説明

剥離可能型耐水白化性感圧接着剤

架橋水性エマルションポリマーを含む、水白化に対する強化された耐性を有する剥離可能型感圧接着剤組成物を開示する。該架橋水性エマルションポリマーは、(a)少なくとも1つの疎水性モノマーと、(b)1重量%を超える少なくとも1つの親水性モノマーと、(c)3重量%を超える、アルデヒド又はケトン基を有する少なくとも1つのモノオレフィン性不飽和モノマーと、(d)任意選択的に、少なくとも1つの、部分的に親水性のモノマーと、更に(e)少なくとも1つの水溶性又は水分散性の重合可能な界面活性剤の有効量とを含み、前記架橋水性エマルションポリマーは、少なくとも1つのポリヒドラジド架橋剤の有効量により架橋されており、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の重量%は、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいており、前記架橋水性エマルションポリマーの平均粒径は、約400nm未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、「剥離可能型耐水白化性感圧接着剤(Removable Water−Whitening Resistant Pressure Sensitive Adhesives)」の名称で、2002年9月26日に出願した米国特許仮出願第60/413,786号の利益を請求する正式出願である。該出願の開示は参照により本明細書の記載の一部とする。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、水性エマルションをベースとする剥離可能型感圧接着剤に関する。本発明の剥離可能型感圧接着剤は、強化された耐水白化性を有する。
【0003】
剥離可能型感圧接着剤は、ラベル、テープ、フィルム等を含むいろいろな製品に使用され、その製品を基材に接着し、その後、その基材から容易に、汚れ又は残留物を残さないで除去することが可能である。そのような用途に適するためには、その感圧熱接着剤は低い剥離強度でありながら優れた粘着性を有していなければならず、時間とともに粘着性の著しい増加を示してはならない。好ましくは、その感圧接着剤は、いろいろな基材上で上記のような物理的性質を示すべきである。標準的な市販の剥離可能型水性アクリルエマルション感圧接着剤は、屋外の用途で使用するフィルムフェイスストックに使用することはできない。屋外の用途としては、ガラス等の基材に貼る装飾用のステッカーが含まれる。そのような装飾用のステッカーを基材に貼り合わす1つの技法は、そのステッカーの位置取りが容易なように基材上を滑って移動できるように接着剤及び/又は基材上に水を吹き付けることである。残念ながら、上記の技法では、水性アクリルエマルション接着剤フィルムは、水と接触して乳白色に変化する。他の屋外の用途としては、建設計画が完了するまでフィルムが建設材料を保護する役目を果たす建設計画用の資材に接着剤を介して貼り合わせる保護フィルムが含まれる。屋外の環境における保護フィルムを覆った建設資材の水又は高湿度への曝露は、しばしば、水性アクリルエマルション接着剤の乳白色への変化をもたらす。透明なフィルムストックに対して、この水白化は、不満足な外観をもたらす。
【0004】
装飾用フィルム又は保護フィルム及び屋外用途のステッカーに使用してもうまくいく水性アクリルエマルション剥離可能型感圧接着剤のためには、該接着剤は、基材からのきれいな剥離可能性を確保するためのフィルムフェイスストックに対する接着剤の優れた固着とともに、良好な耐水性を示すことが必要である。現在市販の良好な耐水白化性を示す水性アクリルエマルション感圧接着剤は、永久接着剤、即ち、フェイスストックを除去した場合に接着剤の残留物が基材上に残るものである。フィルムに対して優れた固着を示す現在入手可能な剥離可能型水性アクリルエマルション感圧接着剤も不十分な耐水白化性を示す。したがって、剥離可能性及び耐水白化性の両方の必要な特性を示す水性アクリルエマルション感圧接着剤が求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明によれば、(a)アルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は、スチレン系モノマー少なくとも1つとアルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル少なくとも1つとの混合物から選択される少なくとも1つの疎水性モノマー(ここで、スチレン系モノマーが存在するとき、前記スチレン系モノマーは疎水性モノマー混合物全体の約30重量%以下の量で存在する)と、(b)1重量%を超える少なくとも1つの親水性モノマーと、(c)3重量%を超える、アルデヒド又はケトン基を有する少なくとも1つのモノオレフィン性不飽和モノマーと、(d)任意選択的に、アルコールのアルキル部分が1から2個の炭素原子を有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分的に親水性のモノマーと、更に(e)末端アリルアミン部分を有する化合物、少なくとも1つのアルケニル置換基を有する置換フェニル化合物、ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性の重合可能な界面活性剤の有効量とを含む架橋水性エマルションポリマーを含み、前記架橋水性エマルションポリマーは、少なくとも1つのポリヒドラジド架橋剤の有効量により架橋されており、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の重量%は、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいており、前記架橋水性エマルションポリマーの平均粒径が、約400nm未満である、剥離可能型耐水白化性感圧接着剤(PSA)が提供される。
【0006】
発明の詳細な説明
本発明は、装飾用フィルム又は保護フィルム及び屋外用途のステッカーに使用するのに有用な水性エマルション感圧接着剤を提供し、その接着剤は、基材からの剥離可能性及び使用中水又は高湿度に晒されたとき良好な耐水性を示す。本発明の感圧接着剤は、優れた粘着性と低い引き剥がし強さを有する。フェイスストック材料であってその上に本発明の剥離可能型耐水白化性感圧接着剤組成物を塗布したものは、不充分状態が本質的に接着の不充分であるとともに、低い引き剥がし粘着力を示す。その引き剥がし粘着力は、本発明の水性接着剤組成物及び基材に依存する。例えば、本発明のPSA組成物は、典型的には、接着の不充分状態とともに、1インチ当たり約2.5ポンド(431N/m)の剥離力より小さく、好ましくは1インチ当たり約0.1から約2ポンド(約17.2から約345N/m)の剥離力の乾燥フィルム剥離値を示す。
【0007】
本発明の剥離可能型感圧接着剤は、水白化に対する強化された耐性を発揮する。水白化の程度は、接着剤フィルムを室温の水中に24時間浸して、その接着剤の白化を目視でランク付けすることにより視覚的に測定することができる。
【0008】
本発明は、(a)アルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は、スチレン系モノマー少なくとも1つとアルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル少なくとも1つとの混合物から選択される少なくとも1つの疎水性モノマー(ここで、スチレン系モノマーが存在するとき、前記スチレン系モノマーは疎水性モノマー混合物全体の約30重量%以下の量で存在する)と、(b)1重量%を超える少なくとも1つの親水性モノマーと、(c)3重量%を超える、アルデヒド又はケトン基を有する少なくとも1つのモノオレフィン性不飽和モノマーと、(d)任意選択的に、アルコールのアルキル部分が1から2個の炭素原子を有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分的に親水性のモノマーと、更に(e)末端アリルアミン部分を有する化合物、少なくとも1つのアルケニル置換基を有する置換フェニル化合物、ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性の重合可能な界面活性剤の有効量とを含む架橋水性エマルションポリマーを含む剥離可能型耐水白化性感圧接着剤(pressure sensitive adhesive, PSA)であって、前記架橋水性エマルションポリマーは、少なくとも1つのポリヒドラジド架橋剤の有効量により架橋されており、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の重量%は、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいており、前記架橋水性エマルションポリマーの平均粒径が約400nm未満である、上記接着剤に関する。
【0009】
本発明に従い使用することができる疎水性モノマーとしては、アルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの少なくとも1つの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び少なくとも1つのスチレン系モノマーと、少なくとも1つのアルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの混合物が挙げられる。本明細書で使用する(メタ)アクリル酸アルキルという用語は、アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルの両方を含む。アクリル酸アルキルモノマー又はメタクリル酸アルキルモノマーのアルキル基は、好ましくは4から約14個の炭素原子、より好ましくは4から約10個の炭素原子、最も好ましくは4から約8個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基である。適当なアクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルの例としては、下記に限定されるものではないが、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、等の単独又は2つ以上の混合物が挙げられる。適当なスチレン系モノマーの例としては、下記に限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、等の単独又は2つ以上の混合物が挙げられる。
【0010】
現時点で好ましいアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルモノマーは、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、及びそれらの混合物である。一般的に好ましいスチレン系モノマーは、スチレンである。
【0011】
モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量を基準とした疎水性モノマーの量は、好ましくは約50から約95重量%まで、より好ましくは約70から約90重量%まで、最も好ましくは約75から約90重量%までである。
【0012】
本発明でスチレンモノマーを使用する場合、スチレン系モノマーの量は、全体の疎水性モノマー混合物の重量%として便宜的に表現することができる。スチレンモノマーを使用する場合、そのスチレンモノマーの量は、疎水性モノマー混合物全体の約30重量%まで、好ましくは約5から約30重量%まで、より好ましくは約10から約20重量%までである。
【0013】
本発明に従って使用することができる親水性モノマーは、疎水性モノマーと共重合可能な水溶性のモノマー及び水溶性のモノマーである。その親水性モノマーは、モノオレフィン性モノカルボン酸、モノオレフィン性ジカルボン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、又はそれらの混合物から選択される。
【0014】
適当な親水性モノマーとしては、下記に限定されるものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、オリゴマー状アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びそれらの混合物が挙げられる。現時点で好ましい親水性モノマーは、アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸、及びそれらの混合物である。
【0015】
モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量を基準とした親水性モノマーの量は、1重量%より多く、好ましくは約2から約10重量%まで、より好ましくは約3から約10重量%まで、最も好ましくは約3から約8重量%までである。
【0016】
本発明に従い使用することができるアルデヒド又はケトン基を有するモノオレフィン性不飽和モノマーは、1つ又は複数のアルド又はケト基及び重合性炭素−炭素二重結合を含有するモノマーである。
【0017】
適当なアルデヒド又はケトン基を有するモノオレフィン性不飽和モノマーの例としては、下記に限定されるものではないが、アクロレイン、メタアクロレイン、ビニルベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、一般式
【化1】


