説明

力率補正機能を用いて負荷を駆動するための回路および方法

【課題】本発明は、負荷を駆動する回路を提供する。
【解決手段】前記回路は、電力ライン、コンバータ回路、およびコントローラを具備している。電力ラインは、入力電流および入力電圧を供給するように動作可能である。電力ラインに結合されたコンバータ回路は、負荷を駆動するために入力電圧を調整電圧に変換するとともに、コンバータ回路を通して流れるコンバータ電流が所定レベルに低下したかどうかを示す電流検出信号を供給するように動作可能である。コンバータ回路に結合されたコントローラは、入力電流の波形が入力電圧の波形に追従するように、電流検出信号および入力電圧に基づいて回路の力率を補正するように動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷を駆動するための回路および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2009年6月22日に出願された、その発明の名称を「Circuits and Methods for Generating Alternating Current (AC) Power」と称する米国仮出願第61/219,087号の優先権を主張するものであり、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
現在、照明産業において、発光ダイオード(LED)などの光源が、例えば液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト、道路照明、および家電用に広く使用されている。直流(DC)光源は、例えばバッテリパックによって供給されるDC電力によって駆動される。電源としてAC電源が供給される場合、交流(AC)電力を適切なDC電力に変換するために変圧器およびコンバータなど追加の回路が使用される。
【0004】
いくつかの光源は、例えば、並列に結合され逆極性接続で配線されたLED列を含む光源がAC電力によって駆動される。しかし、AC電力、例えば正弦波電圧を有するAC電力の電圧変動によって、AC光源を通る電流の安定性が低下することがある。また、AC光源を駆動するのに、変圧器およびコンバータなどの回路を使用することがある。しかし、変圧器およびコンバータに含まれる、例えばコンデンサおよびインダクタといった非線形要素およびエネルギー貯蔵要素が、エネルギーを蓄積し、そのような回路の入力電流を歪ませることがある。したがって、電力効率を示す力率が劣化する恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、負荷を駆動するための回路は、電力ライン、コンバータ回路、およびコントローラを含む。電力ラインは、入力電流および入力電圧を供給するように動作可能である。電力ラインに結合されたコンバータ回路は、負荷を駆動するために入力電圧を調整電圧に変換し、かつコンバータ回路を通って流れるコンバータ電流が所定レベルに低下したかどうかを示す電流検出信号を供給するように動作可能である。コンバータ回路に結合されたコントローラは、電流検出信号および入力電圧に基づいて、入力電流の波形が入力電圧の波形に追従するように回路の力率を補正するように動作可能である。
【0006】
図面の参照とともに以下の詳細な説明により、発明の主題の実施形態の特徴および利点は明らかになるであろう。同一の参照符号は同一の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態による、負荷を駆動する回路のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による、負荷を駆動する回路を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、負荷を駆動する回路によって生成された信号のタイミング図である。
【図4】本発明の一実施形態による、ZCD回路および駆動回路のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による、電流レギュレータおよび駆動回路のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による、負荷を駆動する回路の別のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による、負荷を駆動するための回路によって実行される動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態を詳細に記載する。これらの実施形態とともに本発明を説明する一方で、本発明をこれらの実施形態に限定するようには意図していないことが理解されよう。それとは逆に、本発明は、本発明の趣旨および範囲内に含まれ得る代替形態、修正および等価物を包含するように意図されている。
【0009】
さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明の十分な理解を提供するために多くの特定の詳細が説明される。しかし、本発明は、これら特定の詳細なしで実施され得ることが、当業者には理解されよう。他の例では、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素、および回路は詳細には説明されていない。
【0010】
本開示による実施形態は、負荷、例えばAC発光ダイオード(LED)を駆動するための回路を提供する。本発明は、一例としてAC LEDに関して説明される。しかし、本発明はAC LEDへの電力供給に限定されず、様々な光源および負荷に電力を供給するのに用いることができる。
【0011】
一実施形態では、回路は、電力ライン、コンバータ回路、およびコントローラを含む。電力ラインは、入力電圧および入力電流を供給するように動作可能である。コンバータ回路は、負荷、例えばAC LEDを駆動するために入力電圧を調整電圧に変換する。コンバータ回路は、コンバータ回路を通って流れるコンバータ電流が、ゼロアンペアなどの所定レベルに低下したかどうかを示す電流検出信号をさらに生成する。有利には、コントローラは、入力電圧および電流検出信号に基づいて回路の力率を補正することができ、入力電流波形の入力電圧波形への追従を達成する。そのため、回路の電力効率が改善する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による、負荷を駆動するための回路100のブロック図を示す。図1の例では、回路100は交流(AC)電源102、整流回路103、フィルタ105、コンバータ回路104、AC光源132などの負荷、およびコントローラ108を含む。AC電源102は、正弦波電圧波形を有する例えば120Vの入力AC電圧を生成する。整流回路103は、整流回路103の出力に結合された電力ライン101で、入力AC電圧を整流されたAC電圧へと整流する。したがって、電力ライン101は、入力電圧VINおよび入力電流IINを供給する。コンバータ回路104は、入力電圧VINを、入力電圧VINの電圧変動より電圧変動が小さい調整電圧VREGに変換するためのコンバータ110を含む。コンバータ回路104は、AC光源132を駆動するのに調整電圧VREGを用いるためのブリッジ回路112をさらに含む。一実施形態では、コントローラ108は、集積回路(IC)チップに一体化することができ、HDRピン、LDRピン、SENピン、VFFピン、ZCDピン、DRVピン、およびMONピンなど複数のピンを介してコンバータ回路104に結合される。コントローラ108は、コンバータ回路104を制御するのに使用される。
