説明

包被食品の製造方法及び装置

【課題】外皮材でもって内材を包皮した構成の包被食品の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】開口部33を備えた載置部材34上に、偏平状の外皮材3を位置決めする工程と、内材11を吐出するためのノズル部材43を下降し、当該ノズル部材43の周面に備えた環状の封止部材47によって前記外皮材3を前記載置部材24に押圧する工程と、前記ノズル部材43から内材11を吐出して前記外皮材3を前記開口部33の下側へ膨張するとき、前記載置部材34の下側に上下動可能に備えた昇降支持手段15によって前記外皮材3の底部を支持する工程と、前記内材11の吐出が終了し前記ノズル部材43が上昇し、前記外皮材3の周縁部を中央部に寄せ集め、この寄せ集めた部分を封着手段9によって封着する工程の各工程を備え、さらに封着部を包被食品17に押圧し押し潰す工程を備え、前記封着部の押し潰しは、前記封着手段9に対して前記昇降支持手段15を相対的に上下動して前記封着部を前記封着手段9に押し付けることによって行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパン生地などの食品生地からなる外皮材でもって、例えば餡やジャムなどの食品からなる内材を包み込んだ構成の包被食品(製品)を連続的に製造できる包被食品の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食品製造装置としては、例えばパン生地からなる円板状の食品生地(外皮材)を予め椀状に成形し、前記外皮材の前記椀状部の内部に例えば餡からなる内材を供給し、前記外皮材でもって内材を包み込んであんパンのごとき包被食品を製造をすることが行なわれている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−079356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に記載の食品製造装置は、円板状に成形された外皮材を載置支持するとともに内材が供給された後の前記外皮材の周縁部を封着するための第2シャッタと、前記第2シャッタと協働して前記外皮材の周縁部を押えるように保持する保持手段と、周縁部を保持された前記外皮材を椀状に成形する押し込み手段と、前記押し込み手段と連通し椀状に成形された前記外皮材の前記椀状部の内部に内材を供給する内材供給装置を備えている。
【0004】
前記特許文献1に記載の食品製造装置は、前記外皮材の周縁部を押える保持手段と、前記外皮材の椀状に成形された内部に内材を供給する供給ノズルとしての前記押し込み手段とが離間して設けられており、前記外皮材の内部に内材を供給した際に、前記外皮材の上部開口部より内材が漏出してしまうことがある。さらに、前記外皮材の周縁部を前記第2シャッタで封着するとき未包被食品の封着部分から内材が漏出してしまう場合があり、前記包被食品の表面が内材により汚れて不良品になり易いという問題がある。また、前記包被食品から漏出した内材により第2シャッタや押し込み手段などの食品製造装置が汚れることがあり、前記製造装置を清掃するために前記製造装置の稼働を停止しなければならず、生産性が低下し易いという問題がある。
【0005】
また、前記特許文献1に記載の食品製造装置は、椀状に成形された前記外皮材を支持するための支持部材を前記第2シャッタの下方に上下動可能に備えるとともに、前記外皮材を椀状に成形する前に前記支持部材と前記第2シャッタとの間隔を予め設定された間隔に調整する支持間隔調整手段を備えている。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載の食品製造装置は、前記外皮材の周縁部が保持された状態で外皮材の中央部を前記押し込み手段で下方向へ押し込み、前記外皮材を予め下方に配置された支持部材に支持されるまで窪ませて椀状に成形するため、椀状に成形された前記外皮材の底部が他の部分と比較すると薄く伸ばされる傾向にある。
【0007】
前記外皮材の底部は、前記周縁部を封着した後、前記包被食品を上下反転した際に前記包被食品の上部となるため、あんパンのなどの焼成された最終製品において、上部の外皮材が他の部分より薄くなり外皮材による皮回りが不均一となって製品価値を低下させるという問題がある。
【0008】
また、前記特許文献1に記載の食品製造装置は、前記外皮材の周縁部が封着されるのであれば、前記第2シャッタが完全に閉じる前に閉じ動作を停止するよう制御される場合がある。
【0009】
しかしながら、外皮材の前記封着部分は包被食品の上部に突起状に残ってしまうことがあるが、前記特許文献1には、前記突起状の封着部を消失させる具体的な解決手段が記載されてなく、前記突起状封着部を効率よく確実に消失させるという課題が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品の製造方法であって、開口部を備えた載置部材上に、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を位置決めする(a)工程と、内材を吐出するための内材吐出口を下端部に備えかつ前記載置部材に対して相対的に上下動可能なノズル部材を相対的に下降し、当該ノズル部材の周面に備えた環状の封止部材によって前記外皮材を前記載置部材に押圧する(b)工程と、前記ノズル部材から内材を吐出して前記外皮材を前記開口部の下側へ膨張するとき、前記載置部材の下側に前記載置部材に対して上下動可能に備えた昇降支持手段によって前記外皮材の底部を支持する(c)工程と、前記内材の吐出が終了し前記ノズル部材が上昇した後に、