説明

制汗薬を含有しているシリコーン接着剤

本発明は、シリコーン含有接着剤の接着を増強させる方法に関する。本方法は、1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤と、0.1〜50重量%の制汗薬化合物とを混合していき、組成物を形成させることを含む。本組成物は次いで、表面上に適用され、硬化される。本発明は、1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤と、0.1〜50重量%の制汗薬塩とを含んでいる組成物にも関する。結果得られてくる接着フィルムは特に、ヘルスケアおよびコスメティックへの適用において有用であり、発汗を阻害し、こうして、本接着剤の接着強度を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制汗薬を含有するシリコーン接着剤に関する。これらの製剤は、従来の制汗薬の適用において使用され得、あるいは、湿気が本接着剤の接着を阻害もしくは低減させる接着剤の適用において使用され得る。
【背景技術】
【0002】
制汗薬の使用は、パーソナルケア市場において、よく知られている。典型的には、制汗薬は、アルミニウムおよび/またはジルコニウムの塩を含む。当業界において、シリコーンを、このような塩を含有している製剤中に取り込み、このような製剤の肌触りを向上させ、これらの塩の供給において補助することも知られている。
【0003】
シリコーン接着剤も、当業界において、よく知られている。紙、プラスチック、ラバー、および同様なもののような種々の基材上で有用である。このような接着剤は、経皮ドラッグデリバリー装置、絆創膏、人工器官、および同様なもののような適用における、ヒトもしくは動物の体への接着に有用であるとも知られている。
【0004】
接着剤に関わる1つの問題は、湿気の存在下に接着強度が低減されてしまうことである。例えば、シリコーン接着剤と共に取り付けられた包帯もしくは医療装置の接着および装着時間は、当該患者が発汗すると、低減されてしまう。このことは結果的に、当該接着の失敗、これゆえ、皮膚からの剥離を与えてしまう。創傷用絆創膏の場合、このことは結果的に、より遅い創傷治癒そして更に感染の潜在性(可能性)を与えてしまう。加えて、当該患者もしくは介護者が該絆創膏をより頻繁に取り替えなければならないので、結果的に、コストの上昇(増加)を与えてしまう。
【0005】
湿った皮膚への接着への1つの伝統的なアプローチは、より強い接着強度を持つ接着剤を利用することであり、それで、湿った場合さえ、充分な接着を維持するようになる。このような強い接着強度はしかしながらしばしば結果的に、当該接着剤が除去されるときに、皮膚損傷を与える。このことは特に、日和見感染したかもしくは損傷された皮膚に該接着剤が適用される必要がある場合、あるいは、同じ領域に数回該接着装置が適用および再適用される必要がある場合、問題である。
【0006】
接着剤が、創傷、創傷周囲の皮膚、および瘢痕のような日和見感染した皮膚を覆う場合、該創傷床におけるかもしくは周りの、発汗のような源からの過剰な湿気が、当該皮膚の剥離を引き起こすとも、知られている。この過剰な湿気を排除する伝統的な方法は、前向きというよりもむしろ復古的であり、絆創膏、ドレープ、もしくはテープの該湿気蒸気の伝搬速度(MVTR)を増加させる方法に焦点を当ててきた。MVTRを増加させるのに採られるステップは、絆創膏構成基材もしくは絆創膏構成1次成分の処置を包含し、呼吸できる基材および有孔もしくは吸収基材の使用を包含する。MVTRを増加させるのに採られる他の代わりのステップは、接着被覆をパターンコーティングを介して調整していくこと、または、より少ない接着コーティング重量を包含してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
我々は今、制汗薬をシリコーン接着剤に加えていくことにより、該接着剤の接着が、該接着剤の部位に存在している湿気の量を抑えていくことにより、向上され得ることを発見した。これゆえ、より低侵襲性の接着剤が使用され得、こうして、該接着剤が除去される時の皮膚外傷が限られる。更に、本発明組成物の使用は、接着剤下で発生される湿気の量を抑えることにより、創傷床における発汗の問題をも解決し、これにより、高MVTRの絆創膏の必要性を減らし、過剰な湿気により容易になることのある感染機会を減らしていく。仕上げに、制汗薬塩が抗菌効果を持つことが知られており、こうして、バクテリア(細菌)の混入を、該接着剤領域において防ぐことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、シリコーン含有接着剤の接着を促進する方法に関する。本方法は、1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤と、0.1〜50重量%の制汗薬化合物とを混合していくことを含む。本組成物は次いで、表面上に適用され、硬化される。本発明は、1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤と、0.1〜50重量%の制汗薬化合物とを含んでいる組成物にも関する。結果得られてくるフィルムは特に、ヘルスケアおよびパーソナルケアへの適用における接着剤として、特に皮膚上において有用であり、例えば、局所ドラッグデリバリーシステム(DDS)(上)において、皮膚処置における皮膚保護用マスクシステム、軽傷用の絆創膏および包帯、火傷、急性および慢性の創傷、皮膚用シール、皮膚保護フィルム、瘢痕処置、剥離および脱毛製品、消臭フィルム、活性制汗薬および香料供給システム、抗皺パッチ、保湿マスク、および同様なものとして働き得る。これらの接着剤は、局所治療、創傷治癒、外科縫合、瘢痕治癒、腋下治癒、フットケア、ボディーおよびスキンケア、化粧品、メイク、ファンデーション、および同様なものにおける有益さを持つ。同様に、毛髪、爪、歯、眼、および粘膜のような、他の生体表面上で、ならびに、ヒト以外の動物での同様な適用で、使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、接着剤組成物に関し、湿気存在下に、接着強度において崩壊しない。これらの組成物は、接着剤および制汗薬化合物を含む。
【0010】
本発明において使用される場合、<<シリコーン含有接着剤>>とは、基材に結合するか、もしくは、表面での取り付けにより一緒に物質を結合させておくことができる製剤を意味し、ここでシリコーンが、本製剤中の物質である。
<<制汗薬>>は、収斂作用を持っている物質であり、皮膚の孔のサイズを小さくする傾向にあり、こうして、局所体表面での湿気の透過を制限する。
【0011】
本組成物において使用される接着剤は、決定的ではない。如何なるシリコーン含有接着剤をも含み得、例えば、ヒドロシリル化もしくは縮合により硬化するエラストマー、シラノール含有ポリジ有機基シロキサンおよびシラノール含有シリコーン樹脂のようなシリコーン含有感圧接着剤、ならびにシリコーン含有熱溶融接着剤を包含している。
【0012】
1種の代表的なシリコーン含有接着剤は、硅素結合アルケニル基を持っている少なくとも1種のポリジ有機基シロキサン、硅素結合水素原子を持っている少なくとも1種のヒドロシリコン化合物、ならびに、そのSi−H基のそのSi−アルケニル基との反応用触媒を含む。このタイプの材料は例えば、米国特許第4,991,574号明細書および米国特許第3,020,260号明細書において記載され、これらが、本明細書において援用される。この文献の材料は、(A)平均で2つの硅素結合アルケニル基を1分子につき持っているポリジ有機基シロキサンであって、該アルケニル基が2〜6炭素原子を持っており、それに結合した1つより多いアルケニル基を持っている硅素原子が無く、残っている硅素結合有機基が、アルキルおよびアリール基から選択されており、該ポリジ有機基シロキサンが、25℃における粘度50〜10,000mm/秒を持っており、(B)少なくとも3つの硅素結合水素原子を1分子につき持っているヒドロシリコン化合物であって、本質的に、RHSiO−基、RXSiO1/2基、および任意にRSiO基からなっており、25℃において1,000mm/秒以下の粘度を持っており、式中、Rが、アルキルもしくはアリール基を指し、8以下の炭素原子を持っており、Xが、HもしくはRを指し、(C)ジ有機基水素シロキシ末端化ポリジ有機基シロキサンであって、25℃における粘度1〜200mm/秒を持っており、ここで、これら有機置換基が、アルキルもしくはアリール基であり、8炭素原子以下を持っており、ならびに、(D)そのSiH基のそのSi−アルケニル基との反応用触媒を含み得る。
