説明

包装体用雰囲気改良性テープ、雰囲気改良性テープ付包装体、および雰囲気改良性テープ付包装容器

【課題】雰囲気改良物質の誤使用、投入漏れが起こらず、包装材料を字湯に選択でき、環境への負荷のない包装体用雰囲気改良性テープを提供することにある。
【解決手段】包装体用雰囲気改良性テープ10は、内側の矩形状の雰囲気改良層10Aおよび雰囲気改良層10Aを囲む外側の熱可塑性樹脂層10Bから構成される。雰囲気改良層10Aは、雰囲気改良性を有する物質を含有している。雰囲気改良性物質としては、熱可塑性ポリエチレンオキシドを採用している。熱可塑性樹脂層10Bの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン LLDPE)を採用している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体用雰囲気改良性テープ、雰囲気改良性テープ付包装体、および雰囲気改良性テープ付包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食品や医薬品の吸湿を防ぐために包装内に乾燥剤を入れたり、衣料品の虫害やダニ害を防ぐため防虫剤を同封したりしている。また、工業部品の金属部分の錆びを防止するために工業部品の包装内に防錆剤を同封することも行われている。以上のように各種包装内を適切な状態に保つために、各種雰囲気改良物質が用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、雰囲気改良物質を封入してある小袋を商品を包装する包装袋に入れた場合に、包装袋内に小袋が固定されていないと、商品と混在して違和感を与えたり、場合によっては誤って用いられたりすることがあるという問題がある。また、個別に小袋等により包装袋に投入するので手間がかかり、さらに、小袋の投入漏れが生ずる場合がある。例えば、防錆剤では、不織布に揮発性防錆剤を含有させた防錆シートが提案されている(特開平5−65168号公報)。しかし、これらのシートは、上記の誤使用の問題を解決する為に、袋を形成するシートに薬剤をコートして雰囲気改良を行おうとするため、コートし易いシートの材料を選定しなければならず、包装材料の選定に制限が生じ強度面や透明性等の包装資材としての機能が犠牲となる問題がある。さらに、製造時のロスに薬剤も含まれているので、環境汚染など環境への負荷を生ずるという問題もある。
【0004】
また、袋の開封部に雄部材及び雌部材よりなる帯状の咬合具(嵌合具)を設けることにより、開閉自在とした袋(チャック袋)が食品、医薬品、雑貨等の多くの分野で使用されている。
ここで、雄部材は、開口部近傍の袋内面部分にヒートシール等で溶着される帯状基部と、この帯状基部に突設され、先端が膨出する断面で、帯状基部の延出方向に沿って延びる雄咬合部と、を含んで構成される。
【0005】
雌部材も同様に、帯状基部と、雄咬合部の先端膨出部分と咬合する湾曲状の断面で、帯状基部の延出方向に沿って延びる雌咬合部と、を含んで構成される。
以上のような咬合具を備えた袋においても上記と同様の問題がある。
【0006】
本発明の目的は、雰囲気改良物質の誤使用、投入漏れが起こらず、包装材料を自由に選択でき、環境への負荷のない包装体用雰囲気改良性テープ、雰囲気改良性テープ付包装体、および雰囲気改良性テープ付包装容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達するために、本発明の包装体用雰囲気改良性テープは、雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層と、雰囲気改良物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、前記雰囲気改良層および前記熱可塑性樹脂層は、前記雰囲気改良層を芯部、前記熱可塑性樹脂層を鞘部とし、前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有する状態の芯鞘構造に多層異形押し出しによる押し出し成形により形成され、前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、吸着剤の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0008】
ここで、包装体用雰囲気改良性テープの雰囲気改良層は、雰囲気改良物質を有する物質を含有している。雰囲気改良物質としては、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、吸着剤等が挙げられる。
吸水材としては、ポリアクリル酸塩、酢酸ビニル・アクリル酸塩共重合体、架橋ポリビニルアルコール変性物、極細吸水性アクリル繊維、熱可塑性ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
乾燥剤としては、酸化カルシウム、アルミナ乾燥剤、シリカゲル、マグネシウム塩、ゼオライト等が挙げられる。
【0009】
揮発性抗菌剤としては、イソチアン酸化合物、ヒノキチオール、タケ抽出オイル、シソ抽出オイル、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。
揮発性防黴剤としては、有機スズ化合物、有機硫黄化合物、塩素系化合物、フェノール系化合物、チモール等が挙げられる。
【0010】
揮発性防ダニ剤としては、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、フェノトフラメトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、トラロメスリン、エンペントリン、DDVP、フェニオチン、テメホス、ジフルベンズロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、ハッカ油等が挙げられる。
揮発性防虫剤としては、クレゾール、o−フェニルフェノール、パラチオン、イミダゾール等が挙げられる。
【0011】
脱臭剤としては、シリカゲル、活性アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ゼオライト等が挙げられる。
揮発性防錆剤としては、二環のベンゾアゾール化合物、単環のイミダゾール、トリアゾール、ロジン、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息香酸、カブリル酸、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロアンモニウム、ニトリット等が挙げられる。
【0012】
揮発性動物忌避剤としては、ピレトリン、ロテノン、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、サイバーメトリン、アルファサイバーメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、メントール、ヒノキオイル、スギオイル、ヒバオイル、ジチオカルバモリルジスルファイド系化合物、シンナミックアルデヒド、リナロール等が挙げられる。
【0013】
吸着剤としては、酸化カルシウム、アルミナ乾燥剤、シリカゲル、マグネシウム塩、ゼオライト等が挙げられる。
【0014】
雰囲気改良物質の形態としては、雰囲気改良物質が熱可塑性樹脂中に混練されている場合、雰囲気改良物質が熱可塑性樹脂層が不織布等の場合には、熱可塑性樹脂層にすき込まれている場合、雰囲気改良物質が繊維状、粒子状で存在する場合、雰囲気改良物質が、繊維に含浸されている場合、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂パウダーとのブレンド等、種々の形態が採用できる。
