説明

加熱装置および画像形成装置

【課題】 サーモスイッチ等、安全対策用温度検知素子を安定して動作させるとともに、紙搬送性、画像特性に優れ、さらにリサイクル性にも考慮した加熱装置を提供する。
【解決手段】 サーモスイッチをヒーターから浮かせる構成において、スペーサ部材を、ヒーターホルダより軟化点の低い材質を用い、さらに、ヒーターホルダからヒーター面に飛び出さぬよう、「つば」を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作動し給電を遮断する安全対策用温度検知素子(温度プロテクト素子)を有し、被加熱材を加熱する加熱装置、および該加熱装置を加熱定着装置として備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置における画像加熱定着装置、すなわち、電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等によりなるトナーを用いて記録材に形成したトナー画像を永久固着画像として加熱定着処理する画像加熱定着装置としては、従来より、各種タイプの装置が知られており、また実用に供されている。
【0003】
代表的な装置としては、熱ローラタイプの装置、フィルム加熱方式の装置等が挙げられる。
【0004】
フィルム加熱方式の加熱定着装置は、特開平4−44075号公報等に記載されており、熱伝達効率が高く、装置の立ち上がりも速い方式(オンデマンド)の装置である。
【0005】
図8はフィルム加熱方式の加熱定着装置の要部の横断面模型図である。
【0006】
16は加熱体としての定着ヒーターであり、図面に垂直方向を長手とする細長・薄板形状の低熱容量ヒーターである。この定着ヒーター16は絶縁性で熱伝導率の良い細長・薄板形状のヒーター基板と、この基板に具備させた発熱抵抗体部(通電発熱抵抗体)とを基本構成体とするもので、発熱抵抗体部に対する通電により急速に昇温し、通電遮断により迅速に降温する。
【0007】
17は加熱体支持部材としてのヒーターホルダであり、剛性・断熱性を有し、該部材の下面に部材長手に沿って形成されたヒーター嵌め込み溝内に上記のヒーター1を嵌め込んで固定支持させてある。
【0008】
上記のようにヒーターホルダ17に支持させた定着ヒーター16の露呈面(ヒーター表面)に対して耐熱性フィルム(定着フィルム)27を弾性加圧ローラ22で加圧密着させて摺動搬送させ、該フィルム27を挟んで定着ヒーター16と加圧ローラ22とで形成される圧接ニップ部(定着ニップ部)Nのフィルム27と加圧ローラ22との間に被加熱材としての、未定着画像(トナー画像)tを形成担持させた被記録材Pを導入してフィルム27と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送させることにより定着ヒーター16の熱をフィルム27を介して被記録材Pに付与して被記録材P上の未定着画像tを被記録材Pの面に加熱定着させるものである。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム27の面から分離して搬送される。
【0009】
このとき、定着ヒーター16の異常昇温時に定格ヒーター16の熱で作動して定着ヒーター16への給電を緊急遮断させる安全対策用温度検知素子19を定着ヒーター16の定着フィルム27密着面側とは反対の面に対して接触させて配設してあり、発熱抵抗体部に対する通電に制御不能の事態を生じて定着ヒーター16が異常昇温(ヒーターの暴走、許容以上の過昇温)すると、その定着ヒーター16の異常昇温温度で安全対策用温度検知素子19が動作して、発熱抵抗体部への通電が緊急遮断される。
【0010】
安全対策用温度検知素子19としては、主に温度ヒューズや、サーモスイッチといった、所定の温度を検知すると同時に、電流を遮断する仕組みのものが用いられている。
【特許文献1】特開平4−44075号公報
【特許文献2】特開平08−305191号公報
【特許文献3】特開2002−110313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年は、上記のようなフィルム加熱方式の加熱定着装置を有する画像形成装置においても、プリント速度の大幅なスピードアップ化が求められている。
【0012】
それに伴い、加熱定着装置からの単位時間あたりの熱量をふやすために定着ヒーター16の制御温度を上げる必要が生じる。この場合、急激な熱変動にも耐えられるように従来より熱伝導率が高い基材(ヒーター基板)を用いたヒーターが要求される。
【0013】
この場合、制御温度が上昇することと、熱伝導性が良い基材を使用するために、定着ヒーター16の安全対策用温度検知素子19と接する箇所も従来にくらべ温度が上昇してしまう。このため、定着ヒーター16と確実に密着している安全対策用温度検知素子19の温度も上昇し、従来使用していた安全対策用温度検知素子19が異常時ではなく通常使用時にも動作してしまい、安全対策用温度検知素子としての役目を果たせないといった問題があった。
【0014】
さらに、近年は、プリンタの高速化とともに、カラー化への要求もある。
【0015】
カラープリンタにおいては、複数色のトナーを均一に定着するために、定着フィルム27表面に弾性層を設け、トナーの有無や、トナー積層の高さに関わらず、均一にトナーが溶融するようにする必要がある。
【0016】
こうした弾性層を設けた定着フィルムは、熱容量が大きいため、同じ定着性を得るためには、定着ヒーター16に、より大きなエネルギーを加えなければならず、この観点からも、従来より熱伝導率が高いヒーター基板を用いる必要があるとともに、従来より高温での定着ヒーター16の駆動が不可欠である。
【0017】
こうした場合、単純に信頼性や実績のある動作温度の高い安全対策用温度検知素子19があればよいのだが、無い場合には動作温度が変わるということで、素子としても新規での開発が必要となり、その手間や開発費、あるいは新規の材料や構成がコストアップにつながったり、素子自身の信頼性についても十分であるかどうかといった問題点があった。
【0018】
また、装置毎の制御温度に対応して動作温度が異なる安全対策用温度検知素子19を用意する場合は素子の装置間での共通化ができないので、マスメリットを生かしてのコストダウンが図れないといった問題がある。
【0019】
また、同様の形状で異なる複数の素子が存在することで、管理上も混入などの問題がおきやすくなる。
【0020】
また、安全対策用温度検知素子19を定着ヒーター16に常時当接させる構成においては、その当接する部分において、通常の通紙中にも安全対策用温度検知素子19に熱が奪われてしまうため、その部分の温度低下を補うために定着ヒーター16側の通電発熱抵抗体に絞り部を設ける構成となっている。この通電発熱抵抗体中の絞り部の形状は、朝一での定着性低下が無いことを想定して決定されるため、連続通紙などにより十分にヒーターおよび定着器が温まった場合は、どうしても絞り部において熱量過多の状態になるため、ホットオフセットやその部分に温度過多による加圧ローラ汚れや加圧ローラの破損が起きてしまうといった問題が生じることがある。
【0021】
以上のような問題点を解決する手段として、特開平08−305191号公報に示すような安全用温度検知素子とヒーターとの間に別体の軟化部材でできたスペーサ部材を設けたものが提案されている。
【0022】