【0013】
AC光源132は、LED列132_1および132_2などの複数の発光ダイオード(LED)列を含むことができる。各LED列は、複数の直列接続されたLEDを含むことができる。図1の例には光源の2つの列が示されているが、本発明はそのようには限定されず、光源132は、他の数の光源列を含むことができる。LED列132_1および132_2は、逆極性接続で配線されて、コンバータ回路104の1対の出力端子間に並列に結合され得る。したがって、LED列132_1および132_2は、適切に動作するのにAC電力を必要とする。光源132は他の構成を有することができ、図1の例に限定されない。
【0014】
ブリッジ回路112は、AC光源132を駆動するのに調整電圧VREGを用いるように動作可能である。一実施形態では、コントローラ108は、HDRピンおよびLDRピンで、それぞれ複数のスイッチ制御信号160および161を生成することができる。HDRピンおよびLDRピンに結合されたブリッジ回路112は、スイッチ制御信号160および161に従って、調整電圧VREGを調整AC電圧VDRVへ変換してAC光源132に電力を供給するが、これは図2に関してさらに説明する。有利には、AC光源132は、入力AC電圧、例えば正弦波電圧波形を有するAC電圧によって直接駆動されるのでなく、調整電圧VREGから変換された調整AC電圧VDRVによって駆動される。調整AC電圧VDRVの電圧変動は、入力AC電圧の電圧変動より小さい。したがって、AC光源132の電流安定性が改善され得る。
【0015】
整流回路103は、半波整流器、全波整流器、またはブリッジ整流器を含むことができるが、これらには限定されない。整流回路103は、整流されたAC電圧を供給するために、AC電源102からの入力AC電圧を整流するように動作可能である。より詳細には、一実施形態では、整流回路103は、入力AC電圧の負の波形/部分を除外する、あるいは負の波形/部分を対応するプラスの波形に変換することができる。したがって、プラス電圧の波形/部分を有する入力電圧VINを、電力ライン101で得ることができる。別の実施形態では、直流電源、例えばバッテリパックで入力電圧VINを供給することができる。
【0016】
コンバータ110は、バックコンバータ、ブーストコンバータ、バックブーストコンバータ、またはフライバックコンバータなどのスイッチモードコンバータであり得るが、これらには限定されない。電力ライン101に結合されたコンバータ110は、入力電圧VINを調整電圧VREGに変換するように動作可能である。その上、コンバータ電流ICONは、コンバータ110を通って流れることができる。一実施形態では、コンバータ電流ICONの電流経路が有効であるON時間を通じてコンバータ電流ICONが一定速度で上昇し(ramp up)、また、電流経路が無効であるOFF時間を通じて実質的にゼロアンペアなどの所定レベルI1へ低下する。コンバータ110は、コンバータ電流ICONを示す電流監視信号152、およびコンバータ電流ICONが所定レベルI1に低下したかどうかを示すゼロ電流検出(ZCD)信号154をさらに生成することができる。電流監視信号152およびゼロ電流検出信号154は、それぞれピンMONおよびピンZCDを介してコントローラ108によって受け取られる。
【0017】
フィルタ105は、入力電流IINを得るためにコンバータ電流ICONの高周波成分をフィルタリングまたは減衰するように動作可能である。一実施形態では、フィルタ105は、アースに結合されたコンデンサを含むことができる。フィルタ105のコンデンサと整流回路103の等価抵抗とが、抵抗-コンデンサ(R-C)低域通過フィルタとして動作することができる。コンバータ電流ICONは、コンバータ110の電流経路が有効であるとき一定速度で上昇し、電流経路が無効であるとき一定速度で下降する。フィルタ105がコンバータ電流ICONの高周波成分をフィルタリングすることができるので、入力電流IINは、コンバータ電流ICONの平均電流と等しい連続電流になり得る。フィルタ105は、他の構成要素を含むことができ、図1の例に限定されない。
【0018】
さらに、コントローラ108は、VFFピンを介して入力電圧VINを受け取り、ゼロ電流検出信号154および入力電圧VINに基づいてDRVピンに制御信号156を生成する。有利には、コンバータ110は、DRVピンを介して制御信号156を受け取り、それに応じて電流ICONの平均電流、例えば入力電流IINを入力電圧VINと同相に保つように電流ICONを調整することができ、これは、図2、図3および図6に関して説明される。すなわち、コントローラ108は、入力電流IINの波形の入力電圧VINの波形への追従を達成するように、ゼロ電流検出信号154および入力電圧VINに従って回路100の力率を補正することができる。そのため、回路100の電力効率が改善する。
【0019】
一実施形態では、ブリッジ回路112は、AC光源132を通って流れる負荷電流を示す電流検知信号158を生成することができる。コントローラ108は、SENピンを介して電流検知信号158を受け取る。有利には、コントローラ108は、AC光源132を通る負荷電流を調整してAC光源132の電流安定性を改善することができるように、調整電圧VREGを調整するのに、電流検知信号158に基づいて制御信号156を調整することができる。負荷電流を調整するコントローラ108の動作を、図2および図5に関してさらに説明する。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による、負荷、例えばAC光源132を駆動するための回路200を示す。図1のものと同じラベルが付いた要素は、類似の機能を有する。図2は、図1と組み合わせて説明される。
【0021】
図2の例では、コンバータ110は、スイッチ220、ダイオード222、電流センサ228、および変圧器T1を含むフライバックコンバータであり得る。変圧器T1は、1次巻線216、2次巻線217、および補助巻線218を含む。ブリッジ回路112は、切換え回路212、分圧器210、および電流センサ238を含むことができる。一実施形態では、切換え回路212は、1対の直列接続されたスイッチS1およびS2を含む。分圧器210は、コンデンサC1およびC2などの複数の直列接続されたコンデンサを含む。フライバックコンバータ110およびブリッジ回路112は、他の構成を有することができ、図2の例に限定されない。
【0022】
フライバックコンバータ110は、スイッチモードで動作することができる。整流回路103に結合された1次巻線216は、入力電圧VINを受け取る。1次巻線216を通って電流ICONが流れる。1次巻線216に結合されたスイッチ220は、電流ICONの電流経路を有効または無効にするのに使用される。1次巻線216に磁気的に結合された2次巻線217は、電流ICONに従って調整電圧VREGを供給する。2次巻線217を通って流れる別のコンバータ電流ISが、電流ICONに従って生成され得る。
【0023】