(式中、Rは、−H又は−CHであり、Rは、−H又は炭素原子1から3個のアルキルであり、Rは、炭素原子1から3個のアルキルであり、Rは、炭素原子1から4個のアルキルである)
の(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、アセト酢酸ビニル、アセト酢酸アリル、ビニルメチルケトン、ビニルベンゼンメチルケトン、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ビニルブチルケトン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリラート、アクリル酸アセトニル、2−ヒドロキシプロピルアクリラート−アセチルアセタート、1,4−ブタンジオールアクリラート−アセチルアセタートが挙げられる。
【0018】
上記の(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナールは、英国特許第1601077号に記載されている方法により、一般式
【化2】


であって、R、R、R、及びRが、上で定義したとおりであるβ−ヒドロキシアルキルプロパナールを、不活性希釈剤と少量のスルホン酸及び無機酸の存在下、40から120℃、特に60から90℃でエステル化することにより調製することができる。
【0019】
アルデヒド又はケトン基を有する現時点で好ましいモノオレフィン性不飽和モノマーは、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンアクリラート、アクロレイン、又はそれらの混合物である。
【0020】
モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量を基準としたアルデヒド又はケトン基を有するモノオレフィン性不飽和モノマーの量は、3重量%を超えて約20重量%まで、好ましくは約3.5から約20重量%まで、より好ましくは約4から約10重量%までである。
【0021】
本発明に従って使用することができる部分的に親水性のモノマーとしては、アルコールのアルキル部分が1から2個の炭素原子を有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、又はそれらの混合物が挙げられる。その部分的に親水性のモノマーは、また、部分的に水溶性のモノマーとして言及することもできる。
【0022】
適当な部分的に親水性のモノマーの例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、N−ビニル−2−ピロリドン、及びそれらの混合物が挙げられる。現時点で好ましい部分的に親水性のモノマーは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、及びそれらの混合物であり、アクリル酸メチルが現時点では最も好ましい。
【0023】
その部分的に親水性のモノマーは、任意選択的には本発明の水性エマルションポリマー中に存在する。モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量を基準とした部分的に親水性のモノマーの量は、0から約45重量%まで、好ましくは約5から約25重量%まで、より好ましくは約5から約15重量%までである。
【0024】
本発明に従って使用することができる末端アリルアミン部分を有する水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤としては、米国特許第5928783号及び米国特許第6239240号に開示されている重合可能な界面活性剤が挙げられる。なお、米国特許第5928783号及び米国特許第6239240号の開示の全体は、参照により本明細書の記載の一部とする。好ましくは本発明の重合可能な界面活性剤は、スルホン酸アリルアミン部分、硫酸アリルアミン部分、又はリン酸アリルアミン部分から選択される親水性部分、及び−R、又は式RO−(CHCHO)−(式中、Rは、アルキル基又はアルキル置換フェニル基であって、前記アルキル基は1から20個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子を有しており、nは、2から100まで、好ましくは2から15までの整数である)から選択される疎水性部分を含有する。その親水性部分と疎水性部分は、共有結合により結合している。上記の重合可能な界面活性剤の組み合わせを、本発明のポリマーの調製で使用することができる。本発明で有用な末端アリルアミン部分を有する当該水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤は、Stepan CompanyからPolystep(登録商標)NMSの商標のもとで入手可能である。
【0025】
適当な末端アリルアミンを有する水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤としては、下記に限定されるものではないが、以下の例が挙げられる。
【0026】
好ましい重合可能な界面活性剤は、式
【化3】