しかし、特開平08−305191号公報に示すスペーサ部材構造では、スペーサが、付勢部材による付勢力を、直接定着ヒーター16面に及ぼす構造となっているため、長手中、スペーサ部材の箇所だけが、ニップN内圧力が大幅に高くなってしまい、転写材搬送能力の不安定化から来る紙シワ等の画像不良や、スペーサ部材部分だけ圧力が高いことによる、定着性や、グロスの不均一が生じるため、好ましくない。
【0023】
また、特開平08−305191号公報に示すスペーサ部材構造では別体となったスペーサ部材は、定着ヒーター16を外すと、ヒーターホルダ17から落下してしまう構造であるため、組立性が良くない、という問題点もあった。
【0024】
このため、特開2002−110313号公報においては、スペーサ部材をヒーターホルダ17と一体化し、安全対策用温度検知素子19を、ヒーターホルダ17に設けた突起部に乗せることにより、定着ヒーター16面と安全対策用温度検知素子19間に空隙を持たせる構成が提案されている。
【0025】
しかしながら、本構成においては、ヒーターホルダ17とスペーサ部材の軟化点を必然的に同じにせざるを得ず、スペーサ部材の軟化点を変化させることにより、安全対策用温度検知素子19の反応速度調整が出来ない。このため、空隙の条件設定が難しく、通常使用で安全対策用温度検知素子19が動作し、通電が遮断されてしまったり、逆に、暴走時に安全対策用温度検知素子19が動作せず、定着ヒーター16の破損を招く危険があった。
【0026】
また、条件設定がうまく行ったとしても、定着装置の暴走時には、ヒーターホルダ17と一体化したスペーサ部材が溶融するため、ヒーターホルダ17の再利用は不可能であり、リサイクル性に劣る、という問題点があった。
【0027】
本発明の第一の課題は、従来より高温で駆動する定着ヒーターを用いた加熱装置や画像形成装置においても、安全対策用温度検知素子が安定して動作する加熱装置および画像形成装置を提供することである。
【0028】
本発明の第二の課題は、転写材搬送性や、画像欠陥の無い、安定した画像が得られる加熱装置を提供することである。
【0029】
本発明の第三の課題は、リサイクル性に優れ、より多くの部品が再利用可能な、定着装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、下記の構成を特徴とする温度検知装置、像加熱装置、および画像形成装置である。
【0031】
(1)通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作動し、給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあって、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
前記安全対策用温度検知素子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材は加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による、前記素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加熱体側へ移動させる付勢力を有し、
前記素子支持部材の軟化点は、前記加熱体支持部材の軟化点よりも低いことを特徴とする加熱装置。
【0032】
これにより、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる。
【0033】
(2)前記素子支持部材は、軟化点が、前記安全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とする、請求項1記載の加熱装置。
【0034】
これにより、第一の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となるとともに、リサイクル性に優れた加熱装置を提供することが可能となる。
【0035】
(3)前記素子支持部材が、前記不勢部材より受ける付勢力は、前記素子支持部材が前記加熱体に対して及ぼす付勢力より小さいことを特徴とする、請求項1ないし2記載の加熱装置。
【0036】
これにより、第一ないし第二の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0037】
(4)前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材に対して、固定されていることを特徴とする、請求項1ないし3記載の加熱装置。
【0038】
これにより、第三の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0039】
(5)前記安全対策用温度検知素子支持部材は、前記加熱体支持部材を貫通する穴に配置され、少なくとも、前記素子支持部材の外径の一部が、前記加熱体支持部材を貫通する穴の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項1ないし4記載の加熱装置。
【0040】
これにより、第一ないし第四の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0041】
(6)前記加熱体保持部材および前記素子支持部材が、ともに樹脂よりなることを特徴とする、請求項1ないし5記載の加熱装置。
【0042】
これにより、第一ないし第五の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0043】
(7)前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴とする、請求項1ないし6記載の加熱装置。
【0044】
これにより、第一ないし第六の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0045】
(8)通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の以上昇温時に加熱体の熱で作動し、給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、該加熱体に耐熱性スリーブを接触摺動させ、該フィルムに被加熱材を密着させて該加熱体から該耐熱性スリーブを介して被加熱材に熱エネルギーを付与する加熱装置において、
前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあって、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
前記安全対策用温度検知素子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材は加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による、前記素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加熱体側へ移動させる付勢力を有し、
前記素子支持部材の軟化点は、前記加熱体支持部材の軟化点よりも低いことを特徴とする加熱装置。
【0046】
これにより、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる。
【0047】
