説明

励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物、これを含む有機電界発光素子及びレーザ素子

【課題】
励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物、これを含む有機電界発光素子及びレーザ素子を提供する。
【解決手段】
本発明は励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物、これを含む有機電界発光素子及びレーザ素子に関し、本発明による白色発光単分子化合物は互いに異なる発色を示す少なくとも2種の励起状態分子内プロトン移動(excited−state intramolecular proton transfer:ESIPT)特性を有する分子を互いに共有結合させてなるものである。前記本発明による白色発光単分子化合物は濃度及び物質の状態に関係なく白色発光を具現させることができる特性を有し、それにより有機電界発光素子及びレーザ素子を含んで様々な分野で応用が可能であるという利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起状態分子内プロトン移動(excited−state intramolecular proton transfer:ESIPT)特性を利用した白色発光単分子化合物、これを含む有機電界発光素子及びレーザ素子に関し、より詳細には励起状態分子内プロトン移動特性を有する少なくとも2種の化合物を単分子状態で合成してなる励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物と、これを含む有機電界発光素子及びレーザ素子に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、次世代フラットディスプレイ又は白色光源のために効率的な白色発光を行う化合物の開発に関する研究が活発に進められている。特に、白色発光単分子化合物の開発は高分子素材又は様々な分子化合物を使用する白色発光システムに比べて向上した安全性、優れた再現性、そしてより簡単な素子製作などの長所を持つためその重要性が増している。
【0003】
一般に400〜700nm領域の全可視光領域帯を包括する白色発光は互いに異なる発光領域帯を有する2種又はそれ以上の蛍光又は燐光体を組み合わせてなる。
【0004】
イーストマン・コダック社の特許文献1、日本半導体エネルギー研究所の特許文献2及びビストーム社の特許文献3では二つ以上の蛍光又は燐光体を組み合わせて白色光に近い光を出す素子について開示している。また、白色発光単分子素材に関して、現在までコッポ(Coppo)らはイリジウムとユーロピウム錯体からの白色発光を報告しており(非特許文献1)、ヤング(Yang)らは溶液上の適正なpHで白色発光を示すことができる単分子素材を発表している(非特許文献2)。
【0005】
前記言及された方法は大きいエネルギーバンドギャップのドナー(donor)と小さいバンドギャップを有するアクセプター(acceptor)の間の部分的なエネルギー転移を利用する方法がほとんどである。
【0006】
しかし、このような方法は発光現象が小さいバンドギャップを有するドーパントによって影響を受けやすいため、いかに少ない量であっても発光ドーパントをホストに単純混合することでは色調節が非常に難しいという問題点がある。このような根本的な問題は大きいバンドギャップのドナーと近く位置する小さいバンドギャップを有するアクセプターの間のスペクトル調和によりドーパント間フェルスター型のエネルギー転移によって発生する。また、このようなエネルギー転移特性は物質の濃度又は状態によって大きい影響を受けるため、以上で言及された発光構造体の濃度や状態が変わると色の純度や安定度が非常に下がるようになる。
【0007】
このような理由によって、物質の濃度又は状態に関係なく白色発光を出す単分子の開発は非常に難しく達成することが難しいとされてきた。
【0008】
本発明者らは励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子を利用する場合、異種発色団間のエネルギー伝達を制限できるという結果を2005年にAdvanced Materials誌に発表しており(非特許文献3)、前記論文を通じて互いに異なる蛍光色を有する励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子を単一高分子内に分散させた場合より容易に白色発光有機電界発光素子を製作できるという結果を発表した。
【0009】
しかし、本発明者らによって開示された前記論文での方法は単分子状態の白色発光体を使用するものではないので白色発光の再現性に多くの問題点を持っている。それで本発明者らは前記問題点を解消するために研究した結果、励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子を適切に設計及び合成する場合、エネルギーアクセプターとエネルギードナーの相互作用を完壁に制限することができ、これにより単分子で効率的な白色発光を具現できることを見出した。すなわち、本発明者らは励起状態分子内プロトン移動特性を有する特定の構造のヒドロキシフェニルとヒドロキシナフチル基を含有するイミダゾール及びオキサジアゾール環を有する分子を新しく設計−合成することによって全可視光領域帯を包括する白色発光を物質の濃度及び状態に関係なく発現させることができる単分子物質を開発し、これにより本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第2003−0015870号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2004−0082286号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2004−0100523号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Coppo,P.et al.,“White−light emission from an assembly comprising luminescent iridium and europium complexes.”,Angew.Chem.Int.Ed.46(12),1806−1810(2005).
【非特許文献2】Yang,Y.,Lowry,M.,Schowalter,C.M.,Fakayode,S.O.,“An organic white−light emitting fluorophore.”,J.Am.Chem.Soc.128,14081−14092(2006).
【非特許文献3】Sehoon Kim,Jang won Seo,Ho Kuk Jung,Jang−Joo Kim,and Soo Young Park,“White Luminescence from Polymer Thin Films Containing Excited−State Intramolecular Proton Transfer(ESIPT) Dyes”,Adv.Mater.,17,2077−2082,(2005).)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子を利用して単分子形態で白色発光を可能にした白色発光単分子化合物を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、前記白色発光単分子化合物を含む有機電界発光素子を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、前記白色発光単分子化合物を含むレーザ素子(laser materials)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための本発明による励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物は互いに異なる発色を示す少なくとも2種の励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子が互いに共有結合されて形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明による有機電界発光素子は前記本発明による白色発光単分子化合物を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるレーザ素子は前記本発明による白色発光単分子化合物を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は励起状態分子内プロトン移動特性を有する少なくとも2種の分子を互いに共有結合させて単分子状態で白色発光を示すことができる化合物を提供することによって従来の2種以上の分子を組み合わせて白色発光を具現する技術に比べて再現性に優れ、安定的で、寿命が優れるだけでなく、量子効率に優れ、固体相又は液体相など物質の濃度又は状態に関係なく様々な方面に応用が可能であるという利点がある。
【0019】
特に本発明による白色発光単分子化合物は有機電界発光素子用発光材料に使用する場合、費用節減と生産工程の単純化を図ることができるという利点がある。さらに、本発明による白色発光単分子化合物は有機電界発光素子を含んでレーザ素子、紫外線安定剤(UV stabilizer)、化学センサー(chemosensor)、太陽集光器(solar concentrator)など様々な用途に使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子内での発色原理を概略的に示す図である。
【図2】CIE 1931座標(coordinates)内における補色関係を示す図である。
【図3】励起状態分子内プロトン移動特性を利用して白色発光を示す原理を概略的に示す図である。
【図4】実施例1で測定した本発明による白色発光単分子化合物のPL分析の結果を示す図である。
【図5】実施例1で測定した従来の励起状態分子内プロトン移動特性を有する単分子のPL分析の結果を示す図である。
【図6】実施例1で測定した本発明による白色発光単分子化合物と従来の励起状態分子内プロトン移動特性を有する単分子の色座標を示す図である。
【図7】実施例2で測定した本発明による白色発光単分子化合物の濃度変化による発光強度を示す図である。
【図8】実施例3で測定したUVランプ照射の結果を示す図である。
【図9】実施例4で測定した本発明による白色発光単分子化合物である化学式18の化合物の単位時間当りの発光強度を示す図である。
【図10】実施例4で測定した本発明による白色発光単分子化合物である化学式18の化合物の単位時間当りの発光強度を示す図である。
【図11】実施例4で測定した従来の励起状態分子内プロトン移動特性を有する単分子化合物の単位時間当りの発光強度を示す図である。
【図12】実施例4で測定した従来の励起状態分子内プロトン移動特性を有する単分子化合物の単位時間当りの発光強度を示す図である。
【図13】実験例1によって本発明による白色発光単分子化合物である化学式18の化合物を使用した有機電界発光素子の発光スペクトルを示す図である。
【図14】実験例2によって本発明による白色発光単分子化合物である化学式18の化合物のレーザポンプ強度による発光スペクトルの変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明では互いに異なる発色を示す少なくとも2種の励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子が互いに共有結合されて形成された白色発光単分子化合物を提供する。
【0022】
前記励起状態分子内プロトン移動現象は図1に示すように励起された分子内でプロトンが移動する光互変異性化反応(phototautomerization)である。すなわち、分子内水素結合をなしている原子、例えば−OH、−NH、−SH基などのようなプロトンドナー(proton donor)とN、O、S、Fのようなプロトンアクセプター(proton acceptor)の構造を有する励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子は、基底状態ではエノール型(enol form)が安定であるが、励起状態ではケト型(keto form)が安定である特徴を持つ。したがって励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子は励起状態で非常に早い時間(〜ps)内にプロトン転移が起こった後形成されたケト型から主に発光をするようになる。このような特性によって励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子(以下「ESIPT分子」ともいう)は図1に示すような4レベルエネルギー構造を持つようになる。また、このような機構によって吸収と放出の間のエネルギー差(Stokes shift)が極大化して吸収と発光の部分的な重複による蛍光減少を極小化することができ、自らの4レベルの光物理的特徴によって反転分布(population inversion)が容易で、高い光利得(optical gain)による誘導放出(stimulated emission)の具現に有利な特性を持つなどの特徴を持つ。
【0023】
本発明による前記白色発光単分子化合物は下記化学式1の構造又は化学式2の構造を持つことが好ましい。
【0024】
【化1】