(式中、Rは、1から20個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するアルキルベンゼンスルホン酸のアリルアミン塩である。Xは、好ましくはNHである。このタイプの重合可能な界面活性剤の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸のアリルアミン塩である。
【0027】
他の好ましい重合可能な界面活性剤は、式
【化4】


(式中、Rは、1から20個まで、好ましくは10から18個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは、2から100まで、好ましくは2から15までの整数であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するアルキルエーテル硫酸のアリルアミン塩である。Xは、好ましくはNHである。このタイプの重合可能な界面活性剤の例は、ラウレス硫酸のアリルアミン塩である。
【0028】
他の好ましい重合可能な界面活性剤は、式
【化5】


(式中、Rは、アルキル又はアルキル置換フェニル基であり、そのアルキル基は、1から20個の炭素原子を有しており、nは、2から100まで、好ましくは2から15までの整数であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するリン酸エステルのアリルアミン塩である。Xは、好ましくは、NHである。このタイプの重合可能な界面活性剤の例は、ノニルフェノールエトキシレート(EO9モル)リン酸エステルのアリルアミン塩である。
【0029】
更に他の好ましい重合可能な界面活性剤は、式
−SO−+X−CH−CH=CH
(式中、Rは、6から20個の炭素原子、好ましくは10から18個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するスルファートのアリルアミン塩である。Xは、好ましくは、NHである。
【0030】
本発明に従って水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤として使用することができる少なくとも1つのアルケニル置換基を有する置換フェニル化合物としては、米国特許第5332854号に開示されているものが挙げられる。なお、米国特許第5332854号の開示の全体は、参照により本明細書の記載の一部とする。
【0031】
少なくとも1つのアルケニル置換基を有する適当な置換フェニル化合物としては、式
【化6】


(式中、Rは、6から18個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル又はアラルキル基であり、Rは、水素原子又は6から18個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル又はアラルキル基であり、Rは、水素原子又はプロペニル基であり、Aは、2から4個の炭素原子を含有する無置換又は置換アルキレン基であり、nは、1から約200まで、好ましくは2から約100までの整数であり、Mは、アルカリ金属、アンモニウムイオン、又はアルカノールアミン残基である)
を有する化合物が挙げられる。
【0032】
本発明の置換フェニル化合物において、R及びRのアルキル、アルケニル及びアラルキル基は、独立に選択され、同一であるか異なっていてもよい。適当なアルキル基としては、下記に限定されるものではないが、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルが挙げられる。適当なアルケニル基としては、下記に限定されるものではないが、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル及びオクタデセニルが挙げられる。適当なアラルキル基としては、下記に限定されるものではないが、スチリル、ベンジル及びクミルが挙げられる。
【0033】
プロペニル基は、トランス−及びシス−異性体が生成し得る。本発明の目的のためにはこれらの異性体は、単独で又は混合物として使用することができる。
【0034】
Aに対する適当な無置換又は置換アルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びイソブチレンが含まれる。ポリオキシアルキレン基−(AO)−は、ホモポリマー、ブロックポリマー若しくはランダムポリマー、又はそれらの混合物とすることができる。
【0035】
本発明の置換フェニル界面活性剤を製造する反応の条件は、特に限定されない。例えば、置換フェニル界面活性剤は、エチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)などのアルキレンオキシドを、アルキル化プロペニルフェノールに慣用の方法で付加し、その付加物を、硫酸、スルファミン酸、クロロスルホン酸などの硫酸化剤で硫酸化し、続いてアルカリ性物質で中和することにより製造することができる。
【0036】
置換フェニル化合物の現時点で好ましい基は、式
【化7】


(式中、R、A、M及びnは、上で定義したとおりである)
を有する化合物である。より好ましい化合物は、Rが、アルキルであり、Aが、エチレン(−CHCH−)であり、Mが、アルカリ金属又はアンモニウムであるものである。最も好ましい化合物は、Mが、アンモニウムであり、Rが、ノニルであり、nが、約10から約30までのもので、例えば、第一工業製薬株式会社(日本国東京)からハイテノールBCの商標で入手できる化合物である。
【0037】
本発明に従って水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤として使用することができるポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩化合物としては、日本国特許公報(B2)第2596441号(第一工業製薬株式会社)に開示されているものが挙げられる。
【0038】
適当なポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩化合物としては、式
【化8】


(式中、R10は、8から30個の炭素原子、好ましくは8から14個の炭素原子、より好ましくは10から12個の炭素原子を含有する直鎖状若しくは分枝状のアルキル基であり、R11は、水素又はメチル、好ましくは水素であり、Aは、2から4個の炭素原子を有する無置換又は置換アルキレン基であり、nは、0又は1から約200まで、好ましくは2から約100まで、より好ましくは2から約30までの整数であり、Mは、アルカリ金属、アンモニウムイオン、又はアルカノールアミン残基である)
を有する化合物が挙げられる。アルカノールアミン残基の例としては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、等が挙げられる。
【0039】
Aに対する適当な無置換又は置換アルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、及びイソブチレンが含まれる。ポリオキシアルキレン基−(AO)−は、ホモポリマー、ブロックポリマー若しくはランダムポリマー、又はそれらの混合物とすることができる。
【0040】
本発明のポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩化合物は、日本国特許公報(B2)第2596441号に記載されている方法により調製することができる。
【0041】
ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩化合物の現時点で好ましい基は、式
【化9】


