説明

加硫装置の水位制御方法

【課題】エネルギー効率の良い冷却水ポンプの運転が可能となり、水位調節弁や圧力調節弁の保守を不要とすることができ、かつ、蒸気投入時などの加硫筒内圧力変動に対しても、水位を安定して制御できる水位制御方法を提供する。
【解決手段】ゴム被覆を施した線状体1を加硫筒2内の上部に形成した蒸気層3を通して加硫させた後、加硫筒2内の下部に形成した冷却水層4を通して冷却する加硫装置10の加硫筒2内の水位を制御するに際し、加硫筒2に、冷却水層4に冷却水を供給する能力可変冷却水ポンプ27を接続すると共に、その能力可変冷却水ポンプ27を周波数可変装置28で駆動し、加硫筒2に、冷却水層4の冷却水を排水する排水槽17を接続し、周波数可変装置28の周波数を制御して、加硫筒2内の冷却水層4の水位を制御する加硫装置10の水位制御方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム被覆ケーブルを加硫装置で加硫した後に、冷却水で冷却する際の水位制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加硫装置における水位制御方法を図3を用いて説明する。
【0003】
図3に示す加硫装置30はカテナリ型の連続加硫機であり、例えば、ゴム被覆ケーブルを製造する上で、導体(芯線)1aにゴムを押出し被覆したケーブル(線状体)1を、加硫筒2内の上部に形成した蒸気層3を通して加硫し、そのケーブルを加硫筒2内の下部に形成した冷却水層4を走行させて冷却し、加硫筒2からケーブルを引取るという工程を連続的に行う装置である。
【0004】
被覆・加硫工程では、加硫筒2の上端に接続した押出機5のクロスヘッド6で導体1aをゴム被覆し、次に、蒸気ボイラ7から投入された加圧蒸気(蒸気層3)を通してケーブル1のゴム被覆を加硫する。蒸気ボイラ7から加硫筒2への蒸気を通す蒸気配管8には、蒸気圧調節弁9と圧力計11とが順次設けられ、蒸気層3の圧力が所定の圧力(例えば、0.2MPa程度)となるように、圧力計11で計測した計測値に基づき、圧力制御装置12が蒸気圧調節弁9の開度を調節する。
【0005】
続く加圧冷却工程では、冷却水槽13より冷却水ポンプ14でウォータシール15(加硫筒2の下端のケーブル出口において、ケーブル1が走行可能なように加硫筒2内の加圧水をシールするもの)の上部に冷却水を供給して、加硫筒2内の下部に冷却水層4を形成し、加硫後のゴム被覆を冷却する。冷却水層4に供給された冷却水は、加硫筒2に接続された排水配管16を介して排水槽17に排水される。排水槽17への排水量は、排水配管16に設けられた排水調節弁18の開度により調節される(なお、加圧冷却工程においては排水調節弁18は開放状態とされる)。
【0006】
加硫後には、ゴム被覆の発泡を防ぐために一定の冷却区間を要するため、冷却水層4の水位を目標水位に制御するための水位制御が必要となる。このため、加硫筒2には冷却水層4の水位を計測するための水位計19を設け、その水位計19の計測値に基づいて冷却水の供給量を調節することが行われる。
【0007】
従来、加硫筒2内の冷却水層4の水位制御は、冷却水ポンプ14からの冷却水を通す給水配管20に水位調節弁21を設け、目標水位の設定値と水位計19の測定値との偏差を演算処理して水位調節弁21の制御指令とする水位制御装置22により、水位調節弁21の開度をPID制御して、水位を制御している。
【0008】
また従来では、商用回転数で常時回転している冷却水ポンプ14を用い、冷却水槽13から圧送された冷却水を、水位調節弁21の開度によって流量制御し、冷却水層4の水位を制御している。つまり、従来の水位制御方法を行う加硫装置30では、冷却水ポンプ14は、水位の設定値、蒸気の圧力などに関わらず一定速度で回転している。
【0009】
さらに、上記した水位制御の安定を目的に、水位調節弁21入口(上流側)での冷却水の供給水圧を安定させるために、水位調節弁21の上流側に水圧計23を設け、その水圧計23の上流側に水圧調節弁24を有する水圧調節配管25を接続し、水圧設定値と水圧計23の測定値の偏差を演算処理して水圧調節弁24の制御指令とする水圧制御装置26により、水圧調節弁24の開度を制御し供給水圧を一定に保っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−39850号公報