【0013】
上の接着剤中での使用のためのポリジ有機基シロキサン(A)は平均で、2つの硅素結合アルケニル基を、1分子につき持ち得、各アルケニル基が、異なる硅素原子に結合している。ポリジ有機基シロキサン(A)は実質的に、直鎖状ポリマーであり得るが、少量の分岐が存在してもよい。これらのアルケニル基は、硅素原子に取り付けられ得、当該分子中で互いから距離を置いているか、あるいは、当該シロキサン鎖末端硅素原子に取り付けられる。これらアルケニル基は、最大6炭素原子を持ち得、例えば、ビニル、アリル、もしくはヘキセニル基であってよい。ポリジ有機基シロキサン(A)の残っている有機置換基は、アルキルおよびアリール基から選択され、あるいは、アルキル基は、8炭素原子以下を持っているか、もしくは、フェニル基である。このような残っている置換基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、およびフェニルである。1実施形態において、該ポリジ有機基シロキサン化合物は、少なくとも50%、もしくは、実質的に全ての残っている有機置換基がメチル基である。ポリジ有機基シロキサン(A)は、25℃において、粘度50〜10,000mm/秒を持ち得る。1実施形態において、ポリジ有機基シロキサン(A)に関する粘度範囲は、25℃において、100〜1,000mm/秒である。10,000mm/秒を上回る粘度を有するポリジ有機基シロキサンは、その反応用の他の成分と混合される必要がある場合、室温において使用するのには難しいと思われる。1実施形態において、該粘度は、本組成物が容易に、硬化していく前に流動させることができ、容易にコンテナ(容器)から供給され得るよう選ばれる。ポリジ有機基シロキサン(A)は、当業界において知られており、多くが、市販されている。これらは例えば、穏やかな触媒、例えば、トルエンスルホン酸もしくは酸処理クレイ(粘土)の存在下に、環状シロキサンを、低分子量ビニル置換末端封鎖剤と平衡化させていくことにより調製されてよく、該当する適切なクロロシラン、例えば、ビニルジ有機基クロロシランとジ有機基ジクロロシランを加水分解していくことにより生産される。
【0014】
上の接着剤中での使用のためのヒドロシリコン化合物(B)は、有機シロキサンであり得、少なくとも3つの硅素結合水素原子を、1分子につき持っている。これらの水素原子は、そのポリマー鎖中の末端シロキサン単位およびシロキサン単位に位置されてよく、あるいは、そのシロキサン鎖内だけに位置されてよい。このヒドロシリコン化合物は本質的に、単位一般式RHSiO−基、RXSiO1/2基、および任意にRSiO基から構成され、式中、RおよびXは、上で定義されたとおりである。ヒドロシリコン化合物(B)は、直鎖シロキサンポリマーであり得、単位式RHSiO−、RSiO1/2、および/またはRHSiO1/2からなってよく、あるいは、単位式RSiO−、RHSiO−、RSiO1/2、および/またはRHSiO1/2単位からなってよい。1実施形態において、50%以下のこれら単位が硅素結合水素原子を持つヒドロシリコン化合物が、使用される。ヒドロシリコン化合物(B)の粘度は、25℃において1,000mm/秒を超えないものであり得、あるいは、500mm/秒を下回る粘度が使用されてよく、本組成物の他の成分との混合を容易化させる。1実施形態において、該粘度が、25℃において50mm/秒未満である。ヒドロシリコン化合物(B)は、当業界においてよく知られており、既知の方法に従って生産されてよい。このような1方法は、水素シクロポリシロキサンを、環状有機ポリシロキサンと共に平衡化していくことからなり、例えば、ポリジメチルシクロシロキサンおよびトリ有機基シロキシ末端封鎖化合物である。
【0015】
上の接着剤のジ有機基水素シロキシ末端化ポリジ有機基シロキサン(C)は、ジ有機基シロキシ単位およびジ有機基水素シロキシ単位を含み得る。これら有機置換基は、アルキルもしくはアリール基であり、8炭素原子以下を持っており、あるいは、メチルもしくはフェニルである。化合物(C)は、25℃における粘度1〜200mm/秒、もしくは、5〜50mm/秒を持ち得る。この化合物は、本ゲル形成組成物中で、その末端基だけを介して反応する。
【0016】
上の接着剤の成分(D)は、Si−H基のSi−アルケニル基との反応用触媒である。このような触媒は一般的に、VIII族金属またはこの錯体もしくは化合物である。1実施形態において、成分(D)は、白金化合物もしくは錯体である。この成分は、(A)中のアルケニル基と(B)および(C)中の硅素結合水素原子との間の付加反応を触媒していくことにおいて、効果的である。SiH基と不飽和脂肪族基との間の該付加反応は、有機硅素化学の当業界おいてよく知られており、該反応用の種々の白金主体の触媒である。このような触媒は、当業界においてよく論じられ、塩化白金酸、白金アセチルアセトナート、(第1)白金ハロゲン化物の、エチレン、プロピレン、有機基ビニルシロキサン、およびスチレンのような不飽和化合物との錯体、ヘキサメチル二白金、PtCl、PtCl、ならびにPt(CN)を包含する。1実施形態において、これら触媒は、白金化合物とビニルシロキサンとの錯体であり、例えば、塩化白金酸のジビニルテトラメチルジシロキサンとの反応により形成されるものである。充分量の該触媒が用いられるべきであり、本組成物の均一で有効な硬化を与える。白金触媒割合は通常、(A)、(B)、および(C)の組み合わされた重量の1〜200重量ppmのPtを与えるものである。
【0017】
RHAlk値、つまり(B)および(C)中の硅素結合水素原子数の、(A)中の硅素結合アルケニル基数に対しての比は、望まれるゲルが形成されるようなものであり得る。例えば、過剰なアルケニル基が存在し得(例えば、1:1.1〜1:20、もしくは、1:1〜1:3)、あるいは、過剰なSiHが存在し得(例えば、1.1:1〜20:1、もしくは、3:1〜1:1)、あるいは、およそ等しい数であり得る(つまり、約1:1)。硅素結合アルケニル基を持っているポリジ有機基シロキサン、硅素結合水素原子を持っているヒドロシリコン化合物、および、そのSi−H基のそのSi−アルケニル基との反応用触媒を含んでいる他のシリコーン含有接着剤が、本発明において使用され得ることが、記されるべきである。
【0018】
本発明の接着剤組成物は簡単に、個々の成分(A)〜(D)を、如何なる順序でも、混合していくことにより、調製され得る。一般的に、これら組成物は、温度約25℃において、望まれる接着剤製品に向かって硬化する。もし望まれれば、しかしながら、硬化は、上昇した温度、例えば150℃を上回る温度に晒すことにより、加速されてもよい。これら組成物を未硬化状態に使用前に維持するには、例えば保管もしくは輸送の間に、2つ以上のパーツとしてパッケージされてもよい。第1のパーツは、成分(A)の少なくとも一部を成分(D)と共に含んでもよい一方、第2のパーツは、成分(B)および(C)を残っている如何なる成分(A)と共に含んでよい。これらのパッケージは、如何なる適切な形をも採り得、例えば、瓶、小袋、もしくは圧力パック、例えばエアロゾル缶である。これらパッケージの中身が一緒に、予め決められた比でその使用前に混合され、例えば、手動により混合していくことにより、または、缶中缶もしくは缶上缶システムからの混合バルブ(弁)を経由して供給されていくことによる。このようなシステムが、当業界において知られており、例えば、英国特許明細書2 185 750において記載される。
【0019】
