説明

割り当て無線リソース決定方法、割り当て無線リソース決定装置、無線通信システム、およびコンピュータプログラム

【課題】 送信情報ビット数を高めながら省電力化を実現することが可能な、割り当て無線リソース決定方法、割り当て無線リソース決定装置、無線通信システム、およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 割り当て無線リソース決定方法は、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定方法であって、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算するステップと、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定するステップと、を備え、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、割り当て無線リソース決定方法、割り当て無線リソース決定装置、無線通信システム、およびコンピュータプログラム。
【背景技術】
【0002】
3GPPのLTEなどの無線通信システムにおける一般的なスケジューラは、送信情報ビット数を向上させるために、通信路品質に応じて割り当て指標を計算し、その割り当て指標に従って無線リソースを割り当てる。上記において、3GPPは、3rd Generation Partnership Projectの略であり、LTEは、Long Term Evolutionの略である。一方、消費電力の低減を目的とした省電力スケジューラも検討されている。例えば、非特許文献1には、CSDP(Channel State Dependent Packet)スケジューラが開示されている。
【0003】
非特許文献1記載のスケジューラは、通信路品質が高い受信機を優先してリソース割り当てを行うことで省電力化を実現する。図12は、非特許文献1に記載されるスケジューラにおける無線リソースの割り当て方法を説明する図である。図12から諒解されるように、該スケジューラは、通信路品質の指標として受信機の受信信号レベルPrを用いて受信機の通信路品質を判定する。受信信号レベルPrがしきい値Pth以上の場合はGood Stateと判定し、受信信号レベルPrがしきい値Pth未満の場合はBad Stateと判定する。そして、該スケジューラは、Good Stateと判定された受信機に対して優先的に無線リソースを割り当てる。Good Stateの受信機を優先することで、単位電力当りの送信レートが増加する。その結果、送信時間を短縮できるので、省電力化を実現できる。
【0004】
しかしながら、非特許文献1記載のスケジューラにおいて、受信機の数が多い場合にはBad State受信機への無線リソース割り当てがなかなか行われないため、受信処理が遅れ、Bad State受信機の要求遅延を満足できなくなる可能性がある。反対に、受信機の数が少ない場合にはBad State受信機にも頻繁に無線リソースが割り当てられることになるため、単位電力当たりの送信レートが低下し、結果として、省電力効果を十分に得ることができなくなる虞がある。
【0005】
一方、非特許文献2は、通信路品質と要求遅延とを考慮して割り当てを行なうことで、要求遅延を満足しつつ送信情報ビット数を最大化するためのスケジューラを提案する。非特許文献2記載のスケジューラは、PHY層(Physical layer)で測定した通信路品質とMAC層(Media Access Control layer)で測定した許容遅延までの余裕時間から割り当て指標を計算し、割り当て指標に従って無線リソースを割り当てる。
【0006】
ここで、通信路品質を用いた、LTEにおける下りリンクの無線リソース割り当て手順について説明する。帯域の割り当て単位をRB(Resource Block)と呼ぶ。端末は、通信路品質情報としてCQI(Channel Quality Indicator)を基地局に報告する。LTEの仕様では、複数の連続したRBから構成されるRBG(RB Group)が規定されおり、CQIは連続した複数のRBG単位で報告される。CQIは、データチャネルの通信路品質を量子化したもので、LTEの仕様においてテーブルとして定義されている(非特許文献3)。CQIのテーブルには目標誤り率を達成する変調方式、符号化率、伝送効率が与えられており、CQI Indexは伝送効率が低いものから昇順に決められている。変調方式や符号化率が与えられているので、目標誤り率を達成するのに必要な通信路品質SINR(Signal to Noise plus Interference Ratio)を計算しておくことができる。端末は、通信路品質を測定し、目標誤り率を達成できる範囲において、最も伝送効率が高いCQI Indexを基地局へ報告する。
【0007】
基地局は、割り当て可能なRBの中から端末への割り当てRBを決定し、決定した割り当てRBと報告されたCQIから送信データサイズTBS(Transport Block Size)を決定する。基地局は、端末に対して、割り当てRBと、TBSテーブルのIndexに該当するMCS(Modulation and Coding Scheme)のIndexと、を通知する。非特許文献3に記載されているように、LTEの仕様には、MCS IndexからTBS Indexへの変換について定義されている。基地局は、同一端末の割り当てRBに対しては、同一の変調方式と符号化率、即ち同一MCSを適用する。
【0008】
MCS Indexは、次のようにして決定される。まず、割り当てRBの各CQIを用いて、割り当てRBの平均的な通信路品質が計算される。平均的な通信路品質としては、SINRを用いるのが一般的である。即ち、各RBのCQIに対応する所要SINRを用いて、割り当てRBの平均的なSINRを計算する。基地局は、RB数毎のTBSテーブルを保有している。テーブルには、CQIと同様に、TBSのIndex毎の変調方式、符号化率、伝送効率、必要なSINRなどが与えられている。通常、基地局は、平均的なSINRを用いて、所要の誤り率を達成できる最大のTBSを選択する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】P. Bhaqwat、 P. Bhattacharya、 A. Krishna、 and S. K. “Tripathi、 “Enhancing throughput over wireless LANs using channel state dependent packet scheduling、” IEEE Proc. INFOCOM ’98、 Vol.3、 pp. 1103−1111、 San Francisco、 CA、 USA、 March 1998.