【特許文献2】特開平8−159079号公報
【特許文献3】特開2003−211476号公報
【特許文献4】特開2005−83367号公報
【特許文献5】特開2006−170050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の加硫装置の水位制御方法では、次のような問題があった。
【0012】
従来の水位制御方法では、水位目標値と測定値の偏差により水位調節弁21の開度を制御して、加硫筒2内の水位を一定にするが、冷却水ポンプ14は、水位設定、蒸気圧力などに関わらず商用回転数で常時回転していることで、エネルギーの無駄が生じている。
【0013】
また、冷却水の流量を制御する水位調節弁21と、供給水圧を調節する水圧調節弁24が、定期的に交換・修理や調整をする保守を必要とする。
【0014】
さらに従来制御では、蒸気投入時の加硫筒2内の圧力急変時にPID制御が間に合わず、急激な水位低下が発生し、ゴム被覆が発泡する虞がある。
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、エネルギー効率の良い冷却水ポンプの運転が可能となり、水位調節弁や圧力調節弁の保守を不要とすることができ、かつ、蒸気投入時などの加硫筒内圧力変動に対しても、水位を安定して制御できる加硫装置の水位制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために創案された本発明は、ゴム被覆を施した線状体を加硫筒内の上部に形成した蒸気層を通して加硫させた後、前記加硫筒内の下部に形成した冷却水層を通して冷却する加硫装置の加硫筒内の水位を制御するに際し、前記加硫筒に、前記冷却水層に冷却水を供給する能力可変冷却水ポンプを接続すると共に、その能力可変冷却水ポンプを周波数可変装置で駆動し、前記加硫筒に、前記冷却水層の冷却水を排水する排水槽を接続し、前記周波数可変装置の周波数を制御して、前記加硫筒内の前記冷却水層の水位を制御する加硫装置の水位制御方法である。
【0017】
前記加硫筒の前記蒸気層に加圧蒸気を投入して前記線状体を加硫させると共に、その加圧蒸気投入時の前記冷却水層の水位変動を水位計で検出し、前記冷却水層の水位が目標水位となるように前記周波数可変装置の周波数をPID制御する水位制御装置を備えると良い。
【0018】
前記水位制御装置は、比例帯値及び積分時間の設定値の異なる複数のPIDパラメータを備え、前記偏差に応じて前記PIDパラメータを選択し、選択した前記PIDパラメータを用いて前記周波数可変装置の周波数をPID制御すると良い。
【0019】
前記加硫筒上端に接続した押出機でゴム被覆を施した前記線状体を前記加硫筒内に導入し、その線状体を前記加硫筒内の前記蒸気層を通し、前記蒸気層に投入した前記加圧蒸気で加硫した後、前記目標水位に制御した前記冷却水層を通し、前記ゴム被覆の加硫後の発泡を抑制すると良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、エネルギー効率の良い冷却水ポンプの運転が可能となり、水位調節弁や圧力調節弁の保守を不要とすることができ、かつ、蒸気投入時などの加硫筒内圧力変動に対しても、水位を安定して制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る加硫装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る水位制御装置の構成を示す模式図である。
【図3】従来の加硫装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な一実施の形態について図面に基づき説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係る水位制御方法を実施する加硫装置の構成を示す模式図である。この加硫装置10は、従来の加硫装置30と基本構成が同一であるので、同一の部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0024】