(9)前記素子支持部材は、軟化点が、前記安全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とする、請求項8記載の加熱装置。
【0048】
これにより、第八の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となるとともに、リサイクル性に優れた加熱装置を提供することが可能となる。
【0049】
(10)前記素子支持部材が、前記不勢部材より受ける付勢力は、前記素子支持部材が前記加熱体に対して及ぼす付勢力より小さいことを特徴とする、請求項8ないし9記載の加熱装置。
【0050】
これにより、第八ないし第九の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0051】
(11)前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材に対して、固定されていることを特徴とする、請求項8ないし10記載の加熱装置。
【0052】
これにより、第十の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0053】
(12)前記安全対策用温度検知素子支持部材は、前記加熱体支持部材を貫通する穴に配置され、少なくとも、前記素子支持部材の外径の一部が、前記加熱体支持部材を貫通する穴の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項8ないし11記載の加熱装置。
【0054】
これにより、第八ないし第十一の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0055】
(13)前記加熱体保持部材および前記素子支持部材が、ともに樹脂よりなることを特徴とする、請求項8ないし12記載の加熱装置。
【0056】
これにより、第八ないし第十二の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0057】
(14)前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴とする、請求項8ないし13記載の加熱装置。
【0058】
これにより、第八ないし第十三の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となる。
【0059】
(15)前記スリーブは、少なくとも耐熱樹脂のフィルムであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置。
【0060】
これにより、第八ないし第十四の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる
(16)前記スリーブは、少なくとも金属製のフィルムであることを特徴とする、請求項8ないし15記載の加熱装置。
【0061】
これにより、第八ないし第十五の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる
(17)前記スリーブは、少なくとも樹脂または金属製のフィルム上に弾性層を設けたものであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置。
【0062】
これにより、第八ないし第十四の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる
(18)請求項1ないし17記載の加熱装置を、定着装置として備えたことを特徴とする、画像形成装置。
【0063】
これにより、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる
(19)請求項18記載の画像形成装置において、複数色のトナーを重ね合わせることにより、カラー画像を形成することを特徴とする、カラー画像形成装置。
【0064】
これにより、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となる
【発明の効果】
【0065】
以上説明したように、
本明細第一の発明によれば、
通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作動し、給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあって、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
前記安全対策用温度検知素子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材は加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による、前記素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加熱体側へ移動させる付勢力を有し、
前記素子支持部材の軟化点は、前記加熱体支持部材の軟化点よりも低いことを特徴とする加熱装置により、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった。
【0066】
本明細第二の発明によれば、
前記素子支持部材は、軟化点が、前記安全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とする、請求項1記載の加熱装置により、第一の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となるとともに、リサイクル性に優れた加熱装置を提供することが可能となった。
【0067】
本明細第三の発明によれば、
前記素子支持部材が、前記不勢部材より受ける付勢力は、前記素子支持部材が前記加熱体に対して及ぼす付勢力より小さいことを特徴とする、請求項1ないし2記載の加熱装置により、第一ないし第二の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0068】
本明細第四の発明によれば、
前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材に対して、固定されていることを特徴とする、請求項1ないし3記載の加熱装置により、第三の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0069】
本明細第五の発明によれば、
前記安全対策用温度検知素子支持部材は、前記加熱体支持部材を貫通する穴に配置され、少なくとも、前記素子支持部材の外径の一部が、前記加熱体支持部材を貫通する穴の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項1ないし4記載の加熱装置により、第一ないし第四の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0070】
本明細第六の発明によれば、
前記加熱体保持部材および前記素子支持部材が、ともに樹脂よりなることを特徴とする、請求項1ないし5記載の加熱装置により、第一ないし第五の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0071】
本明細第七の発明によれば、