より詳細には、一実施形態では、スイッチ220がオンであるとき、1次巻線216を通って流れる電流ICONは一定速度で上昇することができ、電力ライン101からのエネルギーが変圧器T1のコアに蓄積される。その間、2次巻線217に結合されたダイオード222に逆バイアスがかかる。AC光源132に配送されるエネルギーは、直列接続されたコンデンサC1およびC2によって供給される。スイッチ220がオンである期間中、1次巻線216を通って流れる電流ICONは次式に従って一定速度で上昇し得、
di/dt=VIN/L=ΔI/TON (1)
ここで、di/dtは電流ICONの変化の割合を表し、Lは1次巻線216のインダクタンスを表し、TONはスイッチ220がオンであるときの時間間隔を表し、ΔIはTONの間の電流ICONの変化を表す。
【0024】
スイッチ220がオフになったとき、電流ICONは、ゼロアンペアなどの所定レベルI1へ低下し得る。一実施形態では、電流ICONの変動によって、2次巻線217は、2次巻線217の極性端IIにプラス電圧を生成する。したがって、ダイオード222に順方向バイアスがかかる。コンバータ電流ISは、2次巻線217を通って流れ、変圧器T1のコアに蓄積されたエネルギーをブリッジ回路112へ伝達する。電流ISは、実質的にゼロへ徐々に低下する。
【0025】
そのため、フライバックコンバータ110は、入力電圧VINを調整電圧VREGに変換する。調整電圧VREGのレベルは、スイッチ220がオンである時間TONとスイッチ220がオフである時間TOFFとの比に比例する。したがって、調整電圧VREGの電圧変動は、入力電圧VINおよび入力AC電圧の電圧変動未満である。
【0026】
一実施形態では、電流センサ228は、1次巻線216に結合された抵抗であり得る。電流センサ228は、1次巻線216を通って流れる電流ICONを検知し、電流ICONを示す電流監視信号152をもたらす。例えば、電流監視信号152は、抵抗228の両端の電圧によって表され、検知ピンMONを介してコントローラ108によって受け取られる。
【0027】
一実施形態では、補助巻線218は、電流ICONがゼロアンペアなどの所定レベルI1に低下したかどうかを示すゼロ電流検出信号154を生成するように動作可能である。スイッチ220がオフのOFF期間中、1次巻線216を通って流れる電流ICONは、ゼロアンペアなどの所定レベルI1へ低下し得る。したがって、2次巻線217を通る電流ISは、ISPKから一定速度で下降する。一実施形態では、補助巻線218は、電流ICONおよび電流ISの電流変動を検知し、補助巻線218の極性端IIIにプラス電圧を生成する。電流ISが実質的にゼロへ低下するとき、補助巻線218の両端の電圧も実質的にゼロへ低下する。したがって、電流ISがゼロアンペアへ低下するとき、ゼロ電流検出信号154の立下がりエッジが生成される。結果として、一実施形態では、ゼロ電流信号154の立下がりエッジは、コンバータ電流ICONが所定レベルI1へ低下したことを示す。
【0028】
ブリッジ回路112は、光源132を駆動するために、調整電圧VREGを調整AC電圧VDRVへ変換する。一実施形態では、AC光源132の端子162に結合された分圧器210は、調整電圧VREGを端子162の分割電圧VDIVへ分割する。一実施形態では、端子162の電圧VDIVは調整電圧VREG未満である。
【0029】
コントローラ108は、切換え回路212を制御するために、ピンHDRのスイッチ制御信号160およびピンLDRのスイッチ制御信号161を生成する。スイッチ制御信号160および161は、パルス周波数変調(PFM)信号またはパルス幅変調(PWM)信号であり得るが、これらに限定されない。
【0030】
切換え回路212は、ピンHDRおよびピンLDRを介してスイッチ制御信号160および161を受け取る。一実施形態では、スイッチ制御信号160および161は、スイッチS1およびS2を交互に有効にする。例えば、スイッチ制御信号160および161は、それぞれデジタルの0およびデジタルの1であり得、スイッチS1をオフにし、スイッチS2をオンにする。したがって、端子162の分割された電圧VDIV未満である実質的な定電圧、例えばアース電圧が、端子164に印加される。この瞬間では、AC調整電圧VDRVは式(2)によって表すことができる。
VDRV=VDIV (2)
そのため、コンデンサC1、LED列132_1、スイッチS2、およびアースを通って負荷電流ILED1が流れ、それによってLED列132_1が有効になり、LED列132_2が無効になる。
【0031】
あるいは、スイッチ制御信号160および161は、それぞれデジタルの1およびデジタルの0であり得、スイッチS1をオンにし、スイッチS2をオフにする。次いで、端子162の分割された電圧VDIVより大きい調整電圧VREGが、AC光源132の端子164に印加される。この瞬間には、AC調整電圧VDRVは式(3)で表すことができる。
VDRV=VDIV-VREG (3)
そのため、スイッチS1、LED列132_2、コンデンサC2、およびセンサ238を通って負荷電流ILED2が流れ、それによってLED列132_2が有効になり、LED列132_1が無効になる。
【0032】
結論として、切換え回路212は、AC光源132の端子164に調整電圧VREGと定電圧(例えばアース電圧)とを交互に印加することができる。結果として、AC光源132を駆動するために、端子162と端子164との間に調整AC電圧VDRVが得られる。
【0033】
一実施形態では、電流センサ238は、スイッチS2がオフであってスイッチS1がオンであるときLED列132_2を通って流れる負荷電流ILED2が検知されるようにコンデンサC2とアースとの間に結合された抵抗であり得る。代替実施形態では、抵抗238は、スイッチS2とアースとの間に結合され得、スイッチS2がオンであってスイッチS1がオフであるときLED列132_1を通って流れる負荷電流ILED1を検知するように動作可能である。その上、センサ238は、光源132を通って流れる負荷電流ILED1またはILED2を示す電流検知信号158をさらに生成することができる。
【0034】
一実施形態では、コントローラ108は、ピンHDRおよびLDRに、それぞれスイッチ制御信号、例えばパルス幅変調信号160および161を生成するためのLED駆動部248を含む。一実施形態では、スイッチ制御信号160および161は相補的であり、スイッチ制御信号160および161のデューティサイクルは、LED列132_1およびLED列132_2が均一の明るさをもたらすことができるように約50%に設定される。
【0035】
スイッチ制御信号160および161の周波数は、直列接続されたコンデンサC1およびC2に従って設定され得る。例えば、コンデンサC1およびC2の合計の静電容量が低下すると、コンデンサC1およびC2に蓄積されるエネルギーがより少なくなり得る。したがって、コンデンサC1およびC2の充放電期間を短くするように、スイッチ制御信号160および161の周波数を増加することができる。そのため、LED列を通って流れる調整電圧VREGおよび負荷電流の安定性は、コンデンサC1およびC2の静電容量変動によって影響されないことになる。
【0036】