もし望まれれば、上の接着剤組成物は、少なくとも1種のヒドロキシ置換シロキサン樹脂をも含有し得る。この樹脂は、本接着剤の、医療基材もしくは皮膚に対する接着を増強させる。この樹脂は、RSiO1/2単位(M単位)およびSiO4/2単位(Q単位)を含み、式中、各Rが独立に、直鎖、分岐、もしくは環状炭化水素基であり、1〜20炭素原子を持っている。Rは、置換されていないか、もしくは、ハロゲン原子で置換され得る。各Rは、望まれるとおり、同一もしくは異なり得る。Rの炭化水素基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、クロロメチル、およびデシルのようなアルキル基、ビニルおよびヘキセニルのようなアルケニル基、シクロヘキシルのような脂環式基、フェニル、トリル、キシリル、およびクロロフェニルのようなアリール基、ならびに、ベンジル、スチリル、およびα−メチルスチリルのようなアラルキル基により例示され得る。あるいは、各R基は、独立に選択されるアルキルもしくはアルケニル基であり、1〜8炭素原子を含んでいるか、または、アリール基であり、6〜9炭素原子を含んでいる。あるいは、各R基は独立に、メチルおよびビニルから選択される。
【0020】
もしアルケニル基が上の樹脂中において存在すれば、アルケニル基として存在しているR基のモル%が典型的に、10%未満もしくは5%未満である。例えば、もし該樹脂がビニル基を含有すれば、典型的に該樹脂固形分の5重量%未満、もしくは、該樹脂固形分の2.5重量%未満、もしくは、該樹脂固形分の1.5〜2重量%の量で存在している。
【0021】
上の樹脂中でのRSiO1/2(M単位)のSiO4/2(Q単位)に対するモル比は、0.6:1〜4:1であり得る。あるいは、該モル比M:Qは、0.6:1〜1.9:1であり得る。あるいは、該モル比M:Qは、0.6:1〜1.0:1であり得る。これら樹脂は、トリ有機基シロキシ単位(T単位)も含有し得、例えば、SiO4/2単位毎に0.5〜1トリ有機基シロキシ基、もしくは、SiO4/2単位毎に0.6〜0.9トリ有機基シロキシ基である。
【0022】
上の樹脂の1種より多くが、本発明において包含され得ることが、記されるべきである。この場合、少なくとも1種のこれらの樹脂が、下記のようなシラノール含量を持つべきであるが、その証拠に、該シラノールを封鎖して、実質的にシラノールが全く存在しないようにできる。
【0023】
1実施形態において、上の樹脂中の全R基の主要部分がメチルであり、オレフィン不飽和部分を持つR基の合計数が、全R基の0.5%以下である。もう1つ別の実施形態において、実質的に全てのR基がメチルである。もう1つ別の実施形態において、実質的に全てのR基が実質的に、オレフィン不飽和部分が無い。本発明の尚もう1つ別の実施形態において、2種の樹脂が包含され、1種において、実質的に全てのR基がメチルであり、もう1種において、3.5〜4モル%のR基がビニルであり、実質的に全ての残りのR基がメチルである。
【0024】
上の樹脂は、当該樹脂の約0.01〜5重量%までの、もしくは、当該樹脂の約1〜約5重量%の範囲の硅素結合ヒドロキシル基をも含有する。
【0025】
上の樹脂は、RSiO1/2単位およびSiO4/2単位を含んでおり、当業界においてよく知られている。これらのコポリマーが、例えば、米国特許第3,936,582号明細書、米国特許第2,676,182号明細書、および米国特許第2,857,356号明細書において記載される。該樹脂コポリマーは、4つの加水分解可能な基を持っているシラン、例えば四塩化硅素と、1つの加水分解可能な基を持っているトリ有機基シラン、例えばトリメチルクロロシランとの、適正な比における混合物の同時加水分解により、調製され得る。これらの樹脂コポリマーの特定の調製方法が、米国特許第2,676,182号明細書において記載され、そこでは、シリカヒドロゾルが、酸性条件下に、ヘキサ有機基ジシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサンのようなトリ有機基シロキシ単位の源、または、加水分解可能なトリ有機基シラン、例えば、トリメチルクロロシラン、あるいは、これらの混合物と反応させられる。
【0026】
上の樹脂は、本発明の接着剤において、本組成物重量に基づき2〜45重量%、もしくは、5〜40重量%、もしくは、10〜35重量%の量で、使用され得る。
【0027】
本発明において有用なもう1種別の接着剤は、シラノール末端官能基を持っているポリジ有機基シロキサンとシラノール含有シリコーン樹脂との縮合反応により調製されるものであり、例えば、米国特許第4,591,622号明細書、米国特許第4,584,355号明細書、米国特許第4,655,767号明細書、およびRE35474において記載されるようなものであり、これらの全てが、本明細書において援用される。
【0028】
該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンの有機置換基は一般的に、1〜6炭素原子を持っているアルキル基、もしくは、フェニル基である。1実施形態において、少なくとも80%の有機置換基がメチル基である。もう1つ別の実施形態において、該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンの有機置換基は、ジメチルヒドロキシ末端化ポリジメチルシロキサンである。該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンは、少なくとも0.1Pa.sの粘度を持ち得、30,000Pa.sまでもしくはこれよりも高い粘度を持ち得る。例えば、米国特許第5,319,120号明細書、米国特許第2,490,357号明細書、米国特許第2,542,334号明細書、米国特許第2,927,907号明細書、米国特許第3,002,951号明細書、米国特許第3,161,614号明細書、米国特許第3,186,967号明細書、米国特許第3,509,191号明細書、および米国特許第3,697,473号明細書の方法により調製され得、これらの全てが、本明細書において援用される。
【0029】
該シラノール含有シリコーン樹脂は一般的に、非直鎖シロキサン樹脂であり、シロキサン単位式R’SiO4−a/2からなり得、式中、R’が、ヒドロキシル、炭化水素、もしくは炭化水素オキシ基を指し、式中、aが、平均値1〜1.8を持つ。該樹脂は、1価のトリ炭化水素基シロキシ(M)基式R’’SiO1/2および4官能基(Q)基SiO4/2を含み得、式中、R’’が、1〜6炭素原子を持っている1価の炭化水素基を指し、もしくは、メチル基である。M基のQ基に対する数比は、0.5:1〜1.2:1(式R’SiO4−a/2中のaの値1.0〜1.63に等価)、もしくは、0.6:1〜0.9:1の範囲中にあり得る。該シリコーン樹脂は、少なくとも0.2重量%で約3もしくは5%までの硅素結合ヒドロキシ基を含有し得る。これらは、ジメチルヒドロキシシロキシ(HO)(CHSiO1/2単位として存在し得る。該樹脂は、Daudtら、米国特許第2,676,182号明細書に従って調製されてもよく、本明細書において援用される。
【0030】
本シリコーン感圧接着剤は、−20℃を下回るTgの20〜80重量部もしくは30〜60部の該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサン、および、0℃を上回るTgの80〜20重量部もしくは70〜40部の該シラノール含有シリコーン樹脂を含み得る。あるいは、本シリコーン感圧接着剤は、−20℃を下回るTgで25℃における粘度0.1〜30,000Pa.sの30〜60重量部のシラノール末端化ポリジ有機基シロキサンを、0℃を上回るTgで1価のトリ炭化水素基シロキシ(M)基式R’’SiO1/2および4官能基(Q)基SiO4/2を含んでいる40〜70重量部のシラノール含有シリコーン樹脂と混合していった生成物であり、式中、R’’が1〜6炭素原子を持っている1価の炭化水素基を指し、M基のQ基に対する数比が0.5:1〜1.2:1の範囲中にある。
【0031】