【0025】
(上記化学式1でAとBはそれぞれ互いに異なる発色を示す励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子であり、R及びRは互いに分子内水素結合が可能なプロトンドナーとプロトンアクセプターを含む作用基であり、Yは励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子の共有結合を表すものである。)
【0026】
【化2】

【0027】
(上記化学式2でAとB及びCはそれぞれ互いに異なる発色を示す励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子であり、R及びRはそれぞれ互いに分子内水素結合が可能なプロトンドナーとプロトンアクセプターを含む作用基であり、Y及びYは互いに同じまたは異なるものでそれぞれ励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子の共有結合を表すものである。)
【0028】
上記化学式1の構造を有する白色発光単分子化合物でAとBはそれぞれ互いに異なる発色を示すESIPT分子であり、この二つの色を組み合わせて白色発光を得るためにはAとBが互いに補色関係をなす発色を示すESIPT分子であることが好ましい。
【0029】
ここで補色関係とは図2に示すようにAとB、CとD、EとFにペアを組んで示されたようにCIE 1931座標などの色座標上で理想的な白色光(x,y)=(0.33,0.33)を基準に互いに対称の位置の色相を持つ一対の色相を意味する。白色光は光の三原色(赤、緑、青)の和によっても生成することができる。したがって、上記化学式2の構造を有する白色発光単分子化合物も可能である。すなわち、本発明による白色発光単分子化合物はそれぞれ互いに異なる発色を示す三つのESIPT分子を共有結合させてなる単分子化合物形態としても白色発光を得ることができる。
【0030】
この時、本発明と同様に互いに異なる発色を示す少なくとも2種の分子を共有結合させて一つの分子状態に製造した化合物が白色発光を具現するためにはエネルギー転移のないシステムを利用すべきである。本発明では励起状態分子内プロトン移動特性を利用してエネルギーアクセプターとエネルギードナーの相互作用を完全に制限することによってエネルギー転移現象を防ぐことができ、これによって単分子で効率的な白色発光を具現することができる。
【0031】
図3を参照してさらに詳しく説明すると、本発明の白色発光単分子化合物は共有結合で連結されたそれぞれのESIPT分子でのそれぞれの4レベルエネルギー構造に基づいてエネルギー転移を防止できる特徴を持つ。すなわち、図3でオレンジ色発光蛍光体の吸収と青色発光蛍光体の吸収が同じUV領域帯にあるため、青色発光蛍光体の発光エネルギーがオレンジ色発光蛍光体の吸収エネルギー領域と重ならない特性を持つので、吸収−放出エネルギー転移(absorption−emission energy transfer)及びフェルスター共鳴エネルギー転移(resonance energy transfer)によってはエネルギー転移が不可能である。
【0032】
より根本的にこのようなエネルギー転移現象はエネルギードナーの励起状態(excited state、図3のKとK)とエネルギーアクセプターの基底状態(ground state、KとK)の相互作用によって現れる。しかし、本発明でのように励起状態分子内プロトン移動現象に基づく白色発光物質はケト型のエネルギーアクセプターの基底状態(KとK)がエネルギー的に不安定であるため非常に短い時間にエノール型の基底状態(EとE)にそれぞれ転移されるので、実質的なKとK状態の密度(population)が存在しない。したがって、エネルギードナーの励起状態とエネルギーアクセプターの基底状態の相互作用が基本的に禁止され得る。
【0033】
結論的に、ESIPT分子が組み合わせられた場合、濃度及び物質の状態に関係なくエネルギー転移を実質的に完全に防ぐことができ、これによって全く新しく効率的な新規の白色発光単分子化合物が具現できる。
【0034】
上記化学式1及び化学式2に適用されるESIPT分子は公知の化合物を適用できる。好ましくは下記化学式3乃至7で表されるESIPT分子が適用され得る。
【0035】
【化3】

