説明

動植物類の造粒方法

【課題】
動植物成分を用いて工業的な規模で簡便かつ効率的に造粒物を製造する方法を提供する。また、優れた流動性を有し、溶解性が高く、粒度分布が極めてシャープであり、食品分野においても優れた特徴を奏する造粒物を提供する。さらに、賦形剤の添加量を少なく又は添加せずともよいので、造粒対象の動植物成分を高い含量で造粒可能であり、該動植物成分の風味や、有効成分を低下させず又は損なうことのない、より製品価値の高い食品を提供する。
【解決手段】
動物、植物、微生物の群より選択される動植物成分を、複合流動させることで可能となる。該複合流動により、浮遊下に造粒を行なうことで、例えば、転動及び流動による造粒を行なうことで、極めて流動性に優れ、シャープな粒度分布を有し、吸湿性が低く、水への溶解性が高い動植物の造粒方法及び造粒物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動植物成分を用いて、複合流動により、簡便でかつ効率的に動植物類の造粒物を製造する方法に関する。
また、本発明は、動植物成分を複合流動させることにより得た動植物類の造粒物に関する。
さらに、本発明は、動植物類の造粒物を含有してなる調味料、食品に関する。
【背景技術】
【0002】
食品分野における造粒方法として、従来から、転動造粒法、撹拌造粒法、押出造粒法、圧延による造粒法、破砕造粒法及び流動造粒法等が利用されている。圧延による造粒法は、得た固形物を粉砕する破砕工程を付加しなければならず、得られた造粒物の粒度分布が幅広いという欠点を有している。
また、微粉末状、顆粒状の食品を得る為に、流動層造粒、転動造粒等によって造粒を行なう際に、賦形剤として、例えば、デキストリン、乳糖等を利用するのが一般的である。しかしながら、得られた微粉末や顆粒物は、香気成分が弱い、食品原料として本来有している有効成分が低い等の欠点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、動植物成分を用いて工業的な規模で簡便かつ効率的に造粒物を製造する方法を提供することにある。また、優れた流動性を有し、溶解性が高く、粒度分布がシャープである造粒物を提供し、汎用性が高く、食品分野においても使用可能な動植物類の造粒物を提供することにある。
【発明の効果】
【0004】
本発明の動植物類の造粒方法により、得られた造粒物は、極めて流動性がよく重質な造粒物を簡便に製造することができる。また、本発明の方法で得られる造粒物は、粒度分布が極めてシャープであり、製造工程の作業性にも優れているという特徴がある。さらに、本発明の動植物類の造粒物は極めて水に溶解しやすいので、食品分野においても優れた特徴があり、賦形剤の添加量を少なく又は添加せずともよいので、造粒対象の動植物成分を高い含量で造粒可能であり、該動植物成分の風味や、有効成分を低下させず又は損なうことのない、より製品価値の高い食品として優れている。
本発明の方法によれば、動植物成分を複合流動させ、例えば、転動流動させて造粒を行なうので、簡単な操作で、重質で、シャープな粒度分布を有し、強度の大きな造粒物を効率よく製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、解決困難な上記課題を解決すべく、極めて有効でかつ効果的な方法を提供するため鋭意研究を行なった結果、動植物成分を、複合流動により、浮遊下に造粒を行なうことで、極めて流動性に優れ、シャープな粒度分布を有し、吸湿性が低く、水への溶解性が高い動植物の造粒方法を得ることを見出した。また、本発明の動植物の造粒方法は、動物、植物、微生物の群より選択される動植物成分を、複合流動させることで可能となり、該複合流動の、例えば、転動流動の際の撹拌体の回転速度が少なくとも10rpmであり、風量が少なくとも0.01m3/分で、該動植物成分を浮遊し処理することで動植物類の造粒を行なうことができる。
【0006】