混合される場合、該ポリジ有機基シロキサンのシラノール基は一般的に、該シリコーン樹脂のシラノール基と何らかの縮合反応し、こうして、該ポリジ有機基シロキサンが、該シリコーン樹脂により架橋され、つまり、ポリジ有機基シロキサン鎖が、樹脂分子を通じて一緒に結合され、分岐している鎖、絡まり、および/または、少量のネットワークの特徴を与え、本シリコーン感圧接着剤を形成させる。触媒、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、もしくは炭酸アンモニウムのようなアルカリ材料が、該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンおよび該シリコーン樹脂と混合され得、この架橋反応を促進させる。例えば、特にパーソナルケアおよび医療への適用に関して、該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンが、25℃において1〜100Pa.sの範囲中の粘度を持ち、触媒の補助を伴って架橋されるのが好ましいことがある。シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンおよびシラノール含有シリコーン樹脂の量はしばしば、混合生成物のTgが−15〜15℃となるようなものである(最大TanΔでのT)。該シラノール含有シリコーン樹脂はしばしば、このブレンドのラバープラトー弾性率(Tg+30℃でのG’)を、7E+05ダイン/cmを下回るように低下させる。これは、特徴の該ネットワークが架橋されるとの合図である。
【0032】
該シラノール末端化ポリジ有機基シロキサンおよびシラノール含有シリコーン樹脂を混合していって生成される本シリコーン感圧接着剤は、機械的に処理されてよく、シラノール基を、末端封鎖剤と反応させ、これは、トリ有機基シリル単位を導入するものであり、米国特許第4,655,767号明細書において記載されるようであり、本明細書において援用される。該末端封鎖剤は例えば、ヘキサメチルジシラザンのようなジシラザン、または、トリメチルエトキシシランもしくはトリメチルメトキシシランのようなトリアルキルアルコキシシランたり得る。このような末端封鎖剤との反応は、アミンのような反応試薬との接触における接着の損失に対する本接着剤の感受性を抑える。
【0033】
本発明において有用なもう1種別の接着剤は、熱溶融シリコーン感圧接着剤を含む。このような組成物は、当業界において知られており、例えば、米国特許第5,330,747号明細書および米国特許第5,162,410号明細書のようなものであり、本明細書において援用される。典型的に、このような組成物は、硅素結合ヒドロキシル基含有トリメチルシリル末端封鎖樹脂コポリマー、シラノール末端封鎖ポリジ有機基流動シロキサン、およびポリ流動シロキサンの混合物を含む。
【0034】
熱溶融シリコーン接着剤の1特定例は:
(i)40〜70重量部のトリメチルシリル末端封鎖低分子量炭化水素、または、硅素結合ヒドロキシルラジカルを含有し、トリ有機基シロキシ単位式R’’’’SiO1/2と4官能基シロキシ単位式SiO4/2とから本質的になっていて、該コポリマー分子中に存在している4官能基シロキシ単位につきトリ有機基シロキシ単位の比0.6〜0.9であり、R’’’’が1〜6炭素原子の1価の炭化水素基であるベンゼンに可溶な樹脂コポリマー
(ii)30〜60重量部のシラノール末端封鎖ポリジ有機基流動シロキサン
を含み、ここで、該樹脂コポリマーおよび該シラノール末端封鎖ポリジ有機基流動シロキサンの合計重量部が100部に等しく、(i)および(ii)の混合物が粘着および接着を呈し
(iii)該樹脂コポリマーおよび該シラノール末端封鎖ポリジ有機基流動シロキサンの合計重量部に基づき0.5〜20重量%のフェニル含有流動ポリシロキサン式ASiO[Si(C)(R’)O][Si(RO)]SiB
とブレンドされ、式中、Rが、−−OSiR’’、1〜3炭素原子の炭化水素基、および−−OHからなる群から選択される1価基であり、R’が、−−OSiR’’、−−OH、および−−CHからなる群から選択される1価基であり、R’’が、1〜3炭素原子の1価の炭化水素基であり、AおよびBが、−−OSiR’’’からなる群から選択される末端封鎖単位であり、式中、R’’’が、1〜8炭素原子の炭化水素基、−−OH、ハロゲン基、およびアミン基であり、xが、0より大きな値を持っている整数であり、xおよびyの値が、該フェニル含有流動ポリシロキサンが、25℃において、粘度5〜60,000センチストークを持ち、100シロキサン単位につき1〜100フェニル基を持つようなものである。
【0035】
本接着剤の詳細およびその製造プロセスの例が、以前に記された米国特許第5,162,410号明細書において説明され、これに言及されてよい。本接着剤が、Dow Corning Corporation,Midland,Mich.,USAから市販されている。
【0036】
本発明の接着剤は、稀釈剤も包含してよい。このような稀釈剤はしばしば、本剤粘度を、適用に充分に下げるのに必要である。稀釈剤の例は、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、および他の短鎖直鎖シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサンのような環状シロキサンのようなシリコン(硅素)含有稀釈剤、酢酸ブチル、アルカン、アルコール、ケトン、エステル、フッ化炭化水素のような有機稀釈剤、あるいは、本剤成分材料もしくは硬化時間のいずれにも悪影響を及ぼすことなく本剤を稀釈できる如何なる他の材料をも包含する。上の稀釈剤は、本剤の95重量%までの量で使用され得る。適用時に、しかしながら、該稀釈剤はしばしば実質的に揮発し、他の成分材料を、望まれる部位上に残していく。
【0037】
本発明の組成物は、制汗薬化合物も包含する。本発明の制汗薬化合物は、ヒト皮膚に対する適用に適切な制汗薬を含み得る。本組成物中の活性剤は、可溶化されるか、または、固体粒子の形、もしくは、分散液滴の形であってよい。本最終組成物中の制汗薬濃度は、望まれる湿気の制御を与えるに充分たるべきである。
【0038】
本発明の最終組成物は、制汗薬を、本組成物重量で、約0.1%〜約50%、もしくは、約5%〜約35%、もしくは、約7%〜約30%の範囲の濃度で含み得る。これらの重量%は、無水金属塩基準で算出され、水、ならびに、グリシン、グリシン塩、もしくは他の錯体化試薬のような如何なる錯体化試薬をも除く。
【0039】
本発明の組成物における使用のための制汗薬化合物は、如何なる化合物、組成物、もしくは他材料も包含し、制汗薬活性を持っている。制汗薬化合物は、収斂金属塩、特に、アルミニウム、ジルコニウム、および亜鉛の無機塩および有機塩、ならびに、これらの混合物も包含する。これらは、アルミニウム含有および/またはジルコニウム含有材料もしくは塩を包含し、ハロゲン化アルミニウム、塩化アルミニウム水和物、水酸化ハロゲン化アルミニウム、オキシハロゲン化ジルコニウム、水酸化ハロゲン化ジルコニウム、およびこれらの混合物のようなものである。例は、アルミニウム−ジルコニウムテトラクロロハイドレックスおよびアルミニウム−ジルコニウムトリクロロハイドレックスを包含する。
【0040】
本発明の組成物における使用のためのアルミニウム塩は、式:
Al(OH)Cl・xH
に合うものを包含し、式中、aが約2〜約5であり、aとbとの和が約6であり、xが約1〜約6であり、式中、a、b、およびxが非整数値を持ってもよい。1実施形態において、これらの塩化水酸化アルミニウムは、式中a=5および式中a=4のものである。アルミニウム塩を調製していくプロセスが、Gilman1975年6月3日刊行米国特許第3,887,692号明細書、Jonesら1975年9月9日刊行米国特許第3,904,741号明細書、Goslingら1982年11月16日刊行米国特許第4,359,456号明細書、ならびに、Fitzgeraldら1980年12月10日公開英国特許明細書第2,048,229号において記載され、これらの全てが、本明細書において援用される。アルミニウム塩混合物が、Shinら1974年2月27日公開英国特許明細書第1,347,950号において記載され、この記載も、本明細書において援用される。
