説明

効果的なホスホジエステラーゼ(PDE)4インヒビターとしての新規のグアニジニル置換されたヒドロキシ−6−フェニルフェナントリジン

式(1)で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R4、R5、R6及びR7が明細書中に示される意味を有し、R7が式(a)、(b)、(c)又は(d)で示される化合物は、新規の効果的なPDE4インヒビターである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の適用分野
本発明は、医薬組成物の製造のための医薬品工業で使用される新規のグアニジニル置換されたヒドロキシ−6−フェニルフェナントリジン誘導体に関する。
【0002】
公知の背景技術
国際特許出願WO99/57118号及びWO02/05616号は、PDE4インヒビターとして、6−フェニルフェナントリジンを記載している。
【0003】
国際特許出願WO99/05112号では、置換された6−アルキルフェナントリジンは気管支治療薬として記載されている。
【0004】
国際特許出願WO02/066476号では、グアニジル置換基を有するベンゾナフチリジン誘導体が記載されている。
【0005】
欧州特許出願EP0490823号では、喘息の治療に有用なジヒドロイソキノリン誘導体が記載されている。
【0006】
国際特許出願WO2004/018431号は、PDE4インヒビターとしての6−フェニルフェナントリジンを開示している。
【0007】
国際特許出願WO02/066476号は、PDE4インヒビターとしての6−フェニルベンゾナフチリジンを開示している。
【0008】
米国特許US64760251号は、PDE4インヒビターとしての6−フェニルフェナントリジンを開示している。
【0009】
米国特許US63068691号は、PDE4インヒビターとしてのベンゾナフチリジンのN−オキシドを開示している。
【0010】
国際特許出願WO2004/019944号及びWO2004/019945号は、PDE4インヒビターとしてのヒドロキシ置換された6−フェニルフェナントリジンを開示している。
【0011】
発明の開示
ここで、以下に非常に詳細に記載される新規のグアニジニル置換された2−又は3−ヒドロキシ−6−フェニルフェナントリジンは、予想されない緻密な構造的変更点によって今までに知られた化合物とは異なり、そして意想外かつ特に有利な特性を有することが判明した。
【0012】
従って、本発明は、式1
【0013】
【化1】

[式中、
R1は、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであるか、又は
R1及びR2は、一緒になって、C〜C−アルケンジオキシ基であり、
R3は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R31は、水素又はC〜C−アルキルであり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素、C〜C−アルキル、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R7は、式(a)、(b)、(c)又は(d)
【0014】
【化2】

で示される基であり、その際、
R7が式(b)で示される基であれば、
R8、R9、R10及びR11は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、シアノ、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であるか、又は
R8は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R10及びR11は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、テトラヒドロ−6,7−ジメトキシイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R8は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、
R10は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R11は、アリール1、ナフチル、フェニル、R20及び/又はR21により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、R22及びR23により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R7が式(c)で示される基であれば、
R12、R13、R14及びR15は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であるか、又は
R12及びR13は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、テトラヒドロ−6,7−ジメトキシイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR13は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基又はチオモルホリン−4−イル基であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基又はチオモルホリン−4−イル基であるか、又は
R12及びR15は、互いに無関係に、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R13及びR14は、一緒になって、これらが結合されるN−C(=)−N構造を含んで、ヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン基又はイミダゾリジン−2−イリデン基であり、
R7が式(d)で示される基であれば、
R16は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R17及びR18は、一緒になって、これらが結合されるN−C(−)−N構造を含んで、アリール2であり、
アリール1は、4−メチルチアゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、5−ニトロベンゾイミダゾール−2−イル、5−クロロベンゾイミダゾール−2−イル、5−メチルベンゾイミダゾール−2−イル、4−メチルキナゾリン−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾキサゾール−2−イル又はピリミジン−2−イルであり、
アリール2は、1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、4,5−ジシアノ−イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、4−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、4−アセチル−イミダゾール−2−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、1−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、5,6−ジメチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、プリン−8−イル、6−アミノ−7−メチル−7H−プリン−8−イル、1,6−ジメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,5,6− トリメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン−8−イル、7−エチル−3−メチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、1,3,7−トリメチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、チアジアゾリル、1,4−ジヒドロテトラゾール−5−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−5−イル、1H−テトラゾール−5−イル、ピリミジン−2−イル又は4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イルであり、
R19は、C〜C−アルキル、ホルミル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フェニル、R24及び/又はR25により置換されたフェニル、[ベンゾ(1,3)ジオキソール]−5−イルメチル、フェニル−C〜C−アルキル又は、フェニル部でR26及び/又はR27により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R20は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R21は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R22は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R23は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R24は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R25は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R26は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R27は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R28は、R29(R30)N−C〜C−アルキルであり、その際、
R29及びR30は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、4−(C〜C−アルキル)ピペラジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、テトラヒドロ−6,7−ジメトキシイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基である]で示される化合物、これらの化合物の塩並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩に関する。
【0015】
〜C−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。挙げられる例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基及び、有利にはエチル基及びメチル基である。
【0016】
〜C−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の2〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基及び、有利にはエチル基である。
【0017】
〜C−アルコキシは、酸素原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基を表す。挙げられる例は、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基及び、有利にはエトキシ基及びメトキシ基である。
【0018】
〜C−シクロアルコキシは、例えばシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及びシクロヘプチルオキシを表し、なかでもシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ及びシクロペンチルオキシが好ましい。
【0019】
〜C−シクロアルキルメトキシは、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ及びシクロヘプチルメトキシを表し、そのうちシクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ及びシクロペンチルメトキシが好ましい。
【0020】
完全にもしくは大部分がフッ素により置換されたC〜C−アルコキシとしては、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、ペルフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,2,2−トリフルオロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基、特に2,2,2−トリフルオロエトキシ基、及び有利にはジフルオロメトキシ基を例として挙げることができる。この関連での“大部分が”とは、C〜C−アルコキシ基中の水素原子の半分より多くがフッ素原子により置換されていることを意味する。
【0021】
〜C−アルキレンジオキシは、例えばメチレンジオキシ[−O−CH−O−]基及びエチレンジオキシ[−O−CH−CH−O−]基を表す。
【0022】
R3及びR31が一緒になってC〜C−アルキレンを意味する場合に、式1の化合物中の1位及び4位は、C〜C−アルキレン架橋によって互いに結合されており、その際、C〜C−アルキレンは直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を表す。挙げられる例は、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−CH−CH−]、トリメチレン基[−CH−CH−CH−]、1,2−ジメチルエチレン基[−CH(CH)−CH(CH)−]及びイソプロピリデン基[−C(CH−]である。
【0023】
本発明の意味上の範囲内ではハロゲンは、フッ素、塩素又は臭素である。
【0024】
〜C−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜7個の炭素原子を有するアルキル基を表す。挙げられる例は、ヘプチル基、イソヘプチル(5−メチルヘキシル)基、ヘキシル基、イソヘキシル(4−メチルペンチル)基、ネオヘキシル(3,3−ジメチルブチル)基、ペンチル基、イソペンチル(3−メチルブチル)基、ネオペンチル(2,2−ジメチルプロピル)基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチル基又はメチル基である。
【0025】
〜C−シクロアルキルは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はシクロヘプチル基を表す。
【0026】
〜C−シクロアルキルメチルは、前記のC〜C−シクロアルキル基の1つにより置換されているメチル基を表す。挙げられる例は、シクロアルキルメチル基、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル及びシクロペンチルメチルである。
【0027】
ヒドロキシ−C〜C−アルキルは、ヒドロキシル基によって置換されているC〜C−アルキル基を表す。挙げられる例は、2−ヒドロキシエチル基及び3−ヒドロキシプロピル基である。
【0028】
ヒドロキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基について挙げることができる一例は、(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基である。
【0029】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル基の一例は、(2−メトキシエトキシ)エチル基である。
【0030】
〜C−アルキルカルボニルは、カルボニル基であって、そこに前記のC〜C−アルキル基の1つが結合されている基である。一例は、アセチル基[CHC(O)−]である。
〜C−アルコキシカルボニルは、前記C〜C−アルコキシ基の1つが結合されているカルボニル基を表す。例は、メトキシカルボニル基[CHO−C(O)−]及びエトキシカルボニル基[CHCHO−C(O)−]である。
【0031】
〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−アルキル基の1つであって、それが前記のC〜C−アルコキシカルボニル基の1つによって置換されている基を表す。一例は、エトキシカルボニルメチル基[CHCHOC(O)CH−]である。
【0032】
〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルは、前記のC〜C−アルコキシ基の1つによって置換されているC〜C−アルキル基を表す。挙げられる例は、メトキシエチル基及びエトキシエチル基である。
【0033】
フェニル−C〜C−アルキル基は、フェニル基によって置換されている前記のC〜C−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、フェニルエチル基及びベンジル基である。
【0034】
R29(R30)N−C〜C−アルキル基は、R29(R30)N基によって置換された前記のC〜C−アルキル基の1つを表す。挙げられる例は、モルホリン−4−イルエチル基及びチオモルホリン−4−イルエチル基である。
【0035】
“これらの化合物のN−オキシド”は、任意の単独又は多重のN−オキシドであって、式1の化合物から出発して形成させることができるN−オキシド並びに、それらの単独又は多重のN−オキシドの任意の混合比における任意の混合物を表す。フェナントリジン環系の5位の窒素原子に単独のN−オキシドが好ましい。
【0036】
式(a)、(b)、(c)又は(d)
【0037】
【化3】

において、水平破線は、R7が、式1中のカルボニル基に、その水平破線を伴う結合を介して結合されていることを示している。式(d)における追加的な破線は、指示される位置に単結合又は二重結合が存在してよいことを示している。
【0038】
式1の化合物の置換基R6及び−C(O)R7は、6−フェニル環がフェナントリジン環系に結合された結合位置に対してオルト位、メタ位又はパラ位で結合されていてよい。式1で示され、その式中、R6が水素であり、かつ−C(O)R7がメタ位又はパラ位で結合されている化合物が好ましく、特定の実施態様では、R6は水素であり、かつ−C(O)R7がパラ位で結合されている。
【0039】
式1の化合物についての適当な塩(置換基に依存して)は全ての酸付加塩又は塩基との全ての塩である。薬学で慣用の無機酸及び有機酸並びに塩基の薬理学的に認容性の塩を特に挙げることができる。これらの好適なものは、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のような酸との、一方では、水溶性及び水不溶性の酸付加塩であり、その際、前記の酸は塩調製において(一塩基酸又は多塩基酸のどちらが考慮されるかに依存して、そしてどの塩が望ましいかに依存して)等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0040】
他方で、塩基との塩も適当である。挙げることができる塩基との塩の例は、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)又はカルシウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩又はチタン塩であり、その際、この場合にも塩基は塩調製において等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0041】
本発明による化合物の工業的規模での製造の間に、例えばプロセス生成物としてまず得ることができる薬理学的に非認容性の塩は当業者に公知の方法によって薬理学的に認容性の塩に変換される。
【0042】
本発明による化合物及びその塩は、例えばこれらが結晶形で単離される場合に種々の溶剤量を有してよいことは当業者には知られている。従ってまた本発明は、式1の化合物の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物、及びまた式1の化合物の塩の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物を包含する。
【0043】
強調されるべき化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであるか、又は
R1及びR2は、一緒になって、C〜C−アルキレンジオキシ基であり、
R3は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R31は、水素又はC〜C−アルキルであり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素であり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R7は、式(a)、(b)、(c)又は(d)
【0044】
【化4】

で示される基であり、その際、
R7が式(b)で示される基であれば、
R8、R9、R10及びR11は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであるか、又は
R8は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R10及びR11は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R8は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、
R10は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R11は、アリール1、ナフチル、フェニル、R20及び/又はR21により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、R22及びR23により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R7が式(c)で示される基であれば、
R12、R13、R14及びR15は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであるか、又は
R12及びR13は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR13は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基又はチオモルホリン−4−イル基であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基又はチオモルホリン−4−イル基であるか、又は
R12及びR15は、互いに無関係に、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R13及びR14は、一緒になって、これらが結合されるN−C(=)−N構造を含んで、ヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン基又はイミダゾリジン−2−イリデン基であり、
R7が式(d)で示される基であれば、
R16は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル又はヒドロキシ−C〜C−アルキルであり、かつ
R17及びR18は、一緒になって、これらが結合されるN−C(−)−N構造を含んで、アリール2であり、
アリール1は、4−メチルチアゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、5−ニトロベンゾイミダゾール−2−イル、5−クロロベンゾイミダゾール−2−イル、5−メチルベンゾイミダゾール−2−イル、4−メチルキナゾリン−2−イルベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾキサゾール−2−イル又はピリミジン−2−イルであり、
アリール2は、1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、4,5−ジシアノ−イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、4−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、4−アセチル−イミダゾール−2−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、1−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、5,6−ジメチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、プリン−8−イル、6−アミノ−7−メチル−7H−プリン−8−イル、1,6−ジメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,5,6− トリメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン−8−イル、7−エチル−3−メチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、1,3,7−トリメチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、チアジアゾリル、1,4−ジヒドロテトラゾール−5−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−5−イル、1H−テトラゾール−5−イル、ピリミジン−2−イル又は4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イルであり、
R19は、C〜C−アルキル、ホルミル、C〜C−アルキルカルボニル、2−ヒドロキシエチル、フェニル、R24及び/又はR25により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、フェニル部でR26及び/又はR27により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R20は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R21は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R22は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R23は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R24は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R25は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R26は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R27は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩である。
【0045】
特に強調されるべき化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素であり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R7は、式(a)、(b)、(c)又は(d)
【0046】
【化5】