更に、本発明は、取扱い性の良い顆粒状等任意の造粒形態、大きさに処理することができ、かつ室温において吸湿性の低く、水への溶解性も高く、かつ風味が豊かな動植物の造粒物を提供するものである。本発明は、調味料、飲食品への利用のみならず、食品素材としても、更に中間原料としても使用可能である動植物の造粒物であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の方法は、動植物成分を複合流動させながら造粒を行なう工程を含む動植物類の造粒方法を特徴としている。
本発明の動植物成分は、動物類、植物類、微生物類等の動植物類の成分を含有していれば良く、破砕溶液、抽出物、粉末等が挙げられ、動植物類の種類、成分態様は限定されない。動植物類の種類は特に限定されないが、例えば、動植物としては、鳥獣、魚介等の動物類、野菜、果物等の植物、酵母等の微生物類等を挙げることができ、該群から選ばれる動植物類を、本発明の動植物成分として用いることができる。本発明の動植物成分の調製方法は特に限定されず、当業界の汎用の方法に従えばよい。例えば、本発明の動植物類は、粉末状態でも良く、原料の全形を小片もしくは小塊に切断もしくは破砕したもの、又は粗切、中切もしくは細切した切断物、全形又は切断を粗末、中末、細末又は微末とした粉末物があげられる。また、1種又は2種以上の動植物類原料を、細片又は小塊に切断又は破砕した後、水等の抽出溶媒を用いて、常圧又は加圧の条件下において、非加熱、低温若しくは加熱下において浸出又は抽出する方法を採用することができる。抽出溶媒の種類は特に限定されず、例えば、水、エタノール等のアルコール類等、食品分野において使用可能な溶媒を用いることができ、これらの混合溶媒を用いてもよい。また、本発明の動植物成分は、上記浸出溶液又は抽出溶液をそのまま用いてもよいが、浸出溶液又は抽出溶液を減圧濃縮等の適宜の手段で濃縮したり、水やアルコール等の溶媒を用いて適宜の濃度まで希釈して用いてもよい。また、本発明の動植物成分は、必要により添加剤を添加して、スプレードライ、フリーズドライ等により粉末化した動植物類粉末も使用してもよい。
【0008】
本発明の転動流動による造粒に際して、動植物成分をそのまま造粒してもよいし、賦形剤に吸着又は担持させて造粒を行なうことができる。ここで賦形剤は、この液状の動植物成分を吸着又は担持しうる経口摂取可能な賦形剤であればいずれのものも使用できる。例えば、粉末乳糖、微結晶セルロース、β−サイクロデキストリン、単糖類、少糖類、多糖類等デンプン、塩、デキストリン、酵素分解デキストリン等を含む糖類、微粒二酸化珪素、糖アルコール等があげられる。また、本発明の転動流動による造粒に際して、液状の動植物成分は噴霧される場合が多く、動植物成分のそのまま噴霧してもよいし、水等の溶媒溶液若しくは分散液と混合した動植物成分を含む液体として噴霧してもよく、例えば、賦形剤を基材として動植物成分を噴霧し被覆してもよい。また、動植物成分の粉末を基材として、動植物成分若しくは/並びに水等のバインダ若しくは/並びに賦形剤を用いて造粒してもよい。この場合、動植物成分の粉末と、動植物成分若しくは/並びに水等のバインダ若しくは/並びに賦形剤との配合比率は、目的の造粒物の用途、成分等により異なり特に限定されないが、動植物成分の粉末1重量部に対して、動植物成分の抽出物は、乾燥物重量換算で0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部であればよい。さらに、別の態様として、本発明の転動流動による造粒に際して、動植物成分を油脂等により被覆することもあげられる。
【0009】
本発明の動植物成分には、食品分野の製造に一般的に用いられている食品用添加物、例えば、結合剤、安定化剤、芳香剤、着色剤等を添加してもよく、食品の有効成分として用いられる生理活性物質の1種又は2種以上を配合してもよい。このような生理活性物質を効果として奏させることで、例えば、健康補助食品、特定保健用食品、機能性食品等へ応用可能である。本発明の動植物成分は、完全な溶液状態である必要はないが、懸濁液等の形態として用いる場合には、スプレー工程に支障がない程度にまで分散質を均一に分散させておくことが望ましい。
【0010】