【0015】
熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンの少なくともいずれか1つを含むことが好ましく、より好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンである。
熱可塑性樹脂層の形態としては、樹脂状、シート状、不織布状、合成紙等、種々の形態を採用できる。
【0016】
包装体用雰囲気改良性テープの製造方法としては、多層共押出し法、多層異形押し出し法、熱可塑性樹脂のチューブに雰囲気改良物質を充填し、熱ロールなどで熱圧着する方法、熱可塑性樹脂からなる不織布や織布の繊維の間に、雰囲気改良物質を充填し、熱可塑性樹脂のシート等で被覆し熱圧着したり、熱可塑性樹脂のチューブに挿入する方法等、種々の方法を採用できる。
【0017】
包装体用雰囲気改良性テープの形状としては、特に制限はないが、通常、長尺な矩形状である。また、断面の形態としては、前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有する形態であればよく、例えば、矩形状の雰囲気改良層が完全に熱可塑性樹脂層に覆われている形態、円形の雰囲気改良層のまわりがドーナツ形の熱可塑性樹脂層に覆われている形態等、種々の形態を採用できる。
完成した包装体用雰囲気改良性テープの状態としては、電線のようにドラムに巻かれた状態、ダンボール箱にバラで入れられた状態等が挙げられる。
【0018】
このような本発明によれば、テープ形状であることにより、容易に包装袋等の包装体への固定ができるから、包装される製品等との混同を生じないので、雰囲気改良物質の誤使用がない。
また、小袋等のように別体ではなく、包装体の製造段階で包装体への固定ができるので、雰囲気改良物質の投入漏れがない。
さらに、包装材料に雰囲気改良物質を添加せず、包装体用雰囲気改良性テープを別にシート等の包装材料に固定して使用することができるから、雰囲気改良物質と包装材料の組合せを考慮する必要がないので、包装袋等の包装体の包装材料を自由に選択できる。
そして、雰囲気改良物質が含まれているのはテープの部分のみのため、包装体製造時のロスを少なくできるので、環境への負荷がない。
また、前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有することにより、包装体用雰囲気改良性テープから雰囲気改良物質が漏れ出すことがないので、包装体内の製品等を汚染することもない。
【0019】
本発明の包装体用雰囲気改良性テープでは、前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物であることが好ましい。
これによれば、前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物である場合、吸収速度は粉体の場合より劣るが、耐水性が向上し、お粥等の水物レトルト食品の包装の用途に好適である。
【0020】
本発明の包装体用雰囲気改良性テープでは、前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、吸着剤の少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
これによれば、各種用途に応じて雰囲気改良性物質を採用すればよいので、様々な用途の包装体用雰囲気改良性テープとすることができる。
【0021】
本発明の雰囲気改良性テープ付包装体は、シートの周縁を接着して構成され、内容物への通気を遮断する雰囲気改良性テープ付包装体であって、前記シートの内面には、前述の包装体用雰囲気改良性テープが、前記雰囲気改良性テープ付包装体形成時に連続的に熱接着されていることを特徴とする。
【0022】
ここで、シートは、雰囲気改良物質の種類により適宜選択できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール等の少なくともいずれか1つからなるシート、または、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させたものからなるシート等、種々のものを採用できる。
【0023】
具体的なシートの構成としては、高密度ポリエチレンの単層品、ポリプロピレンの単層品、ポリエチレンテレフタレート/キャストポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/直鎖型低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させた層/ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン、ナイロン/直鎖型低密度ポリエチレン等が挙げられ、前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が挙げられる。
【0024】
なお、ここでいうシートとは、比較的厚さの薄いフィルムも含む概念である。
形成される包装体の形態としては、縦ピロー袋、横ピロー袋、四方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、自立袋、折箱等種々の形態の包装体を採用できる。
【0025】
包装体の製造方法としては、例えば、包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されている長尺帯状のシートと、包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されていないシートとを包装体用雰囲気改良性テープが包装体の内側になるように重ね合わせて熱接着して、袋状に形成する方法等が挙げられる。また、装着方法としては、ロール形態となっている長尺帯状のシートを繰り出し、包装体用雰囲気改良性テープを平行させて繰り出し、熱接着する方法等が挙げられる。
【0026】
このような本発明によれば、前記シートの内面には、前述の包装体用雰囲気改良性テープが、前記雰囲気改良性テープ付包装体形成時に連続的に熱接着されていることにより、雰囲気改良層を有するシートそのものを包装体として製造するのと比較して、包装体内に包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されているだけなので、無駄がなく、低コストであり、また、包装体に容易に雰囲気改良性能を付与することができる。
また、包装体用雰囲気改良性テープがシートに熱接着されているため、接着剤、粘着剤等で貼り付けた場合と比較して、臭気の発生がなく、耐熱性もあるためボイル、レトルト等にも対応できる。
【0027】
本発明の雰囲気改良性テープ付包装容器は、開口縁に剥離可能な表面層が形成された多層シートを成形してなる成形容器と、前記成形容器開口縁に沿って熱接着される蓋材とを備えた雰囲気改良性テープ付包装容器であって、前記蓋材は、該内面に前述の包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されており、前記包装体用雰囲気改良性テープを介在して、前記成形容器と接着され、前記蓋材を剥離した際に、前記表面層と一緒に剥離されることを特徴とする。
【0028】
このような本発明によれば、前記蓋材は、該内面に前述の包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されていることにより、雰囲気改良層を有するシートを蓋材として製造するのと比較して、蓋材と包装体用雰囲気改良性テープは別体なので、包装容器に容易に雰囲気改良性能を付与することができる。