で示される基であり、その際、
R7が式(b)で示される基であれば、
R8は、水素であり、かつ
R9、R10及びR11は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであるか、又は
R8は、水素であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、かつ
R10及びR11は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R8は、水素であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、
R10は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、かつ
R11は、アリール1、ナフチル、フェニル、R20及び/又はR21により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、R22及びR23により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R7が式(c)で示される基であれば、
R12、R13、R14及びR15は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであるか、又は
R12及びR13は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR13は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR15は、互いに無関係に、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R13及びR14は、一緒になって、これらが結合されるN−C(=)−N構造を含んで、ヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン基又はイミダゾリジン−2−イリデン基であり、
R7が式(d)で示される基であれば、
R16は、水素であり、かつ
R17及びR18は、一緒になって、これらが結合されるN−C(−)−N構造を含んで、アリール2であり、
アリール1は、4−メチルチアゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、5−ニトロベンゾイミダゾール−2−イル、5−クロロベンゾイミダゾール−2−イル、5−メチルベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル又はベンゾキサゾール−2−イルであり、
アリール2は、1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、4,5−ジシアノ−イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、4−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、4−アセチル−イミダゾール−2−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、1−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、5,6−ジメチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、プリン−8−イル、6−アミノ−7−メチル−7H−プリン−8−イル、1,6−ジメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,5,6−トリメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン−8−イル、7−エチル−3−メチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、1,3,7−トリメチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル又は1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルであり、
R19は、C〜C−アルキル、ホルミル、C〜C−アルキルカルボニル、2−ヒドロキシエチル、フェニル、R24及び/又はR25により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、フェニル部でR26及び/又はR27により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R20は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R21は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R22は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R23は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R24は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R25は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R26は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R27は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びこれらの塩である。
【0047】
より特に強調されるべき化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素であり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素であり、
R7は、式(a)、(b)、(c)又は(d)
【0048】
【化6】

で示される基であり、その際、
R7が式(b)で示される基であれば、
R8は、水素であり、かつ
R9は水素であり、
R10は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R11は、水素又はC〜C−アルキルであり、
その際、基R10又はR11の少なくとも1つが水素ではないか、又は
R8は水素であり、
R9は、水素であり、
R10及びR11は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基又は3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R8は、水素であり、
R9は、水素であり、
R10は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R11は、アリール1、ナフチル、フェニル又は、R20により置換されたフェニルであり、
R7が式(c)で示される基であれば、
R12は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R13は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R14は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R15は、水素、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであり、
その際、基R12、R13、R14及びR15の少なくとも1つは、水素ではないか、又は
R12は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R13は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基又は3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、
R7が式(d)で示される基であれば、
R16は、水素であり、かつ
R17及びR18は、一緒になって、これらが結合されるN−C(−)−N構造を含んで、アリール2であり、
アリール1は、ベンゾイミダゾール−2−イル、5−ニトロベンゾイミダゾール−2−イル、5−クロロベンゾイミダゾール−2−イル又は5−メチルベンゾイミダゾール−2−イルであり、
アリール2は、イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、4−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、4−アセチル−イミダゾール−2−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、1−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、5,6−ジメチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、プリン−8−イル、1,6−ジメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル又は1,5,6−トリメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イルであり、
R19は、C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R20は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩である。
【0049】
有利な化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素であり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素であり、
R7は、
【0050】
【化7】

から選択される基である化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩である。
【0051】
より有利な化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ又は、大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であり、
R6は、水素であり、
R7は、式(c)
【0052】
【化8】

で示される基であり、その際、
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R15は、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基又はモルホリン−4−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、その際、
R19は、C〜C−アルキルカルボニルである化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩である。
【0053】
更により有利な化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、メトキシ又はエトキシであり、
R2は、メトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素であり、かつ
R5は、水素であり、
R6は、水素であり、
R7は、フェニル環がフェナントリジン環系に結合されている結合位置に対してメタ位又はパラ位に結合されていて、式(c)
【0054】
【化9】

で示される基であり、その際、
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、C〜C−アルキル、例えばC〜C−アルキルであり、かつ
R15は、C〜C−アルキル、例えばC〜C−アルキルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、水素であり、かつ
R15は、C〜C−シクロアルキル、例えばシクロプロピルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基又はモルホリン−4−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、その際、
R19は、C〜C−アルキルカルボニルである化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩である。
【0055】
特に有利な化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、メトキシであり、
R2は、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ又は2,2−ジフルオロエトキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素であり、かつ
R5は、水素であり、
R6は、水素であり、
R7は、フェニル環がフェナントリジン環系に結合されている結合位置に対してメタ位又はパラ位に結合されていて、式(c)
【0056】
【化10】

で示される基であり、その際、
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、エチルであり、かつ
R15は、エチルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、水素であり、かつ
R15は、シクロプロピルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、アゾカン−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、その際、
R19は、アセチルである化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩である。
【0057】
本発明による化合物において特に関心が持たれるのは、本発明の範囲内で、以下の実施態様の1つ又は可能であれば、それより多くにより包含される化合物である:
本発明の化合物の特定の一実施態様は、式1で示され、その式中、R1及びR2が無関係にC〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシである化合物を含む。
【0058】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1及びR2が無関係にC〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、かつR3及びR31が両者とも水素である化合物を含む。
【0059】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1及びR2が無関係にC〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、かつR3、R31及びR6が全て水素である化合物を含む。
【0060】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1及びR2が無関係にC〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、かつR3、R31及びR6が水素であり、かつR7が式(c)で示される基である化合物を含む。
【0061】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1及びR2の一方がメトキシであり、他方がメトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ又は2,2−ジフルオロエトキシであり、かつR3及びR31が両者とも水素である化合物を含む。
【0062】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1がエトキシ又は、特にメトキシであり、かつR2がメトキシ又は、特にエトキシ、ジフルオロメトキシ又は2,2−ジフルオロエトキシであり、かつR3及びR31が両者とも水素である化合物を含む。
【0063】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1がメトキシであり、かつR2が2,2−ジフルオロエトキシであり、かつR3及びR31が両者とも水素である化合物を含む。
【0064】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1がメトキシであり、かつR2がエトキシであり、かつR3及びR31が両者とも水素である化合物を含む。
【0065】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R1がメトキシであり、かつR2がジフルオロメトキシであり、かつR3及びR31が両者とも水素である化合物を含む。
【0066】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R6が水素である化合物を含む。
【0067】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R5又は、特にR4が(C〜C−アルキルカルボニル)−O−基、例えばアセトキシ又はヒドロキシルであり、かつ全ての他の置換基は本発明の前記の任意の化合物で定義したものである化合物を含む。
【0068】
本発明の化合物の特定のもう一つの実施態様は、式1で示され、その式中、R5又は、特にR4がヒドロキシルである化合物を含む。
【0069】
本発明による有利な実施態様は、実施態様aである。
【0070】
本発明の化合物の更なる有利な一実施態様は、実施態様aに従い、その式中、R5及びR41が両者とも水素であり、かつR1及びR2が無関係にC〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、かつR3、R31及びR6が全て水素である化合物を含む。
【0071】
本発明の化合物のなおも更なる有利な実施態様は、実施態様aに従い、その式中、R5が水素であり、かつR1がメトキシであり、かつR2がエトキシ、ジフルオロメトキシ又は2,2−ジフルオロエトキシであり、かつR3、R31及びR6が全て水素である化合物を含む。
【0072】
本発明の化合物のまたなおも更なる有利な実施態様は、実施態様aに従い、その式中、R5及びR41が両者とも水素であり、かつR1がメトキシであり、かつR2がエトキシ、ジフルオロメトキシ又は2,2−ジフルオロエトキシであり、かつR3、R31及びR6が全て水素である化合物を含む。
【0073】
より挙げるに値する本発明による好適な化合物は、式1で示され、その式中、R5又は、特にR4がヒドロキシルである化合物を含む。
【0074】
本発明により例示される化合物は:
1. N′−(1−{4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−フェニル}−メタノイル)−N,N−ジエチル−グアニジン
2. N−(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−ベンザミド
3. N−シクロプロピル−N′−(1−{4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−フェニル}−メタノイル)−グアニジン
4. N−[1−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−アミノ−メチレン]−4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−ベンザミド
5. N,N−ジエチル−N′−{1−[4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−フェニル]−メタノイル}−グアニジン、及び
6. N−(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−ベンザミド
から選択される化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩を含んでよい。
【0075】
有利には、付随する“生物学的調査”の第A表に列記される本発明による化合物並びにそれらの塩が、本発明の特に関心が持たれる態様として挙げられるべきである。
【0076】
式1の化合物は、4a位及び10b位に少なくともキラル中心を有し、R3、R31、R4及びR5の意味に依っては、1位、2位、3位及び4位に追加的なキラル中心を有するキラル化合物である。
【0077】
【化11】

【0078】
従って本発明は純粋形並びに任意の混合比での全ての考えられる立体異性体を含む。式1で示され、その式中、4a位と10b位の水素原子が互いにシス位にある化合物が好ましい。純粋なシスエナンチオマー及びそれらの任意の混合比の混合物及び、例えばラセミ体がこの文脈においてより好ましい。
【0079】
この文脈で特に有利なものは、式1で示され、その式中、4a位及び10b位に関して、式(1):
【0080】
【化12】

に示される立体配置を有する化合物である。
【0081】
例えば、式1の化合物において、R3、R31及びR5が水素を意味し、かつR4が−OR41を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Rは4a位にあり、かつRは10b位にある。
【0082】
実施態様aによる式1の有利な化合物は、2位、4a位及び10b位に関して、式1a**と式1a***と式1a****
【0083】
【化13】

に示されるのと同じ立体配置を有する化合物である。
【0084】
例えば、式1a**の化合物において、R3、R31及びR5が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Sは2位にあり、Rは4a位にあり、かつRは10b位にある。
【0085】
例えば、式1a***の化合物において、R3、R31及びR5が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Rは2位にあり、Sは4a位にあり、かつSは10b位にある。
【0086】
例えば、式1a****の化合物において、R3、R31及びR5が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Sは2位にあり、Sは4a位にあり、かつSは10b位にある。
【0087】
実施態様aによる式1の殊に有利な化合物は、2位、4a位及び10b位に関して、式1a*****
【0088】
【化14】

に示されるのと同じ立体配置を有する化合物である。
【0089】
例えば、式1a*****の化合物において、R3、R31及びR5が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Rは2位にあり、Rは4a位にあり、かつRは10b位にある。
【0090】
実施態様bによる式1の有利な化合物は、3位、4a位及び10b位に関して、式1b**と式1b***と式1b****
【0091】
【化15】

に示されるのと同じ立体配置を有する化合物である。
【0092】
例えば、式1b**の化合物において、R3、R31及びR4が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Rは3位にあり、Rは4a位にあり、かつRは10b位にある。
【0093】
例えば、式1b***の化合物において、R3、R31及びR4が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Sは3位にあり、Sは4a位にあり、かつSは10b位にある。
【0094】
例えば、式1b****の化合物において、R3、R31及びR4が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Rは3位にあり、Sは4a位にあり、かつSは10b位にある。
【0095】
実施態様aによる式1の殊に有利な化合物は、3位、4a位及び10b位に関して、式1b*****
【0096】
【化16】

に示されるのと同じ立体配置を有する化合物である。
【0097】
例えば、式1b*****の化合物において、R3、R31及びR4が水素を意味する場合には、その立体配置は、カーン・インゴールド・プレログ則に従って、Sは3位にあり、Rは4a位にあり、かつRは10b位にある。
【0098】
本発明による実施態様a及びbの意味の範囲内で、式1a*****の化合物は特に強調されるべきである。
【0099】
エナンチオマーは、自体公知のように(例えば好適なジアステレオ異性化合物の調製及び分割によって)分割することができる。このように、例えばエナンチオマー分割は、遊離アミノ基を有する出発化合物、例えば以下に定義される式7又は9bの出発化合物の段階で実施することができる。
【0100】
【化17】