本発明の動植物成分において、動物は、例えば、ミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、発酵乳等の乳類、鰹節、鯖節、煮干し、するめ、干し鮑、帆立煮干し、鯛、平目、鰹、海老、浅蜊、帆立貝、烏賊、海老、蟹類等の魚介類及びそれらの乾燥物又は加工品、卵類又はそれらの調理加工品、牛肉、鶏肉、豚肉等の獣、鳥肉類及びそれらの加工品等があげられる。植物は、例えば、米、麦、そば、トウモロコシ及びそれらの焙焼物等の穀類、さつまいも、里芋、じゃがいも等の芋類、小豆、インゲン等の豆類、上白糖、黒砂糖、和三盆糖、水飴、蜂蜜、メープルシロップ等の甘味料、ペパーミント、クローブ、シナモン、山椒、わさび、唐辛子、バジル、バニラビーンズ、ブラックペパー等のハーブ類又はスパイス類、緑茶、紅茶、ウーロン茶等の茶類、いちご、オレンジ、梅、レモン、グレープフルーツ、すいか、梨、パイナップル、バナナ、ぶどう、パパイヤ、マンゴー、メロン、桃、りんご、柚子等の果実類又はそれらの加工品、椎茸、松茸、しめじ、まいたけ、マッシュルーム等のきのこ類、アスパラガス、キャベツ、かぼちゃ、きゅうり、紫蘇、春菊、しょうが、ニンニク、玉葱、セロリー、大根、たけのこ、唐辛子、ピーマン、トマト、ニラ、人参、ネギ、白菜、パセリ、ブロッコリー、ホースラディッシュ、三つ葉、茗荷、モヤシ、わさび等の野菜類、あおさ、あおのり、昆布、わかめ等の藻類、アーモンド、ピーナッツ、ココナッツ、栗、ゴマ等の種実類等があげられる。また、微生物は、酵母等があげられる。これらの動植物成分は、液状、懸濁液又はペースト状の場合にはそのまま、若しくは必要により水、アルコール等の溶媒を加えた後に、又は、固体又は高粘凋の場合には適宜細断、粉砕し、水、アルコールあるいは他の液状原材料等を混合し磨砕処理してペースト状とした後に、常圧又は加圧の条件下において、加熱或いは非加熱で、必要に応じてpHの調整を行い、任意の濃度に調整して利用することができる。また、本発明の動植物成分の抽出物には、例えば、動物の肉もしくは骨又は両者の混合物、あるいは、植物類を加え、必要に応じて醤油、味噌、食塩、コショウ、クローブ又はタイム等の調味料、香辛料を適宜加えたものに水等を加え、常圧又は加圧の条件下において、加熱或いは非加熱で処理することにより、各々の原料の抽出物を溶出させた溶液、例えばブイヨン等も含まれる。本発明の動植物成分は、調味料としても含まれ、例えば醤油、味噌、酒糟又はヨーグルト等の発酵物、いちご、バナナ又はオレンジ等の果汁あるいは圧搾物又はたん白加水分解物等があげられる。転動及び流動させながら
【0011】
本発明の動植物類の造粒方法は、該動植物成分を複合流動による造粒を行なえばよく、例えば、転動及び流動による造粒、又は、粉砕及び流動による造粒、又は、ワースター噴流法と組み合わせた流動による造粒等を行なえばよい。本発明の動植物類の造粒方法は、動植物成分を、好ましくは、回転体の表面で又は撹拌により転動させると共に流動させて造粒を行なう工程を含んでいればよい。また、本発明の動植物類の造粒物は、前記のようにして得た造粒物を含んでいる。該転動とは、回転体の表面を転がること又は回転体により撹拌することを意味し、流動とは流動層のように気流中に浮遊することを意味している。該動植物成分を、転動作用を与えるために、装置底部回転円盤としては、上面表面に突起又は平板を設ける等いずれの装置も使用できる。また、スプレーガンの位置はトップスプレータイプ又はタンジェンシャルスプレータイプのいずれでもよい。なお、スプレー工程においてスプレーガンから粉体の形態の1種又は2種以上の造粒工程用の添加物を供給することもできる。該複合転動流動機の運転条件は、装置の大きさ、機械特性、原料となる動植物成分、目的の造粒物により、適宜選択可能である。吸気温度は高くとも130℃であり、好ましくは高くとも120℃であり、より好ましくは10〜100℃、最適には20〜100℃であればよく、排気温度は高くとも80℃であり、好ましくは30〜70℃、より好ましくは35〜65℃であればよい。装置内の気流の温度は、本発明の動植物成分の種類、噴霧量や溶媒の種類等に応じて適当に選択できるが、通常、高くとも80℃であり、好ましくは30〜70℃程度である。