(式中、R10は、8から14個の炭素原子、好ましくは10から12個の炭素原子を含有するアルキル基であり、nは、1から約200まで、好ましくは2から約100まで、より好ましくは2から約30までの整数であり、Mは、アルカリ金属、アンモニウムイオン、又はアルカノールアミン残基である)
を有する化合物である。より好ましい化合物は、R10が、デシル又はドデシル基であり、nが、5から10までであり、Mが、NHである、例えば第一工業製薬株式会社(日本国東京)から、商標ハイテノール(登録商標)KHで入手できる化合物等の化合物である。
【0042】
本発明の剥離可能型耐水白化性感圧接着剤の調製で利用される水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤の全体量は、モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量を基準として、約0.1から約5重量%まで、好ましくは約0.5から約2重量%までである。
【0043】
本発明の重合可能な界面活性剤に加えて非重合性の界面活性剤を、本発明の剥離可能型耐水白化性感圧接着剤を調製する方法は任意選択的に使用し、本発明の架橋水性エマルションポリマーは任意選択的に含む。使用することができる非重合性乳化剤、即ち界面活性剤としては、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、又は両性乳化剤及びそれらの混合物が挙げられる。イオン性乳化剤が現時点では好ましく、陰イオン性乳化剤が現時点では最も好ましい。適当な陰イオン性乳化剤の例としては、下記に限定されるものではないが、アルキルアリールスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキル硫酸塩(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム)、エトキシ化アルコールの硫酸塩(例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、エトキシ化アルキルフェノールの硫酸塩及びスルホン酸塩(例えば、ノニルフェノールエーテル(EO=30)硫酸アンモニウム、アルキルアリールポリエーテルスルホン酸ナトリウム塩)、スルホコハク酸塩(例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、スルホン酸ジフェニル(例えば、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム)、及びそれらの混合物が挙げられる。適当な非イオン性乳化剤としては、下記に限定されるものではないが、エトキシ化アルコール(例えば、エトキシ化オレイルアルコール)、エトキシ化アルキルフェノール(例えば、ノニルフェノールエトキシレート)、及びそれらの混合物が挙げられる。適当な陽イオン性界面活性剤としては、下記に限定されるものではないが、エトキシ化脂肪族アミン(例えば、エトキシ化獣脂アミン)が挙げられる。
【0044】
本発明の剥離可能型耐水白化性感圧接着剤に使用される本発明の架橋水性エマルションポリマーの調製のためには、本発明の重合可能な界面活性剤と共にイオン性非重合性界面活性剤を使用するのが現時点では好ましい。
【0045】
使用する場合、非重合性界面活性剤の典型的な濃度は、モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量を基準として、約0.1から約2重量%まで、好ましくは約0.1から約1重量%までである。
【0046】
本発明の剥離可能型耐水白化性感圧接着剤を調製する方法は、また、少なくとも1つの水溶性重合開始剤を利用する。アクリレートモノマーの乳化重合のために通常許容される任意の慣用の水溶性重合開始剤を使用することができ、そのような重合開始剤は当分野でよく知られている。水溶性重合開始剤の典型的な濃度は、予備乳化物中に加えるモノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の総重量の約0.01重量%から約1重量%まで、好ましくは約0.01重量%から約0.5重量%までである。その水溶性重合開始剤は、単独で使用するか又は1つ又は複数の慣用の還元剤、例えば、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、硫酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、エチレンジアミン四酢酸鉄、等と組み合わせて使用することができる。本発明に従って使用することができる水溶性重合開始剤としては、水溶性過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物等、並びにそれらの混合物が挙げられる。水溶性開始剤の例としては、下記に限定されるものではないが、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸ナトリウム)、過酸化物(例えば、過酸化水素、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド)、及びアゾ化合物(例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノ−ペンタン酸)、Wako Chemicals製のV−501)が挙げられる。現時点では、好ましい水溶性重合開始剤は、過硫酸塩、特に過硫酸カリウムである。
【0047】
重合は、熱又は放射線を適用する等当業者に知られている任意の慣用の方法により開始することができる。その開始の方法は、使用する水溶性重合開始剤に依存し、当業者には容易に明らかとなろう。
【0048】
その水溶性重合開始剤は、当分野で知られている慣用のやり方で重合反応に加えることができる。開始剤の一部を、水、有効量の水溶性若しくは水分散性の重合可能な界面活性剤、及び重合開始剤の初期量を含む最初の反応器装入材料に加えるのが現時点では好ましい。開始剤の残りは、乳化重合の途中で連続的に又は追加的に加えることができる。残りの開始剤を追加的に加えるのが現時点では好ましい。
【0049】
重合に続いて、そのラテックスエマルションを、pHを少なくとも6、好ましくは約6.5から約9まで、より好ましくは約7から約8まで上げるために必要な量の適当な塩基と接触させることによって、そのラテックスエマルションのpHを調節する。ラテックスエマルションのpHを調節するための適当な塩基の例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン、等、並びにそれらの混合物が挙げられる。本発明で使用するために現時点で好ましい塩基は、水酸化アンモニウムである。
【0050】
そのラテックスエマルションは、典型的には約40から約70重量%まで、好ましくは約45から約55重量%までの固形分含量を有する。
【0051】
その重合反応は、エマルション重合が可能な任意の慣用の反応槽中で行うことができる。
【0052】
その重合は、乳化重合に対する典型的な温度で行うことができる。その重合は、好ましくは約50℃から約95℃までの範囲、好ましくは約60℃から約85℃までの範囲の温度で行う。
【0053】
重合時間は、他の反応条件(例えば、温度プロフィール)及び反応成分(例えば、モノマー、開始剤等)に基づいて所望の転化率を得るために必要な時間である。その重合時間は、当業者には容易に明らかとなろう。
【0054】
本発明のPSA組成物に使用される架橋剤は、アルデヒド又はケトン基を有するモノオレフィン性不飽和モノマーのアルデヒド又はケトン基と反応することができる少なくとも2つのヒドラジド基、即ちNH−NHを有するポリヒドラジド化合物である。
【0055】
適当なポリヒドラジド化合物の例としては、式
【化10】


(式中、R10は、0から約10個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン基、4から約8個の炭素原子を有する二価の脂環基、二価の芳香環、又は
【化11】


(式中、当該環は、脂環又は芳香環であり、Xは、−O−、−S−、−SO−、又は−C(O)−から選択される)
から選択される)
によって表されるようなジヒドラジド;式
【化12】


(式中、Rは、2から約7個の炭素原子を有する二価の直鎖状若しくは分枝状アルキレン基又は6から8個の炭素原子を有する二価の炭素環基、例えば、o−、m−、若しくはp−フェニレン、トリレン、シクロヘキシレン若しくはメチルシクロヘキシレンである)
によって表されるようなビス−セミカルバジド;式
【化13】