【非特許文献2】Y. J. Zhang and S. C. Liew、 ”Link−adaptive largest−weighted−throughput packet scheduling for real−time traffics in wireless OFDM networks、” in Proc. IEEE Global Telecommunications Conf.、 vol. 5、 pp. 5−9、 St. Louis、 MO、 2005.
【非特許文献3】3GPP TS 36.213 V8.8.0 (2009−09)、 3GPP TSG RAN EUTRAN Physical layer procedures.、 pp.25−33、47−48
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
非特許文献1と非特許文献2とを組み合わせた組み合わせ技術により、非特許文献1が抱える課題の1つ(受信機の数が多い場合にBad State受信機の要求遅延を満足することができない)は解決される。しかしながら、上記組み合わせ技術では、非特許文献1が抱える他の課題(受信機の数が少ない場合に省電力効果が十分に得られない)は、依然として解決されない。その理由は、上記組み合わせ技術は、受信機の数が少ない場合においてBad State受信機に頻繁に無線リソースが割り当てられる現象を回避できないからである。
【0011】
更に、上記組み合わせ技術を、例えば、LTEの下りリンクに適用した場合、帯域当たりの送信情報ビット数が低下し、省電力効果が十分に得られないという問題が予想される。帯域当たりの送信情報ビット数が低下する理由について説明する。図13は、非特許文献1と非特許文献2とを組み合わせた場合のスケジューラの課題を説明するための図であり、詳細には、割り当てられるRBG候補と通信路品質との関係を示す図である。図13において、横軸は周波数(各RBG候補の帯域)を示し、縦軸は通信路品質を示す。該スケジューラは、RBG単位で割り当てを行うものとする。また、図13において、黒丸は、各RBGの通信路品質を示している。上記スケジューラでは、単位時間当たりの送信データサイズが最大となるようにリソースの割り当て候補が決定されるため、通信路品質が高いRBGに対して相対的に通信路品質が低いRBGも含めた割り当てが行なわれる場合がある。例えば、図13に示すように、割り当て可能なRBG1−7のうち通信路品質が低いRBG2とRBG5を含めた割り当てが行われる。ここで、LTEでは、複数のRBGを同一端末に割り当てる場合、割り当てRBGの平均的な通信路品質を用いてMCSを決定する。従って、割り当て帯域に低い通信路品質をもつRBG(例えば、図13におけるRBG2およびRBG5)が含まれていると、伝送効率の高いMCSが選択できなくなる。その結果、帯域当たりの送信情報ビット数が低下する。
【0012】
本発明は、送信情報ビット数を高めながら省電力化を実現することが可能な、無線リソース割り当て方法、無線リソース割り当て装置、無線通信システム、およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の割り当て無線リソース決定方法は、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定方法であって、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算するステップと、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定するステップと、を備え、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0014】
本発明の割り当て無線リソース決定装置は、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定装置であって、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する計算手段と、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する決定手段と、を備え、前記決定手段において、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0015】
本発明の無線通信システムは、受信機と、送信機と、前記受信機と前記送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソースを決定する割り当て無線リソース決定装置と、を備え、前記割り当て無線リソース決定装置は、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する計算手段と、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する決定手段と、を備え、前記決定手段において、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソースを決定する装置のコンピュータに、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する機能と、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する機能と、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する機能とを実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、送信情報ビット数を高めながら省電力化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態の無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における割り当て部の動作手順例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態の割り当て部における割り当てRBG候補の選択動作の具体例を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における