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集め、この寄せ集めた部分を封着手段によって封着する(d)工程の各工程を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記包被食品の製造方法において、前記封着手段によって封着した封着部を包被食品に押圧し押し潰す工程を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記包被食品の製造方法において、前記封着部の押し潰しは、前記封着手段に対して前記昇降支持手段を相対的に上下動して前記封着部を前記封着手段に押し付けることによって行うことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記包被食品の製造方法において、外皮材を下側へ膨張するとき、前記昇降支持手段は外皮材の底部に常に接触した状態を保持して相対的に次第に下降することを特徴とするものである。
【0014】
また、前記包被食品の製造方法において、前記ノズル部材から前記外皮材への内材の吐出終了時に、ノズル部材内に備えた気体噴出手段から気体を噴出して、前記ノズル部材における内材吐出口内の内材を前記外皮材内へ噴出することを特徴とするものである。
【0015】
また、外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、開口部を備えた載置部材と、前記開口部を覆うように前記載置部材上に偏平状の外皮材を移送する外皮材移送手段と、前記載置部材上に移送された外皮材に対して内材を吐出供給する内材吐出口を下端部に備えかつ前記開口部の上方位置において相対的に上下動可能に備えられたノズル部材と、当該ノズル部材の相対的な下降時に前記外皮材を前記載置部材に押圧すべく前記ノズル部材の周囲に備えられた環状の封止部材と、前記ノズル部材から内材を吐出して前記外皮材を前記開口部の下側へ膨張するとき、前記外皮材の底部を常に支持するために上下動可能に備えられた昇降支持手段と、前記内材の吐出が終了し前記ノズル部材が相対的に上昇した後に又は上昇するときに、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集め、この寄せ集め部分を封着するための封着手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記包被食品製造装置において、前記包被食品に形成された封着部を閉じた状態の前記封着手段に押し付けて押し潰すために、前記封着手段の開閉動作及び包被食品を支持した前記昇降支持手段の相対的な上下動を制御するための制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0017】
また、前記包被食品製造装置において、前記ノズル部材からの内材の吐出終了時に、前記ノズル部材における内材吐出口内の内材を噴出するための気体噴出手段を前記ノズル部材内に備えていることを特徴とするものである。
【0018】
また、前記包被食品製造装置において、前記ノズル部材から内材を吐出して前記外皮材を下側へ膨張するとき、前記昇降支持手段は前記外皮材における底部との接触を常に保持して下降する構成であることを特徴とするものである。
【0019】
また、前記包被食品製造装置において、前記封着手段は、前記載置部材に備えた前記開口部の中心と前記外皮材の中心とを一致せしめるための調心機能と、外皮材の寄せ集め部を封着するための封着機能との2つの機能を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、開口部から内材が漏出することが防止でき、外皮材の周縁部を封着する際に封着部から内材が漏出して不良品が製造されることが防止できる。また、内材が食品製造装置を汚すことが防止できるため食品製造装置の稼働を停止することなく安定した連続生産ができる。
【0021】
また、本発明によれば、外皮材の底部が他の部分より薄く伸ばされることが抑制でき、あんパンなどの焼成された最終製品において、上部の外皮材が他の部分より極端に薄くなるようなことはなく、皮回りが良い高品質の製品が製造できる。
【0022】
また、本発明によれば、外皮材の周縁部を封着する際に包被食品の上部に残った突起状の封着部が包被食品の上部に残ることなく確実に平坦に成形される。したがって、包被食品の表面に不必要な凹凸がなく整った表面が成形される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1について図面を参照して説明する。図1乃至図8は、食品製造装置1を概略的に示すとともに食品製造の工程を説明する説明図であり、各図の(A)は上面説明図、(B)は正面説明図である。また、図9は、食品製造装置1に設けられた昇降支持手段15を概略的に示す説明図である。
【0024】
食品製造装置1は、例えばパン生地などの食品生地からなる円板状の外皮材3を搬送し、後述する載置部7の上面の所要位置に移載する外皮材移送手段の一例としての移載コンベア部5と、前記外皮材3を椀状に成形する際に前記外皮材3を載置する載置部7と、前記外皮材3の周縁部3A(図3〜5参照)を寄せ集めて封着するための封着手段の一例としてのシャッタ部9と、前記外皮材3の上面に例えば餡などの内材11を供給する内材供給部13と、前記載置部7の下方に配置され、椀状に成形される前記外皮材3の底部3B(図3参照)を支持する昇降支持手段15と、前記シャッタ部9により前記内材11が前記外皮材3で被覆された包被食品17を搬出する搬出コンベア部19と、上記各部の駆動を制御するための制御手段としての制御部21(図9参照)を備えている。
【0025】