LED列の明るさは、スイッチ制御信号160および161を調整することにより制御される。例えば、LED列の明るさを低下させるために、スイッチS1およびS2が同時にオフになり得る所定期間TDIMの間、スイッチ制御信号160および161を両方ともデジタルの0に調整することができる。期間TDIMが終了した後、スイッチ制御信号160および161はパルス幅変調信号に回復することができる。光放射の合計期間が短くなるので、LED列の合計の明るさが低下する。
【0037】
コントローラ108は、回路200の力率を補正し、かつAC光源132を通って流れる負荷電流ILED1およびILED2を調整することができる。一実施形態では、コントローラ108は、ゼロ電流検出(ZCD)回路242、駆動回路244、および電流レギュレータ246を含む。駆動回路244は、スイッチ220を制御するためにピンDRVに制御信号156を生成するように動作可能である。一実施形態では、制御信号156は、パルス幅変調(PWM)信号であり得る。調整電圧VREGが、スイッチ220オンであるON時間とスイッチ220がオフであるOFF時間との比によって決定されるので、制御信号156のデューティサイクルを調整することにより調整電圧VREGを制御することができる。
【0038】
ZCD回路242は、スイッチ220がオフであるOFF時間を決定するのに使用される。ZCD回路242は、電流ICONが所定レベルI1に低下したかどうかを示すゼロ電流検出信号154を受け取り、それに応じてスイッチトリガ信号264を生成する。例えば、電流ICONが所定レベルI1に低下したことを示すゼロ電流検出信号154の立下がりエッジが検出されたとき、スイッチトリガ信号264が生成される。ZCD回路242に結合された駆動回路244は、スイッチトリガ信号264を受け取り、それに応じて制御信号152によってスイッチ220をオンにする。有利には、電流ICONが所定レベルI1に達した後、電流ICONの電流経路を有効にすることができる。したがって、1次巻線216を通る電流ICONは、電流経路が有効になる度に、所定レベルI1、例えばゼロアンペアから一定速度で上昇することができる。
【0039】
電流レギュレータ246は、スイッチ220がオンであるON時間を決定するのに使用される。図1に関して説明されたように、コントローラ108は、入力電圧VINを受け取るための入力電圧ピンVFFと、AC光源132を通って流れる負荷電流を示す電流検知信号158を受け取るための検知ピンSENと、1次巻線216を通る電流ICONを示す電流監視信号152を受け取るための検知ピンMONとを含む。電流レギュレータ246は、検知信号158および電圧VINに基づいて電圧閾値VTHをもたらすことができる。一実施形態では、電圧閾値VTHは電圧VINに比例し、ここで、比例係数は、AC光源132を通って流れる負荷電流を示す検知信号158によって決定される。
【0040】
電流レギュレータ246は、電流監視信号152を電圧閾値VTHと比較し、比較結果に基づいてスイッチ終止信号265を生成する。駆動回路244は、スイッチ終止信号265を受け取ってスイッチ220をオフにする。したがって、閾値VTHは、電流ICONのピークレベルを表す。
【0041】
有利には、電流ICONは所定レベルI1から一定速度で上昇し、電流ICONのピークレベルは入力電圧VINに比例する。したがって、電流ICONの平均電流は、入力電圧VINとほぼ同相である。換言すれば、電流ICONの平均電流を示す入力電流IINは入力電圧VINの波形に追従する波形を有し、これによって回路200の力率が改善する。電流ICONおよび入力電流IINの動作を、図3に関してさらに説明する。また、電圧閾値VTHと電圧VINとの間の比例係数を、検知信号158によって決定することができる。したがって、AC光源132を通って流れる負荷電流に従って、電圧VREGを調整するように、ON時間を調整することができる。このようにしてLED列の負荷電流を調整することができる。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態によって、回路200で生成された信号のタイミング図300を示す。図3は、図1および図2と組み合わせて説明される。図3は、入力電圧VIN、電流レギュレータ246によってもたらされた電圧閾値VTH、電流監視信号152の電圧、入力電流IIN、2次巻線217を通るコンバータ電流IS、ゼロ電流検出信号154の電圧、および制御信号156の電圧を示す。
【0043】
一実施形態では、入力AC電圧のマイナスの波形が、除外される、あるいは対応するプラスの波形に変換されるので、入力電圧VINは整流された正弦波形を有する。電圧閾値VTHは入力電圧VINに比例し、比例係数は検知信号158によって決定され得る。
【0044】
OFF時間は、ZCD回路242によって決定され得る。時間t1で、制御信号156の電圧がデジタルの0に変化してスイッチ220がオフになる。したがって、電流監視信号152の電圧はゼロボルトなどの所定レベルV0に低下し、これは、電流ICONがゼロアンペアなどの所定レベルI1に低下することを示す。したがって、2次巻線217を通って流れる電流ISは、時間t1にレベルISPKへ上昇し、エネルギーが変圧器T1のコアからブリッジ回路112に伝達されるt1からt2の間、一定速度で下降する。時間t2では、電流ISがゼロアンペアに低下するように、T1のコア中のエネルギーはすべて放散する。補助巻線218は、ISおよびICONの両電流を検知し、ISがゼロアンペアに低下したとき立下がりエッジを有するゼロ電流検出信号154を生成する。図3の例に示されるように、電流監視信号152の電圧が時間t1に所定レベルV0に低下するとき、ゼロ電流検出信号154は一定レベルに上昇する。電流ISがゼロアンペアに低下するとき、ゼロ電流検出信号154の立下がりエッジが生じる。したがって、立下がりエッジを有するゼロ電流検出信号154は、電流ICONが所定レベルI1に低下したことを示す。
【0045】
ZCD回路242は、ゼロ電流検出信号154を監視し、監視の結果に基づいてスイッチトリガ信号264を生成する。駆動回路244がスイッチトリガ信号264を受け取る。したがって、制御信号156の電圧がデジタルの1に設定され得、時間t2にスイッチ220をオンにする。
【0046】
ON時間は、電流レギュレータ246によって決定され得る。時間t2では、制御信号156の電圧はスイッチ220をオンにするデジタル電圧である。したがって、電流監視信号152の電圧は、式(1)に従って一定速度で上昇することができる。電流レギュレータ246は、電流監視信号152の電圧を、入力電圧VINに比例する電圧閾値VTHと比較し、比較結果に基づいてスイッチ終止信号265を生成する。一実施形態では、電流監視信号152の電圧が時間t3に電圧閾値VTHに達すると、スイッチ終止信号265が生成される。したがって、制御信号156の電圧は時間t3でゼロにリセットされ、それに応じてスイッチ220がオフになる。換言すれば、電圧閾値VTHは、電流ICONのピークレベルを示すことができる。t3からt5、t5からt7、およびt7からt9の時間間隔中、回路200は、t1からt3の時間間隔中と同様に動作することができる。
【0047】