【0041】
本発明の組成物における使用のためのジルコニウム塩は、式:
ZrO(OH)2−aCl・xH
に合うものを包含し、式中、aが約1.1〜約2.0であり、xが約1〜約8であり、式中、aおよびxが両方とも非整数値を持ってもよい。これらのジルコニウム塩が、Schmitzに対する1975年8月4日刊行ベルギー特許第825,146号明細書において記載され、この記載が、本明細書において援用される。適切なジルコニウム塩は、錯塩であり、更にアルミニウムおよびグリシンを含有し、ZAG錯体としてよく知られている。これらのZAG錯体は、塩化水酸化アルミニウムおよび塩化水酸化ジルコニウムを含有し、上記式に合っている。このようなZAG錯体が、Lueddersら1974年2月12日刊行米国特許第3,679,068号明細書、Callaghanら1985年3月20日公開英国特許出願第2,144,992号明細書、ならびに、Shelton1978年10月17日刊行米国特許第4,120,948号明細書において記載され、これらの全てが、本明細書において援用される。
【0042】
本組成物は、シリカ、クレイ、アルギナート、コラーゲン、キトサンのような吸湿性充填剤、ならびに、アクリルポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、およびポリエチレングリコール、ならびに、より大きな多糖およびセルロース起源材料のような親水性有機充填剤をも含み得、本接着剤の湿気吸収容量を増加させる。加えて、他の充填剤が、もし望まれれば、使用され得る。これらは例えば、粉砕、沈降、およびコロイド炭酸カルシウムを包含し、これらは、処理されないか、または、ステアレートもしくはステアリン酸を用いて処理され得、発煙シリカ、沈降シリカ、および疎水化シリカのような強化シリカ、破砕石英、粉砕石英、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、およびグラファイトを包含する。充填剤の1クラス(分類)は合成シリカであり、ここでは、該シリカの表面が、シリコン(硅素)化合物を用いて修飾され、疎水的な振る舞いをプロデュースする。これらの材料は互いに、表面積、当該シリカを処理するのに使用される該シリコン化合物、および表面処理度において異なる。このような材料は驚くべきことに、本フィルム形成製剤の粘度を抑えることができる。加えて、樹脂強化充填剤が、本明細書において使用され得、透明フィルムを形成する。シリカ、炭酸カルシウム、および樹脂充填剤が、本発明の1実施形態において使用され得る。特定例は、Cab−O−Sil@TS−530処理充填剤、Aerosil@R8200処理充填剤、およびWacker HDX H2000処理充填剤を包含する。
【0043】
本組成物は、種々の活性剤をも含み得る。本発明において使用される活性剤は一般的に、決定的ではない。これらは、如何なる固体もしくは液体材料をも含み得、本組成物中で製剤され得、あるいは、本組成物上でコーティングされ得、例えばプラズマにより、引き続いて、望まれる速度において放出される。該活性剤も、許容できないまでに、本シリコーン製剤の硬化に干渉するべきでない。適切な活性剤は、化粧品、パーソナルケア、化粧医薬品、治療もしくは診断材料、香料、天然抽出物、アロエヴェラ、タマネギ、コラーゲン、殺虫剤、除草剤、および同様なものを包含する。これらは例えば、銀、銅を包含して抗微生物薬、ならびに、生体由来のものを除外して殺菌剤および/または殺真菌剤を包含し得る。
【0044】
治療活性剤が用いられてよく、例えば、抗面皰剤、抗生物質、防腐剤、抗真菌剤、抗バクテリア剤、抗微生物剤、殺生物剤、抗炎症剤、収斂剤、ホルモン、抗癌剤、禁煙組成物、心臓血管薬、ヒスタミンブロッカー、気管支拡張薬、鎮痛薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン剤、αブロッカー、βブロッカー、ACE阻害剤(ACEI)、利尿薬、抗凝集薬、鎮静薬、トランキライザー、抗痙攣薬、抗凝固薬、ビタミン、アンチエージング剤、消化器および十二指腸潰瘍を治していくもの、抗セルライト剤、蛋白分解酵素、治癒因子、細胞成長栄養、ペプチド、ならびに他のものを包含する。適切な治療活性剤の特定例は、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツレート、カテコールアミン、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルヒネ、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール、ペルブテロール、フロサミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメタシン、ジクロフェナク、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、およびレチノールを包含する。
【0045】
これら治療もしくは診断材料に加えて、活性剤は、香料、UV保護剤、シェービング製品、脱臭剤もしくは同様なもののような化粧料たり得る。適切な化粧料が、当業者に知られている。
【0046】
本発明において用いられる活性剤割合は、本組成物において必要とされる活性剤濃度に従って選ばれ、提案される供給速度において必要とされる用量を供給する。これは、最終組成物の0.1〜約70重量%、もしくは、0.1〜20重量%のような広い範囲内で変動してよい。
【0047】
もし望まれれば、本剤は、他の更なる成分をも含有してよい。これらは、着色料、着色される指示薬、他の稀釈剤、流動シリコーン、シリコーン樹脂のような増量剤、薬局において用いられる賦形剤、本剤の直ぐ中および周囲の環境を制御していくのにpH緩衝剤として振る舞うことを意図される化合物、安定化剤、保存料、フッ素化シリコーンのような細胞用剤用界面活性剤、環状もしくは直鎖状ポリジ有機基シロキサンのような加工補助剤、バイオ接着材料、ならびに、欧州特許(EP)公開第465,744号明細書において説明されるような親水性調節膨潤成分もしくはポリマーを包含する。
【0048】
本明細書において使用されてよい、化粧、パーソナルケア、および化粧医薬品成分、ならびに、医薬賦形剤のある幾つかの更なる例が、CTFA成分データベースおよび医薬賦形剤ハンドブックにおいて見出されることがあり、例えば、吸収剤、抗凝集剤、抗酸化剤、帯電防止剤、収斂剤、バインダー、緩衝剤、バルク化剤、キレート剤、着色料、化粧品用収斂剤、化粧品用殺生物剤、脱臭剤、皮膚軟化剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤、香料、香気成分、湿潤剤、溶菌剤、保湿剤、閉鎖性促進剤、不透明化剤、酸化還元剤、浸透性促進剤、殺虫剤、可塑化剤、保存料、皮膚漂白剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚保護剤、滑り修飾剤、可溶化剤、溶媒、日焼け止め、表面修飾剤、界面活性剤および乳化剤、懸濁剤、増粘剤、増加も低下も包含して粘度制御剤、UV光吸収剤を包含し得る。
【0049】
化粧、パーソナルケア、および化粧医薬品成分、ならびに、医薬賦形剤が用いられてよく、例えば、以降の化学分類から選択される。