前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴とする、請求項1ないし6記載の加熱装置により、第一ないし第六の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0072】
本明細第八の発明によれば、
通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の以上昇温時に加熱体の熱で作動し、給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、該加熱体に耐熱性スリーブを接触摺動させ、該フィルムに被加熱材を密着させて該加熱体から該耐熱性スリーブを介して被加熱材に熱エネルギーを付与する加熱装置において、
前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあって、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
前記安全対策用温度検知素子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材は加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による、前記素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加熱体側へ移動させる付勢力を有し、
前記素子支持部材の軟化点は、前記加熱体支持部材の軟化点よりも低いことを特徴とする加熱装置により、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった。
【0073】
本明細第九の発明によれば、
前記素子支持部材は、軟化点が、前記安全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とする、請求項8記載の加熱装置により、第八の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となるとともに、リサイクル性に優れた加熱装置を提供することが可能となった。
【0074】
本明細第十の発明によれば、
前記素子支持部材が、前記不勢部材より受ける付勢力は、前記素子支持部材が前記加熱体に対して及ぼす付勢力より小さいことを特徴とする、請求項8ないし9記載の加熱装置により、第八ないし第九の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0075】
本明細第十一の発明によれば、
前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材に対して、固定されていることを特徴とする、請求項8ないし10記載の加熱装置により、第十の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0076】
本明細第十二の発明によれば、
前記安全対策用温度検知素子支持部材は、前記加熱体支持部材を貫通する穴に配置され、少なくとも、前記素子支持部材の外径の一部が、前記加熱体支持部材を貫通する穴の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項8ないし11記載の加熱装置により、第八ないし第十一の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0077】
本明細第十三の発明によれば、
前記加熱体保持部材および前記素子支持部材が、ともに樹脂よりなることを特徴とする、請求項8ないし12記載の加熱装置により、第八ないし第十二の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0078】
本明細第十四の発明によれば、
前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴とする、請求項8ないし13記載の加熱装置により、第八ないし第十三の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子のより安定した動作を保証し、優れたリサイクル性を確保するとともに、安定した搬送性、画像品質を得ることが可能となった。
【0079】
本明細第十五の発明によれば、
前記スリーブは、少なくとも耐熱樹脂のフィルムであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置により、第八ないし第十四の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった
本明細第十六の発明によれば、
前記スリーブは、少なくとも金属製のフィルムであることを特徴とする、請求項8ないし15記載の加熱装置により、第八ないし第十五の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった。
【0080】
本明細第十七の発明によれば、
前記スリーブは、少なくとも樹脂または金属製のフィルム上に弾性層を設けたものであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置により、第八ないし第十四の発明と同様、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった。
【0081】
本明細第十八の発明によれば、
請求項1ないし17記載の加熱装置を、定着装置として備えたことを特徴とする、画像形成装置により、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった。
【0082】
本明細第十九の発明によれば、
請求項18記載の画像形成装置において、複数色のトナーを重ね合わせることにより、カラー画像を形成することを特徴とする、カラー画像形成装置により、画像形成装置の高速化・カラー化にも関わらず、安全対策用温度検知素子が、より安定して動作することを保証することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0083】
(実施例1)
(1)画像形成装置例
図1に、本発明の実施例であるカラー画像形成装置の概略構成図を示す。本例のカラー画像形成装置は、電子写真方式を用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせることでフルカラー画像を得る装置であり、プロセススピードは90mm/sec、一分間の印字枚数はUSレターサイズ紙で16枚である。また、一枚目プリント(First Page Out)までの時間(FPOT)は約15秒である。
【0084】
Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー像を形成する4つのプロセスカートリッジであり、下から上に順に配列してある。各プロセスカートリッジY・C・M・Kは、それぞれ、像担持体たる感光体ドラム1、帯電手段たる帯電ローラ2、静電潜像を顕像化するための現像手段3、感光体ドラムのクリーニング手段4等をひとつの容器にまとめた、いわゆるオールインワンカートリッジを使用している。イエローのプロセスカートリッジYの現像手段3にはイエロートナーを、シアンのプロセスカートリッジCの現像手段3にはシアントナーを、マゼンタのプロセスカートリッジMの現像手段3にはマゼンタトナーを、ブラックのプロセスカートリッジKの現像手段3にはブラックトナーを、それぞれ充填してある。
