説明

加飾板を備えた表示装置

【課題】加飾板によって立体的で斬新な表示が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、表示意匠像24Aを表示する表示部2、6と、表示部2の前面に配置された加飾板3とを備え、加飾板3が、背面302に対して傾斜した傾斜面301を前面側に有する光透過性の基板30と、傾斜面301に形成され光透過性と光反射性とを有する半透光層31と、背面302に形成された光反射層32とを備え、光反射層32が、表示意匠像24Aの光を基板30内に導入する光透過部321を備え、光透過部321から基板30内に導入した表示意匠像24Aの光を、半透光層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを表示させ、且つ、半透光層31と光反射層32とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、半透光層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像C1−C3として表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加飾板を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置として、見映えのある斬新な表示をさせるため、様々な方法が提案され、その一つとして、光源の光を受けて発光する加飾リングを有する指針計器が開示されている(特許文献1を参照)。
【0003】
この指針計器は、光透過性を有する目盛が形成された文字盤と、この文字盤の背後に設けられた光源と、この文字盤の前面に設けられこの目盛を覆う光透過性の加飾リングとを備える。加飾リングの背面には、目盛を透過した光源からの光を受けて発光する凹部を形成し、これにより、文字盤の目盛を立体的に見せようとするものである。
【特許文献1】特開2004−61326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1による指針計器では、文字盤に対して凹部の深さ分の立体感が得られるにすぎず、目盛を立体的に見せる点でも、見映えのある斬新な表示をさせる点でも、一定の限界がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、加飾板によって立体的で斬新な表示が可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
請求項1に記載の表示装置は、表示意匠像を表示する表示部と、表示部の前面に配置された加飾板とを備え、加飾板が、背面に対して傾斜した傾斜面を前面側に有する光透過性の基板と、傾斜面に形成され光透過性と光反射性とを有する半透光層と、背面に形成された光反射層とを備え、光反射層が、表示意匠像の光を基板内に導入する光透過部を備え、光透過部から基板内に導入した表示意匠像の光を、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を表示させ、光透過部から基板内に導入した表示意匠像の光を、半透光層と光反射層とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を虚像として表示させることを特徴とする。
【0008】
この構成では、光透過部から基板内に導入した表示意匠像の光を、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を表示させ、且つ、半透光層と光反射層とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を虚像として表示させる。ここで、半透光層と光反射層とによる反射の回数が増す毎に、この反射をしない場合の表示意匠像の表示位置を基準として、より背後側に、虚像の表示位置が移動する。また、この構成では、半透光層が光反射層に対して傾斜しているため、この反射をしない場合の表示意匠像の表示、および、この反射をした場合の虚像の表示を、目視側から見て互いに重ならないように表示できる。
【0009】
したがって、表示意匠像を、互いに立体的に繰り返す表示意匠像として表示できるため、立体的で斬新な表示が可能な表示装置を提供できる。
【0010】
請求項2に記載の表示装置は、背面に対して傾斜した傾斜面を前面側に有する光透過性の基板と、傾斜面に形成され光透過性と光反射性とを有する半透光層と、背面に形成され表示意匠の形状の光透過部を有する光反射層とを備えた加飾板と、加飾板の背後に配置され、光透過部を透過照明して、表示意匠の形状の表示意匠像を透過像として発生させる光源とを備え、光透過部から基板内に導入した表示意匠像の光を、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を表示させ、光透過部から基板内に導入した表示意匠像の光を、半透光層と光反射層とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を虚像として表示させることを特徴とする。
【0011】
この構成では、光源からの光が光透過部を透過照明して、表示意匠の形状の表示意匠像を透過像として発生させ、光透過部から基板内に導入した表示意匠像の光を、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を表示させ、且つ、半透光層と光反射層とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、半透光層を通して目視側へ出射させて表示意匠像を虚像として表示させる。
【0012】