(式中、R〜Rは、独立にH若しくはOHから選択され、pは、0から3までの整数であり、qは2から8までの整数であり、但しp+q≦8であり、且つp<qである)
によって表されるようなトリヒドラジド;エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド等の脂肪族テトラヒドラジド;及び芳香族ポリカルボン酸ポリヒドラジド、例えば、ピロメリット酸トリヒドラジド又はピロメリット酸テトラヒドラジド;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
上記ポリヒドラジド化合物の具体例としては、下記に限定されるものではないが、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のモノオレフィン不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;炭酸ジヒドラジド等の炭酸ポリヒドラジド;フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等の芳香族ジヒドラジド;1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,1,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,2,5−ペンタントリカルボヒドラジド、1,3,6−ヘキサントリカルボヒドラジド、1,3,7−ヘプタントリカルボヒドラジド、及び1−ヒドロキシ−1,2,4−ブタントリカルボヒドラジドのようなトリヒドラジド;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
現時点で好ましいポリヒドラジドは、アジピン酸ジヒドラジド等の脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドである。
【0058】
ポリヒドラジドは、典型的にはヒドラジンと多官能有機カルボン酸(或いはその対応するエステル、アミド、ハロゲン化アシル又は無水物)との反応生成物として得られる。多官能有機カルボン酸は、本性的に脂肪族又は芳香族とすることができ、分枝状又は直鎖状の主鎖を含有することができる。これとその他の加ヒドラジン分解反応については、H.Zabicky編、「アミドの化学(The Chemistry of Amides)」、Interscience Publishers、ニューヨーク州ニューヨーク、1970年、の中の第10章、515〜600頁の、H.Paulsen及びD.Stoyeによる「ヒドラジドの化学(The Chemistry of Hydrazides)」に記載されている。
【0059】
本発明のPSA組成物中の架橋剤として使用するポリヒドラジド化合物の有効量は、ヒドラジド基の量は、共重合体水性エマルション中に存在するアルデヒド基又はケトン基を有するモノオレフィン性不飽和モノマーに含有されているケトン基又はアルデヒド基の1当量当たり0.02から5当量まで、好ましくは0.1から3当量まで、より好ましくは0.5から2当量までの範囲となるような量である。
【0060】
当該PSA組成物中の架橋剤として使用するポリヒドラジド化合物は、重合過程中、重合過程の終了時、又は感圧接着剤の配合中に水性エマルションポリマーに添加することができる。ポリヒドラジド化合物は、感圧接着剤の配合の途中で添加するのが現時点では好ましい。
【実施例】
【0061】
略語及び材料の供給源
2−EHA: アクリル酸2−エチルヘキシル;Ashland Inc.
BA: アクリル酸ブチル;Ashland Inc.
ST: スチレン;Shell Chemicals LP
EA: アクリル酸エチル;Ashland Inc.
MA: アクリル酸メチル;Ashland Inc.
HEA: アクリル酸2−ヒドロキシエチル;Ashland Inc.
AA: アクリル酸;Ashland Inc.
DAAM: ジアセトンアクリルアミド;協和発酵USA Inc.
ADH: アジピン酸ジヒドラジド;協和発酵USA Inc.
ハイテノールBC−2020:
【化14】


水中20%活性、nは約20;第一工業製薬(株)
PPS: 過硫酸カリウム;Sigma−Aldrich Co.
NHOH: 水酸化アンモニウム(28%);Sigma−Aldrich Co.
Abex EP−120:
硫酸ノニルフェノキシ−ポリ(エチレンオキシ)エタノール(30%活性);Rhodia
AOT−75: ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(75%活性);Cytec
L−22: ラウリル硫酸アンモニウム(30%活性);Rhodia
CO−660: Igepal CO 660−エトキシ化ノニルフェノール(EO10モル);Rhodia
BOPP: 二軸延伸ポリプロピレンフィルム;Intex
BDDM: ブタンジオールジメタクリル酸エステル;Sigma−Aldrich Co.
DS−4: ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(22%活性);Rhodia
SBC: 重炭酸ナトリウム;Sigma−Aldrich Co.
TBHP: tert−ブチルヒドロペルオキシド;Akzo−Nobel
Formapon:
ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム;Henkel
【0062】
(例1)
還流冷却器、熱電対及び4枚羽根攪拌器を取り付けた2リットルのジャケット付きガラス反応器中で、ポリアクリレートラテックスの1000.0gを調製した。モノマーの予備乳化物は、134.7gの水、258.3gの2−EHA、89.8gのBA、53.9gのMA、10.3gのHEA、13.5gのAA及び23.4gのDAAMを、25.8gのハイテノールBC−2020及び1.2gのAOTと共に混合することにより調製した。反応器に334.5gの水、1.6gのPPS及び3.6gのハイテノールBC−2020を仕込んだ。別に水中のPPS原液(2.5重量%濃度)の44.5gを用意した。反応器は熱水で加熱した。温度が78℃に到達したところで、モノマーの予備乳化物及びPPS原液の連続的な添加をそれぞれ3.0g/分及び13.4ml/時間の速度で開始し、200分続けた。温度は、83℃に維持し、重合装入材料は、200〜350rpmで連続して攪拌した。予備乳化物の添加が終了した後、反応器温度を86℃に上げ、更に40分間攪拌した。反応器を30℃に冷却し、0.11gのKathon LX殺生剤(Rohm and Haas)を反応器に添加し、28%NHOH水溶液を用いてpHを7〜8の間に調整した。
【0063】
(例2〜6)
例2〜6は、モノマー濃度を表1に要約したように調節した以外は例1で記載した方法により重合した。
【表1】