有利には、例えば時間t1、t3、t5、t7またはt9における電流監視信号152の電圧のピークレベルは、電力ライン101での入力電圧VINに比例する電圧閾値VTHと等しいものであり得る。さらに、時間t2、t4、t6またはt8で、電流監視信号152の電圧は、所定レベルV0から一定速度で上昇することができる。例えば電流IINを示す電流監視信号152の電圧の平均レベルは、電流監視信号152の高周波成分をフィルタリングすることにより得られる。図3の例に示されるように、電流ICON(ICONは電流監視信号152によって示される)の平均電流と等しい電流IINは、電圧VINの変動に追従する。換言すれば、電流IINは電圧VINと同相であり、このことにより、回路200の電力効率を示す力率が改善する。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態による、図2のZCD回路242および駆動回路244のブロック図を示す。図4は、図1および図2と組み合わせて説明される。図1および図2のものと同じラベルが付いた要素は、類似の機能を有する。
【0049】
図4の例では、駆動回路244は、スイッチトリガ信号264およびスイッチ終止信号265を受け取り、かつそれに応じてスイッチ220を制御するために制御信号156を生成するためのフリップフロップ416を含む。フリップフロップ416は、リセット-セット(RS)フリップフロップであり得る。そのため、スイッチトリガ信号264がデジタルの1であり、スイッチ終止信号265がデジタルの0である場合、フリップフロップ416の出力はデジタルの1に設定される。反対に、スイッチトリガ信号264がデジタルの0であり、スイッチ終止信号265がデジタルの1である場合、フリップフロップ416の出力はデジタルの0にリセットされる。駆動回路244は、他の構成を有することができ、図4の例の構成に限定されない。
【0050】
ZCD回路242は、スタート回路402、クランプ回路404、コンパレータ406、エッジトリガ408、およびORゲート410を含むことができる。ZCD回路242は、他の構成を有することができ、図4の例の構成に限定されない。ORゲート410の入力端子に結合されたスタート回路402は、回路100または200を起動するように動作可能である。一実施形態では、スタート回路402は、最初に回路100の電源が入れられるスタートアップ期間中、デジタルの1の信号を出力する。したがって、ORゲート410は、デジタルの1の信号を出力して、スイッチ220をオンにするようにフリップフロップ416を設定する。スタートアップ期間の後、スタート回路402は、通常動作の間中ORゲート410の出力がエッジトリガ408の出力によって決定され得るように、デジタルの0の信号を出力する。
【0051】
クランプ回路404は、ゼロ電流検出信号154を受け取り、クランプ信号422を出力する。クランプ信号422はゼロ電流検出信号154に追従し、クランプ信号422の電圧変動は所定範囲内にクランプされる。例えば、ゼロ電流検出信号154の電圧変動は0〜100ボルトの範囲内にあり得、その一方でクランプ信号422の変動は0〜5ボルトの範囲内にクランプされ得る。
【0052】
コンパレータ406は、ヒステリシスコンパレータであり得る。コンパレータ406は、クランプ信号422を低い閾値V1および高い閾値V2などの所定の電圧閾値と比較し、比較結果に従って比較信号424を生成するように動作可能である。より詳細には、比較信号424は、クランプ信号422が高い閾値V2より大きい場合デジタルの1に設定され得、クランプ信号422が低い閾値V1より小さい場合デジタルの0にリセットされ得る。図2に関して論じられたように、スイッチ220がオフのとき、ゼロ電流検出信号154は一定レベルへ上昇し、電流ICONが所定レベルI1へ低下した後に低下する。したがって、比較信号424の立下がりエッジが生成され得る。
【0053】
エッジトリガ408は、比較信号424を検出し、例えば比較信号424の立下がりエッジが検出された場合、トリガ信号428を生成してORゲート410を設定することができる。続いて、フリップフロップ416は、スイッチ220をオンにするように設定される。有利には、スイッチ220は、1次巻線216を通って流れる電流ICONが所定レベルI1に到達したときオンになり、それによって、電流ICONがI1から一定速度で上昇することが可能になる。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態による、電流レギュレータ246および図2の駆動回路244のブロック図を示す。図5は、図1および図2と組み合わせて説明される。図1、図2および図4のものと同じラベルが付いた要素は、類似の機能を有する。
【0055】
図5の例では、電流レギュレータ246は分圧器502、誤差増幅器504、乗算器506およびコンパレータ508を含む。アースに結合された分圧器502は、入力電圧VINを受け取って入力電圧VINに比例した基準電圧VFFを生成するように動作可能であり、基準電圧VFFは、次式で示すことができ、
VFF=k×VIN (4)
ここで、kはVFFとVINとの間の比例係数を示す定数である。
【0056】
誤差増幅器504は、検知信号158を受け取るための反転入力端子および所定の基準電圧VREFを受け取るための非反転入力端子を有する。一実施形態では、VREFは、所定の定電圧であり得、例えば回路200の電源がオンであるとき検知信号158の電圧と等しい量に設定され得る。誤差増幅器504は、検知信号158を基準電圧VREFと比較し、比較結果に従って、その電圧VCがAC光源132を通る負荷電流の関数である増幅信号を出力する。例えば、基準電圧VREFが検知信号158と等しい場合、誤差増幅器504は電圧V4を出力することができる。基準電圧VREFと検知信号158との間に、例えば電流I_LED1の変動に起因する差ΔVが存在する場合、誤差増幅器504は差ΔVを増幅することができる。電圧VCは、電圧レベルV4と増幅された差とを加算したものと等しい量に設定され得、次式で示すことができ、
VC=A×ΔV+V4=A×(VREF-R_238×ILED2)+V4 (5)
ここで、Aは誤差増幅器504の増幅係数を表し、R_238は抵抗238の抵抗値を表す。式(5)で示されるように、VCは負荷電流ILED2の関数である。
【0057】
一実施形態では、乗算器506は、誤差増幅器504からの電圧VCおよび分圧器502からの基準電圧VFFを受け取ることができる。乗算器506は、電圧VCと基準電圧VFFとの積に等しい電圧閾値VTHをさらにもたらすことができる。式(4)と式(5)とを組み合わせて、電圧閾値VTHは次式によって示すことができる。
VTH=VC×VFF=(A×ΔV+V4)×(k×VIN) (6)
式(6)に示されるように、電圧閾値VTHは入力電圧VINに比例する。また、電圧閾値VTHと入力電圧V_IN、例えばk×(A×ΔV+V4)との間の比例係数も、AC光源132を通る負荷電流の関数である。すなわち、比例係数は検知信号158によって決定される。
【0058】
コンパレータ508は、電流ICONを示す電流監視信号152を電圧閾値VTHと比較することができ、電流監視信号152が電圧閾値VTHより大きい場合、フリップフロップ416をリセットするデジタルの1の信号を生成することができる。有利には、電流監視信号152のピークレベルは、入力電圧VINのレベルに比例する電圧閾値VTHと等しい。したがって、図3に関して論じられたように、力率が改善する。
【0059】