割り当て部の動作手順例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態の割り当て部における、割り当てRBG候補の選択動作の具体例を説明するための図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態における割り当て部の動作手順例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態の割り当て部における、割り当てRBG候補の選択の動作の具体例を説明するための図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の無線通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施形態における割り当て部の動作手順例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5の実施形態の無線リソース割り当て装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】非特許文献1に記載されるスケジューラにおける無線リソースの割り当て方法を説明する図である。
【図13】非特許文献1と非特許文献2とを組み合わせた場合のスケジューラの課題を説明するための図であり、詳細には、割り当てられるRBG候補と通信路品質との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
本実施形態では、LTEの下りリンクを例に説明する。また、下りリンクの場合の無線アクセス方式は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)であるので、隣接していないRBを割り当てることができる。なお、本実施形態では、割り当て単位をRBGとする。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態における無線通信システムの構成例を示すブロック図である。本無線通信システムは、基地局100と、端末200とを含む。下りリンクの場合、基地局100は送信機として機能し、端末200は受信機として機能する。基地局100と端末200は無線回線を介して接続される。基地局100は、端末200以外の端末(不図示)と接続することができる。また、基地局100は、ネットワーク(不図示)を介して、他の基地局(不図示)と接続されている。
【0021】
基地局100は、送受信部101と、リファレンス信号発生部102と、割り当て部103とを備える。
【0022】
送受信部101は、一般的な基地局の送受信部と同等の機能を有している。さらに、本実施形態において、送受信部101は、割り当て部103から通知される無線リソース割り当て情報に基づいた端末200へのデータ送信を行う。さらに、送受信部101は、リファレンス信号発生部102で発生したリファレンス信号の端末200への送信、端末200から通知される通信路品質情報の割り当て部103への通知などを行う。本実施形態では、RB毎の送信電力は予め設定された固定値を割り当てる。また、本実施形態では、通信路品質情報の一例としてCQIを用いる。
【0023】
リファレンス信号発生部102は、リファレンス信号を所定のタイミングで発生させるとともに、該発生したリファレンス信号を送受信部101へ送信する。
【0024】
割り当て部103は、送受信部101から通知されるCQIに基づいて端末200への割り当てRBGを選択し、選択された割り当てRBGについての情報を含む無線リソース割り当て情報を送受信部101に送信する。
【0025】
割り当て部103は、割り当て決定部104と、第1割り当て候補選択部105と、第2割り当て候補選択部106とを備える。
【0026】
割り当て決定部104は、送受信部101を介して端末200から受信したCQIから品質指標を計算する。割り当て決定部104は、第1割り当て候補選択部105へ、計算した品質指標および割り当てRBG候補(この場合、更新前の割り当てRBGでもよく、あるいは、例えば、第2割り当て候補選択部106によって更新された割り当てRBG候補でもよい)を入力する。割り当て決定部104には、第1割り当て候補選択部105から、更新された割り当てRBG候補が入力される。また、割り当て決定部104は、第2割り当て候補選択部106へ、CQIおよび割り当てRBG候補(この場合、更新前の割り当てRBG候補でもよく、あるいは、例えば、第1割り当て候補選択部105によって更新された割り当てRBG候補でもよい)を入力する。割り当て決定部104には、第2割り当て候補選択部106から、更新された割り当てRBG候補が入力される。そして、割り当て決定部104は、第1割り当て候補選択部105および第2割り当て候補選択部106の双方によって更新された割り当てRBG候補を端末200への割り当てRBGとして選択する。割り当て決定部104は、割り当てRBGとMCS Indexとを含む無線リソース割り当て情報を、送受信部101へ入力する。
【0027】
第1割り当て候補選択部105は、品質指標に基づいて、割り当て決定部104から入力された割り当てRBG候補の中から送信情報ビット数が高いRBG候補を選択し、選択したRBG候補を割り当て決定部104へ通知する。なお、本実施形態では、送信情報ビット数としてTBSを用いる。
【0028】
第2割り当て候補選択部106は、RBG数削除率R_RbgReduceを設定する機能を有する。第2割り当て候補選択部106は、RBG数削除率R_RbgReduceとCQIとを用いて割り当て決定部104から入力された割り当てRBG候補の中から帯域当たりの送信ビット指標が高いRBG候補を選択し、選択したRBG候補を割り当て決定部104へ通知する機能を有する。なお、本実施形態では、帯域当たりの送信ビット指標として、帯域当たりの送信情報ビット数(TBS/RBG数)を用いる。
【0029】
端末200は、送受信部201と通信路品質測定部202とを備える。
【0030】
送受信部201は、一般的な端末の送受信部と同等の機能を有している。本実施形態において、送受信部201は、基地局100から受信したリファレンス信号の通信路品質測定部202への通知や、通信路品質測定部202から通知される通信路品質情報の基地局100への報告などを行う。