また、前記蓋材は、前記包装体用雰囲気改良性テープを介在して、前記成形容器と接着され、前記蓋材を剥離した際に、前記表面層と一緒に剥離されることから、雰囲気改良層を露出させることなく蓋材を成形容器から剥離することができるので、雰囲気改良物質を漏らすことがない。
【0029】
本発明の関連発明である咬合具は、咬合し合う雄部材と雌部材とからなる咬合具であって、前記雄部材および雌部材は、それぞれ帯状基部と、咬合機能を有する咬合部とを有し、前記帯状基部および/または前記咬合部に、雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層を備えることを特徴とする。
【0030】
ここで、帯状基部とは、板状の形状をした部分をいう。
また、この帯状基部には、同一面状に、咬合部が形成されている。咬合部は、雄部材と雌部材とでは、形状が異なり、雄部材の場合には、例えば、その形状は、断面ハート形であり、雌部材の場合には、例えば、その形状は、断面円弧状である。これら雄部材の咬合部と雌部材の咬合部が、咬合し合うようになっている。
【0031】
これら雄部材と雌部材が一対となって、本発明の咬合具となる。この咬合具は、金型を用いて、押し出し成形により、製造される。また、この咬合具の材質は、ポリオレフィンが採用でき、例えば、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等である。
【0032】
これによれば、前記帯状基部および/または前記咬合部に、雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層を備えることにより、包装体内の雰囲気を改善しつつ、包装体の再開閉ができるので、複数回利用する用途に好適である。
また、別途包装体用雰囲気改良テープを貼ることがなく、咬合具を貼り付けるだけでよいので、製造が容易である。
【0033】
本発明の関連発明である咬合具では、前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物であることが好ましい。
これによれば、前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物である場合、吸収速度は粉体の場合より劣るが、耐水性が向上し、お粥等の水物レトルト食品の包装の用途に好適である。
【0034】
本発明の関連発明である咬合具では、前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、脱酸素剤、吸着剤の少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
これによれば、各種用途に応じて、雰囲気改良性物質を採用すればよいので、様々な用途の咬合具とすることができる。
【0035】
本発明の関連発明である咬合具付包装体は、シート周縁を溶着して構成され、内容物への通気を遮断する咬合具付包装体であって、前記シートの内面には、請求項8から請求項10のいずれかに記載の咬合具が熱溶着されていることを特徴とする。
【0036】
ここで、咬合具付包装体の包装袋としては、基材層のみの単層構造、または基材層および前記咬合具と融着するシーラント層からなる二層構造のどちらかのシートを袋状に加工したものを採用することができる。
【0037】
基材層の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、NY(ナイロン)、CPP(キャストポリプロピレン)等を採用することができる。
シーラント層の材質としては、咬合具と同様の材質であれば、熱溶着がしやすいので、ポリオレフィンが好ましく、例えば、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等である。 包装袋となるシートの製造方法としては、基材層となるシートをキャスティング法、溶融押出法、カレンダ法等、公知の方法を採用できる。
【0038】
また、ニ層構造のシートを製造する場合には、前述のように、基材層となるシートを成形した後、基材層となるシート上に押出ラミネート、ドライラミネート等、公知の方法によりシーラント層となる層を積層する。
【0039】
前述のようにして得られた、単層構造のシートまたは、二層構造のシートに咬合具をヒートシール等の方法で熱溶着する。具体的には、例えば、二枚の矩形状のシートにこの咬合具が、包装袋内面になるように咬合具をヒートシールで融着する。この際、咬合具は、シートの一辺に近い方に融着され、他の三辺をヒートシールで融着することにより、二枚の矩形状のシートは袋状になる。
このような本発明によれば、前述と同様の作用・効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
[1]包装体用雰囲気改良性テープ
図1には、本発明の第1実施形態に係る長尺の包装体用雰囲気改良性テープ10の断面形状が示されている。
包装体用雰囲気改良性テープ10は、内側の矩形状の雰囲気改良層10Aおよび雰囲気改良層10Aを囲む外側の熱可塑性樹脂層10Bから構成される。この他に断面の形態としては、雰囲気改良層10Aが一方向のみ露わになっている形態(図2(A)参照)、円形の雰囲気改良層10Aのまわりがドーナツ形の熱可塑性樹脂層10Bに覆われている形態(図2(B))、雰囲気改良層10A上に、熱可塑性樹脂層10Bが積層している形態(図2(C))、雰囲気改良層10Aが2つの熱可塑性樹脂層10Bに挟まれて積層している形態(図2(D))、等、種々の形態を採用できる。
ここで、包装体用雰囲気改良性テープ10の厚さをT1、幅をW1とし、雰囲気改良層10Aの厚さをT2とする。また、熱可塑性樹脂層10Bの厚さをT3とする。
【0041】
雰囲気改良層10Aは、雰囲気改良性を有する物質を含有している。雰囲気改良物質としては、本実施形態では、吸水材を含有している。吸水材としては、本実施形態では、熱可塑性ポリエチレンオキシドを採用している。他には、ポリアクリル酸塩、酢酸ビニル・アクリル酸塩共重合体、架橋ポリビニルアルコール変性物、極細吸水性アクリル繊維等が挙げられる。
【0042】
熱可塑性樹脂層10Bの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン LLDPE)を採用している。その他、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン等、またはこれらの混合物を採用できる。熱可塑性樹脂層10Bの形態としては、樹脂状を採用している。その他、シート状、不織布状、合成紙等、種々の形態を採用できる。
【0043】
[2]包装体用雰囲気改良性テープの製造方法
包装体用雰囲気改良性テープ10の製造方法としては、雰囲気改良層10Aおよび熱可塑性樹脂層10Bを構成する材料を単軸押し出し機2台からなる多層異形押し出し装置を用いた多層異形押し出し法により押し出し成形を行い、図1の包装体用雰囲気改良性テープ10を成形している。多層異形押し出し装置の単軸押し出し機のスクリュー径は、それぞれ、30mmφ、40mmφである。
【0044】
[3]包装体
図3、4には、本発明の第1実施形態に係る矩形状の2枚のシート30を含んで構成される雰囲気改良性テープ付き包装体である包装体1が示されている。包装体1は、2枚のシート30、30と、包装体用雰囲気改良性テープ10と、を備えて構成されている。シート30、30が重ね合わさって、短辺側の1辺が開口部20となり、残りの3辺がヒートシール部21となる。包装体用雰囲気改良性テープ10は、開口部20と反対側の短辺側近傍に、開口部20と平行に、包装体1の内面に貼着されている。包装体用雰囲気改良性テープ10は、開口部20と直交するヒートシール部21と交わる部分にある超音波シール部23に接着されている。
【0045】