【0036】
(上記化学式3で、R乃至Rはそれぞれ独立的に水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択され、R及びRのうち少なくとも一つは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【0037】
【化4】

【0038】
(上記化学式4で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【0039】
【化5】

【0040】
(上記化学式5で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【0041】
【化6】

【0042】
(上記化学式6で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【0043】
【化7】

【0044】
(上記化学式7で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【0045】
本発明による白色発光単分子化合物は上記化学式3乃至7から選択される化合物のうち互いに異なる発色を示す少なくとも2種のESIPT分子が互いに共有結合によって連結されるが、ここで互いに異なる発色を示すESIPT分子の共有結合は様々な分子連結構造を含んでなることができる。具体的に共有結合は下記化学式8乃至16に示す構造によってESIPT分子間の連結が行われることができる。
【0046】
【化8】

【0047】
すなわち、本発明による白色発光単分子化合物は上記化学式3乃至7のESIPT分子のうちその発色を組み合わせた場合、白色を示す少なくとも2種の互いに異なる発色を示すESIPT分子が上記化学式8乃至16の構造に連結された化合物である。
【0048】
本発明による白色発光単分子化合物に対してさらに具体的な例を挙げると次のとおりである。
【0049】
まず、上記化学式1で表される白色発光単分子化合物は下記化学式17で表される化合物であることが好ましい。
【0050】
【化9】

【0051】
(上記化学式17でR及びRはそれぞれ独立して隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【0052】
上記化学式17の化合物は下記化学式18の構造を有する化合物であることがより好ましい。
【0053】
【化10】

【0054】
また、上記化学式1で表される白色発光単分子化合物は下記化学式19で表される化合物であることが好ましい。
【0055】
【化11】

【0056】
(上記化学式19でR及びRはそれぞれ独立して隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【0057】
上記化学式19の化合物は下記化学式20の構造を有する化合物であることがより好ましい。
【0058】
【化12】

【0059】
上記化学式1で表される白色発光単分子化合物は下記化学式21で表される化合物であることが好ましい。
【0060】
【化13】

【0061】
(上記化学式21で、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択され、R及びR又はRのうち少なくとも一つは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【0062】
上記化学式21で表される化合物は下記化学式22の構造を有する化合物であることが好ましい。
【0063】
【化14】

【0064】
また、本発明は上記化学式2で表される白色発光単分子化合物は下記化学式23で表される化合物であることが好ましい。
【0065】
【化15】

【0066】
(上記化学式23で、R又はRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択され、R、R又はRのうち少なくとも一つ及びRは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【0067】
上記化学式23で表される化合物は下記化学式24で表される化合物であることがより好ましい。
【0068】
【化16】