【0031】
通信路品質測定部202は、リファレンス信号の通信路品質を測定し、送受信部201に通信路品質情報として報告する機能を有する。通信路品質情報としてCQIを報告する。
【0032】
図2は、第1の実施形態における割り当て部103の動作手順例を示すフローチャートである。
【0033】
まず、割り当て決定部104は、各RBGの品質指標Met(k、i、t)の平均値AveMet(k、t)が最大となる端末を割り当て端末として選択する(ステップS11)。kは端末番号、iはRBG番号、tは時刻を表す。AveMet(k、t)は、以下の式(1)を用いて計算することができる。


【0034】
品質指標の計算方法について説明する。本実施形態では、品質指標Met(k、i、t)として、PF(Proportional Fairness)スケジューラのメトリックを用いる。PFスケジューラは、伝搬路品質を用いることで、公平性を考慮しながら、スループット改善を実現するスケジューラである。Met(k、i、t)は、以下の式(2)を用いて計算することができる。


【0035】
ここで、TBS_RBG(k、i、t)は、時刻t、RBGiで送信可能なTBSを示す。また、TBS_Ave(k、t)は、時刻tにおける平均TBSを示す。TBS_RBG(k、i、t)は、CQIとRB数を用いて、一意に計算されるTBS Indexから求められる(詳細は背景技術で説明)。また、TBS_Ave(k、t)は、以下の式(3)を用いて計算することができる。


【0036】
ここで、δ(t)は時刻tにおける割り当て指示子を示しており、データを送信する場合は1でそれ以外は0とする。また、wは平滑化の重み付け係数を示す。TBS_Inst(t)は、時刻tで割り当てたRBGのTBSを示す。割り当てがなされない場合、TBS_Inst(t)は、0となる。
【0037】
図2の説明に戻り、割り当て決定部104は、割り当て可能な全RBGを対象に、割り当て端末の品質指標が最上位であるRBGを割り当てRBG候補として選択する(ステップS12)。
【0038】
第1割り当て候補選択部105は、割り当て決定部104から入力された割り当てRBG候補の中からTBSが最大となるRBGの組み合わせを検索して割り当てRBG候補として選択し、更新された割り当てRBG候補として、割り当て決定部104へ出力する(ステップS13)。
【0039】
第2割り当て候補選択部106は、割り当て決定部104から通知される割り当てRBG候補(例えば、第1割り当て候補選択部105で更新された割り当て候補RBG)とRBG数削減率R_RbgReduceとを用いて、削除するRBG数Nを以下の式(4)を用いて計算する(ステップS14)。


【0040】
式(4)において、N_RbgCandは、割り当て決定部104から入力された割り当て候補RBG数を表す。また、floor(x)は、xを上回らない最大の整数を返す関数である。
【0041】
第2割り当て候補選択部106は、割り当て決定部104から通知される割り当てRBG候補の中から品質指標が低い順にN個のRBGを削除したRBG候補を、更新された割り当てRBG候補として、割り当て決定部104へ出力する(ステップS15)。
【0042】
割り当て決定部104は、第1割り当て候補選択部105および第2割り当て候補選択部106の双方によって更新された割り当てRBG候補を、ステップS11において選択された端末に対して割り当てる(ステップS16)。
【0043】
図3は、第1の実施形態の割り当て部103における割り当てRBG候補の選択動作の具体例を説明するための図である。詳細には、図3は、本実施形態の割り当て部103における、品質指標が最上位であるRBGを割り当てRBG候補として選択した後(図2においてS12の処理後)から、最終的な割り当てRBG候補の選択が完了するまで(図2においてステップS15の処理後)の具体的な動作例を示す。なお、本具体例では、RBG数削除率R_RbgReduceを0.5に設定する。これにより、割り当てRB数が最大半分になるので、送信遅延時間が最大で2倍になる。図3において、太破線で示す大四角形は各第1〜第3割り当てRBG候補を示し、実線で示す小四角内の各番号は各RBGのCQI Indexを示し、小四角の横の番号はRBG番号を示す。また、図3の下部において、各割り当て候補のRBG数、各割り当てRBG候補において選択できるMCS IndexとTBS、帯域当たりの送信ビット指標を示す。本実施形態において、帯域当たりの送信ビット指標は、RBG当たりのTBS(TBS/RBG数)とする。帯域当たりの送信ビット指標が高いほど、所定のデータサイズの送信に必要な延べRBG数を低減できるので、省電力効果が高くなる。
【0044】
まず、図3において、ステップ12処理後の割り当てRBG候補(すなわち、割り当て端末の品質指標が最上位のRBGである割り当てRBG候補)を、第1割り当てRBG候補と定義する。そして、背景技術で示した方法で計算した結果、第1割り当てRBG候補のMCS Indexが14となり、TBSが450ビットになったと仮定する。
【0045】
図3に示すように、ステップS13の処理が実行されることにより、第1割り当てRBG候補から、TBSが最大となる第2割り当てRBG候補が選択される。その結果、CQIが最も低いRBG#4が候補から削除されることにより候補の平均的な通信路品質が大きくなる。従って、第2割り当てRBG候補は、第1割り当てRBG候補より大きいMCS Index(=15)を選択することができる。
【0046】
次に、図3には示さないが、ステップS14の処理が実行されることにより、削除するRBG数Nは、floor(6*0.5)=3と計算される。そして、図3に示すように、ステップS15の処理が実行されることにより、第2割り当てRBG候補から、品質下位の3つのRBGが削除された第3割り当てRBG候補が選択される。ステップS13と同様の傾向で、CQIが低いRBGが削除されることにより候補の平均的な通信路品質が大きくなり、その結果、第3割り当てRBG候補は、第2割り当てRBG候補に比べて大きいMCS Index(=17)を選択することができる。
【0047】
本具体例から明らかなように、第3割り当てRBG候補において、帯域当たりの送信ビット指標は、TBSを最大化した第2割り当てRBG候補の83から133へ改善する。
【0048】
