説明

加熱調理器

【課題】調理器本体内に配設された内釜温度を検出する温度検出手段を用いて噴きこぼれを防止した加熱調理を行う。
【解決手段】内釜10を内部に配設した調理器本体13と、調理器本体13に開閉可能に配設され内釜10の上端開口を閉塞する蓋体25と、内釜10内で発生した蒸気を外部に排気する排気通路と、内釜10を加熱する加熱手段20と、内釜10の温度を検出する温度検出手段24とを備え、温度検出手段24の検出値に基づいて、加熱手段20によって内釜10を加熱する加熱調理器において、温度検出手段24の検出値が第1温度に到達するまで第1通電率かつ第1電力で加熱を行う第1加熱工程と、温度検出手段24の検出値が第1温度に到達後、第1温度より高温かつ水の沸騰温度より低温の第2温度に到達するまで所定単位時間当たりの加熱量が第1加熱工程よりも低い第2通電率かつ第2電力で加熱を行う第2加熱工程とを実行する制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、焦げ飯と水とを加熱して粥にしたいわゆる”湯の子”を作るフローを有する加熱調理器(炊飯器)が開示されている。
【0003】
この炊飯器は、内釜の底部を加熱する底ヒータ、内釜の底部の温度を検出する底温度センサ、内釜を閉塞する内蓋の上部を補助的に加熱する蓋ヒータ、および内蓋の上部に位置し内釜の内部温度を検出する蓋温度センサを有している。そして、この炊飯器の湯の子を作るフローには、底温度センサにより検出された内釜の底部の温度が第1の所定温度に到達するまで加熱する第1加熱工程と、第1加熱工程の終了後に蓋温度センサにより検出された内釜の内部温度が第2の所定温度に到達するまで加熱する第2加熱工程とが含まれている。
【0004】
この炊飯器では、蓋温度センサによって水蒸気が発生する温度域の第2の所定温度を検出するため、沸騰する前から発生し始めているおねばの噴きこぼれが生じる可能性がある。また、蓋センサを用いて制御を行うため、蓋センサに影響を与える蓋ヒータを通電することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−148068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、調理器本体内に配設された内釜の温度を検出する温度検出手段を用いて噴きこぼれを防止した加熱調理を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、本発明の加熱調理器は、おこげご飯と水とをセットする内釜を内部に配設した調理器本体と、前記調理器本体に開閉可能に配設され、前記内釜の上端開口を閉塞する蓋体と、前記蓋体に設けられ、前記内釜内で発生した調理物成分を含む蒸気を外部に排気する排気通路と、前記調理器本体内に配設され、前記内釜を加熱する加熱手段と、前記調理器本体内に配設され、前記内釜の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記温度検出手段の検出値に基づいて、前記加熱手段によって前記内釜を加熱して、前記内釜内のおこげご飯を調理する加熱調理器において、前記温度検出手段の検出値が第1温度に到達するまで、第1通電率かつ第1電力の加熱量で加熱を行う第1加熱工程と、前記温度検出手段の検出値が前記第1温度に到達後、前記第1温度より高温かつ前記水の沸騰温度より低温の第2温度に到達するまで、所定単位時間当たりの加熱量が前記第1加熱工程よりも低い第2通電率かつ第2電力の加熱量で加熱を行う第2加熱工程とを実行する制御手段を有するようにした。
【0008】
この構成によれば、温度検出手段の検出値に基づいて、加熱手段によって第1温度に到達するまで第1通電率かつ第1電力の加熱量で内釜を加熱した後、所定単位時間当たりの加熱量が第1加熱工程よりも低い第2通電率かつ第2電力の加熱量で内釜を緩やかに加熱するので、内釜内の調理物が第2温度を超えて沸騰温度に到達することを防止できる。したがって、噴きこぼれを防止できる。
【0009】
前記第1通電率は連続通電となる100%であり、前記第1電力は前記加熱調理器が出力可能な電力の範囲内において最大電力であることが好ましい。この構成によれば、第1温度に到達するまで連続通電かつ最大電力で内釜を加熱するので、第1加熱工程の調理時間を、セットした水の水温が低い場合であっても可能な限り短縮することで、トータルの調理時間を短縮して、使用性を向上させることができる。内釜の調理物の温度を温度検出手段によって検出しているので、調理物の温度をより容易かつ正確に制御できる。