ここで、半透光層と光反射層とによる反射の回数が増す毎に、この反射をしない場合の表示意匠像の表示位置を基準として、より背後側に、虚像の表示位置が移動する。また、この構成では、半透光層が光反射層に対して傾斜しているため、この反射をしない場合の表示意匠像の表示、および、この反射をした場合の虚像の表示を、目視側から見て互いに重ならないように表示できる。
【0013】
したがって、表示意匠像を、互いに立体的に繰り返す表示意匠像として表示できるため、立体的で斬新な表示が可能な表示装置を提供できる。
【0014】
請求項3に記載の表示装置は、車両に搭載される表示装置であって、表示意匠像の色調が切替可能に構成され、自車両に備わる機器の作動状態を報知するインジケータの表示または自車両の異常を警告するウォーニングの表示に連動させて、表示意匠像の色調を切り替える制御手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この構成では、インジケータの表示またはウォーニングの表示に連動させて、表示意匠像の色調(明度、色相の少なくともいずれか)を切り替える。これにより、インジケータが報知されていることまたはウォーニングが警告されていることを、より確実に認識させることができる。
【0016】
請求項4に記載の表示装置は、車両に搭載される表示装置であって、自車両に備わる機器の作動状態を報知するインジケータの表示または自車両の異常を警告するウォーニングの表示に連動させて、表示意匠像を表示と非表示で切り替える制御手段を備えることを特徴とする。これにより、インジケータが報知されていることまたはウォーニングが警告されていることを、より確実に認識させることができる。
【0017】
請求項5に記載の表示装置は、表示意匠像が、所定情報を表すことを特徴とする。表示意匠像を、互いに立体的に繰り返す表示意匠像として表示できるため、所定情報を強調して表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明による表示装置を、自動車に搭載されるコンビネーションメータに適用した場合を例に図面に基づいて説明する。
【0019】
(構成)
本発明の一実施形態による表示装置であるコンビネーションメータ1は、運転席前方に配置され、図1に示すように、当該自動車の走行速度を表示する速度計と、当該自動車に備わる機器の作動状態を報知するインジケータと当該自動車の異常を警告するウォーニングとであるインジケータ/ウォーニング表示装置4を備える。速度計は、文字21と目盛22が形成された文字盤2と、文字21と目盛22を指示して回動する指針5とによって、走行速度を表示する。
【0020】
加飾板3は、文字盤2の前面に配置され、例えば、橙色の、後述するリング状の表示意匠像24A(図2)の虚像A,C1−C3を、加飾板3内で表示する。尚、インジケータ/ウォーニング表示装置4の表示に連動させて、虚像A,C1−C3を表示と非表示で切り替えるように構成し、即ち、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示を行わない場合に、虚像A,C1−C3を表示させないように構成する。
【0021】
インジケータ/ウォーニング表示装置4は、例えば、液晶パネルなどから構成され、加飾板3の開口33を通してインジケータ/ウォーニングの表示を行う。インジケータ/ウォーニング表示装置4は、図1において、シートベルトを装着していないことを警告し、このウォーニングの表示に連動させて、虚像A,C1−C3を、加飾板3内で表示している。
【0022】
図2において、文字盤2は、光透過性を有する無色透明なポリカーボネート樹脂等から形成された基板20と、基板20上に形成された例えば黒色で遮光性の背景層23とを備え、表示意匠の形状の開口24を、具体的に、図1に示したリング状の虚像Aの形状の開口24を背景層23に設ける。文字盤2の背後には、開口24を透過照明する例えば橙色の光を発する発光ダイオード6を配置し、プリント基板8に実装する。ケース7によって光路P10にしたがって開口24を透過照明した発光ダイオード6からの光は、開口24を透過照明して、表示意匠の形状の表示意匠像24Aを、具体的に、図1に示したリング状の虚像Aの形状の表示意匠像24Aを、透過像として発生させる。
【0023】
したがって、開口24が形成された文字盤2と発光ダイオード6とは、表示意匠像24Aを表示する表示部を構成する。
【0024】
加飾板3は、文字盤2の前面に配置され、基板30と、基板30の傾斜面301に形成された半透光層であるハーフミラー層31と、基板30の背面302に形成された光反射層32とを備える。基板30は、無色透明な例えばアクリル樹脂等から形成され、背面302に対して傾斜角度θで傾斜した傾斜面301を前面側に有し、ハーフミラー層31は、光透過性と光反射性を有するように膜厚を調整した、例えばアルミニウム薄膜としてメッキや蒸着等で形成される。
【0025】
光反射層32は、光反射性のみを有するように膜厚を調整した、例えばアルミニウム薄膜としてメッキや蒸着等で形成される。したがって、ハーフミラー層31と光反射層32を、同じアルミニウム薄膜として形成する場合、光反射層32の膜厚を、ハーフミラー層31の膜厚より厚く設定する。また、光反射層32は、表示意匠像24Aの光を基板30内に導入する光透過部である開口321を備える。加飾板3と文字盤2は、引っ掛けや熱圧着等によって互いに固定される。
【0026】
図3に示すように、開口321から基板30内に導入した表示意匠像24Aの光を、光路P11、P12にしたがってハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像Aとして表示させる。具体的に、表示意匠像24Aの光は、光路P11、P12にしたがって屈折して目視側へ出射し、光路P11、P12の破線で示す各延長線が交差する位置で虚像Aを表示させる。
【0027】