前記移載コンベア部5は、図示されない制御モータに連動連結された駆動プーリ23、先端プーリ25、後端プーリ27、リターンプーリ29を備え、前記各プーリに無端状の平ベルト31を捲回すと共に、前記先端プーリ25とリターンプーリ29が矢印Rで示した搬送方向に沿って前後動(図1において左右方向)可能に備えられている。移載コンベア部5の幅方向の側方には、搬送される前記外皮材3の有無を感知する例えば一対の光電スイッチのごとき検出装置30を備えており、前記検出装置30の検出信号に基づき外皮材の搬送方向の長さDを計測すると共に前記外皮材3の中心位置C1が前記制御部21により算出される。そして、前記移載コンベア部5は、前記外皮材3の中心位置C1が後述する載置部7に設けられた載置部材34の開口部33の中心位置C2と搬送方向Rに沿って一致する所で前記外皮材3の搬送を停止させ、前記先端プーリ25とリターンプーリ29を搬送方向Rと反対の方向に後退させることにより前記外皮材3を前記載置部7の上面に前記開口部33を覆うように移載する。
【0026】
前記載置部7は、食品製造装置1の図示されない基台に着脱交換可能に取り付けられた板状の載置部材34を備えており、所要の大きさで円形の開口部33を備えている。また、大きさや形状の異なった開口部33を備えた複数の載置部材34を準備し、それらを交換することにより所望する様々な大きさの包被食品17が製造できる。
【0027】
封着手段の一例としての前記シャッタ部9は、円周上に等間隔に配置された例えば6個の回動軸35に着脱交換可能に取り付けられたシャッタ片37を揺動可能に備えている。また、各シャッタ片37は、図3に示すように、先端部37Aが隣接するシャッタ片37の側面37Bに摺動可能に備えられているとともに、各シャッタ片37の前記側面37Bに囲まれて形成される多角形状のシャッタ開口部39が開閉可能に備えられている。ここでは、図1(A)に示された状態の開口部39が最大に開口された初期状態として説明する。また、前記回動軸35を支持するシャッタハウジング41は、例えば本出願人が特許出願した特開2006−304664号公報に記載されたシャッタ機構部(図11,図12参照)に構成されたギヤ駆動機構を備えることにより前記回動軸35を回動可能に備えると共に、公知の前記シャッタ機構部に構成された昇降駆動部により昇降可能に備えられている。なお、前記回動軸35を回動する駆動機構として前記特許文献1に記載されたリンク機構や他の公知の動力伝達機構を用いてもよい。
【0028】
前記内材供給部13は、前記シャッタ部9の上方に設けられ、図示されない例えばスクリュー機構などの輸送装置に連通した筒状のノズル部材43と、前記ノズル部材43に備えた内材吐出口としての押出口45から少し上方に生地押え部材としての環状の封止部材47を備えている。また、前記ノズル部材43は、例えば制御モータに連動連結された送りねじ機構や流体圧シリンダのごとき上下動用のアクチュエータなどの公知の昇降駆動部により相対的に昇降可能に設けられている。さらに、前記封止部材47の下方に位置する前記ノズル部材43の外径は、上記載置部材34に備えられた開口部33の開口径より小さく設けられており、前記開口部33に相対的に挿通可能に設けられている。また、前記封止部材47の外径は、前記開口部33の開口径より大きく、載置部材34の上面に載置された外皮材3の周縁部3Aを全周に渡って載置部材34と協働して挟むことができるよう設けられている。また、封止部材47が外皮材3の周縁部3Aを押さえる生地押え部位47Eを凹状の曲面を有する略円錘形状としている。前記封止部材47は前記ノズル部材43に一体的に設けた構成であっても、ノズル部材43に対して相対的に上下動自在かつスプリング等の付勢手段によって下方向へ付勢した構成としてもよいものである。
【0029】
前記ノズル部材43の相対的な降下位置は、制御部21に予め入力された設定値に基づいて調整可能であり、例えば送りねじ機構に連動連結されたパルスエンコーダや流体圧シリンダーの進退するロッドの位置を感知する距離センサなどを備えることにより前記制御部21へ検出信号に基づく位置情報を送信している。また、前記内材供給部13は、前記制御部21に設定入力された内材11の押出時機及び押出量に関する設定値に基づき調整可能に設けられており、昇降支持手段15の降下動作とほぼ同期するようにして前記押出口45から前記外皮材3の内部に所要量の内材11を供給することができる。
【0030】
また、前記ノズル部材43の内部中央には、気体噴出手段が配置されている。すなわち、ノズル部材43内には、図示されない圧縮空気供給装置に連通された細い筒状のエアーノズル部材49が配設されている。前記エアーノズル部材49は、前記内材供給部13からの内材11の供給が終了した後に瞬間的に圧縮空気を吹き出すことにより、前記ノズル部材43の押出口45の近傍に滞留する内材11を前記押出口45から排出するものであり、前記ノズル部材43が相対的に上昇した際に、前記ノズル部材43から前記内材11が垂れ下がることにより内材11の押出量が変動して包被食品17の重量が変動してしまったり、あるいは、流動性の高い例えばジャムなどの内材11が垂れ落ちることにより包被食品17や周辺の装置を汚すことを防止するものである。
【0031】
前記昇降支持手段15は、前記載置部材34の下方に相対的に上下動可能に配置され、前記外皮材3の底部3Bを支持すると共に前記包被食品17を搬出コンベア19に搬送する支持部15Aと、前記支持部15Aを昇降させる昇降駆動部15B(図9参照)が設けられている。前記支持部15Aは、図示されない制御モータに連動連結された駆動プーリ51と、先端プーリ53と、後端プーリ55と、前記各プーリに掛回された無端状のベルト57を備えており、前記先端プーリ53と前記後端プーリ55との間に張架される前記ベルト57により水平な搬送面57Aが形成され、前記搬送面57Aが前記外皮材3の底部3Bを常に支持する支持部となる。