【0101】
エナンチオマー分割は、例えば式7又は9bのラセミ化合物と光学活性酸、有利にはカルボン酸との塩形成と、それに引き続いての該塩の分割と、そして該塩からの所望の化合物の遊離によって実施することができる。この関連で挙げることができる光学活性カルボン酸の例は、マンデル酸、酒石酸、O,O′−ジベンゾイル酒石酸、ショウノウ酸、キニン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、リンゴ酸、ショウノウスルホン酸、3−ブロモショウノウスルホン酸、α−メトキシフェニル酢酸、α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニル酢酸及び2−フェニルプロピオン酸である。選択的に、式7又は9bのエナンチオマー純粋な出発化合物は、不斉合成を介して製造することができる。エナンチオマー純粋な出発化合物並びにエナンチオマー純粋な式1の化合物はまた、キラル分割カラムでのクロマトグラフィー分割、キラル補助試薬での誘導体化、引き続きのジアステレオマー分割、及びキラル補助基の除去、又は好適な溶剤からの(分別)結晶化によって得ることもできる。
【0102】
本発明による化合物は、例えば以下の反応式に示されるように、かつ以下に特記される反応段階に従って、又は特に以下の実施例に例として記載されるように、又はそれと同様にもしくは類似に当業者に公知の製造手法を用いて製造することができる。
【0103】
反応式1は、式1の化合物の製造を示している。式4で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R4、R5及びR6が前記の意味を有し、かつC(O)ORが好適なエステル基、例えばアルキルエステル(有利にはメチルエステル基)を表す化合物から出発して、式1で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R4、R5、R6及びR7が前記の意味を有する化合物は、異なる経路によって得ることができる。一方で、式1の化合物は、式4の化合物から、式R7−Hで示され、その式中、R7が前記の意味を有する化合物との直接的な反応によって得ることができる。
【0104】
他方で、式4の化合物をまず鹸化させて、式3の安息香酸誘導体を得ることができる。
【0105】
式3で示され、その式中、R1、R2、R3、R31及びR6が前記の意味を有し、かつR4又はR5がヒドロキシルである化合物(例えば式4で示され、その式中、R4又はR5がアシルオキシである相応の化合物から、前記の鹸化段階によって得ることができ、その際、遊離の安息香酸基の他に、それぞれ脱アシル化された遊離のヒドロキシル基が得られる)は、好適な一時的な保護基によって、又は有利には当業者に自体公知の又は以下の実施例に記載されるアシル化、例えばアセチル化反応を介して、例えば酸塩化物を用いて保護してから、更なる反応を行うことが望ましい。
【0106】
次いで式3の安息香酸誘導体を、式R7−Hの化合物との反応の前に、例えば酸ハロゲン化物又は酸無水物の形成によって又は当業者に自体公知のカップリング剤、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N′−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)又は2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)(式2の化合物)を用いて活性化させてよい。
【0107】
反応式1:
【0108】
【化18】

【0109】
反応式2に示されるように、式1の化合物を、式3の化合物又は式2の化合物から、まず式3の化合物を好適なカップリング条件下(好適なカップリング剤及び添加剤を用いる)で反応させるか、又はあるいは式2で示され、その式中、Yは例えば塩素原子である化合物を好適に置換されたS−アルキル−イソチオ尿素と反応させ、次いで第二段階でS−アルキル基を好適に置換されたアミンによって交換することによって得ることも可能である。
【0110】
前記と同様に、式3又は3の化合物の2位又は3位のヒドロキシル基は、好適な一時的又は永続的な保護基、有利にはアシル基(例えばアセチル)によって、前記反応前に好適に保護されていることが望ましい。
【0111】
反応式2:
【0112】
【化19】

【0113】
同様の反応は、例えばArzneim.-Forsch. (Drug Res.) 25, No. 10, (1975), pp. 1477-1482又は以下の実施例に記載されている。
【0114】
場合により、式1の化合物を、当業者に公知の方法によって転化させて、更なる式1の化合物にすることができる。殊に、例えば式1で示され、その式中、
a)R4又はR5がヒドロキシルである化合物から、相応のエステル化合物をエステル化反応によって得ることができる、
b)R4又はR5がヒドロキシル基である化合物から、相応のエーテル化合物をエーテル化反応によって得ることができる、
c)R4又はR5がアシルオキシ基、例えばアセチル基である化合物から、相応のヒドロキシル化合物を脱エステル化反応、例えば鹸化反応によって得ることができる。
【0115】
a)、b)及びc)に挙げられる方法は、便宜上、当業者に公知の方法と同様に又は以下の実施例に例として記載されるように実施される。
【0116】
場合により式1の化合物をその塩に変換できるか、又は場合により式1の化合物の塩を遊離の化合物に変換することができる。
【0117】
更に、式1の化合物は、場合により、例えば過酸化水素を用いてメタノール中で又はm−クロロペルオキシ安息香酸を用いてジクロロメタン中でそのN−オキシドに変換することができる。当業者は、その専門知識に基づいて、N−オキシド化のために特に必要とされる反応条件に精通している。
【0118】
実施態様aによる式4の化合物は、以下の反応式3に記載され示されるようにして製造することができる。
【0119】
反応式3に示される合成経路の第一の反応段階において、式8で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R41及びR5が実施態様aで挙げた意味を有し、かつR41が水素以外である化合物は、式9の相応の化合物から基R41の導入によって製造される。その導入反応は、自体慣用の様式で又は以下の実施例に例として記載されるようにして実施される。
【0120】
反応式3:
【0121】
【化20】

【0122】
合成経路の後続の反応段階において、式8で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R41及びR5が実施態様aで挙げた意味を有し、かつR41が水素以外である化合物のニトロ基を、式7の相応の化合物のアミノ基に還元する。前記の還元は、当業者に公知のように、例えばJ. Org. Chem. 1962, 27, 4426に記載されるように又は以下の実施例に記載されるように実施される。より詳細には、その還元は、例えば接触水素化によって、例えばラネーニッケル又は貴金属触媒、例えば活性炭素上パラジウムの存在下に、好適な溶剤、例えばメタノール又はエタノール中で、室温においてかつ常圧又は高められた圧力下に実施することができる。場合により、酸、例えば塩酸の触媒量を溶剤に添加することができる。しかしながら有利には、還元は水素生成混合物、例えば金属、亜鉛、亜鉛・銅カップル(Zinc copper couple)又は鉄と有機酸、例えば酢酸又は鉱酸、例えば塩酸とを使用して実施される。より有利には還元は、亜鉛・銅カップルを使用して有機酸又は無機酸の存在下に実施される。かかる亜鉛・銅カップルは当業者に公知の方法で得られる。
【0123】
式5で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R41、R5及びR6が実施態様aで示した意味を有し、R41が水素以外であり、かつC(O)ORが好適なエステル基、有利にはメチルエステル基を表す化合物は、式7で示される相応の化合物から、式6で示され、その式中、Xが好適な離脱基、有利には塩素原子を表す相応の化合物との反応によって得られる。
【0124】
選択的に、式5の化合物は、式7で示される及び式6で示される、それらの式中、Xはヒドロキシルである相応の化合物から、当業者に公知のアミド結合架橋試薬との反応によって製造することもできる。当業者に公知のアミド結合架橋試薬の挙げられる例は、カルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又は、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、アゾジカルボン酸誘導体(例えばジエチルアゾジカルボキシレート)、ウロニウム塩[例えばO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート又はO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]及びN,N’−カルボニルジイミダゾールである。本発明の範囲において、有利なアミド結合架橋試薬はウロニウム塩及び、有利にはカルボジイミド、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である。
【0125】
式6の化合物は公知であるか、又は公知のようにも製造できる。
【0126】
式4で示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R41、R5及びR6が実施態様aで示された意味を有し、R41が水素以外であり、かつC(O)ORが好適なエステル基、有利にはメチルエステル基を表す化合物は、式5の相応の化合物の環状縮合によって得ることができる。
【0127】
前記の環状縮合は、当業者に自体公知のように又は以下の実施例に例として記載されるように、Bischler-Napieralski(例えばJ.Chem.Soc., 1956, 4280-4282に記載されるように)に従って適当な縮合剤、例えばポリリン酸、五塩化リン、五酸化リン又はオキシ塩化リンの存在下に、適当な不活性溶剤、例えば塩素化炭化水素、例えばクロロホルム中で又は環状炭化水素、例えばトルエン又はキシレン中で、又は別の不活性溶剤、例えばイソプロピルアセテート又はアセトニトリル中で、又は更なる溶剤を使用せず、過剰の縮合剤を使用して、低減された温度で、又は室温で、又は高められた温度で、又は使用される溶剤又は縮合剤の沸点で実施される。
【0128】
以下の反応式4は、式9で示され、その式中、R1、R2、R3、R31及びR5が実施態様aで示した意味を有する化合物を、式10の相応の化合物からカルボニル基の還元反応を介して合成することを示している。前記の還元反応のために適当な還元剤は、例えば金属水素化物化合物、例えばジイソプロピルアルミニウム水素化物、ボラン、ホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、トリ−s−ブチル水素化ホウ素カリウム、トリ−s−ブチル水素化ホウ素ナトリウム、トリ−s−ブチル水素化ホウ素リチウム、β−イソピノカンフェニル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンなどである。前記の還元剤の有利な例は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、β−イソピノカンフェイル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン及びトリ−s−ブチル水素化ホウ素カリウムである。前記の還元剤の最も有利な例は、β−イソピノカンフェイル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン及びトリ−s−ブチル水素化ホウ素カリウムであり、これらは両者とも式10の化合物を立体選択的に製造することを可能にする。本願での“立体選択的に”とは、1位及び3位の水素原子がシクロヘキサン環により定義される平面の反対側に位置する式10の化合物が優勢的に得られることを意味している。
【0129】
反応式4:
【0130】
【化21】

【0131】
式10で示され、その式中、R1、R2、R3、R31及びR5が実施態様aに挙げた意味を有する化合物は、公知であるか、又は式12で示され、その式中、R1及びR2が実施態様aに挙げた意味を有する化合物と、式11で示され、その式中、R3、R31及びR5が実施態様aに挙げた意味を有する化合物との反応によって得ることもできる。付加環化反応は、当業者に自体公知の方法で、ディールス−アルダー反応に従って、例えばJ. Amer. Chem. Soc. 1957, 79, 6559又はJ. Org. Chem. 1952, 17, 581に記載されるように又は以下の実施例に記載されるように実施される。
【0132】
式8又は9で示され、そのフェニル環及びニトロ基が互いにトランス位にある化合物を、当業者に公知の方法で、相応のシス化合物に、例えばJ. Amer. Chem. Soc. 1957, 79, 6559又は以下の実施例に記載されるように変換することもできる。
【0133】
式11及び12の化合物は公知であるか、又は公知のようにも製造できる。式12の化合物は、例えば当業者に公知の方法で、式13の化合物から、例えばJ. Chem. Soc. 1951, 2524又はJ. Org. Chem. 1944, 9, 170又は以下の実施例に記載されるように製造できる。
【0134】
式13で示され、式中、R1及びR2が前記の意味を有する化合物は、公知であるか、又は当業者に公知の方法で、例えばBer. Dtsch. Chem. Ges. 1925, 58, 203に記載のように製造することもできる。
【0135】
実施態様bによる式4の化合物は、以下の反応式5に記載され示されるようにして製造することができる。
【0136】
以下の反応式5における第一の反応工程において、式10bで示され、R1、R2、R3、R31及びR4が前記の実施態様bに示した意味を有する化合物のニトロ基を還元して、式9bの相応の化合物が得られる。前記の還元反応は、当業者に公知のように、例えばJ. Org. Chem. 1962, 27, 4426に記載されるように又は以下の実施例に記載されるように実施される。殊に、還元は、例えば10bの化合物と水素生成混合物、例えば有利には緩慢な酸性媒体、例えば酢酸中の金属亜鉛とを低級アルコール、例えばメタノール又はエタノール中で室温又は高められた温度で、又は有利には溶剤混合物の沸点温度で実施してよい。選択的に、還元は、ニトロ基の選択的還元によって、当業者に公知の方法で、例えば金属触媒、例えばパラジウム又は有利にはラネーニッケルの存在下に、適当な溶剤、有利には低級アルコール中で、例えばギ酸アンモニウム又は有利にはヒドラジン水和物を水素供与体として使用して実施してよい。
【0137】
得られた式9bの化合物を、例えば以下の実施例に例として記載するようにして、式6で示され、その式中、R6が前記の意味を有し、C(O)ORが好適なエステル基、有利にはメチルエステル基を表し、かつXが好適な離脱基、有利には塩素原子を表す化合物と反応させて、式8bの相応の化合物を得ることができる。
【0138】
選択的に、式8bで示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R4及びR6が実施態様bで示した意味を有し、かつC(O)ORが前記の好適なエステル基を表す化合物は、例えば式9bで示される及び式6で示される、その式中、Xがヒドロキシルである相応の化合物から、当業者に公知のアミド結合架橋試薬との反応によって製造することもできる。当業者に公知のアミド結合架橋試薬の挙げられる例は、カルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又は、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、アゾジカルボン酸誘導体(例えばジエチルアゾジカルボキシレート)、ウロニウム塩[例えばO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート又はO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート]及びN,N’−カルボニルジイミダゾールである。本発明の範囲において、有利なアミド結合架橋試薬はウロニウム塩及び、有利にはカルボジイミド、有利には1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である。
【0139】
反応式5:
【0140】
【化22】