【0010】
前記第2加熱工程の終了後に前記温度検出手段の検出値が前記第2温度に維持されるように温調制御を行う温度維持工程を有することが好ましい。この構成によれば、調理物の温度を第2加熱工程の終了後に正確に第2温度にすることができる。
【0011】
前記第1加熱工程と前記第2加熱工程の間に、前記加熱手段を休止状態にする第1休止工程を有することが好ましい。この構成によれば、第1加熱工程での加熱の影響が第2加熱工程に及ぶことを確実に防止できる。
【0012】
前記第2加熱工程の終了直後に前記加熱手段を休止状態にする第2休止工程を有することが好ましい。この構成によれば、第2加熱工程での加熱による調理物の温度上昇を確実に停止させることができる。
【0013】
前記第1加熱工程の前に、前記おこげご飯を作る前工程を有することが好ましい。この構成によれば、おこげご飯を作る工程を含めた調理物の一連の調理工程を構成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、調理器本体内に配設された内釜の温度を検出する温度検出手段を用いて噴きこぼれを防止した加熱調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の調理方法を採用した加熱調理器である炊飯器を示す部分断面図。
【図2】炊飯器の構成を示すブロック図。
【図3】調理処理を示すフローチャート。
【図4】底温度センサ、蓋温度センサ、鍋底、および内蓋それぞれの温度変化を示す図。
【図5】第1加熱工程、第2加熱工程、および温度維持工程における各通電率を示す図。
【図6】調理処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0017】
図1は、本発明の湯の子を作る調理方法を採用した加熱調理器である炊飯器を示す。炊飯器は、内釜10と、内釜10を収容する炊飯器本体13(調理器本体)と、炊飯器本体13に回動可能に取り付けられた蓋体25とからなる。
【0018】
内釜10は、有底略逆円錐筒状をなし、その上端に径方向外向きに突出する第1フランジ部11が設けられている。また、内釜10には、第1フランジ部11よりも下方で、かつ、後述する誘導加熱コイル20によって加熱される下側部分よりも上方の側壁に、径方向外向きに突出する第2フランジ部12が設けられている。
【0019】
炊飯器本体13は、上下端を開口した筒状をなす胴体14と、胴体14の下端開口を閉塞する底体15と、胴体14の上端開口を閉塞する肩体16とを有する外装体を備えている。肩体16には、略中央に開口部が設けられ、この開口部の上側縁で内釜10の第1フランジ部11を受ける。また、開口部には、内釜10の収容部を構成する筒状の内胴17と、非導電性材料からなる受け皿状の保護枠18とが配設されている。保護枠18には、上部に内釜10の第2フランジ部12を受ける段部19が設けられている。
【0020】
保護枠18の外面には、内釜10の底を誘導加熱する第1(下部)加熱手段である誘導加熱コイル20がフェライトコア21を介して固定されている。また、保護枠18の段部19には、内釜10の中間である第2フランジ部12を直接加熱する第2加熱手段として、中間ヒータ22が配設されている。さらに、内胴17の外側には、内釜10の外周部上層を加熱する第3加熱手段として胴ヒータ23が配設されている。そして、保護枠18の底中央には、保護枠18を貫通して内釜10に接触し、この内釜10の下部温度TLを検出する下部温度検出手段として底温度センサ24が配設されている。
【0021】
蓋体25は、上板26と下板28とを有する外装体を備え、炊飯器本体13の上部を覆うものである。上板26の正面側には、蓋体25を開放するための開放操作部材27が配設され、下板28は、炊飯器本体13の背部のヒンジ接続部に開閉可能に装着されている。下板28の下側面には放熱板29が配設され、放熱板29上に、内釜10内の上部を加熱する第4(上部)加熱手段として蓋ヒータ30が配設されている。また、蓋体25の内部には、放熱板29上に位置するように、内釜10内の上部の空気層の温度TUを検出する蓋温度センサ31が配設されている。
【0022】