【0032】
前記昇降駆動部15Bは、図9に示すごとく例えばラック・ピニオン機構59などの公知の動力伝達機構を介した制御モータ61を備えており、前記ラック・ピニオン機構59と前記支持部15Aとを連動連結させることにより、前記支持部15Aを昇降させる。そして、前記制御モータ61の駆動を前記制御部21に予め入力された設定値に基づいて制御することにより前記支持部15Aの昇降位置、昇降速度、昇降時機などを調整することができる。
【0033】
前記搬出コンベア部19は、前記昇降支持手段15に支持されながら包被成形された包被食品17を前記支持部15Aから受け取り、次工程に搬送するベルトコンベアである。
【0034】
前記制御部21は、予め設定入力されたデータや前記検出装置30などの検出信号に基づいて前記各部の駆動を制御するものであり、各設定値(データ)を入力するデータ入力部と、各データに基づき演算処理する演算処理装置と、前記演算処理結果に基づき各駆動部に駆動指令するドライバを備えている。
【0035】
上記食品製造装置1が包被食品17を成形する工程について図1乃至図10を参照して説明する。図10は、ノズル部材43の昇降、内材供給部13の供給や停止、シャッタ部9の昇降動作、シャッタ開口部39の開閉動作、昇降支持手段15の昇降動作及び搬送動作の経時的変化の一例を示す動作説明図(タイムチャート)である。なお、本実施の形態においては、外皮材3は予め略均一な厚さに成形された円板状の食品生地として説明するが、例えば、外皮材3の周縁部3Aが中央部3Dに比べ薄く成形された略円板状の食品生地であってもよい。外皮材3の周縁部3Aを中央部3Dに比べ薄く成形することにより包被食品17の封着部17Aとして集められる食品生地の量を減らし、包被食品17の皮回りを調整することも可能である。なお、外皮材3の周縁部3Aを中央部3Dより薄く形成することは、例えば前記封止部材47によって外皮材3の周縁部3Aを前記載置部材34に押圧することによっても可能である。
【0036】
図10に示されたA1位置は、図1に示す初期状態あるいは初期位置を示すものである。シャッタ部9は、シャッタ開口部39が最大に開口すると共に、シャッタハウジング41が上昇端位置で待機している。内材供給部13は、ノズル部材43が上昇端位置で待機すると共に、内材11の押出が停止している。移載コンベア部5は、先端プーリ25とリターンプーリ29が搬送方向に沿って最も前進し、ベルト31が載置部材34の上方を覆っている。昇降支持手段15は、支持部15Aがベルト57の搬送動作を停止した状態で上昇端位置に待機しており、搬送面57Aと前記載置部材34の下面とが僅かな隙間を開けた位置に配設されている。
【0037】
略円板状に成形された外皮材3は、移載コンベア部5により搬送され、前記検出装置30に検出されると共に、前記検出信号と移載コンベア部5の搬送データに基づき前記外皮材3の搬送方向に沿った長さD及び外皮材3の中心位置C1が制御部21により算出される。さらに、移載コンベア部5は、外皮材3の中心位置C1が載置部材34に備えられた開口部33の中心位置C2に到達し一致したときに外皮材3の搬送を停止する(図1に二点鎖線で示された外皮材3参照)。
【0038】
次いで、図2に示すように移載コンベア部5の先端プーリ25とリターンプーリ29を搬送方向Rと反対の方向に後退させることにより前記外皮材3が前記載置部7の開口部33を覆うように載置部材34の上面に移載される。
【0039】
さらに、A2位置においては、シャッタハウジング41の降下が開始して各シャッタ片37の下面が前記載置部材34の上面に軽度に接すると共に前記シャッタ開口部39が前記外皮材3の周りを囲む。そして、A3位置においては、シャッタ開口部39を開口径が小さくなる(縮径する)よう閉動作を開始させ、各シャッタ片37の側面37Bが前記外皮材3の外周部と接すると共に外皮材3の中央部3Dが前記載置部材34の開口部33から自重によって下方に少し窪ませる位置にて前記閉動作を一時的に停止させる。前記外皮材3の中心位置C1が載置部材34の開口部33の中心位置C2と位置ずれした状態で移載された場合であっても、前記閉動作により前記中心位置C1が前記中心位置C2と一致するように調心され、前記開口部33の周りに外皮材3の周縁部3Aがほぼ均等に配置される。すなわち、封着手段としての前記シャッタ部9は、外皮材3の中心位置C1を前記開口部33の中心位置C2に一致するための調心機能を有している。
【0040】
また、昇降支持手段15の支持部15Aは、前記シャッタ開口部39の縮径に伴って上昇端位置から降下を開始し、前記開口部33から下方に向かって少し窪んだ前記外皮材3の底部3Bをベルト57の搬送面57Aで支持する状態で一時的に降下を停止する。A4位置におけるシャッタ部9及び昇降支持手段15の停止位置を調心停止位置と称し、図3にて図示している。
【0041】
なお、前記開口部33の周りに配置された外皮材3の周縁部3Aは、後述するシャッタ開口部39の閉動作により内材11を包み込んで封着する封着部17Aを形成する生地部分となる。従って、前記シャッタ開口部39の前記調心停止位置における開口径の大きさを調整することにより、つまり、前記開口部33の周りに配置された外皮材3の周縁部3Aの生地量を調整することにより、包被食品17の上部の生地の厚みを調整することが可能となる。
【0042】