【0069】
前記本発明による化学式1及び化学式2で表される白色発光単分子化合物、特に、イミダゾール及びオキサジアゾール環を有する化合物は安定的で、優れた量子効率を示し、発光寿命が長く、熱的安全性に優れ、白色発光を発現できる。
【0070】
このような白色発光単分子化合物は様々な分野に応用が可能で、例えば、本発明による白色発光単分子化合物のみを単独蒸着して発光層を形成するか、ホストに分散して発光層を形成して有機電界発光素子を製造できる。また、本発明による白色発光単分子化合物は前記有機電界発光素子以外にレーザ素子、紫外線安定剤、化学センサー、太陽集光器等様々な分野で様々な用途に使用されることができる。
【0071】
以下、本発明による白色発光単分子化合物を含む有機電界発光素子に対してさらに詳しく説明する。しかし、以下の説明によって本発明による白色発光単分子化合物の用途が有機電界発光素子に限定されるわけではない。
【0072】
本発明による白色発光単分子化合物は発光材料又はドーパントとして使用され得る。
【0073】
ここで有機電界発光素子は公知の構造が適用されてもよく、例えば基板上に正極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層及び負極が形成された構造を有し得る。
【0074】
本発明による白色発光単分子化合物は前記正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層から選択されたいずれか一つの層に含まれることができる。好ましくは発光層に含まれることがよい。
【0075】
前記正極は、例えば、ITO、IZO、スズオキサイド、亜鉛オキサイド、亜鉛アルミニウムオキサイド及び窒化チタンなどの金属オキサイド又は金属ナイトライド;金、白金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉛、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオビウムなどの金属;このような金属の合金又はヨウ化銅の合金;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリ(3−メチルチオフェン)などの伝導性重合体で形成されたものであることができる。前記正極は前述した材料のうち一つのタイプのみで形成されるか又は複数個の材料の混合物で形成されることもできる。また、前記正極は同じ造成又は互いに異なる造成の複数個の層で構成される多層構造が形成されることもできる。
【0076】
前記正孔注入層は本技術分野で知られた材料が使用されることができ、限定されないがPEDOT/PSS又は銅フタロシアニン(CuPc)、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス((N−(ナフタレン−2−イル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)などの物質を5nm〜100nmの厚さに形成して製造できる。
【0077】
前記正孔輸送層は本技術分野で知られた材料が使用されることができ、限定されないが4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−バイフェニル(NPD)やN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−バイフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)などの物質が使用され得る。
【0078】
前記発光層は上述したように本発明による白色発光単分子化合物を含むことが好ましい。すなわち、前記発光層は本発明による白色発光単分子化合物のうち選択されるいずれか一つの化合物を蒸着して形成されるか、少なくとも2種の化合物を蒸着して形成することができる。必要に応じて前記発光層は本発明による白色発光単分子化合物から選択された少なくとも一つをホストに分散させて使用することができ、ドーパント材料を追加的に使用することができる。
【0079】
前記ホストは限定されないが、(4,4’−ビス(2,2−ジフェニル−エテン−1−イル)ジフェニル(DPVBi)、ビス(スチリル)アミン(DSA)系、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシロキシ)アルミニウム(III)(SAlq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−フェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)、ビス(サレン)ジンク(II)、1,3−ビス[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル]ベンゼン(OXD8)、3−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−ジメチルアミノ)−4−(4−エチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(p−EtTAZ)、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−(4−ターシャリ−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、2,2’,7,7’−テトラキス(ビフェニル−4−イル)−9,9’−スピロフルオレン(Spiro−DPVBI)、トリス(パラ−ターシャリ−フェニル−4−イル)アミン(p−TTA)、5,5−ビス(ジメチルボリル)−2,2−ビチオフェン(BMB−2T)及びペリレン(perylene)などが使用可能である。
【0080】
また、トリス(8−キノリナト)アルミニウム(III)(Alq3)、DCM1(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン)、DCM2(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニール)−4H−ピラン)、DCJT(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン)、DCJTB(4−(ジシアノメチレン)−2−ターシャリブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン)、DCJTI(4−ジシアノメチレン)−2−イソプロピル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン)及びナイルレッド(Nile red)、ルブレン(Rubrene)などがホスト又はドーパントに使用可能である。
【0081】
前記電子輸送層は本技術分野で知られた材料であるアリール置換されたオキサジアゾール、アリール置換されたトリアゾール、アリール置換されたフェナントロリン、ベンズオキサゾール、又はベンゾチアゾール化合物などを含むことができる。
【0082】
前記電子輸送層に使用され得る化合物は、具体的な例を挙げると、1,3−ビス(N,N−t−ブチル−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(OXD−7);3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ);2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−フェナントロリン(バソクプロイン又はBCP);ビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラート)ジンク;又はビス(2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラート)亜鉛などから選択されたものを使用することができる。さらに、前記電子輸送層は電子輸送物質である(4−ビフェニル)(4−t−ブチルフェニル)オキサジアゾール(PDB)とトリス(8−キノリナト)アルミニウム(III)(Alq3)を共に使用することができる。
【0083】
前記電子注入層と負極は本技術分野で知られた材料を使用して形成されることができ、限定されないがLiFを電子注入層に使用しAl、Ca、Mg、Agなど仕事関数の低い金属を負極に使用することができ、好ましくはAlが好ましい。
【0084】
上述した本発明による有機電界発光素子は各種表示装置に適用され得る。前記有機電界発光素子はバックライトユニットの光源及び単一光源として使用され得る。この時、前記表示装置はバックライトユニットを使用する表示装置などであることができ、また、前記表示装置は有機電界発光装置(OLED)であり得る。
【0085】
以下、本発明による白色発光単分子化合物を利用したレーザ素子に対してさらに詳しく説明する。しかし、以下の説明によって本発明による白色発光単分子化合物の用途がレーザ素子に限定されるわけではない。
【0086】
一般にESIPT分子は固有の4レベルシステムを持ち、特にESIPT分子はケト(keto)型での反転分布(population inversion)が非常に容易に起こり得るためレーザなどのポンプによる光利得(optical gain)が非常に大きい物質である。したがって、本発明による白色発光単分子化合物もレーザ素子に有用に適用され得る。
【0087】
例えば化学式18の化合物をエチルアセテート下で単結晶に成長させた後、これを355nm Nd:YAGレーザ(Pulse−excited emission spectra were measured by using anactively/passively mode−locked Nd:YAG Laser(Quantel、YG701))でポンプさせた時、ミラーなしレーザ作用(mirrorless lasing)と呼ばれるASE(amplified spontaneous emission)現象を容易に観測できる。
【0088】
以下、本発明は下記の実施例によってより具体化されるが、下記実施例は本発明の具体的な例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定または制限するためのものではない。
【0089】
<合成例>
本合成例では400nmから700nmまでの可視光領域を效率的にカバーするために青色とオレンジ色の補色関係の発光波長を持つESIPT分子のうち2−(1,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(HPI,max=460nm)、2,5−ビス(5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール(DOX,max=580nm)、3−(1,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ナフタレン−2−オール(HPNI,max=580nm)分子を選択し、これらの組み合わせ又はこれらを含む上記化学式18、化学式20、化学式22及び化学式24で表される白色発光単分子化合物を合成した。
【0090】
<合成例1>3−(4−ニトロフェノキシ)安息香酸
常温で7.52mlのフルオロ−4−ニトロベンゼン(70.8mmol)と9.79gの3−ヒドロキシ安息香酸(70.8mmol)を150mlのDMSOに溶かした後21gの炭酸カリウム(potassium carbonate;151.9mmol)を添加し、130℃に加熱した後12時間反応させた。前記反応液を過量の水に入れた後塩酸で中和させ、濾過した後乾燥して18.7gの生成物(白色パウダー;Y=98%)を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式25の構造を有する。
【0091】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]7.03(d,2H)、7.33(d,1H)、7.54(t,1H)、7.80(s,1H)、7.98(d,1H)、8.22(d,2H)、12.70(s,1H)
【0092】
【化17】

【0093】
<合成例2>エチル3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾエイト
合成例1で得られた18gの3−(4−ニトロフェノキシ)安息香酸(69.4mmol)を120mlのエタノールに溶かし、ここに35mlの塩酸(10N)を添加してから110℃に加熱した後12時間の間反応させた。前記反応液を過量の水に入れた後1Nの塩化ナトリウム水溶液で中和させた。エチルアセテートを使用して抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。エチルアセテートを除去した後19gの粘性の生成物(〜65mmol、Y=95%)を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式26の構造を有する。
【0094】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]1.28(s,3H)、4.30(t,2H)、7.20(d,2H)、7.35(d,1H)、7.73(s,1H)、7.82(t,1H)、7.78(d,1H)、8.22(d,2H)。
【0095】
【化18】

【0096】
<合成例3>3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾヒドラジド
合成例2で得られた19gのエチル3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾエイトを200mlのエタノールに溶かし、35mlのヒドラジンモノハイドレートを添加した後24時間の間還流させながら反応させた。前記反応物を過量の水に入れて1Nの塩酸で中和させた。エチルアセテート溶液で再結晶して15.3gの生成物(Y=85%)を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式27の構造を有する。
【0097】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]1.36(m,3H)、4.10(s,2H)、7.03(d,2H)、7.39(d,1H)、7.73(s,1H)、7.75(d,1H)、7.90(t,1H)、8.20(d,2H)。
【0098】
【化19】