また、シート30の構成としては、本実施形態では、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層品を採用している。その他、高密度ポリエチレンの単層品、ポリプロピレンの単層品、ポリエチレンテレフタレート/キャストポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ナイロン/直鎖型低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン/ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートに酸化ケイ素や酸化アルミ等の無機物を蒸着させた層/ポリオレフィン系樹脂、ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン、ナイロン/直鎖型低密度ポリエチレン等が挙げられ、前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等が挙げられる。
【0046】
[4]包装体1の製造方法
図5を参照して、包装体1の製造方法について説明する。
まず、2枚のシート30(厚さ40μm、幅400mm)を連続的に製袋機(図示略)に供給するとともに、包装体用雰囲気改良性テープ10も製袋機に供給する。包装体用雰囲気改良性テープ10を、1枚のシート30に製袋機に内蔵される加熱ロールにより、シート30と同じ長さで、シート30の長手方向(シート30の流れ方向)と平行になるようにインパルスシールで接着する(テープ接着工程、図5(A))。なお、インパルスシールの他、加熱ロール等を用いて加熱して、熱接着してもよい。
【0047】
包装体用雰囲気改良性テープ10が接着されたシート30に、包装体用雰囲気改良性テープ10上からもう1枚のシート30を重ね会わせる。包装体1の開口部20の長さの間隔で、包装体用雰囲気改良性テープ10を介在させて、雰囲気改良性テープ10とシート30が重なる部分を超音波シールにより、超音波シール部23を形成し、熱接着する。
【0048】
その後、シート30の長手方向とは垂直な方向に包装体1の短辺の長さに区画し、超音波シール部23も含む区画部22を形成する。そして、この区画部22および包装体1の開口部20となる短辺に対向する短辺を含んでコ字形に連続的にヒートシールを行う(シート接着工程、図5(A)、(B))。
コ字形に連続的にヒートシールしたシート30、30を、区画部22の中心線に沿って切断する(シート切断工程、図5(C))。
【0049】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)包装体用雰囲気改良性テープ10は、テープ形状であることにより、容易に包装体1への固定ができるから、包装される製品等との混同を生じないので、雰囲気改良物質の誤使用がない。また、小袋等のように別体ではなく、包装体1の製造段階で、包装体1への固定ができるので、雰囲気改良物質の投入漏れがない。さらに、シート30に雰囲気改良物質を添加せず、包装体用雰囲気改良性テープ10を別にシート等の包装材料に固定して使用することができるから、雰囲気改良物質と包装材料のシート30の組合せを考慮する必要がないので、包装体1の包装材料を自由に選択できる。そして、雰囲気改良物質が含まれているのは、雰囲気改良性テープ10の部分のみのため、包装体1製造時のロスを少なくできるので、環境への負荷がない。また、雰囲気改良層10Aが、熱可塑性樹脂層10Bに被覆された断面を有することにより、包装体用雰囲気改良性テープ10から雰囲気改良物質が漏れ出すことがないので、包装体1内の製品等を汚染することもない。
【0050】
(2)シート30の内面には、包装体用雰囲気改良性テープ10が、包装体1形成時に連続的に熱接着されていることにより、雰囲気改良層10Aを有するシートそのものを包装体として製造するのと比較して、包装体1内に包装体用雰囲気改良性テープ10が熱接着されているだけなので、無駄がなく、低コストであり、また、包装体1に容易に雰囲気改良性能を付与することができる。
また、包装体用雰囲気改良性テープ10がシート30に熱接着されているため、接着剤、粘着剤等で貼り付けた場合と比較して、臭気の発生がなく、耐熱性もあるためボイル、レトルト等にも対応できる。
【0051】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡略する。
【0052】
[1]包装体用雰囲気改良性テープ
第2実施形態に係る包装体用雰囲気改良性テープ10は、雰囲気改良層10Aが2つの熱可塑性樹脂層10Bに挟まれて積層している断面形状の形態(図2(D))を採用している点のみが第1実施形態の包装体用雰囲気改良性テープ10と異なる。
【0053】
また、雰囲気改良層10Aは、雰囲気改良物質としては、本実施形態では、揮発性防錆剤を採用している点も異なる。揮発性防錆剤としては、安息香酸を採用している。他には、二環のベンゾアゾール化合物、単環のイミダゾール、トリアゾール、ロジン、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、カブリル酸、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロアンモニウム、ニトリット等が挙げられる。
【0054】
[3]包装容器2
包装容器2は、図6に示されるように、蓋材40と、成形容器50と、を備えて構成される。円形の蓋材40は包装容器2の蓋となり、円形の周縁部分が成形容器50に接着され、基材シート41および基材シート41の裏面中央部に貼着される包装体用雰囲気改良性テープ10から構成される。基材シート41は、外側より、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン/エチレン−ビニルアルコール共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンで構成されている。包装体用雰囲気改良性テープ10は、基材シート41の円形の裏面に接着されている。
【0055】
成形容器50は、円形状の底面部51の周囲から立ち上げて形成された側面部52と、この側面部52に囲まれた上端に形成される開口部53と、この開口部53の周縁から外側に延出されたフランジ部54と、を備えて構成されている。
側面部52は、開口部53から底面部51に向かい縮径するテーパー状に形成されている。
【0056】
ここで、成形容器50は、内面から剥離層50A、基材層50B、接着層50C、ガスバリア層50D、接着層50E、基材層50Fの多層シートを重ね合わせた構造とされている。この多層シートは、剥離層50A側より、剥離層:高密度ポリエチレン/基材層:ポリプロピレン/接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン/ガスバリア層:エチレン−ビニルアルコール共重合体/接着層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン/基材層:ポリプロピレンから構成されている。
【0057】
[4]包装容器2の製造方法
図6を参照して、包装容器2の製造方法について説明する。まず基材となる基材シート41の裏面の中央部に包装体用雰囲気改良性テープ10を連続的に加熱ロールにより熱接着する。次に、成形容器50のフランジ部54に包装体用雰囲気改良性テープ10が対応するように蓋材40を位置調整し、ヒートシールにより密閉し、その後、容器円周に沿って円形に打ち抜く。
【0058】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果に加えて次のような効果がある。