【0085】
感光体ドラム1に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系5が上記4色のプロセスカートリッジY・C・M・Kに対応して設けられている。光学系5としてはレーザー走査露光光学系を用いている。
【0086】
各プロセスカートリッジY・C・M・Kにおいて、光学系5より、画像データに基づいた走査露光が、帯電手段2により一様に帯電された感光体ドラム1上になされることにより、感光体ドラム表面に走査露光画像に対応する静電潜像が形成される。不図示のバイアス電源より現像手段3の現像ローラに印加される現像バイアスを、帯電電位と潜像(露後部)電位の間の適切な値に設定することで、負の極性に帯電されたトナーが感光体ドラム1上の静電潜像に選択的に付着して現像が行われる。
【0087】
すなわち、イエローのプロセスカートリッジYの感光体ドラム1にはイエロートナー像が、シアンのプロセスカートリッジCの感光体ドラム1にはシアントナー像が、マゼンタのプロセスカートリッジMの感光体ドラム1にはマゼンタトナー像が、ブラックのプロセスカートリッジKの感光体ドラム1にはブラックトナー像が、それぞれ形成される。
【0088】
各プロセスカートリッジY・C・M・Kの感光体ドラム1上に現像形成された上記の単色トナー画像は各感光体ドラム1の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体6上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写されることで、中間転写体6上にフルカラートナー画像が合成形成される。
【0089】
本実施例においては、中間転写体6として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ7、二次転写ローラ対向ローラ14、テンションローラ8の3本のローラに懸回して張架してあり、駆動ローラ7によって駆動される。
【0090】
各プロセスカートリッジY・C・M・Kの感光体ドラム1上から中間転写ベルト6上へのトナー像の一次転写手段としては、一次転写ローラ9を用いている。一次転写ローラ9に対して、不図示のバイアス電源より、トナーと逆極性の一次転写バイアスを印加することにより、各プロセスカートリッジY・C・M・Kの感光体ドラム1上から中間転写ベルト6に対して、トナー像が一次転写される。
【0091】
各プロセスカートリッジY・C・M・Kにおいて感光体ドラム1上から中間転写ベルト6への一次転写後、感光体ドラム1上に転写残として残ったトナーは、クリーニング手段4により除去される。本実施例においては、クリーニング手段4として、ウレタンブレードによるブレードクリーニングを用いている。
【0092】
上記工程を中間転写ベルト6の回転に同調して、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のプロセスカートリッジY・C・M・Kにおいて行わせて、中間転写ベルト6上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
【0093】
一方、転写材供給部となる転写材カセット10にセットされた転写材Pは、給送ローラ11により給送され、レジストローラ12により所定の制御タイミングで、二次転写ローラ対向ローラ14に懸回されている中間転写ベルト6部分と二次転写手段としての二次転写ローラ13とのニップ部に搬送される。
【0094】
中間転写ベルト6上に形成された一次転写トナー像は、二次転写手段たる二次転写ローラ13に不図示のバイアス印加手段より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、転写材P上に一括転写される。
【0095】
二次転写後に中間転写ベルト6上に残った二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング手段15により除去される。本実施例においては、感光体ドラム1のクリーニング手段4と同様、ウレタンブレードによる中間転写体クリーニングを行っている。
【0096】
転写材P上に二次転写されたトナー画像は、定着手段たる定着装置Fを通過することで、転写材P上に溶融定着され、排紙パス31を通って排紙トレイ32に送り出されて画像形成装置の出力画像となる。
【0097】
(2)定着装置F
図2は定着装置Fの概略構成模型図である。本例の定着装置Fは、定着ベルト加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の加熱装置である。
【0098】
1)装置Fの全体的構成
20は第一の定着部材としての定着ベルトであり、ベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状)の部材である。この定着ベルト20は後記3)項で詳述する。
【0099】
22は第二の定着部材としての加圧ローラである。17は横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒーターホルダ、16は熱源としての定着ヒーターであり、ヒーターホルダ17の下面に該ホルダの長手に沿って配設してある。定着ベルト20はこのヒーターホルダ17にルーズに外嵌させてある。定着ヒーター16は本実施例では後記2)項で詳述するようなセラミックヒーターである。
【0100】
ヒーターホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成し、定着ヒーター16を保持し、定着ベルト20をガイドする役割を果たす。本実施例においては、液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。ゼナイト7755の最大使用可能温度は、約270℃である。
【0101】
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金に、射出成形により、厚み約3mmのシリコーンゴム層を形成し、その上に厚み約40μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。この加圧ローラ22は芯金の両端部を装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してある。この加圧ローラ22の上側に、前記のヒーター16・ヒーターホルダ17・定着ベルト20等から成る加熱アセンブリをヒーター16側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置し、ヒーターホルダ17の両端部を不図示の加圧機構により片側98N(10kgf)、総圧196N(20kgf)の力で加圧ローラ22の軸線方向に附勢することで、定着ヒーター16の下向き面を定着ベルト20を介して加圧ローラ22の弾性層に該弾性層の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部Nを形成させてある。加圧機構は、圧解除機構を有し、ジャム処理時等に、加圧を解除し、転写材Pの除去が容易な構成となっている。
【0102】
18は温度検知手段としてのサーミスタである。サーミスタ18は熱源である定着ヒーター16に非接触に配置され、本実施例ではヒーターホルダ17の上方において定着ベルト20の内面に弾性的に接触させてあり、定着ベルト20の内面の温度を検知する。