前記A4位置においてノズル部材43が降下を開始して押出口45が外皮材3の上部開口3Eから当該外皮材3の窪みに進入し、予め設定された所定の位置にて降下が停止される。この時、ノズル部材43に備えられた生地押え部材としての封止部材47が載置部材34と協働して外皮材3の周縁部3Aを全周に渡って挟持し、前記外皮材3の上部開口3Eが封止部材47を備えたノズル部材43により密封状態に封鎖される。
【0043】
この際、前記封止部材47の構成を、外周部に断面形状が正方形状又は矩形状で環状の押圧部を備えた構成とし、この押圧部でもって外皮材3の周縁部3Aを載置部材34の上面に押圧することにより、外皮材3の周縁部3Aを中央部3Dの厚さよりも薄く形成することができると共に、上記押圧部で外皮材3の上部開口3Eを密封することができるものである。
【0044】
次に、A5位置からA8位置において内材供給部13の押出口45から内材11が押し出され、前記外皮材3の内部に内材11が供給され、外皮材3は前記開口部33から下方向に膨張(膨出)される。このとき、前記外皮材3の生地の張力により押し出された内材11にかかる圧力が高まるが、前記外皮材3の上部開口3Eがノズル部材43と封止部材47により密閉されているため押し出された内材11が前記上部開口部3Eから漏出することが防止される。
【0045】
また、図4で図示されるごとくA6位置において前記支持部15Aが再び降下を開始し、A7位置において予め設定された位置にて前記支持部15Aが降下を停止する。このとき、支持部15Aが載置部材34から離反するよう降下することにより、内材供給部13からの内材11の押し出す圧力により次第に膨張して椀状に成形される外皮材3を下側から常に支持することができると共に、内材11を外皮材3に収容することができる。また、前記外皮材3の底部3Bが前記支持部15Aに常に接するよう支持されているので、前記底部3Bを形成する食品生地が局所的に薄く延ばされることが抑制される。したがって、従来のごとく外皮材の周縁部が保持された状態で、かつ、外皮材の底部を何ら支持しない状態で外皮材の中央部を前記押し込み手段で押し込むことにより生じる外皮材の底部が他の部分より薄く延ばされるという問題が解決される。
【0046】
そして、内材11の押し出しが終了したA8位置以後にノズル部材43の上昇が開始され、前記上昇端位置にて上昇が停止され次の外皮材3が供給されるまで待機する。前記ノズル部材43が上昇する際、気体噴出手段としての前記エアノズル部材49から気体として圧縮空気が瞬間的に噴射され、前記ノズル部材43の押出口45の近傍に滞留する内材11が前記押出口45から排出される。したがって、前記ノズル部材43から前記内材11が不定量に垂れ下がることによる内材11の押出量の変動が抑制でき、包被食品17の重量が変動することが抑制できる。また、上昇したノズル部材43から内材11が垂れ落ちることによる包被食品17や周辺の装置の汚れが防止できる。
【0047】
前記ノズル部材43の上昇が終了したA9位置から封着手段としての前記シャッタ開口部39の閉動作が再開され、前記シャッタ開口部39が縮径すると共に、前記シャッタ片37の側面37Bが前記外皮材3の周縁部3Aを中央部に寄せ集めて内材11を包み込むように封着して包被食品17を成形する。前記シャッタ開口部39の縮径は、図5で示すごとくシャッタ開口部39が完全に閉じる以前のA11位置にて停止される。中央部に寄せ集められた前記周縁部3Aは、一部が前記シャッタ片37の下方に移動すると共に、残りの部分が前記包被食品17の上部に突起状の封着部17Aとして成形される。このA11位置を突起状封着部成形位置と称す(図5参照)。
【0048】
また、前記支持部15Aは、前記シャッタ開口部39の閉動作が再開された後のA10位置から降下が開始され、ほぼA11位置にて停止される。この支持部15Aの降下は、前記シャッタ開口部39の縮径に伴う前記外皮材3の周縁部3Aの生地を前記シャッタ片37の下方に誘導する作用がある。
【0049】
さらに、A12位置において前記支持部15Aの降下が再開され、図6に示すごとく包被食品17が前記支持部15Aに支持されながら降下する。そして、A13位置にて前記支持部15Aの降下が停止されると共に、前記シャッタ開口部39が閉動作を再開して完全に閉口される。
【0050】
前記シャッタ開口部39が完全に閉口された後のA14位置において、前記支持部15Aの上昇が開始され前記A12位置の時とほぼ同じ位置まで上昇される。この上昇により、支持部15Aに支持された前記包被食品17の突起状の封着部17Aは、図7に示すごとく各シャッタ片37の下面により形成される平面に押し当てられ、前記突起状封着部17Aは、前記包被食品17の上部に埋没、没入するように押し潰されるので、前記突起状封着部17Aが包被食品17の上部に残ることなく確実に平坦に成形される。したがって、包被食品17の表面に不必要な凹凸がなく整った表面が成形される。また、包被食品17の突起状封着部17Aから内材11が漏出されることなく包被成形されているため、包被食品17の上部を閉口したシャッタ片37の下面に押し当ててもシャッタ片37が内材11で汚れるようなことはない。
【0051】
さらに、A15位置にて前記支持部15Aの降下が開始され、前記支持部15Aの搬送面57Aが後続する搬出コンベア19の搬送面と同じ高さ位置となるA16位置において前記支持部15Aの降下が停止される。この支持部15Aの降下位置を降下端位置と称す。そして、前記支持部15Aのベルト57が搬送駆動され、ベルト57に支持された包被食品17は搬送方向Rに搬送され、図8に示されたごとく搬出コンベア19に移乗する。
【0052】
その後、A17位置にて支持部15Aの搬送駆動が停止された後、前記支持部15Aは、A18位置に示す初期位置である上昇端位置まで上昇し、次の包被成形が開始されるまで待機する。また、前記A16位置において、前記シャッタ片37の開動作が開始され、初期位置である全開位置にまで前記シャッタ開口部39が開口される。また、シャッタ片37を支持するシャッタハウジング41及びノズル部材43が初期位置である上昇端位置まで上昇される。