風量は、転動流動造粒機の内容積、粉粒体の量や噴霧量に応じて適当に選択できるが、少なくとも0.01m3/分であり、好ましくは0.1〜130m3/分、より好ましくは0.5〜100m3/分であればよく、転動流動機内で動植物成分の動きが停止せず、浮遊又は流動してなる条件であればよい。流動層を形成するための気流としては、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の種々の気体が使用できるが、通常、空気が利用される場合が多い。気流は、上昇流を形成する適所から導入できるが、回転体の表面を転動した粒状物を、効率よく流動層に循環するため、好ましくは回転体が導入される。撹拌体の回転速度は、回転ドラムの内径、動植物成分、添加剤、所望する造粒物の密度等に応じて適当に選択できる。撹拌体の回転速度は、少なくとも10rpmであり、20〜120rpm、より好ましくは30〜100rpmであればよい。動植物成分の噴霧方法は特に制限されないが、転動落下する粉粒体において、上流側の粉粒体、好ましくは粉粒体の傾斜面の平均高さよりも上流側の粉粒体へ噴霧するのが好ましい。噴霧ノズルの数は、回転ドラムの大きさによって変化するが、1又は2以上の複数個である。
【0012】
本発明の動植物類の造粒物を含有してなる食品は、粉末形態、溶液形態、ゲル形態、ゾル形態等、いかなる形態であっても使用や応用ができ、例えばアイスクリーム、氷菓等の冷菓類、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、粉末飲料等の飲料類、ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ポーションタイプ、グミタイプのゼリー食品、ババロア及びヨーグルト等のデザート類、チーズ、バター、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、乳等の乳製品、ビスケット、クッキー、ケーキ、キャンディ、ゼリー、チョコレート、せんべい、あられ、錠菓等の菓子類、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類、ハム、ソーセージ等の畜肉加工品、魚肉ハム、魚肉ソーセージ等の水産練り製品、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ等の各種スープの具材、醤油、味噌、ソース、タレ、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌汁、シチュウ、カレー、グラタン等のスープ類の具材、茶、コーヒー、紅茶、ココア、コーヒー、紅茶、豆乳等の飲料、ふりかけ、おむすび、お茶漬け、雑炊の素、炒飯の素、だしの素、スープの素、粉末醤油等の即席食品、各種総菜及び蒲鉾等種々の食品及びこれらの食品を更に加工した加工食品等も挙げることができる。また、このような一般食品に加えて、整腸作用食品、低アレルギー食品、濃厚流動食、ミキサー食、及びキザミ食等の特殊食品や治療食を挙げることができる。なお、本発明の機能性食品には、通常の素材に加えてゲル化剤、増粘剤等の食品添加剤又は嚥下食用補助剤を配合することにより、咀嚼・嚥下困難者向けに調製された治療食品も包含する。
【実施例】
【0013】
以下、実施例を示してこの出願の発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発明は以下の例によって限定されるものではない。
【0014】
[実施例1]
転動流動造粒機(パウレック社製、マルチプレックスMP−01)を用いて、転動流動させながら下表配合のココア飲料1kgの造粒を行なった。
該転動造粒は、撹拌体の回転速度を300rpm、風量0.5m3/分、排気温度を40℃、スプレー速度を10g/分で行い、造粒工程のスプレーによる噴霧終了後、転動流動造粒機を継続して稼動し、造粒物を10分間乾燥させ、本実施例の造粒物を得た。得た該造粒物は、12メッシュオンが1%であり、得られた造粒物は粉末状であり極めて流動性に優れていた。