蓋体25の内部には、内釜10の内部で発生した蒸気を外部に排気するための排気通路が形成されている。この排気通路は、後述する内蓋35の略中央に設けた連通部32が入口を構成する。内釜10内の蒸気は、連通部32から内蓋35に配設した圧力投入機構50のケーシング51内に、球状部材52が圧力に応じて接離する通気孔53を通じて流入し、このケーシング51内を通ってケーシング51と下板28に形成した弁収容部33との間に流入する。その後、弁収容部33の下端から放熱板29と内蓋35の間の空隙部34に流入し、この空隙部34を通って上板26に着脱可能に配設した蒸気口セット43に流入する。そして、この蒸気口セット43内を通って外部へ排出される。即ち、本実施形態では、内釜10内を臨む連通部32、圧力投入機構50、弁収容部33、空隙部34および蒸気口セット43を経た経路が排気通路を構成する。また、蓋ヒータ30は、排気通路を構成する空隙部34を介して内釜10の上部空間を加熱し、蓋温度センサ31は、同様に空隙部34を介して内釜10内の温度TUを検出する。
【0023】
この炊飯器は、上面の前側に位置し蓋体25に隣接する部分に操作パネル部77を備えている。操作パネル部77は”通常炊飯”、”おこげ”、”湯の子”、および”おこげ・湯の子”を含む各調理フローを選択するキーを備えている。また、炊飯器本体13内に制御基板(図示せず)が配設されている。この制御基板には、制御手段であるマイコン75が実装されている。図2に示すように、マイコン75は、内蔵した記憶手段であるROM76に予め記憶されたプログラムに従って、誘導加熱コイル20、中間層ヒータ22、胴ヒータ23および蓋ヒータ30の加熱(通電)制御を行い、予熱、昇温(中ぱっぱ)、沸騰維持、および、むらしなどの各工程を経て炊飯(調理)処理を実行するとともに、炊き上げた米飯を所定温度に保温する保温処理を実行する。
【0024】
次に、図3に示す一例に従って本発明による湯の子の調理方法の制御フローを具体的に説明する。
【0025】
まず、内釜10に所定量(0.5CUP)のおこげ(調理対象物)と水とを収容して炊飯器をセットし、炊飯器の操作パネル部77のキーにより湯の子フローを選択して調理を開始する。本実施形態の湯の子フローは、昇温工程、温度維持工程を有している。昇温工程は、第1加熱工程と第2加熱工程とからなっている。
【0026】
炊飯器はセットアップ完了後、昇温工程に移行する。その際、誘導加熱コイル20の通電率は第1通電率R1に設定される(S3)。本実施形態では、第1通電率R1=100%である。したがって、図5に示すように、誘導加熱コイル20に最大電力(1200W)で連続通電する。そして、下部測定温度TLの検出を周期(単位時間15秒)毎に行う。前記検出は、周期の終わりであって、ヒータOFFに切り替える直前のヒータON時に行われる。誘導加熱コイル20による第1通電率R1での加熱は、下部測定温度TLが60℃(=第1温度T1)に到達するか、あるいは昇温工程に移行後10分(=t1)経過するまで行う(S4)。S3およびS4のステップは、第1加熱工程を構成する。第1加熱工程は図4中のAの範囲である。なお、第1加熱工程の調理時間を、セットした水の水温が低い場合であっても可能な限り短縮することで、トータルの調理時間を短縮させるようにするため、誘導加熱コイル20に対して第1通電率を連続通電となる100%とし、かつ第1電力を最大電力で通電される。しかしながら、おねばは釜内が沸騰する前でも発生し、また、底温度センサ24が第1温度T1に到達したことを検出し誘導加熱コイル20への通電を停止しても余熱による温度上昇を直ちに停止させることはできないため、第1温度T1は、それらを考慮した調理物の噴きこぼれを生じさせない温度であり、かつできるだけ高い温度に設定することが望ましい。
【0027】
第1加熱工程の終了後、第2加熱工程に移行する。その際、誘導加熱コイル20の通電率を第2通電率R2に変更する(S5)。本実施形態では、第2通電率R2=67%、第2電力=1200Wである。したがって、図5に示すように、周期15秒のうちの最初の5秒間は誘導加熱コイル20への通電を停止(ヒータOFF)し、残りの10秒間は誘導加熱コイル20に通電(ヒータON)する。そして、下部測定温度TLの検出は、第1加熱工程と同様に行われる。誘導加熱コイル20による第2通電率R2での加熱は、下部測定温度TLが92℃(=第2温度T2)に到達するか、あるいは第2加熱工程に移行後10分(=t2)経過するまで行う(S6)。S5およびS6のステップは、第2加熱工程を構成する。そして、第1加熱工程および第2加熱工程は昇温工程を構成する。第2加熱工程は図4中のBの範囲である。