以上説明した第1の実施形態によれば、TBSを考慮して割り当てRBG候補を選択するため、送信情報ビット数を考慮したRBG選択ができる。さらに、第1の実施形態では、割り当てRBG候補から通信路品質の低いRBGを削除するので、伝送効率の高いMCSを選択することができ、その結果、送信に必要な延べRBG数が低減できるので、省電力化を実現できる。すなわち、以上説明した第1の実施形態によれば、送信情報ビット数を高めながら省電力化を実現することが可能となる。
【0049】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の第1の実施形態に対する違いは、図1に示す割り当て部103の動作が異なる点にあり、本実施形態における構成は第1の実施形態(図1)と同様である。従って、構成についての説明は省略し、以下、動作の違いについてのみ説明する。
【0050】
図4は、本実施形態における、割り当て部103の動作手順例を示すフローチャートである。図4に示す本実施形態の動作手順例の場合、図2に示す第1の実施形態の動作手順例に対して、ステップS13の処理がステップS14およびステップS15の処理が実行された後に実行される点が異なる。すなわち、第1の実施形態と第2の実施形態とでは処理の順番が異なる。なお、図4における各ステップS11〜S16の処理内容自体は、第1の実施形態(図2に示すフローチャート)と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0051】
図5は、第2の実施形態の割り当て部103における割り当てRBG候補の選択動作の具体例を説明するための図である。詳細には、図5は、本実施形態の割り当て部103における、品質指標が最上位であるRBGを割り当てRBG候補として選択した後(図4においてS12の処理後)から、最終的な割り当てRBG候補の選択が完了するまで(図4においてステップS13の処理後)の具体的な動作例を示す。なお、第2の実施形態において、RBG数削除率R_RbgReduceは、第1の実施形態と同様0.5とする。また、図5において、ステップ12処理後の割り当てRBG候補(すなわち、割り当て端末の品質指標が最上位のRBGである割り当てRBG候補)を、第1割り当てRBG候補と定義する。
【0052】
まず、図5には示さないが、ステップS14の処理が実行されることにより、削除するRBG数Nは、第1割り当て候補のRBG数とR_RbgReduceから、floor(7*0.5)=3と計算される。そして、図5に示すように、ステップS15の処理が実行されることにより、第1割り当てRBG候補から、品質下位の3つのRBGが削除された第2割り当てRBG候補が選択される。次に、図5に示すように、ステップS13の処理が実行されることにより、第2割り当てRBG候補から、TBSが最大となる第3割り当てRBG候補が選択される。
【0053】
以上説明した第2の実施形態によれば、一定値のRBG数の削減の下で、送信情報ビット数が最大となる割り当てRBG候補を選択することができる。
【0054】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態における無線通信システムの構成例を示すブロック図である。図1に示す第1の実施形態の無線通信システムとの違いは、割り当て部103Aの構成にある。割り当て部103Aは、図1に示す割り当て部103を構成する第2割り当て候補選択部106に替えて第3割り当て候補選択部107を備える。
【0055】
第3割り当て候補選択部107は、帯域当たりの送信ビット指標の目標値TE_targetを設定する機能と、帯域当たりの送信ビット指標TEを計算する機能と、を備える。さらに、第3割り当て候補選択部107は、TE_targetとTEとCQIとを用いて、割り当て決定部104から入力された割り当てRBG候補の中から帯域当たりの送信ビット指標が高いRBG候補を選択し、選択したRBG候補を割り当て決定部104へ通知する機能を有する。
【0056】
図7は、本実施形態における割り当て部103の動作手順例を示すフローチャートである。図2に示す第1の実施形態の動作手順と比較すると、図7において、図2におけるステップS14およびステップS15に替えてステップS21〜S25が実行される。図7におけるその他の処理(ステップS11〜S13およびS16)は、第1の実施形態と同じであるため、以下においてこれらの説明については省略する。
【0057】
第3割り当て候補選択部107は、ステップS13が実行された後に割り当て決定部104から通知される割り当てRBG候補(例えば、第1割り当て候補選択部105で更新された割り当て候補RBG)の帯域当たりの送信ビット指標TE0を計算する(ステップS21)。なお、本実施形態では、帯域当たりの送信ビット指標として、帯域当たりの送信情報ビット数(TBS/RBG数)を用いる。
【0058】
次に、第3割り当て候補選択部107は、計算されたTE0を用いて、以下の式(5)により、帯域当たりの送信ビット指標の目標値TE_Targetを計算する(ステップS22)。


【0059】
ここで、aは改善率を示す係数で正の値とする。例えば、a=1.2とすると、TE0に対する改善率は20%となる。
【0060】
次に、第3割り当て候補選択部107は、割り当てRBG候補から品質指標が最も低いRBGを削除した候補の帯域当たりの送信ビット指標TEを計算する(ステップS23)。第3割り当て候補選択部107は、TEとTE_targetを比較する(ステップS24)。TEがTE_Target未満の場合(ステップS24においてNo判定)、第3割り当て候補選択部107は、その時点の候補を割り当てRBG候補として更新(ステップS25)し、ステップS23を再び実行する。一方、TEがTE_Target以上の場合(ステップS24においてYes判定)、第3割り当て候補選択部107は、その時点の候補を割り当て決定部104へ出力として返す。割り当て決定部104は、第3割り当て候補選択部107で更新された割り当てRBG候補を、選択された端末に割り当てる(ステップS16)。
【0061】