【0053】
そして、A19位置は、次に搬送される外皮材3が成形される工程の初期位置であり、上述したA1位置からA18位置までの各部の動作が繰り返され、次の包被食品17が成形される。この成形工程を繰り返すことにより、前記食品製造装置の稼働を停止することなく安定した連続生産ができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る食品製造装置1について図10及び図11を用いて説明する。図11は、食品製造装置1を概略的に示すとともに左図、中央図、右図と順に食品製造の工程を説明する説明図であり、(A)は上面説明図、(B)は正面説明図である。第2の実施の形態に係る食品製造装置1は、シャッタ片37の形状を変更することにより包被食品17の上部に形成される突起状の封着部17Aを消失させる手段を説明するものである。なお、前記第1の実施の形態の構成と同様な機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
【0055】
シャッタ片37は、側面37Bに上鉛直部71、下傾斜部73、下鉛直部75が形成されている。また、図10に示すごとく、シャッタ開口部39は、A9位置からA17位置において線G1のごとく閉動作し、支持部15Aは、A10位置からA16位置において線G2のごとく降下する。図11の左図は、図10におけるA6位置からA7位置の間の一状態を図示している。外皮材3は、周縁部3Aを生地押え部材としての封止部材47と載置部材34の間で挟持され、外皮材3の上部開口3Eが密閉された状態で内材11が供給される。外皮材3は、底部3Bが降下する支持部15Aに支持されながら、押出口45から押し出される内材11の圧力により膨張して椀状に成形される。
【0056】
図11の中央図は、図10におけるA12B位置の状態を図示しており、シャッタ片37の先端部37Aにおける上鉛直部71が中央に集合され、シャッタ開口部39が閉口された状態である。内材11が供給された外皮材3は、シャッタ片37の側面37Bの閉動作により周縁部3Aが中央に寄せ集められて封着され、上部に突起状の封着部17Aが形成された包被食品17が成形される。
【0057】
図11の右図は、図10におけるA13位置の状態を図示しており、シャッタ片37の先端部37Aにおける下鉛直部75が中央に集合され、各シャッタ片37の下面により平面が形成された状態である。シャッタ片37がA12B位置からA13位置に閉動作を進めることにより、各下傾斜部73に囲まれて形成される略6角錘状の空間が徐々に縮小され、突起状の封着部17Aが各シャッタ片37の下方に誘導される。そして、シャッタ片37の閉動作が終了したA13位置では、前記封着部17Aが包被食品17の上部に埋没、没入されるように押し潰され、包被食品17の上部を不必要な凹凸なく整った表面に成形することができる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る食品製造装置1について図12を用いて説明する。図12は、食品製造装置1を概略的に示すとともに(A)乃至(D)の順に食品製造の工程を説明する説明図である。本発明の第3の実施の形態に係る食品製造装置1は、シャッタ片37の上方に載置部材34を配置し、さらに、前記載置部材の上方に外皮材3を開口部33に対して調心する複数の調心部材81を配置している。
【0059】
前記シャッタ片37の下面には、先端部37A側から凹部37Cが形成されている。図12(C)に示すようにシャッタ開口部39が閉鎖されると、前記凹部37Cは、集合したシャッタ片37の下面に半球面状の凹部を形成する。
【0060】
前記調心部材81は、シャッタ片37と別系統の図示されない駆動機構に連動連結され、例えば、シャッタ片37と同様な揺動動作により各調心部材81で囲まれた開口部83が開閉可能に設けられている。
【0061】
封止部材としての生地押え部材47は、ノズル部材43に一体に備えられており、この生地押え部材47の外径が開口部33の開口径より小さく設けられている。さらに、生地押え部材47は鍔状に設けることも可能であるが、第3の実施の形態においては、ノズル部材43を形成する管部材で形成するとともに、生地押え部位47Eをノズル部材43の押出口45から上方に向かってその外径が徐々に大きく変化する傾斜部として備えた場合を示している。このような生地押え部材47であっても、生地押え部位47Eと開口部33の外周との間で外皮材3の周縁部3Aを全周に渡って挟むことが可能である。
【0062】
図12(A)は、前記調心部材81が形成する開口部83の縮径が開始され、調心部材81の側面81Bが載置部材34の上面に載置された外皮材3の外周部と接すると共に外皮材3の中央部3Dが前記載置部材34の開口部33から下方に少し窪むませる位置にて前記閉動作を一時的に停止させた状態を示している。前記閉動作により外皮材3と開口部33とが調心され、開口部33の周りに外皮材3の周縁部3Aがほぼ均等に配置される。また、支持部15Aは、前記開口部83の縮径に伴って上昇端位置から降下を開始し、前記開口部33から下方に向かって少し窪んだ前記外皮材3の底部3Bをベルト57の搬送面57Aで支持する状態で一時的に降下を停止している。
【0063】
図12(B)は、前記ノズル部材43が設定された位置まで降下し、前記生地押し部材47の生地押し部位47Eと前記載置部材34の開口部33との間で前記外皮材3の周縁部3Aを挟み、その後、前記ノズル部材43の押出口45から内材11を押し出して、下方向に膨張している状態を示している。この時、前記外皮材3の上部開口3Eが生地押え部位47Eを備えたノズル部材43により密閉されているため押し出された内材11が前記上部開口部3Eから漏出することが防止される。