【0064】
(例7(対照))
例7は、予備乳化物を、134.2gの水、260.4gの2−EHA、89.5gのBA、53.7gのMA、10.3gのHEA、13.4gのAA及び20.1gのDAAMを、6.0gのL−22、3.6gのCO−660及び1.8gのAOTと共に混合することにより調製したこと以外は例1に記載した方法により重合した。
【0065】
(例8)
還流冷却器、熱電対及び4枚羽根攪拌器を取り付けた2リットルのジャケット付きガラス反応器中で、ポリアクリレートラテックスの1000.0gを調製した。モノマーの予備乳化物は、140.7gの水、269.7gの2−EHA、93.8gのBA、56.3gのMA、10.8gのHEA、14.1gのAA及び24.4gのDAAMを、27.0gのハイテノールBC−2020及び1.3gのAOTと共に混合することにより調製した。反応器に306.6gの水、1.6gのPPS及び2.3gのハイテノールBC−2020を仕込んだ。別に水中のPPS原液(2.5重量%濃度)の46.4gを用意した。反応器は熱水で加熱した。温度が78℃に到達したところで、モノマーの予備乳化物及びPPS原液の添加をそれぞれ3.2g/分及び14.5ml/時間の速度で開始し、200分続けた。温度は、83℃に維持し、重合装入材料は、200〜350rpmで連続して攪拌した。予備乳化物の添加が終了した後、反応器温度を86℃に上げ、更に40分間攪拌した。反応器を30℃に冷却し、0.11gのKathon LXを反応器に添加し、28%NHOH水溶液を用いてpHを7〜8の間に調整した。
【0066】
(例9(対照))
還流冷却器、熱電対及び4枚羽根攪拌器を取り付けた2リットルのジャケット付きガラス反応器中で、ポリアクリレートラテックスの1000.0gを調製した。モノマーの予備乳化物は、146.7gの水、281.1gの2−EHA、97.8gのBA、58.7gのMA、11.2gのHEA、14.7gのAA及び25.4gのDAAMを、28.1gのハイテノールBC−2020及び1.3gのAOTと共に混合することにより調製した。反応器に279.1gの水、1.7gのPPS及び0.5gのハイテノールBC−2020を仕込んだ。別に水中のPPS原液(2.5重量%濃度)の48.4gを用意した。反応器は熱水で加熱した。温度が78℃に到達したところで、モノマーの予備乳化物及びPPS原液の連続的添加をそれぞれ3.3g/分及び15.1ml/時間の速度で開始し、200分続けた。温度は、83℃に維持し、重合装入材料は、200〜350rpmで連続して攪拌した。予備乳化物の添加が終了した後、反応器温度を86℃に上げ、更に40分間攪拌した。反応器を30℃に冷却し、0.11gのKathon LXを反応器に添加し、28%NHOH水溶液を用いてpHを7〜8の間に調整した。
【0067】
(例10)
還流冷却器、熱電対及び4枚羽根攪拌器を取り付けた2リットルのジャケット付きガラス反応器中で、ポリアクリレートラテックスの1000.0gを調製した。モノマーの予備乳化物は、152.5gの水、292.2gの2−EHA、101.6gのBA、61.0gのMA、11.7gのHEA、15.2gのAA及び26.4gのDAAMを、29.2gのハイテノールBC−2020及び1.4gのAOTと共に混合することにより調製した。反応器に249.3gの水、1.8gのPPS及び1.9gのハイテノールBC−2020を仕込んだ。別に水中のPPS原液(2.5重量%濃度)の50.3gを用意した。反応器は熱水で加熱した。温度が78℃に到達したところで、モノマーの予備乳化物及びPPS原液の連続的添加をそれぞれ3.5g/分及び15.7ml/時間の速度で開始し、200分続けた。温度は、83℃に維持し、重合装入材料は、200〜350rpmで連続して攪拌した。予備乳化物の添加が終了した後、反応器温度を86℃に上げ、更に40分間攪拌した。反応器を30℃に冷却し、0.11gのKathon LXを反応器に添加し、28%NHOH水溶液を用いてpHを7〜8の間に調整した。
【0068】
(例11(対照:米国特許第4529772号、例10))
還流冷却器、熱電対及び4枚羽根攪拌器を取り付けた2リットルのジャケット付きガラス反応器中で、ポリアクリレートラテックスの930.0gを調製した。モノマーの予備乳化物は、170.2gの水、227.3gの2−EHA、177.3gのBA、22.8gのスチレン、9.1gのAA及び18.2gのDAAMを、30.3gのEP−120と共に混合することにより調製した。反応器に200.0gの水、0.5gのPPS及び39.3gの予備乳化物を仕込んだ。別に水中のPPS原液(2.5重量%濃度)の74.6gを用意した。反応器は熱水で加熱した。温度が85℃に到達したところで、モノマーの予備乳化物及びPPS原液の連続的添加をそれぞれ3.5g/分及び24.9ml/時間の速度で開始し、180分続けた。温度は、85℃に維持し、重合装入材料は、150〜280rpmで連続して攪拌した。予備乳化物の添加が終了した後、反応器温度を85℃に維持し、更に60分間攪拌した。反応器を30℃に冷却し、28%NHOH水溶液を用いてpHを7〜8の間に調整した。
【0069】
(例12(対照:米国特許第5763555号、例1))
還流冷却器、熱電対及び4枚羽根攪拌器を取り付けた2リットルのジャケット付きガラス反応器中で、ポリアクリレートラテックスの987.7gを調製した。モノマーの予備乳化物は、197.3gの脱イオン水、470.2gの2−EHA、10.0gのアクリルアミド(50%)(Cytec)及び25.2gのBDDMを、22.7gのDS−4(22%)及び1.25gのSBCと共に混合することにより調製した。反応器に175gの脱イオン水を仕込んだ。別に脱イオン水中の重亜硫酸ナトリウム原液(1.2重量%濃度)の25.3g及び25.5gのPPS原液(3.9重量%濃度)を用意した。反応器中の脱イオン水を窒素でパージし、熱水で加熱した。温度が74℃に到達したところで、窒素ラインを液上に移し、21.8gの予備乳化物、1.3gの重亜硫酸ナトリウム原液及び1.3gのPPS原液を反応器に加えた。温度が78℃に到達したところで、モノマーの予備乳化物、重亜硫酸ナトリウム原液及びPPS原液の連続的添加をそれぞれ3.9g/分及び8.0ml/時間及び8.0ml/時間の速度で開始し、180分続けた。温度は、78℃に維持し、重合装入材料は、200〜250rpmで連続して攪拌した。予備乳化物の添加が終了した後、反応器温度を80℃に上げ、更に60分間攪拌した。保持時間の経過後、3.8gのTBHP原液(13.2重量%濃度)及び3.8gのFormapon原液(13.2重量%濃度)を反応器に添加し、15分間攪拌した。反応器を30℃に冷却し、その後28.0gのKathon LX溶液(3.6重量%濃度)を反応器に加えた。pHを、28%NHOH水溶液を用いて7〜8の間に調整した。
【0070】
(例13)
配合及び試験
ラテックスを、表2に記載されている水準に従い、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)と共に配合した。表2に例13(対照)として記載されている配合ラテックス試料は、例6のADHなしのラテックスである。各配合物の平均粒径は堀場レーザー回折粒度分布測定装置LA−910型を用いて測定した。
【0071】
配合ラテックスを、1.0ミルのコロナ処理したBOPPフィルムに直接塗布をした。そのフィルムを15分間空気乾燥し、90℃で5分間加熱乾燥した。塗布したBOPPを、シリコーン剥離ライナーと貼り合せた。そのラミネート構造物を、72±2°F及び50±2%RH(CTH条件)で72時間保存して状態を安定させた後、180°の動的剥離及び水白化の試験をした。剥離ライナーを取り外し、1インチ×5.5インチのテストストリップ4枚をステンレス鋼の試験板に24時間(1試料)及び1週間(3試料)接着した。1週間の試料は、CTH条件、70℃/98%RH又は38℃/98%RHのいずれかに晒した。熱及び湿気でエージングした試料は、180°の動的剥離試験の前にCTH条件で1時間再度保存して状態を安定させた。その試験は2回重複して行った。lb/インチでの平均剥離強度をインストロン試験機(型式No.1125)でストリップを板から180°の角度で剥離することにより求めた。結果の記録で、剥離の不充分の状態は、次のように区別した:「A」は、接着の不充分、即ち接着剤が基材から完全に分離することを意味し、「C」は、接着剤が基材上に半分とフェイスストック上に半分残る凝集の不充分を意味し、「T」は、接着剤がすべて基材側に移動する移行の不充分を意味する。「A」の剥離の不充分状態が許容される。「C」又は「T」の剥離の不充分状態は、接着剤が基材上に残るので許容されない。
【0072】
水白化試験は、接着剤を塗布したBOPPフィルムを、接着剤層が水と直接接触するように水中に浸没することにより実施した。浸没の24時間後塗布フィルムの目視検査を行った。0の評価は、接着剤の白化がないことを表し、一方、5の評価は、乳白色フィルムを表す。1から5までの数字は、増加する白化の程度を表す。3未満の評価が、接着剤水白化の合格水準である。
【0073】
結果は、本発明の架橋PSAは、剥離可能(許容できる剥離強度及び接着の不充分状態)であって且つ耐水白化性(3未満の白化等級)であり、一方、対照試料は、それらが耐水白化性でないか又はそれらが剥離可能でない(受け入れられない接着の不充分状態を有する)かのいずれかであるため許容できないことを示している。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は、スチレン系モノマー少なくとも1つとアルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル少なくとも1つとの混合物から選択される少なくとも1つの疎水性モノマー(ここで、スチレン系モノマーが存在するとき、前記スチレン系モノマーは疎水性モノマー混合物全体の約30重量%以下の量で存在する)と、
(b)1重量%を超える少なくとも1つの親水性モノマーと、
(c)3重量%を超える、アルデヒド又はケトン基を有する少なくとも1つのモノオレフィン性不飽和モノマーと、
(d)任意選択的に、アルコールのアルキル部分が1から2個の炭素原子を有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分的に親水性のモノマーと、更に
(e)末端アリルアミン部分を有する化合物、少なくとも1つのアルケニル置換基を有する置換フェニル化合物、ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性の重合可能な界面活性剤の有効量と
を含む架橋水性エマルションポリマーを含む剥離可能型耐水白化性感圧接着剤であって、前記架橋水性エマルションポリマーは、少なくとも1つのポリヒドラジド架橋剤により架橋されており、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の重量%は、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいており、前記架橋水性エマルションポリマーの平均粒径が約400nm未満である、上記接着剤。
【請求項2】
前記架橋水性エマルションポリマー中のモノマー(a)の量が約50から約95重量%までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記架橋水性エマルションポリマー中のモノマー(b)の量が約2から約10重量%までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記架橋水性エマルションポリマー中のモノマー(c)の量が約3.5から約20重量%までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記架橋水性エマルションポリマー中のモノマー(d)の量が0から約45重量%までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記水性エマルションポリマーのpHが少なくとも6である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
非重合性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記剥離可能型耐水白化性感圧接着剤が、接着不充分状態で約2.5ポンド毎インチ剥離力より小さい剥離強度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記モノマー(a)が、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記モノマー(b)が、モノオレフィン性モノカルボン酸、モノオレフィン性ジカルボン酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記モノマー(c)が、アクロレイン、メタアクロレイン、ビニルベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、式
【化1】