有利には、式(6)に示されるように、電圧閾値VTHと電圧VINとの間の比例係数は、LED列132_2を通って流れる電流ILED2を示す検知信号158によって決定され得る。したがって、LED列132_1および132_2の電流を調整することができる。例えば、例えば調整電圧VREGの変動に起因して電流ILED2が増加した場合、それに応じて検知信号158が増加される。式(6)に従って比例係数が減少し、これによって電圧閾値VTHが低下し得る。そのため、電流監視信号152が電圧閾値VTHに達する時間がより短くなり得、それによってON時間が短縮する。したがって、調整電圧VREGが低下し、これは、LED列132_1および132_2を通って流れる電流の低下をもたらす。同様に、電流ILED2が低下する場合、電流レギュレータ246はON時間を増加させるように動作することができ、LED列132_1および132_2を通って流れる電流が増加する。このようにして、LED列の電流は望ましい範囲内にとどまるように調整することができ、それによってLED列の安定性が向上する。
【0060】
有利には、ユーザは、LED列132_1および132_2の明るさを調整することができる。例えば、LED列132_1および132_2の明るさを増加させるために、ユーザはセンサ238の抵抗値を減少することができ、これが検知信号158の電圧低下をもたらす。式(6)に示されるように、電流レギュレータ246は、自動的に電圧VCを増加させ、したがって電圧閾値VTHを増加させることができる。そのため、調整電圧VREGを増加させるためにON時間を増加させることができる。したがって、LED列132_1および132_2の明るさを増加させるために、LED列132_1および132_2を通って流れる負荷電流を増加させることができる。
【0061】
本発明の、回路の力率を補正し、かつ負荷電流を調整するための構成および方法は、他のタイプの負荷を含むシステムでも用いることができる。例えば、ブリッジ回路112およびAC光源132を複数のDC LED列などのDC光源に置換することにより、DC LED列を駆動するのに調整電圧VREGも使用することができる。この例では、コントローラ108は、1次巻線216を通って流れる電流ICONの電流経路を制御することにより、システムの力率を補正することができる。また、DC LED列を通って流れる負荷電流を検知することにより、コントローラ108は、調整電圧VREGを調整して負荷電流を調整することができる。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態による、負荷を駆動するための回路600の別のブロック図を示す。図1および図2のものと同じラベルが付いた要素は、類似の機能を有する。図6は、図1、図2、および図3と組み合わせて説明される。図6の例では、コンバータ110は、変圧器T2、スイッチ620、電流センサ628、およびダイオード622を含む。変圧器T2は、1次巻線616および補助巻線618を含む。この例では、1次巻線616、スイッチ620、ダイオード622、およびブリッジ回路112のコンデンサC1およびC2が、入力電圧VINを調整電圧VREGに変換するためのブーストコンバータを構成する。
【0063】
一実施形態では、1次巻線616を通って流れる電流ICONには、L1およびL2などの2つの電流経路がある。スイッチ620は、制御信号156に従って電流経路L1を有効にしたり無効にしたりする。電流経路L1を有効にするようにスイッチ620がオンになるON時間を通じてダイオード622に逆バイアスがかかり、1次巻線616の電流ICONは電流経路L1を通って流れることができる。例えば入力電圧VINがアース電位より高いというように、1次巻線616の両端の電圧差がプラスであるので、電流ICONが一定速度で上昇して1次巻線616にエネルギーを蓄積する。その間に、電流センサ628が電流ICONを示す電流監視信号152を供給し、電流監視信号152は、電流レギュレータ246によってスイッチ620のON時間を決定するのに用いられる。
【0064】
電流経路L1が無効であるOFF時間を通じてダイオード622に順バイアスがかかり、1次巻線616の電流ICONは電流経路L2を通って流れることができる。1次巻線616の両端の電圧差がマイナスになるので、電流ICONが一定速度で低下し、1次巻線616のエネルギーがブリッジ回路112へ伝達される。OFF時間中の電流ICONの波形は、図3に関して示されたような対応するOFF時間中の電流ISの波形に類似である。1次巻線616に蓄積されたエネルギーが放散するとき、電流ICONは所定レベルI1に低下する。
【0065】
図2に関する補助巻線218に似て、1次巻線616に磁気的に結合された補助巻線618は、1次巻線616を通る電流ICONの変動を検出することができる。より詳細には、スイッチ620がオフになったとき、電流ICONは一定速度で下降し始める。したがって、ゼロ電流検出信号154の電圧はプラスレベルへ上昇する。電流ICONがI1に低下したとき、ゼロ電流検出信号154の立下がりエッジが生成され、電流ICONが所定レベルI1に低下したことを示す。
【0066】
有利には、図6の例に開示されたブーストコンバータを使用することにより、コントローラ108は、制御信号156も生成することができ、ゼロ電流検出信号154および入力電圧VINに基づいてスイッチ620を制御する。したがって、電流ICONは、電流経路L1が有効になる度に、所定レベルI1から一定速度で上昇する。その上、電流ICONのピークレベルは入力電圧VINに比例する。そのため、例えば電流ICONの平均電流を示す入力電流IINの波形は、入力電圧VINの波形に追従する。すなわち、回路600の力率が補正され、回路600の電力効率が改善する。
【0067】
図7は、本発明の一実施形態による、負荷、例えば回路100、200または600を駆動するための回路によって実行される動作のフローチャート700である。図7は、図1〜図6と組み合わせて説明される。図7には特定のステップが開示されているが、そのようなステップは例である。すなわち、本発明は、様々な他のステップまたは図7に列挙されたステップの変形形態を実行するのに十分に適する。
【0068】
ブロック702で、入力電流、例えば入力電流IIN、および入力電圧、例えば入力電圧VINは、電力ライン、例えば電力ライン101によって供給される。一実施形態では、入力AC電圧が整流されて入力電圧を供給する。ブロック704で、入力電圧が、コンバータ回路、例えばコンバータ回路104によって、調整電圧、例えば調整電圧VREGに変換されて、負荷、例えばAC光源132を駆動する。一実施形態では、調整電圧が調整AC電圧に変換されて負荷を駆動する。より詳細には、一実施形態では、調整電圧が、負荷の第1の端子における分割された電圧に分割される。さらに、調整電圧および定電圧が、負荷の第2の端子に交互に印加される。したがって、第1の端子と第2の端子との間に調整AC電圧が得られる。
【0069】
ブロック706で、電流検出信号、例えばゼロ電流検出信号154は、コンバータ電流、例えばコンバータ回路を流れるコンバータ電流ICONが、所定レベル、例えばI1に低下したかどうかを示す。ブロック708で、電流検出信号および入力電圧に基づいて、入力電流の波形が入力電圧の波形に追従するように力率が補正される。一実施形態では、電流検出信号によってコンバータ電流の電流経路が有効になる。電流経路が有効になったとき、コンバータ電流は、所定レベルから一定速度で上昇する。さらに、入力電圧に比例した閾値が生成される。コンバータ電流を示す電流監視信号が閾値と比較される。比較結果に従って、コンバータ電流の電流経路が無効になる。そのため、閾値は、コンバータ電流のピークレベルを示す。一実施形態では、入力電圧と閾値との間の比例係数が、負荷を通って流れる負荷電流に従って決定される。ブロック710で、コンバータ電流の高周波成分が減衰されて入力電流が決定する。入力電流は、コンバータ電流の平均電流を示す。