【0103】
サーミスタ18は、ヒーターホルダ17に固定支持させたステンレス製のアームの先端にサーミスタ素子が取り付けられ、アームが弾性揺動することにより、定着ベルト20の内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタ素子が定着ベルト20の内面に常に接する状態に保たれる。
【0104】
サーミスタ18は、制御回路部(CPU)21に接続され、制御回路部21は、サーミスタ18の出力をもとに、定着ヒーター16の温調制御内容を決定し、ヒーター駆動回路部28(図4)によって定着ヒーター16への通電を制御する。
【0105】
23と26は装置フレーム24に組付けた入り口ガイドと定着排紙ローラである。入り口ガイド23は、二次転写ニップを抜けた転写材Pが、定着ニップ部Nに正確にガイドされるよう、転写材を導く役割を果たす。本実施例の入り口ガイド23は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂により形成されている。
19は、安全対策用温度検知素子たるサーモスイッチである。サーモスイッチ19は、スペーサ25を介して、付勢部材たるバネ26により、定着ヒーター16の方向に付勢され、固定されている。
【0106】
また、スペーサ25には、「つば」が設けられ、通常使用時に、ヒーターホルダ17の定着ヒーター16保持面を超えてスペーサ25が突出することがないよう、構成されている。
【0107】
サーモスイッチ19は、定着ヒーター16への給電線(不図示)に対して直列に接続され、所定の温度以上を検知したときに、定着ヒーター16への通電を遮断する構成となっている。本実施例においては、250℃で通電を遮断するサーモスイッチ19を使用した。
【0108】
加圧ローラ22は駆動手段Mにより矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転駆動による該加圧ローラ22の外面と定着ベルト20との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状の定着ベルト20に回転力が作用して該定着ベルト20がその内面側が定着ヒーター16の下向き面に密着して摺動しながらヒーターホルダ17の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。定着ベルト20内面にはグリスが塗布され、ヒーターホルダ17と定着ベルト20内面との摺動性を確保している。
【0109】
加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト20が従動回転状態になり、また定着ヒーター16に通電がなされ、該定着ヒーター16が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着ベルト20と加圧ローラ22との間に未定着トナー像を担持した転写材Pが入り口ガイド23に沿って案内されて導入され、定着ニップ部Nにおいて転写材Pのトナー像担持面側が定着ベルト20の外面に密着して定着ベルト20と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、定着ヒーター16の熱が定着ベルト20を介して転写材Pに付与され、転写材P上の未定着トナー像が転写材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着ベルト20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
【0110】
2)定着ヒーター16
熱源としての定着ヒーター16は、本実施例では、アルミナの基板上に、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な厚さの膜状に塗布することで抵抗発熱体を形成した上に耐圧ガラスによるガラスコートを施した、セラミックヒーターを使用している。
【0111】
図3はそのようなセラミックヒーターの一例の構造模型図であり、(a)は一部切欠き表面模型図、(b)は裏面模型図、(c)は拡大横断面模型図である。
【0112】
この定着ヒーター16は、
通紙方向と直交する方向を長手とする横長のアルミナ基板a、
上記のアルミナ基板aの表面側に長手に沿ってスクリーン印刷により線状あるいは帯状に塗工した、電流が流れることにより発熱する銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストの、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の抵抗発熱体層b、
上記の抵抗発熱体層bに対する給電パターンとして、同じくアルミナ基板aの表面側に銀ペーストのスクリーン印刷等によりパターン形成した、第1と第2の電極部c・d及び延長電路部e・f、
抵抗発熱体層bと延長電路部e・fの保護と絶縁性を確保するためにそれ等の上に形成した、定着ベルト20との摺擦に耐えることが可能な、厚み10μm程度の薄肉のガラスコートg、
等からなる。
【0113】
上記の定着ヒーター16は表面側を下向きに露呈させてヒーターホルダ17に固定して支持させてある。
【0114】
上記定着ヒーター16の第1と第2の電極部c・d側には給電用コネクタ27が装着される。ヒーター駆動回路部28から上記の給電用コネクタ27を介して第1と第2の電極部c・dに給電されることで抵抗発熱体層bが発熱して定着ヒーター16が迅速に昇温する。ヒーター駆動回路部28は制御回路部(CPU)21により制御される。
【0115】
通常使用においては、加圧ローラ22の回転開始とともに、定着ベルト20の従動回転が開始し、定着ヒーター16の温度の上昇とともに、定着ベルト20内面温度も上昇していく。定着ヒーター16への通電は、PID制御によりコントロールされ、定着ベルト20の内面温度、すなわち、メインサーミスタ18の検知温度が195℃になるように、入力電力が制御される。
【0116】
3)定着ベルト20
定着ベルト20は、ポリイミド樹脂を、厚み50μmの円筒状に形成したエンドレスフィルム上に、弾性層としてシリコーンゴム層を、リングコート法により形成した上に、厚み30μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。
【0117】
シリコーンゴム層には、極力熱伝導率の高い材質を用い、定着ベルト20の熱容量を小さくすることが、温度立ち上げの観点からは望ましい。本実施例においては、熱伝導率が約4.19×10-3J/sec・cm・Kと、シリコーンゴムとしては、熱伝導率が高い部類に属する材質を用いた。
【0118】
一方、OHT透過性や、画像上の「す」(微小なグロスムラ)といった、画質の観点からは、定着ベルト20のゴム層を極力厚くすることが望ましい。本発明者らの検討によれば、満足のいくレベルの画質を得るためには、200μm以上のゴム厚みが必要であることが分かっている。本実施例におけるシリコーンゴム層は、厚み250μmとした。
【0119】