(3)蓋材40は、内面に包装体用雰囲気改良性テープ10が熱接着されていることにより、雰囲気改良層10Aを有するシートを蓋材として製造するのと比較して、蓋材40と包装体用雰囲気改良性テープ10は別体なので、包装容器2に容易に雰囲気改良性能を付与することができる。
【0059】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態に係る咬合具付包装体3は、図7に示すように、内部に雰囲気改良層を有する咬合具14が開口部20に平行に、包装体3内に貼り付けられている。
【0060】
咬合具14は、図8(a)に示すように、雄部材12および雌部材13からなる。雄部材12は、帯状の帯状基部12Aおよび断面ハート形状の雄型咬合部12Bから構成されている。帯状基部12Aおよび雄型咬合部12Bは、ポリプロピレン樹脂からなる。帯状基部12A内には、断面が被覆されている状態で、雰囲気改良層12Cが形成されている。この雰囲気改良層12Cの雰囲気改良物質は、脱酸素剤である。脱酸素剤としては、鉄、亜鉛等の金属粉である。
【0061】
雌部材13は、帯状の帯状基部13Aおよび断面凹状の雌型咬合部13Bから構成されている。帯状基部13Aおよび雌型咬合部13Bは、ポリプロピレン樹脂からなる。帯状基部13A内には、断面が被覆されている状態で、雰囲気改良層13Cが形成されている。この雰囲気改良層13Cの雰囲気改良物質は、脱酸素剤である。脱酸素剤としては、鉄、亜鉛等の金属粉である。
【0062】
なお、図8(a)では、雄部材12の開口部20の帯状基部12A内および雌部材13の開口部20の反対側の13A内に雰囲気改良層12C、13Cが形成されている。
また、図8(b)に示すように、雄部材12の雄型咬合部12Bの直下の帯状基部12A内および雌部材13の雌型咬合部13Bの直下の帯状基部13A内に雰囲気改良層12C、13Cが形成されている形態にしてもよい。
また、図7に示すように、包装体3の開口部20側がヒートシール部25として密封されている点も異なる。
【0063】
さらに、図8(c)に示すように、雄部材12および雌部材13の咬合部12B、13Bの内部に雰囲気改良層12D、13Dが形成されている形態にすることにより、脱酸素機能をより一層向上させ、咬合具付包装体3内の内容物の腐敗防止を一層向上させることができる。
【0064】
咬合具付包装体3は、シート30、30が重ね合わさって、短辺側の1辺が開口部20となり、残りの3辺がヒートシール部21となる。シート30は、平面矩形状であり、その材質は、NY(ナイロン)とLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)との二層構造である。
【0065】
咬合具付包装体3は、以下の手順で、製造される。
まず、この咬合具14は、前述したような形状になるように、金型を用いて、共押し出し成形により、製造される。また、この咬合具14の材質は、ポリプロピレン樹脂である。
【0066】
次に、咬合具14は、シート30の一辺側にヒートシールで熱溶着される。そして、咬合具14がそれぞれ融着された2枚のシート30、30は、残りの3辺は、ヒートシールで熱溶着され、封止される。
その後、使用する際には、咬合具付包装体3内に、包装される内容物を収納し、その後、咬合具14を咬合した後、開口部20がヒートシールされ、ヒートシール部25となり、咬合具付包装体3は完全に密閉される。
【0067】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果に加えて次のような効果がある。
(4)帯状基部12A、13Aが、それぞれ雰囲気改良層12C、13Cを有しているので、包装体用雰囲気改良性テープを別に接着することなく脱酸素機能を容易に付加できる。
また、咬合具付包装体3の再開閉ができるので、複数回利用する用途に好適である。
【0068】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
例えば、雰囲気改良物質としては、吸水材、乾燥剤、揮発性防錆剤、脱酸素剤の他に、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性動物忌避剤、吸着剤等が挙げられ、これらの混合物でもよい。
【0069】
揮発性抗菌剤としては、イソチアン酸化合物、ヒノキチオール、タケ抽出オイル、シソ抽出オイル、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。
揮発防黴剤としては、有機スズ化合物、有機硫黄化合物、塩素系化合物、フェノール系化合物、チモール等が挙げられる。
【0070】
揮発性防ダニ剤としては、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、フェノトフラメトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、トラロメスリン、エンペントリン、DDVP、フェニオチン、テメホス、ジフルベンズロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、ハッカ油等が挙げられる。
揮発性防虫剤としては、クレゾール、o−フェニルフェノール、パラチオン、イシダゾール等が挙げられる。
【0071】
脱臭剤としては、シリカゲル、活性アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ゼオライト等が挙げられる。
揮発性防錆剤としては、二環のベンゾアゾール化合物、単環のイミダゾール、トリアゾール、ロジン、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息香酸、カブリル酸、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロアンモニウム、ニトリット等が挙げられる。
【0072】
揮発性動物忌避剤としては、ピレトリン、ロテノン、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、サイバーメトリン、アルファサイバーメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、メントール、ヒノキオイル、スギオイル、ヒバオイル、ジチオカルバモリルジスルファイド系化合物、シンナミックアルデヒド、リナロール等が挙げられる。
吸着剤としては、酸化カルシウム、アルミナ乾燥剤、シリカゲル、マグネシウム塩、ゼオライト等が挙げられる。
【0073】
また、包装体用雰囲気改良性テープ10、咬合具14の製造方法としては、前記各実施形態では多層異形押し出し法を採用していたが、これに限られず、熱可塑性樹脂のチューブに酸素吸収性物質を充填し、熱ロールなどで熱圧着する方法、熱可塑性樹脂からなる不織布や織布の間に酸素吸収物質を充填し、熱可塑性樹脂のシート等で被覆し熱圧着したり、熱可塑性樹脂のチューブに挿入する方法等、種々の方法も採用できる。
【0074】
包装体1、3の形態としては、三方シール袋を採用していたが、これに限られず、縦ピロー袋、横ピロー袋、四方シール袋、ガゼット袋、自立袋等種々の形態の包装体も採用できる。
【0075】
包装体用雰囲気改良性テープ10の貼る部分としては、包装体の開口部の対面側の近傍や、包装容器の蓋材裏面部分であったが、これに限られず、包装体の開口部中間部分等任意の部分に貼ることができ、また、包装容器の蓋材全面、包装容器の内面等、任意の部分に貼ることができる。
【0076】
咬合部14内の雰囲気改良層12C、13C、12Dおよび13Dの形成される配置としては、図8(a)、(b)、(c)に示される組合わせに限られず、例えば、咬合部12B、13Bのどちらか一方でもよい。また、帯状基部12A、13Aのどちらか一方の場合は、開口部20の反対側に配置するのが好ましい。