本実施の形態に係る加硫装置10は、能力可変冷却水ポンプ27と、能力可変冷却水ポンプ27を駆動させる周波数可変装置28と、を備え、冷却水槽13、能力可変冷却水ポンプ27、および加硫筒2を給水配管20で順次接続して構成される。この加硫装置10は、周波数可変装置28の周波数を制御して、能力可変冷却水ポンプ27を駆動させ、冷却水の供給量を調節し、冷却水層4の水位を制御するものである。本発明では、能力可変冷却水ポンプ27、周波数可変装置28を特に限定するものではなく、公知のものを使用可能である。
【0025】
また、この加硫装置10は、水位計19が検知した水位と目標水位との偏差から、冷却水層4の水位が目標水位となるように、周波数可変装置28の周波数を制御して、冷却水の供給量を調節する水位制御装置29を備える。本実施の形態では、冷却水層4の2点の圧力差から冷却水層4の水位を割り出すことが可能な液面調整計700CX(株式会社日立製作所製)を水位制御装置29および水位計19として用いることができ、この他にも、公知の水位制御装置を使用することができる。
【0026】
これら能力可変冷却水ポンプ27、周波数可変装置28、水位制御装置29は、以下のようにして冷却水層4の水位を目標水位に制御する。
【0027】
周波数可変装置28は、能力可変冷却水ポンプ27のモータに出力周波数が可変の交流電源を供給してモータの回転数を制御することで、能力可変冷却水ポンプ27の冷却水の供給量を制御する。
【0028】
水位制御装置29は、水位計19の検出値に応じて、周波数可変装置28で能力可変冷却水ポンプ27への出力周波数(回転数)をPID制御して、冷却水層4の水位を目標水位で一定に保つ。
【0029】
このように、水位制御装置29は水位計19が検出した水位と目標水位との偏差から、冷却水層4の水位が目標水位となるように、周波数可変装置28の周波数(周波数可変装置28から能力可変冷却水ポンプ27への出力周波数)をPID制御する。
【0030】
さて、このような加硫装置10を用いて、線状体1に施したゴム被覆を加硫する際には、蒸気ボイラ7から高圧の加圧蒸気が蒸気層3に投入される。この加圧蒸気の投入時には、加硫筒2内の圧力が急変するに伴い、冷却水層4の水位が大幅に低下する。
【0031】
このとき、冷却水層4の水位が目標水位よりも低下すると、ゴム被覆の冷却のための区間が短くなり、加硫後のゴム被覆が発泡する虞がある。また、冷却水層4の水位が変動すると、加硫のための区間が変動するため、ゴム被覆の強度がばらつき、品質が低下する虞がある。
【0032】
そこで本実施の形態に係る水位制御装置29は、図2に示すように、設定値の異なる複数のPIDパラメータp1,p2を備え、水位計19が検知した水位と目標水位との偏差に応じてPIDパラメータp1,p2を選択し、その選択したPIDパラメータp1,p2を用いて演算処理を行い、周波数可変装置28の周波数をPID制御して冷却水の供給量を調節し、冷却水層4の水位を目標水位に制御するように構成される。
【0033】
これら複数の(ここでは2つの)PIDパラメータp1,p2は、比例帯値および積分時間が互いに異なる設定値とされる。比例帯値および積分時間の設定値は、予め、加硫装置10の試験運転により求めた値に設定される。
【0034】
より具体的には、水位の偏差が大きい場合には、比例帯値を小さくすると共に、積分時間を短くしたPIDパラメータp1を設定する。また、水位の偏差が小さい場合には、比例帯値を大きくすると共に、積分時間を長くしたPIDパラメータp2を設定する。
【0035】
つまり水位制御装置29は、水位の偏差が大きい場合には、比例動作を行う範囲となる比例帯値を小さくして、ON/OFF動作を行う範囲を広げ、より速やかに目標水位に近づける制御を行うと共に、積分時間を短くして、偏差を短時間で小さくする制御を行う。また、水位の偏差が小さい場合には、比例帯値を大きくして滑らかな制御を行うと共に、積分時間を長くして緩やかに偏差を小さくする制御を行う。
【0036】