【0141】
後続工程において、式8bの化合物を、以下の実施例に記載されるように又は当業者に公知のようにして実施できるエポキシ化反応によって、例えば適当なエポキシ化法又は適当なエポキシ化試薬、例えば過酸(例えばm−クロロペル安息香酸)又は有機もしくは無機のペルオキシド(例えばジメチルジオキシラン、過酸化水素又は過硫酸塩)を使用して転化させて、式7bの相応の化合物にすることができる。
【0142】
得られた式7bの化合物を、当該技術分野で知られる方法によって還元させて、式6bの相応の化合物にすることができる。殊には、前記の還元反応は、例えば以下の実施例に例として記載されるように、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用して実施してよい。選択的に、前記の還元反応は、例えば水素化アルミニウムリチウム又は貴金属を含有する還元性混合物、例えば二酸化白金又はパラジウム及び適当な水素供与体を用いて実施してもよい。前記の還元法のそれぞれを用いて、式7bの化合物を、主として、レジオ選択的にかつジアステレオ選択的に転化させて、式6bの化合物にすることができ、その際、1位のヒドロキシル基及び3位のアミド基は、シクロヘキサン環によって定義される平面の同じ側に位置する。
【0143】
更に当業者には、有利にはヒドロキシル基及び水素原子が結合しているキラル炭素原子の絶対配置が逆であってよいことは知られている。こうして、式6bの化合物の1位の炭素原子の立体配置を場合により逆転することができる。式6bの化合物の1位の立体配置の前記の逆転は、当業者に公知の方法で、例えば適当な離脱基により1位を誘導体化し、かつ引き続き適当な求核試薬によりSN2機構による求核置換反応で該離脱基を交換することによって達成できる。選択的に、式6bの化合物の1位の立体配置の逆転は、例えば以下の実施例に例として記載されるように、以下の反応式6に示される引き続き特定された2工程法に従って得ることもできる。より詳細には、反応式6に示される前記の方法の第一工程において、式6bで示され、その式中、R1、R2、R6が前記の意味を有し、C(O)ORが好適なエステル基(有利にはメチルエステル基)を表し、かつR3、R31、R4が水素であり、かつ1位がR配置を有する例示される化合物を、酸化反応によって転化させて、式11bの相応の化合物となる。前記の酸化は、同様にして、自体慣用の条件下に、例えばクロラニル、大気酸素、二酸化マンガン又は、有利には酸化クロムを酸化剤として用いて実施される。次いで、第二段階において、得られた式11bの化合物を、そのケト基を、有利には金属水素化物化合物又は、殊に金属ホウ水素化物、例えばホウ水素化ナトリウムにより当該技術分野で知られる還元反応によって転化させて、式6b**で示され、その式中、1位はここではS配置を有し、こうして1位の炭素原子の立体配置は、式6bの前記化合物について逆転されている相応の化合物となる。
【0144】
反応式6:
【0145】
【化23】

【0146】
前記の反応式5に示される合成経路の後続の反応段階において、式6bの化合物を、R51基(R51は水素以外である)の導入によって転化させて、相応の式5bの化合物となる。導入反応は、自体慣用の方法(例えばアルキル化又はアシル化反応を介して)で又は以下の実施例の例として記載されるように実施される。
【0147】
式4の化合物に導く環化反応は、例えば以下の実施例に例として記載されるようにして、又はそれに類似してもしくは同様に、又は実施態様aによる化合物について前記のようにして実施することができる。
【0148】
式10bで示され、その式中、R1、R2、R3、R31及びR4が前記の意味を有する化合物は、公知であるか、又は、例えば反応式7に示されるように、式12で示され、その式中、R1及びR2が前記の意味を有する化合物と式12で示され、式中、R3、R31及びR4が前記の意味を有する化合物とを反応させることによって得ることもできる。
【0149】
反応式7:
【0150】
【化24】

【0151】
付加環化反応は、この場合に当業者に自体公知の方法で、ディールス−アルダー反応に従って、例えばJ. Amer. Chem. Soc. 1957, 79, 6559又はJ. Org. Chem. 1952, 17, 581に記載されるように又は以下の実施例に記載されるように実施される。
【0152】
式10bで示され、そのフェニル環及びニトロ基が互いにトランス位にある化合物を、当業者に公知の方法で、相応のシス化合物に、例えばJ. Amer. Chem. Soc. 1957, 79, 6559又は以下の実施例に記載されるように変換することもできる。
【0153】
式12bの化合物は公知であるか、又は公知のようにも製造できる。
【0154】
選択的に、式5bで示され、その式中、R1、R2、R3、R31、R4、R51及びR6が実施態様bで示した意味を有し、R51が水素以外であり、かつC(O)ORが前記の好適なエステル基、有利にはメチルエステル基を表す化合物(特に、式5bで示され、その式中、R1、R2、R51及びR6が実施態様bで示した意味を有し、R51が水素以外であり、かつR3、R31及びR4が全て水素である化合物)は、反応式8に示されるようにして、そして以下の実施例に例として記載されるようにして得ることもできる。
【0155】
反応式8で概要を示した経路の第一の反応段階において、式9bの化合物のアミノ基を、当該技術分野で知られる保護基PG1、例えばt−ブトキシカルボニル基で保護する。保護された化合物をヒドロホウ素化反応に供して、2段階を介して、式14bの化合物が得られる。前記のヒドロホウ素化反応は、以下の実施例に記載されるようにして、好適な(ヒドロ)ホウ素化剤、例えば9−BBN、イソピノカンフェイルボランなど、又は特にボラン−テトラヒドロフラン(HB−THF)を用いて、有利には周囲温度で実施される。得られた化合物を次いで、前記に記載されるのと同様にしてR51基(R51は水素以外である)の導入によって転化させて、式14bの化合物にする。
【0156】
反応式8に示される合成経路の後続の反応段階において、式14bの化合物を、保護基PG1の脱保護及び式6の化合物によるアミド化によって転化させて、実施態様bによる式5bの相応の化合物にする。前記反応は、自体慣用の様式で、又は本発明の明細書又は以下の実施例に記載されるようにして実施される。
【0157】
必要に応じて、前記のヒドロホウ素化反応を介して得られた生成物又は、好適には、R51置換されたその誘導体を、生ずる立体異性体副生成物及び/又はレジオ異性体副生成物から、当業者に公知の方法によって、例えばクロマトグラフィー分離技術によって精製する。
【0158】
反応式8:
【0159】
【化25】

【0160】
また当業者には、複数の反応中心が出発材料又は中間物質に存在する場合には、1つ以上の反応中心を反応が所望の反応中心だけで行われるように保護基で封鎖する必要があることもあることは知られている。多数の証明された保護基の使用法の詳細な記載は、例えばT.Greene and P.Wuts著“Protective Groups in Organic Synthesis”(John Wiley & Sons, Inc. 1999, 3rd Ed)又はP.Kocienski著“Protecting Groups(Thieme Foundations Organic Chemistry Series N Group)”(Thieme Medical Publishers, 2000)に見出すことができる。
【0161】
本発明による物質は、自体公知の方法で、例えば減圧下で溶剤を留去し、そして得られた残留物を適当な溶剤から再結晶させるか、又は慣用の精製法の1つ、例えば適当な担体材料上でのカラムクロマトグラフィーを実施することによって単離及び精製される。
【0162】
塩は、遊離の化合物を所望の酸又は塩基を含有する適当な溶剤(例えばケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、塩素化炭化水素、塩化メチレン又はクロロホルム又は低分子量の脂肪族アルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール)中に、又は所望の酸又は塩基がその後に添加される溶剤中に溶解させることによって得られる。塩は、付加塩のための非溶剤を用いる濾過、再沈殿、沈殿又は溶剤の蒸発によって得られる。得られた塩を、遊離の化合物に変換してよく、該化合物はまたアルカリ性化又は酸性化によって塩に変換してもよい。前記のように、薬理学的に非認容性の塩を薬理学的に認容性の塩に変換できる。
【0163】
適宜、本発明に挙げられる転化は、当業者に自体公知の方法と類似して又は同様にして実施することができる。
【0164】
当業者はその知識に基づいて、本発明の明細書中に示され記載されたこれらの合成経路に基づいて、式Iの化合物に関して他の可能な合成経路をどのように見いだすかを知っている。全てのこれらの他の可能な合成経路もまた本発明を構成する部分である。
【0165】
本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの記載される特性又は実施態様のみに制限されるものではない。当業者に明らかなように、記載される本発明に対する改変、類推、変更、誘導、対応及び適合はこの分野で知られる知識及び/又は、特に本発明の開示(例えば明示、暗示又は本来の開示)に基づき、付随する特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の主旨及び範囲から逸脱することなくなされてよい。
【0166】
以下の実施例は本発明を更に説明するものであり、それを制限するものではない。同様に製造方法が明記されていない他の式1の化合物は、同様に又は当業者に公知の方法で慣用の処理技術を用いて製造できる。
【0167】
以下の実施例に最終生成物として挙げられる化合物及びそれらの塩は本発明の有利な対象である。
【0168】
実施例において、m.p.は融点を表し、hは時間を表し、min.は分を表し、Rは、薄層クロマトグラフィーにおける保持時間を表し、s.p.は、焼結点を表し、EFは実験式を表し、MWは分子量を表し、MSは質量スペクトルを表し、Mは分子イオンを表し、他の略語は、当業者に自体慣用の意味を有する。立体化学における通常の実施に従って、RS及びSRという記号はラセミ体の各キラル中心の特定の立体配置を示すために使用される。より詳細には、例えば表現“(2RS,4aRS,10bRS)”は立体配置(2R,4aR,10bR)を有する一方のエナンチオマーと立体配置(2S,4aS,10bS)を有する他方のエナンチオマーとを有するラセミ体を表す。
【0169】