【0099】
<合成例4>4−t−ブチルベンゾヒドラジド
常温で5.2gの4−t−ブチル安息香酸(29.2mmol)を15mlのチオニルクロリド(206.5mmol)に溶かし、N−ジメチルホルムアミド(DMF)を少量添加した後80℃に加熱して8時間の間反応させた。常温に冷却させた後チオニルクロリドを減圧濾過した後除去してパウダー状態の生成物を得た。これを120mlのTHFに添加して溶かした後35mlのヒドラジンモノハイドレート(0.722mol)と3.7mlのトリエチルアミン(26.3mmol)を添加し、65℃に加熱して12時間の間反応させた。反応後減圧濾過してTHFと残量のヒドラジンモノハイドレートを除去した。ここに過量の水を添加した後塩酸で中和させた。濾過後エチルアセテートを使用して再結晶して3.5gのパウダー生成物(Y=64%)を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式28の構造を有する。
【0100】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]1.33(s,9H)、4.08−4.11(m,3H)、7.44(d,2H)、7.67(d,2H)。
【0101】
【化20】

【0102】
<合成例5>ジエチル2,5−ビス(ヘキシルオキシ)テレフタラート
常温で5gのジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタラート(19.67mmol)を100mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶かした。ここに10.87gの炭酸カリウム(138.21mmol)と16.6mlのヘキシルブロマイド(118.02mmol)を添加した後95℃に加熱して12時間の間反応させた。分別蒸留してDMFと残量のヘキシルブロマイドを除去した後過量の水を添加した。塩酸で中和させた後濾過し真空状態で乾燥して7.9g(Y=95%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式29の構造を有する。
【0103】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.92(s,6H)、1.39(m,16H)、1.43(m,6H)、4.30(t,4H)、4.38(t,4H)、7.85(s,2H)。
【0104】
【化21】

【0105】
<合成例6>2,5−ビス(ヘキシルオキシ)テレフタラート
常温で前記合成例5で製造した7.9gのジエチル2,5−ジヒドロキシテレフタラートを150mlのエタノールに溶かし、水酸化カリウムを微量添加した後前記混合物を12時間の間還流させて反応させた。常温に冷却させた後減圧蒸留して溶媒を除去し、ここに過量の水を添加した後塩酸を加えてpH4に調節した。濾過して真空状態で乾燥して5.0gの生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式30の構造を有する。
【0106】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.92(d,6H)、1.34−1.56(m,12H)、1.94(m,4H)、4.30(t,4H)、7.88(s,2H)、11.14(s,2H)。
【0107】
【化22】

【0108】
<合成例7>2,5−ビス(ヘキシルオキシ)テレフタルオキシクロライド
常温で前記合成例6で製造した1.2gの2,5−ビス(ヘキシルオキシ)テレフタル酸(3.3mmol)を15mlのチオニルクロリドに溶かして少量のDMFを添加した後80℃に加熱して6時間の間反応させた。常温に冷却させた後減圧してチオニルクロリドを除去して1.3g(Y=98%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式31の構造を有する。
【0109】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.90(s,6H)、1.31−1.49(m,12H)、1.83(m,4H)、4.06(t,4H)、7.80(s,2H)。
【0110】
【化23】

【0111】
<合成例8>N’−1−(4−t−ブチルベンゾイル)−2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−N’−4−(3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾイル)テレフタロヒドラジド
前記合成例7で製造した1.32gの2,5−ビス(ヘキシルオキシ)テレフタロイルジクロライド(3.3mmol)を常温で60mlのTHFに溶かした。ここに前記合成例3で製造した0.90gの3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾヒドラジド(3.3mmol)及び前記合成例4で製造した0.64gの4−t−ブチルベンゾヒドラジド(3.3mmol)を30mlのTHFに添加して溶解させた溶液を添加して12時間の間攪拌して反応させた。反応後THFを減圧して除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3溶液で展開)を行って1.07g(Y=41%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式32の構造を有する。
【0112】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.88(m,9H)、1.25−1.61(m,19H)、2.04(m,4H)、4.25(t,4H)、7.00(d,2H)、7.48(d,2H)、7.53(d,1H)、7.66(s,1H)、7.73(d,1H)、7.80−7.84(m,3H)、7.88(s,1H)、8.19(d,2H)、9.57(d,1H)、9.87(d,1H)、11.33(m,2H)。
【0113】
【化24】

【0114】
<合成例9>2−(2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−4−(5−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
前記合成例8で製造した2.8gのN’−1−(4−t−ブチルベンゾイル)−2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−N’−4−(3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾイル)テレフタロヒドラジド(3.7mmol)を20mlのオキシ塩化リン(POCl)に溶かした後90℃に加熱して12時間の間反応させた。常温に冷却させた後過量の氷水に添加し、水酸化ナトリウムで中和させた後濾過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3溶液で展開)を行って1.1g(Y=38%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式33の構造を有する。
【0115】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.85(m,9H)、1.32−1.42(m,18H)、1.91(m,4H)、4.25(t,4H)、7.08(d,2H)、7.32(m,1H)、7.54−7.66(m,2H)、7.76−7.91(m,3H)、8.02−8.10(m,2H)、8.23−8.28(m,4H)。
【0116】
【化25】

【0117】
<合成例10>2−(5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−(5−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール
−78℃で前記合成例9で製造した1.1gの2−(2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−4−(5−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(1.44mmol)を60mlのジクロロメタンに溶解させた後5mlのボロントリブロマイドを加えて0℃に徐々に昇温させた。その後メタノールを加えてボロントリブロマイドをクエンチング(quenching)し、過量の水を追加した。ジクロロメタンで中和させて濾過した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トリクロロメタンで展開)を行って0.69g(Y=80%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式34の構造を有する。
【0118】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]1.39(s,9H)、7.11(d,2H)、7.33(d,1H)、7.58−7.69(m,5H)、7.89(s,1H)、8.04(s,1H)、8.07(d,2H)、8.27(d,2H)、9.79(s,1H)、9.91(s,1H)。
【0119】
【化26】

【0120】
<合成例11>2−(5−(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−(5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール
前記合成例10で製造した0.69gの2−(5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−(5−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオールを150mlのTHFに溶かした後、ここに活性炭にパラジウムが5重量%含まれるように担持させた触媒0.05gを加えた。Arガスのパージング(purging)によって溶液内で発生するガスを除去した後真空状態にし、ここにHガスを供給(約2〜3気圧)しながら18時間の間攪拌して反応させた。反応後セライト(Celite)粉末で濾過してパラジウム触媒を除去した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:ノルマルヘキサン=1:2溶液で展開)を行って0.20g(Y=30%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式35の構造を有する。
【0121】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]1.26(s,9H)、3.75(s,2H)、6.70(d,2H)、6.90(d,2H)、7.08(d,1H)、7.42(t,1H)、7.53(d,2H)、7.72−7.83(m,4H)、8.06(d,2H)。
【0122】
【化27】