また、開口321から基板30内に導入した表示意匠像24Aの光を、光路P1−P3にしたがってハーフミラー層31と光反射層32とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像C1−C3として表示させる。
【0028】
例えば、光路P1では、表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31と光反射層32とによって、それぞれ、1回反射させた後に、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像C1として表示させる。また、光路P2では、表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31と光反射層32とによって、それぞれ、2回反射させた後に、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像C2として表示させる。また、光路P3では、表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31と光反射層32とによって、それぞれ、3回反射させた後に、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像C3として表示させる。
【0029】
尚、図面を見易くするため、光路P2と光路P3では、ハーフミラー層31と光反射層32とによる1回目の反射光路を省略している。また、図1と図3では、虚像A,C1−C3の4個を表示させているが、傾斜角度θと加飾板3の径方向(図3において上下方向)の長さと加飾板3の板厚とを変えることによって、4個より少なくすることも可能であり、4個より多くすることも可能である。
【0030】
光路P1において、表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31で1回反射することによって、図4に示すように、ハーフミラー層31を対称面とする表示意匠像24Aと面対称の位置に、虚像B1が生じる。但し、ハーフミラー層31による反射光は、目視側と反対側へ向かうため、虚像B1を目視側から目視できない。これに対して、ハーフミラー層31からの反射光を、光反射層32によって反射させることによって、光反射層32を対称面とする虚像B1と面対称の位置に、虚像C1が生じ、光反射層32からの反射光を、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させることによって、表示意匠像24Aを虚像C1として表示させることができる。
【0031】
光路P2においては、光反射層32からの1回目の反射光を、ハーフミラー層31で反射することによって、ハーフミラー層31を対称面とする虚像C1と面対称の位置に、虚像B2が生じる。但し、ハーフミラー層31による反射光は、目視側と反対側へ向かうため、虚像B2も目視側から目視できない。これに対して、ハーフミラー層31からの反射光を、光反射層32によって反射することによって、光反射層32を対称面とする虚像B2と面対称の位置に、虚像C2が生じ、光反射層32からの反射光を、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させることによって、表示意匠像24Aを虚像C2として表示させることができる。
【0032】
光路P3においては、光反射層32からの2回目の反射光を、ハーフミラー層31で反射することによって、ハーフミラー層31を対称面とする虚像C2と面対称の位置に、虚像B3が生じる。但し、ハーフミラー層31による反射光は、目視側と反対側へ向かうため、虚像B3も目視側から目視できない。これに対して、ハーフミラー層31からの反射光を、光反射層32によって反射させることによって、光反射層32を対称面とする虚像B3と面対称の位置に、虚像C3が生じ、光反射層32からの反射光を、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させることによって、表示意匠像24Aを虚像C3として表示させることができる。
【0033】
このように、ハーフミラー層31と光反射層32とによる反射の回数が増す毎に、この反射をしない場合の表示意匠像24Aの表示位置を基準として、即ち、虚像Aを基準として、より背後側に、虚像の表示位置が移動する。具体的に、ハーフミラー層31と光反射層32とによる反射が1回の場合、虚像Aを基準として長さL1背後側で虚像C1が表示され、この反射が2回の場合、虚像Aを基準として長さL1より長いL2背後側で虚像C2が表示され、この反射が3回の場合、虚像Aを基準として長さL2より長いL3背後側で虚像C3が表示される。
【0034】
また、ハーフミラー層31が光反射層32に対して傾斜角度θ傾斜しているため、虚像A,C1−C3を、目視側から見て互いに重ならないように表示できる。具体的に、ハーフミラー層31と光反射層32とによる反射が1回の場合、虚像Aを基準として長さL4指針5の回転中心側(図4において下側)で虚像C1が表示され、この反射が2回の場合、虚像Aを基準として長さL4より長いL5回転中心側で虚像C2が表示され、この反射が3回の場合、虚像Aを基準として長さL5より長いL6回転中心側で虚像C3が表示される。
【0035】
したがって、表示意匠像24Aを、互いに立体的に繰り返す表示意匠像A,C1−C3として表示できるため、立体的で斬新な表示が可能なコンビネーションメータ1を提供できる。
【0036】
以上説明した本実施形態によるコンビネーションメータ1の電気回路構成について、図5に基づいて説明する。
【0037】