実施例
最終生成物
1. N′−(1−{4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−フェニル}−メタノイル)−N,N−ジエチル−グアニジン
表題化合物は、化合物4について記載したのと類似の様式で、化合物7〜12として以下に挙げる好適な出発化合物を用いて得られる。
【0170】
EF:C2732、MW:514.58、MS:実測値:515.1(MH
2. N−(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−ベンザミド
表題化合物は、化合物4について記載したのと類似の様式で、化合物7〜12として以下に挙げる好適な出発化合物を用いて得られる。
【0171】
EF:C3036、MW:554.64、MS:実測値:555.3(MH
3. N−シクロプロピル−N′−(1−{4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−フェニル}−メタノイル)−グアニジン
表題化合物は、化合物4について記載したのと類似の様式で、化合物7〜12として以下に挙げる好適な出発化合物を用いて得られる。
【0172】
EF:C2628、MW:498.53、MS:実測値:499.2(MH
4. N−[1−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−アミノ−メチレン]−4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−ベンザミド
484mgの酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−{[1−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−アミノ−メチレン]−カルバモイル}−フェニル)−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル(化合物10)及び137mgの炭酸セシウムを、10mlのメタノール中で室温で16時間にわたって撹拌する。溶剤を除去し、そして固体残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製すると、235mgの表題化合物が得られる。
【0173】
EF:C2935、MW:533.63、MS:実測値:534.2(MH
5. N,N−ジエチル−N′−{1−[4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−フェニル]−メタノイル}−グアニジン
表題化合物は、化合物4について記載したのと類似の様式で、化合物7〜12として以下に挙げる好適な出発化合物を用いて得られる。
【0174】
EF:C2734、MW:478.6、MS:実測値:479.1(MH
6. N−(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−ベンザミド
表題化合物は、化合物4について記載したのと類似の様式で、化合物7〜12として以下に挙げる好適な出発化合物を用いて得られる。
【0175】
EF:C3038、MW:518.66、MS:実測値:519.2(MH
化合物7〜9、11及び12は、化合物10について記載されるのと類似の様式で、好適な化合物A1又はA2及び好適な当該技術分野で公知のアミン化合物を用いて得られる。
【0176】
7. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−{4−[1−(N′,N′−ジエチル−グアニジノ)−メタノイル]−フェニル}−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
8. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−{4−[(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−カルバモイル]−フェニル}−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
9. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−{4−[1−(N′−シクロプロピル−グアニジノ)−メタノイル]−フェニル}−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
10. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−{[1−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−アミノ−メチレン]−カルバモイル}−フェニル)−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
743.4mgの酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−8,9−ジメトキシ−6−{4−[1−(2−メチル−イソチオウレイド)−メタノイル]−フェニル}−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル(化合物A1)、384.5mgの1−アセチルピペリジン及び0.416mlのトリエチルアミンを、10mlの1,4−ジオキサン中で90℃で5日間撹拌する。更に2日後に、384.5mgの1−アセチルピペラジンを反応混合物に添加する。溶剤を除去し、そして残留物をジクロロメタンと一緒に3回同時蒸発させ、トルエンと一緒に1回より多く同時蒸発させる。25mlのジクロロメタン中に再溶解させた後に、該溶液を水と飽和KHCO水溶液で連続的に抽出し、そしてKHCO水相をジクロロメタンで再抽出する。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、溶剤を除去し、そして残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製することで、530mgの表題化合物が得られる。
【0177】
11. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−{4−[1−(N′,N′−ジエチル−グアニジノ)−メタノイル]−フェニル}−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
12. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−{4−[(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−カルバモイル]−フェニル}−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
出発化合物
A1. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−8,9−ジメトキシ−6−{4−[1−(2−メチル−イソチオウレイド)−メタノイル]−フェニル}−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
3.051gの4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−アセトキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−安息香酸(化合物B1)、3.00gのS−メチルイソチオ尿素硫酸塩及び10mgの4−ジメチルアミノピリジンを、50mlのアセトニトリル中に溶解させ、次いで1.80gの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及び1.23mlのN−エチル−ジイソプロピルアミンを添加する。16時間撹拌した後に、溶剤を除去する。残留物を20mlの水中に溶解させ、そしてジクロロメタンで抽出する。合した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後に、溶剤を除去することで、3.652gの表題化合物が黄色のフォームとして得られ、これは精製せずに更なる反応に直接供される。
【0178】
A2. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−8−メトキシ−6−{4−[1−(2−メチル−イソチオウレイド)−メタノイル]−フェニル}−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−イルエステル
表題化合物は、実施例A1に記載されるのと同様にして、化合物B2から出発して製造される。
【0179】
B1. 4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−アセトキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロフェナントリジン−6−イル)−安息香酸塩酸塩、
8.1gの(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−カルボキシフェニル)−8,9−ジメトキシ−(1,2,3,4,4a,10b)−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−2−オール(化合物C1)を、35mlのジクロロメタン中に懸濁させ、そして40mlの塩化アセチルを滴加する。室温で1時間撹拌した後に、該混合物を濃縮させ、そして残留物を1Mのリン酸水素二ナトリウムの水溶液(pH6〜7)中に溶解させる。撹拌しながら、濃塩酸を添加し、そして得られた沈殿物を濾過分離し、そして真空乾燥させて、4.65gの表題化合物がベージュ色の塩酸塩として得られる。
【0180】
遊離酸は塩酸塩を水(pH6〜7)中に溶解させ、溶剤を真空中で除去し、得られた帯黄色の残留物を沸騰クロロホルムで浸出させ、そして得られたクロロホルム溶液を濃縮させることによって得られる。
【0181】
EF:C2425NO;MW:423.47
MS:424.3(MH
B2. 4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−アセトキシ−9−(1,1−ジフルオロメトキシ)−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロフェナントリジン−6−イル)−安息香酸、
表題化合物は、二段階において、化合物C2から出発して、実施例C1に記載されるのと同様の鹸化を行い、引き続き得られた中間体の(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−カルボキシフェニル)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−8−メトキシ−(1,2,3,4,4a,10b)−ヘキサヒドロフェナントリジン−2−オールを実施例B1に記載されるのと同様にアセチル化することによって得られる。
EF:C2423NO;MW:459.45
MS:460.3(MH
C1. (2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−カルボキシフェニル)−8,9−ジメトキシ−(1,2,3,4,4a,10b)−ヘキサヒドロフェナントリジン−2−オール
290mgの酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−メトキシカルボニルフェニル)−8,9−ジメトキシ−(1,2,3,4,4a,10b)−ヘキサヒドロフェナントリジン−2−イルエステル(化合物D1)を10mlのイソプロパノール中に溶かした溶液を、水酸化リチウム水溶液を滴下して処理することで、pH10に調整する。撹拌を72時間にわたり継続し、反応混合物をリン酸緩衝液溶液で中和し、そしてジクロロメタンで抽出する。水層を濃縮させ、そして残留物を酢酸エチルとメタノールの沸騰混合物で浸出させる。有機溶剤を除去して、90mgの表題化合物が帯黄色のフォームとして得られる。
【0182】
EF:C2223NO;MW:381.43
MS:382.4(MH
融点:172〜183℃
代替法:
250mlのメタノール中の5.86gの酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−メトキシカルボニルフェニル)−8,9−ジメトキシ−(1,2,3,4,4a,10b)−ヘキサヒドロフェナントリジン−2−イルエステル(化合物D1)を沸点温度で15mlの水中の触媒量の過酸化水素(30%濃度)を含有する2.0gの水酸化ナトリウムの溶液で処理する。撹拌を還流下に1.5時間継続し、反応混合物を冷却し、そして半濃縮された塩酸水溶液で処理してpHを6〜7に調整する。溶剤を蒸発させ、そして残留物を真空乾燥させて、8.1gの帯黄色の固体が得られ、これは後続工程で更なる精製なくして使用できる。残留物を沸騰クロロホルムで浸出させ、そして得られたクロロホルム溶液を濃縮させることによって遊離酸が得られる。
【0183】
C2. 4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−アセトキシ−9−(1,1−ジフルオロメトキシ)−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロフェナントリジン−6−イル)−安息香酸メチルエステル
500mgのN−{(1RS,2RS,4RS)−4−アセトキシ−2−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシル}−テレフタルアミド酸メチルエステル(化合物D2)を2mlのオキシ塩化リン中に溶解させ、そして100℃で4.5時間加熱する。室温に冷却した後に、試料を10mlのジクロロメタンで希釈し、そして水酸化ナトリウム水溶液に滴加する。水層をジクロロメタンで2回抽出する。溶剤を除去し、そして粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーを行って、310mgの表題化合物が無色のフォームとして得られる。
EF:C2525NO;MW:473.48
MS:474.2(MH
D1. 酢酸(2RS,4aRS,10bRS)−6−(4−メトキシカルボニルフェニル)−8,9−ジメトキシ−(1,2,3,4,4a,10b)−ヘキサヒドロフェナントリジン−2−イルエステル
10.8gの五塩化リンを、170mlのイソプロピルアセテート中に懸濁させ、8.1gの酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−{[1−(4−メトキシカルボニルフェニル)メタノイル]アミノ}−3−(3,4−ジメトキシフェニル)シクロヘキシルエステル(化合物E1)を溶解させ、100mlを添加して、該混合物を撹拌する。反応が完了したら、100mlのトリエチルアミン及び100mlのイソプロピルアセテートの混合物を0℃で滴加する。80mlの水で0℃で希釈し、そして相分離した後に、水相を、それぞれ60mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥させる。濃縮した後に、残留物を酢酸エチル/シクロヘキサンから再結晶化させることで、5.68gの表題化合物が得られる。
【0184】
EF:C2527NO;MW:437.50
MS:438.3(MH
Rf=0.62(石油エーテル/酢酸エチル/トリエチルアミン=6/3/1)
融点:184〜185℃
D2. N−{(1RS,2RS,4RS)−4−アセトキシ−2−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシル}−テトラフタルアミド酸メチルエステル
表題化合物は、実施例E1に記載されるのと同様にして、化合物E2から出発して製造される。
EF:C2527NO;MW:491.49
MS:492.0(MH
E1. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−{[1−(4−メトキシカルボニルフェニル)メタノイル]アミノ}−3−(3,4−ジメトキシフェニル)シクロヘキシルエステル
1.6gの酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)シクロヘキシルエステル(化合物F1)を30mlのジクロロメタン中に溶解させる。982mg(5.45ミリモル)のテレフタル酸モノメチルエステル及び1.25g(6.74ミリモル)のN−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を撹拌しながら連続的に添加する。3時間後に、更に18mg(0.1ミリモル)のテレフタル酸モノメチルエステルを添加する。15時間後に、反応物を塩酸水溶液で処理し、そしてジクロロメタンで数回抽出する。合した有機相を蒸発させた後に、粗生成物を酢酸エチル/シクロヘキサンから結晶化させて、1.87g(理論値の73%)の表題化合物が無色の固体として得られる。
【0185】
EF:C2529NO;MW:455.51
MS:456.2(MH
Rf=0.69(酢酸エチル/トリエチルアミン=9/1)
好適な化合物F1又はE2〜E7及び好適な安息香酸誘導体から出発して、本発明による更なる化合物を、実施例E1の手法に従って又はそれと類似又は同様にして得ることができる。
【0186】
E2. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル
表題化合物は、実施例F1に記載されるのと同様にして、化合物F2から出発して製造される。EF:C1621NO;MW:329.35
MS:330.0(MH
E3. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル
以下に挙げる化合物F3から出発して、表題化合物は、実施例F1と同様の手順に従って得られる。
EF:C1725NO;MW:307.39
MS:308.0(MH
E3a. 酢酸(1R,3R,4R)−4−アミノ−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル
表題化合物のピログルタミン酸塩24.0g(55.0ミリモル)を150mlの水中に懸濁させ、100mlのジクロロメタンを添加し、次いでKHCO飽和溶液をガス発生がやむまで添加する。相分離、水相の再抽出及び合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、溶剤を除去することで、16.9gの塩不含の表題化合物が得られる。分析的カラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK AD−H 250×4.6mm 5μ No.ADH0CE−DB030、溶出液:n−ヘキサン/iPrOH=80/20(容量/容量)+0.1%ジエチルアミン):保持時間:6.54分
E3b. 酢酸(1R,3R,4R)−4−アミノ−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル、L−ピログルタミン酸の塩
溶液A:ラセミ体の酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル(化合物E3)55.2(180ミリモル)を、540mlのイソプロピルアセテート中に溶解させる。
【0187】
溶液B:18.6g(144ミリモル)のL−ピログルタミン酸を、260mlのイソプロパノール中に加熱しながら溶解させ、次いで、290mlのイソプロピルアセテートを慎重に添加する。
【0188】
溶液Bを溶液Aに添加し、そして48時間放置する。固体を濾過分離し、少量のイソプロピルアセテートで洗浄することで、乾燥後に32.48gの無色の結晶が、エナンチオマー比97:3で表題化合物が優勢に得られる。
【0189】
融点:165〜167℃
E4. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−[4−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−3−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル
以下に挙げる化合物F4から出発して、表題化合物は、実施例F1と同様の手順に従って得られる。
EF:C1621NO;MW:329.35
MS:330.0(MH
E5. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル
以下に挙げる化合物F5から出発して、表題化合物は、実施例F1と同様の手順に従って得られる。
【0190】
E5a. 酢酸(1R,3R,4R)−4−アミノ−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル
表題化合物は、そのピログルタミン酸塩(化合物E5b)から、化合物E3aについて記載したのと同様にして、炭酸水素ナトリウム溶液を用いて得られる。
【0191】
E5b. 酢酸(1R,3R,4R)−4−アミノ−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル、L−ピログルタミン酸との塩
343mg(1.00ミリモル)の酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル(化合物E5)を3mlのイソプロパノール中に溶解する。103mg(0.80ミリモル)のL−ピログルタミン酸を2mlのイソプロパノール中に溶かした溶液を添加する。濾過と乾燥をした後に、162mgのピログルタミン酸塩が、エナンチオマー比97:3で表題化合物が優勢に単離される。
【0192】
E6. 酢酸(1SR,3RS,4RS)−3−アミノ−4−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル
3.0g(7.36ミリモル)の酢酸(1SR,3RS,4RS)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−シクロヘキシルエステル(化合物F6)を、ジオキサン中4MのHCl6ml中に溶解させ、そして30分間撹拌する。溶剤を除去した後に、残留物をジクロロメタン中に溶解させ、そして25mlのNaHCO飽和溶液を慎重に添加する。相分離、水相の再抽出及び合した有機層を乾燥(NaSO)させた後に、溶剤を除去することで、2.25gの表題化合物が得られる。
【0193】
EF:C17H25NO4;MW:307.39
MS:308.1(MH
E7. 酢酸(1SR,3RS,4RS)−3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル
表題化合物は、化合物F7から、化合物E6について記載したのと同様にして得ることができる。
【0194】
F1. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)シクロヘキシルエステル
10.37gの酢酸(1RS,3RS,4RS)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキシルエステル(化合物G1)を240mlのエタノール中に溶かした溶液を、16.8gの亜鉛粉末と920mgの酢酸銅(II)一水和物とから酢酸中で製造された亜鉛・銅カップルに添加し、得られた懸濁液を還流させ、そして26mlの酢酸、3.2mlの水及び26mlのエタノールで処理する。得られた混合物を更に15分間還流させる。沈殿物を吸引濾過し、そして溶剤を除去する。シリカゲル上で石油エーテル/酢酸エチル/トリエチルアミンの2/7/1の比の混合物を用いてクロマトグラフィーによる精製を行い、そして相応の溶出フラクションを濃縮させることで、5.13g(理論値の55%)の表題化合物が淡褐色の油状物として得られる。Rf=0.35(石油エーテル/酢酸エチル/トリエチルアミン=2/7/1)
F2. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−3−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−シクロヘキシルエステル
表題化合物は、実施例G1に記載されるのと同様にして、化合物G2から出発して製造される。
【0195】
以下に記載の好適な化合物G3〜G5から出発して、実施例G1と同様の手順に従って以下の化合物F3〜F5が得られる。
【0196】
F3. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−4−ニトロシクロヘキシルエステル
F4. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−3−[4−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−3−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキシルエステル
F5. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキシルエステル
F6. 酢酸(1SR,3RS,4RS)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル
22.64g(65ミリモル)の[(1RS,6RS)−6−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキセ−3−エニル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(化合物G6)を、180mlのTHF中に溶解させ、そして50mlのBH(THF中1Mの溶液)を滴加する(30分)。2時間撹拌した後に、該混合物を氷浴を用いて冷却させ、そして30mlのH(30%)及び60mlの水性NaOH(3M)を添加する。該混合物を室温で30時間にわたって撹拌する。400mlの水及び200mlのジクロロメタンを添加する。相分離、水相の再抽出及び合した有機層の乾燥(NaSO)の後に、溶剤を除去し、粗生成物(23.42g、2種の上述のレジオ異性体の混合物、表題化合物が優勢で〜2:1)を更なる精製をせずに直接用いる。
【0197】
次いで前記の粗製材料を50mlのピリジン中に溶解させる。50mgの4−ジメチルアミノピリジン及び60mlの無水酢酸を添加し、そして該混合物を100℃で90分にわたって撹拌する。溶剤及び無水酢酸を除去する(飽和NaHCO飽和溶液)。クロマトグラフィーによる精製によって、9.4gの表題化合物が無色のフォームとして得られる。
【0198】
EF:C22H33NO6;MW:407.51
MS:308.1(MH−Boc)、407.8(MH)、430.1(MNa
F7. 酢酸(1SR,3RS,4RS)−3−t−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−シクロヘキシルエステル
表題化合物は、化合物G7から、化合物F6について記載したのと同様にして得ることができる。
【0199】
G1. 酢酸(1RS,3RS,4RS)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキシルエステル
10.18gの(1RS,3RS,4RS)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキサノール(化合物H1)を、100mlの無水酢酸中に溶解させ、そして該溶液を100℃に1〜2時間かけて加熱する。溶剤を除去した後に、残留物をシリカゲル上で石油エーテル/酢酸エチルの2/1の比の混合物を用いてクロマトグラフィーを行う。相応の溶出フラクションを濃縮することで、10.37g(理論値の89%)の表題化合物が油状物として得られる。
【0200】
Rf=0.32(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)
G2. (1RS,3RS,4RS)−3−[3−(1,1−ジフルオロメトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノール
表題化合物は、実施例H1に記載されるのと同様にして、化合物H2から出発して製造される。
【0201】
以下に記載の好適な化合物H3〜H5から出発して、実施例H1と同様の手順に従って以下の化合物G3〜G5が得られる。
【0202】
G3. (1RS,3RS,4RS)−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−4−ニトロシクロヘキサノール
G4. (1RS,3RS,4RS)−3−[4−(1,1−ジフルオロメトキシ)−3−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノール
G5. (1RS,3RS,4RS)−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノール
G6. [(1RS,6RS)−6−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキセ−3−エニル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
(1RS,6RS)−6−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキセ−3−エニルアミン(化合物H6)から出発して、表題化合物が化合物G7について記載されたのと同様にして得られる。
EF:C20H29NO4;MW:347.46
MS:370.1(MNa
G7. [(1RS,6RS)−6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−シクロヘキセ−3−エニル]−カルバミン酸t−ブチルエステル
15.18g(65.06ミリモル)の(±)−シス−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−シクロヘキセ−3−エニルアミン(化合物H7)及び14.21g(65.11ミリモル)のBocOを、ジクロロメタン中で2.5時間にわたり撹拌し、次いで溶剤を除去し、そして残留物を酢酸エチル/n−ヘプタンから結晶化させて、19.1gの表題化合物が得られる。
EF:C19H27NO4;MW:333.43
MS:334.2(MH
H1. (1RS,3RS,4RS)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキサノール
10gの(1RS,3RS,4SR)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキサノール(化合物I1)を170mlの無水1,2−ジメトキシエタン中に溶解させる。メタノール中のナトリウムメタノレートの14.3mlの30%溶液を滴加する。添加が完了したら、撹拌を10分間にわたり継続し、そして85%のリン酸及びメタノールからなる混合物を添加してpH1にする。炭酸水素カリウムの飽和溶液を添加することによって、得られた懸濁液を中和させる。該混合物を水及びジクロロメタンで希釈し、有機層を分離し、そしてジクロロメタンで抽出する。溶剤を減圧下で除去して、表題化合物が淡黄色の油状物として得られ、これは結晶化する。該表題化合物は更なる精製なくして後続工程に使用される。
Rf=0.29(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)
融点:126〜127℃
H2. (1RS,3RS,4SR)−3−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノール
表題化合物は、実施例I1に記載されるのと同様にして、化合物I2から出発して製造される。以下に記載の好適な化合物I3〜I5から出発して、実施例I1と同様の手順に従って以下の化合物H3〜H5が得られる。
【0203】
H3. (1RS,3RS,4SR)−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−4−ニトロシクロヘキサノール
H4. (1RS,3RS,4SR)−3−[4−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−3−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノール
H5. (1RS,3RS,4SR)−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノール
H6. (1RS,6RS)−6−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキセ−3−エニルアミン
2−エトキシ−1−メトキシ−4−((1RS,6RS)−6−ニトロ−シクロヘキセ−3−エニル)−ベンゼン(化合物I6)から出発して、表題化合物が化合物H7について記載されたのと同様にして得られる。
【0204】
H7. (±)−シス−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−シクロヘキセ−3−エニルアミン
40gの(±)−シス−1,2−ジメトキシ−4−(2−ニトロシクロヘキセ−4−エニル)ベンゼン(化合物I7)を400mlのエタノール中に溶解させ、そして40gの亜鉛粉末を添加する。沸点温度にまで加熱した後に、65mlの氷酢酸を滴加する。次いで反応混合物を濾過し、そして濃縮させる。残留物を希塩酸中に再溶解させ、そしてトルエンで抽出する。水層を6Nの水酸化ナトリウム溶液を用いてアルカリ性化し、そしてトルエンで数回抽出する。アルカリ性抽出の合した有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、そして濃縮させる。残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーする。11.5gの表題化合物が得られる。
【0205】
I1. (1RS,3RS,4SR)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキサノール
窒素雰囲気下に、16.76gの(3RS,4SR)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキサノン(化合物J1)を300mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、該溶液を−78℃に冷却し、そしてテトラヒドロフラン中のトリ−s−ブチルホウ水素化カリウムの1Mの溶液75mlを滴加する。更に1時間撹拌した後に、30%の過酸化水素溶液とリン酸緩衝溶液からなる混合物を添加する。撹拌を更に10分間にわたり継続し、該反応混合物を400mlの酢酸エチルで希釈し、そして水層を酢酸エチルで抽出し、合した有機相を濃縮して、フォームが得られ、これをシリカゲル上で石油エーテル/酢酸エチルの1/1の比の混合物を用いてクロマトグラフィーにより精製し、10.18g(理論値の60%)の表題化合物が得られる。
EF:C1419NO;MW:281.31
MS:299.1(MNH
Rf=0.29(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)
融点:139〜141℃
I2. (3RS,4SR)−3−[3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシフェニル]−4−ニトロシクロヘキサノン
表題化合物は、実施例J1に記載されるのと同様にして、化合物J2から出発して製造される。
【0206】
以下に記載の好適な化合物J3〜J5から出発して、実施例J1と同様の手順に従って以下の化合物I3〜I5が得られる。
【0207】
I3. (3RS,4SR)−3−(3−エトキシ−4−メトキシ−フェニル)−4−ニトロシクロヘキサノン
I4. (3RS,4SR)−3−[4−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−3−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノン
I5. (3RS,4SR)−3−[3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−フェニル]−4−ニトロシクロヘキサノン
I6. 2−エトキシ−1−メトキシ−4−((1RS,6RS)−6−ニトロ−シクロヘキセ−3−エニル)−ベンゼン
2−エトキシ−1−メトキシ−4−((1RS,6SR)−6−ニトロ−シクロヘキセ−3−エニル)−ベンゼン(化合物J6)から出発して、表題化合物が化合物I7について記載されたのと同様にして得られる。
【0208】
I7. (±)−シス−1,2−ジメトキシ−4−(2−ニトロシクロヘキセ−4−エニル)ベンゼン
10.0gの(±)−トランス−1,2−ジメトキシ−4−(2−ニトロシクロヘキセ−4−エニル)ベンゼン(化合物J7)及び20.0gの水酸化カリウムを150mlのエタノール及び35mlのジメチルホルムアミド中に溶解させる。60mlのエタノール中の17.5mlの濃硫酸の溶液を次いで、初期温度が4℃を超過しないように滴加する。1時間撹拌した後に、該混合物を1lの氷水に添加し、沈殿物を吸引濾過し、水で洗浄し、そして乾燥させ、粗生成物をエタノール中で再結晶させる。8.6gの表題化合物(融点82.5〜84℃)が得られる。
【0209】
J1. (3RS,4SR)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロシクロヘキサノン
90.0gの3,4−ジメトキシ−ω−ニトロスチレン(化合物K1)、90mlの2−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン及び180mlの無水トルエンをオートクレーブ中に入れ、そこで該混合物を140℃で2日間撹拌し、それから冷却させる。1000mlの酢酸エチルを添加した後に、300mlの2Nの塩酸溶液を撹拌しながら滴加する。相分離を行い、水層をジクロロメタンで3回抽出する。合した有機抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして溶剤を減圧下で除去して、150gの粗製表題化合物が得られる。更に精製をシリカゲル上で石油エーテル/酢酸エチルの1/1の混合物を溶出剤として用いてクロマトグラフィーを行って、81.5g(理論値の67%)の純粋な表題化合物が得られる。
【0210】
EF:C1417NO;MW:279.30
MS:279(M)、297.1(MNH
Rf=0.47(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)
融点:147〜148℃
当該技術分野で知られる又は公知の方法に従って、例えばWO95/01338号に記載されるように又はそれと類似又は同様のようにして得ることができる出発化合物から出発して、以下の化合物J2〜J4は、実施例K1と同様の手法に従って得られる:
J2. 3−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−4−メトキシ−ω−ニトロスチレン
J3. 3−エトキシ−4−メトキシ−ω−ニトロスチレン
J4. 4−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−3−メトキシ−ω−ニトロスチレン
J5. 3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−ω−ニトロスチレン
表題化合物は、3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−ベンゾアルデヒド(化合物K2)から、実施例K1と同様の手法に従って得られる。融点:164〜165℃
J6. 2−エトキシ−1−メトキシ−4−((1RS,6SR)−6−ニトロ−シクロヘキセ−3−エニル)−ベンゼン
3−エトキシ−4−メトキシ−ω−ニトロスチレン(化合物J3)から出発して、表題化合物は、化合物J7について記載したのと同様にして得られる。
【0211】
J7. (±)−トランス−1,2−ジメトキシ−4−(2−ニトロシクロヘキセ−4−エニル)ベンゼン
50.0gの3,4−ジメトキシ−ω−ニトロスチレン(化合物K1)及び1.0g(9.1ミリモル)のヒドロキノンを200mlの無水トルエン中に懸濁させ、そして−70℃で55.0g(1.02モル)の液状1,3−ブタジエンで処理する。該混合物を160℃で6日間オートクレーブ中で撹拌し、次いで冷却する。幾らかの溶剤を回転蒸発器上で除去し、そして得られた沈殿物を吸引濾過し、そしてエタノール中で再結晶させる。融点:113.5〜115.5℃
K1. 3,4−ジメトキシ−ω−ニトロスチレン
207.0gの3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、100.0gの酢酸アンモニウム及び125mlのニトロメタンを1.0lの氷酢酸中で3〜4時間にわたり沸騰するまで加熱する。氷浴中で冷却した後に、沈殿物を吸引濾過し、氷酢酸及び石油エーテルですすぎ、そして乾燥させる。融点:140〜141℃
収量:179.0g
K2. 3−(2,2−ジフルオロ−エトキシ)−4−メトキシ−ベンゾアルデヒド
10.04gのイソバニリン及び15.5gの炭酸カリウムをオートクレーブに入れる。50mlのDMFを添加し、同様に12.44gの2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタンを添加する。オートクレーブを密閉し、60℃で20時間加熱する。次いで固体を濾過分離し、そして120mlのDMFで洗浄する。約120mlの溶剤を留去し、そして残留物を200mlの氷/水に注ぎ、その際、生成物が沈殿する。スラリーを30分間撹拌した後に、生成物を濾過分離し、そして乾燥することで、13.69gの所望の生成物が得られる。
【0212】
産業上利用性
本発明による化合物は、工業的利用を可能にする有用な薬理学的特性を有する。選択的環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビター(特にタイプ4)として、これらは一方で気管支治療薬(拡張拡張を原因とするが、その呼吸数又は呼吸力の増大作用をも原因とする気道障害の治療のため)として、そしてその血管拡張作用のため勃起不全の解除のために適しているが、他方では、特に疾患、特に例えば気道(喘息予防)、皮膚、腸管、眼、CNS及び関節の炎症状態の治療のために適当であり、これらはメディエーター、例えばヒスタミン、PAF(血小板活性因子)、アラキドン酸代謝物、例えばロイコトリエン及びプロスタグランジン、サイトカイン、インターロイキン、ケモカイン、α−インターフェロン、β−インターフェロン及びγ−インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)又は酸素フリーラジカル及びプロテアーゼによって媒介される。本願明細書では、本発明による化合物は低い毒性、良好な腸内吸収(高い生物学的利用能)、広い治療範囲及び重篤な副作用の不在によって特徴付けられる。
【0213】
それらのPDE阻害特性のため、本発明による化合物はヒト医学及び獣医学において療法剤として使用でき、その際、これらは、例えば以下の疾患の治療及び予防のために使用できる:種々の原因(気管支炎、アレルギー性気管支炎、気管支喘息、肺気腫、COPD)による急性及び慢性の(特に炎症性及びアレルギー誘発性)気道障害、皮膚病(特に増殖性、炎症性及びアレルギー性)、例えば乾癬(尋常性)、中毒性湿疹及びアレルギー接触性湿疹、アトピー性湿疹、脂漏性湿疹、単純苔癬、日焼け、肛門性器領域の痒み症、円形脱毛症、肥厚性瘢痕、円板状エリテマトーデス、ろ胞性及び広範囲の膿皮症、内因性及び外因性座瘡、酒土性座瘡及び他の増殖性、炎症性及びアレルギー性の皮膚疾患、TNF及びロイコトリエンの過剰放出に基づく障害、例えば関節性の障害(リウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症及び他の関節の症状)、免疫系の障害(AIDS、多発性硬化症)、移植片対宿主反応、移植拒否反応、ショック症状(敗血症性ショック、エンドトキシンショック、グラム陰性菌性敗血症、トキシックショック症候群及びARDS(成人呼吸窮迫症候群))、ならびに胃腸領域における全身性炎症(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、上部気道(咽頭、鼻)領域及び隣接領域(副鼻腔、目)でのアレルギー性及び/又は慢性の免疫不全性反応に基づく疾患、例えばアレルギー性鼻炎/アレルギー性副鼻腔炎、慢性鼻炎/慢性副鼻腔炎、アレルギー性結膜炎及び鼻ポリープ、更にはPDEインヒビターによって治療することができる心臓疾患、例えば心不全、又はPDEインヒビターの組織弛緩作用から治療することができる疾患、例えば、勃起機能不全又は腎臓結石に関連する腎臓及び尿管の疝痛。更に、本発明の化合物は、尿崩症、真性糖尿病、白血病、骨粗鬆症及び大脳の代謝抑制に関連する症状、例えば大脳老化、老年性痴呆(アルツハイマー氏病)、パーキンソン氏病又は多発拘束性痴呆に関連する記憶障害の治療に有用であり、また中枢神経系の障害、例えば、鬱病又は動脈硬化性痴呆の治療並びに認知強化のために有用である。
【0214】
更に本発明は前記の疾患の1つ以上に罹患するヒトを含む哺乳動物の治療のための方法に関する。本方法は、治療学的に有効な、かつ薬理学的に有効かつ認容性の量の本発明による1種以上の化合物を病気の哺乳動物に投与することを特徴とする。
【0215】
更に本発明は病気、特に前記の病気の治療及び/又は予防における使用のための本発明による化合物に関する。
【0216】
また本発明は、前記の病気の治療及び/又は予防のために使用される医薬組成物の製造のための、本発明による化合物の使用に関する。
【0217】
また本発明は、ホスホジエステラーゼによって媒介される疾患、特にPDE4に媒介される疾患、例えば本願明細書に記載されるか、又は当業者に周知の疾患を治療するための医薬組成物の製造のための本発明による化合物の使用に関する。
【0218】
本発明はまた、本発明による化合物の、PDE4阻害活性を有する医薬組成物の製造のための使用に関する。
【0219】
更に本発明は、前記の病気の治療及び/又は予防のための、1種以上の本発明による化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0220】
なおも更に、本発明は、本発明による1種以上の化合物及び製剤学的に認容性の担体を含有する組成物に関する。前記の組成物は、療法において、例えば前記の疾病の1種以上の治療、予防又は回復のために使用することができる。
【0221】
またなおも更に本発明は、PDE、特にPDE4阻害活性を有する本発明による医薬組成物に関する。
【0222】
更に、本発明は、包装材料及びその包装材料中に包含される医薬品からなる製品であって、該医薬品は4型の環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE4)の作用に拮抗するため、PDE4に媒介される疾患の症状の改善のために治療学的に有効であり、かつ該包装材料は、該医薬品がPDE4に媒介される疾患の予防又は治療のために有用である旨を示すラベル又は添付文書を含み、かつ前記の医薬品が本発明による式1の少なくとも1種の化合物を含有する製品に関する。包装材料、ラベル及び添付文書は、その他の点で、関連の利用性を有する医薬品のための標準的な包装材料、ラベル及び添付文書として一般に考慮されるものに対応又は類似している
該医薬品は、自体公知かつ当業者によく知られた方法によって製造される。医薬組成物としては、本発明による化合物(=有効化合物)はそれ自体で、又は有利には適当な医薬品助剤及び/又は賦形剤と組み合わせて、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、カプレット剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、乳剤、懸濁剤、ゲル剤又は液剤の形で使用され、その際、有効化合物の含有率は有利には0.1〜95%であり、かつ助剤及び/又は賦形剤の適当な選択によって、有効化合物に厳密に適合された、及び/又は作用の所望の開始に厳密に適合された医薬品投与形(例えば遅延放出形又は腸溶形)を達成できる。
【0223】
当業者はその専門知識により所望の医薬品製剤に適した助剤又は賦形剤に精通している。溶剤、ゲル形成剤、軟膏基材及び他の有効化合物の他に、賦形剤、例えば酸化防止剤、分散剤、乳化剤、保存剤、溶解剤、着色剤、錯化剤又は侵透促進剤を使用してよい。
【0224】
本発明による医薬組成物の投与は、この分野で利用できる一般的に許容される任意の様式で実施できる。好適な投与様式の実例は、例えば静脈内、経口、経鼻、非経口、局所、経皮及び直腸内の送達である。経口送達が有利である。
【0225】
呼吸管の疾患の治療のために、本発明による化合物を、有利には吸入によってエーロゾルの形で投与する;固体、液体又は混合組成のエーロゾル粒子は有利には0.5〜10μm、有利には2〜6μmの直径を有する。
【0226】
エーロゾルの発生は、例えば圧力駆動のジェット噴霧器又は超音波噴霧器、有利には噴射剤駆動の定量噴霧式エーロゾルによるか、又は吸入カプセルからの微粉化有効化合物の噴射剤不使用の投与によって実施できる。
【0227】
使用される吸入系に依存して、有効化合物の他に該投与形は付加的に所望の助剤、例えば噴射剤(例えば定量噴霧式エーロゾルの場合にFrigen)、界面活性剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、フレーバー又は増量剤(例えば粉末吸入器の場合にラクトース)又は、適宜更なる有効化合物を含有する。
【0228】
吸入の目的のために、多くの装置を利用でき、それを用いて最適な粒度を有するエーロゾルを発生させ、かつ患者にできる限り正しい吸入技術を使用して投与できる。アダプタ(スペーサ、エキスパンダ)及び洋ナシ型容器(例えばNebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))並びに計量供給エーロゾルのための、特に粉末吸入器の場合に吹き付け噴霧(puffer spray)を放出する自動装置(Autohaler(登録商標))を使用する他に、種々の技術的解決策(例えばDiskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)又はEP0505321号に記載される吸入器)が利用でき、それを用いて有効化合物の最適な投与を達成できる。
【0229】
皮膚病の治療のためには、本発明による化合物を、特に局所適用のために適当な医薬組成物の形で適用する。該医薬組成物の製造のために、本発明による化合物(=有効化合物)を有利には適当な製薬学的賦形剤と混合し、更に加工して適当な医薬品製剤を得る。適当な医薬品製剤は、例えば粉剤、乳剤、懸濁剤、スプレー剤、オイル剤、軟膏剤、脂肪軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、ゲル剤又は液剤である。
【0230】
本発明による医薬組成物は自体公知の方法によって製造される。有効化合物の投与は、PDEインヒビターについて慣用のオーダーで行われる。従って皮膚病の治療のための局所適用形(例えば軟膏)は有効化合物を、例えば0.1〜99%の濃度で含有する。吸入による投与のための用量は慣用に1日あたり0.01〜3mgである。全身治療(経口又は静脈内)の場合の慣用の用量は1日あたり0.003〜3mg/kgである。別の実施態様では、吸入による投与のための用量は1日あたり0.1〜3mgであり、かつ全身治療(経口又は静脈内)の場合の用量は1日あたり0.03〜3mg/kgである。
【0231】
生物学的調査
セカンドメッセンジャーのサイクリックAMP(cAMP)は炎症細胞及び免疫応答を担う細胞の阻害に関してよく知られている。PDE4補酵素は免疫疾患の開始及び伝播に関連する細胞において広範に発現され(H Tenor and C Schudt, in "Phosphodiestarase Inhibitors", 21-40, "The Handbook of Immunopharmacology", Academic Press, 1996)、かつその阻害は細胞内cAMP濃度の増大をもたらし、従って細胞活性の阻害をもたらす(JE Souness et al., Immunopharmacology 47: 127-162, 2000)。
【0232】
種々の動物モデルにおけるインビボでのPDE4インヒビターの抗炎症能力が記載されている(MM Teixeira, TiPS 18: 164-170, 1997)。細胞レベルでの(インビボ)PDE4阻害の調査のために、多くの種々の前炎症反応を測定できる。例は好中性(C Schudt et al., Arch Pharmacol 344: 682-690, 1991)又は好酸性(A Hatzelmann et al., Brit J Pharmacol 114: 821-831, 1995)の顆粒球のスーパーオキシド産生であり、これはルミノールで増強される化学発光として、又は単球、マクロファージ又は樹状細胞における腫瘍壊死因子αの合成として測定できる(Gantner et al., Brit J Pharmacol 121: 221-231, 1997, and Pulmonary Pharmacol Therap 12: 377-386, 1999)。更にPDE4インヒビターの免疫調節能力はサイトカイン合成又は増殖のようなT細胞応答の阻害から明らかである(DM Essayan, Biochem Pharmacol 57: 965-973, 1999)。前記の前炎症メディエーターの分泌を阻害する物質はPDE4を阻害する物質である。従って本発明による化合物によるPDE4阻害は炎症プロセス抑制の主要な指標である。
【0233】
PDE4活性の阻害の測定方法
PDE4B2(GB番号M97515)はM.Conti教授(スタンフォード大学、米国)の寄贈である。元のプラスミド(pCMV5)からプライマーRb9(5′−GCCAGCGTGCAAATAATGAAGG−3′)及びRb10(5′−AGAGGGGGATTATGTATCCAC−3′)を用いるPCRを介して増幅させ、そしてpCR−Bacベクター(インビトロジェン、フローニンゲン、NL)中にクローニングした。
【0234】
組み換えバキュウロウイルスをSF9昆虫細胞で相同組み換えによって作成した。発現プラスミドを標準的プロトコール(ファーミンジェン、ハンブルク)を使用してBac−N−Blue(インビトロジェン、フローニンゲン、NL)又はBaculo−Gold DNA(ファーミンジェン、ハンブルク)と一緒に同時トランスフェクションさせた。野生型のウイルス不含の組み換えウイルス上清をプラークアッセイ法を用いて選択した。次いで、高力価のウイルス上清を3回増幅することによって製造した。PDEを、血清不含のSF900培地(ライフテクノロジーズ、ペイズリー、UK)中で1〜10のMOI(感染多重度)で2×10細胞/mlで感染させることによってSF21細胞中に発現させた。該細胞を28℃で48〜72時間培養し、次いでこれらの細胞を1000g及び4℃で5〜10分間かけてペレット化した。
【0235】
SF21昆虫細胞を約10細胞/mlの濃度で氷冷(4℃)均質化バッファー(20mMのTris、pH8.2、以下のものを含有する:140mMのNaCl、3.8mMのKCl、1mMのEGTA、1mMのMgCl、10mMのβ−メルカプトエタノール、2mMのベンズアミジン、0.4mMのPefablock、10μMのロイペプチン、10μMのペプスタチンA、5μMのトリプシンインヒビター)中で再懸濁させ、そして超音波により破砕させた。均質物を次いで1000×gで10分間遠心分離し、そして上清を引き続きの使用まで−80℃で貯蔵した(以下参照)。タンパク質含量をブラッドフォード法(BioRad、ミュンヘン)によってスタンダードとしてBSAを用いて測定した。
【0236】
PDE4B2活性を前記化合物によって、アマシャムバイオサイエンス(手順説明書“phosphodiesterase [3H] cAMP SPA enzyme assay, code TRKQ 7090”を参照のこと)によって提供された改変されたSPA(シンチレーション近接アッセイ)試験において、96ウェルのマイクロタイタープレート(MTP)中で実施して阻害する。試験容量は100μlであり、これは20mMのTrisバッファー(pH7.4)、0.1mgのBSA(ウシ血清アルブミン)/ml、5mMのMg2+、0.5μMのcAMP(約50000cpmの[H]cAMPを含む)、1μMのそれぞれのDMSO中希釈物及び効率的な組み換えPDE(1000×g上清、上記参照)を含有し、10〜20%のcAMPが前記の試験条件下に変換されることを保証した。アッセイにおけるDMSOの最終濃度(1%v/v)は実質的に調査されるPDEの活性に影響を及ぼさない。37℃で5分間プレインキュベートした後に、基質(cAMP)を添加することによって反応を開始させ、そしてアッセイ物を更に15分間インキュベートし、次いでSPAビーズ(50μl)を添加することによって反応を停止させた。製造元の説明に従って、SPAビーズを事前に水中に再懸濁させるが、次いで水中で1:3(v/v)に希釈し、希釈された溶液も3mMのIBMXを含有し、それによりPDE活性の完全な停止を保証した。該ビーズが沈殿した後に(>30分)、MTPの分析を市販のルミネッセンス検出装置において行う。化合物のPDE活性の阻害についての相応のIC50値を濃度−作用曲線から非線形回帰によって測定する。本発明による化合物について測定された代表的な阻害値は以下の表Aからわかり、そこでは化合物の番号は実施例の番号に相当する。
【0237】
表A
PDE4活性の阻害
【0238】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