図8は、第3の実施形態の割り当て部103Aにおける割り当てRBG候補の選択動作の具体例を説明するための図である。詳細には、図8は、本実施形態の割り当て部103Aにおける、品質指標が最上位であるRBGを割り当てRBG候補として選択した後(図7においてS12の処理後)から、最終的な割り当てRBG候補の選択が完了するまで(図7においてステップS24の処理後)の具体的な動作例を示す。なお、本具体例では、式(5)の改善率を示す係数aを1.2とする。また、図8において、ステップ12処理後の割り当てRBG候補(すなわち、割り当て端末の品質指標が最上位のRBGである割り当てRBG候補)を、第1割り当てRBG候補と定義する。
【0062】
まず、ステップS13の処理が実行されることにより、第1割り当てRBG候補からTBSが最大となる第2割り当てRBG候補が選択される。ステップS21が実行されることにより、第2割り当てRBG候補の帯域当たりの送信ビット指標TE0は500/6=83と計算される。ステップS22が実行されることにより、第2割り当てRBG候補の帯域当たりの送信ビット指標の目標値TE_Targetは83*1.2=99.6と計算される。ステップS23が実行されることにより、第2割り当てRBG候補から品質下位のRBG#7を削除した第3割り当てRBG候補の帯域当たりの送信ビット指標TEが、450/5=90と計算される。ステップS24において、TE(=90)がTE_Target(=99.6)未満と判定されるため、第3割り当てRBG候補を割り当て候補として更新し、ステップS23から再度実行される。ステップS23が再び実行されることにより、さらに、第3割り当てRBG候補から品質下位のRBG#5を削除した第4割り当てRBG候補の帯域当たりの送信ビット指標TEが、420/4=105と計算される。この場合、ステップS24において、TE(=105)がTE_Target(=99.6)以上と判定されるため、第4割り当てRBG候補が、最終的な割り当てRBG候補として選択される。
【0063】
以上説明した第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、TBSを考慮して割り当てRBG候補を選択するため、送信情報ビット数を考慮したRBG選択ができる。さらに、第3の実施形態では、割り当てRBG候補から通信路品質の低いRBGを削除して、帯域当たりの送信ビット指標が基準値以上のリソースブロックを割り当て候補として選択する。従って、伝送効率の高いMCSを選択することができ、その結果、送信に必要な延べRBG数が低減できるので、省電力化を実現できる。
【0064】
[第4の実施形態]
図9は、本発明の第4の実施形態の無線通信システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態を上りリンクに適用した構成例である。上りリンクの場合、端末は送信機、基地局は受信機としてそれぞれ機能する。図9の基地局300の割り当て部103Bにおいて、図1に示す第1割り当て候補選択部105に替えて第4割り当て候補選択部108が設けられる。また、図9に示すように、本実施形態の無線通信システムにおいて、図1では端末200に存在した通信路品質測定部202が基地局300に設けられる。一方、本実施形態の無線通信システムにおいて、図1では基地局100に存在したリファレンス信号発生部102が端末400に設けられる。
【0065】
本実施形態において、端末400を構成する送受信部201は、リファレンス信号発生部102で発生したリファレンス信号の基地局300への送信や、基地局300から通知されるスケジューリング情報に従った基地局300へのデータ送信などを行う。
【0066】
本実施形態において、上りリンクの無線アクセス方式は、SC−FDMA(Single Carrier FDMA)であり、連続したRB群を割り当てる。本実施形態における割り当て単位はRBとする。
【0067】
図10は、本実施形態における割り当て部103Bの動作手順例を示すフローチャートである。図2に示す第1の実施形態の動作手順例と比較すると、図10において、図2におけるステップS12に替えてステップS31が実行される。また、割り当て単位は、RB単位である。図10におけるその他の処理(ステップS11、S13〜S16)は、第1の実施形態と同じであるため、以下においてこれらの説明については省略する。
【0068】
第4割り当て候補選択部108は、割り当て可能な全RBを対象に、連続したRBの中で、割り当て端末の品質指標が最大となるRB群をRB候補として選択する(ステップS31)。
【0069】
以上説明した第4の実施形態によれば、無線通信システムにおける上りリンクにおいても、第1の実施形態と同様に、送信情報ビット数を高めながら省電力化を実現することが可能となる。
【0070】
[第5の実施形態]
図11は、本発明の第5の実施形態の無線リソース割り当て装置500の構成例を示すブロック図である。無線リソース割り当て装置500は、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する無線リソースを割り当てる装置である。無線リソース割り当て装置500は、計算部502(計算手段)と、決定部504(決定手段)とを備える。
【0071】
計算部502は、送信機と受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する。
【0072】
決定部504は、第1の選択処理と第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する。第1の選択処理は、所定のリソースブロック群の中から上記品質指標値を用いて送信ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する。第2の選択処理は、所定のリソースブロック群の中から無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する。決定部504において、第1の選択処理および第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0073】
以上説明した第5の実施形態の構成により、送信情報ビット数を高めながら省電力化を実現することが可能となる。
【0074】
[その他の実施形態]
以上、本発明についていくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0075】
