収性を有し、かつ透明性を確保できるため、合わせガラスの中間層として最適である。
【0034】
また本発明の制振材料の別の用途としては、高速道路など道路脇に設置される防音パネルが挙げられる。高速道路など道路脇に設置される防音パネルは、道路周辺に道路からの騒音をシャットアウトすることを主な目的として設置される。近年、高速道路には、料金所ゲートに設置したアンテナと、車両に装着した車載器との間で無線通信を用いて自動的に料金の支払いを行い、料金所をノンストップで通行することができるETCシステムが採用されている。ところが、このETCのアンテナから送信される電波は道路周辺に広がり、例えば道路周辺の住宅の電気機器に誤作動を引き起こさせたり、高速道路に繋がる道路を通行中の車両の車載器にETCシステムからの電波が送信され、誤って料金が加算されるなどの不具合が報告されている。本発明の制振材料を用いた防音パネルを道路脇に設置したならば、防音パネル本来の効果に加え、電磁波吸収もなされるため、上述の不具合も見事に解消されることになる。
【実施例】
【0035】
実施例1
ベースポリマーとしてNBR(極高ニトリルタイプ)100重量部に、膨張性黒鉛(カルファイト CS−30、株式会社丸富製作所製)100重量部、石油系炭化水素樹脂(アルコンPー125、荒川化学株式会社製)90重量部、減衰性促進剤(ノクラックTD、大内化学株式会社製)10重量部の割合で配合し、これを80℃に設定した混練ロールに投入して混練し、さらにカレンダー法により厚さ1mmのシート状に成形した。得られたシートを所定の大きさに裁断し、損失係数(η)測定用の試験片とした。
【0036】
実施例2
膨張性黒鉛量を150重量部とした以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0037】
実施例3
膨張性黒鉛量を200重量部とした以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0038】
実施例4
減衰性促進剤量を20重量部とした以外は、実施例3と同様にして試験片を作製した。
【0039】
実施例5
石油系炭化水素樹脂量を100重量部とした以外は、実施例3と同様にして試験片を作製した。
【0040】
実施例6
石油系炭化水素樹脂量を100重量部とした以外は、実施例2と同様にして試験片を作製した。
【0041】
比較例1(市販品)
ベースポリマーとしてCPE100重量部に、インターカーレーション処理していない黒鉛100重量部、石油系炭化水素樹脂を90重量部、減衰性促進剤としてN、N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミドを10重量部の割合で配合した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0042】
上記実施例1〜6並びに比較例1に係る各シートにつき、JIS G 0602に準拠して中央加振法により、周波数800Hzにおける損失係数(η)を測定し、図1に示した。
【0043】
図1から、比較例1の周波数800Hzにおける損失係数(η)のピークが約0.15程度であるのに対し、実施例1〜6のものは、いずれも損失係数(η)のピークが約0.23を上回り、制振性に優れていることが確認された。特に実施例2、3及び5のものは、いずれも損失係数(η)のピークが約0.33を上回っており、高い制振性を有していることが確認された。
【0044】
また、実施例1〜3を見たとき、膨張性黒鉛の配合量の増加に伴って損失係数(η)が向上することが確認された。特に実施例1と2とでは、損失係数(η)が0.2490と0.3390であり、大幅に性能アップがなされているが、実施例2と3とを対比した場合、それらのピーク値は0.3390と0.3600となっており、大きな差がないことが解る。このことから、ベースポリマー100重量部に対して膨張性黒鉛を200重量部を配合した実施例3のものが、膨張性黒鉛の配合量による損失係数(η)の増加の上限付近ではないかと考えられる。
【0045】
また、石油系炭化水素樹脂量を増加した実施例5は実施例3と対比したとき、ほぼ同じグラフの波形を描いていて、制振性がほぼ同程度であるのに対し、減衰性促進剤量を増加した実施例4は、実施例3に比べると10℃における損失係数(η)のレベルは低下しているものの、20℃における損失係数(η)のレベルは高くなっており、性能がブロード化していることが確認された。
【0046】
以上、図1から、実施例に係る制振材料は、比較例に係る制振材料に比べて高い制振性を示すことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例1〜6、並びに比較例1の各試験片の0〜60℃における損失係数(η)を示したグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースポリマー中に膨張性黒鉛からなる制振性フィラーが配合されたことを特徴とする制振材料。
【請求項2】
ベースポリマーが、ゴム系ポリマーまたはゴム系ポリマーを含むポリマーアロイのいずれかによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の制振材料。
【請求項3】
ゴム系ポリマーが、ポリブタジエン(PB)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、フッ素系ゴム、及びシリコンゴムから選ばれる1種若しくは2種以上、若しくはこれらの共重合体からなることを特徴とする請求項2記載の制振材料。
【請求項4】
ベースポリマーが、0〜25℃の温度領域にガラス転移温度を有する極性ポリマーにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の制振材料。
【請求項5】
極性ポリマーが、ポリ塩化ビニル(PCV)、塩素化ポリエチレン(CPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、及びこれらのポリマーアロイのいずれかであることを特徴とする請求項4記載の制振材料。
【請求項6】
膨張性黒鉛からなる制振性フィラーがベースポリマー100重量部に対して50〜250重量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の制振材料。
【請求項7】
石油系炭化水素樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の制振材料。
【請求項8】
石油系炭化水素樹脂が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂および脂環族飽和炭化水素樹脂のいずれかからなることを特徴とする請求項7記載の制振材料。
【請求項9】
石油系炭化水素樹脂が、ベースポリマー100重量部に対して10〜100重量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の制振材料。
【請求項10】
p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の制振材料。
【請求項11】
p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンから選択された1種若しくは2種以上の化合物が、ベースポリマー100重量部に対して1〜40重量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項10に記載の制振材料。

【図1】
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【公開番号】特開2009−197115(P2009−197115A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39540(P2008−39540)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(506229970)AS R&D合同会社 (16)
【Fターム(参考)】