【0123】
<合成例12>2−(5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−(5−(3−(4−(2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール
常温で0.11gのベンジル(0.53mmol)及び0.07mlのサリチルアルデヒド(0.59mmol)を120mlのアイス酢酸に添加して溶かした。ここに前記合成例11で製造した0.30gの2−(5−(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−5−(5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール(0.53mmol)を添加し、0.41gのアンモニウムアセテート(5.3mmol)を添加した後110℃に加熱して12時間の間反応させた。反応後過量の水を添加してシクロヘキサンに再沈殿させた後エチルアセテート溶液で再結晶して0.15gの生成物(Y=32%)を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式22の構造を有する。
【0124】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]1.42(s,9H)、6.63−6.70(m,2H)、7.05−7.12(m,3H)、7.18−7.36(m,12H)、7.56−7.70(m,6H)、7.82(s,1H)、7.95(d,1H)、8.10(d,2H)、9.86(s,1H)、9.5(s,1H)、13.39(s,2H)。
【0125】
【化28】

【0126】
<合成例13>2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−N’1,N’4−ビス(3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾイル)テレフタロヒドラジド
前記合成例7で製造した1.65gの2,5−ビス(ヘキシルオキシ)テレフタロイルジクロライド(4.1mmol)を常温で120mlのTHFに溶かした。ここに前記合成例3で製造した2.24gの3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾヒドラジド(8.2mmol)を50mlのTHFに添加して溶解させた溶液を添加し12時間の間攪拌して反応させた。反応後THFを減圧して除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3溶液で展開)を行って2.7g(Y=75%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式36の構造を有する。
【0127】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.88(t,6H)、1.33−1.58(m,16H)、4.25(t,4H)、7.03(d,4H)、7.30(d,2H)、7.55(d,2H)、7.65(s,2H)、7.71(d,2H)、7.85(d,2H)、8.21(d,4H)、9.71(d,2H)、11.29(d,2H)。
【0128】
【化29】

【0129】
<合成例14>5,5’−(2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)ビス(2−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)
前記合成例13で製造した2.7gの2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−N’1,N’4−ビス(3−(4−ニトロフェノキシ)ベンゾイル)テレフタロヒドラジド(3.1mmol)を20mlのオキシ塩化リン(POCl)に溶かした後90℃に加熱して12時間の間反応させた。常温に冷却させた後過量の氷水に添加し、水酸化ナトリウムで中和させた後濾過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:1溶液で展開)を行って0.9g(Y=30%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式37の構造を有する。
【0130】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]0.82−0.91(m,6H)、1.25−1.51(m,16H)、4.16(m,4H)、7.05(d,4H)、7.31(d,2H)、7.61(t,2H)、7.83(s,2H)、7.89(s,2H)、8.04(s,2H)、8.25(d,4H)。
【0131】
【化30】

【0132】
<合成例15>2,5−ビス(5−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール
−78℃で前記合成例14で製造した3.04gの5,5’−(2,5−ビス(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)ビス(2−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)(3.6mmol)を120mlのジクロロメタンに溶解させた後3.5mlのボロントリブロマイド(35.6mmol)を加えて0℃に徐々に昇温させた。その後メタノールを加えてボロントリブロマイドをクエンチングし、過量の水を追加した。ジクロロメタンで中和させて濾過した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トリクロロメタンで展開)を行って0.4gの生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のようであり、下記化学式38の構造を有する。
【0133】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]7.10(d,4H)、7.34(d,2H)、7.63(s,2H)、7.69(d,2H)、7.89(s,2H)、8.07(d,2H)、8.26(d,4H)、12.04(s,2H)。
【0134】
【化31】

【0135】
<合成例16>2,5−ビス(5−(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール
前記合成例15で製造した0.30gの2,5−ビス(5−(3−(4−ニトロフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオールを150mlのTHFに溶かした後、ここに活性炭にパラジウムが5重量%含まれるように担持させた触媒0.05gを加えた。Arガスのパージングによって溶液内で発生されるガスを除去した後真空状態にし、ここにHガスを供給(約2〜3気圧)しながら18時間の間攪拌して反応させた。反応後セライト粉末で濾過してパラジウム触媒を除去した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トリクロロメタンで展開)を行って0.1gの生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式39の構造を有する。
【0136】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]4.93(s,4H)、6.48−7.19(m,10H)、7.34−7.60(m,4H)、7.68−7.98(m,6H)。
【0137】
【化32】

【0138】
<合成例17>2,5−ビス(5−(3−(4−(2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール
常温で0.15gのベンジル(0.72mmol)及び0.08mlのサリチルアルデヒド(0.72mmol)を120mlのアイス酢酸に添加して溶かした。ここに前記合成例16で製造した0.20gの2,5−ビス(5−(3−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール(0.33mmol)を添加し、0.50gのアンモニウムアセテート(6.6mmol)を添加した後110℃に加熱して12時間の間反応させた。反応後過量の水を添加してシクロヘキサンに再沈殿させた後エチルアセテート溶液で再結晶して0.012gの生成物(Y=3.0%)を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式24の構造を有する。
【0139】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]6.91(m,2H)、6.98−7.06(m,6H)、7.10−7.24(m,20H)、7.32−7.36(m,2H)、7.41−7.53(m,8H)、7.74−7.87(m,8H)、12.02−12.10(m,4H)
【0140】
【化33】

【0141】
<合成例18>N−(4−(4−(2−(2−ヒドロクシフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)フェニル)アセトアミド
常温で4.199gのベンジル(19.97mmol)及び2.14mlのサリチルアルデヒド(19.97mmol)を120mlのアイス酢酸に溶かした。4.00g(19.97mmol)の4,4’−オキシジアニリンを液滴(dropwise)し、7.70gのアンモニウムアセテート(99.8mmol)を添加した後110℃に加熱して12時間の間反応させた。反応後過量の水を添加した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3溶液で展開)を行って5.05g(Y=47%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式40の構造を有する。
【0142】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]2.18(s,3H)、6.53(t,1H)、6.64(d,1H)、6.92−6.97(m,4H)、7.06−7.24(m,10H)、7.28−7.33(m,3H)、7.48−7.55(m,4H)、13.44(s,1H)。
【0143】
【化34】