[式中、
R1は、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであるか、又は
R1及びR2は、一緒になって、C〜C−アルケンジオキシ基であり、
R3は、水素又はC〜C−アルキルであり、
R31は、水素又はC〜C−アルキルであり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素、C〜C−アルキル、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素又はC〜C−アルキルであるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素、C〜C−アルキル、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R7は、式(a)、(b)、(c)又は(d)
【化2】

で示される基であり、その際、
R7が式(b)で示される基であれば、
R8、R9、R10及びR11は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、シアノ、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であるか、又は
R8は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R10及びR11は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、テトラヒドロ−6,7−ジメトキシイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R8は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、
R10は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R11は、アリール1、ナフチル、フェニル、R20及び/又はR21により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、R22及びR23により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R7が式(c)で示される基であれば、
R12、R13、R14及びR15は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であるか、又は
R12及びR13は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、テトラヒドロ−6,7−ジメトキシイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR13は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基又はチオモルホリン−4−イル基であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基又はチオモルホリン−4−イル基であるか、又は
R12及びR15は、互いに無関係に、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R13及びR14は、一緒になって、これらが結合されるN−C(=)−N構造を含んで、ヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン基又はイミダゾリジン−2−イリデン基であり、
R7が式(d)で示される基であれば、
R16は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル又はR28であり、かつ
R17及びR18は、一緒になって、これらが結合されるN−C(−)−N構造を含んで、アリール2であり、
アリール1は、4−メチルチアゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、5−ニトロベンゾイミダゾール−2−イル、5−クロロベンゾイミダゾール−2−イル、5−メチルベンゾイミダゾール−2−イル、4−メチルキナゾリン−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾキサゾール−2−イル又はピリミジン−2−イルであり、
アリール2は、1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、4,5−ジシアノ−イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、4−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、4−アセチル−イミダゾール−2−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、1−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、5,6−ジメチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、プリン−8−イル、6−アミノ−7−メチル−7H−プリン−8−イル、1,6−ジメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,5,6− トリメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン−8−イル、7−エチル−3−メチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、1,3,7−トリメチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、チアジアゾリル、1,4−ジヒドロテトラゾール−5−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−5−イル、1H−テトラゾール−5−イル、ピリミジン−2−イル又は4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イルであり、
R19は、C〜C−アルキル、ホルミル、C〜C−シクロアルキル、C〜C−シクロアルキルメチル、C〜C−アルコキシカルボニル−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、ヒドロキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、フェニル、R24及び/又はR25により置換されたフェニル、[ベンゾ(1,3)ジオキソール]−5−イルメチル、フェニル−C〜C−アルキル又は、フェニル部でR26及び/又はR27により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R20は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R21は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R22は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R23は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R24は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、C〜C−アルキルカルボニル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R25は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R26は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R27は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R28は、R29(R30)N−C〜C−アルキルであり、その際、
R29及びR30は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、4−(C〜C−アルキル)ピペラジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、テトラヒドロ−6,7−ジメトキシイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基、2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基、4−ベンジル−ピペリジン−1−イル基、チオモルホリン−4−イル基又は1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル基である]で示される化合物、これらの化合物の塩並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩。
【請求項2】
式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシ、C〜C−シクロアルキルメトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素であり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル、トリフルオロメチル又はC〜C−アルコキシであり、
R7は、式(a)、(b)、(c)又は(d)
【化3】