また、咬合具14の材質は、PP(ポリプロピレン)であったが、これに限られず、LDPE(低密度ポリエチレン)やLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を採用してもよい。
【0077】
さらに、シート30の材質は、NY(ナイロン)とLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)であったが、これに限られず、NY(ナイロン)の代わりに、PET(ポリエチレンテレフタレート)、CPP(キャストポリプロピレン)等を採用でき、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の代わりに、LDPE(低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等を採用できる。
【0078】
また、単層の場合は、PET(ポリエチレンテレフタレート)やCPP(キャストポリプロピレン)を採用してもよい。
その他、本発明を実施する際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造等としてもよい。
【0079】
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
【0080】
[実施例1]
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ10(吸水性)を製造した。
多層異形押し出し装置の単軸押し出し機のスクリュー径は、それぞれ、30mmφ、40mmφであった。
雰囲気改良層10A:熱可塑性ポリエチレンオキシド(住友精化(株)製、アクアコーク)
熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレン0238CN)
【0081】
生産速度は、25m/min(吐出量13kg/hour)であった。
包装体用雰囲気改良性テープ10の厚さT1 :300μm
包装体用雰囲気改良性テープ10の幅W1 :30mm
雰囲気改良層10Aの厚さT2 :200μm
熱可塑性樹脂層10Bの厚さT3 :50μm
【0082】
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体1を製造した。
シート30の構成:LLDPE(出光ポリエチレン0238CN)
超音波シール23の大きさ:40mm×20mm
超音波シール23のピッチ:300mm
開口部20の反対側のヒートシール部21の幅:10mm幅
開口部20の直交する辺のヒートシール部21の幅:30mm幅
なお、実施例1のみ、包装体用雰囲気改良性テープ10に直径2mmの孔を縦横5mm間隔で空け、その後、包装体1を成形した。
製袋速度は、包装体用雰囲気改良性テープ10を装着しない場合の製袋速度と同じ速度で製袋され、容易に包装体1が製造できた。
【0083】
完成した実施例1の包装体にトレーストレッチ包装した約200gの生鶏肉を3パック入れ、これら鶏肉パックを立てた状態で30分間放置したが、トレーストレッチから漏洩した肉汁が包装体にとどまることはなく、3パックの生鶏肉トレーを包装体から取り出した時、手が汚れることはなかった。
【0084】
[実施例2]
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ10(防ダニ性)を製造した。
雰囲気改良層10A:LLDPEに、局方ハッカ油を1重量%添加した樹脂、
熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレン0238CN)、
包装体用雰囲気改良性テープ10製造時の異形押し出し後の冷却と引き取りは、水槽を用いた水冷であり、ハッカ油の臭気発生はなく、ハッカ油の臭気は、原料投入ホッパーから発生した。しかし、押し出し装置が小型であるため、装置の原料ホッパー上に排気ダクトを設置するのみで臭気の問題は容易に解決した。
【0085】
包装体1のシート30は、1000mm幅であり、O−ナイロン/LLDPE(15μm/60μm)である。また、1200mm間隔でヒートシールした部分の中央部を切断して1000mm×1200mmの包装体を得た。その他の条件は、実施例1と同様である。
【0086】
上記の実施例2の条件で製造した包装体に、コナヒョウヒダニ30個体をろ紙で包み、逃げ出さないようにろ紙を折り曲げた。これを2回折り畳んだ布団の中央部に挿入し、実施例2の包装体に布団を入れて、袋の開口部を嵌合治具(クリップ)で密封した。室温に3日間放置した後、包装体を開封してダニの状態を観察した結果、30個体全数が死滅していた。
【0087】
[実施例3]
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ10(抗菌性)を製造した。
雰囲気改良層10A:LLDPEに、ヒノキチオール(高砂香料(株))を微粉化したものを0.2重量%添加した樹脂、
熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレン0238CN)、
包装体用雰囲気改良性テープ10製造時の異形押し出し後の冷却と引き取りは、水槽を用いた水冷であり、ヒノキチオールの蒸気の発生は少なく、原料投入ホッパーから発生するヒノキチオールの蒸気は、ホッパー上に排気ダクトを設置し、その排気は脱臭装置(呉羽テクノエンジ(株)製 GASTAK HSタイプ)を通して、ヒノキチオールの蒸気が大気中へ流出しないようにした。発生したヒノキチオールの処理は、押し出し装置が小型であるため、容易に実施することができた。
【0088】
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体1を製造した。
シート30の構成:O−ナイロン/LLDPE(15μm/60μm)
超音波シール23の大きさ:35mm×20mm
超音波シール23のピッチ:300mm
開口部20の反対側のヒートシール部21の幅:10mm幅
開口部20の直交する辺のヒートシール部21の幅:20mm幅。
【0089】
普通ブイヨン培地で調整し、1/500に希釈した黄色ブドウ球菌(IFO12732)懸濁液0.4mlをシャーレに入ったブイヨン寒天培地に滴下し、これを寒天培地表面に塗り広げたものを用意した。
以上のように、黄色ブドウ球菌を塗布したシャーレを実施例3で製造した包装体1で包装し、開口部20をインパルスシーラーで密封した。35℃、5日間の間に、黄色ブドウ球菌のコロニーは発現しなかった。
【0090】
[実施例4]
雰囲気改良層10AにLLDPEに、オルトフェニルフェノールを0.2重量%添加した樹脂を用いた以外は、実施例3と同様にして、包装体用雰囲気改良性テープ10(防黴性)を製造した。
その他の条件は実施例3と同様にして、包装体1を製造した。
【0091】
実施例4で得た包装体に、温州みかん5個を入れ、包装体の開口部を2箇所書類とじ器で止めた。これを2週間室温で放置したが、目視によっては黴の発現は確認できなかった。
【0092】
[実施例5]
実施例4で得られた包装体を用いて、防虫性能を評価した。
すなわち、1kgの山で集めた腐葉土を実施例4で得られた包装体に充填後、開口部をインパルスシーラーで密封し、室温で暗所に1週間保管した。1週間後に包装体を開封し、腐葉土内の虫の生存状態を目視で調査した結果、生存している虫は見られなかった。
【0093】
[実施例6]
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ10(乾燥および脱臭性)を製造した。
雰囲気改良層10A:PP(以下のPP)40重量%、生石灰30重量%および活性アルミナ30重量%をホットカット方式でペレットとしたもの
熱可塑性樹脂層10B: PP(出光石油化学(株)製、出光ポリプロピレンE−304GP)