【0144】
<合成例19>2−(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール
EtOH及び水をそれぞれ1:1体積の割合で混合した溶液100mlに前記合成例18で製造した3.0gのN−(4−(4−(2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)フェニル)アセトアミドを入れ、15mlの塩酸(37%)を添加した後100℃で12時間の間還流させながら反応させた。反応後過量の水を添加した後炭酸カルシウムを用いて中和させて濾過して乾燥させた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3溶液で展開)を行って2.59g(Y=94%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式41の構造を有する。
【0145】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]3.73(d,2H)、6.51(t,1H)、6.64(d,1H)、6.70(d,2H)、6.83−6.90(m,4H)、7.05−7.14(m,3H)、7.15−7.23(m,6H)、7.27−7.31(m,4H)、7.51(d,2H)
【0146】
【化35】

【0147】
<合成例20>3−ヒドロキシ−2ナフタアルデヒド(3−hydroxy−2−naphthaldehyde)
4.64gの2−ナフトール(32.2mmol)を20mlのTHF無水物に溶かした。ペンタンにt−ブチルチンを溶かして作った1.7Mのt−ブチルチン溶液43ml(72.4mmol)を2分間液滴した。発生するガスを除去した後4時間さらに反応させた。その後0℃に冷却してここに16mlのTHFに12mlのジメチルホルムアミドを添加した溶液を添加した後24時間の間常温で攪拌させながら反応させた。エチルアセテートを使用して抽出物を得て、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:30溶液で展開)を行って生成物0.62g(Y=6%)を得た。得られた化合物のmpは100−102℃であり、IR(KBr)とH NMR(300MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式42の構造を有する。
【0148】
IR(KBr)3390、3040、2960、1665、1495、1455、1380、1110、880、745cm−1
【0149】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]7.29(s,1H)、7.35(t,1H)、7.54(t,1H)、7.70(d,1H)、7.86(d,1H)、8.16(s,1H)、10.09(s,1H)、10.31(s,1H)。
【0150】
【化36】

【0151】
<合成例21>3−(1−(4−(4−(2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−1−イル)フェノキシ)フェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ナフタレン−2−オール
前記合成例20で製造した0.30gの3−ヒドロキシ−2−ナフタアルデヒド(1.74mmol)を100mlの酢酸に溶かした。ここに前記合成例19で製造した0.86gの2−(1−(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)−4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(1.74mmol)、0.37gのベンジル(1.74mmol)及び0.94gのアンモニウムアセテート(12.2mmol)を添加した後110℃に加熱して12時間の間反応させた。反応後過量の水を添加した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:n−ヘキサン=1:3溶液で展開)を行って0.67g(Y=45%)の生成物を得た。生成物のH NMR(300MHz、CDCl)及び13C NMR(500MHz、CDCl)の結果は以下のとおりであり、下記化学式18の構造を有する。
【0152】
H NMR(300MHz、CDCl)[ppm]6.48(t,1H)、6.62(d,1H)、6.96−7.02(m,4H)、7.10−7.24(m,13H)、7.27−7.42(m,11H)、7.52−7.66(m,6H)、13.09(s,1H)、13.36(s,1H)。
【0153】
13C NMR(500MHz、CDCl)[ppm]110.05、111.45、113.75、116.38、116.44、118.06、118.54、121.71、124.39、124.53、125.20、125.29、125.42、125.50、125.64、125.78、126.42、126.84、126.89、127.09、127.16、128.17、128.32、128.60、128.89、128.98、129.89、131.38、131.47、133.18、134.54、143.05、143.56、153.78、153.32、157.02。
【0154】
【化37】

【0155】
<実施例1>
ガラス基板上に前記合成例12で製造した化学式22の化合物(以下、W1と表記することもある)、前記合成例17で製造した化学式24の化合物(以下、W2と表記することもある)及び前記合成例21で製造した化学式18の化合物(以下、W3と表記することもある)がポリスチレンに6重量%含まれるようにドーピングしてフィルムを形成した。前記フィルムを用いてPL分析を行い、その結果を図4に示し、CIE色座標を図6に示した。この時、PL分析は光源に波長が325nmであるHe−Cdレーザを使用し、光検出器は300〜900nmまで検出が可能なGaAs検出器を使用した。
【0156】
本発明による白色発光単分子化合物に対するESIPT単分子状態でのPL分析の結果を比較するために2−(1,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)フェノール(HPI,max=460nm)、5−ビス(5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ベンゼン−1,4−ジオール(DOX,max=580nm)及び3−(1,4,5−トリフェニル−1H−イミダゾール−2−イル)ナフタレン−2−オール(HPNI, max=580nm)がポリスチレンに6重量%含まれるようにドーピングしてフィルムを製造し、前記フィルムを用いてPL分析を行ってその結果を図5に示し、CIE色座標を図6に示した。
【0157】
図4に示すように本発明によって合成された化合物であるW1、W2、及びW3はそれぞれ347、320、及び330nmで吸収を行い、図6で確認できるように理想的な白色発光を示す色座標(△,0.33,0.33)を基準にして見ると、W1(○,0.45,0.40)、W2(□,0.28,0.29)、W3(◇,0.33,0.37)は良好な白色発光を示すことが確認できる。
【0158】
これは2種以上のESIPT化合物を共有結合によって単分子状態にした本発明による白色発光単分子化合物がエネルギーアクセプターとエネルギードナーの相互作用を完壁に制限してエネルギー転移現象を防いだからである。
【0159】
<実施例2>
本発明による白色発光単分子化合物の濃度変化による発光強度を確認するためにCHClにそれぞれW3を1×10−3M,1×10−4M及び1×10−5Mの濃度で入れ、PL分析を行い、その結果を図7に示した。
【0160】
図7で確認できるように本発明による白色発光単分子化合物であるW3は濃度に応じて発光強度を調節できることが確認できる。
【0161】
<実施例3>
CHClにHPI、W3及びHPNIをそれぞれ1×10−5Mの濃度で入れたものと、ガラス基板上にHPI、W3及びHPNIを薄く分散させた状態で365nm UVランプを照射し、その結果を図8に示した。
【0162】
図8で確認できるように本発明による白色発光単分子化合物であるW3は良好な白色発光を示すことが確認できる。
【0163】
<実施例4>
ガラス基板上に前記合成例21で製造した化学式18の化合物(以下、W3と表記することもある)がポリスチレンに6重量%含まれるようにドーピングしてフィルムを形成した。前記フィルムを用いて347nmで吸収をさせた後450nmと690nmで単位時間当りの発光強度を測定しその結果をそれぞれ図9と図10に示した。
【0164】
前記W3に対するESIPT単分子状態での単位時間当りの発光強度を比較するためにHPIとHPNIのそれぞれをポリスチレンに6重量%含まれるようにドーピングしてフィルムを形成した後前記フィルムを用いて347nmで吸収させ、HPIは450nmで、HPNIは690nmでそれぞれ単位時間当りの発光強度を測定しその結果をそれぞれ図11及び図12に示した。
【0165】
前記図9乃至図12に示すように本発明による白色発光単分子化合物であるW3はHPIとHPNIのそれぞれの単位時間当りの発光強度と比較した時、同じ水準の単位時間当りの発光強度を示していることが確認できる。
【0166】
<実験例1>白色有機電界発光素子の製作及び評価
25mm×25mm×1.1mmの大きさのITO透明電極付きガラス基板をイソプロピルアルコールの中で超音波洗浄を5分間行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。洗浄後の透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極が形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして正孔輸送材料である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−バイフェニル(NPD)を40nmの厚さに蒸着方法によって成膜した。そしてその上に合成例21で製造した化学式18の化合物(以下、W3と表記することもある)を30nmの厚さに成膜した後、電子輸送材料として4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)を50nmの厚さに成膜した。その上にLi膜を、成膜速度0.1Å/sec、膜厚さ1nmに形成し、このLi膜上にAlを蒸着させて膜厚さ100nmの電極を形成して有機電界発光素子を製作した。この時蒸着時にはSunic System社の蒸着装備(Sunicel plus 200)を使用した。
【0167】
有機電界発光素子の効率はフォトリサーチ(Photo Research)社の輝度計(PR−650)を使用して測定し、I−V特性の測定はケースレー(Keithley)社のソース測定器(Source−Measure Units、Keithley 237)を使用しており、その結果は表1に示し、波長による発光強度は図13に示した。
【0168】
【表1】