マイクロコンピュータ等から構成される制御手段である制御装置10には、当該自動車のインジケータやウォーニングに関するインジケータ/ウォーニングセンサ9が検出信号を入力可能に接続され、インジケータ/ウォーニング表示装置4と発光ダイオード6とが接続される。制御装置10は、インジケータ/ウォーニング表示装置4の表示に連動させて、表示意匠像24Aを表示と非表示で切り替えるように、即ち、発光ダイオード6の点燈と消燈とを切り替えるように、制御装置10を構成する。具体的に、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示を行わない場合に発光ダイオード6を消燈し、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示を行う場合に発光ダイオード6を点燈するように、制御装置10を構成する。
【0038】
(作動)
図5において、運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオンされると、制御装置10は、それを検出して作動を開始し、図示しない速度センサからの信号に基づいて、指針5を回動させる。また、制御装置10は、インジケータ/ウォーニングセンサ9からの信号に基づいて、例えば、シートベルトを装着していないことを検出した場合、インジケータ/ウォーニング表示装置4に、このウォーニングを表示させる。
【0039】
このとき、発光ダイオード6を点燈し、これにより、表示意匠像24Aを、互いに立体的に繰り返す橙色の表示意匠像A,C1−C3として表示できる。また、これにより、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示していることを確実に認識させることができるため、いわゆるアンビエント効果を発揮させることができる。また、表示意匠像24Aを、互いに立体的に繰り返す表示意匠像A,C1−C3として表示できるため、立体的で斬新な表示が可能なコンビネーションメータ1を提供できる。
【0040】
一方、インジケータ/ウォーニングセンサ9からの信号に基づいて、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示を行っていない場合、発光ダイオード6を消燈する。これにより、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示していないことを確実に認識させることができるため、いわゆるアンビエント効果を発揮させることができる。
【0041】
以上説明した本発明の一実施形態による表示装置であるコンビネーションメータ1は、表示意匠像24Aを表示する表示部である文字盤2と発光ダイオード6と、文字盤2の前面に配置された加飾板3とを備え、加飾板3が、背面302に対して傾斜した傾斜面301を前面側に有する光透過性の基板30と、傾斜面301に形成され光透過性と光反射性とを有する半透光層であるハーフミラー層31と、背面302に形成された光反射層32とを備え、光反射層32が、表示意匠像24Aの光を基板30内に導入する光透過部である開口321を備え、開口321から基板30内に導入した表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを表示させ、開口321から基板30内に導入した表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31と光反射層32とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、ハーフミラー層31を通して目視側へ出射させて表示意匠像24Aを虚像C1−C3として表示させる。
【0042】
これにより、加飾板によって立体的で斬新な表示が可能な表示装置を提供できる。
【0043】
(変形例)
上述の例では、傾斜面301を、背面302に対して一つの傾斜角度θで傾斜させたが、これに限らない。図6に示すように、加飾板300において、背面302に対して2つの傾斜角度θ1、θ2で傾斜した傾斜面303とすることも可能である。これによっても、上述と同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、開口321の目視側において傾斜面301の傾斜角度を0度とすることも可能である。この場合は、開口321から基板30内に導入した表示意匠像24Aの光を、ハーフミラー層31を通して目視側へ屈折させないで出射させことが可能となるため、表示意匠像24Aを実像として表示させることができる。
【0045】
上述の例では、インジケータ/ウォーニング表示装置4の表示に連動させて、表示意匠像24Aを表示と非表示で切り替えるようにしたが、これに限らない。例えば、表示意匠像24Aの色調(明度、色相の少なくともいずれか)を切替可能に構成し、インジケータ/ウォーニング表示装置4の表示に連動させて、表示意匠像24Aの色調を切り替えるようにすることも可能である。
【0046】
具体的に、発光ダイオード6を、青色光を発する青色発光ダイオードと赤色光を発する赤色発光ダイオードから構成し、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示を行わない場合に青色発光ダイオードを点燈して赤色発光ダイオードを消燈し、インジケータ/ウォーニング表示装置4が表示を行う場合に赤色発光ダイオードを点燈して青色発光ダイオードを消燈ように、制御装置10を構成する。これにより、インジケータが報知されていることまたはウォーニングが警告されていることを、より確実に認識させることができるため、いわゆるアンビエント効果を発揮させることができる。
【0047】
上述の例では、表示意匠像24Aは、単なる模様であったが、所定情報を表すものとすることが可能である。例えば、図7に示すように、表示部であるインジケータ/ウォーニング表示装置4は、所定情報であるインジケータ/ウォーニング情報を表す表示意匠像を表示する。
【0048】