例えば、第3の実施形態において、帯域当たりの送信ビット指標として帯域当たりの送信情報ビット数(TBS/RBG数)を用いたが、これに限定されない。帯域当たりの送信ビット指標は、例えば、TBS IndexやMCS Indexとすることができる。
【0076】
また、第3の実施形態の第3割り当て候補部107における割り当てRBG候補の更新方法として、帯域当たりの送信ビット指標が最初に帯域当たりの送信ビット指標の目標値に達した時点の候補を割り当てRBG候補として選択していたが、これに限定されない。例えば、全組み合わせに対する帯域当たりの送信ビット指標を計算し、帯域当たりの送信ビット指標が最も高くなる組み合わせを割り当てRBG候補として選択しても良い。
【0077】
以上説明した第1〜第4およびその他の実施形態によれば、帯域当りの送信ビット指標が最大となるリソースブロックを割り当て候補として選択することができるので、伝送効率の高いMCSを選択することができ、その結果、送信に必要な延べRBG数が低減できるので、省電力化を実現できる。
【0078】
なお、以上説明した第1〜5およびその他の実施形態は、所定のハードウェア、例えば、回路として具現化することもできる。
【0079】
また、以上説明した第1〜5およびその他の実施形態は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、例えば、割り当て装置、基地局、無線通信システム内部の記憶媒体、あるいは、外部の記憶媒体に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。内部の記憶媒体としては、例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等を挙げることができる。また、外部の記憶媒体としては、例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等を挙げることができる。
【0080】
(付記1)
本発明の別の実施形態の割り当て無線リソース決定方法は、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定方法であって、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算するステップと、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定するステップと、を備え、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0081】
(付記2)
付記1に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記第2の選択処理は、前記第1の選択処理の選択結果に対して実行される。
【0082】
(付記3)
付記1に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記第1の選択処理は、前記第2の選択処理の選択結果に対して実行される。
【0083】
(付記4)
付記1〜3の何れかに記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記第2の選択処理は、所定数のリソースブロックを割り当て候補として選択する。
【0084】
(付記5)
付記4に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記所定数のリソースブロックは、通信路品質の低いリソースブロックを削除した結果として得られる。
【0085】
(付記6)
付記1〜3の何れかに記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記第2の選択処理は、帯域当りの送信ビット指標を計算し、前記帯域当りの送信ビット指標が所定の基準値以上のリソースブロックを割り当て候補として選択する。
【0086】
(付記7)
付記1〜3の何れかに記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記第2の選択処理は、帯域当りの送信ビット指標を計算し、前記帯域当りの送信ビット指標が最大となるリソースブロックを割り当て候補として選択する。
【0087】
(付記8)
本発明の別の実施形態である割り当て無線リソース決定装置は、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定装置であって、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する計算手段と、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する決定手段と、を備え、前記決定手段において、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0088】
(付記9)
本発明の別の実施形態である無線通信システムは、受信機と、送信機と、前記受信機と前記送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソースを決定する割り当て無線リソース決定装置と、を備え、前記割り当て無線リソース決定装置は、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する計算手段と、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する決定手段と、を備え、前記決定手段において、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する。
【0089】
(付記10)
本発明の別の実施形態であるコンピュータプログラムは、受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソースを決定する装置のコンピュータに、前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する機能と、所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する機能と、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する機能と、を実行させる。
【0090】
(付記11)