【0169】
前記表1及び図13に示すように本発明による白色発光単分子化合物は有機電界発光素子に適用時に良好な白色発光を得ることができることが確認できる。
【0170】
<実験例2>レーザ素子への応用
合成例21で製造した化学式18の化合物(以下、W3と表記することもある)をエチルアセテート下で単結晶に成長させた後、これを355nm Nd:YAGレーザ(Pulse−excited emission spectra were measured by using anactively/passively mode−locked Nd:YAG Laser(Quantel、YG701))でポンプさせた時、ミラーなしレーザ作用と呼ばれる増幅自然放出(amplified spontaneous emission:ASE)現象を観測し、その結果を図14に示した。この時観測装備としてはアクトンリサーチ(Acton Research)社のスペクトラプロ−500(Spectrapro−500)が使用された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる発色を示す少なくとも2種の励起状態分子内プロトン移動(excited−state intramolecular proton transfer:ESIPT)特性を有する分子が共有結合されて形成されたことを特徴とする励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【請求項2】
前記白色発光単分子化合物が下記化学式1又は2で表されることを特徴とする請求項1に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化1】


(上記化学式1でAとBはそれぞれ互いに異なる発色を示す励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子であり、R及びRは互いに分子内水素結合が可能なプロトンドナーとプロトンアクセプターを含む作用基であり、Yは励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子の共有結合を表す。)
【化2】


(上記化学式2でAとB及びCはそれぞれ互いに異なる発色を示す励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子であり、R及びRは互いに分子内水素結合が可能なプロトンドナーとプロトンアクセプターを含む作用基であり、Y及びYは互いに同じまたは異なるものでそれぞれ励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子の共有結合を表す。)
【請求項3】
上記化学式1で前記AとBは互いに補色関係にある励起状態分子内プロトン移動特性を有する分子から選択されることを特徴とする請求項2に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【請求項4】
前記ESIPT分子は下記化学式3乃至7で表される化合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化3】


(上記化学式3で、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択され、R及びRのうち少なくとも一つは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【化4】


(上記化学式4で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【化5】


(上記化学式5で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【化6】


(上記化学式6で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【化7】


(上記化学式7で、Rは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択され、R乃至Rはそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択される。)
【請求項5】
前記ESIPT分子は下記化学式8乃至16に示す構造の共有結合によって分子間連結が行われたことを特徴とする請求項1に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化8】

【請求項6】
上記化学式1で表される白色発光単分子化合物が下記化学式17で表されることを特徴とする請求項2に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化9】


(上記化学式17でR及びRはそれぞれ独立して隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【請求項7】
上記化学式17の化合物が下記化学式18の構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化10】

【請求項8】
上記化学式1で表される白色発光単分子化合物が下記化学式19で表される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化11】


(上記化学式19でR及びRはそれぞれ独立して隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【請求項9】
上記化学式19の化合物が下記化学式20の構造を有する化合物であることを特徴とする請求項8に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化12】

【請求項10】
上記化学式1で表される白色発光単分子化合物が下記化学式21で表される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化13】


(上記化学式21で、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択され、R及びR又はRのうち少なくとも一つは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【請求項11】
上記化学式21で表される化合物が下記化学式22の構造を有する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化14】

【請求項12】
上記化学式2で表される白色発光単分子化合物は下記化学式23で表される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化15】


(上記化学式23で、R又はRはそれぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C1〜C20の直鎖状、非直鎖状又は環状アルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、置換又は非置換のC1〜C20のカルボニル基、芳香族又は環式化合物が置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1〜C20のアルキル基が置換されたスルホン酸基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、C1〜C20が置換されたアルキルアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたアリールアミド基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基から選択され、R、R又はRのうち少なくとも一つ及びRは隣接する環のN原子と水素結合が可能な水素を含むハイドロキシ基、アミノ基、アルキルアミド基、アリールアミド基、スルホンアミド基、芳香族環式化合物又はアリール基が置換されたスルホン酸基、チオール基、フルオロ酸基から選択される。)
【請求項13】
上記化学式23で表される化合物が下記化学式24で表される化合物であることを特徴とする請求項12に記載の励起状態分子内プロトン移動特性を利用した白色発光単分子化合物。
【化16】

【請求項14】
請求項1乃至13のうちいずれか一項の白色発光単分子化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
【請求項15】
請求項1乃至13のうちいずれか一項の白色発光単分子化合物を含むことを特徴とするレーザ素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−523454(P2012−523454A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505832(P2012−505832)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/KR2010/002482
【国際公開番号】WO2010/123266
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(503454506)東友ファインケム株式会社 (42)
【出願人】(509274234)ソウル大学校産学協力園 (2)
【氏名又は名称原語表記】SNU R&DB FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】San 56−1,Sillim−dong,Gwanak−gu,Seoul 151−015,Korea
【Fターム(参考)】