加飾板40は、加飾板3,300と異なる略4角形であって、図7において下側の板厚が厚くなるように形成される。即ち、加飾板40は、下側の板厚が厚くなるように背面に対して傾斜した傾斜面を前面側に有する光透過性の基板と、傾斜面に形成されたハーフミラー層と、背面に形成された光反射層とを備え、光反射層が、表示意匠像の光を基板内に導入する開口を備える。加飾板40は、インジケータ/ウォーニング表示装置4の前面に配置され、表示意匠像の虚像A10,C10−C30を、加飾板40内で表示する。これにより、表示意匠像を、互いに立体的に繰り返す虚像A10,C10−C30として表示できるため、図7に示すように、シートベルトを装着していないことを警告する情報を強調して表示できる。
【0049】
尚、虚像A10は、ハーフミラー層と光反射層とによる反射をしない場合の虚像であり、虚像C10は、ハーフミラー層と光反射層とによる反射が1回の場合の虚像であり、虚像C20は、ハーフミラー層と光反射層とによる反射が2回の場合の虚像であり、虚像C30は、ハーフミラー層と光反射層とによる反射が3回の場合の虚像である。
【0050】
上述の例では、表示意匠像24Aを、開口321から基板30内に導入したが、これに限らない。光透過部である開口321を表示意匠の形状で形成し、光源である発光ダイオード6が開口321を透過照明して、表示意匠の形状の表示意匠像24Aを透過像として発生させることも可能である。この場合も、上述と同様の効果を得ることができる。
【0051】
尚、上述の例に限らず、上述の例の種々の組み合わせや、種々の変形例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による表示装置であるコンビネーションメータ1の正面図である。
【図2】図2は、図1中のII−II線断面図である。
【図3】図3は、図2の主要部を示す断面図である。
【図4】図4は、図3の模式図である。
【図5】図5は、図1に示すコンビネーションメータ1の電気回路構成を説明する回路構成図である。
【図6】図6は、図2に示す加飾板3の変形例を示す断面図である。
【図7】図7は、図1の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 コンビネーションメータ(表示装置)、2 文字盤、20 基板、21 文字
22 目盛、23 背景層、24 開口、24A 表示意匠像
3,300,40 加飾板、30 基板、301,303 傾斜面、302背面
31半透光層、32光反射層、321 開口(光透過部)、33 開口
4 インジケータ/ウォーニング表示装置(表示部)、5 指針
6 発光ダイオード(光源)、7 ケース、8 プリント基板
9 インジケータ/ウォーニングセンサ、10 制御装置(制御手段)
A,A10,B1−B3,C1−C3、C10−C30 虚像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示意匠像を表示する表示部と、
前記表示部の前面に配置された加飾板とを備え、
前記加飾板は、背面に対して傾斜した傾斜面を前面側に有する光透過性の基板と、前記傾斜面に形成され光透過性と光反射性とを有する半透光層と、前記背面に形成された光反射層とを備え、
前記光反射層は、前記表示意匠像の光を前記基板内に導入する光透過部を備え、
前記光透過部から前記基板内に導入した前記表示意匠像の光を、前記半透光層を通して目視側へ出射させて前記表示意匠像を表示させ、
前記光透過部から前記基板内に導入した前記表示意匠像の光を、前記半透光層と前記光反射層とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、前記半透光層を通して目視側へ出射させて前記表示意匠像を虚像として表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
背面に対して傾斜した傾斜面を前面側に有する光透過性の基板と、前記傾斜面に形成され光透過性と光反射性とを有する半透光層と、前記背面に形成され表示意匠の形状の光透過部を有する光反射層とを備えた加飾板と、
前記加飾板の背後に配置され、前記光透過部を透過照明して、前記表示意匠の形状の表示意匠像を透過像として発生させる光源とを備え、
前記光透過部から前記基板内に導入した前記表示意匠像の光を、前記半透光層を通して目視側へ出射させて前記表示意匠像を表示させ、
前記光透過部から前記基板内に導入した前記表示意匠像の光を、前記半透光層と前記光反射層とによって、それぞれ、1回以上反射させた後に、前記半透光層を通して目視側へ出射させて前記表示意匠像を虚像として表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
車両に搭載される表示装置であって、
前記表示意匠像の色調が切替可能に構成され、
自車両に備わる機器の作動状態を報知するインジケータの表示または前記自車両の異常を警告するウォーニングの表示に連動させて、前記表示意匠像の色調を切り替える制御手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
車両に搭載される表示装置であって、
自車両に備わる機器の作動状態を報知するインジケータの表示または前記自車両の異常を警告するウォーニングの表示に連動させて、前記表示意匠像を表示と非表示で切り替える制御手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示意匠像は、所定情報を表すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−69207(P2009−69207A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234544(P2007−234544)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】