で示される基であり、その際、
R7が式(b)で示される基であれば、
R8は、水素であり、かつ
R9、R10及びR11は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであるか、又は
R8は、水素であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、かつ
R10及びR11は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R8は、水素であり、
R9は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、
R10は、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、かつ
R11は、アリール1、ナフチル、フェニル、R20及び/又はR21により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、R22及びR23により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R7が式(c)で示される基であれば、
R12、R13、R14及びR15は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであるか、又は
R12及びR13は、互いに無関係に、水素、C〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル又はC〜C−シクロアルキルメチルであり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基、アゼカン−1−イル基、モルホリン−4−イル基、テトラヒドロイソキノリン−2−イル基、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR13は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、モルホリノ−4−イル基、4−(C〜C−アルキル)−ピペラジン−1−イル基、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル基又は2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル基であるか、又は
R12及びR15は、互いに無関係に、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R13及びR14は、一緒になって、これらが結合されるN−C(=)−N構造を含んで、ヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン基又はイミダゾリジン−2−イリデン基であり、
R7が式(d)で示される基であれば、
R16は、水素であり、かつ
R17及びR18は、一緒になって、これらが結合されるN−C(−)−N構造を含んで、アリール2であり、
アリール1は、4−メチルチアゾール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、5−ニトロベンゾイミダゾール−2−イル、5−クロロベンゾイミダゾール−2−イル、5−メチルベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル又はベンゾキサゾール−2−イルであり、
アリール2は、1−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、4,5−ジシアノ−イミダゾール−2−イル、4−メチル−イミダゾール−2−イル、4−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、4−アセチル−イミダゾール−2−イル、1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、1−メチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−エチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、5,6−ジメチル−ベンゾイミダゾール−2−イル、プリン−8−イル、6−アミノ−7−メチル−7H−プリン−8−イル、1,6−ジメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,5,6−トリメチルイミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1,3−ジメチル−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン−8−イル、7−エチル−3−メチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル、1,3,7−トリメチル−3,7−ジヒドロ−プリン−2,6−ジオン−8−イル又は1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルであり、
R19は、C〜C−アルキル、ホルミル、C〜C−アルキルカルボニル、2−ヒドロキシエチル、フェニル、R24及び/又はR25により置換されたフェニル、フェニル−C〜C−アルキル又は、フェニル部でR26及び/又はR27により置換されたフェニル−C〜C−アルキルであり、
R20は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R21は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R22は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R23は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R24は、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R25は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R26は、ハロゲン、ニトロ、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシであり、
R27は、ハロゲン、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシである、請求項1記載の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びこれらの塩。
【請求項3】
式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
本発明による第一の実施態様(実施態様a)においては、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であるか、又は
本発明による第二の実施態様(実施態様b)においては、
R4は、水素であり、かつ
R5は、−O−R51であり、その際、
R51は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、
R6は、水素であり、
R7は、
【化4】

から選択される基である、請求項1記載の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩。
【請求項4】
式1で示され、その式中、
R1は、C〜C−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R2は、C〜C−アルコキシ又は、大部分がフッ素置換されたC〜C−アルコキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素又はC〜C−アルキルカルボニルであり、かつ
R5は、水素であり、
R6は、水素であり、
R7は、式(c)
【化5】

で示される基であり、その際、
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、水素又はC〜C−アルキルであり、かつ
R15は、C〜C−アルキル又はC〜C−シクロアルキルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基又はモルホリン−4−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、その際、
R19は、C〜C−アルキルカルボニルである、請求項1記載の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩。
【請求項5】
式1で示され、その式中、
R1は、メトキシ又はエトキシであり、
R2は、メトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素であり、かつ
R5は、水素であり、
R6は、水素であり、
R7は、フェニル環がフェナントリジン環系に結合されている結合位置に対してメタ位又はパラ位に結合されていて、式(c)
【化6】

で示される基であり、その際、
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、C〜C−アルキル、例えばC〜C−アルキルであり、かつ
R15は、C〜C−アルキル、例えばC〜C−アルキルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、水素であり、かつ
R15は、C〜C−シクロアルキル、例えばシクロプロピルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、ピロリジン−1−イル基、ピペリジン−1−イル基、アゼパン−1−イル基、アゾカン−1−イル基、アゾナン−1−イル基又はモルホリン−4−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、その際、
R19は、C〜C−アルキルカルボニルである、請求項1記載の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩。
【請求項6】
式1で示され、その式中、
R1は、メトキシであり、
R2は、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ又は2,2−ジフルオロエトキシであり、
R3は、水素であり、
R31は、水素であり、
R4は、−O−R41であり、その際、
R41は、水素であり、かつ
R5は、水素であり、
R6は、水素であり、
R7は、フェニル環がフェナントリジン環系に結合されている結合位置に対してメタ位又はパラ位に結合されていて、式(c)
【化7】

で示される基であり、その際、
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、エチルであり、かつ
R15は、エチルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、
R14は、水素であり、かつ
R15は、シクロプロピルであるか、又は
R12は、水素であり、
R13は、水素であり、かつ
R14及びR15は、一緒になって、その両者が結合される窒素原子を含んで、アゾカン−1−イル基又は、4位でR19により置換されたピペラジン−1−イル基であり、その際、
R19は、アセチルである、請求項1記載の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びそれらの塩。
【請求項7】
以下の
1. N′−(1−{4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−フェニル}−メタノイル)−N,N−ジエチル−グアニジン
2. N−(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−ベンザミド
3. N−シクロプロピル−N′−(1−{4−[(2RS,4aRS,10bRS)−9−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)−2−ヒドロキシ−8−メトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル]−フェニル}−メタノイル)−グアニジン
4. N−[1−(4−アセチル−ピペラジン−1−イル)−1−アミノ−メチレン]−4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−ベンザミド
5. N,N−ジエチル−N′−{1−[4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−フェニル]−メタノイル}−グアニジン、及び
6. N−(1−アミノ−1−アゾカン−1−イル−メチレン)−4−((2RS,4aRS,10bRS)−2−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−フェナントリジン−6−イル)−ベンザミド
から選択される請求項1記載の式1の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びその塩。
【請求項8】
4a位及び10b位に関して、式1
【化8】

に示される立体配置を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の式1の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びその塩。
【請求項9】
2位、4a位及び10b位に関して、又はあるいは3位、4a位及び10b位に関して、式1a*****又は式1b*****
【化9】

に示される立体配置を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の式1の化合物、これらの化合物の塩、並びにこれらの化合物のN−オキシド、エナンチオマー、E/Z異性体及び互変異性体及びその塩。
【請求項10】
疾病の治療での使用のための請求項1記載の式1の化合物。
【請求項11】
1種以上の請求項1記載の式1の化合物と一緒に慣用の医薬品賦形剤、希釈剤及び/又はビヒクルを含有する医薬組成物。
【請求項12】
呼吸器疾患の治療用の医薬組成物を製造するための、請求項1記載の式1の化合物の使用。
【請求項13】
患者における病気の治療方法であって、該患者に治療学的有効量の請求項1記載の式1の化合物を投与することを含む方法。
【請求項14】
患者における気道疾患の治療方法であって、該患者に治療学的有効量の請求項1記載の式1の化合物を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2007−523130(P2007−523130A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553593(P2006−553593)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050708
【国際公開番号】WO2005/077906
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(390019574)アルタナ ファルマ アクチエンゲゼルシャフト (69)
【氏名又は名称原語表記】ALTANA Pharma AG
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2、 D−78467 Konstanz、 Germany
【Fターム(参考)】