アルコール、脂肪アルコールおよびポリオール、アルデヒド、アルカノールアミン、アルコキシル化アルコール(例えば、アルコールおよび脂肪アルコールのポリエチレングリコール誘導体)、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルコキシル化カルボン酸、塩を包含してアミド(例えば、セラミド)、アミン、塩、ならびに、アルキル置換誘導体、エステル、アルキル置換、およびアシル誘導体を包含してアミノ酸、ポリアクリル酸、アクリルアミドコポリマー、アジピン酸コポリマー、アルコール、アミノシリコーン、バイオポリマーおよび誘導体、ブチレンコポリマー、炭水化物(例えば、多糖、キトサン、および誘導体)、カルボン酸、カルボマー、エステル、エーテル、およびポリマーエーテル(例えば、PEG誘導体、PPG誘導体)、グリセリルエステルおよび誘導体、ハロゲン化合物、塩を包含してヘテロ環化合物、塩およびゴムを包含して親水コロイドおよび誘導体(例えば、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンゴム、天然ゴム)、イミダゾリン、無機材料(クレイ(粘土)、TiO、ZnO)、ケトン(例えば、カンファー(樟脳))、イセチオナート、ラノリンおよび誘導体、有機塩、塩を包含してフェノール(例えば、パラベン)、燐化合物(例えば、燐酸誘導体)、ポリアクリレートおよびアクリレートコポリマー、蛋白および酵素誘導体(例えば、コラーゲン)、塩を包含して合成ポリマー、シロキサンおよびシラン、ソルビタン誘導体、ステロール、スルホン酸および誘導体、ならびにワックス
【0050】
抗面皰剤のある幾つかの例は、サリチル酸および硫黄である。
【0051】
抗真菌剤のある幾つかの例は、ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、およびポビドン−沃素である。
【0052】
抗菌剤のある幾つかの例は、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー188、およびポビドン−沃素である。
【0053】
抗酸化剤のある幾つかの例は、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、ペクチン酸アスコルビルメチルシラノール、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン、カフェイン酸(コーヒー酸)、Camellia Sinensis油、アスコルビン酸キトサン、グリコール酸キトサン、サリチル酸キトサン、クロロゲン酸、システイン、システインHCl、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリトルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾールコポリマー(共重合体)、三オレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソケルシトリン、ジオスミン、硫酸アスコルビル二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミンHCl、硫酸ヒドロキシルアミン、チオグリコール酸イソオクチル、麹酸、Madecassicoside、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビル燐酸マグネシウム、メラトニン、メトキシ−PEG−7琥珀酸ルチニル、メチレンジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイヤール酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、クロログルシノール、アスコルビルトコフェリル燐酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、ローズマリー酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリル燐酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリトルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、茶の木(Melaleuca Aftemifolia)の油、酢酸トコフェリル、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、オレイン酸/リノレン酸トコフェリル、チオジグリコール、琥珀酸トコフェリル、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノレン酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、トコキノン、o−トリルビグアニド、亜燐酸トリス(ノニルフェニル)、ユビキノン、およびジブチルジチオカルバミン酸亜鉛である。
【0054】
化粧料用殺生物剤のある幾つかの例は、フェノールスルホン酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、バクチオール、臭化ベンザルコニウム、セチル燐酸ベンザルコニウム、塩化ベンザルコニウム、サッカリンベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、カリウムフェノキシド、ベンゾキシキン、塩化ベンゾオキソニウム、ビスピリチオン、硼酸、ブロモクロロフェン、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム、キャプタン、塩化セタルコニウム、臭化セテアラルコニウム、臭化セテチルジモニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、メト硫酸セトリモニウム、サッカリンセトリモニウム、トシル酸セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロラミンT、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸、クロルヘキシジン二グルコン酸、クロルヘキシジン二塩酸、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、シクロピロックスオラミン、クリンバゾール、クロフルカルバン、クロトリマゾール、コールタール、コロイド硫黄、o−シメン−5−オール、酢酸デカリニウム、塩化デカリニウム、ジブロモプロパミジン二イセチオン酸、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨードメチルトリルスルホン、ジメチロールエチレンチオウレア(尿素)、ジフェニルメチルピペラジニルベンズイミダゾール、臭化ドミフェン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、二イセチオン酸ヘキサミジン、二パラベンヘキサミジン、パラベンヘキサミジン、ヘキサチジン、過酸化水素、ジオキソアザビシクロオクタン酸ヒドロキシメチル、イクタモール、イソプロピルクレゾール、塩化ラピリウム、臭化ラウラルコニウム、塩化ラウラルコニウム、臭化ラウルトリモニウム、塩化ラウルトリモニウム、ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド、臭化ラウリルイソキノリニウム、サッカリンラウリルイソキノリニウム、塩化ラウリルピリジニウム、酸化水銀、メテナミン、塩化メテナンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ミリスタルコニウム、サッカリンミリスタルコニウム、臭化ミルトリモニウム、ノナキシノール−9沃素、ノナキシノール−12沃素、塩化オレアルコニウム、オキシキノリン、安息香酸オキシキノリン、硫酸オキシキノリン、塩化PEG−2ココベンゾニウム、塩化PEG−10ココベンゾニウム、ウンデシレン酸PEG−6、ウンデシレン酸PEG−8、フェノール、o−フェニルフェノール、サリチル酸フェニル、ピロクトンオラミン、スルホスクシニルウンデシレナート、o−フェニルフェナートカリウム、サリチル酸カリウム、トロクロセンカリウム、プロピオン酸、PVP−沃素、クアテルニウム−8、クアテルニウム−14、クアテルニウム−24、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、o−フェニルフェナートナトリウム、けつ岩油スルホン酸ナトリウム、ウスニン酸ナトリウム、チアベンダゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、硼酸トリオクチルドデシル、ウンデシレンアミドプロピルアミンオキシド、ウンデシレネス−6、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、硼酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システイン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ピリチオン亜鉛、硫酸亜鉛、およびウンデシレン酸亜鉛である。