【0028】
第2加熱工程の終了後、温度維持工程に移行する。その際、誘導加熱コイル20への通電を停止する。温度維持工程は図4中のCの範囲である。温度維持工程は下部測定温度TLが92℃(=第2温度T2)に維持されるようにして10分(=t3)間温調制御が行われる。温度維持工程においても、下部測定温度TLの検出は第1加熱工程と同様に行われ、下部測定温度TLが92℃以上であるか否かが判定される。
【0029】
(i)下部測定温度TLが92℃以上である場合、次の周期は、最初から最後まで誘導加熱コイル20への通電を停止する。そして、その周期の終わりに検出した下部測定温度TLが92℃未満である場合、次の周期では、通電率R3(=53%)、電力=1000Wで誘導加熱コイル20へ通電する。すなわち、図5に示すように、周期15秒のうちの最初の7秒間は誘導加熱コイル20への通電を停止し、残りの8秒間は誘導加熱コイル20に通電する。
【0030】
(ii)下部測定温度TLが92℃未満である場合、下部測定温度TLが92℃に到達するまで誘導加熱コイル20への通電および通電停止を繰り返す。
【0031】
温度維持工程が終了すると調理完了となり、図示しない報知手段により使用者に報知される。本発明によれば、調理物の温度を第2加熱工程の終了後に正確に第2温度にすることができる。
【0032】
本発明によれば、底温度センサ24の検出値に基づいて、誘導加熱コイル20によって第1温度T1に到達するまで第1通電率R1かつ第1電力の加熱量で内釜10を加熱した後、所定単位時間当たりの加熱量が第1加熱工程よりも低い第2通電率R2かつ第2電力の加熱量で内釜10を緩やかに加熱するので、内釜10内の調理物が第2温度T2を超えて沸騰温度に到達することを防止できる。したがって、噴きこぼれを確実に防止できる。
【0033】
図4に示すように、底温度センサ24の検出温度が第2温度T2に到達した状態では、底温度センサ24の検出温度、鍋底の温度、および内蓋35の温度の間に大きな差は生じていないが、蓋温度センサ31の検出温度と内蓋35の温度の間には大きな差が生じている。すなわち、内釜10の調理物と、底温度センサ24の検出温度、鍋底の温度、および内蓋35それぞれの間に大きな温度差を有していないが、内釜10の調理物と、蓋温度センサ31の検出温度の間には大きな温度差を有している。そして、蓋温度センサ31の検出温度は約130℃である。本発明では、内釜10の調理物の温度を底温度センサ24によって検出しているので、調理物の温度をより容易かつ正確に制御できる。また、蓋温度センサ31による水の沸騰温度を超えた温度域での温度制御を回避できるので、内釜10内の調理物の温度を水の沸騰温度未満に維持することができ、内釜10内の調理物の噴きこぼれを防止できる。
【0034】
続いて、湯の子フローの前におこげ炊飯フロー(前工程)を組み込んだおこげ・湯の子フローを実行する調理工程の制御フローを図6により説明する。この調理工程は、飯米から調理対象物であるおこげを作り、該おこげから湯の子を作るものである。
【0035】
まず、内釜10に所定量の飯米と水とを収容して炊飯器をセットし、炊飯器の操作パネル部77のキーによりおこげ・湯の子フローを選択して調理を開始する。
【0036】
調理処理が開始されると、予熱、昇温(中ぱっぱ)、沸騰維持、および、むらしなどの各工程を経て公知のおこげ炊飯が実行される。おこげ炊飯が終了すると、図示しない報知手段により使用者に報知される。その後、使用者は、内釜10から所定量(0.5CUP)のおこげを残してごはんを取り出す。次に、内釜10に所定量の水を注入する。そして、蓋体25を閉じ、おこげ・湯の子フローの湯の子フロー部分を開始する。湯の子フローについては説明を省略する。
【0037】
本発明によれば、飯米からおこげ(調理対象物)を作り、該おこげを使用して湯の子を調理することができる。すなわち、調理対象物を作る工程を含めた調理物の一連の調理工程を構成できる。
【0038】
なお、本発明の加熱調理器は、前記実施形態の調理方法に限定されるものではなく、以下に例示するように種々の変更が可能である。
【0039】
前記実施形態では、内釜10におこげ(調理対象物)と水とを注入する調理方法を説明したが、第1加熱工程を省略できるフローを予め設定し、水の代わりにお湯を注入できるようにしてもよい。湯の子調理の際、好みに応じて塩や具材等を投入してもよい。
【0040】