(式中、Rは、−H又は−CHであり、Rは、−H又は炭素原子1から3個のアルキルであり、Rは、炭素原子1から3個のアルキルであり、Rは、炭素原子1から4個のアルキルである)
によって表される(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、アセト酢酸ビニル、アセト酢酸アリル、ビニルメチルケトン、ビニルベンゼンメチルケトン、メタクリル酸アセトアセトキシエチル、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、ビニルブチルケトン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリラート、アクリル酸アセトニル、2−ヒドロキシプロピルアクリラート−アセチルアセタート、1,4−ブタンジオールアクリラート−アセチルアセタート、又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記モノマー(d)が、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記重合可能な界面活性剤が、スルホン酸アリルアミン部分、硫酸アリルアミン部分、又はリン酸アリルアミン部分から選択される親水性部分と、−R、又は式RO−(CHCHO)−であって、Rがアルキル基又はアルキル置換フェニル基であり、前記アルキル基が1から20個の炭素原子を有しており、nが2から100までの整数であるものから選択される親水性部分とを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化2】


(式中、Rは、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するアルキルベンゼンスルホン酸のアリルアミン塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化3】


(式中、Rは、1から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは、2から100までの整数であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するアルキルエーテル硫酸のアリルアミン塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化4】


(式中、Rは、アルキル又はアルキル置換フェニル基であり、前記アルキル基は、1から20個の炭素原子を有しており、nは、2から100までの整数であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有するリン酸エステルのアリルアミン塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記重合可能な界面活性剤が、式
−SO−+X−CH−CH=CH
(式中、Rは、6から20個の炭素原子を有するアルキル基であり、Xは、NHNH、又はNHR(ここで、R及びRは、独立にC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル基から選択される)から選択される)
を有する硫酸エステルのアリルアミン塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化5】


(式中、Rは、6から18個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル又はアラルキル基であり、Rは、水素原子又は6から18個の炭素原子を含有するアルキル、アルケニル又はアラルキル基であり、Rは、水素原子又はプロペニル基であり、Aは、2から4個の炭素原子を含有する無置換又は置換アルキレン基であり、nは、1から約200までの整数であり、Mは、アルカリ金属、アンモニウムイオン、又はアルカノールアミン残基である)
を有する置換フェニル化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化6】


を有する置換フェニル化合物である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
が、アルキルであり、Aが、エチレンであり、Mが、アルカリ金属又はアンモニウムである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
が、ノニルであり、nが、約10から約30までであり、Mが、アンモニウムである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化7】


(式中、R10は、8から30個の炭素原子を含有するアルキル基であり、R11は、水素又はメチルであり、Aは、2から4個の炭素原子を有する無置換又は置換アルキレン基であり、nは、0又は1から約200までの整数であり、Mは、アルカリ金属、アンモニウムイオン、又はアルカノールアミン残基である)
を有するポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記重合可能な界面活性剤が、式
【化8】


(式中、R10は、8から14個の炭素原子を含有するアルキル基であり、nは、1から約200までの整数である)
を有するポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩である、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポリヒドラジドが、ジヒドラジド、トリヒドラジド、テトラヒドラジド、ビス−セミカルビジド、芳香族ポリカルボン酸ポリヒドラジド、又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記ポリヒドラジドが、式
【化9】


(式中、R10は、0から約10個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン基、4から約8個の炭素原子を有する二価の脂環基、二価の芳香環、又は
【化10】