【0070】
前述の説明および図面は本発明の実施形態を表しているが、本発明の原理の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な追加、修正および置換がその中になされ得ることが理解されよう。本発明が、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合された、本発明の実施で用いられる、形状、構造、構成、割合、材料、要素、および構成要素やその他の多くの変更形態とともに用いられ得ることを、当業者なら理解するであろう。したがって、ここで開示された実施形態は、すべての点において例示であって限定ではなく、前述の説明に限定されないものと見なされるべきである。
【符号の説明】
【0071】
100、200、600 回路
101 電力ライン
102 AC電源
103 整流回路
104 コンバータ回路
105 フィルタ
108 コントローラ
110、406、508 コンパレータ
112 ブリッジ回路
132 AC光源
132_1、32_2 LED列
152 電流監視信号
154 ゼロ電流検出信号
156 制御信号
158 電流検知信号
160、161 スイッチ制御信号
162、164 端子
210、502 分圧器
212 切換え回路
216、616 1次巻線
217 2次巻線
218、618 補助巻線
220、620 スイッチ
222、622 ダイオード
228、628 電流センサ
238 センサ
242 ゼロ電流検出回路
244 駆動回路
246 電流レギュレータ
248 LED駆動部
264 スイッチトリガ信号
265 スイッチ終止信号
402 スタート回路
404 クランプ回路
408 エッジトリガ
410 ORゲート
416 フリップフロップ
422 クランプ信号
424 比較信号
428 トリガ信号
504 誤差増幅器
506 乗算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷を駆動する回路であって、
前記回路は、
入力電流および入力電圧を供給する電力ラインと、
前記電力ラインに結合されるとともに、前記負荷を駆動するために前記入力電圧を調整電圧に変換し、かつ前記コンバータ回路を通して流れるコンバータ電流が、所定レベルに低下したかどうかを示す電流検出信号を供給するように動作可能なコンバータ回路と、
前記コンバータ回路に結合されるとともに、前記入力電流の波形が前記入力電圧の波形に追従するように、前記電流検出信号および前記入力電圧に基づいて前記回路の力率を補正するように動作可能なコントローラと
を具備することを特徴とする回路。
【請求項2】
前記負荷は、逆極性接続で配線されかつ並列に結合された1対の発光ダイオード(LED)列を具備することを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記コンバータ回路は、前記負荷を駆動するために前記調整電圧を調整交流(AC)電圧に変換するように動作可能なブリッジ回路を具備することを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記ブリッジ回路は、
前記負荷の第1端子に結合されるとともに、前記調整電圧を前記第1端子における分割電圧に分割するように動作可能な分圧器と、
前記負荷の第2端子に結合されるとともに、前記第2端子に前記調整電圧と定電圧とを交互に印加するように動作可能な切換え回路と
を具備し、
前記調整AC電圧は、前記第1および第2端子の間で得られることを特徴とする請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記分圧器は、直列の複数のコンデンサを具備することを特徴とする請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記コントローラは、前記電流検出信号に従って、前記コンバータ電流の電流経路を有効にするスイッチトリガ信号を生成するように動作可能な電流検出回路をさらに具備し、
前記電流経路が有効になった場合、前記コンバータ電流は、前記所定レベルから一定速度で上昇することを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記コントローラは、前記入力電圧に比例した閾値を提供し、前記コンバータ電流を示す電流監視信号を前記閾値と比較するとともに、前記比較結果に従って前記コンバータ電流の電流経路を無効にするスイッチ終止信号を生成するように動作可能な電流レギュレータをさらに具備し、
前記閾値は、前記コンバータ電流のピークレベルを示すことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記入力電圧と前記閾値との間の比例係数は、前記負荷を通して流れる負荷電流によって決定されることを特徴とする請求項7に記載の回路。
【請求項9】
前記コンバータ回路に結合されるとともに、前記コンバータ電流の高周波成分を減衰させて前記入力電流を決定するように動作可能なフィルタをさらに具備し、
前記入力電流は、前記コンバータ電流の平均電流を示すことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項10】
前記電力ラインに結合されるとともに、入力交流(AC)電圧を整流して前記入力電圧を供給するように動作可能な整流回路をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項11】
前記負荷に結合されるとともに、前記負荷を通して流れる負荷電流を示す検知信号を供給するように動作可能なセンサをさらに具備し、
前記コントローラは、前記検知信号に従って前記調整電圧を調整して前記負荷電流を調整することを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項12】
電子システムであって、
逆極性接続で配線されかつ並列に結合された1対の発光ダイオード(LED)列と、
1次巻線および補助巻線を備えるコンバータと
を具備し、
前記コンバータは、前記1次巻線で入力電圧を受け、前記入力電圧を調整電圧に変換するとともに、前記補助巻線に電流検出信号を供給するように動作可能であり、
前記電流検知信号は、前記1次巻線を通るコンバータ電流が所定レベルに低下したかどうかを示し、
前記電子システムは、
前記コンバータに結合されるとともに、前記LED列を駆動するために前記調整電圧を調整交流(AC)電圧に変換するように動作可能なブリッジ回路と、
前記コンバータに結合されるとともに、前記コンバータ電流の平均電流の波形が前記入力電圧の波形に追従するように、前記電流検出信号および前記入力電圧に基づいて前記電子システムの力率を補正するように動作可能なコントローラと
を具備することを特徴とする電子システム。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記電流検出信号に基づいて、前記コンバータ電流の電流経路を有効にするスイッチトリガ信号を生成するように動作可能な電流検出回路と、