断面形態が、図2(D)の包装体用雰囲気改良性テープ10を製造した。また、実施例3において、シート30に、O−ナイロン/LLDPE(15μm/60μm)の代わりに、OPP/CPP(40μm/50μm)を用いた以外は、実施例3と同様である。
【0094】
実施例6で得られた包装体に、乾燥焼き海苔を一畳(10枚)を封入した。この密封包装袋を40℃、相対湿度90%の条件で1週間暗所保管した後、焼き海苔を目視観察したところ、特に変色や、しけは確認できなかった。
同様にして、実施例6で得られた包装体に一夜干しした鰺の開きを2枚入れ、包装体内に空気を残したまま開口部をヒートシールにより密封した。これを冷蔵庫に2週間放置して内容物の異臭を調べた。ほとんど密封前の状態と変わらなかった。
【0095】
[実施例7]
第1実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ10(動物忌避性)を製造した。
雰囲気改良層10A:LLDPEに、シンナミックアルデヒドを1重量%添加した樹脂、
熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレン0238CN)
以上の条件で、実施例2と同様に、図1の断面形状を持つ包装体用雰囲気改良性テープ10を製造した。また、この包装体用雰囲気改良性テープ10を接着した包装体を実施例2と同じ条件で製造した。
【0096】
実施例7で得られた包装体に鰹削り節を50g充填し、包装体の開口部をヒートシールにより密封した。この包装体を開かず、猫に与え、摂食状況を調べたところ摂食しなかった。
【0097】
[実施例8]
第2実施形態において、具体的条件を下記の通りとして包装体用雰囲気改良性テープ10(防錆性)を製造した。
雰囲気改良層10A:LLDPEに、安息香酸を1重量%添加した樹脂、
熱可塑性樹脂層10B: LLDPE(出光ポリエチレン0238CN)
以上の条件で、実施例2と同様に、図1の断面形状を持つ包装体用雰囲気改良性テープ10を製造した。また、この包装体用雰囲気改良性テープ10を接着した包装体を実施例2と同じ条件で製造した。
【0098】
第2実施形態の包装容器を製造した。具体的には、連続カップシーラの蓋材繰り出し部から、幅100mmの蓋材となる基材シート41(ポリエチレンテレフタレート(12μm)/ナイロン(15μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(12μm)/直鎖状低密度ポリエチレン(50μm))を繰り出し、LLDPE側に包装体用雰囲気改良性テープ10を挿入しながら、加熱ロールで熱接着して行った。成形容器50は、外径80mmΦ、深さ20mmであり、成形容器50内に70mmΦの歯車を充填し、その後、蓋材を成形容器50に熱接着した。成形容器50の層構成は、高密度ポリエチレン(20μm)/ポリプロピレン(150μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(10μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(20μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(10μm)/ポリプロピレン(150μm)であり、総厚みが360μmであった。そして、高密度ポリエチレン(20μm)/ポリプロピレン(150μm)の界面接着強度は、約0.8kg/15mm幅であった。
【0099】
実施例8で得られた包装容器に歯車を充填したまま、40℃、相対湿度90%の条件で2週間放置した後、歯車の錆を確認したが錆は見られなかった。また、蓋材を開封する際に成形容器の高密度ポリエチレン(20μm)/ポリプロピレン(150μm)の界面で高密度ポリエチレン(20μm)が蓋材と共に剥離できるため容易に開封できた。
【0100】
[実施例9]
第3実施形態において、具体的条件を下記の通りとして咬合具14(酸素吸収性)を製造した。
多層異形押し出し装置の単軸押し出し機のスクリュー径は、それぞれ、30mmφ、40mmφであった。
雰囲気改良層12C、13C:ポリプロピレン(出光ポリプロEー170GM)および鉄粉系脱酸素剤(カサ比重2.0以上で比表面積0.5以上の鉄粉と食塩等からなる)が、60:40の重量比のマスターバッチ
帯状基部12A、13Aの熱可塑性樹脂: ポリプロピレン(出光ポリプロEー170GM)
なお、雰囲気改良層12C、13Cの形成される位置は、雄型咬合部12Bおよび雌型咬合部13Bを中心軸として、点対称の位置である。
【0101】
次に、この咬合具14を貼り付けた包装体のシートとしては、300mm幅の2枚のONY/EVOH/LLDPE(15μm/12μm/60μm)を用いた。2枚のシートの内側にこの咬合具14の雄部材12、雌部材13をそれぞれ貼り付けて、加熱ロールで圧着しながら2枚のシートの流れ方向と平行に連続的にそれぞれ熱接着した。次にこの咬合具14を2枚のシートに挟まれるように嵌合させ、咬合具を潰しながら、先端が35mm×20mmの超音波シールを行った。その後は、実施例1と同様に製袋し、包装体3を得た。
【0102】
この雰囲気改良層を有する咬合具の製造は、汎用の機械でよいため、特別な設備は必要なく、酸素吸収性能と再開閉可能な包装体を容易に得ることができた。
また、この包装体に水700ccと空気100ccを充填し、密封した後、90℃、30分間のボイル殺菌を実施した。このボイル済みの包装体3を3日間室温で放置した後、酸素濃度を測定したところ、酸素濃度は0%だった。
【0103】
[比較例1]
包装体用雰囲気改良性テープ10(吸水性)を用いない以外は、実施例1と同様にして包装体を得た。
【0104】
完成した上記の包装体にトレーストレッチ包装した約200gの生鶏肉を3パック入れ、これら鶏肉パックを立てた状態で30分間放置したが、トレーストレッチから漏洩した肉汁が包装体にとどまり、3パックの生鶏肉トレーを包装体から取り出した時、手が汚れた。
【0105】
[比較例2]
包装体用雰囲気改良性テープ10(防ダニ性)を用いない以外は、実施例2と同様にして包装体を得た。
【0106】
上記の条件で製造した包装体に、コナヒョウヒダニ30個体をろ紙で包み、逃げ出さないようにろ紙を折り曲げた。これを2回折り畳んだ布団の中央部に挿入し、包装体に布団を入れて、袋の開口部を嵌合治具(クリップ)で密封した。室温に3日間放置した後、包装体を開封してダニの状態を観察した結果、30個体全数が生存していた。
【0107】
[比較例3]
包装体用雰囲気改良性テープ10(抗菌性)を用いない以外は、実施例3と同様にして包装体を得た。
【0108】
普通ブイヨン培地で調整し、1/500に希釈した黄色ブドウ球菌(IFO12732)懸濁液0.4mlをシャーレに入ったブイヨン寒天培地に滴下し、これを寒天培地表面に塗り広げたものを用意した。
以上のように、黄色ブドウ球菌を塗布したシャーレを上記包装体で包装し、開口部20をインパルスシーラーで密封した。35℃、5日間の間に、黄色ブドウ球菌のコロニーが無数に発現していた。
【0109】
[比較例4]
比較例3と同様にして、包装体を製造した。
【0110】
上記により得られた包装体に、温州みかん5個を入れ、包装体の開口部を2箇所書類とじ器で止めた。これを2週間室温で放置したところ、みかん2個に青カビが発現していた。
【0111】
[比較例5]
比較例3で得られた包装体を用いて、防虫性能を評価した。
すなわち、1kgの山で集めた腐葉土を比較例3で得られた包装体に充填後、開口部をインパルスシーラーで密封し、室温で暗所に1週間保管した。1週間後に包装体を開封し、腐葉土内の虫の生存状態を目視で調査した結果、生存している虫が12匹見られた。
【0112】
[比較例6]
包装体用雰囲気改良性テープ10(乾燥および脱臭性)を用いない以外は、実施例6と同様にして包装体を得た。