なお本発明では、これら比例帯値および積分時間に加え、微分時間の設定値を変更したPIDパラメータを用いることもできる。ただし微分時間は、外乱による水位の変動を抑制する方向にも、目標水位への収束を妨げる方向にも作用し、例えば微分時間を長くした場合、外乱による水位変動を大きく抑制できる一方で、目標水位への収束を妨げて発散させる虞がある。このように、微分時間の変更はPID制御の不安定化を招く虞があることから、本実施の形態では比例帯値および積分時間の設定値を変更するようにした。
【0037】
水位制御装置29は、このように設定値の異なる複数のPIDパラメータp1,p2を、冷却水層4の水位の偏差の大小に応じて自動で選択する。本実施の形態に係る水位制御装置29では、水位の偏差が5%未満であるとき、比例帯値を大きく、積分時間を長く設定したPIDパラメータp2を選択してPID制御を行う。また、水位の偏差が5%以上であるときには、比例帯値を小さく、積分時間を短く設定したPIDパラメータp1を選択してPID制御を行う。ただし本発明では、加硫装置10の構成、加硫筒2の容量、能力可変冷却水ポンプ27の能力などにより、PIDパラメータp1,p2を切換える水位の偏差の値を適宜変更することができる。
【0038】
次に、本実施の形態に係る水位制御方法について、線状体1のゴム被覆・加硫・冷却工程と共に以下に説明する。
【0039】
まず、加硫装置10を起動して、加硫筒2内に冷却水を供給して冷却水層4を形成する。なお、加硫筒2に冷却水を導入している間は、排水調節弁18は基本的に開放状態にする。
【0040】
加硫筒2に冷却水を供給するとき、冷却水層4の水位は急速に上昇していくので、目標とする水位をはるかに超えたものとなってしまい、目標水位との偏差が5%以上に大きくなる。
【0041】
この際、加硫装置10の水位制御装置29は、比例帯値を小さく且つ積分時間を短く設定したPIDパラメータp1を選択し、そのPIDパラメータp1を用いて周波数可変装置28の周波数をPID制御し、冷却水の供給量を調節して目標水位との偏差を速やかに減少させる。
【0042】
目標水位との偏差が減少していき、徐々に目標とする水位の周辺(ここでは5%未満の偏差)となったときに、水位制御装置29は、比例帯値を大きく且つ積分時間を長く設定したPIDパラメータp2を選択し、そのPIDパラメータp2を用いて周波数可変装置28の周波数をPID制御し、冷却水層4の水位の安定化を図る。
【0043】
次に、押出機5のクロスヘッド6にて芯線1aにゴム被覆を施して線状体1とし、その線状体1をクロスヘッド6から加硫筒2に導入して加硫するために、蒸気ボイラ7から加圧蒸気を加硫筒2内に投入して蒸気層3を形成する。加圧蒸気投入時には、加硫筒2内の圧力は大気圧から蒸気圧に変化するため、加硫筒2内の圧力が急激に高くなり、冷却水層4の水位低下が起こる。
【0044】
このとき、水位制御装置29は、比例帯値を大きく且つ積分時間を長く設定したPIDパラメータp2を用いてPID制御を行っているので、水位低下にPID制御が間に合わず、水位の偏差が5%以上となる。
【0045】
この際、水位制御装置29は、比例帯値を小さく且つ積分時間を短く設定したPIDパラメータp1を選択し、冷却水の供給量を調節して目標水位との偏差を速やかに減少させる。
【0046】
目標水位との偏差が減少していき、偏差が5%未満となったときに、水位制御装置29は、比例帯値を大きく且つ積分時間を長く設定したPIDパラメータp2を選択し、そのPIDパラメータp2を用いて周波数可変装置28の周波数をPID制御し、冷却水層4の水位の安定化を図る。
【0047】
このような動作を繰り返すことで、加硫筒2内の冷却水層4の水位を安定化し、加硫後の線状体1の冷却区間を一定とすることができる。
【0048】
冷却水層4を走行して十分に冷却された線状体1は、加硫筒2の下端に接続されたウォータシール15から引取られ、図示しない巻取りドラムに巻取られる。この線状体1は、目標水位に制御された冷却水層4によって冷却されているので、ゴム被覆の発泡と強度のばらつきとが抑制され、品質の良いゴム被覆を有するものとなる。
【0049】
以上要するに、本発明の加硫装置10の水位制御方法では、周波数可変装置28により駆動される能力可変冷却水ポンプ27で冷却水を供給するように加硫装置10を構成し、周波数可変装置28の周波数を制御して冷却水の供給量を調節するようにしている。
【0050】