こうして形成した定着ベルト20の熱容量を測定したところ、1.17×10-1J/cm2・K(定着ベルト1cm2あたりの熱容量)であった。一般に、定着ベルト20の熱容量が4.19J/cm2・K以上となると、温度立ち上がりが鈍くなり、オンデマンド性が損なわれる。また、逆に4.19×10-2J/cm2K以下にしようとすると、定着ベルト20のゴム層が極端に薄くせざるを得なくなり、OHT透過性や「す」のレベル等、画質を維持するために必要なゴム層の厚みを確保できない。このため、オンデマンド性と、画質の両方を満足する定着ベルト20の熱容量は、4.19×10-2J/cm2K以上4.19J/cm2K以下の範囲に含まれることが分かる。
【0120】
さらに、定着ベルト20の表面にフッ素樹脂層を設けることで、表面の離型性を向上し、定着ベルト20の表面にトナーが一旦付着し、再度転写材Pに移動することで発生するオフセット現象を防止することができる。
【0121】
また、定着ベルト20の表面のフッ素樹脂層を、PFAチューブとすることで、より簡便に、均一なフッ素樹脂層を形成することが可能となる。
【0122】
(3)異常昇温時におけるサーモスイッチ19の動作
1)サーモスイッチ19
図4に、本実施例におけるサーモスイッチ周辺の詳細断面図を示す。
【0123】
図4において、サーモスイッチ19は、バネ26により、4.9N(500gf)の付勢力をもって、定着ヒーター16の方向に付勢されている。
【0124】
また、サーモスイッチ19は、スペーサ25を介して、一定の空隙をもって定着ヒーター16に対向して配置されている。本実施例においては、サーモスイッチ19と定着ヒーター16間の距離は、0.5mmに設定されている。
【0125】
スペーサ25の材質として、本実施例においては、軟化温度235℃のガラス繊維入りポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた。
【0126】
2)異常昇温時の動作
何らかの原因で、定着ヒーター16が異常昇温した際には、スペーサ25が溶融して、サーモスイッチ19と定着ヒーター16との距離が減少することにより、サーモスイッチが動作して、定着ヒーター16への通電が遮断される。このことにより、定着ヒーター16の異常昇温による、定着装置Fの破損が防止される。
【0127】
図5に、電力制御を行わず、1000Wの電力を定着ヒーター16に投入し、定着ヒーター16裏面の昇温速度を測定したグラフを示す。このグラフからわかるとおり、定着ヒーター16裏面の温度は、5.5秒で300℃に達する。ヒーターホルダ17の材質として用いられているゼナイト7755は、270℃まで使用可能であるが、300℃を超えると、定着ヒーター16の熱および、加圧部材による圧力で、変形を生じるため、定着ヒーター16裏面の温度が300℃に達する前に、サーモスイッチ19を動作させる必要がある。
【0128】
本実施例の定着装置を用いて、1000Wの電力を投入した暴走試験を実施したところ、スペーサ25は3.7秒で溶融し、サーモスイッチ19が動作した。暴走試験実施後のヒーターホルダ17を観察したところ、ダメージもなく、スペーサ25を除去・交換することによって、再利用が可能であった。
【0129】
また、本実施例の定着装置を画像型性装置に装着し、通常の画像出力に供したところ、問題なく私用できた。
【0130】
本実施例においては、安全対策用温度検知素子として、サーモスイッチを使用したが、温度ヒューズ、サーミスタ等、他の素子を使用しても、一向に差し支えない。
【0131】
また、本実施例においては、定着装置として、カラー画像形成装置用の、定着スリーブ表面に弾性層を設けたタイプを使用したが、定着スリーブ表面に弾性層の無い、モノクロ画像形成装置用定着装置に本発明を適用してもよい。モノクロ画像型性装置においても、特に高速化等により、定着ヒーター16裏面が高温になる構成では、本発明は有効である。
【0132】
さらに、本実施例においては、定着スリーブ20の加熱方法として、定着スリーブ20内部にヒーターホルダ17および定着ヒーター16を配置し、定着スリーブ内面から加熱方式を採用したが、定着ヒーター16を定着スリーブ20外周面に接触させ、定着スリーブ20表面を直接加熱する定着方式を採用することもできる。
【0133】
本実施例のヒーターホルダ17材料として液晶ポリマー(LCP)であるゼナイト7755(商品名)、スペーサ25材料としては、ポリエチレンテレフタレートを用いたが、この他にもヒーターホルダ17材質として鉄、アルミ等の金属や、他のグレードのLCP、また、スペーサ材質としては、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)で、ゼナイト7755と異なる耐熱グレードの材質等、さまざまな材料の組み合わせを用いることができる。この組み合わせ方法は、ヒーターホルダ17融点が、スペーサ25の融点よりも高く設定されている限り、自由である。
【0134】
また、本実施例においては、スペーサー部材25に「つば」を設けることにより、定着ヒーター16に対する付勢力を制限する構成をとったが、ヒーターホルダ17に溶着する構成等、他の方法で固定する構成を用いても差し支えない。
【0135】
(比較例1)
本比較例は、実施例1とほぼ同様の構成の定着装置Fを用いるが、サーモスイッチ19がスペーサ25を介せず、直接定着ヒーター16に接触して配置されることを特徴とする。
【0136】
本比較例の定着装置を画像形成装置に装着し、通常の画像出力に供しようとしたところ、画像形成装置の動作開始から3.2秒後に、サーモスイッチ19が動作し、定着ヒーター16への通電が遮断されてしまった。
【0137】
これは、画像形成装置の立ち上げ時には、オーバーシュートにより、定着ヒーター16裏面温度が上昇し、サーモスイッチ19の動作温度を超えてしまったためである。
【0138】
(比較例2)
本比較例は、実施例1とほぼ同様の構成の定着装置Fを用いるが、スペーサ25は、ヒーターホルダ17と別部材ではなく、ヒーターホルダ17とスペーサ25が一体となって形成されていることを特徴とする。
【0139】
図6に、本比較例の定着装置のサーモスイッチ19部の断面図を示す。
【0140】
図6に示すごとく、ヒーターホルダ17に、サーモスイッチ19が、定着ヒーター16に対して空隙を持って配置されるような、突起部分を設けることで、サーモスイッチ19を、定着ヒーター16に対し、非接触に配置している。
【0141】
本比較例の定着装置において、実施例1と同様の暴走試験を実施したところ、電力投入開始から、4.5秒でサーモスイッチ19が動作し、定着ヒーター16への通電は遮断された。
【0142】
暴走試験後に定着装置を分解・観察したところ、ヒーターホルダ17は溶解し、再利用不可能な状態となっていた。これは、スペーサ25をヒーターホルダ17と一体構造としたために、スペーサ25が溶解する際に、ヒーターホルダ17も同時に溶解してしまったためである。
【0143】
(比較例3)
本比較例は、実施例1とほぼ同様の構成の定着装置Fを用いるが、スペーサ25が、ヒーターホルダ17にあけられたサーモスイッチ穴内径より小さく、スペーサ25が、付勢部材26により、ヒーターに対して直接押圧する構成をとる。
【0144】
図7に、本比較例のスペーサ25の構成及び、ヒーターホルダ17の穴との関係を示す。
【0145】
本比較例のスペーサ25は、定着ヒーター16に対し、サーモスイッチ19を、0.5mmの空隙をもって配置することは、実施例1と同様であるが、スペーサ25の底面が、ヒーターホルダ17の、ヒーター接触面よりヒーター側に飛び出さない為の引っかかり部分がなく、スペーサ25は、サーモスイッチ19を介して、付勢部材26から、付勢力を受け、定着ヒーター16に対して4.9N(500gf)の圧で押圧する構成となっている。