【0064】
また、前記支持部15Aは、前記内材11の押し出しと同調して再び降下を開始し、内材11の押し出しの停止に伴って予め設定された位置にて停止する。このとき、前記外皮材3の底部3Bが前記支持部15Aに常に接するよう支持されているので、前記底部3Bを形成する食品生地が局所的に薄く延ばされることが抑制される。
【0065】
図12(C)は、外皮材3の内部への内材の押し出しが終了し、前記外皮材3の周縁部3Aが前記シャッタ片37の閉動作による前記シャッタ開口部39の縮径に伴って中央に集合され封着された状態を示している。前記シャッタ開口部39は、閉口する以前の位置にて縮径が停止され、包被食品17の上部には、突起状の封着部17が形成されている。この後、支持部15Aが降下し、さらに、シャッタ開口部39が閉口される。
【0066】
そして、図12(D)に示すように、包被食品17を支持する支持部15Aが再び上昇し、閉動作の終了したシャッタ片37の下面に形成された半球面状の凹部に前記包被食品17の突起状の封着部が押し当てらる。前記突起状の封着部17Aは、包被食品17の上部に埋没、没入されるように押し潰されると共に、包被食品17の上部が前記半球状の凹部に押し当てられ型押し成形される。
【0067】
その後、支持部15Aが前記降下端位置まで降下し、包被食品17を後続する搬出コンベアに搬送する。そして、包被食品17が例えば中華饅頭などの場合には、半球面状に成形された包被食品17の上部に公知の襞付け装置などを用いて襞付け成形をした後、蒸成などの熱処理がなされる。
【0068】
本発明の実施の形態に係る食品製造装置1は、概ね上記の通りであるが、これに限定されることなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。前記説明においては、外皮材3を略円板状の食品生地として説明したが、円形に限ることなく、例えば、シャッタ部9のシャッタ開口部39の形状に対応して6角形状であってもよく、帯状の食品生地から型抜きされた食品生地片を用いることも可能である。
【0069】
また、外皮材3を載置する載置部7に備えられた載置部材34を板状部材として説明したが、例えば、シャッタ部9のシャッタ片37と同様なシャッタ機構を用い、シャッタ開口部39に相当する開口を載置部材34の開口部33とすることができ、さらに、シャッタ片を開閉動作させることにより前記開口33を拡縮可能に設けることができる。
【0070】
また、シャッタ部9や載置部7に用いられるシャッタ片は、上記したような回動軸35に支持された揺動可能な部材に限ることなく、回動軸を一方向に回転させることによりシャッタ開口部39を拡縮するシャッタ機構や、特許文献1の図27及び図28に記載されたようなシャッタ機構であってもよい。さらには、シャッタ片37は6個に限ることなく、3個以上であればシャッタ開閉部39を形成できる。また、外皮材を封着する封着部材としては、シャッタ9に限らず、外皮材3の周縁部3Aを封着可能な構成を有していてもよい。例えば、実公平7−18299号公報の図6及び図7に記載された封入ゲートや、特開平10−150905号公報の図4に記載された絞り片が用いられてもよい。なお、封着部材は、包皮食品の突起上の封着部を平坦化可能な下面を有することが好ましい。
【0071】
また、生地押え部材としての封止部材47の生地押え部位47Eを凹状の曲面を有する略円錘形状として説明したが、載置部7に備えられた開口部33の形状に応じて変更することが可能であり、例えば、開口部33が互いに摺動する6個のシャッタ片により形成される略6角形の場合には、凹部の曲面を有する略6角錐形状であってもよい。
【0072】
また、前記封止部材47の構成を、周縁に下方向へ突出した環状の押圧部を備えた構成として、この押圧部によって外皮材3の周縁部を載置部材34における上面に押圧して、外皮材3の周縁部を薄く形成する構成とすることも可能である。
【0073】
また、載置部7に対するシャッタ部9、支持部15A及び内材供給部13の昇降動作は、相対的に接近離反する動作であってもよく、例えば、支持部15Aに対し、載置部7を接近離反するように載置部7に昇降駆動部を連動連結して設けてもよい。
【0074】
すなわち、前記実施形態においては、載置部材34に対して封着手段としてのシャッタ部9,ノズル部材43及び昇降支持手段15が上下動する構成について説明した。しかし、上記構成に限ることなく、例えばノズル部材43を所定位置に固定した構成とすることも可能である。この場合、上記ノズル部材43に対してシャッタ部9,載置部材34及び昇降支持手段15を相対的に上下動する構成とすると共に載置部材34に対して昇降支持手段15が相対的に上下動する構成とすればよいものである。
【0075】
既に理解されるように、載置部材34,シャッタ部9,ノズル部材43及び昇降支持手段15の4つの構成要素において、所望の構成要素を固定した場合には他の3要素を相対的に上下動する構成とすればよいものである。さらに、場合によっては4つの構成要素を相対的に上下動する構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置に備えられた昇降支持部を概略的に示した説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置によるの各部の動作の経時的変化の一例を示す動作説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る食品製造装置に備えられたシャッタ片と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る食品製造装置と食品を成形する工程を概略的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 食品製造装置