これにより、従来の水位制御方法のように冷却水ポンプを常時商用回転数で回転させておく必要が無くなり、冷却水ポンプの運転に係るエネルギー効率を向上させることができる。また、冷却水の供給量の調節に用いていた水位調節弁21および水圧調節弁24が不要となるため、これら調節弁21,24を定期的に交換・修理や調整をするための保守を不要とすることができる。
【0051】
また、周波数可変装置28の周波数をPID制御する水位制御装置29に、設定値の異なる複数のPIDパラメータp1,p2を備え、冷却水層4の水位の偏差に応じてPIDパラメータp1,p2を選択して周波数可変装置28の周波数をPID制御することにより、加圧蒸気投入時などの冷却水層4の水位が急変するような場合においても、目標水位との偏差を速やかに減少させ、冷却水層4の水位の安定化を図ることができる。
【0052】
さらに、ゴム被覆を施した線状体1を加圧蒸気で加硫し、その線状体1を、目標水位に制御した冷却水層4で冷却するため、加硫後のゴム被覆を十分に冷却でき、ゴム被覆の発泡と品質低下を効果的に抑制することができる。
【0053】
本発明は上記実施の形態に限られず、種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、蒸気投入時など、特に水位低下の大きい場合には、周波数可変装置28への指令値に定数を加算し、能力可変冷却水ポンプ27の冷却水の供給量を強制的に上昇させることで、水位低下の補正を行うように水位制御装置29を構成しても良い。
【0055】
また、上記実施の形態では、カテナリ型の連続加硫装置について説明したが、本発明は竪型連続加硫機(VCV(Vertical Continuous Vulcanization)機)への展開が可能である。さらに、ポリエチレンなどの材料についての架橋ラインについても展開が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 線状体
2 加硫筒
3 蒸気層
4 冷却水層
10 加硫装置
17 排水槽
27 能力可変冷却水ポンプ
28 周波数可変装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム被覆を施した線状体を加硫筒内の上部に形成した蒸気層を通して加硫させた後、前記加硫筒内の下部に形成した冷却水層を通して冷却する加硫装置の加硫筒内の水位を制御するに際し、
前記加硫筒に、前記冷却水層に冷却水を供給する能力可変冷却水ポンプを接続すると共に、その能力可変冷却水ポンプを周波数可変装置で駆動し、
前記加硫筒に、前記冷却水層の冷却水を排水する排水槽を接続し、
前記周波数可変装置の周波数を制御して、前記加硫筒内の前記冷却水層の水位を制御することを特徴とする加硫装置の水位制御方法。
【請求項2】
前記加硫筒の前記蒸気層に加圧蒸気を投入して前記線状体を加硫させると共に、
その加圧蒸気投入時の前記冷却水層の水位変動を水位計で検出し、前記冷却水層の水位が目標水位となるように前記周波数可変装置の周波数をPID制御する水位制御装置を備える請求項1記載の加硫装置の水位制御方法。
【請求項3】
前記水位制御装置は、比例帯値及び積分時間の設定値の異なる複数のPIDパラメータを備え、前記偏差に応じて前記PIDパラメータを選択し、選択した前記PIDパラメータを用いて前記周波数可変装置の周波数をPID制御する請求項2記載の加硫装置の水位制御方法。
【請求項4】
前記加硫筒上端に接続した押出機でゴム被覆を施した前記線状体を前記加硫筒内に導入し、
その線状体を前記加硫筒内の前記蒸気層を通し、前記蒸気層に投入した前記加圧蒸気で加硫した後、前記目標水位に制御した前記冷却水層を通し、前記ゴム被覆の加硫後の発泡を抑制する請求項2又は3記載の加硫装置の水位制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−232452(P2012−232452A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101510(P2011−101510)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】