【0146】
本比較例の定着装置を用いて、実施例1と同様の暴走試験を実施したところ、実施例1と同様、特に問題は生じなかった。
【0147】
本比較例の定着装置を、画像型性装置に組み込み、通常の画像を出力しようとしたところ、100枚通紙の間に20枚の紙で紙シワが発生した。また、出力された画像においても、サーモスイッチ19に相当する部分で、グロスが高く、他の部分でグロスが低い、グロスムラ現象が発生した。
【0148】
これは、サーモスイッチ部が付勢部材26により、押圧されているため、部分的に加圧力が過剰となり、他の部分と紙の搬送力が異なるため、紙の定着ニップ内での動きが安定せず、紙シワが発生しやすいことに加え、圧力が高いため、サーモスイッチ部分だけが、グロスが上昇してしまい、他の部分との差を生じてしまうためである。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施例における画像形成装置の断面図。
【図2】本発明の実施例における定着装置の断面図。
【図3】本発明の実施例における定着ヒーターの構造を示す図。
【図4】本発明の実施例におけるサーモスイッチ周辺の詳細図。
【図5】本発明の実施例における、1000W電力投入時の定着ヒーター16の昇温カーブを示すグラフ。
【図6】比較例2のサーモスイッチ周辺構造の詳細図。
【図7】比較例3のサーモスイッチ周辺構造の詳細図。
【図8】従来の画像形成装置における定着装置の断面図。
【符号の説明】
【0150】
16 定着ヒーター
17 ヒーターホルダ
19 サーモスイッチ
20 定着スリーブ
25 スペーサ
26 付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作動し、給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあって、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
前記安全対策用温度検知素子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材は加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による、前記素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加熱体側へ移動させる付勢力を有し、
前記素子支持部材の軟化点は、前記加熱体支持部材の軟化点よりも低いことを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記素子支持部材は、軟化点が、前記安全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とする、請求項1記載の加熱装置。
【請求項3】
前記素子支持部材が、前記付勢部材より受ける付勢力は、前記素子支持部材が前記加熱体に対して及ぼす付勢力より小さいことを特徴とする、請求項1ないし2記載の加熱装置。
【請求項4】
前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材に対して、固定されていることを特徴とする、請求項1ないし3記載の加熱装置。
【請求項5】
前記安全対策用温度検知素子支持部材は、前記加熱体支持部材を貫通する穴に配置され、少なくとも、前記素子支持部材の外径の一部が、前記加熱体支持部材を貫通する穴の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項1ないし4記載の加熱装置。
【請求項6】
前記加熱体保持部材および前記素子支持部材が、ともに樹脂よりなることを特徴とする、請求項1ないし5記載の加熱装置。
【請求項7】
前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴とする、請求項1ないし6記載の加熱装置。
【請求項8】
通電により発熱する加熱体と、該加熱体を支持する加熱体支持部材と、該加熱体の異常昇温時に加熱体の熱で作動し、給電を遮断する安全対策用温度検知素子を有し、該加熱体に耐熱性スリーブを接触摺動させ、該フィルムに被加熱材を密着させて、該加熱体から該耐熱性スリーブを介して被加熱材に熱エネルギーを付与する加熱装置において、
前記加熱体と前記安全対策用温度検知素子の間にあって、通常時は前記安全対策用温度検知素子を加熱体との間に所定の空隙を保って支持する素子支持部材を有し、
前記安全対策用温度検知素子を加熱体の方向へ付勢する付勢部材を有し、該付勢部材は加熱体の異常昇温時の加熱体からの熱による、前記素子支持部材の溶融に伴い、安全対策用温度検知素子を加熱体側へ移動させる付勢力を有し、
前記素子支持部材の軟化点は、前記加熱体支持部材の軟化点よりも低いことを特徴とする加熱装置。
【請求項9】
前記素子支持部材は、軟化点が、前記安全対策用温度検知素子の作動温度より大であることを特徴とする、請求項8記載の加熱装置。
【請求項10】
前記素子支持部材が、前記付勢部材より受ける付勢力は、前記素子支持部材が前記加熱体に対して及ぼす不正力より小さいことを特徴とする、請求項8ないし9記載の加熱装置。
【請求項11】
前記素子支持部材は、前記加熱体支持部材に対して、固定されていることを特徴とする、請求項8ないし10記載の加熱装置。
【請求項12】
前記安全対策用温度検知素子支持部材は、前記加熱体支持部材を貫通する穴に配置され、少なくとも、前記素子支持部材の外径の一部が、前記加熱体支持部材を貫通する穴の内径よりも大きいことを特徴とする、請求項8ないし11記載の加熱装置。
【請求項13】
前記加熱体保持部材および前記素子支持部材が、ともに樹脂よりなることを特徴とする、請求項8ないし12記載の加熱装置。
【請求項14】
前記加熱体は、絶縁性の平板状の基板と、該基板に具備させた発熱抵抗体部からなることを特徴とする、請求項8ないし13記載の加熱装置。
【請求項15】
前記スリーブは、少なくとも耐熱樹脂のフィルムであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置。
【請求項16】
前記スリーブは、少なくとも金属製のフィルムであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置。
【請求項17】
前記スリーブは、少なくとも樹脂または金属製のフィルム上に弾性層を設けたものであることを特徴とする、請求項8ないし14記載の加熱装置。
【請求項18】
請求項1ないし17記載の加熱装置を、定着装置として備えたことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項19】
請求項18記載の画像形成装置において、複数色のトナーを重ね合わせることにより、カラー画像を形成することを特徴とする、カラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−92916(P2006−92916A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277205(P2004−277205)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】