【0055】
外用鎮痛剤のある幾つかの例は、ベンジルアルコール、蕃椒脂油、サリチル酸メチル、カンファー(樟脳)、フェノール、カプサイシン、杜松タール(ネズノキタール)、ナトリウムフェノラート(ナトリウムフェノキシド)、唐辛子、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、およびテレピン油(松脂)である。
【0056】
酸化剤のある幾つかの例は、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン、臭素酸カリウム、カロー酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、塩素酸ナトリウム、沃素酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素、および過酸化亜鉛である。
【0057】
還元剤のある幾つかの例は、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システインアミンHCl、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、および亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレートである。
【0058】
皮膚漂白剤のある例は、ハイドロキノンである。
【0059】
皮膚保護剤のある幾つかの例は、アラトイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、鱈肝油、コロイドオートミール、ジメチコーン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ワセリン、鮫肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、ウィッチ(魔女の木)ヘーゼル(ナッツ)、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、および酸化亜鉛である。
【0060】
日焼け止めのある幾つかの例は、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン、三オレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサラート、ジヒドロキシアセトンを有するLawsone、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジマートO、硫酸フェニルベンズイミダゾール、赤ワセリン、スリゾベンゾン、二酸化チタン、およびサリチル酸トロラミンである。
【0061】
UV光吸収剤のある幾つかの例は、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1−12、3−ベンジリデンカンファー(樟脳)、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリオゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリア/シリカ、セリア/シリカタルク、シノキサート、DEA−メトキシ桂皮酸、ジベンゾキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、三オレイン酸ジガロイル、ジイソプロピル桂皮酸メチル、ジメチルPABA、トシル酸エチルセテアリルジモニウム、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビセチルフェニルチアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベン二スルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニル二スルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピル桂皮酸エチル、メトキシ桂皮酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、オクタン酸ジメトキシ桂皮酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサラート、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、4−メチルベンジリデンカンファー(樟脳)、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA、PEG−25PABA、ペンチルジメチルPABA、硫酸フェニルベンズイミダゾール、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシ桂皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、赤ワセリン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸TEA、サリチル酸TEA、テレフタリリデン二カンファースルホン酸、二酸化チタン、トリPABAパンテノール、ウロカニン酸、およびVA/クロトン酸/メタクリロキシベンゾフェノン−1共重合体(コポリマー)である。
【0062】
典型的には、本組成物の全成分を混合していくと、室温において始まる硬化を引き起こす。このように、これら成分材料は、使用前に、複数のコンテナ(容器)中で保管され得、使用前の硬化を阻害する。本剤中の更なる成分のいずれも、該コンテナに入れられるのが、最も望ましい。
【0063】
典型的には、本発明の制汗薬化合物は、硬化前に、本接着剤と混合される。混合は、如何なる従来手法によっても、実施され得る。例えば、本制汗薬塩が、本接着剤に加えられ、機械的高剪断混合システムを用いてブレンドされ、該塩を分散させることができる。硬化、もしくは、担体溶媒のエバポレーション時に、該塩が、本接着剤のマトリックス中に取り込まれるようになる。
【0064】
この混合された組成物が次いで、望まれる部位に適用されるか、あるいは、本発明の成分材料が望まれる部位上に混合を引き起こすように適用され得る。本組成物が次いで硬化し、硬化接着剤を形成する。あるいは、本剤は、動物の体(例えば、ヒトもしくは他の動物)を包含しているがこれらに限られない生体表面上で、もしくは、ヒトもしくは動物の体に接着される基材上で、適用される。
【0065】
本発明の剤は、例えば、コーティング、摩擦、塗布、噴霧、または、背後フィルム、解離ライナー、医療装置表面のような基材に対して薄フィルム(膜)を適用していく如何なる他の従来方法によっても、適用され得る。皮膚のような生体表面に直接、in situで硬化していく形でも、適用され得る。
【0066】
上記のように、本剤が混合される場合、硬化してコーティングを形成する。例えば、室温もしくは上昇した温度において、硬化することがある。
【実施例】
【0067】
もし望まれれば、本発明の接着剤は、望まれる基材上でコーティングされて硬化され得、次いで、本接着剤表面を、本制汗薬化合物を用いて、例えば、プラズマ、移動、もしくは噴霧コーティングによりコーティングしていく。もしこの様式で実施されれば、本制汗薬は純粋な材料として適用され得るか、あるいは、溶媒担体中でブレンドされ得るか、または、本接着剤表面の第2層を形成する剤の一部たり得る。
【0068】
最終組成物は、粘着ゲル(充填剤のないエラストマー)、粘着表面を有する強化エラストマー、泡、セル構造、もしくは樹脂の形たり得る。