前記実施形態では、第1加熱工程でフル通電で連続加熱する例を説明したが、これに限定されず、フル通電でなく出力を抑えて加熱してもよい。また、第2加熱工程で間欠加熱でなく出力を抑えて連続加熱を行ってもよい。
【0041】
加熱調理器の保温性が土鍋等のように高い場合には、温度維持工程を省略してもよい。また、第1加熱工程と第2加熱工程の間に、誘導加熱コイル20を休止状態にする第1休止工程を有してもよい。この方法によれば、第1加熱工程での加熱の影響が第2加熱工程に及ぶことを確実に防止できる。さらに、第2加熱工程の終了直後に誘導加熱コイル20を休止状態にする第2休止工程を有してもよい。この方法によれば、第2加熱工程での加熱による調理物の温度上昇を確実に停止させることができる。
【0042】
底温度センサ24による温度検出のタイミングは、周期の終わりだけに限定されず、いずれのタイミングで行ってもよい。また、下部測定温度TLの検出周期の単位時間を変更してもよい。さらに、ヒータの通電率は、温度検出後、ヒータOFFからスタートするものについて記載したが、ヒータONからスタートするものであってもよい。
【0043】
各工程の長さt0〜3、温度T0〜2、通電率R1〜3は変更してもよい。第1温度T1は60〜65℃が望ましく、第2温度T2は90〜94℃が望ましい。
【0044】
「おこげ・湯の子フロー」は、独立した「おこげ炊飯フロー」と「湯の子フロー」とを連続して使用するものであってもよい。
【0045】
湯の子は、本来、「おこげ」に水などを加えて加熱調理されるものであるが、「おこげのないご飯の残り」に水などを加えて加熱調理してもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 内釜
13 炊飯器本体(調理器本体)
20 誘導加熱コイル(加熱手段)
24 底温度センサ(温度検出手段)
25 蓋体
32 連通部(排気通路)
33 弁収容部(排気通路)
34 空隙部(排気通路)
43 蒸気口セット(排気通路)
75 マイコン(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おこげご飯と水とをセットする内釜を内部に配設した調理器本体と、
前記調理器本体に開閉可能に配設され、前記内釜の上端開口を閉塞する蓋体と、
前記蓋体に設けられ、前記内釜内で発生した調理物成分を含む蒸気を外部に排気する排気通路と、
前記調理器本体内に配設され、前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記調理器本体内に配設され、前記内釜の温度を検出する温度検出手段と
を備え、
前記温度検出手段の検出値に基づいて、前記加熱手段によって前記内釜を加熱して、前記内釜内のおこげご飯を調理する加熱調理器において、
前記温度検出手段の検出値が第1温度に到達するまで、第1通電率かつ第1電力の加熱量で加熱を行う第1加熱工程と、前記温度検出手段の検出値が前記第1温度に到達後、前記第1温度より高温かつ前記水の沸騰温度より低温の第2温度に到達するまで、所定単位時間当たりの加熱量が前記第1加熱工程よりも低い第2通電率かつ第2電力の加熱量で加熱を行う第2加熱工程とを実行する制御手段を有することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記第1通電率は連続通電となる100%であり、
前記第1電力は前記加熱調理器が出力可能な電力の範囲内において最大電力であることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記第2加熱工程の終了後に前記温度検出手段の検出値が前記第2温度に維持されるように温調制御を行う温度維持工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記第1加熱工程と前記第2加熱工程の間に、前記加熱手段を休止状態にする第1休止工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記第2加熱工程の終了直後に前記加熱手段を休止状態にする第2休止工程を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記第1加熱工程の前に、前記おこげご飯を作る前工程を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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