付記1に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記送信機は基地局であり、前記受信機は端末である。
【0091】
(付記12)
付記1に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記送信機は端末であり、前記受信機は基地局である。
【0092】
(付記13)
付記6または7に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記帯域当りの送信ビット指標とは、送信データサイズである。
【0093】
(付記14)
付記6または7に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記帯域当りの送信ビット指標とは、MCS Indexである。
【0094】
(付記15)
付記6または7に記載の割り当て無線リソース決定方法において、前記帯域当りの送信ビット指標とは、TBS Indexである。
【符号の説明】
【0095】
100、300 基地局
101 送受信部
102 リファレンス信号発生部
103、103A、103B 割り当て部
104 割り当て決定部
105 第1割り当て候補選択部
106 第2割り当て候補選択部
107 第3割り当て候補選択部
108 第4割り当て候補選択部
200、400 端末
201 送受信部
202 通信路品質測定部
500 無線リソース割り当て装置
502 計算部
504 決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定方法であって、
前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算するステップと、
所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定するステップと、
を備え、
前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行することを特徴とする割り当て無線リソース決定方法。
【請求項2】
前記第2の選択処理は、前記第1の選択処理の選択結果に対して実行されることを特徴とする請求項1に記載の割り当て無線リソース決定方法。
【請求項3】
前記第1の選択処理は、前記第2の選択処理の選択結果に対して実行されることを特徴とする請求項1に記載の割り当て無線リソース決定方法。
【請求項4】
前記第2の選択処理は、所定数のリソースブロックを割り当て候補として選択することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の割り当て無線リソース決定方法。
【請求項5】
前記所定数のリソースブロックは、通信路品質の低いリソースブロックを削除した結果として得られることを特徴とする請求項4記載の割り当て無線リソース決定方法。
【請求項6】
前記第2の選択処理は、帯域当りの送信ビット指標を計算し、前記帯域当りの送信ビット指標が所定の基準値以上のリソースブロックを割り当て候補として選択することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の割り当て無線リソース決定方法。
【請求項7】
前記第2の選択処理は、帯域当りの送信ビット指標を計算し、前記帯域当りの送信ビット指標が最大となるリソースブロックを割り当て候補として選択することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の割り当て無線リソース決定方法。
【請求項8】
受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソース決定装置であって、
前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する計算手段と、
所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する決定手段と、
を備え、
前記決定手段において、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行することを特徴とする割り当て無線リソース決定装置。
【請求項9】
受信機と、
送信機と、
前記受信機と前記送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソースを決定する割り当て無線リソース決定装置と、
を備え、
前記割り当て無線リソース決定装置は、
前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する計算手段と、
所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する決定手段と、
を備え、
前記決定手段において、前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行することを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
受信機と送信機の間で無線通信を行うために使用する割り当て無線リソースを決定する装置のコンピュータに、
前記送信機と前記受信機との間の無線通信路品質から品質指標値を計算する機能と、
所定のリソースブロック群の中から前記品質指標値を用いて送信情報ビット数が大きいリソースブロックを割り当て候補として選択する第1の選択処理と、所定のリソースブロック群の中から前記無線通信路品質が高いリソースブロックを割り当て候補として選択する第2の選択処理とを予め決定された順序で実行して、前記無線通信を行うための割り当てリソースブロックを決定する機能と、
前記第1の選択処理および前記第2の選択処理のうちの一方は、他方の選択結果に対して選択処理を実行する機能と
を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−134730(P2012−134730A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284614(P2010−284614)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】