【0015】
【表1】

【0016】
[実施例2]
転動流動造粒機(パウレック社製、マルチプレックスMP−01)を用いて、転動流動させながら下表配合のココア飲料1kgの造粒を行なった。
該転動造粒は、撹拌体の回転速度を300rpm、風量0.5m3/分、排気温度を40℃、スプレー速度を10g/分で行い、造粒工程のスプレーによる噴霧終了後、転動流動造粒機を継続して稼動し、造粒物を10分間乾燥させ、本実施例の造粒物を得た。得た該造粒物は、12メッシュオンが1%であり、得られた造粒物は粉末状であり極めて流動性に優れていた。
【0017】
【表2】

【0018】
[比較例1]
上記実施例2で、転動流動造粒機の代わりに流動層造粒機(フロイント社製、フローコーターFLO−1)を用い、撹拌体による転動流動を行わなかった以外は同様の方法で行なった。
実施例1、2及び比較例1で得た粉末状のココア飲料の評価試験を行なった、評価項目については、分散性試験、風味食感等の官能試験を行なった。
分散性試験は、予め200ml、20℃の水の入っている400ml容のビーカーに、各々ココア顆粒15gをそれぞれのビーカーに投入し、撹拌せず静置して、各々の投入した粉末状のココア飲料が水底に完全に沈降するまでの時間を測定した。また、官能試験は、訓練したパネル10名によるよる食感、風味、目視による外観等の官能評価により、得た粉末状のココア飲料及び粉末状のココア飲料を水に溶解させた食品を5段階評価した後、総合的に評価した。
【0019】
【表3】

【0020】
その結果、実施例1及び2で得た粉末は分散性に優れており、得た粉末状のココア飲料及び食品の官能評価もよく、特に、実施例1の粉末は、乳化剤を添加しなくても、本発明の目的物である分散性造粒物を得ることが示された。また、極めて流動性がよく、重質な粉末状の造粒物を簡便に製造することができることが示された。
【0021】
[実施例3]
転動流動造粒機(パウレック社製、マルチプレックスMP−01)を用いて、転動流動させながら下表配合の鰹エキス1kgの造粒を行なった。
該転動造粒は、撹拌体の回転速度を250rpm、風量0.4m3/分、排気温度を40℃、スプレー速度を5g/分で行い、造粒工程のスプレーによる噴霧終了後、転動流動造粒機を継続して稼動し、造粒物を10分間乾燥させ、本実施例の顆粒状の造粒物を得た。得た該造粒物は、12メッシュオンが0.6%であり、得られた顆粒状の造粒物は極めて流動性に優れていた。
【0022】
【表4】

【0023】
上記の転動流動造粒機の代わりに流動層造粒機(フロイント社製、フローコーターFLO−1)を用い、撹拌体による転動流動を行わなかった以外は同様の方法で行なった。しかし、流動不良を起こし造粒ができず、顆粒状の造粒物は得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動植物成分を、複合流動により、浮遊下に造粒してなる動植物類の造粒方法。
【請求項2】
動植物成分が、動物、植物、微生物の群より選択される1種又は2種以上からなる請求項1記載の動植物類の造粒方法。
【請求項3】
複合流動が、撹拌体の回転速度が少なくとも10rpmで、動植物成分を転動してなる請求項1記載の動植物類の造粒方法。
【請求項4】
複合流動が、風量が少なくとも0.01m3/分で、動植物成分を浮遊してなる請求項1記載の動植物類の造粒方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項の記載の造粒方法で得られた動植物類の造粒物。
【請求項6】
請求項5記載の動植物類の造粒物を含有してなる食品。

【公開番号】特開2008−5703(P2008−5703A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175947(P2006−175947)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000210067)池田食研株式会社 (35)
【Fターム(参考)】