前記電流検出回路に結合されるとともに、前記コンバータ電流を示す電流監視信号を前記入力電圧に比例する閾値と比較し、かつ前記比較結果に基づいて、前記電流経路を無効にするスイッチ終止信号を生成するように動作可能な電流レギュレータと
をさらに具備することを特徴とする請求項12に記載の電子システム。
【請求項14】
前記電流経路が有効になった場合に、前記コンバータ電流は前記所定レベルから一定速度で上昇するとともに、
前記コンバータ電流のピークレベルは、前記入力電圧に比例することを特徴とする請求項13に記載の電子システム。
【請求項15】
前記調整電圧は、前記電流経路が有効になったときのON時間と前記電流経路が無効になったときのOFF時間との比によって決定されることを特徴とする請求項13に記載の電子システム。
【請求項16】
前記電流レギュレータは、前記LED列を通して流れる負荷電流に従って、前記入力電圧と前記閾値との間の比例係数を決定することを特徴とする請求項13に記載の電子システム。
【請求項17】
前記ブリッジ回路は、
前記LED列の第1端子に結合されるとともに、前記調整電圧を前記第1端子における分割電圧に分割するように動作可能な分圧器と、
前記LED列の第2端子に結合されるとともに、前記第2端子に前記調整電圧と定電圧とを交互に印加するように動作可能な切換え回路と
をさらに具備し、
前記調整AC電圧は、前記第1および第2端子との間で得られることを特徴とする請求項12に記載の電子システム。
【請求項18】
前記分圧器は、直列の複数のコンデンサを具備することを特徴とする請求項17に記載の電子システム。
【請求項19】
前記コンバータに結合されるとともに、前記コンバータ電流の高周波成分を除去することにより前記平均電流を得るように動作可能なフィルタをさらに具備することを特徴とする請求項12に記載の電子システム。
【請求項20】
前記コンバータが、バックコンバータ、ブーストコンバータ、バックブーストコンバータ、およびフライバックコンバータから成る群から選択されたスイッチモードコンバータを具備することを特徴とする請求項12に記載の電子システム。
【請求項21】
光源を駆動するコンバータ回路を制御するコントローラであって、
前記コントローラは、
前記コンバータ回路を通るコンバータ電流が所定レベルに低下したかどうかを示す第1電圧信号を受けるように動作可能な第1電圧入力ピンと、
前記コンバータ回路が受けた入力電圧を示す第2電圧信号を受け取るように動作可能な第2電圧入力ピンと、
前記コンバータ電流を示す電流監視信号を受けるように動作可能な監視ピンと
をさらに具備し、
前記コントローラは、前記第2電圧信号に比例した閾値を提供するとともに、前記電流監視信号を前記閾値と比較するように構成され、
前記コントローラは、前記第1電圧信号に基づいて前記コンバータ電流の電流経路を有効にするかどうかを判断するとともに、前記比較結果に従って前記電流経路を無効にするかどうかを判断することにより、前記入力電圧の波形に追従する前記コンバータ電流の平均電流の波形を達成するようにさらに構成されることを特徴とするコントローラ。
【請求項22】
前記コンバータ電流が前記所定レベルに低下した場合、前記第1電圧信号はエッジを有することを特徴とする請求項21に記載のコントローラ。
【請求項23】
前記コンバータ回路が、前記入力電圧を、前記電流経路が有効にされた間のON時間と前記電流経路が無効にされた間のOFF時間との比によって、その電圧レベルが決定される調整電圧に変換することを特徴とする請求項21に記載のコントローラ。
【請求項24】
前記光源を通して流れる負荷電流を示す検知信号を受けるように動作可能な検知ピンをさらに具備し、
前記コントローラは、前記比を調整して前記調整電圧を調整するように、前記検知信号に従って前記閾値と前記第2電圧信号との間の比例係数を調整するようにさらに構成されることを特徴とする請求項23に記載のコントローラ。
【請求項25】
前記コンバータ電流は、前記所定レベルから一定速度で上昇するとともに、
前記コンバータ電流のピークレベルは、前記入力電圧に比例することを特徴とする請求項21に記載のコントローラ。
【請求項26】
負荷を駆動する方法であって、
前記方法は、
電力ラインによって入力電流および入力電圧を受けるステップと、
前記負荷を駆動するために、コンバータ回路によって前記入力電圧を調整電圧に変換するステップと、
前記コンバータ回路を通して流れるコンバータ電流が所定レベルに低下したかどうかを示す電流検出信号を供給するステップと、
前記入力電流の波形が前記入力電圧の波形に追従するように、前記電流検出信号および前記入力電圧に基づいて力率を補正するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項27】
前記負荷を駆動するために、前記調整電圧を調整交流(AC)電圧に変換するステップをさらに具備することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記変換するステップは、
前記調整電圧を、前記負荷の第1端子における分割電圧に分割するステップと、
前記負荷の第2端子に前記調整電圧と定電圧とを交互に印加するステップと
をさらに具備し、
前記調整AC電圧は、前記第1および第2端子の間で得られる請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記補正するステップは、前記電流検出信号に従って前記コンバータ電流の電流経路を有効にするステップをさらに具備し、
前記電流経路が有効になった場合、前記コンバータ電流は前記所定レベルから一定速度で上昇することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記補正するステップは、
前記入力電圧に比例した閾値を生成するステップと、
前記コンバータ電流を示す電流監視信号を前記閾値と比較するステップと、
前記比較結果に従って前記コンバータ電流の電流経路を無効にするステップと
さらに具備し、
前記閾値は、前記コンバータ電流のピークレベルを示すことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記負荷を通して流れる負荷電流に従って、前記入力電圧と前記閾値との間の比例係数を決定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記入力電流を決定するために前記コンバータ電流の高周波成分を減衰させるステップをさらに具備し、
前記入力電流は、前記コンバータ電流の平均電流を示すことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記入力電圧を供給するために、入力交流(AC)電力を整流するステップをさらに具備することを特徴とする請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−4595(P2011−4595A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−140716(P2010−140716)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】