【0069】
本明細書における剤および結果的に得られてくる組成物は一般的に、例えば、皮膚、または、口腔、口、鼻、耳、もしくは眼組織のような体の他の部分のような、多くの生体表面上で許容可能である。本発明の利点のうちの1つは、他の接着剤が失敗することがある場合も、湿気の量を抑えていくことにより、殆どの表面に対する接着を維持することである。特に、本制汗薬が、ヒトもしくは他の動物の体の発汗を、その接着部位において阻害することが仮定され、これゆえ、本接着剤がその接着を保持するようになる。
【0070】
生体表面上で使用される場合、本発明の組成物は、そのまま、または、伝統的もしくは新たなパーソナル衛生制汗薬の適用において、使用され得る。加えて、しかしながら、これらの組成物は、絆創膏、火傷の手当て、瘢痕管理装置、外科用ドレープおよび包帯、医療用テープ、造瘻、失禁用装置、電極、モニター、疱疹予防装置、化粧用もしくは医療用人工器具、歩行装置および他のRx、ならびに、OTCヘルスケアおよび医療装置における適用のような、装置を接着するのに使用され得、ここでは、例えば発汗からの湿気が接着を減少させることが予期される。本発明は、疱疹用装置、防臭用装置、関節安定化装置、および、圧潰瘍を予防する装置のような、本来予防的である装置を接着させるのに使用されてもよい。本発明の組成物は、レクリエーションおよびスポーツ用設備および備品における適用をも見出しており、例えば、スポーツ用テープおよび留め具、保護設備、ならびに、仮面およびマスクを包含してアパレルを包含している。仕上げに、乾燥表面に対する接着は典型的に、皮膚とより良好なシールを作り出すので、本発明の組成物が、制汗薬を含有しない同様な接着剤を用いて接着されるよりも、良好な接着を提供すると、予期される。
【0071】
本組成物は、フィルム上で形成されてもよく、次いで、包帯のように、皮膚に載せられる。本接着剤フィルムは、該基材上で形成され得、接着されるか、あるいは、無傷もしくは損なわれた皮膚上で形成されてもよい。
【0072】
結果的に得られてくるフィルムは典型的に、薄くて粘りがある。20ミルまでのオーダー(桁、例えば、0.1〜15ミル)のフィルムがしばしば、得られる。これらのフィルムは、ゲル〜エラストマー〜樹脂までの多くの物性を持ち得る。
【0073】
以降の実施例が包含され、本発明の好ましい実施形態を実証する。当業者により、以降の実施例において開示される手法が、本発明者により発見された手法を代表することが認められるはずであり、本発明の実施に当たり、よく機能し、これゆえ、その実施に好ましいモードを構成すると考えられ得る。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、多くの変更が、開示される特定の実施形態においてなされ得、本発明の精神および範囲から離れていくことなく、同様な結果を尚得ることを、認めるはずである。全ての%は、重量%である。
【0074】
これら組成物が、表1においてリストアップされる濃度のそれら制汗薬塩を、表1においてリストアップされる接着剤中で混合していくことにより、調製された。全実施例が、単純なブレンドとして混合され、Variac speed controllerを有するHamilton Beach malt mixerを使用した。
【0075】
Dow Corning(登録商標)7-9800サンプルの場合、7−9800A:7−9800B=1:1の比で一緒に混合され、適量のそれら制汗薬塩が、この混合物中に配合された。この混合物が次いで、鋳込まれて、オーブンで硬化され、およそ8ミルの厚さのフィルムを形成した。
【0076】
Dow Corning(登録商標)BIO-PSA 7-4502(酢酸エチル担体溶媒中、60%固形分含量)サンプルの場合、この溶媒和された接着剤が、適量の制汗薬塩と混合され、該溶媒が駆逐された後、5%もしくは30%の塩濃度を与えた。この溶液は、およそ30ミルの厚さにおいて、鋳込まれた。
【0077】
【表1】

【0078】
7−9800は、7−9800マトリックス中への、これらの塩の良好な取り込みを示した。接着および粘着は、依然として程良かったが、本接触法により求められた場合、本制汗薬塩なしで同様に調製されたサンプルよりも、僅かに弱かった。
【0079】
7−4502サンプルも、本制汗薬塩のないコントロールについて僅かに消失した粘着を持ったが、粘着が依然として非常に強かった。両方とも、本方法により、求められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤;および
0.1〜50重量%の制汗薬化合物
を含む、組成物。
【請求項2】
前記剤が、吸湿性充填剤もしくは活性剤も含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記シリコーン含有接着剤が、硅素結合アルケニル基を持っている少なくとも1種のポリジ有機基シロキサン、硅素結合水素原子を持っている少なくとも1種のヒドロシリコン化合物、および、該Si−アルケニル基との該Si−H基の反応用の触媒を含む、請求項1の組成物。
【請求項4】
ヒドロキシ置換シロキサン樹脂も含む、請求項3の組成物。
【請求項5】
前記シリコーン含有接着剤が、シラノール末端官能基を持っているポリジ有機基シロキサンとシラノール含有シリコーン樹脂との縮合反応生成物を含む、請求項1の組成物。
【請求項6】
前記シリコーン含有接着剤が、熱溶融シリコーン感圧接着剤を含む、請求項1の組成物。
【請求項7】
前記制汗薬が、アルミニウム含有塩、ジルコニウム含有塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1の組成物。
【請求項8】
シリコーン含有接着剤の接着を増強させる方法であって:
1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤および0.1〜50重量%の制汗薬化合物を混合し、組成物を形成させること;ならびに
該組成物を、表面上に適用し、硬化させること
を含む、方法。
【請求項9】
医療装置を、皮膚に接着させる方法であって:
1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤および0.1〜50重量%の制汗薬化合物を含む組成物を混合し、組成物を形成させること;
該組成物を、医療装置の表面上に適用すること;ならびに
該医療装置を、皮膚に、該組成物を含有する該医療装置の表面を皮膚上に置くことにより、接着させること
を含む、方法。
【請求項10】
医療装置を、皮膚に接着させる方法であって:
1〜99.9重量%のシリコーン含有接着剤および0.1〜50重量%の制汗薬化合物を含む組成物を混合し、組成物を形成させること;
該組成物を、皮膚上に適用すること;ならびに
医療装置を、その上に該組成物を持っている皮膚上に置くこと
を含む、方法。
【請求項11】
前記表面が、ヒトの皮膚を含む、請求項8の方法。
【請求項12】
シリコーン含有接着剤の接着を増強させる方法であって:
シリコーン含有接着剤を、基材上に適用し、硬化させること;ならびに
制汗薬化合物を、硬化した接着剤の表面上に適用すること
を含む、方法。
【請求項13】
前記基材が皮膚であり、医療装置がその上に適用された前記制汗薬化合物を持っている硬化した前記接着剤に載せられる、請求項12の方法。
【請求項14】
前記基材が医療装置であり、該医療装置の表面が硬化した前記接着剤を持っており、その上の前記制汗薬化合物が皮膚上に適用される、請求項12の方法。

【公表番号】特表2008−512373(P2008−512373A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529879(P2007−529879)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/027126
【国際公開番号】WO2006/028612
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】