【0113】
上記により得られた包装体に、乾燥焼き海苔を一畳(10枚)を封入した。この密封包装袋を40℃、相対湿度90%の条件で1週間暗所保管した後、焼き海苔を目視観察したところ、赤く変色し、しけていた。
同様にして、上記により得られた包装体に一夜干しした鰺の開きを2枚入れ、包装体内に空気を残したまま開口部をヒートシールにより密封した。これを冷蔵庫に2週間放置して内容物の異臭を調べた。揮発性の窒素臭が確認された。
【0114】
[比較例7]
包装体用雰囲気改良性テープ10(動物忌避性)を用いない以外は、実施例7と同様にして包装体を得た。
【0115】
上記により得られた包装体に鰹削り節を50g充填し、包装体の開口部をヒートシールにより密封した。この包装体を開かず、猫に与えたところ、直ちに摂食した。
【0116】
[比較例8]
包装体用雰囲気改良性テープ10(防錆性)を用いない以外は、実施例8と同様にして包装容器を得た。
【0117】
上記により得られた包装容器に歯車を充填したまま、40℃、相対湿度90%の条件で2週間放置した後、歯車の錆を確認したところ、成形容器と歯車が接している部分に茶色の錆が発生していた。
【0118】
[比較例9]
咬合具14に雰囲気改良層を用いない以外は、実施例9と同様にして包装体を得た。また、この包装体に水700ccと空気100ccを充填し、密封した後、90℃、30分間のボイル殺菌を実施した。このボイル済みの包装体を3日間室温で放置した後、酸素濃度を測定したところ、酸素濃度は20.1%だった。
【0119】
[比較例10]
スクリュー径がそれぞれ50mmφ、65mmφ、50mmφの押し出し機3台、900mmTダイおよびエアーナイフ引き取り機が設備された共押し出しTダイキャストシート製造設備にて、3層構造のシートを製造した。このシートの構成は、3台の押し出し機に対応するように、LLDPE/LLDPEに局方ハッカ油を1重量%添加した樹脂/LLDPEである。この後、実施例2と同様に包装体を製造した。
【0120】
実施例2のように包装体用雰囲気改良性テープを用いた場合と比較して、装置が大がかりで樹脂量も多く吐出されるので、臭気の発生がTダイから多く、臭気対策ができなかった。
【0121】
[参考例1]
実施例8と同様に、蓋材を得た。一方、総厚みが340μmのポリプロピレン単層シートから実施例8と同様の成形容器を成形し、実施例8と同様に歯車を充填した。
蓋材を成形容器にシールしたが、素材が異なるため、接着しなかった。
【0122】
[参考例2]
実施例8と同様に、蓋材を得た。一方、総厚みが340μmのポリエチレン単層シートから実施例8と同様の成形容器を成形し、実施例8と同様に歯車を充填した。
蓋材を成形容器にシールしたが、接着強度が強くなりすぎて蓋材が開封できなかった。
【0123】
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例5と比較例5、実施例6と比較例6、実施例7と比較例7、実施例8と比較例8、実施例9と比較例9、をそれぞれ比較して、本発明の包装体用雰囲気改良性テープを用いている各実施例では、雰囲気が改善されていることが確認された。
また、実施例2と比較例10とを比較して、実施例2では、包装体用雰囲気改良性テープを用いているので、雰囲気改良物質が少量で済み、臭気等の問題が発生することがなかった。
【0124】
〔発明の効果〕
本発明によれば、雰囲気改良物質の誤使用、投入漏れが起こらず、包装材料を自由に選択でき、環境への負荷がない。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施形態の包装体用雰囲気改良性テープを示す図である。
【図2】図1の実施形態における包装体用雰囲気改良性テープの断面形態の変形例を示す断面図である(図2(A)〜(D))。
【図3】図1の実施形態における包装体の平面図である。
【図4】図1の実施形態における包装体の断面図である。
【図5】図1の実施形態における包装体の製造工程を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の包装容器を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態の包装体を示す平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態における咬合具を示す断面図である(図8(a)〜(c))。
【符号の説明】
【0126】
1 包装体
2 包装容器
3 咬合具付包装体
10 包装体用雰囲気改良性テープ
10A、12C、13C、12D、13D 雰囲気改良層
10B 熱可塑性樹脂層
12 雄部材
12A、13A 帯状基部
12B 雄型咬合部
13 雌部材
13B 雌型咬合部
14 咬合具
21、25 ヒートシール部
22 区画部
23 超音波シール部
30 シート
40 蓋材
41 基材シート
50 成形容器
50A 剥離層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雰囲気改良物質を含む雰囲気改良層と、雰囲気改良物質を含まない熱可塑性樹脂層とを備え、
前記雰囲気改良層および前記熱可塑性樹脂層は、前記雰囲気改良層を芯部、前記熱可塑性樹脂層を鞘部とし、前記雰囲気改良層が、前記熱可塑性樹脂層に被覆された断面を有する状態の芯鞘構造に多層異形押し出しによる押し出し成形により形成され、
前記雰囲気改良物質は、吸水材、乾燥剤、揮発性抗菌剤、揮発性防黴剤、揮発性防ダニ剤、揮発性防虫剤、脱臭剤、揮発性防錆剤、揮発性動物忌避剤、吸着剤の少なくともいずれか1つを含む
ことを特徴とする包装体用雰囲気改良性テープ。
【請求項2】
請求項1に記載の包装体用雰囲気改良性テープにおいて、
前記熱可塑性樹脂層の熱可塑性樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする包装体用雰囲気改良性テープ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の包装体用雰囲気改良性テープにおいて、
前記雰囲気改良層が、雰囲気改良物質と熱可塑性樹脂との混練物であることを特徴とする包装体用雰囲気改良性テープ。
【請求項4】
シートの周縁を接着して構成され、内容物への通気を遮断する雰囲気改良性テープ付包装体であって、
前記シートの内面には、請求項1から請求項3のいずれかに記載の包装体用雰囲気改良性テープが、前記雰囲気改良性テープ付包装体形成時に連続的に熱接着されていることを特徴とする雰囲気改良性テープ付包装体。
【請求項5】
開口縁に剥離可能な表面層が形成された多層シートを成形してなる成形容器と、前記成形容器開口縁に沿って熱接着される蓋材とを備えた雰囲気改良性テープ付包装容器であって、
前記蓋材は、該内面に請求項1から請求項3のいずれかに記載の包装体用雰囲気改良性テープが熱接着されており、
前記包装体用雰囲気改良性テープを介在して、前記成形容器と接着され、
前記蓋材を剥離した際に、前記表面層と一緒に剥離されることを特徴とする雰囲気改良性テープ付包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−182261(P2007−182261A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42536(P2007−42536)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【分割の表示】特願2002−15764(P2002−15764)の分割
【原出願日】平成14年1月24日(2002.1.24)
【出願人】(500163366)出光ユニテック株式会社 (128)
【Fターム(参考)】