3 外皮材
3A 周縁部
3B 底部
5 移載コンベア部(外皮材移送手段)
7 載置部
9 シャッタ部(封着手段)
11 内材
15 昇降支持手段
15A 支持部
17 包被食品
33 (載置部材34の)開口部
34 載置部材
37 シャッタ片
39 シャッタ開口部
43 ノズル部材
47 封止部材
61 制御モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品の製造方法であって、
(a)開口部を備えた載置部材上に、前記開口部を覆うように偏平状の外皮材を位置決めする工程、
(b)内材を吐出するための内材吐出口を下端部に備えかつ前記載置部材に対して相対的に上下動可能なノズル部材を相対的に下降し、当該ノズル部材の周面に備えた環状の封止部材によって前記外皮材を前記載置部材に押圧する工程、
(c)前記ノズル部材から内材を吐出して前記外皮材を前記開口部の下側へ膨張するとき、前記載置部材の下側に前記載置部材に対して上下動可能に備えた昇降支持手段によって前記外皮材の底部を支持する工程、
(d)前記内材の吐出が終了し前記ノズル部材が相対的に上昇した後に、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集め、この寄せ集めた部分を封着手段によって封着する工程、
の各工程を備えていることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の包被食品の製造方法において、前記封着手段によって封着した封着部を包被食品に押圧し押し潰す工程を備えていることを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の包被食品の製造方法において、前記封着部の押し潰しは、前記封着手段に対して前記昇降支持手段を相対的に上下動して前記封着部を前記封着手段に押し付けることによって行うことを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項4】
請求項1,2又は3に記載の包被食品の製造方法において、外皮材を下側へ膨張するとき、前記昇降支持手段は外皮材の底部に常に接触した状態を保持して相対的に次第に下降することを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の包被食品の製造方法において、前記ノズル部材から前記外皮材への内材の吐出終了時に、ノズル部材内に備えた気体噴出手段から気体を噴出して、前記ノズル部材における内材吐出口内の内材を前記外皮材内へ噴出することを特徴とする包被食品の製造方法。
【請求項6】
外皮材でもって内材を包み込んだ包被食品を製造するための包被食品製造装置であって、開口部を備えた載置部材と、前記開口部を覆うように前記載置部材上に偏平状の外皮材を移送する外皮材移送手段と、前記載置部材上に移送された外皮材に対して内材を吐出供給する内材吐出口を下端部に備えかつ前記開口部の上方位置において相対的に上下動可能に備えられたノズル部材と、当該ノズル部材の相対的な下降時に前記外皮材を前記載置部材に押圧すべく前記ノズル部材の周囲に備えられた環状の封止部材と、前記ノズル部材から内材を吐出して前記外皮材を前記開口部の下側へ膨張するとき、前記外皮材の底部を常に支持するために上下動可能に備えられた昇降支持手段と、前記内材の吐出が終了し前記ノズル部材が相対的に上昇した後に又は上昇するときに、前記外皮材の周縁部を中央部に寄せ集め、この寄せ集め部分を封着するための封着手段と、を備えていることを特徴とする包被食品製造装置。
【請求項7】
請求項6に記載の包被食品製造装置において、前記包被食品に形成された封着部を閉じた状態の前記封着手段に押し付けて押し潰すために、前記封着手段の開閉動作及び包被食品を支持した前記昇降支持手段の相対的な上下動を制御するための制御手段を備えていることを特徴とする包被食品製造装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の包被食品製造装置において、前記ノズル部材からの内材の吐出終了時に、前記ノズル部材における内材吐出口内の内材を噴出するための気体噴出手段を前記ノズル部材内に備えていることを特徴とする包被食品製造装置。
【請求項9】
請求項6,7又は8に記載の包被食品製造装置において、前記ノズル部材から内材を吐出して前記外皮材を下側へ膨張するとき、前記昇降支持手段は前記外皮材における底部との接触を常に保持して下降する構成であることを特徴とする包被食品製造装置。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載の包被食品製造装置において、前記封着手段は、前記載置部材に備えた前記開口部の中心と前記外皮材の中心とを一致せしめるための調心機能と、外皮材の寄せ集め部を封着するための封着機能との2つの機能を備えていることを特徴とする包被食品製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−178391(P2008−178391A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317398(P2007−317398)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】