(式中、当該環は、脂環又は芳香環であり、Xは、−O−、−S−、−SO−、又は−C(O)−から選択される)
から選択される)
によって表されるジヒドラジド;式
【化11】


(式中、Rは、2から約7個の炭素原子を有する二価の直鎖状若しくは分枝状アルキレン基又は6から8個の炭素原子を有する二価の炭素環基である)
によって表されるビス−セミカルバジド;式
【化12】


(式中、R〜Rは、独立にH若しくはOHから選択され、pは0から3までの整数であり、qは2から8までの整数であり、但しp+q≦8であり、且つp<qである)
によって表されるトリヒドラジド;又はそれらの混合物から選択される、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記ポリヒドラジドが、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,1,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,2,5−ペンタントリカルボヒドラジド、1,3,6−ヘキサントリカルボヒドラジド、1,3,7−ヘプタントリカルボヒドラジド、1−ヒドロキシ−1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、又はそれらの混合物から選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
非重合性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
(a)アルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は、スチレン系モノマー少なくとも1つとアルコールのアルキル部分が直鎖状であるか又は分枝状であり、少なくとも4個の炭素原子を含有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル少なくとも1つとの混合物から選択される少なくとも1つの疎水性モノマー(ここで、スチレン系モノマーが存在するとき、前記スチレン系モノマーは疎水性モノマー混合物全体の約30重量%以下の量で存在する)の約70から約90重量%と、
(b)少なくとも1つの親水性モノマーの約2から約10重量%と、
(c)アルデヒド又はケトン基を有する少なくとも1つのモノオレフィン性不飽和モノマーの3を超え約20重量%までと、
(d)アルコールのアルキル部分が1から2個の炭素原子を有するアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、N−ビニル−2−ピロリドン、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分的に親水性のモノマーの0から約45重量%までと、更に
(e)末端アリルアミン部分を有する化合物、少なくとも1つのアルケニル置換基を有する置換フェニル化合物、ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性の重合可能な界面活性剤の約0.1から約5重量%と
を含む架橋水性エマルションポリマーを含む剥離可能型耐水白化性感圧接着剤であって、前記架橋水性エマルションポリマーは、少なくとも1つのポリヒドラジド架橋剤により架橋されており、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の重量%及び重合可能な界面活性剤(e)の重量%は、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいており、前記架橋水性エマルションポリマーの平均粒径が約400nm未満である、上記接着剤。
【請求項29】
前記ポリヒドラジドが、式
【化13】


(式中、R10は、0から約10個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン基、4から約8個の炭素原子を有する二価の脂環基、二価の芳香環、又は
【化14】


(式中、当該環は、脂環又は芳香環であり、Xは、−O−、−S−、−SO−、又は−C(O)−から選択される)
から選択される)
によって表されるジヒドラジド;式
【化15】


(式中、Rは、2から約7個の炭素原子を有する二価の直鎖状若しくは分枝状アルキレン基又は6から8個の炭素原子を有する二価の炭素環基である)
によって表されるビス−セミカルバジド;式
【化16】


(式中、R〜Rは、独立にH若しくはOHから選択され、pは、0から3までの整数であり、qは2から8までの整数であり、但しp+q≦8であり、且つp<qである)
によって表されるトリヒドラジド;又はそれらの混合物から選択される、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記ポリヒドラジドが、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,1,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,2,5−ペンタントリカルボヒドラジド、1,3,6−ヘキサントリカルボヒドラジド、1,3,7−ヘプタントリカルボヒドラジド、1−ヒドロキシ−1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、又はそれらの混合物から選択される、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記ポリヒドラジドが、脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドである、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
前記ポリヒドラジドが、アジピン酸ジヒドラジドである、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
非重合性界面活性剤を更に含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項34】
(a)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルの混合物、又はスチレンとアクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルの少なくとも1つとの混合物(ここで、スチレンが存在するとき、前記スチレンは疎水性モノマー混合物全体の約30重量%以下の量で存在する)から選択される少なくとも1つの疎水性モノマーの約70から約90重量%と、
(b)アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの親水性モノマーの約2から約10重量%と、
(c)ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンアクリラート、アクロレイン、又はそれらの混合物から選択されるアルデヒド又はケトン基を有する少なくとも1つのモノオレフィン性不飽和モノマーの約3.5から約20重量%と、
(d)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分的に親水性のモノマーの0から約25重量%と、
(e)末端アリルアミン部分を有する化合物、少なくとも1つのアルケニル置換基を有する置換フェニル化合物、ポリオキシアルキレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸塩、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1つの水溶性又は水分散性の重合可能な界面活性剤の約0.1から約5重量%と、更に
(f)少なくとも1つの非重合性イオン界面活性剤の約0.1から約2重量%と
を含む架橋水性エマルションポリマーを含む剥離可能型耐水白化性感圧接着剤であって、前記架橋水性エマルションポリマーは、少なくとも1つのポリヒドラジド架橋剤の有効量で架橋されており、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の重量%、重合可能な界面活性剤(e)の重量%、及び非重合性界面活性剤(f)の重量%は、モノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいており、前記架橋水性エマルションポリマーの平均粒径が、約400nm未満である、上記接着剤。
【請求項35】
前記ポリヒドラジドが、式
【化17】


(式中、R10は、0から約10個の炭素原子、好ましくは2から10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の二価のアルキレン基、4から約8個の炭素原子を有する二価の脂環基、二価の芳香環、又は
【化18】


(式中、当該環は、脂環又は芳香環であり、Xは、−O−、−S−、−SO−、又は−C(O)−から選択される)
から選択される)
によって表されるジヒドラジド;式
【化19】


(式中、Rは、2から約7個の炭素原子を有する二価の直鎖状若しくは分枝状アルキレン基又は6から8個の炭素原子を有する二価の炭素環基である)
によって表されるビス−セミカルバジド;式
【化20】


(式中、R〜Rは、独立にH若しくはOHから選択され、pは、0から3までの整数であり、qは2から8までの整数であり、但しp+q≦8であり、且つp<qである)
によって表されるトリヒドラジド;又はそれらの混合物から選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
前記ポリヒドラジドが、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,1,4−ブタントリカルボヒドラジド、1,2,5−ペンタントリカルボヒドラジド、1,3,6−ヘキサントリカルボヒドラジド、1,3,7−ヘプタントリカルボヒドラジド、1−ヒドロキシ−1,2,4−ブタントリカルボヒドラジド、又はそれらの混合物から選択される、請求項34に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−501329(P2006−501329A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539980(P2004−539980)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/030418
【国際公開番号】WO2004/029172
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(505000055)サーフェース スペシャリティーズ、エス.エイ. (10)
【Fターム(参考)】